実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、シート等の複数枚の用紙をまとめて綴じる綴じ処理ユニットを備える画像形成装置を例として説明する。
本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、複数枚の用紙をまとめて綴じる方法として、金属針を用いる方法(以下、「針有綴じ」とする)と金属針を用いない方法(以下、「針無綴じ」とする)との両方を行うことができるように構成されている。
綴じ処理装置は、このように構成された場合、針有綴じを行う針有綴じユニットと針無綴じを行う針無綴じユニットとの移動範囲の少なくとも一部が重複するため、綴じ処理を行う際にはまず、針有綴じユニットと針無綴じユニットとの衝突を防ぐために、両ユニットをホームポジションに移動させる必要がある。そして、このような綴じ処理装置は、綴じる対象となるシートが揃ったところで、選択された方の綴じユニットをホームポジションから綴じ位置に移動させ、移動させた綴じユニットの綴じ口でシート束を受け入れ、受け入れたシート束をシート面の上下から挟むことで綴じるようになっている。
このように、針有綴じと針無綴じとの両方を行うことができる綴じ処理装置は、綴じる対象となるシートが揃ったところで、選択された方の綴じユニットをホームポジションから綴じ位置に移動させなければならないため、その移動時間の分だけ生産性が低下してしまうといった問題がある。
そこで、針有綴じと針無綴じとの両方を行うことができる綴じ処理装置は、針有綴じユニットと針無綴じユニットとが衝突することがない場合には、両ユニットをホームポジションに移動させないで綴じ位置若しくは綴じ位置付近に留まらせるようにすれば、綴じユニットを綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
ところが、通常、このように両方を行うことができる綴じ処理装置においては、針有綴じユニットと針無綴じユニットとで一度に綴じることができるシートの上限枚数(以下、「綴じ可能枚数」とする)が異なり、それに応じて、受け入れることができるシートの上限枚数(以下、「受け入れ可能枚数」とする)も異なるため、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットで綴じ処理を行う場合には、綴じる対象となるシート束の枚数が綴じ可能枚数の少ない方の受け入れ可能枚数を超える場合がある。
そのため、針有綴じと針無綴じとの両方を行うことができる綴じ処理装置は、生産性を向上させることを目的として両ユニットをホームポジションに移動させないで綴じ位置若しくは綴じ位置付近に留まらせておくと、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットにおける受け入れ可能枚数までシートを受け入れる必要があっても、受け入れたシートの枚数が綴じ可能枚数の少ない方の綴じユニットにおける受け入れ可能枚数に達した時点で、それ以上シートを受け入れることができなくなってしまうといった問題がある。
そこで、本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットで綴じ処理を行う場合には、シートの受け入れの邪魔とならないように、綴じ可能枚数の少ない方の綴じユニットをホームポジションに移動させるように構成されているが、どちらの綴じユニットで綴じ処理を行う場合であっても、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットについては、シートを受け入れる位置にあってもシートの受け入れの邪魔にならないため、ホームポジションに移動させずそのままの位置で待機させておくように構成されている。
そのため、本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットで綴じ処理を行う場合、その綴じユニットを綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
但し、このような場合、本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットで綴じ処理を行った後に、綴じ可能枚数の少ない方の綴じユニットで綴じ処理を行う場合、その綴じユニットはホームポジションにあるため、その綴じユニットをホームポジションから綴じ位置に移動させなければならず、その移動時間の分だけ生産性が低下してしまうといった問題がある。
そこで、本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットで綴じ処理を行う場合であっても、綴じ処理の対象となるシートの枚数が、綴じ可能枚数の少ない方の綴じユニットにおける受け入れ可能枚数以下である場合には、綴じ可能枚数の少ない方の綴じユニットについても、ホームポジションに移動させずそのままの位置で待機させておくように構成されている。本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、このように構成された場合、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットで綴じ処理を行った後に綴じ可能枚数の少ない方の綴じユニットで綴じ処理を行う場合であっても、その綴じユニットを綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
若しくは、本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットで綴じ処理を行った後に綴じ可能枚数の少ない方の綴じユニットで綴じ処理を行う場合、シートを受け入れている間に、その綴じユニットをホームポジションから綴じ位置への移動を開始させるように構成されていても良い。本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、このように構成された場合、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットで綴じ処理を行った後に綴じ可能枚数の少ない方の綴じユニットで綴じ処理を行う場合であっても、その綴じユニットを綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
尚、本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットについてもホームポジションに移動させ、シートを受け入れている間に、その綴じユニットをホームポジションから綴じ位置への移動を開始させるように構成されていても良い。本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、このように構成された場合であっても、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットを綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
但し、本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、綴じ可能枚数の多い方の綴じユニットについても、綴じ可能枚数の少ない方の綴じユニットについても、ホームポジションに移動させずそのままの位置で待機させておくように構成されている方が、綴じユニットを移動させるための電力が必要ないため、消費電力を低減させることが可能となる。
まず、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を簡略化して示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、画像形成ユニット2、給紙ユニット3、綴じ処理ユニット4、スキャナユニット5により構成されている。
