JP6626321B2 - 解剖修復材 - Google Patents

解剖修復材 Download PDF

Info

Publication number
JP6626321B2
JP6626321B2 JP2015228851A JP2015228851A JP6626321B2 JP 6626321 B2 JP6626321 B2 JP 6626321B2 JP 2015228851 A JP2015228851 A JP 2015228851A JP 2015228851 A JP2015228851 A JP 2015228851A JP 6626321 B2 JP6626321 B2 JP 6626321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
restoration material
anatomical
fiber
anatomical restoration
dissection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015228851A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017093796A (ja
Inventor
梨沙 西原
梨沙 西原
Original Assignee
株式会社ヒュー・メックス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ヒュー・メックス filed Critical 株式会社ヒュー・メックス
Priority to JP2015228851A priority Critical patent/JP6626321B2/ja
Publication of JP2017093796A publication Critical patent/JP2017093796A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6626321B2 publication Critical patent/JP6626321B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

本発明は、解剖後の遺体内に詰める解剖修復材に関し、特に、形状を自由に変更することができる構造の技術分野に属する。
例えば、遺体の病理解剖等の解剖現場では遺体内から全ての臓器または一部の臓器を取り出すため、解剖後の遺体復元にあたっては臓器が無くなった空間に詰め物をして修復している。このときに使用される一般的な詰め物としては、オガ屑や新聞紙を併用したもの等がある。
また、例えば特許文献1に開示されているように、高吸水性膨潤繊維体と、非膨潤繊維体との混合物を透水性袋体に充填してなる解剖修復材が知られている。このものでは、遺体内に詰めたとき、高吸水性膨潤繊維体に体液を吸収させることができるようになっている。
特開2003−299658号公報
ところで、遺体の体格や性別、年齢等によって体腔の大きさや形状は様々であるとともに、どの臓器を取り出すか、どれだけ臓器を取り出すかによって臓器が無くなった空間の大きさや形状をはじめその空間の体腔内における位置も様々である。解剖修復材は、上述のように臓器が無くなった空間を埋めるためのものであることから、体腔内に隙間ができないように詰めていく必要がある。
このことに鑑みると、従来のオガ屑や新聞紙を併用したものの場合、体腔内の空間に合わせて少量だけ詰めたり、空間の形状に合わせたりすることが解剖現場で可能であると考えられるが、解剖現場での取り扱い時にオガ屑がこぼれ落ちたりすることがあり、取り扱いが容易であるとは言えない。また、オガ屑が縫合部から見えてしまうことも考えられる。
そこで、特許文献1のように異種繊維体を透水性袋体に充填した解剖修復材を用いることで繊維体を1つの塊として体腔の空間に詰めていくことが考えられる。特許文献1の解剖修復材を用いる場合、体腔の狭い空間に解剖修復材を押し込む際や、体腔の奥の方にある空間に解剖修復材を押し込む際には、解剖修復材を小さくしておかなければ押し込むことができないので、小さな袋体にする必要がある。しかしながら、遺体の体腔に大きな空間ができている場合には、そのような小さな袋体で対応しようとすると多くの解剖修復材が必要になって作業が煩雑になる。このことに対して、大きな袋体から小さな袋体まで予め準備しておくことが考えられるが、コストや保管場所の面で現実的ではない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遺体の体腔内の空間の大きさや形状、位置が様々であっても容易に詰めることができる解剖修復材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、一部を分割または分離可能にすることによって解剖修復材の大きさや形状を容易に変えることができるようにした。
