JP6628784B2 - チェーン伝動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑環境下においてチェーン背面をチェーンガイドによりガイドされるチェーン伝動装置に係り、特にエンジン内のチェーン伝動装置に適用して好適であるチェーン伝動装置に関する。
一般に、エンジンのクランク軸の回転をカムシャフトに伝達するタイミングチェーン伝動装置にあっては、チェーンの背面をチェーンガイドにより案内されている。上記チェーンにサイレントチェーンを用いる場合、該サイレントチェーンの内側(歯付き)リンクプレートの背面が直線状の平坦面となり、該背面全体がチェーンガイドに摺接するため、摩擦損(フリクションロス)が増大し、かつガイドリンクプレート背面とチェーンガイドのガイド面との間に隙間を生じるものもあり、チェーンの挙動が不安定となる場合がある。
従来、歯付きリンクプレートの背面をアール形状の中高となるように形成し、またガイドリンクプレートのピン背面部分に耳(当接)部を形成し、上記歯付きリンクプレートの中高頂部及びガイドリンクプレートの耳部頂部がチェーンガイドに当接し、かつ上記中高頂部と耳部頂部がそれぞれ半ピッチずれて1ピッチ毎に形成されて、リンクプレート背面とチェーンガイドとの接触面積を減少すると共にチェーンを安定してガイドするチェーン伝動装置が本出願人により案出されている(特許文献1参照)。
特許第5421448号公報
タイミングチェーン等のエンジン内チェーン伝動装置は、潤滑油を介在して動力伝達するが、燃費の向上を図るため、潤滑油に粘性抵抗の低いものが用いられる傾向にあり、特に上記リンクプレート背面とチェーンガイドとの接触面積を小さくしたものにあっては、該エンジンの使用状態によっては、特に上記小さい接触面積部分に油膜切れを起こす可能性を生じ易く、このため境界潤滑となって、却って摩擦損(フリクションロス)を増加してしまう虞がある。
そこで、本発明は、チェーンのリンクプレート背面とチェーンガイドとの接触面積を小さくして摩擦抵抗の減少を図ったものにあって、潤滑油に添加される摩擦調整剤とリンクプレートの材質との適合により、境界潤滑にあっても摩擦抵抗の増加を抑制したチェーン伝動装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、ピン(15,45)に対し相対回転することなく嵌合した複数のリンクプレート(16,17,47)からなる外側リンク(19,49)と、前記ピンに対して相対回転可能に嵌挿した複数のリンクプレート(16,46)からなる内側リンク(18,48)とを交互にかつ無端状に連結したチェーン(6…)を、潤滑環境下で複数のスプロケット(2,3,5)に巻掛け、かつ前記リンクプレートの背面をチェーンガイド(7,9,10)に摺接して案内するチェーン伝動装置(1)において、
前記潤滑環境は、潤滑油にモリブデン化合物を含有する摩擦調整剤が添加された環境であり、
前記チェーンガイドに摺接する前記リンクプレートの面積は、全ての前記リンクプレートの背面側面積の50%以下の小面積であり、
前記チェーンガイドに摺接する前記リンクプレートの少なくとも摺接部分は、クロム成分を10%以上含有する皮膜を有し、
境界潤滑領域において、前記モリブデン化合物の分解の過程でクロムに酸素を供給することにより二硫化モリブデンの生成を促進する、
ことを特徴とするチェーン伝動装置にある。
例えば図2,図3を参照して、前記外側リンク(19)は、1対の前記ピン(15)を固定したガイドリンクプレート(17)と、該ガイドリンクプレートと同列に配置され、内径側に1対の歯(20)を有する歯付きリンクプレート(16)とからなり、
前記内側リンク(18)は、前記ピン(15)に回転自在に連結され、内径側に1対の歯(20)を有する歯付きリンクプレート(16)からなり、
前記チェーンは、前記外側リンク(19)(G)と前記内側リンク(18)(N)とを交互にかつ無端状に連結したサイレントチェーン(6)である。
例えば図8を参照して、前記外側リンク(49)は、前記1対の前記ピン(45)を固定した外側リンクプレート(47)からなり、
前記内側リンク(48)は、1対のブシュ(50)を固定した内側リンクプレート(46)からなり、
前記チェーンは、前記ピン(45)を前記ブシュ(50)に嵌挿して前記外側リンク(49)と前記内側リンク(48)とを交互かつ無端状に連結したローラチェーン(6)である。
例えば図2〜図4を参照して、前記サイレントチェーン(6)にあって、前記ガイドリンクプレート(17)は、背面側にクロッチ部(27)と該クロッチ部の長手方向の両側に耳部(29)を有し、
前記外側リンク(19)及び前記内側リンク(18)の歯付きリンクプレート(16,16,16)は、背面がアール形状の中高(25)であり、
前記ガイドリンクプレートの前記耳部の頂部(30)と前記歯付きリンクプレート(16)の前記中高(25)の頂部とが、前記チェーンガイド(7)に摺接する小面積(A,B)を構成してなる。
前記サイレントチェーン(6)にあって、前記外側リンク(19)の歯付きリンクプレート(16)及び前記内側リンク(18)の歯付きリンクプレート(16)の少なくとも一方は、背面がアール形状の中高(25)であり、
