JP6628133B2 - 紫外線受光素子 - Google Patents

紫外線受光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6628133B2
JP6628133B2 JP2015217932A JP2015217932A JP6628133B2 JP 6628133 B2 JP6628133 B2 JP 6628133B2 JP 2015217932 A JP2015217932 A JP 2015217932A JP 2015217932 A JP2015217932 A JP 2015217932A JP 6628133 B2 JP6628133 B2 JP 6628133B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
nitride semiconductor
light receiving
ultraviolet light
receiving element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015217932A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017092155A (ja
Inventor
陽 吉川
陽 吉川
朋浩 森下
朋浩 森下
素顕 岩谷
素顕 岩谷
雄磨 山本
雄磨 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Meijo University
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Meijo University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp, Meijo University filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2015217932A priority Critical patent/JP6628133B2/ja
Publication of JP2017092155A publication Critical patent/JP2017092155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6628133B2 publication Critical patent/JP6628133B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)

Description

本発明は、紫外線受光素子及び紫外線受光素子の製造方法に関する。
紫外線受光素子としては、GaN/AlGaNヘテロ構造を用いたp型ゲート光FETの紫外線センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2007/135739号パンフレット
しかしながら、従来の紫外線受光素子においては、紫外線に対する受光感度が低いという課題があった。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明の第1の態様においては、基板と、基板上の、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層上の、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第2の窒化物半導体層と、第2の窒化物半導体層上の、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第3の窒化物半導体層と、を備え、第3の窒化物半導体層の最大膜厚をA(nm)、最小膜厚をB(nm)としたときに、
0≦100×B/A≦0.0049A−1.4A+100
(ただし、0<A<120、0<B<120)
を満たす紫外線受光素子により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
また本発明の第2の態様においては、基板上に有機金属気相成長法を用いてAl原料及びGa原料のうち少なくとも一つを供給し、第1の窒化物半導体層を成長させる工程と、第1の窒化物半導体層上にAl原料及びGa原料のうち少なくとも一つを供給し、第2の窒化物半導体層を成長させる工程と、第2の窒化物半導体層上にAl原料及びGa原料のうち少なくとも一つを供給し、第3の窒化物半導体層を成長させる工程と、第3の窒化物半導体層に対してエッチングを行う工程と、を備え、エッチング後の第3の窒化物半導体層の最大膜厚をA(nm)、最小膜厚をB(nm)としたときに、
0≦100×B/A≦0.005A−1.4A+100
(ただし、0<A<120、0<B<120)
を満たす紫外線受光素子の製造方法により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、紫外線に対する受光感度の高い紫外線受光素子を実現することができる。
本実施形態に係る紫外線受光素子の第1の構成例を示す断面図である。 本実施形態に係る紫外線受光素子の第2の構成例を示す断面図である。 本実施形態に係る紫外線受光素子の第3の構成例を示す上面図である。 本実施形態に係る紫外線受光素子の第4の構成例を示す上面図である。 本実施形態に係る紫外線受光素子の第5の構成例を示す断面図である。 本実施形態に係る紫外線受光素子の第6の構成例を示す断面図である。 本実施形態に係る紫外線受光素子の第7の構成例を示す断面図である。 本実施形態に係る紫外線受光素子の第8の構成例を示す断面図である。 本実施形態に係る紫外線受光素子の第9の構成例を示す断面図である。 実施例1〜14と比較例1〜6とについて、p−GaNの最大膜厚A(nm)と、最大膜厚Aに対する最小膜厚Bの比率(100×B/A(%))との関係をプロットした図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<紫外線受光素子>
本実施形態に係る紫外線受光素子は、基板と、基板上の、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層上の、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第2の窒化物半導体層と、第2の窒化物半導体層上の、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第3の窒化物半導体層と、を備え、第3の窒化物半導体層の最大膜厚をA(nm)、最小膜厚をB(nm)としたときに、
0≦100×B/A≦0.0049A−1.4A+100
(ただし、0<A<120、0≦B<120)…(1)
を満たす紫外線受光素子である。これにより、紫外線に対する受光感度の高い紫外線受光素子を実現することができる。
ここで、本実施形態に係る紫外線受光素子が紫外線を受光する原理は以下の通りである。第1の窒化物半導体層(チャネル)上に、第2の窒化物半導体層(バリア層)を積層させると、チャネルとバリア層との界面に2次元電子ガス(2DEG)が発生する。一方で、第3の窒化物半導体層をバリア層上に形成することで、2DEGに空乏層が生じる。紫外線が入射しない状態(暗状態)では、2DEGが空乏層によって電気的に切断されるため、ソース電極とドレイン電極との間には測定下限の電流しか流れず、ノーマリーオフが実現される。
