本出願に係る電子機器、制御方法、及び制御プログラムを実施するための複数の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
以下では、本出願に係る電子機器の一例として、スマートフォンを取り上げて説明する。携帯電子機器は、ユーザが携行可能であって、加速度及び気圧の測定機能を備える電子機器であれば、スマートフォン以外の機器であってもよく、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、歩数計、活動量計、ウエアラブルデバイス、ヘッドマウントディスプレイ、補聴器、イヤホン、又はゲーム機等の機器であってよい。ウエアラブルデバイスは、時計型、メガネ型、靴型、髪留め型、鍵型、ネックレス型、首輪型、指輪型、腕輪型、鞄型などを含む。
図1は、スマートフォン1の機能構成の一例を示すブロック図である。以下の説明において、同様の構成要素について同一の符号を付すことがある。以下の説明において、重複する説明は省略することがある。以下の説明において、スマートフォン1を「自機」と表記する場合がある。
図1に示すように、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12と、カメラ13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、ジャイロスコープ17と、磁気センサ18と、気圧センサ19とを含む。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、重なって位置してよいし、並んで位置してよいし、離れて位置してよい。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重なって位置する場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺は、タッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを含む。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等のオブジェクトを画面内に表示する。ディスプレイ2Aが表示するオブジェクトを含む画面は、ロック画面と呼ばれる画面、ホーム画面と呼ばれる画面、アプリケーションの実行中に表示されるアプリケーション画面を含む。ホーム画面は、デスクトップ、待受画面、アイドル画面、標準画面、アプリ一覧画面又はランチャー画面と呼ばれることもある。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触又は近接を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触又は近接したときのタッチスクリーン2B上の位置を検出することができる。以下の説明において、タッチスクリーン2Bが検出する複数の指、ペン、及びスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触又は近接した位置を「検出位置」と表記する。タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指の接触又は近接を、検出位置とともにコントローラ10に通知する。タッチスクリーン2Bは、検出位置の通知をもって接触又は近接の検出をコントローラ10に通知してよい。タッチスクリーン2Bが行える動作を、タッチスクリーン2Bを有するタッチスクリーンディスプレイ2は実行できる。言い換えると、タッチスクリーン2Bが行う動作は、タッチスクリーンディスプレイ2が行ってもよい。
コントローラ10は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触又は近接、検出位置、検出位置の変化、接触又は近接が継続した時間、接触又は近接が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいて、ジェスチャの種別を判別する。コントローラ10が行える動作を、コントローラ10を有するスマートフォン1は実行できる。言い換えると、コントローラ10が行う動作は、スマートフォン1が行ってもよい。ジェスチャは、指を用いて、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。タッチスクリーン2Bに対して行われる操作は、タッチスクリーン2Bを有するタッチスクリーンディスプレイ2に行われてもよい。コントローラ10が、タッチスクリーン2Bを介して判別するジェスチャには、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトが含まれるが、これらに限定されない。
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。
ボタン3は、ユーザからの操作入力を受け付ける。ボタン3の数は、単数であっても、複数であってもよい。ボタン3は、操作ボタンの一例である。
照度センサ4は、照度を検出する。照度は、照度センサ4の測定面の単位面積に入射する光束の値である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。
近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化又は超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、ディスプレイ2Aと顔とが接近したことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、1つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信する。通信ユニット6によってサポートされる無線通信規格には、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラーフォンの通信規格と、近距離無線の通信規格とが含まれる。セルラーフォンの通信規格としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、WiMAX(登録商標)(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。近距離無線の通信規格としては、例えば、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等が含まれる。WPANの通信規格には、例えば、ZigBee(登録商標)が含まれる。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。実施形態の1つの例において、通信ユニット6は、交差点付近に設置される路側機との通信を可能とするための複数の通信規格をさらにサポートする。実施形態の1つの例において、通信ユニット6は、交差点を含む所定の通信エリア内にある機器が受信可能な電波を発信する路側機から発信された電波を受信できる。
レシーバ7は、コントローラ10から送出される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、スマートフォン1にて再生される動画の音、音楽の音、及び通話時の相手の声を出力することができる。マイク8は、入力されるユーザの声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域として利用されてもよい。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する支援プログラム(図示略)とが含まれる。アプリケーションは、例えば、フォアグランドで実行される場合、当該アプリケーションに係る画面を、ディスプレイ2Aに表示する。支援プログラムには、例えば、OSが含まれる。プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、制御プログラム9A、気圧データ9B、加速度データ9C、移動判定データ9D、路側機データ9E、及び設定データ9Zなどを記憶できる。制御プログラム9Aは、各種機能を提供するに際し、各種アプリケーションと連携できる。制御プログラム9Aは、通信ユニット6を介してクラウドストレージと連携し、当該クラウドストレージが記憶するファイル及びデータにアクセスしてもよい。クラウドストレージは、ストレージ9に記憶されるプログラム及びデータの一部又は全部を記憶してもよい。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1の動作に関する機能を提供できる。実施形態の1つの例において、制御プログラム9Aは、次の各機能を提供できる。
制御プログラム9Aは、加速度センサ15の検出結果である加速度値に基づいて、自機のユーザが所定の移動態様により移動中であるかを判定する機能を提供できる。具体的には、制御プログラム9Aは、加速度センサ15の検出結果である加速度の方向及び大きさに基づいて、自機に作用する振動及び動きを測定できる。制御プログラム9Aは、測定した振動及び動きの測定結果を、移動判定データ9Dに照らし合わせて、自機のユーザが所定の移動態様で移動中であるかを判定できる。制御プログラム9Aは、移動判定データ9Dから、自機を携帯するユーザが所定の移動態様で移動中であるときに、自機に作用する振動及び動きのデータを予め測定したものを選択して判定に利用する。実施形態の1つの例において、所定の移動態様で移動中とは、自機のユーザが歩いている状態、または自機のユーザが走っている状態で移動中であることを含む。
制御プログラム9Aは、自機のユーザが所定の移動態様により移動中であると判定した場合に、ユーザの交差点への接近を路側機から発信される電波の受信によって検出する機能を提供できる。
制御プログラム9Aは、自機のユーザの交差点への接近を検出すると、交差点への接近後、当該ユーザが交差点の道路上を移動する蓋然性が高いかを、気圧センサ19の検出結果である気圧値の変化に基づいて判定する機能を提供できる。具体的には、制御プログラム9Aは、気圧センサ19の検出結果として、単位時間あたりの気圧変化量を取得し、単位時間あたりの気圧変化量が気圧閾値を超える場合に、自機のユーザが交差点の道路上を横断する蓋然性が高くないと判定できる。気圧閾値は、例えば、自機を携帯するユーザが階段を歩いて下りている状態、又は自機を携帯するユーザが階段を走って下りている状態であるときに、気圧センサ19により測定される気圧変化量に対応する。気圧閾値は、例えば、自機を携帯するユーザが階段を歩いて上っている状態、又は自機を携帯するユーザが階段を走って下りている状態であるときに、気圧センサ19により測定される気圧変化量にも対応する。
制御プログラム9Aは、判定の結果、ユーザが交差点の道路上を移動する蓋然性が高い場合、ユーザが交差点を移動する旨の通知を路側機に送信する機能を提供できる。一方、制御プログラム9Aは、判定の結果、ユーザが交差点の道路上を移動する蓋然性が高くない場合、ユーザが交差点を移動する旨の通知を路側機に送信しない機能を提供できる。
制御プログラム9Aは、加速度センサ15の代替として、あるいは補助として、方位センサ16、ジャイロスコープ17、マイク8、カメラ12、カメラ13、あるいはGPS受信機(図示略)などのうち少なくとも一つを用いて、自機のユーザが所定の移動態様で移動中であるかを判定することもできる。
気圧データ9Bは、気圧センサ19により取得された気圧の値のデータを含む。気圧データ9Bは、気圧センサ19により測定された全ての測定結果を含んでよい。
加速度データ9Cは、加速度センサ15により取得された加速度の値を含む。加速度データ9Cは、加速度センサ15により取得された加速度の方向及び大きさを含む。加速度データ9Cは、加速度センサ15により測定された全ての測定結果を含んでよい。
移動判定データ9Dは、例えば、スマートフォン1のユーザの移動状態を判定するのに利用される判定条件の情報を含む。判定条件の情報は、自機に作用する加速度の方向及び大きさ、加速度の方向及び大きさの時系列変化で構成される加速度パターン、又はX軸、Y軸およびZ軸の3軸の加速度を合成した合成ベクトルを含んでよい。判定条件の情報は、自機に作用する気圧が単位間隔あたりに変化した変化量の判定に用いる気圧閾値を含んでよい。気圧閾値は、例えば、大気圧の値が自然に変化するときの気圧の変化量に相当する。気圧閾値は、大気圧の値が自然に変化するときの気圧の増加量、及び大気圧の値が自然に変化するときの気圧の減少量の双方を含んでよい。
路側機データ9Eは、移動の通知の宛先となる路側機200(図2等参照)の情報に該当する。路側機データ9Eは、例えば、高度道路交通システムの専用狭域通信で用いられる周波数帯の情報などを含む。
設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種設定の情報を含む。
コントローラ10は、演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、およびコプロセッサを含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。コントローラ10は、制御部の一例である。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、マイク8、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、方位センサ16、ジャイロスコープ17、磁気センサ18及び気圧センサ19を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、制御プログラム9Aを実行することにより、次の各処理を実現できる。コントローラ10は、加速度センサ15の検出結果である加速度値に基づいて、自機のユーザが所定の移動態様により移動中であるかを判定する処理を実現できる。コントローラ10は、自機のユーザが所定の移動態様により移動中であると判定した場合に、ユーザの交差点への接近を路側機から発信される電波の受信によって検出する処理を実現できる。コントローラ10は、自機のユーザの交差点への接近を検出すると、交差点への接近後、当該ユーザが交差点の道路上を移動する蓋然性が高いかを、気圧センサ19の検出結果である気圧値の変化に基づいて判定する処理を実現できる。コントローラ10は、判定の結果、ユーザが交差点の道路上を移動する蓋然性が高い場合、ユーザが交差点を移動する旨の通知を路側機に送信する処理を実現できる。コントローラ10は、判定の結果、ユーザが交差点の道路上を移動する蓋然性が高くない場合、ユーザが交差点を移動する旨の通知を路側機に送信しない処理を実現できる。
スピーカ11は、コントローラ10から送出される音信号を音として出力する。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。
カメラ12及びカメラ13は、撮影した画像を電気信号へ変換する。カメラ12は、ディスプレイ2Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、ディスプレイ2Aの反対側の面に面している物体を撮影するアウトカメラである。カメラ12及びカメラ13は、インカメラ及びアウトカメラを切り換えて利用可能なカメラユニットとして、機能的及び物理的に統合された状態でスマートフォン1に実装されてもよい。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、スマートフォン1に作用する加速度の方向及び大きさを測定できる。加速度センサ15は、加速度センサの一例である。方位センサ16は、例えば、地磁気の向きを検出し、地磁気の向きに基づいて、スマートフォン1の向き(方位)を測定できる。ジャイロスコープ17は、スマートフォン1の角度及び角速度を検出する。磁気センサ18は、スマートフォン1の周囲の磁力を検出する。
気圧センサ19は、スマートフォン1に作用する気圧を測定できる。気圧センサ19は、気圧センサの一例である。気圧センサ19は、測定した気圧値をコントローラ10に出力する。気圧センサ19は、自機に作用する気圧の測定結果に基づいて、単位時間あたりの気圧変化量をコントローラ10に出力することもできる。気圧変化量は、絶対値もしくはスカラー量を累積した値であってよい。単位時間は、任意の時間を設定してよい。
スマートフォン1は、上記の各機能部の他、GPS受信機、及びバイブレータを備えてもよい。GPS受信機は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信する。GPS受信機は、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号をコントローラ10に送出する。GPS受信機は、スマートフォン1の現在位置の演算処理をサポートする。スマートフォン1は、GPS衛星以外の測位用人工衛星の信号を受信可能な受信機を備え、現在位置の演算処理を実行してもよい。バイブレータは、スマートフォン1の一部又は全体を振動させる。バイブレータは、振動を発生させるために、例えば、圧電素子、又は偏心モータなどを有する。スマートフォン1は、バッテリなど、スマートフォン1の機能を維持するために当然に用いられる機能部、及びスマートフォン1の制御を実現するために当然に用いられる制御部を実装する。
スマートフォン1は、通信ユニット6を介してクラウド上の記憶サーバにアクセスし、交差点の位置情報が付加された地図情報を受信する処理を実行してもよい。交差点の位置情報が付加された地図情報は、記憶サーバに予め記憶させておけばよい。スマートフォン1は、交差点の位置情報が付加された地図情報を参照することができる。交差点の位置情報は、例えば、交差点を代表する位置座標等を含む。
図2から図6を参照しつつ、実施形態に係るスマートフォン1の処理の一例を説明する。図2から図6は、実施形態に係るスマートフォン1の処理の一例を説明するための概要図である。
図2を用いて、スマートフォン1から路側機に対して通知が送信される例を説明する。図2に示す例では、スマートフォン1のユーザ100が、交差点の横断歩道ZCに向かって歩いて移動中である。図2に示す通信エリアA1は、他の機器が、路側機200から発信される電波を受信可能な範囲を示す。
スマートフォン1は、自機のユーザ100が所定の移動態様により移動中であるかを判定する。スマートフォン1は、自機のユーザ100が所定の移動態様(例えば、徒歩)により移動中であると判定すると、ユーザの交差点への接近を路側機200から発信される電波の受信によって検出する。あるいは、スマートフォン1は、GPS衛星等の測位用人工衛星の信号および交差点の位置情報が付加された地図情報を受信し、交差点への接近を検出してもよい。すなわち、スマートフォン1は、GPS衛星等の測位用人工衛星の信号に基づき算出した現在位置と、受信した前記地図情報に付加された交差点の位置情報と、を比較して、例えば、現在位置の位置座標と、交差点を代表する位置座標との間の距離が所定値になるとき、交差点範囲内の交差点への接近を検出してもよい。
スマートフォン1は、自機のユーザ100が所定の移動態様により移動中であり、交差点への接近を検出すると、交差点への接近後、当該ユーザ100が交差点の道路上(例えば、横断歩道ZC)を移動する蓋然性が高いかを、気圧センサ19の検出結果である気圧値の変化に基づいて判定する。
スマートフォン1は、判定の結果、ユーザ100が交差点の道路上を移動する蓋然性が高い場合、図2に示すように、ユーザ100が交差点を移動する旨の通知M1を路側機200に送信する(ステップS11)。
路側機200は、スマートフォン1からの通知M1を受信すると、図2に示すように、通信エリアA1に向けて、交差点付近への注意を促す通知M2を発信する(ステップS12)。実施形態において、路側機200は、スマートフォン1との通信を可能とするための通信規格をサポートする。路側機200は、車両300に搭載される車載器との通信を可能とするための通信規格もサポートする。路側機200は、スマートフォン1に信号を送信する送信用路側機と、スマートフォン1から信号を受信する受信用路側機と、に分かれていてもよい。
図2に示す例において、路側機200から発信された通知M2は、例えば、通信エリアA1内を走行中の車両300(車載器)に受信される。
図3及び図4を用いて、スマートフォン1から路側機200に対して通知が送信されない場合の一例を説明する。図3に示す例では、スマートフォン1のユーザ100が、交差点付近に設置されている歩道橋PWを歩いて移動中である。
図2に示す例と同様に、スマートフォン1は、自機のユーザ100が所定の移動態様により移動中であり、交差点への接近を検出すると、交差点への接近後、当該ユーザ100が交差点の道路上(例えば、横断歩道ZC)を移動する蓋然性が高いかを、気圧センサ19の検出結果である気圧値の変化に基づいて判定する。
図4に示すように、ユーザ100が歩道橋PWを移動中であるような場合、単位時間あたりの気圧変化量が気圧閾値を超えるので、スマートフォン1は、当該ユーザ100が交差点の道路上(例えば、横断歩道ZC)を移動する蓋然性が高くないという判定結果を導出できる。
スマートフォン1は、判定の結果、ユーザ100が交差点の道路上を移動する蓋然性が高くない場合、図3に示すように、ユーザ100が交差点を移動する旨の通知を路側機200に送信しない。
図5及び図6を用いて、スマートフォン1から路側機200に対して通知が送信されない場合の一例を説明する。図5に示す例では、スマートフォン1のユーザ100が、交差点付近に設置されている地下道UPを歩いて移動中である。
図2に示す例と同様に、スマートフォン1は、自機のユーザ100が所定の移動態様により移動中であり、交差点への接近を検出すると、交差点への接近後、当該ユーザ100が交差点の道路上(例えば、横断歩道ZC)を移動する蓋然性が高いかを、気圧センサ19の検出結果である気圧値の変化に基づいて判定する。
図6に示すように、ユーザ100が地下道UPを移動中であるような場合、単位時間あたりの気圧変化量が気圧閾値を超えるので、スマートフォン1は、当該ユーザ100が交差点の道路上(例えば、横断歩道ZC)を移動する蓋然性が高くないという判定結果を導出できる。
スマートフォン1は、判定の結果、ユーザ100が交差点の道路上を移動する蓋然性が高くない場合、図5に示すように、ユーザ100が交差点を移動する旨の通知を路側機200に送信しない。
図7を用いて、実施形態に係るスマートフォン1により実行される処理の流れを説明する。図7は、実施形態に係るスマートフォン1により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7に示す処理は、コントローラ10が、ストレージ9に記憶されている制御プログラム9Aを実行することにより実現される。なお、図7に示す処理は、スマートフォン1が動作可能な状態であるとき繰り返し実行される。すなわち、スマートフォン1は、給電制御を一部制限するモード、いわゆる、省電力モードのときにも、図7に示す処理を繰り返し実行してよい。
図7に示すように、コントローラ10は、加速度センサ15の検出結果を取得する(ステップS101)。
続いて、コントローラ10は、加速度センサ15の検出結果に基づいて、スマートフォン1のユーザ100が所定の移動態様で移動中であるかを判定する(ステップS102)。
コントローラ10は、判定の結果、ユーザ100が所定の移動態様で移動中である場合(ステップS102,Yes)、交差点に接近しているかを判定する(ステップS103)。
コントローラ10は、判定の結果、交差点に接近している場合(ステップS103,Yes)、気圧センサ19の検出結果を取得する(ステップS104)。
コントローラ10は、気圧センサ19の検出結果に基づいて、交差点の道路上を移動する蓋然性が高いかを判定する(ステップS105)。
コントローラ10は、判定の結果、交差点の道路上を移動する蓋然性が高い場合(ステップS105,Yes)、交差点を移動する旨の通知を路側機200に送信して(ステップS106)、ステップS101の処理手順に戻る。
一方、コントローラ10は、判定の結果、交差点の道路上を移動する蓋然性が高くない場合(ステップS105,No)、ステップS106の通知を行わず、ステップS101の処理手順に戻る。
上記ステップS103において、コントローラ10は、判定の結果、交差点に接近していない場合(ステップS103,No)、ステップS101の処理手順に戻る。
上記ステップS102において、コントローラ10は、判定の結果、ユーザ100が所定の移動態様で移動中ではない場合(ステップS102,No)、ステップS101の処理手順に戻る。
上述してきたように、実施形態に係るスマートフォン1は、ユーザが所定の移動態様で交差点に接近した後、交差点の道路上をそのまま移動する蓋然性が高い場合に、交差点を移動する旨の通知を路側機200に送信する。このため、実施形態に係るスマートフォン1は、交差点に接近する都度、スマートフォン1から路側機200へ通知を送信しなくてもよい。
上記の実施形態では、スマートフォン1が所定の移動態様で移動中であると判定する場合の例として、ユーザが歩いて移動している状態、又は走って移動している状態を説明したが、自転車、一輪車、スケートボード、キックボードなど、ユーザが独力で移動している状態を所定の移動態様で移動中である場合に含めてよい。
本明細書では、添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記の実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成により具現化されるべきである。