JP6621978B2 - Mri装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、MRI装置に関する。
近年、医用画像撮像機器(以下、モダリティ装置とする)は被検体の多様な情報を低侵襲に収集できることから、医療の現場ではかかせない装置となっている。そのなかでも、磁気共鳴撮像(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置は、放射線被ばくがなく、組織のコントラスト分解能が他のモダリティ装置よりも優れていることから、多くの医療機関で使用されるようになってきている。このMRI装置は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF:Radio Frequency)パルスで励起し、励起に伴って被検体から発生する磁気共鳴信号を再構成して画像を生成する撮像装置である。MRI装置においてコントラストの良い画像を取得するためには、この高周波パルスの印加によって、被検体の原子核スピンを所望の角度に傾けることが必要である。この傾きをフリップ角といい、高周波パルスの大きさはフリップ角の角度で表される。すなわち、コントラストの良い画像を取得するためには、MRI装置から正確な高周波パルスが出力されなければならない。
また、MRI装置における高周波パルスの印加は、原子核スピンに傾きを与えるためのエネルギーとして使用される一方、一部は熱エネルギーとなり被検体を加熱し、被検体の体温を上昇させる。そこで、MRI装置の使用においては、安全面の観点から、被検体の単位質量当たりに吸収されるエネルギーとしてSAR(Specific Absorption Ratio)が定義され、SARの上限値、即ち安全基準値が、IEC(International Electrotechnical Commission)規格(IEC60601−2−33)として規定されている。より具体的には、SAR(単位はW/kg)は、生体組織1kgに吸収される高周波パルスのエネルギーとして定義され、任意の10秒間や、直近の6分間での平均SARの上限値が、全身や頭部等の撮像部位に応じてそれぞれ規定されている。このSARが安全基準を満たすように撮像するためには、被検体に印加される高周波パルスが正確でなければならない。
そこで、撮像条件等からSAR値を予測し、安全基準値を満たすように撮像単位の順序を最適化するMRI装置が提供されている(たとえば、特許文献1等)。
しかしながら、SARの安全管理を厳密に行うためには、SAR値を正確に算出する必要がある。そこで、プリスキャンと呼ばれる被検体の検査に先立って実施されるスキャンで、送信コイルに流れる電流を直接測定し、測定した電流に基づき被検体で消費された電力を算出し、SARを正確に計算するMRI装置が提供されている(たとえば、特許文献2等)。さらに、部位または寝台の位置などの係数から実際に被検体に照射される高周波パルスの損失量を加味した消費電力量を算出し、その数値からSAR値を予測し、撮像条件等を修正するMRI装置が提供されている(たとえば、特許文献3等)。
このように、被検体に照射されたエネルギーを計算することにより、正確にSAR値を算出する技術が提供されている。
特開2011-143235号公報 特開2013-144066号公報 特開2011-120873号公報
上述の技術では、より正確なSAR値を算出でき、厳密にSARによる安全管理を行うことが可能である。しかしながら、撮像条件で設定したとおりの高周波パルスが出力されているかどうか不明であり、実際に出力される高周波パルスが設定より強すぎることにより、SAR値の上昇が大きくなり、結果的に設定した撮像条件を変更する必要が生じている可能性もある。また、SAR値は正確に測れているが、設定された出力で高周波パルスが印加されていないため所望の画像コントラストが得られないなどの問題がある。
高周波パルスは1つの検査においてパルス状に何度も出力され、出力される高周波パルスは、高周波パルスの送信系回路の増幅器や送信コイルのなどに使用されている素子の加熱、負荷変動、経年劣化などにより、リアルタイムで変動する。すなわち、撮像条件の設定等において予定していた高周波パルスの出力と、実際の出力とがリアルタイムに変動し、そのような変動により、予測したSAR値より高い出力で撮像が行われ、設定された撮像条件を変更しなければならないという手間が生じたり、設定した高周波パルスより低い出力で撮像が実行されたりしため、所望の画像コントラストを得ることができない場合が起こり得る。したがって、MRI装置における検査では、SAR値が正しく測定されるとともに、撮像条件で設定した出力で高周波パルスが被検体に印加されることが必要である。
そこで、より正確な高周波パルスを被検体に印加できるMRI装置が要望されている。
本実施形態に係るMRI装置は、パルスシーケンス内で印加される高周波パルスを生成する生成部と、パルスシーケンス内の1TRの実行中に、画像信号の取得に関連する高周波パルスと、補正用の高周波パルスとを印加するシーケンス制御部と、前記補正用の高周波パルスを測定し、高周波パルスの補正値を算出する算出部とを備え、前記生成部は、前記補正用の高周波パルスが測定されたTRよりも後段のTRにて印加される画像信号の取得に関連する高周波パルスを、前記補正値に基づき補正することを特徴とする。
実施形態に係るMRI装置の一例を示す概念的な構成図。 実施形態に係るMRI装置の第1の実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。 実施形態に係るMRI装置の送信部の入出力特性を説明する図。 実施形態に係るMRI装置の第1の実施形態における動作の一例を示すフローチャート。 実施形態に係るMRI装置のSE法のパルスシーケンスにおける補正用の高周波信号の出力可能なタイミングを説明する図。 実施形態に係るMRI装置の第1の補正用の高周波信号を説明する図。 実施形態に係るMRI装置の第2の補正用の高周波信号を説明する図。 実施形態に係るMRI装置のGRE法のパルスシーケンスにおける補正用の高周波信号の出力可能なタイミングを説明する図。 実施形態に係るMRI装置の第1の補正用の高周波信号の変形例を説明する図。 実施形態に係るMRI装置の撮像用の高周波信号による入出力特性の算出方法を説明する図。 実施形態に係るMRI装置の第2の実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。 実施形態に係るMRI装置の第2の実施形態における動作の一例を示すフローチャート。
以下、本実施形態のMRI装置を添付図面に基づいて説明する。
(1)構成
図1は、実施形態に係るMRI装置の一例を示す概念的な構成図である。図1に示すように、MRI装置10は、大きく、撮像システム11と制御システム12とから構成される。
撮像システム11は、静磁場磁石21、傾斜磁場コイル22、傾斜磁場電源装置23、寝台24、寝台制御部25、送信コイル26、送信部27、受信コイル28a〜28e、ピックアップコイル28f、受信部29、検波器30およびシーケンス制御部40(シーケンスコントローラ)を備える。
静磁場磁石21は、架台(図示しない)の最外部に中空の円筒形状に形成されており、内部空間に一様な静磁場を発生する。静磁場磁石21としては、たとえば永久磁石や超伝導磁石等が使用される。
傾斜磁場コイル22は、中空の円筒形状に形成されており、静磁場磁石21の内側に配置される。傾斜磁場コイル22は、互いに直交するX,Y,Zの各軸にそれぞれ対応するXchコイル22x、Ychコイル22y、およびZchコイル22z(図示せず)が組み合わされて形成されている。3つのコイル22x、22y、22zは、後述する傾斜磁場電源装置23から個別に電流供給を受けて、X、Y、Zの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生させる。なお、Z軸方向は、静磁場と同方向とする。
ここで、傾斜磁場コイル22によって発生するX、Y、Z各軸の傾斜磁場は、たとえば、リードアウト用傾斜磁場Gr、位相エンコード用傾斜磁場Gpおよびスライス選択用傾斜磁場Gsにそれぞれ対応している。リードアウト用傾斜磁場Grは、空間的位置に応じてMR(magnetic resonance)信号の周波数を変化させるために利用される。位相エンコード用傾斜磁場Gpは、空間的位置に応じてMR信号の位相を変化させるために利用される。スライス選択用傾斜磁場Gsは、任意に撮像断面を決めるために利用される。
傾斜磁場電源装置23は、シーケンス制御部40から送られるパルスシーケンス実行データに基づいて、傾斜磁場コイル22に電流を供給する。
寝台24は、被検体Pが載置される天板24aを備えている。寝台24は、後述する寝台制御部25による制御のもと、天板24aを、被検体Pが載置された状態で傾斜磁場コイル22の撮像領域である空洞(ボア)内へ挿入する。通常、この寝台24は、長手方向が静磁場磁石21の中心軸と平行になるように設置される。
寝台制御部25は、シーケンス制御部40による制御のもと、寝台24を駆動して、天板24aを長手方向および上下方向へ移動する。
送信コイル26は、傾斜磁場コイル22の内側に配置されており、送信部27から電力供給を受けて、高周波パルスを発生する。
送信部27は、シーケンス制御部40から送られるパルスシーケンスと称するタイムチャートに従って、送信コイル26に供給する電力を制御する。送信部27における電力制御にかかわる構成については後述する。
受信コイル28a〜28eは、傾斜磁場コイル22の内側に配置されており、RF磁場の影響によって被検体Pから放射されるMR信号を受信する。ここで、受信コイル28a〜28eは、それぞれ、被検体Pから発せられた磁気共鳴信号をそれぞれ受信する複数の要素コイルを有するアレイコイルであり、各要素コイルによってMR信号が受信されると、受信されたMR信号を受信部29へ出力する。
受信コイル28aは、被検体Pの頭部に装着される頭部用のコイルである。また、受信コイル28b、28cは、それぞれ、被検体Pの背中と天板24aとの間に配置される脊椎用のコイルである。また、受信コイル28d、28eは、それぞれ、被検体Pの腹側に装着される腹部用のコイルである。また、MRI装置10は、送受信兼用のコイルを備えてもよい。
ピックアップコイル28fは、ボア内または、傾斜磁場コイル22の架台の外側などに配置され、送信コイル26から出力される補正用高周波パルスを受信する。ピックアップコイル28fが補正用高周波パルスを受信した際の信号は検波器30で検出される。検波器30で検波された信号はAD変換器(図示せず)でデジタル変換され、シーケンス制御部40を介して制御システム12に送信される。制御システム12では、取得したデータを用いて送信部27から出力される高周波パルスの補正や、SAR値の計算を行う。
受信部29は、シーケンス制御部40から送られるパルスシーケンスに基づいて、受信コイル28a〜28eからMR信号データを生成する。
