JP6637255B2 - 液圧シリンダ - Google Patents

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Description

本発明は、単動型の液圧シリンダに関する。
単動型の液圧シリンダでは、シリンダチューブの内部空間がピストンによってロッド側室と反ロッド側室とに仕切られる。反ロッド側室は、シリンダチューブのボトムに形成される給排ポートを通じて液圧源に接続される。ピストンは、ピストンの外周に設けられる軸受により、シリンダチューブに対して摺動自在に支持される。
特許文献1には、反ロッド側室からロッド側室に漏出した作動液を反ロッド側室に排出するチェック弁機構を備える単動型の液圧シリンダが開示されている。このチェック弁機構は、ピストンの外周に設けられるシールとしてのUリングと、ピストンに設けられる通孔とで構成される。
Uリングは、リップを反ロッド側室側に向けて配置される。通孔は、Uリングに対向すると共に反ロッド側室に開口する。ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときには、Uリングは潰れる。その結果、ロッド側室内の作動液は、Uリングの外周及び通孔を通って反ロッド側室へ排出される。
特開2000−170711号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるピストンの通孔は、軸受よりもピストンの径方向内側に形成される。そのため、ロッド側室内の作動液は、反ロッド側室へ排出されるまでに、Uリングの外周からピストンの径方向内側に向かって比較的長い距離を流れる必要がある。したがって、通路の長さに起因する流れ抵抗が大きく、ロッド側室の作動液がチェック弁機構の通路を通って反ロッド側室へ排出されない虞がある。
本発明は、ロッド側室に溜まった作動液をより確実に反ロッド側室へ排出することができる液圧シリンダを提供することを目的とする。
第1の発明は、シリンダチューブと、ピストンと、ピストンロッドと、軸受と、環状のシールと、を備え、軸受は、ピストンの軸方向に貫通する貫通路を有し、シールは、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力以下のときには反ロッド側室から貫通路を経てロッド側室へ向かう作動液の流れを遮断し、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときにはロッド側室から貫通路を経て反ロッド側室へ向かう作動液の流れを許容し、ピストンは、ピストンの外周におけるシールよりもロッド側室側に設けられロッド側室側へのシールの移動を制限する環状の第1制限部を有し、貫通路が、軸受の外周面に形成されピストンの軸方向に延びる溝と、シリンダチューブの内周面とで画定されており、貫通路の溝の深さは、第1制限部の外周面とシリンダチューブの内周面との間隔よりも大きいことを特徴とする。
第1の発明では、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときには、ロッド側室内の作動液は軸受に設けられる貫通路を経て反ロッド側室に流れるので、ピストンに通路を設ける必要がない。したがって、ロッド側室から反ロッド側室までの通路における流れ抵抗を減らすことができる。また、第1制限部がロッド側室側へのシールの移動を制限するので、シールに反ロッド側室側から作動液の圧力が作用しても、シールがピストンから外れるのを防止することができる。また、シリンダチューブの内周面が軸受の溝とで貫通路を画定するので、貫通路は曲がり通路を経ることなくピストンの外周面とシリンダチューブの内周面との間の隙間と連通する。したがって、ロッド側室から反ロッド側室までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室に溜まった作動液をより確実に反ロッド側室へ排出することができる。
第2の発明は、ピストンは、ピストンの外周におけるシールよりも反ロッド側室側に設けられ反ロッド側室側へのシールの移動を制限する環状の第2制限部を更に有し、第2制限部の外周面とシリンダチューブの内周面との間隔は、第1制限部の外周面とシリンダチューブの内周面との間隔よりも大きいことを特徴とする。
第2の発明では、ロッド側室から反ロッド側室までの通路における流れ抵抗を減らすことができる。
第3の発明は、貫通路の溝の深さは、第2制限部の外周面とシリンダチューブの内周面との間隔よりも大きいことを特徴とする。
第3の発明では、ロッド側室から反ロッド側室までの通路における流れ抵抗を減らすことができる。
第4の発明は、シリンダチューブと、ピストンと、ピストンロッドと、軸受と、環状のシールと、を備え、軸受は、ピストンの軸方向に貫通する貫通路を有し、シールは、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力以下のときには反ロッド側室から貫通路を経てロッド側室へ向かう作動液の流れを遮断し、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときにはロッド側室から貫通路を経て反ロッド側室へ向かう作動液の流れを許容し、ピストンが、ロッド側室側へのシールの移動を制限する環状の第1制限部、反ロッド側室側へのシールの移動を制限する環状の第2制限部と、を有し、第2制限部の外周面とシリンダチューブの内周面との間隔は、第1制限部の外周面とシリンダチューブの内周面との間隔よりも大きいことを特徴とする。
第4の発明では、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときには、ロッド側室内の作動液は軸受に設けられる貫通路を経て反ロッド側室に流れるので、ピストンに通路を設ける必要がない。したがって、ロッド側室から反ロッド側室までの通路における流れ抵抗を減らすことができる。また、第1制限部がロッド側室側へのシールの移動を制限するので、シールに反ロッド側室側から作動液の圧力が作用しても、シールがピストンから外れるのを防止することができる
第5の発明は、シリンダチューブと、ピストンと、ピストンロッドと、軸受と、環状のシールと、を備え、軸受は、ピストンの軸方向に貫通する貫通路を有し、シールは、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力以下のときには反ロッド側室から貫通路を経てロッド側室へ向かう作動液の流れを遮断し、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときにはロッド側室から貫通路を経て反ロッド側室へ向かう作動液の流れを許容し、ピストンは、ピストンの外周におけるシールよりも反ロッド側室側に設けられ反ロッド側室側へのシールの移動を制限する環状の第2制限部を有し、貫通路が、軸受の外周面に形成されピストンの軸方向に延びる溝と、シリンダチューブの内周面とで画定されており、貫通路の溝の深さは、第2制限部の外周面とシリンダチューブの内周面との間隔よりも大きいことを特徴とする。
第5の発明では、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときには、ロッド側室内の作動液は軸受に設けられる貫通路を経て反ロッド側室に流れるので、ピストンに通路を設ける必要がない。したがって、ロッド側室から反ロッド側室までの通路における流れ抵抗を減らすことができる。また、シリンダチューブの内周面が軸受の溝とで貫通路を画定するので、貫通路は曲がり通路を経ることなくピストンの外周面とシリンダチューブの内周面との間の隙間と連通する。したがって、ロッド側室から反ロッド側室までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室に溜まった作動液をより確実に反ロッド側室へ排出することができる。
