以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成要素については同じ符号を付している。
(実施の形態)
以下、実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
[位置確認システムの構成]
図1は、実施の形態に係る位置確認システム1の一例を示す構成図である。なお、図1には、位置確認システム1の構成要素ではない情報端末100及び機器200も示されている。
位置確認システム1では、情報端末100は、施設10から送信される施設10のネットワークの信号及びビーコン信号を受信する。施設10のネットワークの信号は、wifi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)に接続するための信号であり、後述するネットワーク形成部30が送信する信号である。ビーコン信号は、BLEに準拠したビーコン信号であり、後述するビーコン送信部20が送信する信号である。
情報端末100は、施設10のネットワークの信号及びビーコン信号に応じて所定の処理を行い、情報端末100が施設10の内部から外部に移動したか否か、又は、情報端末100が施設10の外部から内部に移動したか否か判定する。ここで、情報端末100が施設10の内部から外部へ移動したとは、例えば、情報端末100が施設10から施設10のネットワークの信号が送信される範囲よりも遠くへ離れたことを意味する。具体的には、情報端末100が施設10の内部から外部へ移動したとは、施設10から例えば100m程度遠くへ離れたことを意味する。また、情報端末100が施設10の外部から内部へ移動したとは、例えば、情報端末100が施設10のネットワークの信号が送信される範囲よりも遠くから施設10の周辺へ近づいたことを意味する。具体的には、情報端末100が施設10の外部から内部へ移動したとは、情報端末100が施設10から100m程度離れたところから施設10から4m程度の範囲内へ移動ことを意味する。情報端末100は、情報端末100が施設10の内部から外部に移動したと判定した場合、情報端末100が施設10の内部から外部に移動したことを示す情報を位置確認システム1に送信する。また、情報端末100は、情報端末100が施設10の外部から内部に移動したと判定した場合、情報端末100が施設10の外部から内部に移動したことを示す情報を位置確認システム1に送信する。
そして、位置確認システム1は、情報端末100が施設10の内部から外部に移動したことを示す情報を受信することで、ユーザが外出したことに応じた制御を施設10に設置された機器200に対して行う。また、位置確認システム1は、情報端末100が施設10の外部から内部に移動したことを示す情報を受信することで、ユーザが帰着したことに応じた制御を施設10に設置された機器200に対して行う。
このように位置確認システム1は、情報端末100を携帯しているユーザが施設10から外出したとき又は施設10に帰着したときに、機器200に対してユーザが外出したこと又は帰着したことに応じた制御をさせるシステムである。
なお、施設10は、例えば戸建て等の住宅であるが、集合住宅であってもよい。また、施設10は、集合住宅を構成する個々の住戸であってもよい。また、施設10は、工場又はオフィス等の住宅ではない施設であってもよい。
位置確認システム1は、ビーコン送信部20及び機器管理装置50を備える。
ビーコン送信部20は、施設10に設けられ、ビーコン信号を送信する。ビーコン送信部20は、BLEに準拠して、ビーコン信号を繰り返し送信するビーコン発信機である。ビーコン送信部20は、施設10における屋内、屋外の任意の場所に設置して利用され得る。本実施の形態では、ビーコン送信部20は、施設10の入り口付近の屋内又は屋外に配置される。
機器管理装置50は、位置確認システム1に用いられる装置であり、施設10に設けられ、施設10における機器200を制御する装置である。機器管理装置50は、メモリ等の記憶媒体、プロセッサ等を備える。また、機器管理装置50は、いわゆるアクセスポイントとしても機能し、機能構成要素としてネットワーク形成部30及び受信部40を備える。ネットワーク形成部30及び受信部40は、記憶媒体に格納された制御プログラムを実行するプロセッサ等により実現されてもよい。また、機器管理装置50は、例えば無線又は有線のLANを介して機器200と通信可能に構成されており、機器管理装置50が備える制御部(図示せず)は、機器200に機器制御信号を送信することで、機器200の制御を行う。
ネットワーク形成部30は、wifi(登録商標)等の無線LANに接続するための施設10のネットワークの信号を送信する。ネットワーク形成部30が送信した施設10のネットワークの信号を受信した情報端末100は、インターネットにアクセスすることができる。
受信部40は、情報端末100が施設10の内部から外部に移動したことを示す情報を情報端末100から受信する。受信部40と情報端末100との間の通信には、例えば、第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)、又は、LTE(登録商標)等のような移動通信システムで利用される通信規格が適用される。
情報端末100は、スマートフォン、タブレット等の端末装置であり、施設10のユーザに携帯され、ユーザの移動に付随して移動する。情報端末100は、メモリ、プロセッサ、入力装置、表示装置、通信回路等を備えるコンピュータである。表示装置は例えばLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ(タッチパネルディスプレイ)であり、入力装置は例えばスイッチ、ボタン、キーボード等の操作部或いはタッチパネルディスプレイ等である。メモリは、プログラム及びデータを予め保持しているROM(Read Only Memory)、プログラムの実行に際してデータ等の記憶に利用するためのRAM(Random Access Memory)等であり、例えば不揮発性メモリを含んでいても良い。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行することにより情報端末100が施設10の内部から外部に移動したか否かの判定のための処理及び情報端末100が施設10の外部から内部に移動したか否かの判定のための処理を行う。情報端末100は、ビーコン送信部20が送信するBLEに準拠したビーコン信号及びネットワーク形成部30が送信する施設10のネットワークの信号を受信可能である。情報端末100の動作については、後述する図3及び図5で詳細に説明する。
また、情報端末100は、BLEに準拠したビーコン信号を受信したときに、所定のアプリケーション(プログラム)を起動する。つまり、ユーザが、自らアプリケーションを起動しなくてもよく、情報端末100がビーコン信号の送信される範囲内に入ることで、自動でアプリケーションを起動させることができる。
また、情報端末100は、iBeacon(登録商標)機能により、情報端末100が受信したビーコン信号の受信強度に応じてビーコン送信部20と情報端末100との距離を推定する。推定される距離は、例えばImmediate(接近)、Near(近い)、Far(遠い)で表される受信強度の範囲に応じて推定される。Immediateは、ビーコン送信部20と情報端末100との距離が例えば50cm未満に対応する受信強度の範囲である。Nearは、ビーコン送信部20と情報端末100との距離が例えば50cm以上4m未満に対応する受信強度の範囲である。Farは、ビーコン送信部20と情報端末100との距離が例えば4m以上10m未満に対応する受信強度の範囲である。
機器200は、施設10において機器管理装置50からの機器制御信号を受信可能な電気機器であり、例えば照明器具、エアコン及び電気錠システム(施設10の入り口の施錠及び解錠を行うシステム)等である。機器200は、機器管理装置50から機器制御信号を受けた場合にその機器制御信号に従って動作する機能を有する。
ここで、施設10のネットワークの信号が送信される範囲とビーコン信号が送信される範囲について説明する。
図2は、施設10のネットワークの信号及びビーコン信号が送信される範囲の一例を示す図である。
図2に示される範囲20aは、BLEに準拠したビーコン信号が送信される範囲である。範囲20aは、ビーコン送信部20から約10m(上述したFarで表される受信強度の下限に対応する距離)の範囲である。また、図2に示される範囲30aは、wifi(登録商標)等の施設10のネットワークの信号が送信される範囲である。範囲30aは、ネットワーク形成部30から約100mの範囲である。したがって、図2に示されるように、施設10のネットワークの信号が送信される範囲30aは、ビーコン信号が送信される範囲20aよりも広い。また、施設10のネットワークの信号が送信される範囲30aと、ビーコン信号が送信される範囲20aとは、重複した部分を有する。図2に示されるように、ビーコン送信部20及びネットワーク形成部30は、施設10の内部に配置されるため(ただし、ビーコン送信部20は、施設10の入り口付近であれば、施設10の外部でもよい)、一般的には、施設10のネットワークの信号が送信される範囲30aは、ビーコン信号が送信される範囲20aを全て含む。
このように、施設10のネットワークの信号が送信される範囲30aは、ビーコン信号が送信される範囲20aよりも広く、かつ、施設10のネットワークの信号が送信される範囲30aと、ビーコン信号が送信される範囲20aとは、重複した部分を有する。
[情報端末の動作:外出時]
まず、ユーザが施設10から外出するときの情報端末100の動作について、図3を用いて説明する。なお、ユーザが施設10に帰着するときの情報端末100の動作については、後述する図5を用いて説明する。
