JP6634780B2 - タイヤの接地面応力測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、走行中のタイヤの接地面応力を測定する方法に関する。
路面上を走行しているタイヤの接地面の接地応力の測定は、タイヤの接地特性を評価する上で重要である。このようなタイヤの接地応力の測定方法の一例が、特開2014−21012号公報に開示されている。
この測定方法では、タイヤの周方向の所定範囲の各測定点に対して、3分力センサによる応力測定を行い、接地圧分布及び剪断力分布を得る。一方、タイヤは、周方向の一点でドラムの路面に接しているわけではない。タイヤ周方向及び軸方向に範囲を持った面(接地面)で接している。従って、タイヤのトレッド面上の一点についても、接地の開始(接地入りと呼ぶ)から、接地からの離脱(接地出と呼ぶ)までに、時間を要している。通常は、各測定点における応力値は、接地入りから接地出にかけて経時的に変化するものである。
特開2014−21012公報
しかし、上記公報に開示された測定方法では、トレッド面上の点について経時的な変化を測定しているだけであって、ある特定の時点における接地面全体の応力分布を観察することについては何も教えていない。従って、この測定方法では、測定対象点の応力値としては、最大値又は平均値を採用せざるを得ないと考えられる。これでは正確な接地面圧及びその分布は得られない。また、タイヤ周方向の所定範囲に対して、3分力センサによる測定点が、ランダムになる。ある点の測定はなされず、他の点については複数の測定値が得られる可能性がある。
本発明の目的は、ある特定の時点における接地面全体の接地面応力分布の測定方法の提供にある。
本発明に係るタイヤの接地面応力の測定方法は、
円筒形の駆動ドラムを備えた試験装置を用いて、タイヤの接地面応力を測定する方法であって、
上記試験装置が、タイヤの回転角度を検知する回転角検出器と、ドラムの路面に設置されたタイヤ応力測定器と、ドラムの回転角度を検知する回転角度検出器とを備えており、
タイヤの回転とタイヤの軸方向移動とを繰り返しつつ、タイヤの軸方向位置及び回転角度から定まる各位置の、上記路面への接地入り時点から接地出時点までの応力の時系列データをタイヤ及びドラムの回転角度と対応させて得る時系列データ取得ステップと、
同一の軸方向位置における、周方向上に設定された複数の規定測定点それぞれの上記時系列データから、当該複数の規定測定点のいずれか一つを基準測定点として含む接地長範囲内の応力の接地長データを、タイヤ及びドラムの回転角度と対応させて得る接地長データ取得ステップと、
この接地長データ取得ステップにおいて得られた全ての接地長データから、一の接地長データを代表接地長データとして選択する代表接地長データ選択ステップと、
この代表接地長データ選択ステップにおいて選択された代表接地長データに、周方向上の計測中心を設定する計測中心設定ステップと、
代表接地長データとは軸方向位置が異なる他の接地長データのうち、代表接地長データにおける上記計測中心を同一角度位置に含む接地長データを特定することにより接地面データを得る接地面データ取得ステップとを含んでいる。
好ましくは、上記接地長データ取得ステップにおいて、
上記基準測定点に近接する複数の規定測定点それぞれにおける時系列データ内で、当該規定測定点の上記基準測定点からの離間距離に対応する時点の応力を選択することにより応力の接地長データを得る。
好ましくは、上記代表接地長データ選択ステップにおいて、代表接地長データとして選択される接地長データは、上記全ての接地長データの内の最大の接地長を有する接地長データとされる。
好ましくは、上記接地面データ取得ステップにおいて得られた接地面内の応力を、応力値に対応する色情報とともに表示する応力表示ステップを含んでいる。