シーケンス制御部40は、傾斜磁場電源装置23、寝台制御部25、送信部27、受信部29、検波器30および制御システム12と接続される。シーケンス制御部40は、図示しないプロセッサ、たとえばCPU(central processing unit)およびメモリを備えており、傾斜磁場電源装置23、寝台制御部25、送信部27、受信部29および検波器30を駆動させるために必要な制御情報、たとえば傾斜磁場電源装置23に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したパルスシーケンスを記憶する。
また、シーケンス制御部40は、記憶した所定のパルスシーケンスに従って寝台制御部25を駆動させることによって、天板24aを架台に対してZ方向に進退させる。さらに、シーケンス制御部40は、記憶した所定のパルスシーケンスに従って傾斜磁場電源装置23、送信部27、受信部29および検波器30を駆動させることによって、架台内にX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場Gzおよび高周波パルスの発生と検出を制御する。
制御システム12は、MRI装置10の全体制御や、データ収集、画像再構成、送信部27の入出力特性の算出、補正などを行う。制御システム12は、インターフェース部41、データ収集部42、データ処理部43、記憶部44、表示部45、入力部46、および制御部47を有する。
インターフェース部41は、シーケンス制御部40を介して撮像システム11の傾斜磁場電源装置23、寝台制御部25、送信部27、受信部29および検波器30に接続されており、これらの接続された各部と制御システム12との間で授受される信号の入出力を制御する。
データ収集部42は、インターフェース部41を介して受信部29から送信されるMR信号データを収集する。データ収集部42は、MR信号データを収集すると、収集したMR信号データを記憶部44に記憶させる。
データ処理部43は、記憶部44に記憶されているMR信号データに対して、後処理すなわちフーリエ変換等の再構成処理を施すことによって、被検体P内における所望核スピンのスペクトラムデータあるいは画像データを生成する。また、データ処理部43は、プレスキャンなどにおいて、位置決め画像の撮像が行われる場合には、受信コイル28a〜28eが有する複数の要素コイルそれぞれによって受信されたMR信号に基づいて、要素コイルの配列方向におけるMR信号の分布を示すプロファイルデータを要素コイルごとに生成する。そして、データ処理部43は、生成した各種データを記憶部44に格納する。
表示部45は、データ処理部43によって生成されたスペクトラムデータあるいは画像データ等の各種の情報を表示する。表示部45としては、液晶表示器等の表示デバイスを利用可能である。
入力部46は、操作者から各種操作や情報入力を受け付ける。入力部46としては、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスを適宜に利用可能である。
制御部47は、送信部27で高周波パルスを生成するために入力された電力と、送信コイル26に出力された電力とから送信部27の入出力特性を測定し、次の繰り返し時間 (TR:Repetition Time)における測定用の高周波パルスの出力を制御するための補正値を算出する。TRとは、被検体Pを励起するために印加される高周波パルスから、次に被検体Pを励起するための高周波パルスが印加されるまでの時間のことである。さらに、RF受信信号を受信するピックアップコイル28fを測定する検波器30で検出された信号に基づき、送信部27や送信コイル26へ供給される電力の補正値を算出する。また、図示していないCPUやメモリ等を有し、SAR値の算出や、上述した各部を制御することによってMRI装置10を総括的に制御する。
記憶部44は、パルスシーケンスの生成に必要な撮像条件や、データ収集部42によって収集されたMR信号データ、データ処理部43によって生成された画像データおよび算出されたSAR値や、補正値などを、被検体Pごと、撮像単位ごとに記憶する。
図2は、実施形態に係るMRI装置10の第1の実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図である。図2に示すようにMRI装置10は、送信コイル26、増幅部272、生成部275、検波器277、シーケンス制御部40、撮像条件記憶部441、算出部471から成る。増幅部272は、信号増幅器271、方向性結合器273から構成されている。このうち、算出部471は制御システム12の備えた制御部47のCPUが記憶部44に格納されたプログラムを実行することによって実現する機能である。
撮像条件記憶部441は、パルスシーケンスを規定する撮像条件を格納している。撮像条件とは、たとえば、どの種類のパルスシーケンスにより、どのような条件で高周波パルス等を送信し、どのような条件で被検体PからMR信号を収集するかを意味する。撮像条件の例としては、撮像空間内の位置的情報としての撮像領域、フリップ角、繰り返し時間TR(Repetition Time)、スライス数、撮像部位、SE(spin echo)法やパラレルイメージング等のパルスシーケンスの種類などが挙げられる。上記撮像部位とは、たとえば、頭部、胸部、腹部などの被検体Pのどの部分を撮像領域として画像化するかを意味する。パルスシーケンスの例については後述する。
生成部275は、パルスシーケンス内で印加される高周波パルスを生成する。パルスシーケンスに規定された条件に応じて基準高周波パルス(RF搬送波)から、所定の波形の高周波パルスを生成する。また、生成部275は、補正用の高周波パルスが測定されたTRよりも後段のTRにて印加される画像信号の取得に関連する高周波パルスを、補正値に基づき補正する。生成部275で生成される高周波パルスには、送信部27の利得やリニアリティといった入出力特性の補正(以下、単に送信部27の補正と呼ぶ)を行うための補正用の高周波パルスと、被検体Pを撮影するための撮像用の高周波パルスのいずれかが生成される。生成されるこれらの高周波パルスについては後述する。
信号増幅器271は、生成部275で生成された高周波パルスを増幅して方向性結合器273を介して送信コイル26に与える。増幅された高周波パルスは送信コイル26に伝送される。
方向性結合器273は、信号増幅器271から送信コイル26に伝送される高周波パルスを所定の結合度(カップリング係数)で減衰させて分岐する高周波デバイスである。方向性結合器273の出力信号は、MR信号処理基板の検波器277で検波され、AD変換器(図示せず)でデジタル変換される。AD変換器で変換されたデータは、シーケンス制御部40を介して、制御システム12に送信される。制御システム12では、取得したデータを用いて送信部27の補正や、SAR値の計算を行う。
算出部471は、補正用の高周波パルスを測定し、高周波パルスの補正値を算出する。算出部471はAD変換器の出力データを受信し、送信部27の補正値を算出する。算出部471での補正値の算出方法については後述する。
シーケンス制御部40は、パルスシーケンス内の1TRの実行中に、画像信号の取得に関連する高周波パルスと、補正用の高周波パルスとを印加する。シーケンス制御部40は、算出部471で算出した入出力特性に応じて、その入出力特性を算出したTR以降のTRで出力される高周波パルスの生成のために生成部271で生成される高周波パルスの大きさ、あるいは信号増幅器271への入力電力などを調整する。
図3は、実施形態に係るMRI装置10の送信部27の入出力特性を説明する図である。送信部27は、高周波パルスの送信系回路の信号増幅器271や送信コイル26のなどに使用されている素子の加熱、負荷変動、経年劣化などにより入出力特性が変動する。また、信号増幅器271と送信コイル26とにかかる抵抗値のバランスなどによっても、信号増幅器271から送信コイル26に入力される電力が異なり、実際に送信される高周波パルスが撮像条件で設定された出力と異なることがある。
図3の実線は、MRI装置10の据え付け時に測定された送信部27の入出力特性を示した例である。図3の一点鎖線の入出力特性Aおよび、破線の入出力特性Bは実際に稼働させた後のMRI装置10における送信部27の入出力特性の例を示している。入出力特性Aは、信号増幅器271に入力された入力電力に対して、検波器277で検出された出力電力Aが据え付け時の入出力特性から予測される予測出力電力より大きい値が出力されている。一方、入出力特性Bは、信号増幅器271に入力された入力電力に対して、検波器277で検出された出力電力Bが据え付け時の入出力特性から予測される予測出力電力より小さい値となっている。また、入出力特性Bは、入力電力が大きくなるほど、傾きが小さくなり、据え付け時の入出力特性から大きく乖離した出力になることがわかる。
図3に示した送信部27の入出力特性の変化は、送信部27や送信コイル26の素子の加熱や抵抗値の変化などの影響を受ける。通常MRI装置での撮像では、本格的に画像の撮像を始まる前に撮像が正しく行われるようにいくつかの設定の較正を行っている。この較正のことをプリスキャン(prescan)と呼ぶ。このプリスキャンでは、高周波パルスの中心周波数を算出するシーケンスが行われ、1検査ごとに高周波パルスの出力補正が行われている。しかしながら、図3に示したような変化は、MRI装置の稼働中刻々と変化し、1TRごとに変動することが考えられる。
そこで、本発明に係るMRI装置10は、変動する送信部27の入出力特性をリアルタイムで測定し、撮像条件から勘案される高周波パルスを正確に出力するものである。
(2)動作
図4は、実施形態に係るMRI装置10の第1の実施形態における動作の一例を示すフローチャートである。
図4のST101では、生成部275が補正用の高周波パルスを生成する。
ST103では、生成された高周波パルスが信号増幅器271を介して送信コイル26に出力される。
ST105では、送信コイル26に出力される際の信号が方向性結合器273によって減衰された出力信号は、MR信号処理基板の検波器277で測定される。
ST107では、測定された信号がシーケンス制御部40を介して算出部471に送られ、測定された信号に基づき送信部27の入出力特性が測定され、補正値が算出される。
ST109では、算出部471は算出された補正値に基づき、生成部275が撮像用の高周波パルスを生成するための基準高周波パルスの大きさを補正する数値を算出する。また、算出された補正値に基づき、信号増幅器271への入力電力が調整され、送信部27は補正後の撮像用の高周波パルスを出力する。