第3の窒化物半導体層直下のチャネルに、チャネルのバンドギャップ以上の波長の紫外線が入射すると、チャネルにおいて励起された電子/正孔対が発生する。この発生した電子/正孔対は、後述するソース・ドレイン電極の間の電圧によってそれぞれ電極まで達し、電流として取り出される。
しかしながら、入射した紫外線のエネルギーが第3の窒化物半導体層のバンドギャップよりも大きい場合、入射した紫外線は第3の窒化物半導体層によって吸収されてしまうため、受光感度の低下を招く。
ここで、第3の窒化物半導体層の膜厚に部分的に差がある場合(膜厚が厚い部分と薄い部分が混在している場合)、第3の窒化物半導体層の膜厚が一部薄くなることによりことで、第3の窒化物半導体層の膜厚が均一である場合と比べて紫外線の透過率が高くなり、受光感度が向上する。
さらに、第3の窒化物半導体層の膜厚に部分的に差がある場合、擬似的に第3の窒化物半導体層のゲート長が短い部分が形成されるため、空乏層の幅が短くなる。これによってソース・ドレイン電圧によって空乏層に印加される電界が大きくなり、チャネルにおいて励起された電子/正孔対が電極に到達しやすくなる。
これらの効果によって従来の構造と比べて、膜厚に部分的に差がある第3の窒化物半導体層を用いることで、紫外線に対する受光感度の向上を得ることが可能となる。
なおここでいう紫外線受光素子とは、波長が200nm〜365nmの間の光に対して10A/W以上の感度を有することを意味する。
なおここで、「基板上の、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第1の窒化物半導体層」という表現における「上の」という文言は、基板の上に第1の窒化物半導体層があることを意味するが、基板と第1の窒化物半導体層の間に別の層(例えばバッファ層のような層)が存在する場合もこの表現に含まれる。その他の場合に「上の」という文言を使用する場合にも、同様の意味を有するものとする。
<基板>
基板としては、その上に、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第1の窒化物半導体層を形成可能なものであれば特に制限されない。具体的には、基板として、Si、SiC、MgO、Ga、Al、ZnO、GaN、InN、AlN、あるいはこれらの混晶基板等が挙げられる。また、基板には不純物が混入していても良い。
基板の上層側に形成する第1の窒化物半導体層との格子定数差が小さく、格子整合系で成長させることで貫通転位を少なくできる観点から、基板はサファイア、AlNまたはGaNであることが好ましい。また基板の上層側に形成する第1の窒化物半導体層を成長させる際に発生する転位を抑制する観点から、基板の最表面における転位密度は1×10cm−2以下であることが好ましい。
(基板の転位密度の測定方法)
基板の転位密度はカソードルミネッセンス法(CL)、平面透過型電子顕微鏡(TEM)での測定や、表面に溶融KOHエッチングを実施した後に走査型電子顕微鏡(SEM)または原子間力顕微鏡(AFM)での測定によって求められる。
<第1の窒化物半導体層>
第1の窒化物半導体層は、基板上に形成され、Al及びGaのうち少なくとも一つの元素を含む層である。第1の窒化物半導体層の材料としては、Al及びGaのうち少なくとも一つの元素を含むものであれば特に限定されない。第1の窒化物半導体層の材料の一例としては、AlN、GaN、AlGaN等が挙げられる。
(第1の窒化物半導体層がAlまたはGaを含むことの確認方法)
第1の窒化物半導体層がAlまたはGaを含むことの確認方法としては、蛍光X線元素分析法(XRF)、ラザフォード後方散乱分光(RBS)、二次イオン質量測定SIMSおよびX線光電子分光(XPS)により確認することが可能である。
第1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層との間(界面付近)で高濃度の2次元電子ガスを発生させるために、第1の窒化物半導体層は、AlGa1―XN(0≦X<1)からなり、第2の窒化物半導体層は、AlGa1―YN(0<Y≦1、X<Y)からなることが好ましい。第1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層との間に高濃度の2次元電子ガスが存在することで、光が入射された際に、ソース・ドレイン間に大量の電流が流れることにより高感度の紫外線受光素子が実現する。
(第1の窒化物半導体層のAlGa1―XNのAl組成Xの測定方法)
第1の窒化物半導体層のAlGa1―XNのAl組成Xは、X線回折(XRD:X−ray Diffaction)法による2θ−ωスキャンおよび逆格子マッピング測定(RSM)を行うことにより測定することができる。
具体的には、基板の表面の面方位に対応する面の面指数の2θ−ωスキャンにおけるピーク位置から第1の窒化物半導体層のAlGa1―XNの格子定数を求めることができる。
ここで基板が所定の面方位に精度良く切断された基板(ジャスト基板)の場合には、上記のようにジャスト基板の面方位に対応する面の面指数の2θ−ωスキャンにおけるピーク位置から格子定数を求めることができる。
また基板が所定の面方位からオフ角を付与して切断された基板(オフ基板)の場合には、オフ基板の表面からオフ角の分だけずらした角度からX線を入射させて2θ−ωスキャンを行うことで、そこから第1の窒化物半導体層のAlGa1―XNの格子定数を求めることができる。
ここで発光層の第1の窒化物半導体層のAlGa1―XNの格子定数からAl組成Xを求める際には、Vegard則を用いて混晶組成比の決定することができる。Vegard則は具体的には以下の式(2)で表される。
AB=xa+(1−x)a …(2)
ここでaはAlN、aはGaNの格子定数であり、aABは上記のX線回折により求まる第1の窒化物半導体層のAlGa1―XNの格子定数である。ここで、aやaは「S.Strite and H.Morko,GaN,AIN,andInN:A review Journal of Vacuum Science & Technology B10,1237(1992);doi:10.1116/1.585897」に記載された値(a=3.112Å、a=3.189Å)を使用することができる。これにより式(2)からAl組成Xの値を求めることができる。
一方で、2θ−ωスキャンだけでは緩和率を求めることができないため、正確なAl組成を算出することができない。そこで、(105)面および(204)面などの非対称面において、逆格子マッピングを行うことが有用である。具体的には最も基板とAlGa1―XNが逆格子空間で分離される(204)面で基板の2θ−ωピークが最大となる点を測定する。そこからωを0.01°間隔で変化させながら2θ−ωをスキャンする。これを繰り返し、得られたQx、Qyをマッピングすることにより、AlGa1―XNが基板に対して、どれだけ緩和しているかを算出できる。この緩和率と上記で算出された格子定数を基に、正確なAl組成を得ることが可能となる。
また結晶性を担保する観点から、第1の窒化物半導体層がAlGa1―XN(0≦X<1)からなる場合には、アンドープであることが好ましい。ここで、アンドープとは、不純物がドープされていないことを意味し、例えば、不純物の濃度が1×1016cm−3未満の状態を意味する。その他の場合に「アンドープ」という文言を使用する場合にも、同様の意味を有するものとする。