図3は、実施の形態に係る情報端末100における外出判定処理の一例を示すフローチャートである。情報端末100は、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行することで、外出判定処理を行う。プログラムは例えばアプリケーションプログラムである。つまり、外出判定処理は、例えばアプリケーションにより実行される。なお、このアプリケーションは、情報端末100がビーコン信号を受信したときに起動してもよい。これにより、情報端末100は、アプリケーションを常に起動しなくてもよく、ビーコン信号を受信したときにアプリケーションを起動できるため、情報端末100の消費電力を抑制することができる。
情報端末100は、情報端末100がビーコン信号を受信した後に、施設10のネットワークの信号及びビーコン信号の受信状況を確認する(ステップS11)。例えば、情報端末100がビーコン信号を受信することでアプリケーションが起動し、アプリケーションは、情報端末100に、施設10のネットワークの信号及びビーコン信号の受信状況を確認させる。施設10のネットワークの信号及びビーコン信号の受信状況の確認は、例えば、予め決められた所定のタイミング毎に行われる。また、受信状況の確認とは、情報端末100がそれぞれの信号を受信しているか否かの確認をすることである。言い換えると、受信状況の確認とは、それぞれの信号の受信状況が受信可能な状態であるか受信不可能な状態であるかを確認することである。
次に、情報端末100は、受信状況が、ビーコン信号、施設10のネットワークの信号の順序で受信可能な状態から受信不可能な状態に変化したか否かを判定する(ステップS12)。例えば、上述したアプリケーションは、情報端末100に、受信状況が、ビーコン信号、施設10のネットワークの信号の順序で受信可能な状態から受信不可能な状態に変化したか否かを判定させる。ステップS12での処理において、Yesとなるときの条件については、後述する図4で詳細に説明する。
情報端末100が、受信状況が、ビーコン信号、施設10のネットワークの信号の順序で受信可能な状態から受信不可能な状態に変化していないと判定した場合(ステップS12でNo)、情報端末100は、ステップS12の処理を繰り返す。
一方、情報端末100が、受信状況が、ビーコン信号、施設10のネットワークの信号の順序で受信可能な状態から受信不可能な状態に変化したと判定した場合(ステップS12でYes)、情報端末100は、情報端末100が施設10の内部から外部に移動したと判定する(ステップS13)。このとき、情報端末100は、情報端末100が施設10の内部から外部に移動したことを示す情報を例えば情報端末100が備える記憶部(図示せず)に記憶する。そして、情報端末100は、情報端末100が施設10の内部から外部に移動したことを示す情報を受信部40に送信する。また、機器管理装置50は、機器200に応じた機器制御信号を機器200に送信し、機器200を制御する。機器200が例えば照明器具の場合に、照明器具が点灯していれば照明器具は消灯させられる。機器200が例えばエアコンの場合に、エアコンが稼働していればエアコンの電源は切られる。また、機器200が例えば電気錠システムの場合に、施設10の入り口の鍵が開いている状態であれば、施錠される。
ここで、受信状況が、ビーコン信号、施設10のネットワークの信号の順序で受信可能な状態から受信不可能な状態に変化したと判定される条件、言い換えると、ユーザが外出したと判定される条件について図4を用いて詳細に説明する。
図4は、ユーザが外出したと判定される条件を説明するための図である。図4では、ユーザが情報端末100を携帯していることを模式的に示している。また、図4に示される右方向が、ユーザが施設10から離れる方向となっている。
図4の左側に示される(1)のように、情報端末100を携帯しているユーザが施設10から出るときには、情報端末100は、施設10のネットワークの信号及びビーコン信号の送信される範囲内にあり、それぞれの信号の受信状況が受信可能な状態であると確認しているため、ユーザが外出したと判定しない。
図4の中央に示される(2)のように、ユーザが施設10から離れていき、ビーコン信号が送信される範囲(例えば施設10から10mの範囲)から出ると、情報端末100は、ビーコン信号が受信可能な状態から受信不可能な状態に変化したことを確認する。しかし、ユーザは、ビーコン信号が送信される範囲よりも少し遠い10数m離れた近所に数分程度の間行く場合のように、ユーザがすぐに施設10に帰ってくる場合がある。したがって、情報端末100は、ビーコン信号が受信可能な状態から受信不可能な状態に変化しただけでは、ユーザが外出したと判定しない。
そして、図4の右側に示される(3)のように、さらに、ユーザが施設10から離れていき、施設10のネットワークの信号が送信される範囲(例えば施設10から100mの範囲)から出ると、情報端末100は、施設10のネットワークの信号が受信可能な状態から受信不可能な状態に変化したことを確認する。これにより、情報端末100は、受信状況が、ビーコン信号、施設10のネットワークの信号の順序で受信可能な状態から受信不可能な状態に変化したと判定する。施設10のネットワークの信号が送信される範囲は100mほどであり、すぐに施設10に帰ってくる可能性は、ユーザが施設10から10数mの場所にいるときよりも低いため、情報端末100は、ユーザが外出したと判定する。
