JP6626767B2 - 鍛造金型及び金型の再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鍛造金型及び金型の再生方法に関し、より特定的には、チタン合金やニッケル基合金などの難加工性の金属材料の鍛造に用いることが可能な鍛造金型及び金型の再生方法に関する。
一般に、チタン合金やニッケル基合金などは、優れた機械的特性を有することから、航空機や車両などの輸送機器のエンジン部材や構造部材の素材として用いられている。このようなチタン合金などの難加工性の被加工材を用いて鍛造品を製造する方法として、熱間鍛造金型装置を用いた熱間型鍛造方法が用いられる。熱間型鍛造方法は、予め所定の形状に形成された金型の凹部内に加熱された被加工材を装入し、当該被加工材を高温状態に保持したまま金型に沿った形状に引き伸ばすように変形させながら鍛造する方法である。この熱間型鍛造方法を用いれば、鍛造中の被加工材の変形において製品形状に沿ったメタルフローが得られるため、他の加工方法に比べてより粘り強く、耐衝撃破壊性などの機械的特性に優れた鍛造品を得ることができる。
チタン合金やニッケル基合金の熱間型鍛造、特にエンジン部材向けの熱間型鍛造においては、被加工材の中央部に凸形状のパンチ部品を押し込むことにより、穴や窪みを成形することがしばしば必要になる。この場合、パンチ部品の先端部と被加工材との摩擦が大きく、チタン合金などの材料の難加工性も相まって、パンチ部品の先端部が摩耗し易くなる。このため、一般的な熱間鍛造金型装置の部品に比べて、パンチ部品は使用回数が制限されてしまうという特徴がある。
上述のように、チタン合金などの素材からなる被加工材に穴や窪みを成形する熱間型鍛造方法として、例えば特許文献1には、被加工材が装入される凹部を有する下金型と、圧下面の中央に下方に向かって突出するパンチ部品が設けられた上金型と、を備えた熱間鍛造金型装置が開示されている。
特開2014−240082号公報
上記特許文献1に開示された鍛造方法では、圧下面の中央に下方に向かって突出するパンチ部品が設けられた上金型において、当該パンチ部品の先端部が摩耗し易いことにより、鍛造品の寸法精度が低下する。このため、鍛造品の寸法精度を確保するためにパンチ部品の先端部をリシンクして型形状を修正する必要があるが、この場合、リシンク後において金型のプレスストロークが変わってしまうという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、パンチ部品のリシンク前後において金型のプレスストロークが変わるのを抑制することができる鍛造金型及び金型の再生方法を提供することである。
本発明の一局面に係る鍛造金型は、被加工材が配置される第1金型と、前記被加工材を挟んで前記第1金型と対向する第2金型と、を備えている。前記第2金型は、前記第1金型に向かって突出する形状を有し、前記被加工材に押し込むための先端部が形成されたパンチ部品と、前記先端部と反対側の背面部において前記パンチ部品を保持する保持部材と、を含んでいる。上記鍛造金型は、前記パンチ部品の前記背面部と前記保持部材との間に配置されるプレート部品を備えている。前記保持部材は、前記パンチ部品が挿入される挿入孔が形成されたホルダー部品を含んでいる。前記パンチ部品は、前記背面部側において前記先端部よりも拡径したフランジ部を有している。上記鍛造金型には、前記挿入孔に挿入された前記フランジ部を係止する係止部が設けられている。前記プレート部品の外径は、前記フランジ部の外径以下である。前記プレート部品は、前記挿入孔内に配置されている。前記保持部材は、前記係止部と反対側において前記パンチ部品又は前記プレート部品の外周部を押さえるストッパーを含んでいる。
上記鍛造金型では、パンチ部品の先端部により被加工材を押し込むことにより、所望の形状に成形された鍛造品を製造することができる。そして、被加工材との摺動によりパンチ部品の先端部が摩耗した場合には、当該先端部をリシンクして型形状を修正することにより、鍛造品の寸法精度を確保することができる。しかも、パンチ部品と保持部材との間にプレート部品が配置されているため、リシンク後のパンチ部品の先端部の高さ位置をリシンク前と同じ位置に固定することが可能となる。従って、リシンク前後において先端部から被加工材までの距離が変わってしまうことを抑制でき、金型のプレスストロークが変わるのを抑制することができる。また係止部によってフランジ部を係止することにより、パンチ部品をホルダー部品によって安定に保持することができる。また上記構成によれば、プレート部品を挿入孔に嵌め込むだけで容易に配置することができる。また上記構成によれば、金型を上下反転させた場合でもパンチ部品やプレート部品が挿入孔から脱落するのを防ぐことができる。
