JP6599730B2 - ディスクブレーキ及び鉄道車両用ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクブレーキ及び鉄道車両用ディスクブレーキに関する。
ブレーキパッドの引摺り現象が防止されたフローティングキャリパ型のディスクブレーキが、従来から知られている(特許文献1参照)。
このフローティングキャリパの型ディスクブレーキは、一方のパッド(ブレーキパッド)が、両端部を二股に開いたキャリパ(フローティングキャリパ)の一端の腕に固定され、他方のパッドがこれと反対側の腕に設けたピストン(駆動ピストン)によりロータに向けて押し出されるように構成されている。キャリパの他端の腕には、2本のガイドピンが固定され、これらのガイドピンは、台車枠等に結合されたサポートの筒状部に軸方向へ摺動自在に支承されている。
すなわち、図13(a)に示すように、キャリパの二股になった一対の腕501の間には、上下一対のガイドピン503(上側のみを図示する)が掛渡され、それぞれフランジ505とナット(図示略)とにより腕501に固定されている。上側のガイドピン503を囲むサポート(図示略)の筒状部507の内面には、一対の保持リング509が段部511とスナップリング(図示略)とにより挟持されて取り付けられている。この保持リング509の内側には、断面がH形状のリトラクションゴムリング(フリクションゴムリング)513が嵌着されている。
上記の構成において、非制動時は、断面H形のリトラクションゴムリング513の内周の突条515における先端部が、図13(a)のように、ガイドピン503の外周面に真直に当接している。
制動すると、パッドがロータに押付けられた反力でガイドピン503がキャリパと共に図13(b)の矢印Aの方向に移動する。これと共にガイドピン503の外周面と突条515の先端部との摩擦のため、リトラクションゴムリング513の突条515が矢印Aの方向に曲がる(撓む)。
制動を解除すると、リトラクションゴムリング513はその弾力のため元の姿勢に戻ろうとし、内周の突条515の先端部とガイドピン503の外周面との摩擦によりガイドピン503が、図13(c)の矢印Bの方向へ動かされる。これによりガイドピン503に結合されたキャリパが矢印Bの方向へ僅かに移動し、キャリパに固定されたパッドをロータから僅かながら離す。これにより車両の始動を軽くすることができる。車両が走行を始めると、振動等のためパッドとロータとの間隙は十分大きくなる。
このようなフローティングキャリパ型のディスクブレーキによれば、リトラクションゴムリング513によって、制動解除時に直ちにキャリパに固定されたパッドをロータから引離して、引摺りを防止し、始動トルクの増大を防ぎ、ライニングの摩耗を防止することができる。
実開平6−32773号公報
しかしながら、上述した従来のフローティングキャリパ型のディスクブレーキは、リトラクションゴムリング513のみでキャリパのリトラクション効果(戻し力)と戻し量を管理しているため、リトラクションゴムリング513の製造バラつきや寸法公差などによって所望するキャリパ戻し動作を安定的に発揮させることが難しいという問題があった。すなわち、戻し力をリトラクションゴムリング513のみによって得るのでは限界がある。また、異なる仕様のキャリパに対しては、戻し量の微調整が必要となるため、既存のキャリパ(鋳物)に対して追加工を行ったりせずに戻し量の微調整が可能となる構造が望まれている。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、キャリパ戻し力の設定が容易に行なわれ、しかも、所望するキャリパ戻し動作が安定的に発揮されて、パッドの引き摺りを確実に防止できるディスクブレーキ及び鉄道車両用ディスクブレーキを提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) サポートの筒状支持部に対しガイドピンを介して摺動自在に支承された基部と、該基部からディスクロータを軸方向両側から挟む位置にまで延出された一対の押圧腕とを有するフローティングキャリパと、前記ディスクロータの側面に対向するように前記一対の押圧腕の先端部にそれぞれ設けられた一対のブレーキパッドと、前記ブレーキパッドの一方を前記ディスクロータの側面に向けて駆動するために前記一対の押圧腕の一方に設けられた駆動ピストンと、前記ガイドピンの両端部における少なくとも前記駆動ピストン側と反対側の端部に配置され、前記ガイドピンに対して摺動自在に支持された前記基部を前記駆動ピストン側と反対側へ弾性付勢するためのキャリパ戻し機構と、を備えることを特徴とするディスクブレーキ。
上記(1)の構成のディスクブレーキによれば、サポートの筒状支持部に対してフローティングキャリパの基部を摺動自在に支承するガイドピンにおける駆動ピストン側と反対側の端部には、キャリパ戻し機構が設けられる。キャリパ戻し機構は、ガイドピンとフローティングキャリパとの間に、キャリパ戻し力を発生させる。そこで、キャリパ戻し機構は、制動解除時にこのキャリパ戻し力によって一対のパッドを制動前と同じクリアランスでディスクロータから離間させる。キャリパ戻し機構が設けられたガイドピンは、現行のフローティングキャリパおけるガイドピンと交換されるだけでよく、既存のフローティングキャリパに対して一切の追加工なしに、ディスクブレーキに対するパッド引き摺り対策を実現するための改良が可能となる。
(2) 前記キャリパ戻し機構が、前記ガイドピンの端部に設けられたばね収容部に装着されると共に、開口端フランジが前記ばね収容部の開口縁に係止される有底筒状のばね収容部材と、前記ばね収容部の開口を覆って前記基部に固定されるばね受け部材と、前記開口端フランジに対して所定間隔を有した状態の前記ばね受け部材と前記ばね収容部材の底部との間に介装される圧縮ばね部材と、を備えることを特徴とする上記(1)の構成のディスクブレーキ。
上記(2)の構成のディスクブレーキによれば、ガイドピンの端部に開口して形成されているばね収容部には、開口端フランジがばね収容部の開口縁に係止されたばね収容部材が挿入される。ばね収容部材には、更に圧縮ばね部材が収容される。ばね受け部材は、ばね収容部材の底部に一端が当接した圧縮ばね部材の他端に当接した状態でばね収容部の開口を覆うように、フローティングキャリパの基部に固定される。従って、駆動ピストンが駆動されてフローティングキャリパがガイドピンに対して駆動ピストン側に移動されると、圧縮ばね部材が圧縮される。キャリパ戻し機構は、この圧縮された圧縮ばね部材の弾性復元力によって、キャリパ戻し力が得られることになる。
(3) 前記ばね受け部材が、前記ガイドピンに対して前記基部を摺動自在に支持するための滑り軸受を備えることを特徴とする(2)のディスクブレーキ。
上記(3)の構成のディスクブレーキによれば、フローティングキャリパの基部に固定されたばね受け部材が、滑り軸受を介してガイドピンの外周に摺動自在に支持される。これにより、フローティングキャリパの基部は、滑り軸受によって摺動抵抗が軽減され、より少ない力で、ガイドピンに対する移動が可能となる。
(4) 前記ばね受け部材は、前記基部が前記滑り軸受を介して前記ガイドピンに対して摺動自在に支持されるように前記基部に固定される円筒状のガイドピン支持部と、前記圧縮ばね部材の一端に当接されて前記ガイドピン支持部の外側開口端を覆うように前記ガイドピン支持部に固定されるばね支持部と、を備えることを特徴とする上記(3)の構成のディスクブレーキ。
