以下に、実施形態に係る情報処理システム10を説明する。なお、この実施形態により開示技術が限定されるものではない。また、複数の実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム10を示す図である。本実施形態において、情報処理システム10は、学校における授業を支援するためのシステムである。なお、情報処理システム10は、学校における授業の支援に限らず、他の環境に適用してもよい。情報処理システム10は、例えば、会社内、セミナーまたは会議等のような、多数の参加者がコンピュータを操作しながら作業または学習等を行う環境であれば、どのような環境に適用してもよい。
情報処理システム10は、複数の端末装置20と、学校内サーバ22と、無線通信装置24と、充電キャビネット26とを備える。
複数の端末装置20のそれぞれは、タブレット型またはノート型のコンピュータである。端末装置20は、情報の入力機能、出力機能および情報処理機能を有する。端末装置20は、二次電池を有し、二次電池に充電された電力により動作可能である。従って、端末装置20は、ユーザにより持ち運びが可能である。また、端末装置20は、無線通信機能を有し、通信用ケーブルを介さずに他の装置と情報通信が可能である。
学校内サーバ22は、サーバ型コンピュータであり、内部ネットワークを介して複数の端末装置20からアクセスされる。また、学校内サーバ22は、例えば、外部ネットワーク上の装置から内部ネットワーク上の装置へのアクセスを制限したり、内部ネットワーク上の装置から外部ネットワーク上の装置へのアクセスを制限したりする。
無線通信装置24は、充電キャビネット26の外部に設けられる。無線通信装置24は、内部ネットワークに有線により接続される。無線通信装置24は、複数の端末装置20のそれぞれと無線通信により接続する。無線通信装置24は、無線通信により接続した端末装置20を内部ネットワーク上の他の装置にアクセスさせる。
充電キャビネット26は、複数の端末装置20を内部に収納する。充電キャビネット26の内部に収納された端末装置20は、ユーザにより取り出し可能である。
充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20を充電する。また、充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20の電源を起動したり、シャットダウンしたりすることができる。充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20と有線により通信することができる。さらに、充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20が起動している状態で、端末装置20と無線により通信をすることもできる。
また、充電キャビネット26は、内部ネットワークに接続されている。充電キャビネット26は、外部の装置からの指示に応じて、内部に収納している端末装置20を操作したり、通信をしたりすることができる。
このような情報処理システム10において、複数の端末装置20のそれぞれは、授業の開始前に、学生により充電キャビネット26から取り出される。授業中において、端末装置20は、学生により使用される。授業中において、端末装置20は、無線通信装置24を介して学校内サーバ22にアクセスする。これにより、授業中において、端末装置20は、学校内サーバ22から資料データをダウンロードして、学生に参照させることができる。また、授業中において、端末装置20は、学生により入力された情報(例えば、問題に対する回答等)を学校内サーバ22にアップロードすることができる。
また、複数の端末装置20のそれぞれは、授業の終了後、充電キャビネット26内に収納される。充電キャビネット26は、収納した端末装置20を、次の授業の開始までに充電する。これにより、充電キャビネット26は、授業中において、端末装置20が充電切れで動作できなくなることを回避することができる。
また、充電キャビネット26は、外部の装置等からの遠隔操作に応じて、収納した端末装置20を動作させる。そして、充電キャビネット26は、外部の装置等からの遠隔操作に応じて、収納した端末装置20に、プログラムをアップデートさせたり、プログラムをインストールさせたりする。これにより、充電キャビネット26は、遠隔地にいる保守作業員に端末装置20のメンテナンスをさせることができる。
図2は、充電キャビネット26の外観を示す図である。充電キャビネット26は、内部に収納エリア28を有する。複数の端末装置20は、収納エリア28の所定の位置に収納される。
また、充電キャビネット26は、充電制御装置30と、情報処理装置32とを有する。充電制御装置30は、収納されている端末装置20に対する充電の制御および通信の制御を実行する。また、情報処理装置32は、内部ネットワークを介して他の装置と通信をする。また、情報処理装置32は、充電制御装置30を制御したり、収納されている端末装置20と無線通信をしたりする。
図3は、充電キャビネット26に収納された端末装置20の周辺部分を拡大した図である。充電キャビネット26に収納された端末装置20は、ケーブル34を介して充電制御装置30と接続される。
ケーブル34は、端末装置20に対して装着自在である。収納作業時において、端末装置20は、ユーザの手作業によりケーブル34に取り付けられる。また、取出作業時において、端末装置20は、ユーザの手作業によりケーブル34から取り外される。
ケーブル34は、2つの装置間で電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格に準拠している。本実施形態においては、ケーブル34は、USB(Universal Serial Bus)−C規格に準拠したUSB Type−Cケーブルである。この規格によれば、2つの装置の間で情報の通信とともに、電力の供給を行うことができる。
図4は、内部に端末装置20を収納した充電キャビネット26の構成を、学校内サーバ22および無線通信装置24とともに示すブロック図である。充電キャビネット26は、充電制御装置30と、情報処理装置32と、複数のケーブル34と、電源タップ36とを有する。
充電制御装置30は、ケーブル34を介して1または複数の端末装置20と接続される。1または複数のケーブル34のそれぞれは、一方の端子が充電制御装置30に接続され、他方の端子が端末装置20と接続可能となっている。
充電制御装置30は、1または複数の端末装置20のそれぞれに対する充電の制御および通信の制御を実行する。なお、充電制御装置30の構成については、図10以降でさらに詳細に説明する。
情報処理装置32は、通信機能および情報処理機能を有するコンピュータである。情報処理装置32は、内部ネットワークに接続され、内部ネットワーク上の他の装置と情報通信を行う。また、情報処理装置32は、学校内サーバ22を介して、外部ネットワーク上の他の装置と情報通信を行う。
また、情報処理装置32は、内部通信ケーブル38を介して充電制御装置30に接続される。これにより、情報処理装置32は、充電制御装置30を制御することができる。
内部通信ケーブル38は、情報処理装置32と充電制御装置30との間を接続する。内部通信ケーブル38は、USB−C規格に準拠したUSB Type−A to Cケーブルである。内部通信ケーブル38は、これに限らず、他の規格に準拠したケーブルであってよい。
また、情報処理装置32は、内部無線通信装置40を含む。内部無線通信装置40は、充電キャビネット26に収納されている1または複数の端末装置20のそれぞれと無線通信により接続する。これにより、情報処理装置32は、充電キャビネット26に収納されている1または複数の端末装置20のそれぞれとの間で無線通信により情報の送受信をすることができる。なお、内部無線通信装置40は、情報処理装置32の内部に設けられていてもよいし、情報処理装置32の外部に設けられていてもよい。
電源タップ36は、ACケーブルを介して、教室に設けられた商用AC電源コンセントに接続される。また、電源タップ36は、複数のサブ電源コンセントを有する。電源タップ36のサブ電源コンセントには、情報処理装置32にAC電力を供給するためのACケーブルが接続される。これにより、情報処理装置32は、AC電力を動力源として動作することができる。
また、電源タップ36のサブ電源コンセントには、充電制御装置30にAC電力を供給するためのACケーブルが接続される。これにより、充電制御装置30は、AC電力を動力源として動作することができる。なお、充電制御装置30および情報処理装置32は、AC電力をDC電力に変換するACアダプタから、DC電力を受け取ってもよい。
図5は、端末装置20が充電キャビネット26に収納された状態において、端末装置20への電源供給の流れを示す図である。充電制御装置30は、商用AC電源コンセントから電力を受け取り、ケーブル34に接続された端末装置20に対してDC電力を供給する。
充電制御装置30は、情報処理装置32からの制御に応じて、ケーブル34に接続された1または複数の端末装置20のそれぞれに対して供給する電圧および電流の組み合わせを変更することができる。これにより、充電制御装置30は、商用AC電源コンセントが供給可能な電力の範囲内で、複数の端末装置20に対して電力を供給することができる。また、充電制御装置30は、情報処理装置32からの制御に応じて、一部の端末装置20毎に順番に充電を行う輪番充電をしてもよい。
図6は、端末装置20が充電キャビネット26に収納された状態において、情報処理装置32がケーブル34を介して端末装置20を制御する場合の情報の流れを示す図である。
情報処理装置32は、内部通信ケーブル38を介して充電制御装置30に対して各種のコマンドを与える。これにより、情報処理装置32は、ケーブル34に接続された1または複数の端末装置20の動作を制御することができる。また、情報処理装置32は、内部通信ケーブル38を介して充電制御装置30から各種の通知を受け取る。これにより、情報処理装置32は、ケーブル34に接続された1または複数の端末装置20の状態等を検出することができる。
図7は、端末装置20が充電キャビネット26に収納された状態において、情報処理装置32が無線通信を介して端末装置20と情報の送受信をする場合の情報の流れを示す図である。
充電キャビネット26に収納された端末装置20が起動している場合、情報処理装置32の内部無線通信装置40は、無線通信のためのアクセスポイント(第1アクセスポイント)を端末装置20に対して提供する。情報処理装置32は、第1アクセスポイントを介して、充電キャビネット26に収納された端末装置20と情報の送受信をすることができる。
また、情報処理装置32は、外部ネットワーク上の他の装置からデータをダンロードし、ダウンロードしたデータを第1アクセスポイントを介して充電キャビネット26に収納された端末装置20に送信することができる。これにより、情報処理装置32は、端末装置20にプログラムをインストールさせたり、端末装置20にプログラムを更新させたりすることができる。
図8は、端末装置20が充電キャビネット26から取り出されている状態において、端末装置20が学校内サーバ22にアクセスする場合の情報の流れを示す図である。
充電キャビネット26から取り出されている場合、端末装置20は、無線通信装置24により提供されるアクセスポイント(第2アクセスポイント)に無線通信により接続する。無線通信装置24は、内部無線通信装置40とは異なり、充電キャビネット26の外部に設けられる。従って、充電キャビネット26から取り出されている場合、端末装置20は、充電キャビネット26の外部の第2アクセスポイントを介して、内部ネットワーク上の学校内サーバ22に接続することができる。
図9は、充電キャビネット26が複数の充電制御装置30を備える場合の構成を示す図である。充電キャビネット26は、複数の充電制御装置30を有していてもよい。本実施形態においては、複数の充電制御装置30は、内部通信ケーブル38によりカスケード接続されている。なお、情報処理装置32は、複数の充電制御装置30のそれぞれと、個別に(パラレルに)、接続されていてもよい。
図10は、充電制御装置30のハードウェア構成を複数の端末装置20とともに示す図である。充電制御装置30は、上位変換部42と、装置制御部44と、複数の端末制御部46とを有する。
上位変換部42は、情報処理装置32と内部通信ケーブル38を介して接続される。上位変換部42は、内部通信ケーブル38の信号線と、装置制御部44および複数の端末制御部46が入出力する信号線との間の信号フォーマットの変換をする。
本実施形態においては、装置制御部44および複数の端末制御部46は、RS485形式のフォーマットの信号を入出力する。従って、本実施形態において、上位変換部42は、USB−Cと、RS485との間の信号フォーマットの変換をする。
なお、装置制御部44および複数の端末制御部46がUSB−Cの信号の入出力をする場合には、充電制御装置30は、上位変換部42を有さなくてもよい。また、上位変換部42は、RS485に限らず他の形式に変換してもよい。
装置制御部44は、内部にプロセッサ回路等を有する。装置制御部44は、充電制御装置30の全体を制御する。
複数の端末制御部46のそれぞれは、ケーブル34を介して端末装置20と接続可能である。複数の端末制御部46のそれぞれは、対応するケーブル34を介して接続された端末装置20に対して、充電の制御および通信の制御を実行する。複数の端末制御部46のそれぞれは、複数本のケーブル34を介して複数個の端末装置20と接続されてもよい。
また、複数の端末制御部46のそれぞれは、情報処理装置32から上位変換部42を介してコマンドを受け取る。複数の端末制御部46のそれぞれは、情報処理装置32から受け取ったコマンドに応じて、充電の制御および通信の制御を実行することもできる。また、複数の端末制御部46のそれぞれは、対応するケーブル34を介して接続された端末装置20の状態等を、上位変換部42を介して情報処理装置32に通知する。
図11は、端末装置20のハードウェア構成および充電制御装置30内の端末制御部46のハードウェア構成を示す図である。
充電制御装置30が有する複数の端末制御部46のそれぞれは、充電側PDコントローラ52(電力供給コントローラ)と、充電側通信プロセッサ54と、下位変換部56と、充電側電源部58とを有する。
充電側PDコントローラ52は、ケーブル34を介して端末装置20と接続可能である。充電側PDコントローラ52は、ケーブル34を用いた電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格に従って、電力供給および情報通信を行う。
本実施形態においては、充電側PDコントローラ52は、端末装置20との間で、USB−C規格に準拠した方式で電力供給および情報通信を行う。本実施形態においては、充電側PDコントローラ52は、USB−C規格に準拠したケーブル34におけるCC(Configuration Cannel)信号線を介して、VDM(Vendor Defined Messaging)信号を端末装置20と送受信する。
充電側PDコントローラ52は、ケーブル34を介して端末装置20に接続された場合に、規格において予め定められたシーケンス(パワーデリバリシーケンス)を端末装置20との間で実行することにより、端末装置20に供給する電圧および電流の組み合わせを決定する。本実実施形態においては、充電側PDコントローラ52は、USB−C規格で定められたパワーデリバリシーケンスを実行することにより、端末装置20に供給する電圧および電流の組み合わせを決定する。そして、充電側PDコントローラ52は、決定した電圧および電流の組み合わせの電力を端末装置20に供給するように、充電側電源部58に指示を与える。
充電側通信プロセッサ54は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を含み、充電側PDコントローラ52を制御する。充電側通信プロセッサ54は、例えばROMに予め記憶されたプログラムをRAMに展開して、プログラムに従った制御をする。また、充電側通信プロセッサ54は、プログラムに従って、下位変換部56および上位変換部42を介して、情報処理装置32からコマンドを受け取る。また、充電側通信プロセッサ54は、プログラムに従って、下位変換部56および上位変換部42を介して、情報処理装置32に情報を通知する。
下位変換部56は、上位変換部42とバスを介して接続される。下位変換部56は、上位変換部42と接続するバスの信号線と、充電側通信プロセッサ54が入出力する信号線との間の信号フォーマットの変換をする。
本実施形態においては、充電側通信プロセッサ54は、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)形式のフォーマットの信号を入出力する。従って、本実施形態において、下位変換部56は、RS485とUARTとの間の信号フォーマットの変換をする。
なお、充電側通信プロセッサ54がRS485の信号の入出力をする場合には、端末制御部46は、下位変換部56を有さなくてもよい。また、下位変換部56は、RS485に限らず他の形式に変換してもよい。
充電側電源部58は、AC電圧を直流に変換する電力変換器から電力を受け取る。充電側電源部58は、充電側PDコントローラ52からの指示に従って、ケーブル34を介して端末装置20に指定された電圧および電流の組み合わせの電力を供給する。
端末装置20は、端末側PDコントローラ62(電力供給コントローラ)と、端末側通信プロセッサ64と、プロセッシング回路66と、無線通信部68と、バッテリ70と、端末側電源部72と、電源スイッチ74とを有する。
端末側PDコントローラ62は、ケーブル34を介して充電制御装置30と接続可能である。端末側PDコントローラ62は、ケーブル34を用いた電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格に従って、電力供給を受けるとともに、情報通信を行う。
本実施形態においては、端末側PDコントローラ62は、充電制御装置30との間で、USB−C規格に準拠した方式で電力供給を受けるとともに、情報通信を行う。本実施形態においては、端末側PDコントローラ62は、USB−C規格に準拠したケーブル34におけるCC信号線を介して、VDM信号を充電制御装置30と送受信する。
端末側PDコントローラ62は、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された場合に、規格において予め定められたシーケンス(パワーデリバリシーケンス)を充電制御装置30との間で実行することにより、充電制御装置30から受け取る電圧および電流の組み合わせを決定する。本実実施形態においては、端末側PDコントローラ62は、USB−C規格で定められたパワーデリバリシーケンスを実行することにより、充電制御装置30から受け取る電圧および電流の組み合わせを決定する。そして、端末側PDコントローラ62は、決定し電圧および電流の組み合わせの電力を充電制御装置30から受け取るように、端末側電源部72に指示を与える。
端末側通信プロセッサ64は、CPU、ROMおよびRAM等を含み、端末側PDコントローラ62を制御する。端末側通信プロセッサ64は、例えばROMに予め記憶されたプログラムをRAMに展開して、プログラムに従った制御をする。例えば、端末側通信プロセッサ64は、プロセッシング回路66に対して、ケーブル34を介して接続された充電制御装置30に関する情報等を与える。また、端末側通信プロセッサ64は、ケーブル34を介して充電制御装置30から受け取った情報に基づき、電源スイッチ74の状態を制御する。
プロセッシング回路66は、CPU、ROMおよびRAM等を含み、端末装置20の全体の制御を実行する。プロセッシング回路66は、例えばROMに予め記憶されたプログラムをRAMに展開して、プログラムに従った制御をする。プロセッシング回路66は、プログラムの実行に従って、端末側通信プロセッサ64にコマンドを与えたり、端末側通信プロセッサ64から情報を取得したりする。また、プロセッシング回路66は、プログラムの実行に従って、無線通信部68を制御する。
無線通信部68は、プロセッシング回路66による制御に従って、無線通信をする。本実施形態においては、無線通信部68は、無線通信装置24および内部無線通信装置40と無線通信をする。そして、無線通信部68は、プロセッシング回路66と他装置との間の情報通信を中継する。
バッテリ70は、二次電池である。バッテリ70は、端末装置20に含まれる各回路に電力を供給する。
端末側電源部72は、バッテリ70から電力を受け取り、バッテリ70から受け取った電力を電源スイッチ74を介してプロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路に供給する。なお、端末側PDコントローラ62、端末側通信プロセッサ64および端末側電源部72は、端末装置20の電源状態に関わらず常時電力が供給されている。
また、端末側電源部72は、端末側PDコントローラ62からの指示に従って、ケーブル34を介して充電制御装置30から電力を受け取ることもできる。この場合、端末側電源部72は、充電制御装置30から受け取った電力を、電源スイッチ74を介してプロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路に供給する。また、端末側電源部72は、ケーブル34を介して充電制御装置30から受け取った電力をバッテリ70に供給することにより、バッテリ70を充電する。
電源スイッチ74は、オン状態において、端末側電源部72から出力された電力を、プロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路に供給する。電源スイッチ74は、オフ状態において、プロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路への電力供給を切断する。
なお、電源スイッチ74は、オルタネート動作をするプッシュスイッチである。例えば、電源スイッチ74は、筐体に設けられた電源ボタンがユーザにより押された場合に、状態を切り替える。例えば、電源スイッチ74は、オフ状態において、電源ボタンが押された場合には、オン状態に切り替える。また、電源スイッチ74は、オン状態において、電源ボタンが押された場合には、オフ状態に切り替える。
また、電源スイッチ74は、端末装置20の内部の回路からの信号によっても状態を切り替える。本実施形態においては、端末側通信プロセッサ64は、電源スイッチ74の状態を切り替えることができる。
図12は、第1実施形態に係る充電側通信プロセッサ54の機能構成を示す図である。
第1実施形態に係る充電側通信プロセッサ54は、電源状態管理部112と、電源コマンド取得部114と、電源スイッチ制御部116と、電源状態通知部118と、電源コマンドマスク部120とを備える。充電側通信プロセッサ54は、所定のプログラムを実行することにより、電源状態管理部112、電源コマンド取得部114、電源スイッチ制御部116、電源状態通知部118および電源コマンドマスク部120として機能する。