上記鍛造金型では、前記ストッパーにおいて前記プレート部品の外周部を押さえる部分は、前記プレート部品の外周部の形状に沿って傾斜していてもよい。
この構成によれば、ストッパーによってプレート部品の側面を保持することができる。このため、鍛造時にパンチ部品に対して圧力を加えるための部材をプレート部品の主面に配置することができる。またプレート部品の厚みを薄くすることが可能となり、1回のリシンク量の最小長さをより短く取ることができる。このため、パンチ部品をより長い期間に亘って繰り返し使用することができる。
上記鍛造金型は、複数枚の前記プレート部品を備えていてもよい。
この構成によれば、パンチ部品の先端部のリシンクが繰り返し実施される場合において、リシンク毎にプレート部品の枚数を増やすことにより、リシンク後において金型のプレスストロークが変わるのを防ぐことができる。
本発明の他局面に係る金型の再生方法は、上記鍛造金型を再生する方法であって、前記被加工材の鍛造に使用された前記パンチ部品の前記先端部をリシンクする工程と、前記リシンクする工程の後、前記パンチ部品における前記先端部と反対側の前記背面部に前記プレート部品を配置する工程と、を備えている。
上記金型の再生方法では、被加工材の鍛造時に摩耗したパンチ部品の先端部をリシンクして型形状を修正することにより、鍛造品の寸法精度を確保することができる。しかも、リシンク後にパンチ部品の背面にプレート部品を配置することにより、リシンク後のパンチ部品の先端部の高さ位置をリシンク前と同じ位置に固定することが可能となる。従って、リシンク前後において先端部から被加工材までの距離が変わってしまうことを抑制でき、金型のプレスストロークが変わるのを抑制することができる。
本発明によれば、パンチ部品のリシンク前後において金型のプレスストロークが変わるのを抑制することができる鍛造金型及び金型の再生方法を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る鍛造金型のリシンク前の状態を示す模式図である。 上記鍛造金型により被加工材を鍛造する様子を示す模式図である。 図1中の領域IIIにおける拡大図である。 図3中の矢印IVから見た鍛造金型の上面図である。 パンチ部品のリシンク前後の状態を示す模式図である。 上記鍛造金型のリシンク後の状態を示す模式図である。 図6中の矢印VIIから見た鍛造金型の上面図である。 図6中の領域VIIIにおける拡大図である。 上記鍛造金型のリシンク後の状態を示す模式図である。 上記鍛造金型により被加工材を鍛造する様子を示す模式図である。 本発明の実施形態2に係る鍛造金型を示す模式図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
(実施形態1)
[鍛造金型]
まず、本発明の実施形態1に係る鍛造金型1の構造について説明する。鍛造金型1は、例えばチタン合金やニッケル基合金などの難加工性の被加工材2に対してパンチ部品21の押し込みにより穴や窪みなどを形成する熱間鍛造に用いられる。図1に示すように、鍛造金型1は、被加工材2が配置される下金型10(第1金型)と、被加工材2を挟んで下金型10に対して上下方向に対向する上金型20(第2金型)と、を備えている。上金型20及び下金型10は、図略の駆動部によって互いに近づく方向又は離れる方向に相対移動するように構成されている。本実施形態では、下金型10が土台3に固定されると共に、上金型20が下降又は上昇するように構成されている。これにより、図2に示すように、上金型20を下金型10に向かって下降させ、加熱により軟化した被加工材2の中央部にパンチ部品21の先端部21Aを押し込むことにより、被加工材2に穴や窪みを形成することができる。
図1に示すように、下金型10は、被加工材2が設置される水平な設置面11Aが形成され、土台3に固定されたブロックである金型設置部11と、設置面11A上に固定され、被加工材2が装入される空間である装入部12Bが形成されたブロックである金型装入部12と、を備えている。装入部12Bは、被加工材2の高さよりも深く形成されている。金型装入部12は、図2に示すようにパンチ部品21によって被加工材2を成形する際に被加工材2が水平方向に移動しないように、内面12Aによって被加工材2の外周部を支持する。金型設置部11及び金型装入部12は、本実施形態のように互いに別体として形成され、ボルトなどの締結部材(不図示)によって互いに固定されていてもよいがこれに限定されず、一つの部材として一体形成されていてもよい。また下金型10は、本実施形態のように金型設置部11及び金型装入部12により構成される場合に限定されず、金型設置部11のみにより構成され、金型装入部12が省略された構成であってもよい。
