JP6609727B1 - 合金板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

この合金板は、質量%で、C:0.0200%以下、Si:0.02〜2.00%、Mn:0.02〜2.00%、P:0.050%以下、S:0.0100%以下、Cr:12.00〜30.00%、Ni:35.00〜60.00%、N:0.0200%以下、V:0.02〜1.00%、Nb:2.00%超、3.50%以下、Al:2.60%超、4.00%以下を含有し、更に任意にTi、Mo、W、Cu、Co、B、Zr、Ca、Mgの1種以上を含有し、残部が10.00%以上のFe、及び不純物である化学組成を有し、ミクロ組織が、オーステナイト相を含み、前記オーステナイト相の平均結晶粒径が20μm以上であり、前記オーステナイト相の結晶粒のアスペクト比であるL1/L2の平均値が1.0〜3.0であり、前記ミクロ組織において、γ´相の面積率が15.0%以下であり、室温での0.2%耐力が400MPa以上である。

Description

本発明は、合金板及びその製造方法に関する。
本願は、2018年03月28日に、日本に出願された特願2018−062547号、及び2018年11月29日に日本に出願された2018−223493号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
自動車のエンジン排気系については、エンジンの排気ガス出口から、排気マニホールド、ターボチャージャー、触媒コンバーター、排気管などの排気部品が、それぞれフランジなどを用いて接続されている。フランジなどの接続部においては、排気ガスが外部に漏れないように、ガスケットなどを挿入して気密性を確保している。
上記のような排気系において用いられるガスケット(排気系ガスケット)は、自動車のエンジン排気系部材において耐熱部材として用いられるシール部品であり、板厚0.1〜0.3mm程度の金属薄板にビードと呼ばれる段差部を形成して製造される。同部品は、自動車の排気系において、フランジ等の連結部に挟み込まれて使用され、ビードの反発力によって連結部からの排気ガスの漏洩を防止する役割を果たす。排気系ガスケットは、高温の排ガスが存在する環境下に長時間曝される苛酷な条件で使用されるので、高温で長時間保持後にも高い高温強度を有することが求められる。特に、ターボチャージャーとの連結部に用いられるターボガスケットは、700℃を超える高温環境下で使用される。このため、ターボガスケットの素材には、現在、例えばインコネル718といった析出硬化型のNi基合金の冷延薄板が用いられている。しかしながら、近年、使用温度の高温化により、インコネル718のような既存の耐熱合金では、所定の高温強度が得られなくなってきた。
例えば、特許文献1には、質量%でC:0.15%以下、Si:1.0%以下、Mn:0.3%以下、Ni:30〜49%、Cr:10〜18%、Al:1.6〜3.0%を含み、IVa族とVa族から選ばれる1種または2種以上の元素を合計で1.5〜8.0%含有し、残部は不純物を除き本質的にFeからなることを特徴とするFe−Ni−Cr基超耐熱合金が開示されている。
特許文献2には、質量%で、C:0.02〜0.30%、Si:0.02〜3.5%、Mn:0.02〜2.5%、Ni:10〜50%、Cr:12〜25%、Ti:1.0〜5.0%、Al:0.002〜1.0%を含有し、かつNb:0.1〜3.0%、B:0.001〜0.01、Mo:0.1〜4.0%から選択された1種以上の元素を含有して、Ti、Al及びNbの合計含有量が3.0〜7.0%である耐熱ステンレス鋼であって、粒界に析出するη相[NiTi:hcp構造]と基地であるγ相(オーステナイト)結晶粒内に析出するγ´相[Ni(Al,Ti,Nb)]との重量比率「{η相[NiTi:hcp構造]/γ´相[Ni(Al,Ti,Nb)]}×100(%)」が、0.01%以上30.00%以下であり、600℃での熱間引張強さが800N/mm以上であり、また基地であるγ相(オーステナイト)結晶粒内に析出するγ´相[Ni(Al,Ti,Nb)]の球状粒子の直径が1nm以上20nm以下であることを特徴とする耐熱ステンレス鋼が開示されている。
特許文献3には、質量%で、C:0.01〜0.1%、Si:2%以下、Mn:2%以下、Cr:12〜25%、Nb+Ta:0.2〜2.0%、Ti:1.5%未満、Al:0.5〜3.0%、Ni:25〜45%、Cu:0.1〜5.0%であり、またW:3%以下、Mo:3%以下、V:1%以下、Co:5%以下、B:0.001〜0.01%、Zr:0.001〜0.1%、Ca+Mg:0.001〜0.01%の何れか1種もしくは2種以上を含み、かつTi/Al=0.115〜1.0、1/2W+Mo+V<3%、Ti+Al+Nb+Ta:4.5〜7.0%を満たす冷間加工性及び過時効特性に優れた耐熱合金が開示されている。
日本国特開平7−109539号公報 日本国特開2000−109955号公報 日本国特開平10−130790号公報
本発明者らの検討結果によれば、これらの先行技術に開示の合金を用いたガスケットでは、近年の排気系ガスケットに要求されるレベルの高温で長時間使用された際には、使用中に高温強度が低下する等により、十分な高温強度が確保できないことが分かった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされた。本発明は、高温で長時間使用されるガスケットとして用いた際にも十分な高温強度が確保される、合金板及びその製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)本発明の一態様に係る合金板は、質量%で、C:0.0200%以下、Si:0.02〜2.00%、Mn:0.02〜2.00%、P:0.050%以下、S:0.0100%以下、Cr:12.00〜30.00%、Ni:35.00〜60.00%、N:0.0200%以下、V:0.02〜1.00%、Nb:2.00%超、3.50%以下、Al:2.60%超、4.00%以下、Ti:0〜0.80%、Mo:0〜2.00%、W:0〜2.00%、Cu:0〜1.00%、Co:0〜1.00%、B:0〜0.0100%、Zr:0〜0.0100%、Ca:0〜0.0050%、Mg:0〜0.0050%、を含有し、残部が10.00%以上のFe、及び不純物である化学組成を有し、ミクロ組織が、オーステナイト相を含み、前記オーステナイト相の平均結晶粒径が20μm以上であり、前記オーステナイト相の結晶粒の、長軸の長さをL1、短軸の長さをL2とするとき、アスペクト比であるL1/L2の平均値が、1.0〜3.0であり、前記ミクロ組織において、γ´相の面積率が15.0%以下であり、室温での0.2%耐力が400MPa以上である。
(2)上記(1)に記載の合金板では、前記アスペクト比が1.0〜2.0であってもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の合金板では、750℃で100時間の時効処理を行ったとき、前記時効処理後のミクロ組織におけるγ´相の面積率が15.0%以上、前記γ´相の平均円相当径が30nm以上、70nm以下、かつ、γ´相以外の析出相の面積率が5.0%以下であってもよい。
(4)本発明の別の態様に係る合金板の製造方法は、(1)〜(3)のいずれかに記載の合金板を製造する方法であって、圧延加工された合金素材を1050〜1200℃で、30秒〜600秒間溶体化熱処理する第1の工程と、板厚減少率5%以上、45%以下で仕上げ冷延する第2の工程と、を含む。
(5)本発明の別の態様に係る合金板の製造方法は、(1)〜(3)のいずれかに記載の合金板を製造する方法であって、圧延加工された合金素材を1050〜1200℃で、30秒〜600秒間溶体化熱処理する第3の工程と、700〜850℃、30秒〜600秒で時効処理する第4の工程と、を含む。
(6)上記(5)に記載の合金板の製造方法では、前記第3の工程の後かつ前記第4の工程の前に、板厚減少率45%以下の圧下率で仕上げ冷延する第5の工程を含んでもよい。
本発明の上記態様に係る合金板は、排気系ガスケット等に使用され、高温に長時間曝された場合でも、十分な高温強度が確保される。
本発明者らは、合金の組成や製造プロセスについて詳細な調査を実施し、近年要求される厳しい使用環境に耐える、排気系ガスケットに好適な合金板を検討した。
高温で長時間使用されるガスケットは、耐熱合金薄板を用いて形成される。耐熱合金薄板は、排気ガスプロセスの高温環境にさらされることによって合金中に微細なγ´(ガンマプライム)相が析出し、このγ´相によって高温強度が確保される。γ´相は、Ni(Al,Ti,Nb)で表現される析出物であり、合金中にTiを含有しない場合にはNi(Al,Nb)となる。γ´相は、母相となるオーステナイト相との界面の整合性が高く、他の析出強化相と比べて母相粒内に均一に微細分散しやすいことや、γ´相自体の強度が温度との逆依存性を有することなどから、特に高温での析出強化能が高いという特徴を有する。成分によって析出相の状態が変化するので、合金成分を適正化することにより、高温環境でγ´相の適正な析出を促すことができる。
ガスケットが自動車に装着され、高温に長時間曝された(以下「高温長時間時効」ともいう。)後でも気密性保持機能を十分に維持するためには、このγ´相が高温長時間時効後も安定して存在し、それによって高温強度が維持されている必要がある。しかしながら、本発明者らの検討の結果、従来知られていた耐熱合金板をガスケットに適用した場合、特にターボガスケットのように極めて高温に長時間曝される場合には、高温強度が低下することが明らかとなった。
従来知られている耐熱合金において高温強度が低下する理由について、本発明者らが検討を行った結果、従来の耐熱合金では、高温長時間時効処理(高温長時間時効熱処理)において、合金中にLaves相などのγ´相以外の化合物(非強化相)が析出するために高温強度が低下することがわかった。このLaves相の周囲には、γ´相の存在しない無析出帯が形成されるので、その結果として、γ´相の存在比率が低下し、高温強化能が著しく劣化すると考えられる。すなわち、本発明者らの検討の結果、高温長時間時効時にLaves相などのγ´相以外の析出物(非強化相)を抑制することが高温強度維持に重要であることがわかった。
高温長時間後時効後の合金板から、強化相であるγ´相、及びLaves相などの非強化相の、高温長時間時効時の析出挙動を詳細に調査した結果、γ´相が母相全面に分散して微細析出するのに対し、Laves相は結晶粒界や転位を核生成サイトとして析出することがわかった。したがって、これらの核生成サイトをできるだけ少なくすることで、Laves相などの非強化相の析出を抑制し、強化相であるγ´相を維持させられることが分かった。
高温長時間時効後も高温強度を維持するためには、1)γ´相の析出を促し、Laves相などの非強化相の析出を抑制するように成分をコントロールすること、2)熱処理(溶体化処理)によって結晶粒径を粗大化し、それによって結晶粒界を少なくし、Laves相などの非強化相の析出サイト低減を図ること、3)最終の仕上げ冷延における板厚減少率を低下させることで合金板の結晶粒内における転位を少なくし、Laves相などの非強化相の析出サイト低減を図ること、が重要である。本発明者らは、これらプロセス上の改善も検討し、本発明を完成させた。
以下、本発明の一実施形態に係る合金板(本実施形態に係る合金板)について説明する。
まず第1に、本実施形態に係る合金板の成分組成(化学組成)について説明する。成分の含有量に関する%は断りがない限り質量%を意味する。
C:0.0200%以下
Cは、Ti、Nbと結びついて炭化物を形成する元素である。Ti、Nbが炭化物を形成すると、強化相であるγ´相の生成量が減少する。そのため、C含有量は低い方が望ましい。したがって、C含有量は0.0200%以下とする。
一方、C含有量を0.0002%未満にすると製造コストが著しく増加する。そのため、C含有量を0.0002%以上としてもよい。
Si:0.02%以上、2.00%以下
Siは、精錬の際に脱酸元素として有効な元素である。また、Siは、合金の耐酸化性を改善する皮膜の保護性を向上させる元素である。これらの効果を得るため、Si含有量を0.02%以上とする。
一方で、Si含有量が多すぎると、熱間加工性が顕著に劣化し、耳割れが発生したり、手入れコストが大きくなったりする。そのため、Si含有量を2.00%以下とする。
Mn:0.02%以上、2.00%以下
Mn含有量が多すぎると、熱間加工性が劣化する上、高温での耐酸化性が著しく劣化する。したがって、Mn含有量は2.00%以下とする。
一方、Mnは原料スクラップなどから混入するので、Mn含有量を大きく低減させるにはスクラップの使用を減らす必要があり、コストの増大を招く。したがって、Mn含有量は0.02%以上とする。
P:0.050%以下
Pは合金の原料の一つであるフェロクロムに含まれる不純物元素である。Pは熱間加工性に有害であるので、P含有量を0.050%以下に制限する。
S:0.0100%以下
Sは原料のスクラップなどに含まれる不純物元素である。Sは熱間加工性に有害であるので、S含有量は0.0100%以下に制限する。
Cr:12.00%以上、30.00%以下
Crは耐熱合金としての耐食性を確保する観点から必須の元素である。十分な耐食性を確保する観点から、Cr含有量は12.00%以上とする。好ましくは14.00%以上である。
一方で、Cr含有量が多すぎると、焼鈍時にσ相などの粗大な化合物が生成し、γ´相の析出が抑制されるだけでなく、材料が脆化しやすくなる。そのため、Cr含有量は30.00%以下とする。好ましくは、20.00%以下である。
Ni:35.00%以上、60.00%以下
Niは強力なオーステナイト安定化元素であり、ミクロ組織においてオーステナイト母相を得るために必須の元素である。また、Niは高温強度の向上に寄与する強化相であるγ´相(Ni(Al,Nb,Ti))を得るためにも極めて重要な元素である。耐熱材料として高温での強度を確保する観点から、Ni含有量は35.00%以上とする。好ましくは40.00%以上である。
一方、Ni含有量が多すぎると、コストが上昇することに加え、熱間加工時の変形抵抗が高くなって、製造が困難になる。そのため、Ni含有量は60.00%以下とする。好ましくは、50.00%以下である。
N:0.0200%以下
Nは、Al、Nb、Tiと結合して窒化物を形成する元素である。Al、Nb、Tiが窒化物を形成すると、強化相であるγ´相の生成量が減少する。そのため、N含有量は低い方が望ましい。したがって、N含有量は0.0200%以下に制限する。
V:0.02%以上、1.00%以下
Vは、固溶強化により高温強度の向上に寄与する元素である。この効果を得るため、V含有量は0.02%以上とする。
一方、VはC、Nと結合して炭化物、窒化物を形成する。V含有量が多すぎると、粗大な炭化物、窒化物が生成し、材料の加工性が劣化する。そのため、V含有量は1.00%以下とする。
Nb:2.00%超、3.50%以下
Nbは強化相であるγ´相を構成する元素であり、Nbを固溶したγ´相は高温強化能が高い。そのため、高温強度確保のため、Nb含有量は2.00%超とする。
一方、Nbは合金の融点を下げ、高温での熱間加工を困難にする元素である。したがって、Nb含有量は3.50%以下とする。
Al:2.60%超、4.00%以下
Alは高温強度の上昇に寄与する強化相であるγ´相を構成する元素である。その強化能は、Ti、Nbには及ばないが、Ti、Nbに比べて、長時間安定してγ´相を維持する効果がある。長時間時効後に安定して高温強度を維持する観点から、Al含有量は2.60%超とする。
一方、Al含有量が過剰であると、合金の融点が下がり、高温での熱間加工が困難になる。したがって、Al含有量は、4.00%以下とする。
本実施形態に係る合金板は、さらに以下の任意元素を含有しても良い。ただし、以下の任意元素は必ずしも含有する必要がないので、その下限は0%である。
Ti:0〜0.80%
Tiは強化相であるγ´相を構成する元素であり、高温強度の向上に寄与する元素である。そのため、必要に応じて含有させてもよい。上記効果を得る場合、Ti含有量を0.20%以上とすることが好ましい。
一方、Tiを多量に含有すると、合金中のC、NとTiとが粗大な炭化物、窒化物を形成し、熱間加工性や冷間加工性が著しく劣化する。また、Tiの含有により合金の融点が下がるので、Ti含有量が過剰であると高温での熱間加工が困難になる。しがたって、含有させる場合でもTi含有量は0.80%以下とする。好ましくは、0.60%以下である。
Mo:0〜2.00%
Moは母相であるオーステナイト相に固溶し、高温強度の向上に寄与する元素である。そのため、必要に応じて含有させてもよい。
一方、多量にMoを含有すると、熱間加工時の変形抵抗が増加し、所定の板厚に熱間圧延するのが困難になる。また、高温長時間時効時に粗大なLaves相の析出が促進され、高温強度が低下する。したがって、含有させる場合でもMo含有量は2.00%以下とする。
W:0〜2.00%
Wはオーステナイト母相に固溶し、高温強度の向上に寄与する元素である。そのため必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、多量にWを含有すると、熱間加工時の変形抵抗が増加し、所定の板厚に熱間圧延するのが困難になる。また、高温長時間時効時に粗大なLaves相の析出が促進され、高温強度が低下する。したがって、含有させる場合でもW含有量は2.00%以下とする。
Cu:0〜1.00%
Cuは、オーステナイト母相に固溶し、高温強度を上げる効果を有する元素である。そのため必要に応じて含有させてもよい。
一方、Cu含有量が過剰になると、熱間圧延時の耳割れが発生する場合がある。したがって、含有させる場合でもCu含有量は1.00%以下とする。
Co:0〜1.00%
CoはNiの代替としてγ´相に固溶する元素であり、高温強度の向上に寄与する元素である。そのため、含有させてもよい。
一方で、Coを多量に含有すると、コストの増加に加えて、熱間加工時の変形抵抗が増加し、所定の板厚に熱間圧延するのが困難になる。したがって、含有させる場合でもCo含有量は1.00%以下とする。
B:0〜0.0100%
Bは結晶粒界に偏析する元素であり、結晶粒界を強化することで、粒界でのすべりを抑制し、高温強度の向上に寄与する元素である。そのため、含有させても良い。Bを含有することによる上述の効果を得るためには、B含有量は好ましくは0.0010%以上である。
一方で、Bを多量に含有すると粒界偏析が顕著になり、熱間加工性が著しく低下する。そのため、含有させる場合でもB含有量は0.0100%以下とする。
Zr:0〜0.0100%
Zrは結晶粒界に偏析する元素であり、結晶粒界を強化することで、粒界でのすべりを抑制し、高温強度の向上に寄与する元素である。そのため、含有させても良い。Zrを含有することによる上述の効果を得るためには、Zr含有量は好ましくは0.0010%以上である。
一方で、Zrを多量に添加すると粒界偏析が顕著になり、熱間加工性が著しく低下する。そのため、含有させる場合でもZr含有量は0.0100%以下とする。
Ca:0〜0.0050%
Caは熱間加工性を改善する効果を有する元素である。熱間加工性が改善すると製造コストが低減できる。この効果を得るため、含有させても良い。
一方、Ca含有量が多量になると、鋳造時に溶湯ノズルが詰まるなどのトラブルが生じ、製造が著しく困難になる。そのため、含有させる場合でもCa含有量は0.0050%以下とする。
Mg:0〜0.0050%
Mgは熱間加工性改善する効果を有する元素である。熱間加工性が改善すると製造コストが低減できる。この効果を得るため、含有させても良い。
一方、Mg含有量が多量になると、鋳造時に溶湯ノズルが詰まるなどのトラブルが生じ、製造が著しく困難になる。そのため、含有させる場合でもMg含有量は0.0050%以下とする。
以上説明した成分の含有量合計は90%以下、好ましくは80%以下とする。また、以上説明した成分以外の残部は10.00%以上のFe、及び不純物からなる。
残部に含まれるFeが合金板の化学組成の10.00%未満であると、加工性が劣化する。そのため、本実施形態に係る合金板において、Feは10.00%以上とする。
また、不純物は合計で2.0%以下であることが好ましい。不純物とは、上述したP、S以外に、例えばREM、Sn、Znである。
次に、合金板の結晶粒径を粗大化し、それによって結晶粒界を少なくし、Laves相などの非強化相の析出サイト低減を図る点について説明する。
<ミクロ組織>
本実施形態に係る合金板は、金属組織が、母相としてのオーステナイト相を含む。母相のオーステナイト相には、少量のγ´相等が析出する場合がある。析出物を除く母相は実質的にオーステナイト相からなっていてもよい。
[オーステナイト相の平均結晶粒径が20μm以上]
結晶粒界は、時効処理(時効熱処理)時にLaves相などの非強化相の析出サイトになる。そのため、平均結晶粒径が小さいと、合金板の単位断面あたりの粒界存在比率が多くなり、時効処理時にこれらの非強化相の析出量が多くなる。非強化相の近傍には、γ´相が析出しない無析出相が形成されるため、その結果、強化相であるγ´相の量が少なくなる。
合金板のオーステナイト相の平均結晶粒径が20μm以上であれば、非強化相の析出サイトを低減し、高温長時間時効後のγ´相の析出を確保することができる。したがって、平均結晶粒径は20μm以上とする。平均結晶粒径は750℃程度の使用温度での熱処理では大きく変化しないため、仕上げ冷延後の合金板での値とする。合金板の母相であるオーステナイト相の平均結晶粒径を20μm以上とするための製造方法(仕上げ冷延前の溶体化処理)については後述する。
平均結晶粒径の上限を規定する必要はないが、板厚に対して結晶粒が大きすぎると、プレス成型性などが著しく劣化するので、平均結晶粒径は50μm以下が好ましい。
平均結晶粒径は以下の方法で求めることができる。
L断面(圧延方向に平行で板厚面に平行な断面)が観察面となるように金属板からサンプルを採取し、観察面を表面研磨及びエッチングする。このサンプルを、光学顕微鏡で観察、撮影し、JIS G0551:2013に従って単位面積当たりの結晶粒数を計数して一個あたりの平均結晶粒面積aを求め、aの平方根を平均結晶粒径とする。
<γ´相の面積率が15.0%未満>
本実施形態に係る合金板では、高温長時間時効処理前(ガスケット等として使用される前)のミクロ組織において、γ´相の面積率が15.0%未満である。
高温長時間時効処理前に既にγ´相が多く析出していると、これらのγ´相が高温長時間時効処理により粗大化し、十分な高温強度を保てない。そのため、合金板のミクロ組織において、γ´相の面積率を15.0%未満とする。好ましくは、8.0%以下、より好ましくは6.0%以下、さらに好ましくは2.0%以下である。
高温長時間時効処理前のγ´相の面積率を小さくすると、室温での0.2%耐力が低くなることが懸念されるが、後述するように板厚減少率が5%〜45%の冷間圧延を行うことで、室温での0.2%耐力が確保できる。また、冷間圧延によれば、合金板の平坦度も向上する。
高温長時間時効処理前の合金板である本実施形態に係る合金板のγ´相の面積率は以下の方法で求める。
合金板の、圧延方向に平行な断面を研磨し、研磨面を王水でエッチングし、FE−SEMと同設備に付帯されるEDSで観察、分析する。結晶粒内に均一に析出している微細な球状の析出物をγ´相とし、結晶粒界、結晶粒内に析出し、粗大、且つ合金板の化学組成よりも(合金板の化学組成におけるFe、Cr含有量に比べて)Fe、Crが多量に含まれている析出物をγ´相以外の析出物として分類する。FE−SEMで撮影した写真から、線分法でγ´相の面積率を算出する。微細な球状の析出物とは、概ね、円相当直径で100nm以下、アスペクト比が2以下の析出物を指す。
[オーステナイト相の結晶粒の、アスペクト比の平均値が1.0〜3.0]
本実施形態に係る合金板は、オーステナイト相の結晶粒の、長軸の長さをL1、短軸の長さをL2とするとき、アスペクト比であるL1/L2の平均値が1.0〜3.0である。
結晶粒界は、時効処理時にLaves相などの高温強度の向上に寄与しない非強化相の析出サイトとなる。アスペクト比は圧延によって結晶粒が伸長することにより大きくなる。圧延によって転位が多量に導入されると、その転位を核生成サイトとして非強化相の析出が促進され、強化相であるγ´相の析出が阻害される。また、結晶粒1つあたりの体積と結晶粒界の面積を考えると、アスペクト比が大きくなるにしたがって、結晶粒の体積が同一であるのに対して結晶粒界の面積のみが大きくなり、非強化相の析出サイトの割合が高くなる。したがって、非強化相の析出を抑制し、強化相であるγ´相を確保するためには、アスペクト比は小さいことが好ましい。
そのため、本実施形態に係る合金板では、非強化相の析出サイトを少なくした組織であることを示す指標の1つとして、アスペクト比の平均値を1.0〜3.0とする。アスペクト比については、1.0〜2.0であることが好ましい。
アスペクト比は以下の方法で求めることができる。
L断面(圧延方向に平行で板厚面に平行な断面)が観察面となるようにサンプルを採取し、表面研磨及びエッチングする。このサンプルを、光学顕微鏡にて、観察面積が400000μm以上(80000μm以上の領域を5か所以上)となるように金属組織を観察する。観察領域にて測定される金属組織を用い、観察された各結晶粒の長軸の長さL1と短軸の長さL2とからアスペクト比(L1/L2)を求め、これらを相加平均して算出する。測定の際、双晶界面は除くものとする。本測定は画像解析ソフトを使用してもよい。
結晶粒のL1、L2は、結晶粒を楕円とみなして、その楕円の長軸、短軸をそれぞれL1、L2と定義する。圧延材の場合、圧延方向の粒径が最も長く、板厚方向の粒径が最も短くなるので、圧延方向の結晶粒の長さをL1、板厚方向の結晶粒の長さをL2としてもよい。
<室温での0.2%耐力が400MPa以上>
本実施形態に係る合金板では、室温における0.2%耐力が400MPa以上である。室温における0.2%耐力が400MPa以上であれば、合金板を加工してガスケットとして使用する際、高温長時間時効前(ガスケットとしての使用開始時)の強度を確保できる。
一方、室温での0.2%耐力が1200MPa超であると、ガスケットへの加工の際の加工性が低下する。そのため、室温での0.2%耐力は、1200MPa以下であることが好ましい。
室温における0.2%耐力は、試験片の長手方向が圧延方向と平行となるように採取したJISZ2241:2011に規定される13B号引張試験を用いて、標点間距離の変化量が3mm/minとなるよう引張荷重を付与する引張試験を行うことで得られる。
以上のように、本実施形態に係る合金板では、成分をコントロールしてγ´相の析出を促すとともに、溶体化処理、圧延の制御によって結晶粒界及び転位を少なくし、非強化相の析出サイト低減を図っている。
本実施形態に係る合金板は、γ´相により高温強度を確保するが、γ´相は冷間圧延を終了した合金板の段階ではほとんど析出しておらず、合金板に時効処理を施すことによって析出する。高温時効処理が長時間に及んだとき、従来の合金板であれば非強化相の析出によってγ´相の量が十分確保できないのに対し、本実施形態に係る合金板では高温長時間時効後においてもγ´相の量が確保されるので、高温長時間時効後にも十分な高温強度(例えば380MPa以上)が確保できる。
<750℃で100時間時効後の、ミクロ組織中のγ´相の面積率が15.0%以上、γ´相の平均円相当径が30nm以上、70nm以下、γ´相以外の析出相の面積率が5.0%以下>
ガスケットとしての使用を模擬した場合、高温長時間時効処理として750℃、100時間の熱処理条件を行った後でも、高温強度が維持されていることが好ましい。熱処理後の冷却は、500℃以下までの平均冷却速度を10℃/秒以上とすることが望ましい。この熱処理条件は、自動車の耐熱部品の熱履歴よりも過酷であり、この条件で高温強度が確保されれば、ガスケットとして長時間使用した場合にも十分に高温強度が確保できる。本実施形態に係る合金板の時効後の特徴については、使用を模擬した高温長時間時効処理後のミクロ組織を観察することで評価ができる。
750℃で100時間の熱処理条件を行った後に高温強度が維持されるためには、750℃で100時間時効処理を施した後のミクロ組織において、γ´相の面積率が15.0%以上、γ´相の平均円相当径が30nm以上、70nm以下、γ´相以外の析出相の面積率が5.0%以下であることが好ましい。
高温強度の観点から、上記高温長時間時効処理後のγ´相の量を15.0%以上とする。
また、高温強度はγ´相の量(面積率)のみでなく、そのサイズにも影響を受ける。γ´相が小さすぎると、転位がγ´相を簡単に切断するため、γ´相の強化能は低くなる。Ni,Nb,Al,Tiの含有量が少ない場合等、γ´相の析出に時間がかかる場合に、高温長時間時効処理後もγ´相が小さくなる。一方、γ´相が大きすぎることは、γ´相の数が少ないことと同義であるので、合金板の高温強度は低くなる。したがって、高温長時間時効処理後のγ´相は、平均円相当径で30nm以上、70nm以下とする。
また、結晶粒界や転位上にはγ´相以外の非強化相が析出する場合がある。Laves相に代表されるこれらの非強化相は、高温強度に寄与しないばかりか、その周囲にγ´相が欠落した無析出帯を形成し、高温強度を劣化させる場合がある。したがって、γ´相以外の析出物の面積率は5.0%以下とする。
750℃で100時間時効後のγ´相の面積率、γ´相の平均円相当径、γ´相以外の析出相の面積率は以下の方法で求める。
750℃で100時間時効後の合金板の、圧延方向に平行な断面を研磨し、研磨面を王水でエッチングし、FE−SEMと同設備に付帯されるEDSで観察、分析する。結晶粒内に均一に析出している微細な球状の析出物をγ´相とし、一方で、結晶粒界、結晶粒内に析出し、粗大、且つ合金板の化学組成よりもFe、Crが多量に含まれている析出物をγ´相以外の析出物として分類する。FE−SEMで撮影した写真から、線分法でγ´相の面積率、γ´相以外の析出物の面積率を算出する。微細な球状の析出物とは、概ね、円相当直径で100nm以下、アスペクト比が2.0以下の析出物を指す。
また、1つのサンプルに対して、50個以上のγ´相について、画像解析ソフトを用いてその面積を求め、その面積と同じ面積を持つ円の直径を算出し、その平均を円相当径(円相当直径)として見積もる。
上記本実施形態に係る合金板を加工することによってガスケットを形成することができる。例えば本実施形態に係る合金板から、打ち抜きや切り出しなどの手段によってガスケットの外形を形成した上で、ビードと呼ばれる段差部を形成してガスケットとする。このようにして得られたガスケットは、750℃で100時間の高温長時間時効処理後も、高い高温強度が維持できる。
<製造方法>
次に、本実施形態に係る合金板の製造方法について説明する。
本実施形態に係る合金板は、以下の方法によって製造することができる。
(i)上述した化学組成を有し、圧延加工された合金素材を、1050〜1200℃、30秒〜600秒で溶体化熱処理する第1の工程と、板厚減少率5%以上、45%以下で仕上げ冷延する第2の工程とを含む方法。
または、
(ii)上述した化学組成を有し、圧延加工された合金素材を、1050〜1200℃、30秒〜600秒で溶体化熱処理する第3の工程と、700〜850℃、30秒〜600秒で時効処理する第4の工程と、第3の工程の後かつ第4の工程の前に、任意に板厚減少率45%以下で仕上げ冷延する第5の工程とを含む方法。
以下、各工程について説明する。
<製造方法(i)について>
[圧延加工された合金素材を、1050℃〜1200℃、30秒から600秒で溶体化熱処理する第1の工程]
