今日、内視鏡は普及しており、動物のみならず人間の体腔内部の可視化に広く使用されていて、胃腸内の診断および検査のための、開腹手術に代わる非侵襲性の手段である。この内視鏡は中空器官や身体の空洞部を検査するために使用される。
内視鏡は、各種の構成を有する医療機器であって、ある構成では、その遠方端に光源とビデオカメラとを具えた長くて細い可撓管を有する。この内視鏡はビデオプロセッサを介してモニターに接続することにより、患者の体腔の画像をモニター上で観ることができる。これはまた、生検のために使用でき、異物の摘出ができる。前記内視鏡は、人体の空洞部に挿入する薄くて長い挿入チューブである可撓管を備えている。この可撓管の遠方端は、光源と、ビデオカメラと、検査/生検/治療等のための医療機器を通過させる作業チャンネルを含んでいる。使用される光源はLED(発光ダイオード)が好ましい。この医療用内視鏡を使用して挿入チューブ(可撓管)を検査対象の体腔へ挿入することにより身体の内臓を観察することができる。
さらに、現在普及している標準的な治療として、医薬、すなわち高価な抗生物質等を使用した疾患の治療がある。予定投与量を完了できないとか、医薬が不適当であるとかの制御できない理由により、疾患が薬物耐性(疾患)になったり、治療不能になったりする。このことが治療の有効性に関して関心を呼び起こし、延いては高価で活性の高い抗生物質の使用さえも惹起する。バクテリアは耐薬性になるので、疾患は治癒しないまま残る。さらに、抗生物質の使用は吐き気や下痢を引き起こしかねない。アレルギー反応は一般的である。さらに、抗生物質に対する耐性が起きる可能性があり、これは将来さらに増すと予想されており、その結果、疾患が悪化し、これまでにない医療費の増大を来す。その結果、それに取って代わり、バクテリアが容易に抵抗を高めることができない抗菌性アプローチを見いだす主要な研究努力が進行中である。。
さらに、患者の血流、圧力などの血行力学的条件が、治療のため、内科医によってモニターされる。加えて、循環する血液の酸素運搬能力と併せて赤血球の酸素供給量を決定するために血液サンプルが患者から採取されることもある。しかし、それにはいくつかの制限がある。生体の微小循環系の機能状態を評価するための、特に組織細胞に適切に酸素を輸送し分配することができる機能を評価するための、より明瞭かつ高コントラストのスペクトル画像を生成することができるシステムがない。したがって、当該疾患を効果的に測定し治療するためには、微小循環系に対する一層有効かつ包括的な観察をするために改良されたシステムが必要である。
さらに、従来の内視鏡では、光が一貫性なく変化することに対して明るさが極めて敏感に反応する。これは、グラスファイバー束に、使用・誤用された期間やその間に受けた予期せぬ衝撃に応じて損傷を受ける傾向があるためである。発射された照明光はフィルタなどを使用して、或いは繰り返し断続的に点滅するパルス幅変調を使用して、大型の機械システムにより制御されるが、この制御は内視鏡システムを破損しかねない。
そこで、マルチモダリティシステムを備えた本発明の内視鏡が開発された。本発明に係る内視鏡は、酸化ヘモグロビンおよび脱酸素ヘモグロビンが異なるスペクトル吸収係数をもつことに基づくイメージングにより、ヘモグロビンの酸化度を測定することができる。本発明は、血中ヘモグロビンの酸素飽和度を決定し、生成された画像に基づいて微小循環器機能障害のモニタリングを行うことができる。可視光スペクトル中の光はすべて光速で進行するが、光の各グループは異なる波長をもっており、また、異なるエネルギー量を運ぶ。非輻射可視光スペクトルを使用する治療にこの原理が使用される。さらに、この原理は、400nm〜650nmの可視光スペクトル内の特定の波長をもつ、例えば青色光などを使って、患者の体内空胞中の様々な疾患の治療に使用することができる。青色光、特に405nm〜470nmの波長範囲にある光は、外因性光線過敏症を与えることなく固有の反微生物効果をもつため、注目されている。加えて、これまで調査された、光を利用するもう一つの反微生物的方法である紫外線照射よりも、青色光が哺乳類細胞にとってはるかに有害ではないことが通説になっている。 (「感染症に対する青色光: プロピオニバクテリウムアクネ、ヘリコバクターピロリ菌、およびそれを越えるもの」、 チアンホン ダイ、アシーシュ グプタ、その他著)。彼らはこの報告書で、微生物の細胞、青色光の反微生物的効能、哺乳類細胞に対する青色光の影響、および創傷治癒に対する青色光の効果に関して、青色光感受性システムを議論している。青色光線療法はプロピオニバクテリウムアクネ感染症に対して容認されている臨床的アプローチである。ヘリコバクターピロリ菌胃伝染病に青色光を使用する調査のため、臨床試験も行われており、有望な結果が示されている。
本発明は新規で、疾患の可視化および治療のための経済的、迅速、かつ耐用性ある使用が可能な内視鏡であり、内視鏡による微生物の抹殺に有効である。