第1の発明は、
遺体解剖後の修復用に体内に詰める解剖修復材であって、
多数の繊維からなる複数の板状繊維層が表面から体液を吸収可能にその厚み方向に重ねて接合により分離可能に積層された多層構造の繊維集合体からなり、
該繊維集合体には、複数に分割するための切れ目が上記繊維集合体の厚み方向に入るとともに互いに交差して延びるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、解剖修復材が多数の繊維を含む繊維集合体からなるので、従来のオガ屑を含む詰め物に比べて取り扱いが容易になる。また、遺体の体腔内に大きな空間がある場合には、解剖修復材を分割することなく空間に詰めることで、多数の解剖修復材を用意しなくて済み、作業性が良好になる。一方、遺体の体腔内の空間が狭い場合や奥の方にある場合には、解剖修復材を切れ目によって簡単に分割して小さくしてから空間に詰めることが可能になるので、作業性が良好になる。
また、この構成によれば、解剖修復材が多数の繊維を含む繊維集合体からなるので、従来のオガ屑を含む詰め物に比べて取り扱いが容易になる。また、遺体の体腔内に大きな空間がある場合には、第1層と第2層とを分離することなく空間に詰めることで、多数の解剖修復材を用意しなくて済み、作業性が良好になる。一方、遺体の体腔内の空間が狭い場合や奥の方にある場合には、第1層と第2層とを分離することによって簡単に小さくしてから空間に詰めることが可能になるので、作業性が良好になる。
また、この構成によれば、第1層と第2層とを分離することによって解剖修復材の大きさや形状を更に細かく変更することが可能になる。
また、この構成によれば、切れ目が繊維集合体の厚み方向に入っているので、板状の繊維集合体を幅方向や長さ方向に分割すること可能になる。そして、第1層と第2層とが繊維集合体の厚み方向に積層されているので、第1層と第2層を分離することで薄い形状の解剖修復材とすることも可能になる。つまり、解剖修復材の幅や長さだけでなく、厚さも変えることが可能になる。
また、この構成によれば、複数の切れ目が交差していることにより、繊維集合体を小さく分割することが可能になる。
第2の発明は、第1に記載の解剖修復材において、
上記切れ目の深さは、上記繊維集合体の厚みの50%以上であることを特徴とする。
この構成によれば、切れ目を利用して解剖修復材を折り曲げることが可能になる。解剖修復材を折り曲げることで、解剖修復材の厚みを厚くして使用したり、解剖修復材の形状のバリエーションを増やすことが可能になる。
第3の発明は、第1又は2の発明において、
上記繊維集合体は長方形の板状に形成され、
上記繊維集合体の幅方向に延びる上記切れ目と、上記繊維集合体の長手方向に延びる上記切れ目とが共に複数形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、幅方向に延びる切れ目と、長手方向に延びる切れ目とが交差することになる。これら切れ目によって繊維集合体を分割することで複数のブロック形状の解剖修復材が得られるので、それらを組み合わせることによって任意の大きさや形状のものが簡単に得られる。
第4の発明は、第1から第3のいずれか1つの発明において、
上記板状繊維層に吸水性樹脂からなる繊維が混合されていることを特徴とする。
第5の発明は、第1から第4のいずれか1つの発明において、
上記板状繊維層に着色材が混入されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、多数の繊維を含む繊維集合体からなる解剖修復材としたので取り扱いを容易にすることができる。また、複数に分割するための切れ目を解剖修復材に形成したので、遺体の体腔内の空間の大きさや形状、位置が様々であっても容易に詰めることができる。
また、多数の繊維からなる第1層及び第2層が積層された繊維集合体からなる解剖修復材としたので取り扱いを容易にすることができる。また、第1層と第2層とを分離可能に接合したので、遺体の体腔内の空間の大きさや形状、位置が様々であっても容易に詰めることができる。
また、解剖修復材の大きさや形状を更に細かく変更することができるので、体腔内の狭い空間にも容易に詰めることができる。
また、切れ目を繊維集合体の厚み方向に入れ、第1層と第2層とを繊維集合体の厚み方向に積層したので、解剖修復材の幅や長さだけでなく、厚さも変えることができ、よって、体腔内の空間に容易に詰めることができる。
また、複数の切れ目が互いに交差して延びているので、小さな解剖修復材を得ることができ、遺体の体腔内の空間が狭い場合であっても解剖修復材を容易に詰めることができる。
第2の発明によれば、切れ目の深さを繊維集合体の厚みの50%以上にしたので、繊維集合体を折り曲げることができる。これにより、解剖修復材の厚みを厚くして使用したり、解剖修復材の形状のバリエーションを増やすことができる。
第3の発明によれば、複数のブロック形状の解剖修復材を得ることができるので、それらを組み合わせることによって任意の大きさや形状の解剖修復材を簡単に得ることができる