前記歯付きリンクプレート(16)の前記中高(25)の頂部が、前記チェーンガイド(7)に摺接する小面積を構成してなる。
例えば図8を参照して、前記ローラチェーン(6)にあって、前記外側リンクプレート(47)は、背面がアール形状の中高(55)であり、
前記内側リンクプレート(46)は、背面がアール形状の中高(59)であり、
前記外側リンクプレート(47)の前記中高(55)の頂部と前記内側リンクプレート(46)の前記中高(59)の頂部とが、前記チェーンガイドに摺接する小面積を構成してなる。
例えば図9を参照して、前記ローラチェーン(6)にあって、前記外側リンクプレート(47)は、ピッチライン(L−L)から背面までの第1の高さ(Ho)を有し、
前記内側リンクプレートは(46)、ピッチライン(L−L)から背面までの第2の高さ(Hi)を有し、
前記外側リンクプレートの第1の高さ(Ho)と前記内側リンクプレートの第2の高さ(Hi)とは、一方が他方よりより高く、該高い方の前記外側又は内側リンクプレートのみが前記チェーンガイドに摺接して前記小面積を構成してなる。
例えば図10を参照して、前記サイレントチェーン(6)にあって、前記ガイドリンクプレート(17)は、ピッチライン(L−L)から背面までの所定高さ(Ho)を有し、
前記外側リンク(G)及び前記内側リンク(N)の歯付きリンクプレート(16)は、ピッチライン(L−L)から背面までの所定高さ(Hi)を有し、
前記ガイドリンクプレート(17)の高さ(Ho)が前記歯付きリンクプレート(16)の高さ(Hi)より高く、前記ガイドリンクプレート(17)のみが前記チェーンガイドに摺接して前記小面積を構成してなる。
例えば図11を参照して、前記サイレントチェーン(6)にあって、前記ガイドリンクプレート(17)は、ピッチラインから背面までの所定高さ(Ho)を有し、
前記内側リンク(N)の歯付きリンクプレート(161)と前記外側リンク(G)の歯付きリンクプレート(162)とは、ピッチラインから背面までの高さが異なり、
前記内側リンク及び前記外側リンクの高い方の歯付きリンクプレート(161)が、低い方の歯付きリンクプレート(162)及び前記ガイドリンクプレート(17)の高さより高く、該高い方の前記内側又は外側リンクの歯付きリンクプレート(161)のみが前記チェーンガイドに摺接して前記小面積を構成してなる。
前記皮膜の硬度は、600[Hv]以上で、該皮膜の厚さは、3[μm]以上である。
前記皮膜の表面粗さは、Ra0.5以下である。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に記載した構成に何等影響を及ぼすものではない。
チェーンガイドに摺接するリンクプレートの面積は、小面積であり、流体潤滑にあっては、摩擦損が少なく、かつ該小面積であるため、境界潤滑となる可能性が高くなるが、この場合でもモリブデン化合物を含有する摩擦調整剤がリンクプレートのクロム皮膜により二硫化モリブデン皮膜の生成を促進して、摩擦係数の増加を抑制し、低粘度の潤滑油を用いても摩擦損(フリクションロス)が増大することを防止することができる。
低剛性タイプのガイドリンクプレート及び背面がアール形状の中高となる内側リンクプレートを有するサイレントチェーンを適用すると、上記ガイドリンクプレートの耳部の頂部及び内側リンクプレートの中高の頂部をチェーンガイドに摺接して安定してサイレントチェーンを走行することができると共に、チェーンガイドと摺接するリンクプレートの上記耳部の頂部及び中高の頂部は、リンクプレートの背面側面積の10[%]以下の極小さな面積となって、流体潤滑における摩擦損を大幅に減少し、かつその分境界潤滑となる可能性が増大するが、上記モリブデン化合物の摩擦調整剤及びリンクプレートのクロム皮膜が相俟って、境界潤滑での摩擦係数の増大を抑制し、チェーン伝動装置の使用状態全体において摩擦損の大幅な低減を図ることができる。
サイレントチェーンにあって、外側リンク及び内側リンクの少なくも一方の歯付きリンクプレートを、背面がアール形状の中高とすると、簡単な構成でもってチェーンガイドと摺接する面積を小さくできる。
リンクプレートの背面がアール形状の中高となるローラチェーン(ブシュチェーンも含む)に適用した場合も、チェーンガイドと摺接するリンクプレートの中高頂部は、リンクプレート背面側面積の10[%]以下の小面積となって、上述同様に、チェーン伝動装置の使用状態全体における摩擦の大幅な低減を図ることができる。
ローラチェーンの内側及び外側リンクプレートの一方、又はサイレントチェーンのガイドリンクプレートのみ、又はサイレントチェーンの内側リンクプレートの一部のみ、チェーンガイドに摺接するようにして、チェーンガイドとの摺接面積を小面積とすることができる。
リンクプレートのクロム皮膜の硬度が600[Hv]以上、厚さを3[μm]以上とすると、モリブデン化合物の摩擦調整剤による二硫化モリブデン皮膜の生成促進及び摩擦係数の低下を確実かつ安定にすることができる。
上記皮膜の表面粗さを、Ra0.5以下とすると、境界潤滑における摩擦損の増大の抑制を安定することができる。
本発明を適用し得るタイミングチェーン伝動装置を示す概略正面図。 本発明に係るサイレントチェーンを示し、(A)は一部断面した平面図、(B)は正面図。 (A)は歯付きリンクプレートを示す正面図、(B)はガイドリンクプレートを示す正面図。 上記サイレントチェーンとチェーンガイドとの当接状態を示す正面図。 ストライベック線図。 (A)は本発明によるフリクションテストの結果を示す図、(B)はその試験装置を示す図。 本発明に係る皮膜を有するチェーンと該皮膜のないチェーンの摺動抵抗を比較した図。 本発明に係るローラチェーンを示し、(A)はローラチェーンの平面図、(B)は上記ローラチェーンの内側リンクプレートを示す正面図、(C)はその外側リンクプレートを示す正面図。 一部変更した実施の形態によるローラチェーンを示し、(A)は正面図、(B)は側面図。 一部変更した実施の形態によるサイレントチェーンを示し、(A)は正面図、(B)は側面図。 更に変更した実施の形態によるサイレントチェーンを示し、(A)は正面図、(B)は側面図。
以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。図1に、本発明を適用し得るタイミングチェーン伝動装置1を示し、該タイミングチェーン伝動装置1は、エンジン内に配置されて潤滑環境下で使用され、クランクシャフトに固定された駆動側スプロケット2と、2個のカムシャフトにそれぞれ固定された従動側スプロケット3,5と、上記駆動側スプロケット2と従動側スプロケット3,5との間に巻掛けられたチェーン6とからなる。上記チェーン6の背面側には、チェーンガイド7,9,10が摺接してチェーンを案内している。駆動側スプロケット2と従動側スプロケット5との間の張り側及び2個の従動側スプロケット3,5との間のチェーンガイド7,9は、固定部材に取付けられたレール状のシュー部材からなり、駆動側スプロケット2と従動側スプロケット3との間の緩み側のチェーンガイド10は、チェーンテンショナーからなる。該チェーンガイド10は、チェーン背面に摺接し、枢支ピン11により揺動自在に支持されたシュー部材12と、該シュー部材をチェーン張力に応じて調整する油圧又はスプリングによる調整部材13とからなる。
上記チェーンガイドであるシュー部材7,9,10は、摩擦係数の小さい平滑面を有する耐摩耗性の高い合成樹脂からなることが好ましいが、これに限らず金属、ゴム等の外の材料からなるものでもよい。なお、上記チェーン6は、サイレントチェーン又はローラチェーン(ブシュチェーンを含む)でもよい。
上記チェーン6としてサイレントチェーンを適用した実施の形態について説明する。サイレントチェーン6は、図2(A)(B)に示すように、ピン15により歯付きリンクプレート16(16,16)が交互に連結されて無端状に構成されており、これら歯付きリンクプレート16のリンク列(横列)の両最外側にガイドリンクプレート17が配置されている。上記ピン15は、左右ガイドリンクプレート17,17にカシメ、しまり嵌め等により固定され、従ってガイドリンクプレートを有するガイド列(外側リンク)Gは、ピン15に対して歯付きリンクプレート16を含めて相対回転せず、該ガイド列に隣接するノンガイド列(内側リンク)Nの歯付きリンクプレート16がピン15に対して相対回転して、サイレントチェーン6は、自由に屈曲し得る。即ち、サイレントチェーン6は、ピン15で固定された1対のガイドリンクプレート17及び該ピン15に対して相対回転することなく嵌合した歯付きリンクプレート16からなる外側リンク19と、ピン15に対して相対回転可能に嵌挿して配置された歯付きリンクプレート16からなる内側リンク18とを備え、外側リンク(ガイド列G)19と内側リンク(ノンガイド列N)18とが交互にかつ無端状に連結して構成される。
歯付きリンクプレート16(16,16)は、図3(A)に示すように、左右1対のピン孔24,24を有し、これらピン孔の中心O,Oを結ぶ線L−L(以下ピッチラインという)の内径側である正面側に1対の歯20,20を有する。該歯20は、その間のクロッチ部21側に内側フランク面22,22並びに各歯の外側に外側フランク面23,23が形成されている。上記歯20は、スプロケットの歯に内側フランク面22及び外側フランク面23が接合する噛合機構、例えば始めに内側フランク面22がスプロケット歯に接合して噛合を進行した後、外側フランク面23がスプロケット歯に着座する(内股当り、外股着座)。
上記歯付きリンクプレート16のピッチラインの外径側である背面側は、所定半径Rのアール形状からなり、従って左右ピン孔24,24間の中央である中央部が最も高くなる中高25となる。上記ピッチラインL−Lから、最も高い中央の中高25の頂部までの長(高)さHiが所定値に設定されている。上記背面側Rは、ピン孔間隔であるピッチPに対して、3P〜16Pの間に設定されることが好ましい。また、上記中高25の頂部を含むアール形状側端面は、高い精度で研削、研磨加工されて精密仕上げされている(例えばRa0.05〜0.5)。