図3は、パンチ部品21のリシンク前の状態における上金型20を拡大して示している。上金型20は、下金型10に向かって下方に突出する形状を有し、被加工材2に押し込むための先端部21Aが形成されたパンチ部品21と、先端部21Aと反対側の背面部においてパンチ部品21を保持する保持部材22と、を備えている。保持部材22は、パンチ部品21が挿入される挿入孔22Aが形成されたホルダー部品23と、パンチ部品21が挿入孔22Aから脱落するのを防止するストッパー24と、を備えている。
パンチ部品21は、先端部21Aに向かって徐々に縮径するテーパ形状を有し、先端部21Aがホルダー部品23の下面よりも下側(被加工材側)に位置する。またパンチ部品21は、先端部21Aと反対側の背面部側において先端部21Aよりも拡径したフランジ部21Bを有している。
ホルダー部品23には厚み方向に貫通する挿入孔22Aが形成されており、パンチ部品21はホルダー部品23の上面側から挿入孔22Aに挿入されている。このとき、図3に示すように、フランジ部21Bの上面と、ストッパー24の上面と、ホルダー部品23の上面と、が面一となる。よって、図1に示すように、ブロック状の金型ベース部28をフランジ部21Bの上面に面接触させることができる。これにより、鍛造時に金型ベース部28からパンチ部品21に対して押圧力を付与することが可能となり、このとき金型ベース部28はパンチ部品21からの反力を受ける。
図3に示すように、挿入孔22Aには、当該挿入孔22Aに挿入されたフランジ部21Bを係止する係止部22Bが径方向内向きに張り出すように設けられている。係止部22Bは挿入孔22Aの下部に形成されているため、挿入孔22Aは下部が上部よりも孔径が小さくなっている(D2<D1)。このため、図3に示すように、パンチ部品21の先端部21Aをホルダー部品23の上面側から挿入孔22Aに挿入した時に、フランジ部21Bの下端を係止部22Bの上面により係止することができる。つまり、フランジ部21Bの下端を係止部22Bに引っ掛けることができる。これにより、ホルダー部品23によってパンチ部品21が落下しないよう保持することができる。なお、係止部22Bは、挿入孔22Aの周方向全体に設けられていてもよいし、パンチ部品21を安定に保持できる範囲で周方向の一部にのみ設けられていてもよい。
ストッパー24は、パンチ部品21が挿入孔22Aの上側から脱落しないように押さえるための部品である。ストッパー24は、係止部22Bと反対側に配置され、ホルダー部品23の上面における挿入孔22Aの近傍に形成された凹部に嵌め込まれている。そして、ボルトなどの締結部材25によってストッパー24がホルダー部品23に対して取り外し可能に取り付けられている。
ストッパー24は、挿入孔22Aの壁面よりも径方向内向きに張り出した押さえ部を有しており、当該押さえ部においてパンチ部品21における外周面を下向き(上下方向)に押さえる。また図3に示すように、ストッパー24の押さえ部は、パンチ部品21の外周部の形状に沿って上向きに縮径するように傾斜している。これにより、ストッパー24によってパンチ部品21の側面を押さえることが可能となる。このため、フランジ部21Bの上面とストッパー24の上面とを面一に保ったまま、パンチ部品21が挿入孔22Aの上側から脱落するのを防止することができる。つまり、上金型20を上下反転させた場合でも、パンチ部品21が挿入孔22Aから脱落するのを防止することができる。また、ストッパー24を取り外すことによりパンチ部品21を挿入孔22Aの上側から容易に引き抜くこともでき、摩耗し易いパンチ部品21の交換も容易に行うことができる。
図4は、上金型20の上面図である。図4に示すように、ストッパー24は、一対の部品によって構成されており、パンチ部品21における周方向の一部分及び当該一部分と径方向に対向する部分の2箇所を押さえる。なお、ストッパー24は、本実施形態のように一対の部品により構成される場合に限定されず、二対以上の部品により構成されていてもよいし、パンチ部品21の外周に沿ったリング部材によって構成され、パンチ部品21の外周部全体を押さえるように構成されていてもよい。この場合、挿入孔22Aの上側からのパンチ部品21の脱落をより効果的に防止することができる。