また、第1の窒化物半導体層は、AlGa1―XN(0.0≦X<0.6)からなり、第2の窒化物半導体層は、AlGa1―YN(0.6≦Y≦0.9)からなることが好ましい。これはチャネルの界面に高濃度の2次元電子ガスを蓄積させるためである。ここで、第1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層のAl組成の差が大きい程、高濃度の2次元電子ガスが発生するが、Al組成の差が大きくなり過ぎると、格子定数の差により第1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層との界面で欠陥を生じ、暗状態においても電流がリークするという問題が起きる。従って、上記のAl組成の範囲内にあることが好ましい。
また光照射時にソース・ドレイン間に高い電流を得るための観点から、第1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層との界面に濃度が1×1010cm−2以上1×1013cm−2以下の2次元電子ガスを有することが好ましい。
(2次元電子ガス濃度の測定方法)
2次元電子ガスの測定方法として、水銀プローブを用いたCV測定が挙げられる。CV測定ではキャリアの深さ分布およびキャリア濃度の分布を得ることができる。より詳細に分布を求めたい場合はサンプルを劈開後に断面を走査型非線形誘電率顕微鏡(SNDM)によって測定することも可能である。キャリア濃度を詳細に求めたい場合は電極を蒸着してHall測定を行うことも可能である。
また基板と窒化物半導体層との界面での欠陥発生を抑制するための観点から、基板がサファイアまたはAlNである場合には、基板と第1の窒化物半導体層との間に、AlGa1―ZN(0≦Z≦1)からなるバッファ層をさらに備えることが好ましい。
<第2の窒化物半導体層>
第2の窒化物半導体層は、第1の窒化物半導体層上に形成され、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む層である。第2の窒化物半導体層の材料としては、Al及びGaのうち少なくとも一つの元素を含むものであれば特に限定されない。第2の窒化物半導体層の材料の一例としては、AlN、GaN、AlGaN等が挙げられる。
またチャネルの界面に高濃度の2次元電子ガスを蓄積させる観点から、第2の窒化物半導体層は、第1の窒化物半導体層よりも格子定数が小さいことが好ましい。
また結晶性を担保する観点から、第2の窒化物半導体層がAlGa1―YN(0<Y≦1、X<Y)からなる場合には、アンドープであることが好ましい。
第2の窒化物半導体層の膜厚は、10nm以上100nm以下であることが好ましい。
<第3の窒化物半導体層>
本実施形態に係る紫外線受光素子において、第3の窒化物半導体層は、第2の窒化物半導体層上に形成され、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む。また第3の窒化物半導体層は、最大膜厚をA(nm)、最小膜厚をB(nm)としたときに、
0≦100×B/A≦0.0049A−1.4A+100
(ただし、0<A<120、0<B<120)
を満たす。第3の窒化物半導体層は第2の窒化物半導体層上の一部に形成されていてもよい。第3の窒化物半導体層の材料としては、Al及びGaのうち少なくとも一つの元素を含むものであれば特に限定されない。第3の窒化物半導体層の材料の一例としては、AlN、GaN、AlGaN等が挙げられる。
(最大膜厚と最小膜厚の測定方法)
最大膜厚と最小膜厚は触診式段差測定器やレーザー顕微鏡による段差測定、また段差が数nmレベルの場合は原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができる。なお、第3の窒化物半導体層を上面視したときに、第3の窒化物半導体層の内部(すなわち、第3の窒化物半導体層の外周より内側)に、第2の窒化物半導体層が露出している部分が存在する場合には、第3の窒化物半導体層の最小膜厚は0nmと定義する。
また第3の窒化物半導体層に入射した紫外線を効率良く光電変換する観点から、第3の窒化物半導体層の最大膜厚A(nm)は、2≦A≦100を満たすことが好ましい。第3の窒化物半導体層の最大膜厚が上記の範囲にあることで、入射した紫外線が第3の窒化物半導体層によって吸収されることを低減することが可能となり、紫外線に対する受光感度がさらに高くなる。なお、第3の窒化物半導体層の最大膜厚を2nmよりも小さくしようとすると、空乏化が充分になされず、暗電流が増大するという問題が生じる。
また紫外線が透過する領域と短ゲート長効果を得られる領域の両方を広くする観点から、第3の窒化物半導体層はパターニング構造を有することが好ましい。ここで、パターニング構造とは、膜厚の厚い部分と薄い部分を有する特定のパターンが第3の窒化物半導体層の全面に形成されていることを意味する。上記のパターンは、膜厚の厚い部分と薄い部分を有するようなものであればどのようなパターンでもよく、また複数のパターンを組み合わせたものも、本発明のパターニング構造に含まれる。
またエッチングにより第3の窒化物半導体層を加工する際の加工容易性の観点から、第3の窒化物半導体層は凹凸構造を有し、凹凸構造の凹部と凸部の膜厚の差が5nm以上50nm以下であることが好ましい。
ここで、凹凸構造とは、第2の窒化物半導体層の上面を基準面として、第3の窒化物半導体層に膜厚の厚い部分(凸部)と膜厚の薄い部分(凹部)とが形成されていることを意味する。
また暗電流を抑制しつつ光電流を得るという観点から、凹凸構造の隣り合う凸部同士の間隔は0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
また暗電流を抑制しつつ光電流を得るという観点から、凹凸構造の凹部の面積は0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。
またp−n接合による空乏層形成の観点から、第3の窒化物半導体層は、ドーパントとしてMg、ZnまたはBeを含むことが好ましい。また上記のドーパント濃度は、1×1016cm−3以上であることが好ましく、5×1019cm−3以下であることが好ましい。
(ドーパント濃度の測定方法)
ドーパント濃度の測定方法としては、二次イオン質量測定(SIMS)を用いた不純物元素量の測定を行うことによって求めることができる。
また空乏層に高電界を印加するための観点から、第3の窒化物半導体層のゲート長は0.2μm以上5μm以下であることが好ましい。ここでゲート長とは、ソース・ドレイン電極方向の第3の窒化物半導体層の長さを意味し、これが上記範囲内にあることでソース・ドレイン電圧によって空乏層に高電界が印加され、入射光によって発生した電子/正孔対を容易に電流として取り出すことが可能になるという効果を奏する。
<ソース電極、ドレイン電極>
本実施形態の紫外線受光素子は、第2の窒化物半導体層上に、ソース電極及びドレイン電極をさらに備えてもよい。ソース電極及びドレイン電極は、第2の窒化物半導体層上に形成され、紫外線受光素子にバイアス電圧を印加することが可能であり、入射光によって発生した電流を取り出すことが可能なものであれば特に限定されない。ソース電極及びドレイン電極の材料の一例としては、Ti/Al/Ti/Au、Ti/Al/Ni/Au、V/Al/Ti/Au、V/Al/Ni/Au、Mo/Al/Ni/Au、Mo/Al/Ti/Au、等が挙げられる。これらの各例において、電極材料の上下の位置は、下層/上層である。
またコンタクト抵抗低減の観点から、ソース電極およびドレイン電極は、Ti、Al、Au、Ni、V、Moのうち少なくとも一つを含むことが好ましい。
<構造の具体例>
次に、本実施形態に係る紫外線受光素子の構造の具体例を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、各図は模式的なものであり、各層の厚さは現実のものとは異なり、各層の厚さの比率も現実のものとは異なる場合がある。具体的な厚さと寸法は、本実施形態や実施例の説明を参酌して判断すべきものである。
(第1、第2の構成例)
図1は、本実施形態に係る紫外線受光素子の第1の構成例を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る紫外線受光素子は、基板1と、基板1上に形成された第1の窒化物半導体層11と、第1の窒化物半導体層11上に形成された第2の窒化物半導体層12と、第2の窒化物半導体層12上に形成された第3の窒化物半導体層13とを備える。図1に示すように、第3の窒化物半導体層13は、最大膜厚をA(nm)、最小膜厚をB(nm)としたときに、
0≦100×B/A≦0.0049A−1.4A+100…(1)
(ただし、0<A<120、0≦B<120)
を満たすようになっている。
なおこの場合、第3の窒化物半導体層13の別の形状として、図2のような形状も考えられる。
図2は、本実施形態に係る紫外線受光素子の第2の構成例を示す断面図である。
図1に示したように、第1の構成例における第3の窒化物半導体層13の断面視による形状(以下、断面形状)は、凹形状である。凹形状とは、外周部に最大膜厚Aを有する部分131が存在し、中央部に最小膜厚Bを有する部分132が存在する形状のことである。
これに対し、図2に示す第2の構成例における第3の窒化物半導体層13の断面形状は、凸形状である。凸形状とは、外周部に最小膜厚Bを有する部分132が存在し、中央部に最大膜厚Aを有する部分131が存在する形状のことである。
図1、図2、及び、後述する図5〜8において、第3の窒化物半導体層13の最大膜厚Aは、例えば、2nm以上100nm以下である。また、第3の窒化物半導体層13の最大膜厚Aと最小膜厚Bとの膜厚差A−Bは、例えば、5nm以上50nm以下である。また、図1及び、後述する図5〜8において、第3の窒化物半導体層13のうち、最大膜厚Aを有する部分131同士の間隔Cは、例えば、0.5μm以上10μm以下である。
なお、本発明において、第3の窒化物半導体層13の形状は図1、図2の何れに示す形状でもよく、また、上記の(1)式を満たすことを前提に図1、図2に示す以外の他の形状であってもよい。例えば、第3の窒化物半導体層13の形状は、以下の図3〜図8に示す形状であってもよい。
(第3〜第8の構成例)
図3、図4は、本実施形態に係る紫外線受光素子の第3、第4の構成例を示す上面図である。図5〜図8は、本実施形態に係る紫外線受光素子の第5〜第7の構成例を示す断面図である。
図3に示すように、第3の窒化物半導体層13はパターニング構造を有していてもよい。パターニング構造とは、(成膜後に予め設定した形状にエッチング加工 した構造のことである。図3は、パターニング構造の一例を示している。また、パターニング構造の他の例として、図4に示すようなものでもよい。
また、このときの断面形状(例えば、図3に示す上面図をX3−X3’線で切断した断面形状、または、図4に示す上面図をX4−X4’線で切断した断面形状)の一例として、図5〜図8に示す形状が考えられる。
図5〜図8に示すように、第3の窒化物半導体層13は、断面視で凹凸構造を有していてもよい。
図5、図7は、第3の窒化物半導体層13を上面視したときに、第3の窒化物半導体層13の内部に、第2の窒化物半導体層12が露出している部分が存在しない場合を例示している。この場合、第3の窒化物半導体層13の最小膜厚Bを有する部分132が凹凸構造の凹部に該当し、第3の窒化物半導体層13の最大膜厚Aを有する部分131が凹凸構造の凸部に該当する。
図5、図7において、凹部と凸部の膜厚差は、最大膜厚Aを有する部分131と最小膜厚Bを有する部分132との膜厚差A−Bである。また、図5、図7において、凹凸構造の隣り合う凸部同士の間隔は、最大膜厚Aを有する部分131同士の間隔Cである。
一方、図6、図8は、第3の窒化物半導体層13を上面視したときに、第3の窒化物半導体層13の内部に、第2の窒化物半導体層12が露出している部分が存在する場合を例示している。この場合、第3の窒化物半導体層13の内部で第2の窒化物半導体層12が露出している部分が凹凸構造の凹部に該当し、第2の窒化物半導体層12が露出していない部分(すなわち、第3の窒化物半導体層13が存在する部分)が凹凸構造の凸部に該当する。
図6、図8において、第3の窒化物半導体層13の最小膜厚Bは、上述の定義により、0nmである。このため、凹部と凸部の膜厚差は、A−B=Aとなる。また、図6、図8において、凹凸構造の隣り合う凸部同士の間隔は、隣り合う第3の窒化物半導体層13同士の間隔Cとなる。
(第9の構成例)
図9は、本実施形態に係る紫外線受光素子の第9の構成例を示す断面図である。第9の構成例では、第1の構成例の紫外線受光素子が部分的にエッチングされ、ソース電極14及びドレイン電極15が形成されている。図9に示すように、第3の窒化物半導体層13のゲート長Lは、例えば0.2μm以上5μm以下である。
<紫外線受光素子の製造方法>
次に、本実施形態の紫外線受光素子の製造方法について説明する。
本実施形態に係る紫外線受光素子の製造方法は、基板上に有機金属気相成長法を用いてAl原料及びGa原料のうち少なくとも一つを供給し、第1の窒化物半導体層を成長させる工程と、第1の窒化物半導体層上にAl原料及びGa原料のうち少なくとも一つを供給し、第2の窒化物半導体層を成長させる工程と、第2の窒化物半導体層上にAl原料及びGa原料のうち少なくとも一つを供給し、第3の窒化物半導体層を成長させる工程と、第3の窒化物半導体層に対してエッチングを行う工程と、を備え、エッチング後の第3の窒化物半導体層の最大膜厚をA(nm)、最小膜厚をB(nm)としたときに、
0≦100×B/A≦0.005A−1.4A+100…(1)
(ただし、0<A<120、0≦B<120)
を満たす。
Al原料としては例えば、トリメチルアルミニウム(TMAl)を用いることができる。またGa原料としては例えば、トリメチルガリウム(TMGa)を用いることができる。またN原料としては例えば、アンモニア(NH)を用いることができる。
第3の窒化物半導体層のエッチング方法としては、誘導結合型反応性イオンエッチング(ICP−RIE)などの一般的な方法を用いることができる。
以下、本発明の実施例と、比較例とについてそれぞれ説明する。
[実施例1]
2インチのサファイア基板上に有機金属堆積法を用いて、サファイア基板の表面温度を1250℃に保った状態で、AlN(バッファ層に相当)を3μm成長させた。次に、AlNの表面温度を1100℃に保った状態で、AlN上にAlGa1―XN(X=0.5、第1の窒化物半導体層に相当)を500nm成長させた。さらに、AlGa1―XN(X=0.5)の表面温度を1100℃に保った状態で、AlGa1―XN(X=0.5)上にAlGa1―yN(Y=0.65、第2の窒化物半導体層に相当)を25nm成長させた。
このとき取り出したサンプルに対し、C−V測定を実施したところ、AlGa1―XN(X=0.5)とAlGa1―XN(X=0.5)上にAlGa1―yN(Y=0.6)界面に誘起された2次元電子ガス(2DEG)のキャリア濃度は1.3×10−13cm−2であった。
その後、AlGa1―yN(Y=0.65)の表面温度を1100℃に保った状態で、AlGa1―yN(Y=0.65)上にMgを3.0×1019cm−3ドーピングしたp−GaN(第3の窒化物半導体層に相当)を2nm成長させた。
得られたウエハに洗浄を実施し、高速熱処理(RTA)を800℃で10分間施すことでMgの活性化を行った。
続いて、30μm×100μmのレジストマスクを作成した後に、AlNの層までメサ分離工程を実施し、素子間を電気的に絶縁した。次に8μm間隔でソース電極およびドレイン電極を蒸着した。電極にはTi/Al/Ti/Auを使用した。電極の膜厚はそれぞれ20,80,35,100nmとした。
続いて、p−GaNに対して2μm×10μmのレジストマスクを作成した後に、AlGa1―yN(Y=0.6)層までICPによるエッチング工程を実施し、2μm(ゲート長)×10μm(ゲート幅)の形状に加工した。このp−GaNに対し、0.2μm×90μmサイズの短冊形状が5本入るマスクを用いて、ICPを用いてエッチングを行い、紫外線受光素子を得た。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は2nm、最小膜厚は0nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は0%であった。
紫外線受光素子の特性の測定は、電流電圧測定にはパラメーターアナライザーおよびプローブ測定器を用いた。光源として疑似太陽光光源に分光器を併用することで任意の波長と強度を得ることとした。測定はすべて45μW/cmの光源の強度で実施した。
光の照射が無い暗状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に暗電流3.3×10−9Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流6.0×10−6Aを得た。受光感度に換算すると7.0×10A/W、S/Nは1.8×10であった。ここで、S/Nとは、暗電流(3.3×10−9A)に対する250nmの紫外線を照射した状態での光電流(6.0×10−6A)の比を意味する。
[実施例2]
ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は2nm、最小膜厚は0.5nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は25%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は2.1×10−9Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流3.0×10−6Aを得た。受光感度に換算すると3.5×10A/W、S/Nは1.4×10であった。
[実施例3]
p−GaNを10nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は10nm、最小膜厚は0nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は0%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は9.0×10−10Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流5.0×10−6Aを得た。受光感度に換算すると5.8×10A/W、S/Nは5.6×10であった。
[実施例4]
p−GaNを10nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は10nm、最小膜厚は5nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は50%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は5.0×10−10Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流2.0×10−6Aを得た。受光感度に換算すると2.3×10A/W、S/Nは4.0×10であった。
[実施例5]
p−GaNを10nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は10nm、最小膜厚は7.5nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は75%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は3.0×10−10Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流1.5×10−6Aを得た。受光感度に換算すると1.8×10A/W、S/Nは5.0×10であった。
[実施例6]
p−GaNを20nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は20nm、最小膜厚は0nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は0%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は6.0×10−10Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流4.0×10−6Aを得た。受光感度に換算すると4.7×10A/W、S/Nは6.7×10であった。
[実施例7]
p−GaNを20nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は20nm、最小膜厚は10nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は50%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は8.0×10−10Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流1.8×10−6Aを得た。受光感度に換算すると2.1×10A/W、S/Nは2.3×10であった。
[実施例8]
p−GaNを20nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は20nm、最小膜厚は14nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は70%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は9.0×10−11Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流1.2×10−6Aを得た。受光感度に換算すると1.4×10A/W、S/Nは1.3×10であった。
[実施例9]
p−GaNを35nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は35nm、最小膜厚は0nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は0%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は3.0×10−10Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流3.0×10−6Aを得た。受光感度に換算すると3.5×10A/W、S/Nは1.0×10であった。
[実施例10]
