JP6605923B2 - 耐火材料及びその製造方法 - Google Patents
耐火材料及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6605923B2 JP6605923B2 JP2015223999A JP2015223999A JP6605923B2 JP 6605923 B2 JP6605923 B2 JP 6605923B2 JP 2015223999 A JP2015223999 A JP 2015223999A JP 2015223999 A JP2015223999 A JP 2015223999A JP 6605923 B2 JP6605923 B2 JP 6605923B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refractory material
- refractory
- thermoplastic resin
- fibers
- inorganic fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Fireproofing Substances (AREA)
- Building Environments (AREA)
Description
また、これらの重い耐火材料を、特に木材や合成樹脂等の軽量の基材に対し、耐火用の被覆材として用いた場合には、軽量であるとの本来の利点を大きく損なうという問題もあった。
しかしながら、これらの耐火塗料は十分な耐火性能を得るためには、二度塗り、三度塗りを繰り返す必要があり、作業効率が悪いという課題があった。また発泡温度が300℃程度以上と高く、それ未満の温度では十分に性能を発揮できないという問題があった。
さらには、無機繊維が交絡していることや、耐火層が多層構造であること、耐火材料の曲げ強度が100〜500MPaであること、耐火材料が建築用であることが好ましい。
またもう一つの本発明の耐火材料の製造方法は、融点またはガラス転移点温度が300℃以下の熱可塑性樹脂と、無機繊維とから構成されるシートを、加熱加圧することを特徴とする。
さらには、熱可塑性樹脂が粒子形状または繊維形状であることや、無機繊維が交絡していることが好ましい。
また本発明は、上記のいずれか耐火材料と、木材、樹脂シート、繊維補強樹脂シート、金属板の群から選ばれるいずれか1種の建築材料とからなる建築用構造体を包含する。
本発明の耐火材料を構成する耐火層に用いられる無機繊維は、耐火試験中に形状を保持する役割を有し、試験中に熱によって溶融しないことが必要である。中でも無機繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、岩石繊維、セラミック繊維の中から選択されることが好ましい。また、無機繊維は2種以上の混合物であることも好ましい。通常の高耐熱性の繊維としては有機合成繊維も使用されてはいるものの、一般的に可燃性であり、800℃以上の火炎を接炎した際には容易に燃焼する恐れがある。それに対し、炭素繊維、ガラス繊維、岩石繊維、セラミック繊維などの無機繊維は、800℃以上の火炎に30分以上接炎しても燃焼せず、例え一部が燃焼することがあっても、耐火材料としての形状は保つことが可能である。もっとも一部に有機合成繊維を含むことは本発明の好ましい形態の一つである。
このように無機繊維に対して、融点やガラス転移温度などの形状が変形する温度が低い熱可塑性樹脂を用いることにより、本発明の耐火材料は従来の発泡材料よりもより低温の段階においてその体積を増加させ、熱伝導性を低く保つことが可能となったのである。
本発明の耐火材料は、このような無機繊維と熱可塑性樹脂からなる耐火層から構成されるのであるが、さらにこの耐火層中にて無機繊維は物理的に形状を保つよう、織編物を構成していたり、交絡したものであることが好ましい。
そこで無機繊維と熱可塑性樹脂からなる耐火層から構成される本発明の耐火材料は、無機繊維の体積比率が20%以上であることが、さらには20%〜90%の範囲にあることが好ましい。特には40%〜70%の範囲にあることが好ましい。無機繊維の体積比率が大きくなりすぎると、耐火材料自体を成形することが困難になる傾向にある。逆に無機繊維の体積比率が少なすぎる場合には、特に燃え止め性能を発現することが困難になる傾向にある。
このような本発明の耐火材料は、もう一つの本発明である融点が300℃以下の熱可塑性樹脂と、無機繊維とから構成されるシートを、加熱加圧する製造方法によって得ることが可能である。
ランダムマットへの熱可塑性樹脂の添加方法としては、粉状のポリマーを添加してもよいが、均一性の観点から無機繊維と同様にマトリックス樹脂となる熱可塑性樹脂も繊維形状にして、ランダムマットを形成することが好ましい。
このような本発明の耐火材料は、薄い場合にはフレキシブルなシート状物となり、また厚い場合には剛直な板状形状として形状を保持することが容易となる。
このような本発明の耐火材料は、実際に接炎時の耐熱性に高く、建築用として特に有用に用いられる。
例えば木材は可燃物であって、木材種にもよるが通常木材の耐熱温度は比較的低く、おおよそ250℃前後で燃焼が始まる。そのため通常であれば、例えば、梁や柱といった構造部材に用いる場合、荷重を負担する木質材料にかかる温度が250℃未満に保たなければならない。
しかしここで本発明の耐火材料を、木材や樹脂板に用いることにより、800℃以上の火炎に接炎した際にも、背面への炎の燃え抜けがなく、かつ熱伝導率の低さから材料温度を低く維持することが可能になる。
150mm×150mmの金枠にサンプルを水平に置き、サンプル下面をガスバーナーにて燃焼加熱した。ガスバーナーによる加熱面付近の温度は800〜950℃とし、加熱時間は30分間とした。加熱時間内のサンプル背面に燃え抜けた炎について目視観察した。
150mm×150mmの金枠にサンプルを水平に置き、サンプル下面をガスバーナーにて燃焼加熱した。サンプル上に厚さ25mmのスギ板を載せ、サンプル背面とスギ板の間の温度を熱電対により測定した。ガスバーナーによる加熱面付近の温度は800〜950℃であり、加熱時間は60分間とした。サンプルには荷重をかけず、評価時の雰囲気は常温・常圧とした。耐火性能は60分後のサンプル背面温度で評価した。
耐火性能評価前後のサンプル厚さを比較した。また、評価後のサンプルを用いて、厚さ方向の熱伝導率を測定した。測定温度は20℃とし、測定機器は英弘精機社製HC−074を用いた。
35mmにカットした単糸径8μmの無機繊維(東邦テナックス株式会社製「テナックス(登録商標)」炭素繊維)と、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製「パンライト(登録商標」)を溶融紡糸して得た単糸径33μmの繊維を51mmにカットした熱可塑性繊維とを、体積比で40:60に混合し、開繊機にて混合した後、カード工程を通過させることにより、繊維の引き揃え性を向上させたウェブを作成した。このようにして得られた繊維ウェブをニードルパンチ機により38番針にて針深度10mm、打ち込み密度を500本/cm2として目付200g/m2のランダムマットを得た。
該基材を33枚積層したものを予め離型処理を施したステンレス板で挟み、ホットプレス熱盤上にセットした後、同じく予め離型処理を施した鋼製スペーサーを使用して、成型圧力35kgf/cm2、成型温度が250℃にて4mm厚の耐火材料を作成した。
この背面に厚さ5mmのエアロジェルシート断熱材を接着した。接着剤はレゾルシノール系接着剤を用いて接着した。用いたエアロジェルシートは95%がシリカおよびガラス無機材料であり、空隙率は95%であり、熱伝導率は0.02W/m・Kであった。
得られた耐火材料の評価結果を表1に示す。さらに建築材料である木材のまわりに断熱材を有する耐火材料を接着し、耐火材料がその最表面に位置する建築用構造体とした。耐火性能の測定と同条件にて処理したが、木材自体には損傷は見られなかった。
実施例1において、無機繊維と熱可塑性樹脂の繊維とから成るランダムマットを33枚積層する際に、各層間に水酸化マグネシウムを添加し、無機繊維、熱可塑性樹脂(繊維)、水酸化マグネシウムの体積比を25:35:40としたこと以外は請求項1と同様に耐火材料を成型し、15mm厚の耐火材料を作成した。さらにその背面に実施例1にて用いた断熱材を接着した。
得られた耐火材料の評価結果を表1に示す。さらに建築材料である木材のまわりに断熱材を有する耐火材料を接着し、耐火材料がその最表面に位置する建築用構造体とした。耐火性能の測定と同条件にて処理したが、木材自体には損傷は見られなかった。
実施例1にて用いた炭素繊維をカットせずに長繊維のまま使用し、無機繊維からなる織物を作成した。この織物にフェノール樹脂(熱硬化性樹脂)を含浸し、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を作製した。
ここで炭素繊維の体積比率は60%であり、厚さは2mmであった。このCFRPの評価結果を表1に併せて示す。
なお、燃え止め性能の評価においては、裏面への炎の燃え抜けが確認された。また、耐火性能の評価においては、評価時間60分の間にCFRPに着炎し、燃焼した。そのため、評価後のサンプルを用いた熱伝導率の測定はできなかった。テスト中におけるCFRPは、厚さ変化は見られなかった。
実施例1にて用いた耐火材料の代わりに、厚さ3mmのアルミ(A1100)と厚さ10mmの石膏ボードを重ねたものを用いた。
アルミ面をサンプルの表面とし燃え止め性能および耐火性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、耐火性能評価後のサンプルは、石膏ボードがボロボロに割れてしまい、評価後のサンプルを用いた熱伝導率の測定はできなかった。
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂と無機繊維からなる耐火層を有する耐火材料であって、熱可塑性樹脂の融点またはガラス転移温度が300℃以下であり、無機繊維が短繊維であり、耐火層が熱可塑性樹脂の短繊維と無機繊維の短繊維とのランダムマットをシート状に賦形された耐火層であることを特徴とする耐火材料。
- 無機繊維が交絡している請求項1記載の耐火材料。
- 耐火層が多層構造である請求項1または2記載の耐火材料。
- 耐火材料の曲げ強度が100〜500MPaである請求項1〜3のいずれか1項記載の耐火材料。
- 耐火材料が建築用である請求項1〜4のいずれか1項記載の耐火材料。
- 融点またはガラス転移点温度が300℃以下の熱可塑性樹脂と、無機繊維とから構成されるシートを、加熱加圧することを特徴とする、請求項1記載の耐火材料の製造方法。
- 熱可塑性樹脂が粒子形状または繊維形状である請求項6記載の耐火材料の製造方法。
- 無機繊維が交絡している請求項6または7記載の耐火材料の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の耐火材料と、木材、樹脂シート、繊維補強樹脂シート、金属板の群から選ばれるいずれか1種の建築材料とからなる建築用構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015223999A JP6605923B2 (ja) | 2015-11-16 | 2015-11-16 | 耐火材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015223999A JP6605923B2 (ja) | 2015-11-16 | 2015-11-16 | 耐火材料及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017088807A JP2017088807A (ja) | 2017-05-25 |
JP6605923B2 true JP6605923B2 (ja) | 2019-11-13 |
Family
ID=58770428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015223999A Active JP6605923B2 (ja) | 2015-11-16 | 2015-11-16 | 耐火材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6605923B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0570934U (ja) * | 1992-02-27 | 1993-09-24 | 鐘淵化学工業株式会社 | 耐火断熱パネル |
JP3375367B2 (ja) * | 1993-03-12 | 2003-02-10 | 川崎製鉄株式会社 | ガラス繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法 |
JPH11105196A (ja) * | 1997-10-03 | 1999-04-20 | Kawasaki Steel Corp | 抄造法スタンパブルシート、その製造方法およびスタンパブルシート成形品 |
JP5039848B1 (ja) * | 2011-09-26 | 2012-10-03 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品 |
JP6030862B2 (ja) * | 2012-06-12 | 2016-11-24 | タキロン株式会社 | 燃え抜け防止性能を有する熱可塑性樹脂成形体 |
-
2015
- 2015-11-16 JP JP2015223999A patent/JP6605923B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017088807A (ja) | 2017-05-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4870661B2 (ja) | 表面被覆を有する繊維強化熱可塑性プラスチックシート | |
KR101436159B1 (ko) | 표면 피복된 섬유 강화 열가소성 시트 | |
EP2281962B1 (en) | Aerogel containing Composite Material | |
USRE44893E1 (en) | Fiber reinforced thermoplastic sheets with surface coverings | |
CN101460301A (zh) | 碳泡沫结构绝缘板 | |
JP2004100228A (ja) | 不燃断熱パネル | |
KR100824703B1 (ko) | 난연성 경량의 적층흡음시트 | |
US9587393B2 (en) | Method for producing sandwich construction elements | |
KR20200090287A (ko) | 난연성이 우수한 경량 패널 구조물 및 이의 제조방법 | |
JP6605923B2 (ja) | 耐火材料及びその製造方法 | |
KR100693075B1 (ko) | 난연성 폴리에스테르 섬유 판재 | |
KR101451178B1 (ko) | 불연성 탄소섬유 하드 패널의 제조방법 | |
JP2838982B2 (ja) | 耐火パネル | |
KR101903363B1 (ko) | 친환경 bti 보온단열재의 제조방법 | |
JP4396893B2 (ja) | 可撓性不燃化粧板 | |
JP3177546B2 (ja) | 難燃性断熱材 | |
JP2000096737A (ja) | 耐火部材及びその製造方法 | |
JP6995908B2 (ja) | 繊維強化樹脂複合板 | |
JP2011038366A (ja) | 防音材料 | |
JP2022045231A (ja) | 空間充填材、空間充填構造体、ならびに空間構造体およびその製造方法 | |
JP2016203587A (ja) | Frpパネル及びその製造方法 | |
JPH035106A (ja) | 難燃性断熱材及びその製造方法 | |
JP2019124113A (ja) | 被覆構造体 | |
JP2008231788A (ja) | 建築用板及びその製造方法 | |
KR20060125146A (ko) | 재활용 섬유를 이용한 단열재 및 그 제조 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180821 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190426 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190514 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190712 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190924 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191017 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6605923 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |