JP6612960B1 - 被検レンズの多機能式枠型保持ユニットを備えた光学機器装置 - Google Patents

被検レンズの多機能式枠型保持ユニットを備えた光学機器装置 Download PDF

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Abstract

【課題】形態の異なる被検レンズに対するセンタリング機能と同期的な拡縮機能及びX軸方向のスライド移動と傾動機能、並びにY軸方向への移動機能を備えた多機能な枠型保持ユニットを具備して成る光学機器装置に関し、光学機器装置の低床化を果すと共に、X軸方向へのスライド操作並びに傾動操作、及びY軸方向の移動操作を可能にする多機能化された被検レンズの枠型保持ユニットを具備した光学機器装置を提供する。【解決手段】枠入れされた眼鏡レンズや丸レンズ等の被検レンズに対するX軸方向へのスライド自在なフレーム部材7及び、対称的に配置された保持アーム部材11a,b等から構成された枠型保持ユニットにおける保持アーム部材のセンタリング機能と同期的な拡縮機能を自動的に回避可能とする緩衝機能を設けて、Y軸方向の移動操作を可能にする。【選択図】図4

Description

本発明は、眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズ並びに加工前の丸レンズ
等の被検レンズを機械的にセンタリング保持すると共に、殊に被検レンズを保
持した状態においてX軸方向及びY軸方向への平面的な移動操作と、光軸に対
する左右方向への傾動操作を自在に行うことを可能に構成したユニット化され
た多機能式枠型保持機構にかかわると共に、当該枠型保持ユニットを具備して
なることを特徴とする光学機器装置に関する。
眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズや枠入れ加工前の丸レンズについて、これ等の
被検レンズ表面のキズや汚れ、或いは隠しマーク等の観察または外観品質の検査をするた
めのレンズチェッカーや、これ等被検レンズの度数等の光学特性を測定するためのレンズ
メーターなどがこの種の光学分野において多用されているが、これ等の光学機器装置にお
いては、その被検レンズを載置するためのレンズ載置台を装置本体に突設しているのが一
般的である。
そのため殊に、眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズを被検レンズとする場合には、装
置の基台に突設したレンズ載置台に眼鏡レンズをセットする際に、眼鏡フレームにおける
眼鏡ヅル(テンプル)を下向きに垂下させた状態でレンズ載置台の載置面に眼鏡レンズが
当接するようにセットすることとなり、この眼鏡ヅル(テンプル)の長さに相当する寸法
以上の高さ位置において、レンズ載置面を設けるために必要な高さ寸法が決定されている
のが実情で、装置全体の高さ寸法が大きい装置となっていた。
然も、枠入れされた眼鏡レンズや未加工の丸レンズ等の形態の異なる被検レンズを、機械
的に保持するのではなく、作業者の人手により被検レンズをレンズ載置台に置いて保持し
ているのが一般的な実情であり、作業者の熟練を要するものであった。
そしてこの種の光学機器装置においては、被検レンズの形態の差異、即ち眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズか未加工の丸レンズかの種類に合わせて、夫々の被検レンズに対応する専用の保持機構を具備した光学機器装置を取り揃えている場合が一般的であり、そのため設備費用が嵩むことを避けられないのが実情であった。
また、これ等の光学機器装置を組立てる場合には、被検レンズの保持機構がユニット化されていないので、一台ごとに被検レンズの保持機構の構成部品を本体にバラで取付けて組み立てる如き作業手順を実行することとなり、組立作業性が悪いものであり、一方、被検レンズの保持機構について機能的に形態の異なる被検レンズに対応できて、その機械的保持と水平移動ができるものであっても、被検レンズに対する傾動操作機能がないので追加機能としての傾動保持はできない。
そのため殊に、追加機能として傾動保持操作ができ、然も被検レンズを保持した状態で光軸に対するX軸方向だけでなく、Y軸方向への適度な移動操作も可能な多機能型のユニット化された保持機構を具備した光学装置の開発が望まれていた。
上記した如く、眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズ及び未加工の丸レンズ等を被検
レンズとしているこの種の光学機器装置であるレンズメーターの代表例としては、例えば
下記の特許文献1を参照して説明するに、モニターテレビ2を光学測定部3の上方に設け
てなる測定装置本体1の正面中央部には、光学測定部3を構成するために突出(膨出)さ
せられた上部収納部4と、その下方に対向させて突出(膨出)させられた下部収納部5が
設けられていると共に、下部収納部5の上面に突出固定された裁頭円錐筒状のレンズ受6
及び測定光学系10が設けられ、未加工の被検レンズLを測定する場合は、公報図面の図
3に示されている如き状態にて被検レンズの測定を行い、また、メガネ70のメガネフレ
ーム71に枠入れされた左右のレンズ72、73を測定する場合は、公報図面の図13に
示す如く、作業者は、まずメガネフレーム71における眼鏡ヅルを下方に垂下した状態に
左手81で保持して鼻当74、74を鼻当支持部材32に当接すると共に、メガネフレー
ム71におけるレンズ72、73の下端を当接部材31に向けて押し付け、測定側のレン
ズ72を下部収納部5上面のレンズ受け6に当接させるよう人手により保持しつつ、右手
80でレバー36を回動操作して測定光軸に対する前後方向の位置を調整すると共に、左
右方向の位置調整は左手81を左右に移動して調整する。
即ち、この先行特許文献1のレンズメーターでは、先にも述べたように、光学機器装置
本体の前面に突設された下部収納部5を利用して、メガネフレーム71の眼鏡ヅル(テン
プル)部分が下方に垂れ下がっても影響のないように高さ方向の寸法を確保しているので、
その分装置本体1の高さ方向の大型化を伴うものであり、装置の低床化並びに小型化を図
る際の障害となりコンパクトにできなかった。
加えてこの先行文献のものは、被検レンズに対する機械的保持機構を具備していないので
、メガネフレーム71を水平に保持することと、測定光軸に合わせて被検レンズ72、7
3を前後左右に移動させて位置調整することについて、作業者は左右の両手80、81を
駆使して保持と調整と言う異なる操作を行わねばならないので、作業者は操作に対する熟
練を要求されるばかりでなく、位置合わせ精度の面においても正確性に劣ってしまうと言
う、光学機器装置としてみたときに致命的な欠陥を伴うものに過ぎなかった。
然も、形態の異なる被検レンズに対する保持機構は夫々別々のものであり、本発明の目的
としているところの機械的保持とユニット化並びに組立性等に関する複合的概念を開示す
るものではない。
また、この種の光学機器における被検レンズの機械的な保持機構に注目した場合、未加
工の丸レンズと眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズとの双方の被検レンズに対する機
械的な保持機構の代表的な先行事例として、例えば下記の特許文献2が知られているが、
この場合も先の先行特許文献1におけると同様に被検レンズ4を載置するためのレンズテ
ーブル532が張り出されて突設されている一方で、公報図面の第12図に開示されてい
る如く、眼鏡フレームのレンズ枠FRをハンド片600、601の上面605cに載せて
テンプルFT(眼鏡ヅル)が下方に向けられた状態のまま、ハンド片600、601の外
側面605dにて眼鏡フレームの左右方向への位置を規制し、レンズテーブル532の上
面におけるレンズ受部材541に対して、眼鏡レンズ4を機械的に保持する構成のため、
前記先行特許文献1におけると同様に、装置の高さ方向の低床化とコンパクト化を果すこ
とができないものである。
そして、この先行例の特徴とするところは、公報図面の第7(A)図乃至第10(A)
図に詳細に開示されている如く、被検レンズ4を保持するための左右一対の挟持用ハンド
530、531を支えるアーム526、527が交差構造(シザーズ機構)に組合わされ
ていると共に、これ等のハンドアーム526、527を開閉させて未成形の被検レンズ4
を挟持する駆動系としてのアームモーター522とタイミングベルト525が設けられ、
然もこれ等のアーム部材526、527、530、531を支えるアームベース520を
水平状態を保ったまま、X軸方向に移動させるための駆動系としてのX軸送りネジ508
aとガイドレール508b及びそのX軸モータ504と、これ等をフランジ503abご
とY軸方向へ移動させるための駆動系としてのY軸送りネジ505とガイドレール507
及びそのY軸モータ502と、更にはこれ等をZ軸テーブル501ごとZ軸方向へ移動す
るためのZ軸送りネジ505等を三次元的に複雑に組み合わせてなる被検レンズ保持装置
が開示されているが、これ等は機構が複雑であるばかりでなく、殊に傾動保持操作に関す
る機能を具備しておらず、然も丸レンズ4を保持するために必要な操作要領と、眼鏡フレ
ームFMを保持するために必要な操作要領に関し、これ等の操作を行うための、上記アー
ム部材に関係する各部品の動作要領が全く逆であるため、作業者による操作要領に混乱を
来すものであると共に、誤操作を防止する観点からみても好ましいものではなかった。
即ち、未成形の丸レンズ4を水平に保持する場合は、上記に述べたようにハンド530
、531の内側面605a、605bを互いに近接する方向に移動操作して未成形レンズ
4を挟持し保持するのに対し、眼鏡フレームFMを水平に保持する場合には、左右のハン
ド片600、601の各上面605cにより左右の眼鏡フレームFMを受けると共に、左
右のハンド片600、601の外側面605dを互いに離間する方向に移動操作し、眼鏡
フレームFMのテンプルFTを外側に広げるようにして保持するので、これ等の被検レン
ズの形態の違い基づく操作方向の違いにより、作業者に誤操作を招く恐れがあるばかりで
なく、同時に機械的な構成上の複雑さとも相俟って光学機器装置の操作性と操作精度に問
題を抱えたものに過ぎなかった。
然も、形態の異なる被検レンズに対する機械的な保持機構に注目して見た場合、その機構
が複雑で大掛かりであると共に組立性も悪く、更に本発明の目的としているところの被検
レンズの機械的保持とX軸方向並びに適度なY軸方向への移動操作、及び殊に傾動操作に
関するユニット化された多機能の概念等を開示するものではない。
特開平8−29292号公報 特開昭61−120939号公報
本件出願人は既に、眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズ及び未加工の丸レンズにつ
いて、これ等の被検レンズ表面のキズや汚れ、或いは隠しマーク等を観察するための(外
観品質検査も含む)レンズチェッカーまたは、これ等被検レンズの度数等の光学特性を測
定するためのレンズメーターなど、この種の光学分野における光学機器装置において、従
来一般的に多用されていた被検レンズのためのレンズ載置台に起因した前記先行特許文献
1及び2における如き、低床化を果せない不都合を解消するための発明についてその出願
(特願2018−181957号)をしており、本発明は更に当該先願発明における傾動
操作機能の他に、新たに枠型フレーム部材の囲み枠内において、被検レンズの光軸に対す
るY軸方向への移動操作機能を付加してなるユニット化された多機能式の枠型保持機構を
具備してなる光学機器装置を提供するためになされたものである。
従って、本発明においては、殊に、眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズを被検レン
ズとする場合においても、光学装置の低床化に有利となるように、従来の眼鏡フレームの
テンプルを下向きに垂下させるのに必要とされていた、テンプルの長さに相当する装置の
高さ寸法を低くすること、即ち装置の基台から上方に突設されたレンズ載置台に代わる全
く新しい眼鏡フレームの機械的な枠型保持機構として、前記先願発明におけると同様に、
眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズ及び未加工の丸レンズを被検レンズとし、これ等
を保持したままX軸方向(左右方向)へ正確に移動操作すると共に、左右方向への傾動操
作を自由に行うことができる必要な操作機能を予め備えていることは勿論である。
更にそれだけではなく、一般的にこの種の光学機器装置においては、被検レンズの異なる
形態ごとに、夫々対応する光学機器装置を取り揃えているのが通例であるが、光学機器を
個別に取り揃えることは設備費用が嵩むことになってしまうので、例えば、異なる形態の
被検レンズに対しても同一の光学機器装置により支障なく観察や測定をすることが可能な
所謂共用タイプの光学機器装置であることが望まれているが、この点についても本発明に
おいては、前記先願発明におけると同様に一台で異なる形態の被検レンズに対応できるの
で、光学に関する個別の機能を有するレンズチェッカーまたはレンズメーター等の光学機
器装置の低床化及びコンパクト化を図ると言う技術的解決課題を果すことができると共に
、安価な装置を提供することである。
なお、当然のことながら、形態の異なる被検レンズの何れにも対応可能な共用型に代えて
、被検レンズの何れか一方に対応する専用のユニット化された多機能式枠型保持機構とし
て枠型保持ユニットを具備した場合には、必要に応じ所謂専用タイプの光学機器装置とし
て提供することができるものである。
そして、本発明における重要な課題は、この種の光学機器装置に求められる機能として
、前記先願発明におけるような被検レンズのセンタリング保持機能と同期的な操作機能を
具備していると共に、光学的機能にかかわるX軸方向へのスライド操作機能や、被検レン
ズの左右方向への傾動操作機能に加えて、更に被検レンズを保持した状態のまま枠型フレ
ーム部材の囲み枠内におけるY軸方向への移動操作機能を設けて、対象とする被検レンズ
の観察または測定部位について、光軸中心部付近とX軸方向側の部位に限ることなく、被
検レンズのY軸方向の周辺側部位における隠しマークや文字、或いはキズ等の観察までも
可能にし、更に被検レンズの外形形状の違いや寸法サイズ等の違いにも対応可能なように
すべく、被検レンズのY軸方向への移動操作を自在に行うことができる、所謂多機能な操
作が可能な被検レンズの機械的保持ユニットを提案し、光学機器装置における操作性と機
能性を向上させることができ、然も小型で低床化することも可能であると共に、光学機器
としての精度と操作性に優れたレンズチェッカーまたはレンズメーターを安価に提供する
ことにある。
本発明における主たる特徴は、従来の光学装置におけるような被検レンズの
載置台に依存しないことを特徴とし、眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズ
及び未加工の丸レンズを被検レンズとする共用型の光学機器装置であって、当
該光学機器本体の基部の所定の高さ位置または本体前面部の所定の高さ位置に
おいて、X軸方向のガイド溝を有する取付ブラケットを光源または光軸に対
する左右方向となるX軸に沿って設置し、当該取付ブラケットのガイド溝に嵌
合するスライド支持軸を長手方向の中央付近に突設してなる枠型フレーム部材
と、眼鏡フレーム受部及び丸レンズ受部が形成された保持パッド部を有する左
右二組の保持アーム部材により、枠型保持ユニットの骨格を構成し、当該枠型
保持ユニットにおける保持アーム部材は、上記枠型フレーム部材の枠型中心に
対して対称的に配置され、左右の各組毎に保持パッド部が互いに接近するよう
バネ付勢されてなるセンタリング機構、及び保持アーム部材の基端におけるセ
クターギヤの噛み合いを介して、上記左右の保持パッド部相互の間隔が同期的
に拡縮操作自在な拡縮機構として構成されてなり、当該枠型保持ユニットによ
り眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズを被検レンズとするときは、そのテ
ンプルを下方に向けたままの状態でセンタリング保持するよう構成すると共に
、被検レンズを丸レンズとするときは、これを枠内中央にセンタリング保持
るよう構成し、これ等何れの被検レンズであっても個別に枠型保持ユニットご
と、上記スライド支持軸を介してガイド溝に沿いX軸方向にスライド操作自在
構成し、更にガイド溝内の任意位置において右方向または左方向に傾動操作
自在に構成されてなり、然も上記保持アーム部材により被検レンズを保持した
まま、センタリング位置から枠型フレーム部材の囲み枠内において、光軸に対
し前後方向となるY軸方向へと、移動操作自在に構成してなる共用型の多機能
式枠型保持ユニットを具備したことを特徴とするものである。
本発明における次なる特徴は、従来の光学装置におけるような被検レンズの
載置台を廃止することができるよう、眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズ
及び未加工の丸レンズを被検レンズとする共用形の光学機器装置であって、当
該光学機器本体の基部において、X軸方向のガイド溝を有する取付ブラケット
光源または光軸に対する左右方向となるX軸に沿って設置し、当該取付ブ
ラケットのガイド溝に嵌合するスライド支持軸を長手方向の中央付近に突設し
てなる枠型フレーム部材と、眼鏡フレーム受部及び丸レンズ受部が形成された
保持パッド部を有する左右二組の保持アーム部材により、枠型保持ユニットの
骨格を構成し、当該枠型保持ユニットにおける保持アーム部材は、上記枠型フ
レーム部材の枠型中心に対して対称的に配置され、左右の各組毎に保持パッド
部が互いに接近するようバネ付勢されてなるセンタリング機構、及び保持アー
ム部材の基端におけるセクターギヤの噛み合いを介して、上記左右の保持パッ
ド部相互の間隔が同期的に拡縮操作自在な拡縮機構として構成されてなり、
該枠型保持ユニットにより眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズを被検レン
ズとするときは、そのテンプルを上方に立ち上げたままの状態でセンタリング
保持するよう構成すると共に、被検レンズを丸レンズとするときは、これを
内中央にセンタリング保持するよう構成し、これ等何れの被検レンズであって
も個別に枠型保持ユニットごと、上記スライド支持軸を介してガイド溝に沿い
X軸方向にスライド操作自在に構成し、更にガイド溝内の任意位置において右
方向または左方向に傾動操作自在に構成されてなり、然も上記保持アーム部材
により被検レンズを保持したまま、センタリング位置から枠型フレーム部材の
囲み枠内において、光軸に対し前後方向となるY軸方向へと、移動操作自在に
構成してなる共用型の多機能式枠型保持ユニットを具備したことを特徴とする
ものである。
そして、本発明における上記光学機器装置のバリエーションとして、眼鏡フ
レームに枠入れされた眼鏡レンズまたは未加工の丸レンズを被検レンズとする
専用型の光学機器装置であって、当該光学機器本体の基部または本体前面部の
所定の高さ位置において、X軸方向のガイド溝を有する取付ブラケットを
源または光軸に対する左右方向となるX軸に沿って設置し、当該取付ブラケッ
トのガイド溝に嵌合するスライド支持軸を長手方向の中央付近に突設してなる
枠型フレーム部材と、眼鏡フレーム受部または丸レンズ受部の何れか一方が形
成された保持パッド部を有する左右二組の保持アーム部材により、枠型保持ユ
ニットの骨格を構成し、当該枠型保持ユニットにおける保持アーム部材は、上
記枠型フレーム部材の枠型中心に対して対称的に配置され、左右の各組毎に保
持パッド部が互いに接近するようバネ付勢されてなるセンタリング機構、及び
保持アーム部材の基端におけるセクターギヤの噛み合いを介して、上記左右の
保持パッド部相互の間隔が同期的に拡縮操作自在な拡縮機構として構成されて
なり、当該枠型保持ユニットにより眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズが
被検レンズのときは、そのテンプルを上方或いは下方に向けたままの状態で
ンタリング保持するよう構成し、または丸レンズが被検レンズのときは、これ
枠内中央にセンタリング保持するよう各々構成し、これ等何れの被検レンズ
であっても個別に枠型保持ユニットごと、上記スライド支持軸を介してガイ溝
に沿ってX軸方向にライド操作自在に構成し、更にガイド溝内の任意位置にお
いて右方向または左方向に傾動操作自在に構成されてなり、然も上記保持アー
ム部材により被検レンズを保持したまま、センタリング位置から枠型フレーム
部材の囲み枠内において、光軸に対し前後方向となるY軸方向へと、移動操作
自在に構成してなるところの、枠入れされた眼鏡レンズまたは未加工の丸レン
ズの何れかに対応する専用型の多機能式枠型保持ユニットを具備したことを特
徴とするものである。
更に、本発明においては、その光学機器装置が眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズ
及びまたは加工前の丸レンズ等を被検レンズとし、これ等被検レンズの表面または裏面を
観察または検査するための光学機器装置(所謂レンズチェッカー)であって、被検レンズ
の表面側から照射するための光源と、被検レンズに照射した光束を受光して撮像するため
の撮像手段からなる観察光学系を内蔵した光学機器装置本体に対し、被検レンズの枠型保
持ユニットが、スライド支持軸を介して光学機器本体の取付けブラケットに装着され、更
に上記枠型保持ユニットにおいて、その保持アーム部材により被検レンズを保持したまま
、X軸方向へのスライド移動操作及び左右の傾動操作に加え、センタリング位置から枠型
フレーム部材の囲み枠内においてY軸方向へと、適宜移動操作自在に構成されてなること
を特徴とするものである。
また更に、本発明においては、その光学機器装置が眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レ
ンズ及びまたは加工前の丸レンズ等を被検レンズとし、これ等被検レンズの度数等の光学
特性を測定するための光学機器装置(所謂レンズメーター)であって、被検レンズの表面
側または裏面側から透過するための光源と、被検レンズを透過した透過光束を受光して光
学特性を測定する測定演算手段からなる測定光学系を内蔵した光学機器装置本体に対し、
被検レンズの枠型保持ユニットが、スライド支持軸を介して光学機器本体の取付けブラケ
ットに装着され、更に上記枠型保持ユニットにおいて、その保持アーム部材により被検レ
ンズを保持したまま、X軸方向へのスライド移動操作及び左右の傾動操作に加え、センタ
リング位置から枠型フレーム部材の囲み枠内においてY軸方向へと、適宜移動操作自在に
構成されてなることを特徴とするものである。
なお、本発明においては、特にその光学機器装置におけるY軸方向への移動
操作と所定位置でのロック保持操作を可能にするための特徴的な構成として、
枠型保持ユニットの枠型フレーム部材に対照的に配置された左右二組の保持ア
ーム部材によるセンタリング機構と、基端のセクターギヤの噛合いによる同期
的な拡縮機構の組合せ構造に関し、被検レンズを保持したまま、保持アーム部
材によるY軸方向への移動操作を可能にするために、各組の保持アーム部材に
おける少なくとも一方の基端における枢軸において、セクターギヤの噛合いを
一時的に回避可能にすべく、枢軸の半径方向への変位を許容する緩衝機構を設
け、被検レンズを保持したまま、センタリング位置から枠型フレーム部材の囲
み枠内においてY軸方向へと移動操作自在に構成されてなると共に、これ等保
持アーム部材の各組の少なくとも一方の保持アーム部材には、枠型フレーム部
材に対するロックネジ手段を配備し、保持アーム部材の所望とするY軸方向の
移動位置においてロック保持とその解除自在に行えるよう構成してなるこ
を特徴とするものである。
本発明は、従来の光学機器装置において汎用されているような被検レンズの載置台に依
存することなく、機械的に被検レンズを保持することができる枠型保持ユニットを具備し
ているので、前記した先願発明(特願2018−181957号)におけると同様に、光
学機器装置の低床化と小型コンパクト化を確実に果たすことができると共に、被検レンズ
を機械的にセンタリング保持してX軸方向へのスライド移動と、スライドさせた任意の位
置において適宜に左右方向への傾動操作もできるので、被検レンズの移動に関する操作性
の向上を図れるばかりでなく、その操作と移動に関する安定した精度を得ることができて
、光学機器としての信頼性の高いものを提供できる優れた効果を発揮できることは勿論で
ある。
なお、被検レンズを保持する枠型保持ユニットが、光学機器装置本体の基部の所定の高さ
位置または本体前面部の所定の高さ位置において、ガイド溝付きの取付ブラケットを介し
てX軸方向にスライド操作自在に取付けられ、殊に枠入れされた眼鏡フレームのテンプル
を下方に向けて保持可能にした場合には、先願発明におけると同様な光学機器装置の低床
化とコンパクト化は果たせないまでも、少なくとも枠型保持ユニットの採用により、その
他のユニット化及び多機能化による作用効果を享受できるものである。
即ち、本発明における光学機器装置は、当該光学機器本体の基部において、X軸方向の
ガイド溝を有する取付ブラケットを光源または光軸に対する左右方向X軸に沿って設置す
る際の構成要件として、当該取付ブラケットにおけるガイド溝の形成位置に関し、所定の
高さ位置、換言すれば、眼鏡フレームにおけるテンプルの長さ寸法に相当する高さ方向の
寸法を確保するための所定の高さ位置、或いは、当該高さ寸法位置を確保する必要のない
保持状態とする場合の低い位置に、それぞれ必要に応じて取付ブラケットにおけるX軸方
向のガイド溝を設定することができるので、この後者の如き低い取付ブラケットのガイド
溝に嵌合するよう、スライド支持軸を長手方向の中央付近に突設してなる枠型フレーム部
材と、眼鏡フレーム受部及び丸レンズ受部の双方が形成された保持パッド部を有する左右
二組の保持アーム部材により、枠型保持ユニットの骨格を構成し、当該枠型保持ユニット
における保持アーム部材は、上記枠型フレーム部材の枠型中心に対して対称的に配置され
て左右の各組毎に保持パッド部が互いに接近するようバネ付勢されてなるセンタリング機
構、及び保持アーム部材の基端におけるセクターギヤの噛み合いを介して、上記左右の保
持パッド部相互の間隔が同期的に拡縮操作自在な拡縮機構として構成されてなると共に、
当該枠型保持ユニットにより眼鏡フレームのテンプルを上方に立ち上げたままの状態で保
持する一方、丸レンズも枠内中央に夫々センタリング保持し、かつこれ等の被検レンズを
枠型保持ユニットごと、上記スライド支持軸を介してガイド溝に沿ってX軸方向にスライ
ド操作自在に、またガイド溝内の任意位置において右方向または左方向に傾動操作自在に
枠型保持ユニットの各機能が構成されているので、上記した如き光学機器装置の低床化を
果し、かつその操作性と精度等の信頼性に優れた効果を発揮できるのである。
その結果、スライド支持軸を取付けブラケットのガイド溝に嵌合したままの使用状態に
おいては、スライド支持軸の基端に設けられた操作摘みを手動で適宜操作することにより
、枠型フレーム部材に保持された眼鏡フレームの眼鏡レンズや未加工の丸レンズを、枠型
フレーム部材ごとX軸方向にスライド操作することができる事は勿論のこと、保持された
被検レンズを枠型フレーム部材ごと必要に応じて上記操作摘みを左回転または右回転操作
することにより(或いは、操作摘みによることなく枠型フレーム部材を直接的にスライド
支持軸のフリクションに抗して操作しても良い)、左右に傾動操作することができるので例
えば、被検レンズがハイカーブレンズや曲率の大きな丸レンズのような場合でも、光軸に
対する面直状態を調整することができ、或いは観察や測定のし易い状態に被検レンズを傾
けて見ることができるなど、優れた操作性と精度を備えた光学機器装置を、前記した先願
発明におけると同様に提供することができるのであり、実用的にも優れた有用で特殊な効
果を発揮できるものである。
また、本発明における枠型保持ユニットにおいては、前記した先願発明におけると同様
に、枠型保持ユニットにおける保持アーム部材が、枠型フレーム部材の枠型中心に対して
対称的に配置されていて、その左右の各組毎に保持アーム部材が互いに接近するようバネ
付勢されてなるセンタリング機構及び、保持アーム部材の基端におけるセクターギヤの噛
み合いを介して、上記左右の保持アーム部材相互の間隔が同期的に拡縮操作自在な拡縮機
構として構成されているので、被検レンズの光学中心と光軸がセンタリング機構により略
一致するように保持されて便利である他、被検レンズをセットする際に、左右の保持アー
ム部材が相互に同期的に拡縮操作自在であるので、被検レンズのセッティング操作を容易
に行うことができ、操作性に優れた効果を有するものである。
然も、枠型フレーム部材の囲み枠内には、基本的に上記二組の保持パッド部付きの保持アーム部材以外の機械的構成部品が存在していないため、必要な光学的観察または測定範囲は確保された光学機器装置とすることができるものであることは、言うまでもない。
因みに、これ等の機能的に優れた被検レンズの枠型保持ユニットを、上記スライド支持
軸に仕掛けたバネ手段等による着脱機構を設けること等により、仮にワンタッチで光学機
器装置の取付けブラケットに装着自在に構成した場合には、光学機器装置を組立てる上で
の生産効率の向上を図れる他、必要に応じて枠型保持ユニット自体を取り外して交換でき
るので、光学機器装置において対象とする被検レンズの形態を容易に変更することも可能
であり、光学機器装置として被検レンズの形態、即ち枠入れされた眼鏡レンズ専用の、ま
たは未加工の丸レンズ専用の、またはこれ等の共用の光学装置、或いは形レンズ用の光学
装置として、夫々顧客の要望に容易に対応し提供できる効果を併せて発揮させることがで
きるようにすることも可能であることを付言しておく。
更に、本発明の枠型保持ユニットにより、眼鏡フレームのテンプルを上方に立ち上げた状
態のまま保持するよう構成した場合には、光学機器装置の小型低床化を果せることは前述
の通りである。
そして殊に本発明において特徴とすべき枠型保持ユニットの優れた点は、以上に説明し
てきたX軸方向移動と左右方向の傾動操作機能に加え、本発明の枠型保持ユニットにかか
わる特殊機能として、当該枠型保持ユニットの保持アーム部材により被検レンズを保持し
たまま、センタリング位置から枠型フレーム部材の囲み枠内において、光軸に対し前後方
向となるY軸方向へと、適宜移動操作自在に構成してなることを特徴とするので、今まで
のX軸方向のスライド機能と左右方向の傾動機能に加えて、Y軸方向への任意の移動調整
操作もできるため、被検レンズの光軸合せのための精度の向上を更に果すことができる優
れた効果を発揮することができるばかりでなく、被検レンズをY軸方向に適宜移動させた
部位における被検レンズ表面または裏面の観察や、測定部位のY軸方向へのセット変更な
どを容易に操作することができ、観察及び測定精度に優れた光学機器装置を提供できるの
である。
更に、本発明においては、被検レンズとしての眼鏡レンズのフレーム形状の違いや、丸レ
ンズの直径サイズの違い、或いは形レンズの違い等に基因する被検レンズ中心位置の違い
にも対応できると共に、被検レンズの目的とする周辺側の部位への移動とセッティング操
作を自由に行え、操作性と精度に優れた効果を発揮することができるものである。
然も、本発明においては、特にその光学機器装置におけるY軸方向への移動操作と所定
位置でのロック保持操作を可能にするための機構の特徴として、枠型保持ユニットの枠型
フレーム部材に対照的に配置された左右二組の保持アーム部材によるセンタリング機構と
、基端のセクターギヤの噛合いによる同期的な拡縮機構の組合せ構造に関し、被検レンズ
を保持したまま、保持アーム部材によるY軸方向への移動操作を可能にするために、各組
の保持アーム部材における少なくとも一方の基端における枢軸において、セクターギヤの
噛合いを一時的に回避可能にすべく、枢軸の半径方向への変位を許容する簡単な緩衝機構
を設けることにより、被検レンズを保持アーム部材で保持したまま、センタリング位置か
ら枠型フレーム部材の囲み枠内においてY軸方向へと適宜移動操作自在に構成されている
と共に、これ等保持アーム部材の各組の少なくとも一方の保持アーム部材には、枠型フレ
ーム部材に対するロックネジ手段を配備し、これにより保持アーム部材の所望とするY軸
方向の移動位置において、適宜ロック保持及び解除自在に構成してなる機構を具備したこ
とを特徴とするので、被検レンズを所定の光軸関係を保って所望の保持状態に容易にロッ
ク保持することができ、その後の光学機器装置の操作に関して作業者は両手を自由に使う
ことが可能となり、本来の多機能による作用効果と相俟って、操作性に優れた実用的にも
優れた光学機器装置を提供することができるものである。
なお、本発明にかかる光学機器装置としては、光源に対向して配置された受
光側の光学系手段を一体的に備えたレンズチェッカーやレンズメーターの他に
、例えば受光側光学系手段を持たない直接的な目視観察型のレンズチェッカー
形式であってもよく、その光学機器本体の形式に拘束されることはなく、その
光学機器本体の基台において、X軸方向のガイド溝を有する取付けブラケット
さえあれば、このガイド溝に嵌合してスライドすると共に、着脱機構を具備し
てなるスライド支持軸を組合わせるだけで、容易に本発明における被検レンズ
の枠型保持ユニットを採用し実施することができることは勿論である。
また、以上に述べた本発明において用いる被検レンズの枠型保持ユニットは、
光学機器装置本体に内蔵された光学系の違いにより、例えば被検レンズの観察
光学系を備えた装置に具備することによる具体的な光学機器として、小型コン
パクトで精度と操作性の良い生産性に優れたレンズチェッカーを提供すること
ができ、一方、装置本体内に被検レンズの測定光学系を備えた装置に具備させ
た場合における具体的な光学機器としては、小型コンパクトで測定精度と操作
性の良い生産性に優れたレンズメーターを提供することができるのであり、そ
の光学機器装置としての操作性においても、機械的なセンタリング保持効果と
操作精度が向上されることは勿論、光学機器装置として観察精度及び測定精度
の優れた装置とすることができることは言うまでもない。
然も、装置全体としての構成上も、本発明にかかわる枠型保持ユニットの採用
により、汎用性のある装置として光学器機装置を廉価に構成できるので、経済
性にも実用性にも秀でた多機能な装置を提供できるのである。
図1は、眼鏡フレームを保持した本発明にかかる枠型保持ユニットを採用してなるレンズチェッカーまたはレンズメーターの外観図である。 図2は、本発明にかかわる枠型保持ユニット部分の説明用斜視図。 図3は、本発明にかかわる枠型保持ユニット部分の説明図でY軸方向へ移動した時の説明用平面図。 図4は、図3に対応する枠型保持ユニット部分の説明用背面図。 図5は、本発明にかかわる枠型保持ユニットにおけるY軸方向へのシフト移動操作を可能にする緩衝機構の代表的な事例を採用した枢軸部分の説明用拡大図。 図6は、本発明にかかわる枠型保持ユニット部分の説明図で図3と逆のY軸方向へ移動したときの説明用平面図。 図7は、未加工の丸レンズを保持した本発明にかかる枠型保持ユニットを採用してなるレンズチェッカーまたはレンズメーターの外観図である。 図8は、眼鏡フレームを図1とは異なる保持状態で保持した場合の本発明にかかる枠型保持ユニットを採用してなるレンズチェッカーまたはレンズメーターの外観図である。
本発明の実施例について、光学機器装置としてレンズチェッカーまたはレンズメーター
への適用事例を示した図1と、図2乃至図6に示した被検レンズの枠型保持機構としての
枠型保持ユニット1部分の事例を参照しつつ、以下その技術的な構成と作動要領などにつ
いて説明することとする。
図1は、光学機器装置として照明用光源3と、この光源3に対して対向配置された受光側
の撮像手段4からなる所謂観察光学系を具備してなる装置本体部2aの基台2b上におい
て、本発明にかかる眼鏡レンズ及び丸レンズ等を被検レンズとする枠型保持ユニット1を
装着して構成されたレンズチェッカーの全体構成を表す説明用斜視図であり、この枠型保
持ユニット1の基本的な構成は、図2にそのユニット部分を示す斜視図からも明らかであ
るが、装置全体としての構成は装置本体部2aの基台2bにおける中央の光源3における
円筒状部分に対し、その光源3を挟むようにX軸方向のガイド溝5a、6aを有する取付
ブラケット5、6を対向的に配置して取付、当該取付ブラケット5、6に対して、そのガ
イド溝5a、6aの各々に着脱自在に嵌合するスライド支持軸7a、7bを略矩形の長手
方向の中央付近に突設した枠型フレーム部材7と、当該枠型フレーム部材7に対し対称的
に枢着配置された左右二組のペアリングされた保持アーム部材11a及び11bにより枠
型保持ユニット1の骨格を構成し、後者の保持アーム部材11a及び11bの先端部には
、形態の異なる被検レンズ用として夫々上下二段に眼鏡フレーム受部8aと丸レンズ受部
9aが側面に形成された保持パッド部材10a、10b及び10c、10dを設け、これ
等左右の各ペアリングされた組毎に保持パッド部10a、10b及び10c、10dが後
述するように夫々枠型フレーム部材7の囲み枠内の中央に向けて互いに接近するようバネ
付勢されたセンタリング機構として機能し、更に当該センタリング機構としての各ペアリ
ングされた保持アーム部材11a及び11bは、その基端において回動自在に各々枢軸1
2a及び12bにより枢着(図2等参照)され、上記左右の保持パッド部10a、10b
及び10c、10d相互の間隔を適宜同期的に拡縮操作自在に構成されている。
なお、図示実施例における保持パッド部材10a、10b及び10c、10dは、所謂
被検レンズの共用タイプのものであるので、その先端部には、眼鏡フレーム受部8aと丸
レンズ受部9aが側面に形成されているが、光学機器装置本体を眼鏡フレーム用または丸
レンズ及び形レンズ用の何れか一方の専用機として構成することもでき、その場合は眼鏡
フレーム受部8aまたは丸レンズ受部9aの何れか一方を形成すればよく、或いは本実施
例の様な共用タイプであっても、形態の異なる夫々の被検レンズ用としても使用すること
ができることは勿論である。
また、枠型フレーム部材7の全体形状は、図示したような略矩形に限らずC型やコの字型
であっても構わないが、この場合の枠型フレーム部材7を摺動自在に支える取付ブラケッ
ト5、6の配置は、光源3を挟んでその円筒状の部分に対向的に設けた事例を例示したが、これに限られることなく、例えば光源3の円筒状部分の片側に対して左右方向X軸に沿って設け、上記枠型フレーム部材7を片持ち支持状態に保持するよう構成してもよく、或いは光源3の円筒状部分を利用することなく、基台2bに直接的に取付けても良い。
そしてこの枠型保持ユニット1により図1に示す如く、眼鏡フレームのテン
プルMTを上方に立ち上げた状態でセンタリング保持する一方、図7に一例を
示す如く、未加工の丸レンズSLの場合も枠型フレーム部材7の囲み枠内中央
の光軸に合わせて夫々機械的にセンタリング保持するよう構成すると共に、光
学機器装置における光軸に対し交叉する平面内において、これ等の眼鏡フレー
ムに枠入れされた眼鏡レンズML及び未加工の丸レンズSL等の何れの形態の
被検レンズであっても確実に機械的に保持し、然も枠型フレーム部材7のスラ
イド操作により、被検レンズと光軸を最適な光学関係にすべく適宜X軸方向
ち、X軸に沿う方向に(以下同じ)スライド操作することができるよう構成さ
れてなるものである。
なお、眼鏡フレームを保持する場合、例えば図1及び図2に一例を示す如く眼
鏡フレームのノーズパッドNPに対するノーズパッド受部材13を用いること
により、眼鏡レンズMLにおける視線と光軸との関係を合わせるように左右の
保持パッド部10a、10b及び10c、10dにおける各眼鏡フレーム受部
8aにより保持することができて便利である一方、図7に示す如く丸レンズS
Lを枠型フレーム部材7の内側中央に保持する際には、上記ノーズパッド受
材13が光軸の妨げにならないようにこれを退避操作自在に構成されているの
が好ましい。
また上記本発明にかかわる枠型保持ユニット1における特徴的な構成は、図
示実施例においては、略矩形の枠型フレーム部材7が、基台2b上に対向設置
されているX軸方向のガイド溝5a、6aを有する取付ブラケット5、6に対
して、そのガイド溝5a、6aと自身の長手方向中央部に突設されたスライド
支持軸7a、7bが互いに装着嵌合手段となって取付けられ、適度な締付力の
下に嵌合保持され、かつ人為的にX軸方向にスライド移動操作自在に組合せて
あり、このスライド支持軸7a、7bにおける形状は、例えば一例として、枠
型フレーム部材7に対する軸線回りの相対的な回転を規制する面取り部(図示
せず)を有すると共に、少なくとも一方の取付ブラケット5のガイド溝5aに
対して摺動可能に適当なバネ力の下に突出嵌合する一方、スライド支持軸7a
の端部に螺着してなる操作摘み15をバネ力に抗して軸方向に後退移動させて
ガイド溝5aとの装着嵌合状態を解除し、枠型保持ユニット1を基台2bから
取り外すことができるようにされているのが望ましく、これ等の構成により、
取付ブラケット5、6のガイド溝5a、6aとスライド支持軸7a、7bとの
間には、枠型フレーム部材7の略水平状態を維持するのに適当なフリクション
保持状態とともに、人為的にスライド移動可能な嵌合状態が得られるように構
成されている。
また、スライド支持軸7aの基端に設けた操作摘み15を左方向または右方向
に回動操作することにより、被検レンズを枠型保持ユニット1ごと左右に適宜
傾動操作自在に構成すると共に、かかる操作摘み15を更に締め込み操作する
ことにより上記フリクションを増大させて、枠型フレーム部材7を所望とする
傾動状態に一時的に保持することができるよう構成されているのである。
叙上のように、スライド支持軸7a、7bは、着脱機能部品であると共にスライド並び
に傾動機能部品、及びフリクション伝達部品などとしての複合機能部品であり、操作摘み
15についても同様に、スライド並びに傾動操作及び着脱操作とフリクション保持操作用
としての複合機能部品である。
なお、スライド支持軸7aにおける上記着脱機能は、対向するスライド軸7b側にも設け
ても良いが、図示実施例の如く一方のスライド軸7a側に設けることとし、他方のスライ
ド軸7bにおいては、取付ブラケット6のガイド溝6aに対して単に嵌合するだけの構造
を採用してもよく、或いは、一方のスライド支持軸7aのみによる枠型フレーム部材7の
片持ち支持構造を採用することもできる等、何れの構造を採用するかは必要に応じて当業
者が自由になし得るところである。
更に本発明においては、このようにスライド支持軸7a、7bの自由な回転運動が規制
されながらガイド溝5a、6aに案内されてスライド移動操作可能にする一方、必要に応
じてガイド溝5a、5bの任意の移動位置において、スライド支持軸7a、7bを人為的
に右回転或いは左回転操作するための操作摘み15を設けてあるので、被検レンズを保持
パッド部10a、10b及び10c、10dにより保持したまま枠型フレーム部材7ごと
左右方向に適宜傾動操作自在に構成されており、然も上記の操作摘み15を対応する一方
の取付ブラケット5に対し、例えば捩じり操作して締め付けることなどにより、所望とす
るスライド位置において所望の傾動状態にロック保持することができるようにも構成する
ことができ、こうした傾動機構により、被検レンズが例えばハイカーブレンズや、曲率の
大きな曲面をもつ丸レンズ等の場合であっても、光軸に対し面直状態に略合わせことがで
きる機能を容易に得ることが可能なため、この様な被検レンズ表面の観察や測定機能を精
度よく確実に果すことができるのである。
なお、上記取付ブラケット5、6のガイド溝5a、6aに対するスライド支持軸7a、7
bの嵌合関係により、枠型フレーム部材7が略水平状態に保持される一実施例を例示した
が、正確な水平状態を維持したい場合には、図示してないが、スライド支持軸7a、7b
の少なくとも何れか一方に対して可撓性のある水平保持バネを必要に応じて設けることに
より目的を果たすことができ、それは当業者ならば極めて容易に実施することができると
共に任意である。
そして本発明にかかわる被検レンズの枠型保持ユニット1においては、その
枠型フレーム部材7に対して左右対照的に二組のペアリングされた保持アーム
部材11a及び11bが夫々枢軸12a及び12bを介して回動自在に枢着さ
れていると共に、これ等の保持アーム部材11a及び11bは、その先端に形
成されている保持パッド部10a、10b及び10c、10dがその各組毎に
枠型フレーム部材7の内側中央に向けて互いに接近するよう、例えば、図4に
示す如く、枠型フレーム部材7における枠型中心に対して対称的な四箇所に配
置したバネ軸16aと、このバネ軸16aに夫々装着されて左右のペアリング
された保持アーム部材11a及び11bを枠型フレーム部材7の枠の内側に向
けて付勢するためのセンタリングバネ16b、16b及び、16b、16bを
設けると共に、上記左右一対の保持アーム部材11a及び11bの可動範囲を
規制するための手段として、枠型フレーム部材7の対称的な四箇所に穿った左
右各一対のガイド穴18a、18a及び18b、18bと、当該ガイド穴18
a及び18bの夫々に対応するガイドピン19a、19a及び19b、19b
を設けてなる所謂センタリング機構を構成してなり、更にこれ等の保持アーム
部材11a、11a及び11b、11bの枢着側の端部には、互いに噛合うセ
クターギヤ部17a及び17bを設けることにより、各ペアリングされた保持
アーム部材11aまたは11bにおけるひとつの保持アーム部材11aまたは
11bを外側または内側へ向けて動かすことにより、ペアをなす左右何れかの
組の保持アーム部材11a及び11bが夫々同期的に離間または接近する動作
自在に操作できるように、各々左右における同期的な拡縮操作機構として設
けられているのである。
なお、上記のペアリングされた保持アーム部材11a、11a及び11b、11bにお
けるガイドピン19a及び19bには、保持アーム部材11a及び11bの枢軸12a及
び12bを中心とする旋回運動をロック保持するための、所謂ロックネジ手段20a及び
20bを設けることにより、ロック保持後の被検レンズの観察や測定作業における作業性
の向上を果すことができ、その機能と操作要領の詳細は後述することとする。
従って、上記の如く、本発明における保持パッド部10aと10b及び10cと10dは、
保持アーム部材11a及び11bの同期的な拡縮運動とともに同期的に離間操作したり接
近操作することができるので、眼鏡フレームMFの大きさや丸レンズSLの径の大小等に
応じて機械的にこれ等サイズの異なる被検レンズを確実に保持することができると共に、
その操作を容易に行うことができるので便利であることは、先願発明における機能と変わ
りはない。
また更に、本発明において特徴とするところは、被検レンズを保持アーム部
材11a及び11bによるセンタリング保持状態から、保持した状態のまま、
枠型フレーム部材7の囲み枠内においてY軸方向へと、適宜移動操作すること
が可能なように構成したことを特徴とするものである。
即ち、上記したように左右各組の保持アーム部材11a及び11b、並びに四
か所のセンタリングバネ16bによるセンタリング機構と、これ等保持アーム
部材11a及び11bにおける各基端に設けた各セクターギヤ17a及び17
bの夫々の噛合いにより、左右のペアリングされた各組ごとの保持アーム部材
11a及び11bにおいて得られるところの、相互に近接または離間する方向
への同期的な動きをなす拡縮機構が有効に機能している限りは、左右の各組ご
とに対をなすようペアリングされた保持アーム部材11a及び11bにおいて
、その一方を枠型フレーム部材7の枠内中心方向(センタリング方向)に移動
させると同時に、ペアリングされた他方の保持アーム部材11a及び11bを
枠内中心方向から逆に離れる方向に移動させることは構造的に不可能な構成に
なっているため、このままの状態では、保持アーム部材11a及び11bを、
センタリングバネ16b及びセクターギヤ17a、17bの作用を無視して、
同時にY軸に沿う同一方向に移動操作することができない。
従って、この同期的な拡縮機構について、必要に応じて自動的に解消すること
を可能にするための回避機能とも言うべき緩衝機構を設ける必要性があり、こ
れを実現して上記したようなセンタリング機能並びに同期的拡縮機能に加えて
、Y軸方向即ち、Y軸に沿う方向への(以下同じ)シフト移動操作自在な機能
まで可能にしたのが本発明であり、以下にその特徴的な緩衝機構について図5
を参照しつつ詳述することとする。
図5は図4におけるサークルA部分(図3の平面図では右側に位置している部分)の拡
大図であり、この図5においては枠型フレーム部材7における保持アーム部材11b、1
1b側の一組を取り上げて上記緩衝機構について説明するが、図3の平面図における左側
の保持アーム部材11a、11aの組においても同様に構成されているものであので、そ
の説明は省略する。
図4は、丸レンズSLを保持パッド部10a、10b、10c、10dにてセンタリング
保持した状態のまま、スライド支持軸7a側からスライド支持軸7b側へと、操作摘み1
5側にある一方の保持アーム部材11a及び11bを手動で押してシフト移動させた状態
を示すものであるが、この時仮に緩衝機構がない状態であるならば、保持アーム部材11
a及び11bの基端におけるセクターギヤ17a同士及び17b同士の噛合いにより、ス
ライド支持軸7a側からの押し方向の保持アーム部材11a及び11bの移動に伴って、
ペアリグされたスライド支持軸7b側の保持アーム部材11a及び11bは、本来ならば
逆方向に噛合い移動させられることとなり、スムーズなY軸方向へのシフト移動操作がで
きないことになるのであるが、このような不都合に対し自動的に対処することができるよ
う緩衝機構を、ペアリングされた保持リンク部材11a及び11bの何れか一方の基端枢
軸部に設けたものである。
即ち、図5に示すように、ペアリングされた保持アーム部材11b、11bの基端の枢
軸12b、12bの一方(図示においてはスライド支持軸7b側)の枠型フレーム部材7
に対する取付け穴を、丸穴から僅かに変形した長穴21bに形成して該当する枢軸12b
との間に遊び(バッファー機能)を持たせておくと共に、その枢軸12bの遊びを常に抑
えて中心位置へと復帰させ保持するための左右両利きのヘアピン形のバネ手段22bと、
当該バネ手段22bの取付け用バネ軸23b及びバネ手段22bの中心復帰状態を維持す
るために設けた、規制用のボス部24bを夫々組み合わせて緩衝機構を構成してなるもの
である。
なお、図中符号の26は、枢軸12a、12a及び12b、12bを枠型フレーム部材7
に取付けるためのE型ワッシャ25を受ける座面として、枠型フレーム部材7に一体的に
成形された凸型座面である。
従って、上記したように、図示の如くペアリングされた一方(スライド支持軸7a側)
の保持アーム部材11a及び11bがスライド支持軸7b側へと移動操作された際に、対
応する他方(スライド支持軸7b側)の保持アーム部材11a及び11bの基端における
枢軸12bは、長穴21bの遊び相当分だけバネ手段22bのバネ力を受けて長穴21b
内を半径方向に移動し、セクターギヤ17a及び17bbの噛合い状態を一時的にかつ自
動的に回避することができるよう機能するので、ペアリングされている左右の保持アーム
部材11a、11a及び11b、11bは共に枠型フレーム部材7の囲み枠内において、
適宜所望のシフト量だけスライド支持軸7b側のY軸方向に移動することが許容され、自
由に移動操作することが可能になるのである。
そして、上記のスライド支持軸7b側へ向かうY軸方向への移動操作力を開放すれば、ペ
アリングされた保持アーム部材11a、11a及び11b、11bの各組は、センタリン
グバネ16bと夫々のヘアピン形のバネ手段23a及び23bの合成バネ力を受けて、元
のセンタリング保持状態へと自動的に復帰するよう構成されている。
更に、本発明の一実施例においては、前記したように枠型フレーム部材7における左右
に夫々ペアリングされて設けられた保持アーム部材11a、11a及び11b、11bに
関し、その回動範囲を規制するために設けたガイド穴18a及び18bと、これ等に自由
嵌合されたガイドピン19a及び19bにおいて、その何れか一方(図示実施例の場合は
操作摘み15側)の保持アーム部材11a及び11bのガイドピン19a及び19bに対
し、夫々締付用のロックネジ手段20a及び20bを設けてあるので、被検レンズをセン
タリング保持した際には特にその必要は少ないが。上記したように被検レンズをセンタリ
ング保持した後で、保持したままの状態でY軸方向に適宜移動操作した場合においては、
手動による操作力を解除すると自動的にセンタリングバネ16b、16bと、ヘアピン形
の中立復帰用のバネ手段22a及び22bのバネ力を受けてセンタリング位置に自動復帰
してしまうので、このようなY軸方向への所望の移動位置を保持したい場合には、上記の
ロックネジ手段20a及び20bをねじ回して、一時的に所望とする移動状態をロック保
持することができるよう構成されているものである。
なお、これ等のロックネジ手段20a及び20bは、必ずしも必要とされるものではない
が、ロックネジ手段20a及び20bを設けることにより、被検レンズをY軸方向へ適宜
移動させた状態に一時的に保持させることができるので、光学機器装置の操作者にしてみ
れば両手を自由に使える状況が得られるので、操作性の点において極めて有利な光学機器
装置を提供することができて、実用的に便利で優れた機能を発揮できるのである。
以上図3及び図4は、丸レンズをセンタリング保持した状態から、スライド
支持軸7a側から7b側へと、センタリングバネ16b、16bとヘアピン形
のバネ手段22a及び22bのバネ力に抗し、手動でY軸方向となるY軸に沿
ってスライド移動すべく押し込み操作した場合の状態を示した説明図であるが、
これとは逆に、丸レンズをセンタリング保持した状態から、スライド支持軸7
b側から7a側へと、センタリングバネ16b、16baとヘアピン形のバネ
手段22a及び22bのバネ力に抗して手動でY軸方向となるY軸に沿って
ライド移動すべく手前に(操作摘み15側に)引寄せる方向に操作した場合の
状態を示す説明図が図6であるが、この引寄せ方向への操作時においても、本
発明にかかわる緩衝機構による噛合い回避要領は、上記図4、図5における長
穴21a及び21bと、ヘアピン形のバネ手段22a及び22bや、当該バネ
手段22a及び22bの取付け固定軸23a及び23bと、バネ手段22a及
び22bの中立復帰機能を維持するためのボス部24a及び24b等による作
動要領と同様であるので詳細な説明は省略すると共に、図5に拡大して説明し
た緩衝機構についても、枠型フレーム部材7の左右にペアリングされた保持ア
ーム部材11a及び11bにおける基端部において、夫々同様に枢軸12a、
12bと長穴21a、21b、及びヘアピン形のバネ手段22a、22bや、
固定軸23a、23b、並びにボス部24a、24b等を配備してあるので、
その配置に関する詳細説明も省略する。
なお、以上説明した緩衝機構は、図示の実施例形状に限定されるものではなく、同様な
機能を発揮できる構成であれば、ヘアピン形の中立復帰機能を果たすバネ手段22a、2
2bの形式や、当該バネ手段22a、22bの中立位置がズレないように維持するための
ボス部24a、24bの形状は単純な矩形や丸型でもよく、また、上記四箇所のセンタリ
ングバネ16bについても、夫々のバネ軸16a周りに配置した事例を図示したが、これ
等センタリングバネ16bの配置は図示実施例に限られるものではなく、例えば各保持ア
ーム部材11a及び11bの各枢軸12a及び12b周りに夫々配置してもよく、更に図
示してないが中央線上に位置する単一のバネ軸に対して設けた一つのセンタリングバネに
より、各組の保持アーム部材11a及び11bを互いに近接する方向に付勢するようセン
タリング機構を構成することもできるものであり、その構成は同期的なセンタリングが可
能であれば他の適当な構成を採用することができるものである。
以上説明してきたように、図1の実施例においては、先にも述べたように光
学機器装置として照明用光源3と受光側の撮像手段4からなる所謂観察光学系
を具備してなるレンズチェッカーの実施例として説明したが、光学機器装置と
して被検レンズに対する照明用光源3に代えて測定用光源3を設け、受光側に
おける本体2aに設けた撮像手段4に代えて、これを被検レンズからの透過光
束を受光してその光学データから被検レンズの度数などの光学特性を演算処理
する如き測定光学系(図示せず)を備えた、所謂レンズメーターであっても、
前記と同様に光学機器装置本体の基台2bにおいて、本発明にかかわる枠型保
持ユニット1を採用し機器を構成することができることは勿論であり、殊に本
発明における枠型保持ユニット1は、基台2bの上面における取付ブラケット
5、6に対しX軸方向となるX軸に沿う方向へスライド自在に組合された枠型
フレーム部材7において、保持パッド部10a、10b及び10c、10dを
設けた左右二組の保持アーム部材11a及び11bがその基端において回動自
在に枢着され、これ等左右の保持アーム部材11a及び11bにおける相互の
間隔を適宜同期的に拡縮操作自在に構成されている関係上、枠型フレーム部材
7の枠内には、基本的に上記二組のパッド部付保持アーム部材11a及び11
b以外に機械的構成部品が存在していないため、保持パッド部10a、10b
及び10c、10dにて眼鏡レンズMLまたは丸レンズSLが保持されている
限り、これ等の被検レンズMLまたはSLに対する光源部3からの光束に対す
る障害物がない(図2、図4参照)ので、光学系に制約を受けないことを必須
条件とする被検レンズの透過光束を使用する測定光学系を備えたレンズメータ
ーとして有利な被検レンズの保持機構となるのであり、これ等レンズメーター
或いはレンズチェッカーとしての光学的な観察または測定方法や操作要領及び
その機能等については、一般的なものと基本的に変わりはないので説明を省略
する。
ただ、本発明にかかわる被検レンズの枠型保持ユニット1が、例えば着脱機
構を具備している場合は、枠型保持ユニット1を交換できることは言うまでも
ないが、これ以外の特徴としては、前記したように眼鏡フレームMFのテンプ
ルMTを上方に立ち上げた状態で保持する一方、未加工レンズSLも同様に機
械的に保持することができ、然も枠型フレーム部材7のスライド操作により、
被検レンズと光軸を最適な光学関係にすべく適宜X軸方向にスライド操作する
ことができる他、必要に応じて被検レンズを保持パッド部10a、10b及び
10c、10dにより保持したまま枠型フレーム部材7ごと左右方向に適宜傾
動操作自在に構成されている枠型保持ユニット1が具備されている点において
、今までの一般的なレンズチェッカーやレンズメーターと異なる点であるが、
本発明における枠型保持ユニット1自体の特徴として多種類の機能と操作性を
有するので、例えば図示実施例(図1)の場合には、眼鏡フレームMFのテン
プルMTを上方に立ち上げた状態で機械的に保持することができる光学機器装
置として説明したが、光学機器装置の構成如何によっては、後述するように、
眼鏡フレームMFのテンプルMTを下方に垂下させたままの状態で機械的に保
持することもできるものである。
なお、眼鏡フレームMFに枠入れされた眼鏡レンズMLと未加工の丸レンズSLなどの
異なる形態の被検レンズに適応可能なことを特徴とする本発明においては、被検レンズの
保持機構として枠型保持ユニット1に関する一実施例を図示したが、上記したような枠型
フレーム部材7に伴うメリットを逸脱しない範囲において、例えば枠型フレーム部材7の
全体的な形状等に関し図示の実施形状に拘束されるものではなく、また枠型フレーム部材
7のスライド移動と傾動操作及び、着脱機構付きのスライド支持軸7aの採用等々、その
他必要な変更などは、本発明の本質的なセンタリング機能と同期的な拡縮機能、及びY軸
方向への移動操作機能等の多機能性に関する技術思想を逸脱しない範囲で、当業者がその
構成要件の形状変更などを行うことは自由になし得ることであること勿論である。
以上の如く構成された本発明にかかわる被検レンズの枠型保持ユニット1に
おける各種の機能に関し、先ずは添付図面における共用タイプの実施例に基づ
いて、その操作要領を以下説明することとする。
まず、眼鏡フレームMFに枠入れされた左右の眼鏡レンズMLを保持する場合
、枠型フレーム部材7の左右における保持アーム部材11a及び11bの各ペ
アリングされた組ごとにおける一方の保持アーム部材11a及び11bを枠型
フレーム部材7の枠の外側方向に向けて広げるように動かすことにより、夫々
の組における保持アーム部材11a及び11bがセクターギヤ17aまたは1
7bの噛合いにより互いに離間する方向に同期的に操作することができるので
、左右の保持パッド部10a、10b及び10c、10dを、互いに離間させ
たまま眼鏡フレームMFをそのテンプルMTが上方に立ち上げられた状態でセ
ットし、保持アーム部材11a及び11bを外側方向に広げる操作力及び操作
を止めることにより、各保持パッド部10a、10b及び10c、10dにお
ける眼鏡フレーム受部8a、8a及び8a、8aにより、図1に示す如く眼鏡
フレームMLを自動的に挟持することができる。
この時、ノーズパッド受部材13をノーズパッドNPに当接させるようセットすること
により、眼鏡レンズMLの視線の方向を光軸に合わせることができて便利であると共に、
眼鏡フレームMFに対する保持力は、左右二組の保持アーム部材11a及び11bの夫々
に対称的に配置した四箇所のバネ軸16aにおけるセンタリングバネ16bによるバネ付
勢力の下にセンタリング保持されているのである。
この状態で眼鏡フームMFをX軸方向へ移動操作するときは、枠型フレーム部材7を取付
ブラケット5、6のガイド溝5a、6aに沿ってそのスライド支持軸7a、7bによる略
水平状態のまま或いは、後述する所望の傾動状態のまま枠型フレーム部材7ごと適宜操作
摘み15を介して手動で(または自動化することもできる)左右方向に移動操作すること
により、眼鏡フレームMFに枠入れされた左右の眼鏡レンズMLの隠しマーク設定部を交
互に観察光学系或いは測定光学系の略光軸に一致させるべく切換え操作するだけで済むの
である。
即ち、眼鏡フレームMFに対して対称的に配置されている保持アーム部材11a及び1
1bによるセンタリング機構により、既に同一平面内におけるY軸方向への位置合せをす
る必要がないような眼鏡フレーム形状や、丸レンズの外径サイズ寸法等の場合には、同一
平面内における位置調整は略X軸方向のみで良いため、そのスライド操作を簡単かつ容易
に、然も精度よく行うことができるので、本被検レンズの枠型保持機構としての枠型保持
ユニット1を光学機器装置に組み込むことにより、光学機器装置としての性能向上と、操
作性の向上を同時に果すことができる優れた効果を発揮できる。
またこのスライド操作の際に眼鏡フレームMFのテンプルMTは、上方に立ち上げられた
ままの状態にあるが、枠型フレーム部材7ごとガイド溝5a、6aに沿って移動操作して
も一切枠型保持ユニット1を構成する部材に接触することもなく、また上方の受光部4と
もガイド溝5a、6a内のスライド移動並びに、眼鏡フレームMFにおける左右のテンプ
ル幅の範囲での移動となるため干渉することもない。
また、眼鏡フレームMFに枠入れされた左右の眼鏡レンズMLを略水平に保持した状態
から必要な角度だけ左右方向に傾動操作する場合には、先にも述べたように取付ブラケッ
ト5、6のガイド溝5a、6aに嵌合させた枠型フレーム部材7のスライド支持軸7a、
7bの締付保持力を操作摘み15の逆捩り操作により緩めると同時に、この操作摘み15
を用いて枠型フレーム部材7自体を必要な所望の角度だけ左右に傾動操作することにより
、即ち、スライド支持軸7a、7bをガイド溝5a、6aの任意の位置において右回転或
いは左回転操作することにより、必要に応じて被検レンズを保持パッド部10a、10b
及び10c、10dにより保持したまま枠型フレーム部材7ごと左右方向に適宜傾動操作
することができ、かつその傾動状態のまま任意にX軸方向にスライド移動操作することも
できるものであり、これ等の傾動操作に際しても上方に立ち上げられた状態のままの眼鏡
ヅル(テンプル)MTは、先の場合と同様に受光部4に対する障害になることはない。
なお、眼鏡フレームMFに枠入れされた眼鏡レンズMLを被検レンズとする
場合の叙上の説明においては、本発明にかかわる枠型保持ユニット1において
被検レンズを機械的に保持する際に、眼鏡ヅル(テンプル)MTを上方に立ち
上げた状態のまま保持する場合を例示したが、保持の状態については、光学機
器装置本体との関係からこれまでの実施例の状態に限られるものではなく、例
えば、図8にその一例を示す如く、本発明にかかわる枠型保持機構としての枠
型保持ユニット1が、光学機器装置の基部2b側から、本体2a側の前面部に
おける所定の高さ位置に設けられた単一の取付ブラケット26のガイド溝を介
してX軸方向にスライド自在に装着されている場合には、眼鏡フレームMFの
テンプルMTを下方に垂れ下げた状態で機械的に保持することができ、この場
合は光学機器装置の低床化に関する作用効果は得られないまでも、枠型保持ユ
ニット1による多機能な操作性と作用効果については、上記した実施例と同様
に享受できるものであることは当然であるので、その詳細な説明は省略する。
図中符号の27は、光学機器装置の基部2b側に突設された光学系の光源側収
納部を、符号の29は、光源側収納部27に対向して光学機器装置の本体2a
側に配置された光学系受光側収納部28に設けられたディスプレイを示す。
また、取付ブラケット26と同様な所定の高さ位置を確保して、光学機器装置
の基部2b側に突設された光学系の光源側収納部27に対して設けた取付ブラ
ケット(図示せず)に対し、枠型保持ユニット1を装着しても良いことは勿論
である。
以上、本発明にかかわる枠型保持ユニット1事例として、眼鏡フレームM
Fに枠入れされた眼鏡レンズを被検レンズとする場合について説明したが、本
発明においては枠入れされた眼鏡レンズを被検レンズとすることに限られるも
のではなく、図示実施例からも明らかなように、上記枠型保持ユニット1は、
未加工の丸レンズSLを被検レンズとすることもできるので、以下その構成と
作用などについて簡単に説明することとする。
即ち、未加工の丸レンズSLを被検レンズとする場合には、図7に丸レンズSLを保持
した光学機器装置全体の外観図、及び図3等に示す枠型保持ユニット1部分に関する説明
図からも明らかなように、被検レンズの丸レンズSLは、左右の保持パッド部10aと1
0b及び10cと10dにおける対称的な四つの丸レンズ受部9aにおいて、枠型フレー
ム部材7の囲み枠内中央部の光軸と略一致するよう、保持アーム部材11a及び11bと
センタリングバネ16a及び16bによるセンタリング機能を受けて水平保持されるので
あり、更に、この時の保持パット部10a、10b及び10c、10dの同期的な拡縮操
作要領は、前記した眼鏡フレームMFの保持アーム部材11a及び11bの操作要領と同
様であるので詳細な説明は省略する。
なお、丸レンズSLを被検レンズとするときは、ノーズパッド受部材13は必要ないので
退避させておくのが好ましい。
また、丸レンズSLを保持した際におけるX軸方向へのスライド操作要領、並びに左右方
向への傾動操作要領についても、先の眼鏡レンズMLを被検レンズとする場合と同様に操
作するので、その詳細な説明を省略する。
次に本発明の特徴とするところの、被検レンズを枠型フレーム部材7の囲み枠内におい
て、光軸に対し前後方向となるY軸方向へ移動操作する際の作動要領について説明するこ
ととする。
一般的な光学機器装置において対象としている被検レンズには、眼鏡フレームに枠入れさ
れた眼鏡レンズや、未加工の丸レンズ或いは、加工された単独の形レンズ、及び丸レンズ
であってもその外径サイズが違うもの等があり、これ等眼鏡フレームの形状や被検レンズ
の外周形状においても様々であるので、これ等を機械的に保持するための枠型保持ユニッ
ト1(枠型保持機構)におけるセンタリング機構だけでは、正確に光軸合わせをすること
ができない場合が生ずる恐れがあるため、本発明のようにX軸方向へのスライド操作機能
や左右の傾動操作機能及びY軸方向への移動操作機能などの、多機能な調整機能が光学機
器装置において必要とされる。
そこで、本発明における枠型保持ユニット1を具備した光学機器装置においては、被検
レンズのセッティングに際し、先ず保持アーム部材11a、11a及び11b、11bの
各組における一方の(例えば手前のスライド支持軸7a側の)保持アーム部材11a及び
11bを、枠型フレーム部材7の中心部から遠ざかる方向へ(手前のスライド支持軸7a
側へ)と手動で回動させることにより、ペアリングされた組の他方の保持アーム部材11
a及び11bも同期して中心部から遠ざかる方向へと(スライド支持軸7b側へと)自動
的に回動し、四か所の保持パッド部10a、10b及び10c、10d相互の間隔が広げ
られ、図1に示すような眼鏡フレームの場合は、保持パッド部10a、10b及び10c、
10dにおける各眼鏡フレーム受部8aにより、フレーム付きの眼鏡レンズMLを受け止
め可能な状態になる一方、図7等に示すような丸レンズSLの場合には、同様に保持パッ
ド部10a、10b及び10c、10dにおける各丸レンズ受部9aにより、丸レンズS
Lを受け止め可能な状態になり、その人為的な回動操作力を除くと、四か所に配備された
センタリングバネ16bのバネ力を受けて、各保持パッド部10a、10b及び10c、
10dが互いに近接し合って、眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズMLを自動的にセ
ンタリング保持し(図1参照)、またこれと同様に、丸レンズSLの場合もセンタリングバ
ネ16bのバネ力の下に、各保持パッド部10a、10b及び10c、10dが互いに近
接し合って、丸レンズSLを自動的にセンタリング保持する(図7参照)ことができるの
である。
そして、このようにセンタリング保持された被検レンズの略中心部を、観察または測定
する場合は、このままの略水平な保持状態での観察または測定を行えばよいが、眼鏡フレ
ームに枠入れされた左右の眼鏡レンズMLを交互に観察または測定を行う必要がある場合
、若しくは、眼鏡レンズML及び丸レンズSLの中心部以外の周縁側付近の部位などを観
察または測定をする必要があるような場合には、操作摘み15を操作して、これ等の被検
レンズをX軸方向に適宜スライド移動操作して所望の部位を観察または測定可能な状態に
おいて、観察または測定を行えばよい。
また、被検レンズの略水平状態に保持したままの状態では、所望とする観察または測定が
難しいような場合には、所定の観察または測定をし易いように、操作摘み15を適宜右方
向または左方向に枠型フレーム部材7ごと回動操作して、所望とするX軸方向のスライド
位置における被検レンズの所定の傾動角度を得て、最適なX軸方向へのスライド移動及び
傾動状態の下において被検レンズの観察または測定を行うことになる。
然も、本発明の場合、上記した如きX軸方向へのスライド並びに左右の傾動機能に加えて、被検レンズをセンタリング保持した後において、被検レンズを保持したままの状態(この際のX軸方向のスライド操作及び傾動操作の何れかの単独操作、またはこれらの複合操作の有無を問わない)において、更にこの被検レンズに対し枠型フレーム部材7の囲み枠内におけるY軸方向への移動操作を行うことができることを特徴とするものである。
このY軸方向への移動操作は、図3に示すように丸レンズSLを前記した如く保持アーム
部材10a、10b及び10c、10d先端の保持パッド部10a、10b及び10c、
10dによりセンタリング保持した状態から、ペアリングされた一方の(手前のスライド
支持軸7a側の)保持アーム部材11a及び11bを、枠型フレーム部材7の囲み枠内中
心方向に手動で移動操作することにより、ペアリングされた他方の(スライド支持軸7b
側の)保持アーム部材11a及び11bを、前記セッティング操作時とは逆の枠内中心部
から離れる方向に、前記したセクターギヤ17a及び17bの同期的な拡縮機構の機能を
回避するための緩衝機構(代表的な簡単な事例として長穴21a、21b及びヘアピン形
のバネ手段22a、22b等の部品)の作用を得て共に移動操作でき(図3参照)、これに
より被検レンズを枠型フレーム部材7の囲み枠内において、Y軸方向へと所定の距離だけ
適宜移動操作し、当該所定の移動位置においてロックネジ手段20a、20bをねじ回し
て、所望とするシフト移動位置においてロック保持した状態で観察または測定を行う。
また、上記とは逆方向にY軸に沿う操作移動を行う場合は、保持アーム部材10a、1
0b及び10c、10d先端の保持パッド部10a、10b及び10c、10dによって
センタリング保持した状態から、ペアリングされた一方の(手前のスライド支持軸7a側
の)保持アーム部材11a及び11bを、枠型フレーム部材7の枠内中心部から手前に引
き寄せるように手動で移動操作し、ペアリングされた他方の(スライド支持軸7b側の)
保持アーム部材11a及び11bを、前記セッティング操作時とは逆の枠内中心部方向へ
と、緩衝機構の作用を得て共にY時方向手前側へと移動操作すればよく(図6参照)、当該
所望とする移動位置におけるロック保持及び観察または測定については、上記と同様に行
えばよい。
叙上のように、本発明にかかわる被検レンズの枠型保持機構1は、単一の保
持機構でありながら、形態の異なる眼鏡フレームMFに枠入れされた眼鏡レン
ズML及び未加工の丸レンズSLの双方の被検レンズや、単独の形レンズ等の
保持機構としての必要十分な機能を果たすことができることは勿論、これを光
学機器装置に組付け採用することにより、単一の光学機器装置でありながら、
種々の被検レンズに対応した汎用性のある光学機器装置(殊にレンズチェッカ
ー及びレンズメーター)とすることができるので、費用の嵩む光学機器装置を
異なる被検レンズの形態ごとに設ける必要が無くなり、機能的に優れた光学機
器装置を廉価に提供することができ、その経済的メリットは極めて大きいもの
である。
なお、図示した本発明にかかわる枠型保持機構1は、異なる形態の被検レンズ
の保持用として眼鏡フレーム受部8aと丸レンズ受部9aを上下二段に備えた
二組の保持パッド部10a、10b及び10c、10dを用いた、形態の異な
る被検レンズに対する所謂共用タイプの事例とするか、或いは形態の異なる被
検レンズの夫々に個別に対応する所謂専用タイプの何れであってもよく、その
選択は必要に応じて実施すればよい事柄である。
また、枠入れされた眼鏡レンズMLを被検レンズとする場合に少なくとも言え
ることは、その眼鏡フレームMFの基本的な保持形態として、眼鏡フレームM
FのテンプルMTを上方に向けた状態のまま機械的に保持可能であるか、或い
は逆にテンプルMTを下方に向けた状態に機械的に保持するかは、本発明に係
る枠型保持ユニット1を採用する限りにおいて、当業者が必要に応じて構成す
ればよい事柄であるが、前者の眼鏡フレームテンプルMTの保持状態の場合に
言えることは、従来多用されていた基台に突設されていた如きレンズ載置台の
廃止に伴って、光学機器装置の高さ方向の寸法の低床化を果し、装置全体とし
ての小型コンパクト化を発揮できる効果を奏することができる特徴を有するこ
とである。
本発明にかかわる被検レンズの枠型保持機構は、囲み枠内に障害物が位置す
ることなく被検レンズを機械的にセンタリング保持すると共に、形態の異なる
被検レンズをX軸方向となるX軸に沿う方向にスライド操作及び左右に傾動す
ることができ、然もY軸方向となるY軸に沿う方向へ適宜移動操作もできるの
で、具体的な光学機器装置としてレンズチェッカー及びレンズメーター等とし
て利用可能である。
1 眼鏡レンズ及び丸レンズ等の被検レンズの枠型保持ユニット
5 取付ブラケット
6 取付ブラケット
5a X軸方向ガイド溝
6a X軸方向ガイド溝
7 枠型フレーム部材
7a スライド支持軸
7b スライド支持軸
8a 眼鏡フレーム受部
9a 丸レンズ受部
11a 保持アーム部材
11b 保持アーム部材
15 スライド並びに傾動操作用等の操作摘み
16b センタリングバネ
17a 同期用セクターギヤ
17b 同期用セクターギヤ
20a ロックネジ手段
20b ロックネジ手段
21a 長穴
21b 長穴
22a バネ手段
22b バネ手段

Claims (6)

  1. 眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズ及び未加工の丸レンズを被検レンズ
    とする共用型の光学機器装置であって、当該光学機器本体の基部の所定の高さ
    位置または本体前面部の所定の高さ位置において、X軸方向のガイド溝を有す
    る取付ブラケットを光源または光軸に対する左右方向となるX軸に沿って設
    し、当該取付ブラケットのガイド溝に嵌合するスライド支持軸を長手方向の
    中央付近に突設してなる枠型フレーム部材と、眼鏡フレーム受部及び丸レンズ
    受部が形成された保持パッド部を有する左右二組の保持アーム部材により、枠
    型保持ユニットの骨格を構成し、当該枠型保持ユニットにおける保持アーム部
    材は、上記枠型フレーム部材の枠型中心に対して対称的に配置され、左右の各
    組毎に保持パッド部が互いに接近するようバネ付勢されてなるセンタリング機
    、及び保持アーム部材の基端におけるセクターギヤの噛み合いを介して、上
    記左右の保持パッド部相互の間隔が同期的に拡縮操作自在な拡縮機構として構
    成されてなり、当該枠型保持ユニットにより眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡
    レンズを被検レンズとするときは、そのテンプルを下方に向けたままの状態で
    センタリング保持するよう構成すると共に、被検レンズを丸レンズとするとき
    は、これを枠内中央にセンタリング保持するよう構成し、これ等何れの被検レ
    ンズであっても個別に枠型保持ユニットごと、上記スライド支持軸を介してガ
    イド溝に沿いX軸方向にスライド操作自在に構成し、更にガイド溝内の任意位
    置において右方向または左方向に傾動操作自在に構成されてなり、然も上記保
    持アーム部材により被検レンズを保持したまま、センタリング位置から枠型フ
    レーム部材の囲み枠内において、光軸に対し前後方向となるY軸方向へと移動
    操作自在に構成してなる共用型の多機能式枠型保持ユニットを具備したことを
    特徴とする光学機器装置。
  2. 眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズ及び未加工の丸レンズを被検レンズ
    とする共用型の光学機器装置であって、当該光学機器本体の基部において、X
    軸方向のガイド溝を有する取付ブラケットを光源または光軸に対する左右方
    向となるX軸に沿って設置し、当該取付ブラケットのガイド溝に嵌合するスラ
    イド支持軸を長手方向の中央付近に突設してなる枠型フレーム部材と、眼鏡フ
    レーム受部及び丸レンズ受部が形成された保持パッド部を有する左右二組の保
    持アーム部材により、枠型保持ユニットの骨格を構成し、当該枠型保持ユニッ
    トにおける保持アーム部材は、上記枠型フレーム部材の枠型中心に対して対称
    的に配置され、左右の各組毎に保持パッド部が互いに接近するようバネ付勢さ
    れてなるセンタリング機構、及び保持アーム部材の基端におけるセクターギヤ
    の噛み合いを介して、上記左右の保持パッド部相互の間隔が同期的に拡縮操作
    自在な拡縮機構として構成されてなり、当該枠型保持ユニットにより眼鏡フレ
    ームに枠入れされた眼鏡レンズを被検レンズとするときは、そのテンプルを上
    方に立ち上げたままの状態でセンタリング保持するよう構成すると共に、被検
    レンズを丸レンズとするときは、これを枠内中央にセンタリング保持するよう
    構成し、これ等何れの被検レンズであっても個別に枠型保持ユニットごと、上
    記スライド支持軸を介してガイド溝に沿いX軸方向にスライド操作自在に構成
    し、更にガイド溝内の任意位置において右方向または左方向に傾動操作自在
    構成されてなり、然も上記保持アーム部材により被検レンズを保持したまま、
    センタリング位置から枠型フレーム部材の囲み枠内において、光軸に対し前後
    方向となるY軸方向へと移動操作自在に構成してなる共用型の多機能式枠型保
    持ユニットを具備したことを特徴とする光学機器装置。
  3. 眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レンズまたは未加工の丸レンズを被検レン
    ズとする専用型の光学機器装置であって、当該光学機器本体の基部または本体
    前面部の所定の高さ位置において、X軸方向のガイド溝を有する取付ブラケッ
    トを光源または光軸に対する左右方向となるX軸に沿って設置し、当該取付
    ブラケットのガイド溝に嵌合するスライド支持軸を長手方向中央位置に突設し
    てなる枠型フレーム部材と、眼鏡フレーム受部または丸レンズ受部の何れか一
    方が形成された保持パッド部を有する左右二組の保持アーム部材により、枠型
    保持ユニットの骨格を構成し、当該枠型保持ユニットにおける保持アーム部材
    は、上記枠型フレーム部材の枠型中心に対して対称的に配置され、左右の各組
    毎に保持パッド部が互いに接近するようバネ付勢されてなるセンタリング機構
    、及び保持アーム部材の基端におけるセクターギヤの噛み合いを介して、上記
    左右の保持パッド部相互の間隔が同期的に拡縮操作自在な拡縮機構として構成
    されてなり、当該枠型保持ユニットにより眼鏡フレームに枠入れされた眼鏡レ
    ンズが被検レンズのときは、そのテンプルを上方或いは下方に向けたままの状
    態でセンタリング保持するよう構成し、または丸レンズが被検レンズのときは
    、これを枠内中央にセンタリング保持するよう各々構成し、これ等何れの被検
    レンズであっても個別に枠型保持ユニットごと上記スライド支持軸を介して
    ガイド溝に沿いX軸方向にスライド操作自在に構成し、更にガイド溝内の任意
    位置において右方向または左方向に傾動操作自在に構成されてなり、然も上記
    保持アーム部材により被検レンズを保持したまま、センタリング位置から枠型
    フレーム部材の囲み枠内において、光軸に対し前後方向となるY軸方向へと、
    移動操作自在に構成してなるところの、枠入れされた眼鏡レンズまたは未加工
    の丸レンズの何れかに対応する専用型の多機能式枠型保持ユニットを具備した
    ことを特徴とする光学機器装置。
  4. 上記請求項1項及び3項における光学機器装置が、眼鏡フレームに枠入れさ
    れた眼鏡レンズ及びまたは加工前の丸レンズを被検レンズとし、これ等被検レ
    ンズの表面または裏面を観察または検査するための光学機器装置であって、被
    検レンズの表面側から照射するための光源と、被検レンズに照射した光束を受
    光して撮像するための撮像手段からなる観察光学系を内蔵した光学機器装置で
    あることを特徴とするレンズチェッカー。
  5. 上記請求項1項及び3項における光学機器装置が、眼鏡フレームに枠入れさ
    れた眼鏡レンズ及びまたは加工前の丸レンズを被検レンズとし、これ等被検レ
    ンズの度数等の光学特性を測定するための光学機器装置であって、被検レンズ
    の表面側または裏面側から透射するための光源と、被検レンズを透過した透過
    光束を受光して光学特性を測定する測定演算手段からなる測定光学系を内蔵し
    た光学機器装置であることを特徴とするレンズメーター。
  6. 上記請求項1項乃至5項記載の光学機器装置におけるY軸方向への移動操作
    と、所定の位置でのロック保持操作を可能にするための特徴的構成として、枠
    型保持ユニットの枠型フレーム部材に対照的に配置された左右二組の保持アー
    ム部材によるセンタリング機構と、基端のセクターギヤの噛合いによる同期的
    な拡縮機構の組合せ構造に関し、被検レンズを保持したまま、保持アーム部材
    によるY軸方向への移動操作を可能にするために、各組の保持アーム部材にお
    ける少なくとも一方の基端における枢軸において、セクターギヤの噛合いを一
    時的に回避可能にすべく、枢軸の半径方向への変位を許容する緩衝機構を設け
    被検レンズを保持したまま、センタリング位置から枠型フレーム部材の囲み
    枠内においてY軸方向へと移動操作自在に構成されてなると共に、これ等保持
    アーム部材の各組の少なくとも一方の保持アーム部材には、枠型フレーム部材
    に対するロックネジ手段を配備し、保持アーム部材の所望とするY軸方向の移
    動位置においてロック保持とその解除自在に行えるよう構成してなること
    を特徴とする請求項1項乃至5項記載の光学機器装置。
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