なお、ビーコン信号により起動するアプリケーションによりユーザの外出の判定の処理が実行されているときに、ユーザが外出したと判定された場合、アプリケーションは終了してもよい。
このようにして、受信状況が、ビーコン信号、施設10のネットワークの信号の順序で受信可能な状態から受信不可能な状態に変化したと判定された場合に、ユーザが外出したと判定される。
[情報端末の動作:帰着時]
次に、ユーザが施設10に帰着するときの情報端末100の動作について、図5を用いて説明する。
図5は、実施の形態に係る情報端末100における帰着判定処理の一例を示すフローチャートである。情報端末100は、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行することで、図5に示される帰着判定処理を行う。
情報端末100は、ビーコン信号を受信する前に、施設10のネットワークの信号を受信した場合に、帰着判定処理を行う(ステップS21)。施設10のネットワークの信号が送信される範囲は、ビーコン信号が送信される範囲よりも広いため、帰着時にはビーコン信号を受信する前に施設10のネットワークの信号を受信する。したがって、この場合には、外出判定処理ではなく帰着判定処理が行われる。
次に、情報端末100は、情報端末100がビーコン信号を受信した後に、ビーコン信号の受信強度を確認する(ステップS22)。ビーコン信号の受信強度の確認は、例えば、予め決められた所定のタイミング毎に行われる。また、ビーコン信号の受信強度の確認とは、例えば、情報端末100が受信しているビーコン信号の受信強度が上述したImmediate、Near、Farのうちのどの範囲内の受信強度であるかを確認することである。
次に、情報端末100は、ビーコン信号の受信強度が、所定の受信強度より小さい受信強度から大きい受信強度に変化したか否かを判定する(ステップS23)。所定の受信強度とは、例えば、Nearで表される受信強度の範囲とFarで表される受信強度の範囲との境界にあたる受信強度のことである。ステップS23での処理において、Yesとなるときの条件については、後述する図6で詳細に説明する。
情報端末100が、ビーコン信号の受信強度が、所定の受信強度より小さい受信強度から大きい受信強度に変化していないと判定した場合(ステップS23でNo)、情報端末100は、ステップS23の処理を繰り返す。
一方、情報端末100が、ビーコン信号の受信強度が、所定の受信強度より小さい受信強度から大きい受信強度に変化したと判定した場合(ステップS23でYes)、情報端末100は、情報端末100が施設10の外部から内部に移動したと判定する(ステップS24)。このとき、情報端末100は、情報端末100が施設10の外部から内部に移動したことを示す情報を例えば情報端末100が備える記憶部に記憶する。そして、情報端末100は、情報端末100が施設10の外部から内部に移動したことを示す情報を受信部40に送信する。また、機器管理装置50は、機器200に応じた機器制御信号を機器200に送信し、機器200を制御する。機器200が例えば照明器具の場合に、照明器具が消灯していれば照明器具は点灯させられる。機器200が例えばエアコンの場合に、エアコンの電源が切られていればエアコンは稼働させられる。また、機器200が例えば電気錠システムの場合に、施設10の入り口の鍵が閉まっている状態であれば、解錠される。
ここで、ビーコン信号を受信する前に施設10のネットワークの信号を受信し、ビーコン信号の受信強度が、所定の受信強度より小さい受信強度から大きい受信強度に変化したと判定される条件、言い換えると、ユーザが帰着したと判定される条件について図6を用いて詳細に説明する。
図6は、ユーザが帰着したと判定される条件を説明するための図である。図6では、ユーザが情報端末100を携帯していることを模式的に示している。また、図6に示される左方向が、ユーザが施設10に近づく方向となっている。
図6の右側に示される(1)のように、情報端末100を携帯しているユーザが例えば勤務先又は学校等から帰着するときに施設10のネットワークの信号が送信される範囲内(例えば、施設10から100mの範囲内)に入ると、情報端末100は、施設10のネットワークの信号を受信する。したがって、情報端末100は、ビーコン信号を受信する前に施設10のネットワークの信号を受信するため、情報端末100は、帰着判定処理を開始する。
図6の中央に示される(2)のように、ユーザが施設10に近づいていき、ビーコン信号が送信される範囲(例えば施設10から10mの範囲)に入ると、情報端末100は、ビーコン信号を受信し、ビーコン信号の受信強度を確認する。このとき、情報端末100は、所定の受信強度よりも小さい受信強度のビーコン信号を受信する。具体的には、情報端末100は、所定の受信強度よりも小さい受信強度としてFarで表される受信強度の範囲内の受信強度を受信する。Farで表される受信強度の範囲に対応するビーコン送信部20と情報端末100との距離は例えば4m以上10m未満である。この場合、情報端末100は、ユーザが帰着したと判定しない。
そして、図6の左側に示される(3)のように、さらに、ユーザが施設10に近づいていき、情報端末100は、所定の受信強度よりも大きい受信強度のビーコン信号を受信する。具体的には、情報端末100は、所定の受信強度よりも大きい受信強度としてNearで表される受信強度の範囲内の受信強度を受信する。これにより、情報端末100は、ビーコン信号の受信強度が、所定の受信強度より小さい受信強度から大きい受信強度に変化したと判定する。Nearで表される受信強度の範囲に対応するビーコン送信部20と情報端末100との距離は例えば50cm以上4m未満であり、情報端末100は、ユーザが帰着したと判定する。
このようにして、ビーコン信号の受信強度が、所定の受信強度より小さい受信強度から大きい受信強度に変化したと判定された場合に、ユーザが帰着したと判定される。
[効果等]
ユーザが例えば10数m離れた近所に数分程度の間行く場合のように、ユーザがすぐに施設に帰ってくる場合には、ユーザが外出したと判定されないことが好ましい。しかしBLEに準拠したビーコン信号が送信される範囲は10m程度であり、ユーザが施設から10数m程度の近所にいるか、近所にはおらずより遠くへ外出した(例えば施設から100m程度離れた)かを判定することは難しい。
そこで、本実施の形態に係るプログラムは、施設10から送信される施設10のネットワークの信号及びビーコン信号を受信可能な情報端末100のコンピュータに対して、情報端末100がビーコン信号を受信した後に、施設10のネットワークの信号及びビーコン信号の受信状況を確認する受信状況確認ステップと、受信状況確認ステップで確認する受信状況が、ビーコン信号、施設10のネットワークの信号の順序で受信可能な状態から受信不可能な状態に変化したとき、情報端末100が施設10の内部から外部に移動したと判定する外出判定ステップと、を実行させる。
また、本実施の形態に係る位置確認システム1は、施設10に設けられ、ビーコン信号を送信するビーコン送信部20と、施設10に設けられ、施設10のネットワークの信号を送信するネットワーク形成部30と、を備える。また、位置確認システム1は、施設10のネットワークの信号及びビーコン信号を受信可能な情報端末100が、ビーコン信号を受信した後に確認する施設10のネットワークの信号及びビーコン信号の受信状況がビーコン信号、施設10のネットワークの信号の順序で受信可能な状態から受信不可能な状態に変化したとき、情報端末100が施設10の内部から外部に移動したことを示す情報を受信する受信部40を備える。
また、本実施の形態に係る機器管理装置50は、位置確認システム1に用いられる機器管理装置であって、ネットワーク形成部30と、受信部40と、を備える。
これにより、ビーコン信号及び施設10のネットワークの信号を利用することでユーザが施設10から遠くへ外出したか否かを判定できる。具体的には、ビーコン信号が受信可能な状態から受信不可能な状態になり、次に、施設10のネットワークの信号が受信可能な状態から受信不可能な状態になることでユーザが施設10から外出したと判定できる。例えば、ユーザがビーコン信号の送信される範囲から出て、施設10から10数mの距離の近所にいく場合であっても、ユーザが外出したと判定されない。一方、ユーザが施設10のネットワークの信号の送信される範囲から出て、施設10から100m以上遠くにいく場合に、ユーザが外出したと判定される。このように、ユーザが施設10から遠くへ外出したか否かを判定できる。そして、ユーザが施設10から外出した判定された場合には、例えば、情報端末100はユーザが外出したことを示す情報を送信する。これにより、例えば、施設10に設置されている機器管理装置50は、ユーザが外出したことを示す情報を受信し、当該情報に応じて、施設10に設置されている機器200に、ユーザが外出したことに応じた制御をさせることができる。
また、受信状況確認ステップ及び外出判定ステップは、情報端末100がビーコン信号を受信したときに起動するアプリケーションにより実行される。
これにより、情報端末100がビーコン信号を受信したときに、アプリケーションにより、自動的に情報端末100にユーザが外出したか否かを判定させることができる。
また、受信状況確認ステップで情報端末100がビーコン信号を受信する前に、施設10のネットワークの信号を受信した場合、情報端末100がビーコン信号を受信した後に、ビーコン信号の受信強度を確認する受信強度確認ステップと、受信強度確認ステップで確認する受信強度が、所定の受信強度より小さい受信強度から大きい受信強度に変化したとき、情報端末100が施設10の外部から内部に移動したと判定する帰着判定ステップと、を実行させる。
これにより、ビーコン信号及び施設10のネットワークの信号を利用することでユーザが施設10に帰着したか否かを判定できる。具体的には、まず、施設10のネットワークの信号が受信不可能な状態から受信可能な状態になり、次に、ビーコン信号が受信不可能な状態から受信可能な状態になる。そして、ビーコン信号の受信強度が所定の受信強度よりも小さい受信強度(例えばFarで表される受信強度の範囲内の受信強度)から所定の受信強度よりも大きい受信強度(例えばNearで表される受信強度の範囲内の受信強度)に変化することで、ユーザが施設10に帰着したと判定できる。そして、ユーザが施設10に帰着したと判定された場合には、例えば、情報端末100はユーザが帰着したことを示す情報を送信する。これにより、例えば、施設10に設置されている機器管理装置50は、ユーザが帰着したことを示す情報を受信し、当該情報に応じて、施設10に設置されている機器200に、ユーザが帰着したことに応じた制御をさせることができる。
また、施設10のネットワークの信号が送信される範囲30aは、ビーコン信号が送信される範囲20aよりも広く、施設10のネットワークの信号が送信される範囲30aと、ビーコン信号が送信される範囲20aとは、重複した部分を有する。
これにより、施設10を中心にしたあらゆる方向において、ユーザが遠くへ外出したか否かを判定できる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る位置確認システム1、機器管理装置50及びプログラムについて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、ビーコン送信部20と機器管理装置50とは別体に設けられたが、これに限らない。例えば、機器管理装置50は、ビーコン送信部20を備えてもよい。この場合、機器管理装置50は、施設10の入り口付近に設置されることが好ましい。
また、例えば、上記実施の形態では、帰着判定処理は、情報端末100がビーコン信号を受信する前に、施設10のネットワークの信号を受信した場合に行われたが、これに限らない。例えば、情報端末100がビーコン信号を受信する前に施設10のネットワークの信号を受信したか否かに関係なく帰着判定処理が実行されてもよい。
この場合、情報端末100がビーコン信号を受信した後に、ビーコン信号の受信強度を確認する受信強度確認ステップと、受信強度確認ステップで確認する受信強度が、所定の受信強度より小さい受信強度から大きい受信強度に変化したとき、情報端末100が施設10の外部から内部に移動したと判定する帰着判定ステップと、を実行させる。
上記実施の形態では、アプリケーションに帰着判定処理を実行させるためには、施設10のネットワークの信号を受信するときに、アプリケーションが起動した状態でなければならない。しかし、BLEに準拠したビーコン信号を受信することでアプリケーションを起動させることはできるが、wifi(登録商標)等の施設10のネットワークの信号を受信してもアプリケーションを起動させることはできない。したがって、上記実施の形態における帰着判定処理では、施設10のネットワークの信号を受信する前にユーザが手動でアプリケーションを起動させるか、アプリケーションを常に起動させたままの状態にする必要がある。
一方、情報端末100がビーコン信号を受信する前に施設10のネットワークの信号を受信したか否かに関係なく帰着判定処理が実行される場合、ビーコン信号を受信することで起動するアプリケーションにより、帰着判定処理を実行することができる。ただし、この場合には、施設10のネットワークの信号を利用していないため、施設10から例えば100m以上離れたところから帰着したか否かはわからない。
また、上記実施の形態では、所定の受信強度よりも大きい受信強度をNearで表される受信強度の範囲内の受信強度としたが、これに限らない。例えば、所定の受信強度よりも大きい受信強度をImmediateで表される受信強度の範囲内の受信強度としてもよい。
例えば、本発明が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリ及び入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリ又は入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリ又は入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
また、上記実施の形態の位置確認システム1に含まれる複数の構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路又は汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、位置確認システム1に含まれる複数の構成要素の集積回路化が行われてもよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。