p−GaNを35nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は35nm、最小膜厚は17.5nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は50%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は1.5×10−10Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流1.5×10−6Aを得た。受光感度に換算すると1.8×10A/W、S/Nは1.0×10であった。
[実施例11]
p−GaNを60nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は60nm、最小膜厚は0nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は0%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は1.4×10−10Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流2.4×10−6Aを得た。受光感度に換算すると2.8×10A/W、S/Nは1.7×10であった。
[実施例12]
p−GaNを60nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は60nm、最小膜厚は12nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は20%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は9.8×10−11Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流1.3×10−6Aを得た。受光感度に換算すると1.5×10A/W、S/Nは1.3×10であった。
[実施例13]
p−GaNを100nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は100nm、最小膜厚は0nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は0%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は7.0×10−11Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流1.8×10−6Aを得た。受光感度に換算すると2.1×10A/W、S/Nは2.6×10であった。
[実施例14]
p−GaNを100nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は100nm、最小膜厚は4nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は4%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は8.0×10−11Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流1.6×10−6Aを得た。受光感度に換算すると1.9×10A/W、S/Nは2.0×10であった。
[比較例1]
AlGa1―yN(Y=0.65)を成長する工程までは実施例1と同様の方法を用いた。
その後、AlGa1―yNの上にp−GaNを成長させない状態で紫外線受光素子を作成した(最大膜厚及び最小膜厚は0nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は0%の場合に対応する)。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は6.8×10−6Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流7.0×10−6Aを得た。受光感度に換算すると8.2×10A/W、S/Nは1.0であった。この場合、暗電流と光電流がほぼ同じオーダーの値となってしまうため、センサとして利用することができない。
[比較例2]
p−GaNを20nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は20nm、最小膜厚は18nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は90%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は7.0×10−11Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流8.0×10−7Aを得た。受光感度に換算すると9.3×10A/W、S/Nは1.1×10であった。
[比較例3]
p−GaNを35nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は35nm、最小膜厚は27nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は77%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は9.0×10−11Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流6.5×10−7Aを得た。受光感度に換算すると7.6×10A/W、S/Nは7.2×10であった。
[比較例4]
p−GaNを60nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は60nm、最小膜厚は27nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は45%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は7.0×10−11Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流6.4×10−7Aを得た。受光感度に換算すると7.5×10A/W、S/Nは9.1×10であった。
[比較例5]
p−GaNを100nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は100nm、最小膜厚は20nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は20%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は6.0×10−11Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流5.5×10−7Aを得た。受光感度に換算すると6.4×10A/W、S/Nは9.2×10であった。
[比較例6]
p−GaNを120nm成長させ、ICPを用いたエッチングを行う際のエッチング時間を変更した以外は実施例1と同様の方法で紫外線受光素子を作成した。
得られた紫外線受光素子に段差測定器および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて解析したところ、p−GaNの最大膜厚は120nm、最小膜厚は15nm、最大膜厚に対する最小膜厚の比は12.5%であった。
実施例1と同様の方法で特性を評価したところ、暗電流は6.0×10−11Aであったのに対し、250nmの紫外線を照射した状態ではソース・ドレイン電圧が3Vの時に光電流4.2×10−7Aを得た。受光感度に換算すると4.9×10A/W、S/Nは7.0×10であった。
[実施例と比較例との対比]
以上の実施例1〜14と比較例1〜6をまとめたものが以下の表1である。
Figure 0006628133
表1に示すように、実施例1〜14は、比較例1〜6と比べて、受光感度が高いことがわかる。
図10は、実施例1〜14と比較例1〜6とについて、p−GaNの最大膜厚A(nm)と、最大膜厚Aに対する最小膜厚Bの比率(100×B/A(%))との関係をプロットした図である。図10に示すように、実施例1〜14と比較例1〜6との間の境界線を引くと、この境界線は、y=0.0049x−1.4x+100、で近似される。
図10から分かるように、実施例1〜14のy、すなわち、比率(100×B/A(%))は、0以上で、かつ、y=0.0049x−1.4x+100以下である。また、0<A<120、0≦B<120である。この条件を満たすとき、紫外線に対する受光感度の高い紫外線受光素子を実現することができる、ということがわかった。
1 基板
11 第1の窒化物半導体層
12 第2の窒化物半導体層
13 第3の窒化物半導体層
14 ソース電極
15 ドレイン電極
131 (第3の窒化物半導体層の)最大膜厚Aを有する部分
132 (第3の窒化物半導体層の)最小膜厚Bを有する部分

Claims (19)

  1. 基板と、
    前記基板上の、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第1の窒化物半導体層と、
    前記第1の窒化物半導体層上の、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第2の窒化
    物半導体層と、
    前記第2の窒化物半導体層上の、Al及びGaのうち少なくとも一つを含む第3の窒化
    物半導体層と、を備え、
    前記第3の窒化物半導体層の最大膜厚をA(nm)、最小膜厚をB(nm)としたとき
    に、
    0≦100×B/A≦0.0049A2−1.4A+100
    (ただし、0<A<120、0≦B<120)
    を満たし、
    前記第3の窒化物半導体層は断面視で凹凸構造を有し、
    前記凹凸構造の凹部と凸部の膜厚の差は5nm以上50nm以下である
    紫外線受光素子。
  2. 前記第3の窒化物半導体層の最大膜厚A(nm)は、
    ≦A≦100
    を満たす請求項1に記載の紫外線受光素子。
  3. 前記第3の窒化物半導体層はパターニング構造を有する請求項1または請求項2に記載
    の紫外線受光素子。
  4. 前記凹凸構造の隣り合う凸部同士の間隔は0.5μm以上10μm以下である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  5. 前記凹凸構造に含まれる凹部の総面積は0.1μm2以上10μm2以下である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  6. 前記第3の窒化物半導体層は、ドーパントとしてMg、ZnまたはBeを含む請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  7. 前記第3の窒化物半導体層に含まれるMg、ZnまたはBeの濃度は、1×1016cm-3以上である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  8. 前記第3の窒化物半導体層に含まれるMg、ZnまたはBeの濃度は、5×1019cm-3以下である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  9. 前記第3の窒化物半導体層のゲート長は0.2μm以上5μm以下である請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  10. 前記第2の窒化物半導体層は、前記第1の窒化物半導体層よりも格子定数が小さい請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  11. 前記第1の窒化物半導体層は、AlXGa1XN(0≦X<1)からなり、
    前記第2の窒化物半導体層は、AlYGa1YN(0<Y≦1、X<Y)からなる請
    求項1から請求項10のいずれか一項に紫外線受光素子。
  12. 前記AlXGa1XN(0≦X<1)及び前記AlYGa1YN(0<Y≦1、X<Y)はアンドープである請求項11に記載の紫外線受光素子。
  13. 前記第1の窒化物半導体層は、AlXGa1XN(0.0≦X<0.6)からなり、
    前記第2の窒化物半導体層は、AlYGa1YN(0.6≦Y≦0.9)からなる請求項1から請求項12のいずれか一項に紫外線受光素子。
  14. 前記第2の窒化物半導体層の膜厚は10nm以上100nm以下である請求項1から請求項13のいずれか一項に紫外線受光素子。
  15. 前記第1の窒化物半導体層及び前記第2の窒化物半導体層の界面に、濃度が1×1010cm-2以上1×1013cm-2以下の2次元電子ガスを有する請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  16. 前記基板はサファイアまたはAlNであり、
    前記基板と前記第1の窒化物半導体層との間に、AlZGa1ZN(0≦Z≦1)か
    らなるバッファ層をさらに備える請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  17. 前記基板はサファイアまたはAlNであり、
    前記基板の最表面における転位密度は1×109cm-2以下である請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  18. 前記第2の窒化物半導体層上に、ソース電極及びドレイン電極をさらに備える請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の紫外線受光素子。
  19. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、Ti、Al、Au、Ni、V、Moのうち少なくとも一つを含む請求項18に記載の紫外線受光素子。
JP2015217932A 2015-11-05 2015-11-05 紫外線受光素子 Active JP6628133B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015217932A JP6628133B2 (ja) 2015-11-05 2015-11-05 紫外線受光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015217932A JP6628133B2 (ja) 2015-11-05 2015-11-05 紫外線受光素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017092155A JP2017092155A (ja) 2017-05-25
JP6628133B2 true JP6628133B2 (ja) 2020-01-08

Family

ID=58768449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015217932A Active JP6628133B2 (ja) 2015-11-05 2015-11-05 紫外線受光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6628133B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10424684B2 (en) 2017-06-13 2019-09-24 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha MSM ultraviolet ray receiving element, MSM ultraviolet ray receiving device
JP7076092B2 (ja) * 2018-01-19 2022-05-27 旭化成株式会社 紫外線受光素子及び紫外線受光素子の製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3711617A1 (de) * 1987-04-07 1988-10-27 Siemens Ag Monolithisch integrierte wellenleiter-fotodioden-fet-kombination
JP2002083996A (ja) * 2000-06-22 2002-03-22 Nichia Chem Ind Ltd 窒化ガリウム系化合物半導体受光素子及びそれを用いた受光アレイ
JP4635187B2 (ja) * 2006-05-17 2011-02-16 国立大学法人徳島大学 半導体光検出器
US20090166674A1 (en) * 2006-05-24 2009-07-02 Meijo University Ultraviolet light receiving element
EP2865790A1 (en) * 2006-12-28 2015-04-29 Saint-Gobain Ceramics & Plastics Inc. Sapphire substrates
US8269223B2 (en) * 2010-05-27 2012-09-18 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Polarization enhanced avalanche photodetector and method thereof
US8822311B2 (en) * 2011-12-22 2014-09-02 Avogy, Inc. Method of fabricating a GaN P-i-N diode using implantation

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017092155A (ja) 2017-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4164563B2 (ja) 酸化物半導体pn接合デバイス及びその製造方法
US7365374B2 (en) Gallium nitride material structures including substrates and methods associated with the same
US9112074B2 (en) UV photodetectors having semiconductor metal oxide layer
JP2004179258A (ja) 紫外線センサ
Rigutti et al. Investigation of the electronic transport in GaN nanowires containing GaN/AlN quantum discs
US20190172960A1 (en) Solar cells and methods of making solar cells
JP6628133B2 (ja) 紫外線受光素子
JP6673038B2 (ja) 半導体結晶基板、赤外線検出装置、半導体結晶基板の製造方法及び赤外線検出装置の製造方法
JP6917352B2 (ja) 赤外線検出素子
Sumiya et al. Deep-level defects related to the emissive pits in thick InGaN films on GaN template and bulk substrates
JP6614486B2 (ja) 紫外線受光素子
JP6506453B2 (ja) Msm型紫外線受光素子、msm型紫外線受光装置
JP6876290B2 (ja) 受光素子
JP6917350B2 (ja) 赤外線検出素子
Winden et al. Spectral sensitivity tuning of vertical InN nanopyramid-based photodetectors
JP7076092B2 (ja) 紫外線受光素子及び紫外線受光素子の製造方法
Zheng Studies on plasma assisted molecular beam epitaxial growth of GaN-based multilayer heterostructures on Si for photodetector application
JP2022121193A (ja) 紫外線受光素子及び紫外線受光素子の製造方法
Lv et al. An ultrahigh performance InGaN/GaN visible-light phototransducer based on polarization induced heterointerface barrier and minority carrier localization
Brazzini et al. Impact of AlN spacer on metal–semiconductor–metal Pt–InAlGaN/GaN heterostructures for ultraviolet detection
Razeen et al. Enhanced near-UV responsivity of AlGaN/GaN HEMT based photodetectors by nanohole etching of barrier surface
Hamawandi et al. Electrical properties of sub-100 nm SiGe nanowires
Razeen AlGaN/GaN HEMT-based ultraviolet photodetectors with enhanced device efficiency
Ji Growth, fabrication, and characterization of III-nitride semiconductors for high-performance ultraviolet avalanche photodiodes by metalorganic chemical vapor deposition
Kumar et al. Band-Structure Lineup at In0. 2Ga0. 8N/Si Heterostructures by X-ray Photoelectron Spectroscopy

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20151202

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6628133

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250