ここで、パンチ部品21のリシンク(型修正)について説明する。図2を参照して説明したように、鍛造金型1を用いた熱間鍛造では、パンチ部品21の先端部21Aによって被加工材2を押し込むが、この時被加工材2との摺動によって先端部21Aの摩耗が生じる。このため、被加工材2の成形を継続的に行うと、先端部21Aの摩耗が進行することにより型形状が大きく変化し、その結果鍛造品に形成される穴や窪みの寸法精度が悪化する。
そこで、先端部21Aの形状を整えて鍛造品の寸法精度を確保するため、先端部21Aを切削加工して形状を修正する必要がある。これをリシンクと呼ぶ。具体的には、図5中の破線で示す当初の形状から実線で示す形状になるようにパンチ部品21を切削する。
このとき、図5に示すように先端部21Aが削られることでパンチ部品21全体が長さL1(リシンク量)だけ短くなる。ここで、先端部21Aの高さ位置がリシンク前と同じになるようにするため、係止部22B(図3)により係止されるフランジ部21Bの下端も同じリシンク量L1だけ削られる。そして、図6に示すように、リシンク後のパンチ部品21がホルダー部品23に取り付けられる。このとき、フランジ部21Bの上面21BBがリシンク前よりも長さL1だけ下側に移動する。これによって、フランジ部21Bの上面21BBとホルダー部品23の上面との間に段差が生じ、パンチ部品21と金型ベース部28(図1)との間に隙間が生じる。
本実施形態に係る鍛造金型1は、リシンク後においてパンチ部品21と金型ベース部28との間に生じる隙間を埋めるためのプレート部品26を備えることを主な特徴としている。図6に示すように、プレート部品26は、パンチ部品21の背面(フランジ部21Bの上面21BB)とストッパー24との間に配置され、先端部21Aのリシンク量L1と同じ厚みを有している。プレート部品26を配置することにより、リシンク後のパンチ部品21の先端部21Aの高さ位置をリシンク前と同じ位置に固定することが可能となる。これにより、リシンク前後において先端部21Aから被加工材2までの距離(図1の符号「L」と図9中の符号「L’」)が変わるのを抑制することができ、上金型20のプレスストローク(鍛造時に上金型20が下金型10に向かって下降する距離)が変わるのを抑制することができる。
図7は、リシンク後の上金型20の上面図である。図7に示すように、プレート部品26は、平面視円形の板状部材であり、その外径がフランジ部21Bの外径以下となっている(本実施形態ではフランジ部21Bの外径と同じ)。このため、図6に示すように、プレート部品26は、挿入孔22A内においてフランジ部21Bの上面21BBに配置されている。プレート部品26は、パンチ部品21やホルダー部品23と同じ材質からなり、具体的には、JIS規格SKD61やSKT4などの合金工具鋼あるいはクロムモリブデン鋼などの耐熱性及び耐久性を有する材質からなる。
プレート部品26は、図5に示したパンチ部品21における先端部21Aの1回のリシンク量L1と同じ厚みを有する。図6では、リシンクを3回実施し、各リシンクの後に1枚ずつプレート部品26を配置したときの状態を示しており、各リシンクにおける先端部21Aのリシンク量L1とプレート部品26の厚みは同じである。つまり、鍛造金型1は、複数枚のプレート部品26を備えていてもよく、この場合複数のプレート部品26の合計の厚みが合計のリシンク量と同じになる。また図6では、プレート部品26が全て同じ厚みで示されているが、各回におけるリシンク量が互いに異なる場合には、それに応じてプレート部品26の厚みが変化する。よって、鍛造金型1は、同じ厚みの複数枚のプレート部品26を備えていてもよいし、互いに厚みが異なる複数枚のプレート部品26を備えていてもよい。
ストッパー24は、リシンク前はパンチ部品21が挿入孔22Aの上側から脱落しないよう押さえる部品として機能するが、リシンク後はプレート部品26及びパンチ部品21が挿入孔22Aの上側から脱落しないように押さえる部品として機能する。図8に示すように、ストッパー24は、挿入孔22Aの壁面よりも径方向内向きに張り出した押さえ部24Aにおいてプレート部品26の外周面を下向きに押さえる。ストッパー24の押さえ部24Aには、プレート部品26の外周部の形状に沿って上向きに縮径する傾斜面が設けられており、当該傾斜面によってプレート部品26の側面を押さえることができる。これにより、図8に示すように、最上部のプレート部品26の主面とストッパー24の上面とを面一にすることができ、金型ベース部28(図1)をプレート部品26に対して面接触させることができる。よって、リシンク後においても、金型ベース部28からプレート部品26を介してパンチ部品21に鍛造時の押圧力を付与することができる。
