JP6613745B2 - インク、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物 - Google Patents
インク、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6613745B2 JP6613745B2 JP2015180658A JP2015180658A JP6613745B2 JP 6613745 B2 JP6613745 B2 JP 6613745B2 JP 2015180658 A JP2015180658 A JP 2015180658A JP 2015180658 A JP2015180658 A JP 2015180658A JP 6613745 B2 JP6613745 B2 JP 6613745B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- pigment
- image
- less
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
- Ink Jet (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Description
そこで、アミン中和樹脂を含むことによる画像被膜の耐久性の向上と共に、グリコールエーテル類やアルカンジオール類を含むことで吐出安定性との両立を図る方法が提案されている(特許文献3)。
また、印刷後乾燥性と耐擦性の両立のため、有機アミン塩水溶性有機樹脂とエーテル結合を有さない2価アルコール系溶剤の併用による方法も提案されている(特許文献4)。
着色剤、有機溶剤、樹脂粒子、アミン化合物及び水を含有するインクであって、前記樹脂粒子がアニオン性ウレタン樹脂であり、前記アミン化合物が沸点120℃以上200℃以下、且つ分子量100以下の有機アミン化合物であり、前記樹脂粒子の前記インクにおける含有量(質量基準)を1とした場合に、前記アミン化合物の含有量が0.01以上1.00以下であることを特徴とするインクに関する。
本発明においては、インク中に含まれる樹脂粒子にアニオン性ウレタン樹脂を用いることで光沢紙に記録した場合の画像の耐擦性の向上と良好なメンテナンス性の両立を可能としている。これは、ポリウレタン樹脂は基材に対する密着性に優れ、高い耐摩耗性を有するためである。また、樹脂粒子の粒子径を小さくすることが好ましい。これにより、顔料とメディア、顔料と顔料との隙間を埋めるようにして塗膜を形成することが可能となり、より高い耐擦性を得ることができる。さらに、吐出安定性と保存安定性の観点から、ポリカーボネート系ウレタン樹脂またはポリエステル系ウレタン樹脂を用いることが好ましい。
さらに、インク中に沸点120以上200℃以下且つ、分子量100以下のアミン化合物を含むことにより、水分蒸発時の粘度上昇を押さえ、高い吐出安定性とメンテナンス性との両立を可能にしている。これは、アミン化合物の分子量を小さくすることで、水分散性樹脂のカウンターイオンとして置換が起こり、水よりも沸点の高いアミン化合物をインク中に配合することで、水分蒸発時においても、樹脂粒子のカウンターイオンの蒸発を防ぎ、安定した分散状態を保つことで、インクの粘度上昇を抑制している。また、樹脂粒子のインクにおける含有量(質量基準)を1とした場合に、前記アミン化合物の含有量が0.01以上1.00以下とすることで、アミン化合物による水分蒸発時のインク粘度上昇の抑制効果を発揮しながら、保存安定性を確保することができる。これにより、高い耐擦性と吐出安定性、メンテナンス性の両立が可能となる。
また、インクの25℃における静的表面張力が20mN/m以上27mN/m以下であることが好ましい。さらに好ましくは、フッ素系の界面活性剤と、後述する式(V)に示されるようなアセチレングリコール系の界面活性剤及び/又は式(VII)に示されるような抑泡剤と、を添加することがこのましい。これらの界面活性剤、抑泡剤を添加することで、普通紙で高い濃度とインクの抑泡性を両立できる。
<インク>
−樹脂粒子−
本発明におけるインクには、樹脂粒子として、アニオン性ウレタン樹脂を添加することにより、光沢紙耐擦性の向上と良好なメンテナンス性の両立を可能としている。
ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールとの反応性生物である。ポリウレタン樹脂の特徴として、凝集力が弱いポリオール成分からなるソフトセグメントと、凝集力の強いウレタン結合からなるハードセグメントのそれぞれの性能を発揮することが挙げられる。ソフトセグメントはやわらかく、引き伸ばしや折り曲げなど基材の変形に強い。一方、ハードセグメントは基材に対する密着性が高く、耐摩耗性に優れている。そのため、インク中に添加することで、高い光沢紙耐擦性が期待できる。
ポリウレタン樹脂粒子は、水分散性であり、特にO/W型の水分散体として用いることが好ましい。またこのような分散体には、乳化剤を用いてポリウレタン樹脂を乳化した水分散体と、乳化剤の作用を有する官能基を共重合等により導入した自己乳化型の水分散体がある。
中でも、分散安定性に優れていることから、自己乳化型のアニオン性ポリカーボネート系またはポリエステル系ポリウレタン樹脂水分散体が好ましい。さらに、分散安定性、インクの保存安定性の観点から、ポリカーボネート系のポリウレタン樹脂水分散体であることがより好ましい。
前記樹脂粒子の粒子径(D50)は分散液の粘度を関係しており、組成が同じものであれば、粒子径が小さくなるほど、同一固形分での粘度は高くなる。本発明においては、光沢紙に記録した際の画像耐擦性の観点から、樹脂粒子の粒子径(D50)は10nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上50nm以下であることがより好ましい。粒子径(D50)が10nm以上の樹脂粒子を用いることで、インクの増粘を防止することができ、保存安定性も向上する。さらに、粒子径(D50)が100nm以下の樹脂粒子を用いるが好ましく、画像の伸びを抑制する高い耐擦性を得ることができる。さらに、10nm以上50nm以下であることがより好ましく、擦過後、画像はがれのない画像を形成することが可能である。
前記水分散性樹脂のインク中含有量は1質量%〜10質量%であることが望ましく、1.5質量%〜5質量%であることがより好ましい。含有量が1質量%以上であることで、より良好な耐擦性を得ることができ、10質量%以下であることで、水分蒸発時の粘度上昇が抑制され、良好なメンテナンス性を保つことができる。
本発明において、インク中に、沸点120℃以上200℃以下、好ましくは沸点130℃以上180℃以下、且つ分子量100以下、好ましくは分子量90以下であるアミン化合物を、前記樹脂粒子のインクにおける含有量(質量基準)を1とした場合に、前記アミン化合物の含有量が0.01以上1.00以下、好ましくは含有量が0.01以上0.08以下であることにより良好なメンテナンス性を実現している。