上記(4)の構成のディスクブレーキによれば、フローティングキャリパの基部に固定されるばね受け部材が、滑り軸受を備えて基部に固定されるガイドピン支持部と、圧縮ばね部材の一端に当接されてガイドピン支持部に固定されるばね支持部とで構成される。そこで、フローティングキャリパの基部に固定されたばね受け部材のガイドピン支持部がガイドピンの外周に摺動自在に支持された状態のまま、ばね支持部を取り外して圧縮ばね部材を着脱することができる。これにより、仕様の異なるばね支持部や圧縮ばね部材と交換することで、極めて容易にフローティングキャリパの戻し力と戻し量の調整が可能となる。
(5) Oリングが、前記ガイドピン支持部と前記ばね支持部との間に介装されていることを特徴とする上記(4)に記載のディスクブレーキ。
上記(5)の構成のディスクブレーキによれば、ガイドピン支持部とばね支持部との間の合わせ部分がOリングにより水密にシールされ、ばね収容部やばね収容部材への水や埃の侵入を防止することができる。
(6) 前記ガイドピンの両端部に配置された前記キャリパ戻し機構における前記ばね支持部は、前記ばね収容部材の底部と中空の前記ガイドピンとを中心軸方向に貫通したボルト軸と、前記ボルト軸の先端に螺着されたナットとによって、前記基部に固定されることを特徴とする上記(5)に記載のディスクブレーキ。
(7) Oリングが、前記ばね支持部と前記ボルト軸との間、及び前記ばね支持部と前記ナットとの間にそれぞれ介装されていることを特徴とする上記(6)に記載のディスクブレーキ。
(8) 前記ガイドピン支持部と前記ばね支持部との間、及び前記ばね支持部と前記ボルト軸との間には、互いの相対回転を規制する回り止め機構が設けられていることを特徴とする上記(7)に記載のディスクブレーキ。
(9) 前記ガイドピンにおける前記駆動ピストン側の端部に配置される前記キャリパ戻し機構は、前記基部に対する軸方向の前記ばね収容部材の移動を所定間隔に規制するためのストッパー部を前記ばね受け部材に有することを特徴とする上記(2)〜(8)の何れか1つに記載のディスクブレーキ。
上記(9)の構成のディスクブレーキによれば、ガイドピンの両端部にキャリパ戻し機構が配置されるので、例えば車輪の揺動時において必要となる駆動ピストン側と反対側へフローティングキャリパの基部を戻す力を作ることが可能となる。
なお、制動時には、駆動ピストンが駆動されてフローティングキャリパがガイドピンに対して駆動ピストン側に移動されると、駆動ピストン側と反対側のガイドピンの端部に設けられたキャリパ戻し機構における圧縮ばね部材は圧縮されてキャリパ戻し力を発生する。この際、駆動ピストン側のガイドピンの端部に配置されたキャリパ戻し機構におけるばね収容部材の移動は、ばね受け部材のストッパー部によって所定間隔に規制されているので、フローティングキャリパの駆動ピストン側への移動によって、駆動ピストン側のキャリパ戻し機構におけるばね収容部材の開口端フランジとガイドピンのピストン側端部との間には、間隙(干渉回避間隙)が形成される。そこで、駆動ピストン側のキャリパ戻し機構における圧縮ばね部材の弾性力は、駆動ピストン側と反対側のキャリパ戻し機構における圧縮ばね部材のキャリパ戻し力に干渉せず、キャリパ戻し力に対する反力(負荷)となって作用することがない。
(10) 上記(1)〜(9)の何れか1つのディスクブレーキを備えたことを特徴とする鉄道車両用ディスクブレーキ。
上記(10)の構成の鉄道車両用ディスクブレーキによれば、上記のディスクブレーキの構成を備えることで、鉄道車両用の車輪の両側面に取り付けたディスクロータにブレーキパッドを押圧して制動する際に、ブレーキパッドとディスクロータのパッドクリアランスを一定に維持できる。これにより、ブレーキパッドの偏摩耗及び引きずりを防止するとともに、車両の始動トルクの増大を抑制可能とすることができる。
本発明に係るディスクブレーキ及び鉄道車両用ディスクブレーキによれば、キャリパ戻し力の設定が容易に行なわれ、しかも、所望するキャリパ戻し動作が安定的に発揮されて、パッドの引き摺りを確実に防止できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキの斜視図である。 図1に示したディスクブレーキの分解斜視図である。 図1に示したディスクブレーキの側面図である。 図3におけるA−A断面図である。 図3におけるB−B断面図である。 図1に示したディスクブレーキの動作説明図であり、(a)はイニシャル時の動作説明図、(b)はブレーキ制動時の動作説明図、(c)はブレーキ緩開時の動作説明図である。 (a)は図1に示したディスクブレーキの断面図、(b)は比較例に係るディスクブレーキの断面図である。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキの断面図である。 図8の要部拡大図である。 本発明の第3実施形態に係るディスクブレーキの分解斜視図である。 図10に示したディスクブレーキの断面図である。 図11の要部拡大図である。 (a)は従来構成における非制動時のリトラクションゴムリングのガイドピンに対する姿勢を示す模式図、(b)は(a)の制動時におけるリトラクションゴムリングの突条の変形を示す模式図、(c)はリトラクションゴムリングの復位時の作用を示す模式図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜図5に示すように、本発明の第1実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11は、鉄道車両用ディスクブレーキに用いられる場合を例に説明する。この他、ディスクブレーキ11は、例えばエレベータ等、回転部材に対して制動力を発生させる種々の産業用駆動装置のブレーキ装置にも好適に用いることができるものである。
本第1実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11は、図示しない台車枠に結合されたサポート23に摺動自在に支承された基部25から車輪35(図6参照)の両側面に取り付けられたディスクロータ37,37を軸方向両側から挟む位置にまで延出された一対の押圧腕であるピストン側押圧腕39及び反ピストン側押圧腕41を有するフローティングキャリパ13と、ディスクロータ37,37の外側面に対向するようにピストン側押圧腕39及び反ピストン側押圧腕41にそれぞれ設けられた一対のブレーキパッド17,17と、ピストン側押圧腕39に設けられた駆動ピストン15(図6(a)の部分破断部参照)と、上段ガイドピン(ガイドピン)31の両端部に配置されたキャリパ戻し機構19と、を主要な構成として有している。
フローティングキャリパ13における基部25の上部及び下部には、サポート23の上下一対の筒状支持部である上段筒状支持部27及び下段筒状支持部29に対し、ガイドピンである上段ガイドピン31及び下段ガイドピン33がそれぞれ掛け渡されている。フローティングキャリパ13の基部25は、上段ガイドピン31及び下段ガイドピン33を介して上段筒状支持部27及び下段筒状支持部29に摺動自在に支承される。上段ガイドピン31は、両端がキャリパ戻し機構19により基部25から抜け止めされている。下段ガイドピン33は、フランジ34とナット36とにより基部25に固定されている。フローティングキャリパ13の基部25には、車輪35(図6参照)の両側面に取り付けられたディスクロータ37を軸方向両側から挟む位置にまで、一対の押圧腕であるピストン側押圧腕39及び反ピストン側押圧腕41が延設される。なお、本第1実施形態におけるピストン側押圧腕39及び反ピストン側押圧腕41は、それぞれ平行な二股の腕部により構成されている。