[金型の再生方法]
次に、本実施形態に係る金型の再生方法について説明する。始めに、本実施形態に係る金型の再生方法の前に行われる、上記鍛造金型1を用いた被加工材2の鍛造について説明する。
まず、被加工材2を準備する工程が実施される。この工程では、図1に示すように、例えば断面視矩形状の円柱形状又は角柱形状を有する被加工材2が準備される。被加工材2は、チタン合金又はニッケル基合金などの難加工性の金属材料からなる。チタン合金としては、Ti−10V−2Fe−3Al、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo、Ti−5Al−2Sn−2Zr−4Mo−4Cr、Ti−5Al−5V−5Mo−3Cr、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Moなどが挙げられる。
次に、被加工材2を加熱する工程が実施される。この工程では、被加工材2が図略の加熱炉内に配置され、全体が700〜1000℃程度の鍛造温度になるまで加熱される。またこのように被加工材2の加熱処理を行う間、上金型20及び下金型10は、必要に応じて図略の内蔵ヒータにより600〜1000℃程度の温度にまで加熱される。なお、本実施形態では、被加工材2の熱間鍛造が行われるため本工程が必須となるが、冷間鍛造の場合には本工程を省略することもできる。
次に、被加工材2を金型間に配置する工程が実施される。この工程では、上記工程において加熱により軟化した被加工材2が、図1に示すように下金型10における装入部12B内に装入される。これにより、被加工材2が下金型10と上金型20との間に配置される。
次に、被加工材2を熱間鍛造する工程が実施される。この工程では、図略の駆動部によって上金型20を下金型10に近づくように下降させる。これにより、パンチ部品21の先端部21Aが被加工材2の上面に接触する。この状態で上金型20をさらに下降させることにより、高温状態に保持された被加工材2の中央部がパンチ部品21の先端部21Aによって押し込まれる。これにより、図2に示すようにパンチ部品21の形状に沿った窪みが被加工材2に形成され、鍛造品が製造される。その後、駆動部によって上金型20を上昇させ、製造された鍛造品が下金型10から取り出される。
以下、本実施形態に係る金型の再生方法について説明する。まず、パンチ部品21をリシンクする工程が実施される。この工程では、被加工材2の鍛造に使用されたパンチ部品21の先端部21Aを以下の手順でリシンクする。
まず、金型ベース部28(図1)を取り外し、その後、締結部材25を緩めてストッパー24をホルダー部品23から取り外す(図3)。次に、パンチ部品21を挿入孔22Aの上側から引き抜き、パンチ部品21をホルダー部品23から取り外す。次に、図5に示すように、パンチ部品21の先端部21Aを長さL1だけリシンクすると共に、フランジ部21Bの下端も同じ長さL1だけリシンクする。パンチ部品21をリシンクする方法としては、通常の金属切削加工を用いることができるが、特に限定されない。
次に、プレート部品26を配置する工程が実施される。この工程では、図6に示すように、まずリシンク後のパンチ部品21を挿入孔22Aの上側から挿入する。次に、先端部21Aのリシンク量L1と同じ厚みを有するプレート部品26を挿入孔22A内に挿入し、パンチ部品21の背面部(フランジ部21Bの上面21BB)に配置する。その後、締結部材25によりストッパー24をホルダー部品23に取り付け、パンチ部品21及びプレート部品26が挿入孔22Aの上側から脱落しないように固定する。このとき、図6に示すように、最上部のプレート部品26の主面と、ストッパー24の上面と、ホルダー部品23の上面と、が面一になる。最後に、金型ベース部28がプレート部品26の主面に対して面接触するように固定される。なお、上述の通り、図6ではリシンクを3回実施し且つこれに対応して3枚のプレート部品26を配置した状態を示しているが、実際には1回のリシンク毎にそのときのリシンク量と同じ厚みを有するプレート部品26を配置する。
このように、パンチ部品21における先端部21Aと反対側の背面にプレート部品26を配置することにより、リシンク後における先端部21Aと被加工材2の間の距離L’(図9)が、リシンク前における先端部21Aと被加工材2の間の距離L(図1)に対して変わるのを抑制することができる。このため、上金型20のプレスストロークが変わるのを抑制したまま次の鍛造を開始することができる(図10)。