前記アミン化合物のインク中含有量は特に制限はないが、インクのpH調整の観点から、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.05質量%〜2質量%が特に好ましい。また、インク中に含まれるアミン化合物は、前記アミン化合物に加えて他のアミン化合物を併用して用いることができる。
本発明のインクには、有機溶剤として、溶解性パラメーター(SP値)が11.8〜14.0の範囲である多価アルコールを用いることが好ましい。該溶解性パラメーター(SP値)11.8〜14.0の範囲である多価アルコールとしては、下記の化合物が挙げられる。
3−メチル−1,3−ブタンジオール(SP値:12.05)、1,2−ブタンジオール(SP値:12.75)、1,3−ブタンジオール(SP値:12.75)、1,4−ブタンジオール(SP値:12.95)、2,3−ブタンジオール(SP値:12.55)、1,2−プロパンジオール(SP値:13.48)、1,3−プロパンジオール(SP値:13.72)、1,2−ヘキサンジオール(SP値:11.80)、1,6−ヘキサンジオール(SP値:11.95)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(SP値:11.80)、トリエチレングリコール(SP値:12.12)、ジエチレングリコール(SP値:13.02)が挙げられる。特に好ましくは、3−メチル−1,3−ブタンジオール(SP値:12.05)、1,2−ブタンジオール(SP値:12.75)、1,3−ブタンジオール(SP値:12.75)、1,4−ブタンジオール(SP値:12.95)、2,3−ブタンジオール(SP値:12.55)、1,2−プロパンジオール(SP値:13.48)、1,3−プロパンジオール(SP値:13.72)が好ましい。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(bp135℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp194℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp231℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(bp229℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(bp132℃)、などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル(bp237℃)、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(bp202℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(bp226℃)、ε−カプロラクタム(bp270℃)、γ-ブチロラクトン(bp204〜205℃)などが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン(bp170℃)、ジエタノールアミン(bp268℃)、トリエタノールアミン(bp360℃)、N,N−ジメチルモノエタノールアミン(139℃)、N−メチルジエタノールアミン(bp243℃)、N−メチルエタノールアミン(bp159℃)、N−フェニルエタノールアミン(bp282〜287)、3−アミノプロピルジエチルアミン(bp169℃)などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド(bp139℃)、スルホラン(bp285℃)、チオジグリコール(bp282℃)などが挙げられる。
前記インク中における溶解性パラメーター(SP値)11.8〜14.0の範囲である多価アルコールと前記湿潤剤の有機溶剤の合計含有量は、インク全体の30〜50質量%を含有することが好ましい。
前記含有量が30質量%未満であると水分蒸発時の粘度が著しく上昇し、50質量%を超えると乾燥性が厳しくなることがある。
上記有機溶剤と混合して使用される浸透剤としては、炭素数8〜11の非湿潤剤性ポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物を少なくとも1種を含有することが好ましい。
ここで、非湿潤剤性とは、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の間の溶解度を有することを意味する。これらの浸透剤の中でも、一般式(III)で表される1,3−ジオール化合物が好ましく、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
浸透剤のインク全体に含有する範囲量としては、0.5〜5質量%の範囲が好ましく、1〜3質量%の範囲がより好ましい。含有量0.5質量%未満と少ない場合インクの浸透性効果が得られず、画像品質に効果得られない。5質量%を超えてくるとインクに溶解せずに分離したり、インク初期粘度が高くなる等の不具合が生じてしまう。
次に本発明に使用される着色剤について説明する。
着色剤としては、耐候性の面から主として顔料が用いられるが、色調調整の目的で耐候性を劣化させない範囲内で染料を含有しても構わない。着色剤の含有量は、固形分でインク全体の2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。含有量が2質量%未満では、インクの発色性及び画像濃度が低くなってしまうことがあり、15質量%を超えると、インクが増粘して吐出性が悪くなってしまうことがあるため好ましくない。顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用又はカラー用の無機顔料や有機顔料が挙げられる。
着色剤が顔料である場合の特に好ましい水分散性着色剤の形態として、次の第1、第2の形態が挙げられる。
(1)第1形態:着色剤は、水不溶乃至水難溶性の顔料を含有するポリマー微粒子の水分散体を含有する。
(2)第2形態:着色剤は、表面に少なくとも1種の親水性基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料(以下「自己分散性顔料」と称することもある)を含有する。
前記第1形態の水分散性着色剤としては、上記顔料に加え、ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンを使用することが好ましい。
ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、又はポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。
本発明では、水分散性着色剤として、自己分散性顔料または樹脂被覆型顔料を使用することが好ましい。自己分散性顔料を使用することでより高い水分蒸発時流動性を得ることができ、樹脂被覆型顔料を使用することでより高い光沢紙定着性を得ることができる。
樹脂被覆型着色剤は、親水性基を有する樹脂で顔料を被覆し、マイクロカプセル化することで分散剤を使用することなく安定に分散させることができるものである。