第6の発明は、シリンダチューブと、ピストンと、ピストンロッドと、軸受と、環状のシールと、を備え、軸受は、ピストンの軸方向に貫通する貫通路を有し、シールは、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力以下のときには反ロッド側室から貫通路を経てロッド側室へ向かう作動液の流れを遮断し、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときにはロッド側室から貫通路を経て反ロッド側室へ向かう作動液の流れを許容し、ピストンが、ロッド側室側へのシールの移動を制限する環状の第1制限部を有し、ピストンが、反ロッド側室側へのシールの移動を制限する環状の第2制限部を有し、第1及び第2制限部間の間隔は、シールにおけるピストンの軸方向の寸法よりも大きく、ピストンの外径は、第1制限部から第2制限部へ向かうほど小さいことを特徴とする。
第6の発明では、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときには、ロッド側室内の作動液は軸受に設けられる貫通路を経て反ロッド側室に流れるので、ピストンに通路を設ける必要がない。したがって、ロッド側室から反ロッド側室までの通路における流れ抵抗を減らすことができる。また、第1制限部がロッド側室側へのシールの移動を制限するので、シールに反ロッド側室側から作動液の圧力が作用しても、シールがピストンから外れるのを防止することができる。また、第1及び第2制限部間におけるピストンの外径は、ロッド側室側から反ロッド側室へ向かうほど小さい。そのため、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときには、シールとシリンダチューブとの間に隙間が形成され易い。したがって、ロッド側室内の作動液を反ロッド側室へより確実に排出することができる。
第7の発明は、シールにおけるロッド側室側の端部の外径が、第1制限部の外径よりも小さいことを特徴とする。
第7の発明では、シールにおけるロッド側室側の端部の外径が第1制限部の外径よりも小さいので、シールに反ロッド側室側から作動液の圧力が作用しても、シールが第1制限部からはみ出ず、したがって、第1制限部とシリンダチューブとの間の隙間への入り込みによるシールの損傷を防止することができる。
第8の発明は、シールと第1制限部との間にシリンダチューブの内周面に接して設けられ、シールよりも高い剛性を有するバックアップリングを更に備えることを特徴とする。
第8の発明では、バックアップリングがシリンダチューブの内周面に接して設けられるので、シールに反ロッド側室側から作動液の圧力が作用しても、シールは第1制限部とシリンダチューブとの間の隙間へ入り込まない。したがって、第1制限部とシリンダチューブとの間の隙間への入り込みによるシールの損傷を防止することができる。
第9の発明は、シールは、基部と、基部の内側から反ロッド側室側へ延びる第1延在部と、基部の外側から反ロッド側室側へ延び、第1延在部との間に隙間を有する第2延在部と、を有し、シールは、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときに第2延在部が第1延在部に近づくことにより、ロッド側室から貫通路を経て反ロッド側室へ向かう作動液の流れを許容し、第2延在部は、シールの径方向における寸法が第1延在部よりも小さく、基部の外径はシリンダチューブの内径よりも小さく、第2延在部の外径は、ロッド側室から反ロッド側室へ向かうほど大きいことを特徴とする。
第9の発明では、第2延在部が第1延在部に近づくので、第2延在部とシリンダチューブとの間に通路が形成される。この通路は曲がり通路を経ることなくピストンの外周面とシリンダチューブの内周面との間の隙間と連通する。第2延在部は、シールの径方向における寸法が第1延在部よりも小さいので、第2延在部の剛性は第1延在部の剛性よりも低く、第2延在部が第1延在部よりも変形し易い。そのため、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときに、第2延在部とシリンダチューブとの間に通路が形成される。この通路は曲がり通路を経ることなくピストンの外周面とシリンダチューブの内周面との間の隙間と連通する。基部の外径がシリンダチューブの内径よりも小さくかつ第2延在部の外径がロッド側室から反ロッド側室へ向かうほど大きいので、シールとシリンダチューブとの間に部分的な隙間が形成される。そのため、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高いときに、ロッド側室内の圧力が第2延在部の外周面の先端側まで作用する。したがって、第2延在部とシリンダチューブとの間に通路をより確実に形成することができる。この通路は曲がり通路を経ることなくピストンの外周面とシリンダチューブの内周面との間の隙間と連通する。したがって、ロッド側室から反ロッド側室までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室に溜まった作動液をより確実に反ロッド側室へ排出することができる。
第10の発明は、軸受は、シールよりも反ロッド側室側に配置されることを特徴とする。
第10の発明では、ロッド側室から反ロッド側室までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室に溜まった作動液をより確実に反ロッド側室へ排出することができる。
本発明によれば、ロッド側室に溜まった作動液をより確実に反ロッド側室へ排出することができる。
本発明の第1実施形態に係る液圧シリンダの断面図であり、液圧シリンダの収縮状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る液圧シリンダの断面図であり、液圧シリンダの伸長状態を示す。 図1におけるA−A線に沿う断面図である。 図1におけるB部の拡大断面図であり、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力以下である状態を示す。 図2におけるC部の拡大断面図であり、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高い状態を示す。 本発明の第1実施形態の他の例に係る液圧シリンダの断面図である。 貫通路の他の例を示す断面図であり、図1におけるA−A線に沿う断面図に対応する図である。 図7に示される貫通路の周辺の拡大断面図であり、図1におけるB部の拡大断面図に対応する図である。 貫通路のさらに他の例を示す断面図であり、図1におけるA−A線に沿う断面図に対応する図である。 図9に示される貫通路の周辺の拡大断面図であり、図1におけるB部の拡大断面図に対応する図である。 本発明の第2実施形態に係る液圧シリンダの拡大断面図であり、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力以下である状態を示す。 本発明の第2実施形態に係る液圧シリンダの拡大断面図であり、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高い状態を示す。 本発明の第3実施形態に係る液圧シリンダの拡大断面図であり、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力以下である状態を示す。 本発明の第3実施形態に係る液圧シリンダの拡大断面図であり、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高い状態を示す。 本発明の第4実施形態に係る液圧シリンダの拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係る液圧シリンダの拡大断面図であり、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力以下の状態を示す。 本発明の第5実施形態に係る液圧シリンダの拡大断面図であり、ロッド側室内の圧力が反ロッド側室内の圧力よりも高い状態を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。ここでは、作動液として作動油が用いられる油圧シリンダについて説明するが、本実施形態は、作動液として作動水等の他の液体が用いられる液圧シリンダに適用可能である。
<第1実施形態>
まず、図1から図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る油圧シリンダ100について説明する。