本実施形態に係る合金板を得るための素材は多くの合金元素を含み、製造過程で様々な化合物が析出する。そのため、本実施形態に係る合金板のようなミクロ組織を得るためには、一度析出物を母相に溶け込ませる溶体化熱処理が必要となる。また、この溶体化処理は、析出物を溶け込ませるという役割に加え、平均結晶粒径を大きくすることも考慮した条件にする必要がある。そのため、温度を1050℃以上で、かつ30秒以上の溶体化処理とする。これにより、耐熱合金薄板の平均結晶粒径を20μm以上とすることができる。
一方、溶体化処理温度が高すぎたり、処理時間が長すぎたりするとコストの増加を招く。したがって、溶体化熱処理温度は1200℃以下、時間は600秒以下とする。溶体化処理後は、500℃以下まで10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却することが好ましい。
[板厚減少率5%以上、45%以下で仕上げ冷延する第2の工程]
本実施形態に係る合金板は、板厚調整や強度調整のために、仕上げ冷延を施す。結晶粒内の非強化相は、転位を核生成サイトとして析出するので、仕上げ冷延後の時効処理によって結晶粒内にγ´相以外の非強化相が析出し、本来の特性を損なう場合がある。そのため、仕上げ冷延での板厚減少率(圧下率)を小さくすることにより、仕上げ冷延後の結晶粒内における転位の量を低減し、高温長時間時効における非強化相の析出を抑制する。板厚減少率の低減は、前述のように、結晶粒のアスペクト比を小さくし、非強化相の析出サイトとなる結晶粒界の面積を小さくする効果もある。
アスペクト比を1.0〜3.0、γ´相の面積率を15.0%以下とし、750℃、100時間時効後にγ´相以外の析出相を5.0%以下まで抑制し、γ´相の面積率を15.0%以上確保できるような組織とする観点から、仕上げ冷延での板厚減少率を45%以下とする。望ましくは、40%以下とする。仕上げ冷延の工程内で冷延を分割して中間焼鈍を行うことはしない。また、仕上げ冷延率が高いと、転位密度が増加し、原子の拡散が促進されるため、γ´相の粒成長が促進される。γ´相の粗大化は高温強度の低下につながるので、この観点からも仕上げ冷延率は45%以下、望ましくは、40%以下とする。
一方、本実施形態に係る合金板は、高温環境に保持されることによってγ´相が析出し、これによって室温強度、高温強度が高く維持される。しかしながら、ガスケットとして使用される場合の使用開始直後においては、金属板にγ´相を析出させない場合、必要な強度をγ´相を析出させる以外の手段で確保する必要がある。
仕上げ冷延の加工硬化を活用することで、高温時効前の室温での強度(0.2%耐力)を確保できる。仕上げ冷延率が低いと高温時効後の高温強度には有利であるものの、高温時効前の室温での強度が不足する場合がある。そのため、時効処理を行わない場合、仕上げ圧延の板厚減少率は5%以上とする。仕上げ圧延の板厚減少率は10%以上とすることが好ましい。
<製造方法(ii)について>
[圧延加工された合金素材を1050〜1200℃、30秒〜600秒で溶体化熱処理する第3の工程]
本実施形態に係る合金板を得るための素材は多くの合金元素を含み、製造過程で様々な化合物が析出する。そのため、上記のような750℃、100時間時効後に適切なミクロ組織を得るためには、一度析出物を母相に溶け込ませる溶体化熱処理が必要となる。この溶体化処理は、析出物を溶け込ませるという役割に加え、平均結晶粒径を大きくすることも考慮した条件にする必要がある。そのため、温度を1050℃以上で、かつ30秒以上の溶体化処理とする。これにより、耐熱合金薄板の平均結晶粒径を20μm以上とすることができる。一方、溶体化処理温度が高すぎたり、処理時間が長すぎたりするとコストの増加を招く。したがって、溶体化熱処理温度は1200℃以下、時間は600秒以下とする。溶体化処理後は、500℃以下まで10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却することが好ましい。
[700〜850℃、30秒〜600秒で時効処理する第4の工程]
仕上げ冷延の加工硬化を活用することで、高温長時間時効前の室温での強度(0.2%耐力)を確保できる。一方で、仕上げ冷延を行うことで、転位が導入され、非強化相の析出サイトが増加する。そのため、転位の導入をより抑制する場合には、仕上げ冷延を必須としない製造方法とすることが好ましい。
仕上げ冷延を行わない場合には、室温での0.2%耐力が確保できないおそれがあるが、仕上げ冷延を行わない場合でも、短時間の時効処理を行い、少量のγ´相を析出させることで、室温での0.2%耐力を確保できる。
そのため、仕上げ冷延を必須としない本実施形態に係る合金板の製造方法では、第3の工程の後に、700〜850℃で、30秒〜600秒保持する時効処理を行う。
時効温度が700℃未満である、または時間が30秒未満であると、十分に強度が確保できない。
一方、時効温度が850℃超であると、γ´相が析出しない場合がある。また、時効時間が600秒超である場合には、γ′相が粗大化して十分な強度が得られない場合がある。
[板厚減少率45%以下で仕上げ冷延する第5の工程]
第4の工程を行うことで、室温の0.2%耐力が400MPa以上を確保できるので、仕上げ冷延を行う必要はないが、さらに室温の0.2%耐力を高めたい場合には、第3の工程と第4の工程との間に、板厚減少率45%以下で仕上げ冷延を行ってもよい。仕上げ冷延率が高いと、転位密度が増加し、原子の拡散が促進されるので、γ´相の粒成長が促進される。γ´相の粗大化は高温強度の低下につながるので、仕上げ冷延率は45%以下、望ましくは、40%以下とする。
上記第1の工程、または第3の工程に至るまでの製造工程については、通常の合金板の製造方法を用いることができる。即ち、製錬工程で所定の成分に調整された合金を、連続鋳造をはじめとする鋳造工程で鋳造して鋳片とし、鋳片を熱延前加熱炉で加熱した上で熱間圧延を行う。熱間圧延の前には熱間鍛造をしてもよい。また、熱間圧延後の合金板については、熱延後焼鈍を行っても行わなくてもよい。このようにして製造した熱延板について、冷間圧延(中間冷延)を行う。中間冷延を複数回に分け、各中間冷延の間に中間焼鈍を行ってもよい。このようにして製造した中間冷延板を対象として、上記第1の工程、または第3の工程の溶体化熱処理を実施する。
以下、実施例を参照しながら、本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
まず、表1の化学組成を有する25kgの鋳塊を溶製した。ここで、AからPは本発明の規定を満たす成分、QからWは本発明を満足しない成分である。本発明範囲から外れる数値に下線を付している。
これら鋳塊を熱間鍛造により厚さ40mmにした後、熱間圧延を行って板厚5mmの熱延板を得た。この熱延板に、焼鈍、冷延を施すことで種々の板厚の中間冷延板にした。この中間冷延板に表2に示す条件で溶体化処理、仕上げ冷延(冷間圧延)を施した。中間冷延板の板厚を変えることで、仕上げ冷延板の板厚はいずれも0.20mmとした。
この仕上げ冷延板のL断面が観察面となるように金属板からサンプルを採取し、観察面を表面研磨及び王水でエッチングし、光学顕微鏡で観察、撮影し、求積法によりオーステナイト相の平均結晶粒径を算出した。
また、同サンプルに対し、光学顕微鏡にて、観察面積が400000μm以上となるように金属組織を観察した。観察された各結晶粒の長軸の長さL1と短軸の長さL2とからアスペクト比(L1/L2)を求め、これらを平均してアスペクト比を算出した。
また、高温長時間時効処理前の合金板において、以下の方法で、室温の0.2%耐力を求めた。
室温における0.2%耐力は、試験片の長手方向が圧延方向と平行になるように採取したJISZ2241:2011に規定される13B号引張試験を用いて、標点間距離の変化量が3mm/minとなるように引張荷重を付与する条件で引張試験を行うことで得た。
また、高温長時間時効処理前の合金板において、以下の方法でγ´相の面積率を求めた。
高温長時間時効処理前の合金板の圧延方向に平行断面を研磨し、王水でエッチングし、FE−SEMと同設備に付帯されるEDSで観察、分析した。結晶粒内に均一に析出している円相当直径で100nm以下、アスペクト比が2以下の析出物をγ´相とした。また、結晶粒界、結晶粒内に析出し、粗大、且つ合金板の化学組成よりもFe、Crが多量に含まれている析出物をγ´相以外の析出物とした。FE−SEMで撮影した写真から、線分法でγ´相の面積率を算出した。
さらに、上記の仕上げ冷延板に大気炉で750℃、100時間の時効処理(高温長時間時効処理)を施した。この高温長時間時効処理前の合金板において、以下の方法でγ´相の面積率、γ´相以外の析出物の面積率を求めた。
時効処理後の金属板の圧延方向に垂直断面を研磨し、王水でエッチングし、FE−SEMと同設備に付帯されるEDSで観察、分析し、結晶粒内に均一に析出している円相当直径で100nm以下、アスペクト比が2以下の析出物をγ´相とし、結晶粒界、結晶粒内に析出し、粗大、且つFe、Crが多量に(合金板の化学組成におけるFe、Cr含有量よりも多く)含まれている析出物をγ´相以外の析出物として分類した。FE−SEMで撮影した写真から、線分法でγ´相の面積率、γ´相以外の析出物の面積率を算出した。
また、1つのサンプルに対して、50個以上のγ´相について、画像解析ソフトを用いてその面積を求め、その面積と同じ面積を持つ円の直径を算出し、その平均を円相当径として見積もった。
さらに、750℃、100時間の時効処理を施した合金板を、750℃の高温引張試験に供し、750℃における高温0.2%耐力を測定した。750℃、100時間の時効処理後の750℃における高温0.2%耐力が380MPa以上であれば、高温長時間時効処理後にも十分な高温強度が確保できていると判断した。
Figure 0006609727
Figure 0006609727
表2の合金板No.1〜21が本発明の規定を満足する発明例、No.22〜32が本発明の規定を満たさない比較例である。
発明例1〜21はいずれも、高温長時間時効後の高温強度(0.2%耐力)が380MPa以上と良好な品質を確保することができた。また、板厚減少率5%以上の仕上げ冷延を行い、そのまま耐熱合金板としているので、時効処理前の室温強度(0.2%耐力)についても、いずれも400MPa以上であった。
一方、比較例22は、合金の組成は本発明の規定を満足するものの、溶体化処理の温度が低く、時間が短かった。その結果、オーステナイト相の平均結晶粒径が小さく、時効後に非強化相が多量に析出し、強化相であるγ´相の量が少なかった。その結果、高温長時間時効後の高温0.2%耐力が低かった。
比較例23、24は、合金の組成は本発明の規定を満足するものの、仕上げ冷延率が大きかった。その結果、アスペクト比が3.0を超えた。その結果、時効後に非強化相が多量に析出し、高温長時間時効後に強化相であるγ´相が少なかった。また、比較例24は、仕上げ冷延率が大きく、転位密度が高かったので、原子の拡散が速く、高温長時間時効後にγ´相が粗大化していた。その結果、高温長時間時効後の高温0.2%耐力が低かった。
比較例25は、合金中のC含有量が多かった。そのため、製造段階からNb、Tiの炭化物が生成し、高温長時間時効後に強化相であるγ´相の生成量が少なかった。その結果、高温長時間時効後の高温0.2%耐力が低かった。
比較例26は、合金中のCr含有量が多かった。そのため、時効後にσ相などの非強化相が多量に析出し、高温長時間時効後に強化相であるγ´相の生成量が少なかった。その結果、高温長時間時効後の高温0.2%耐力が低かった。
比較例27は、合金中のNi含有量が少なかった。そのため、時効後に強化相であるγ´相の析出が極めて少なかった。その結果、高温長時間時効後の高温0.2%耐力が低かった。
比較例28は、合金中のN含有量が多かった。そのため、製造段階からAl、Nb、の窒化物が生成し、高温長時間時効後に強化相であるγ´相の生成量が少なかった。その結果、高温長時間時効後の高温0.2%耐力が低かった。
比較例29は、合金中のV含有量が多かった。その結果、製造段階から粗大なV炭化物、V窒化物が生成し、高温長時間時効後に強化相であるγ´相の生成量が少なかった。その結果、高温長時間時効後の高温0.2%耐力が低かった。
比較例30は、合金中のNb含有量が少なかった。そのため、高温長時間時効後にγ´相が極めて少なかった。また、γ´相のサイズも小かった。その結果、高温長時間時効後の高温0.2%耐力が低かった。
比較例31は、合金中のAl含有量が少なかった。そのため、高温長時間時効後にγ´相が少なかった。その結果、高温長時間時効後の高温0.2%耐力が低かった。