前記着色剤由来の顔料のインクにおける含有量は、3.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。顔料の含有量が3.0質量%未満であると画像濃度が低下することがあり、10質量%を超えると吐出安定性が低下することがある。
前記カラー顔料としては、アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ、モノアゾ、ピラントロン、ペリレン、複素環式イエロー、キナクリドンおよび(チオ)インジゴイドを含む。フタロシアニンブルーの代表的な例は銅フタロシアニンブルーおよびその誘導体(ピグメントブルー15)を含む。キナクリドンの代表的な例はピグメントオレンジ48、ピグメントオレンジ49、ピグメントレッド122、ピグメントレッド192、ピグメントレッド202、ピグメントレッド206、ピグメントレッド207、ピグメントレッド209、ピグメントバイオレット19およびピグメントバイオレット42を含む。アントラキノンの代表的な例はピグメントレッド43、ピグメントレッド194(ペリノンレッド)、ピグメントレッド216(臭素化ピラントロンレッド)およびピグメントレッド226(ピラントロンレッド)を含む。ピレリンの代表的な例はピグメントレッド123(ベルミリオン)、ピグメントレッド149(スカーレット)、ピグメントレッド179(マルーン)、ピグメントレッド190(レッド)、ピグメントバイオレット、ピグメントレッド189(イエローシェードレッド)およびピグメントレッド224を含む。チオインジゴイドの代表的な例はピグメントレッド86、ピグメントレッド87、ピグメントレッド88、ピグメントレッド181、ピグメントレッド198、ピグメントバイオレット36およびピグメントバイオレット38を含む。複素環式イエローの代表的な例はピグメントイエロー117およびピグメントイエロー138を含む。他の適切な着色顔料の例は、The Colour Index、第三版(The Society of Dyers and Colourists,1982)に記載されている。
さらに、着色剤として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。
転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、カーボンブラックとの複合物または複合体、あるいはカーボンブラック、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。なお、ここでのカーボンブラックとは、自己分散型カーボンブラックを含む。上記転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接記録液用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。
アニオン性に帯電した顔料を得る方法としては、例えば顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化処理する方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
前記ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−α−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルナフチルエーテル、が挙げられる。また、これらの界面活性剤のポリオキシエチレンの一部をポリオキシプロピレンに置き換えたポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等の界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の芳香環を有する化合物をホルマリン等で縮合させた界面活性剤も使用できる。
本発明のインクは、界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤をインクに添加することで、表面張力が低下し、紙等の記録媒体にインク滴が着弾した後の記録媒体中への浸透が速くなるため、フェザリングやカラーブリードを軽減することができる。
また、疎水基の構造により、フッ素系、シリコーン系、アセチレン系等に分類される。
本発明においては、主にフッ素系界面活性剤を用いることが好ましく、シリコーン系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤を併用してもよい。
さらに好ましくは、フッ素系界面活性剤とアセチレングルコール系の界面活性剤の併用が好ましい。界面活性剤の添加により気泡消泡性が悪化するが、これらの界面活性剤を併用する事で、気泡性の影響が比較的小さく、表面張力を下げる事ができる。
界面活性剤を浸透剤としてインクへ添加する場合の添加量は、0.05〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。
一般にフッ素系化合物として市販されているものとしては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−144、S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製),メガファックF−470、F−1405、F474(DIC社製)、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO、FSO−100(デュポン社製)、エフトップEF−351、352、801、802(ジェムコ社製)、FT−250、251(ネオス社製)、PF−151N,PF−136A、PF−156A(OMNOVA社製)などが挙げられる。
これらの中でも、Dupont社製のFSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300が良好な印字品質、保存性を提供でき好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
本発明では特に限定はないが、ポリシロキサンの側鎖にポリエーテル基を導入した構造を有する側鎖型(ペンダント型)であることが好ましい。
一般に市販されているものとしては、例えば、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−618,KF−6011、KF−6015、KF−6004(信越化学工業社製)、SF−3771、SF−8427、SF−8428、SH−3749、SH−8400、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2118、FZ−2203、FZ−2207、L−7604(東レ・ダウコーニング社製)、BYK−345、BYK−346、BYK−348(ビッグケミー・ジャパン社製)等を挙げることができる。
フッ素系界面活性剤と、式(V)で表されるアセチレングリコール系の界面活性剤の併用がより好ましい。フッ素系界面活性剤と、式(V)で表される界面活性剤を併用する際は、フッ素系界面活性剤を1とした場合に、一般式(V)で表される界面活性剤を1.50以下であることが好ましい。
