JP6638911B2 - カンチレバー - Google Patents

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Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーに関する。
走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)は、探針と試料との間をナノメートルオーダーの距離に保持し、探針/試料間に生じるトンネル電流または原子間力等の物理量を検出することにより、微細形状の測定を行う。SPMは、原子オーダーの測定分解能を有し、半導体、光ディスクおよび生体試料等の表面形状の計測に利用されている。
日本国特開2005−308675号公報には、支持部と、支持部から延設されたレバー部と、レバー部の自由端側に形成された先端の頂角が鋭角の突起部と、突起部の先端に形成されたカーボンナノファイバ等の細線からなる探針と、を具備する走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーが開示されている。
また、機能性膜を表面に成膜した探針を具備するカンチレバーは、より高機能である。日本国特開2006−84449号公報には、非磁性材料からなる探針の表面に磁性体膜を成膜した磁気力顕微鏡(MFM:Magnetic Force Microscopy)用の探針が開示されている。
しかし、探針の外周面に均一に機能性膜を成膜するには、成膜中に探針を回転する等必要があり、成膜装置の構成が複雑となる。また、探針の外周面に均一に機能性膜を成膜すると、探針の太さに機能性膜の膜厚が加算される。このため、探針の外径が太くなり、分解能が低下する。また、断面が円形の探針の外周面の一部だけに機能性膜を成膜すると、断面の長軸/短軸比が大きくなる。このため、取得された画像は、XY方向(面内方向)での分解能が異なってしまう。
なお、日本国特開2004−150839号公報には、探針先端を低温熱酸化法により尖鋭化したカンチレバーが開示されている。
特開2005−308675号公報 特開2006−84449号公報 特開2004−150839号公報
本発明の実施形態は、面内方向で均一な高い分解能を有する、高機能のカンチレバーを提供することを目的とする。
本発明の実施形態のカンチレバーは、支持部と、前記支持部から延設されたレバー部と、前記レバー部の自由端側に形成された頂角が鋭角の突起部と、前記突起部の先端に形成された細線に機能性膜がコーティングされている探針と、を具備する走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーであって、前記探針の長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比が前記細線の長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比よりも小さい。
本発明の実施形態によれば、面内方向で均一な高い分解能を有する、高機能のカンチレバーを提供できる。
実施形態のカンチレバーの側面図である。 実施形態のカンチレバーの探針の側面図である。 実施形態のカンチレバーの探針の図2のIII−III線に沿った断面図である。 実施形態のカンチレバーの製造方法を説明するための斜視図である。 実施形態のカンチレバーの製造方法を説明するための斜視図である。 実施形態のカンチレバーの製造方法を説明するための斜視図である。 実施形態のカンチレバーの製造装置の模式図である。 実施形態のカンチレバーの製造方法を説明するための斜視図である。 実施形態のカンチレバーの細線の断面図である。 実施形態のカンチレバーの製造方法を説明するための斜視図である。 実施形態のカンチレバーの探針の断面図である。 実施形態の変形例1のカンチレバーの製造方法を説明するための斜視図である。 実施形態の変形例1のカンチレバーの細線の断面図である。 実施形態の変形例1のカンチレバーの探針の断面図である。 実施形態の変形例2のカンチレバーの探針の断面図である。 実施形態の変形例3のカンチレバーの探針の断面図である。 実施形態の変形例4のカンチレバーの探針の断面図である。
<カンチレバーの構成>
図1は実施形態の走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバー1の側面図である。カンチレバー1は、支持部10とレバー部20と突起部30と探針40とを具備する。片持ち梁であるレバー部20は支持部10から延設されている。突起部30は、レバー部20の自由端側に形成されており、先端の頂角が鋭角である。高アスペクト比の探針40は、突起部30の先端に形成されている。支持部10とレバー部20と突起部30とは、例えば、シリコン基板を加工して作製されている。
図2および図3に示すように、探針40は、探針先端から成長形成された一本のカーボンナノファイバ(CNF)である細線41を芯線とし、細線41の側面の一部に機能性膜として磁性体膜42がコーティングされている。
カンチレバー1では、探針40の断面形状の長軸/短軸比(X2/Y2)は、細線41の断面形状の長軸/短軸比(X1/Y1)よりも小さい。例えば、細線41の長軸/短軸比(X1/Y1)は3.0超である。一方、磁性体膜42が成膜されている探針40の長軸/短軸比(X2/Y2)は2.0以下である。なお、細線41の長軸/短軸比(X1/Y1)が2.0超の場合には、探針40の長軸/短軸比(X2/Y2)は1.5以下であることが好ましい。
すなわち細線41の断面形状は円形ではなく、磁性体膜42の成膜により探針40の断面形状は、より等方的になり、真円に近づいている。
探針40の長軸/短軸比(X2/Y2)は理想的には1.0であるが、2.0以下、好ましくは1.5以下であれば実用上、問題になることは少ない。逆に使用条件によっては2.0超であってもよい場合もある。
なお、本明細書において断面は、探針の先端から10nm〜200nmの場所の長手方向に直交する面をいう。長軸/短軸比は、例えば、探針の長手方向に直交する異なる複数の方向から観察したときの幅の最大値/最小値から算出される。磁性体膜42が成膜されている探針40の細線41の断面形状は、ウエットエッチングにより磁性体膜42を選択的に除去することで長軸/短軸比を取得できる。
また、長軸/短軸比は、例えば、細線等を樹脂に埋め込んでから長手方向に直交する面の断面出しを行って観察し算出してもよい。さらに、細線等をミクロトーム法等により薄層化して透過型電子顕微鏡により観察し長軸/短軸比を算出してもよい。
カンチレバー1は、磁性体膜がコーティングされている高機能な探針40を具備する。そして、探針40は断面が略円形、例えば長軸/短軸比(X2/Y2)が2.0以下のため面内方向で均一な分解能を有する。さらに、探針40は細線41の長軸寸法と略同一の外径であるため、高い分解能を有する。すなわち、カンチレバー1は、面内方向で均一な高い分解能を有する。
<カンチレバーの製造方法>
次に、図4A〜図4Cを用いて、実施形態のカンチレバーの製造方法を説明する。
図4Aに示すようなシリコン材料で形成されたカンチレバー1Xを用意する。カンチレバー1Xは、単結晶シリコンウエハを加工して作製した支持部(図示せず)より伸びたレバー部20およびレバー部20の自由端側に配置された突起部30を備えている。突起部30はレバー部20の上面に対して垂直な2面と、角度約55度の(111)面と、からなる、テトラヘドラル型である。
なお、突起部30の先端が、公知の方法、例えば、低温熱酸化処理により尖鋭化されていてもよい。
次に、図4Bに示すように、カンチレバー1Xの表面にスパッタリング法、または蒸着法により、例えばグラファイトからなるカーボン膜35が数nm〜数μm成膜される。カーボン膜35は、広い膜厚範囲で同等の効果が得られる。次に、図4Cに示すように、真空装置内にて、高エネルギービームが照射されると、突起部30の先端から選択的に一本の細線41が成長する。なお、以下の図においては、カーボン膜35の図示は省略する。
図5に示すように、真空装置60は、高エネルギービーム照射用のビーム径が数mm〜数十cmのイオンガン62とステージ61とを含む。イオンガン62のイオン照射方向が細線41を成長させる方向と平行になるように、ステージ61上にカンチレバー1Xが配置される。
アルゴン雰囲気、真空度10−2〜10−8Pa、好ましくは10−3〜10−5Pa、加速電圧0.1keV〜30keV、平均イオン電流密度2μA/cm〜10mA/cm、スパッタ速度は2nm/min〜1μm/min、室温、の条件で、1〜100分のイオン照射により、突起部30より1μm程度の細線41が成長する。すなわち、イオンビーム照射により、カーボン膜35の炭素原子の移動が起こり、選択的に突起部30にCNFからなる一本の細線41が成長する。
なお、カンチレバー1Xを、例えば、500℃〜600℃加熱しながら細線成長させてもよいし、また逆に、例えば−150℃まで冷却しながら細線成長させてもよい。イオンビーム照射時の温度を変えることにより、細線41の膜質および成長速度を制御できる。
また、イオンビームの電流密度および加速電圧を変えることにより、スパッタ速度を変えることができる。更に、アルゴン雰囲気でアルゴンイオンを照射するだけでなく、ヘリウムイオン、ネオンイオン、またはキセノンイオンを照射してよいし、また窒素イオン、酸素イオンまたはCH基を含むイオン等の反応性ガスイオンを照射してよい。なお、上記細線の生成条件は一例であって、この限りではないことは言うまでもない。
また、本実施例では、カンチレバー1の突起部30の形状としてテトラヘドラル形状を示したが、頂角が鋭角であれば、ピラミダル形状もしくは多角形形状の角錐状、または円錐状の突起部であれば同様な効果が得られる。また、カンチレバー1の突起部30の材料は、シリコンである必要はなく、例えば、窒化シリコンでもよいし、さらに、レバー部20または支持部10と別の材料であってもよい。
また、カンチレバー1Xに成膜するカーボン膜35として、グラファイト膜を示したが、これに限定されず、シリコンカーバイト(SiC)、グラッシーカーボン(g−C)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、アモルファスカーボン(a−C)、炭化チタン(TiC)、タングステンカーバイト(WC)、クロムカーバイト(CrC)、バナジウムカーバイト(VC)またはニオブカーバイト(NbC)等のカーボン元素を含む膜であれば、同様な効果を得ることができる。更に、カーボン膜35の成膜方法は、CVD法等でもよい。さらに、カンチレバー1Xを含めたカンチレバー1Xの周囲をカーボン化合物で作製してもよい。
また、図4Bには、カンチレバー1Xを、カンチレバー1Xの底面を除く全面に成膜したものを示したが、これに限定されず、いずれかの一面だけに成膜してもよい。
また、突起部30に形成するカーボンからなる細線41としてCNFを示したが、これには限定されず、温度、成長速度および雰囲気を制御することにより、グラファイトナノチューブ(GNT)の成長も可能で、同様な効果を得ることができる。
また、突起部30にカーボン化合物を形成することなく、例えば、探針近傍にカーボン化合物を供給しながら同時に高エネルギービームを照射して、細線41を形成してもよい。この場合には、真空装置60内に、カーボン系のガスを導入しガスをイオン化して照射するイオン照射源が必要となる。
また、高エネルギービームを突起部30に照射する際、例えばMo、Ta、W、Ti等の元素(メタル粒子)を供給しつつ行ってもよい。この場合には、細線41の成長、具体的には太さ、成長速度および直径を制御することが可能になる。ただし、真空装置60に上記メタル粒子を供給する場合、別個に例えばスパッタ、アークプラズマ、レーザーアブレーション、電子ビーム蒸着等の成膜機構が必要となる。
また、高エネルギービームとしてイオンビームを用いて細線41の成長形成を行うようにしたものを示したが、イオンビーム以外にレーザービーム、電子ビームまたは高密度プラズマなどの高エネルギービームを用いてもよい。
なお、様々な材料からなる細線41を使用可能であるが、特に、カーボンナノファイバまたはグラファイトナノファイバが特に好ましい。また、すでに説明したように、突起部30はシリコンまたは窒化シリコンからなることが、製造が容易であるため、特に好ましい。
突起部30から成長した細線41では、長軸/短軸(X0/Y0)の比が、略1の円形である場合もある(図6B参照)。この場合には、すでに説明したように、高機能化のために細線41に機能性膜をコーティングすると、探針の直径が大きくなったり長軸/短軸比が大きくなったりする。
このため、本実施形態のカンチレバーの製造方法では、細線41の断面形状の長軸/短軸比を大きくするイオンミリング処理が行われる。
例えば、図6Aに示すように、カンチレバーの突起部30の前方、すなわち、レバー部20と反対方向からイオンビームが照射される。すると、図6Bに示すように、細線41の一面がミリングされる。ミリング時間を長くするに従い、細線41の断面形状の長軸/短軸比(X1/Y1)は大きくなる。イオンミリング処理は、長軸/短軸比が所定値となるまで行われる。イオンミリング後の細線41の長軸/短軸比の所定値は、コーティングする磁性体膜42の厚さに応じて2.0超、例えば3.0超であるが、上限は例えば、10.0以下であれば、細線41が折れたりすることがない。
次に、図7Aに示すように、カンチレバーの突起部30の前方、すなわち、レバー部20と反対方向から供給された磁性体原子42Mが細線41のミリングされた部分にコーティングされる。すると、図7Bに示すように、細線41の表面に磁性体膜42がコーティングされている探針40の長軸/短軸比は例えば、2.0以下、好ましくは1.5以下となる。
例えば、細線41の断面は直径20nm〜60nmの略円形であり、ミリング処理により、5nm〜30nmがエッチングにより除去される。そして、エッチングされた部分に、例えば、エッチング量と略同じ厚さの磁性体膜42がコーティングされる。
カンチレバー1は、例えば、細線41の断面形状の長軸/短軸比が3.0超であるが、磁性体膜42がコーティングされた探針40の断面形状の長軸/短軸比は2.0以下である。
言い替えれば、実施形態のカンチレバー1の製造方法は、突起部30の先端に細線41を形成する工程と、細線41を断面形状の長軸/短軸比が所定値(2.0〜3.0)超になるまで加工する工程と、細線41の表面に機能性膜42をコーティングし、断面形状の長軸/短軸比が2.0以下、好ましくは1.5以下の探針40を作製する工程と、を具備する。
磁性体膜42のコーティングには、蒸着法またはスパッタ法が用いられる。磁性体膜42は、保磁力、飽和磁束密度、角型比等の磁気特性の仕様に応じて、鉄、コバルト、ニッケル、およびCoPtCr、NiFe、SmCo等から選択された材料を含む、単層膜または多層膜である。
磁性体膜42のコーティングでは、磁性体原子42Mはレバー部20と反対方向から供給されるため、レバー部20にコーティングされる磁性体は多くない。このため、レバー部20にコーティングされた磁性体により、分解能が低下することがない。
なお、一方向から磁性体を供給しても、回り込み等により、ミリングされていない部分にも磁性体膜がコーティングされることがある。しかし、周方向で厚さが異なっているために、コーティングにより長軸/短軸比を小さくできる。すなわち、磁性体膜は、細線の周方向の一部にだけコーティングされていることが好ましいが、全周にコーティングされていてもよい。
以上の説明では、機能性膜として磁性体膜を例に説明した。しかし、機能性膜として、導電性膜、または耐磨耗性膜等をコーティングしてもよい。
導電性膜、例えば、20nmのPtまたはAu等がコーティングされた細線を探針とするカンチレバーは、電気抵抗が低いため、SCM(Scanning Capacitance Microscopy )による微細な領域の容量測定、SSRM(Scanning Spreading Resistance Microscopy)による抵抗率測定、または、KFM(Kelvin probe Force Microscopy)による表面形状とポテンシャル像との取得等ができる。また、耐磨耗性膜(例えば、タングステン、ダイヤモンド、またはダイヤモンドライクカーボン)をコーティングしたカンチレバーは、長期間使用できる。
なお、XY方向でより均一な分解能とするためには、探針40の断面形状の長軸/短軸比が1.2以下であることが特に好ましい。
<変形例>
次に変形例のカンチレバー1A〜1Dについて説明する。カンチレバー1A〜1Dは、カンチレバー1と類似しており、同じ効果を有するため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
<変形例1>
カンチレバー1は、突起部30の頂角θが10度であった。これに対して図8に示す変形例1のカンチレバー1Aは突起部30Aの頂角θが25度である。すでに説明したように、細線41の断面は略円形であった。しかし、頂角が15度超、特に20度超の突起部30から成長する細線の断面は略楕円形となる。
特に、細線の長軸/短軸比を3.0超とする場合には、突起部30の頂角θは30度超であることが好ましい。なお、頂角θは鋭角、すなわち90度未満であればよいが、細線の長軸/短軸比を10.0以下とし、安定に細線を成長させるためには、45度以下であることが好ましい。
なお、頂角θとは突起部30が角錐の場合には構成している面のうち、レバー部上面の固定端側(支持部10側)から見たときにレバー部上面に向いている面の先端の角度である。または、円錐の場合には、レバー部上面の固定端側から見たときに交わっている2辺のなす角度である。例えば、正三角錐の場合には、3面の頂角はいずれも同じであり、円錐の場合には、いずれの方向から側面視しても頂角は同じである。
図9Aに示すように、頂角θが25度の突起部30Aから成長した細線41Aは、長軸/短軸比(X0/Y0)は、2.5であり、2.0超である。このため、カンチレバー1Aでは、図6A(6B)を用いて説明した、細線の長軸/短軸比を大きくするためのミリング処理等は不要である。
もちろん、さらに細線41Aの長軸/短軸比を大きくする必要がある場合、例えば、磁性体膜42Aを厚くコーティングする場合には更にミリング処理等を行ってもよい。
図9Bに示すように、細線41Aの側面の一方向に磁性体膜42Aをコーティングすることにより探針40Aは作製される。探針40Aの断面の長軸/短軸比(X2/Y2)は、1.5である。
<変形例2>
図10Aに変形例2のカンチレバー1Bの探針40Bの断面形状を示す。探針40Bの細線41Bの断面形状は、略矩形である。探針の先端の形状および細線成長の条件を変えることで、探針の先端から成長する細線41Bの断面形状は変化する。
そして、細線41Bの長軸方向と直交する両面から磁性体膜42Bがコーティングされることで、探針40Bの断面の長軸/短軸比(X2/Y2)は、1.1となっている。
探針の断面形状が真円に近い、すなわち、長軸/短軸比(X2/Y2)が1に近いほど、カンチレバーは面内方向で均一な分解能となる。
ただし、2方向から磁性体膜をコーティングすると、レバー部20にも多くの磁性体膜がコーティングされる。このため、カンチレバー1Bのように、2方向から磁性体膜をコーティングした場合には、コーティング後にレバー部20にコーティングされた磁性体膜を剥離することが好ましい。
<変形例3>
図10Bに変形例3のカンチレバー1Cの探針40Cの断面形状を示す。探針40Cの細線41C1は、カンチレバー1の細線41と略同じで長軸/短軸比(X1/Y1)は、略1である。しかし、細線41C1の一面に内部応力の強いAlN膜41C2がコーティングされている。このため、AlN膜41C2を含む細線41C1の長軸/短軸比は大きくなっている。なお、図示しないが、AlN膜41C2の応力により、細線41C1は湾曲している。
探針40Cでは、磁性体膜42Cが細線41C(41C1+41C2)のAlN膜コーティング方向と直交する2方向からコーティングされている。このため、探針40Cの断面の長軸/短軸比(X2/Y2)は、略1となっている。
なお、導電性膜、耐磨耗性膜がコーティングされたカンチレバーでは、レバー部20への機能性膜の付着の影響は小さいため、剥離する必要はない。
<変形例4>
図10Cに変形例4のカンチレバー1Dの探針40Dの断面形状を示す。探針40Dの細線41Dは、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)による加工により、中央にくぼみ(溝)が形成されている。
磁性体膜のコーティング条件によっては、中央部の膜厚が厚くなることがある。しかし、細線41Dの中央部にくぼみを形成しておくことで、磁性体膜42Dがコーティングされた探針40Dの断面の長軸/短軸比を、容易に1.5以下とすることができる。
本発明は、上述した実施形態および変形例等に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、組み合わせおよび応用が可能である。
1、1〜1D・・・カンチレバー
10・・・支持部
20・・・レバー部
30・・・突起部
40・・・探針
41・・・細線
42・・・磁性体膜
42M・・・磁性体原子
61・・・ステージ
62・・・イオンガン

Claims (8)

  1. 支持部と、
    前記支持部から延設されたレバー部と、
    前記レバー部の自由端側に形成された頂角が鋭角の突起部と、
    前記突起部の先端に形成された細線に機能性膜がコーティングされている探針と、を具備する走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーであって、
    前記探針の長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比が、前記細線の長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比よりも小さいことを特徴とするカンチレバー。
  2. 前記細線の長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比が3.0超であり、
    前記探針の長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比が2.0以下であることを特徴とする請求項1に記載のカンチレバー。
  3. 前記細線の長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比が2.0超であり、
    前記探針の長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比が1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載のカンチレバー。
  4. 前記細線が、長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比が2.0超に加工されていることを特徴とする請求項1に記載のカンチレバー。
  5. 前記機能性膜は、導電性膜、磁性体膜、または耐磨耗性膜であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカンチレバー。
  6. 前記細線は、カーボンナノファイバまたはグラファイトナノファイバであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカンチレバー。
  7. 前記突起部の頂角が、15度以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のカンチレバー。
  8. 支持部と、
    前記支持部から延設されたレバー部と、
    前記レバー部の自由端側に形成された頂角が鋭角のシリコンまたは窒化シリコンからなる突起部と、
    前記突起部の先端に形成されたカーボンナノファイバまたはグラファイトナノファイバからなる細線に、導電性膜、磁性体膜、耐摩耗性膜のいずれかの機能性膜がコーティングされている探針と、を具備する走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーであって、
    前記突起部の頂角が15度超であり、
    前記細線の長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比が3.0超であり、
    前記探針の長手方向に直交する断面形状の長軸/短軸比が2.0以下であることを特徴とするカンチレバー。
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