JP6637278B2 - 歯科インプラントシステム - Google Patents

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Description

本発明は、歯科インプラント用フィクスチャー、並びにそれを備える歯科インプラントシステムおよび歯科インプラントに関する。
従来から、歯科インプラント用フィクスチャー(以下、「フィクスチャー」と言うことがある。)を上下顎骨の歯槽骨に埋入することによって、咬合機能、発声機能および審美性などを回復させる歯科インプラント埋植手術が行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
歯槽骨に埋入したフィクスチャーは、骨内における固定が強固であるのが望ましい。また、埋入したフィクスチャーを感染症などの理由で歯槽骨から抜去するときには、フィクスチャーが埋入されている周囲の骨組織を損傷することなく低侵襲で容易に抜去できるのが望ましい。
特開平11−33039号公報 特表平11−501856号公報 特表2003−525690号公報
本発明の課題は、優れた骨内固定性および抜去性を備える歯科インプラント用フィクスチャー、並びにそれを備える歯科インプラントシステムおよび歯科インプラントを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)有底略円筒状の本体部と、前記本体部の側壁部の内周面および外周面の間を貫通しているピン挿通孔と、ピン先端部が前記外周面から外方に向かって突出可能な状態で前記ピン挿通孔に挿通されているピンと、を備える、歯科インプラント用フィクスチャー。
(2)前記ピンは、ピン後端部に接続しており外径が前記ピン挿通孔の内径よりも大きいヘッドを有する、前記(1)に記載の歯科インプラント用フィクスチャー。
(3)前記ピン挿通孔を複数備え、前記複数のピン挿通孔は、前記本体部の長手方向に沿って互いに間隔をおいて位置している、前記(1)または(2)に記載の歯科インプラント用フィクスチャー。
(4)前記ピン挿通孔を複数備え、前記複数のピン挿通孔は、前記本体部の周方向に沿って互いに間隔をおいて位置している、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の歯科インプラント用フィクスチャー。
(5)前記ピン挿通孔を複数備え、前記本体部の長手方向に垂直な断面視において、前記複数のピン挿通孔は、前記本体部の中心軸を基準にして回転対称性を有する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の歯科インプラント用フィクスチャー。
(6)前記外周面は、曲面状である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の歯科インプラント用フィクスチャー。
(7)前記外周面に積層されているコーティング層をさらに備える、前記(6)に記載の歯科インプラント用フィクスチャー。
(8)前記外周面は、前記本体部の先端部側に位置しており前記先端部に向かうにつれて前記本体部の外径が小さくなっているテーパ領域を有する、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の歯科インプラント用フィクスチャー。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかに記載の歯科インプラント用フィクスチャーと、前記本体部の底部および前記内周面によって囲まれている中空部内に挿入して前記ピンを外方に向かって押し出す略棒状の押し出し部材と、を備える、歯科インプラントシステム。
(10)前記押し出し部材の長手方向に垂直な断面視において、前記押し出し部材は、その半径が周方向に沿って徐々に大きくなっている領域を有する、前記(9)に記載の歯科インプラントシステム。
(11)前記押し出し部材を前記中空部内に挿入したとき、前記押し出し部材の中心軸は、前記本体部の中心軸と同軸になる、前記(9)または(10)に記載の歯科インプラントシステム。