本発明によれば、タイヤ表面の測定点における応力値の経時的変化が考慮されることにより、接地応力をより正確に測定することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの接地面応力測定方法に用いられる試験装置を概略的に示す一部断面正面図である。 図2は、図1の試験装置における駆動ドラム及びタイヤをII−II線方向に沿って見た断面図である。 図3は、タイヤ周方向上の一点の応力測定データを時系列に示すグラフである。 図4は、タイヤ周方向上の複数点の応力の時系列データから、一時点におけるタイヤの接地長に沿った応力分布を得る手順を示すグラフであり、図4(a)から図4(d)は、複数点の応力の時系列データを示すグラフであり、図4(e)は、一時点におけるタイヤの接地長に沿った応力分布(接地長データ)を示すグラフである。 図5は、タイヤの接地面における応力分布が記録されたグリッドを概略的に示す図である。 図6は、図5に示されたグリッド上の一点における3応力を示すグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
[試験装置]
図1には、本実施形態に係るタイヤの接地面応力の測定方法の実行に用いられるインサイドドラム式の試験装置2が示されている。インサイドドラム式に限定されず、アウトサイドドラム式の試験装置も採用されうる。この試験装置2は、タイヤTを回転可能に支持するタイヤ支持装置4、及び、タイヤTを回転駆動しうる駆動ドラム(以下、単にドラムという)6を備えている。ドラム6は、ドラム支持装置8に回転可能に支持されている。ドラム支持装置8は、ドラム6を回転させるための回転駆動装置(ドラム駆動装置)10を備えている。ドラム駆動装置10は回転速度の制御が可能である。ドラム6は有底円筒状を呈している。
タイヤ支持装置4に支持されたタイヤTは、ドラム6の開口18側から、ドラム6の内部に挿入されている。ドラム6の中心軸及びタイヤTの中心軸は、ともに水平方向に延びている。タイヤ支持装置4は、ドラム6に対してその中心軸方向に離間接近可能にされている。タイヤ支持装置4は、タイヤTを回転駆動するための回転駆動装置(タイヤ駆動装置)12を備えている。タイヤ駆動装置12は回転速度の制御が可能である。このタイヤ駆動装置12により、タイヤTは、ドラム6に依らなくても回転しうる。タイヤ支持装置4は、タイヤTを自由回転状態にしたり、その回転を加速、減速、停止したりする制動機能をも有している。前述の各回転駆動装置10、12は、いずれも、回転速度制御手段を備えている。
タイヤ支持装置4は昇降装置14を備えている。この昇降装置14により、タイヤTが上下動させられる。この昇降装置14により、タイヤTはドラム6の路面16に離間接近させられる。昇降装置14は、タイヤTを、路面16に任意荷重で押圧させうる。この昇降装置14は、タイヤTに負荷される荷重を制御する荷重制御手段を備えている。タイヤTが回転自在(フリー転動)の状態で路面16に押圧され、ドラム6が回転すれば、タイヤTは従動回転する。ドラム6が回転自在の状態で、タイヤTが路面16に押圧されて回転駆動されると、ドラム6が従動回転する。
路面16の内径は、タイヤTの外径の整数倍(例えば3倍)又はそれに近い寸法にされるのが好ましい。かかる構成により、後述するように、タイヤの接地面応力の測定に必要とされるデータを効率的に収集することが可能となる。
タイヤ支持装置4は、支持したタイヤTの中心軸の方向を、ドラム6の中心軸に対して、任意角度傾斜させたり、平行にしたりすることのできる軸線角度制御手段を備えている。この軸線角度制御手段により、タイヤTには、任意のキャンバー角及びスリップ角を設定することができる。
ドラム6の路面16の少なくとも一箇所に、タイヤ応力測定器としての3分力センサ20が埋設されている。3分力センサ20は、その検出部がタイヤTの表面に接するように配設されている。3分力センサの測定対象の理解容易のために、タイヤ軸方向(幅方向)をX軸方向、タイヤ周方向をY軸方向、タイヤ半径方向をZ軸方向としておく。3分力センサ20により、タイヤTのトレッド面上の一つの位置における、タイヤ軸方向の剪断応力τx、タイヤ周方向の剪断応力τy、及び、タイヤ半径方向の垂直応力(接地面圧と呼ぶ)σが、同時に測定されうる。
ドラム支持装置8のドラム支持軸8aには、ドラム回転角検出器としてのロータリーエンコーダ(以下、ドラムエンコーダという)22が設置されている。タイヤ支持装置4のタイヤ支持軸4aには、タイヤ回転角検出器としてのロータリーエンコーダ(以下、タイヤエンコーダという)24が設置されている。
この試験装置2には、上記3分力センサ20による測定データ、及び、上記両エンコーダ22、24による検出データを、処理するための処理装置26が備えられている。処理装置26は、CPU、メモリ等を含み、図示しない操作パネル等にも接続されている。
[測定ステップ]
タイヤTを、ドラム6に対して位置調整する。この位置調整として、まず、タイヤTの幅内のある位置に3分力センサ20が位置するように、軸方向位置調整がなされる。例えば、タイヤTの幅のほぼ中央に3分力センサ20が位置するように調整される。
タイヤT及びドラム6が回転駆動される。タイヤT及びドラム6の回転に伴い、ドラムエンコーダ22により、ある時点を開始時点として、ドラム6の回転角度が検出されている。また、タイヤエンコーダ24により、上記開始時点から、タイヤTの回転角度が検出される。この開始時点から応力測定が開始されてもよい。
図2に示されるように、タイヤT及びドラム6の回転に伴い、タイヤTのトレッド面上のある位置、例えばA点が、3分力センサ20に接触してから離れるまで、すなわち接地入りLSから接地出LEまで連続して3応力が測定される。このA点は、測定点Aである。同時に、処理装置26では、3応力の測定値と、上記開始時点からのタイヤT及びドラム6の回転角とが対応付けられている。回転角が対応付けられているとは、ある時点におけるタイヤ周上のある位置、及び、ドラム周上のある位置を基準にして、タイヤ周上のあらゆる位置、及び、ドラム周上のあらゆる位置が特定されうる(番地がついている)。タイヤTの回転角度情報と同期して3応力が測定される。A点のこの連続した3応力の測定データは、このA点の時系列データである。
タイヤTのトレッド面上のある位置が、ドラム6の路面16に接触し始める時点が接地入りLSと呼ばれ、路面16から離れる時点が接地出LEと呼ばれている。従って、このA点が3分力センサ20に接触してから離れるまでを、接地入りLSから接地出LEと呼ぶ。接地入りLSは、測定位置における3応力のいずれかが発生した時点に対応し、接地出LEは3応力のいずれもが消失した時点に対応している。
図3には、このA点の時系列データがグラフに示されている。このグラフの横軸は経過時間を表すとともに、回転角度位置をも表している。縦軸は、3応力の内の接地面圧σを例示している。タイヤ軸方向の剪断応力τx、及び、タイヤ周方向の剪断応力τyについても、同様に記録されており、図3と同様なグラフに示されうる。
タイヤT及びドラム6が複数回回転することにより、タイヤ周方向上の異なる複数の測定点(例えば、B、C、D・・・の各点)それぞれについての時系列データが得られる。これらの時系列データは、図3に示すA点の時系列データと類似したデータである。
タイヤTが所定回数回転させられて測定が終了すると、自動的に、タイヤTがドラム6に対して軸方向に移動(横移動)させられる。横移動距離は、タイヤ幅を所定数で除して得られる等間隔に定めてもよい。横移動ごとに、自動的に上記測定が実行される。横移動と測定とが自動的に繰り返される。横移動ごとに、トレッド面上の複数の測定点(例えば、A、B、C、D・・・の各点)それぞれについての接地入りLSから接地出LEまでの測定データ(時系列データ)が得られる。軸方向における複数の位置で得られた測定データは、それぞれ、当該軸方向位置で得られた測定データとして特定される。以上が、時系列データ取得ステップである。
[処理ステップ]
処理ステップでは、測定ステップにおいて得られたトレッド面上の多数点の時系列データから、ある時点の接地面における応力分布が求められる。処理装置26には、ある軸方向位置における、周方向に沿った数多くの測定点(A、B、C、D・・・等)での3応力の時系列データが入力される。タイヤT及びドラム6は複数回転しているので、ある点(例えばA点)の時系列データも複数個存在することが多い。ここでは、隣接する測定点(A、B、C、D・・・等)同士は小角度離間しているものとする。ある点(例えばA点)の時系列データには、他の測定点(B、C、D・・・等)のデータは存在しない。
上記点A、B、C、D・・・は、タイヤ周上の多数にのぼる。軸方向上の各位置における周方向に沿って測定点A、B、C、D・・・が存在する。これら各点の周方向の位置は、軸方向の位置が変わっても同一である。一の軸方向位置においては、A、B、C、D・・・は点であるが、タイヤトレッド面全体から見ると、点ではなく軸方向線A、B、C、D・・・と言える。
また、タイヤTが軸方向に順次横移動させられつつ得られた、各測定点(A、B、C、D・・・)の時系列データが、処理装置26に入力されている。前述したように、路面16の内径がタイヤTの外径の整数倍又はそれに近い寸法にされていると、タイヤ周方向上の互いに近接した位置の時系列データが順次得られる。すなわち、A、B、C、D・・・の各測定点が互いに近接したものとなっている。
以下、処理装置26内において実行される、ある時点における接地面内の応力分布を求める方法について説明される。なお、図2及び図3に示されたA点の接地入りLSから接地出LEまでの長さは、時間の経過が伴っており、接地長とは言えない。ここで、接地長とは、接地面の周方向長さを言う。
まず、図4が参照されつつ、ある一時点における、軸方向上の任意位置における、周方向上の応力分布(接地長データ)を求める方法が説明される。トレッド面のある軸方向位置において測定された、多数の時系列データの内、A点の時系列データの内の一つが選択される。A点、B点、C点、D点等を規定測定点と呼ぶ。これら規定測定点の内の一つ、例えばA点を基準測定点として選択する。B点、C点、D点等の内の一つが基準測定点として選択されてもよい。このA、B、C、D等の各点はタイヤトレッド面上の周方向位置である。この選択された基準測定点Aの時系列データの、接地入りLSから接地出LEまでの内の任意の一時点を基準時点とする。例えば、図4(a)に示すように、基準測定点Aの接地入りA・LSの時点をこの基準時点aとする。この基準時点aから周方向に所定の小角度だけ順次離間した時点を規定時点b、c、d・・として特定する。
図4(a)から図4(d)はいずれも時系列データを示している。規定測定点Bの接地入りは符号B・LSで示し、接地出は符号B・LEで示す。規定測定点Cの接地入りは符号C・LSで示し、接地出は符号C・LEで示す。規定測定点Dの接地入りは符号D・LSで示し、接地出は符号D・LEで示す。図4(e)は後述の接地長データを示している。図4(a)から図4(d)の横軸は時間を表すが、回転角度にも対応している。図4(e)の横軸は距離を表すが、回転角度にも対応している。各図の縦軸は接地面圧を示す。図4(a)から図4(d)に示されるように、多数の測定データから、上記各測定点A、B、C、D・・・の基準時点a及び規定時点b、c、d・・における応力データを抽出する。図4では、タイヤ及びドラム6の回転時、A点よりB点が先行し、B点よりC点が先行し、C点よりD点が先行している。
上記基準時点a及び規定時点b、c、d・・は、図4(a)ではいずれもA点がその接地入りA・LSから接地出A・LEまでに移動した時点であり、図4(b)ではいずれもB点がその接地入りB・LSから接地出B・LEまでに移動した時点であり、図4(c)ではいずれもC点がその接地入りC・LSから接地出C・LEまでに移動した時点であり、図4(d)ではいずれもD点がその接地入りD・LSから接地出D・LEまでに移動した時点である。また、測定点と基準時点及び規定時点とは対応している。例えば、図4(a)に示されたA点の時系列データでは、基準時点a及び規定時点b、c、d・・は、上記測定点A、B、C、D・・等にそれぞれ対応している。換言すれば、ab間角度はAB間角度に一致し、bc間角度はBC間角度に一致し、cd間角度はCD間角度に一致している。各時点a、b、c、d・・は、等間隔をおいた時点であってもよい。この間隔は、エンコーダの分解能以上とされる。
まず、A点、B点、C点、D点・・の時系列データが選択される。ついで、基準時点aについては、A点の時系列データ(図4(a))のうち、A点が基準時点aに在る時点(接地入りA・LS時点)の応力データが選択される。時点bについては、B点の時系列データ(図4(b))のうち、B点が規定時点bに対応する時点(角度位置)に在るときの応力データが選択される。ついで、時点cについては、C点の時系列データ(図4(c))のうち、C点が規定時点cに対応する時点(角度位置)に在るときの応力データが選択される。時点dについても同様に、D点その時系列データ(図4(d))のうち、D点が規定時点dに対応する時点(角度位置)に在るときの応力データが選択される。以下同様である。応力値がゼロとなる点のデータは採用されない。接地面内のデータ、すなわち接地している点A、B、C、D・・・のデータのみが採用される。