[作用効果]
次に、上記本実施形態に係る鍛造金型1及び金型の再生方法の特徴及びその作用効果について説明する。
本実施形態に係る鍛造金型1は、被加工材2が配置される下金型10と、被加工材2を挟んで下金型10と対向する上金型20と、を備えている。上金型20は、下金型10に向かって突出する形状を有し、被加工材2に押し込むための先端部21Aが形成されたパンチ部品21と、先端部21Aと反対側の背面部においてパンチ部品21を保持する保持部材22と、を含んでいる。鍛造金型1は、パンチ部品21の背面部と保持部材22との間に配置されるプレート部品26を備えている。
本実施形態に係る金型の再生方法は、被加工材2の鍛造に使用されたパンチ部品21の先端部21Aをリシンクする工程と、当該リシンクする工程の後、パンチ部品21における先端部21Aと反対側の背面部にプレート部品26を配置する工程と、を備えている。
上記特徴によれば、パンチ部品21の先端部21Aにより被加工材2を押し込むことにより、所望の形状に成形された鍛造品を製造することができる。そして、被加工材2との摺動によりパンチ部品21の先端部21Aが摩耗した場合には、当該先端部21Aをリシンクして型形状を修正することにより、鍛造品の寸法精度を確保することができる。しかも、パンチ部品21と保持部材22との間にプレート部品26が配置されているため、リシンク後のパンチ部品21の先端部21Aの高さ位置をリシンク前と同じ位置に固定することが可能となる。従って、リシンク前後において先端部21Aから被加工材2までの距離が変わってしまうことを抑制でき、金型のプレスストロークが変わるのを抑制することができる。
上記鍛造金型1において、保持部材22は、パンチ部品21が挿入される挿入孔22Aが形成されたホルダー部品23を含んでいる。パンチ部品21は、背面部側において先端部21Aよりも拡径したフランジ部21Bを有している。鍛造金型1には、挿入孔22Aに挿入されたフランジ部21Bを係止する係止部22Bが設けられている。この構成によれば、係止部22Bによってフランジ部21Bを係止することにより、パンチ部品21をホルダー部品23によって安定に保持することができる。
上記鍛造金型1において、プレート部品26の外径は、フランジ部21Bの外径以下となっている。またプレート部品26は、挿入孔22A内に配置されている。これにより、プレート部品26を挿入孔22Aに嵌め込むだけで容易に配置することができる。
上記鍛造金型1において、保持部材22は、係止部22Bと反対側においてパンチ部品21又はプレート部品26の外周部を押さえるストッパー24を含んでいる。この構成によれば、金型を上下反転させた場合でもパンチ部品21やプレート部品26が挿入孔22Aから脱落するのを防ぐことができる。
上記鍛造金型1では、ストッパー24においてプレート部品26の外周部を押さえる部分24Aは、プレート部品26の外周部の形状に沿って傾斜している。この構成によれば、ストッパー24によってプレート部品26の側面を保持することができる。このため、鍛造時にパンチ部品21に対して圧力を加えるための金型ベース部28をプレート部品26の主面に対して面接触するように配置することができる。またプレート部品26の厚みを薄くすることが可能となり、1回のリシンク量の最小長さをより短く取ることができる。このため、パンチ部品21をより長い期間に亘って繰り返し使用することができる。
上記鍛造金型1は、複数枚のプレート部品26を備えている。これにより、パンチ部品21の先端部21Aのリシンクが繰り返し実施される場合において、リシンク毎にプレート部品26の枚数を増やすことにより、リシンク後において金型のプレスストロークが変わるのを防ぐことができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態2は、基本的に上記実施形態1と同様であるが、上記実施形態1ではパンチ部品21のリシンクにおいて先端部21Aだけでなくフランジ部21Bの下端も切削するのに対し(図5)、実施形態2ではフランジ部21Bの下端を切削しない点が異なっている。以下、上記実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
図11は、実施形態2におけるパンチ部品21のリシンク前の状態を示している。図11に示すように、実施形態2では、フランジ部21Bの下端と係止部22Bの上面との間において断面視矩形の複数(本実施形態では3つ)のリング部材27が予め配置されている。このリング部材27の厚みT1は、パンチ部品21の先端部21Aにおける1回のリシンク量L1と同じであり、1枚のプレート部品26(図6)の厚みと同じである。
このため、先端部21Aのリシンク毎にリング部材27を1個ずつ順に取り外すことにより、リシンクの際に上記実施形態1のようにフランジ部21Bの下端を切削する必要がなく、先端部21Aの高さ位置をリシンク前後において同じ位置に調整することができる。そして、上記実施形態1と同様にフランジ部21Bの上面21BBにプレート部品26を配置することで、リシンク前後において上金型20のプレスストロークが変わるのを抑制することができる。
(その他実施形態)
最後に、本発明のその他実施形態について説明する。
上記実施形態1では、被加工材2の熱間鍛造が行われる場合についてのみ説明したがこれに限定されず、温間鍛造や冷間鍛造が行われてもよい。
上記実施形態1では、被加工材2に穴や窪みを形成する場合についてのみ説明したがこれに限定されず、穴や窪みを形成せずに高さ方向に圧縮する鍛造が行われてもよい。
上記実施形態1では、被加工材2がチタン合金やニッケル基合金などの難加工性の材料からなる場合について説明したがこれに限定されず、これら以外の種々の金属材料からなっていてもよい。
上記実施形態1では、パンチ部品21が挿入孔22Aに挿入され、フランジ部21Bを係止部22Bにより係止する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、フランジ部21B、挿入孔22A及び係止部22Bが設けられず、ボルトなどの締結部材によってパンチ部品21をホルダー部品23に固定する構成でもよい。
上記実施形態1では、上金型20が下金型10に向かって下降する場合について説明したがこれに限定されず、下金型10が上金型20に向かって移動してもよいし、上金型20及び下金型10の両方が移動してもよい。
上記実施形態1において、ストッパー24を省略し、他の手段によってパンチ部品21及びプレート部品26が挿入孔22Aの上側から脱落するのを防ぐ構成としてもよい。またストッパー24の押さえ部24Aは、プレート部品26の外周部の形状に沿って傾斜する場合に限定されず、上下方向に平行になっていてもよい。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 鍛造金型
2 被加工材
10 下金型(第1金型)
20 上金型(第2金型)
21 パンチ部品
21A 先端部
21B フランジ部
22 保持部材
22A 挿入孔
22B 係止部
23 ホルダー部品
24 ストッパー
26 プレート部品
L1 リシンク量

Claims (4)

  1. 被加工材が配置される第1金型と、
    前記被加工材を挟んで前記第1金型と対向する第2金型と、を備え、
    前記第2金型は、
    前記第1金型に向かって突出する形状を有し、前記被加工材に押し込むための先端部が形成されたパンチ部品と、
    前記先端部と反対側の背面部において前記パンチ部品を保持する保持部材と、を含み、
    前記パンチ部品の前記背面部と前記保持部材との間に配置されるプレート部品を備え
    前記保持部材は、前記パンチ部品が挿入される挿入孔が形成されたホルダー部品を含み、
    前記パンチ部品は、前記背面部側において前記先端部よりも拡径したフランジ部を有し、
    前記挿入孔に挿入された前記フランジ部を係止する係止部が設けられており、
    前記プレート部品の外径は、前記フランジ部の外径以下であり、
    前記プレート部品は、前記挿入孔内に配置され、
    前記保持部材は、前記係止部と反対側において前記パンチ部品又は前記プレート部品の外周部を押さえるストッパーを含むことを特徴とする、鍛造金型。
  2. 前記ストッパーにおいて前記プレート部品の外周部を押さえる部分は、前記プレート部品の外周部の形状に沿って傾斜している、請求項に記載の鍛造金型。
  3. 複数枚の前記プレート部品を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鍛造金型。
  4. 請求項1に記載された鍛造金型を再生する方法であって、
    前記被加工材の鍛造に使用された前記パンチ部品の前記先端部をリシンクする工程と、
    前記リシンクする工程の後、前記パンチ部品における前記先端部と反対側の前記背面部に前記プレート部品を配置する工程と、を備えた、金型の再生方法。
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