JP6609990B2 - シミュレーション装置及びシミュレーションシステム - Google Patents

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Description

本発明は、シミュレーション装置及びシミュレーションシステムに関する。
風力を風車で受けて発電を行ういわゆる風力発電を行う発電機が知られている。この発電機を模擬装置によってシミュレーションする方法が知られている。さらに、発電機には、インバータ(inverter)等が接続され、インバータ等も模擬装置によってシミュレーションする方法が知られている。
PWMインバータで駆動する永久磁石式回転電機のシミュレーション方法において、特許文献1では、まず、基本周波数帯域における基本波モデルと、PWMインバータのキャリア周波数及びキャリア周波数の倍数の周波数帯域における高調波モデルとが構築される。次に、基本波モデルに入力される電圧が算出され、さらに、基本波モデルに入力される電圧が高調波モデルに入力される。基本波モデル及び高調波モデルによって算出される電流の周波数帯域の成分を組み合わせて、シミュレーション電流を算出する方法が開示されている。
また、非特許文献1では、大規模電力系統に組み込む可変速風力発電システムの定式化手法であって、電力系統解析のための永久磁石型可変速風力発電システムモデルにおいて、風車特性を模擬し、発電機を一定出力で運転させて、風速をステップ状に変化させた場合の応答を解析する方法が開示されている。
特開2013−55792号公報
高橋他"永久磁石形同期機を用いた可変速風力発電機モデルの構築",平成15年電気学会電力・エネルギー部門大会,B−99乃至B−104.
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1では、風力発電等で、いわゆる突入電流等の発電機を立ち上げる際等に出力される電流が考慮されておらず、永久磁石同期発電機等の発電機をシミュレーションする上で、発電機を立ち上げる際等に、突入電流等が出力されるおそれがある。
本発明の1つの側面は、このような問題に鑑みてなされたものであり、発電機のシミュレーションにおいて、発電機を立ち上げる際等に出力される電流を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一実施形態における電力系統に接続されるインバータと、前記インバータに接続される発電機を前記インバータ及び前記発電機の等価回路の回路方程式を演算することでシミュレーションするシミュレーション装置は、前記発電機が発電する発電電力と、前記発電電力による電流であって前記インバータに入力される電流とを演算する発電機演算部と、前記インバータと前記電力系統とを接続又は遮断して、前記インバータから出力される出力電流を前記電力系統に流れるようにするか否かを切り替える切替部と、前記切替部によって前記インバータと前記電力系統とが遮断されている場合、前記発電機に流れる電機子電流の電圧を前記発電機の回転速度及び磁束に基づいて、制御する第1制御部を有し、前記回路方程式を演算する演算部とを含み、
前記発電機の回路方程式は、下記(4)式であり、
Figure 0006609990
前記第1制御部は、前記発電機の回路方程式の初期値を下記(6)式とし、
Figure 0006609990
上記(4)式及び上記(6)式における、
「Ird」は、d軸回路における電機子電流を示し、
「ω」は、回転速度を示し、
「ω」は、初期回転速度を示し、
「r」は、抵抗値を示し、
「Vrd」は、d軸回路における発電機の電圧を示し、
「φrd」は、d軸回路における磁束を示し、
「Irq」は、q軸回路における電機子電流を示し、
「Vrq」は、q軸回路における発電機の電圧を示し、
「φrq」は、q軸回路における磁束を示し、
「X」及び「X」は、直軸同期リアクタンス及び横軸同期リアクタンスを示す。

本発明によれば、発電機のシミュレーションにおいて、発電機を立ち上げる際等に出力される電流を抑制できる。
本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムの全体構成の一例を示すシステム図。 本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによるシミュレーションの一例を示す模式図。 本発明の一実施形態におけるシミュレーション装置及びシミュレーションシステムの機能構成の一例を示す機能ブロック図。 本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによって演算される発電機の等価回路の一例を示す回路図。 本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによって演算されるシミュレーションモデルの一例を示す制御ブロック図。 本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによって演算されるシミュレーションモデルの立ち上げの際の制御の一例を示す制御ブロック図。 本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによって演算されるシミュレーションモデルの立ち上げの際以外の制御の一例を示す制御ブロック図。 本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによる制御の一例を示すフローチャート。 本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによる制御の制御結果の一例を示す図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