(12)前記中空部内に挿入して前記ピンのピン後端部側に係合して前記ピン先端部を前記中空部側に引き戻す引き戻し部材をさらに備える、前記(9)〜(11)のいずれかに記載の歯科インプラントシステム。
(13)前記引き戻し部材は、前記ピン後端部側を挟み込むスリットを有する、前記(12)に記載の歯科インプラントシステム。
(14)前記(1)〜(8)のいずれかに記載の歯科インプラント用フィクスチャーと、前記歯科インプラント用フィクスチャーの前記本体部の後端部に取り付けられている構造部品と、を備える、歯科インプラント。
(15)前記本体部の底部および前記内周面によって囲まれている中空部内に挿入して前記ピンを外方に向かって押し出す略棒状の押し出し部材を、前記構造部品に取り付けた状態でさらに備える、前記(14)に記載の歯科インプラント。
本発明によれば、骨内固定性および抜去性に優れるという効果がある。
本発明の一実施形態に係る歯科インプラント用フィクスチャーを示す図であり、(a)はピン先端部が突出していない状態を示す概略説明図、(b)はピン先端部が突出している状態を示す概略説明図である。 図1に示す歯科インプラント用フィクスチャーを示す図であり、(a)は図1(a)のI−I線に沿って切断した状態を拡大して示す断面図、(b)は図1(b)のII−II線に沿って切断した状態を拡大して示す断面図である。 図1に示す歯科インプラント用フィクスチャーを歯槽骨に埋入した状態を示す概略説明図である。 本発明の他の実施形態に係る歯科インプラント用フィクスチャーを示す概略説明図である。 本発明の一実施形態に係る歯科インプラントシステムを示す図であり、(a)はピン先端部が突出していない状態を示す概略説明図、(b)はピン先端部が突出している状態を示す概略説明図である。 図5に示す歯科インプラントシステムを示す図であり、(a)は図5(a)のIII−III線に沿って切断した状態を拡大して示す断面図、(b)は図5(b)のIV−IV線に沿って切断した状態を拡大して示す断面図である。 図5に示す歯科インプラントシステムが備える押し出し部材を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のV−V線に沿って切断した状態を拡大して示す断面図である。 図5に示す歯科インプラントシステムが備える引き戻し部材を拡大して示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のキャップを除くVI矢視側面図である。 (a)および(b)は、図8に示す引き戻し部材を使用してピン先端部を引き戻す状態を拡大して示す概略説明図である。
<歯科インプラント用フィクスチャー>
以下、本発明の一実施形態に係る歯科インプラント用フィクスチャーについて、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のフィクスチャー1は、有底略円筒状の本体部2を備えている。本体部2は、先端部21、後端部22および側壁部23を有している。また、本体部2は、先端部21側に位置している底部24、底部24および側壁部23の内周面231によって囲まれている中空部25、後端部22に開口している開口部26をさらに有している。
ここで、本実施形態のフィクスチャー1は、上述した本体部2に加えて、複数のピン挿通孔3および複数のピン4をさらに備えている。図1および図2に示すように、複数のピン挿通孔3はいずれも、本体部2の側壁部23の内周面231および外周面232の間を貫通している。また、図1(a)および図2(a)に示すように、複数のピン4はいずれも、ピン先端部41が外周面232から矢印aに示す外方に向かって突出可能な状態で、複数のピン挿通孔3のそれぞれに挿通されている。これらの構成によれば、以下のように優れた骨内固定性および抜去性を発揮することが可能となる。
すなわち、図3に示すように、フィクスチャー1を顎骨の歯槽骨100に埋入した後、複数のピン4のそれぞれのピン先端部41を、外周面232から外方に向かって突出させて骨組織内に圧入することができる。その結果、フィクスチャー1を歯槽骨100に強固に固定することができ、優れた骨内固定性を発揮することが可能となる。また、埋入したフィクスチャー1を感染症などの理由で歯槽骨100から抜去するときには、ピン先端部41を中空部25側に引き戻すことによって、優れた抜去性を発揮することが可能となる。それゆえ、フィクスチャー1が埋入されている周囲の骨組織の損傷を抑制しつつ低侵襲で容易にフィクスチャー1を抜去することができる。
ピン挿通孔3の数とピン4の数は、同一である。また、ピン挿通孔3およびピン4のそれぞれの数は、少なくとも1つであればよい。ピン挿通孔3およびピン4のそれぞれの数としては、1〜36であるのが好ましく、12〜24であるのがより好ましいが、これらに限定されるものではない。なお、骨内固定性を向上させる観点からは、ピン挿通孔3およびピン4のそれぞれの数は、本実施形態のように複数であるのが好ましい。
図2(b)に示すように、ピン先端部41の突出長さLとしては、0.1〜1.0mmであるのが好ましく、0.1〜0.5mmであるのがより好ましいが、これらに限定されるものはない。
本実施形態では、複数のピン4がいずれも、次のような形状を有している。すなわち、ピン4は、その全体の形状が略円柱状である。また、ピン先端部41の形状が、略曲面状である。なお、ピン4の形状は、上述した形状に限定されるものではない。
本実施形態では、図2(b)に示すように、複数のピン4がいずれも、ヘッド43を有している。ヘッド43は、ピン後端部42に接続しており、その外径W1がピン挿通孔3の内径W2よりも大きい。すなわち、外径W1および内径W2が、W1>W2の関係を有している。このような構成によれば、ヘッド43がストッパーとして機能することから、ピン4がピン挿通孔3から抜け出すのを抑制することができる。
ヘッド43は、ピン4と別部材で構成されていてもよいし、ピン4と一体に成形されていてもよい。本実施形態では、ヘッド43がピン4と一体に成形されている。一体に成形されているとは、部品毎に加工した後に溶接などの接合手段を使用して一体化されているのではなく、接合手段を使用することなく同一材料から成形体全体が一体的に作製されていることを意味するものとする。一体に成形する方法としては、例えば、切削加工などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本実施形態のヘッド43は、図2(a)に示すように、縮径部431を有している。縮径部431は、ヘッド43のうちピン後端部42側に位置しており、ピン後端部42に向かうにつれて縮径している部位である。このような構成によれば、後述する引き戻し部材6のスリット63がピン後端部42側を挟み込みやすくなる(図8(b)、図9参照)。
本実施形態では、図1(a)に示すように、複数のピン挿通孔3が、本体部2の長手方向bに沿って互いに間隔をおいて位置している。複数のピン挿通孔3は、長手方向bに沿って等間隔に位置していてもよいし、不等間隔に位置していてもよい。本実施形態では、複数のピン挿通孔3が、長手方向bに沿って等間隔に位置している。
本実施形態では、図2(a)に示すように、複数のピン挿通孔3が、本体部2の周方向cに沿って互いに間隔をおいて位置している。複数のピン挿通孔3は、周方向cに沿って等間隔に位置していてもよいし、不等間隔に位置していてもよい。本実施形態では、複数のピン挿通孔3が、周方向cに沿って等間隔に位置している。
本実施形態では、本体部2の長手方向b(図1(a)参照)に垂直な断面視(図2参照)において、複数のピン挿通孔3が、本体部2の中心軸X1を基準にして回転対称性を有している。具体的には、上述した断面視において、複数のピン挿通孔3が、中心軸X1を基準にして180°の回転対称性を有している。なお、回転対称性は180°に限定されるものではなく、例えば、90°、120°などであってもよい。本体部2の中心軸X1とは、図1に示すように、本体部2の先端部21および後端部22の間を貫く軸であり、フィクスチャー1を回転させたときに回転軸となる軸を意味するものとする。
本実施形態のフィクスチャー1は、外周面232が曲面状である。言い換えれば、本実施形態のフィクスチャー1は、外周面232にネジ部が形成されていない。このような構成によれば、フィクスチャー1を歯槽骨100に埋入するとき、外周面にネジ部が形成されているフィクスチャーよりも骨への圧迫が少なくなることから、優れた埋入性を発揮することが可能となる。また、外周面232にコーティング層が積層されているときには、フィクスチャー1を歯槽骨100に埋入するときにコーティング層が剥離するのを抑制することができる。したがって、フィクスチャー1が、外周面232に積層されているコーティング層をさらに備えていると、本実施形態の有用性が向上する。コーティング層としては、例えば、ハイドロキシアパタイトコーティング層などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
次に、本発明の他の実施形態に係る歯科インプラント用フィクスチャーについて、図4を参照して詳細に説明する。なお、図4においては、上述した図1〜図3と同一の構成部分には同一の符号を付して説明は省略する場合がある。
図4に示すように、本実施形態のフィクスチャー1’が備えている本体部2’は、その側壁部23’の外周面232’が、先端部21側に位置しており先端部21に向かうにつれて本体部2’の外径Mが小さくなっているテーパ領域232aを有している。このような構成によれば、フィクスチャー1’を歯槽骨100に埋入するときの埋入性を向上させることができ、隣在歯の歯根が近接している部位や、幅の狭い歯槽堤においても容易にフィクスチャー1’を埋入できる。歯槽骨壁への穿孔を防ぐ傾斜埋入も行いやすくなる。また、テーパ領域232aでは、ピン先端部41の突出長さLが後端部22側よりも相対的に大きくなることから、先端部21側の骨内固定性を向上させることができる。
先端部21は、曲面状であってもよいし、平坦(フラット)状であってもよい。本実施形態の先端部21は、曲面状である。
その他の構成は、上述した一実施形態に係るフィクスチャー1と同様であるので、説明を省略する。
<歯科インプラントシステム>
次に、本発明の一実施形態に係る歯科インプラントシステムについて、上述した一実施形態に係るフィクスチャー1を備える場合を例にとって、図5〜図9を参照して詳細に説明する。
図5に示すように、本実施形態の歯科インプラントシステム10は、フィクスチャー1および押し出し部材5を備えている。押し出し部材5は、図5(a)に示すように、本体部2の底部24および内周面231によって囲まれている中空部25内に挿入して、複数のピン4のそれぞれを外方に向かって押し出す略棒状の部材である。
押し出し部材5の長手方向d(図7(a)参照)に垂直な断面視(図7(b)参照)において、本実施形態の押し出し部材5は、その半径Dが周方向eに沿って徐々に大きくなっている領域Sを有している。本実施形態の押し出し部材5は、領域Sを2つ有しており、2つの領域S、Sはいずれも、押し出し部材5の半周にわたって位置している。これらの構成によれば、以下のようにして複数のピン4のそれぞれを外方に向かって押し出すことが可能となる。
まず、図5(a)に示すように、押し出し部材5を、本体部2の開口部26を介して中空部25内に挿入する。次に、図6(a)に示すように、押し出し部材5を、その中心軸X2を中心に回転させる。このとき、押し出し部材5を、領域Sのうち半径Dが小さい側を回転方向の前方とする矢印f方向に回転させる。これにより、領域Sにおける半径Dの変化に伴って、図5(b)および図6(b)に示すように、複数のピン4のそれぞれを外方に向かって押し出すことができる。本実施形態では、上述のとおり、領域Sが押し出し部材5の半周にわたって位置していることから、押し出し部材5を略半回転させると、複数のピン4のそれぞれを外方に向かって押し出すことができる。なお、上述した押し出し部材5の中心軸X2とは、図7(a)に示すように、押し出し部材5の先端部51および後端部52の間を貫く軸であり、押し出し部材5を回転させたときに回転軸となる軸を意味するものとする。
図5および図6に示すように、本実施形態では、押し出し部材5を中空部25内に挿入したとき、押し出し部材5の中心軸X2が、本体部2の中心軸X1と同軸になる。このような構成によれば、中空部25内において押し出し部材5をスムーズに回転させることができ、複数のピン4を均一に押し出すことができる。