図1及び図2は、油圧シリンダ100の断面図である。図1及び図2に示すように、油圧シリンダ100は、シリンダチューブ10と、シリンダチューブ10内に摺動自在に収容されるピストン20と、ピストン20と結合されるピストンロッド30と、を備える。
シリンダチューブ10は、筒状のチューブ11と、チューブ11の一端に設けられるシリンダボトム12とを有する。チューブ11の他端の開口にはシリンダヘッド40が嵌合される。シリンダボトム12がチューブ11の一方の開口を塞ぎ、シリンダヘッド40がチューブ11の他方の開口を塞ぐ。以下において、チューブ11の他方の開口を「ヘッド側開口」とも称する。
ピストン20はシリンダヘッド40側に突出する突起部21を有する。ピストンロッド30のシリンダボトム12側端面には窪み31が形成され、窪み31に突起部21が嵌合される。
ピストンロッド30は、ピストン20からシリンダチューブ10の軸に沿って延び、ヘッド側開口を通ってシリンダチューブ10から突出する。シリンダヘッド40はピストンロッド30を摺動自在に支持する。つまり、ピストンロッド30は、シリンダチューブ10に移動自在に挿入される。
シリンダチューブ10の内部は、ピストン20によって、シリンダヘッド40側に位置するロッド側室13と、シリンダボトム側に位置する反ロッド側室14と、に仕切られる。シリンダボトム12には給排ポート15が形成され、反ロッド側室14が給排ポート15と連通する。
給排ポート15は、制御弁(不図示)を通じて、油圧供給部としてのポンプ(不図示)と、作動油貯留部としてのタンク(不図示)と、に選択的に接続される。制御弁は、ポンプから反ロッド側室14への作動油の供給と、反ロッド側室14からタンクへの作動油の排出と、を制御する。
給排ポート15が制御弁を通してポンプに接続されると、ポンプから吐出された作動油が給排ポート15を通じて反ロッド側室14へ供給される。その結果、ピストン20及びピストンロッド30がシリンダヘッド40側へ移動し、油圧シリンダ100は伸長する(図2参照)。このとき、ロッド側室13は圧縮される。
給排ポート15が制御弁を通してタンクに接続されると、ピストン20及びピストンロッド30は、ピストンロッド30に連結された負荷(不図示)の重さによりシリンダボトム12側へ移動し、油圧シリンダ100は収縮する(図1参照)。このとき、反ロッド側室14内の作動油が給排ポート15を通じてタンクへ排出される。ロッド側室13は膨張する。
また、油圧シリンダ100は、ピストン20をシリンダチューブ10に対して摺動自在に支持する環状の軸受50と、ピストン20の外周面23とシリンダチューブの内周面16との間を塞ぐ環状のシール60と、をさらに備える。軸受50及びシール60はピストン20の外周に設けられる。
このような油圧シリンダ100では、反ロッド側室14内の作動油がシール60から漏れたり、シリンダチューブ10の内周面16に付着した作動油がシール60により掻き取られたりして、ロッド側室13に作動油が溜まることがある。ロッド側室13に溜まった作動油は、ピストン20の移動に伴うロッド側室13の収縮を阻害し、ピストン20の移動範囲すなわち油圧シリンダ100の伸縮範囲を狭める。
本実施形態に係る油圧シリンダ100は、伸縮範囲の狭小化を防止するために、ロッド側室13に溜まった作動油を反ロッド側室14に排出するチェック弁機構を備える。このようなチェック弁機構について、図3から図5を用いて説明する。
図3は、図1におけるA−A線に沿う断面図である。図4は反ロッド側室14の圧力が高い状態にある油圧シリンダ100の軸受50及びシール60の周辺(図1におけるB部)の拡大断面図であり、図5はロッド側室13の圧力が高い状態にある油圧シリンダ100の軸受50及びシール60の周辺(図2におけるC部)の拡大断面図である。
図3及び図4に示すように、ピストン20は、外周面23に形成される環状の軸受溝24及び環状のシール溝25を有する。軸受50は軸受溝24に配置され、シール60はシール溝25に配置される。
ピストン20の外径D2は軸受50の外径D1よりも小さい。したがって、ピストン20が軸受50によりシリンダチューブ10に対して支持された状態では、ピストン20の外周面23とシリンダチューブ10の内周面16との間に隙間26が存在する。以下において、ピストン20の外周面23とシリンダチューブ10の内周面16との間の隙間を「ピストン隙間26」とも称する。
また、軸受50の外径D1は、シリンダチューブ10の内径D3とほぼ等しい。したがって、軸受50はシリンダチューブ10の内周面16に接し、ピストン20の移動に伴ってシリンダチューブ10の内周面16上を摺動する。
軸受50の外周面51には溝52が形成される。溝52は、ピストン20の軸方向に延びピストン隙間26と連通する。溝52及びシリンダチューブ10の内周面16により、軸受50を貫通する貫通路53が画定される。
シール溝25は、軸受溝24よりもロッド側室13側に形成される。換言すれば、シール60は、軸受50よりもロッド側室13側に位置する。したがって、ロッド側室13内の圧力はピストン隙間26を通じてシール60に作用し、反ロッド側室14内の圧力はピストン隙間26及び貫通路53を通じてシール60に作用する。
シール溝25のロッド側室13側の壁25aは、シール60がロッド側室13側へ移動するのを制限する第1制限部として機能する。したがって、シール60に反ロッド側室14側から作動油の圧力が作用しても、シール60がピストン20から外れるのを防止することができる。
シール溝25の反ロッド側室14側の壁25bは、シール60が反ロッド側室14側へ移動するのを制限する第2制限部として機能する。したがって、シール60にロッド側室13側から作動油の圧力が作用しても、シール60がピストン20から外れるのを防止することができる。
シール60は、環状の基部61と、基部61の内側から反ロッド側室14側へ延びる第1延在部62と、基部61の外側から反ロッド側室14側へ延びる第2延在部63と、を有する。第2延在部63と第1延在部62との間には隙間64が存在する。
第1及び第2延在部62,63の間に隙間64が存在するので、シール60に作動油の圧力が作用したときにシール60は変形する。具体的には、ロッド側室13側から作動油の圧力がシール60に作用したときには、作動油がシール60の外側から隙間64へ向かって基部61及び第2延在部63を押すので、シール60は第2延在部63が第1延在部62へ近づくように変形する。また、反ロッド側室14側から作動油の圧力がシール60に作用したときには、作動油が隙間64に流入して隙間64が拡大するので、シール60は第2延在部63が第1延在部62から離れるように変形する。
ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力以下のときには、シール60は第2延在部63が第1延在部62から離れるように変形する。そのため、図4に示すように、第1延在部62がピストン20に押し付けられ、第2延在部63がシリンダチューブ10に押し付けられる。これにより、シール60は、反ロッド側室14から貫通路53を経てロッド側室13へ向かう作動油の流れを遮断する。
ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときには、シール60は第2延在部63が第1延在部62に近づくように変形する。そのため、図5に示すように、第2延在部63がシリンダチューブ10から離れる。これにより、シール60は、反ロッド側室14から貫通路53を経てロッド側室13へ向かう作動油の流れを許容する。
シール60が作動油の流れを許容することにより、ロッド側室13に溜まった作動油はピストン隙間26及び貫通路53を通って反ロッド側室14へ排出される。したがって、油圧シリンダ100の伸長時に、ロッド側室13を十分に縮小させることができ、油圧シリンダ100の伸長ストロークを十分に確保することができる。
このように、本実施形態では、チェック弁機構がシール60と貫通路53とで構成される。チェック弁機構により、油圧シリンダ100の伸縮範囲の狭小化を防止することができる。
本実施形態では、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときには、ロッド側室13内の作動油は軸受50を貫通する貫通路53を経て反ロッド側室14に流れるので、ピストン20に通路を設ける必要がない。そのため、ロッド側室13から反ロッド側室14への作動油の排出は、シール60の外周からピストン20の径方向内側へ向かう流れをほとんど必要としない。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗が小さくなり、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
なお、本実施形態では、シール60は、シール60に作動油の圧力が作用していない状態では、断面がU字形状、すなわち第1及び第2延在部62,63が平行に延びかつ第1及び第2延在部62,63の根元は丸みを帯びる形状を有する。このような形状を有するシール60は「Uリング」とも呼ばれる。本実施形態のシール60はUリングに限られず、Vリングといったシールであってもよい。
また、本実施形態では、シール60が軸受50よりもロッド側室13側に配置されるが、図6に示すようにシール60は軸受50よりも反ロッド側室14側に配置されてもよい。この場合には、ロッド側室13内の圧力はピストン隙間26及び貫通路53を通じてシール60に作用し、反ロッド側室14内の圧力はピストン隙間26を通じてシール60に作用する。
シール60が軸受50よりも反ロッド側室14側に配置される場合(図6参照)、反ロッド側室14から軸受50への作動油の流れがシール60により遮断される。そのため、軸受50とチューブ11との間の摺動面に作動油が十分に供給されず、摺動性及び耐久性が低下する虞がある。
シール60が軸受50よりもロッド側室13側に配置される場合(図1等参照)には、反ロッド側室14から軸受50への作動油の流れはシール60により遮断されない。そのため、軸受50とチューブ11との間の摺動面に作動油が十分に供給され、摺動性及び耐久性を高めることができる。このような理由から、シール60を、軸受50よりもロッド側室13側に配置することが好ましい。
さらに、貫通路53は、軸受50の外周面51に形成される溝52とシリンダチューブ10の内周面16とで画定される形態に限られない。図7及び図8に示すように、貫通路53は、軸受50の内周面54に形成される溝52とピストン20の外周面23とで形成されてよい。図7及び図8に示される形態では、次の効果を奏する。
軸受50は、ピストン20と共に移動するので、ピストン20の移動に伴ってシリンダチューブ10の内周面16上を摺動する。そのため、貫通路53が軸受50の外周面51に形成される溝52とシリンダチューブ10の内周面16とで形成される場合(図3及び図4参照)、溝52の縁がシリンダチューブ10の内周面16上を摺動する。その結果、溝52(貫通路53)が変形する虞がある。
図7及び図8に示すように、貫通路53が軸受50の内周面54に形成される溝52とピストン20の外周面23とで形成される場合、溝52の縁はシリンダチューブ10の内周面16上を摺動しない。また、軸受50はピストン20と共に移動するので、ピストン20がシリンダチューブ10に対して移動しても溝52の縁はピストン20の外周面23上をほとんど摺動しない。したがって、溝52(貫通路53)の変形を防ぐことができ、ロッド側13室に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
また、後述するバックアップリング70(図13及び図14参照)を使用したとき、シール60はロッド側室13からの力を受けて第1延在部62がピストン20から離れるように変形する。つまり、ピストン20とシール60との間を作動油が流れる。貫通路53を軸受50の内周面54に形成される溝52とピストン20の外周面23とで形成することにより、バックアップリング70を使用したときに曲がり通路が減る。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができる。
また、図9及び図10に示すように、貫通路53は軸受50の内周と外周との両方に設けられてもよい。さらに、貫通路53は、軸受50をピストン20の軸方向に貫通する貫通穴により構成されてもよい。
もっとも、貫通路53は、軸受50の溝52とシリンダチューブ10の内周面16とで画定されることが好ましい。シリンダチューブ10の内周面16が軸受50の溝52とで貫通路を画定するので、貫通路53は曲がり通路を経ることなくピストン20の外周面23とシリンダチューブ10の内周面16との間のピストン隙間26と連通する。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
次に、油圧シリンダ100の動作について、図1から図5を用いて説明する。
まず、油圧シリンダ100の反ロッド側室14に作動油が供給される場合について説明する。
図示しないポンプから吐出された作動油が給排ポート15を通じて反ロッド側室14に供給されると、ピストン20及びピストンロッド30がシリンダヘッド40側へ移動し、油圧シリンダ100は伸長する。このとき、ロッド側室13は圧縮される。
ロッド側室13内に作動油が溜まっていた場合、ピストン20がシリンダヘッド40に近づくと、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14の圧力よりも高くなる。このとき、図5に示すように、シール60は、ロッド側室13側から作動油の圧力を受けて、第2延在部63が第1延在部62に近づくように変形する。その結果、ロッド側室13から貫通路53を経て反ロッド側室14へ向かう作動油の流れがシール60により許容される。
ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14の圧力よりも高いので、ロッド側室13内に溜まった作動油がピストン隙間26及び貫通路53を通って反ロッド側室14へ排出される。したがって、油圧シリンダ100の伸長時に、ロッド側室13を十分に縮小させることができ、油圧シリンダ100の伸長ストロークを十分に確保することができる。つまり、油圧シリンダ100の伸縮範囲の狭小化を防止することができる。
次に、反ロッド側室14内の作動油が排出される場合について説明する。
反ロッド側室14内の作動油が給排ポート15を通じて排出されると、ピストン20及びピストンロッド30がシリンダボトム12側へ移動し、油圧シリンダ100は収縮する。このとき、ロッド側室13は膨張する。
ロッド側室13内は負圧になることによって、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14の圧力よりも低くなる。このとき、図4に示すように、シール60は、反ロッド側室14側から作動油の圧力を受けて、第2延在部63が第1延在部62から離れるように変形する。その結果、収縮時、ロッド側室13から貫通路53を経て反ロッド側室14へ向かう作動油の流れはシール60により遮断される。したがって、反ロッド側室14からロッド側室13への作動油の漏出を防止することができ、ポンプから吐出された作動油の圧力をより効率的にピストン20に作用させることができる。
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときには、ロッド側室13内の作動油は軸受50に設けられる貫通路53を経て反ロッド側室14に流れるので、ピストン20に通路を設ける必要がない。そのため、ロッド側室13から反ロッド側室14への作動油の排出は、シール60の外周からピストン20の径方向内側へ向かう流れをほとんど必要としない。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗が小さくなり、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
シリンダチューブ10の内周面16が軸受50の溝52とで貫通路53を画定するので、貫通路53は曲がり通路を経ることなくピストン20の外周面23とシリンダチューブ10の内周面16との間のピストン隙間26と連通する。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
シール溝25のロッド側室13側の壁25aは、シール60がロッド側室13側へ移動するのを制限する第1制限部として機能する。したがって、シール60に反ロッド側室14側から作動油の圧力が作用しても、シール60がピストン20から外れるのを防止することができる。
シール溝25の反ロッド側室14側の壁25bは、シール60が反ロッド側室14側へ移動するのを制限する第2制限部として機能する。したがって、シール60にロッド側室13側から作動油の圧力が作用しても、シール60がピストン20から外れるのを防止することができる。
<第2実施形態>
次に、図11及び図12を参照して、本発明の第2実施形態に係る油圧シリンダ200について説明する。なお、第1実施形態における構成と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、以下において、「厚み」とは、シール60の径方向における寸法を意味する。
図11及び図12は本実施形態に係るシール60の周辺の拡大断面図である。図11はロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力以下である状態を示し、図12はロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高い状態を示す。
図11及び図12に示すように、シール60の第2延在部63の厚みは、第1延在部62の厚みよりも薄い。そのため、第2延在部63の剛性は第1延在部62の剛性よりも低い。
ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときには、第2延在部63がシール60の径方向内側に曲がる(図12参照)。その結果、第2延在部63がシリンダチューブ10の内周面16から離れ、第2延在部63とシリンダチューブ10との間により大きな隙間が形成される。
このように、本実施形態では、第2延在部63の剛性が第1延在部62の剛性よりも低いので、第2延在部63は第1延在部62よりも変形し易い。そのため、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときに、第2延在部63とシリンダチューブ10との間に隙間(通路)が形成される。
第2延在部63とシリンダチューブ10との間の通路は、曲がり通路を経ることなくピストン隙間26と連通する。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
また、基部61の外径D4はシリンダチューブ10の内径D3よりも小さい。そのため、基部61とシリンダチューブ10との間には隙間が存在する。
第2延在部63の外径D5は、ロッド側室13側から反ロッド側室14側へ向かうほど大きく、第2延在部63の外周面は先端のみがシリンダチューブ10に接する(図11参照)。つまり、第2延在部63の外周面のうち先端以外の他の部分と、シリンダチューブ10との間には隙間が存在する。
シール60とシリンダチューブ10との間の部分的な隙間により、ロッド側室13内の圧力は、第2延在部63の外周面の先端側まで作用する。そのため、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときには、第2延在部63が第1延在部62に向かって変形し易い。したがって、第2延在部63とシリンダチューブ10との間に隙間(通路)がより容易に形成される(図12参照)。
第2延在部63とシリンダチューブ10との間の通路は、曲がり通路を経ることなくピストン隙間26と連通する。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
さらに、シール60におけるロッド側室13側の端部の外径すなわち基部61の外径D4は、シール溝25におけるロッド側室13側の壁25a(第1制限部)の外径D6よりも小さい。そのため、シール60に反ロッド側室14側から作動油の圧力が作用しても、シール60がシール溝25からはみ出ず、ピストン隙間26に入り込まない。したがって、ピストン隙間26への入り込みによるシール60の損傷を防止することができる。
第2実施形態に係る油圧シリンダ100の動作については、第1実施形態に係る油圧シリンダ100の動作とほぼ同じなので、ここではその説明を省略する。
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態が奏する効果に加え、以下に示す効果を奏する。
第2延在部63は、ピストン20の径方向における寸法が第1延在部62よりも小さいので、第2延在部63の剛性は第1延在部62の剛性よりも低く、第2延在部63は第1延在部62よりも変形し易い。そのため、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときに、第2延在部63とシリンダチューブ10との間に通路が形成される。この通路は曲がり通路を経ることなくピストン隙間26と連通する。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
基部61の外径D4がシリンダチューブ10の内径D3よりも小さくかつ第2延在部63の外径D5がロッド側室13から反ロッド側室14へ向かうほど大きいので、シール60とシリンダチューブ10との間に部分的な隙間が形成される。そのため、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときに、第2延在部63の外周面の先端まで作動油の圧力が作用し、第2延在部63が第1延在部62に向かって変形し易い。したがって、第2延在部63とシリンダチューブ10との間に通路をより確実に形成することができる。この通路は曲がり通路を経ることなくピストン隙間26と連通する。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
基部61の外径D4が、シール溝25におけるロッド側室13側の壁25aの外径D6よりも小さいので、シール60に反ロッド側室14側から力が作用しても、シール60がシール溝25からはみ出ず、ピストン隙間26に入り込まない。したがって、ピストン隙間26への入り込みによるシール60の損傷を防止することができる。
<第3実施形態>
次に、図13及び図14を参照して、本発明の第3実施形態に係る油圧シリンダ300について説明する。なお、第1実施形態における構成と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図13及び図14は本実施形態に係るシール60の周辺の拡大断面図である。図13はロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力以下である状態を示し、図14はロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高い状態を示す。
図13及び図14に示すように、本実施形態では、ピストン20は、第1及び第2実施形態における軸受溝24及びシール溝25(図4及び図5参照)を有さない。
ピストン20の外周面23には、軸受50及びシール60よりもロッド側室13側に段部27が形成される。段部27は、シール60がロッド側室13側へ移動するのを制限する第1制限部として機能する。
また、ピストン20の外周面23には、軸受50及びシール60よりも反ロッド側室14側にストッパ28が設けられる。ストッパ28は、シール60が反ロッド側室14側へ移動するのを制限する第2制限部として機能する。
段部27とシール60との間には、環状のバックアップリング70が設けられる。バックアップリング70は、シリンダチューブ10の内周面16に接する。また、バックアップリング70の剛性はシール60の剛性よりも高い。
バックアップリング70は、ピストン隙間26からピストン20の径方向内側へ延びシール60へ至るリング通路71を有する。したがって、ロッド側室13内の圧力は、ピストン隙間26及びリング通路71を経てシール60に作用する。
ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときには、シール60にはロッド側室13側から作動油の圧力が作用し、シール60は第1延在部62が第2延在部63に近づくように変形する。そのため、図14に示すように、第1延在部62がピストン20から離れる。つまり、シール60は、反ロッド側室14からピストン隙間26、リング通路71及び貫通路53を経てロッド側室13へ向かう作動油の流れを許容する。
シール60が作動油の流れを許容することにより、ロッド側室13に溜まった作動油はピストン隙間26、リング通路71及び貫通路53を通って反ロッド側室14へ排出される。したがって、油圧シリンダ100の伸長時に、ロッド側室13を十分に縮小させることができ、油圧シリンダ100の伸長ストロークを十分に確保することができる。
バックアップリング70がシリンダチューブ10の内周面16に接しているので、シール60に反ロッド側室14側から力が作用しても、シール60は、ピストン隙間26に入り込まない。したがって、ピストン隙間26への入り込みによるシール60の損傷を防止することができる。
第3施形態に係る油圧シリンダ300の動作については、第1実施形態に係る油圧シリンダ100の動作とほぼ同じなので、ここではその説明を省略する。
以上の第3実施形態によれば、第1実施形態が奏する効果に加え、以下に示す効果を奏する。
バックアップリング70がシリンダチューブ10の内周面16に接して設けられるので、シール60に反ロッド側室14側から作動油の圧力が作用しても、シール60は段部27とシリンダチューブ10との間のピストン隙間26へ入り込まない。したがって、ピストン隙間26への入り込みによるシール60の損傷を防止することができる。
<第4実施形態>
次に、図15を参照して、本発明の第4施形態に係る油圧シリンダ400ついて説明する。なお、第1及び第4実施形態における構成と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図15は本実施形態に係るシール60の周辺の拡大断面図であり、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力以下である状態を示す。図15に示すように、シール60は、基部61に一体に設けられるバックアップ部65を有する。バックアップ部65は、シール60の径方向外側であって段部27側に位置する。バックアップ部65の剛性は、シール60の他の部分(基部61、並びに第1及び第2延在部62,63)の剛性よりも高い。
バックアップ部65がシール60の径方向外側であって段部27側に設けられるので、シール60に反ロッド側室14側から作動油の圧力が作用しても、シール60は、ピストン隙間26に入り込まない。したがって、ピストン隙間26への入り込みによるシール60の損傷を防止することができる。
第3施形態に係る油圧シリンダ300の動作については、第1実施形態に係る油圧シリンダ100の動作とほぼ同じなので、ここではその説明を省略する。
以上の第4実施形態によれば、第1実施形態が奏する効果に加え、以下に示す効果を奏する。
バックアップ部65がシール60の径方向外側であって段部27側に設けられるので、シール60に反ロッド側室14側から作動油の圧力が作用しても、シール60は段部27とシリンダチューブ10との間のピストン隙間26へ入り込まない。したがって、ピストン隙間26への入り込みによるシール60の損傷を防止することができる。
<第5実施形態>
次に、図16及び図17を参照して、本発明の第5実施形態に係る油圧シリンダ500について説明する。なお、第1実施形態における構成と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図16及び図17は本実施形態に係るシール60の周辺の拡大断面図である。図16はロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力以下である状態を示し、図17はロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高い状態を示す。
図16及び図17に示すように、シール溝25におけるピストン20の軸方向に互いに対向する壁25a,25b(第1及び第2制限部)間の寸法L1は、シール60の寸法L2よりも大きい。
したがって、シール60は、反ロッド側室14側から作動油の圧力を受けたときにはロッド側室13側に移動し、シール溝25におけるロッド側室13側の壁25a(第1制限部)に押し付けられる(図16参照)。また、シール60は、ロッド側室13側から作動油の圧力を受けたときには反ロッド側室14側に移動し、シール溝25における反ロッド側室14側の壁25b(第2制限部)に押し付けられる(図17参照)。
ピストン20の外径D2は、シール溝25の壁25aと、シール60が壁25aに押し付けられた状態で第1延在部62の反ロッド側室14側の先端が位置する地点Pとの間の範囲において、ほぼ一定である。そのため、シール60がシール溝25におけるロッド側室13側の壁25a(第1制限部)に押し付けられた状態(図16参照)では、第1及び第2延在部62,63が、それぞれ、ピストン20及びシリンダチューブ10に十分に押し付けられる。したがって、シール60とシリンダチューブ10との間に隙間が形成されにくく、反ロッド側室14からロッド側室13への作動油の漏出をより確実に防ぐことができる。
また、ピストン20の外径D2は、地点Pからシール溝25の壁25bへ向かうほど小さい。そのため、シール60がシール溝25における反ロッド側室14側の壁25b(第2制限部)に押し付けられた状態(図17参照)では、第1及び第2延在部62,63が、それぞれ、ピストン20及びシリンダチューブ10に十分に押し付けられない。したがって、シール60とシリンダチューブ10との間に隙間が形成され易く、ロッド側室13内の作動油を反ロッド側室14へより確実に排出することができる。
なお、ピストンの外径D2が、シール溝25の壁25aから壁25bへ向かうほど小さい形態であっても、シール60が壁25bに押し付けられた状態でシール60とシリンダチューブ10との間に隙間が形成され易い。しかし、この形態では、ピストン20の外径D2が壁25aと地点Pとの間においてほぼ一定である形態(図15に示される形態)に比べて、シール60が壁25aに押し付けられた状態でシール60とシリンダチューブ10との間に隙間が形成され易い。このような理由から、シール溝25におけるピストンの外径D2は、壁25aと地点Pとの間の範囲においてほぼ一定であることがより好ましい。
第5施形態に係る油圧シリンダ500の動作については、第1実施形態に係る油圧シリンダ100の動作とほぼ同じなので、ここではその説明を省略する。
以上の第5実施形態によれば、第1実施形態が奏する効果に加え、以下に示す効果を奏する。
シール溝25におけるピストン20の外径D2は、ロッド側室13側から反ロッド側室14へ向かうほど小さい。そのため、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときには、シール60とシリンダチューブ10との間に隙間が形成され易い。したがって、ロッド側室13内の作動油を反ロッド側室14へより確実に排出することができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
本実施形態では、油圧シリンダ100,200,300,400,500は、シリンダチューブ10と、シリンダチューブ10に収容され、シリンダチューブ10の内部を、ロッド側室13と作動油が給排される反ロッド側室14とに仕切るピストン20と、ピストン20に連結されるピストンロッド30と、ピストン20の外周に設けられピストン20をシリンダチューブ10に対して摺動自在に支持する軸受50と、ピストン20の外周に設けられる環状のシール60と、を備え、軸受50は、ピストン20の軸方向に貫通する貫通路53を有し、シール60は、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力以下のときには反ロッド側室14から貫通路53を経てロッド側室13へ向かう作動油の流れを遮断し、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときにはロッド側室13から貫通路53を経て反ロッド側室14へ向かう作動油の流れを許容することを特徴とする。
この構成では、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときには、ロッド側室13内の作動油は軸受50に設けられる貫通路53を経て反ロッド側室14に流れるので、ピストン20に通路を設ける必要がない。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
また本実施形態では、貫通路53は、軸受50の外周面51に形成されピストン20の軸方向に延びる溝52と、シリンダチューブ10の内周面16とで画定されることを特徴とする。
この構成では、シリンダチューブ10の内周面16が軸受50の溝52とで貫通路53を画定するので、貫通路53は曲がり通路を経ることなくピストン20の外周面23とシリンダチューブ10の内周面16との間のピストン隙間26と連通する。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
また本実施形態では、シール60は、基部61と、基部61の内側から反ロッド側室14側へ延びる第1延在部62と、基部61の外側から反ロッド側室14側へ延び、第1延在部62との間に隙間64を有する第2延在部63と、を有し、シール60は、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときに第2延在部63が第1延在部62に近づくことにより、ロッド側室13から貫通路53を経て反ロッド側室14へ向かう作動油の流れを許容することを特徴とする。
この構成では、第2延在部63が第1延在部62に近づくので、第2延在部63とシリンダチューブ10との間に通路が形成される。この通路は曲がり通路を経ることなくピストン20の外周面23とシリンダチューブ10の内周面16との間のピストン隙間26と連通する。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
また本実施形態では、第2延在部63は、シール60の径方向における寸法が第1延在部62よりも小さいことを特徴とする。
この構成では、第2延在部63は、シール60の径方向における寸法が第1延在部62よりも小さいので、第2延在部63の剛性は第1延在部62の剛性よりも低く、第2延在部63が第1延在部62よりも変形し易い。そのため、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときに、第2延在部63とシリンダチューブ10との間に通路が形成される。この通路は曲がり通路を経ることなくピストン20の外周面23とシリンダチューブ10の内周面16との間のピストン隙間26と連通する。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
また、本実施形態では、基部61の外径D4はシリンダチューブ10の内径D3よりも小さく、第2延在部63の外径D5は、ロッド側室13から反ロッド側室14へ向かうほど大きいことを特徴とする。
この構成では、基部61の外径D4がシリンダチューブ10の内径D3よりも小さくかつ第2延在部63の外径D4がロッド側室13から反ロッド側室14へ向かうほど大きいので、シール60とシリンダチューブ10との間に部分的な隙間が形成される。そのため、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときに、ロッド側室13内の圧力が第2延在部63の外周面の先端まで作動油の圧力が作用し、第2延在部63が第1延在部62に向かって変形し易い。したがって、第2延在部63とシリンダチューブ10との間に通路をより確実に形成することができる。この通路は曲がり通路を経ることなくピストン20の外周面23とシリンダチューブ10の内周面16との間のピストン隙間26と連通する。したがって、ロッド側室13から反ロッド側室14までの通路における流れ抵抗を減らすことができ、ロッド側室13に溜まった作動油をより確実に反ロッド側室14へ排出することができる。
また本実施形態では、ピストン20は、ピストン20の外周におけるシール60よりもロッド側室13側に設けられロッド側室13側へのシール60の移動を制限するシール溝25の壁25a又は段部27を有することを特徴とする。
この構成では、シール溝25の壁25a又は段部27がロッド側室13側へのシール60の移動を制限するので、シール60に反ロッド側室14側から作動油の圧力が作用しても、シール60がピストン20から外れるのを防止することができる。
また本実施形態では、シール60におけるロッド側室13側の端部の外径D4は、シール溝25の壁25aの外径D6よりも小さいことを特徴とする。
この構成では、シール60におけるロッド側室13側の端部の外径D4がシール溝25の壁25aの外径D6よりも小さいので、シール60に反ロッド側室14側から作動油の圧力が作用しても、シール60はシール溝25の壁25aからはみ出ず、ピストン20とシリンダチューブ10との間のピストン隙間26に入り込まない。したがって、ピストン20とシリンダチューブ10との間のピストン隙間26への入り込みによるシール60の損傷を防止することができる。
また本実施形態では、シール60とシール溝25の壁25aとの間にシリンダチューブ10の内周面16に接して設けられ、シール60よりも高い剛性を有するバックアップリング70をさらに備えることを特徴とする。
この構成では、バックアップリング70がシリンダチューブ10の内周面16に接して設けられるので、シール60に反ロッド側室14側から作動油の圧力が作用しても、シール60はピストン20とシリンダチューブ10との間のピストン隙間26へ入り込まない。したがって、ピストン20とシリンダチューブ10との間のピストン隙間26への入り込みによるシール60の損傷を防止することができる。
また本実施形態では、シール60は、シール60の径方向外側かつシール溝25の壁25a側に設けられシール60の他の部分よりも高い剛性を有するバックアップ部65を有することを特徴とする。
この構成では、バックアップ部65がシール60の径方向外側かつシール溝25の壁25a側に設けられるので、シール60に反ロッド側室14側から作動油の圧力が作用しても、シール60はピストン20とシリンダチューブ10との間のピストン隙間26へ入り込まない。したがって、ピストン20とシリンダチューブ10との間のピストン隙間26への入り込みによるシール60の損傷を防止することができる。
また本実施形態では、ピストン20は、ピストン20の外周におけるシール60よりも反ロッド側室14側に設けられ反ロッド側室14側へのシール60の移動を制限するシール溝25の壁25bを有し、シール溝25の壁25a,25b間の間隔は、シール60におけるピストン20の軸方向の寸法よりも大きく、ピストンの外径D2は、シール溝25の壁25aから壁25bへ向かうほど小さいことを特徴とする。
この構成では、ピストン20の外径D2は、シール溝25の壁25aから壁25bへ向かうほど小さい。そのため、ロッド側室13内の圧力が反ロッド側室14内の圧力よりも高いときには、シール60とシリンダチューブ10との間に隙間が形成され易い。したがって、ロッド側室13内の作動油を反ロッド側室14へより確実に排出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
10・・・シリンダチューブ、13・・・ロッド側室、14・・・反ロッド側室、16・・・内周面、20・・・ピストン、23・・・外周面、25a・・・シール溝の壁(第1制限部)、25b・・・シール溝の壁(第2制限部)、26・・・ピストン隙間、27・・・段部(第1制限部)、28・・・ストッパ(第2制限部)、30・・・ピストンロッド、50・・・軸受、51・・・外周面、52・・・溝、53・・・貫通路、60・・・シール、61・・・基部、62・・・第1延在部、63・・・第2延在部、64・・・隙間、65・・・バックアップ部、70・・・バックアップリング、100,200,300,400,500・・・油圧シリンダ(液圧シリンダ)、D2・・・ピストンの外径、D3・・・シリンダチューブの内径、D4・・・基部の外径、D5・・・第2延在部の外径、D6・・・シール溝の壁の外径、L1・・・シール溝の壁間の間隔、L2・・・シールにおけるピストンの軸方向の寸法

Claims (10)

  1. シリンダチューブと、
    前記シリンダチューブに収容され、前記シリンダチューブの内部を、ロッド側室と作動液が給排される反ロッド側室とに仕切るピストンと、
    前記ピストンに連結されるピストンロッドと、
    前記ピストンの外周に設けられ前記ピストンを前記シリンダチューブに対して摺動自在に支持する軸受と、
    前記ピストンの外周に設けられる環状のシールと、を備え、
    前記軸受は、前記ピストンの軸方向に貫通する貫通路を有し、
    前記シールは、前記ロッド側室内の圧力が前記反ロッド側室内の圧力以下のときには前記反ロッド側室から前記貫通路を経て前記ロッド側室へ向かう作動液の流れを遮断し、前記ロッド側室内の圧力が前記反ロッド側室内の圧力よりも高いときには前記ロッド側室から前記貫通路を経て前記反ロッド側室へ向かう作動液の流れを許容し、
    前記ピストンは、前記ピストンの外周における前記シールよりも前記ロッド側室側に設けられ前記ロッド側室側への前記シールの移動を制限する環状の第1制限部を有し、
    前記貫通路は、前記軸受の外周面に形成され前記ピストンの軸方向に延びる溝と、前記シリンダチューブの内周面とで画定されており、
    前記貫通路の前記溝の深さは、前記第1制限部の外周面と前記シリンダチューブの内周面との間隔よりも大きいことを特徴とする液圧シリンダ。
  2. 前記ピストンは、前記ピストンの外周における前記シールよりも前記反ロッド側室側に設けられ前記反ロッド側室側への前記シールの移動を制限する環状の第2制限部を更に有し、
    前記第2制限部の外周面と前記シリンダチューブの内周面との間隔は、前記第1制限部の外周面と前記シリンダチューブの内周面との間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液圧シリンダ。
  3. 前記貫通路の前記溝の深さは、前記第2制限部の外周面と前記シリンダチューブの内周面との間隔よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の液圧シリンダ。
  4. シリンダチューブと、
    前記シリンダチューブに収容され、前記シリンダチューブの内部を、ロッド側室と作動液が給排される反ロッド側室とに仕切るピストンと、
    前記ピストンに連結されるピストンロッドと、
    前記ピストンの外周に設けられ前記ピストンを前記シリンダチューブに対して摺動自在に支持する軸受と、
    前記ピストンの外周に設けられる環状のシールと、を備え、
    前記軸受は、前記ピストンの軸方向に貫通する貫通路を有し、
    前記シールは、前記ロッド側室内の圧力が前記反ロッド側室内の圧力以下のときには前記反ロッド側室から前記貫通路を経て前記ロッド側室へ向かう作動液の流れを遮断し、前記ロッド側室内の圧力が前記反ロッド側室内の圧力よりも高いときには前記ロッド側室から前記貫通路を経て前記反ロッド側室へ向かう作動液の流れを許容し、
    前記ピストンは、
    前記ピストンの外周における前記シールよりも前記ロッド側室側に設けられ前記ロッド側室側への前記シールの移動を制限する環状の第1制限部と、
    前記ピストンの外周における前記シールよりも前記反ロッド側室側に設けられ前記反ロッド側室側への前記シールの移動を制限する環状の第2制限部と、を有し、
    前記第2制限部の外周面と前記シリンダチューブの内周面との間隔は、前記第1制限部の外周面と前記シリンダチューブの内周面との間隔よりも大きいことを特徴とする液圧シリンダ。
  5. シリンダチューブと、
    前記シリンダチューブに収容され、前記シリンダチューブの内部を、ロッド側室と作動液が給排される反ロッド側室とに仕切るピストンと、
    前記ピストンに連結されるピストンロッドと、
    前記ピストンの外周に設けられ前記ピストンを前記シリンダチューブに対して摺動自在に支持する軸受と、
    前記ピストンの外周に設けられる環状のシールと、を備え、
    前記軸受は、前記ピストンの軸方向に貫通する貫通路を有し、
    前記シールは、前記ロッド側室内の圧力が前記反ロッド側室内の圧力以下のときには前記反ロッド側室から前記貫通路を経て前記ロッド側室へ向かう作動液の流れを遮断し、前記ロッド側室内の圧力が前記反ロッド側室内の圧力よりも高いときには前記ロッド側室から前記貫通路を経て前記反ロッド側室へ向かう作動液の流れを許容し、
    前記ピストンは、前記ピストンの外周における前記シールよりも前記反ロッド側室側に設けられ前記反ロッド側室側への前記シールの移動を制限する環状の第2制限部を有し、
    前記貫通路は、前記軸受の外周面に形成され前記ピストンの軸方向に延びる溝と、前記シリンダチューブの内周面とで画定されており、
    前記貫通路の前記溝の深さは、前記第2制限部の外周面と前記シリンダチューブの内周面との間隔よりも大きいことを特徴とする液圧シリンダ。
  6. シリンダチューブと、
    前記シリンダチューブに収容され、前記シリンダチューブの内部を、ロッド側室と作動液が給排される反ロッド側室とに仕切るピストンと、
    前記ピストンに連結されるピストンロッドと、
    前記ピストンの外周に設けられ前記ピストンを前記シリンダチューブに対して摺動自在に支持する軸受と、
    前記ピストンの外周に設けられる環状のシールと、を備え、
    前記軸受は、前記ピストンの軸方向に貫通する貫通路を有し、
    前記シールは、前記ロッド側室内の圧力が前記反ロッド側室内の圧力以下のときには前記反ロッド側室から前記貫通路を経て前記ロッド側室へ向かう作動液の流れを遮断し、前記ロッド側室内の圧力が前記反ロッド側室内の圧力よりも高いときには前記ロッド側室から前記貫通路を経て前記反ロッド側室へ向かう作動液の流れを許容し、
    前記ピストンは、
    前記ピストンの外周における前記シールよりも前記ロッド側室側に設けられ前記ロッド側室側への前記シールの移動を制限する環状の第1制限部と、
    前記ピストンの外周における前記シールよりも前記反ロッド側室側に設けられ前記反ロッド側室側への前記シールの移動を制限する環状の第2制限部と、を有し、
    前記第1及び第2制限部間の間隔は、前記シールにおける前記ピストンの軸方向の寸法よりも大きく、
    前記ピストンの外径は、前記第1制限部から前記第2制限部へ向かうほど小さいことを特徴とする液圧シリンダ。
  7. 前記シールにおける前記ロッド側室側の端部の外径は、前記第1制限部の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1、2、3、4、6のいずれか1項に記載の液圧シリンダ。
  8. 前記シールと前記第1制限部との間に前記シリンダチューブの内周面に接して設けられ、前記シールよりも高い剛性を有するバックアップリングをさらに備えることを特徴とする請求項1、2、3、4、6のいずれか1項に記載の液圧シリンダ。
  9. 前記シールは、
    基部と、
    前記基部の内側から前記反ロッド側室側へ延びる第1延在部と、
    前記基部の外側から前記反ロッド側室側へ延び、前記第1延在部との間に隙間を有する第2延在部と、を有し、
    前記シールは、前記ロッド側室内の圧力が前記反ロッド側室内の圧力よりも高いときに前記第2延在部が前記第1延在部に近づくことにより、前記ロッド側室から前記貫通路を経て前記反ロッド側室へ向かう作動液の流れを許容し、
    前記第2延在部は、前記シールの径方向における寸法が前記第1延在部よりも小さく、
    前記基部の外径は前記シリンダチューブの内径よりも小さく、
    前記第2延在部の外径は、前記ロッド側室から前記反ロッド側室へ向かうほど大きいことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の液圧シリンダ。
  10. 前記軸受は、前記シールよりも前記反ロッド側室側に配置されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の液圧シリンダ。
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