電源状態管理部112は、ケーブル34を介して端末装置20から受信した情報に基づき、端末装置20の電源状態が起動状態であるか、非起動状態であるかを管理する。例えば、充電側PDコントローラ52は、端末装置20からケーブル34を介してVDM信号を受信し、受信したVDM信号から端末装置20の電源状態を取得する。電源状態管理部112は、充電側PDコントローラ52から端末装置20の電源状態を取得する。
起動状態は、端末装置20の電源スイッチ74がオンであり、プロセッシング回路66(主記憶装置およびCPU)が通常通りに稼働している状態である。起動状態は、S0の状態ともいう。
非起動状態は、起動状態以外の状態である。電源状態管理部112は、非起動状態として、シャットダウン状態、休止状態またはスリープ状態を区別して管理する。
シャットダウン状態は、端末装置20の電源スイッチ74がオフであり、常時起動している回路以外の回路に電力が供給されていない状態である。常時起動している回路には、例えば、端末側PDコントローラ62、端末側通信プロセッサ64および端末側電源部72が含まれる。シャットダウン状態は、G3の状態ともいう。
休止状態は、端末装置20の電源スイッチ74がオフであり、プロセッシング回路66の主記憶装置の記憶内容が不揮発性の補助記憶装置にコピーされている状態である。不揮発性の補助記憶装置は、例えばハードディスクまたはフラッシュメモリ等である。休止状態も、常時起動している回路以外の回路に電力が供給されていない状態である。休止状態は、S4の状態ともいう。
スリープ状態は、端末装置20の電源スイッチ74がオンであり、プロセッシング回路66(主記憶装置およびCPU)および常時起動している回路以外の回路に電力が供給されていない状態である。スリープ状態は、S3の状態ともいう。なお、スリープ状態は、プロセッシング回路66の主記憶装置には電力が供給されているが、CPUが稼働していない状態であってもよい。
電源コマンド取得部114は、端末装置20を起動させるウェイクアップコマンドを、情報処理装置32から受け取る。また、電源コマンド取得部114は、端末装置20をシャットダウンさせるシャットダウンコマンドを、情報処理装置32から受け取る。
電源スイッチ制御部116は、電源コマンド取得部114がウェイクアップコマンドまたはシャットダウンコマンドを受け取った場合に、スイッチプッシュ信号を端末装置20へと出力する指示を、充電側PDコントローラ52に与える。スイッチプッシュ信号は、端末装置20の電源スイッチ74の状態を切り替えさせる信号である。
ここで、充電側PDコントローラ52は、スイッチプッシュ信号を端末装置20へと出力する指示を受け取った場合、ケーブル34を介してスイッチプッシュ信号を端末装置20に送信する。端末装置20の端末側PDコントローラ62は、充電側PDコントローラ52から送信されたスイッチプッシュ信号を取得する。端末装置20の端末側通信プロセッサ64は、端末側PDコントローラ62がスイッチプッシュ信号を取得した場合、電源スイッチ74の状態を切り替える。例えば、電源スイッチ74がオン状態においてスイッチプッシュ信号を取得した場合、端末側通信プロセッサ64は、電源スイッチ74をオフ状態に切り替える。また、電源スイッチ74がオフ状態においてスイッチプッシュ信号を取得した場合、端末側通信プロセッサ64は、電源スイッチ74をオン状態に切り替える。
電源状態通知部118は、電源状態管理部112に管理されている端末装置20の電源状態が変化した場合、変化後の電源状態を情報処理装置32に通知する。これにより、電源状態通知部118は、端末装置20の電源状態を情報処理装置32に知らせることができる。
例えば、電源状態通知部118は、端末装置20が起動状態において、電源コマンド取得部114がシャットダウンコマンドを受け取った場合、端末装置20が起動状態から非起動状態に変化した後、端末装置20の電源状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。これにより、電源状態通知部118は、端末装置20が非起動状態に変化したことを、情報処理装置32に知らせることができる。
例えば、電源状態通知部118は、端末装置20が非起動状態において、電源コマンド取得部114がウェイクアップコマンドを受け取った場合、端末装置20が非起動状態から起動状態に変化した後、端末装置20の電源状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。これにより、電源状態通知部118は、端末装置20が起動状態に変化したことを、情報処理装置32に知らせることができる。
電源コマンドマスク部120は、端末装置20が起動状態においてウェイクアップコマンドを受け取った場合、ウェイクアップコマンドをマスクする。これにより、電源コマンドマスク部120は、端末装置20へスイッチプッシュ信号を出力させないように、充電側PDコントローラ52を制御することができる。従って、電源コマンドマスク部120は、端末装置20が起動状態であるにも関わらず、情報処理装置32からウェイクアップコマンドが送信されてしまった場合であっても、端末装置20を非起動状態にせず、端末装置20の起動状態を維持させることができる。
さらに、電源コマンドマスク部120は、端末装置20が起動状態においてウェイクアップコマンドを受け取った場合、端末装置20の電源状態(起動状態)を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。これにより、電源コマンドマスク部120は、端末装置20が既に起動状態であることを情報処理装置32に知らせることができる。
また、電源コマンドマスク部120は、端末装置20が非起動状態においてシャットダウンコマンドを受け取った場合、シャットダウンコマンドをマスクする。これにより、電源コマンドマスク部120は、端末装置20へスイッチプッシュ信号を出力させないように、充電側PDコントローラ52を制御することができる。従って、電源コマンドマスク部120は、端末装置20が非起動状態であるにも関わらず、情報処理装置32からシャットダウンコマンドが送信されてしまった場合であっても、端末装置20を起動状態にせず、端末装置20の非起動状態を維持させることができる。
さらに、電源コマンドマスク部120は、端末装置20が非起動状態においてシャットダウンコマンドを受け取った場合、端末装置20の電源状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。これにより、電源コマンドマスク部120は、端末装置20が既に非起動状態であることを情報処理装置32に知らせることができる。
図13は、第1実施形態に係る充電側通信プロセッサ54の処理の流れを示すフローチャートである。第1実施形態において、充電側通信プロセッサ54は、図13に示すような流れで処理を実行する。
まず、S111において、充電側通信プロセッサ54は、情報処理装置32から電源コマンド(ウェイクアップコマンドまたはシャットダウンコマンド)を取得したか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、電源コマンドを取得しない場合には(S111のNo)、処理をS111で待機する。充電側通信プロセッサ54は、電源コマンドを取得した場合には(S111のYes)、処理をS112に進める。
続いて、S112において、充電側通信プロセッサ54は、電源コマンドがウェイクアップコマンドであるか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、ウェイクアップコマンドでない場合、すなわち、シャットダウンコマンドである場合(S112のNo)、処理をS113に進め、ウェイクアップコマンドである場合(S112のYes)、処理をS119に進める。
S113において、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20が起動状態であるか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、起動状態である場合(S113のYes)、処理をS114に進め、起動状態ではない場合(S113のNo)、処理をS117に進める。
S114において、充電側通信プロセッサ54は、スイッチプッシュ信号の出力指示を充電側PDコントローラ52に与える。これにより、充電側PDコントローラ52は、スイッチプッシュ信号を端末装置20に送信することができる。
続いて、S115において、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20がシャットダウンしたか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、端末装置20がシャットダウンしない場合(S115のNo)、処理をS115で待機する。端末装置20がシャットダウンした場合(S115のYes)、続いて、S116において、充電側通信プロセッサ54は、シャットダウン状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。S116を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
S117において、充電側通信プロセッサ54は、受け取ったシャットダウンコマンドをマスクする。これにより、充電側通信プロセッサ54は、充電側PDコントローラ52に対して何ら指示を与えない。従って、充電側PDコントローラ52は、スイッチプッシュ信号を送信しない。続いて、S118において、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20の現在の電源状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。S118を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
一方、S119において、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20が非起動状態であるか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、非起動状態である場合(S119のYes)、処理をS120に進め、非起動状態ではない場合(S119のNo)、処理をS123に進める。
S120において、充電側通信プロセッサ54は、スイッチプッシュ信号の出力指示を充電側PDコントローラ52に与える。これにより、充電側PDコントローラ52は、スイッチプッシュ信号を端末装置20に送信することができる。
続いて、S121において、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20の電源状態が変化したか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、端末装置20の電源状態が変化しない場合(S121のNo)、処理をS121で待機する。端末装置20の電源状態が変化した場合(S121のYes)、続いて、S122において、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20の現在の電源状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。S122を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
S123において、充電側通信プロセッサ54は、受け取ったウェイクアップコマンドをマスクする。これにより、充電側通信プロセッサ54は、充電側PDコントローラ52に対して何ら指示を与えない。従って、充電側PDコントローラ52は、スイッチプッシュ信号を送信しない。続いて、S124において、充電側通信プロセッサ54は、起動状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。S124を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
なお、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20がスリープ状態において、シャットダウンコマンドを取得した場合、シャットダウンコマンドをマスクせずに、スイッチプッシュ信号の出力指示を充電側PDコントローラ52に与えてもよい。これにより、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20がスリープ状態において、シャットダウンコマンドを取得した場合、端末装置20をシャットダウンさせることができる。
また、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20が休止状態において、シャットダウンコマンドを取得した場合、スイッチプッシュ信号の出力指示を充電側PDコントローラ52に与えて端末装置20を起動させる。その後、充電側通信プロセッサ54は、再度、スイッチプッシュ信号の出力指示を充電側PDコントローラ52に与えてもよい。これにより、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20が休止状態において、シャットダウンコマンドを取得した場合、端末装置20をシャットダウンさせることができる。
また、充電側通信プロセッサ54は、スリープ状態において、ウェイクアップコマンドを取得した場合、スイッチプッシュ信号の出力指示に代えて、端末装置20をスリープ状態から起動状態に遷移させる信号の出力指示を充電側PDコントローラ52に与えてもよい。これにより、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20がスリープ状態において、ウェイクアップコマンドを取得した場合、端末装置20を起動状態にさせることができる。
以上のような第1実施形態に係る充電制御装置30は、次のような効果を有する。
第1実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20が起動状態においてウェイクアップコマンドを受け取った場合、ウェイクアップコマンドをマスクする。これにより、第1実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20が起動状態であるにも関わらず、情報処理装置32がウェイクアップコマンドを送信した場合であっても、端末装置20を非起動状態にせず、端末装置20の起動状態を維持させることができる。従って、第1実施形態に係る充電制御装置30によれば、情報処理装置32からの制御に応じて、適切に端末装置20の電源状態を切り替えることができる。
また、第1実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20が非起動状態においてシャットダウンコマンドを受け取った場合、シャットダウンコマンドをマスクする。これにより、第1実施形態に係る充電制御装置30によれば、端末装置20が非起動状態であるにも関わらず、情報処理装置32がシャットダウンコマンドを送信した場合であっても、端末装置20を起動状態にせず、端末装置20の非起動状態を維持させることができる。
また、第1実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20が起動状態においてシャットダウンコマンドを受け取った場合、端末装置20が起動状態から非起動状態に変化した後、端末装置20の電源状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。さらに、第1実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20が非起動状態においてウェイクアップコマンドを受け取った場合、端末装置20が非起動状態から起動状態に変化した後、端末装置20の電源状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。これにより、第1実施形態に係る充電制御装置30によれば、端末装置20の電源状態を情報処理装置32に知らせることができる。
また、第1実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20が起動状態においてウェイクアップコマンドを受け取った場合、端末装置20の電源状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。さらに、第1実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20が非起動状態においてシャットダウンコマンドを受け取った場合、端末装置20の電源状態を示す通知情報を情報処理装置32に返信する。これにより、第1実施形態に係る充電制御装置30によれば、端末装置20の電源状態を情報処理装置32に知らせることができる。
また、第1実施形態に係る充電制御装置30は、ケーブル34を介して端末装置20から受信した情報に基づき、端末装置20の電源状態が起動状態であるか、非起動状態であるかを管理する。これにより、第1実施形態に係る充電制御装置30によれば、確実に、シャットダウンコマンドおよびウェイクアップコマンドをマスクすることができる。
また、第1実施形態に係る充電制御装置30は、非起動状態として、シャットダウン状態、休止状態またはスリープ状態を区別して管理する。これにより、第1実施形態に係る充電制御装置30によれば、確実に、シャットダウンコマンドをマスクすることができる。
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態に係る情報処理システム10について説明する。第2実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態と同一のハードウェア構成を有する。第2実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態と比較して、充電制御装置30に備えられる充電側通信プロセッサ54の機能構成が異なる。
図14は、第2実施形態に係る充電側通信プロセッサ54の機能構成を示す図である。
第2実施形態に係る充電側通信プロセッサ54は、変更コマンド取得部212と、再接続制御部214と、プロファイル変更部216とを備える。充電側通信プロセッサ54は、所定のプログラムを実行することにより、変更コマンド取得部212、再接続制御部214およびプロファイル変更部216として機能する。
変更コマンド取得部212は、端末装置20へ供給する電圧および供給する電流の変更を指示する変更コマンドを、情報処理装置32から受け取る。変更コマンドは、変更後の電圧および電流の組み合わせを示す情報を含む。
再接続制御部214は、端末装置20へ供給する電圧および電流の組み合わせを変更する場合に、充電側PDコントローラ52に、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断させる。例えば、再接続制御部214は、変更コマンド取得部212が変更コマンドを受け取った場合に、充電側PDコントローラ52に、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断させる。なお、再接続制御部214は、変更コマンドを受け取った場合に代えて、予め定められた他のイベントが発生した場合に、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断させてもよい。
そして、再接続制御部214は、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断させた後、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を再接続させる。
例えば、再接続制御部214は、充電側PDコントローラ52に対してリセットを指示することにより、充電側PDコントローラ52に端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断させる。また、例えば、再接続制御部214は、充電側PDコントローラ52に対してリセットの解除を指示することにより、充電側PDコントローラ52に端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を再接続させる。これにより再接続制御部214は、充電側PDコントローラ52に対して、確実に、充電側PDコントローラ52に端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信の切断および再接続をさせることができる。
プロファイル変更部216は、端末装置20へ供給する電圧および電流の組み合わせを変更する場合に、端末装置20に供給可能な電圧および電流の組み合わせを示す電力プロファイルを、充電側PDコントローラ52に設定する。例えば、プロファイル変更部216は、変更コマンド取得部212が変更コマンドを受け取った場合に、端末装置20に供給可能な電圧および電流の組み合わせを示す電力プロファイルを、充電側PDコントローラ52に設定する。
ここで、充電側PDコントローラ52は、パワーデリバリシーケンスとして次のような手続きを実行する。まず、充電側PDコントローラ52は、予め設定されている1または複数の電力プロファイルを含むパワーデリバリーオブジェクト情報を端末装置20に送信する。続いて、充電側PDコントローラ52は、端末装置20から、端末装置20が要求する電力プロファイルを示す応答を受信する。そして、充電側PDコントローラ52は、応答に示された電力プロファイルに従って端末装置20に対する電力供給を開始する。このような手続きを実行することにより、充電側PDコントローラ52は、端末装置20へ供給する電圧および電流の組み合わせを決定することができる。
このようなパワーデリバリシーケンスが実行される場合、プロファイル変更部216は、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断した後、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を再接続する前に、端末装置20に供給可能な電圧および電流を示す電力プロファイルを、充電側PDコントローラ52に設定する。これにより、プロファイル変更部216は、充電側PDコントローラ52がパワーデリバリーオブジェクト情報を端末装置20に送信する前に、確実に、電力プロファイルを充電側PDコントローラ52に設定することができる。
例えば、プロファイル変更部216は、再接続制御部214が充電側PDコントローラ52に対してリセットの解除を指示した後、充電側PDコントローラ52がパワーデリバリーオブジェクト情報を端末装置20に送信する前に、充電側PDコントローラ52に、端末装置20への供給を要求する電力プロファイルを設定する。これにより、プロファイル変更部216は、再接続制御部214が充電側PDコントローラ52に対してリセットおよびリセットの解除をした場合において、確実に、電力プロファイルを充電側PDコントローラ52に設定することができる。