ガイドリンクプレート17は、図3(B)に示すように、1対のピン孔28,28を有しており、ピッチラインL−Lの内径側(正面側)は、スプロケットの歯側面に当接して、サイレントチェーン6の横移動を阻止する形状からなり、その内径端は凹状のアール形状26となっている。該ガイドリンクプレート17のピッチラインL−Lの外径側である背面は、上記中央部分が浅いクロッチ部27となっている低剛性タイプからなり、該クロッチ部27の前後において上記ピン孔28,28の外径側に対応する位置である背面側部分に耳部(当接部)29,29が形成されている。該耳部29は、全体的にはアール形状からなるが、最も上記ピッチラインL−Lから離れた耳部の頂部30は、上記アール形状又は上記ピッチラインL−Lと平行な直線状の平坦面(フラット面)からなる。該耳部の頂部30は、上記ピン孔28に対応した位置にあり、平坦面の場合、その長さaは、ピン15の直径Dより小さく、好ましくはピン径Dに対して、0.1D〜0.4Dの範囲内にある。
前記ピッチラインL−Lから、上記耳部29の頂部30までの長さ(高さ)Hgは、前記歯付きリンクプレート16の背面中高25の頂部までの長さ(高さ)Hiと実質的に等しくなるように設定されている(Hi=Hg)。なお、上記実質的に等しいとは、歯付きリンクプレート16及びガイドリンクプレート17の背面がチェーンガイドに接する際に共に接することを意味し、歯付きリンクプレート16のピン孔24とピン15との遊嵌関係に起因するクリアランスの1/2の程度の相違は、実質的に等しい範囲に含まれる。
前記耳部の頂部30も、研削、研磨されて高い精度で仕上げられるが、前記歯付きリンクプレート16の背面(25)の仕上表面粗さと同じか、又はそれよりも低くてもよい。
前記サイレントチェーン6は、図2(A)に示すように、ガイドリンクプレート17の板厚tgが歯付きリンクプレート16の板厚tiより小さく設定されている(tg<ti)。例えば、ガイドリンクプレート17の板厚tgが歯付きリンクプレート16の板厚tiに対して、0.3〜0.7の範囲(tg=0.3ti〜0.7ti)にあることが好ましい。サイレントチェーン6は、組立て完了後、降伏荷重以上の張力で引っ張り、初期伸びを吸収してピッチを揃える予荷重作業が行なわれる。この際、ノンガイドリンク列N(内側リンク18)に対してガイドリンク列G(外側リンク19)は、1枚リンクプレートの枚数が多くなっているが、上記板厚の差及び上記クロッチ部27を有する低剛性ガイドリンクプレート17の形状とが相俟って、すべての歯付きリンクプレート16が略々同じ応力となり、ピッチ精度の向上が図れると共に、使用によるピッチ精度の劣化を減少し得る。
上記タイミングチェーン伝動装置1を構成する上記サイレントチェーン61は、その背面がチェーンガイド7,9,10に摺接して案内されるが、該摺接面は、歯付きリンクプレート16にあっては中高25の頂部であり、ガイドリンクプレート17にあっては耳部の頂部30であり、いずれにあっても小面積である。該小面積は、リンクプレート16,17の背面側面積、即ち両ピン孔24,24の中心からピッチラインL−Lと直交して延びる線との間の全リンクプレート背面側面積に対して小面積であることを示し、本実施の形態にあって、背面側面積の10%以下、好ましくは5%以下である。
また、上記歯付きリンクプレート16及びガイドリンクプレート17の少なくともチェーンガイドと摺接する背面部分は、クロム成分を10%以上含有する皮膜を有する。例えば、上記リンクプレート16,17は、材質がC;0.30〜0.50(wt%)を含有する炭素鋼又は合金鋼、例えばSCM435(クロムモリブデン鋼)のプレート素材からなり、クロマジング処理して、表面にCrとCとの化合物であるCr炭化物層を拡散浸透する。又は、上記リンクプレート16,17は、上記プレート素材の表面にクロムメッキする。いずれの処理によっても、歯付きリンクプレート16及びガイドリンクプレート17は、表面全体に亘って10%以上のクロムを含有する皮膜が施され、該クロム含有皮膜は、厚さが3μm以上であり、皮膜硬度が600Hv以上である。また、少なくとも上記チェーンガイドと摺接する背面部分(25,30)の表面粗さがRa0.5以下である。
前記タイミングチェーン伝動装置1は、エンジン内に配置され、潤滑環境下で用いられる。潤滑油は、エンジンオイルであるが、粘度の低い省燃費オイルを用いることが好ましい。該エンジンオイルには、エンジン部品の直接接触による焼付き等を防止するため、モリブデン化合物からなる摩擦調整剤が混入されている。該摩擦調整剤は、MoDTC(ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン,モリブデンジチオカーバメート)、MoDTP(ジチオリン酸モリブデン)がある。
サイレントチェーン伝動装置からなるタイミングチェーン伝動装置1は、クランクシャフトにより駆動される駆動側スプロケット2の回転を1/2に減速して従動側スプロケット3,5に伝達して、適正なタイミングにより2個のカムシャフトを駆動する。この際、サイレントチェーン6の振動等を防止して、チェーンの挙動を安定するため、チェーンの背面側がチェーンガイド7,9,10にエンジンオイルを介在して摺接し、チェーン走行を安定する。上記タイミングチェーン6は、その挙動を安定するため、チェーンをチェーンガイドに適正に摺接する必要があり、また自動車の燃費性能に影響する摩擦損(フリクションロス)の減少が求められており、かつ原則自動車の寿命まで交換されないので、高い耐久性と信頼性が求められている。
図4は、本サイレントチェーン61がチェーンガイド7,9,10に摺接する状況を示す。チェーンガイドは、張り側のチェーンガイド7を代表として示すが、他のチェーンガイド9,10も同様である。サイレントチェーン61は、チェーンガイド7のガイド面7aに、歯付きリンクプレート16が中高25の頂部で接触し、ガイドリンクプレート17が耳部の頂部30で接触する。上記中高25の頂部は、ピン15の間隔である1ピッチPの中央にあって、各歯付きリンクプレート16に対して1個であるが、歯付きリンクプレート16は、ガイドリンク列G(外側リンク19)とノンガイドリンク列N(内側リンク18)とが交互に連結され、従って上記中高25の頂部の接触部Aは、側面視において、各ピッチPの中央部において各ピッチP毎に1個となる。上記耳部の頂部30は、各ガイドリンクプレート17に対して各ピン15上における2個であって、ガイドリンク列Gのみであり、従って上記耳部の頂部30の接触部Bは、各ピン(ピッチ)上において各ピッチP毎に1個となる。
サイレントチェーン6全体にあっては、側面視において、上記接触部A及びBは、1/2ピッチ毎にそれぞれ位置し、かつ等間隔(1/2P)毎に配置される。ガイドリンクプレート17の耳部頂部30からなる接触部Bは、サイレントチェーン6の幅方向両端にあって、かつ歯付きリンクプレート16の接触部Aに対して半ピッチずれて各ピッチP毎にあるので、チェーンの幅方向及び捻れ方向の振れを有効に抑えて、サイレントチェーン6の挙動を安定させる。これにより、サイレントチェーン6とスプロケット2,3,5の噛合を適正にして、噛合い音を減少すると共に伝達効率及び耐久性を向上する。
なお、上述した実施の形態にあって、ガイドリンクプレート17を低剛性タイプでないものを用い、かつその背面を歯付きリンクプレート16の中高25より低いもの、又は低剛性タイプであっても耳部の高さが上記中高より低いサイレントチェーンとしてもよい。即ち、外側リンクの歯付きリンクプレート及び内側リンクの歯付きリンクプレートの少なくとも一方をアール形状の中高として、該歯付きリンクチェーンの中高の頂部が、チェーンガイドに摺接するようにしてもよい。これにより、簡単な構成で、チェーンガイドとの摺接面積を大幅に低減できる。
従って、本サイレントチェーン61は、図5に示すように、サイレントチェーン61の背面とチェーンガイド7,9,10との間に潤滑油を介在する流体潤滑領域にあっては、例えばリンクプレート背面が直線からなりチェーンガイドとの接触面積が比較的大きい場合、高い摩擦係数μからなる高領域Dになるのに対し、中高25の頂部及び耳部の頂部30からなる小面積(A,B)である本実施の形態にあっては、低い摩擦係数μからなる低領域Eとなって、摩擦損(フリクションロス)は小さい。
反対に、潤滑油の粘性抵抗を小さくして、燃費向上を向上しようとする場合、使用状態によって、特に本発明のようにチェーン背面とチェーンガイドとが小面積で接する状態では、該小面積部分が油切れとなる境界潤滑領域となり易く、細線で示すように大きな摩擦係数μとなる。これにより、流体潤滑領域では、上述したように、摩擦損(フリクションロス)を低減する等の優れた特性を有する前記サイレントチェーン6は、潤滑油粘度の低いエンジンオイルを用いる場合、境界潤滑領域となって、上述した優れた特性を保持できず、却って摩擦増大する懸念がある。
エンジンオイルには、MoDTC等の摩擦調整剤が添加されており、該McDTCは、上記小面積部での境界潤滑領域で摺動発熱により分解され、摺動部に二硫化モリブデン(MoS)の皮膜を生成する。該MoS皮膜は、六方晶型の層状結晶構造を有し、せん断により層間が容易に滑ることにより、油切れ状での固定部材の直接接触にあっても比較的低い摩擦係数となる。従って、上述した小面積接触による境界潤滑領域にあっても、直接接触による焼付きを防止したり、摩擦損を大きく増大することは防止できるとしても、流体潤滑領域において小面積による低摩擦領域Eに対応するに十分な程、摩擦損を低減できるものではない。
前記歯付きリンクプレート16及びガイドリンクプレート17の少なくともチェーンガイドに摺接する背面部分は、クロムを10%以上含有する皮膜を有する。上記境界潤滑領域において、上記MoDTCが分解の過程において、硫酸化モリブデンラジカルを生成し、上記ラジカルの酸素を上記クロム皮膜が界面で結合する。この結果、酸素を失ったラジカルは、MoSとなり、層状の構造を素早くかつ多層に形成する。即ち、リンクプレート16,17にクロム皮膜を形成すると、境界潤滑領域において、MoDTCの分解の過程でCrにOを供給することにより、MoSの生成を促進する。これにより、図5の境界潤滑領域に示すように、摩擦係数μは、実線(太線)で示すように、摩擦係数μは、大きく低下し、接触面積を小面積とした本実施の形態による流体潤滑領域の低摩擦領域Eに対応するようになる。従って、チェーンガイドとの接触面積が小面積からなるプレートからなるサイレントチェーン6は、流体潤滑領域にあっては低い摩擦係数μとなって、摩擦損を低減でき、かつ上記小面積での接触により境界潤滑領域になり易いが、該境界潤滑領域にあっても、エンジンオイルに混入されているMoDTC等のモリブデン化合物からなる摩擦調整剤とリンクプレートのクロム皮膜が相俟って、十分に低い摩擦係数μに保持できる。
ついで、図6に沿って、サイレントチェーンの摩擦損(フリクションロス)の性能試験について説明する。フリクションロス試験機は、図6(B)に示すように、モータ及びトルクメータが連結されている駆動軸に取付けられた駆動側スプロケット40と、電磁ブレーキ及びトルクメータが連結されている従動軸に取付けられた従動側スプロケット41との間にサイレントチェーン6を巻掛け、その張り側にチェーン背面を案内する固定チェーンガイド42が設けられている。駆動側スプロケット40をモータで回転し、サイレントチェーン6を介して電磁ブレーキにより負荷が与えられている従動側スプロケット41を回転する。この際、サイレントチェーンには、チェーンの張り側に配置されたチェーンガイド42との間で摺動抵抗が作用し、上記駆動側及び従動側のトルクメータにより両軸のトルク差を検出し、該トルク差が摩擦損(フリクションロス)として測定される。
該フリクションロス試験機により同サイズ(ピッチP=6.35mm)の上記本発明に係るサイレントチェーン6と、背面が小面積となる同じ形状の歯付きリンクプレート及びガイドリンクプレートからなり、表面にクロム皮膜を形成していないサイレントチェーン(従来品)と、を比較した。なお、試験条件は、チェーン張力500[N]、回転数500〜1500[rpm]、固定ガイド(チェーンガイド)PA66ナイロン、潤滑油エンジンオイル0W−20相当であり、かつ各リンクプレートの背面粗さ等は高い精度で仕上げた同程度のものを用いている。上記試験の結果は、図6(A)に示すように、本発明に係るサイレントチェーンが従来品に対して約11%摩擦損(フリクションロス)が減少したことが確認された。
図7は、クロマイジング処理により表面にクロム炭化物(CrC)を皮膜した歯付きリンクプレートと、クロム皮膜を有さない従来の歯付きリンクプレートと、を回転プレートに押付けてトルク抵抗を測定した結果を示す。試験条件は、同じ形状の歯付きリンクプレート(本試験では、背面が直線状の従来タイプを使用)を用い、押付荷重0.75[kg]一定、回転数5〜100[rpm]、ディスク(回転板外周面)PA66ナイロン、潤滑油エンジンオイル0W−20である。クロム皮膜のない内側リンクプレート(黒丸)に対して、クロム皮膜を有する歯付きリンクプレート(白丸)は、すべての回転数においてトルク抵抗値が小さく、特に低回転数において低減率が大きく、最大で14%の摺動抵抗を軽減している。即ち、より潤滑環境が厳しくなる低速側での効果が高くなっている。
ついで、他の実施の形態について説明する。本実施の形態では、上記タイミングチェーン伝動装置1にローラチェーンを適用している、ローラチェーン6は、図8(A)に示すように、1対の外側リンクプレート47の両端部をピン45で結合した外側(ピン)リンク49と、1対の内側リンクプレート46の両端をブシュ50で連結すると共に該ブシュにローラ51を遊嵌した内側(ローラ)リンク48とからなり、ブシュ50にピン45を嵌挿して内側リンク48と外側リンク49を交互に連結して無端状に構成されている。外側リンクプレート47は、図8(B)に示すように、正面視小判形からなり、上面55及び下面56がアール形状の中高からなり、所定間隔(ピッチ)隔ててピン孔57,57が形成されている。図8(C)に示すように、内側リンクプレート46は、上記外側リンクプレート47と同様に正面視小判形からなり、上面59及び下面60がアール形状からなり、所定間隔(ピッチ)隔ててブシュ孔61,61が形成されている。
上記外側リンクプレート47及び内側リンクプレート46は、ピン孔57及びブシュ孔61以外は同形状からなり、各リンクプレート47,46の背面(上面)55,59が共にチェーンガイドに摺接する。各リンクプレート47,46の背面55,59は、アール形状の中高からなり、各リンクプレートの長手方向中央部分の該中高の頂部でチェーンガイドに摺接する。従って、本実施の形態によるローラチェーン62にあっても、先の実施の形態によるサイレントチェーン61と同様に、小面積でチェーンガイドに摺接する。該中高55,59の頂部による摺接面積は、全リンクプレートの背面側面積の10%以下、好ましくは5%以下である。本ローラチェーン62の外側リンクプレート47及び内側リンクプレート46は、共に表面に硬質クロムメッキ、又はクロム拡散処理(クロマイジング)によるクロム炭化物で皮膜されており、該皮膜は、クロム成分が10%以上含有している。本ローラチェーン62は、先の実施の形態と同様に、MoDTC等のモリブデン化合物からなる摩擦調整剤が混入されたエンジンオイルによる潤滑環境で使用される。なお、ローラチェーン62は、上述した1列に限らず、複数列のローラチェーンにも同様に適用可能である。また、ローラチェーンからローラを省いたブシュチェーンにも同様に適用可能である。即ち、本発明にあっては、ローラを有する狭義のローラチェーンの外に、ローラを有さないブシュチェーンもローラチェーンに含むように定義する。
本実施の形態において、先の実施の形態と同様に、流体潤滑領域にあっては、小面積によるチェーンガイドとの接触により、摩擦損(フリクションロス)を低減し、また境界潤滑領域にあっては、クロム皮膜によるモリブデン化合物からなる摩擦調整剤のMoSの生成を促進し、摩擦損を低減する。
なお、以下の実施の形態にあっても、リンクプレートのチェーンガイドと摺接する少なくとも背面は、クロム含有皮膜が施され、かつMoDTC等のモリブデン化合物からなる摩擦調整剤が混入されたエンジンオイルの潤滑環境で使用され、上述した同様の効果を奏する。
図9は、更に変更した実施の形態によるローラチェーンを示す。本ローラチェーン6は、外側リンクプレート47と内側リンクプレート46との幅方向寸法が相違している。即ち、ローラチェーンのピッチラインL−Lからプレート背面までの高さが相違し、本実施の形態にあっては、内側リンクプレート46の高さ(第2の高さ)Hiが外側リンクプレート47の高さ(第1の高さ)Hoより大きい(Hi>Ho)。これにより、本ローラチェーン6は、内側リンクプレート46の背面のみがチェーンガイドに摺接して走行し、外側リンクプレート47の背面がチェーンガイドに接しないので、その分チェーンガイドとの接触面積が小面積となる。本実施の形態にあっては、内側リンクプレート46の背面高さ(第2の高さ)Hiが外側リンクプレート47の高さ(第1の高さ)Hoより高くしたが(Hi>Ho)、これを逆にして、外側リンクプレート47の高さ(第1の高さ)Hoが内側リンクプレート46の高さ(第2の高さ)Hiより高くなるようにしてもよい(Ho>Hi)。
なお、本実施の形態では、内側リンクプレート46及び外側リンクプレート47の上(背)面及び下面を直線からなる通常タイプの形状として、いずれか一方のリンクプレートの背面が直線からなる長い接触面積でチェーンガイドに接触するが、これは、図8に示すように背面がアール形状又は中央にクロッチ部を有する瓢箪形状等の他の形状のリンクプレートでもよい。
図10は、更に他の実施の形態であるサイレントチェーンを示す。本サイレントチェーン6は、先のローラチェーンと同様に、ガイドリンクプレート17の背面高さHoが歯付きリンクプレート16の背面高さHiより高く設定されている(Ho>Hi)。これにより、本サイレントチェーン6は、2枚のガイドリンクプレート17,17の背面のみがチェーンガイドに摺接し、多数枚の歯付きリンクプレート16の背面はチェーンガイドに接触せず、その分チェーンガイドとの接触面積が小面積からなる。
本実施の形態にあっては、両リンクプレート16,17の背面は、直線形状からなる通常タイプのリンクプレートを用いているが、図2,3で示す小面積のアール形状頂部を有する内側リンクプレート又は突出する耳部を有するガイドリンクプレート等の他の形状のリンクプレートでもよい。
図11は、更に他の実施の形態によるサイレントチェーンを示す。本サイレントチェーン6は、ガイドリンクプレート17の背面高さHoとし、歯付きリンクプレートは、上記背面高さHoと同じ高さHi2のロープレート162と、上記背面高さHoより高い背面高さHi1とからなるハイプレート161とからなり、これらロープレート162及びハイプレート161を交互に連結している(Hi1>Ho、Hi2)。例えば、ガイド列(外側リンク)Gには、ガイドリンクプレート17と同じ高さのロープレート162が配置され、ノンガイド列(内側リンク)Nには、ガイドリンクプレートより高いハイプレート161が配置される。従って、本サイレントチェーン6は、歯付きリンクプレートの内の高い背面高さHi1からなるハイプレート161のみがチェーンガイドに摺接し、その他の背面高さHi2の低い歯付きローリンクロープレート162及び背面高さHoのガイドリンクプレート17は、いずれもチェーンガイドに接触せず、その分チェーンガイドとの接触面積は小面積となる。
本実施の形態にあっては、ガイドリンクプレート17は、背面が直線形状からなる通常タイプとし、歯付きリンクプレートは、ロープレート162、ハイプレート161も背面が直線形状からなる通常タイプを用いているが、特に高い背面Hiの内側リンクハイプレート161は、図2,3に示すアール形状等の小面積のものでもよい。
なお、リンクプレートのチェーンガイドに接する面積が小面積からなるチェーンは、上述した実施の形態に限らず、リンクプレートの背面側総面積の約50%以下の面積でチェーンガイドに接するものを含むものである。また、本発明は、タイミングチェーン伝動装置に限らず、バランサ駆動用チェーン等のエンジン内で用いるすべてのチェーン伝動装置に適用可能であり、更にエンジン内チェーンに限らず、すべてのチェーン伝動装置に適用可能である。
1 (タイミング)チェーン伝動装置
2 駆動側スプロケット
3,5 従動側スプロケット
7,9,10 チェーンガイド
,6,6 サイレントチェーン
,6 ローラチェーン
15,45 ピン
16,16,16,16,16, 歯付きリンクプレート
17,17,17 ガイドリンクプレート
18,48 内側リンク
19,49 外側リンク
20 歯
25,55,59 アール形状中高(の頂部)
27 クロッチ部
29 耳部
30 耳部の頂部
46,46 内側リンクプレート
47,47 外側リンクプレート
50 ブシュ
G 外側リンク(ガイド列)
N 内側リンク(ノンガイド列)

Claims (11)

  1. ピンに対し相対回転することなく嵌合した複数のリンクプレートからなる外側リンクと、前記ピンに対して相対回転可能に嵌挿した複数のリンクプレートからなる内側リンクとを交互にかつ無端状に連結したチェーンを、潤滑環境下で複数のスプロケットに巻掛け、かつ前記リンクプレートの背面をチェーンガイドに摺接して案内するチェーン伝動装置において、
    前記潤滑環境は、潤滑油にモリブデン化合物を含有する摩擦調整剤が添加された環境であり、
    前記チェーンガイドに摺接する前記リンクプレートの面積は、全ての前記リンクプレートの背面側面積の50%以下の小面積であり、
    前記チェーンガイドに摺接する前記リンクプレートの少なくとも摺接部分は、クロム成分を10%以上含有する皮膜を有し、
    境界潤滑領域において、前記モリブデン化合物の分解の過程でクロムに酸素を供給することにより二硫化モリブデンの生成を促進する、
    ことを特徴とするチェーン伝動装置。
  2. 前記外側リンクは、1対の前記ピンを固定したガイドリンクプレートと、該ガイドリンクプレートと同列に配置され、内径側に1対の歯を有する歯付きリンクプレートとからなり、
    前記内側リンクは、前記ピンに回転自在に連結され、内径側に1対の歯を有する歯付きリンクプレートからなり、
    前記チェーンは、前記外側リンクと前記内側リンクとを交互にかつ無端状に連結したサイレントチェーンである、
    請求項1記載のチェーン伝動装置。
  3. 前記外側リンクは、1対の前記ピンを固定した外側リンクプレートからなり、
    前記内側リンクは、1対のブシュを固定した内側リンクプレートからなり、
    前記チェーンは、前記ピンを前記ブシュに嵌挿して前記外側リンクと前記内側リンクとを交互かつ無端状に連結したローラチェーンである、
    請求項1記載のチェーン伝動装置。
  4. 前記ガイドリンクプレートは、背面側にクロッチ部と該クロッチ部の長手方向の両側に耳部を有し、
    前記外側リンク及び前記内側リンクの歯付きリンクプレートは、背面がアール形状の中高であり、
    前記ガイドリンクプレートの前記耳部の頂部と前記歯付きリンクプレートの前記中高の頂部とが、前記チェーンガイドに摺接する小面積を構成してなる、
    請求項2記載のチェーン伝動装置。
  5. 前記外側リンクの歯付きリンクプレート及び前記内側リンクの歯付きリンクプレートの少なくとも一方は、背面がアール形状の中高であり、
    前記歯付きリンクプレートの前記中高の頂部が、前記チェーンガイドに摺接する小面積を構成してなる、
    請求項2記載のチェーン伝動装置。
  6. 前記外側リンクプレートは、背面がアール形状の中高であり、
    前記内側リンクプレートは、背面がアール形状の中高であり、
    前記外側リンクプレートの前記中高の頂部と前記内側リンクプレートの前記中高の頂部とが、前記チェーンガイドに摺接する小面積を構成してなる、
    請求項3記載のチェーン伝動装置。
  7. 前記外側リンクプレートは、ピッチラインから背面までの第1の高さを有し、
    前記内側リンクプレートは、ピッチラインから背面までの第2の高さを有し、
    前記外側リンクプレートの第1の高さと前記内側リンクプレートの第2の高さとは、一方が他方よりより高く、該高い方の前記外側又は内側リンクプレートのみが前記チェーンガイドに摺接して前記小面積を構成してなる、
    請求項3記載のチェーン伝動装置。
  8. 前記ガイドリンクプレートは、ピッチラインから背面までの所定高さを有し、
    前記外側リンク及び前記内側リンクの歯付きリンクプレートは、ピッチラインから背面までの所定高さを有し、
    前記ガイドリンクプレートの高さが前記歯付きリンクプレートの高さより高く、前記ガイドリンクプレートのみが前記チェーンガイドに摺接して前記小面積を構成してなる、
    請求項2記載のチェーン伝動装置。
  9. 前記ガイドリンクプレートは、ピッチラインから背面までの所定高さを有し、
    前記内側リンクの歯付きリンクプレートと前記外側リンクの歯付きリンクプレートとは、ピッチラインから背面までの高さが異なり、
    前記内側リンク及び前記外側リンクの高い方の歯付きリンクプレートが、低い方の歯付きリンクプレート及び前記ガイドリンクプレートの高さより高く、該高い方の前記内側又は外側リンクの歯付きリンクプレートのみが前記チェーンガイドに摺接して前記小面積を構成してなる、
    請求項2記載のチェーン伝動装置。
  10. 前記皮膜の硬度は、600[Hv]以上で、該皮膜の厚さは、3[μm]以上である、
    請求項1ないし9のいずれか1項記載のチェーン伝動装置。
  11. 前記皮膜の表面粗さは、Ra0.5以下である、
    請求項1ないし9のいずれか1項記載のチェーン伝動装置。
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