JP6604502B2 - デプスマップ生成装置、デプスマップ生成方法及びプログラム - Google Patents

デプスマップ生成装置、デプスマップ生成方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像のデプスマップを生成するデプスマップ生成装置、デプスマップ生成方法及びプログラムに関する。
多視点画像に基づく3次元復元技術は、コンピュータビジョンの研究コミュニティだけでなく、文化財のデジタルアーカイブやエンターテイメント産業など、幅広い分野で注目されている(特許文献1参照)。
特開2013−019801号公報
上述した多視点画像に基づく3次元復元技術は、三角測量の技術を用いており、最終的に、各視点におけるデプスマップを統合することによって、3次元点群を生成する。
しかしながら、各視点におけるデプスマップから算出される3次元点群を世界座標系(以下、世界座標とも言う)に変換するだけでは、最終的に得られる3次元復元結果に多くの誤対応点が残ってしまう。これは、統合に用いた視点のデプスマップにおいて、誤対応点が存在し、3次元復元結果に影響を与えるためである。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、3次元点群を生成する際、統合に用いるデプスマップにおける誤対応点を低減させ、3次元復元結果における誤対応点の発生を抑制させるデプスマップ生成装置、デプスマップ生成方法及びプログラムを提供する。
上述した課題を解決するために、本発明のデプスマップ生成装置は、多視点ステレオアルゴリズムに基づき、位相限定相関法を用いて複数の異なる視点の画像からデプスマップを生成するデプスマップ生成部と、正対応点のラベルの正対応点ノード及び誤対応点のラベルの誤対応点ノードの各々に対し、誤対応点の検出を行う対象である対象視点のピクセルに対応するノードから接続させるエッジ各々に対し、当該ピクセルと当該対象視点の近傍の他の視点である参照視点の対応するピクセルとの比較による第1重み付け数の付与を行い、また、当該対象視点におけるピクセルのノードと当該ピクセルに隣接する他の隣接ピクセルのノードとを接続するエッジに対し、前記対象視点におけるピクセル及び前記隣接ピクセル間の奥行きの差分に対応する第2重み付け数を付与して生成したグラフに対し、当該グラフを切断するグラフカットの切断線が通る前記エッジの各重み付け数の積算値が最小となるように行い、前記グラフにおける前記ノードの各々を前記正対応点あるいは前記誤対応点の前記ラベルに振り分け、誤対応点を除去する誤対応点除去部と、を備え、前記第1重み付け数が、前記正対応点のノード及び前記ピクセルに対応するノード間を接続するエッジに対する第1A重み付け数と、前記ピクセルに対応するノード及び前記誤対応点のノードを接続するエッジに対する第1B重み付け数とから構成され、前記第1A重み付け数が、前記他の視点との間における位相限定相関関数のピーク値に対応した数値とし、相関値が高いほど数値が高く設定され、前記第1B重み付け数が、近傍の他の視点である参照視点とにおける同一のピクセルの奥行きの差分に対応した数値とし、差分が大きくなるほど数値が高く設定され、前記第2重み付け数が同一の前記視点における隣接するピクセルのノードとの奥行きの差分が小さいほど数値が高く設定されていることを特徴とする。
本発明のデプスマップ生成装置は、前記誤対応点除去部が誤対応点除去を行った後に、異なった前記視点間におけるアーチファクトを除去するアーチファクト除去部をさらに備え、前記アーチファクト除去部が、前記対象視点における前記ピクセルの奥行きと、当該対象視点と所定の距離で離間された視点である比較視点における前記ピクセルを前記対象視点の座標系に変換した奥行きとの差分を求め、当該差分が予め設定された閾値と比較して、前記対象視点のピクセルをアーチファクトとするか否かの判定を行うことを特徴とする。
本発明のデプスマップ生成装置は、前記閾値が第1閾値及び第2閾値の各々からなり、前記アーチファクト除去部が、前記差分が前記第1閾値以下の場合、前記対象視点及び前記比較視点の各々において同一の前記ピクセルが同様の奥行きで復元されているため、前記対象視点の前記ピクセルをアーチファクトではないと判定し、前記差分が前記第1閾値を超え、かつ前記第2閾値未満である場合、前記対象視点及び前記比較視点の各々において同一の前記ピクセルが異なった奥行きで復元されているため、前記対象視点の前記ピクセルをアーチファクトであると判定し、前記差分が前記第2閾値以上である場合、前記対象視点の前記ピクセルが前記対象視点の前記ピクセルと異なる領域の前記ピクセルであるとして、前記対象視点の前記ピクセルをアーチファクトでないと判定することを特徴とする。
本発明のデプスマップ生成装置は、前記アーチファクト除去部が、前記対象視点と前記比較視点との復元された前記ピクセルに対する視差角が予め設定した第3閾値未満の場合、前記比較視点を前記対象視点との比較に用いないと判定することを特徴とする。
本発明のデプスマップ生成装置は、複数の異なる前記視点の前記画像からのデプスマップを生成する際、前記画像間のピクセルのマッチング処理が前記ピクセルの分解能を徐々に上げる階層的探索により行われており、前記階層的探索における各階層の前記マッチング処理の終了後の前記デプスマップに対し、重み付きメディアンフィルタを用いて前記デプスマップにおける前記ピクセル毎の奥行きの数値を補正することを特徴とする。
本発明のデプスマップ生成装置は、前記重み付きメディアンフィルタのウインドウにおける前記ピクセルの各々の重み数値が、対象とするピクセルとの距離、前記階層の画像における前記ピクセルの輝度値及び位相限定相関関数のピーク値に対応して設定されていることを特徴とする。
本発明のデプスマップ生成方法は、デプスマップ生成部が、多視点ステレオアルゴリズムに基づき、位相限定相関法を用いて複数の異なる視点の画像からデプスマップを生成するデプスマップ生成過程と、誤対応点除去部が、正対応点のラベルの正対応点ノード及び誤対応点のラベルの誤対応点ノードの各々に対し、誤対応点の検出を行う対象である対象視点のピクセルに対応するノードから接続させるエッジ各々に対し、当該ピクセルと当該対象視点の近傍の他の視点である参照視点の対応するピクセルとの比較による第1重み付け数の付与を行い、また、当該対象視点におけるピクセルのノードと当該ピクセルに隣接する他の隣接ピクセルのノードとを接続するエッジに対し、前記対象視点におけるピクセル及び前記隣接ピクセル間の奥行きの差分に対応する第2重み付け数を付与して生成したグラフに対し、当該グラフを切断するグラフカットの切断線が通る前記エッジの重み付け数の積算値が最小となるように行い、前記グラフにおける前記ノードの各々を前記正対応点あるいは前記誤対応点の前記ラベルに振り分け、誤対応点を除去する誤対応点除去過程と、を含み、前記第1重み付け数が、前記正対応点のノード及び前記ピクセルに対応するノード間を接続するエッジに対する第1A重み付け数と、前記ピクセルに対応するノード及び前記誤対応点のノードを接続するエッジに対する第1B重み付け数とから構成され、前記第1A重み付け数が、前記他の視点との間における位相限定相関関数のピーク値に対応した数値とし、相関値が高いほど数値が高く設定され、前記第1B重み付け数が、近傍の他の視点である参照視点とにおける同一のピクセルの奥行きの差分に対応した数値とし、差分が大きくなるほど数値が高く設定され、前記第2重み付け数が同一の前記視点における隣接するピクセルのノードとの奥行きの差分が小さいほど数値が高く設定されていることを特徴とする。
本発明のプログラムは、コンピュータを、多視点ステレオアルゴリズムに基づき、位相限定相関法を用いて複数の異なる視点の画像からデプスマップを生成するデプスマップ生成手段、正対応点のラベルの正対応点ノード及び誤対応点のラベルの誤対応点ノードの各々に対し、誤対応点の検出を行う対象である対象視点のピクセルに対応するノードから接続させるエッジ各々に対し、当該ピクセルと当該対象視点の近傍の他の視点である参照視点の対応するピクセルとの比較による第1重み付け数の付与を行い、また、当該対象視点におけるピクセルのノードと当該ピクセルに隣接する他の隣接ピクセルのノードとを接続するエッジに対し、前記対象視点におけるピクセル及び前記隣接ピクセル間の奥行きの差分に対応する第2重み付け数を付与して生成したグラフに対し、当該グラフを切断するグラフカットの切断線が通る前記エッジの重み付け数の積算値が最小となるように行い、前記グラフにおける前記ノードの各々を前記正対応点あるいは前記誤対応点の前記ラベルに振り分け、誤対応点を除去する誤対応点除去手段、として動作させるためのプログラムであり、前記第1重み付け数が、前記正対応点のノード及び前記ピクセルに対応するノード間を接続するエッジに対する第1A重み付け数と、前記ピクセルに対応するノード及び前記誤対応点のノードを接続するエッジに対する第1B重み付け数とから構成され、前記第1A重み付け数が、前記他の視点との間における位相限定相関関数のピーク値に対応した数値とし、相関値が高いほど数値が高く設定され、前記第1B重み付け数が、近傍の他の視点である参照視点とにおける同一のピクセルの奥行きの差分に対応した数値とし、差分が大きくなるほど数値が高く設定され、前記第2重み付け数が同一の前記視点における隣接するピクセルのノードとの奥行きの差分が小さいほど数値が高く設定されているプログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、3次元点群を生成する際、統合に用いるデプスマップにおける誤対応点を低減させ、3次元復元結果における誤対応点の発生を抑制させるデプスマップ生成装置、デプスマップ生成方法及びプログラムを提供することができる。
本発明の一実施形態における、演算処理装置の構成を表す図である。 本発明の一実施形態における、1次元位相限定相関法の概要を表す図である。 本発明の一実施形態における、3次元点と視差との関係を表す図である。 本発明の一実施形態における、1次元位相限定相関法による相関関数をステレオペア毎に表す図である。 本発明の一実施形態における、演算処理装置のメッシュモデルの生成の動作手順を表すフローチャートである。 本発明の一実施形態における、画像ピラミッドの各階層での関数算出装置の動作手順を表す図である。 本発明の一実施形態における、奥行きの探索手順を表すフローチャートである。 本発明の一実施形態における、ステレオペアのそれぞれに定められたマッチングウィンドウを表す図である。 本発明の一実施形態における、画像ピラミッドの各階層での関数算出装置の動作手順を表すフローチャートである。 画像ピラミッドにおける上層、中層、下層のデプスマップの関係を説明する図である。 デプスマップにおける座標系とウィンドウにおける座標系の関係を示す図である。 デプスマップにおける誤対応点を除去するグラフカットの処理を説明する図である。 デプスマップにおけるグラフカットの処理による誤対応点の除去を示す図である。 アーチファクトが発生した際における複数の視点のデプスマップ間の整合性を説明する図である。 対象の視点のピクセルが正対応点であるかアーチファクトであるかの判定処理を説明する図である。
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、演算処理装置の構成が表されている。演算処理装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、バス400を介して記憶装置200及び出力装置300に接続されている。
演算処理装置100は、多視点画像を記憶装置200から読み込み、これら多視点画像を構成するステレオペアの視差を正規化する。ここで、正規化とは、例えば、同一平面上に設置されていない複数のカメラから物体が撮像されたステレオペアの視差を、参照視点と、参照視点の近傍に仮想的に設置されたカメラからの視点(近傍視点)との視差となるように、カメラパラメータ(例えば、座標系、焦点距離)を用いて、視差を変換することである。正規化の詳細については、図3を用いて後述する。
また、演算処理装置100は、視差が正規化されたステレオペアからマッチングウィンドウを定めて切り出し、切り出したマッチングウィンドウ毎にステレオペアの相関関数を算出する。また、演算処理装置100は、マッチングウィンドウ毎に算出した相関関数のうち、相関値マップcorr及び信頼値マップconfが高い相関関数のみを統合し、統合した相関関数に基づいてデプスマップdepを生成する。ここで、デプスマップとは、多視点画像に撮像されている物体の表面形状の奥行きを表すマップ情報である。また、演算処理装置100は、生成したデプスマップdepに基づいて、物体の表面形状が復元されたメッシュモデルを生成し、生成したメッシュモデルを表すデータを出力装置300に出力する。
以下では、画像信号の位相成分に着目した画像マッチング手法である位置限定相関法(Phase−Only Correlation: POC)に基づく相関関数(以下、「POC関数」という。)が、相関関数の一例として用いられるものとして説明を続ける。
まず、マッチングウィンドウの平行移動量、及び、マッチングウィンドウの視差の倍率を用いて、ステレオペア間の画像変形を表現する場合について説明する。
1次元位相限定相関法(1次元POC)に基づく画像マッチング手法について説明する。
平行化したステレオペアでは、ステレオペアの一方の画像(以下、「参照視点画像」という。)から切り出されたマッチングウィンドウの幅方向と、ステレオペアの他方の画像(以下、「近傍視点画像」という。)から切り出されたマッチングウィンドウの幅方向とが一致する。この場合、切り出された各マッチングウィンドウが1次元方向に並ぶので、演算処理装置100は、1次元POC関数に基づいて、物体表面の注目点が撮像されたマッチングウィンドウにおける対応点の平行移動量を、高精度に算出することができる。
図2には、1次元位相限定相関法の概要が表されている。1次元画像におけるN(Nは、正の整数)個の点について、1次元画像信号f(n)、及び1次元画像信号g(n)が与えられた場合、1次元画像信号f(n) 及び1次元画像信号g(n)間の平行移動量は、1次元POCに基づいて算出される。ここで、1次元画像信号の離散時間インデックスnは、n=−M,…,M(Mは、正の整数)であるとする。また、N=2M+1とする。
1次元画像信号f(n)の1次元離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform: DFT) 結果は、式(1)により表される。また、1次元画像信号g(n) の1次元離散フーリエ変換結果は、式(2)により表される。
ここで、k=−M,…,Mは、離散周波数インデックスである。また、WN=e−j2π/Nは、回転因子である。また、AF (k) 及びAG(k) は、振幅スペクトルである
。また、θF(k)及びθG(k)は、位相スペクトルである。また、正規化相互パワースペクトルR(k)は、式(3)により表される。
ここで、上付き線が付いているG(k)は、G(k)の複素共役である。また、θF(k)−θG(k)は、1次元画像信号f(n) 及び1次元画像信号g(n)間の位相差ス
ペクトルである。
また、1次元POC関数r(n)は、正規化相互パワースペクトルR(k)の1次元逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform: IDFT) として、式(4)により表される。
ステレオペアである1次元画像信号f(n)及び1次元画像信号g(n)が、微小な平行移動量δだけ互いに平行移動した関係にある場合、1次元画像信号f(n) 及び1次元画像信号g(n) のPOC関数r(n) は、式(5)により表される。
式(5)は、1次元画像信号が平行移動量δだけ微小に平行移動した場合のPOC関数の一般形を表している。ここで、αは、相関ピークの高さ(ピーク値)を表現するために導入されたパラメータである。無相関なノイズが画像に加わると、相関ピークの高さαの値が減少するため、実際にはα≦1となる。この場合、POC関数の相関ピークの高さαは、1次元画像信号f(n) 及び1次元画像信号g(n)の類似度の指標に相当する。また、相関ピークの位置座標は、1次元画像信号f(n) 及び1次元画像信号g(n) の平行移動量δに相当する。
したがって、1次元画像信号間の類似度は、相関ピークの高さαに基づいて算出される。また、1次元画像信号間の平行移動量δは、相関ピークの位置座標に基づいて、サブピクセル精度で算出される。
実際の多視点画像では、視点の基線長の変化に伴う歪み、及びデジタル画像に生じるノイズの影響により、平行移動量δに推定誤差が生じることがある。そこで、1次元POC関数を用いて平行移動量δを算出する際に重要となる各種の高精度化手法について、以下に説明する。
1次元離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)では、信号波形が周期的に循環することを仮定するため、信号波形の端点での不連続性が問題となる。この不連続性の影響を軽減するため、1次元画像信号f(n) 及びg(n) に対して窓関数w(n)を適用する。以下では、窓関数として、式(6)に示す1次元ハニング窓を用いるものとする。
また、自然画像では一般に低周波数成分にエネルギーが集中し、高周波数成分のエネルギーは低周波数成分と比較して小さくなることが知られている。このため、エイリアシング(周波数成分の折り返し)、雑音(ノイズ)、歪みなどの外乱が画像に加わった場合、高周波数成分の信号対雑音比(SN比)は大幅に低下する。
そこで、演算処理装置100(図1を参照)は、信頼性の低い高周波数成分の影響を抑制するため、正規化相互パワースペクトルR(k)を算出する際に、低域通過型のスペクトル重み付け関数H(k)を適用する。以下では、スペクトル重み付け関数として、式(7)に表されるガウス関数を用いるものとする。
ここで、σは、ガウス関数の幅を表す定数である。以下では、一例として、σ=√(0.5)とする。この場合、相関ピークモデルは、式(8)に表されるガウス型になる。
平行移動量δは一般に実数値であるため、POC関数の相関ピークの位置座標は、サンプリング格子点の間、すなわち、画像のピクセル間に存在する。そこで、演算処理装置100は、相関ピークモデルを表す式(8)を、実際に算出されたPOC関数の数値データに対してフィッティングすることにより、画像のピクセル間に存在する相関ピークの位置座標を推定する。この場合、相関ピークの高さα、及び平行移動量δが、フィッティングパラメータとなる。以下では、フィッティング手法の一例として、非線型最小2乗問題の解法の一つである「Levenberg−Marquardt法」を用いるものとする。
演算処理装置100は、POC関数に基づく画像マッチング手法をステレオペア間の対応付けに適用する場合、物体表面の注目点が撮像された画像における対応点の座標を中心にマッチングウィンドウを定めて切り出し、切り出したウィンドウ間のPOC関数を算出する。この場合、わずか1組のウィンドウに基づいてPOC関数の相関ピークの位置座標を高精度に算出することは、ノイズの影響もあることから困難である。
そこで、演算処理装置100は、注目点が撮像された複数のステレオペアからマッチングウィンドウをそれぞれ定めて切り出し、切り出した複数のマッチングウィンドウから1次元画像信号を抽出する。また、1次元画像信号に基づく1次元POC関数は、複数のステレオペアに基づいて平均化されることで統合される。以下、平均化されたPOC関数を「平均POC関数」という。相関ピークα及び平行移動量δの算出に平均POC関数を用いることで、ノイズの影響を抑えることが可能となる。
以上が、1次元位相限定相関法(1次元POC)に基づく画像マッチング手法についての説明である。
図1に戻り、演算処理装置100の構成の説明を続ける。演算処理装置100は、関数算出装置110と、デプスマップ生成装置120と、メッシュモデル生成装置130とを備える。関数算出装置110は、POC関数の相関ピークの位置座標、すなわち、マッチングウィンドウの平行移動量δに基づいて、画像に撮像された3次元点(注目点)の座標を算出する。関数算出装置110は、正規化部111と、ウィンドウ設定部112と、関数算出部113と、関数統合部114とを備える。
正規化部111は、ステレオペアを構成する参照視点画像及び近傍視点画像を平行化する。また、正規化部111は、注目ピクセル及びカメラパラメータに基づいて、複数のステレオペアの視差を正規化する。複数のステレオペアの視差を正規化することにより、関数算出装置110は、カメラが同一平面上に設置されていない場合でも、相関関数を統合することができる。
正規化部111は、カメラパラメータ(例えば、座標系、焦点距離)が既知である多視点画像V={V,…,VF−1}のうち、参照視点画像V∈Vと、その近傍の視点から撮像された近傍視点画像C={C,…,CK−1}⊂V−{V}とを、記憶装置200から読み込む。ここで、Fは、多視点画像の枚数である。また、Kは、近傍視点画像Cの枚数である。
正規化部111は、近傍視点画像Cのいずれかと参照視点画像Vとの組から成るK組のステレオペアを、カメラパラメータにより平行化する。また、関数算出装置110は、平行化したステレオペアを構成する参照視点画像及び近傍視点画像からマッチングウィンドウを定めて切り出し、切り出したマッチングウィンドウの視差を正規化する。
正規化部111は、ステレオペアから切り出されたマッチングウィンドウの視差を、次のように正規化する。ここで、予め定められた世界座標と一致するように、参照視点画像Vのカメラ座標が予め定められる。
正規化部111は、平行化したステレオペアV-C(C∈C)におけるマッチングウィンドウの視差を、3次元点M=(X,Y,Z)について算出する場合、参照視点画像V及び近傍視点画像Cを、カメラパラメータにより平行化する。ここで、参照視点画像Vのカメラ座標に対する回転行列Riは、式(9)により表される。
この場合、平行化したステレオペアにおける3次元点Mi=(Xi,Yi,Zi)と、3次元点Mとの関係は、式(10)により表される。
また、平行化したステレオペアV-Cにおける3次元点Mi=(Xi,Yi,Zi)と、視差dとの関係は、式(11)により表される。
ここで、(ui,vi)は、平行化した参照視点画像Vにおける、3次元点Miの対応点のピクセル座標を表す。また、(u0i,v0i)は、平行化した参照視点画像Vにおける画角中心を表す。また、βiは焦点距離を表す。また、Bは、ステレオペア間の基線長を表す。
3次元点Mと視差dとの関係は、式(10)及び式(11)に基づいて、式(12)により表される。
また、参照視点画像Vと近傍視点画像C∈C−{C}との間には、式(13)により示される関係が成り立つ。
また、予め定められた世界座標における3次元点Mの座標は、式(12)及び式(13)に基づいて、式(14)〜(16)により表される。
平行化したステレオペアV-Ciの視差dと、平行化したステレオペアV-Cの視差dとには、式(17)により表される関係が成り立つ。
したがって、平行化したステレオペアV-Cにおける視差dと、平行化したステレオペアV-Cにおける視差dとは、参照視点画像Vにおける対応点のピクセル座標と、カメラパラメータとに依存する視差の倍率sにより関係付けられる。ここで、カメラパラメータは、焦点距離βi、及びステレオペア間の基線長Bである。
つまり、正規化された視差dは、各ステレオペアの視差の倍率sが考慮されることにより定められる。平行化したステレオペアV-C(i=0,…,K−1) が与えられた場合、平行化した各ステレオペアの視差dと、正規化された視差dとには、式(18)により表される関係が成り立つ。式(18)により、正規化部111は、平行化したステレオペアの視差を正規化する。