1.シミュレーションシステムのシステム構成及びハードウェア構成例
2.シミュレーション装置及びシミュレーションシステムの機能構成例
3.回路方程式例
4.制御例
5.まとめ
≪ 1.シミュレーションシステムのシステム構成及びハードウェア構成例≫
図1は、本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムの全体構成の一例を示すシステム図である。具体的には、シミュレーションシステム1は、例えば、シミュレーション装置2を有する。
シミュレーション装置2は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、DRP(Dynamic Reconfigurable Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はこれらの組み合わせ等のハードウェアで実現される。なお、シミュレーション装置2が行う演算の一部又は全部は、プログラムに基づいて演算を行うCPU(Central Processing Unit)を有する情報処理装置によって実現されてもよい。また、シミュレーションシステム1は、複数のシミュレーション装置2を有してもよい。
シミュレーション装置2は、電流アンプ(Amplifier)等の電流源3に接続され、シミュレーション装置2が電流源3に対して指令すると、電流源3は、指令に基づく電流を電力系統4(以下、電力系統のことを単に「系統」という場合もある。)に出力する。一方、シミュレーションシステム1は、電流源3によって電力系統4に電流が出力されると発生する端子電圧を検出器等で計測し、電圧値を入力する。なお、シミュレーションシステム1は、電力計等の計測装置及び遮断器等を更に含んでもよい。
図2は、本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによるシミュレーションの一例を示す模式図である。図2に示す実系統は、シミュレーションシステム1に基づいてシミュレーションされる全体構成の一例である。図2に示すように、シミュレーションシステム1は、いわゆるPMSG(Permanent Magnet Synchronous Generator、永久磁石同期発電機)方式による実系統をシミュレーションする。
例えば、実系統では、風力によって発電を行うのに、風車21が設置され、風車21に風が吹き付けると、風車21は、回転し、機械トルクTが発生する。また、機械トルクTによる回転の回転速度は、回転速度ω(回転速度は、角速度、角周波数又は単位時間当たりの回転数でもよい。)とする。さらに、風車21に吹き付ける風の風速は、風速Wであるとする。
風車21には、永久磁石同期発電機22が接続され、永久磁石同期発電機22は、発電電力Pgを発電する。次に、発電電力Pgは、図示するように、インバータ23に入力される。
マグネットコンタクタMCは、インバータ23と、送電線等を含む電力系統25とを接続又は遮断するように切り替える。即ち、マグネットコンタクタMCがオン(on)となり、インバータ23と電力系統25とが接続されると、永久磁石同期発電機22が発電する発電電力Pgによる電流が、インバータ23を介して、電力系統25に流れる。以下、発電電力Pgによる電流であって、マグネットコンタクタMCがオンとなり、永久磁石同期発電機22からインバータに入力される電流を第1電流iという。また、第1電流iは、第1電流値i(ira,irb,irc)であるとする。
さらに、マグネットコンタクタMCがオンとなると、インバータ23から出力電流ioutが出力される。また、出力電流ioutは、出力電流値(iga,igb,igc)であるとする。なお、出力電流ioutには、AC(Alternating Current、交流)フィルタによって、フィルタ処理が行われてもよい。
インバータ23は、ロータ側コンバータ231と、電力系統側コンバータ232と、中間回路233とを有する。ロータ側コンバータ231は、例えば、インバータ23に入力される第1電流iを変換して第2電流値Iを演算する。また、図示するように、ロータ側コンバータ231とは異なる電力系統側コンバータ232を有する。また、中間回路233は、ロータ側コンバータ231又は電力系統側コンバータ232が計算する電圧等に基づいて、直流中間電圧Edcを調整する。
インバータ23は、入力される第1電流iをロータ側コンバータ231、電力系統側コンバータ232及び中間回路233等によって、調整して出力電流ioutを出力する。
これに対して、シミュレーションシステム1は、実系統における永久磁石同期発電機22及びインバータ23等をシミュレーションする。以下、シミュレーションシステム1を有する構成をシミュレーション系統という。シミュレーション系統は、実系統をシミュレーションし、試験又は調整等を行うのに用いられる。また、電力系統4は、実系統の電力系統25に代わる装置であり、電力系統25をモデルにしたアナログ電気回路等である。例えば、実系統では、送電される電力は、数kV(volt)の高圧電圧であるのに対して、シミュレーション系統では、電力は、50V程度の電圧でシミュレーションが行われる。
また、ロータ側コンバータ231は、永久磁石同期発電機22に流れる電流(以下、電機子電流という。)の電圧を制御する。
≪ 2.シミュレーション装置及びシミュレーションシステムの機能構成例≫
図3は、本発明の一実施形態におけるシミュレーション装置及びシミュレーションシステムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。シミュレーションシステム1は、演算部100と、発電機演算部110とを含む。各部は、例えば、FPGA等のシミュレーション装置2による電子回路によって実現される。なお、各部は、異なるシミュレーション装置2によってそれぞれ実現されてもよい。例えば、演算部100がFPGAによって実現され、発電機演算部110がDSPによって実現される構成等でもよい。
発電機演算部110は、図2に示す風車21及び永久磁石同期発電機22等をシミュレーションする演算を行う。
演算部100は、図2に示すインバータ23等をシミュレーションする演算を行う。なお、インバータ23等をシミュレーションする演算を行うため、演算部100は、例えば、フィルタ部101、切替部102、第1制御部103、第2制御部104及び中間回路部105を有する。
また、演算部100は、切替部102によって、演算部100によって演算される出力電流ioutが電力系統4に流れるようにするか否かを切り替える。なお、出力電流ioutは、図2に示す実系統では、インバータ23が出力する電流に相当する。
さらに、演算部100は、フィルタ部101によって、インバータ23が出力する電流をACフィルタして出力電流ioutとする。演算部100は、例えば、フィルタ部101によって、電力系統の電圧に基づいて電流を計算したり、ACフィルタの回路特性等を模擬したりする。
また、演算部100は、回路方程式を演算し、電力系統4に電流が流れるように電流源3に指令を出す。この指令は、回路方程式から演算される出力電流値(iga,igb,igc)に基づく。さらに、演算部100は、電力系統4に電流が流れる際の端子電圧を計測する。
≪ 3.回路方程式例≫
図4は、本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによって演算される発電機の等価回路の一例を示す回路図である。シミュレーションシステム1は、図4に示す等価回路の回路方程式を演算する。
図4に示す等価回路の回路方程式は、下記(1)式のように示せる。
Figure 0006609990
上記(1)式は、単位系として変形とすると、下記(2)式のように示せる。
Figure 0006609990
上記(2)式において、下記(3)式のようにすると、回路方程式は、永久磁石同期発電機の磁束及び電流の渡過特性が無視されたいわゆる実効値モデルとなる。
Figure 0006609990
これに対して、上記(2)式は、1階の行列微分方程式、いわゆる状態変数法によって示すと、下記(4)式のようになる。
Figure 0006609990
回路方程式を上記(4)式のように、1階の行列微分方程式とすると、伝達関数又は節点解析法等によって回路方程式を演算する場合と比較して、シミュレーションシステム1は、回路方程式を精度良く演算することができる。
また、節点解析法では、マグネットコンタクタMC(図2参照)の状態によって、回路方程式の演算は、それぞれの状態にあわせて行う必要がある。この演算には、除算が含まれるため、FPGA等によって演算を実現しようとすると、演算用の回路規模が大きくなる等の計算コストが多くなってしまう場合が多い。これに対して、上記(4)式のように、回路方程式を1階の行列微分方程式とすると、除算を少なくでき、計算コストを少なくすることができる。
また、上記(4)式では、下記(5)式のような条件とする。
Figure 0006609990
上記(4)式によって、回路方程式が演算されると、シミュレーションにおいて、シミュレーションシステム1は、磁束及び電流の時間変化を考慮することができるいわゆる瞬時値モデルによって回路方程式を演算できる。
さらに、電機子電流がゼロとなる電圧を求めると、Ird=0、Irq=0及び上記(2)式の連立方程式より、下記(6)式のように示せる。
Figure 0006609990
上記(6)式に示す電圧値を上記(4)式の初期値とすると、突入電流等の発電機を立ち上げる際等に出力される電流と、その出力される電流の元となる電気トルクの発生を少なくすることができる。
≪ 4.制御例≫
図5は、本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによって演算されるシミュレーションモデルの一例を示す制御ブロック図である。例えば、図5に示すシミュレーションモデルがシミュレーションシステムによってシミュレーションされるとする。
図2に示す実系統で、永久磁石同期発電機22(図2参照)が風力による機械トルクTによって発電電力を発電する場合、シミュレーションシステムは、風速Wから機械トルクTを演算し、発電電力を演算する。
風速Wが所定の風速未満である場合、マグネットコンタクタMC(図2参照)は、オフ(off)であり、永久磁石同期発電機22及びインバータ23(図2参照)は、電力系統25(図2参照)と遮断された状態、いわゆる解列された状態である。この解列の状態をシミュレーションするため、シミュレーションシステムは、マグネットコンタクタMCを切替部102(図3参照)によってシミュレーションする。
一方、所定の風速以上の風が吹くと、図2に示す実系統では、風速Wに基づいて発電された発電電力による電流を電力系統25に流し始める、いわゆるカットイン(cut in)が起こる。例えば、風速が3乃至4m/s(メートル毎秒)以上となると、カットインが起こる。なお、カットインが起こる風速(カットイン風速)は、風車21(図2参照)及び永久磁石同期発電機22の種類等によってそれぞれ異なり、それぞれの種類によって、あらかじめ設定される。即ち、カットイン風速となると、シミュレーションシステムは、永久磁石同期発電機22のシミュレーションモデルの立ち上げを行う。
図6は、本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによって演算されるシミュレーションモデルの立ち上げの際の制御の一例を示す制御ブロック図である。例えば、シミュレーションシステムは、立ち上げの際、図6に示すように、制御する。
図7は、本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによって演算されるシミュレーションモデルの立ち上げの際以外の制御の一例を示す制御ブロック図である。例えば、シミュレーションシステムは、立ち上げの際以外では、図7に示すように(以下、通常制御モードという。)、制御する。
図8は、本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによる制御の一例を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、図6及び図7に示す制御の手順の一例を示す。
≪ 系統側コンバータ制御における同期制御の実施例(ステップS01)≫
ステップS01では、シミュレーションシステムは、第2制御部104(図3参照)によって、系統側コンバータ制御において、同期制御を実施する。具体的には、シミュレーションシステムは、電力系統の電圧(vga,gb,gc)の振幅Vと、図2に示す実系統でマグネットコンタクタMCの手前部分に相当する箇所の電圧振幅Eとの差をPI制御によって、同期投入が可能な電圧(ega ,egb ,egc )を計算する。即ち、シミュレーションシステムは、同期投入が可能な電圧(ega ,egb ,egc )となるように、電圧を調整する。
≪ ロータ側コンバータ制御における電機子電流をゼロにする制御の実施例(ステップS02)≫
ステップS02では、シミュレーションシステムは、第1制御部103(図3参照)によって、ロータ側コンバータ制御において、電機子電流をゼロにする制御を実施する。具体的には、シミュレーションシステムは、永久磁石同期発電機22の電圧を制御する指令値として、上記(6)式に示すVrd=0及びVrq=ω×φrd、即ち、永久磁石同期発電機22の回転速度と内部の磁束を乗算した値を永久磁石同期発電機22の電圧とする。この制御によって、シミュレーションシステムは、電機子電流をゼロにすることができる。
≪ マグネットコンタクタをオンにする例(ステップS03)≫
ステップS03では、シミュレーションシステムは、切替部102(図3参照)によって、マグネットコンタクタMCをオンにする。即ち、図2に示す実系統では、マグネットコンタクタMCがオンとなると、インバータ23と電力系統25とが接続される。
また、マグネットコンタクタMCがオンとなると、シミュレーションシステムは、通常制御モードに移行する。即ち、マグネットコンタクタMCによってインバータ23と電力系統25とが遮断されている状態は、ステップS03より前の状態等である。したがって、初期値は、例えば、ステップS03より前の状態において、演算及び設定等が行われる。
≪ ロータ側コンバータ制御における有効電力及び無効電力を一定にする制御の実施例(ステップS04)≫
ステップS04では、マグネットコンタクタMCがオンとなると、シミュレーションシステムは、第1制御部103によって、有効電力及び無効電力を一定にする制御を実施する。具体的には、シミュレーションシステムは、入力される電圧値及び電機子電流からそれぞれ求まる有効電力Pと、無効電力Qとを制御量とした有効電力及び無効電力を一定にする制御を行う。
また、有効電力Pの設定値P と、無効電力Qの設定値Q と、有効電力P及び無効電力Qの差分とを制御入力としたPI制御の演算量が、永久磁石同期発電機22の電流、即ち、電機子電流Ird及び電機子電流Irqのそれぞれの設定値Ird 及び設定値Irq となる。
さらに、電機子電流Ird及び設定値Ird の差分と、電機子電流Irq及び設定値Irq の差分とを制御入力としたPI制御の演算量が、(Vrd,Vrq)となる。また、(Vrd,Vrq)は、永久磁石同期発電機22の電圧指令値となる。
≪ 系統側コンバータ制御における直流中間電圧及び無効電力を一定にする制御の実施例(ステップS05)≫
ステップS05では、マグネットコンタクタMCがオンとなると、シミュレーションシステムは、第2制御部104によって、直流中間回路等の中間回路で演算される直流中間電圧Edcと、電力系統に出力される無効電力Qとを制御量とした直流中間電圧及び無効電力を一定にする制御を行う。具体的には、直流中間電圧Edcと、直流中間電圧Edcの設定値Edc との差分を制御入力としたPI制御の演算量をACフィルタ回路の電流Igd及び電流Igqのそれぞれの設定値Igd 及び設定値Igq とする。次に、設定値Igd 及び設定値Igq の差分とを制御入力としたPI制御の演算量が、(ega ,egb ,egc )となる。また、(ega ,egb ,egc )は、ACフィルタ回路に対する電圧指令値となる。
なお、制御における各手順の順序は、図8に示す順序に限られない。例えば、ステップS01及びステップS02は、それぞれの制御が平行又は図示する順序と逆の順序で、各制御が実施されてもよい。同様に、ステップS04及びステップS05は、それぞれの制御が平行又は図示する順序と逆の順序で、各制御が実施されてもよい。また、通常制御モードに係る制御は、図示した制御とは、異なる制御が行われてもよい。
≪ 5.まとめ≫
図9は、本発明の一実施形態におけるシミュレーションシステムによる制御の制御結果の一例を示す図である。図9は、図6及び図8に示す制御が行われた結果、図2に示す実系統で流れる出力電流ioutの出力電流値(iga,igb,igc)を示す。また、図9は、電圧指令値(era,erb,erc)、直流中間電圧Edc、有効電力P及び無効電力Qを同じ時間軸でそれぞれ示す制御結果の例である。
電力を送る側である永久磁石同期発電機等と、受ける側である電力系統との間に電圧差又は周波数の位相ずれ等がある場合、永久磁石同期発電機の立ち上げ等で、解列されている永久磁石同期発電機等が電力系統に接続されると、電圧差又は周波数の位相ずれ等による差分をなくそうと、大きな電流、いわゆる突入電流ICが流れる場合が多い。突入電流ICは、例えば、定格の8.0倍等の大きな電流であることが多いため、突入電流ICが流れると、大きな電流が流れていることを検出して遮断器等が動作して、実系統全体が停止する等が起きる場合がある。
そこで、シミュレーションシステムは、マグネットコンタクタがオフであることによってインバータと電力系統とが遮断されている場合、電機子電流の電圧を制御する。具体的には、回路方程式で、上記(4)式の回路方程式の初期値として、上記(6)式が入力されるように制御する。
カットイン風速となった場合等に、シミュレーションシステムは、マグネットコンタクタをオンにして、解列されている永久磁石同期発電機等を電力系統に接続する。上記(6)式が入力された状態で、電力系統と永久磁石同期発電機とを接続させるため、永久磁石同期発電機が発電する発電電力の電圧、周波数及び位相は、電力系統の電圧、周波数及び位相と同期させやすくできる。したがって、シミュレーションシステムは、上記(4)式の回路方程式の初期値として、上記(6)式が入力されるように制御することで、発電機のシミュレーションにおいて、図示する突入電流IC等のように、発電機を立ち上げる際等に出力される電流を抑制できる。図9は、突入電流ICが定格の0.2倍程度に抑制された場合の例である。
なお、本発明の一実施形態に係る各演算の全部又は一部は、機械語、アセンブラ等の低水準言語、C言語、Java(登録商標)、オブジェクト指向プログラミング言語等の高水準言語又はこれらを組み合わせて記述されるコンピュータに実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。即ち、プログラムは、情報処理装置等のコンピュータに各演算の全部又は一部を実行させるためのコンピュータプログラムである。
また、プログラムは、ROM又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して頒布することができる。さらに、記録媒体は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ブルーレイディスク、SD(登録商標)カード又はMO等でもよい。さらにまた、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る各演算の全部又は一部は、複数のシミュレーション装置を有するシミュレーションシステムによって実現されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
1 シミュレーションシステム
2 シミュレーション装置
3 電流源
4、25 電力系統
機械トルク
MC マグネットコンタクタ

Claims (10)

  1. 電力系統に接続されるインバータと、前記インバータに接続される発電機を前記インバータ及び前記発電機の等価回路の回路方程式を演算することでシミュレーションするシミュレーション装置であって、
    前記発電機が発電する発電電力と、前記発電電力による電流であって前記インバータに入力される電流とを演算する発電機演算部と、
    前記インバータと前記電力系統とを接続又は遮断して、前記インバータから出力される出力電流を前記電力系統に流れるようにするか否かを切り替える切替部と、
    前記切替部によって前記インバータと前記電力系統とが遮断されている場合、前記発電機に流れる電機子電流の電圧を前記発電機の回転速度及び磁束に基づいて、制御する第1制御部を有し、前記回路方程式を演算する演算部と
    を含み、
    前記発電機の回路方程式は、下記(4)式であり、
    Figure 0006609990

    前記第1制御部は、前記発電機の回路方程式の初期値を下記(6)式とし、
    Figure 0006609990
    上記(4)式及び上記(6)式における、
    「Ird」は、d軸回路における電機子電流を示し、
    「ω」は、回転速度を示し、
    「ω」は、初期回転速度を示し、
    「r」は、抵抗値を示し、
    「Vrd」は、d軸回路における発電機の電圧を示し、
    「φrd」は、d軸回路における磁束を示し、
    「Irq」は、q軸回路における電機子電流を示し、
    「Vrq」は、q軸回路における発電機の電圧を示し、
    「φrq」は、q軸回路における磁束を示し、
    「X」及び「X」は、直軸同期リアクタンス及び横軸同期リアクタンスを示す
    シミュレーション装置。
  2. 前記発電機は、永久磁石同期発電機である請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記出力電流に基づいて、前記電力系統に交流電流を供給する電流源を介して前記電力系統に接続される請求項1又は2に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記演算部は、
    前記インバータにおいて、前記発電機側に前記第1制御部を有し、
    前記インバータにおいて、前記電力系統側で電圧を調整する第2制御部を更に有する請求項3に記載のシミュレーション装置。
  5. 前記発電機は、風力による機械トルクから前記発電電力を発電する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシミュレーション装置。
  6. 所定の風速以上の風が吹くと、前記発電機を立ち上げる請求項5に記載のシミュレーション装置。
  7. 前記所定の風速以上の風が吹くと、前記切替部によって前記インバータと前記電力系統とを接続する請求項6に記載のシミュレーション装置。
  8. 前記発電機の回路方程式は、1階の行列微分方程式で示される方程式である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシミュレーション装置。
  9. 前記出力電流をフィルタするフィルタ部を更に含む請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシミュレーション装置。
  10. 電力系統に接続されるインバータと、前記インバータに接続される発電機を前記インバータ及び前記発電機の等価回路の回路方程式を演算することでシミュレーションする複数のシミュレーション装置を有するシミュレーションシステムであって、
    前記発電機が発電する発電電力と、前記発電電力による電流であって前記インバータに入力される電流とを演算する発電機演算部と、
    前記インバータと前記電力系統とを接続又は遮断して、前記インバータから出力される出力電流を前記電力系統に流れるようにするか否かを切り替える切替部と、
    前記切替部によって前記インバータと前記電力系統とが遮断されている場合、前記発電機に流れる電機子電流の電圧を前記発電機の回転速度及び磁束に基づいて、制御する第1制御部を有し、前記回路方程式を演算する演算部と
    を含み、
    前記発電機の回路方程式は、下記(4)式であり、
    Figure 0006609990
    前記第1制御部は、前記発電機の回路方程式の初期値を下記(6)式とし、
    Figure 0006609990
    上記(4)式及び上記(6)式における、
    「Ird」は、d軸回路における電機子電流を示し、
    「ω」は、回転速度を示し、
    「ω」は、初期回転速度を示し、
    「r」は、抵抗値を示し、
    「Vrd」は、d軸回路における発電機の電圧を示し、
    「φrd」は、d軸回路における磁束を示し、
    「Irq」は、q軸回路における電機子電流を示し、
    「Vrq」は、q軸回路における発電機の電圧を示し、
    「φrq」は、q軸回路における磁束を示し、
    「X」及び「X」は、直軸同期リアクタンス及び横軸同期リアクタンスを示す
    シミュレーションシステム。
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