ここで、ケーブル34を用いた電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格において、充電側PDコントローラ52は、端末装置20とケーブル34を介した接続を維持した状態では、電力プロファイルを変更することができない。例えば、USB−C規格では、充電側PDコントローラ52は、ケーブル34を介した電力供給および情報通信の接続を維持した状態では、電力プロファイルを変更することができない。
しかし、第2実施形態に係る充電側通信プロセッサ54は、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断させる。その後、第2実施形態に係る充電側通信プロセッサ54は、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を再接続させる。そして、第2実施形態に係る充電側通信プロセッサ54は、電力供給および情報通信を再接続させる場合に、端末装置20に供給可能な電圧および電流の組み合わせを示す電力プロファイルを、充電側PDコントローラ52に設定する。
これにより、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20へ供給する電圧および電流の組み合わせを、任意に変更することができる。例えば、充電側通信プロセッサ54は、情報処理装置32からの指示に従って、端末装置20へ供給する電圧および電流を設定することができる。
図15は、第2実施形態に係る充電側通信プロセッサ54の処理の流れを示すシーケンス図である。第2実施形態において、充電側通信プロセッサ54、充電側PDコントローラ52および端末側PDコントローラ62は、図15に示すような流れで処理を実行する。
まず、S211において、充電側PDコントローラ52および端末側PDコントローラ62は、ケーブル34により物理的に接続される。
続いて、S212において、充電側PDコントローラ52は、予め内部に設定されている1または複数の電力プロファイルを含むパワーデリバリーオブジェクト情報(ソースPDO)を端末側PDコントローラ62に送信する。
USB−C規格では、電力プロファイルとして、“5V/900mA”、“5V/3A”、“9V/3A”、“12V/3A”、“15V/3A”および“20V/3A”が定められている。USB−C規格において、充電側PDコントローラ52は、“5V/900mA”、“5V/3A”、“9V/3A”、“12V/3A”、“15V/3A”および“20V/3A”のうちの、充電側PDコントローラ52が供給可能な1または複数の電力プロファイルを含むソースPDOを送信する。
また、USB−C規格では、最低電圧および最低電流の“5V/900mA”が、デフォルトの電力プロファイルとして定められている。そして、USB−C規格に準拠した機器は、デフォルトの電力プロファイルでの電力供給および電力受け取りが可能でなければならないことが定められている。
続いて、S213において、端末側PDコントローラ62は、ソースPDOに示された1または複数の電力プロファイルのうち、受け取りを要求する1つの電力プロファイルを決定する。そして、端末側PDコントローラ62は、決定した電力プロファイルを示す応答を充電側PDコントローラ52に送信する。
続いて、S214において、充電側PDコントローラ52は、端末側PDコントローラ62に対して、応答に示された電力プロファイルで電力供給を開始する。
S212からS214までの処理を、パワーデリバリシーケンスと呼ぶ。なお、USB−C規格において、充電側PDコントローラ52および端末側PDコントローラ62は、パワーデリバリシーケンスが終了した後に、ケーブル34の接続を維持した状態では、決定した電力プロファイルを変更することはできない。
続いて、S215において、充電側通信プロセッサ54は、情報処理装置32から、端末装置20へ供給する電圧および供給する電流の変更を指示する変更コマンドを取得する。変更コマンドは、端末装置20へと供給することを情報処理装置32が要求する、電圧および電流の組み合わせを含む。
続いて、S216において、充電側通信プロセッサ54は、充電側PDコントローラ52に対してリセットを指示する。リセットの指示を受けた場合、S217において、充電側PDコントローラ52は、リセットを実行する。充電側PDコントローラ52は、リセットを実行した場合、ケーブル34がコネクタに挿入された状態で、ケーブル34による電力供給および情報通信を切断する。この結果、S218において、充電側PDコントローラ52と端末側PDコントローラ62との間は、疑似的に切断される。すなわち、充電側PDコントローラ52および端末側PDコントローラ62は、ケーブル34により外観的には接続されているが、内部の信号線のレベルでは切断された状態となる。
続いて、S219において、充電側通信プロセッサ54は、充電側PDコントローラ52に対してリセットの解除を指示する。リセットの解除の指示を受けた場合、S220において、充電側PDコントローラ52は、リセットの解除を実行する。充電側PDコントローラ52は、リセットの解除を実行した場合、例えば、ケーブル34による電力供給および情報通信を接続する。この結果、S221において、充電側PDコントローラ52と端末側PDコントローラ62との間は、疑似的に接続される。すなわち、充電側PDコントローラ52および端末側PDコントローラ62は、ケーブル34により外観的にも、内部の信号線のレベルでも接続された状態となる。
続いて、S222において、充電側通信プロセッサ54は、電力プロファイルを充電側通信プロセッサ54に設定する。このとき設定される電力プロファイルは、変更コマンドに含まれる電圧および電流を示す。すなわち、このとき設定される電力プロファイルは、情報処理装置32が変更後において端末装置20に供給させることを要求する電圧および電流の組み合わせを示す。続いて、S223において、充電側通信プロセッサ54は、設定された電力プロファイルを内部に記憶する。設定される電力プロファイルは、1または複数の電力プロファイルであり、USB−C規格において予め定められたデフォルトの電力プロファイルソースPDO“5V/900mA”または“5V/3A”、“9V/3A”、“12V/3A”、“15V/3A”および“20V/3A”である。
続いて、S224において、充電側PDコントローラ52は、S223で記憶した電力プロファイルを含むパワーデリバリーオブジェクト情報(ソースPDO)を端末側PDコントローラ62に送信する。
この場合において、充電側PDコントローラ52は、S223で記憶した電力プロファイルを含むソースPDOを送信する。
続いて、S225において、端末側PDコントローラ62は、ソースPDOに示された1または複数の電力プロファイルのうち、受け取りを要求する1つの電力プロファイルを決定する。そして、端末側PDコントローラ62は、決定した電力プロファイルを示す応答を充電側PDコントローラ52に送信する。
続いて、S226において、充電側PDコントローラ52は、端末側PDコントローラ62に対して、応答に示された電力プロファイルで電力供給を開始する。
なお、本実施形態において、充電側通信プロセッサ54は、情報処理装置32から変更コマンドを取得したことに応じて、リセット指示、リセット解除の指示、および、電力プロファイルの設定をしている。これに代えて、充電側通信プロセッサ54は、他のイベントの発生に応じて、リセット指示およびリセット解除の指示をしてもよい。
例えば、充電側通信プロセッサ54は、端末装置20の充電が完了したことに応じて、リセット指示、リセット解除の指示、および、電力プロファイルの設定をしてもよい。また、例えば、充電側通信プロセッサ54は、一定時間毎に、リセット指示、リセット解除の指示、および、電力プロファイルの設定をしてもよい。
以上のような第2実施形態に係る充電制御装置30は、次のような効果を有する。
第2実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断させた後、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を再接続させる。そして、第2実施形態に係る充電制御装置30は、電力供給および情報通信を再接続させる場合に、端末装置20に供給可能な電圧および電流の組み合わせを示す電力プロファイルを、充電側PDコントローラ52に設定する。これにより、第2実施形態に係る充電制御装置30によれば、端末装置20に対する供給電力の設定を切り替えることができる。
また、第2実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20とパワーデリバリシーケンスを実行する。これにより、第2実施形態に係る充電制御装置30によれば、端末装置20へ供給する電圧および電流の組み合わせを変更することができる。
また、第2実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断した後、端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を再接続する前に、電力プロファイルを充電側PDコントローラ52に設定する。これにより、第2実施形態に係る充電制御装置30によれば、確実に、電力プロファイルを充電側PDコントローラ52に設定することができる。
また、第2実施形態に係る充電制御装置30は、充電側PDコントローラ52に対してリセットを指示することにより、充電側PDコントローラ52に端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断させる。さらに、第2実施形態に係る充電制御装置30は、充電側PDコントローラ52に対してリセットの解除を指示することにより、充電側PDコントローラ52に端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を再接続させる。これにより、第2実施形態に係る充電制御装置30によれば、確実に、電力供給および情報通信を切断および再接続させることができる。
また、第2実施形態に係る充電制御装置30は、リセットの解除を指示した後、充電側PDコントローラ52がパワーデリバリーオブジェクト情報を端末装置20に送信する前に、充電側PDコントローラ52に、端末装置20への供給を要求する電力プロファイルを設定する。これにより、第2実施形態に係る充電制御装置30によれば、再接続制御部214が充電側PDコントローラ52に対してリセットおよびリセットの解除をした場合において、確実に、電力プロファイルを充電側PDコントローラ52に設定することができる。
(第3実施形態)
つぎに、第3実施形態に係る情報処理システム10について説明する。第3実施形態に係る情報処理システム10は、第1および第2実施形態と同一のハードウェア構成を有する。第3実施形態に係る情報処理システム10は、第2実施形態と比較して、充電制御装置30に備えられる充電側通信プロセッサ54の機能構成が異なる。
図16は、第3実施形態に係る充電側通信プロセッサ54の機能構成を示す図である。
第3実施形態に係る充電側通信プロセッサ54は、変更コマンド取得部212と、再接続制御部214と、プロファイル変更部216と、シーケンス管理部312と、供給電力管理部314と、変更コマンドマスク部316とを備える。充電側通信プロセッサ54は、所定のプログラムを実行することにより、変更コマンド取得部212、再接続制御部214、プロファイル変更部216、シーケンス管理部312、供給電力管理部314および変更コマンドマスク部316として機能する。
第3実施形態に係る充電側通信プロセッサ54は、第2実施形態と比較して、シーケンス管理部312、供給電力管理部314および変更コマンドマスク部316をさらに有する構成である。第3実施形態に係る充電側通信プロセッサ54については、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
シーケンス管理部312は、端末装置20に対する供給電圧および供給電流を決定するパワーデリバリシーケンスの実行中であるか否かを管理する。例えば、シーケンス管理部312は、充電側PDコントローラ52から、パワーデリバリシーケンスの実行中であるか否かを示す通知を取得して、記憶する。
変更コマンド取得部212は、情報処理装置32から端末装置20へ供給する電圧および供給する電流の変更を指示する変更コマンドを受け取る。さらに、本実施形態においては、変更コマンド取得部212は、パワーデリバリシーケンスの実行中において、情報処理装置32からの変更コマンドの受け取りを拒否する。変更コマンド取得部212は、シーケンス管理部312により記憶されている情報に基づき、パワーデリバリシーケンスの実行中であるか否かを判断する。
これにより、変更コマンド取得部212は、パワーデリバリシーケンスの実行中にリセットされることにより、充電側PDコントローラ52が想定外の動作をすることを回避することができる。また、変更コマンド取得部212は、パワーデリバリシーケンスの実行中にリセットされることにより、充電側PDコントローラ52が想定外のエラーを発生することも回避することができる。従って、充電制御装置30によれば、充電側PDコントローラ52に確実にパワーデリバリシーケンスを実行させることができる。
さらに、変更コマンドの受け取りを拒否した場合、変更コマンド取得部212は、変更コマンドの受け取りを拒否したことを示す通知情報を情報処理装置32に返信する。これにより、変更コマンド取得部212は、変更コマンドの受け取りを拒否したことを情報処理装置32に知らせることができる。
供給電力管理部314は、充電側PDコントローラ52が、何れの電力プロファイルに従って端末装置20へ電力供給をしているのかを管理する。例えば、供給電力管理部314は、充電側PDコントローラ52がパワーデリバリシーケンスを実行した後、充電側PDコントローラ52が何れの電力プロファイルに従って電力供給をしているのかの通知を取得して、記憶する。例えば、USB−C規格の場合、供給電力管理部314は、“5V/900mA”、“5V/3A”、“9V/3A”、“12V/3A”、“15V/3A”または“20V/3A”の何れの電力プロファイルに従って電力供給をしているのかを記憶する。
変更コマンドマスク部316は、変更コマンド取得部212が変更コマンドを取得した場合、デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドであるか、非デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドであるかを判断する。
デフォルトの電力プロファイルは、ケーブル34を用いた電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格で、デフォルトとして定められた電圧および電流の組み合わせを示す。非デフォルトの電力プロファイルは、ケーブル34を用いた電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格で、デフォルトではない電圧および電流の組み合わせを示す。
例えば、デフォルトの電力プロファイルは、規格において供給可能と定められた複数の電圧および複数の電流のうちの、最低電圧および最低電流の組み合わせを示す。例えば、USB−C規格では、“5V/900mA”の組み合わせがデフォルトの電力プロファイルである。また、USB−C規格では、“5V/900mA”以外の組み合わせ、すなわち、“5V/3A”、“9V/3A”、“12V/3A”、“15V/3A”および“20V/3A”が非デフォルトの電力プロファイルである。
さらに、変更コマンドマスク部316は、変更コマンド取得部212が変更コマンドを取得した場合、供給電力管理部314からの情報に基づき、デフォルトとして定められた電力プロファイルに従って電力供給をしている状態であるか、非デフォルトとして定められた電力プロファイルに従って電力供給をしている状態であるかを判断する。
そして、変更コマンドマスク部316は、デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をしている状態において、デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドを受け取った場合、変更コマンドをマスクする。また、変更コマンドマスク部316は、非デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をしている状態において、非デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドを受け取った場合、変更コマンドをマスクする。
変更コマンドがマスクされた場合、再接続制御部214は、変更コマンドを受け取らない。従って、変更コマンドがマスクされた場合、再接続制御部214は、充電側PDコントローラ52に対するリセットの指示およびリセットの解除の指示を行わない。また、変更コマンドがマスクされた場合、プロファイル変更部216は、変更コマンドを受け取らない。従って、変更コマンドがマスクされた場合、プロファイル変更部216は、充電側PDコントローラ52に対する電力プロファイルの設定を行わない。
これにより、変更コマンドマスク部316は、デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をしている状態において、デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドを受け取った場合、端末装置20に供給する電圧および電流を変更させないようにすることができる。また、これにより、変更コマンドマスク部316は、非デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をしている状態において、非デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドを受け取った場合、端末装置20に供給する電圧および電流を変更させないようにすることができる。
従って、変更コマンドマスク部316によれば、同一の電力プロファイルに変更させるような無駄なパワーデリバリシーケンスの実行を無くすことができる。
図17は、第3実施形態に係る充電側通信プロセッサ54の処理の流れを示すフローチャートである。第3実施形態において、充電側通信プロセッサ54は、図17に示すような流れで処理を実行する。
まず、S311において、充電側通信プロセッサ54は、情報処理装置32から変更コマンドを取得したか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、変更コマンドを取得しない場合には(S311のNo)、処理をS311で待機する。充電側通信プロセッサ54は、変更コマンドを取得した場合には(S311のYes)、処理をS312に進める。
続いて、S312において、充電側通信プロセッサ54は、パワーデリバリシーケンスの実行中であるか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、パワーデリバリシーケンスの実行中である場合(S312のYes)、処理をS313に進め、パワーデリバリシーケンスの実行中でない場合(S312のNo)処理をS314に進める。
S313において、充電側通信プロセッサ54は、変更コマンドの受け取りを拒否する。さらに、S313において、充電側通信プロセッサ54は、変更コマンドの受け取りを拒否したことを情報処理装置32に通知してもよい。S313を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
S314において、充電側通信プロセッサ54は、デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドであるか否かを判断する。デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドである場合(S314のYes)、充電側通信プロセッサ54は、処理をS315に進める。デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドでない場合、すなわち、非デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドである場合(S314のNo)、充電側通信プロセッサ54は、処理をS318に進める。
S315において、充電側通信プロセッサ54は、現在の設定されている電力プロファイルがデフォルトであるか否かを判断する。現在の設定されている電力プロファイルがデフォルトである場合(S315のYes)、S316において、充電側通信プロセッサ54は、変更コマンドをマスクする。これにより、充電側通信プロセッサ54は、何ら処理を実行しない。従って、充電側PDコントローラ52は、パワーデリバリシーケンスを実行しない。そして、S316の処理を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
現在の設定されている電力プロファイルがデフォルトではない場合、すなわち、現在の設定されている電力プロファイルが非デフォルトである場合、(S315のNo)、充電側通信プロセッサ54は、処理をS317に進める。S317において、充電側通信プロセッサ54は、デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせるように、充電側PDコントローラ52にパワーデリバリシーケンスを実行させる。そして、S317の処理を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
S318において、充電側通信プロセッサ54は、現在の設定されている電力プロファイルが非デフォルトであるか否かを判断する。現在の設定されている電力プロファイルが非デフォルトである場合(S318のYes)、S319において、充電側通信プロセッサ54は、変更コマンドをマスクする。これにより、充電側通信プロセッサ54は、何ら処理を実行しない。従って、充電側PDコントローラ52は、パワーデリバリシーケンスを実行しない。そして、S319の処理を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
現在の設定されている電力プロファイルが非デフォルトではない場合、すなわち、現在の設定されている電力プロファイルがデフォルトである場合、(S318のNo)、充電側通信プロセッサ54は、処理をS320に進める。S320において、充電側通信プロセッサ54は、変更コマンドに示された非デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせるように、充電側PDコントローラ52にパワーデリバリシーケンスを実行させる。そして、S320の処理を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
以上のような第3実施形態に係る充電制御装置30は、次のような効果を有する。
第3実施形態に係る充電制御装置30は、端末装置20に対する供給電圧および供給電流を決定するパワーデリバリシーケンスの実行中において、変更コマンドの受け取りを拒否する。これにより、第3実施形態に係る充電制御装置30によれば、充電側PDコントローラ52が想定外の動作をしてしまったり、充電側PDコントローラ52が想定外のエラーを発生してしまったりすることを回避することができる。従って、第3実施形態に係る充電制御装置30によれば、充電側PDコントローラ52に確実にパワーデリバリシーケンスを実行させることができる。
また、第3実施形態に係る充電制御装置30は、パワーデリバリシーケンスにおいて、パワーデリバリーオブジェクト情報を端末装置20に送信し、端末装置20が要求する電力プロファイルを示す応答を受信し、応答に示された電力プロファイルに従って端末装置20に対する電力供給を開始する。これにより、第3実施形態に係る充電制御装置30によれば、端末装置20へ供給する電圧および電流の組み合わせを変更することができる。
また、第3実施形態に係る充電制御装置30は、変更コマンドの受け取りを拒否した場合、変更コマンドの受け取りを拒否したことを示す通知情報を情報処理装置32に返信する。これにより、変更コマンドの受け取りを拒否したことを情報処理装置32に知らせることができる。
また、第3実施形態に係る充電制御装置30は、デフォルトとして定められた電力プロファイルに従って電力供給をしている状態において、デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドを受け取った場合、変更コマンドをマスクする。これにより、第3実施形態に係る充電制御装置30によれば、同一の電力プロファイルに変更させるような無駄なパワーデリバリシーケンスの実行を無くすことができる。
また、第3実施形態に係る充電制御装置30は、非デフォルトとして定められた電力プロファイルに従って電力供給をしている状態において、非デフォルトの電力プロファイルに従って電力供給をさせることを指示する変更コマンドを受け取った場合、変更コマンドをマスクする。これにより、第3実施形態に係る充電制御装置30によれば、同一の電力プロファイルに変更させるような無駄なパワーデリバリシーケンスの実行を無くすことができる。
また、第3実施形態において、デフォルトの電力プロファイルは、規格において供給可能と定められた複数の電圧および複数の電流のうちの、最低電圧および最低電流の組み合わせを示す。これにより、第3実施形態に係る充電制御装置30によれば、最低電圧および最低電流の組み合わせをデフォルトの電力プロファイルとして管理することができる。
(第4実施形態)
つぎに、第4実施形態に係る情報処理システム10について説明する。第4実施形態に係る情報処理システム10は、第1〜第3実施形態と同一のハードウェア構成を有する。第4実施形態に係る情報処理システム10は、第2および第3実施形態と比較して、充電制御装置30に備えられる充電側通信プロセッサ54の機能構成が異なる。
図18は、第4実施形態に係る充電側通信プロセッサ54の機能構成を示す図である。
第4実施形態に係る充電側通信プロセッサ54は、変更コマンド取得部212と、再接続制御部214と、プロファイル変更部216と、シーケンス管理部312と、ケーブル状態管理部412と、ケーブル状態通知部414と、通知マスク部416とを備える。充電側通信プロセッサ54は、所定のプログラムを実行することにより、変更コマンド取得部212、再接続制御部214、プロファイル変更部216、シーケンス管理部312とケーブル状態管理部412、ケーブル状態通知部414および通知マスク部416として機能する。
第4実施形態に係る充電側通信プロセッサ54は、第2実施形態と比較して、シーケンス管理部312、ケーブル状態管理部412、ケーブル状態通知部414および通知マスク部416をさらに有する構成である。第4実施形態に係る充電側通信プロセッサ54は、第3実施形態の構成に加えて、ケーブル状態管理部412、ケーブル状態通知部414および通知マスク部416をさらに有する構成であってもよい。第4実施形態に係る充電側通信プロセッサ54については、第2実施形態および第3実施形態との相違点を中心に説明する。
ケーブル状態管理部412は、充電側PDコントローラ52と端末装置20との間のケーブル34の接続状態を管理する。すなわち、ケーブル状態管理部412は、充電側PDコントローラ52と端末装置20との間で、ケーブル34による電力供給および情報通信が接続状態か切断状態かを管理する。例えば、ケーブル状態管理部412は、充電側PDコントローラ52から、ケーブル34による電力供給および情報通信が接続状態か切断状態かを示す通知を取得して、記憶する。
ケーブル状態通知部414は、ケーブル34の接続状態が変更した場合に、情報処理装置32にケーブル34の接続状態を示す通知情報を送信する。すなわち、ケーブル状態通知部414は、充電側PDコントローラ52と端末装置20との間で、ケーブル34による電力供給および情報通信が接続状態か、切断状態かを示す通知情報を送信する。
通知マスク部416は、端末装置20に供給する電圧および電流の組み合わせを変更するパワーデリバリシーケンスの実行中において、情報処理装置32へのケーブル34の接続状態の通知情報をマスクする。通知マスク部416は、シーケンス管理部312に管理されている情報に基づき、パワーデリバリシーケンスの実行中か否かを判断する。
ケーブル34の接続状態の通知情報がマスクされた場合、充電制御装置30は、情報処理装置32へ通知情報を送信しない。従って、通知マスク部416は、パワーデリバリシーケンスの実行中において、情報処理装置32へのケーブル34の接続状態の通知情報を送信させないようにすることができる。
本実施形態に係る充電側PDコントローラ52は、パワーデリバリシーケンスの実行中において、ケーブル34による電力供給および情報通信を切断させ、その後、ケーブル34による電力供給および情報通信を再接続させる。このため、ケーブル状態通知部414は、パワーデリバリシーケンスの実行中に、2回の通知情報を出力する。しかし、情報処理装置32は、パワーデリバリシーケンスの実行中におけるケーブル34の接続情報および切断情報を用いて情報処理を行わない。
そこで、通知マスク部416は、パワーデリバリシーケンスの実行中において、接続状態の通知情報をマスクする。これにより、通知マスク部416は、無駄な通信を無くして処理を簡易化することができる。
また、パワーデリバリシーケンスの終了後、充電側PDコントローラ52と端末装置20との間は、通常は、接続状態は変化していない。しかし、何らかの原因により充電側PDコントローラ52と端末装置20との間のケーブル34の接続状態が変化する可能性も考えられる。
そこで、ケーブル状態通知部414は、パワーデリバリシーケンスの終了後においてケーブル34がシーケンス開始前の接続状態から変化した場合、通知情報を情報処理装置32へ送信する。これにより、ケーブル状態通知部414は、端末装置20との接続状態を、情報処理装置32に確実に通知することができる。
図19は、第4実施形態に係る充電側通信プロセッサ54の処理の流れを示すフローチャートである。第4実施形態において、充電側通信プロセッサ54は、図19に示すような流れで処理を実行する。
まず、S411において、充電側通信プロセッサ54は、パワーデリバリシーケンスの実行が開始されたか否かを判断する。パワーデリバリシーケンスの実行が開始されていない場合(S411のNo)、充電側通信プロセッサ54は、処理をS412に進める。S412において、充電側通信プロセッサ54は、ケーブル34の接続状態に変化があったか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、ケーブル34の接続状態に変化が無い場合には(S412のNo)、処理をS411に戻し、パワーデリバリシーケンスの実行が開始されるか、ケーブル34の接続状態に変化があるまで処理を待機する。充電側通信プロセッサ54は、ケーブル34の接続状態に変化があった場合には(S412のYes)、処理をS413に進める。
S413において、充電側通信プロセッサ54は、ケーブル34の現在の接続状態を示す通知情報を情報処理装置32へ送信する。S413を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
パワーデリバリシーケンスの実行が開始された場合(S411のYes)、充電側通信プロセッサ54は、処理をS414に進める。S414において、充電側通信プロセッサ54は、パワーデリバリシーケンスの実行の直前のケーブル34の接続状態を取得して、記憶する。
続いて、S415において、充電側通信プロセッサ54は、接続状態を示す通知情報の送信をマスクする。すなわち、S415において、充電側通信プロセッサ54は、何ら処理を実行しない。
続いて、S416において、充電側通信プロセッサ54は、パワーデリバリシーケンスの実行が終了したか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、パワーデリバリシーケンスの実行が終了しない場合には(S416のNo)、処理をS416で待機する。充電側通信プロセッサ54は、パワーデリバリシーケンスの実行が終了した場合には(S416のYes)、処理をS417に進める。
S417において、充電側通信プロセッサ54は、パワーデリバリシーケンスの終了の直後のケーブル34の接続状態を取得する。続いて、S418において、充電側通信プロセッサ54は、ケーブル34の接続状態が、パワーデリバリシーケンスの実行開始の直前と実行終了の直後とで一致しているか否かを判断する。充電側通信プロセッサ54は、一致している場合(S418のYes)、本フローを終了する。
充電側通信プロセッサ54は、ケーブル34の接続状態が、パワーデリバリシーケンスの実行開始の直前と実行終了の直後とで一致していない場合(S418のYes)、S419において、ケーブル34の現在の接続状態を示す通知情報を情報処理装置32へ送信する。S419を終えると、充電側通信プロセッサ54は、本フローを終了する。
以上のような第4実施形態に係る充電制御装置30は、次のような効果を有する。
第4実施形態に係る充電制御装置30は、パワーデリバリシーケンスの実行中において、情報処理装置32へのケーブル34の接続状態の通知情報をマスクする。これにより、第4実施形態に係る充電制御装置30によれば、端末装置20との接続状態を確実に通知させ且つ煩雑な処理を無くすことができる。
また、第4実施形態に係る充電制御装置30は、パワーデリバリシーケンスの終了後において、ケーブル34の接続状態が、パワーデリバリシーケンスの実行前の接続状態から変化した場合、ケーブル34の接続状態を示す通知情報を情報処理装置32へ送信する。これにより、第4実施形態に係る充電制御装置30によれば、端末装置20の接続状態を、より確実に通知することができる。
また、第4実施形態に係る充電制御装置30は、充電側PDコントローラ52に対してリセットを指示することにより、充電側PDコントローラ52に端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を切断させる。さらに、第4実施形態に係る充電制御装置30は、充電側PDコントローラ52に対してリセットの解除を指示することにより、充電側PDコントローラ52に端末装置20とのケーブル34による電力供給および情報通信を再接続させる。これにより、第4実施形態に係る充電制御装置30によれば、確実に、電力供給および情報通信を切断および再接続させることができる。
(第5実施形態)
つぎに、第5実施形態に係る情報処理システム10について説明する。第5実施形態に係る情報処理システム10は、第1〜第4実施形態と同一のハードウェア構成を有する。
図20は、第5実施形態に係る端末装置20が有するプロセッシング回路66の機能構成を示す図である。
第5実施形態に係るプロセッシング回路66は、ケーブル接続判定部512と、機器判定部514と、アクセスポイント制御部516とを備える。プロセッシング回路66は、所定のプログラムを実行することにより、ケーブル接続判定部512、機器判定部514およびアクセスポイント制御部516として機能する。
ケーブル接続判定部512は、端末側PDコントローラ62と充電制御装置30との間のケーブル34の接続状態を管理する。すなわち、ケーブル接続判定部512は、端末側PDコントローラ62と充電制御装置30とがケーブル34により接続されたか否かを判断する。例えば、ケーブル接続判定部512は、端末側PDコントローラ62から、ケーブル34による電力供給および情報通信が接続状態か切断状態かを示す通知を取得して、記憶する。
ケーブル接続判定部512は、端末側PDコントローラ62がケーブル34を介して何れの機器にも接続されていない状態から、何らかの機器に接続された場合、機器に接続されたことを機器判定部514に通知する。また、ケーブル接続判定部512は、端末側PDコントローラ62がケーブル34を介して何らかの機器に接続されている状態から、切断された場合、機器から切断されたことをアクセスポイント制御部516に通知する。
機器判定部514は、ケーブル34を介して接続された機器が、予め定められた充電制御装置30であるか否かを判断する。例えば、機器判定部514は、ケーブル34を介して機器と接続された場合、ケーブル34を介して受信した情報に基づき、機器が充電制御装置30であるか否かを判断する。これにより、端末装置20は、ケーブル34を介して接続された機器が、充電制御装置30であるか否かを確実に判断することができる。
機器判定部514は、ケーブル34を介して接続された機器が充電制御装置30である場合、ケーブル34を介して接続された機器が充電制御装置30であることをアクセスポイント制御部516に送信する。
アクセスポイント制御部516は、端末装置20が備える無線通信部68を制御する。無線通信部68は、アクセスポイントと無線接続することによりネットワークを介した情報の通信を行う。
アクセスポイント制御部516は、機器判定部514による判定の結果、ケーブル34を介して予め定められた充電制御装置30に接続された場合、無線通信部68に対して充電制御装置30に対応付けられた第1アクセスポイントに無線接続させる。
本実施形態においては、第1アクセスポイントは、情報処理装置32が有する内部無線通信装置40により提供される。従って、アクセスポイント制御部516は、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された場合、無線通信部68に対して情報処理装置32が有する内部無線通信装置40に無線接続させる。
これにより、端末装置20は、充電キャビネット26に収納されて充電制御装置30にケーブル34を介して接続された場合には、情報処理装置32と無線接続することができる。従って、端末装置20は、充電キャビネット26に収納された状態において、情報処理装置32を介してデータを送受信したり、情報処理装置32を介して遠隔制御を受け付けたりすることができる。このように、端末装置20によれば、充電制御装置30にケーブル34を介して接続された場合に、適切なアクセスポイントに無線接続することができる。
また、アクセスポイント制御部516は、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された状態から切断された場合、無線通信部68に対して、第1アクセスポイントとは異なる予め定められた第2アクセスポイントに無線接続させる。アクセスポイント制御部516は、ケーブル接続判定部512の判定の結果および機器判定部514による判定の結果に基づき、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された状態から切断されたかを判断する。
本実施形態においては、第2アクセスポイントは、充電キャビネット26の外部に設けられた無線通信装置24により提供される。従って、アクセスポイント制御部516は、端末装置20が充電制御装置30に接続された状態から切断された場合、無線通信部68に対して無線通信装置24に無線接続させる。
これにより、端末装置20は、充電キャビネット26から取り出された場合には、無線通信装置24に無線接続することができる。従って、端末装置20は、充電キャビネット26から取り出された場合には、強い電波強度で確実にアクセスポイントと無線接続することができる。このように、端末装置20によれば、充電制御装置30から切断された場合に、適切なアクセスポイントに無線接続することができる。
また、アクセスポイント制御部516は、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された状態から切断された場合、無線通信部68に設定されている第1アクセスポイントに無線接続するための設定情報を無効としてもよい。設定情報が無効にされた場合、無線通信部68は、周囲のアクセスポイントを探索して、適切なアクセスポイントに無線接続する。これにより、端末装置20は、充電制御装置30から切断された場合に、適切ではないアクセスポイントとの無線接続を無効にして、適切なアクセスポイントに新たに無線接続することができる。
図21は、第5実施形態に係るプロセッシング回路66の第1の処理の流れを示すフローチャートである。第5実施形態において、プロセッシング回路66は、図21に示すような流れで処理を実行する。
まず、S511において、プロセッシング回路66は、端末装置20が何れかの機器にケーブル34を介して接続したか否かを判断する。接続されていない場合(S511のNo)、プロセッシング回路66は、処理をS511で待機する。接続された場合(S511のYes)、プロセッシング回路66は、処理をS512に進める。
S512において、プロセッシング回路66は、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続したか否かを判断する。プロセッシング回路66は、充電制御装置30に接続していない場合(S512のNo)、本フローを終了する。プロセッシング回路66は、充電制御装置30に接続した場合(S512のYes)、処理をS513に進める。
S513において、プロセッシング回路66は、無線通信部68に対して、充電制御装置30に対応付けられた第1アクセスポイントに無線接続させるように指示をする。本実施形態においては、プロセッシング回路66は、情報処理装置32が有する内部無線通信装置40に無線接続させるように指示をする。そして、プロセッシング回路66は、S513の処理を終えると、本フローを終了する。
図22は、第5実施形態に係るプロセッシング回路66の第2の処理の流れを示すフローチャートである。第5実施形態において、プロセッシング回路66は、端末装置20が充電制御装置30とケーブル34を介して接続している状態において、図22に示すような流れで処理を実行する。
まず、S521において、プロセッシング回路66は、端末装置20が充電制御装置30とケーブル34を介して接続している状態から、切断されたか否かを判断する。切断されていない場合(S521のNo)、プロセッシング回路66は、処理をS521で待機する。切断された場合(S521のYes)、プロセッシング回路66は、処理をS522に進める。
S522において、プロセッシング回路66は、無線通信部68に対して、第1アクセスポイントとは異なる第2アクセスポイントに無線接続させるように指示をする。実施形態においては、プロセッシング回路66は、充電キャビネット26の外部に設けられた無線通信装置24に無線接続させるように指示する。そして、プロセッシング回路66は、S522の処理を終えると、本フローを終了する。
なお、S522において、プロセッシング回路66は、第2アクセスポイントに無線接続させることに代えて、無線通信部68に設定されている第1アクセスポイントに無線接続するための設定情報を無効としてもよい。設定情報が無効にされた場合、無線通信部68は、周囲のアクセスポイントを探索して、適切なアクセスポイントに無線接続する。このようにしても、端末装置20は、充電キャビネット26の外部において強い電波強度でアクセスポイントと無線接続することができる。
以上のような第5実施形態に係る端末装置20は、次のような効果を有する。
第5実施形態に係る端末装置20は、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された場合、無線通信部68に対して、充電制御装置30に対応付けられた第1アクセスポイントに無線接続させる。これにより、第5実施形態に係る端末装置20によれば、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された場合、適切なアクセスポイントと無線接続することができる。
また、第5実施形態に係る端末装置20は、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された状態から切断された場合、無線通信部68に対して第2アクセスポイントに無線接続させる。これにより、第5実施形態に係る端末装置20によれば、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された状態から切断された場合、適切なアクセスポイントと無線接続することができる。
また、第5実施形態に係る端末装置20は、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された状態から、充電制御装置30から切断された場合、無線通信部68に対して、無線通信部68に設定されている第1アクセスポイントに無線接続するための設定情報を無効とする。これにより、第5実施形態に係る端末装置20によれば、適切ではないアクセスポイントとの無線接続を無効にして、適切なアクセスポイントに新たに無線接続することができる。
また、第5実施形態に係る端末装置20は、ケーブル34を介して機器と接続された場合、ケーブル34を介して受信した情報に基づき、機器が充電制御装置30であるか否かを判断する。これにより、第5実施形態に係る端末装置20によれば、ケーブル34を介して接続された機器が、充電制御装置30であるか否かを確実に判断することができる。
(プログラム等)
上述の各実施形態の充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、上述の各実施形態の充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態の充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の各実施形態の充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。