比較例32は、合金の組成は本発明の規定を満足するものの溶体化温度が低すぎてオーステナイト相の平均結晶粒径が小さくなり、製造中に析出したγ´が再固溶せずに時効前の合金板に残存した。その結果、高温長時間時効中にγ´が粗大化すると共に非強化相が析出し、高温0.2%耐力が低かった。
以上のように、比較例22〜32はいずれも、合金板の組織または化学組成が本発明を外れていた。また、その結果、高温長時間時効処理後のγ´相の量が少なく、高温長時間時効処理後の高温強度が本発明の目標に達しなかった。
<実施例2>
表1の合金No.Aの成分を有する鋳塊を熱間鍛造により厚さ40mmにした後、熱間圧延を行って板厚5mmの熱延板を得た。この熱延板に、焼鈍、冷延を施すことで種々の板厚の中間冷延板にした。この中間冷延板に表3に示す条件で溶体化処理、及び一部の合金板には仕上げ冷延(冷間圧延)を施した。仕上げ冷延板の板厚はいずれも0.20mmとなるようにした。
さらに一部の合金板については、表3に示す条件で時効処理(短時間時効処理)を行った。
得られた合金板について、実施例1と同じ方法で、オーステナイト相の平均結晶粒径、室温の0.2%耐力、γ′相の面積率、アスペクト比(L1/L2)を求めた。
さらに、上記の仕上げ冷延板または短時間時効処理後の金属板に、大気炉で750℃、100時間の時効処理(高温長時間時効処理)を施した。
高温長時間時効処理後の金属板について、実施例1と同じ方法でγ´相の面積率、γ´相以外の析出物の面積率を算出した。また、1つのサンプルに対して、50個以上のγ´相について、画像解析ソフトを用いてその面積を求め、その面積と同じ面積を持つ円の直径を算出し、その平均を円相当径として見積もった。さらに、750℃の高温引張試験に供し、750℃における高温0.2%耐力を測定した。
結果を表3に示す。
発明例である合金板No.X1〜X4については、本発明の第3の工程(溶体化熱処理)と、その後の第4の工程(短時間時効処理)を行っており、いずれも、室温0.2%耐力が400MPa以上と良好であった。また、高温0.2%耐力も380MPa以上と高かった。
合金板No.X1は第5の工程(仕上げ冷延)を行わず、合金板No.X2は第5の工程(仕上げ冷延)における板厚減少率が4%と少ないが、第4の工程による析出硬化で室温強度が確保された。
一方、比較例である合金板No.X5は第5の工程(仕上げ冷延)と第4の工程(短時間時効処理)とをともに行わなかった。また、合金板No.X6は第5の工程(仕上げ冷延)の板厚減少率が3%であり、かつ第4の工程(短時間時効処理)を行わなかった。そのため、いずれも室温0.2%耐力が400MPa未満であった。
合金板No.X7は第5の工程(仕上げ冷延)の板厚減少率が3%であり、かつ第4の工程(短時間時効処理)の温度が低かった。また、合金板No.X8は第5の工程(仕上げ冷延)の板厚減少率が3%であり、かつ第4の工程(短時間時効処理)の温度が高かった。そのため、いずれも室温0.2%耐力が400MPa未満であった。
Figure 0006609727
本発明の合金板は、排気系ガスケット等に使用され、高温に長時間曝された場合でも、十分な高温強度が確保される。そのため、本発明の合金板を用いたガスケットでは、高温長時間使用後でも高温強度が確保される。そのため、産業上の利用可能性が高い。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.0200%以下、
    Si:0.02〜2.00%、
    Mn:0.02〜2.00%、
    P:0.050%以下、
    S:0.0100%以下、
    Cr:12.00〜30.00%、
    Ni:35.00〜60.00%、
    N:0.0200%以下、
    V:0.02〜1.00%、
    Nb:2.00%超、3.50%以下、
    Al:2.60%超、4.00%以下、
    Ti:0〜0.80%、
    Mo:0〜2.00%、
    W:0〜2.00%、
    Cu:0〜1.00%、
    Co:0〜1.00%、
    B:0〜0.0100%、
    Zr:0〜0.0100%、
    Ca:0〜0.0050%、
    Mg:0〜0.0050%、
    を含有し、残部が10.00%以上のFe、及び不純物である化学組成を有し、
    ミクロ組織が、オーステナイト相を含み、前記オーステナイト相の平均結晶粒径が20μm以上であり、
    前記オーステナイト相の結晶粒の、長軸の長さをL1、短軸の長さをL2とするとき、アスペクト比であるL1/L2の平均値が、1.0〜3.0であり、
    前記ミクロ組織において、γ´相の面積率が15.0%以下であり、
    室温での0.2%耐力が400MPa以上である
    ことを特徴とする合金板。
  2. 前記アスペクト比が1.0〜2.0である
    ことを特徴とする請求項1に記載の合金板。
  3. 750℃で100時間の時効処理を行ったとき、
    前記時効処理後のミクロ組織におけるγ´相の面積率が15.0%以上、
    前記γ´相の平均円相当径が30nm以上、70nm以下、かつ
    γ´相以外の析出相の面積率が5.0%以下である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の合金板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の合金板を製造する方法であって、
    圧延加工された合金素材を1050〜1200℃で、30秒〜600秒間溶体化熱処理する第1の工程と、
    板厚減少率5%以上、45%以下で仕上げ冷延する第2の工程と、
    を含む
    ことを特徴とする合金板の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の合金板を製造する方法であって、
    圧延加工された合金素材を1050〜1200℃で、30秒〜600秒間溶体化熱処理する第3の工程と、
    700〜850℃、30秒〜600秒で時効処理する第4の工程と、
    を含む
    ことを特徴とする合金板の製造方法。
  6. 前記第3の工程の後かつ前記第4の工程の前に、板厚減少率45%以下の圧下率で仕上げ冷延する第5の工程を含む
    ことを特徴とする請求項5に記載の合金板の製造方法。
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