ここで、siは、平行化した各ステレオペアの視差の倍率である。また、平行化していない参照視点画像Vにおける対応点のピクセル座標(u,v)について、平行化した各ステレオペアの視差の倍率siは、式(17)に基づいて式(19)により表される。
ここで、|s|は、式(20)により表される。
この場合、平行化したステレオペアV-Cにおける3次元点Miは、式(21)により表される。
また、ウィンドウ設定部112は、視差を正規化したステレオペアについて、物体表面の注目点が撮像された画像における対応点を中心に、マッチングウィンドウを定める。また、関数算出部113は、ウィンドウ設定部112が定めたマッチングウィンドウの間のPOC関数を算出する。また、関数統合部114は、関数算出部113が算出した複数のPOC関数を統合する。
図3には、3次元点と視差との関係が表されている。平行化したステレオペアV-C(C∈C)における視差は、3次元点M及び参照視点画像Vを通る視線方向に、3次元点Mから微小量ΔM=(ΔX,ΔY,ΔZ)だけずれた位置に在る点M’(=M+ΔM)に基づいて定められる。
この場合、3次元点M’は、平行化したステレオペアV-Cにおける視差dと、式(12)とに基づいて、式(22)により表される。
ここで、平行化したステレオペアV-Cにおける、真の位置に在る3次元点Mの視差dに対して、3次元点Mの視差dに誤差δが生じた場合、3次元点Mの視差dと、3次元点M’の視差d’とには、式(23)により表される関係が成り立つ。
局所的な画像変形は平行移動による画像変形のみであると仮定した場合、参照視点画像Vにおける対応点を中心に定めて切り出したマッチングウィンドウfと、近傍視点画像Cにおける対応点を中心に定めて切り出したマッチングウィンドウgとの平行移動量δは、マッチングウィンドウf及びマッチングウィンドウg間の1次元POC関数の相関ピークの位置座標に基づいて算出される。
ここで、平行化したステレオペアV-Cにおける平行移動量δiと、平行化したステレオペアV-C(C∈C−{C}) における平行移動量δj とが一致しない場合には、平行化したステレオペアV-Cに基づく相関ピークの位置座標と、平行化したステレオペアV-Cに基づく相関ピークの位置座標とは、一致しない。
例えば、図3では、平行化したステレオペアV‐Cの基線長Bよりも、平行化したステレオペアV‐Cの基線長B1の方が長い。このため、奥行き方向への同じ変化量ΔZに対しては、平行化したステレオペアV‐Cにおける対応点の平行移動量δは、平行化したステレオペアV‐Cにおける対応点の平行移動量δ0より大きい。
図1に戻り、演算処理装置100の構成の説明を続ける。ウィンドウ設定部112は、平行化した各ステレオペアから定めて切り出したマッチングウィンドウを、正規化された視差に基づいて拡大又は縮小する。関数算出部113は、ウィンドウ設定部112が定めて切り出したマッチングウィンドウの間の1次元POC関数を算出する。
関数統合部114は、関数算出部113が算出した1次元POC関数をステレオペア間で平均化することにより、1次元POC関数を統合する。これにより、マッチングウィンドウ毎に算出された1次元POC関数の相関ピークの位置座標は、ステレオペア間で統一される。ここで、3次元点Mについて正規化された視差dと、3次元点M’について正規化された視差d’(=d+δ)とに基づいて、3次元点M’は、式(24)により表される。
したがって、平行化したステレオペアV‐Ciにおける対応点を中心に切り出したマッチングウィンドウfと、近傍視点画像Cにおける対応点を中心に切り出したマッチングウィンドウgとの平行移動量は、siδとなる。そこで、マッチングウィンドウf及びマッチングウィンドウgのウィンドウサイズは、それぞれsiwと定められる。ウィンドウサイズwは、予め定められた基準サイズである。
また、ウィンドウサイズsiwが(1/si)倍に拡大又は縮小されることで、1次元画像信号のマッチングウィンドウのウィンドウサイズは、ウィンドウサイズwに共通化される。以下、ウィンドウサイズsiwが(1/si)倍に拡大又は縮小されたマッチングウィンドウfを、マッチングウィンドウfi’と表記する。同様に、ウィンドウサイズsiwが(1/si)倍に拡大又は縮小されたマッチングウィンドウgを、マッチングウィンドウgi’と表記する。
マッチングウィンドウf’及びマッチングウィンドウg’に基づいて算出された1次元POC関数の相関ピークの位置座標は、マッチングウィンドウf’及びマッチングウィンドウg’間の平行移動量δに相当する。ここで、平行化したステレオペアV‐C(C∈C−{C})から切り出したマッチングウィンドウのサイズは、ウィンドウサイズsjwである。平行化したステレオペアV‐Cの1次元POC関数の相関ピークは、ウィンドウサイズsiwとは異なるウィンドウサイズsjwが(1/sj)倍に拡大又は縮小されることで、平行化したステレオペアV‐Cの1次元POC関数の相関ピークと一致するようになる。
また、ウィンドウ設定部112は、上記に説明したマッチングウィンドウの拡大又は縮小に加えて、対象物体の表面形状に応じたウィンドウサイズとなるように、マッチングウィンドウをさらに拡大又は縮小してもよい。
また、ウィンドウ設定部112は、上記に説明したマッチングウィンドウの拡大又は縮小の倍率を決定する際に、ウィンドウサイズ(倍率)を変化させた複数のマッチングウィンドウ毎に画像マッチングを実行し、1次元POC関数の相関ピークが最も高くなるウィンドウサイズを採用してもよい。
なお、多視点画像に基づいて3次元復元することを考慮すれば、複数のステレオペアにおいて、それぞれの左右の画像から切り出されたマッチングウィンドウのウィンドウサイズには、ステレオペア間で互いに関係性がある(例えば、近い位置に在るステレオペア同士では、同じようなウィンドウサイズとなる)。そこで、ウィンドウ設定部112は、3視点以上の多視点画像に基づいて、他のステレオペアのウィンドウサイズを互いに比較することにより、マッチングウィンドウのサイズに制約を加えてもよい。
図4には、1次元位相限定相関法による相関関数(1次元POC関数)が、ステレオペア毎に表されている。図4(a)には、正規化された視差の倍率sが考慮されず、平行化したすべてのステレオペアから、同じウィンドウサイズwでマッチングウィンドウを切り出した場合における、1次元POC関数が表されている。この場合、マッチングウィンドウの間の平行移動量δは、ステレオペア毎に異なる。すなわち、算出された1次元POC関数の相関ピークの位置座標は、ステレオペア間で一致しない。
一方、図4(b)には、正規化された視差の倍率sが考慮され、平行化した各ステレオペアから、同じウィンドウサイズsiwでマッチングウィンドウを切り出した場合における、1次元POC関数が表されている。この場合、正規化された視差の倍率sが考慮されたことで、マッチングウィンドウの間の平行移動量δは、ステレオペア毎で同じになる。すなわち、算出された1次元POC関数の相関ピークの位置座標は、ステレオペア間で一致する。したがって、平行化した各ステレオペアに基づいて算出された1次元POC関数は、位置座標がステレオペア間で一致しているので統合可能である。
関数統合部114は、ステレオペア毎に算出された1次元POC関数を、複数のステレオペア間で平均化することにより統合する。予め定められた世界座標における3次元点M(注目点)の座標は、統合した1次元POC関数の相関ピークの位置座標に基づく平行移動量δを用いて、式(25)により表される。
ここで、オクルージョン(手前に在る物体が、背後に在る物体を隠す状態)により、3次元点Mが近傍視点画像C∈Cに写っていない場合、又は、物体境界において複数の視差を持つ領域からマッチングウィンドウが切り出された場合、そのマッチングウィンドウから算出される1次元POC関数の相関ピークの位置座標に、非常に大きい誤差が生じることが予想される。また、マッチングウィンドウの間の画像変形が平行移動のみによって近似できない場合、そのマッチングウィンドウから算出されるPOC関数の相関ピークの高さαが低くなることが、実験的に知られている。
そこで、関数統合部114は、平均POC関数(統合した1次元POC関数)のうち、相関ピークの高さαが閾値thcorr以上である(画像の類似度が高い)平均POC関数のみを、デプスマップ生成装置120に出力する。
デプスマップ生成装置120は、関数統合部114が出力した平均POC関数に基づいて、デプスマップを生成する。これにより、デプスマップ生成装置は、オクルージョン及び物体境界などの影響を抑えながら、デプスマップを生成することができる。デプスマップ生成装置120は、デプスマップ生成部121と、フィルタ部122と、誤対応点除去部123と、アーチファクト除去部124との各々を備えている。
メッシュモデル生成装置130は、デプスマップ生成装置120が算出したデプスマップに基づいてメッシュモデルを生成し、生成したメッシュモデルを表すデータを記憶装置200及び出力装置300に出力する。
記憶装置200は、参照視点画像Vと、近傍視点画像Cと、デプスマップを表すデータと、メッシュモデルを表すデータとを記憶する。また、記憶装置200は、処理に用いられる各種パラメータ、及びプログラムを記憶する。
出力装置300には、メッシュモデルを表すデータが入力される。出力装置300は、メッシュモデルを表すデータに基づいて、復元された物体の表面形状を表示する。出力装置300は、例えば、液晶ディスプレイ装置である。
次に、関数算出装置の動作手順について説明する。
図5は、演算処理装置のメッシュモデルの生成の動作手順を表すフローチャートである。関数算出装置110の正規化部111(図1を参照)は、参照視点画像V及び近傍視点画像Cを、記憶装置200から読み込む(ステップS1)。正規化部111は、ステレオペアを構成する参照視点画像V及び近傍視点画像Cを平行化し、平行化したステレオペアの視差を正規化する(ステップS2)。
ウィンドウ設定部112(図1を参照)は、ステレオペアから切り出すマッチングウィンドウのウィンドウサイズを、視差の倍率に基づいて拡大又は縮小する(ステップS3)。関数算出部113は(図1を参照)、拡大又は縮小されたマッチングウィンドウの間の1次元POC関数を算出する(ステップS4)。
関数統合部114(図1を参照)は、算出された1次元POC関数のうち、相関ピークの高さが閾値以上である1次元POC関数を統合する(ステップS5)。デプスマップ生成部121(図1を参照)は、統合された1次元POC関数に基づいて、デプスマップを生成する(ステップS6)。メッシュモデル生成装置130は、デプスマップに基づいて、メッシュモデルを生成する(ステップS7)。
<画像ピラミッドを用いて奥行きを探索する方法について>
関数算出装置110は、3次元点Mの奥行きを探索する(座標を算出する)場合、画像ピラミッドを用いた粗密探索を組み合わせてもよい。これにより、デプスマップ生成装置120は、画像ピラミッドを用いない場合と比較して少ないマッチング回数で、3次元点M群の世界座標を表すデプスマップを算出することができる。
奥行き探索処理への入力情報は、参照視点画像Vと、その近傍視点画像C={C0,…,CK−1} である。また、奥行き探索処理からの出力情報は、デプスマップdep(後述するI(u,v))と、相関値マップcorr(後述するIα(u,v))と、信頼値マップconfである。また、デプスマップ算出処理に用いられる各パラメータは、相関ピークの高さの閾値thcorrと、画像ピラミッドの階層数Hと、基準サイズであるウィンドウサイズwと、平均POC関数を算出する処理に用いるライン数Lである。
図6には、画像ピラミッドの各階層での関数算出装置の動作手順が表されている。正規化部111(図1を参照)は、参照視点画像Vと、その近傍の視点から撮像された近傍視点画像Cとを、記憶装置200から読み込む。そして、正規化部111は、ステレオペアV-C(i=0,…,K−1)を平行化する。さらに、関数算出部113は、平行化したステレオペアV-Cの画像ピラミッド(階層画像)を生成する。
以下、平行化したステレオペアV-Cを構成する参照視点画像をVrect,i,0と、近傍視点画像をCrect,i,0と表記する。また、画像ピラミッドの階層h=1,…,H−1について、参照視点画像Vrect,i,0を(2−h)倍した画像を、参照視点画像Vrect,i,hと表記する。また、画像ピラミッドの階層h=1,…,H−1について、近傍視点画像Crect,i,0を(2−h)倍した画像を、近傍視点画像Crect,i,hと表記する。
関数算出部113(図1を参照)は、画像ピラミッドの最上層H−1に対して、画像全体のマッチングを実行することにより、奥行きを探索する開始座標Zinitを定める。
この開始座標Zinitは、参照視点画像Vrect,i,H−1と、近傍視点画像Crect,i,H−1との1次元POC関数の相関ピークの位置座標に基づいて、各ステレオペア(i=0,…,K−1)について視差が算出されることにより定められる。
関数算出部113は、参照視点画像Vにおける任意の点m= (u,v)について、奥行き(デプス)、相関値及び信頼値を算出し、デプスマップdep(m)と、相関値マップcorr(m)と、信頼値マップconf(m)とを、記憶装置200に記憶させる。ここで、関数算出部113は、参照視点画像Vにおける任意の点mの座標を、参照視点画像V上で変化させながら処理を繰り返すことで、デプスマップdep(m)と、相関値マップcorr(m)と、信頼値マップconf(m)とを算出する。
以下、ステレオペアの一方を構成する参照視点画像Vrect,i,h(i=0,…,K−1)に3次元点Miが投影された対応点を、mi,h= (ui,h, vi,h)と表記する。また、ステレオペアの他方を構成する近傍視点画像Crect,i,h(i=0,…,K−1)に3次元点Miが投影された対応点を、m’i,h= (u’i,h,v’i,h) と表記する。
図7は、奥行きの探索手順を表すフローチャートである。正規化部111は、参照視点画像V上の任意の点mにおける視差の倍率si(i=0,…,K−1)を、式(19)に基づいて算出する。この場合、平行化した参照視点画像Vrect,i,0における対応点mi= (ui,vi)は、平行化したステレオペアを構成する画像の変形に用いられる射影行列に基づいて算出される(ステップSa1)。
関数算出部113は、画像ピラミッドの階層h=H−1、及び3次元点M=Minitと初期設定し、世界座標における3次元点Mの座標の探索を、画像ピラミッドの最上層H−1から開始する。ここで、Minitは、参照視点画像Vにおいて、任意の点mの座標を通る視線上で奥行きがZinitの位置に在る3次元点である(ステップSa2)。
ウィンドウ設定部112は、ウィンドウサイズsiw×ライン数Lの大きさで、対応点mi,hを中心に参照視点画像Vrect,i,hからマッチングウィンドウf,hを定めて切り出す。また、ウィンドウ設定部112は、ウィンドウサイズsiw×ライン数Lの大きさで、対応点mi,hを中心に近傍視点画像Vrect,i,hからマッチングウィンドウg,hを定めて切り出す。関数算出部113は、切り出されたマッチングウィンドウf,h及びマッチングウィンドウgi,hに基づいて、1次元POC関数ri,hを算出する(ステップSa3)。
関数統合部114は、1次元POC関数ri,hのうち、相関ピークの高さαi≧閾値thcorrである1次元POC関数を平均化することにより、平均POC関数rave,hを算出する(ステップSa4)。以下、相関ピークの高さαi≧閾値thcorrとなる1次元POC関数の個数を、K’と表記する。
関数統合部114は、平均POC関数rave,hに対して関数フィッティングを実行することにより、平均POC関数の相関ピークの高さαと、平均POC関数の相関ピークの位置座標(平行移動量δに相当)とを算出する。関数統合部114は、平行移動量δ及び式(25)に基づいて、世界座標(参照視点画像のカメラ座標)における3次元点Mの座標を更新する(ステップSa5)。
関数統合部114は、画像ピラミッドの階層が最下層であるか否かを判定する(ステップSa6)。画像ピラミッドの階層が最下層である場合(ステップSa6:Yes)、デプスマップ生成部121は、相関値マップcorr及び信頼値マップconfが閾値以上である3次元点M群のデプスマップを生成する(ステップSa7)。
ここで、デプスマップdep(m)は、階層h=0(最下層)である場合における1次元POC関数rave,0と、3次元点M= (X,Y,Z) とを用いて、式(26)のように予め定義される。同様に、相関値マップcorr(m)は、式(27)のように予め定義される。また、同様に、信頼値マップconf(m)は、式(28)のように予め定義される。
一方、ステップSa6において、画像ピラミッドの階層が最下層でない場合(ステップSa6:No)、関数統合部114は、階層hから値1を減算し、ステップSa3に処理を戻す(ステップSa8)。
以上により、デプスマップ生成部121は、閾値以上である相関値マップcorr及び信頼値マップconfに基づいてデプスマップdepを生成することにより、3次元点M群について信頼性が高い座標を算出することができる。
以上が、マッチングウィンドウの平行移動量、及び、マッチングウィンドウの視差の倍率を用いて、ステレオペア間の画像変形を表現する場合についての説明である。
次に、マッチングウィンドウの平行移動量、及び、マッチングウィンドウの視差の倍率のみならず、マッチングウィンドウの拡大縮小率、及び、マッチングウィンドウのスキュー(歪み)を用いて、ステレオペア間の画像変形を表現する場合について説明する。
ステレオペア間の画像は、撮影された3次元復元対象の物体の表面形状と、カメラの位置関係とに応じて、非線形に変形する。関数算出装置110のウィンドウ設定部112(図1を参照)は、ステレオペア間の画像変形を軽減するように、マッチングウィンドウを定める。より具体的には、ウィンドウ設定部112は、線分に基づく拡大縮小率、及び、法線ベクトルに基づく傾きの少なくとも一方に基づいて、マッチングウィンドウを定める。
これにより、関数算出装置110は、ステレオペア間の基線長が長い場合、又は、3次元復元対象の物体がカメラに対して大きく傾いている場合など、ステレオペア間の画像変形が大きい場合でも、ステレオペアの相関関数を精度良く算出することができる。関数算出装置110は、画像に撮像された3次元点(注目点)の座標を、高精度に算出することができる。また、デプスマップ生成装置120は、高精度な画像マッチングを実行して、デプスマップを生成することができる。
平行化したステレオペア間では、垂直座標軸又は水平座標軸と、エピポーラ線とが平行になっているので、ステレオペア間の画像変形は、1次元方向に限定されている。したがって、3次元復元対象の物体が局所的には平面であると仮定された場合、平行化したステレオペアの参照視点画像Vrect,iと、近傍視点画像Crect,i とのマッチングウィンドウの間の画像変形は、マッチングウィンドウの拡大縮小率、及び、マッチングウィンドウのスキュー(例えば、スキューの傾き)を用いて、表現することができる。
以下では、平行化したステレオペアV-C、すなわち、平行化したステレオペアVrect,i‐Crect,iにおいて、3次元点Mi= [Xi,Yi,Zi]と、3次元点Miの法線ベクトルni= [nX,i, nY,i, nZ,i] とが与えられた場合について、拡大縮小率ξi と、傾きκi とを算出する方法について説明する。
なお、3次元点Miの座標系は、平行化した参照視点画像Vrect,iのカメラ座標系により表現されている。また、法線ベクトルniの座標系も、平行化した参照視点画像Vrect,iのカメラ座標系により表現されている。これら参照視点画像Vrect,iのカメラ座標は、ステレオペアの参照視点画像Vrect,i及び近傍視点画像Crect,iが平行化される際に、その近傍視点画像Crect,iのカメラパラメータに基づいて回転されている。
図8には、ステレオペアのそれぞれに定められたマッチングウィンドウが表されている。図8では、ステレオペアVrect,i‐Crect,iは、エピポーラ線が水平座標軸と平行になるように、平行化されているものとする。また、3次元平面(物体表面)は、カメラに対して大きく傾いているものとする。
まず、拡大縮小率ξiに基づいて画像変形を軽減する場合について、図8を用いて説明する。3次元点Mi及び法線ベクトルniにより定まる3次元平面(物体表面)と、エピポーラ平面との交線上に、3次元点Miを中心とする単位線分が仮定されたとする。
当該単位線分が参照視点画像Vrect,iに投影された線分の長さw1,iは、式(29)により表される。また、当該単位線分が近傍視点画像Crect,iに投影された線分の長さw2,iは、式(30)により表される。
ここで,ψ1,iは、参照視点画像Vrect,iにおける光軸と、視線とが成す角を表す。また、ψ2,iは、近傍視点画像Crect,iにおける光軸と、視線とが成す角を表す。また、φ1,iは、法線ベクトルniがエピポーラ平面に投影された投影ベクトルと、視線とが成す角を表す。また、φ2,iは、法線ベクトルniがエピポーラ平面に投影された投影ベクトルと、視線とが成す角を表す。
当該単位線分が参照視点画像Vrect,iに投影された線分の長さw1,iと、当該単位線分が近傍視点画像Crect,iに投影された線分の長さw2,iとの関係は、式(29)及び式(30)に基づいて、式(31)又は式(32)により表される。
また、マッチングウィンドウの拡大縮小率ξi は、式(33)により表される。なお、エピポーラ線が垂直座標軸と平行になるように、ステレオペアVrect,i‐Crect,iが平行化された場合でも、マッチングウィンドウの拡大縮小率ξi は、式(33)により表される。
ウィンドウ設定部112(図1を参照)は、視差の倍率siと、ウィンドウサイズwとに基づいて、近傍視点画像Crect,iの水平方向(幅方向)のウィンドウサイズをsiwピクセルに、近傍視点画像Crect,iの垂直方向のウィンドウサイズをLピクセルに定める(図8の右下に示すマッチングウィンドウを参照)。
一方、ウィンドウ設定部112は、視差の倍率siと、ウィンドウサイズwと、拡大縮小率ξiとに基づいて、参照視点画像Vrect,iの水平方向(幅方向)のウィンドウサイズをξisiwピクセルに、参照視点画像Vrect,iの垂直方向のウィンドウサイズをLピクセルに定める(図8の左下に示すマッチングウィンドウを参照)。このように、ウィンドウ設定部112は、拡大縮小率ξiに基づいて、ステレオペア間の局所的な画像変形を軽減させることができる。
なお、参照視点画像Vrect,iの水平方向のウィンドウサイズをξi倍する代わりに、近傍視点画像Crect,iの水平方向のウィンドウサイズを1/ξi倍した場合には、1次元POC関数ri,hの相関ピークの位置座標は、ξi倍されることになる。このため、他のステレオペアVrect,j‐Crect,j(j∈{1,…,K−1}−{i})に基づいて算出された1次元POC関数rj,hの相関ピークの位置座標は、1次元POC関数ri,hの相関ピークの位置座標と一致しなくなる。
次に、傾きκiに基づいて画像変形を軽減する場合について、図8を用いて説明する。
3次元点Mi及び法線ベクトルniにより定まる3次元平面(物体表面)上に、直線を仮定する。この直線は、参照視点画像Vrect,iに投影された場合に、参照視点画像Vrect,iにおける3次元点Miの対応点mi= [ui,vi] を通り、垂直座標軸に平行となるように、3次元平面(物体表面)上に仮定される。
このように3次元平面上に仮定された直線は、近傍視点画像Crect,iにおける3次元点Miの対応点mC= [uC,vi] を通り、傾きκiを有する直線として、近
傍視点画像Crect,iに投影されることになる。この3次元平面上に仮定された直線は,式(34)を満たす[X,Y,Z] により表される。
ここで、座標(u0i,v0i)は、参照視点画像Vrect,iの中心座標を表す。
また、βiは、参照視点画像Vrect,iの焦点距離を表す。また、||tcam,i||は、ステレオペア間の基線長を表す。また、v’iは、参照視点画像Vrect,i上の任意の垂直座標を表す。
図8に示されているように、近傍視点画像Crect,iが参照視点画像Vrect,iに対してX軸正方向にある場合、傾きκiについて式(34)を解くことにより、式(35)が得られる。
一方、近傍視点画像Crect,iが参照視点画像Vrect,iに対してX軸負方向にある場合、傾きκiの正負が逆転する。したがって、式(35)は、より一般的に、式(36)により表される。なお、エピポーラ線が垂直座標軸と平行になるように、ステレオペアVrect,i‐Crect,iが平行化された場合でも、傾きκiは、式(33)により表される。
ウィンドウ設定部112は、近傍視点画像Crect,iにおけるマッチングウィンドウを、例えば、スキューの傾きがκiとなるように定める。また、ウィンドウ設定部112は、エピポーラ線と直交する座標軸と、マッチングウィンドウの中心座標との位置ずれに基づいて、マッチングウィンドウを構成する各ラインの中心座標を定める。このように、ウィンドウ設定部112は、ステレオペア間の局所的な画像変形を軽減させるように、傾きκiに基づいて、マッチングウィンドウを定める。
関数統合部114(図1を参照)は、拡大縮小率ξi及び傾きκiに基づいてステレオペア毎に算出された1次元POC関数を、複数のステレオペア間で平均化することにより統合する。関数統合部114は、平均POC関数(統合した1次元POC関数)のうち、相関ピークの高さαが閾値thcorr以上である(画像の類似度が高い)平均POC関数のみを、デプスマップ生成装置120(図1を参照)に出力する。
デプスマップ生成装置120は、関数統合部114が出力した平均POC関数に基づいて、プレーンスイーピングを用いた奥行き探索と、画像ピラミッドを用いた階層的探索とにより、多視点画像からデプスマップ(後述するI(u,v))を生成する。
<画像ピラミッドを用いて奥行きを探索する方法について>
図9は、画像ピラミッドの各階層での関数算出装置の動作手順を表すフローチャートである。
(ステップSb1)正規化部111(図1を参照)は、カメラパラメータが既知である参照視点画像Vrect,iと、カメラパラメータが既知である近傍視点画像Crect,iとを、記憶装置200から読み込む。正規化部111は、K組の平行化したステレオペアVrect,i‐Crect,i(i=0,…,K−1)を生成する。ここで、正規化部111は、K組の平行化したステレオペアVrect,i‐Crect,i(i=0,…,K−1)について、階層毎に2分の1ずつ画像を縮小した階層数Hの画像ピラミッドを生成する。
(ステップSb2)正規化部111は、参照視点画像Vrect,i上の座標mi= [ui,vi] について、各ステレオペアにおける視差の倍率siを算出する。
(ステップSb3)3次元復元対象の3次元平面(物体表面)の法線ベクトルniが算出されていないため、関数統合部114(図1を参照)は、画像ピラミッドの最上層H−1で、3次元点Miの奥行きと、法線ベクトルniとを変化させながら、平均POC関数rave,hを算出する(画像マッチング)。
ここで、3次元点Miの奥行きを変化させる刻み幅は、ウィンドウサイズwの4分の1に相当する長さでもよい。また、参照視点画像Vrect,iに正対する法線ベクトルniを基準に、X軸及びY軸回りに±(π/8)の範囲で回転させた9個の法線ベクトルnについて、平均POC関数rave,hが算出されてもよい。
(ステップSb4)関数統合部114は、平均POC関数の相関ピークの高さαiが最も高くなる3次元点Miの奥行き、及び法線ベクトルniを選択する。また、関数統合部114は、平均POC関数rave,hの相関ピークの位置座標に基づいて、3次元点Miの奥行きを更新する。なお、法線ベクトルniは、選択された法線ベクトルniを基準にして、より精度良く定められてもよい。
(ステップSb5)関数統合部114は、最上層H−1で選択した法線ベクトルniに基づいて、ステレオペア間の平均POC関数rave,hを算出し、平均POC関数の相関ピークの高さαiが最も高くなる3次元点Miの奥行きを更新する。また、関数統合部114は、平均POC関数rave,hの相関ピークの位置座標に基づいて、3次元点Miの奥行きを更新する。
(ステップSb6)関数統合部114は、画像ピラミッドの階層が最下層h=0であるか否かを判定するを判定する。画像ピラミッドの階層が最下層である場合(ステップSb6:Yes)、関数統合部114は、ステップSb8に処理を進める。一方、画像ピラミッドの階層が最下層でない場合(ステップSb6:No)、関数算出部113は、ステップSb7に処理を進める。
(ステップSb7)関数統合部114は、階層hから値1を減算し(一つ下の階層に処理を移動させ)、ステップSb5に処理を戻す。
(ステップSb8)関数統合部114は、更新された3次元点Miの奥行きを、座標miに対応する3次元点Miの奥行きと定める。
(ステップSb9)関数統合部114は、参照視点画像Vrect,i上の全ての座標miについて、3次元点Miの奥行きを定めたか否かを判定する。参照視点画像Vrect,i上の全ての座標miについて、3次元点Miの奥行きを定めた場合(ステップSb9:Yes)、関数統合部114は、平均POC関数(統合した1次元POC関数)のうち、相関ピークの高さαが閾値thcorr以上である(画像の類似度が高い)平均POC関数のみを、デプスマップ生成装置120に出力し、処理を終了する。一方、参照視点画像Vrect,i上のいずれかの座標miについて、3次元点Miの奥行きを定めていない場合(ステップSb9:No)、関数統合部114は、ステップSb2に処理を戻す。
関数算出装置110は、奥行きを探索する参照視点画像Vrect,iを変更し、その参照視点画像Vrect,iについても、同様に処理を実行する。デプスマップ生成装置120(デプスマップ生成部121)は、関数統合部114が出力した平均POC関数に基づいて、デプスマップを生成する。
<重み付けメディアンフィルタを用いた欠如したピクセルの修復>
上述した画像ピラミッドを用いた階層的探索においては、上層の1個のピクセルのマッチング結果が、下層の複数個のピクセルに対して影響を与える。このため、上層におけるピクセルの誤対応が最終的なデプスマップの多くのピクセルの誤対応の原因となってしまう。また、上位の層ほど相対的に、画像サイズに対するウィンドウサイズが大きくなっていくため,物体境界やオクルージョン境界の影響うける範囲が大きくなる。この問題に対して、本実施形態においては、重み付きメディアンフィルタを用いることで、デプスマップの高精度化を行う。これにより、本実施形態においては、重み付きメディアンフィルタを用いることで、孤立した誤対応点と、物体境界及びオクルージョン境界におけるアーチファクトとの修正を行っている。
すなわち、本実施形態においては、上層のマッチングにおけるピクセルの欠如に対応して、上述した重み付きメディアンフィルタによる修復処理を行うことにより、上層において突発的に発生した誤対応や、物体境界及びオクルージョン境界付近で発生するアーチファクトの影響が下層に伝搬することを抑制する。
また、本実施形態においては、最終的なデプスマップに対し、MVS(Multi View Stereo;多視点ステレオ)のためのPOC(Phase Only Correlation;位相限定相関法)に基づき、ウィンドウマッチングによる奥行き推定結果そのものを用いるため、重み付きメディアンフィルタを使用したマップ値の更新を行わない。
画像ピラミッドにおける各階層毎に、デプスマップI (u,v)(デプスマップdep)、相関値マップIα (u,v)(相関値マップcorr)、法線ベクトルマップIΨ (u,v)、法線ベクトルマップIφ (u,v)の各々が生成される毎に、重み付きメディアンフィルタを用いて、デプスマップI (u,v)、相関値マップIα (u,v)、法線ベクトルマップIΨ (u,v)の各々において、マッチング処理において欠如したピクセルの修復を行う。デプスマップI (u,v)、相関値マップIα (u,v)、法線ベクトルマップIΨ (u,v)の各々において、符号hが画像ピラミッドにおける対応する階層を示している。ここで、u及びvの各々は、X軸、Y軸及びZ軸からなる3次元空間における2次元平面を形成するX軸及びY軸上の座標値を示している。
図10は、画像ピラミッドにおける上層、中層、下層のデプスマップの関係を説明する図である。図10において、上層のデプスマップI H−1(u,v)、中層のデプスマップI (u,v)、下層のデプスマップI (u,v)の各々は、画像ピラミッドを構成している。上層のデプスマップI H−1(u,v)でマッチングした1個のピクセルが、中層のデプスマップI (u,v)では4個のピクセルとなる。また、中層のデプスマップI (u,v)でマッチングした1個のピクセルが、下層のデプスマップI (u,v)では4個のピクセルとなる。このため、上層のデプスマップI H−1(u,v)でマッチングした1個のピクセルが、下層のデプスマップI (u,v)では16個のピクセルとなる。図10における例では、元の画像データである下層を、上位になるに従って縦横2ピクセルずつの縮小を行い、ピクセル毎のマッチング処理を行っている。縦横nピクセルずつの縮小の場合、下位に行くに従い、n2単位でピクセル数が増加するため、上位の層の1個のピクセルの欠如が、下層に伝搬するに従って、多数のピクセルの欠如となる。他の相関値マップIα (u,v)及び法線ベクトルマップIΨ (u,v)も、画像ピラミッドにおいて同様である。
本実施形態においては、重み付きメディアンフィルタにおける重み関数としては、原画像におけるバイラテラル重み(ガウシアンフィルタのカーネルに輝度差に基づいた重み)と、相関値マップの対応するピクセルの相関値との積を用いる。
以下においては、階層hにおけるデプスマップI (u,v)を例として、本実施形態における重み付きメディアンフィルタについて説明する。
本実施形態における重み付きメディアンフィルタは、フィルタリングを行う対象のピクセルである対象ピクセルの数値(デプスマップの奥行きの数値)を、この対象ピクセルを中心とした周辺領域における他のピクセルの数値(デプスマップの奥行きの数値)の重み付け中央値で決定するフィルタである。
重み付き中央値の算出において、小さいあるいは大きい順にソートされた数列(ak=0,1,…,N−1と、各要素(ピクセルの位置に対応)の重み(ωk=0,1,…,N−1との各々が与えられた際に、数列(ak)の重み付き中央値amedは、以下の(37)式により求める。(37)式において、n及びlの各々は数列の項の番号を示している。ここで、lは対象となるピクセルの数列における項の番号を示す。
重み付きメディアンフィルタでは、欠如してデータを修復する対象ピクセルに対し、この対象ピクセル周辺(予め設定された対象ピクセルを中心とする他のピクセルを含む範囲の領域)の他のピクセルのマップ値Imed(i,j)とその重みwmed(i,j)との各々を、小さい順番あるいは大きい順番にソートする。そして、ソートした数列及び各要素の重み(w)として、重み付き中央値amedを求める。ここで、(i,j)はメディアンフィルタのウィンドウ内の座標であり、i=−Mω、…、Mωであり、j=−Mω、…、Mωであり、ウィンドウサイズはNω×Nω(Nω=2Mω+1)ピクセルである。
図11は、デプスマップにおける座標系とウィンドウにおける座標系の関係を示す図である。図11において、中層のデプスマップI (u,v)は、縦uピクセル×横vピクセルの各々のピクセルの奥行きを示している。ここで、重み付けメディアンフィルタのウィンドウ(Window)は、マップ値Imed(i,j)に対応している。マップ値Imed(i,j)において、上述したように、i=−Mω、…、Mωであり、j=−Mω、…、Mωである。ウィンドウのウィンドウサイズ(ピクセル数)はNω×Nω(Nω=2Mω+1)である。
ここで、階層h(中層)のデプスマップI (u,v)の座標系における対象ピクセルのピクセル座標(u’,v’)とウィンドウ内の座標系におけるマップ値Imed(i,j)との対応関係は、以下の(38)式により表す。
また、重みωmed(i,j)は、以下の(39)式により表す。
(39)式において、対象ピクセルのピクセル座標(u’,v’)は、デプスマップI (u,v)の座標系における重み付きメディアンフィルタのウィンドウ中心のピクセルを示している。I (u,v)は、画像ピラミッドの階層hにおける対象視点のカメラで撮像された画像データの各ピクセルの輝度値を示している。また、σω1及びσω2の各々は、それぞれ任意のパラメータである。
上述した(32)式は、以下に示す3個の仮定を元に形成されている。
・同一画像データ内において対象ピクセル近傍(所定の範囲内の座標値)の他のピクセル値はデプスマップにおける奥行きが近い数値である。
・同一画像データ内において対象ピクセルの輝度値と近い輝度値を有する他のピクセルとは、デプスマップにおける奥行きの数値が近い。
・POC関数のピーク値が低いピクセルほど、デプスマップにおける奥行きの数値の信頼性が低い。
上記(38)式及び(39)式の各々において、デプスマップI (u,v)及び輝度値I (u,v)それぞれの画像外の奥行き、輝度値の値を0とする。
上述したウィンドウ内の各ピクセルのマップ値Imed(i,j)を用いて、マップ値(例えば奥行きの数値)をソートして、数列(a)を生成する。ウィンドウ内の各ピクセルの重みωmed(i,j)を用いて、重みωmed(i,j)をソートして、重み数列(ω)を生成する。そして、数列(a)及び重み数列(ω)を(37)式に代入し、重み付き中央値amedを算出し、重み付きメディアンフィルタのフィルタリングによるデプスマップI (u,v)におけるピクセル座標(u’,v’)の対象ピクセルの奥行きの数値とする。以下に示す(40)式による代入処理を行う。
上述した重み付きメディアンフィルタを用いたデプスマップI (u,v)の更新処理、すなわち、対象ピクセルとしてのピクセル座標(u’,v’)を順次変化させ、デプスマップI (u,v)における全てのピクセルの重み付き中央値amedを算出し、ピクセル各々のマップ値を算出した重み付き中央値に更新する。
また、上述の説明としては、デプスマップI (u,v)を例として行ったが、相関値マップIα (u,v)、法線ベクトルマップIΨ (u,v)の各々についても、重み付きメディアンフィルタを用い、デプスマップI (u,v)に対してと同様なマップ値の更新処理、ずなわち、それぞれのマップを更新する処理を行う。このとき、重み付きメディアンフィルタにおいて、ウィンドウ内のマップ値Imed(i,j)はそれぞれのマップの数値、例えば相関値マップIα (u,v)の場合、マップ値として相関値を、(38)式に対応する式に代入する。同様に、法線ベクトルマップIΨ (u,v)の場合、マップ値として法線ベクトルを、(38)式に対応する式に代入する。
上述したように、本実施形態によれば、画像ピラミッドにおける最下層以外、全ての階層において、重み付きメディアンフィルタにより、デプスマップI (u,v)、相関値マップIα (u,v)及び法線ベクトルマップIΨ (u,v)の各々のマップのマップ値を更新するため、ウィンドウマッチングによって発生したピクセルの欠如を修復することができ、上層のマップにおけるピクセルの欠如の影響を、下層のマップに対して伝搬させることを抑制することが可能となる。
<デプスマップにおける誤対応点の除去>
ここで、デプスマップ生成装置120における誤対応点除去部123は、以下に示す誤対応点除去処理及びアーチファクト除去処理により、各視点のデプスマップ(デプスマップ生成部121が生成したデプスマップdep)における誤対応点の除去と、各視点のデプスマップにおけるアーチファクトの除去を行う(提案手法)。上述したデプスマップ生成部121が生成したデプスマップdepを、デプスマップI(u,v)として以下において説明する。
・誤対応点除去処理
本処理方法においては、グラフカットの手法を用いて誤対応点の除去を行う。ある視点のデプスマップにおいて誤対応点であっても、同一の3次元座標(世界座標)の座標点を復元する別の視点(近傍にある他の視点)のデプスマップにおいては、誤対応点とならない可能性がある。このため、本実施形態における誤対応点除去処理は、誤対応点の評価対象の対象視点のデプスマップについて、カメラ位置の近い近傍の他の視点である参照視点のデプスマップとの整合性を取ることにより、対象視点におけるデプスマップの誤対応点を除去する処理を行っている。特に、上述したような画像ピラミッドの階層における階層的探索を用いるデプスマップ生成は、誤対応点が画像ピラミッドの上層から下層となるに従って広がり、下層のデプスマップ上でクラスタ状に発生し易い。
したがって、本実施形態においては、画像ピラミッドの下層においてクラスタ状に発生した誤対応点について、誤対応点の発生した視点(対象視点)と、近傍の他の視点(参照視点)との整合性を取るため、グラフ理論におけるグラフカットを用いた誤対応点除去を行う。
グラフカットは、Sノード(Source node:lnlier)とTノード(Sink node:Outlier)とを含む重み付き有向グラフにおいて、S−Tカットを求めて、Sノード及びTノードの各々の2値のラベリングを行う手法である。ここで、S−T カットとは、Sノードからピクセルに対応するノードに向かうエッジ、あるいは各ピクセルに対応するノードからTノードに向かうエッジの重みが最小となるカットラインを求めて、SまたはTの2値のラベリングを行う。
このとき、上記有向グラフのエッジの重みに対して、エネルギー関数の各項を割り当てて、エネルギー最小化問題を解くことにより、S−Tカットを行っている。また、S−Tカットを画像処理に適用する場合、対象のノードであるピクセルの近傍にある他のピクセルとの連結関係を考慮する必要もある。
図12は、デプスマップI(u,v)における誤対応点を除去するグラフカットの処理を説明する図である。図12においては、グラフカットするグラフが示されている。すなわち、対象となる視点V∈Vにおいて、デプスマップI(u,v)上の各々のピクセル座標(u,v)のピクセルmのノード(Node:each pixel)が正対応点(正しい3次元復元点)であるか、または誤対応点であるか(誤った3次元復元点)かであるかの2値のラベリング問題をグラフカットにより解く。図12において、各ノードがピクセルmを示しており、Sノード(Source node)が正対応(Inlier)のラベルとし、Tノード(Sink node)が誤対応(Outlier)のラベルとしている。各ノードであるピクセルに対してSノードから延びるエッジ(edge1)と、各ピクセルからTノードに延びるエッジ(edge2)が示されている。
また、隣接する他のピクセルとの連結関係のため、対象とするピクセルと、この対象のピクセルに対して隣接する近傍の4つのピクセルの各々の4個のピクセル)との間について対応するノード間に双方向のエッジ(edge3)を加える。上述した4つのピクセルは、例えば、3次元座標において、対象のピクセルのピクセル座標(u,v)に対して、上下左右に隣接するピクセルのピクセル座標(u−1,v)、ピクセル座標(u,v−1)、ピクセル座標(u+1,v)及びピクセル座標(u,v+1)である。そして、全てのピクセルのノードを表す集合をNとし、全てのピクセル間のエッジを表す集合をEとする。この各エッジに対して重みを追加し、Sノードからピクセルのノード(edge1)の各々に向かうエッジの重みをEdata1(m)とし、ピクセルのノードの各々からTノードに向かうエッジ(edge2)の重みをEdata2(m)とし、隣接するピクセル(例えば、m−m)のノード間の関係を表すエッジ(edge3)の重みをEsmooth(m−m)とする。このとき、グラフカットとしては、以下の(41)式の全エネルギEall(N,E)を最小化する問題となる。
重みEdata1(m)は、ラベルSからピクセルのノードに対する各々のエッジ(edge1)の重みであり、そのノードに対応するピクセルの正対応点らしさの程度を表す数値である。すなわち、ピクセルmが正対応点であることを示す重みEdata1(m)が大きいほど、Sノードからピクセルmのノードに向かうエッジがS−Tカットに含まれにくくなる。本実施形態において、POC関数のピーク値が高いピクセルは、正対応点である可能性が高いと仮定している。このため、重みEdata1(m)は、本実施形態において以下の(42)式により表している。(42)式において、λE1はコストの優先度を表しており、σE1はパラメータを示している。Iα(m)は各ピクセルの相関値を示す相関値マップである。
一方、重みEdata2(m)は、ピクセルのノードからラベルTに対する各々のエッジ(edge2)の重みであり、そのノードに対応するピクセルの誤対応点らしさの程度を表す数値である。すなわち、ピクセルmが誤対応点であることを示す重みEdata2(m)が大きいほど、ピクセルmのノードからTノードに向かうエッジがS−Tカットに含まれにくくなる。本実施形態において、対象となるピクセルの奥行きと、このピクセルを近傍の視点に対して再投影したピクセルの奥行きとの差分が大きいほど、対象となるピクセルは誤対応点である可能性が高いと仮定している。このため、重みEdata2(m)は、本実施形態において以下の(43)式により表している。(43)式において、λE2はコストの優先度を表しており、σE2はパラメータを示している。Cは、Vの作成時における近傍の視点群である。Z’は、参照視点Vのピクセルの3次元点を近傍の他の視点Cの3次元点に変換した際のこのピクセルの奥行きを示している。IZ、Ck(m’)は、対象となる視点のピクセルmに対応する、この対象の視点の近傍の視点Cにおけるピクセルm’の奥行きを表している。
また、上記(43)式において、奥行きZ’及びピクセルm’の各々は、以下の(44)式に示す関係を満たしている。この(44)式において、RCkは、対象の視点Vにおけるカメラ座標から、この対象の視点Vの近傍の他の視点Cのカメラ座標への回転を示している。また、tCkは、対象の視点Vにおけるカメラ座標から、この対象の視点Vの近傍の他の視点Cのカメラ座標への並行移動量を示している。また、A及びACkの各々は、参照の視点V及び参照の視点Vの近傍の視点Cそれぞれのカメラの内部パラメータ示している。sは拡大率あるいは縮小率を示している。また、I(m)は、対象の視点のデプスマップI(u,v)における対象のピクセルmの奥行きを示している。
一方、重みEsmooth(m−m)は、対象のピクセルと隣接するピクセルとのラベルの一致し易さを示している。すなわち、重みEsmooth(m−m)が大きくなるほど、m及びmの各々の間のエッジ(edge3)がS−Tカットに含まれ難くくなる。本実施形態においては、対象のピクセルの奥行きが、この対象のピクセルに隣接する他のピクセルの奥行きとの差が大きくなるエッジ(edge3)において、正対応点及び誤対応点の各々のラベルが変化し易いと仮定している。このため、重みEsmooth(m)は、本実施形態において以下の(45)式により表している。(45)式において、λE3はコストの優先度を表しており、σE2はパラメータを示している。I(m)及びI(m)の各々は、対象の視点のデプスマップI(u,v)における対象のピクセルmとこのピクセルmに隣接するピクセルmとの各々の奥行きを示している。
そして、誤対応点除去部123は、上述したように定義された図12に示すグラフ、及び(41)式から(45)式の各々を用いて、グラフカットの手法によって対象となる視点のデプスマップにおいてS−Tカットを求め、誤対応点除去処理を行う。また、誤対応点除去部123は、求めたS−Tカットによって、Sノードと同じラベルのノードに対応するピクセルを正対応点と判定し、一方、Tノードと同じラベルのノードに対応するピクセルを誤対応点と判定する。誤対応点除去部123は、誤対応点と判定したピクセルをデプスマップから除去するため、デプスマップI(u,v)及び相関値マップIα(u,v)の各々における、誤対応点と判定されたピクセルの値を0とする。誤対応点除去部123は、多視点画像Vに含まれる全ての視点に対して、上述したS−Tカットを求めて、各視点のデプスマップにおける誤対応点を除去する処理を行う。
本実施形態によれば、上述したように、POC関数の相関値を重み付けに用い、S−Tカットを求めてグラフカットによって、各ピクセルが正対応点であるか誤対応点であるかのラベリングを行い、誤対応点と判定されたピクセルの除去を行うことにより、3次元座標の座標点群を世界座標に座標変換した際に残される誤対応点を効果的に除去することができ、各視点のデプスマップから復元される3次元形状の画像の形状の復元精度を向上させることができる。
図13は、デプスマップにおけるグラフカットの処理による誤対応点の除去を示す図である。図13(a)は、対象視点Vに配置されたカメラで撮像された画像データを示している。図13(b)は、図13(a)の画像データから生成されたデプスマップを示している。図13(c)及び図13(d)の各々は、それぞれ近傍の他の視点である参照視点Cに配置されたカメラの画像データから生成されたデプスマップを示している。図13(b)から図12に示すようなグラフを作成し,図13(c)、図13(d)から各エッジに対する重みを計算し、Tノードとのエッジを残したピクセルmを誤対応点とする。図13(e)は、上記誤対応点のピクセルmの部分を白抜きとして示している。図13(f)は、図13(e)において白抜きとなった部分のピクセルを、図13(b)から削除したデプスマップを示している。
・アーチファクト除去処理
本処理方法においては、閾値処理の手法を用いてアーチファクトの除去を行う。このアーチファクトは、多視点ステレオのアルゴリズムによって復元される、撮像した3次元形状の物体において現実には存在しない物体表面上に生成される構造物である。また、アーチファクトは、対象の視点において物体境界及びオクルージョン境界の各々となる領域で復元される傾向がある。多視点ステレオのアルゴリズムにおいては、マッチングウィンドウという小領域毎に、3次元座標の座標点の奥行きを推定しているため、物体境界で背景となるピクセルにおいても、このマッチングウィンドウ内に含まれる前景の奥行きを推定するため、アーチファクトとして復元される。
また、すでに説明した誤対応点の除去と異なり、これから説明する除去処理の対象となるアーチファクトは、対象となる視点のカメラの位置の近傍の他の視点のデプスマップにおける奥行きの差分としては差が現れ難い。このため、アーチファクトについては、すでに述べた誤対応点除去処理においては効果的な除去が行うことができない。このため、対象となる視点のカメラ位置のデプスマップと、この対象となる地点に対して大きく異なる位置の他の視点のカメラ位置におけるデプスマップとの整合性を取る必要がある。
しかしながら、カメラ位置が大きく異なる視点間においては、3次元形状を復元する対象である対象物体における復元領域の範囲も変わり易くなる。このため、対象となる視点と、比較する視点との各々におけるデプスマップ間に差分が認められる場合、その差分がアーチファクトを原因とするものか、あるいは異なる視点間において異なる領域を3次元形状に復元して異なっているのかを判断することが困難である。
このため、本実施形態においては、アーチファクトのピクセルを含む複数枚のデプスマップを用いて、これらデプスマップ同士の整合性が取れなくなる状態を場合分けすることで、アーチファクトのピクセルを以下に説明する閾値処理によって除去する。
図14は、アーチファクトが発生した際における複数の視点のデプスマップ間の整合性を説明する図である。図14(a)においては、カメラ位置の各々が異なる位置である視点View1、視点View2及び視点View3のデプスマップで再生した3次元形状にアーチファクトが発生している。視点View1から物体境界やオクルージョン境界(例えば、形状Object2の突起部による境界502)として観察される領域においても、他の視点View2及び視点View3の各々からは物体境界やオクルージョン境界として観察されない。
同様に、視点View3から物体境界やオクルージョン境界(例えば、形状Object2の突起部による境界501)として観察される領域においても、他の視点View1及び視点View2の各々からは物体境界やオクルージョン境界として観察されない。また、アーチファクトは、図14(a)のように、形状の外側に発生し易い特性を有している。このため、視点View1のデプスマップから再生されたアーチファクトは、他の視点View2及び視点View3の各々のデプスマップから再生された形状に対してより手前に観察される。ここで、手前とは、各視点における奥行き方向に対し、視点により近い距離を示している。
図14(b)においては、視点View1、視点View2及び視点View3の各々のデプスマップの整合性と、再生された3次元座標におけるピクセルの関係とを示している。以下に、座標点A、座標点A’、座標点B、座標点B’、座標点C、座標点C’及び座標点D各々の座標点の整合性と関係性とを以下に示す。
座標点Aと座標点A’との各々においては、視点View1、視点View2それぞれによるデプスマップよって、座標点間の整合性を取ることはできない。しかしながら、視点Viewのデプスマップから復元される形状Object1の座標点Aと、視点View2から復元される形状Object2の座標点A’とのいずれも正対応点のピクセルである。座標点A及び座標点A’の各々においては、視点View1のデプスマップと視点View2のデプスマップとの各々から復元される領域が異なっている例である。この座標点Aと座標点A’との再生に用いたデプスマップの各々における奥行きの差分は大きくなる。
また、座標点B及び座標点B’の各々と、座標点C及び座標点C’の各々とにおいては、視点View1及び視点View2間の整合性が取れていない。すなわち、視点View1のデプスマップから復元された座標点Bは正対応点のピクセルであり、視点View3のデプスマップから復元された座標点B’はアーチファクトのピクセルである。同様に、視点View1のデプスマップから復元された座標点C’はアーチファクトのピクセルであり、視点View3のデプスマップから復元された座標点Cは正対応点のピクセルである。座標点C’及び座標点B’の各々は、視点View1、視点View3それぞれにおけるオクルージョン境界において発生している。
ここで、座標点B及び座標点B’の各々と、座標点C及び座標点C’の各々とにおいては、視点View1のデプスマップと視点View3のデプスマップとの各々から復元される領域が同様である例である。この座標点B及び座標点B’と座標点C及び座標点C’との再生に用いたデプスマップの各々における奥行きの差分は小さくなる。また、アーチファクトである座標点B’の奥行きは、正対応点である座標点Bを復元した視点View1から観察した際、座標点Bに対してより視点View1に近い位置に復元される。アーチファクトである座標点C’の奥行きは、正対応点である座標点Cを復元した視点View3から観察した際、座標点Cに対してより視点View3に近い位置に復元される。
また、座標点Dにおいては、視点View2のデプスマップと視点View3のデプスマップにおける奥行きの差分が小さく、所定の範囲内であるとして整合性が取れている。この結果から、座標点Dの位置においては、視点View2のデプスマップと、視点View3のデプスマップとから対象物の同様の領域における同一の座標点Dが復元されている。
上述した図14におけるデプスマップの整合性と座標点の対応とから、アーチファクトとするかあるいは正対応点とするかを判定する閾値を設定する。そして、アーチファクト除去部124は、設定した閾値を用いた閾値処理により、対象の視点VのデプスマップI(u,v)において、全てのピクセルを正対応点またはアーチファクトのいずれかであるかの判定を行う。設定される閾値は、以下の(46)式により示す。アーチファクト除去部124は、以下の(46)式を満たすピクセルmをアーチファクトと判定する。
上記(46)式において、th及びthの各々は、任意に設定されるパラメータである。Z’は、対象の視点Vの3次元座標における座標点を、近傍の他の視点Cの座標系に対して座標変換した3次元座標における奥行きを示している。IZ,Ck(m’)は、近傍の他の視点Cのデプスマップにおけるピクセルmに対応するピクセルm’の奥行きを示している。
また、奥行きZ’及びピクセルm’の各々は、すでに説明した(44)式の関係を満たす。また、上記(46)式における視点Cは、以下の(47)式を満たす視点である。
上記(47)式において、thは、任意に設定されるパラメータである。deg(V,C)は、視点Vと視点Vの近傍の他の視点Cとの視差角を示している。
アーチファクト除去部123は、対象とする視点Vに対して隣接する他の視点Cが複数存在する場合、隣接する全ての他の視点を候補とし、各候補について上記(46)式により評価する。そして、アーチファクト除去部123は、候補の1個以上が(46)式を満たす場合、対象のデプスマップにおけるピクセルをアーチファクトと判定する。
このとき、アーチファクト除去部123は、(46)において、奥行きIZ,Ck(m’)と奥行きZ’との差分を奥行きIZ,Ck(m’)により除算して正規化して正規化差分が、パラメータである閾値th以下のピクセルmが、ピクセルm’と同一のピクセルとして復元された座標点であるとして、正対応点と判定して除去しない。
一方、アーチファクト除去部123は、正規化差分がパラメータである閾値th以上のピクセルmが異なる領域の異なる座標点を復元したものであるとし、正対応点と判定して除去しない。そして、アーチファクト除去部123は、閾値thを超えて、かつ閾値th未満であるピクセルmが、同様の領域における対応するピクセルm’と異なるピクセルとして復元されたとし、アーチファクトとして除去する。
また、アーチファクト除去部123は、対象の視点に対して、視野角が(47)式においてパラメータである閾値th以下の他の視点を、対象とする視点の近傍に位置し、アーチファクトの判定に適さないため対象の視点と比較する他の視点として用いない。
アーチファクト除去部123は、多視点画像における全て視点VのデプスマップI(u,v)上の全てのピクセルを、(46)式及び(47)式の各々により評価する。そして、アーチファクト除去部123は、(46)式及び(47)式の各々の条件を満たすピクセルmを、デプスマップI(u,v)及び相関値マップIα(u,v)において0とする処理を行いアーチファクトの除去を行う。
図15は、対象の視点のピクセルが正対応点であるかアーチファクトであるかの判定処理を説明する図である。
図15(a)は、対象の視点View2(V)のデプスマップから復元された座標点A(ピクセルm)と、他の視点View1(C)のデプスマップから復元された座標点A’との比較を示している。図15(a)において、アーチファクト除去部123は、視点View2の座標点Aを視差角deg(V,C)分回転させて、視点View1の座標系に座標変換している。そして、アーチファクト除去部123は、この座標変換した座標点Aの視点View1からの奥行きZ’と、対応する座標点A’(ピクセルm’)の視点View1からの奥行きIZ,Ck(u,v)との差分(IZ,Ck(u,v)−Z’)を求める。
そして、アーチファクト除去部123は、求めた差分(IZ,Ck(u,v)−Z’)をIZ,Ck(u,v)で除算して正規化差分を求める。アーチファクト除去部123は、求めた正規化差分が上記(46)式を満たすか否かの判定を行い、正規化差分が閾値thを超えているため、座標点Aのピクセルmを正対応点と判定する。このとき、アーチファクト除去部123は、視点View1(C)が(47)式を満たすか否かの判定を行い、視点View2と視点View1とのなす視差角deg(V,C)が閾値th3を超えており、視点View1が視点View2との比較に用いるアーチファクトの判定に適していると判定している。
一方、図15(b)は、対象の視点View3(V)のデプスマップから復元された座標点B(ピクセルm)と、他の視点View1(C)のデプスマップから復元された座標点B’との比較を示している。図15(b)において、アーチファクト除去部123は、視点View3の座標点Bを視差角deg(V,C)分回転させて、視点View1の座標系に座標変換している。そして、アーチファクト除去部123は、この座標変換した座標点Bの視点View1からの奥行きZ’と、対応する座標点B’(ピクセルm’)の視点View1からの奥行きIZ,Ck(u,v)との差分(IZ,Ck(u,v)−Z’)を求める。
そして、アーチファクト除去部123は、求めた差分(IZ,Ck(u,v)−Z’)をIZ,Ck(u,v)で除算して正規化差分を求める。アーチファクト除去部123は、求めた正規化差分が上記(46)式を満たすか否かの判定を行い、正規化差分が閾値th以上であり、かつ閾値th以下であるため、座標点Bのピクセルmをアーチファクトと判定する。このとき、アーチファクト除去部123は、視点View1(C)が(47)式を満たすか否かの判定を行い、視点View3と視点View1とのなす視差角deg(V,C)が閾値thを超えており、視点View1が視点View3と比較に用いるアーチファクトの判定に適していると判定している。
本実施形態によれば、上述したように、(47)式によって得られる程度距離の離れた参照視点を用いて、対象視点の各ピクセルに対して閾値処理を用いたアーチファクト除去処理を行うことにより、すでに説明した誤対応点除去処理では取り除くことができないアーチファクトを効果的に除去することができ、各視点のデプスマップから復元される3次元形状の画像の形状の復元精度を向上させることができる。
また、本実施形態においては、複数の参照視点のうち1個でもアーチファクトと判定したピクセルを除去しているが、参照視点の対応するピクセルがアーチファクトである可能性を考慮し、複数の参照視点の多数決により、アーチファクトの判定を行うように、アーチファクト除去部124を構成しても良い。
メッシュモデル生成装置130は、デプスマップ生成装置120が算出したデプスマップに基づいてメッシュモデルを生成し、生成したメッシュモデルを表すデータを記憶装置200及び出力装置300に出力する。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
また、上記に説明した各装置を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
100…演算処理装置、110…関数算出装置、111…正規化部(受信部、平行化部)、112…ウィンドウ設定部、113…関数算出部、114…関数統合部、120…デプスマップ生成装置、121…デプスマップ生成部、122…フィルタ部、123…誤対応点除去部、124…アーチファクト除去部、130…メッシュモデル生成装置、200…記憶装置、300…出力装置、400…バス、110…記憶部

Claims (8)

  1. 多視点ステレオアルゴリズムに基づき、位相限定相関法を用いて複数の異なる視点の画像からデプスマップを生成するデプスマップ生成部と、
    正対応点のラベルの正対応点ノード及び誤対応点のラベルの誤対応点ノードの各々に対し、誤対応点の検出を行う対象である対象視点のピクセルに対応するノードから接続させるエッジ各々に対し、当該ピクセルと当該対象視点の近傍の他の視点である参照視点の対応するピクセルとの比較による第1重み付け数の付与を行い、また、当該対象視点におけるピクセルのノードと当該ピクセルに隣接する他の隣接ピクセルのノードとを接続するエッジに対し、前記対象視点におけるピクセル及び前記隣接ピクセル間の奥行きの差分に対応する第2重み付け数を付与して生成したグラフに対し、当該グラフを切断するグラフカットの切断線が通る前記エッジの各重み付け数の積算値が最小となるように行い、前記グラフにおける前記ノードの各々を前記正対応点あるいは前記誤対応点の前記ラベルに振り分け、誤対応点を除去する誤対応点除去部と、
    を備え
    前記第1重み付け数が、
    前記正対応点のノード及び前記ピクセルに対応するノード間を接続するエッジに対する第1A重み付け数と、前記ピクセルに対応するノード及び前記誤対応点のノードを接続するエッジに対する第1B重み付け数とから構成され、
    前記第1A重み付け数が、前記他の視点との間における位相限定相関関数のピーク値に対応した数値とし、相関値が高いほど数値が高く設定され、
    前記第1B重み付け数が、近傍の他の視点である参照視点とにおける同一のピクセルの奥行きの差分に対応した数値とし、差分が大きくなるほど数値が高く設定され、
    前記第2重み付け数が同一の前記視点における隣接するピクセルのノードとの奥行きの差分が小さいほど数値が高く設定されている
    とを特徴とするデプスマップ生成装置。
  2. 前記誤対応点除去部が誤対応点除去を行った後に、異なった前記視点間におけるアーチファクトを除去するアーチファクト除去部をさらに備え、
    前記アーチファクト除去部が、前記対象視点における前記ピクセルの奥行きと、当該対象視点と所定の距離で離間された視点である比較視点における前記ピクセルを前記対象視点の座標系に変換した奥行きとの差分を求め、当該差分が予め設定された閾値と比較して、前記対象視点のピクセルをアーチファクトとするか否かの判定を行う
    ことを特徴とする請求項に記載のデプスマップ生成装置。
  3. 前記閾値が第1閾値及び第2閾値の各々からなり、
    前記アーチファクト除去部が、
    前記差分が前記第1閾値以下の場合、前記対象視点及び前記比較視点の各々において同一の前記ピクセルが同様の奥行きで復元されているため、前記対象視点の前記ピクセルをアーチファクトではないと判定し、
    前記差分が前記第1閾値を超え、かつ前記第2閾値未満である場合、前記対象視点及び前記比較視点の各々において同一の前記ピクセルが異なった奥行きで復元されているため、前記対象視点の前記ピクセルをアーチファクトであると判定し、
    前記差分が前記第2閾値以上である場合、前記対象視点の前記ピクセルが前記対象視点の前記ピクセルと異なる領域の前記ピクセルであるとして、前記対象視点の前記ピクセルをアーチファクトでないと判定する
    ことを特徴とする請求項に記載のデプスマップ生成装置。
  4. 前記アーチファクト除去部が、
    前記対象視点と前記比較視点との復元された前記ピクセルに対する視差角が予め設定した第3閾値未満の場合、前記比較視点を前記対象視点との比較に用いないと判定する
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載のデプスマップ生成装置。
  5. 複数の異なる前記視点の前記画像からのデプスマップを生成する際、前記画像間のピクセルのマッチング処理が前記ピクセルの分解能を徐々に上げる階層的探索により行われており、
    前記階層的探索における各階層の前記マッチング処理の終了後の前記デプスマップに対し、重み付きメディアンフィルタを用いて前記デプスマップにおける前記ピクセル毎の奥行きの数値を補正する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のデプスマップ生成装置。
  6. 前記重み付きメディアンフィルタのウインドウにおける前記ピクセルの各々の重み数値が、対象とするピクセルとの距離、前記階層の画像における前記ピクセルの輝度値及び位相限定相関関数のピーク値に対応して設定されている
    ことを特徴とする請求項に記載のデプスマップ生成装置。
  7. デプスマップ生成部が、多視点ステレオアルゴリズムに基づき、位相限定相関法を用いて複数の異なる視点の画像からデプスマップを生成するデプスマップ生成過程と、
    誤対応点除去部が、正対応点のラベルの正対応点ノード及び誤対応点のラベルの誤対応点ノードの各々に対し、誤対応点の検出を行う対象である対象視点のピクセルに対応するノードから接続させるエッジ各々に対し、当該ピクセルと当該対象視点の近傍の他の視点である参照視点の対応するピクセルとの比較による第1重み付け数の付与を行い、また、当該対象視点におけるピクセルのノードと当該ピクセルに隣接する他の隣接ピクセルのノードとを接続するエッジに対し、前記対象視点におけるピクセル及び前記隣接ピクセル間の奥行きの差分に対応する第2重み付け数を付与して生成したグラフに対し、当該グラフを切断するグラフカットの切断線が通る前記エッジの重み付け数の積算値が最小となるように行い、前記グラフにおける前記ノードの各々を前記正対応点あるいは前記誤対応点の前記ラベルに振り分け、誤対応点を除去する誤対応点除去過程と、
    を含み、
    前記第1重み付け数が、
    前記正対応点のノード及び前記ピクセルに対応するノード間を接続するエッジに対する第1A重み付け数と、前記ピクセルに対応するノード及び前記誤対応点のノードを接続するエッジに対する第1B重み付け数とから構成され、
    前記第1A重み付け数が、前記他の視点との間における位相限定相関関数のピーク値に対応した数値とし、相関値が高いほど数値が高く設定され、
    前記第1B重み付け数が、近傍の他の視点である参照視点とにおける同一のピクセルの奥行きの差分に対応した数値とし、差分が大きくなるほど数値が高く設定され、
    前記第2重み付け数が同一の前記視点における隣接するピクセルのノードとの奥行きの差分が小さいほど数値が高く設定されている
    とを特徴とするデプスマップ生成方法。
  8. コンピュータを、
    多視点ステレオアルゴリズムに基づき、位相限定相関法を用いて複数の異なる視点の画像からデプスマップを生成するデプスマップ生成手段、
    正対応点のラベルの正対応点ノード及び誤対応点のラベルの誤対応点ノードの各々に対し、誤対応点の検出を行う対象である対象視点のピクセルに対応するノードから接続させるエッジ各々に対し、当該ピクセルと当該対象視点の近傍の他の視点である参照視点の対応するピクセルとの比較による第1重み付け数の付与を行い、また、当該対象視点におけるピクセルのノードと当該ピクセルに隣接する他の隣接ピクセルのノードとを接続するエッジに対し、前記対象視点におけるピクセル及び前記隣接ピクセル間の奥行きの差分に対応する第2重み付け数を付与して生成したグラフに対し、当該グラフを切断するグラフカットの切断線が通る前記エッジの重み付け数の積算値が最小となるように行い、前記グラフにおける前記ノードの各々を前記正対応点あるいは前記誤対応点の前記ラベルに振り分け、誤対応点を除去する誤対応点除去手段、
    として動作させるためのプログラムであり、
    前記第1重み付け数が、
    前記正対応点のノード及び前記ピクセルに対応するノード間を接続するエッジに対する第1A重み付け数と、前記ピクセルに対応するノード及び前記誤対応点のノードを接続するエッジに対する第1B重み付け数とから構成され、
    前記第1A重み付け数が、前記他の視点との間における位相限定相関関数のピーク値に対応した数値とし、相関値が高いほど数値が高く設定され、
    前記第1B重み付け数が、近傍の他の視点である参照視点とにおける同一のピクセルの奥行きの差分に対応した数値とし、差分が大きくなるほど数値が高く設定され、
    前記第2重み付け数が同一の前記視点における隣接するピクセルのノードとの奥行きの差分が小さいほど数値が高く設定されている
    プログラム。
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