その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、抑泡剤(消泡剤)、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
本実施形態において、前記抑泡剤は、インクに微量添加することによって、その発泡を抑えるために用いられる。ここで、発泡とは液体が薄い膜になって空気を包むことである。この泡の生成にはインクの表面張力や粘度等の特性が関与する。即ち、水のように表面張力が高い液体は、液体の表面積をできるだけ小さくしようとする力が働くために、発泡し難い。これに対し、高粘度で高浸透性のインクは、表面張力が低いために発泡し易く、溶液の粘性により生成した泡が維持されやすく消泡し難い。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
本発明のインクは、水分散性着色剤、有機溶剤、水分散性樹脂、界面活性剤、浸透剤及び水、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。この攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明のインクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
さらに、動的表面張力が25℃において、最大泡圧法による表面寿命15ms時の動的表面張力が35mN/m以下が好ましく、さらに好ましくは33mN/m以下が好ましい。表面寿命15ms時の動的表面張力が35mN/m以下にすることで、汎用印刷用紙の濡れ性及び浸透性が良好となり、ビーディング、カラーブリードの低減にも効果が高くなる。また、普通紙の発色性および白ポチも改良される。前記のインクをインクカートリッジ等の容器中に収容して使用しても良い。
前記記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の画像形成方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。本実施形態の画像形成装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。本実施形態の画像形成方法は、本実施形態の画像形成装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
本実施形態の画像形成方法におけるインク飛翔工程は、上記のインクに、熱、圧力、及び振動から選択される少なくとも1種の刺激(エネルギー)を印加し、上記記録用メディア上に、インクを飛翔させて画像を形成する工程である。このインク飛翔工程において印刷用紙にインクを飛翔させて印刷用紙に画像を形成する方法としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法を適用できる。このような方法としては、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用いることにより、ある枚葉の印刷用紙において、画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
そして、塗布ローラ208は回転するプラテンローラ202押し付けられながら回転し、その間を記録媒体203が通過することで、表面に前処理液205を塗布する。
前処理後乾燥装置は例えば図1のようなヒートローラー311,312からなる。この装置によれば、前処理液を塗布された連続紙は搬送ローラにより、ヒートローラーに搬送される。ヒートローラーは50〜100℃の高温に熱せられており、前処理液を塗布された連続紙は、ヒートローラーからの接触伝熱により、水分が蒸発し、乾燥される。乾燥手段としてはこれに限らず、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、温風装置などを適用することもでき、単体の装置を用いるのではなく例えばヒートローラーと温風装置を組み合わせるなどをしても良い。また、図示していないが前処理液を塗布する前に記録媒体を加熱しておくこと(プレヒート工程の追加)も有効である。
なお、インクの種類もK、C、M、Yに限らずライトシアンなどのフォトインク等を適用することもできる。
次に、この画像形成装置における記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドの一例について図5及び図6を参照して説明する。なお、図5は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図6は同ヘッドの液室短手方向(ノズルの並び方向)の断面説明図である。
ここで、流路板401は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路405、液室406となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
<インクの調整>
(調製例1)
−表面改質ブラック顔料分散液1(自己分散型顔料分散液1)の調製−
Cabot Corporation製Black Pearls(登録商標)1000(BET表面積343m2/gおよびDBPA105mL/100gを有するカーボンブラック)100gとスルファニル酸100ミリモルおよびイオン交換高純水1Lを室温環境下Silversonミキサー(6000rpm)で混合した。得られたスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸100ミリモルを添加する。30分後に、少量のイオン交換高純水に溶解された亜硝酸ナトリウム(100ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加した。さらに、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させた。カーボンブッラクにスルファニル酸を付加した改質顔料が生成できた。次いで、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体が得られた。少なくとも1つのスルファニル酸基またはスルファニル酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体を得た。表面処理レベルは0.75mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定された粒子径(D50)は120nmであった。
−表面改質ブラック顔料分散液2(自己分散型顔料分散液2)の調製−
ProcessAll 4HV ミキサー(4L)に、Cabot Corporation製Black Pearls(登録商標)880(BET表面積220m2/gおよびDBPA105mL/100gを有するカーボンブラック)500gにイオン交換高純水1Lおよび4−アミノ安息香酸1モルを添加した。次いで、混合物を10分間、60℃に加温しながら300rpmで強く混合した。これに20%亜硝酸ナトリウム水性溶液[4−アミノ安息香酸に基づき1モル当量]を15分間掛けて添加した。60℃に加温しながら、三時間混合撹拌した。上記反応物をイオン交換高純水750mLで希釈しながら取り出した。次いで、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体は得られた。得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基またはアミノ安息香酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体を得た。表面処理レベルは0.5mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定された粒子径(D50)は104nmであった。
<カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液3の調製(樹脂被覆型顔料分散液3の調製)>
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
ポリマー溶液Aを28gと、C.I.カーボンブラック(デグサ社製、FW100)を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料固形分15質量%、固形分濃度20質量%のカーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液が得られた。カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ104nmであった。
<シアン樹脂被覆型顔料分散液4の調製>
有機溶媒(メチルエチルケトン)20g、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03g、重合開始剤、メタクリル酸10g、スチレンモノマー22.5g、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイド=15)2.5g、ポリエチレングリコール・プロピレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイド=5、プロピレンオキサイド=7)5g、スチレンマクロモノマー10gを、窒素ガス置換を十分に行った反応容器内に入れて75℃攪拌下で重合し、各モノマーを溶解させた。さらに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.9gを加え、80℃で1時間熟成させ、水不溶性ポリマー溶液(1)を得た。
水不溶性ポリマー溶液(1)として得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られた5gをメチルエチルケトン15gに溶かし、水酸化ナトリウム水溶液を用いてポリマーを中和した。さらに、C.I.ピグメントブルー15:3を15g加え、水を加えながら分散機で混練した。
得られた混練物にイオン交換水100gを加え攪拌した後、減圧下、60℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、固形分濃度が15質量%のシアン樹脂被覆型顔料分散液を得た。(顔料:水不溶性ポリマー=1:0.3)この分散体中の顔料の体積平均粒子径は91nmであった。
<ブラック界面活性剤分散型顔料分散液1>
カーボンブラック 175質量部
(NIPEX160、degussa社製、BET比表面積150m2/g、
平均一次粒径20nm、pH4.0、DBP吸油量620g/100g)
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物 175質量部
(竹本油脂株式会社製パイオニンA−45−PN、ナフタレンスルホン酸2量体、
3量体、及び4量体の合計含有量=50質量%)
蒸留水 650質量部
上記の混合物をプレミックスし、混合スラリー(a)を作製した。これをディスクタイプのメディアミル(アシザワ・ファインテック株式会社製、DMR型)で0.05mmジルコニアビーズ、充填率55%を用いて周速10m/s、液温10℃で3分間循環分散し、遠心分離機(久保田商事株式会社製、Model−7700)で粗大粒子を遠心分離し、顔料濃度が13質量%となる界面活性剤分散型の顔料分散液1得た。
−ポリウレタン樹脂1の水分散体の調製−
撹拌機及び加熱器を備えた簡易加圧反応装置に、Mn2,000の結晶性ポリカーボネートジオール[デュラノールT6002、旭化成ケミカルズ(株)製]287.9部、1,4ブタンジオール3.6部、DMPA(ジメチロールプロピオン酸)8.9部、水添MDI98.3部及びアセトン326.2部を、窒素を導入しながら仕込んだ。その後90℃に加熱し、8時間かけてウレタン化反応を行い、プレポリマーを製造した。
反応混合物を40℃に冷却後、トリエチルアミン10.0部を添加・混合し、更に水568.8部を加え回転子−固定子式方式の機械乳化機で乳化することで水性分散体を得た。得られた水性分散体に撹拌下、10%のエチレンジアミン水溶液を28.1部加え、50℃で5時間撹拌し、鎖伸長反応を行った。
その後、減圧下に65℃でアセトンを除去し、水分調節をして、固形分40質量%のポリウレタン樹脂1の水分散体を得た。ポリウレタン樹脂1の水分散体について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ9nmであった。
−ポリウレタン樹脂2の水分散体の調製−
トリエチルアミン添加量を8.9部に変更する以外は(調製例6)と同様にして、ポリウレタン樹脂2の水分散体を得た。ポリウレタン樹脂2の水分散体について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ23nmであった。
−ポリウレタン樹脂3の水分散体の調製−
トリエチルアミン添加量を7.9部に変更する以外は(調製例6)と同様にして、ポリウレタン樹脂3の水分散体を得た。ポリウレタン樹脂3の水分散体について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ34nmであった。
−ポリウレタン樹脂4の水分散体の調製−
トリエチルアミン添加量を6.8部に変更する以外は(調製例6)と同様にして、ポリウレタン樹脂4の水分散体を得た。ポリウレタン樹脂4の水分散体について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ49nmであった。
−ポリウレタン樹脂5の水分散体の調製−
トリエチルアミン添加量を4.9部に変更する以外は(調製例6)と同様にして、ポリウレタン樹脂5の水分散体を得た。ポリウレタン樹脂5の水分散体について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ70nmであった。
−ポリウレタン樹脂6の水分散体の調製−