従来の内視鏡として、第1に、患者の体腔中の疾患を治療するために装置から指向する光線を、体腔内に照射する遠方端若しくは先端で終端する、分離可能な外部軸を含む外科装置が知られている。この外科装置は本体を有し、本体は軸を有し、軸は患者の体腔中の疾患を治療するために装置から出る光線を光ファイバー束を介して体腔内に照射する遠方端頭部若しくは先端部で終端する。前記疾患とは、患者の胃腸疾患、例えば、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌、胃リンパ腫、潰瘍性大腸炎あるいはクローン病であり、前記治療とは、循環系、泌尿生殖器系および他の疾患の治療である。使用に際して、本装置の軸が患者の体腔(例えば胃、結腸)中に挿入され、軸の遠方端を所望の位置に置く。その後、患者の身体組織に重大な破壊を生じないように、体腔列中の微生物を殺すか衰弱させるべく患者の体腔が光線で照射され、それによって疾患の一以上の症状を改善若しくは緩和する。胃腸管を治療する場合には、正常微生物叢の成長を再建するために患者に無害バクテリアを含むプロバイオティクスを処方することができる(特許文献1)。
また、従来の内視鏡としては、第2に、光源ユニット、光感知エレメント、および駆動ユニットを含むものが知られている。光源ユニットは光を放射し、電子スコープを介して被写体に光を当てる。光感知エレメントは、光源ユニットから放射された光を受ける。そして、駆動ユニットが、光感知エレメントから出力される光源ユニットの放射光強度に関する第一情報に基づき、光源ユニットの駆動強度を調節する。光源であるランプが放射する光の強度を変えずに、光源の放射する光強度を調節するシステムである(特許文献2)。
さらに、従来の内視鏡としては、第3に、電子内視鏡装置であって、内視鏡検査がビデオ信号処理装置の制御下において作業が完了したとき、キセノンランプなどの光源が自動的に切断されるものが知られている。この電子内視鏡装置は、医療検査を行っている生体内部の一部分を照らす光源と、画像信号を生産するために生体内部から反射された光を受信することにより生体内部の像を得る画像センサと、その画像信号を相応するビデオ信号に変換する変換器と、ビデオ信号のレベル変化が予定時間持続していることを検出すると、検出信号に応答して光源を切断する信号処理ユニットと、を備えている(特許文献3)。
上述した第1の先行技術は、使用に際して軸が患者の体腔内に挿入され、所望の位置に軸の遠方端を置かれ、光源は軸の範囲内で軸後方位置へ移動することが可能で、体腔壁を照射するために軸外位置へ伸張することができ、光源は軸遠方端に回転可能に軸着され、これに回転軸上で光源を動かせための位置決めエレメントが接続されているが、光量を制御するための自動制御装置がなく、照射時間の制御もない。このため、不適切な処置に至る虞があるとともに、いくつかの傷病に至る危険に結びつく過剰照射の危険があり、そのために治療は非効率であるという問題点がある。
また、上述した第2の先行技術は、光源装置を拡大せずに光源装置の放射光強度を調節するものであるが、熱制御機構が設けられていない。センサからのフィードバックを使用しているものの、後続回路のパラメータによって生じる雑音の発生・欠陥のような特性が無視されており、このことが過剰照射をきたし、不適切照明変化を起こす原因を内包しており、信頼性の低い照明設計技術である。また、光源として単一のLEDに限定されているので、LEDの故障によって作業が中断されるという問題点がある。また、自動照射時間制御を備えておらず、加えて適切な疾患治療のために特定波長の光を使用することにも言及していない。
さらに、上述した第3の先行技術は、光源としてキセノンランプを使用しているため、ランプ電力消費量が比較的大きいという欠点がある。また、高電力消費キセノンランプが使用されるので、内視鏡の遠方端の発熱が生じ、過度の発熱は内部熱損傷を起こす問題点がある。
本発明は、以上のような従来技術に鑑みてなされたものである。本発明は、ディスプレイ装置での疾患部位の可視化と、生体内生体オキシメトリック測定と、疾患の正確な治療を行うためのマルチモデリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡であり、経済的であり、利用しやすく、また、脱着移動式の外部軸システムが無く、光ファイバー束が無いので、医療上安全である。本発明は、最終処理済み画像に基づく可撓性医療ビデオ内視鏡で、LED等の照明体の照射時間並びに供給電流を制御する機構を備え、これらの機構を使用して疾患を引き起こす微生物を滅殺・破壊することができ、また、制御された照射時間だけ最適なエネルギーを使用することにより、当該疾患の効果的治療をすることができる。さらに、本発明は内視鏡の遠方端に恒久的に固定されたLED等の多色照明体を使用することができ、かつ、治療に適するように制御したタイミングで400nm〜650nmの特定波長の光を出力することができる。本発明は、省エネルギーを達成できると共に可撓管遠方端における発熱を最小化できるスタンバイタイミングモード機構を備えた可撓性ある医療ビデオ内視鏡である。熱および照射時間を制御するための自動熱制御システムが設けてあり、従って内部熱傷の危険性が除去される。
本発明は生体内生体オキシメトリック測定および治療を行うマルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡であるが、病状、生体オキシメトリック測定および体内空胞の様々な疾患の治療の可視化に使用でき得る機械的部品を使わずに、自動プログラム化が可能な照射時間制御と熱制御とを行う制御機構とを備えている。本発明の動作原理は、先行技術の動作原理とは全く異なる。本発明は、CMOS、CCDなどの画像センサをもっており、また、生データの処理後に、雑音・変動などが発生する危険が除去された処理済みビデオ画像信号が取り入れられる。さらに、本発明は、内視鏡の遠方端で使用されるLED等の多数かつ多色の照明体を扱うことができるシステムであるので、対象物を照らせないという失敗を起こす危険を回避でき、また、患者の適切な治療に対する安全性も維持される。さらに重要なこととして、当該疾患の照明、生体オキシメトリック測定及び又は正確な治療に対して最適な定電圧および可変電流が使用される。本自動熱制御システムによって、内視鏡の遠方端で発生する熱は劇的に減少する。従って、過剰照射による組織の燃焼や煮えのような熱的損傷が起きる可能性がない。更に、特定の波長光のある制御期間だけの照明、生体オキシメトリック測定、及び又は治療に使用することができる。さらに、本発明は、タイミングモード機構により制御される照明体を備えた可撓性医療用ビデオ内視鏡であり、適切なエネルギーが治療サイトに与えられるとともにさらに省エネルギーが達成される。その結果、可撓管の遠方端における発熱は最小化若しくは低減されるとともに、長期間の不使用後に再開始される際に、スリープモード又はスタンバイモードを検知する機能がある。これらのモードにおいて、画像に僅でも変化があるとき、及び/又はユーザーの所望があるとき、自動的に覚醒して活動モードに戻る。本内視鏡は、CMOS、CCDなどの画像センサをもっており、また、雑音やサージに起因する変動を生データから除去した治療ビデオ画像信号が得られる。さらに、本発明は、所望の波長に制御された光で疾患の身体部分を照射することにより生体オキシメトリック測定や正確な治療をするのに使用することができる。
本発明は自動観察測定治療システムを備えたマルチモデリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡であり、この自動観察測定治療システムが、可視化に使用されるいかなる分離式機械的部分もフィルタもレンズも使用しないことを可能にしている。本発明では、電流制御機構がLED等の照明体の制御を可能にしており、過度の発熱を起こす危険を除去可能にし、熱損傷の危険がない安全なシステムとなっている。さらに、本発明は、先端のLED等の照明体から病変部に特定波長の光を制御期間だけ照射することによりヘモグロビン中の酸素飽和度の測定を行い、様々な疾患の正確な治療を行うためのスタンバイタイミングモード機構をもつ可撓性医療ビデオ内視鏡である。さらに、本発明の照射時間制御と熱制御を行うプログラマブル配列ユニットは、スタンバイモードのタイミングを選択するようにプログラムすることができる。このプログラマブル配列ユニットは、所望すれば作動期間中の任意の時点で通常動作を再開することができる。定電圧で作動するプログラマブル配列ユニットにより制御されるLED等の照明体により疾患の照明および治療を行うので、内視鏡の遠方端で発生する熱は最小限に抑えられ、従って、生体の熱傷の危険性がない。更に、特定の波長光を生体オキシメトリック測定および治療のためにある制御期間だけ使用することができる。
本発明は、プロセッサー中に如何なる照明体も使用しないマルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡である。本発明では、LEDのような照明体は、内視鏡の遠方端に永久固定されているが、それは標的対象物を有効に照明し、効果的に視覚化し、生体オキシメトリック測定を行い、人体内空胞の様々な疾患の正確な治療等をするためである。ここに、グラスファイバー束は全く内視鏡に使用されておらず、従って、グラスファイバー束の消耗や破損による測定値に偏りが生じる可能性はない。本発明では、固有の消耗を来す機械的なシャッタやフィルタなどを使用しない。内視鏡の遠方端に永久固定されたLEDのような照明体による放射光量は、一貫した測定を果たすために定電圧を用いる自動観察測定治療 (IOMT: Intelligent Observation Measurement Treatment)システムによって正確に制御される。本発明は、自動電流調整による正確な照明制御が可能で、過熱の危険が排除されており、熱傷の危険を除去することができる安全なシステムとなっている。さらに、本発明は、ヘモグロビン中の酸素飽和レベルを測定するため、並びに様々な疾患を治療すため、細胞の微小循環器機能障害を監視することができるが、これは遠方端のLED等の照明体から疾患部位に制御可能な期間だけ特定波長光を照射することにより、またスタンバイタイミング機構をもっていることにより、行うことができる。本発明の自動観察測定治療(IOMT)システムに設けたプログラマブル配列ユニットは、ヘモグロビンなどの中の酸素飽和レベルを測定することができる。このプログラマブル配列ユニットは、微小循環機能障害の監視の助けとなり、照射時間の制御とスタンバイモードのタイミングとを選択することにより、疾患病変部の有効な治療をすることができる。本発明は、スタンバイモードや受動モードのような低消費電力モードを提供するいくつかの自動特性を使用することにより、遠方端における不要な発熱を最小限に留める。疾患部の照明および正確な治療に定電圧の可変電流が使用されるので、内視鏡遠方端で発生する熱は最小化される。従って、損傷した光ファイバー束による生体熱傷やいかなる測定変動の可能性もない。
本発明の主な目的は、内視鏡の遠方端における照明体に、時間及び又は波長のようなパラメーターに基づいて制御可能な照射を行わせる自動観察測定治療システム(IOMT)を備えるとともに、生体オキシメトリック測定および正確な疾患組織治療を試みることができ、遠方端において発熱しないこと及び又は不要熱が発生しないことを保証し、一貫性に欠けるグラスファイバー等の性質に起因する診断・測定の変動を排除することができる、マルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、マルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡にオープン・アーキテクチャの設計において、遠方端に永久固定される異なる波長を有するLED等の照明体を、複数、取り入れることである。これによって、最適な照明のために自動的に同時にかつ独立に制御でき、従って暗さのために診断や治療手順が中断されるような非照明の危険を減らすことができる。
本発明の別の目的は、酸素化された組織と脱酸素化された組織のスペクトル吸収係数に差異があるときに生成される画像を使って、例えば微小循環器機能障害を正確に監視し測定することができる、救急治療に役立つマルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、同じような波長または異なる波長をもつLEDのような多色照明体を遠方端に備え、可視化や生体オキシメトリック測定や治療を支援する最適照明を得られるように、自動制御することができるマルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、遠方端に永久固定したLEDのような照明体から発する特定波長の光を、スタンバイタイミングモード又はスリープモードなどで制御可能な不操作期間を除いた所定期間だけ疾患部に照射することにより様々な疾患の正確な治療に使用することができるマルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、その遠方端に設けたLEDのような照明体の可変波長が可能なマルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡であって、医療機関や患者が負う経済的負担を少なくするため、多数の器具や装置の使用を減らすとともに高価な薬物学治療を減らすよう、病変組織、生体オキシメトリック測定、及び治療の可視化を同じ装置で行うことができる内視鏡を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、無害な非放射性可視光線を使用し、従ってアレルギーや薬物等の放射線の副作用がない、マルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、マルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡に、低電力消費機能を与えることである。
上述の目的を達成するために、本発明は、損傷部の可視化、生体オキシメトリック測定、および様々な疾患の治療に使用することができる安価、再使用可能、可撓性のマルチモダリティ医療用ビデオ内視鏡である。この内視鏡の遠方端は、幾つかの波長をもつ複数の多色LED等の照明体を含み、これらの照明体は可視化、生体オキシメトリック測定,及び治療に独立に使用することができる。処理済みビデオ画像によって生成されたビデオ信号は、内視鏡治療照明、生体オキシメトリック測定、および治療の自動制御を行うため、システム内に設けた特別設計の自動観察測定治療(IOMT)システムを経由してフィードバックされるが、これは内視鏡の挿入部の遠方端に置かれた多色LED等の照明体に供給される電流を電子的に制御するためである。このことは、電圧を変えずに、照明体の独立性による一層正確な制御を行う助けになり、電力供給回路は多色照明体の各々に与えられて、各多色照明体に最適な定電圧を供給し、エネルギーは必要に応じて利用できる。また可撓管の遠方端における発熱が最小化できるように、本発明のシステムには特別仕様のスタンバイタイミングモード機構が設けられている。さらに、本発明は、酸化ヘモグロビン(HbO2)および脱酸素ヘモグロビン(Hb)のスペクトル吸収係数の違いに基づき内視鏡遠方端に固定された多色LED等の照明体によって生成される画像に基づく組織中の酸化ヘモグロビンおよび脱酸素ヘモグロビンの測定に、使用することができる。内視鏡によって生成された異なる画像に応じて、制御可能な期間だけLED等の照明体から出た所望の波長の光を病変部位に照射することにより、微小循環器の機能障害、測定、及び正確な治療の監視に使用することができる。
体内空胞の照明、生体オキシメトリック測定、および治療処置を行うために、内視鏡の可撓管遠方端に永久固定された、特定の波長をもつ複数の多色LED等の照明体を内視鏡に設けることが好ましい。この内視鏡は、体腔中へ挿入すべく用意された細長い可撓管(可撓性挿入チューブ)を備える。様々な疾患を最適に照明し、画像生成し、および正確な治療を行うため、いくつかの波長を備えた多色LED等の複数の照明体を、自動制御可能に内視鏡の可撓管遠方端に永久固定する。複数の照明体は、可視化、生体オキシメトリック測定、及び治療において、非治療領域に過度に拡がり過ぎずに正確な処置が行えるように、最適な光を提供すべく可撓管の遠方端に配置される。照明体は特定波長の光を提供する。その範囲は400nm〜650nmである。本内視鏡においては、スタンバイタイミングモード機構が利用可能であるが、これは内視鏡が不使用のときはエネルギーを節約し、可撓管遠方端の過熱を最小限に抑えることができるようにするためである。内視鏡の活動モードはユーザが望む時に自動的に再開できる。
マルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡の遠方端は、CCD、CMOSなどの画像センサ及び生検等を採集するための装置が挿入される作業チャンネルを備える。処理済みビデオ画像によって生成された信号は、プログラマブル配列ユニットと呼ばれる信号処理ユニットに送信され、最適な可視化、生体オキシメトリック測定、および所望の治療を行う目的で内視鏡先端に設けた照明体へ送られる電流を自動制御するため、フィードバックされて使用される。ビデオ信号のレベルは、電子的にディジタル化され、次いで内視鏡先端の照明体の照明用制御電流として自動観察測定治療システム(IOMT)内の特別設計されたプログラマブル配列ユニットに送られる。
血中ヘモグロビンの酸素飽和度を測定するため、生体内分光測光法(in-vivo spectrophotometric method)の原理が使われる。これは光の波長が異なると酸化ヘモグロビンと脱酸素ヘモグロビンとの間で吸収レベルに差がでることを利用する。これを達成するために、特定波長の照明光で観察対象物が照射される。この光は組織に浸透してから散乱によって、組織内の微小循環系を照明する。組織酸素飽和度の計算は、通常光画像信号基準値と、青色、緑色などの対象物を照らしている他の波長の光画像信号値とを比較して行われる。酸素飽和測定を使用して微小循環機能障害を監視することができ、これは重大疾患の治療の助けとなる。
照射時間と、特定波長で照明するLED等の照明体への電流の自動制御とを管理することによって、照明光は、体腔内で微生物を生成する有害な疾患を破壊・抹殺するのに使用される。自動的に独立制御可能な多数色を備えた複数のLED等の照明体が内視鏡の遠方端で使用されており、従って様々な疾患の照明、生体オキシメトリック測定および正確な治療に使用できる。複数の照明体は内視鏡の遠方端に置かれるので、より広く影響を受ける体内空胞領域を対象に含めることができ、制御した期間だけ最小限の光を使用する有効な治療を提供することが可能である。
本発明は、可視化、生体オキシメトリック測定のような測定、疾患を引き起こす微生物の抹殺などのため、非発熱性のいろいろの色の特定波長の可視光線を患者の体内空胞へ照射するように構成されている。特定波長をもつ照明体の光には、粘膜等の内表面中に深く貫通することができるという、非常に有効な治療効果がある。この特定波長の光は、いろいろのバクテリアのみならずいくつかの疾患を引き起こし得る他の感染性微生物を殺したり不能にするのに有効である。これは薬物を使用する治療に取って代わる安価な治療法であり、特に耐薬性微生物に対する薬物療法や外科等を含む従来の治療方法に代わる安価な治療法である。
内視鏡の操作中、波長が400nm〜650nmの特定波長をもつ非放射性可視光線が内視鏡遠方端の照明体によって出力され、この光が体腔に深く入り込み、生体オキシメトリック測定を行い、また、治験患者の体腔内表面中に存在する微生物を抹殺する。生体オキシメトリック測定および治療に制御定電圧で生成される特定波長の可視光線が使用されるので、熱発生が最小化され、従って生体内熱傷の危険性が最小化される。また、この治療には有害な放射線エネルギーの場合に見られるような副作用がない。
本発明に係るマルチモダリティ可撓性医療用ビデオ内視鏡によれば、内視鏡の遠方端における照明体の照射時間及び照射量を制御することにより、病変部位をディスプレイ装置で視ることができるほか、可視光線を用いた安全な生体オキシメトリック測定が可能となり、また確実な疾患組織治療を行うことができる。さらに、照明体による内視鏡の遠方端の不要な発熱を抑制することで、生体内熱傷の発生を回避できる。またさらに、内視鏡を操作しないスタンバイモードにおいては、照明体を消灯状態にするので、生体内への過度の照射を防止し、安全性を確保するとともに、省電力が可能となる。
本発明は、可撓管の遠方端に組込まれた内部照明体を備えた改良型の低コストのマルチモダリティ医療用可撓性ビデオ内視鏡であり、疾患のゾーンの可視化、生体オキシメトリック測定、および様々な生体内疾患の正確な治療に使用するものである。使用される照明体は好適には一組の多色LEDで、光の送信損失を回避することができるよう、可視化対象物の極めて近くに永久固定されている。ヘモグロビンの酸素飽和度画像を使用して、微小循環器の機能障害を監視することができ、必要があれば測定することができ、救命救急疾患の治療に役立つ。
一組の多色LEDは、内視鏡可撓管の遠方端に用意された特別設計のPCB( Printed Circuit Bord )上に装着される。各LEDは、生体組織の酸素飽和画像の測定や人体の様々な生体内疾患の治療に使用される、波長が400nm〜650nmの特定の光を与える。波長400nm〜650nmのこれらの光が、生体組織の酸化ヘモグロビン(HbO2)と脱酸素ヘモグロビン(Hb)のスペクトル吸収係数とが異なることに基づくヘモグロビン酸素飽和度の測定に使用される。また、得られた画像は微小循環器機能障害の監視や測定および救急救命疾患の治療に使用される。定電圧で作動するLEDはプログラマブル配列ユニットに接続され、この配列ユニットが通常光画像信号および測定光画像信号を測定し、生成した画像に基づいて生体組織中のヘモグロビンの酸素飽和レベルを計算する。
波長400nm〜470nmの光は、粘膜のような内表面中に深く効果的に入り込むことができるという治療効果を有する。この特定波長の光は、多数のバクテリアその他、幾つかの疾患を引き起こすいろいろの感染性微生物を殺すか不能にするのに有効である。組をなすLEDはプログラマブル配列ユニットに接続され、従って、定電圧で作動する、制御されたLEDの照明が行われる。これは薬物を使用する治療に取って代わる安価な治療法であり、特に耐薬性微生物に対する薬物療法外科等を含む従来の治療方法に代わる安価な治療法である。これらのLEDによって出力された光は可視光スペクトル内の特定波長の光であり、可視化する特定病変部位の標的ゾーン、生体オキシメトリック測定する標的ゾーン、及び制御した期間だけ正確な治療を行う標的ゾーンに照射される。このような特定病変部位に対する特定波長光の照射時間は、特別設計のプログラマブル配列ユニットに照射時間制御機構、スタンバイタイミングモード機構を組み合わせることにより制御することができ、制御期間中のエネルギーの使用を最適化しておいて生体組織中のヘモグロビンの酸素飽和レベルを監視することにより、患者に有効な治療を与えることができる。
LEDの波長は白色、青色、緑色、赤色光などの波長でよい。この波長を人体の領域の可視化、生体オキシメトリック測定、および治療に使用する。エネルギーを与えるべきLEDの数に応じて、遠方端のLEDは個々に、定電圧源によりエネルギーを与えられる。これらのLEDも、特別設計のプログラマブル配列ユニットに接続され、従って定電圧で照明することができる。このプログラマブル配列ユニットが効果的に制御されているLEDによる最小熱発生を評価するので、生体内の熱傷の危険を最小化する。
本発明の主な特徴について上述したが、以下に図面を参照してより具体的にかつ非限定的に実施例を説明する。
図1には内視鏡の可撓管1の遠方端が示されている。2および3は、照明体である一組のLEDを示し、それらの波長は可視光スペクトル内にある。これらのLED2,3は、内視鏡の遠方端に永久固定されている。定電圧で作動する自動観察測定治療(IOMT)システム102(図7参照)内に設けたプログラマブル配列ユニット110(図7参照)がLED2,3を動作させるために用意されている。酸素飽和レベル測定は、前記LED2,3を前記プログラマブル配列ユニット110に接続することにより与えられる。4は、患者の体内空胞の画像を補足するために使用されるCCD、CMOS等の画像センサ108(図7参照)のカバーを示す。5は、生検などを採取するために挿入することができる、器具や付属品を挿入できる作業チャンネルである。6は画像センサ108を清浄化するノズルである。
図2に示すように、図1のLEDの組2,3は、直接にあるいはプリント回路板(PCB)7上に装着された一以上のLED2a,2bを組合せて構成することができる。これらのLED2a,2bは400nm〜650nmの範囲でいくつかの波長をもつ光を放射する多色LEDを採用できる。図2に示すように、これらのLED2a,2bは、PCB7を通過する電力供給ライン8a,8bを介して、自動観察測定治療(IOMT)システム102のプログラマブル配列ユニット110に制御されるLEDドライバ118a,118b(図7参照)の出力が入力されるアイソレータユニット119(図7参照)に接続されている。9は筒状のハウジング、10はハウジング9の先端開口部を閉塞するカバーガラスである。
図3は、内視鏡の遠方端のLEDの配置例を示す。図3(a)〜3(h)に示すように、このLEDの組は図1のLEDの組2,3と同様に形成されており、自動観察測定治療(IOMT)システム102のプログラマブル配列ユニット110に間接的に接続された複数のLEDの組合せからなる。これらのLEDは、白色、青色、緑色、赤色光などの異なる波長を出すものでよい。図3(a)は、青色光及び緑色光の波長に特化した各LEDの配置を示す。図3(b)は、青色光及び白色光の波長に特化した各LEDの配置を示す。図3(c)は、青色光及び赤色光の波長に特化した各LEDの配置を示す。図3(d)は、白色光と緑色光の波長に特化した各LEDの配置を示す。図3(e)は、赤色光と緑色光の波長に特化した各LEDの配置を示す。図3(f)に示すように、各LEDは赤色光と青色光の波長に特化した光を含むようにすることができる。図3(g)は、赤色光と白色光の波長に特化した各LEDの配置を示す。図3(h)は、青色光,緑色光,赤色光、及び白色光の波長に特化した各LEDの配置を示す。これらのLEDは、可視化、ヘモグロビン中の酸素飽和レベルの測定、および人体の空洞部、特に疾患部における空洞、の治療に使用される。
図4は、組織が内在する微小循環系を光散乱によって画像化する様子を示す。内視鏡遠方端に置かれた光を照射するLED57,57は、中央画像化光学系或いはCCD、CMOSなどの画像センサ50を囲むようにして、内視鏡遠方端に配置される。LED57,57から出た光は、粘膜表面51から深く浸透し、散乱によって微小循環系54の血管53内の赤血球52を照らす。通常光画像信号55および他の波長の光画像信号56が、CCD、CMOSなどの画像センサ50によって捕捉され、ビデオプロセッサ100(図7参照)を介して、血液中のヘモグロビンの酸素飽和レベルを測定するために接続されている自動観察測定治療(IOMT)システム102のプログラマブル配列ユニット110に送られる。58、58は、LED57,57を図7に示すアイソレータユニット119を介してプログラマブル配列ユニット110に接続する接続線である。
図5は、特定の波長光の下で観測される酸化ヘモグロビン(HbO2)および脱酸素ヘモグロビン(Hb)のスペクトル吸収係数を例示するグラフである。このグラフは、酸化ヘモグロビンおよび脱酸素ヘモグロビンの吸収係数と波長の関係について示している。ヘモグロビンの酸素飽和度の測定に使用されるLEDはすべて、可視光スペクトル域内の特定波長帯域の光を出すものでよい。酸化ヘモグロビンおよび脱酸素ヘモグロビンのスペクトル吸収係数もまた、可視光スペクトル内にある。
酸化ヘモグロビン(HbO2)と脱酸素ヘモグロビン(Hb)中の酸素レベルのスペクトル吸収係数には差異があるが、光の波長が400nm〜500nmの間にある場合よりも、光の波長が500nm〜650nmの間にある場合のスペクトル吸収係数の差異の方が概ね大きい。光の波長が青色と緑との間にある場合、酸化ヘモグロビン(HbO2)のスペクトル吸収係数と脱酸素ヘモグロビン(Hb)のスペクトル吸収係数は、或る波長位置で同じになる。しかし、いくつかの波長領域では、酸化ヘモグロビン(HbO2)のスペクトル吸収係数が脱酸素ヘモグロビン(Hb)のスペクトル吸収係数より小さい。緑色と赤色との間の波長域では、酸化ヘモグロビン(HbO2)のスペクトル吸収係数は脱酸素ヘモグロビン(Hb)のスペクトル吸収係数より小さい。そして、酸化ヘモグロビン(HbO2)のスペクトル吸収係数と脱酸素ヘモグロビン(Hb)のスペクトル吸収係数との間の差異は大きい。
図6は組織を通過する光の散乱モデルを示す。図6(a)の場合、遠方端にLED及び画像センサ50を備えた内視鏡プローブが、生体組織59の表面に置かれている。図6(b)に示すように、照明時、光が組織59に深く浸透し、微小循環系を照らす。光は組織中に入り、分散し、血管53を照らす。60は、組織59内の散乱光である。通常光画像信号61および他の波長の光画像信号62は、ヘモグロビン中の酸素飽和レベルの測定に使用される。
図7は、本発明による内視鏡装置の電気系統を概略的に示すブロック図である。図7に示すように、ビデオプロセッサ100が、画像センサ108と、ディスプレイ装置であるテレビモニター101と、自動観察測定治療(IOMT)システム102に接続されている。前記IOMTシステム102は、プログラマブル配列ユニット110に制御される定電圧を複数のLED121a,121bに供給するLED用電力供給回路117a,117bと、前記LED121a,121b以外の各部に供給する電力を電力供給回路116を装備している。
ビデオプロセッサ100は、アイソレータユニット103、画像処理ユニット104、画像生成ドライバ105、コントローラ106、制御パネルインターフェイス107及びユーザインターフェイス122で構成される。CCD、CMOSなどの画像センサ108は、観察・治療対象領域120から通常光画像信号および他の波長の光画像信号を受信する。
自動熱制御システムであるIOMTシステム102は、VBS(video blank and sync)信号分配器109、プログラマブル配列ユニット110、デコーダ111、ディジタル-アナログ(D/A)変換器112、アイソレータ113a,113b、LEDタイマー制御器114、基準値テーブル115、電力供給回路116、LED用電力供給回路117a,117b、LEDドライバ118a,118b、アイソレータユニット119を備えている。なお、前記LEDタイマー制御器114が照射時間制御機構を構成し、前記LEDドライバ118a,118bが電流制御機構を構成し、前記プログラマブル配列ユニット110が自動プログラム化が可能な主制御装置を構成する。
LED121a,121bは、例えば図3(a)〜(h)に示すいずれかのLEDの組合せが、観察・治療対象領域120の標的対象物を照明する。そして、画像信号が画像センサ108により検出されて、ビデオプロセッサ100に送信され、アイソレータユニット103で目標信号を分離して、画像信号を予備処理する。画像処理ユニット104は、画像の画質と色選択の処理を行う。画像信号の後続処理は画像生成ドライバ105を使って行われる。そして、コントローラ106は前記画像処理ユニット104と前記画像生成ドライバ105とを制御する。画像生成ドライバ105によって生成された画像は、それを表示するため、ディスプレイ用のテレビモニター101に送信され、同時にIOMTシステム102のVBS信号分配器109に送信される。
VBS信号分配器109は、デコーダ111とプログラマブル配列ユニット110に、ビデオ画像信号VBSを分配する。デコーダ111はアナログ信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号をプログラマブル配列ユニット110に送る。プログラマブル配列ユニット110は必要に応じて当該画像に対する必要条件を求めて基準値テーブル115を参照し、D/A変換器112にディジタル修正信号を送る。D/A変換器112は、可変電流とは独立にLED121a,121bを駆動するための別のアナログ信号を生成する。このアナログ信号に基づいて、LEDドライバ118a,118bは最適な電流でLED121a,121bを駆動し、最適な照明を実現する。このことにより、過剰の発熱若しくは不要な高電流による熱生成を最少限に留める。
また、プログラマブル配列ユニット110からD/A変換器112に送られたデジタル修正信号は、アナログ変換されてLEDタイマー制御器114に供給される。LEDタイマー制御器114は、有効な治療を進めるための照射条件に基づいて、照射時間を制御する。制御された照射が行われるため、生体内の熱傷の可能性は極めて小さい。内視鏡遠方端におけるLED121a,121bの不要な発熱を最小限に留めるため、ビデオプロセッサ100に設けたユーザインターフェイス122は、LED121a,121bへの電流の供給を停止する最適なスタンバイモード又はスリープモードのタイミングを選択するための基準値テーブル115に基づいたコマンドをプログラマブル配列ユニット110に出力し、プログラマブル配列ユニット110をスタンバイモードにする。前記ユーザインターフェイス122と基準値テーブル115とによって、スタンバイタイミングモード機構を構成する。なお、スタンバイモードまたはスリープモードとは、内視鏡が操作されない待機状態をいう。
通常光画像信号および他の波長の光画像信号は、CCD、CMOSなどの画像センサ108によって検知され、ビデオプロセッサ100を介してプログラマブル配列ユニット110に信号が送られる。この信号に基づいて、プログラマブル配列ユニット110は、生体組織中のヘモグロビン酸素飽和レベルを測定する。これによって、病変組織の有効な治療のために、微小循環器の機能障害を監視することができる。
ユーザインターフェイス122は、前もってプログラムされた期間中のビデオ画像信号VBSに変化がないこと、すなわち内視鏡の操作が行われていないことを観察したときは常に、LED121a, 121bへの電流供給を終了させるための信号をプログラマブル配列ユニット110に発し、プログラマブル配列ユニット110をスタンバイモードにして、画像信号が不要な操作停止状態であるスタンバイモード時に不要の熱が発生しないことを保証する。その後、ビデオ画像信号VBS中に変化が起きると、前記ユーザインターフェイス122は、スタンバイ解除信号を発し、基準値テーブル115を介してプログラマブル配列ユニット110を再アクティヴ化し、LED121a,121bに最適な電流が流れるようにすることで、ビデオ画像信号VBSによる可視化が行われる。また、内視鏡操作者が、ユーザインターフェイス122にスタンバイモード設定信号を入力して、プログラマブル配列ユニット110をスタンバイモードにし、LED121a,121bへの電流供給を終了させることもできる。プログラマブル配列ユニット110はまた再度プリプログラムできて、それによりプリプログラムされた期間のLEDドライバ118a,118b電流を、観察・治療領域120に対する治療必要条件に基づいて生成することができる。
本発明の理解を深めるため、好ましい実施例およびいくつかの図面を参照して本発明を説明したが、付記した特許請求の範囲の記載の範囲内で本発明がこれまでに述べたことのすべての正当な修正を含むことが当業者には了解されよう。明細書及び特許請求の範囲全体にわたるすべてにおいて、「可撓性、マルチモダリティ、LED等の照明体、内視鏡、CCD、CMOS、PCB、IOMTシステム」という用語は、いかなる限定も受けるべきでなく、また当業者に知られている総ての類似の語義をも内包するものである。