本実施形態では、上述した図1に示すように、本体部2が、底部24に位置しており本体部2の中心軸X1を含む凹部27を有している。凹部27は、その内壁が本体部2の中心軸X1上に頂点Pを有する円錐状である。これらの構成によれば、図5に示すように、押し出し部材5の先端部51を凹部27に接触させると、押し出し部材5の先端部51が頂点P側に引き込まれて、押し出し部材5の中心軸X2が本体部2の中心軸X1と同軸になることから、両者の軸出しを簡単に行うことができる。なお、本実施形態の押し出し部材5は、軸出しを簡単に行う観点から、先端部51の形状が先方に凸の円錐状である。
一方、本実施形態の歯科インプラントシステム10は、図8に示すように、引き戻し部材6をさらに備えている。引き戻し部材6は、図9に示すように、本体部2の中空部25内に挿入して、複数のピン4のそれぞれのピン後端部42側に係合し、ピン先端部41を中空部25側に引き戻す部材である。本実施形態の引き戻し部材6は、ピン後端部42側を挟み込むスリット63を有している(図8(b)参照)。以下、本実施形態の引き戻し部材6の構成について、具体的に説明する。
図8(a)に示すように、本実施形態の引き戻し部材6は、互いに対向して位置している一対の係合片6A、6Aを有している。一対の係合片6A、6Aのそれぞれは、長尺板状の部材であり、図8(b)に示すように、その先端部61から後端部62に向かって延びているスリット63を有している。また、一対の係合片6A、6Aのそれぞれは、図8(a)に示すように、後端部62側に位置しており互いの間の間隔が小さくなるように折れ曲がっている折曲部64をさらに有している。そして、引き戻し部材6は、折曲部64近傍に取り付けられている弾性部材65をさらに有している。本実施形態の弾性部材65は、スプリング状のバネであるが、これに限定されるものではない。弾性部材65は、ケース68に収納されていてもよい。本実施形態では、弾性部材65に外力が加えられていないとき、一対の係合片6A、6Aのそれぞれの後端部62、62の間には、隙間Y1が形成されている。
本実施形態の引き戻し部材6は、キャップ66をさらに有している。本実施形態のキャップ66は、略筒状の部材であり、その内周面に位置している雌ネジ部661を有している。そして、一対の係合片6A、6Aのそれぞれは、後端部62側に位置しておりキャップ66の雌ネジ部661に螺合可能な雄ネジ部67をさらに有している。これらの構成によれば、以下のようにして複数のピン4のそれぞれのピン先端部41を中空部25側に引き戻すことができる。
まず、図9(a)に示すように、引き戻し部材6を、本体部2の開口部26を介して中空部25内に挿入する。このとき、一対の係合片6A、6Aのそれぞれのスリット63に、複数のピン4のそれぞれのピン後端部42側を挟み込む。本実施形態では、ピン後端部42とヘッド43の縮径部431を挟み込む。その結果、係合片6Aの厚み分、ピン先端部41を矢印gに示す本体部2の内方に向かって動かすことができ、ピン先端部41の一部を中空部25側に引き戻すことができる。
次に、キャップ66を矢印h方向に動かし、キャップ66の雌ネジ部661を、一対の係合片6A、6Aのそれぞれの後端部62に位置している雄ネジ部67に螺合させる。そして、図9(b)に示すように、キャップ66を矢印i方向に締め付ける。これにより、弾性部材65が圧縮される。それに伴い、一対の係合片6A、6Aのそれぞれの後端部62、62の間に形成されている隙間Y1が小さくなり、一対の係合片6A、6Aのうちスリット63が位置している部位の間の距離Y2も小さくなる。その結果、ピン先端部41の残りの部分を中空部25側に引き戻すことができ、ピン先端部41が外周面232から突出していない状態にすることができる
なお、キャップ66を締め付ける方向は、矢印i方向に限定されるものではない。また、本実施形態では、フィクスチャー1を備える場合を例にとって説明したが、フィクスチャー1に代えて、フィクスチャー1’を備える場合にも同様の効果が得られる。
<歯科インプラント>
次に、本発明の一実施形態に係る歯科インプラントについて、上述した一実施形態に係るフィクスチャー1を備える場合を例にとって、詳細に説明する。
本実施形態の歯科インプラントは、上述したフィクスチャー1と、フィクスチャー1の本体部2の後端部22に取り付けられている構造部品とを備えている。
構造部品は、いわゆる人工の歯であり、これには金属製、セラミック製または硬質樹脂製の人工歯が含まれる。人工歯は、通常、オーダーメイドで作られ、上述した図5に示すアバットメント7を介してフィクスチャー1の後端部22に取り付けられる。人工歯は、単独型であってもよいし、連結型(ブリッジ)であってもよい。また、上述した人工の歯には、人工歯の他に、義歯も含まれる。義歯としては、例えば、部分入れ歯または総入れ歯などのいわゆる入れ歯などが挙げられる。入れ歯は、取り外し可能な状態でアタッチメントを介してフィクスチャー1の後端部22に取り付けられる。
なお、本実施形態の構造部品には、上述したアバットメント7も含まれる。アバットメント7は、フィクスチャー1に人工歯を連結する部材であり、アバットメントスクリューを介してフィクスチャー1に固定される。アバットメントスクリューは、アバットメント7と別部材で構成されていてもよいし、アバットメント7と一体に成形されていてもよい。本実施形態では、アバットメントスクリューがアバットメント7と一体に成形されている。
一方、歯科インプラントは、上述した押し出し部材5を、構造部品に取り付けた状態でさらに備えていてもよい。本実施形態の歯科インプラントは、図7(a)に示すように、押し出し部材5を、アバットメント7に取り付けた状態でさらに備えている。
本実施形態では、押し出し部材5がアバットメント7と一体に成形されている。このような構成によれば、押し出し部材5とアバットメント7との接続強度が向上することから、押し出し部材5がアバットメント7から外れるのを抑制することができる。なお、押し出し部材5は、アバットメント7と別部材で構成して、アバットメント7に取り付けることもできる。
本実施形態では、フィクスチャー1を備える場合を例にとって説明したが、フィクスチャー1に代えて、フィクスチャー1’を備える場合にも同様の効果が得られる。
<歯科インプラント埋植手術>
次に、本発明の一実施形態に係る歯科インプラント埋植手術について、上述した一実施形態に係る歯科インプラントシステム10を使用する場合を例にとって、詳細に説明する。
まず、歯肉および顎骨の歯槽骨100にドリルなどによって埋入孔を穿孔し、フィクスチャー1を埋入する。本実施形態では、上述のとおり、フィクスチャー1の外周面232が曲面状であることから、フィクスチャー1をスムーズに埋入することができる。
フィクスチャー1を歯槽骨100に埋入した後、複数のピン4のそれぞれのピン先端部41を外周面232から外方に向かって突出させて骨組織内に圧入し、フィクスチャー1を歯槽骨100に強固に固定する。フィクスチャー1の固定が完了した後は、本体部2の後端部22に構造部品を取り付けて歯科インプラントとし、治療を終了する。埋入したフィクスチャー1を感染症などの理由で歯槽骨から抜去するときには、ピン先端部41を中空部25側に引き戻してから抜去する。
以上、本発明に係る好ましい実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、フィクスチャー1の本体部2の外周面232が曲面状であるが、外周面232の形状は曲面状に限定されるものではなく、例えば、必要に応じて外周面232にネジ部を形成することもできる。
また、上述した実施形態では、押し出し部材5が領域Sを有する構成を例に挙げて説明したが、押し出し部材5の構成は、複数のピン4のそれぞれを外方に向かって押し出すことが可能な限り、領域Sを有する構成に限定されるものではない。押し出し部材5の他の構成としては、例えば、押し出し部材5の先端部51から後端部52に向かって直径が大きくなるテーパ状などが挙げられる。
また、上述した実施形態では、本体部2の底部24に位置している凹部27が円錐状であるが、これに代えて、凹部27を他の形状にすることができる。凹部27の他の形状としては、例えば、雌ネジ状などが挙げられる。凹部27を雌ネジ状にするときには、押し出し部材5の先端部51を、雌ネジ状の凹部27に螺合可能な雄ネジ状にすればよい。
また、上述した実施形態では、引き戻し部材6が係合片6Aを有する構成を例に挙げて説明したが、引き戻し部材6の構成は、ピン後端部42側に係合してピン先端部41を中空部25側に引き戻すことが可能な限り、係合片6Aを有する構成に限定されるものではない。引き戻し部材6の他の構成としては、例えば、略棒状の部材の先端部側に粘着剤層を備え、粘着剤層による粘着性によって、ピン後端部42側に係合する構成などが挙げられる。
1 歯科インプラント用フィクスチャー
2 本体部
21 先端部
22 後端部
23 側壁部
231 内周面
232 外周面
24 底部
25 中空部
26 開口部
27 凹部
3 ピン挿通孔
4 ピン
41 ピン先端部
42 ピン後端部
43 ヘッド
431 縮径部
1’ フィクスチャー
2’ 本体部
23’ 側壁部
232’ 外周面
232a テーパ領域
10 歯科インプラントシステム
5 押し出し部材
51 先端部
52 後端部
6 引き戻し部材
6A 係合片
61 先端部
62 後端部
63 スリット
64 折曲部
65 弾性部材
66 キャップ
661 雌ネジ部
67 雄ネジ部
68 ケース
7 アバットメント
100 歯槽骨

Claims (9)

  1. 有底略円筒状の本体部と、
    前記本体部の側壁部の内周面および外周面の間を貫通しているピン挿通孔と、
    ピン先端部が前記外周面から外方に向かって突出可能な状態で前記ピン挿通孔に挿通されているピンと、を備える、歯科インプラント用フィクスチャーと、
    前記本体部の底部および前記内周面によって囲まれている中空部内に挿入して前記ピンを外方に向かって押し出す略棒状の押し出し部材と、
    前記中空部内に挿入して前記ピンのピン後端部側に係合して前記ピン先端部を前記本体部の中心軸に近付く方向に引き戻す引き戻し部材と、を備える、歯科インプラントシステムであって、
    前記ピンは、前記ピン後端部に接続しており外径が前記ピン挿通孔の内径よりも大きいヘッドを有し、
    前記ヘッドは、前記ピン後端部側に位置しており前記ピン後端部に向かうにつれて縮径している縮径部を有し、
    前記引き戻し部材は、前記ピン後端部および前記縮径部を挟み込むスリットを有する、歯科インプラントシステム
  2. 前記歯科インプラント用フィクスチャーは、前記ピン挿通孔を複数備え、前記複数のピン挿通孔は、前記本体部の長手方向に沿って互いに間隔をおいて位置している、請求項1に記載の歯科インプラントシステム
  3. 前記歯科インプラント用フィクスチャーは、前記ピン挿通孔を複数備え、前記複数のピン挿通孔は、前記本体部の周方向に沿って互いに間隔をおいて位置している、請求項1または2に記載の歯科インプラントシステム
  4. 前記歯科インプラント用フィクスチャーは、前記ピン挿通孔を複数備え、前記本体部の長手方向に垂直な断面視において、前記複数のピン挿通孔は、前記本体部の中心軸を基準にして回転対称性を有する、請求項1〜のいずれかに記載の歯科インプラントシステム
  5. 前記外周面は、曲面状である、請求項1〜のいずれかに記載の歯科インプラントシステム
  6. 前記歯科インプラント用フィクスチャーは、前記外周面に積層されているコーティング層をさらに備える、請求項に記載の歯科インプラントシステム
  7. 前記外周面は、前記本体部の先端部側に位置しており前記先端部に向かうにつれて前記本体部の外径が小さくなっているテーパ領域を有する、請求項1〜のいずれかに記載の歯科インプラントシステム
  8. 前記押し出し部材の長手方向に垂直な断面視において、前記押し出し部材は、その半径が周方向に沿って徐々に大きくなっている領域を有する、請求項に記載の歯科インプラントシステム。
  9. 前記押し出し部材を前記中空部内に挿入したとき、前記押し出し部材の中心軸は、前記本体部の中心軸と同軸になる、請求項またはに記載の歯科インプラントシステム。
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