トリエチルアミン添加量を5.7部に変更する以外は(調製例6)と同様にして、ポリウレタン樹脂6の水分散体を得た。ポリウレタン樹脂6の水分散体について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ89nmであった。
−ポリウレタン樹脂7の水分散体の調製−
トリエチルアミン添加量を7.0部に変更する以外は(調製例6)と同様にして、ポリウレタン樹脂7の水分散体を得た。ポリウレタン樹脂7の水分散体について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ121nmであった。
−アクリル−シリコーン樹脂水分散体1の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、ラテムルS-180を17.5g、イオン交換水350gを加え混合し、65℃に昇温した。
昇温後、反応開始剤であるt-ブチルパーオキソベンゾエート3.0g、イソアスコルビン酸ナトリウム1.0gを加え、5分後にメタクリル酸メチル45g、メタクリル酸−2−エチルヘキシル160g、アクリル酸5g、メタクリル酸ブチル45g、メタクリル酸シクロヘキシル30g、ビニルトリエトキシシラン15g、ラテムルS−180を8.0g、及びイオン交換水340gを混合し、3時間かけて滴下を行った。その後、80℃で2時間加熱熟成を行った後、常温まで冷却し水酸化ナトリウムでpHを7〜8に調整した。エバポレータ用いてエタノールを留去し、水分調節をして、固形分40質量%のアクリルシリコーン樹脂水分散体1溶液730gを作製した。アクリルシリコーン樹脂水分散体1について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ43nmであった。
−インクの作製−
以下に示す樹脂粒子の含有量はすべて固形分のみとする。
<実施例1>
攪拌機を備えた容器に1.3−ブタンジオール20.00質量部と3−メチル−1.3−ブタンジオール10.00質量部とグリセリン8.00質量部と2−エチル−1.3−ヘキサンジオール2.00質量部と界面活性剤0.50質量部を入れ、30分程度攪拌して均一にする。次いで、自己分散型顔料分散液1を37.50質量部および高純水を加え、60分程度攪拌して均一にする。さらにポリウレタン樹脂4(調製例9)4.50質量部を加え、30分攪拌してインクを均一にする。このインクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子およびごみを除去して実施例1のインクを作製した。高純水は、全体の量が100質量部となるように加えた。
界面活性剤は下記のフッ素系界面活性剤FS−300を使用した。
*フッ素系界面活性剤 FS−300
(ポリオキシアルキレン(C2〜C3)−2−パーフルオロアルキル(C4〜C16)
エチルエーテル)
(デュポン社製、商品名「FS−300」、固形分40%)
実施例1と同様に、下記表1〜3に示した水溶性有機溶剤、界面活性剤を混合攪拌し、水分散性着色剤(顔料分散体)、高純水を加えて混合攪拌し、さらには水分散性樹脂を混合攪拌しインクを均一とする。実施例20〜25では、抑泡剤の添加を行っていて、界面活性剤と一緒に添加を行う。使用した抑泡剤は下記を使用した。
*抑泡剤 エンバイロジェムAD01
2,4,7,9−テトラメチル−4,7−デカンジオール
日信化学工業(株)社製、商品名「エンバイロジェムAD01」
添加量については、表を参照
また、実施例24では、界面活性剤を前記のフッ素系界面活性剤FS−300だけなく、アセチレングリコール系界面活性剤を併用して添加する。
*アセチレングリコール系界面活性剤:
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール
添加量については、表を参照
このインクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子およびごみを除去して実施例2〜25および比較例1〜6のインクを作製した。
粒子径D50=17nm/固形分31.4%
*ポリエーテル系ウレタン樹脂:タケラック W5661
粒子径D50=15.4nm/固形分34.8%
−インク物性−
<インク粘度測定>
インクの粘度は、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
インクのpHは、pHメーター計(HM-30R型、TOA-DKK株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて、固形分濃度が0.01質量%になるように純水で希釈し、顔料粒子径(D50)を測定した。
実施例及び比較例のインクを、33mm口径のガラス製シャーレに、小数点4桁まで測定可能な精密上皿電子天秤で2.5g秤量採取した。次いで、温度32±0.5℃、湿度30±5%のESPEC製恒温恒湿器(ModelPL−3KP)に常圧にて保管し、24時間後に個々のサンプルを取り出して質量を測定した。次に、シャーレ内のインクをシャーレの底が見えるようにスパチュラで引っかき、インクの流動性を確認した。
A:引っかき後、5秒以内にシャーレの底がインクで埋まり見えなくなる。
B:引っかき後、60秒以内にシャーレの底がインクで埋まり見えなくなる。
C:引っかき後、2分以上経過しても、シャーレの底が見えている。
各インクをポリエチレン容器に入れ密封し、70℃で2週間保存した後の、顔料粒子径(D50)、粘度を測定し、初期物性との変化率により下記のように評価した。
A:顔料粒子径及び粘度のどちらの変化率も5%以内
B:顔料粒子径及び粘度のどちらの変化率も10%未満
C:顔料粒子径及び粘度のどちらの変化率も10%以上
JISK3362−1998,8.5に準じ、評価用インク200mlを、25℃において、900mmの高さから30秒間で水面上に落下させた時に生じる泡の高さを測定した。
吐出安定性の観点から、泡高さは45mm以下は必要であり、泡高さは30mm以下が好ましく、さらに好ましくは15mm以下である。
全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学社製)を使用して、25℃で評価用インクの静的表面張力を測定した。
23±0.5℃、50±5%RHに調整された環境条件下、インクジェット記録装置(IPSiO GXe−5500、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定した。次に、インクジェット記録装置の印字モードを「普通紙はやい」および「光沢紙はやい」に設定し、画像を形成した。
坪量が180g/m2の桜井株式会社製ポスターペーパーMAXに前記プリンタを用いて、光沢紙はやいモードで3cm×3cmのベタ画像チャートを印字した。
乾燥後、綿布で印字部を5往復擦り、印字部の画像はがれを目視により観察し、耐擦性を評価した。なお、結果については、以下の基準により判定した。
〔評価基準〕
A:画像はがれなし
B:画像端部にのみわずかにはがれあり
C:画像はがれあり
坪量が180g/m2の桜井株式会社製ポスターペーパーMAXに前記プリンタを用いて、光沢紙はやいモードで3cm×3cmのベタ画像チャートを印字した。
乾燥後、綿布で印字部を5往復擦り、非印字部への画像の延び・転写によるよごれを目視により観察し、耐擦性を評価した。なお、結果については、以下の基準により判定した。
〔評価基準〕
A:よごれなし
B:わずかによごれあり
C:よごれあり
Microsoft Word2000にて作成した一色当りA4サイズ用紙の面積5%をベタ画像にて塗りつぶすチャートを連続200枚、My Paper(株式会社リコー製)に打ち出し、打ち出し後の各ノズルの吐出乱れから評価した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
A:吐出乱れなし
B:若干吐出乱れあり
C:吐出乱れあり、もしくは吐出しない部分あり
カラーインクジェットプリンターに作製したインクを充填し、下記の条件で画像出し評価を行った。
<印刷条件>
評価プリンター: IPSIO GX E5500 (株式会社リコー製)
評価紙 : My Paper(株式会社リコー製) (普通紙)
チャート : ブラック単色 べたパッチ
印刷モード : きれいモード
上記のチャートで、ブラックのべた画像の濃度を反射分光濃度計(Xrite社製 Model:939)でブラック濃度を測定した。
202 プラテンローラ
203 記録媒体
204 前処理液塗布装置
205 前処理液
206 攪拌・供給ローラ
207 移送・薄膜化ローラ
208 塗布ローラ
209 圧力調整装置
300 インクジェット画像形成装置
301 記録媒体搬送部
302 前処理工程部
303 前処理後乾燥部
304 画像形成工程部
304K、304C、304M、304Y 記録ヘッド
304K−1、304K−2、304K−3、304K−4 ヘッドユニット
305 後処理工程部
306 後処理後乾燥部
307 給紙装置
308 巻き取り装置
309 ヘッドユニットのノズル面
310 印字ノズル
311、312、313、314 ヒートローラ
315 巻き取り前乾燥部
401 流路板
402 振動板
403 ノズル板
404 ノズル
405 ノズル連通路
406 液室
408 共通液室
409 インク供給口
421 圧電素子
422 ベース基板
423 支柱部
430 フレーム部材
431 貫通部
432 インク供給穴
451 圧電材料
452 内部電極
453 個別電極
454 共通電極
Claims (15)
- 着色剤、有機溶剤、樹脂粒子、アミン化合物及び水を含有するインクであって、
前記樹脂粒子がアニオン性ウレタン樹脂であり、
前記アミン化合物が沸点120℃以上200℃以下、且つ分子量100以下の有機アミン化合物であり、
前記樹脂粒子の前記インクにおける含有量が1質量%以上であり、
前記樹脂粒子の前記インクにおける含有量(質量基準)を1とした場合に、前記アミン化合物の含有量が0.01以上0.08以下であり、
前記樹脂粒子の粒子径(D50)が10nm以上100nm以下である、
ことを特徴とするインク。 - 前記樹脂粒子の前記インクにおける含有量が10質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインク。
- 前記樹脂粒子の粒子径(D50)が10nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のインク。
- 前記樹脂粒子がアニオン性ポリカーボネート系ウレタン樹脂またはアニオン性ポリエステル系ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインク。
- 前記有機溶剤がインク全体の30〜50質量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインク。
- 前記着色剤が官能基を有する自己分散型着色剤であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインク。
- 前記着色剤が樹脂被覆型着色剤であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインク。
- 前記着色剤の前記インクにおける含有量(質量基準)を1とした場合に、前記樹脂粒子の含有量が0.05以上2以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインク。
- 前記インクの25℃における静的表面張力が20mN/m以上27mN/m以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のインク。
- 前記インクは、フッ素系界面活性剤、フッ素系以外の界面活性剤、及び抑泡剤を含有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のインク。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載のインクを熱、圧力、及び振動から選択される少なくとも1種の刺激で印加し、該インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載のインクを熱、圧力、及び振動から選択される少なくとも1種の刺激で印加し、該インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
- 記録用メディア上に、請求項1乃至12のいずれかに記載のインク画像を有する画像形成物であって、前記インク画像が、着色剤、アニオン性ウレタン樹脂粒子、アミン化合物を含み、前記アミン化合物が沸点120℃以上200℃以下、且つ分子量100以下の有機アミン化合物であり、前記樹脂粒子の含有量(質量基準)を1とした場合に、前記アミン化合物の含有量が0.01以上0.08以下であることを特徴とする画像形成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US15/051,869 US10689536B2 (en) | 2015-03-13 | 2016-02-24 | Ink, image forming method, image forming apparatus, and image formed product |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015050573 | 2015-03-13 | ||
JP2015050573 | 2015-03-13 | ||
JP2015113845 | 2015-06-04 | ||
JP2015113845 | 2015-06-04 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016210954A JP2016210954A (ja) | 2016-12-15 |
JP6613745B2 true JP6613745B2 (ja) | 2019-12-04 |
Family
ID=57550643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015180658A Active JP6613745B2 (ja) | 2015-03-13 | 2015-09-14 | インク、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6613745B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6843637B2 (ja) * | 2016-02-03 | 2021-03-17 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 |
JP2019025651A (ja) * | 2017-07-25 | 2019-02-21 | 株式会社リコー | 記録方法、及び記録装置 |
FR3071184B1 (fr) * | 2017-09-18 | 2021-11-19 | Arkema France | Procede d'impregnation de fibres de renfort avec des polyarylethercetones et semi-produits ainsi obtenus |
CN112996868A (zh) * | 2018-11-30 | 2021-06-18 | 富士胶片株式会社 | 喷墨油墨组合物及图像记录方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5678403B2 (ja) * | 2008-07-31 | 2015-03-04 | セイコーエプソン株式会社 | インク組成物、記録装置及び記録方法 |
JP5573001B2 (ja) * | 2009-05-27 | 2014-08-20 | 株式会社リコー | インクジェット用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインク記録物 |
JP5826015B2 (ja) * | 2010-12-27 | 2015-12-02 | Dicグラフィックス株式会社 | インクジェット用インク組成物 |
JP5635055B2 (ja) * | 2012-01-20 | 2014-12-03 | 富士フイルム株式会社 | 画像記録方法及び画像記録物 |
-
2015
- 2015-09-14 JP JP2015180658A patent/JP6613745B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016210954A (ja) | 2016-12-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6801179B2 (ja) | インク、インク収容容器、画像形成方法、液体を吐出する装置、及び画像 | |
JP5240501B2 (ja) | インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 | |
JP5942708B2 (ja) | インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物 | |
US10689536B2 (en) | Ink, image forming method, image forming apparatus, and image formed product | |
JP5601075B2 (ja) | インクジェット用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物 | |
JP5682475B2 (ja) | インクジェット記録用インク | |
JP2013155322A (ja) | インク | |
JP6741230B2 (ja) | インク、インク収容容器及びインクジェット記録装置 | |
JP5169179B2 (ja) | インク及びインクセット、並びにこれらを用いたインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 | |
JP2013067162A (ja) | インクジェット記録装置、インクジェット画像形成方法及びインクジェットインク | |
JP2014051625A (ja) | インクジェット用インク、インクカイートリッジ、インクジェット記録装置、記録物 | |
JP5966724B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 | |
JP6613745B2 (ja) | インク、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物 | |
JP2010047727A (ja) | インクジェット記録用インク、該インクを用いた記録方法及び記録物 | |
JP2015085568A (ja) | 画像記録方法及び画像記録装置 | |
JP6968335B2 (ja) | インク吐出装置及びインク吐出方法 | |
JP6808942B2 (ja) | インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物 | |
JP2022186629A (ja) | 処理液とインクのセット、印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置 | |
JP5652657B2 (ja) | インクセット及びインクジェット記録方法 | |
JP2009262334A (ja) | インクジェット記録方法及び記録物 | |
JP2011195613A (ja) | インクセット及びインクジェット記録方法 | |
JP5880844B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物 | |
JP2011195610A (ja) | インクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 | |
JP2019022972A (ja) | 画像形成方法、及び画像形成装置 | |
JP6064432B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180831 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190710 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190807 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191001 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191008 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191021 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6613745 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |