JP6609790B2 - 吸着剤収納容器 - Google Patents

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Description

本発明は、使用済みのガスに混入した雑気体を除去するための吸着剤を収納し、使用済みのガスから効率よく雑気体を浄化することができる吸着剤収納容器に関する。
従来、病院等において使用される麻酔用ガスは、麻酔治療において患者に使用される際に、雑気体や雑物が麻酔用ガスに混入する。そのため、これらの混入雑気体等を吸着除去する除去装置が用いられており、使用済みの麻酔用ガスはかかる除去装置の浄化剤や吸着剤を介して浄化されて再利用される。
そして、上記の除去装置では、雑気体を吸着除去するために使用する浄化剤や吸着剤を一定の容器に収納して、容器上方から流入した麻酔用ガスを、吸着材等を通過させて浄化するように構成している。
ところが、容器中の吸着剤、例えば、石灰原料の粒状、粉状の吸着剤は、麻酔用ガス流入口の下方に堆積して一定量が収納されているため、ガス流入口に近接した吸着剤の一部のみが劣化して吸着機能の低下を招いていた。このため、麻酔用ガスを利用する現場では、一定時間吸着剤を用いた後は、容器中の吸着剤を全部破棄して新しい吸着剤と交換したり、容器を一旦麻酔用ガスの流路から取外して、容器を振って吸着剤を撹拌したりして、ガス流入口近傍局所に、劣化吸着剤が集約されないようにする等の作業を行っている。しかし、かかる作業は煩雑であり、吸着剤の経済性を考えると得策ではない。
そこで、石灰、灰及び脱硫剤などの混合物の粉粒体からなる流動層を収容した流動層装置内において、流動層を流れる流体の経路上に流体が垂直に衝突する複数の衝突面を有する複数の整流部材を備え、流動層への流体の分散、及び、流動層からの流体の流れ状態を、コントロールして、流動層内を均一に撹拌し流動層内で粉粒体の燃焼や反応を効率良く行う技術が開示されている(特許文献1参照。)。
特開平7−174306号公報
しかしながら、上述した特許文献1の流動層装置は、容器内に充填された流動層に空気分散機の複数の孔から流体を分散して供給することはできるが、特に流動層が球形粒子状に形成されていた場合に、流動層内の上部では流体の速度が均一にならない場合があり、このため、流体と流動層との接触にむらが生じる場合があった。また、装置内に複数の整流部材を備える必要があり、部品点数が多くなり、各構成部材の分解清掃、交換、メンテナンス、保守点検、更には流動層の詰め替え、交換等の作業等が極めて煩雑となってしまう。
本発明は、麻酔用ガスから雑気体を吸着除去するための吸着剤を収納する収納容器内の構造に工夫を凝らして、簡単な構造で麻酔用ガスが万遍なく容器内に収納された吸着剤と接して、効率よく雑気体の吸着機能を果たすことができる吸着剤収納容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、容器本体と、前記容器本体内部へのガス流入口とガス回収口とを有し当該本体上部に取り外し自在に螺着される蓋体と、前記容器本体内部に配設され、中心にパイプ支柱を一体に突設した多孔板と、中心部から放射状に突設するように複数の内区画板の基部を外周に固設した外パイプと、内周面に複数の外区画板を中心に向けて突設した内容器と、からなる吸着剤区画体と、がそれぞれ別体に構成された吸着剤収納容器であって、前記容器本体の底部に前記多孔板を張設し、前記パイプ支柱の外周に前記外パイプを嵌着し、前記容器本体内の内周面に前記内容器を嵌着することで、前記容器本体内部に吸着剤区画体を構成し、さらに、前記複数の内区画板の先端縁部と前記複数の外区画板の先端縁部とは、前記複数の内区画板の間に前記複数の外区画板が介入して、互い違いに配設されていることを特徴とするガス浄化のための吸着剤収納容器とした。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸着剤収納容器において、前記ガス流入口の下方に、吸着剤収納容器中に流入したガスの流れを拡散する邪魔板を配設したことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の吸着剤収納容器において、前記吸着剤収納容器中の底部には多孔板を張設して、その下方にガス貯留空間を形成したことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ガス流入口とガス回収口とを設けた吸着剤収納容器中に、複数の区画板で構成した吸着剤区画体を収納したことにより、この吸着剤区画体により容器内空間が複数の空間に分割形成される。従って、かかる分割形成された空間中のそれぞれに多量の吸着剤が収納されたことになる。
一般的に流体(気体や液体等)は、均一な球形粒子状に形成された吸着剤が収納された容器内の壁面近傍では、所謂「壁効果」により他の領域よりも流速が増加してガスの偏流が生じる。流体力学的には、壁面上では流体は静止するため、流体の流速分布は壁面から少し離れたところで最大値となり、容器内に収納された吸着剤の中心部では最大値の略50%まで低下する。本発明は、上記「壁効果」に着目して、吸着剤収納容器中を流通する流体から吸着剤による雑気体の吸着除去効率の向上を図ったものである。
つまり、麻酔用ガスは、多数の壁面を有する複数の区画板で構成した吸着剤区画体によって、高速で吸着剤区画体の壁面及び容器内層面を容器底部に向かって流下することになり、多面の壁面近傍に充填された吸着剤と接する機会が急激に増加し、その分吸着剤と麻酔用ガスとの化学反応が促進されることになる。このことは、吸着剤の局所的劣化現象を防止して、麻酔用ガスに含有される雑気体の吸着除去効率が向上することになり、麻酔用ガスの浄化機能を十分に果たすことができ、頻繁な吸着剤の取り換え作業の煩わしさを解消し、また、吸着剤使用の経済性も向上させることができる効果がある。
請求項2の発明によれば、前記ガス流入口の下方に、吸着剤収納容器中に流入したガスの流れを分散する邪魔板を配設したことにより、邪魔板によって麻酔用ガスの流れが分散して容器内の上部空間の隅々まで撹散されるため、容器内の吸着剤区画体の壁面や容器内層面へ接触する麻酔用ガスを増加することができ、より迅速に、且つ確実に雑気体の吸着除去効果を向上させることができる。
請求項3発明によれば、前記吸着剤収納容器中の底部には多孔板を張設して、その下方にガス貯留空間を形成したことにより、容器底部に張設した多孔板の下方にガス貯留空間が形成されているので、多孔板の上方に収納された吸着剤を通過してガス貯留空間に貯留して充満したガスは、容器中央を上昇してガス回収口から容器外へ効率よく回収される。更には、吸着剤は多孔板上に積層されているので、多孔板を引き上げることにより、吸着剤の一部又は全部の取り換えや破棄等の処分が容易に行える効果がある。
本実施例の吸着剤収納容器の外観を示す斜視図である。 本実施例の吸着剤収納容器の構成を説明する分解図である。 本実施例の吸着剤収納容器の蓋体の構成を説明する図である。 本実施例の吸着剤収納容器の構成を説明する縦断面図である。 本実施例の吸着剤収納容器の構成を説明する横断面図である。 本実施例の吸着剤収納容器で浄化されるガスの流れを説明する図である。 本実施例の吸着剤収納容器の吸着剤の変化を説明する図である。 従来の吸着剤収納容器の吸着剤の変化を説明する図である。 本実施例の吸着剤収納容器の吸着剤の重量の変化を説明する図である。 変形例1の吸着剤収納容器のガス流入口とガス回収口の設置位置及び吸着剤収納容器内の流体の流路を説明する図である。 変形例2の吸着剤収納容器のガス流入口とガス回収口の設置位置及び吸着剤収納容器内の流体の流路を説明する図である。 変形例3の吸着剤収納容器のガス流入口とガス回収口の設置位置及び吸着剤収納容器内の流体の流路を説明する図である。
本発明は、ガス流入口とガス回収口とを設けた吸着剤収納容器中に、複数の区画板で構成した吸着剤区画体を収納し、ガス流入口の下方に、吸着剤収納容器中に流入したガスの流れを分散する邪魔板を配設し、吸着剤収納容器中の底部には多孔板を張設して、その下方にガス貯留空間を形成した吸着剤収納容器を提供せんとするものである。
以下、本実施例に係る吸着剤収納容器の一例について、図面を参照して説明する。図1は本実施例の吸着剤収納容器の外観を示す斜視図である。図2は本実施例の吸着剤収納容器の構成を説明する分解図である。図3は本実施例の吸着剤収納容器の蓋体の構成を説明する図である。図4は本実施例の吸着剤収納容器の構成を説明する縦断面図である。図5は本実施例の吸着剤収納容器の構成を説明する横断面図である。図6は本実施例の吸着剤収納容器で浄化されるガスの流れを説明する図である。図7は本実施例の吸着剤収納容器の吸着剤の変化を説明する図である。図8は従来の吸着剤収納容器の吸着剤の変化を説明する図である。
本実施例の吸着剤収納容器1は、図1に示すように、プラスチック素材よりなる円筒状の容器本体2と、容器本体2中に収容した吸着剤区画体10とよりなる。容器本体2の上部には蓋体3が取り外し自在に螺着されており、蓋体3には、ガス流入口4と、ガス回収口5とが併設されて容器本体2の内部と連通している。
容器本体2内は、図5に示すように、横断面扇状の区画空間が多数形成されている。従って、石灰等の原料よりなる粒状や粉状の吸着剤K(図6参照)は、この区画空間内に充填される。しかも、吸着剤区画体10の内区画板81の基部中心には、パイプ支柱6を設けている。このパイプ支柱6の下端部には多孔板7を連接しており、容器本体の下底部に一定の深さのガス貯留空間Sを形成している。パイプ支柱6の外周には、外パイプ8を嵌着しており、この外パイプ8の周面には、中心部から放射状に突設するように複数の内区画板81の基部を固設している。
多孔板7は円板に多数のガス流通孔71を穿設して形成しており、容器本体2の内底部22より一定の高さに位置するように構成している。図中21は、ガス貯留空間Sを形成するために多孔板7を張設するための複数の下脚部である。なお、多孔板7に穿設された多数のガス流通孔71の直径は、その上面に充填される粒状の吸着剤Kの直径より小さい。これにより、ガス流通孔71からガス貯留空間Sに吸着剤Kが落下することを防ぎ、ガス貯留空間Sの空間を保つようにしている。
また、容器本体2の内周面には容器本体2内に嵌着可能な円筒状の内容器9を構成し、内容器9の内周面から中心部に向かって90度の間隔で複数の外区画板91を突設している。しかもこの複数の外区画板91は、中心部から放射状に突設した複数の内区画板81の間に介入した状態に配設しており、内区画板81の先端縁部と外区画板91の先端縁部とは、互い違いに配設される位置関係としている。
上記した、内区画板81、外区画板91、外パイプ8、パイプ支柱6及び多孔板7から構成される吸着剤区画体10の各構成部材は、ユニットとして一体に構成することを可能としている。この場合には、容器本体2内に嵌着可能な円筒状の内容器9を構成し、内容器の下端開口部に多孔板7を連設し、多孔板7の中心部にパイプ支柱6を一体に立設し、パイプ支柱6の下端開口部は、ガス貯留空間Sに連通しており、ガス貯留空間S内に貯留した浄化ガスは、パイプ支柱6の下端開口部61(図6参照)から上昇して蓋体3に設けられたガス回収口5から吸着剤収納容器の外部に排出されて回収されるように構成している。
そして、パイプ支柱6の外周面に外パイプ8を嵌着し、外パイプ8の外周面に四枚の内区画板81の基端部を90度の間隔で放射状に突設した構成としている。かかる構成とすることにより、図4に示す用に、パイプ支柱6を外パイプ8よりも一部上方に突出しておくことにより、この突出部62をつまみ部として使用することができる。なお、蓋体3に設けたガス回収口5の下端は、連結のためのガスケットを51介して、パイプ支柱6の上端開口部の突出部62と連通状態で接続されるように構成されている。
また、図4及び図6に示す用に、蓋体3に形成したガス流入口4の下端開口部の更に下方位置、すなわち、容器本体2の上部空間の位置には、邪魔板41を配設している。邪魔板41はブラケット42を介して蓋体3の下面に水平に取付けられている。ガス流入口4から浄化回収すべく容器本体内に流入してきた麻酔用ガスは、その下方で邪魔板41に当り、邪魔板41によって八方に飛散して内区画板81や外区画板91に沿って流下しながら、内区画板81や外区画板91の壁面近傍の吸着剤Kと接触して浄化されるように構成している。なお、邪魔板41は、ガス流入口4から容器本体2の内部に流入した麻酔用ガスを、吸着剤Kの上部に均一に拡散できるものであれば、その形状や配設位置は適宜変更可能である。
本発明の吸着剤収納容器1は上記にように構成されているが、図2に示すように、吸着剤収納容器1を構成する各構成部材である容器本体2と、容器本体2の中心にパイプ支柱6を一体に突設した多孔板7と、外パイプ8に放射状に突設した内区画板81と、容器本体2の内周面に外区画板91を中心に向けて突設して容器本体2の内周面に嵌着状態に収納する内容器9と、容器本体2のガス流入口4とガス回収口5とを有する蓋体3とは、それぞれ別体に構成することができる。
すなわち、これらの各構成部材をそれぞれ別体に構成して組み合わせることにより、本発明の吸着剤収納容器1を構成することができるようにして、各構成部材の分解清掃や各構成部材の取り換えやメンテナンス、保守点検、更には吸着剤の詰め替え、交換等の作業等に極めて有益となる。なお、容器本体2は、収納した吸着剤Kの状態を確認したり、その吸着状態や吸着経過を視認可能にしたりするために、透明性の高い非晶質の合成樹脂(例えば、アクリル樹脂)等の透明部材を用いている。
上述してきた構成の吸着剤収納容器1によれば、図6に示す用に、蓋体3に設置されたガス流入口4から容器本体2の内部に注入された麻酔用ガスは、ガス流入口4の下方で邪魔板41に当り、邪魔板41によって八方に飛散して、容器本体2の内部に収納された吸着剤Kの上方から下方に流下する過程で吸着剤Kと接触して浄化される。この時、上述したように、一般的に流体(気体や液体等)は、均一な球形粒子状に形成された吸着剤が収納された容器内の壁面近傍では、所謂「壁効果」により他の領域よりも流速が増加してガスの偏流が生じるため、容器本体2の内部に注入された麻酔用ガスは、吸着剤区画体10を構成する複数の内区画板81や外区画板91に壁面に沿って流速を増加させて流下することになる。
このように、吸着剤収納容器1に流入した麻酔用ガスは、吸着剤区画体10を構成する多数の壁面(つまり、複数の内区画板81の表面、外区画板91の表面及び内容器9の内周面)に沿って流速を増加させて容器底部に向かって流下する。これにより、多数の壁面の近傍に充填された吸着剤Kと麻酔用ガスとの接触の機会が増加し、順次化学反応が促進されて、効率よく麻酔用ガスから雑気体である炭酸ガス等を除去して浄化することになる。そして、炭酸ガスを除去された麻酔用ガスは、多孔板7に設けられた複数のガス流通孔71を通過して、多孔板7と複数の下脚部21とで容器本体2の下部に形成されたガス貯留空間Sに浄化ガスとして貯留する。
ガス貯留空間Sに浄化ガスとして貯留した麻酔用ガスは、パイプ支柱6の中央の下端開口部からパイプ支柱6の上端開口部の突出部62と連通状態で接続された蓋体3のガス回収口5に向かって上昇して、吸着剤収納容器1の外部に回収されて再利用されることになる。
本実施例の吸着剤収納容器1によれば、吸着剤区画体10を構成する複数の内区画板81、複数の外区画板91及び内容器9の内周面で形成される多数の壁面を麻酔用ガスが流下することで、図7に示す用に、壁面近傍の吸着剤Kから順次化学反応して麻酔用ガスから雑気体を除去して浄化している。この時、本発明の特徴である複数の内区画板81や外区画板91からなる吸着剤区画体10を用いない構成では、図8に示す用に、容器本体2の内周面で形成される壁面やパイプ支柱6の外周面で形成される壁面を中心に麻酔用ガスが流下する為、容器本体2の内周面やパイプ支柱6の外周面に近接した吸着剤Kの一部のみが劣化することになる。図7及び図8中においては、麻酔用ガスと最も接触頻度の高く化学反応が進んでいる吸着剤Kを黒色で示しており、ついで、麻酔用ガスと壁面近傍の吸着剤Kよりも接触頻度は低いが、ある程度化学反応が進んでいる吸着剤Kを灰色で示している。そして、麻酔用ガスと接触頻度が低く(又は接触していない)化学反応が進んでいない吸着剤Kを白色で示している。
すなわち、本発明の吸着剤区画体10を備えた吸着剤収納容器1は、図7に示すように、複数の壁面(つまり、複数の内区画板81の壁面、外区画板91の壁面及び内容器9の内周面)近傍に充填された吸着剤Kと麻酔用ガスとの接触する機会が増加して化学反応が促進されることになる。これにより、図8に示す吸着剤Kの局所的劣化現象(容器本体2の内周面やパイプ支柱6の外周面に近接した吸着剤Kの一部のみが劣化)を防止することが可能となる。
以下、図9を参照して、上述してきた構成の吸着剤収納容器1に収納した吸着剤Kによる炭酸ガスの吸着能力の測定結果を説明する。本願出願人は、図9に示すように、「従来の吸着剤収納容器」と、「邪魔板を設置した従来の吸着剤収納容器」と、本実施例の「邪魔板41+吸着剤区画体10を設置した吸着剤収納容器1」との三パターンで、吸着剤収納容器1に収納した吸着剤Kの吸着能力の変化を測定している。また、三パターンそれぞれにおいて、麻酔用ガスから炭酸ガスを除去した使用時間を計測している。なお、図9では、同量の800gの吸着剤Kを吸着剤収納容器に収納して、それぞれの使用時間で麻酔用ガスから炭酸ガスを除去した後に、800gの吸着剤Kのうちの100gあたりの吸着剤Kの吸着能力の変化を測定している。
図9に示す吸着能力は、炭酸ガスを吸着したことによる100gあたりの吸着剤Kの重量の増加を測定して得られた結果であり、「従来の吸着剤収納容器」を使用して「4.16h(時間)」炭酸ガスの除去を行った場合の100gあたりの吸着能力(つまり、100gあたりの吸着剤Kの重量の増加)を100%としている。この条件のもとに、「邪魔板を設置した吸着剤収納容器」を使用して「5.22h(時間)」炭酸ガスの除去を行った場合は、「従来の吸着剤収納容器」を使用した場合と比較して+1.06h(時間)炭酸ガスを除去した使用時間が増加しただけで、100gあたりの吸着能力が125%(つまり、+25%)向上するという測定結果が得られた。また、上述した実施例の「邪魔板41+吸着剤区画体10を設置した吸着剤収納容器1」を使用して「6.02h(時間)」炭酸ガスの除去を行った場合は、「従来の吸着剤収納容器」を使用した場合と比較して+1.86h(時間)炭酸ガスを除去した使用時間が増加しただけで、100gあたりの吸着能力が145%(つまり、+45%)向上するという測定結果が得られた。
すなわち、図9に示すように、800gの吸着剤Kを本実施例の吸着剤収納容器1(つまり、「邪魔板41+吸着剤区画体10を設置した吸着剤収納容器1」)に収納して炭酸ガスの除去を行うと、「従来の吸着剤収納容器」を使用した場合と比較して、吸着剤Kによる炭酸ガスの100gあたりの吸着能力が飛躍的に向上(つまり、+45%)するという測定結果が得られた。
上述してきたように、本実施例の吸着剤区画体10を設置した吸着剤収納容器1によれば、麻酔用ガスに含有される雑気体の吸着除去効率が向上することになり、麻酔用ガスの浄化機能を十分に果たすことができる。さらに、頻繁な吸着剤Kの取り換え作業の煩わしさを解消し、また、使用する吸着剤Kの経済性の向上を図ることができる。
以下、図10〜図12を参照して、本発明の吸着剤収納容器1の変形例1〜3を説明する。以下の変形例1〜3においては、吸着剤収納容器1のガス流入口4とガス回収口5の設置位置及び吸着剤収納容器1内の浄化する流体(つまり、麻酔用ガス)の流路のみを変更している。なお、吸着剤収納容器1本体の構成は上述した実施例と同じとし説明は省略する。
[変形例1]
図10に示すように、変形例1の吸着剤収納容器1は、上述した実施例と異なりガス流入口4aとガス回収口5bを逆に配設している。このため、ガス流入口4aから容器本体2の内部に注入された麻酔用ガスは、容器本体の下底部に形成されたガス貯留空間Sに一旦貯留され、多孔板7に穿設されたガス流通孔71から多孔板7の上部に収納された吸着剤Kを上昇してガス回収口5aから回収される。この時、ガス貯留空間Sに貯留された麻酔用ガスは、上述した実施例と同様に、吸着剤区画体10を構成する複数の内区画板81や外区画板91の壁面に沿って上昇しながら、内区画板81や外区画板91の壁面近傍の吸着剤Kと接触して浄化されるように構成している。
[変形例2]
図11に示すように、変形例2の吸着剤収納容器1は、上述した実施例とガス回収口5bの配設位置が異なり、容器本体2の下底部に形成された一定の深さのガス貯留空間Sにガス回収口5bを配設している。このため、ガス流入口4bから容器本体2の内部に注入された麻酔用ガスは、容器本体2の上部から下部に流下して、下底部に形成されたガス貯留空間Sに配設されたガス回収口5bから回収される。この時、ガス貯留空間Sに貯留された麻酔用ガスは、上述した実施例と同様に、吸着剤区画体10を構成する複数の内区画板81や外区画板91の壁面に沿って流下しながら、内区画板81や外区画板91の壁面近傍の吸着剤Kと接触して浄化されるように構成している。
[変形例3]
図12に示すように、変形例3の吸着剤収納容器1は、上述した実施例と異なりガス流入口4cとガス回収口5cの配設位置を逆にするとともに、容器本体2の下底部に形成されたガス貯留空間Sにガス流入口4cを配設している。このため、ガス流入口4cから容器本体2の内部に注入された麻酔用ガスは、容器本体の下底部に形成されたガス貯留空間Sから多孔板7に穿設されたガス流通孔71を介して多孔板7の上部に収納された吸着剤Kを上昇してガス回収口5cから回収される。この時、ガス回収口5cか回収される麻酔用ガスは、上述した実施例と同様に、吸着剤区画体10を構成する複数の内区画板81や外区画板91に沿って上昇しながら、内区画板81や外区画板91の壁面近傍の吸着剤Kと接触して浄化されるように構成している。
上述してきた変形例1〜3のように、本発明のガス流入口4とガス回収口5の設置位置は任意に変更可能であるとともに、容器本体2内の流体(つまり、麻酔用ガス)の流路についても、上昇させたり流下させたりと適宜変更可能としている。
また、容器本体2の形状は、プラスチック素材よりなる円筒状として説明してきたが、容器本体2の形状は円筒形に限定されるものではなく、素材もプラスチック素材に限定されるものではない。例えば、容器本体2の形状は四角注であっても三角柱であっても構わない。但しこの場合は、容器本体2の形状に応じた吸着剤区画体10がそれぞれ容器本体2の内部に設置されることが望ましい。また、容器本体2の素材についても、内部に収納された吸着剤Kと注入される流体(つまり、麻酔用ガス等)との化学反応により変形や腐食が発生しない素材であれば適宜変更可能である。
上述してきた実施例では、外パイプ8の外周面に90度の間隔で設けた4枚の内区画板81と、内容器9の内周面に中心部に向かって90度の間隔で設けた4枚の外区画板91とで構成した吸着剤区画体10を一例として説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、外パイプ8の外周面や内容器9の内周面に設けられる内区画板81や外区画板91の枚数は、60度の間隔で6枚としてもよいし、120度の間隔で3枚とすることもできる。つまり、設置される内区画板81及び外区画板91の設置枚数や設置間隔は、容器本体2の大きさ(容量)に応じて適宜変更可能である。さらに、内区画板81及び外区画板91の形状についても、上述した「壁効果」の発生が見込める形状であれば適宜変形(例えば、斜板、波状、スクリュー状等)してもよい。
また、上述してきた実施例では、外パイプ8の外周面に内区画板81を設け、内容器9の内周面に外区画板91を設けたユニット構成(組み立て式)の吸着剤区画体10としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、外パイプ8を用いずにパイプ支柱6の外周面に内区画板81を設けてもよいし、内容器9を用いずに容器本体2の内周面に直接外区画板91を設けることもできる。つまり、内区画板81及び外区画板91を後付けでなく容器本体2と一体に構成することもできる。さらに、内区画板81及び外区画板91に限らず、邪魔板41や蓋体3等も容器本体2と一体に構成してもよい。
以上、上記実施例を通して本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上述した各効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施例に記載されたものに限定されるものではない。
1 吸着剤収納容器
2 容器本体
3 蓋体
4 ガス流入口
5 ガス回収口
6 パイプ支柱
7 多孔板
8 外パイプ
9 内容器
10 吸着剤区画体
41 邪魔板
81 内区画板
91 外区画板

Claims (3)

  1. 容器本体と、
    前記容器本体内部へのガス流入口とガス回収口とを有し当該本体上部に取り外し自在に螺着される蓋体と、
    前記容器本体内部に配設され、中心にパイプ支柱を一体に突設した多孔板と、中心部から放射状に突設するように複数の内区画板の基部を外周に固設した外パイプと、内周面に複数の外区画板を中心に向けて突設した内容器と、からなる吸着剤区画体と、
    がそれぞれ別体に構成された吸着剤収納容器であって、
    前記容器本体の底部に前記多孔板を張設し、前記パイプ支柱の外周に前記外パイプを嵌着し、前記容器本体内の内周面に前記内容器を嵌着することで、前記容器本体内部に吸着剤区画体を構成し、さらに、前記複数の内区画板の先端縁部と前記複数の外区画板の先端縁部とは、前記複数の内区画板の間に前記複数の外区画板が介入して、互い違いに配設されていることを特徴とするガス浄化のための吸着剤収納容器。
  2. 前記ガス流入口の下方に、吸着剤収納容器中に流入したガスの流れを拡散する邪魔板を配設したことを特徴とする請求項1に記載の吸着剤収納容器。
  3. 前記吸着剤収納容器中の底部には前記多孔板を張設して、その下方にガス貯留空間を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸着剤収納容器。
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