図5は、実施形態に係るMRI装置10のSE法のパルスシーケンスにおける補正用の高周波パルスの出力可能なタイミングを説明する図である。図5に示した線図は、SE(spin echo)法におけるパルスシーケンスを示したものである。上から、高周波パルス、スライス選択用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Gpおよびリードアウト用傾斜磁場Gr、MR信号を示しており、一番下の矢印は時間を示している。SE法は、励起パルスを与えた後、FID(Free Induction Decay)信号が減衰し、再びエコーとして帰ってくる信号を用いる方法である。具体的には、図5に示すように、フリップ角90°の励起パルスを印加した後、エコーの帰ってくるまでの時間をエコー時間(TE)とした場合、その時間の半分(TE/2)の時間後にフリップ角180°のリフォーカスパルスを印加する。リフォーカスパルスの印加により、拡散した横磁化が収束し、TE時間でエコー信号を生じるので、これを受信コイル28で受信する。SE法は、磁場の不均一性による影響を相殺できるため、静磁場が少々不均一であったり、磁場を変化させる物質(磁化率の高い物質)があっても、その影響を最小限にとどめることができる撮像方法である。
図5においてTRで示す矢印で示された間隔が繰り返し時間である。すなわち、SE法においては、フリップ角90°パルスと次のフリップ角90°パルスまでの時間がTRである。1回の検査は複数の撮像単位から構成され、1つの撮像単位は複数のTRから構成されている。1つの撮像単位ではこのTRが画像の再構成に必要な回数分繰り返し実行される。
図5に示した領域Aは、SE法におけるシーケンスで補正用の高周波パルスを出力するタイミングの例を示している。このように、シーケンス制御部40はパルスシーケンスの一部に補正用の高周波パルスが付加される。補正用の高周波パルスを出力するタイミングは、パルスシーケンスにおいて、画像再構成のために収集されるMR信号に影響を与えないタイミングや出力条件で行われる必要がある。すなわち、SE法においては、領域Aと同じタイミングで傾斜磁場パルスを印加することで、画像化領域外に影響範囲を移動させることができる。また、補正用の高周波数信号の周波数を画像化帯域に含まれないような出力条件に設定することによって、画像化領域外に影響範囲を移動させることができる。補正用の高周波パルスを出力するタイミングは、たとえば、図5の領域Aで示すように、画像再構成のためのMR信号の収集が完了した直後から、次のTRが始まる前までである。上述のタイミングで補正用の高周波パルスを印加する場合は、TRの時間を補正用の高周波パルスを印加しない場合よりも長くすることで、次のTRでの撮像に影響を与えることなく、補正用の高周波パルスを印加できる。また、補正用の高周波パルスを印加する際に、撮像に無関係の部分をスライス選択することで、画像化領域外に補正用高周波パルスによる影響を移動させることができ、TRを延長せずに補正用の高周波パルスを印加することができる。たとえば、腹部の撮像を行う場合、補正用の高周波パルスを印加するタイミングで脚部など撮像と関係しない部分が選択されるよう傾斜磁場を同時に印加することで、腹部の撮像部位に影響を与えることなく補正用の高周波パルスを印加することができる。
図6は、実施形態に係るMRI装置10の第1の補正用の高周波パルスを説明する図である。図6(a)には、生成部275で生成される補正用の高周波パルスの例として、三角波が例示されている。縦軸は電力、横軸は時間を示している。この三角波は撮像用の高周波パルスの出力を包含する振幅で出力される。たとえば、図5で説明したSE法においては、撮像用の高周波パルスとして、少なくともフリップ角90°の励起パルスおよびフリップ角180°のリフォーカスパルスのRF出力に該当する電力を含む高周波パルスが出力される。具体的には、補正用の高周波パルスとして、フリップ角180°の高周波パルスを出力する際に送信コイル26に供給される電力以上のピーク電力を供給する三角波が出力される。図6(a)に示すように、出力した三角波について複数の点で生成部275から出力される電力と、検波器277で検出される出力電力とをサンプリングし、送信部27の入出力特性を測定する。
なお、補正用の高周波パルスの出力には十数ms(ミリ秒)程度の短い時間で完了するため、TR間隔が100msから1000msといった大きさで実施されることを鑑みても、非常に短い時間で測定を行うことができる。したがって、このような補正用の高周波パルスが被検体Pに照射されたとしても、被検体Pの体温は急速に上昇されることはなく、SAR値の変動には大きな影響を与えない。
図6(b)は、図6(a)に例示した三角波から測定された送信部27の入出力特性を示すグラフである。縦軸は出力電力、横軸は入力電力を示している。実線は検波器277で検出された出力電力を検出したグラフを示し、破線は入力された三角波について、撮像条件に設定された条件などから予想される出力電力に基づくグラフを示している。図6(b)の実線で示したグラフは、入力電力に比べて出力電力が低い例を示しており、入力電力が図6(a)における90°パルス付近で予測される出力から大きく乖離している。図6(b)の矢印は、算出部471で算出される補正値を示しており、実際に出力された電力と、入力電力に応じて予測される出力電力との差から算出される。
図6(c)は、図6(b)と同様に、図6(a)に例示した三角波から測定された送信部27の入出力特性を示すグラフである。図6(c)は図6(b)と異なり、入力電力に比べて出力電力が高い例を示しており、入力電力が大きくなるにしたがって出力電力が予測される出力より大きくなっている。図6(c)の矢印は、図6(b)と同様に、算出部471で算出される補正値を示しており、実際に出力された電力と、入力電力に応じて予測される出力電力との差から算出される。
図7は、実施形態に係るMRI装置10の第2の補正用の高周波パルスを説明する図である。図6(a)では、補正用の高周波パルスとして三角波を用いる例を示したが、図7(a)では、sinc波を用いる例を示している。縦軸は電力、横軸は時間を示している。このsinc波は、図6(a)の三角波同様、撮像用の高周波パルスの出力を包含し、複数の点で生成部275から出力される電力と、検波器277で検出される出力電力とがサンプリングされ、送信部27の入出力特性が測定される。
図7(b)では、実線は検波器277で検出されたsinc波を、破線は生成部275から出力されたsinc波を示している。図7(b)の例では、振幅が大きい箇所において、実際に出力されたsinc波の振幅が小さくなっている例を示している。このように予測されるsinc波と実際に検出されたsinc波との差の部分から、算出部471は補正値を算出する。
図7(c)は、図7(a)で示したsinc波から測定された送信部27の入出力特性を示すグラフである。図7(b)と同様に、実線は検波器277で検出された出力電力を、破線は、送信コイル26に出力される出力電力を示す。図7(b)からも明らかなように、振幅が大きい、すなわち、電力が高い場合に予測出力と実出力とに大きな乖離が発生することがわかる。
上述のMRI装置10は、1TRの画像再構成に影響がないタイミングで、補正用の高周波パルスを出力し、実際に出力された信号から送信部27の入出力特性を算出することによって、次以降に実行されるTRの撮像用の高周波パルスの補正を行うものである。このようにTRごとに送信部27の入出力特性を測定することで、リアルタイムに送信部27の補正を行うことができ、より撮像条件に忠実な高周波パルスを出力することができることによって、画質のコントラストの向上や、SARの安全管理を厳格に行うことを可能とする。
図5では、SE法における補正用の高周波パルスの印加タイミングを例にとって説明したが、補正用の高周波パルスを印加できるタイミングは、それに限られない。
図8は、実施形態に係るMRI装置10のGRE法のパルスシーケンスにおける補正用の高周波パルスの出力可能なタイミングを説明する図である。GRE(Gradient Recalled Echo)法は、高周波パルスの照射によりスピンを励起後、一旦、リードアウト用傾斜磁場Gr方向の傾斜磁場を反転し、その後再び傾斜磁場を正しい方向からかけることによりスピンの位相が揃いエコー信号が得られる手法である。リードアウト用傾斜磁場Grをあらかじめ与えておき、これを反転すると、位相の進んだスピンは遅くなり、逆に遅れたスピンは早くなるため、拡散した信号は再び収束してエコー信号を生じる。励起時に90°のフリップ角を用いなくても良いため回復時間を短くでき、SE法に比べて高速に撮像可能な方法である。
図8は、GRE法におけるパルスシーケンスを示したものであり、図5と同様に、上から、高周波パルス、スライス選択用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Gpおよびリードアウト用傾斜磁場Gr、MR信号を示しており、一番下の矢印は時間を示している。また、TRで示す矢印で示された間隔は繰り返し時間(TR)を示している。上述したとおり、GRE法では、図5のSE法と異なり、励起パルスは1回で、図8ではα°で示すようにフリップ角90°のパルスを必要としない。さらに、フリップ角180°のリフォーカスパルスを用いないため、静磁場の不均一性の影響をキャンセルすることができない。そこで、信号収集後にspoilerと呼ばれるパルスを与えて、残留磁化を消去させる方法により高速に撮像を行う方法が提供されている。このようなGRE法のパルスシーケンスでは、図8の領域Bが示すように、補正用の高周波パルスをspoilerパルスが出力されるタイミングで出力することで、次のシーケンスに影響を与えることなく、送信部27の入出力特性を測定することができる。
図5および図8においては、1つのTRで複数のサンプリングを行う例を示したが、サンプリング回数は1回以上であれば、その回数は限定されない。また、補正用の高周波パルスの大きさも、TRごとに同じ大きさで出力してもよいし、異なる出力または、三角波、sinc波を交互に出力するなどのパターンで測定を行ってもよい。さらに、補正のタイミングについても、取得した補正値を直後のTRに反映させてもよいし、補正値を取得したTRの複数回後に実行されるTRに反映させてもよい。また、複数回のTRに渡って取得された補正値の平均値または中央値を算出し、高周波パルスの補正を行ってもよい。
図9は、実施形態に係るMRI装置10の第1の補正用の高周波パルスの変形例を説明する図である。図9は、図6の例で示した三角波を様々な大きさで、異なるTRに渡って出力する例を示している。
図9(a)に破線で示した三角波は図6(a)と同じものを示している。実線で示した3つの三角波は図6(a)の三角波のサンプリング点のいずれかを頂点とする三角波を示している。左から順に、三角波A、三角波B、三角波Cとする。
図9(b)は、この3つの実線で示した三角波AからCを、それぞれ異なるTRで出力する例を示している。図9(b)はTR1では三角波Aが、TR2では三角波Bが、TR3では三角波Cが出力され、TR4では再度三角波Aが出力される例を示している。図9(b)では、それぞれのTRで補正値が算出され、TR1では補正値±a、TR2では補正値±b、TR3では補正値±c、TR4では補正値±dのように、異なる大きさの三角波を別々に出力しても、それぞれの三角波について補正値が算出される。また算出された補正値は、次のTRにおける撮像用の高周波パルスの生成に反映させてもよい。さらに、複数のTRに渡って取得した補正値を用いて、補正値を取得したTRより後に実行されるいずれかのTRで出力される高周波パルスを補正してもよい。たとえば、図9(b)を例とすると、TR1および2で取得した補正値±aおよび±bから補正値を算出し、その後のTRであるTR3またはTR4における高周波パルスの出力を補正してもよい。それぞれの三角波において複数のサンプリングを行うことができ、送信部27の入出力特性を測定することができる。また、サンプリング回数が一点であったとしても、予定出力と実出力との差から所望の出力における実出力を予測することで、補正値を算出することができる。
このように、複数の大きさの異なる補正用の高周波パルスを出力する方法を用いることで、通常の三角波やsinc波を用いるより、短い時間で信号を印加することができる。また、たとえば、三角波やsinc波の周波数を小さくすることで、より細かいサンプリングを行うことができることから、より正確な入出力特性を測定することができる。さらに、図9では、図6(a)の三角波に内接する三角波を示したが、互いに相似関係にある三角波を異なるTRで出力してもよい。
上述では、撮像用の高周波パルス以外に補正用の高周波パルスを印加することで、送信部27の入出力特性を測定する方法を示した。しかし、これに限定されるものではなく、撮像用の高周波パルスを、補正用の高周波パルスとして用いることも可能である。すなわち、上述のように、パルスシーケンスの実行において補正用の高周波パルスを出力せずとも、実際の撮像用の高周波パルスについて生成部275から送信コイル26へと入力される入力電力と、検波器277で検出される出力電力とから算出部471は送信部27の入出力特性を測定し、補正値を算出することができる。
図10は、実施形態に係るMRI装置の撮像用の高周波パルスによる入出力特性の算出方法を説明する図である。図10は、図6および図7と同様に、送信部27の入出力特性を示すグラフである。縦軸は出力電力、横軸は入力電力を示している。点はSE法において印加されるフリップ角90°およびフリップ角180°のパルスについて検波器277で検出された出力電力をそれぞれ示している。破線は、撮像条件に設定された条件などから予想される出力電力に基づくグラフを示している。一点鎖線は、フリップ角90°およびフリップ角180°のパルスについて測定された2点から、送信部27の現在の入出力特性をグラフ化したものを示している。これらの2点からそれぞれ補正値を算出することもできるし、いずれか一点を検出した場合でも、算出された補正値から他方の出力における補正値を予測することができる。
このように、それぞれのTRごとに送信部27の入出力特性が測定され、正確な高周波パルスが印加されることで、撮像条件で設定された条件に限りなく近い条件で撮像を行うことができ、画像コントラストの向上や、画像再構成または画像処理の精度が向上する。さらに、正確なSAR値をリアルタイムで算出することができるため、より効率のよい順序や撮像条件での撮像が可能となる。
第1の実施形態では、送信部27が備えた構成により入力電力と出力電力とを測定することで、送信部27の入出力特性を測定する方法を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。以下に示す第2の実施形態では、送信コイル26から実際に出力された高周波パルスを架台付近またはボア内に設置したピックアップコイルで受信した信号に基づき、MRI装置10の入出力特性を測定する方法を説明する。
図11は、実施形態に係るMRI装置11の第2の実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図である。第1の実施形態と同一の構成には同一の番号が付されている。以下、図2と異なる構成についてのみ説明する。
図11に示すように、第2の実施形態に係るMRI装置11は、第1の実施形態の構成に加えて、ピックアップコイル28fおよび検波器30を備えている。
ピックアップコイル28fは、送信コイル26から出力された補正用の高周波パルスを受信する。
検波器30は、ピックアップコイル28fが補正用の高周波パルスを受信した際の電圧を測定し、出力電圧を取得する。取得した出力電圧は、シーケンス制御部40を介して算出部471に送信される。算出部471では、取得した出力電圧と、生成部275が送信コイル26に補正用の高周波パルスを送信したときの出力電圧とから、補正値が算出される。
図12は、実施形態に係るMRI装置10の第2の実施形態における動作の一例を示すフローチャートである。図10と同様に、第1の実施形態と同一の処理には同一の番号が付されている。以下、図4と異なる処理についてのみ説明する。
ST151では、補正用の高周波パルスをピックアップコイル28fが受信する。
ST153では、検波器30が出力電圧を検出する。
ST155では、算出部471が、生成部275が送信コイル26に入力した入力電圧と、検波器30が取得した出力電圧とから、MRI装置10の入出力特性を算出し、次の撮像用の高周波パルスの出力補正を行う。
なお、第2の実施形態における補正用の高周波パルスの出力タイミングは第1の実施形態と同じである。
このように、第2の実施形態では、実際に出力された高周波パルスをボア内または架台付近に設置したピックアップコイル28fを用いて測定することで、第1の実施形態と比較して送信コイル26からの出力を含めたMRI装置10の送信回路系全体の入出力特性を測定することができる。すなわち、送信コイル26から実際に被検体Pに印加される高周波パルスを直接的に測定することで、送信コイル26における損失や負荷変動を加味した補正を行うことが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10 MRI装置
26 送信コイル
272 増幅部
271 信号増幅器
273 方向性結合器
275 生成部
277 検波器
40 シーケンス制御部
441 撮像条件記憶部、
471 算出部

Claims (11)

  1. パルスシーケンス内で印加される高周波パルスを生成する生成部と、
    パルスシーケンス内の1TRの実行中に、画像信号の取得に関連する高周波パルスと、補正用の高周波パルスとを印加するシーケンス制御部と、
    前記補正用の高周波パルスを測定し、高周波パルスの補正値を算出する算出部とを備え、
    前記生成部は、前記補正用の高周波パルスが測定されたTRよりも後段のTRにて印加される画像信号の取得に関連する高周波パルスを、前記補正値に基づき補正し、
    前記シーケンス制御部は、残留磁化を消失させる傾斜磁場が印加されるタイミングで前記補正用の高周波パルスを印加する、
    ことを特徴とするMRI装置。
  2. パルスシーケンス内で印加される高周波パルスを生成する生成部と、
    パルスシーケンス内の1TRの実行中に、画像信号の取得に関連する高周波パルスと、補正用の高周波パルスとを印加するシーケンス制御部と、
    前記補正用の高周波パルスを測定し、高周波パルスの補正値を算出する算出部とを備え、
    前記生成部は、前記補正用の高周波パルスが測定されたTRよりも後段のTRにて印加される画像信号の取得に関連する高周波パルスを、前記補正値に基づき補正し、
    前記補正用の高周波パルスとして三角波を使用する、
    ことを特徴とするMRI装置。
  3. パルスシーケンス内で印加される高周波パルスを生成する生成部と、
    パルスシーケンス内の1TRの実行中に、画像信号の取得に関連する高周波パルスと、補正用の高周波パルスとを印加するシーケンス制御部と、
    前記補正用の高周波パルスを測定し、高周波パルスの補正値を算出する算出部とを備え、
    前記生成部は、前記補正用の高周波パルスが測定されたTRよりも後段のTRにて印加される画像信号の取得に関連する高周波パルスを、前記補正値に基づき補正し、
    前記補正用の高周波パルスは、異なるTR間で異なる大きさで出力される、
    ことを特徴とするMRI装置。
  4. 前記算出部は、前記補正用の高周波パルスを出力するたびに補正値を算出し、
    前記成部は、前記補正値に応じて、前記補正値を算出したTRより後に実行されるTRで出力される像用の高周波信号を補正した、補正後の撮像用の高周波信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のMRI装置。
  5. パルスシーケンス内で印加される高周波パルスを生成する生成部と、
    パルスシーケンス内の1TRの実行中に、画像信号の取得に関連する高周波パルスと、補正用の高周波パルスとを印加するシーケンス制御部と、
    前記補正用の高周波パルスを測定し、高周波パルスの補正値を算出する算出部とを備え、
    前記生成部は、前記補正用の高周波パルスが測定されたTRよりも後段のTRにて印加される画像信号の取得に関連する高周波パルスを、前記補正値に基づき補正し、
    前記算出部は、前記補正用の高周波パルスが所定の回数出力されるたびに補正値を算出し、
    前記生成部は、前記補正値が算出されたタイミングに応じて像用の高周波パルスの出力を補正した補正後の撮像用の高周波パルスを生成する、
    ことを特徴とするMRI装置。
  6. 前記補正用の高周波パルスとして、像用の高周波パルスを代用する、
    ことを特徴とする請求項1、乃至のいずれか1項に記載のMRI装置。
  7. 前記補正用の高周波パルスとしてsinc波を使用する、
    ことを特徴とする請求項1、乃至のいずれか1項に記載のMRI装置。
  8. 前記シーケンス制御部は、画像化領域外を選択して前記補正用の高周波パルスを印加する、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のMRI装置。
  9. 前記補正用の高周波パルスは、前記高周波パルスを受信する受信コイルであるピックアップコイルで測定される、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のMRI装置。
  10. 前記補正用の高周波パルスは前記生成部から出力される高周波パルスを入力する方向性結合器を介して測定される、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のMRI装置。
  11. 前記補正用の高周波パルスは、像用の高周波パルスの最大値および最小値を包含する大きさで出力される、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のMRI装置。
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