これにより、図4(e)に示されるように、上記ある軸方向位置における、基準測定点Aをその接地入りA・LSの位置に含む接地長(接地面の周方向長さ)、及び、この接地長の範囲内の応力データが、回転角度と対応されて記録される。これを上記の通り、接地長データと呼ぶ。
このように、選択された応力データをその位置に対応させると、図4(e)に示されるような、一時点での、上記軸方向上の任意位置における周方向に沿った応力分布(接地長データ)が得られる。図4(e)から、軸方向上の一の位置における、接地長及びこの接地長の範囲内の応力分布が明確になる。この接地長データから、接地面圧は、周方向の前端及び後端が中央部分より低くなっているのが判る。
タイヤTの周方向上の規定測定点(B、C、D・・・)それぞれについても、上記と同様にして接地長データを求めることができる。B点をその接地入り時点B・LSに含む接地面の周方向長さ及び応力分布(B点の接地長データ)、C点をその接地入り時点C・LSに含む接地面の周方向長さ及び応力分布(C点の接地長データ)、D点をその接地入り時点D・LSに含む接地面の周方向長さ及び応力分布(D点の接地長データ)・・・・も求めることができる。
このようにして、周方向の所定範囲に対して、3分力センサ20による測定点が、前述した先行文献が開示する技術のようにランダムになるのではなく、計画的に所定間隔で配列されうる。また、ある点における応力値が経時的に変化することも考慮された、的確なデータを得ることができる。
つぎに、タイヤTを軸方向に横移動させて得た異なる軸方向位置における測定データに対しても、図4に示されたと同様の処理が行われる。すなわち、軸方向の全ての位置において、それぞれ、上記と同様に、A点の接地長データ、B点の接地長データ、C点の接地長データ、D点の接地長データ・・・・が求められる。以上のごとくして、タイヤトレッド面の接地域の全幅にわたり、周方向の多くの点の接地長データが得られる。以上が、接地長データ取得ステップである。
図5に示されるように、これらの全ての接地長データの内、最大の接地長MLを有するデータが選択される。この最大接地長MLが、応力分布データの構成範囲を決定する。この目的もあって、全接地長データから、最大接地長MLを有する最大接地長データが、代表接地長データとして、選択される。これが、代表接地長データ選択ステップである。
全接地長データの代表としての上記最大接地長MLの範囲内に、計測中心MCが設定される。この計測中心MCは、最大接地長MLが存在する軸方向位置において、最大接地長MLの範囲内にある周方向位置である。この計測中心MCは、回転角度と対応されている。この計測中心MCは、前述した開始時点からの回転角度によって特定可能である。この計測中心MCは、タイヤトレッド面の周方向上の任意の一点であり、タイヤ軸方向に沿って一定である。従って、図5中には計測中心MCが線(一点鎖線)で示されている。上記最大接地長ML内に、例えば前述のA点が存在すれば、A点が計測中心MCとして指定されてもよい。これが、計測中心設定ステップである。
A点が計測中心MCとして指定された場合、計測中心MCがA点に在る接地長データD1、D2、D3・・・が集められる。すなわち、軸方向位置が最大接地長MLとは異なる全ての位置Wのデータの内、計測中心MCと同一の回転角度位置にA点が位置する接地長データD1、D2、D3・・・が選択される。これにより、接地面形状、及び、接地面全体の応力分布を得ることができる。このようにして得られた図5の接地面形状及び接地面全体の応力分布は、タイヤTの異なる周長部分のデータの寄せ集めではない。この接地面形状及びその応力分布は、異なる多くの軸方向位置のデータであって、全て周方向位置が略一致させられたデータから構成されている。この接地面形状及びその応力分布は、実際の接地面に限りなく近い接地面形状及びその応力分布を示している。これが、接地面データ取得ステップである。
前述した接地長データ取得ステップにおいて、基準時点a及び規定時点b、c、d・・が特定されるのは、A点の±15°の範囲内とされるのが好ましい。このように、データの抽出範囲を、基準測定点Aから±15°の範囲内としたのは、この範囲であれば、十分に接地長をカバーできるからである。これ以外のデータを用いる必要がなくなり、時間の節約となり、処理装置の負担軽減にもなる。
図5に示される接地面全体の応力分布のうち、任意の一点Pが指定されると、図6に示されるように、この点Pにおけるタイヤ周方向の剪断応力τx(図6(a))、タイヤ軸方向の剪断応力τy(図6(b))、及び、接地面圧σ(図6(c))が明らかになる。
以上に説明された方法では、最大接地長に基づいて特定された一の接地面のデータだけが得られた。しかし、これには限定されない、最大ではない接地長に基づいて、接地面形状及び接地面全体の応力分布を求めることも容易である。
図5に示されるような上記接地面内のXY面のグリッドに配置された応力値を、色情報(色彩、明度等)に置換して表示することも可能である。例えば、応力値の大きさに応じてその色彩を変化させる。応力値の大きさに応じてその明度を変化させる。この色情報は、接地面圧、周方向剪断応力、軸方向剪断応力のいずれにも切り替えることができる。
本発明に係るタイヤの接地面応力測定方法は、種々のタイヤの接地特性の評価等に適用可能である。
2・・・試験装置
4・・・タイヤ支持装置
4a・・・タイヤ支持軸
6・・・ドラム
8・・・ドラム支持装置
8a・・・ドラム支持軸
10・・・ドラム駆動装置
12・・・タイヤ駆動装置
14・・・昇降装置
16・・・路面
18・・・開口
20・・・3分力センサ
22・・・ドラムエンコーダ
24・・・タイヤエンコーダ
26・・・処理装置
LS・・・接地入り
LE・・・接地出
MC・・・計測中心
ML・・・最大接地長
T・・・タイヤ

Claims (3)

  1. 円筒形の駆動ドラムを備えた試験装置を用いて、タイヤの接地面応力を測定する方法であって、
    上記試験装置が、タイヤの回転角度を検知する回転角検出器と、ドラムの路面に設置されたタイヤ応力測定器と、ドラムの回転角度を検知する回転角度検出器とを備えており、
    タイヤの回転とタイヤの軸方向移動とを繰り返しつつ、タイヤの軸方向位置及び回転角度から定まる各位置の、上記路面への接地入り時点から接地出時点までの応力の時系列データをタイヤ及びドラムの回転角度と対応させて得る時系列データ取得ステップと、
    上記タイヤの周方向上に、同一の軸方向位置を有する複数の規定測定点を設定し、当該規定測定点のいずれか一つを基準測定点として選択し、この基準測定点の時系列データの接地入りから接地出までの任意の角度位置を基準時点とし、上記基準測定点からタイヤの接地長の範囲にある各規定測定点について、その時系列データにおける上記基準時点に対応する角度位置から、当該規定測定点と上記基準測定点との間の角度に一致する角度分を離間させた角度位置を規定時点とし、上記基準測定点の時系列データにおける上記基準時点の応力データと、各規定測定点の時系列データにおける上記規定時点の応力データを抽出して、ある特定の時点における基準測定点から接地長の範囲内にある応力データを作成し、タイヤ及びドラムの回転角度と対応させて接地長データを得る接地長データ取得ステップと、
    この接地長データ取得ステップにおいて得られた全ての接地長データから、一の接地長データを代表接地長データとして選択する代表接地長データ選択ステップと、
    この代表接地長データ選択ステップにおいて選択された代表接地長データに、周方向上の計測中心を設定する計測中心設定ステップと、
    代表接地長データとは軸方向位置が異なる他の接地長データのうち、代表接地長データにおける上記計測中心を同一角度位置に含む接地長データを特定することにより接地面データを得る接地面データ取得ステップとを含む、タイヤの接地面応力を測定する方法。
  2. 上記代表接地長データ選択ステップにおいて、
    代表接地長データとして選択される接地長データは、上記全ての接地長データの内の最大の接地長を有する接地長データである、請求項1に記載の接地面応力測定方法。
  3. 上記接地面データ取得ステップにおいて得られた接地面内の応力を、応力値に対応する色情報とともに表示する応力表示ステップを含む、請求項1又は2に記載の接地面応力測定方法。
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