画像形成ユニット2は、入力された画像データに基づいてCMYK(Cyan Magenta Yellow Key Plate)の描画情報を生成し、生成された描画情報に基づいて、給紙ユニット3から給紙された用紙に対して画像形成出力を実行する。給紙ユニット3は、画像形成ユニット2に用紙を給紙する。
綴じ処理ユニット4は、画像形成ユニット2から搬送されてきた画像形成済みの複数枚の用紙に対して綴じ処理を実行する。本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、複数枚の用紙をまとめて綴じる方法として、金属針を用いる方法(以下、「針有綴じ」とする)と金属針を用いない方法(以下、「針無綴じ」とする)との両方を行うことができるように構成されている。
また、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ処理を行う際には、針有を行う針有綴じユニットと針無綴じを行う針無綴じユニットとのうち、選択された方の綴じユニットを綴じ位置に移動させ、移動させた綴じユニットの綴じ口で用紙束を受け入れ、受け入れた用紙束を用紙面の上下から挟むことで綴じるようになっている。
また、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じと針無綴じとで一度に綴じることができる用紙の枚数(以下、「綴じ可能枚数」とする)が異なり、針有綴じの方が針無綴じよりも多くの枚数を一度に綴じることができるようになっている。また、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数に応じて、受け入れることができるシートの上限枚数(以下、「受け入れ可能枚数」とする)が異なり、針有綴じの方が針無綴じよりも多くの枚数を受け入れることができるようになっている。この綴じ処理ユニット4に含まれる綴じ処理機構の構成が、本実施形態に係る要旨の1つである。即ち、本実施形態においては、綴じ処理ユニット4がシート処理装置として機能する。
スキャナユニット5は、複数のフォトダイオードが一列に並べられ、これに並列にCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の受光素子が配置されたリニアイメージセンサにより原稿を読み取ることで原稿を電子化する。尚、本実施形態に係る画像形成装置1は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)である。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。尚、画像形成装置1は、図3に示すハードウェア構成に加えて、スキャナ、プリンタ、折り処理、綴じ処理等を実現するためのエンジンを備える。
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス90を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60、操作部70及び専用デバイス80が接続されている。
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
I/F50は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
専用デバイス80は、画像形成ユニット2、給紙ユニット3、綴じ処理ユニット4、スキャナユニット5において専用の機能を実現するためのハードウェアであり、画像形成ユニット2においては、紙面上に画像形成出力を実行するプロッタ装置である。また、給紙ユニット3においては、画像形成ユニット2に用紙を給紙する給紙機構である。
また、綴じ処理ユニット4においては、画像形成ユニット2による画像形成済みの複数枚の用紙に対して綴じ処理を実行する綴じ処理機構である。この綴じ処理ユニット4に含まれる綴じ処理機構の構成が、本実施形態に係る要旨の1つである。また、スキャナユニット5においては、紙面上に表示されている画像を読み取る読取装置である。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がRAM20にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を模式的に示すブロック図である。尚、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ100、プリントエンジン200、給紙テーブル300、綴じ処理エンジン400、スキャナエンジン500、ADF(Auto Document Feeder:原稿自動搬送装置)600、排紙トレイ700、ディスプレイパネル800、ネットワークI/F900を有する。また、コントローラ100は、主制御部101、エンジン制御部102、入出力制御部103、画像処理部104及び操作表示制御部105を有する。
プリントエンジン200は、画像形成ユニット2に備えられた画像形成部であり、給紙テーブル300から搬送されてきた用紙に対して画像形成出力を実行することにより画像を描画する。プリントエンジン200の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。このプリントエンジン200により画像が描画された画像形成済みの用紙は、綴じ処理ユニット4に搬送され、若しくは、排紙トレイ700に排紙される。給紙テーブル300は、給紙ユニット3に備えられた給紙部であり、画像形成部であるプリントエンジン200に用紙を給紙する。
綴じ処理エンジン400は、綴じ処理ユニット4に備えられ、プリントエンジン200から搬送されてきた画像形成済みの用紙に対して綴じ処理を施す。本実施形態に係る綴じ処理エンジン400は、針有綴じ針無綴じとの両方を行うことができるように構成されている。また、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400は、針有綴じと針無綴じとで一度に綴じることができる用紙の枚数(綴じ可能枚数)が異なり、針有綴じの方が針無綴じよりも多くの枚数を一度に綴じることができるようになっている。この綴じ処理エンジン400により綴じ処理が施された用紙は、排紙トレイ700に排紙される。この綴じ処理エンジン400における綴じ処理機構の構成が、本実施形態に係る要旨の1つである。
ADF600は、スキャナユニット5に備えられ、原稿読取部であるスキャナエンジン500に原稿を自動搬送する。スキャナエンジン500は、スキャナユニット5に備えられ、光学情報を電気信号に変換する光電変換素子を含む原稿読取部であり、ADF600により自動搬送されてきた原稿、若しくは、図示しない原稿台ガラスにセットされた原稿を光学的に走査して読み取って画像情報を生成する。ADF600により自動搬送されてスキャナエンジン500により読み取られた原稿は、ADF600内蔵の排紙トレイに排紙される。
ディスプレイパネル800は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル800は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。ディスプレイパネル800は、図2に示すLCD60及び操作部70によって実現される
ネットワークI/F900は、画像形成装置1がネットワークを介して管理者用端末等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェース、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、FeliCa(登録商標)等のインタフェースが用いられる。ネットワークI/F900は、図2に示すI/F50によって実現される。
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30やHDD40等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM20にロードされ、それらのプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部101は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。また、主制御部101は、入出力制御部103を制御し、ネットワークI/F900及びネットワークを介して他の装置にアクセスする。エンジン制御部102は、プリントエンジン200、給紙テーブル300、綴じ処理エンジン400、スキャナエンジン500等の駆動部を制御し若しくは駆動させる。入出力制御部103は、ネットワークI/F900及びネットワークを介して入力される信号や命令を主制御部101に入力する。
画像処理部104は、主制御部101の制御に従い、入力された印刷ジョブに含まれる文書データ若しくは画像データに基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、CMYKのビットマップデータ等のデータであり、画像形成部であるプリントエンジン200が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、画像処理部104は、スキャナエンジン500から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像形成装置1に格納され若しくはネットワークI/F900及びネットワークを介して他の機器に送信される情報である。操作表示制御部105は、ディスプレイパネル800に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル800を介して入力された情報を主制御部101に通知する。
次に、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4の構成について、図4〜図6を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の斜視図である。図5は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の上面図である。図6は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の主走査方向からの側面図である。
図4〜図6に示すように、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400は、スタック部410、針有綴じユニット420、針有綴じユニット移動ガイドレール421、針有綴じユニット検知センサ422、針無綴じユニット430、針無綴じユニット移動ガイドレール431、針無綴じユニット検知センサ432、用紙支持板440、レジスト補正ガイド450を備える。
スタック部410は、綴じ処理の対象となる用紙が全て揃うまで用紙を積み重ねてスタックする。換言すれば、スタック部410は、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430とのうち最も綴じ可能枚数が多い方の綴じ可能枚数を最大枚数として、綴じる対象となる用紙が揃うまで用紙を積載する。即ち、本実施形態においては、スタック部410がシート積載部として機能する。
尚、本実施形態に係るスタック部410は、用紙の厚さ方向における高さHが、針有綴じと針無綴じとのうち綴じ可能枚数の多い方、即ち、針有綴じに合わせて設計されている。従って、図7に示すように、スタック部410の用紙の厚さ方向における高さHは、針有綴じユニット420の綴じ口における受け入れ幅L1と同じとなるように構成されている。
即ち、本実施形態においては、スタック部410の用紙の厚さ方向における高さH=針有綴じユニット420の綴じ口における受け入れ幅L1>針無綴じユニット430の綴じ口における受け入れ幅L2である。図7は、本実施形態に係るスタック部410の用紙の厚さ方向における高さH、針有綴じユニット420の綴じ口における受け入れ幅L1、針無綴じユニット430の綴じ口における受け入れ幅L2の大小関係を示す図である。
針有綴じユニット420は、綴じ処理の前においてはホームポジションにて待機し、綴じ処理の段階になると、針有綴じユニット移動ガイドレール421に沿ってホームポジションから綴じ位置に移動する。そして、針有綴じユニット420は、複数の綴じ位置においてそれぞれ、用紙束6を用紙面の上下から綴じ口で挟みながら、図8〜図10に示すように、用紙束6に針Aを貫通させることで用紙束6を綴じる。この針有綴じユニット420の移動範囲が用紙を受け入れる受入位置に相当する。図8は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の斜視図である。図9は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の上面図である。図10は、本実施形態に係る針有綴じユニット420により綴じられた用紙束6の副走査方向からの側面図である。
針有綴じユニット420は、綴じ処理を終えると、針有綴じユニット移動ガイドレール421に沿ってホームポジションに戻る。このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット検知センサ422により針有綴じユニット420を検知することで、針有綴じユニット420がホームポジションにて待機していることを検知し、若しくは、針有綴じユニット420がホームポジションに戻ってきたことを検知する。
針無綴じユニット430は、綴じ処理の前においてはホームポジションにて待機し、綴じ処理の段階になると、針無綴じユニット移動ガイドレール431に沿ってホームポジションから綴じ位置に移動する。この針無綴じユニット430の移動範囲が用紙を受け入れる受入位置に相当する。そして、針無綴じユニット430は、綴じ位置において、図11(a)、(b)に示すように、上下に噛み合う凹凸形状を有する綴じ口で用紙束6を用紙面の上下から押圧することで用紙束6を綴じる。このようにして押圧された用紙束6は、図12〜図14に示すように、綴じ位置Bにおいて、用紙間で繊維同士が絡み合うことで綴じられることになる。図11(a)、(b)は、本実施形態に係る針無綴じユニット430の主走査方向からの側面図である。図12は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の斜視図である。図13は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の斜視図である。図14は、本実施形態に係る針有綴じユニット420により綴じられた用紙束6の副走査方向からの側面図である。
針無綴じユニット430は、綴じ処理を終えると、針無綴じユニット移動ガイドレール431に沿ってホームポジションに戻る。このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針無綴じユニット検知センサ432により針無綴じユニット430を検知することで、針無綴じユニット430がホームポジションにて待機していることを検知し、若しくは、針無綴じユニット430がホームポジションに戻ってきたことを検知する。即ち、本実施形態においては、針有綴じユニット420、針無綴じユニット430が、一度にまとめて綴じることができるシートの上限枚数がそれぞれ異なる複数の綴じ部として機能する。
用紙支持板440は、スタック部410にスタックされる用紙束6を用紙面から支持する。レジスト補正ガイド450は、スタック部410にスタックされる用紙束6の主走査方向における位置を揃える。
尚、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4においては、図4及び図5に示すように、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430との移動範囲の少なくとも一部が重複するように構成されている。また、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4においては、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430はそれぞれ、共通のガイドレールを針有綴じユニット移動ガイドレール421及び針無綴じユニット移動ガイドレール431として移動するように構成されている。
また、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、エンジン制御部102により、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430移動をそれぞれ個別に制御する。即ち、本実施形態においては、エンジン制御部102が移動制御部として機能し、ホームポジションが所定の待機位置に相当する。
次に、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4が綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420により綴じ処理を行う際の動作例について、図15〜図18を参照して説明する。図15及び図17は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の斜視図である。図16及び図18は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の上面図である。尚、図15〜図18は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4が綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420により綴じ処理を行う場合について示している。また、図15〜図18は、綴じる対象となる用紙の枚数が、綴じ可能枚数の少ない方の針無綴じユニット430における受け入れ可能枚数よりも多い場合について示している。
図15及び図16に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420により綴じ処理を行う際にはまず、綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430をホームポジションに移動させる。そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針無綴じユニット430がホームポジションに移動した後、スタック部410により用紙をスタックしていき、綴じる対象となる用紙が全て揃うと、図17及び図18に示すように、針有綴じユニット420を綴じ位置に移動させ、用紙束6に対して針有綴じを行う。
このように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420により綴じ処理を行う場合、その針有綴じユニット420についてはホームポジションに移動させずそのままの位置で待機させておくように構成されている。これは、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420は、用紙を受け入れる位置にあっても用紙の受け入れの邪魔にならないためである。そのため、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420により綴じ処理を行う場合、その針有綴じユニット420を綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。また、このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420についてはホームポジションに移動させる必要がないため、消費電力を低減させることが可能となる。
次に、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4が綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420により綴じ処理を行う際の他の動作例について、図19〜図22を参照して説明する。図19及び図21は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の斜視図である。図20及び図22は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の上面図である。尚、図19〜図22は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4が綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420により綴じ処理を行う場合について示している。また、図19〜図22は、綴じる対象となる用紙の枚数が、綴じ可能枚数の少ない方の針無綴じユニット430における受け入れ可能枚数以下である場合について示している。
図19及び図20に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420により綴じ処理を行う際にはまず、針無綴じユニット430が針有綴じユニット420の移動の邪魔にならない位置にある場合には、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430をホームポジションに移動させないでそのままの位置で待機させておく。但し、このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針無綴じユニット430が針有綴じユニット420の移動の邪魔になる位置にある場合には、針無綴じユニット430をホームポジション若しくは針有綴じユニット420の移動の邪魔にならない位置に移動させる。そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、スタック部410により用紙をスタックしていき、綴じる対象となる用紙が全て揃うと、図21及び図22に示すように、針有綴じユニット420を綴じ位置に移動させ、用紙束6に対して針有綴じを行う。
このように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420により綴じ処理を行う場合であっても、綴じ処理の対象となる用紙の枚数が、綴じ可能枚数の少ない方の針無綴じユニット430における受け入れ可能枚数以下である場合には、針有綴じユニット420と同様に針無綴じユニット430についてもホームポジションに移動させずそのままの位置で待機させておくように構成されている。これは、針有綴じユニット420も針無綴じユニット430も、用紙を受け入れる位置にあっても用紙の受け入れの邪魔にならないためである。そのため、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420により綴じ処理を行う場合、その針有綴じユニット420を綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。また、このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430をホームポジションに移動させる必要がないため、消費電力を低減させることが可能となる。
次に、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4が綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430により綴じ処理を行う際の動作例について、図23〜図26を参照して説明する。図23及び図25は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の斜視図である。図24及び図26は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の上面図である。尚、図23〜図26は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4が綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430により綴じ処理を行う際の動作を示している。
図23及び図24に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の少ない針有綴じユニット420により綴じ処理を行う際にはまず、針有綴じユニット420が針無綴じユニット430の移動の邪魔にならない位置にある場合には、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430をホームポジションに移動させないでそのままの位置で待機させておく。但し、このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420が針無綴じユニット430の移動の邪魔になる位置にある場合には、針有綴じユニット420をホームポジション若しくは針無綴じユニット430の移動の邪魔にならない位置に移動させる。そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、スタック部410により用紙をスタックしていき、綴じる対象となる用紙が全て揃うと、図25及び図26に示すように、針無綴じユニット430を綴じ位置に移動させ、用紙束6に対して針無綴じを行う。
このように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430により綴じ処理を行う場合、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430をホームポジションに移動させずそのままの位置で待機させておくように構成されている。これは、針有綴じユニット420も針無綴じユニット430も、用紙を受け入れる位置にあっても用紙の受け入れの邪魔にならないためである。そのため、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430により綴じ処理を行う場合、その針無綴じユニット430を綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。また、このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430をホームポジションに移動させる必要がないため、消費電力を低減させることが可能となる。
以上、説明したように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420で綴じ処理を行う場合には、用紙の受け入れの邪魔とならないように、綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430をホームポジションに移動させるように構成されているが、どちらの綴じユニットで綴じ処理を行う場合であっても、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420については、用紙を受け入れる位置にあっても用紙の受け入れの邪魔にならないため、ホームポジションに移動させずそのままの位置で待機させておくように構成されていることを要旨の一つとしている。
そのため、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420で綴じ処理を行う場合、その針有綴じユニット420を綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
但し、このような場合、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420で綴じ処理を行った後に、綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430で綴じ処理を行う場合、その針無綴じユニット430はホームポジションにあるため、その針無綴じユニット430をホームポジションから綴じ位置に移動させなければならず、その移動時間の分だけ生産性が低下してしまうといった問題がある。
そこで、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420で綴じ処理を行う場合であっても、綴じ処理の対象となる用紙の枚数が、綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430の受け入れ可能枚数以下である場合には、綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430についても、ホームポジションに移動させずそのままの位置で待機させておくように構成されている。本実施形態に係る綴じ処理ユニットは4、このように構成された場合、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420で綴じ処理を行った後に綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430で綴じ処理を行う場合であっても、その針無綴じユニット430を綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
若しくは、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420で綴じ処理を行った後に綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430で綴じ処理を行う場合、用紙を受け入れている間に、その針無綴じユニット430をホームポジションから綴じ位置への移動を開始させるように構成されていても良い。本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、このように構成された場合、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420で綴じ処理を行った後に綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430で綴じ処理を行う場合であっても、その針無綴じユニット430を綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
尚、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420で綴じ処理を行う場合、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420についてもホームポジションに移動させ、用紙を受け入れている間に、その針有綴じユニット420をホームポジションから綴じ位置への移動を開始させるように構成されていても良い。本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、このように構成された場合であっても、針有綴じユニット420を綴じ位置に移動させるまでに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
但し、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、綴じ可能枚数の多い針有綴じユニット420についても、綴じ可能枚数の少ない針無綴じユニット430についても、ホームポジションに移動させずそのままの位置で待機させておくように構成されている方が、綴じユニットを移動させるための電力が必要ないため、消費電力を低減させることが可能となる。
尚、本実施形態においては、画像形成ユニット2、給紙ユニット3、綴じ処理ユニット4、スキャナユニット5が、画像形成装置1に備えられる構成について説明したが、各ユニットそれぞれが異なる独立した装置として構成され、それらの装置が連結されて画像形成システムを構成するようにしても良い。
実施の形態2.
実施の形態1においては、針有綴じユニット420及び針無綴じユニットの両方を備える綴じ処理ユニット4において綴じ処理を行う際、用紙の受け入れの邪魔にならない場合には、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430をホームポジションに移動させないでそのままの位置で待機させておき、その位置からいずれかの綴じユニットを綴じ位置に移動させる例について説明した。この場合、実施の形態1に係る綴じ処理ユニット4は、生産性を向上させることが可能となると共に、消費電力を低減させることが可能となる。
ところが、実施の形態1に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430との移動範囲の少なくとも一部が重複するように構成されているため、それらの少なくともいずれかがホームポジションにない場合には、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430とが衝突し、若しくは、どちらかがもう一方の移動の障害になるといった問題がある。
そこで、本実施形態においては、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430との相対的な位置を検知することで、それらが衝突し、若しくは、どちらかがもう一方の移動の障害になるといったことを回避する例について説明する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
まず、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4の構成について、図27を参照して説明する。図27は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の上面図である。
図27に示すように、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400は、スタック部410、針有綴じユニット420、針有綴じユニット移動ガイドレール421、針有綴じユニット検知センサ422、針無綴じユニット430、針無綴じユニット移動ガイドレール431、針無綴じユニット検知センサ432、用紙支持板440、レジスト補正ガイド450に加え、相対位置検知センサ423、相対位置検知センサフィラー433を備える。
相対位置検知センサ423は、針有綴じユニット420に備えられ、赤外線を照射する赤外線照射部とその赤外線を受光する赤外線受光部とから構成され、赤外線照射部から赤外線受光部に向けて照射された赤外線が相対位置検知センサフィラー433により遮蔽されると、エンジン制御部102に検知信号を出力する。相対位置検知センサフィラー433は、針無綴じユニット430に備えられ、相対位置検知センサ423における赤外線照射部から赤外線受光部に向けて照射された赤外線を遮蔽する。
本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、この相対位置検知センサ423により、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430との相対的な位置を検知する。即ち、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、この相対位置検知センサ423により、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430とが所定の距離にあることを検知し、それらの相対位置が規定以上に接近したと判断する。
次に、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4が針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430の移動を制御する際の動作例について、図28及び図29を参照して説明する。図28及び図29は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の上面図である。
図28及び図29に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、相対位置検知センサ423から出力された検知信号を受信すると、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430を直ちに停止させ、それらをホームポジションに移動させてイニシャライズを行う。尚、このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、所定の期間が経過しても相対位置検知センサ423が検知状態のままであれば、若しくは、ホームポジションへの移動が完了しなければ、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430の移動機構に何らかの動作不良が発生しているとして、エラーを検知する。そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、エラーを検知すると、ディスプレイパネル800に、移動機構に動作不良が発生していることを知らせるためのエラー画面を表示する。
以上、説明したように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430との相対的な位置を検知するように構成されていることを要旨の一つとしている。従って、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430とが衝突し、若しくは、どちらかがもう一方の移動の障害になるといったことを回避することが可能となる。
尚、本実施形態に係る相対位置検知センサ423は、フォトセンサを例として説明したが、この他、プッシュ型スイッチや測距センサ等、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430との相対的な位置を検知することができるものであれば良い。
また、本実施形態に係る相対位置検知センサ423は、針有綴じユニット420に備えられている例について説明したが、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430との少なくともいずれか一方に備えられていれば良い。
また、本実施形態に係る相対位置検知センサ423は、針有綴じユニット420に備えられている例について説明したが、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430との相対的な位置を検知することができさえすれば、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430の少なくともいずれかに備えられている必要はなく、どこに備えられていても良い。
実施の形態3.
実施の形態2においては、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430との相対的な位置を検知することで、それらが衝突し、若しくは、どちらかがもう一方の移動の障害になるといったことを回避する例について説明した。
本実施形態においては、実施の形態2と同様に、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430とが衝突し、若しくは、どちらかがもう一方の移動の障害になるといったことを回避することを目的とするが、その方法が異なる。即ち、本実施形態においては、移動させる方の綴じユニットが移動することが可能であるか否かを、もう一方の綴じユニットの位置に基づいて判断することで、それらが衝突し、若しくは、どちらかがもう一方の移動の障害になるといったことを回避する例について説明する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
まず、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4が針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430の移動を制御する際の動作例について、図30〜図33を参照して説明する。図30〜図33は、本実施形態に係る綴じ処理エンジン400の上面図である。
図30及び図31に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420がホームポジションにない場合、針無綴じユニット430は移動することができないと判断する。一方、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420がホームポジションにある場合、針無綴じユニット430は移動することができると判断する。これにより、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430とが衝突し、若しくは、どちらかがもう一方の移動の障害になるといったことを回避することが可能となる。
また、図32及び図33に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針無綴じユニット430がホームポジションにない場合、針有綴じユニット420は移動することができないと判断する。一方、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針無綴じユニット430がホームポジションにある場合、針有綴じユニット420は移動することができると判断する。これにより、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420と針無綴じユニット430とが衝突し、若しくは、どちらかがもう一方の移動の障害になるといったことを回避することが可能となる。
このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、主制御部101により、移動させる方の綴じユニットが移動することが可能であるか否かを、もう一方の綴じユニットの位置に基づいて判断する。即ち、本実施形態においては、主制御部101が移動判断部として機能する。
尚、図30〜図33においては、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430のいずれかがホームポジションにある場合にもう一方の綴じユニットが移動することが可能であると判断する例について説明したが、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430のいずれかがもう一方の綴じユニットの移動範囲にない場合に、そのもう一方の綴じユニットは移動することが可能であると判断するように構成されていても良い。
このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430の移動範囲が重複する範囲に備えられた不図示の位置検知センサにより、移動させる方の綴じユニットに対してもう一方の綴じユニットが移動範囲にあるか否かを判断する。本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、このように、位置検知センサにより綴じユニットが移動可能であるか否かを判断する方が、ホームポジションにあるか否かにより綴じユニットが移動可能であるか否かを判断するよりも、移動可能であると判断される領域が広くなるため、生産性を向上させることが可能となる。但し、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、位置検知センサにより綴じユニットが移動可能であるか否かを判断するよりも、ホームポジションにあるか否かにより綴じユニットが移動可能であるか否かを判断する方が、位置検知センサを備える必要がないので、低コストで製造でき、かつ、簡易な構成とすることが可能となる。
また、このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430をそれぞれ個別に駆動させる不図示のステッピングモータの駆動パルス数により針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430の位置を検知し、移動させる方の綴じユニットに対してもう一方の綴じユニットが移動範囲にあるか否かを判断するように構成されていても良い。但し、本実施形態に係る綴じ処理ユニット4は、ステッピングモータの駆動パルス数により針有綴じユニット420及び針無綴じユニット430の位置を検知するように構成されている方が、位置検知センサを備える必要がないので、低コストで製造でき、かつ、簡易な構成とすることが可能となる。