ブレーキパッド17は、車輪35の両側面に取り付けられたディスクロータ37の外側面に対向するようにピストン側押圧腕39及び反ピストン側押圧腕41の先端部にそれぞれ設けられる。なお、本第1実施形態では、ブレーキパッド17のライニング面が、ディスクロータ37を押圧してブレーキ動作を行う構造を例に説明する。勿論、ディスクブレーキ11は、車輪35の両側面を直接挟圧して制動する構成であってもよい。
駆動ピストン15は、本第1実施形態において、ブレーキパッド17の一方をディスクロータ37の側面に向けて駆動するために一対の押圧腕の一方であるピストン側押圧腕39に設けられている。
キャリパ戻し機構19は、本第1実施形態において、上段ガイドピン31の両端部に配置されている。キャリパ戻し機構19は、上段ガイドピン31に対して摺動自在に支持された基部25を駆動ピストン側(以下、駆動ピストン側と云う)と反対側へ弾性付勢する。なお、本発明に係るキャリパ戻し機構19は、上段ガイドピン31の両端部における少なくとも駆動ピストン側と反対側の端部(図5中、右端部)に設けられていればよい。このキャリパ戻し機構19については後に詳述する。なお、本第1実施形態では、キャリパ戻し機構19が上段ガイドピン31にのみ設けられる例を説明するが、キャリパ戻し機構19は、上段ガイドピン31及び下段ガイドピン33の双方に設けられてもよい。
サポート23の上段筒状支持部27の内方には、一対のフリクションゴムリング21が嵌装されている。図5に示すように、フリクションゴムリング21の軸方向両側には、ワッシャ部材43が配置される。ワッシャ部材43は、フリクションゴムリング21の上段ガイドピン31に沿う方向の移動を規制する。
上段ガイドピン31を囲む上段筒状支持部27の内周面中央には、段部45とスナップリング47とにより調心軸受49が固定されている。調心軸受49は、上段ガイドピン31を揺動可能に支持する。調心軸受49は、台車枠に弾力的に支持される車輪35が台車枠に対して相対的に変位(揺動)して上段ガイドピン31とサポート23の上段筒状支持部27とが不平行になっても、ブレーキパッド17とディスクロータ37との摺動面を制動時に密接させることができる。
なお、下段ガイドピン33と下段筒状支持部29との間には、図4に示すように、ゴムブッシュ52とスリーブ51が介装される。下段ガイドピン33は、調心軸受49の代わりに、これらゴムブッシュ52及びスリーブ51を介して、下段筒状支持部29に対して軸線方向に摺動自在に支持されている。
一対のフリクションゴムリング21は、上段筒状支持部27の内周面において、調心軸受49の軸方向両側に配置される。一対のフリクションゴムリング21は、上段筒状支持部27に嵌装されて上段ガイドピン31を摺動自在に弾性支持する。
ワッシャ部材43は、フリクションゴムリング21の軸方向両側に配置されて、フリクションゴムリング21の軸方向移動を規制する。本第1実施形態において、フリクションゴムリング21は、図5に示すように、上段筒状支持部27の内周面に形成された段部53によって軸方向一方への移動が規制され、スナップリング55によって軸方向他方への移動が規制される。これにより、一対のフリクションゴムリング21は、上段筒状支持部27の内周面に軸方向の移動が規制された状態で固定される。
フリクションゴムリング21は、高い弾性域(変形量)と戻し力(リトラクション効果)を有する形状及び材質のものが選定される。本第1実施形態において、フリクションゴムリング21の軸線を含む面による断面形状は、内周面にグリスが保持できる環状溝57を有する断面U字形状に形成されている。フリクションゴムリング21は、図5に示すように、環状溝57を有する内周面側の一対の凸部先端が上段ガイドピン31の外周面に摺接する。フリクションゴムリング21の凸部先端と上段ガイドピン31の外周面との間には、両者間の摺動抵抗値を適性値である5〜50kgfにするために、二硫化モリブデン等の固化潤滑材を混入した高性能グリスを保持させることができる。
なお、本発明に係るフリクションゴムリング21の断面形状は、本第1実施形態のU字形状に限定されるものではなく、弾性復元作用の調整を可能とするものであれば、断面H形等の種々の形状を採りうる。
フリクションゴムリング21は、断面U字形状に形成され、その凸部先端が上段ガイドピン31の外周面に摺接することで、弾性復元作用を有する。これにより、例えばブレーキ制動時に上段ガイドピン31が上段筒状支持部27に対して駆動ピストン側へ移動した際、ブレーキ緩開時においては、駆動ピストン側と反対側(以下、反駆動ピストン側と云う)へ上段ガイドピン31を戻す力を作ることが可能となる。
また、高性能グリスはその種類、グリス塗布の有無を上記調性の中で最適な組み合わせを選択する。
本第1実施形態に係るキャリパ戻し機構19は、上段ガイドピン31の両端部に設けられたばね収容部69に装着されるばね収容部材59と、上段ガイドピン31に対して基部25を摺動自在に支持するための滑り軸受61と、ばね収容部69の開口を覆うばね受け部材63と、ばね受け部材63とばね収容部材59の底部83との間に介装される圧縮ばね部材65と、を有する。
ばね収容部材59は、有底筒状に形成され、開口端側に開口端フランジ67を有する。ばね収容部材59は、上段ガイドピン31のピストン側端部87(端部)及び反ピストン側端部(端部)91に凹設されたばね収容部69に装着される。ばね収容部69に装着されたばね収容部材59は、開口端フランジ67がばね収容部69の開口縁に係止され、それ以上のばね収容部69への挿入が規制される。なお、本第1実施形態では、圧縮ばね部材65として圧縮コイルばねを用いる例を説明するが、この他、圧縮ばね部材65は、ゴム等の弾性部材であってもよい。
滑り軸受61は、円筒状に形成され、ばね受け部材63のガイドピン支持部71に内嵌されて、上段ガイドピン31とばね受け部材63との間に配設される。滑り軸受61は、上段ガイドピン31に対する基部25の摺動抵抗を軽減させる。
ばね受け部材63は、ばね収容部69の開口を覆って基部25に固定される。上記のように、ばね受け部材63は、滑り軸受61を介して上段ガイドピン31に対し摺動自在となる。本第1実施形態において、ばね受け部材63は、ガイドピン支持部71と、ばね支持部73と、を有する。
ガイドピン支持部71は、円筒状に形成され、滑り軸受61を介して上段ガイドピン31を摺動自在に支持するため基部25に固定される。この固定は、図5に示す基部25に当接するガイドピン支持部71の鍔部75と、基部25を挟んで鍔部75と反対側でガイドピン支持部71に係合する止め輪77によって行われる。更に、ガイドピン支持部71と基部25との間には、鍔部75の切欠き部76が基部25の係止リブ78に係合することで互いの相対回転を規制する回り止め機構が設けられている。
ばね支持部73は、圧縮ばね部材65の一端に当接された状態でガイドピン支持部71の外側開口端を覆うようにガイドピン支持部71に複数のボルト79によって固定される。ガイドピン支持部71の鍔部75と、ばね支持部73との間には、Oリング81が装着される。Oリング81は、ガイドピン支持部71とばね支持部73との間の合わせ部分を水密にシールし、ばね収容部69やばね収容部材59への水や埃の侵入を防止する。
圧縮ばね部材65は、図4及び図5に示すように、ばね収容部材59の内方に収容される。ばね収容部材59に収容された圧縮ばね部材65は、一端がばね収容部材59の底部83に当接し、他端がばね受け部材63のばね支持部73に当接する。そして、圧縮ばね部材65は、開口端フランジ67に対して所定間隔S1を有した状態のばね受け部材63とばね収容部材59の底部83との間に介装される。
また、キャリパ戻し機構19は、ストッパー部85(図5参照)を有する。ストッパー部85は、ガイドピン支持部71の内周に、段部状に形成される。ストッパー部85は、ばね収容部材59の開口端フランジ67に当接することで、ガイドピン支持部71を介して基部25に対する軸方向のばね収容部材59の移動を所定間隔S1に規制する。すなわち、キャリパ戻し機構19におけるばね収容部材59の移動は、ばね受け部材63におけるガイドピン支持部71のストッパー部85によって所定間隔S1に規制されている。そこで、制動時には、フローティングキャリパ13の駆動ピストン側への移動によって、駆動ピストン側のキャリパ戻し機構19におけるばね収容部材59の開口端フランジ67と上段ガイドピン31のピストン側端部87との間には、図5に示す間隙(干渉回避間隙)S2が形成されるように構成されている。
ここで、上記構成を有するディスクブレーキ11において、キャリパ戻し力に必要な力関係は以下のとおりである。すなわち、F1: 上段ガイドピン31とサポート23(調心軸受49、フリクションゴムリング21)の摺動抵抗、F2: 圧縮ばね部材65のばね力、F3: 下段ガイドピン33とサポート23(スリーブ51)の摺動抵抗、F4: 上段ガイドピン31の両端部における滑り軸受61の摺動抵抗としたとき、
F1>F2>(F3+F4)
の力関係となるように設定される。
次に、上記した構成のディスクブレーキ11の作用を説明する。
本第1実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11は、ピストン側押圧腕39の先端部に設けられている駆動ピストン15が駆動されると、一方(図6中、左方)のブレーキパッド17がディスクロータ37に押圧される。これによって、一方のブレーキパッド17は、ディスクロータ37から反力を受ける。
一方のブレーキパッド17が受けた反力は、ピストン側押圧腕39をディスクロータ37から離反する方向(図5中、左方)に移動させる。
この移動により、図5に示すように、フローティングキャリパ13は、反ピストン側押圧腕41側の基部25が、反駆動ピストン側(図5中、右側)のばね受け部材63をディスクロータ37に接近させる方向(図5中、左方向)に移動させ、ピストン側押圧腕39側の基部25が、駆動ピストン側(図5中、左側)のばね受け部材63をディスクロータ37から離間させる方向(図5中、左方向)に移動させる。
このフローティングキャリパ13の移動により、反駆動ピストン側におけるばね受け部材63のばね収容部材59に収容されている圧縮ばね部材65は圧縮変形する。これにより、反駆動ピストン側に配置されたキャリパ戻し機構19にキャリパ戻し力が蓄積される。圧縮ばね部材65の圧縮時、ばね受け部材63は、滑り軸受61によって上段ガイドピン31の外周を軸線に沿う方向で摺動抵抗が軽減されて移動する。ばね受け部材63の移動によって、反駆動ピストン側のばね支持部73は、図5に示すように、上段ガイドピン31の反ピストン側端部91に係止されている開口端フランジ67に当接する。
上記のフローティングキャリパ13の移動によって、ピストン側押圧腕39は、駆動ピストン側のばね受け部材63をディスクロータ37から離反する方向に移動させる。すると、駆動ピストン側のばね収容部材59は、ばね受け部材63のストッパー部85に開口端フランジ67が押圧されて、上段ガイドピン31のばね収容部69から引き出される方向に移動される。これにより、開口端フランジ67と上段ガイドピン31のピストン側端部87(図5参照)との間には、間隙(干渉回避間隙)S2が形成される。また、開口端フランジ67は、圧縮ばね部材65の付勢力によって、ストッパー部85に当接したままとなり、ばね支持部73と離間された状態に配置されるので、駆動ピストン側の圧縮ばね部材65のばね力が反駆動ピストン側の圧縮ばね部材65の圧縮変形に影響を及ぼすことはない。以上が、ブレーキ制動時の状態である。
一方、制動緩開後は、駆動ピストン15が後退する。すると、ピストン側押圧腕39には、ディスクロータ37から離反させる方向の反力が作用しなくなる。そこで、反ピストン側押圧腕41側において圧縮変形されていた圧縮ばね部材65が、弾性復元する。弾性復元した圧縮ばね部材65は、ばね支持部73を開口端フランジ67から離反する方向に押圧する。この弾性復元力によって、反駆動ピストン側のばね受け部材63が滑り軸受61によってディスクロータ37から離反する方向(図5の右方向)に移動する。反駆動ピストン側のばね受け部材63の移動は、反ピストン側押圧腕41をディスクロータ37から離反する方向に移動させる。その結果、フローティングキャリパ13が制動前(イニシャル時)の状態に戻り、一対のブレーキパッド17は、制動前と同じクリアランスでそれぞれディスクロータ37から離間されることになる。
なお、この制動緩開時、ピストン側押圧腕39は、駆動ピストン側のばね受け部材63をディスクロータ37へ接近させる方向に移動させる。開口端フランジ67と上段ガイドピン31のピストン側端部87との間には、上記の干渉回避間隙S2が形成されている。このため、駆動ピストン側の圧縮ばね部材65の弾性力は、キャリパ戻し力に対する反力(負荷)となって作用することがない。
ここで、図6(a)に示すように、制動前(イニシャル時)において、各ブレーキパッド17とディスクロータ37とのクリアランスdを3mmとする。図6(b)に示すブレーキ制動時は、駆動ピストン15が6mm突出する(ピストンストロークs=6mm)ことで、基部25は反力によって3mmだけ駆動ピストン15の突出方向と逆に移動する。この時、上段ガイドピン31は移動せずキャリパ戻し機構19が移動するため、反駆動ピストン側の圧縮ばね部材65が圧縮変形する。この圧縮ばね部材65の変形による復元力がフローティングキャリパ13を戻す力(リトラクション効果)を作る。従って、図6(c)に示すブレーキ緩開後においては、駆動ピストン15が6mm引き戻すのと同時に、フローティングキャリパ13が3mmだけ反ピストン側へ移動し、両パッドクリアランスが3mmとなる。なお、ライニング摩耗が生じている場合には、ブレーキ緩開後において、その分がサポート23と上段ガイドピン31とのズレ量となって現れる。
次に、上記構成を有するディスクブレーキ11の車輪揺動時における作用を説明する。
鉄道車両において、車輪35は、カーブ走行時のブレーキングにおいて、台車枠に固定されたフローティングキャリパ13に対して揺動する。
上記の構成を有するディスクブレーキ11は、車輪揺動時についても、車輪揺動量がパッドクリアランスの2倍までならば車輪揺動後も両方のブレーキパッド17のクリアランスは同値で維持される。
本第1実施形態のフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11は、車輪揺動量±6mmまでは、両パッドクリアランス3mmの確保が可能である。
ピストン側へ6mm以上車輪が揺動した場合の各パッドクリアランスの予想値を下記表1に示す。表1は、車輪35の揺動によって、駆動ピストン側へ車輪35が移動された後に、車輪35が移動前の位置に戻った場合の各パッドクリアランスを示している。
なお、揺動時のフローティングキャリパ13の動作において、反ピストン側へ車輪35が移動した場合は、表1における各クリアランス(ピストン側のクリアランスと反ピストン側のクリアランス)は逆転する。
また、車輪揺動量が9mmを超えた場合は、駆動ピストン側の圧縮ばね部材65の圧縮変形により、ディスクロータ37に対するブレーキパッド17の押圧力が発生する。
Figure 0006599730
即ち、イニシャル時にディスクブレーキ11は、車輪35がイニシャル時から駆動ピストン方向に6mm揺動すると、サポート23と基部25とのズレ量が3mmとなり、車輪35と基部25とのズレ量が3mmとなる。この場合、駆動ピストン側のキャリパ戻し機構19には、3mmの戻し力が発生する。ディスクブレーキ11は、揺動が解消後されれば、両パッドクリアランス3mmの確保が可能となる。
また、イニシャル時にディスクブレーキ11は、車輪35がイニシャル時から駆動ピストン方向に10mm揺動すると、サポート23と基部25とのズレ量が7mmとなり、車輪35と基部25とのズレ量が3mmとなる。
そこで、車輪戻り量が6mmの場合、サポート23と基部25とのズレ量は、4mmとなり、車輪35と基部25とのズレ量は、0mmとなる。そして、ディスクロータ37とブレーキパッド17のパッドクリアランスは、3mmとなる。
また、車輪戻り量が9mmの場合、サポート23と基部25とのズレ量は、4mmとなり、車輪35と基部25とのズレ量は、0mmとなる。そして、車輪35は、残り移動量が1mmとなってブレーキパッド17にディスクロータ37が当接する。この残り移動量の1mm分、車輪35が移動することで、駆動ピストン側の圧縮ばね部材65がたわみ、ディスクロータ37に対するブレーキパッド17の押付力が発生する。
図7(a)は図1に示したディスクブレーキの断面図、(b)は比較例に係るディスクブレーキの断面図である。
図7(a)に示すように、本第1実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11では、サポート23の上段筒状支持部27に対してフローティングキャリパ13の基部25を摺動自在に支承する上段ガイドピン31の両端部には、キャリパ戻し機構19が設けられる。反駆動ピストン側のキャリパ戻し機構19は、上段ガイドピン31とフローティングキャリパ13との間に、キャリパ戻し力を発生させる。そこで、反駆動ピストン側のキャリパ戻し機構19は、制動解除時にこのキャリパ戻し力によって一対のブレーキパッド17を制動前と同じクリアランスでディスクロータ37から離間させる。キャリパ戻し機構19が設けられた上段ガイドピン31は、図7(b)に示す現行のフローティングキャリパ13Aにおける上段ガイドピン95と交換されるだけでよく、既存のフローティングキャリパ13Aに対して一切の追加工なしに、フローティングキャリパ型のディスクブレーキ93に対するパッド引き摺り対策を実現するための改良が可能となる。
そして、本実施形態のフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11では、上段ガイドピン31の端部に開口して形成されているばね収容部69には、開口端フランジ67がばね収容部69の開口縁に係止されたばね収容部材59(図5参照)が挿入される。ばね収容部材59には、更に圧縮ばね部材65が収容される。ばね受け部材63は、ばね収容部材59の底部83に一端が当接した圧縮ばね部材65の他端に当接した状態でばね収容部69の開口を覆うように、フローティングキャリパ13の基部25に固定される。従って、駆動ピストン15が駆動されてフローティングキャリパ13が上段ガイドピン31に対して駆動ピストン側に移動されると、反駆動ピストン側のキャリパ戻し機構19における圧縮ばね部材65が圧縮される。反駆動ピストン側のキャリパ戻し機構19は、この圧縮された圧縮ばね部材65の弾性復元力によって、キャリパ戻し力が得られることになる。
また、本実施形態のフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11では、フローティングキャリパ13の基部25に固定されたばね受け部材63が、滑り軸受61(図5参照)を介して上段ガイドピン31の外周に摺動自在に支持される。これにより、フローティングキャリパ13の基部25は、滑り軸受61によって摺動抵抗が軽減され、より少ない力で、上段ガイドピン31に対する移動が可能となる。
また、本実施形態のフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11では、フローティングキャリパ13の基部25に固定されるばね受け部材63が、滑り軸受61を備えて基部25に固定されるガイドピン支持部71と、圧縮ばね部材65の一端に当接されてガイドピン支持部71に固定されるばね支持部73とで構成される(図5参照)。そこで、フローティングキャリパ13の基部25に固定されたばね受け部材63のガイドピン支持部71が上段ガイドピン31の外周に摺動自在に支持された状態のまま、ばね支持部73を取り外して圧縮ばね部材65を着脱することができる。これにより、仕様(所定間隔S1や、ばね定数など)の異なるばね支持部73や圧縮ばね部材65と交換することで、極めて容易にフローティングキャリパ13の戻し力と戻し量の調整が可能となる。
更に、本実施形態のフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11では、上段ガイドピン31の両端部にキャリパ戻し機構19が配置されるので、例えば車輪35の揺動時において必要となる反駆動ピストン側へフローティングキャリパ13の基部25を戻す力を作ることが可能となる。
なお、制動時には、駆動ピストン15が駆動されてフローティングキャリパ13が上段ガイドピン31に対して駆動ピストン側に移動されると、上段ガイドピン31の反駆動ピストン側の端部に設けられたキャリパ戻し機構19における圧縮ばね部材65は圧縮されてキャリパ戻し力を発生する。この際、上段ガイドピン31の駆動ピストン側の端部に配置されたキャリパ戻し機構19におけるばね収容部材59の移動は、ばね受け部材63のストッパー部85によって所定間隔S1に規制されているので、フローティングキャリパ13の駆動ピストン側への移動によって、駆動ピストン側のキャリパ戻し機構19におけるばね収容部材59の開口端フランジ67と上段ガイドピン31のピストン側端部87との間には、間隙(干渉回避間隙)S2が形成される。そこで、駆動ピストン側のキャリパ戻し機構19における圧縮ばね部材65の弾性力は、反駆動ピストン側のキャリパ戻し機構19における圧縮ばね部材65のキャリパ戻し力に干渉せず、キャリパ戻し力に対する反力(負荷)となって作用することがない。
本第1実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキでは、上記のディスクブレーキ11の構成を備えることで、鉄道車両用の車輪35の両側面に取り付けたディスクロータ37にブレーキパッド17を押圧して制動する際に、ブレーキパッド17とディスクロータ37のパッドクリアランスを一定に維持できる。これにより、ブレーキパッド17の偏摩耗及び引きずりを防止するとともに、車両の始動トルクの増大を抑制可能とすることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキを説明する。
なお、本第2実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキにおいて上記第1実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキと同等の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図8及び図9に示すように、本第2実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ97は、上段ガイドピン99の両端部にそれぞれキャリパ戻し機構103が配置されている。上段ガイドピン99は、中空のパイプとして形成される。
本第2実施形態に係るキャリパ戻し機構103は、中空の上段ガイドピン99の両端開口に設けられたばね収容部69に装着されるばね収容部材107と、上段ガイドピン99に対して基部25を摺動自在に支持するための滑り軸受61と、ばね収容部69となる上段ガイドピン99の開口を覆うばね受け部材105と、ばね受け部材105とばね収容部材107の底部108との間に介装される圧縮ばね部材65と、を有する。
滑り軸受61は、円筒状に形成され、ばね受け部材105のガイドピン支持部109に内嵌されて、上段ガイドピン99とばね受け部材105との間に配設される。そこで、上段ガイドピン99の両端の外周側には、ばね受け部材105が摺動自在に外挿される。ばね受け部材105は、筒状のガイドピン支持部109と、袋ナット状のばね支持部111とを有する。ガイドピン支持部109は、内周が滑り軸受61の外周に外挿される。ガイドピン支持部109の調心軸受49側の端部には抜け止め突起113が形成される。抜け止め突起113は、ガイドピン支持部109の基部25からの外方への抜けを規制する。
基部25を貫通したガイドピン支持部109の外周には、雄ねじ部115が形成されている。この雄ねじ部115には、ばね支持部111の雌ねじ部117が螺合する。即ち、ばね支持部111は、基部25を外方へ貫通したガイドピン支持部109の雄ねじ部115に螺合することで、抜け止め突起113とで基部25を挟持する。これにより、ばね受け部材105は、基部25と一体に固定される。基部25と一体に固定されたばね受け部材105は、滑り軸受61を介して上段ガイドピン99に摺動自在となる。つまり、基部25は、ばね受け部材105を介して上段ガイドピン99に対して摺動自在に支持される。
ばね収容部69となる上段ガイドピン99の内方の中空部には、有底筒状に形成されたばね収容部材107が挿入される。このばね収容部材107には、開口端側に開口端フランジ67が設けられている。ばね収容部69に装着されたばね収容部材107は、開口端フランジ67が上段ガイドピン99の開口縁に係止され、それ以上のばね収容部69への挿入が規制される。また、開口端フランジ67の外周端は、ガイドピン支持部109のばね支持部111側の端面110に当接可能とされている。
本第2実施形態に係るキャリパ戻し機構103では、ガイドピン支持部109のばね支持部111側の端部に、外径が縮径されたOリング装着部119が形成されている。このOリング装着部119には、Oリング81が装着される。
また、このOリング装着部119より中心軸側のガイドピン支持部109における端面110は、上記第1実施形態のストッパー部85と同様の機能を有する。
次に、上記した構成のディスクブレーキ97の作用を説明する。
本第2実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ97は、ピストン側押圧腕39の先端部に設けられている駆動ピストン15(図6(a)の部分破断部参照)が駆動されると、一方のブレーキパッド17がディスクロータ37に押圧され、このディスクロータ37から反力を受ける。
一方のブレーキパッド17が受けた反力は、ピストン側押圧腕39をディスクロータ37から離反する方向(図9中、右方向)に移動させる。
この移動により、フローティングキャリパ13は、反ピストン側押圧腕41側の基部25が、反駆動ピストン側(図9中、左側)のばね受け部材105をディスクロータ37に接近させる方向(図9中、右方向)に移動させ、ピストン側押圧腕39側の基部25が、駆動ピストン側(図9中、右側)のばね受け部材105をディスクロータ37から離間させる方向(図9中、右方向)に移動させる。
このフローティングキャリパ13の移動により、反駆動ピストン側におけるばね受け部材105のばね収容部材107に収容されている圧縮ばね部材65は圧縮変形する。これにより、反駆動ピストン側に配置されたキャリパ戻し機構103にキャリパ戻し力が蓄積される。圧縮ばね部材65の圧縮時、ばね受け部材105は、滑り軸受61によって上段ガイドピン99の外周を軸線に沿う方向で摺動抵抗が軽減されて移動する。ばね受け部材105の移動によって、反駆動ピストン側のばね支持部111は、上段ガイドピン99の反ピストン側端部91に係止されている開口端フランジ67に当接する。
上記のフローティングキャリパ13の移動によって、ピストン側押圧腕39は、駆動ピストン側のばね受け部材105をディスクロータ37から離反する方向に移動させる。すると、駆動ピストン側のばね収容部材107は、ばね受け部材105における端面110に開口端フランジ67が押圧されて、上段ガイドピン99のばね収容部69から引き出される方向に移動される。これにより、開口端フランジ67と上段ガイドピン99のピストン側端部87との間には、間隙(干渉回避間隙)が形成される。また、開口端フランジ67は、圧縮ばね部材65の付勢力によって、端面110に当接したままとなり、ばね支持部111と離間された状態に配置されるので、駆動ピストン側の圧縮ばね部材65のばね力が反駆動ピストン側の圧縮ばね部材65の圧縮変形に影響を及ぼすことはない。以上が、ブレーキ制動時の状態である。
一方、制動緩開後は、駆動ピストン15が後退する。すると、ピストン側押圧腕39には、ディスクロータ37から離反させる方向の反力が作用しなくなる。そこで、反ピストン側押圧腕41側において圧縮変形されていた圧縮ばね部材65が、弾性復元する。弾性復元した圧縮ばね部材65は、ばね支持部111を開口端フランジ67から離反する方向(図9の左方向)に押圧する。この弾性復元力によって、反駆動ピストン側のばね受け部材105が滑り軸受61によってディスクロータ37から離反する方向に移動する。反ピストン側のばね受け部材105の移動は、反ピストン側押圧腕41をディスクロータ37から離反する方向に移動させる。その結果、フローティングキャリパ13が制動前(イニシャル時)の状態に戻り、一対のブレーキパッド17は、制動前と同じクリアランスでそれぞれディスクロータ37から離間されることになる。
本第2実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ97によれば、上段ガイドピン99に中空のパイプを用いるので、軽量化を図ることができる。
また、ばね受け部材105のばね支持部111を袋ナット状としたので、キャリパ戻し機構103に高い防塵性、防水性を付与することができる。更に、フローティングキャリパ13の基部25に固定されたばね受け部材105のガイドピン支持部109が上段ガイドピン99の外周に摺動自在に支持された状態のまま、ばね支持部111を取り外して圧縮ばね部材65を着脱することができる。これにより、仕様(所定間隔S1や、ばね定数など)の異なるばね支持部111や圧縮ばね部材65と交換することで、極めて容易にフローティングキャリパ13の戻し力と戻し量の調整が可能となる。
次に、本発明の第3実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキを説明する。
なお、本第3実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキにおいて上記第1実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキと同等の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図10〜図12に示すように、本第3実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ121は、上段ガイドピン151の両端部にそれぞれキャリパ戻し機構123,124が配置されている。上段ガイドピン151は、中空のパイプとして形成される。
キャリパ戻し機構123は、中空の上段ガイドピン151のピストン側端開口(端部)187に設けられたばね収容部69に装着されるばね収容部材127と、上段ガイドピン151に対して基部25を摺動自在に支持するための滑り軸受61と、ばね収容部69となる上段ガイドピン151の開口を覆うばね受け部材135と、ばね受け部材135とばね収容部材127の底部128との間に介装される圧縮ばね部材65と、を有する。
一方、キャリパ戻し機構124は、中空の上段ガイドピン151の反ピストン側端開口(端部)191に設けられたばね収容部69に装着されるばね収容部材127と、上段ガイドピン151に対して基部25を摺動自在に支持するための滑り軸受61と、ばね収容部69となる上段ガイドピン151の開口を覆うばね受け部材136と、ばね受け部材136とばね収容部材127の底部128との間に介装される圧縮ばね部材65と、を有する。
滑り軸受61は、円筒状に形成され、ばね受け部材135,136のガイドピン支持部131に内嵌されて、上段ガイドピン151とばね受け部材135,136との間に配設される。そこで、上段ガイドピン151の両端の外周側には、ばね受け部材135,136が摺動自在に外挿される。
ばね受け部材135は、筒状のガイドピン支持部131と、円環状のばね支持部133とを有する。また、ばね受け部材136は、筒状のガイドピン支持部131と、円環状のばね支持部134とを有する。
ガイドピン支持部131は、円筒状に形成され、滑り軸受61を介して上段ガイドピン151を摺動自在に支持するため基部25に固定される。この固定は、基部25に当接するガイドピン支持部131の鍔部175と、基部25を挟んで鍔部175と反対側でガイドピン支持部131に係合する止め輪77とによって行われる。更に、ガイドピン支持部131と基部25との間には、鍔部175の切欠き部176が基部25の係止リブ78に係合することで互いの相対回転を規制する回り止め機構が設けられている。
また、キャリパ戻し機構123,124では、ガイドピン支持部131の内周に、ストッパー部85が段部状に形成されている。
ばね支持部133及びばね支持部134は、それぞれ圧縮ばね部材65の一端に当接された状態でガイドピン支持部131の外側開口端を覆うように、ばね収容部材127の底部128における開口129と中空の上段ガイドピン151とを中心軸方向に貫通したボルト軸141と、ボルト軸141の先端に螺着されたナット145とによって、ガイドピン支持部131に固定される。これにより、ばね受け部材135,136は、基部25と一体に固定される。基部25と一体に固定されたばね受け部材135,136は、滑り軸受61を介して上段ガイドピン151に摺動自在となる。つまり、基部25は、ばね受け部材135,136を介して上段ガイドピン151に対して摺動自在に支持される。
キャリパ戻し機構123では、ナット145で締め付けられたワッシャ147とばね支持部133との間にOリング155が装着され、キャリパ戻し機構124では、ボルト軸141のボルト頭143とばね支持部134との間にはOリング153が装着される。Oリング153,155は、ボルト軸141が貫通するばね支持部133,134の貫通穴をそれぞれ水密にシールし、ばね収容部69やばね収容部材127への水や埃の侵入を防止する。
更に、ガイドピン支持部131とばね支持部134との間には、ばね支持部134の切欠き部138が鍔部175の係止突起177に係合することで互いの相対回転を規制する回り止め機構が設けられている。また、ばね支持部134とボルト軸141との間には、二面幅を有するボルト頭143がばね支持部134の嵌合凹部139に嵌合することで互いの相対回転を規制する回り止め機構が設けられている。そこで、ボルト軸141の先端にナット145を螺着する際、ボルト軸141は空転することがなく、組立作業性が向上する。
次に、上記した構成のディスクブレーキ121の作用を説明する。
本第3実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ121は、ピストン側押圧腕39の先端部に設けられている駆動ピストン15が駆動されると、一方のブレーキパッド17がディスクロータ37に押圧され、このディスクロータ37から反力を受ける。
一方のブレーキパッド17が受けた反力は、ピストン側押圧腕39をディスクロータ37から離反する方向(図12中、右方向)に移動させる。
この移動により、フローティングキャリパ13は、反ピストン側押圧腕41側の基部25が、反駆動ピストン側(図12中、左側)のばね受け部材136をディスクロータ37に接近させる方向(図12中、右方向)に移動させ、ピストン側押圧腕39側の基部25が、駆動ピストン側(図12中、右側)のばね受け部材135をディスクロータ37から離間させる方向(図12中、右方向)に移動させる。
このフローティングキャリパ13の移動により、反駆動ピストン側におけるばね受け部材136のばね収容部材127に収容されている圧縮ばね部材65は圧縮変形する。これにより、反駆動ピストン側に配置されたキャリパ戻し機構124にキャリパ戻し力が蓄積される。圧縮ばね部材65の圧縮時、ばね受け部材136は、滑り軸受61によって上段ガイドピン99の外周を軸線に沿う方向で摺動抵抗が軽減されて移動する。ばね受け部材136の移動によって、反駆動ピストン側のばね支持部111は、上段ガイドピン99の反ピストン側端部191に係止されている開口端フランジ67に当接する。
上記のフローティングキャリパ13の移動によって、ピストン側押圧腕39は、駆動ピストン側のばね受け部材135をディスクロータ37から離反する方向に移動させる。すると、駆動ピストン側のばね収容部材127は、ばね受け部材135のストッパー部85に開口端フランジ67が押圧されて、上段ガイドピン151のばね収容部69から引き出される方向に移動される。これにより、開口端フランジ67と上段ガイドピン151のピストン側端部187との間には、間隙(干渉回避間隙)が形成される。また、開口端フランジ67は、圧縮ばね部材65の付勢力によって、ストッパー部85に当接したままとなり、ばね支持部133と離間された状態に配置されるので、駆動ピストン側の圧縮ばね部材65のばね力が反駆動ピストン側の圧縮ばね部材65の圧縮変形に影響を及ぼすことはない。以上が、ブレーキ制動時の状態である。
一方、制動緩開後は、駆動ピストン15が後退する。すると、ピストン側押圧腕39には、ディスクロータ37から離反させる方向の反力が作用しなくなる。そこで、反ピストン側押圧腕41側において圧縮変形されていた圧縮ばね部材65が、弾性復元する。弾性復元した圧縮ばね部材65は、ばね支持部134を開口端フランジ67から離反する方向(図9の左方向)に押圧する。この弾性復元力によって、反駆動ピストン側のばね受け部材136が滑り軸受61によってディスクロータ37から離反する方向に移動する。反ピストン側のばね受け部材136の移動は、反ピストン側押圧腕41をディスクロータ37から離反する方向に移動させる。その結果、フローティングキャリパ13が制動前(イニシャル時)の状態に戻り、一対のブレーキパッド17は、制動前と同じクリアランスでそれぞれディスクロータ37から離間されることになる。
本第3実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ121によれば、上段ガイドピン151に中空のパイプを用いるので、軽量化を図ることができる。
また、ばね支持部133及びばね支持部134は、ばね収容部材127の底部128における開口129と中空の上段ガイドピン151とを中心軸方向に貫通したボルト軸141と、ボルト軸141の先端に螺着されたナット145とによって、それぞれガイドピン支持部131に固定される。そこで、本第3実施形態に係るばね受け部材135,136は、ばね支持部73が複数のボルト79によってガイドピン支持部71に固定されていた第1実施形態のばね受け部材63に比べて、部品点線を減らすことができる。
また、フローティングキャリパ13の基部25に固定されたばね受け部材135,136のガイドピン支持部131が上段ガイドピン151の外周に摺動自在に支持された状態のまま、ばね支持部133,134を取り外して圧縮ばね部材65を着脱することができる。これにより、仕様(所定間隔S1や、ばね定数など)の異なるばね支持部133,134や圧縮ばね部材65と交換することで、極めて容易にフローティングキャリパ13の戻し力と戻し量の調整が可能となる。
従って、上記第1〜第3実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11,97,121及び鉄道車両用ディスクブレーキによれば、キャリパ戻し力の設定を容易に行え、しかも、所望するキャリパ戻し動作を安定的に発揮させて、ブレーキパッド17の引き摺りを確実に防止できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
11…ディスクブレーキ
13…フローティングキャリパ
15…駆動ピストン
17…ブレーキパッド
19…キャリパ戻し機構
23…サポート
25…基部
27…上段筒状支持部(筒状支持部)
29…下段筒状支持部(筒状支持部)
31…上段ガイドピン(ガイドピン)
37…ディスクロータ
39…ピストン側押圧腕(押圧腕)
41…反ピストン側押圧腕(押圧腕)
59…ばね収容部材
61…滑り軸受
63…ばね受け部材
65…圧縮ばね部材
67…開口端フランジ
69…ばね収容部
71…ガイドピン支持部
73…ばね支持部
81…Oリング
83…底部
85…ストッパー部
87…ピストン側端部(端部)
91…反ピストン側端部(端部)
97…ディスクブレーキ
103…キャリパ戻し機構
105…ばね受け部材
107…ばね収容部材
109…ガイドピン支持部
111…ばね支持部

Claims (10)

  1. サポートの筒状支持部に対しガイドピンを介して摺動自在に支承された基部と、該基部からディスクロータを軸方向両側から挟む位置にまで延出された一対の押圧腕とを有するフローティングキャリパと、
    前記ディスクロータの側面に対向するように前記一対の押圧腕の先端部にそれぞれ設けられた一対のブレーキパッドと、
    前記ブレーキパッドの一方を前記ディスクロータの側面に向けて駆動するために前記一対の押圧腕の一方に設けられた駆動ピストンと、
    前記ガイドピンの両端部における少なくとも前記駆動ピストン側と反対側の端部に配置され、前記ガイドピンに対して摺動自在に支持された前記基部を前記駆動ピストン側と反対側へ弾性付勢するためのキャリパ戻し機構と、を備えることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記キャリパ戻し機構が、
    前記ガイドピンの端部に設けられたばね収容部に装着されると共に、開口端フランジが前記ばね収容部の開口縁に係止される有底筒状のばね収容部材と、
    前記ばね収容部の開口を覆って前記基部に固定されるばね受け部材と、
    前記開口端フランジに対して所定間隔を有した状態の前記ばね受け部材と前記ばね収容部材の底部との間に介装される圧縮ばね部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記ばね受け部材が、
    前記ガイドピンに対して前記基部を摺動自在に支持するための滑り軸受を備えることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ。
  4. 前記ばね受け部材は、
    前記基部が前記滑り軸受を介して前記ガイドピンに対して摺動自在に支持されるように前記基部に固定される円筒状のガイドピン支持部と、
    前記圧縮ばね部材の一端に当接されて前記ガイドピン支持部の外側開口端を覆うように前記ガイドピン支持部に固定されるばね支持部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載のディスクブレーキ。
  5. Oリングが、前記ガイドピン支持部と前記ばね支持部との間に介装されていることを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ。
  6. 前記ガイドピンの両端部に配置された前記キャリパ戻し機構における前記ばね支持部は、
    前記ばね収容部材の底部と中空の前記ガイドピンとを中心軸方向に貫通したボルト軸と、前記ボルト軸の先端に螺着されたナットとによって、前記基部に固定されることを特徴とする請求項5に記載のディスクブレーキ。
  7. Oリングが、前記ばね支持部と前記ボルト軸との間、及び前記ばね支持部と前記ナットとの間にそれぞれ介装されていることを特徴とする請求項6に記載のディスクブレーキ。
  8. 前記ガイドピン支持部と前記ばね支持部との間、及び前記ばね支持部と前記ボルト軸との間には、互いの相対回転を規制する回り止め機構が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のディスクブレーキ。
  9. 前記ガイドピンにおける前記駆動ピストン側の端部に配置される前記キャリパ戻し機構は、
    前記基部に対する軸方向の前記ばね収容部材の移動を所定間隔に規制するためのストッパー部を前記ばね受け部材に有することを特徴とする請求項2〜8の何れか1項に記載のディスクブレーキ。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載のディスクブレーキを備えたことを特徴とする鉄道車両用ディスクブレーキ。
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