JP6603073B2 - 無人浮遊機及び対象物拘束システム - Google Patents

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Description

本発明は、マルチコプターなどの無人浮遊機や無人浮遊機を用いて対象物を拘束する対象物拘束システムに関する。
人が搭乗せず、無線通信を用いた遠隔操作や自動制御で飛行するマルチコプター等の無人浮遊機が一般に提供されている(特許文献1等参照)。無人浮遊機は、遊び目的や設置されたデジタルカメラ(デジタルビデオカメラを含む)による空撮を行う目的のために使用される。また、この他に、無人浮遊機は、例えば人間が立ち入ることが困難となる場所の検査や、状況把握を行う目的で使用されている。その一方で、無人浮遊機は、例えば重要施設などの飛行禁止区域の上空を飛行させながらの空撮や、公共の安全に被害を与える物質や***物などの運搬を行うことができる等、利用目的の点で悪用される虞がある。
一般に、犯罪嫌疑者を捕獲する装置として、例えば拘束網展開装置が提供される。拘束網展開装置は、起動スイッチのオン操作を受けて作動するガス発生器により発生した高圧ガスにより装置本体に収納された複数の錘を噴出させ、複数の錘の噴出に伴って装置本体に収納された拘束網を犯罪嫌疑者に向けて展開させながら飛翔させるものである(特許文献2等参照)。このような拘束網展開装置の中には、例えば建屋の天井等に設置され、建屋への侵入者の侵入を検知したことを受けて、建屋に侵入した犯罪嫌疑者に向けて展開させながら飛翔させる拘束網展開装置も提供されている(特許文献3等参照)。
特開2011−046355号公報 特開2008−304152号公報 特開2005−180744号公報
しかしながら、特許文献2に開示される拘束網展開装置は、地上にいる犯罪嫌疑者を捕獲対象(標的)としていることから、上空を飛行する無人浮遊機に向けて拘束網展開装置を作動させたとしても、飛翔する拘束網は無人浮遊機には届かず、無人浮遊機を捕獲することはできない。また、特許文献3に開示される拘束網展開装置は、建屋に侵入した侵入者の上方から拘束網を展開させるものであり、飛行する無人浮遊機を捕獲対象とするものではない。したがって、重要施設などの飛行禁止区域の上空を飛行する無人浮遊機や、公共の安全に被害を与える物質や***物などを運搬する無人浮遊機を捕獲する最適な手段や、捕獲した無人浮遊機を安全な場所に運搬するための最適な手段が得られていないのが実情である。
本発明は斯かる要望に応えるために為されたもので、飛行禁止領域の上空を飛行する、又は公共の安全に被害を与える物質や***物などを運搬する無人浮遊機を捕獲できるようにした技術を提供することにある。
本発明の無人浮遊機は複数のロータユニットを有する機体と、前記機体の下部に設けられる降着装置と、複数のフレームから構成され、前記降着装置の下部に装着される固定架台と、複数の錘及び前記複数の錘を取り付けた拘束網を個別に収納する容器と、燃焼性物質を燃焼させてガスを発生させるガス発生器と、を有する拘束網噴出装置と、前記拘束網噴出装置を着脱自在に保持する保持具と、前記固定架台を構成する複数のフレームの何れかのフレームが、前記容器から下方に向けて発射される前記拘束網又は前記複数の錘の飛翔軌跡から外れるように、前記拘束網噴出装置が装着される前記保持具を前記固定架台に固定する固定具と、光軸方向が前記拘束網噴出装置における前記拘束網の射出方向と一致するように前記固定架台に設けられ、前記拘束網により捕獲する対象物の撮像により取得された撮像信号を地上のモニタに送信することが可能な撮像手段と、前記対象物が前記モニタの中心に位置し且つ前記対象物の全体が前記モニタに表示されたときに送信機から送信される点火信号を無線通信により受信する、前記固定架台に固定された無線通信手段と、前記固定架台に固定される前記保持具の上方となる位置で前記固定架台に固定され、前記無線通信手段が前記点火信号を受けたときに、前記拘束網噴出装置を作動させる点火器と、を備えたことを特徴とする。
また、前記固定架台は、同一間隔を空けて平行に配置される3本の第1フレームと、3本の前記第1フレームの両端が各々突き当てられる2本の第2フレームと、3本の前記第1フレームのうち2本の前記第1フレームの間に、所定の間隔を空けて、前記第2フレームと平行に配置される2本の第3フレームと、2本の前記第2フレームの両端下部に直交した状態で突き当てられて配置される4本の第4フレームと、4本の前記第4フレームのうち、隣り合う2本の前記第4フレームに跨って、且つ各々が同一の高さとなる位置に配置される4本の第5フレームと、4本の前記第5フレームのうち、対峙する2本の前記第5フレームの間に跨って配置される第6フレームと、を含み、前記点火器は、前記2本の第3フレームに跨って固定され、前記保持具は、前記固定具を介して前記第6フレームに固定されることを特徴とする。
また、前記固定具は、前記保持具を挟持した状態で締結部材により締結される2つの部材と、前記少なくとも2つの部材の一方が固着された状態で、前記固定架台に固定される部材と、を含むことを特徴とする。
た、前記ガス発生器により発生する前記ガスの圧力を受けて前記複数の錘が前記容器から噴出したときに前記容器から分離する蓋部材を備えることを特徴とする。
また、前記保持は、前記点火器のリード線が接続される第1の接続端子を有し、前記拘束網噴出装置は、前記ガス発生器のリード線が接続される第2の接続端子を有し、前記点火器は、前記保持による前記拘束網噴出装置の保持により前記第1の接続端子と第2の接続端子とが接触することで前記点火器と前記ガス発生器とが電気的接続された後、前記点火器が前記点火信号を受信したことを受けて前記ガス発生器に電力を供給する電力供給部を有することを特徴とする。
また、前記保持は、前記保持が前記拘束網噴出装置を保持したときに、前記第1の接続端子を前記第2の接続端子に向けて押圧する弾性部材を有することを特徴とする。
また、前記拘束網の目幅は、50mm角から500mm角の範囲であることが好ましい。また、前記拘束網の大きさは、2m×2mから5m×5mの範囲であることが好ましい。また、前記拘束網の引張強度は、110N以上であることが好ましい。
また、前記拘束網と前記容器とを連結する紐部材を備えていることを特徴とする。この場合、前記紐部材の長さは、前記容器に連結された前記拘束網が射出されたときに、射出された前記拘束網が展開できる長さに設定されることが好ましい。また、前記紐部材は、前記拘束網と前記容器との間の長さが0.08m〜10mの範囲に設定されることが好ましい。さらに、前記紐部材の引張強度は、110N以上であることが好ましい。
また、本発明の対象物拘束システムは、複数のロータユニットを保持する機体と、前記機体の下部に設けられる降着装置と、複数のフレームから構成され、前記降着装置の下部に装着される固定架台と、を有する無人浮遊機と、複数の錘及び前記複数の錘を取り付けた拘束網を個別に収納する容器と、燃焼性物質を燃焼させてガスを発生させるガス発生器と、を有する拘束網噴出装置と、前記固定架台を構成する複数のフレームの何れかのフレームが、前記容器から下方に向けて発射される前記拘束網又は前記複数の錘の飛翔軌跡から外れるように、固定具を介して前記固定架台に固定された状態で、前記拘束網噴出装置を着脱自在に保持する保持具と、からなる拘束網展開装置と、前記固定架台に固定される前記保持具の上方となる位置で前記固定架台に固定され、前記拘束網噴出装置を作動させる点火器と、光軸方向が前記拘束網噴出装置における前記拘束網の射出方向と一致するように、前記固定架台に設けられ、前記拘束網により捕獲する対象物を撮像し、取得された撮像信号を無線通信により送信することが可能な撮像手段と、前記撮像手段から送信された撮像信号に基づいた映像を表示するモニタと、前記点火器との間で無線通信が可能であり、前記ガス発生器の点火信号を前記点火器に向けて送信する送信機と、を含むことを特徴とする。
また、前記送信機は、前記対象物が前記モニタの中心に位置し且つ前記対象物の全体が前記モニタに表示されたことを受けて、前記点火器に向けて前記点火信号を送信することを特徴とする。
本発明によれば、飛行禁止領域の上空を飛行する、又は公共の安全に被害を与える物質や***物などを運搬する無人浮遊機を捕獲できる。
本発明の一実施形態に係る拘束網展開装置を備えた無人浮遊機を示す斜視図である。 拘束網噴出装置の断面図である。 拘束網噴出装置の構成を分解して示す斜視図である。 保持装置の一構成を示す一部断面図である。 無線式点火器の外観を示す平面図である。 拘束網展開装置における電気的な構成の一例を示す機能ブロック図である。 保持装置を固定する固定具の一例を示す斜視図である。 固定架台に無線式点火器を固定した一例を示す斜視図である。 固定架台に保持装置を固定した一例を示す斜視図である。 (a)標的となる無人浮遊機に拘束網を射出した状態を示す図、(b)拘束網により無人浮遊機が捕獲された状態を示す図、(c)捕獲した無人浮遊機を所定の位置まで運搬した状態を示す図である。 (a)検証試験を行う際の拘束網噴出装置の設置例を示す図、(b)飛行させる無人浮遊機の高さの一例を示す図、(c)拘束網を展開させた状態を示す図である。 拘束網と錘とを連結する紐部材に引掛け部材を設けた拘束網展開装置の断面図である。
図1は、本発明の拘束網展開装置が取り付けられる無人浮遊機の一実施形態を示す。無人浮遊機10は、図示を省略したコントローラの操作に基づいた無線通信を受けて飛行するマルチコプター等の飛行体である。なお、無人浮遊機10は、コントローラの操作に基づいた無線通信を受けて飛行する無人浮遊機の他、内部に組み込まれた制御プログラムによって自動的に飛行する無人浮遊機であってもよい。
無人浮遊機10は、機体11と、機体11を中心として放射状に延出されるアーム12と、機体11から延出されたアーム12の先端部に設けた複数のロータユニット13と、機体11の下部に設けられたスキッド(固定式降着装置)14とを有する。図1では、6個のロータユニット13を備えた無人浮遊機10を一例として開示している。なお、無人浮遊機10の形状は多種に亘るため、無人浮遊機10の構造や、ロータユニット13の数については、無人浮遊機の形状に合わせて適宜設定される。
機体11は、図示を省略したコントローラとの間で無線通信を行う無線モジュール、無線モジュールにより受信された操作信号を受けてロータユニット13の駆動制御を行う駆動制御基板の他、電池などを収納する。ここで、無人浮遊機10にカメラが搭載されている場合、機体11は、カメラによる撮像制御を行う撮像制御基板をさらに備える。
アーム12は、例えば合成樹脂や金属材料を用いた筒状の部材である。これらアーム12は機体11から放射状に延出される。これらアーム12は隣り合うアームとの角度が例えば60度となるように配置される。
ロータユニット13は、モータユニット15及びロータ16から構成される。図示は省略するが、モータユニット15は、駆動モータ及び駆動モータをアーム12に固定するブラケットから構成される。モータユニット15は、駆動モータの駆動軸が上方に突出するように、アーム12の先端部に固定される。ここで、モータユニット15の駆動モータに接続されるケーブルは、例えばアーム12の内部に挿通された後、機体11に収納された駆動制御基板に接続される。ロータ16は、駆動モータの駆動軸に固定される回転軸と、回転軸を中心として180度間隔を空けて配置された2枚のロータブレードとを有する。なお、ロータに設けられるロータブレードの数は2枚に限定される必要はなく、3枚以上のロータブレードを有してもよい。なお、ロータブレードの長さは、隣り合うロータユニットのロータブレードの回転軌跡が互いに重畳されない長さに設定される。
上述した無人浮遊機10のスキッド14の下部には、拘束網展開装置20が固定架台100を介して装着される。拘束網展開装置20は、発生させた高圧ガスにより複数の錘25を噴出させ、複数の錘25の噴出により拘束網26を展開させながら飛翔させる拘束網噴出装置21と、拘束網噴出装置21を着脱自在とする保持装置22と、高圧ガスを発生させる際に点火を行う点火器23と、保持装置22を固定架台100に固定する固定具24とから構成される。点火器23は、送信機78からの無線信号を受けて点火を行う装置であることから、以下、無線式点火器23と称する。ここで、拘束網噴出装置21と保持装置22とが装置本体として機能する。
以下、拘束網噴出装置21として、外周部に8個の錘25が取り付けられた拘束網26を収納する拘束網噴出装置21を用いる場合について説明する。図2及び図3に示すように、拘束網噴出装置21は、8個の錘25が紐部材27によって取り付けられた拘束網26と、8個の錘25及び拘束網26をそれぞれ個別に収納する容器28と、拘束網26を収納する容器28の開口部分を被覆するスリーブ29と、容器28に取り付けられる蓋30と、容器28に個別に収納された8個の錘25を噴出させる高圧ガスを発生させるガス発生器31とを有する。
拘束網26は、例えばポリエチレン製で、引張強度が110N以上のものが用いられる。なお、拘束網26の材質としてポリエチレン製を挙げているが、網自体の引張強度が110N以上であればよいので、ポリエステル製、ケプラー製であってもよい。拘束網26は、外形が正方形である。なお、拘束網26の大きさは、例えば2×2m〜5×5mである。ここで、拘束網26の外形は、正方形に限定される必要はなく、例えば長方形や八角形などの多角形でもよい。
拘束網26は、紐部材27を介して8個の錘25が取り付けられる。ここで、錘25が取り付けられる拘束網26の位置は、拘束網26の外周の4隅及び各辺の中点である。錘25は、例えばステンレス製の円柱形状である。なお、錘25はステンレス製としているが、耐腐食性に優れた材質を用いることも可能である。これら錘25は、弾性体からなる錘カバー34の内部に収納される。錘25のそれぞれに取り付けられる紐部材27は、例えばポリエステル製で、線径が例えばφ=0.7mmの紐が用いられる。紐部材27は、一端側が錘25と連結され、他端が拘束網26と連結している。ここで、連結された錘25と拘束網26との間の紐部材27の長さは、例えば80mmである。
拘束網26は、引張り紐32を介して容器28と連結される。引張り紐32は、ポリエチレン製で、引張強度が110N以上のものが用いられる。なお、拘束網26の材質としてポリエチレン製を挙げているが、紐自体の引張強度が110N以上であればよいので、ポリエステル製、ケプラー製であってもよい。また、引張り紐32は、拘束網26の中心部分、又は、拘束網26の外周部となる4辺のうち、隣り合う2辺の中点、又は4辺全ての中点に固定される。ここで、拘束網26と容器28とを連結したときの拘束網26と容器28の間の長さが例えば0.08〜10mとなるように、引張り紐32が拘束網26と容器28とに取り付けられる。
容器28は、例えばABS樹脂、又はPOM樹脂などの合成樹脂材を成形した2つの部材を重ね合わせた状態でねじ固定される部材である。以下、2つの部材を、第1構成部材36、第2構成部材37と称する。第1構成部材36は、略漏斗形状の部材である。第1構成部材36は、等間隔で8方向に分岐する半円弧状の溝部36aを内周面に有する。また、第1構成部材36は、内周面に設けた溝部36aに対応する位置に溝部36bを外周面に有する。さらに、第1構成部材36は、ガス発生器31の一部が収納される筒部36cを有する。
第2構成部材37は、第1構成部材36が取り付けられる一端側から他端側に向けて広がる略漏斗形状の部材である。第2構成部材37の他端側は開口されており、開口に連なる内部空間が、拘束網26が収納される拘束網収納部37aとなる。第2構成部材37の外周面には溝部37bと、溝部37bに連なる円弧状の溝部37cとが8個設けられる。
第1構成部材36と第2構成部材37とを重ね合わせた状態でねじ固定すると、第1構成部材36に設けた溝部36bと、第2構成部材37に設けた溝部37bとがそれぞれ連通される。第1構成部材36に設けた溝部36bと、第2構成部材37に設けた溝部37bとが連通された状態では、蓋30の舌片30aが挿入可能となる。また、第1構成部材36の内周面に設けた半円弧状の溝部36aと、第2構成部材37の外周面に設けた半円弧状の溝部37cとが組み合わされ、8個の錘収納部(図示省略)が形成される。なお、第1構成部材36と第2構成部材37とを重ね合わせると、第1構成部材36と第2構成部材37との間に、8個の錘収納部に連なる流路(図示省略)が形成される。
スリーブ29は、第2構成部材37の拘束網収納部37aに収納される拘束網26が第2構成部材37の拘束網収納部37aからはみ出すことを防止する。同時に、スリーブ29は、蓋30を容器28に取り付けるときに、第2構成部材37の拘束網収納部37aに収納される拘束網26が容器28の外周面と蓋30との間に挟み込まれることを防止する。
スリーブ29は、帯状のシートを軸方向の両端が開口された円筒状に加工したものである。スリーブ29の材質としては、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、リニアポリエチレン(LLDPE)の他、薄紙やポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンなどのラップフィルムが挙げられる。スリーブ29の元になる帯状のシートは、厚みが例えば0.08mm以下のシート材が使用される。
スリーブ29は、幅方向の一端縁部が第2構成部材37の拘束網収納部37aの内周面に沿って挿入される。このとき、スリーブ29の幅方向の他端縁部は、第2構成部材37の開口部分から外部に延在している。スリーブ29の幅方向の他端縁部は、拘束網26が第2構成部材37の拘束網収納部37aに収納された後、第2構成部材37の拘束網収納部37aに収納された拘束網26に向けて折り畳まれる。スリーブ29の幅方向の他端側が折り畳まれると、折り畳まれたスリーブ29は、第2構成部材37の拘束網収納部37aの開口部分のうち、錘25と拘束網26と連結する紐部材27が位置する中央部分を除いた領域を被覆する。
なお、詳細は記載しないが、スリーブ29は、第2構成部材37の拘束網収納部37aへ挿入するときの挿入量際の目安となるマークや線を有している。これらマークや線を有することで、スリーブ29を第2構成部材37の拘束網収納部37aに挿入するときの挿入量を一定とすることができる。
蓋30は、容器28の第2構成部材37に設けた拘束網収納部37aの開口部分や容器28の外周面の錘収納部を各々被覆して収納網26及び8個の錘25の脱落を防止する。蓋30は、ガス発生器31による高圧ガスの発生に伴って錘25が噴出した時に容易に脱落するように容器28に取り付けられる。蓋30は、弾性のあるゴム材や紙材から製造される他、フィルム材から製造される。蓋30は、側部から突出する例えば8個の舌片30aを有する。舌片30aは、根本部分に第2構成部材37の溝部37bに設けた突起37dが嵌め込まれる孔30bを有する。
ガス発生器31は、装填されたガス発生剤を燃焼させることで、高圧ガスを発生させる。ガス発生器31は、イニシエータ40と、イニシエータ40の外周に固定されるホルダ41とを有する。また、図示は省略するが、ガス発生器31は、イニシエータ40において、イニシエータ40からの高圧ガスを冷却濾過するフィルタと、フィルタを収納してホルダ41の一側に螺合するフィルタカップとから構成される。ガス発生器31の他端部にはリード線42が露呈している。リード線42の先端部にはコネクタ43が設けられる。
ガス発生器31に装填されるガス発生剤は、例えば低振動・低騒音破砕薬剤ガンサイザー(日本工機株式会社製商品名)を用いている。ガス発生剤は、火薬類を用いた破砕方法と同じ手順で消費許可を必要とせずに岩盤などを破砕する非火薬破砕組成物である。ガス発生器31は、以下に示す構成のガス発生剤が0.1g〜1.1gの範囲で充填される。ガス発生剤は、24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け品を用いる。すなわち、ガス発生剤は、粒径が0.35mm〜0.71mmの範囲に調整されている。上述したガス発生剤は、10cc圧力タンク内で燃焼したときの最大圧力が25MPa程度の薬剤が用いられる。
プラグ44は、軸方向における一端部が開口され、他端部が閉口された筒部材から構成される。プラグ44は、開口された一端側で、第1構成部材36の筒部36cを収納する。上述したように、ガス発生器31は、第1構成部材36の筒部36cに一部が収納され、イニシエータ40が取り付けられる端部が露呈される。第1構成部材36にプラグ44を取り付けると、第1構成部材26の筒部36c、ガス発生器31のイニシエータ40側の端部、リード線42及びコネクタ43がプラグ44の内部に収納される。プラグ44の閉口された他端部には、接続端子45,46が露呈される。接続端子45,46は、プラグ44の内部に収納されるリード線47の一端部を固着する。リード線47の他端部は、ガス発生器31のリード線42に設けたコネクタ43と嵌合するコネクタ48を有する。
フィックスカップ50は、容器28とプラグ44とを連結する部材である。フィックスカップ50は、キー溝50aを有する。キー溝50aは、プラグ44が挿通されたときに、プラグ44に設けたキー部44aを嵌合する。これにより、フィックスカップ50とプラグ44とが互いに対して位置決めされ、プラグ44に対するフィックスカップ50の回転が防止される。プラグ44に対して位置決めされたフィックスカップ50は、ねじ51を用いて、容器28の第1構成部材36に固定される。なお、符号52は、ねじ51の頭部を被覆するシールである。
保持装置22は、拘束網噴出装置21を保持する装置である。図4に示すように、保持装置22は、固定具24により把持される把持部55と、把持部55の一端部を収納保持する基部56とを有する。
把持部55は、長手方向の一端部が閉口された円筒形状からなる合成樹脂製の部材である。把持部55は、閉口された長手方向の一端部に、脱落防止部55aが設けられる。脱落防止部55aは、把持部55の長手方向の中央部分の外径よりも大きい外径である。脱落防止部55aには、無線式点火器23からのリード線75が挿通される挿通孔が設けられる。
把持部55は、長手方向の他端部に把持部55の外周に沿ったフランジ部55bを備える。フランジ部55bは、把持部55のフランジ部55b側の一端部を基部56の内部に挿入保持したときに、基部56の内部に設けられた段差部56aに当接され、把持部55が基部56から抜けることを防止する。さらに、把持部55は、フランジ部55b側の一端部に、キー部55cを備えている。キー部55cは、基部56に設けられたキー溝56bに嵌め合わされることで、基部56に対する把持部55の回転が防止される。
なお、把持部55の外周面は、凹凸形状である。把持部55の外周面を凹凸形状とすることで、固定具24との間でスベリの発生が抑止される。なお、固定具24との間に生じるスベリの発生を抑止する方法として、把持部55の外周面に、弾性体を設けることも可能である。
基部56は、把持部55が挿入保持される一端側とは反対側の他端側に、拘束網噴出装置21のプラグ44が挿入される挿入穴56cを有する。挿入穴56cは、拘束網噴出装置21のプラグ44の外周面に設けた突起部44bが挿入される挿入溝57と、挿入溝57に連通し、拘束網噴出装置21のプラグ44に設けた突起部44aを円周方向に所定量回転移動させることが可能なスライド溝58とを内壁面に有する。符号59は、拘束網噴出装置21を保持装置22に取り付けたときに、プラグ44に設けた突起部44aが係合する係合溝である。係合溝59を設けることで、保持装置22に対する拘束網噴出装置21の回転が防止され、その結果、保持装置22に対する拘束網噴出装置21の脱落が防止される。
基部56は、支持板60、端子基板61及びコイルばね62を備える。支持板60は、無線式点火器23から延出されたリード線75及びリード線75の一端に設けたコネクタ76が挿通される挿通孔60aと、端子基板61に対峙する一面に設けられ、コイルばね62の位置を規制する規制部60bを備える。端子基板61は、支持板60と対峙する一面に、リード線75の一端に設けたコネクタ76が嵌合されるコネクタ部65を備える。また、端子基板61は、支持板60と対峙する一面とは反対側の面に、拘束網噴出装置21のプラグ44から露呈された接続端子45,46と接触する接続端子66,67を備える。
コイルばね62は、一端が支持板55に当接され、他端が端子基板61に当接される。これら部材が基部56に組み込まれると、コイルばね62は、一端側で当接される支持板60を把持部55に向けて押圧する。その結果、把持部55のフランジ部55bは、基部56の内部に設けた段差部56aに当接された状態で保持される。また、コイルばね62は、他端側で当接される端子基板61を基部56に設けた段差部56bに向けて押圧する。
次に、拘束網噴出装置21を保持装置22へ取り付ける手順について説明する。プラグ44の突起部44bと基部56の挿入溝57とを位置合わせした後、拘束網噴出装置21のプラグ44が基部56の挿入穴56cに挿入される。拘束網噴出装置21のプラグ44を基部56の挿入穴56cに挿入している過程で、拘束網噴出装置21のプラグ44の先端が端子基板61に当接され、拘束網噴出装置21のプラグ44がコイルばね62の付勢に抗して端子基板61を押圧する。ここで、把持部55のフランジ部55bは基部56の内部に設けた段差部56aに当接されているため、支持板60の移動は規制される。その結果、コイルばね62は、端子基板61からの押圧を受けて圧縮された状態になる。
拘束網噴出装置21のプラグ44が基部56の挿入穴56cに所定量挿入されると、プラグ44の突起部44bが挿入溝57の端部に当接され、拘束網噴出装置21のプラグ44が、基部56の挿入穴56cへ挿入することができなくなる。この状態では、拘束網噴出装置21のプラグ44に設けた突起部44bと、挿入溝57に連通する横溝58との位置が一致している。したがって、拘束網噴出装置21のプラグ44に設けた突起部44bが横溝58に沿って移動させる、言い換えれば、拘束網噴出装置21が保持装置22の基部56に対して回転させることが可能となる。そして、拘束網噴出装置21のプラグ44に設けた突起部44bが横溝58の端部に当接されると、基部56に対する拘束網噴出装置21の回転が停止される。コイルばね62により付勢された端子基板61は、拘束網噴出装置21を押圧している。したがって、拘束網噴出装置21は保持装置22の基部56に設けた挿入穴56cへの挿入方向とは逆方向に移動し、拘束網噴出装置21のプラグ44に設けた突起部44bが係合溝59に係合される。その結果、拘束網噴出装置21が保持装置22から抜け落ちることが防止される。
拘束網噴出装置21を保持装置22に装着する過程で、拘束網噴出装置21のプラグ44から露呈する接続端子45,46は、端子基板61の接続端子66,67と接触した状態となる。コイルばね62は端子基板61を拘束網噴出装置21のプラグ44に向けて押圧しているので、拘束網噴出装置21が保持装置22に装着された状態では、端子基板61の接続端子66,67と、拘束網噴出装置21のプラグ44に設けた接続端子45,46との接触状態は良好に保持される。
図5及び図6に示すように、無線式点火器23は、無線モジュール70、制御回路基板71、電池72、カメラ73を有する。ここで、無線モジュール70、制御回路基板71及び電池72は、合成樹脂製の防水ケース74に収納される。また、カメラ73は、防水ケース74の外側に設けられる。
無線モジュール70は、送信機78からの点火信号を受信する。制御回路基板71は、基板上に生成された回路(以下、制御回路71a)が無線モジュール70と接続されている。制御回路71aは、無線モジュール70が点火信号を受信したことを受けて電池72に蓄積された電力を、OUTPUT端子71bを介して拘束網展開装置21のガス発生器31に供給する。なお、図5中符号75は、制御回路基板71と、保持装置22の内部に設けた端子基板61とを電気的に接続するためのリード線であり、リード線75の先端には、端子基板61に設けたコネクタ部65と嵌合するコネクタ76を有している(図4参照)。
電池72は、例えばリチウムイオン電池などの一次電池などが用いられる。電池72は、無線モジュール70、制御回路71aやカメラ73に電力を供給する。また、電池72は、拘束網噴出装置21が保持装置22に装着された状態で、無線モジュール70が点火信号を受信したことを受けて、OUTPUT端子71bを介してガス発生器31に電力を供給する。
カメラ73は、無人浮遊機10を飛行させたときに、無人浮遊機10の下方を撮影する。カメラ73は、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出方向と、カメラ73の光軸とが略一致するように、防水ケース74の外側に設けられる。カメラ73は無線モジュール73aを内蔵しており、撮影された動画像、又は静止画像を地上に設置されたモニタ77に送信する。なお、符号77aは、カメラ73に設けた無線モジュール73aとの間で、信号の送受信を行うモニタ77に設けられた無線モジュールである。
ここで、カメラ73は、防水ケース74の外部に設けられているが、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出方向と、カメラ73の光軸とが略一致するように配置できるのであれば、防水ケース74ではなく、固定架台100に取り付けることも可能である。また、カメラを備えた無人浮遊機の場合には、無人浮遊機に設けられたカメラを用いることも可能である。この場合、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出方向とカメラの光軸とが略一致するようにカメラの姿勢を設定すればよい。
また、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出方向と、カメラ73の光軸とが略一致するようにカメラ73を防水ケース74の外部に取り付けているが、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出面から下方に所定の距離離れた位置において展開される拘束網26の中心がカメラの光軸(撮像範囲の中心)と一致するようにカメラを設置することも可能である。ここで、所定の距離とは、拘束網の射出面から、射出された拘束網が完全に展開される位置までの距離である。
図7に示すように、固定具24は、保持装置22を例えば固定架台100に装着するときに用いられる部材である。固定具24は、複数の部材から構成される。図7は固定具24の一例を示している。
固定具24は、例えば第1の固定部材81、第2の固定部材82、第3の固定部材83を有する。第1の固定部材81、第2の固定部材82、第3の固定部材83は、それぞれ合成樹脂材を用いた成形品である。第1の固定部材81は、図7中z方向に直交する断面が円弧状の凹部81aを有する。第1の固定部材81は、円弧状の凹部81aの両縁端近傍に、図7中x方向を軸とした挿通孔81b、81cを有する。
第2の固定部材82は、図7中z方向に直交する断面が円弧状の凹部82aを有する。第2の固定部材82は、円弧状の凹部82aの両縁端近傍に、図7中x方向を軸とした雌ねじ部82b、82cが設けられる。雌ねじ部82b、82cは、第1の固定部材81の挿通孔81b、81cに挿通されたねじ85,86が螺合される。また、第2の固定部材82は、凹部82aが設けられる一側面とは反対側の側面の下端部から底面の図7中右側の端部に亘って段差部82dを有する。なお、符号82e、82fは、ねじ87,88が挿通される、図7中z方向を軸とした挿通孔である。
第3の固定部材83は、上面の一端部から図7中左側の側面の上端部が切り欠かれた段差部83aを有する。符号83b、83cは、ねじ87,88が螺合する雌ねじ部である。第3の固定部材83は、段差部83aが設けられる一側面とは反対側となる面に、長手方向(図7中y方向)に延在する溝部83dが設けられる。溝部83dは、固定架台100のフレーム材116が挿入される。
第3の固定部材83は、上面から溝部83dに向けた(図7中z方向を軸とする)雌ねじ孔83e、83fを有する。これら雌ねじ孔83e、83fには、ねじ89,90が螺合する。同様にして、第3の固定部材83は、下面から溝部83dに向けた(図7中z方向を軸とする)雌ねじ孔83g、83hを有する。これら雌ねじ孔83g、83hには、ねじ91,92が螺合する。上述したように、第3の固定部材83の溝部83dには固定架台100のフレーム部材116が挿入される。したがって、雌ねじ孔83e、83fに螺合されたねじ89,90、及び雌ねじ孔83g、83hに螺合されたねじ91,92をそれぞれ締め付けることで、第3の固定部材83が固定架台100のフレーム部材116に固定される。
固定架台100は、本発明の拘束網展開装置20を装着保持する機能を有するとともに、無人浮遊機10のスキッドとしての機能を有する。固定架台100は、アルミニウム又は合成樹脂からなる複数のフレーム材を組み合わせることで作成される。以下、図8及び図9を用いて、固定架台100の構成について説明する。固定架台100は、以下の構成からなる。長さが同一となる3本のフレーム材101,102,103が同一間隔を空けて配置された後、これらフレーム材101,102,103の両端部が2本のフレーム材104,105に突き当てられた状態で固定される。
フレーム材102とフレーム材103との間に、フレーム材102,103と直交する2本のフレーム材106,107が、所定の間隔を空けてフレーム材102,103に突き当てられた状態で固定される。なお、フレーム材102,103に固定される2本のフレーム材106,107は、無線式点火器23を固定保持する。
フレーム材104の長手方向の両端部において、2本のフレーム材108,109がフレーム材104の下方から突き当てられた状態で固定される。同様にして、フレーム材105の長手方向の両端部において、2本のフレーム材110,111がフレーム材105の下方から突き当てられた状態で固定される。フレーム材108,109,110,111の長手方向の長さは、同一の長さに設定される。したがって、フレーム材108,109,110,111の下端面が接地面となる。
フレーム材108及びフレーム材109との間で、且つこれらフレーム材の長手方向の略中央部に、フレーム材112が固定される。フレーム材110及びフレーム材111との間で、且つこれらフレーム材の長手方向の略中央部に、フレーム材113が固定される。
フレーム材108及びフレーム材110との間で、且つこれらフレーム材の長手方向の略中央部に、フレーム材114が固定される。フレーム材109及びフレーム材111との間で、且つこれらフレーム材の長手方向の略中央部に、フレーム材115が固定される。
フレーム材101からフレーム材114までの距離、フレーム材103からフレーム材115までの距離、フレーム材104からフレーム材112までの距離及びフレーム材105からフレーム材113までの距離は、全て同一距離となる。フレーム材112とフレーム材113との間には、フレーム材116が固定される。
図8に示すように、固定架台100を構成するフレーム材106,107は、無線式点火器23を不図示のブラケットを介して固定する。上述したように、無線式点火器23の防水ケース74には、カメラ73が取り付けられる。したがって、無線式点火器23をフレーム材106,107に固定した後、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出方向と、カメラの光軸とが略一致するようにカメラ73の向きが固定される。また、図9に示すように、固定架台100を構成するフレーム材116には、固定具22を介して保持装置22が固定される。
以下、保持装置22を固定架台100に装着する工程について説明する。まず、保持装置22を固定具24に仮留めする。この状態では、保持装置22の把持部55の外周面の一部分が第1の固定部材81の凹部81aに挿入される。また、保持装置22の把持部55の外周面のうち、第1の固定部材81の凹部81aに挿入される部分とは反対側の部分が第2の固定部材82の凹部82aに挿入される。また、第1の固定部材81と第2の固定部材82との間から保持装置22の把持部55が抜け落ちない程度に、ねじ85,86が締め付けられる。
保持装置22を固定具24に仮留めした状態で、固定具24を固定架台100に固定する。固定具24の第3の固定部材83の凹部83dにフレーム材116が挿入された後、第3の固定部材83の雌ねじ孔83e、83f、83g、83hに螺合されたねじ89,90,91,92が締め付けられる。ねじ89,90,91,92を締め付けると、ねじ89,90,91,92の先端部が雌ねじ孔83e、83f、83g、83hから突出し、フレーム材116の上面及び下面をそれぞれ押し付ける。その結果、固定具24が固定架台100に固定される。
上述したように、固定具24を固定架台100に固定した状態では、保持装置22は固定具24に仮留めされた状態である。したがって、保持装置22に拘束網噴出装置21を装着したときに、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出面(拘束網噴出装置21に設けられる蓋30の表面)が固定架台100の接地面(フレーム材108,109,110,111の下端面)と同一平面となる、又は固定架台100の接地面よりも若干高い位置となるように、固定具24に対する保持装置22の位置を調整する。固定具24に対する保持装置22の位置を調整した後、ねじ85,86を締め付ける。これにより、保持装置22が固定具24に固定される。
なお、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出面が固定架台100の下端面(接地面)よりも若干高い位置となるように固定具24に対する保持装置22の位置を調整する場合、フレーム材108,109,110,111の下端部が、拘束網噴出装置21から射出される8個の錘25の飛翔軌跡又は拘束網26の飛翔軌跡から外れるように、固定具24に対する保持装置22の位置が調整されていればよい。
次に、拘束網展開装置20を装着した無人浮遊機10を用いて、標的となる無人浮遊機を捕獲する動作について説明する。図10(a)に示すように、拘束網展開装置20を装着した無人浮遊機10は、図示を省略したコントローラの操作により飛行動作が行われる。作業者はコントローラを操作して、拘束網展開装置20を装着した無人浮遊機10を、標的となる無人浮遊機118の上方に位置するまで飛行させる。このとき、無線式点火器70に設けたカメラ73からモニタ77に映像信号が送信されるので、無人浮遊機10を操作する作業者は、モニタ77に映し出される映像や上空を見ながら、標的となる無人浮遊機118の位置を確認する。上述したように、カメラ73の光軸が拘束網噴出装置21における拘束網26の射出方向に略一致するように設定されている。したがって、モニタ77に映し出される映像として、標的となる無人浮遊機118が映像の中心に位置し、その全体像が写し込まれた映像となる場合に、作業者は、送信機78のボタンを押圧操作する。ここで、コントローラを操作して無人浮遊機10を飛行させる作業者と、送信機78のボタンを押圧操作する作業者は、同一の作業者であっても、異なる作業者であってもよい。
送信機78のボタンが押圧操作されると、無線式点火器23の無線モジュール70は点火信号を受信する。点火信号を受信すると、制御回路71aは、拘束網噴出装置21に装着されたガス発生器31に向けて電力を供給する。その結果、ガス発生器31において点火動作が実行され、高圧ガスが発生する。高圧ガスが発生することを受けて、拘束網噴出装置21に収納された8個の錘25が下方に噴出される。8個の錘25は、拘束網26に連結されているので、8個の錘25が噴出されると、拘束網26が展開されながら飛翔する。その過程で、標的となる無人浮遊機118に展開された拘束網26が掛かる。なお、拘束網26は、引張り紐32により拘束網噴出装置21の容器28と連結されている。したがって、引張り紐32が張った状態となると、展開した拘束網26は錘25が連結された外周部分が収束される。その過程で、拘束網26は、標的となる無人浮遊機118を包み込む。図10(b)に示すように、標的となる無人浮遊機118が拘束網26に包み込まれると、標的となる無人浮遊機118のプロペラが拘束網26に絡まり飛行動作が強制的に停止される。その結果、標的となる無人浮遊機118を捕獲することが可能となる。図10(c)に示すように、無人浮遊機10は飛行可能であるので、標的となる無人浮遊機118を捕獲した後も継続して飛行を行って、捕獲された無人浮遊機118を安全な場所に運搬することができる。
ここで、標的となる無人浮遊機118を確実に拘束するために、例えばカメラ73から得られた画像を解析して、標的となる無人浮遊機118までの距離が拘束網展開装置20の作動により射出される拘束網26により拘束できる範囲(距離)となる場合に、拘束網展開装置20の作動を許可する報知をモニタに表示する、又は音声により報知することも可能である。また、カメラ73から得られた画像を解析する他に、無人浮遊機10、拘束網展開装置20又は固定架台100のいずれかに距離センサを設け、距離センサにより標的となる無人浮遊機118までの距離を検出した結果に基づいて、上記報知を行うことも可能である。
次に、拘束網噴出装置21に用いられる拘束網26や引張り紐32に対する種々の検証試験の結果を示す。
まず、拘束網噴出装置21に用いられる拘束網26の大きさについて検証試験を行った。検証試験は、以下の条件で行われた。
1)図11(a)に示すように、拘束網噴出装置21に用いられる拘束網26の射出方向が真下となり、且つ拘束網噴出装置21における拘束網26の射出面が地上から高さHの位置となるように、拘束網噴出装置21を試験用架台120に固定する。なお、検証試験において、高さHを、H=10mに設定した。
2)図11(b)に示すように、地上から高さhを飛行する無人浮遊機125を標的として、拘束網噴出装置21に収納される拘束網26を射出する。なお、飛行する無人浮遊機125としては、全長1mの大きさ(普及している最大の無人浮遊機の大きさ)を用いている。また、検証試験において、無人浮遊機125を飛行させる高さhを、h=8.5mに設定した。つまり、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出面から無人浮遊機125までの距離は、1.5mである。上記検証試験では、飛翔した拘束網26により標的となる無人浮遊機125の全体を覆い、拘束できるか否かを判定の基準とした。以下、拘束網噴出装置21に用いた拘束網26の大きさについて表1に示す。
Figure 0006603073
表1に示すように、上記検証試験では、拘束網26は、1×1m(サンプル1)、2×2m(サンプル2)、3×3m(サンプル3)、4×4m(サンプル4)、5×5m(サンプル5)の5種類の大きさが用いられる。5種類の拘束網26の目幅は125mmである。なお、拘束網26の大きさが6×6m以上となる場合、検証試験で用いた拘束網噴出装置21の容器28に収納させることが困難であったので、6×6m以上については考慮していない。以下、5種類のサンプルを用いた検証試験の結果を表2に示す。
Figure 0006603073
例えばサンプル1を用いた場合、射出した拘束網26は無人浮遊機125に掛かるが、展開された拘束網26により無人浮遊機125を包み込むことができないという結果が得られた。一方、サンプル2からサンプル5のいずれもが、無人浮遊機125に掛かり、無人浮遊機125を包み込むことができるという結果が得られた。したがって、拘束網26の大きさは、サンプル2からサンプル5で用いた、2×2m〜5×5mの大きさの拘束網26が好ましいとの検証結果が得られた。
次に、拘束網噴出装置21に用いられる拘束網26の目幅について検証試験を行った。検証試験は、以下の条件で行われた。
1)図11(a)に示すように、拘束網噴出装置21に用いられる拘束網26の射出方向が真下となり、且つ拘束網噴出装置21における拘束網26の射出面が地上から高さHの位置となるように、拘束網噴出装置21を試験用架台120に固定する。なお、検証試験において、地上からの高さHを、H=4mに設定した。
2)図11(b)に示すように、地上から高さhを飛行する無人浮遊機125を標的として、拘束網噴出装置21に収納される拘束網26を射出する。なお、飛行する無人浮遊機125としては、全長1mの大きさ(普及している最大の無人浮遊機の大きさ)を用いている。なお、検証試験において、無人浮遊機125を飛行させる高さhを、h=2.5mに設定した。つまり、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出面から無人浮遊機125までの距離は、1.5mである。
上記検証試験では、飛翔した拘束網26により標的となる無人浮遊機125の全体を覆い、拘束できるか否かを判定の基準とした。以下、サンプルとして用いた拘束網噴出装置21に用いた拘束網26の目幅と大きさについて表3に示す。
Figure 0006603073
表3に示すように、上記検証試験では、拘束網26は3×3mの大きさで、拘束網26の目幅として、40mm角(サンプル6)、50mm角(サンプル7)、500mm角(サンプル8)、510m角(サンプル9)の4種類のものを用いている。以下、これらサンプルを用いた検証試験の結果を表4に示す。
Figure 0006603073
表4に示すように、サンプル6の場合、拘束網26の展開時に空気抵抗の影響により、拘束網26の飛翔方向がずれ、拘束網26は標的となる無人浮遊機125に正常にかからないという結果が得られた。つまり、拘束網26の目幅が40mm角の場合には、飛翔時に空気抵抗や風の影響を受けやすく、無人浮遊機125を確実に捕獲するためには不適であると考えられる。一方、サンプル7及びサンプル8の場合、拘束網26は無人浮遊機125を包み込むことができ、無人浮遊機125を確実に拘束できる結果が得られた。なお、サンプル9の場合、拘束網26の目幅が大きすぎ、無人浮遊機125の一部が拘束網26からすり抜ける事象が発生する。この事象は拘束網26の目幅が500mmを超えると顕著となる。したがって、拘束網26の目幅は、50〜500mmの範囲のものが好ましい。
次に、拘束網噴出装置21に用いられる拘束網26の強度について検証試験を行った。検証試験は、以下の条件で行われた。
1)重量10kgの無人浮遊機125を用意し、拘束網26に包み込まれた状態を再現する。
2)拘束網26の中心部を試験用架台120に取り付け、拘束網26に包み込まれた無人浮遊機125を吊り下げる。
3)無人浮遊機125を吊り下げた拘束網26が切れるか否かを確認する。
上記検証試験では、拘束網26に包み込まれた無人浮遊機125を吊り下げた状態を10分間静置したときに拘束網26が切れたか否かを基準とした。以下、拘束網噴出装置21に用いた拘束網26の材質、線径及び強度について、表5に示す。
Figure 0006603073
表5に示すように、拘束網26の材質としてポリエチレンを用いている。また、拘束網26の線径は、0.90mm、0.95mm、1.00mm、1.05mmの4種類を用いた。なお、拘束網26の線径0.90mm、0.95mm、1.00mm、1.05mmに対する強度は、それぞれ90N(サンプル10),100N(サンプル11),110N(サンプル12),120N(サンプル13)である。以下、上記検証試験の結果を表6に示す。上記検証試験では、同一のサンプルを用いた検証試験を、少なくとも5回行っている。
Figure 0006603073
表6に示すように、強度が100N以下の場合、拘束網26が無人浮遊機125の重量に耐えきれず、10分以内に綱の中心において切断する場合が見られた。一方、強度が110N以上の場合、10分以内に綱の中心において切断する事例は見られなかった。したがって、強度が110N以上であれば、種々の無人浮遊機125を拘束し、回収する動作まで行うことができると考える。つまり、拘束網26の強度は、110N以上が好ましい。なお、上記検証試験では、拘束網26の材質をポリエチレンとしているが、110N以上の強度を持つ材質であれば、ポリエチレンに限定されるものではない。
次に、拘束網噴出装置21に用いる引張り紐32の強度について検証試験を行った。検証試験は、以下の条件で行われた。
1)重量10kgの無人浮遊機125を用意し、拘束網26に包み込まれた状態を再現する。
2)拘束網26の中心部を試験用架台120に取り付け、拘束網26に包み込まれた無人浮遊機125を吊り下げる。
3)無人浮遊機125を吊り下げた引張り紐32が切れるか否かを確認する。
上記検証試験では、拘束網26に包み込まれた無人浮遊機125を吊り下げた状態を10分間静置したときに引張り紐32が切れたか否かを基準とした。以下、引張り紐32の材質、線径及び強度について、表7に示す。
Figure 0006603073
表7に示すように、引張り紐32の材質はポリエチレンを用いた。また、引張り紐32の線径は、0.90mm、0.95mm、1.00mm、1.05mmの4種類を用いた。なお、引張り紐32の線径0.90mm、0.95mm、1.00mm、1.05mmに対する強度は、それぞれ90N(サンプル14),100N(サンプル15),110N(サンプル16),120N(サンプル17)である。以下、上記検証試験の結果を表8に示す。上記検証試験では、同一のサンプルを用いた検証試験を、少なくとも5回行っている。
Figure 0006603073
表8に示すように、強度が100N以下の場合、引張り紐32が無人浮遊機125の重量に耐えきれず、10分以内に引張り紐32の中心において切断する場合が見られた。一方、強度が110N以上の場合、10分以内に引張り紐32の中心において切断する事例は見られなかった。したがって、強度が110N以上であれば、種々の無人浮遊機を拘束し、回収する動作まで行うことができると考える。つまり、引張り紐32の強度は、110N以上が好ましい。なお、上記検証試験では、引張り紐32の材質をポリエチレンとしているが、110N以上の強度を持つ材質であれば、ポリエチレンに限定されるものではない。
次に、拘束網26に対する引張り紐32の取付位置の検証実験を行った。この検証実験は、引張り紐32を拘束網26に取り付けたときに、拘束網26が効果的に機能する位置を検証している。検証試験は、以下の条件で行われた。
1)図11(a)に示すように、拘束網噴出装置21に用いられる拘束網26の射出方向が真下となり、且つ拘束網噴出装置21における拘束網26の射出面が地上から高さHの位置となるように、拘束網噴出装置21を試験用架台120に固定する。なお、検証試験において、地上からの高さHを、H=4mに設定した。
2)図11(b)に示すように、地上から高さhを飛行する無人浮遊機125を標的として、拘束網噴出装置21に収納される拘束網26を射出する。なお、飛行する無人浮遊機125としては、全長1mの大きさ(普及している最大の無人浮遊機の大きさ)を用いている。なお、検証試験において、無人浮遊機125を飛行させる高さhを、h=2.5mに設定した。つまり、拘束網噴出装置21における拘束網26の射出面から無人浮遊機125までの距離は、1.5mである。
上記検証試験では、拘束網26が標的である無人浮遊機125の全体を覆い、拘束できるか否か、また、拘束した無人浮遊機125を吊り下げた状態で維持できるか否かを基準とした。以下、拘束網26の大きさ、目幅、引張り紐32の長さ及び拘束網26に取り付ける引張り紐32の位置と本数について、表9に示す。
Figure 0006603073
表9において、拘束網26の大きさを3.2×3.2m、目幅を125mmとしている。なお、サンプル18は、1本の引張り紐32を拘束網26の中心に取り付けた場合を示す。サンプル19は、拘束網26の外周の4辺のうち、上部2辺の中点に取り付けられる錘に引張り紐32をそれぞれ取り付けた場合を示す。サンプル20は、拘束網26の外周の4辺の各辺の中点に取り付けられる錘25に引張り紐32をそれぞれ取り付けた場合を示す。
これらサンプルをそれぞれ用いた検証試験では、いずれのサンプルにおいても標的である無人浮遊機125を包み込むように拘束網26が掛かり、無人浮遊機125を拘束した状態で、吊り上げることができた。例えばサンプル18の場合には、引張り紐32が拘束網26の中心に取り付けられているので、拘束網26の四隅及び各辺の中点に取り付けられた錘25が標的の下方のほぼ同一の位置で収束する。また、サンプル18を使用した場合には、サンプル19及びサンプル20に比べ、拘束網26が無人浮遊機125に密着して拘束していた。また、サンプル19やサンプル20の場合には、引張り紐32が取り付けられた錘25は、引張り紐32の抵抗を受けて、引張り紐32が取り付けられていない錘25よりも高い位置で収束する結果となった。
上述したサンプル18からサンプル20においては、引張り紐32の位置に関係なく、標的である無人浮遊機125を拘束、吊り下げることができる結果となっている。その中で、引張り紐32を拘束網26に取り付けたときに、最も効果的な位置は、拘束網26の中心である。拘束網26は、拘束網噴出装置21から飛翔とともに展開される。拘束網26が展開した後、錘により拘束網26は収束するが、この収束の際に、拘束網26に取り付けられた錘が拘束網26を捩るように回転する。拘束網26の中心に引張り紐32を取り付けると、全ての錘が等しく回り込む結果、引っ張り紐を捩る力が強くなり、無人浮遊機125により密着して拘束できると考えられる。
次に、拘束網26の中心に取り付ける引張り紐32の本数や位置に対する検証試験を行った。上述したように、引張り紐32は拘束網26の中心に取り付けることが、無人浮遊機125を拘束する際に有効であることがわかっている。しかしながら、拘束網26の中心位置は、編み目の内側に位置する場合もあり、拘束網26の中心に引張り紐32を取り付けることはできない。したがって、以下の検証試験では、引張り紐32の結束位置と引張り紐32の本数を検証し、拘束網26及び引張り紐32の破断強度が高くなる条件を検証する試験を行っている。検証試験は、以下の条件で行われた。
1)拘束網26に引張り紐32を結束したサンプル(サンプル21からサンプル26)を作成する。
2)各サンプルの拘束網26側の端部と引張り紐32側の端部とを、それぞれ引張強度試験器に取り付け、10mm/minで引っ張ったときの破断強度を計測する。
上記検証試験では、破断強度が110N以上となる場合を基準とした。以下、検証試験に用いた拘束網26の大きさ、目幅、引張り紐32の結束位置及び本数について、表10に示す。
Figure 0006603073
なお、検証試験に用いた拘束網26及び引張り紐32の材質は、強化ポリエチレン製である。以下、表10に示したサンプルにおける強度試験の結果を表11に示す。
Figure 0006603073
表11に示すように、引張り紐32の本数が多いほど、破断強度が高くなる傾向にあるが、引張り紐32の本数が4本を超えると、破断強度にあまり変化が見られない。したがって、引張り紐32の本数は、最大4本であることが好ましい。また、上述したように、拘束網26の引張り強度や、引張り紐32の引張強度は、110N以上であればよい。表11に示す各サンプルでは、破断強度が110Nを超過した結果となっている。したがって、引張り紐32の本数は、1〜4本のいずれかであればよいことがわかる。また、引張り紐32を結束する拘束網26の位置は、拘束網26の中心近傍に位置する1から4箇所を結束すればよいことがわかる。
最後に、引張り紐32の長さを検証する試験を行った。この検証実験は、拘束網26を確実に展開させることができる長さを検証している。検証試験は、以下の条件で行われた。
1)図11(c)に示すように、拘束網噴出装置21の射出方向が真下となり、且つ拘束網噴出装置21における拘束網26の射出面が地上から高さHの位置となるように、拘束網噴出装置21を試験用架台120に固定する。なお、検証試験において、地上からの高さHを、H=10mに設定した。
2)拘束網噴出装置21から拘束網26を噴出させ、噴出開始から収束するまでの拘束網26の展開状況を動画撮影する。以下、検証試験に用いた拘束網26の大きさ、引張り紐32の長さについて、表12に示す。
Figure 0006603073
表12に示すように、拘束網として、5×5mの大きさの拘束網26を用いて、引張り紐32の長さを0.07m(サンプル27)、0.08m(サンプル28)、10m(サンプル29)として検証した。以下、検証結果を表13に示す。
Figure 0006603073
ここで、サンプル27で使用した引張り紐32の長さ0.07mは、拘束網噴出装置21の容器28に取り付けられる引張り紐32の根本部分から、拘束網26の射出面までの長さとなる。例えば引張り紐32の長さが0.07mの場合、拘束網26が拘束網噴出装置21の射出面近傍で展開される。この場合、拘束網噴出装置21の一部に引っ掛かりやすく、展開異常の事象が多発する。
また、引張り紐32の長さが0.08m以上となるときには、拘束網26の展開異常が発生せず、正常に展開する。したがって、引張り紐32の最小長さは、0.08mとなる。
一方、引張り紐32が長い場合には、拘束網26は正常に展開されることになる。しかしながら、引張り紐32が長い程、風の影響により、拘束した無人浮遊機の振れ幅が大きくなり、拘束した無人浮遊機の回収時の操作が難しくなる。したがって、引張り紐32の最大長さは10mとするのが好ましい。つまり、引張り紐32の長さは、0.08〜10mとするのが好ましい。
なお、検証試験で用いた拘束網噴出装置21の容器28よりも大きい容器を用いる場合も想定されることから、引張り紐32は、拘束網噴出装置21の容器28に連結された拘束網26が射出されたときに、射出された拘束網26が展開することができる長さであればよい。
本実施形態では、拘束網噴出装置21を保持装置22に着脱自在としているが、拘束網噴出装置21と保持装置22とを一体に設けることも可能である。また、本実施形態では、保持装置22と無線式点火器23とを個別に設けているが、保持装置22と無線式点火器23とを一体に設けることも可能である。さらに、本実施形態では、拘束網噴出装置21、保持装置22及び無線式点火器23を個別に設けているが、拘束網噴出装置21、保持装置22及び無線式点火器23を一体に設けることも可能である。
本実施形態では、引張り紐32により拘束網26と容器28とが連結される拘束網噴出装置を例に挙げているが、引張り紐32により拘束網26と容器28とを連結していない拘束網噴出装置を用いることも可能である。
本実施形態では、固定架台100を介して、拘束網展開装置20を無人浮遊機10に実装する場合を例に取り上げているが、拘束網展開装置20を無人浮遊機10に直接装着することも可能である。
本実施形態では、固定架台100に1個の拘束網展開装置20を実装した場合について説明しているが、固定架台100に実装される拘束網展開装置20の個数は、2個以上であってもよい。
本実施形態では、固定架台100に装着される拘束網展開装置20を固定式としているが、例えば固定架台100に対して保持装置22を左右方向及び前後方向に移動させる、又は、固定架台100に対する保持装置22の角度を変更することで、拘束網展開装置20から噴出させる拘束網26の射出方向を変更できるようにしてもよい。このような場合、保持装置の位置や角度の変更に合わせてカメラの位置や角度も変更する必要がある。
本実施形態では、拘束網26の外周の四隅及び各辺の中点に紐部材を介して錘25を取り付けた実施形態としている。このような拘束網26を標的となる無人浮遊機に向けて射出したときには、標的である無人浮遊機を包み込むように拘束網26が掛かり、無人浮遊機を拘束した状態で、吊り上げることができる。無人浮遊機を拘束した状態を確実に作り出すために、図12に示すように、拘束網26と錘25とを連結するための紐部材32に、湾曲方向が異なる2つのフック(鈎部)130a,130bを両端部に備えた引掛け部材130を設けることも可能である。なお、両端部にフックを設けた引掛け部材130である必要はなく、一端側のみにフックを設けた引掛け部材であってもよい。
10…無人浮遊機、20…拘束網展開装置、21…拘束網噴出装置、22…保持装置、23…無線式点火器、24…固定具、25…錘、26…拘束網、28…容器、30…蓋、31…ガス発生器、32…引張り紐、70…無線モジュール、72…電池、73…カメラ、100…固定架台

Claims (15)

  1. 複数のロータユニットを有する機体と、
    前記機体の下部に設けられる降着装置と、
    複数のフレームから構成され、前記降着装置の下部に装着される固定架台と、
    複数の錘及び前記複数の錘を取り付けた拘束網を個別に収納する容器と、燃焼性物質を燃焼させてガスを発生させるガス発生器と、を有する拘束網噴出装置と、
    前記拘束網噴出装置を着脱自在に保持する保持具と、
    前記固定架台を構成する複数のフレームの何れかのフレームが、前記容器から下方に向けて発射される前記拘束網又は前記複数の錘の飛翔軌跡から外れるように、前記拘束網噴出装置が装着される前記保持具を前記固定架台に固定する固定具と、
    光軸方向が前記拘束網噴出装置における前記拘束網の射出方向と一致するように前記固定架台に設けられ、前記拘束網により捕獲する対象物の撮像により取得された撮像信号を地上のモニタに送信することが可能な撮像手段と、
    前記対象物が前記モニタの中心に位置し且つ前記対象物の全体が前記モニタに表示されたときに送信機から送信される点火信号を無線通信により受信する、前記固定架台に固定された無線通信手段と、
    前記固定架台に固定される前記保持具の上方となる位置で前記固定架台に固定され、前記無線通信手段が前記点火信号を受けたときに、前記拘束網噴出装置を作動させる点火器と、
    を備えたことを特徴とする無人浮遊機。
  2. 請求項1に記載の無人浮遊機において、
    前記固定架台は、
    同一間隔を空けて平行に配置される3本の第1フレームと、
    3本の前記第1フレームの両端が各々突き当てられる2本の第2フレームと、
    3本の前記第1フレームのうち2本の前記第1フレームの間に、所定の間隔を空けて、前記第2フレームと平行に配置される2本の第3フレームと、
    2本の前記第2フレームの両端下部に直交した状態で突き当てられて配置される4本の第4フレームと、
    4本の前記第4フレームのうち、隣り合う2本の前記第4フレームに跨って、且つ各々が同一の高さとなる位置に配置される4本の第5フレームと、
    4本の前記第5フレームのうち、対峙する2本の前記第5フレームの間に跨って配置される第6フレームと、
    を含み、
    前記点火器は、前記2本の第3フレームに跨って固定され、
    前記保持具は、前記固定具を介して前記第6フレームに固定されることを特徴とする無人浮遊機
  3. 請求項1又は請求項2に記載の無人浮遊機において
    前記固定具は、前記保持具を挟持した状態で締結部材により締結される2つの部材と、前記少なくとも2つの部材の一方が固着された状態で、前記固定架台に固定される部材と、を含むことを特徴とする無人浮遊機。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の無人浮遊機において、
    前記ガス発生器により発生する前記ガスの圧力を受けて前記複数の錘が前記容器から噴出したときに前記容器から分離する蓋部材を備えることを特徴とする無人浮遊機。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の無人浮遊機において、
    前記保持は、前記点火器のリード線が接続される第1の接続端子を有し、
    前記拘束網噴出装置は、前記ガス発生器のリード線が接続される第2の接続端子を有し、
    前記点火器は、前記保持による前記拘束網噴出装置の保持により前記第1の接続端子と第2の接続端子とが接触することで前記点火器と前記ガス発生器とが電気的接続された後、前記点火器が前記点火信号を受信したことを受けて前記ガス発生器に電力を供給する電力供給部を有することを特徴とする無人浮遊機。
  6. 請求項5に記載の無人浮遊機において、
    前記保持は、前記保持が前記拘束網噴出装置を保持したときに、前記第1の接続端子を前記第2の接続端子に向けて押圧する弾性部材を有することを特徴とする無人浮遊機。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無人浮遊機において、
    前記拘束網の目幅は、50mm角から500mm角の範囲であることを特徴とする無人浮遊機。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の無人浮遊機において、
    前記拘束網の大きさは、2m×2mから5m×5mの範囲であることを特徴とする無人浮遊機。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の無人浮遊機において、
    前記拘束網の引張強度は、110N以上であることを特徴とする無人浮遊機。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の無人浮遊機において、
    前記拘束網と前記容器とを連結する紐部材を備えていることを特徴とする無人浮遊機。
  11. 請求項10に記載の無人浮遊機において、
    前記紐部材の長さは、前記容器に連結された前記拘束網が射出されたときに、射出された前記拘束網が展開できる長さに設定されることを特徴とする無人浮遊機。
  12. 請求項10に記載の無人浮遊機において、
    前記紐部材は、前記拘束網と前記容器との間の長さが0.08m〜10mの範囲に設定されることを特徴とする無人浮遊機。
  13. 請求項10又は請求項12に記載の無人浮遊機において、
    前記紐部材の引張強度は、110N以上であることを特徴とする無人浮遊機。
  14. 複数のロータユニットを保持する機体と、前記機体の下部に設けられる降着装置と、複数のフレームから構成され、前記降着装置の下部に装着される固定架台と、を有する無人浮遊機と、
    複数の錘及び前記複数の錘を取り付けた拘束網を個別に収納する容器と、燃焼性物質を燃焼させてガスを発生させるガス発生器と、を有する拘束網噴出装置と、前記固定架台を構成する複数のフレームの何れかのフレームが、前記容器から下方に向けて発射される前記拘束網又は前記複数の錘の飛翔軌跡から外れるように、固定具を介して前記固定架台に固定された状態で、前記拘束網噴出装置を着脱自在に保持する保持具と、からなる拘束網展開装置と、
    前記固定架台に固定される前記保持具の上方となる位置で前記固定架台に固定され、前記拘束網噴出装置を作動させる点火器と、
    光軸方向が前記拘束網噴出装置における前記拘束網の射出方向と一致するように、前記固定架台に設けられ、前記拘束網により捕獲する対象物を撮像し、取得された撮像信号を無線通信により送信することが可能な撮像手段と、
    前記撮像手段から送信された撮像信号に基づいた映像を表示するモニタと、
    前記点火器との間で無線通信が可能であり、前記ガス発生器の点火信号を前記点火器に向けて送信する送信機と、
    を含むことを特徴とする対象物拘束システム。
  15. 請求項14に記載の対象物拘束システムにおいて、
    前記送信機は、前記対象物が前記モニタの中心に位置し且つ前記対象物の全体が前記モニタに表示されたことを受けて、前記点火器に向けて前記点火信号を送信することを特徴とする対象物拘束システム。
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