本発明の実施形態に係る解剖修復材の斜視図である。 途中で折り曲げた状態の解剖修復材の側面図である。 一部を分割した状態の解剖修復材の斜視図である。 分割した解剖修復材を折り曲げた状態を示す斜視図である。 解剖修復材の拡大側面図である。 一部の層を他の層から分離させる途中にある状態の図5相当図である。 一部の層を他の層から分離させた状態の図5相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る解剖修復材1の斜視図である。解剖修復材1は、多数の繊維を含む繊維集合体からなるものであり、体液等を吸収することができるようになっている。この解剖修復材1は、例えば病理解剖や司法解剖等、人間の遺体の解剖現場で使用することや、その他、各種動物の遺体の解剖現場でも使用することができる。すなわち、遺体を解剖する際には胸腔や腹腔等の体腔内から各種臓器を取り出すことになるが、臓器を取り出した後には体腔内に空間ができてしまい、その空間ができたまま縫合すると胸部や腹部が窪んでしまう。この胸部や腹部が窪むのを抑制するために、体腔内にできた空間に解剖修復材1を詰めて使用する。空間の大きさや形状、位置は、取り出す臓器の種類や、取り出す臓器の個数によって異なるとともに、遺体の体格や性別、年齢等によっても異なるのが一般的である。
解剖修復材1を構成している繊維集合体は、略長方形の板状をなしている。解剖修復材1の厚み方向の寸法は20mm以上100mm以下に設定されているが、この範囲に限られるものではなく、任意の厚みに設定することができる。また、解剖修復材1の部位によって厚みを変えるようにしてもよい。
解剖修復材1の幅方向の寸法は、例えば厚み方向の寸法の2倍から5倍に設定されている。解剖修復材1の長手方向の寸法は、例えば厚み方向の寸法の3倍から10倍に設定されている。また、解剖修復材1の幅方向の寸法及び解剖修復材1の長手方向の寸法は、部位によって変えるようにしてもよい。尚、解剖修復材1の形状は長方形に限られるものではなく、例えば正方形や平行四辺形等の四角形、三角形、五角形以上の多角形、円形、楕円形等であってもよい。
図5に示すように、解剖修復材1を構成している繊維集合体は、多数の繊維からなる第1層11、第2層12、第3層13、第4層14、第5層15、…が該繊維集合体の厚み方向に積層されて一体化したものである。上記繊維は、ポリエステル繊維が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)やこれらの共重合体からなる繊維を挙げることができる。上記繊維は、その他にも、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド繊維や、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、モダクリル繊維等の合成繊維や、レーヨン、絹、綿、麻、羊毛等の天然繊維であってもよい。また、上記した繊維を2種以上混合して使用してもよい。
上記繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維として、例えば、帝人ファイバー株式会社製 TA94 14dtex×51mmや、帝人ファイバー株式会社製 RA03 2.2dtex×51mm等を使用することができる。これら繊維に加えて、熱融着繊維としての共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維、例えば、ユニチカファイバー株式会社製 共重合PET短繊維4080(2.2dtex×51mm)を混合させることもできる。つまり、第1の繊維と、第1の繊維よりも軟化温度または溶融温度が低い第2の繊維とを混合して使用することができる。これにより、例えば両繊維を混合した状態で第2の繊維の軟化温度または溶融温度まで加熱することで、第2の繊維によって第1の繊維を接合することができ、シート状の不織布を得ることができる。第2の繊維の混合率は任意に設定することができる。
上記繊維を用いてシート状の不織布を得ることができ、それを上記各層11、12、…とする。そして、それら層11、12、…を厚み方向に重ねて互いに接合することで多層構造の解剖修復材1が得られる。上記不織布を得る方法としては、従来から周知の方法を使用することができ、上記繊維を開繊、混綿し、カーディング機を使用してカード処理を行い、また、クロスレイヤー処理も行い、さらに140℃〜200℃程度で加熱処理を行う。
各層11、12、…を構成する不織布の繊維同士の接合強度は、隣接する層、例えば第1層11と第2層12の繊維同士の接合強度よりも強く設定されており、第1層11を第2層12から引き剥がす方向の力を加えた際に、第1層11が途中で破れることなく、第2層12から分離する。第2層12と第3層13、第3層13と第4層14、…も同様の接合強度で接合されている。尚、隣接する層を分離させる際、一方の層を構成する繊維のごく一部は他方の層を構成する繊維に付着したままとなる場合もあるが、層が途中で破れないように、繊維強度及び繊維同士の接合強度が設定されている。上記繊維を接合する際には、熱融着の他、例えば接着剤等による接合であってもよいし、熱融着と接着剤とを組み合わせてもよい。
解剖修復材1の密度は40kg/m、目付量は1200g/m(30mm)とされている。解剖修復材1の密度は、例えば35kg/m以上45kg/m以下の範囲で設定するのが好ましい。また、解剖修復材1の目付量は1000g/m(30mm)以上1500g/m(30mm)以下で設定するのが好ましい。解剖修復材1の密度が35kg/mよりも小さい場合や、解剖修復材1の目付量が1000g/m(30mm)よりも小さい場合には、解剖修復材1を遺体に詰めて縫合した際に窪みができやすくなるので、上記値以上が好ましい。
一方、解剖修復材1の密度が45kg/mよりも大きい場合や、解剖修復材1の目付量が1500g/m(30mm)よりも大きい場合には、解剖修復材1を遺体に詰めて縫合した際に、解剖修復材1の形が外部に現れやすく、解剖修復材1を詰めていることが外観から判別できるようになってしまうことがあるので、上記値以下が好ましい。
解剖修復材1の硬さは、高分子機器株式会社のASKER Fタイプの硬度計を用いて測定した場合に、15°以上25°以下の範囲に設定されている。より好ましいのは、17°以上22°以下である。解剖修復材1の硬度が15°よりも小さい場合には、解剖修復材1を遺体に詰めて縫合した際に窪みができやすくなるので、上記値以上が好ましい。解剖修復材1の硬度が25°よりも大きい場合には、解剖修復材1が硬くなり過ぎ、解剖修復材1を遺体に詰めて縫合した際に、解剖修復材1の形が外部に現れやすく、解剖修復材1を詰めていることが外観から判別できるようになってしまうことがあるので、上記値以下が好ましい。
図1〜図3にも示すように、解剖修復材1には、該解剖修復材1を複数に分割するため、及び該解剖修復材1を折り曲げるための縦方向の切れ目21と横方向の切れ目22とが共に複数形成されている。縦方向の切れ目21及び横方向の切れ目22は繊維集合体の厚み方向一方側の面(図1等の上面)から他方側の面(図1等の下面)に向かって入っている。
縦方向の切れ目21、21は繊維集合体の長手方向に直線状に延びており、互いに繊維集合体の幅方向に間隔をあけて配置されている。縦方向の切れ目21の本数は1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、横方向の切れ目22、22、…は繊維集合体の幅方向に直線状に延びており、互いに繊維集合体の長手方向に間隔をあけて配置されている。横方向の切れ目22の本数は1本であってもよいし、2本程度であってもよい。縦方向の切れ目21と横方向の切れ目22とは互いに交差する方向、具体的には平面視で互いに直交する方向に延びることになる。切れ目21、22の形状は屈曲または湾曲していてもよい。
また、この実施形態では、隣り合う縦方向の切れ目21、21の間隔と、隣り合う横方向の切れ目22、22の間隔とは等しく設定されている。これにより、隣り合う縦方向の切れ目21、21と隣り合う横方向の切れ目22、22とで囲まれた部分の形状は平面視で略正方向になる。尚、隣り合う縦方向の切れ目21、21の間隔と、隣り合う横方向の切れ目22、22の間隔とは異なっていてもよい。
縦方向の切れ目21と横方向の切れ目22との深さは、繊維集合体の厚みの50%以上となるように設定されている。これにより、切れ目21、22を利用して繊維集合体を折り曲げることが可能になるとともに、切れ目21、22によって簡単に分割して小さくことが可能になる。切れ目21、22の深さは、繊維集合体の厚みの80%以上が好ましく、より好ましくは、90%以上、更に好ましいのは95%以上である。尚、切れ目21、22の深さが深くなると、解剖修復材1が手で力を加えなくても自重で折れ曲がるようになる。この程度まで切れ目21、22を深くしてもよいが、これを避けたい場合には、自重で折れ曲がらないように、切れ目21、22の深さを設定すればよい。切れ目21、22を形成する方法としては、各種カッターを使用することができる。切れ目21、22の深さは部位によって変えてもよい。切れ目21、22はスリット状であってもよい。
縦方向の切れ目21と横方向の切れ目22との交点部分20(図2〜図4に一部のみ示す)では、切れ目21、22が繊維集合体の厚み方向他方側の面(下面)に達しないようになっているが、それ以外の部分では、切れ目21、22が繊維集合体の下面に達している。尚、縦方向の切れ目21と横方向の切れ目22の全てが繊維集合体の下面に達しないようにしてもよい。また、解剖修復材1を折り曲げて使用することを考慮すると切れ目21、22が下面に達している方が好ましいが、これに限らず、切れ目21、22を解剖修復材1の厚み方向中途部までの深さとしてもよい。また、切れ目21、22は断続させてもよい。
解剖修復材1の色は、血液が付着した際にその血液が目立ちにくい色とするのが好ましく、例えば青、緑、灰色、黒色等の濃い色を挙げることができる。各種顔料や染料等を用いて着色することができる。
また、解剖修復材1を構成する繊維としては、例えば、抗菌消臭剤入りの繊維(SEK青マーク認定)を使用することができ、この繊維と、抗菌消臭剤が入らない繊維とを任意の割合で混合して使用することができる。抗菌消臭剤入りの繊維と、抗菌消臭剤が入らない繊維との混合比は、体積比で1:1が好ましいが、これに限られるものではなく、1:2〜2:1の範囲で設定することができる。また、解剖修復材1に抗菌消臭剤を含浸させてもよい。抗菌消臭剤は周知のものを使用することができる。
次に、上記のように構成された解剖修復材1を使用する場合について説明する。遺体の体腔から臓器を取り出してできた空間に解剖修復材1を詰めていく。このとき、空間の形状や大きさに合うように解剖修復材1を分割する。例えば図3に示すように、解剖修復材1の形状として、縦3つ及び横2つ分のブロックを組み合わせた形状にすることができる。その他、縦1列分のブロックを組み合わせた形状や、横1列分のブロックを組み合わせた形状にすることもできる。解剖修復材1を分割する際には、引張力を加えることによって繊維を破断させたり、ちぎったり、また、接合(接着)されている繊維を剥がせばよいので簡単である。
また、図2や図4に示すように、切れ目21、22を利用して解剖修復材1を折り曲げることが可能になる。これにより、解剖修復材1の厚みを部分的に厚くして使用したり、解剖修復材1の形状のバリエーションを増やすことが可能になる。折り曲げる角度は、図2に実線で示す角度にしてもよいし、仮想線で示す角度にしてもよく、任意に設定することができる。
さらに、図6及び図7に示すように、薄い形状の解剖修復材1を得ることもできる。すなわち、第1層11、第2層12及び第3層13を手で持ってこれら第1〜第3層11〜13を第4層14から引き剥がすように力を加えると、第3層13が第4層14から分離する。同様に、第1層11を第2層12から分離させることもできる。つまり、どの層からでも一部の層を他の層から分離させることができる。よって、厚みの異なる解剖修復材1を得ることができる。つまり、解剖修復材1の幅や長さだけでなく、厚さも容易に変えることが可能になる。
上述のようにして様々な形状の解剖修復材1を得ることができるので、遺体の体腔内の空間の大きさや形状、位置が様々であっても解剖修復材1を容易に詰めることができ、また、狭い隙間が存在する場合であっても、解剖修復材1を小さく、かつ、薄くすることでその隙間に解剖修復材1を詰めることができ、隙間を無くすことができる。
そして、縫合後には、解剖修復材1の密度や目付量、硬さが上記範囲に設定されていることで、解剖修復材1の形状が体表面に現れにくく、解剖修復材1を使用していることが外観上、判り難くなる。また、解剖修復材1は繊維からなるものなので、体液等を吸収する効果も持っており、体液の漏出を抑制することができる。
尚、解剖修復材1を構成する繊維に、例えば吸水性樹脂からなる繊維を混合させてもよい。この種の繊維としては、例えばアクリル繊維で形成された芯材である内層と、これを囲むように設けられた高吸水性外層とを有する2層構造の繊維を挙げることができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る解剖修復材は、例えば病理解剖等の現場で使用することができる。
1 解剖修復材
11 第1層
12 第2層
21 切れ目
22 切れ目

Claims (5)

  1. 遺体解剖後の修復用に体内に詰める解剖修復材であって、
    多数の繊維からなる複数の板状繊維層が表面から体液を吸収可能にその厚み方向に重ねて接合により分離可能に積層された多層構造の繊維集合体からなり、
    該繊維集合体には、複数に分割するための切れ目が上記繊維集合体の厚み方向に入るとともに互いに交差して延びるように形成されていることを特徴とする解剖修復材。
  2. 請求項1に記載の解剖修復材において
    記切れ目の深さは、上記繊維集合体の厚みの50%以上であることを特徴とする解剖修復材。
  3. 請求項1又は2に記載の解剖修復材において、
    上記繊維集合体は長方形の板状に形成され、
    上記繊維集合体の幅方向に延びる上記切れ目と、上記繊維集合体の長手方向に延びる上記切れ目とが共に複数形成されていることを特徴とする解剖修復材。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の解剖修復材において、
    上記板状繊維層に吸水性樹脂からなる繊維が混合されていることを特徴とする解剖修復材。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の解剖修復材において、
    上記板状繊維層に着色材が混入されていることを特徴とする解剖修復材。
JP2015228851A 2015-11-24 2015-11-24 解剖修復材 Active JP6626321B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015228851A JP6626321B2 (ja) 2015-11-24 2015-11-24 解剖修復材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015228851A JP6626321B2 (ja) 2015-11-24 2015-11-24 解剖修復材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017093796A JP2017093796A (ja) 2017-06-01
JP6626321B2 true JP6626321B2 (ja) 2019-12-25

Family

ID=58804223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015228851A Active JP6626321B2 (ja) 2015-11-24 2015-11-24 解剖修復材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6626321B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7360150B2 (ja) * 2019-10-18 2023-10-12 梨沙 西原 臓器収容体及び遺体解剖時の遺体の復元方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3586259B2 (ja) * 2002-04-10 2004-11-10 西原 梨沙 解剖修復材
GB0902368D0 (en) * 2009-02-13 2009-04-01 Smith & Nephew Wound packing
JP5761966B2 (ja) * 2010-11-18 2015-08-12 学校法人 久留米大学 陰圧治療用装填材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017093796A (ja) 2017-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101869675B1 (ko) 흡수성 물품
KR101082170B1 (ko) 흡수성 물품
CN103889465B (zh) 具有质量平衡侧向凸片的柔性多片体灭菌组件
BR112016019126B1 (pt) Material central para almofada, e almofada
TW201143733A (en) Disposable wearing article
DE202006018138U1 (de) Schuhstabilisierungsmaterial, Barriereeinheit, Schuhsohlenverbund und Schuhwerk
JP6495507B1 (ja) 使い捨て着用物品の伸縮構造、及びこの伸縮構造を有するパンツタイプ使い捨て着用物品
BR112017022138B1 (pt) Artigo absorvente
JP2008057078A (ja) 自毛活用型かつら
CN107847625A (zh) 液体或凝胶输送装置
KR102407389B1 (ko) 팬티 타입 일회용 기저귀
GB2521853A (en) High security blanket
JP6626321B2 (ja) 解剖修復材
WO2020189178A1 (ja) 伸縮部材及びこの伸縮部材を有する使い捨て着用物品
ES2243242T3 (es) Matriz fibrosa para absorber grasas y aceites.
CN107970090A (zh) 短裤型一次性尿布
JP5269242B1 (ja) ストレッチ機能を有する甲被を備えた履物
CN109068763A (zh) 短袜
JP2020151868A5 (ja)
JP7360150B2 (ja) 臓器収容体及び遺体解剖時の遺体の復元方法
JP2016103990A (ja) ペット用吸収性シート
JP7078433B2 (ja) パンツタイプ使い捨て着用物品
CN116763547A (zh) 外科手术用海绵
US11432665B2 (en) Patterned comforter
JP2019166217A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181113

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6626321

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250