JP6595797B2 - 撮像装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は撮像装置およびその制御方法に関し、特には複数のフォトダイオードもしくは光電変換領域を有する画素を有する撮像素子を用いる撮像装置およびその制御方法に関する。
撮像装置の自動焦点検出の方法として、位相差検出方式(位相差AF)とコントラスト検出方式(コントラストAF)の2つが広く用いられている。従来、位相差AFには専用のAFセンサを用いていたが、近年はコントラストAFと同様、撮像素子から得られる信号を用いるものも実現されており、像面位相差AFなどと呼ばれている。
特許文献1には、焦点検出用の信号を出力する専用の画素(焦点検出用画素)を離散的に配置することにより、像面位相差AFを実現する撮像素子が開示されている。焦点検出用画素の出力は通常画素(撮像用画素)として利用できないため、欠陥画素と同様に取り扱うのが一般的である。
一般的な撮像装置では撮影スタンバイ時などにおいて撮影から撮影画像の表示までの動作を繰り返し実行するライブビュー表示動作を行い、表示装置をビューファインダー(EVF)として機能させている。現在の撮像装置では表示画素数よりも撮像素子の画素数の方がずっと多いため、撮像素子の読み出し時に画素を間引くことで、撮像画像に対する処理の軽減を図る場合がある。画素を間引いて読み出した場合、読み出された画像における1画素の大きさは、間引きしない場合よりも相対的に大きくなるので、焦点検出用画素に起因する画質劣化の影響もまた大きくなる。一方で、縮小画像の画質を考慮して焦点検出用画素を間引くようにすると、ライブビュー表示中には像面位相差AFが実行できなくなる。
そのため、特許文献1では、縮小画素に占める焦点検出用画素の割合が異なる複数の間引き読み出しモードを用意し、撮像装置の動作状態、具体的にはAF動作中か否か、動画記録中か否か、といった条件によって間引き読み出しモードを切り替えている。
特開2010−181751号公報
特許文献1に記載された方法では、優先する用途に適した間引き読み出しモードを設定する構成であるため、優先されない用途については性能の低下が避けられなかった。また、読み出しモードの切り替えや切り替えに伴う露出条件の変更に時間を要するという問題があった。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、異なる用途のそれぞれに適した信号を撮像素子から取得可能な撮像装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
上述の目的は、1つのマイクロレンズに対して4つの光電変換領域を有する画素が2次元的に配置された撮像素子と、撮像素子上に被写体像を形成するための結像光学系と、結像光学系に含まれるフォーカスレンズを駆動するための駆動手段と、撮像素子の画素行のそれぞれの読み出しモードを、4つの光電変換領域の加算出力を読み出す第1モードと、4つの光電変換領域のうち垂直方向に隣接する2つの光電変換領域の加算出力を読み出す第2モードとを含む複数のモードのいずれかに設定する設定手段と、撮像素子の露光および読み出しタイミングを制御する制御手段と、第1モードで読み出された加算出力に基づく表示用画像を表示する表示手段と、を有し、撮像素子は、第2モードに設定された画素行から読み出された出力に基づく基準像信号と参照像信号との相関を表す値を生成する演算手段と、被写体像からAF評価値として用いる高周波成分を抽出する抽出手段と、を含み、設定手段は、表示画像用もしくはスキャンAF用の信号を生成するための画素行については第1モードに、位相差AF用の信号を生成するための画素行については第2モードに設定する、ことを特徴とする撮像装置によって達成される。
このような構成により本発明によれば、異なる用途のそれぞれに適した信号を撮像素子から取得可能な撮像装置およびその制御方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラの機能構成例を示す図 第1実施形態の撮像素子の模式図 第1実施形態における撮影モードの動作を示すフローチャート 第1実施形態におけるタイミング制御の例を示す図 第1実施形態におけるタイミング制御の例を示す図 第1実施形態の位相差AF処理の詳細を示すフローチャート 第1実施形態のスキャンAF処理の動作の説明するための模式図 第1実施形態のRFAF処理の詳細を示すフローチャート 第2実施形態の撮像素子の模式図 第2実施形態におけるタイミング制御の例を示す図 第3実施形態の撮像素子の模式図 第4実施形態における撮影モードの動作を示すフローチャート 第4実施形態における撮像素子の回路構成例を示す模式図
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明に係る焦点検出装置を撮像装置に適用した例について説明するが、本発明に係る焦点検出装置は、撮像を主目的とする装置への適用に限定されず、撮像機能を有する任意の電子機器に適用可能である。このような電子機器には、例えば携帯電話機、スマートフォン、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、電子手帳、タブレット端末、メディアプレーヤ、電子ブックリーダ、ドライブレコーダ、ロボットなどが含まれるが、これらに限定されない。
●(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る焦点検出装置を適用可能な撮像装置の一例としてデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。
デジタルカメラ1において、ズームレンズ2及びフォーカスレンズ3は、撮影光学系(結像光学系)を構成している。絞り4は撮影光学系を透過する光束の量を制御する。ズームレンズ2、フォーカスレンズ3、絞り4は、レンズ鏡筒38内に配置されている。
撮影光学系を透過した光束は例えばCMOSイメージセンサである撮像素子5の撮像面上に被写体像を形成する。撮像素子5は2次元配列された画素が有する光電変換部によって被写体像を光電変換し、画素単位の電気信号に変換する。後述するように、本実施形態で用いる撮像素子5は、各画素が複数の光電変換領域(副画素)を有し、光電変換領域ごとの読み出しと、複数の光電変換領域を加算読み出しすることが可能である。撮像回路6は撮像素子5により光電変換された電気信号に各種の画像処理を施すことにより所定の画像信号を生成する。A/D変換回路7は撮像回路6により生成されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。
メモリ(VRAM)8はA/D変換回路7が出力するデジタル画像信号を一時的に記憶するバッファメモリとして、また表示画像用のビデオメモリとして用いられる。D/A変換回路9はメモリ8に記憶された画像信号を読み出してアナログ信号に変換するとともに、再生出力に適する形態の画像信号に変換する。液晶表示装置(LCD)10は、D/A変換回路9により変換された画像信号を表示する表示装置の一例であり、デジタルカメラ1の各種情報やメニュー画面の表示、撮影画像の表示などに用いられるほか、EVFとしても機能する。圧縮/伸長回路11は、メモリ8に一時記憶された画像信号を読み出してデータ量を圧縮する符号化処理を施し、記憶用メモリ12での記憶に適した形態の画像データを生成する。また、圧縮/伸長回路11は、記憶用メモリ12に記憶された符号化画像データを読み出して復号化処理を施し、再生表示に適した画像データを生成する。記憶用メモリ12は不揮発性メモリであり、例えば着脱可能な半導体メモリカードや小型ハードディスクドライブなど、デジタルカメラの記録媒体として一般的に用いられる任意の記憶媒体を用いることができる。
AE処理回路13はA/D変換回路7から出力される画像信号を用いて自動露出制御(AE)処理を行い、適切な撮影条件を決定する。また、スキャンAF回路14はA/D変換回路7から出力される画像信号を用いてコントラスト方式の自動焦点検出(AF)処理を行う。
RFAF(リフォーカスAF)回路31は、撮像素子5から得られる像面位相差AF用の基準像信号(A像)に対して参照像信号(B像)を相対的にシフトしながら両者の和を演算して、仮想撮像面における画像信号(リフォーカス信号)を生成する。そして、RFAF回路31は、リフォーカス信号についてスキャンAF回路14で算出されるAF評価値に基づいてコントラスト方式のAF処理を行う。
位相差AF回路37は、撮像素子5から得られる像面位相差AF用の一対の像信号(基準像信号(A像)と参照像信号(B像))を用いた位相差検出方式のAF処理を行う。この処理には、像信号の修正処理や、位相差検出処理、デフォーカス量算出処理などが含まれる。
CPU15はプログラマブルプロセッサの一例であり、例えばEEPROM25に記憶されたプログラムを実行することによってデジタルカメラ1の各構成要素の動作を制御し、デジタルカメラ1の各種の機能を実現する。タイミングジェネレータ(TG)16は図示しないクロック発振器に接続され、CPU15の制御に従って所定のタイミング信号を発生し、センサドライバ17および撮像回路6に供給する。センサドライバ17はTG16からのタイミング信号に基づいて撮像素子5を駆動する。
第1モータ駆動回路18は、CPU15の制御に基づいて絞り駆動モータ21を駆動することで絞り4の開口量(絞り値)を変更する。第2モータ駆動回路19は、CPU15の制御に基づいてフォーカス駆動モータ22を駆動することでフォーカスレンズ3の位置を変更して、撮影光学系の合焦距離を変更する。また、第3モータ駆動回路20は、CPU15の制御に基づいてズーム駆動モータ23を駆動することでズームレンズ2の位置を変更し、撮影光学系の焦点距離(画角)を変更する。
操作スイッチ24は各種のスイッチ群からなり、例えば、主電源スイッチ、レリーズスイッチ、再生スイッチ、ズームスイッチ、光学式ファインダー(OVF)/電子ビューファインダー(EVF)切り替えスイッチ等を含む。主電源スイッチは、デジタルカメラ1を起動させ、電源供給を行うためのものである。レリーズスイッチは、第1ストロークでオンするSW1と、第1ストロークより深い第2ストロークでオンするSW2を有する。SW1のオンは撮影準備動作の開始指示であり、AE処理、AF処理を開始させる。そしてSW2のオンは記録用の撮影(本撮影)の開始指示であり、AE処理で決定した条件による露光動作と、撮影後の記録用画像データの生成処理が実行される。再生スイッチは再生動作を開始させ、ズームスイッチは第3モータ駆動回路20を通じて撮影光学系のズームレンズ2を移動させる。
EEPROM25は電気的に書き換え可能な読み出し専用メモリで、CPU15が実行するプログラムや、各種の設定値、GUI表示用のデータなどが予め記憶されている。電池26はデジタルカメラ1の電源である。スイッチング回路27は、CPU15の制御に従ってフラッシュ発光部28の発光動作を制御する。表示素子29は例えばLEDなどであり、合焦時に点灯する素子や、警告時に点灯する素子などが含まれる。スピーカー30は音声によるガイダンスや警告などに用いられる。
AF補助光発光部33は、AF評価値を取得するための撮影時に発光するLED等の光源で構成される。AF補助光駆動回路32はCPU15の制御に従ってAF補助光発光部33を駆動する。振れ検出センサ35は例えば加速度センサであり、デジタルカメラ1の振れを検出する。振れ検出回路34は振れ検出センサ35の信号を処理する。顔検出回路36はA/D変換回路7からの出力を受けて画像中に含まれる、目、眉などの顔を特徴付ける部分を探索し、人物の顔領域の位置や大きさなどを検出する。
このように構成されたデジタルカメラ1の基本動作を以下に説明する。まず、撮影時には、レンズ鏡筒38に入射した被写体からの光束は、絞り4によってその光量が調整された後、撮像素子5の受光面に結像される。結像された被写体像は、撮像素子5による光電変換処理により電気的な信号に変換され、撮像回路6に出力される。撮像回路6では、入力した信号に対して各種の信号処理(ノイズ低減処理、ガンマ補正処理、色補間処理、ホワイトバランス調整処理など)が施され、所定の画像信号が生成される。この画像信号はA/D変換回路7に出力され、デジタル画像信号(画像データ)に変換された後、メモリ8に一時的に格納される。なお、撮像回路6で適用される信号処理の一部は、A/D変換後に実行するように構成してもよい。
メモリ8に格納された画像データはD/A変換回路9へ出力されアナログ信号に変換され、表示に適した形態の画像信号に変換された後、LCD10に画像として表示される。なお、撮像素子5による光電変換からLCD10に画像を表示する処理までを実質的にリアルタイムに繰り返し実行することで、LCD10を電子ビューファインダ(EVF)として機能させることができる。なお、LCD10をEVFとして機能させるために表示する画像をスルー画像もしくはライブビュー画像と呼ぶことがある。後述するように、ライブビュー画像を生成する際には、記録用の画像を生成する場合よりも撮像素子5から読み出す画素数を減らすことができる。
メモリ8に格納された画像データは圧縮/伸長回路11にも出力され、JPEG形式やMPEG形式など、予め定められた形式の符号化処理が適用される。なお、符号化処理によって必ずしもデータ量が圧縮されなくてもよい。圧縮/伸長回路11はさらに、符号化された画像データに、予め定められた情報を有するヘッダなどを付加し、予め定められたデータフォーマットを有する画像データファイルとして記憶用メモリ12に記憶する。
操作スイッチ24のうち再生スイッチが操作されると、記憶用メモリ12に記憶された画像データファイルから画像データが読み出されて圧縮/伸長回路11に出力され、復号化処理が適用された後、メモリ8に出力され一時的に記憶される。そして、メモリ8に記憶された画像データはD/A変換回路9でアナログ信号に変換された後、LCD10に画像として表示される。
A/D変換回路7が出力する画像データは、メモリ8とは別にAE処理回路13、スキャンAF回路14、位相差AF回路37、RFAF回路31、および顔検出回路36に対しても出力される。
AE処理回路13は、入力された画像データの輝度値を累積加算するなどして、被写体の明るさを検出し、検出された明るさに応じて露出条件(絞り値、露光時間(シャッタースピード)。撮影感度やフラッシュの点灯要否の情報が含まれてもよい)を決定する。露出条件は例えば被写体の明るさと予め定められたプログラム線図とを用いて決定することができる。AE処理回路13は、決定した露出条件を表す情報(AE評価値)をCPU15に出力する。
スキャンAF回路14は、入力された画像データからAF評価値(コントラスト評価値)を求める。スキャンAF回路14は例えば、ハイパスフィルタ(HPF)等を画像データに適用して抽出した高周波成分に、累積加算等の演算処理を行って、高周波帯域における輪郭成分量などに対応する値をAF評価値として算出する。一般的には、スキャンAF回路14は、指定された焦点検出領域(AF領域)に対応する画像データについてAF評価値を求める。AF領域は、画面の中央部分あるいは任意の位置に1箇所設定される場合、互いに隣接する複数の領域に設定される場合、離散的に分布する複数の領域に設定される場合などがある。また、画像中で検出された1つ以上の顔領域にAF領域が設定される場合もある。
スキャンAFはAF評価値が最大となるフォーカスレンズ位置を探索することで焦点検出を行う。そのため、CPU15は第2モータ駆動回路を用いてフォーカスレンズ位置を変更しながらスキャンAF回路14からAF評価値を取得し、AF評価値が最大となるフォーカスレンズ位置を探索する。
位相差AF回路37は、指定されたAF領域に対応する画像データから得られる、1対の位相差AF用の信号(基準像信号(A像)および参照像信号(B像))に像修正を適用する。そして、位相差AF回路37は、基準像信号(A像)に対して参照像信号(B像)を相対的にずらしながら相関演算を行い、相関が最も高くなる像ずらし量(2像の位相差)を求める。なお、位相差AFを行う場合には、A像とB像が必要となるため、撮像素子5の読み出し方法を通常の撮像画像を読み出す場合と異ならせるが、その点については後述する。ここでは、A/D変換回路7から、A像とB像に対応した別個の画像データ、もしくはA像とB像が生成できる画像データが供給されるものとする。
なお、位相差AF用の信号に対する像修正は、A像およびB像を生成する画素の位置(具体的には像高)に応じたシェーディング補正や光学歪み補正などである。これは、撮像面位相差AF方式では、位相差AF専用のセンサを用いる場合と異なり、光束が画素に入射する前にこれらの補正を行うための部材を設けることができないことによる。
CPU15は、位相差AF回路37で求められた2像の位相差からデフォーカス量とデフォーカス方向を求め、求めたデフォーカス量および方向に従って第2モータ駆動回路19を制御してフォーカスレンズ3を駆動することで焦点検出を行う。
RFAF回路31は、指定されたAF領域に対応する画像データから得られる、基準像信号(A像)および参照像信号(B像)について、基準像信号(A像)に対して参照像信号(B像)を相対的にずらしながらA像とB像の加算信号を作成する。RFAF回路31は、加算信号と像ずらし量とを対応付けて例えば回路内の記録領域に記録していく。像ずらし量の異なる加算信号は、フォーカスレンズ位置の異なる画像信号に相当するリフォーカス信号である。そのため、像ずらし量の異なる加算信号をスキャンAF回路14に順次入力してAF評価値を取得し、像ずらし量とAF評価値とを対応付けてRFAF回路31内の記録領域に記録する。CPU15は、加算信号に対するAF評価値が極大値となる像ずらし量に対応するフォーカスレンズ位置を求め、第2モータ駆動回路19を制御してフォーカスレンズ3を、求めた位置に駆動することで焦点検出を行う。
なお、スキャンAF処理によって求められたAF評価値が極大となるフォーカスレンズ3の位置や、位相差AF処理によって求められたデフォーカス量を零とするフォーカスレンズ3の位置で、記録される画像の解像度が最大とならない場合がある。これは、主に撮影レンズの光学特性が原因で生じる誤差である。そのため、本実施形態では、後述するように、スキャンAFや位相差AFに基づく合焦位置にフォーカスレンズ3を移動させた後、RFAF処理を実行し、AF評価値が極大となるフォーカスレンズの位置を探索する。そして、CPU15は、スキャンAFや位相差AFに基づく合焦位置を補正したピント補正位置を求め、このピント補正位置を最終的な合焦位置とする。
顔検出回路36は、画像データに目、眉などの顔を特徴付ける領域の探索処理を適用し、人物の顔領域の有無、顔領域の大きさ、傾き、位置などを求める。これらの検出結果を顔検出回路36はCPU15に出力する。
TG16からは所定のタイミング信号がCPU15、撮像回路6、センサドライバ17へ出力されており、CPU15はこのタイミング信号に同期して各種の制御を行う。また撮像回路6は、TG16からのタイミング信号に同期して色信号の分離等の各種画像処理を行う。さらにセンサドライバ17は、TG16のタイミング信号に同期して撮像素子5を駆動する。
またCPU15は、第1モータ駆動回路18、第2モータ駆動回路19、第3モータ駆動回路20をそれぞれ制御する。これにより、CPU15は、絞り駆動モータ21、フォーカス駆動モータ22、ズーム駆動モータ23を介して、絞り4の開口量、フォーカスレンズ3およびズームレンズ2の位置を制御する。
具体的には、CPU15は、AE処理回路13から得られるAE評価値に基づき第1モータ駆動回路18を制御して絞り駆動モータ21を駆動し、絞り4の開口量を制御する。また、絞り4がメカニカルシャッタを兼ねている場合、CPU15はその動作も制御する。またCPU15はスキャンAF処理時には予め定められたスキャン範囲を、予め定められたステップで、フォーカスレンズ3の位置を順次変更するように第2モータ駆動回路19を制御してフォーカス駆動モータ22を駆動する。また、CPU15は、第2モータ駆動回路19を制御してフォーカス駆動モータ22を駆動し、フォーカスレンズ3をAF処理で得られた補正ピント位置に移動させる。
また操作スイッチ24のうち不図示のズームスイッチが操作された場合、CPU15は、第3モータ駆動回路20を制御してズーム駆動モータ23を駆動制御することによりズームレンズ2を移動し、撮影光学系の変倍動作(ズーム動作)を行う。
図2(a),(b)は、撮像素子5の一部における垂直方向の構成および画素配列の例を模式的に示している。
図2(a)に示すように、画素201の各々には1つのマイクロレンズ220と、カラーフィルタ230が設けられ、カラーフィルタを透過した特定波長帯の光が第1および第2のフォトダイオード(PD)202A,202Bに入射する。第1のPD202Aや第2のPD202Bのように、同一画素内に存在する個々のフォトダイオード(または光電変換領域)を副画素と呼ぶこともある。本実施形態において、カラーフィルタは原色ベイヤ配列を有し、各画素にはR(赤),G(緑),B(青)のいずれか1つが設けられる。原色ベイヤ配列は、図2(b)に示すように、2×2画素を1単位として斜め方向に2つのGフィルタを配置し、残りの位置に1つずつのRおよびBフィルタを配置する。Rフィルタが設けられた画素をR画素と呼ぶことがある。他の色についても同様である。従って、同色画素とは、同じ色のカラーフィルタが設けられた画素を意味する。
本実施形態においては、撮像素子5における隣接する2水平画素ライン(画素行)を単位として、位相差AF用の像信号の生成に用いる画素行と、ライブビュー画像(表示用画像)の生成に用いる画素行とを周期的かつ交互に設定している。
ライブビュー画像の生成に用いる画素行を読み出す場合には、各画素が有する第1および第2のPD202A,202Bの出力を加算して読み出す。また、LCD10の表示領域の画素数に合わせた画像を読み出すため、水平方向の同色画素を複数加算したり、垂直方向ではカラーフィルタの配置が同じ画素行を加算したり、画素行を間引いたりすることができる。一方、位相差AF信号の生成に用いる画素行を読み出す場合には、各画素が有する第1および第2のPD202A,202Bの出力を別個に読み出す。以下では、基準像信号(A像)が第1のPD202Aから読み出した信号で形成され、参照像信号(B像)が第2のPD202Bから読み出した信号で形成されるものとする。
次に図3に示すフローチャートを用いて、デジタルカメラ1の撮影動作について説明する。ここではデジタルカメラ1の主電源スイッチがオン状態であり、かつ撮影(録画)モードで動作しているものとする。
まずS1においてCPU15(設定手段)は、撮像素子5の駆動モードを、LCD10へのライブビュー表示と位相差AFとの両方を実行するための駆動モード(第1の駆動モード)に設定する。
第1の駆動モードでは、表示画像用の画素行については、各画素201における第1および第2のPD202A、202Bの出力を加算し、位相差AF用の画素行については第1および第2のPD202A、202Bの出力を加算しない。以下では、同一画素内の複数のPDの出力を加算することを画素内加算、異なる画素の出力を加算することを画素単位の加算または画素間加算という。また、画素内の全てのフォトダイオードもしくは光電変換領域の加算出力を取得する画素行を第1モードの画素行という。画素内の一部のフォトダイオードもしくは光電変換領域の出力を取得する(画素内加算は行っても行わなくてもよい)画素行を第2モードの画素行ということがある。第1モード、第2モードとも、画素間加算は行っても行わなくてもよい。そして、CPU15は、位相差AF用の画素行と表示画像用の画素行が2画素ラインごとに入れ替わるように(図2参照)、駆動することを決定する。
S2でCPU15は、第1の駆動モードにおける露光条件、特に露光時間を設定する。
CPU15は、表示画像用の画素行については、被写体の視認に適した露光量と、パンニングや被写体の移動に対する追従性等を考慮して、露光条件を決定する。また、CPU15は、位相差AF用の画素行については、位相差AFに適した露光量と、被写体の移動や手振れによるAFへの影響等を考慮して露光条件を決定する。表示画像用の画素行と位相差AF用の画素行とではPD出力の加算・非加算の差があるため、CPU15は例えば加算PD出力数の比に応じた差を有するように露光量を設定する。なお、表示画像用の画素行において、水平方向で同色画素の加算を行う場合には、画素内のPD出力の加算だけでなく、画素単位での加算も考慮して露光量を決定する。露光条件(露光時間)を決定すると、CPU15は撮像素子5の露光および読み出しを行うためにTG16の動作を制御する。
図4のタイミングチャートを用い、第1の駆動モードにおける露光・読み出し制御動作について説明する。第1の駆動モードでは、表示画像用の画素行は第1モードの画素行とし、位相差AF用の画素行は第2モードの画素行とする。図4の例は、表示画像用の画素行では画素内の加算のみで、画素単位の加算は行わない場合を示している。このように、表示画像用の画素行と位相差AF用の画素行とで、露出条件および読み出し方法を異ならせることで、それぞれの用途に適した露出条件や読み出し方法が実現できる。
具体的な制御動作について説明する。なお、図4に示す制御信号は、CPU15(制御手段)の制御に従い、TG16からセンサドライバ17を通じて撮像素子5に入力される。
垂直同期信号に同期して、表示画像用の画素行と位相差AF用の画素行のそれぞれについて、フレーム内の1行目に対する露光開始信号が入力され、露光が開始される(t0)。表示画像用の画素行に対する露光時間が経過すると(t1)、読み出し信号により1行目の読み出し(PD出力の加算読み出し)が開始される(t2)。
表示画像用の画素行の2行目については、露光開始信号がt0から所定の遅延時間後に入力されて露光が開始される(t0’)。1行目と同様の露光時間が経過したら(t1’)、読み出し信号により2行目の読み出しが開始される(t2’)。所定の遅延時間(t0’−t0)は、各画素行の読み出し期間が重ならないように設定され、読み出し時間以上となるように設定される(ここでは読み出し時間と等しい遅延時間を設定している)。残りの表示画像用の画素行についても同様の露光ならびに読み出し制御を行い、1フレーム分の表示用画素の信号を取得する。1フレーム分の表示用画素の信号が取得されたら、次のフレームの表示用画素の信号の取得を開始する(t0’’’)。
一方、位相差AF用の画素行については、1行目の露光は表示画像用の画素行と同じタイミング(t0)で開始されるが、信号の加算が行われないため露光時間が長く、t1”に露光が終了する。露光が終了すると、読み出し信号により1行目の読み出しが開始される(t2”)。図4では図を簡単にするためまとめて記載しているが、上述の通り読み出しはPDごとに行われる。2行目の露光は、t0から所定の遅延時間後のt0”に開始され、1行目と同じ露光時間が経過すると(t0’’’)、読み出し信号により2行目の読み出しが開始される。この所定の遅延時間(t0”−t0)は、位相差AF用の画素行の読み出し期間が重ならないように設定され、読み出し時間以上となるように設定される(ここでは読み出し時間と等しい遅延時間を設定している)。残りの位相差AF用の画素行についても同様の露光ならびに読み出し制御を行い、1フレーム分の位相差AF用画素(PD202A、202B)の信号を取得する。1フレーム分の位相差AF用の信号が取得されたら、次のフレームの位相差AF用画素の信号の取得を開始する。
図4に示すように、ライブビュー画像(表示用画像)を得るための露光時間より、位相差AF用の信号を得るための露光時間の方が長くなるため、位相差AF用信号の読み出しレートは表示用画像の読み出しレートより遅くなる。また、画素単位の加算(水平方向の同色画素の加算や、垂直方向における画素行の加算)を行う場合、表示用画像の1フレームあたりの画素数はさらに少なくなる。読み出しレートは、露光時間と読み出し画素数により決まるため、表示用画像で画素単位の加算を行う場合は、位相差AF用信号の読み出しレートと表示用画像の読み出しレートの差は図4よりも大きくなることがある。
省電力化のため、表示用画像を1フレーム分読み出し終えたら、位相差AF用の信号が1フレーム分読み出されるまで表示画像用の画素行の駆動を停止してもよい。この場合、表示用画像と位相差AF用の信号の読み出しレートは等しくなる。
図3に戻り、S3においてCPU15は、読み出した1フレーム分の表示用画像をLCD10に表示する。より具体的には、表示用画像の信号は撮像回路6によって所定の信号処理を受けた後、A/D変換回路7でデジタル信号(画像データ)に変換され、メモリ8に一時的に格納される。CPU15はメモリ8に格納された画像データをD/A変換回路9へ出力する。D/A変換回路9は、画像データをLCD10に表示する形態の画像信号に変換してLCD10に出力する。以上の動作により、撮像素子5の表示画像用の画素行から読み出された信号が、LCD10に画像として表示される。
次いでS4においてCPU15は、操作スイッチ24に含まれるレリーズスイッチの状態を確認する。レリーズスイッチのSW1がオン状態であれば、CPU15は処理をS5に進めて、位相差AF処理を行う。この処理については後述する。一方、レリーズスイッチのSW1がオフ状態であれば、CPU15は処理をS2に戻し、次のフレームについての処理を行う。
S5でCPU15は、位相差AF回路37を用いて、設定されているAF領域に含まれる位相差AF信号用の画素行から読み出された信号に基づく位相差AF処理を実行する。そして、S6でCPU15は、位相差AF回路37による焦点検出結果だけで合焦可能かどうかを、例えばデフォーカス量の信頼度などに基づいて判断する。位相差AF回路37による焦点検出結果だけで合焦可能と判断されれば、CPU15は処理をS11へ進め、位相差AF処理で検出されたデフォーカス量について補正ピント位置を求める。そしてCPU15は、第2モータ駆動回路19を制御して、フォーカスレンズ3を補正ピント位置に移動させ、処理をS12(RFAF処理)に進める。
一方、S6において、位相差AF回路37による焦点検出結果だけでは合焦可能と判断されない場合、CPU15は処理をS7に進め、撮像素子5の駆動モードを、スキャンAFと位相差AFを実行するための駆動モード(第2の駆動モード)に設定する。第2の駆動モードでは、スキャンAF用の画素行は第1モードの画素行とし、位相差AF用の画素行は第2モードの画素行とする。絞りは変更しない。これと同時に撮像素子5の制御タイミングをスキャンAF処理用の制御タイミング(図5)に変更する。
スキャンAF処理を高速化するにはフレームレートを上げる必要があるため、露光時間を短くしなければならない。露光時間を短くした分の信号レベルの低下は、信号の増幅率を上げることで補うことができる。しかし、増幅率が高くなりすぎるとスキャンAFの精度に影響するため、増幅率には上限を定めておく。増幅率を上限にしても露光量が不足する場合には、増幅率は上限値のまま、露光時間を伸ばして適正な露光量を確保するが、この場合でも図4と比較すれば露光時間は短くなる。
例えば、増幅率の上限がEv値の5段分に相当するとする。例えば表示用画像に最適な露光時間が30分の1秒(増幅率0段)である場合にスキャンAF用の露光時間を120分の1秒とする場合、増幅率は2段となる。しかし、低照度になり表示用画像に最適な露光時間が30分の1秒(増幅率4段)になった場合、増幅率は5段が上限のため、スキャンAF用の露光時間は60分の1秒までしか速くできない。
スキャンAFは撮影画像(画素内加算した画像)を用いるため、表示用画像と同様、水平方向および垂直方向で画素単位の加算や間引きを行って画素数を削減し、フレームレートを上げることができる。なおスキャンAF処理中は、スキャンAFに用いる撮影画像をライブビュー表示にも用いる。
図5のタイミングチャートは、スキャンAF用の画素行の露光時間と読み出し時間が短くなっていることを除き、図4のタイミングチャートと基本的に同じであるため、説明を省略する。スキャンAF用の画素行の読み出し時間が短くなっているのは、図4における表示用画像よりも水平方向における画素数を削減していることによる。
S8においてCPU15は、スキャンAF回路14を用いたスキャンAF処理を行う。詳細については後述する。そして、S9でCPU15は、スキャンAF回路14による焦点検出により、合焦可能と判定されればS10へ、合焦不能と判定されればS13へ処理を進める。
S13でCPU15は撮像素子5の駆動モードを第1の駆動モードに戻し、制御タイミングも第1の駆動モードに対応したもの(図4)に戻す。またCPU15は第2モータ駆動回路19を通じてフォーカスレンズ3をあらかじめ定められた位置(定点)へ移動させる。定点は例えば、過焦点位置と呼ばれる無限遠を被写界深度の遠側に含む、最も近距離のフォーカスレンズ位置である。
そしてS14においてCPU15はAFの失敗を報知するためのAFNG表示を行う。例えばCPU15は、表示素子29を点滅させるとともに、LCD10に表示するライブビュー画像に黄色の枠を重畳表示させる。CPU15は処理をS15へ進める。
一方、S9でスキャンAF処理の結果、合焦可能と判断された場合、CPU15は処理をS10に進める。S10でCPU15は、スキャンAF処理で得られた、AF評価値が極大となる位置へ、第2モータ駆動回路19を通じてフォーカスレンズ3を移動させる。また、CPU15は、撮像素子5の駆動モードを第1の駆動モードに戻し、制御タイミングも第1の駆動モードに対応したもの(図4)に戻し、処理をS12に進める。
S12でのRFAF処理について説明する。
RFAF回路31は、PD202Aから読み出される基準像信号(A像)に加算するPD202Bから読み出される参照像信号(B像)の画素位置をシフトしながら、A像とB像の和を求めて和信号列を生成する。そして、RFAF回路31は、生成した和信号列と対応する相対的シフト量とを回路内の記録領域に記録していく。CPU15は、和信号列を順次スキャンAF回路14に供給してAF評価値を取得し、AF評価値が最大となる相対的シフト量を検出することで、合焦位置を検出する。この処理の詳細については後述する。
CPU15は、RFAF処理で検出された合焦位置にフォーカスレンズ3を移動させた後、処理をS14に進めてAFOK表示を行う。例えばCPU15は、表示素子29を連続点灯させるとともに、LCD10に表示するライブビュー画像に緑色の枠を重畳表示させる。CPU15は処理をS15へ進める。
S15でCPU15は、SW2がオンかどうかを確認し、SW2がオンであれば(記録用画像の撮影指示が入力されていれば)処理をS16へ進め、記録用の露光処理を実行する。その後、CPU15は、撮影画像を記録するための処理を実行させる。
(位相差AF処理)
次に、S5で実行する位相差AF処理の詳細を図6のフローチャートを用いて説明する。上述の通り本実施形態では、第1の駆動モードにおいても第2の駆動モードにおいても位相差AF用の画素行は位相差AF信号の取得に適した露出条件を設定でき、ライブビュー表示中もスキャンAF実行中も位相差AFを実行することができる。位相差AF処理に用いる信号は、撮像素子5の駆動モードで位相差AF用として設定した画素行から得られる、画素内加算を行わずに読み出される信号である。なお、焦点検出領域が定められている場合には、焦点検出領域に含まれる位相差AF用の画素行から読み出された信号を用いてAF処理を実行する。
S901においてCPU15は、A/D変換回路7より出力される画像データのうち、位相差AF用の画素行の画像データを取り込むよう位相差AF回路37を制御する。位相差AF回路37は、例えばCPU15から指定された画像データを内部の記憶領域に保存する。
S902で位相差AF回路37は、保存した画像データを、読み出した画素の位置に応じて補正する像修正処理を実行する。本実施形態において位相差AF用の信号は撮像素子5に設けられた画素から取得している。そのため、位相差AF用のセンサーを設ける場合と異なり、シェーディングやオフセットの補正を行う必要がある。この補正は例えばシェーディングやオフセットを決定するパラメータの組み合わせに応じた補正値を予め用意しておくなど、公知の方法で実現可能であるため、その詳細については省略する。
S903において位相差AF回路37は、補正後の画像データから基準像信号と参照像信号を生成する。画素内加算を行わない場合には第1のPD202A、第2のPD202Bの順に各画素から読み出しを行うため、位相差AF回路37にもこの順序で画像データが記憶されている。従って、位相差AF回路37は、位相差AF用の信号の生成に用いる画素群について、第1のPD202Aに対応する画像データ群を順に並べて基準像信号(A像)を生成し、第2のPD202Bに対応する画像データ群を順に並べて参照像信号(B像)を生成する。位相差AF回路37は、生成したA像およびB像を所定の記録領域に保存する。
S904で位相差AF回路37は、相関演算の初期値を設定する。この設定はCPU15が行ってもよい。
S905で位相差AF回路37は、以下の式(1)に従い相関演算を行い基準像信号aiと参照像信号biの相関値Ukを求める。
Figure 0006595797
ここで、関数max(a,b)はa,bのうち大きい方を出力し、kは像ずらし量(シフト量)、jは相関演算を行う画素数であり、初期値はS904で設定される。
S906においてCPU15は相関値Ukを位相差AF回路37から取得する。S907でCPU15は、今回の相関値が零であるか、過去にメモリ8に保存した相関値と符号が異なるかを調べる。過去に保存した相関値がないか、保存済みの相関値と今回の相関値が同じ符号であればCPU15は処理をS908に進める。保存済みの相関値と今回の相関値の符号が異なる場合や、今回の相関値が零である場合、CPU15は処理をS910へ進める。
S908でCPU15は、像ずらし量kが終端の値になったか否かを調べ、終端の値になっていなければ処理をS920へ進め、保存済みの相関値をS906で取得した相関値で置き換えるとともに、像ずらし量kを1つ増やし、処理をS905に戻す。一方、像ずらし量kが終端の値になっていたならばCPU15は処理をS909へ進め、位相差AFがNGと判定して処理を終了する。
S910でCPU15は、相関値が零になる像ずらし量を演算する。
位相差AF回路37における相関値の演算における像ずらし量は1画素単位であるため、位相差AF回路37において演算された相関値が零になることは稀である。そのため、符号が異なる2つの相関値と、対応する像ずらし量とから、相関値が零となる像ずらし量を1画素未満の単位で求める。
例えば、像ずらし量kがmとm+1との間で相関値Ukの符号が反転したとすると、直線補間により相関値が零となる像ずらし量δは
δ=m+|U|/[|U|+|Um+1|]
となる。ただし、|z|はzの絶対値を意味する。
S911でCPU15は、プレディクション量Pを像ずらし量δから、
P=δ―Δ
と求める。但しΔは合焦時の像ずらし量である。
そして、CPU15は、結合光学系の特性から決まる基線長を用いてプレディクション量Pからデフォーカス量d(フォーカスレンズ3の移動量と方向)を
d = K・P
と求め、処理を終了する。
Kはプレディクション量からデフォーカス量を求めるための係数で、結像光学系の焦点距離、絞り4の値、像高などのパラメータに依存する値であるため、例えばEEPROM25内にこれらパラメータの組み合わせで参照可能なテーブルの形式で敏感度を予め用意しておく。
このようにして位相差AFによるデフォーカス量を算出する。
(スキャンAF処理)
次に、図3のS8で実行するスキャンAF処理の詳細を図5のタイミングチャートと図7とを用いて説明する。なお、以下の説明において、フォーカスレンズ3を所定位置へ駆動しながらAF評価値を取得する動作をスキャンと呼ぶ。また、AF評価値を取得するフォーカスレンズの位置をスキャンポイント、スキャンポイントの間隔をスキャン間隔、AF評価値を取得するフォーカスレンズの移動範囲をスキャン範囲と呼ぶ。なお、AF評価値を取得するための画像信号を取得する領域をAF枠もしくは焦点検出領域と呼ぶ。
スキャンAF処理には定められた露光条件を用いる。露光時間は例えば32分の1秒を最長とし、撮像素子5の性能等で決まる最小露光時間を最短とする範囲で、絞り4の値および撮像素子5の増幅率を調整して、S2のAE処理結果を参照し、露光量が適正となる様に決定する。スキャンAF処理中はスキャンAF処理に用いる画像データをライブビュー表示にも用いるため、ライブビュー表示が適正露出にならない可能性があるが、スキャンAF処理を優先する。
上述の通り、スキャンAF処理を行う場合は位相差AF処理を行う場合よりも読み出しレートを高速にするため、露光時間を短くする。例えばスキャンAF処理時の露光時間は128分の1秒、読み出しレートは128FPS、位相差AF処理時の露光時間は8分の1秒、読み出しレートは8FPSである。絞り4の値は位相差AF処理とスキャンAF処理とで共通である。
露光条件(露光時間)を決定したら、CPU15は、撮像素子5の露光ならびに読み出しタイミングを図5に示したように制御する。
スキャンAF処理(およびライブビュー表示)用の画素行と位相差AF用の画素行について個別の露出条件を2行毎に設定し、撮像素子5の動作タイミングを異ならせる。従って、スキャンAF処理用の画像信号とライブビュー表示用の画像信号とは露光条件と読み出しレートが等しく、スキャンAF処理(およびライブビュー表示)用の画像信号と位相差AF用の画像信号とは露光条件および読み出しレートが異なる。
図7は、スキャンAF処理時のフォーカスレンズ位置とAF評価値との関係を模式的に示している。
スキャンAFでは、第2の駆動モードで撮像素子5に設定されたスキャンAF用の画素行から読み出された画像信号のうち、AF枠または焦点検出領域における画像信号からAF評価値を算出する。異なるスキャンポイントについてAF評価値を算出し、AF評価値が最も高くなるフォーカスレンズ3の位置を探索する、いわゆるコントラストAFである。高周波成分の量が多いほど高くなるAF評価値が一般に用いられる。
CPU15は第2モータ駆動回路19を介してフォーカス駆動モータ22を制御し、フォーカスレンズ3をスキャン範囲の一端から他端まで、予め定められたスキャンステップで駆動する。ここでは、スキャン範囲を無限遠に相当する位置(図7の「A」)から、各々の撮影モードにおいて設定される至近距離に相当する位置(図7の「B」)までとする。CPU15は、各スキャンポイントでスキャンAF回路14が算出するAF評価値を取得し、AF評価値が最大になるフォーカスレンズ3の位置(図7の「C」)を検出する。なお、図7のa1,a2,a3は合焦位置付近のスキャンポイントを示している。このように、AF評価値が最大となるフォーカスレンズ3の位置はスキャンポイント単位ではなく、フォーカスレンズ3を移動可能な最小精度で検出する。なお、AF評価値の信頼度が予め定められた条件を満たさない場合には、AF評価値が最大になるフォーカスレンズ3の位置を検出する前に、スキャンAF処理では合焦不能と判定する。AF評価値の信頼性の算出や評価は公知の方法で行うことが可能であるため、詳細は省略する。
(RFAF処理)
次に、図3のS12で実行するRFAF処理の詳細を図8のフローチャートを用いて説明する。RFAF処理は、主に結像光学系の光学特性に起因して生じる、スキャンAF処理もしくは位相差AF処理で得られるフォーカスレンズ3の位置と、光学像の解像度が最大となるフォーカスレンズ3の位置との差を補正するための処理である。A像とB像とが視差画像であることを利用し、A像とB像とを水平方向に相対的にずらして加算することで仮想結像面における像信号を生成し、AF評価値に基づいて補正量を検出する。このためRFAF処理は、位相差AF処理(S5)やスキャンAF処理(S8)で得られているフォーカスレンズ3の位置の近傍の範囲についてのみ行う。
RFAF処理で用いる信号は、撮像素子5の位相差AF用の画素行から得られる、画素内加算されていない信号である。
S1101においてCPU15は、S903で位相差AF回路37が生成した基準像信号(A像)と参照像信号(B像)とを、位相差AF回路37の記録領域から読み出し、RFAF回路31に供給する。
S1102においてCPU15は、RFAF回路31にA像とB像の和信号を求める際の初期値を設定する。
S1103でRFAF回路31は、以下の式(2)に従い和信号Addを求める。
Add (j,k)=aj+ b(j+k) (2)
kは和信号を求める際の像ずらし量、jは和信号を求める画素数であり、S1102で初期値が設定される。
例えば、k=κと初期化され、jの範囲が0〜Jの場合は、Add (j,k)として、Add (0, κ)〜Add (J, κ)が求められ、その値は
Add (0, κ) =a0 + b(0+κ)
Add (1, κ) =a1 + b(1+κ)

Add (J, κ) =aj + b(j+κ)
となる。
S1104でCPU15は、RFAF回路31が算出した和信号AddをスキャンAF回路14に供給し、AF評価値を算出させる。そして、CPU15は、スキャンAF回路14から取得したAF評価値を、AF評価値Tes(k)として像ずらし量kとともに所定の記録領域に保存する。
S1106においてCPU15は、像ずらし量kが終端の値になったか否かを調べ、終端の値になっていなければS1120で像ずらし量kを1増やしてS1103の処理を行う。従って、
Add (0, κ+1) =a0 + b(0+κ+1)
Add (1, κ+1) =a1 + b(1+κ+1)

Add (J, κ+1) =aj + b(j+κ+1)
が得られる。
以後、像ずらし量kが終端の値になったとS1106で判定されるまで、S1103,S1104,S1105,S1106,S1120の処理を繰り返し行う。
S1106において、像ずらし量kが終端の値になったと判定された場合、CPU15は処理をS1107へ進め、AF評価値Tes(k)が最大となる像ずらし量kdを求める。RFAF処理はスキャンAF処理もしくは位相差AF処理の結果から得られるフォーカスレンズ3位置の近傍でのみ行われているため、AF評価値の極大値を求める必要はない。そのため記録領域に記録されているAF評価値の中から最大のものを探索し、対応する像ずらし量を選択すれば良い。なお、AF評価値が最大値となった点とその前後の点から補間計算により1画素未満の像ずらし量を求めるようにしても良い。
例えばスキャンAF処理においては、撮像素子5からの信号読み出しレートを速くするため、画素内加算に加えて画素間加算を行い、読み出し画素数を減らしている。そのため、スキャンAFに用いる縮小画像には、画素間加算を行わずに読み出された画像(例えば記録される画像)に含まれる高周波成分が含まれないことがある。そのため、結像光学系の光学特性によって被写体の空間周波数ごとの結像位置が異なる場合、スキャンAF処理で検出したフォーカスレンズ3の位置が、記録される画像の解像度を最大とする位置とずれることがある。しかし、RFAF処理に用いる画像信号は画素加算されていないため、記録される画像と周波数成分に差が無く、RFAF処理で検出されるフォーカスレンズ3の位置で、記録される画像の解像度が最大となる。
位相差AF処理でもRFAF処理と同様に画素加算を行わない信号を用いるが、相関演算時の演算エラーを回避するためにローパスフィルタを適用して高周波成分を抑制している。そのため、位相差AF処理に用いる画像信号も、記録される画像では含まれる高周波数成分が含まれないことがあり、検出されたデフォーカス量が0となるフォーカスレンズ位置では、記録される画像の解像度が最大とならないことがある。しかし、RFAF処理に用いる画像信号にはローパスフィルタを適用しないため、RFAF処理で検出されるフォーカスレンズ3の位置で、記録される画像の解像度が最大となる。
AF評価値が最大となる像ずらし量kdが得られると、CPU15は、フォーカスレンズ位置の補正量(移動量)を、以下の式(3)によって求める。
レンズ移動量[パルス]=K・kd/フォーカス敏感度/1パルスあたりの移動量 (3)
ここで、Kはプレディクション量からデフォーカス量を求めるための係数で、結像光学系の焦点距離、絞り値、AF枠の像高などのパラメータに依存する値である。例えばEEPROM25内にこれらパラメータの組み合わせに対応したKの値をテーブル形式で記憶しておき、移動量算出時にテーブルを参照して値を取得することができる。フォーカス敏感度は光学的なフォーカスに移動量を機械的なレンズ移動量に変換するための係数であり、結像光学系の焦点距離、フォーカスレンズ位置に依存する値である。フォーカス敏感度も係数Kと同様にEEPROM25内にテーブル形式で記憶しておき、移動量算出時に参照して値を取得することができる。
式(3)で得られるレンズ移動量が、主に撮影レンズの光学特性に起因するピント補正量であり、レンズ移動量で補正したフォーカスレンズ3の位置を最終的な合焦位置とする。したがってS1108においてCPU15は、S1107で求めたレンズ移動量に従って、第2モータ駆動回路19を通じてフォーカスレンズ3を最終的な合焦位置へ移動し、RFAF処理を終了する。
なお、位相差AF処理、スキャンAF処理、およびRFAF処理に用いる画像信号を生成する際、読み出す画素に設けられているカラーフィルタの色の違いによる感度差を補正することができる。具体的には、緑画素の感度を基準として、赤画素と青画素の信号に適用する補正係数を離散的な色温度ごとに用意しておく。補正係数は、赤色フィルタと青色フィルタの緑色フィルタに対する感度比の逆数である。補正係数を記憶していない色温度に対する補正係数は、記憶された補正係数から補間して求めることができる。
なお、露光時間を決定する際の最長露光時間は撮像素子の特性や結像光学系の特性に応じて変化しうる。また、AF枠(焦点検出領域)が複数設定されている場合、上述した処理を個々のAF枠に対して実行すればよい。
また、本実施形態ではSW1オン直後に読み出される信号を位相差AF処理に使用したが、図3のS3でライブビュー表示を行う際に、同じフレームから取得した位相差AF用の画素行の信号を記憶するように構成してもよい。この場合、SW1オンが検出された時点で記憶されている信号を位相差AF処理に用いることができる。
また、読み出し時に位相差AF処理を行うAF枠が判明していれば、そのAF枠で位相差AF処理を行うために必要な領域の画素からだけ位相差AF処理用の信号を読み出すように構成してもよい。これにより読み出し時間が短縮できる。また、読み出し終了後に撮像素子の駆動を一定期間休止し電力消費を削減しても良い。
以上説明したように本実施形態によれば、複数の光電変換領域を有する画素が複数配置された撮像素子について、画素内の全光電変換領域の加算出力を取得する第1モードの画素行と、画素の一部の光電変換領域の出力を取得する第2モードの画素行とを設定する。そして、第1モードの画素行と第2モードの画素行とで個別に露光条件の設定および読み出し動作の制御を行う。そのため、例えばライブビュー表示と撮像面位相差AFとを並行して実行する場合、ライブビュー表示用の画像と位相差AF用の信号とで独立した読み出しレートを実現でき、個々の用途に適した信号を取得することができる。
また、第1モードの画素行について画素の加算や間引きを行うことで、第1モードの画素行から得られる画像のフレームレートを、第2モードの画素行から得られる信号に影響を与えることなくさらに向上させることができる。また、第2のモードの画素行から得られる信号を用いて合焦位置の補正を行うことにより、主に結像光学系の光学特性に起因する合焦位置のずれを補正することができ、AF精度をより向上させることができる。
●(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、位相差AF用の画素行を、基準像信号(A像)用の画素行と参照像信号(B像)用の画素行とに分離する点で第1実施形態と異なる。
本実施形態における撮像素子5の駆動モード(第3の駆動モード)の具体例を図9に示す。第3の駆動モードでも、表示画像用の画素行は第1モードの画素行とし、位相差AF用の画素行は第2モードの画素行とする。本実施形態では、A像用の画素行、B像用の画素行、表示画像用の画素行がそれぞれ2行ずつ含まれ、位相差AF用の画素行4行と、表示画像用の画素行2行が交互かつ周期的に配置された6行を1単位とする。ただし、位相差AF用の画素行のうちB像用の画素行は垂直方向に隣接せず、垂直方向に隣接するA像用の画素行の上と下に1行ずつ隣接するように配置される。撮像素子5を含めたデジタルカメラ1の構成は第1実施形態と同じであるため、説明は省略する。
このような画素行の配置により、表示画像用の画素行で水平方向の画素間加算が行われなければ、各画素行から読み出される信号の数が等しくなる。そのため、位相差AF用の画素行の読み出しレートを上げることができ、位相差AF処理のレスポンスを向上させることができる。その結果、パンニングへの対応や動いている被写体への追尾性といったAF性能が向上する。
第3の駆動モードにおける露光・読み出し制御動作のタイミングチャートを図10に示す。本実施形態でも第1実施形態と同様に、表示画像用の画素行では画素内の加算のみで画素単位の加算は行わず、位相差AF用の画素行についても画素内加算は行わないものとする。
第1実施形態で説明した図4のタイミングチャートとの比較から分かるように、表示画像用の画素行についてのタイミング制御は第1実施形態と同じである。また、位相差AF用の画像行についても、画素行あたりの読み出し信号数が半分になっていることで読み出し時間が半分になっていることを除き、第1実施形態と同様のタイミング制御でよい。1つ前の画素行と読み出しタイミングが重複しないような遅延を持たせて次の行の露光を開始する点も同じである。なお、A像用の画素行とB像用の画素行は同じタイミング制御である。
このように駆動された撮像素子5からの出力信号を用いた動作は第1実施形態と同様に図3に示す手順で行われる。位相差AF処理、スキャンAF処理、RFAF処理についても第1実施形態と同様の手順で実行する。
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、位相差AF用の画素行の読み出しレートを上げることができるため、レスポンスや追従性など、位相差AFの性能を高めることができる。
●(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、撮像素子5の各画素が有するフォトダイオード(光電変換領域)の数が第1実施形態より多く、位相差AF用の信号も画素内加算を行って読み出しうる点で第1実施形態と異なる。
図11は、本実施形態における撮像素子5の一部の画素配列の例を模式的に示している。本実施形態の撮像素子5は、各画素が垂直方向および水平方向の両方に2つずつ、計4つの、同じ大きさの光電変換領域A〜Dを有している。換言すれば、1つのマイクロレンズを4つの光電変換領域が共有している。
表示画像用の信号の読み出しについては、画素内加算の数が2から4になるが、画素内の全てのフォトダイオード(光電変換領域)の出力を加算するという点では第1および第2実施形態と同様であり、表示画像用の画素行は第1モードの画素行である。
一方、位相差AF用の画素行に関しては、4つのフォトダイオードのうち、水平方向もしくは垂直方向に隣接する2つの出力を加算して読み出したり、斜め方向の1組から読み出したりして基準像信号(A像)と参照像信号(B像)を得る。したがって、本実施形態でも位相差AF用の画素行は第2モードの画素行である。A像とB像をどのフォトダイオードの出力から得るかを変えることで、位相差AF処理やRFAF処理における像ずらし量の検出する方向を変えることができる。
例えば水平方向の像ずらし量を検出する場合、フォトダイオードAとCの出力を加算した信号と、フォトダイオードBとDの出力を加算した信号とを読み出すことで、図2の第1および第2のフォトダイオード202A,202Bの出力と同様の信号が得られる。
また、垂直方向の像ずらし量を検出する場合は、フォトダイオードAとBの出力を加算した信号と、フォトダイオードCとDの出力を加算した信号とを読み出せばよい。
さらに、斜め45°方向の像ずらし量を検出する場合は、フォトダイオードAとDの出力か、フォトダイオードBとCの出力を読み出せばよい。この場合には画素内加算は行わない。
位相差AF処理およびRFAF処理で像ずらし量を検出する方向は、例えば図3のS3でライブビュー表示のために用いる画像を用いて以下のようにして動的に決定することができる。なお、S3において位相差AF用の信号を読み出して用いてもよい。
まず、CPU15はライブビュー表示用の画像をスキャンAF回路14に入力し、AF評価値(第1のAF評価値)を算出させる。入力する画像は1フレーム全体でも、一部であってもよい。第1のAF評価値が予め定めた閾値以上であった場合、CPU15は水平方向で像ずらし量を検出すると決定する。閾値以上であった場合は画像の水平方向にコントラストがあり、位相差AF処理およびRFAF処理で水平方向における像ずらし量を精度良く検出できることが期待できる。
一方、第1のAF評価値が閾値未満であった場合は、水平以外の方向の方が精度良く像ずらし量を検出できる可能性があるため、他の方向についても検討する。
まずCPU15は、スキャンAF回路14に入力する画像を水平および垂直方向に等分割し、分割した領域ごとのAF評価値(第2のAF評価値)を算出させる。そして、CPU15は、第2のAF評価値のうち、最大かつ予め定めた閾値以上のものがどの分割領域から得られたかを調べる。なお、ここで用いる閾値は、第1のAF評価値に用いる閾値よりも小さい値とする。
CPU15は、最大のAF評価値が右上もしくは左下の分割領域で得られていれば、フォトダイオードAとDの出力を加算せずに用いて位相差AF処理およびRFAF処理を行うことを決定する。
また、CPU15は、最大のAF評価値が左上もしくは右下の分割領域で得られていれば、フォトダイオードBとCの出力を加算せずに用いて位相差AF処理およびRFAF処理を行うことを決定する。
第2のAF評価値がいずれも閾値未満だった場合、CPU15は左2つの領域の輝度の積算値(YI_L)、右2つの領域の輝度の積算値(YI_R)、上2つの領域の輝度の積算値(YI_U)、下2つの領域の輝度の積算値(YI_B)を求める。
さらにCPU15はABS(YI_L−YI_R)とABS(YI_U−YI_B)を求め、
ABS(YI_L−YI_R)≧ABS(YI_U−YI_B)なら水平方向
ABS(YI_L−YI_R)<ABS(YI_U−YI_B)なら垂直方向
で像ずらし量を検出することを決定する。ABS()は()内の絶対値を求める関数である。
なお、像ずらし量の検出方向は、撮影時のカメラの姿勢、顔検出の結果、設定された撮影モードなどに基づいて決定されてもよい。
以上のようにして像ずらし量の検出方向を決定すると、CPU15は、決定した方向に応じたAF用の信号を読み出すようなタイミング制御を行う。
撮像素子5からの信号の読み出し方向は水平方向なので、検出方向が水平方向であれば並び替えは不要であり、読み出された順番に処理を行えば良い。この場合、フォトダイオードAとCの出力を加算し基準像信号、フォトダイオードBとDの出力を加算し参照像信号画素とする。この画素内加算は撮像素子5内で行われる。タイミング制御は図4に示した第1実施形態と同じであってよい。撮影モード時の動作も第1の実施形態で説明したとおりである。
一方、検出方向が垂直方向もしくは斜め方向の場合、読み出された順番に処理することはできない。そのためCPU15は、撮像素子5から読み出された信号のうち、AF処理に用いる領域内の信号を一時的に記憶する。そして、水平方向で像ずらし量を検出する際の位相差AF処理やRFAF処理と同じ動作で垂直方向や斜め方向の像ずらし量が検出できるように、位相差AF処理の前に信号を並び替える。RFAF処理は位相差AF処理で用いたA像およびB像を流用できるため、並び替えを再度行う必要はない。
タイミング制御は第2実施形態(図10)と同様に行うことができるが、像ずらし量の検出を垂直方向で行う場合、水平方向の副画素行を1画素行として取り扱う点が異なる。
図11に、像ずらし量の検出を垂直方向で行う場合の画素行の割り当ての例を示している。図示の通り、副画素行の1行目および3行目を位相差AF(A像)用の画素行の1行目と2行目とし、副画素行の2行目および4行目を位相差AF(B像)用の画素行の1行目と2行目とする。また、副画素行の5行目および6行目は表示画素用の画素行の1行目とし、副画素行の7行目および8行目は表示画素用の画素行の2行目とする。
位相差AF用の行は水平方向に隣接する副画素(AとB、CとD)の加算のみが行われるため、位相差AF用の画素行(副画素行の1〜4行目)からは、基準像信号(A像)と参照像信号(B像)とがそれぞれ2行分読み出される。
一方、表示画素用の画素行は画素内の水平方向および垂直方向に隣接する全副画素を加算するので、副画素行の5〜6行目が加算されて1行分(1行目)として、7〜8行目が加算されて1行分(2行目)として読み出される。
そのためCPU15は、副画素の8行分(通常の画素行の4行分)を、位相差AF用の画素行4行と、表示画像用の画素行2行の6行として取り扱うように駆動モードを設定する。その順序は、位相差AF(A像)用→位相差AF(B像)用→位相差AF(A像)用→位相差AF(B像)用→表示画像用→表示画像用となる。
このような駆動モードの設定により、第2実施形態と同様に図10に示すタイミングで撮像素子5を制御することができる。タイミング制御についての説明は省略する。
上述の通り、位相差AF処理およびRFAF処理を水平方向における像ずらし量の検出時と共通にするため、位相差AF処理の開始時に信号の並び替えを行う。AF処理に用いる領域内の信号を全て読み出し、例えば位相差AF回路37内の領域に保存したら、像ずらし量の検出方向に応じた並び替えを行う。あるいは、CPU15がメモリ8内で並び替えを行ってから位相差AF回路37に供給してもよい。
撮像素子5からは水平方向に読み出され、読み出し順序に従って画素の出力値が保存されている。垂直方向での像ずらし量を検出する場合、CPU15は垂直方向の座標の等しい画素の出力値を抽出し、垂直方向の座標の順序に従って位相差AF回路37内の所定の領域に保存する。
並び替えが終了すると、CPU15は位相差AF回路37に、位相差AF処理(図6のS902以降の処理)を実行するように指示する。処理の内容は第1実施形態と同じでよいため説明を省略する。
RFAF処理については、位相差AF回路37に保存された、並び替え後の像信号を流用するため、並び替えは不要であり、第1実施形態と同様に処理を実行する。
斜め方向での像ずらし量を検出する場合には、副画素行の1行目および3行目から位相差AF(A像)用の信号として副画素AまたはBが読み出され、副画素行の2行目および4行目から位相差AF(B像)用の信号として副画素CまたはDが読み出される。タイミング制御は第2実施形態(図10)と同様に行うことができる。
また、CPU15は、副画素AとDの組み合わせを用いる場合には−45度の方向で、かつ垂直方向の座標の順序に従って同じ種類の副画素の出力が並ぶように並び替えて位相差AF回路37内の所定の領域に保存する。同様に、副画素BとCの組み合わせを用いる場合、CPU15は45度の方向で、かつ垂直方向の座標の順序に従って同じ種類の副画素の出力が並ぶように並び替えて位相差AF回路37内の所定の領域に保存する。
並び替えが終了すると、CPU15は位相差AF回路37に、位相差AF処理(図6のS902以降の処理)を実行するように指示する。処理の内容は第1実施形態と同じでよいため説明を省略する。
RFAF処理については、位相差AF回路37に保存された、並び替え後の像信号を流用するため、並び替えは不要であり、第1実施形態と同様に処理を実行する。
表示画素用の画素行については、位相差AF処理やRFAF処理で像ずらし量を検出する方向に依存せず、画素ごとに全てのフォトダイオード(副画素)の出力を加算して読み出す。あるいは、副画素行の5行目と6行目との加算、7行目と8行目との加算を行い、表示画像用の2行分の信号を読み出してもよい。タイミング制御は第2実施形態(図10)と同様に行うことができる。
なお、表示画像用の画素行、位相差AF用の画素行とも、必要に応じて画素間加算を行って画素数を削減することが可能である。
なおスキャンAF処理用の読み出しおよびスキャンAF処理に関しては、画素内加算を行う副画素の数が変わる以外は第1実施形態と同様であってよいため、説明を省略する。
なお、スキャンAF処理においてAF評価値を求める方向を水平方向ではなく垂直方向や斜め方向とする場合には、AF枠内の画像信号を垂直方向もしくは斜め方向に並び変えてからAF評価値を求めればよい。
本実施形態によれば、第1および第2実施形態と同様の効果が得られるほか、水平方向にコントラストが低い被写体に対しても良好な自動焦点検出を行うことができる。特に、像ずらし量やAF評価値を検出する方向を動的に決定することで、AF枠内の被写体に適した方向での自動焦点検出を行うことができ、精度の良い自動焦点検出が実現できる。
●(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、
・位相差AF処理及びRFAF処理を撮像素子5内の回路で行う点
・SW1のオンを検出する前の位相差AF処理で検出された合焦位置へフォーカスレンズ3を移動させた後に、像修正を行った信号でRFAF処理を行う点
で第1実施形態と異なる。
撮像素子5に設定する駆動モードやタイミング制御に関しては第1実施形態と同じでよいため、説明を省略する。
図12に示すフローチャートを用い、本実施形態に係るデジタルカメラ1の撮影モード時の動作について説明する。なお、第1実施形態と同じ処理ステップには同じ参照数字を付し、説明を省略する。
S1〜S3は第1実施形態と同様である。
S1504においてCPU15は、撮像素子5内の回路を制御して位相差AF処理を行い、おおよその合焦位置を求める。この時点では高速かつ低消費電力であることが要求されるため、CPU15はA像およびB像の像修正を行わずにデフォーカス量を検出する。撮像素子5内の回路構成と位相差AF処理の詳細については後述する。
S1506においてCPU15は、検出したデフォーカス量が所定値以下か否かを調べ、所定値以下であればS1507へ、所定値を超えていればS1510へ処理を進める。S1510でCPU15は、第2モータ駆動回路19を通じてフォーカスレンズ3をS1504で検出したデフォーカス量に相当する方向および量駆動し、処理をS1511へ進める。
S1507でCPU15は、撮像素子5内の回路を用いてRFAF処理を実行する。ここではA像およびB像に対する像修正を適用する。撮像素子5内の回路を用いたRFAF処理の詳細については後述する。
S1509でCPU15はRFAF処理結果に基づいてフォーカスレンズ3を合焦位置に移動させた後、合焦フラグをオンにし、処理をS1511へ進める。
S1511においてCPU15は、操作スイッチ24に含まれるレリーズスイッチの状態を確認する。レリーズスイッチのSW1がオン状態であれば、CPU15は処理をS1512に進める。一方、レリーズスイッチのSW1がオフ状態であれば、CPU15は処理をS2に戻し、次のフレームについての処理を行う。
S1512でCPU15は合焦フラグがオンであるかどうかを調べ、合焦フラグがオンであれば、S14に処理を進めてAF結果の表示(ここではAF OK表示)を行う。一方、S1512で合焦フラグがオフの場合、CPU15は処理をS1513に進め、位相差AF処理及びRFAF処理、及びその結果に基づいたレンズ駆動を行う。この位相差AF処理及びRFAF処理は撮像素子5内の回路を用いて行う。なおスキャンAFは行わないので、センサー駆動モードの変更は行わない。所定値以下のデフォーカス量が検出されるまで位相差AF処理を実行し、その後、位相差AF処理で検出されたデフォーカス量に応じたフォーカスレンズ3の位置の近傍でRFAF処理を実行する。撮像素子5内の回路を用いた位相差AF処理およびRFAF処理の詳細については後述する。
その後S14においてCPU15は、AF処理の結果を表示する。
合焦フラグがオンの場合とS1513における位相差AF処理及びRFAF処理の結果、合焦可能と判断されれば、CPU15は例えば表示素子29を点灯させるとともに、ライブビュー画像に緑の枠を重畳表示するなどのAF OK表示を行う。
合焦フラグがオフで、S1513における位相差AF処理またはRFAF処理の結果、合焦可能と判断されない場合、CPU15は例えば表示素子29を点滅させるとともに、ライブビュー画像に黄色の枠を重畳表示するなどのAF NG表示を行う。
S15でCPU15は、SW2がオンかどうかを確認し、SW2がオンであれば(記録用画像の撮影指示が入力されていれば)処理をS16へ進め、記録用の露光処理を実行する。その後、CPU15は、撮影画像を記録するための処理を実行させる。
なお、撮影モード時には例えばライブビュー画像に基づいてシーン変化の有無を判定する処理を並行して実行してもよい。そして、シーン変化したと判定された場合には、S1501から処理をやり直すように構成してもよい。
次に、S1504、S1507、S1513で行う、撮像素子5の回路をCPU15が制御することで実施される位相差AF処理およびRFAF処理の詳細について説明する。
図13は、本実施形態における撮像素子5の回路構成例を示す模式図であり、図13(b)は図13(a)の一部をより詳細に示している。ここでは、撮像素子5が、図2に示した1画素当たり2つのフォトダイオードを有する構成であるものとする。
マイクロレンズ1601を通過した被写体の光束はフォトダイオード1602で光電変換される。フォトダイオード1602は図で「A」と示した基準像信号(A像)用フォトダイオード(図2の第1のフォトダイオード202Aに相当)と、「B」と示した参照像信号(B像)用フォトダイオード(同第2のフォトダイオード202Bに相当)とを有している。光電変換された信号は転送トランジスタ1603を介して、A像は第1転送路1604、B像は第2転送路1605へ読み出される。このように別々の転送路に読み出すことで、A像とB像の分離(並び替え)が行われる。
第1転送路1604に読み出されたA像は第1バッファ回路1701へ、第2転送路1605に読み出されたB像は第2バッファ回路1702へそれぞれ出力され、一時的に記憶される。CPU15は第1および第2バッファ回路1701,1702に転送信号を入力し、所望の画素から得られた信号に対する演算を掛算器1703(図13(b))、加算回路1608、減算回路1609で実行させることができる。
加算回路1608の出力信号は撮像素子5内のメモリ1707に書き込まれる。メモリ1707に書き込まれた信号はBPF(帯域通過フィルタ)1708に入力される。BPF1708の特性は入力信号(被写体像)の輪郭成分等の高周波成分を抽出するように設定されている。そのためBPF1708の出力は図1のスキャンAF回路14で得られるAF評価値と同様に用いることができる。
また減算回路1609の出力信号は絶対値回路1610で絶対値に変換された後、メモリ1710へ書き込まれる。メモリ1710に書き込まれた信号は加算回路1711へ出力され、メモリ1712に書き込まれた信号と加算される。加算回路1711の出力はメモリ1712に書き込まれ、メモリ1712に書き込まれた信号は絶対値回路1610の出力の積算値となる。
そしてメモリ1709、1712に記憶された信号は、例えばDMA転送によりCPU15に適宜転送される。
次に、このような構成の撮像素子5の回路を用いて位相差AF処理を実現する方法について説明する。処理の初めにCPU15はメモリ1712のクリアなどの初期化処理を行う。また、CPU15は加算回路1608には掛算器1703から信号を供給しないか、動作を行わないように設定する。また、S1504で行われる位相差AF処理は、高速の処理を低消費電力で実施する必要があるため、第1および第2バッファ回路1701,1702にA像およびB像を読み出した後、像修正はせずに演算処理を行う。CPU15は、掛算器1704、1705に処理を行わず、入力信号をそのまま出力するように設定する。
撮像素子5で電荷蓄積(露光)が行われ、光電変換出力が第1転送路1604、第2転送路1605を通じて第1および第2バッファ回路1701、1702に転送される。
CPU15は、第1バッファ回路1701から、フレーム画像の予め定められた領域(ここでは中央の領域とする)から読み出したA像が出力されるように設定する。また、CPU15は第2バッファ回路1702についても、像ずらし量の初期値(ここでは−N画素とする)に応じた量だけずれた位置から、A像と同数の画素について出力されるように設定する。
CPU15は、第1および第2バッファ回路1701,1702から設定に従った読み出しを行い、1画素単位で信号を減算回路1609へ供給する。上述の通り、減算回路1609は信号の差を算出し、その絶対値がメモリ1710に書き込まれる。加算回路1711がメモリ1712に記憶された値とメモリ1710に記憶された値とを加算してメモリ1712の値を更新する。初期状態でメモリ1712の値はクリアされているので、まずメモリ1712には先頭画素同士の差分の絶対値が記憶される。
以下同様にして残りの画素についても差の絶対値の積算処理を行う。差分演算を行う所定数の画素についての処理が終了すると、像ずらし量−N画素に対応したA像とB像の差の絶対値の積算値がメモリ1712に得られる。
CPU15はこの積算値を取得すると、像ずらし量(最初は−N画素)と対応付けて例えばメモリ8の所定領域に記憶する。この記憶処理は積算値のDMA転送終了の割り込み信号に同期して行えばよい。
次いでCPU15は、B像の読み出し開始位置を次の像ずらし量(−N+1画素)に対応するように1つずらして設定し、像ずらし量−N画素の場合と同様の処理によって像ずらし量(−N+1画素)に対応したA像とB像の差の絶対値の積算値を取得する。
以下同様にしてCPU15は、所定の範囲(―Nから+N画素)の像ずらし量に対応したA像とB像の差の絶対値の積算値を取得する。
そしてCPU15は、最小の積算値に対応する像ずらし量δを検出するとともに、プレディクション量からデフォーカス量を求めるための係数(K値)及び合焦時の像ずらし量Δから、デフォーカス量d(フォーカスレンズの移動量と方向)を
d=K値×(δ―Δ)
と求め、デフォーカス量dに対応するフォーカスレンズ位置をおおよその合焦位置とする。
S1513において行わる位相差AF処理も基本的にはここで説明したとおりであるが、掛算器1703を用いて像修正を行う点が異なる。像修正の内容は第1実施形態と同様であり、第1実施形態で使用した像修正係数をCPU15が掛算器1703の係数設定部1706、1707に設定し、掛算器1704、1705を入力信号に係数を適用するように設定することで像修正が行われる。
次に、S1507およびS1513でのRFAF処理を実現する方法について説明する。処理の初めにCPU15はメモリ1709のクリアなどの初期化処理を行う。また、CPU15は減算回路1609には掛算器1703から信号を供給しないか、動作を行わないように設定する。
撮像素子5で電荷蓄積(露光)が行われ、光電変換出力が第1転送路1604、第2転送路1605を通じて第1および第2バッファ回路1701、1702に転送される。
CPU15は、第1バッファ回路1701から、フレーム画像の予め定められた領域(ここでは中央の領域とする)から読み出したA像が出力されるように設定する。また、CPU15は第2バッファ回路1702についても、像ずらし量の初期値(ここでは−N画素とする)に応じた量だけずれた位置から、A像と同数の画素について出力されるように設定する。また、CPU15は掛算器1703で像修正を行うために、掛算器1703の係数設定部1706および1707に像修正係数を設定する。
CPU15は、第1および第2バッファ回路1701,1702から設定に従った読み出しを行い、1画素単位で信号を掛算器1703に供給する。掛算器1703では信号に掛算器1704,1705で像修正係数を適用し、加算回路1608へ供給する。
加算回路1608は信号の和を算出し、メモリ1707に書き込む。BPF1708はメモリ1707に所定画素数分の信号が書き込まれるごとにフィルタ処理を適用し、処理後の信号をメモリ1709へ書き込む。A像およびB像の和信号列全体に対してBPF1708での処理が終わると、メモリ1709からフィルタ処理後の信号がCPU15にDMA転送される。
CPU15は和信号列の所定画素数ごとのBPF処理結果を取得すると、最大値を検出し、像ずらし量(最初は−N画素)と対応付けて例えばメモリ8の所定領域に記憶する。この記憶処理は積算値のDMA転送終了の割り込み信号に同期して行えばよい。
次いでCPU15は、B像の読み出し開始位置を次の像ずらし量(−N+1画素)に対応するように1つずらして設定し、像ずらし量−N画素の場合と同様の処理によって像ずらし量(−N+1画素)に対応したBPF処理結果を取得する。そして、最大値を検出し、像ずらし量(−N+1画素)と対応付けて例えばメモリ8の所定領域に記憶する。
以下同様にしてCPU15は、所定の範囲(―Nから+N画素)の像ずらし量に対応したBPF処理結果を取得し、最大値を記憶する。
そして、CPU15は、メモリ8に記憶したBPF処理結果の最大値と、対応する像ずらし量Kdを検出するとともに、レンズ駆動量を以下の式(3)によって求める。
レンズ移動量[パルス]=K・kd/フォーカス敏感度/1パルスあたりの移動量 (3)と求める。
ここで、Kはプレディクション量からデフォーカス量を求めるための係数で、結像光学系の焦点距離、絞り値、AF枠の像高などのパラメータに依存する値である。例えばEEPROM25内にこれらパラメータの組み合わせに対応したKの値をテーブル形式で記憶しておき、移動量算出時にテーブルを参照して値を取得することができる。フォーカス敏感度は光学的なフォーカスに移動量を機械的なレンズ移動量に変換するための係数であり、結像光学系の焦点距離、フォーカスレンズ位置に依存ずる値である。フォーカス敏感度も係数Kと同様にEEPROM25内にテーブル形式で記憶しておき、移動量算出時に参照して値を取得することができる。
なお、ここでは理解を容易にするため、第1および第2実施形態と同様の画素構成を有する場合について説明したが、第3実施形態で説明した画素構成であっても同様に適用することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1〜第3実施形態における効果に加え、撮像素子がAF処理を実現するための回路を有することにより、AF処理を常時行うことが可能になり、レリーズタイムラグを短縮することが可能になる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1…デジタルカメラ、3…フォーカスレンズ、5…撮像素子、8…メモリ、15…CPU、16…タイミングジェネレータ、17…センサドライバ、19…第2モータ駆動回路

Claims (13)

  1. 1つのマイクロレンズに対して4つの光電変換領域を有する画素が2次元的に配置された撮像素子と、
    前記撮像素子上に被写体像を形成するための結像光学系と、
    前記結像光学系に含まれるフォーカスレンズを駆動するための駆動手段と、
    前記撮像素子の画素行のそれぞれの読み出しモードを、前記4つの光電変換領域の加算出力を読み出す第1モードと、前記4つの光電変換領域のうち垂直方向に隣接する2つの光電変換領域の加算出力を読み出す第2モードとを含む複数のモードのいずれかに設定する設定手段と、
    前記撮像素子の露光および読み出しタイミングを制御する制御手段と、
    前記第1モードで読み出された加算出力に基づく表示用画像を表示する表示手段と、を有し
    前記撮像素子は、前記第2モードに設定された画素行から読み出された出力に基づく基準像信号と参照像信号との相関を表す値を生成する演算手段と、被写体像からAF評価値として用いる高周波成分を抽出する抽出手段と、を含み、
    前記設定手段は、表示画像用もしくはスキャンAF用の信号を生成するための画素行については前記第1モードに、位相差AF用の信号を生成するための画素行については前記第2モードに設定する
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記設定手段は、前記第1モードと前記第2モードとを予め定めた周期で交互に設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記設定手段は、前記第1モードに設定した画素行と前記第2モードに設定した画素行とで読み出される出力の数が等しくなるように前記設定を行うことを特徴とする請求項1または請求項に記載の撮像装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1モードが設定された画素行よりも、前記第2モードが設定された画素行の露光時間を長くすることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記制御手段は、前記第2モードが設定された画素行よりも、前記第1モードが設定された画素行の読み出しレートが早くなるように前記制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記制御手段は、表示画像用の信号を生成する場合よりスキャンAF用の信号を生成する場合の読み出しレートが早くなるように前記第1モードに設定された画素行の露光時間を制御することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 記制御手段は、前記第2モードに設定された画素行では、垂直方向に隣接する2つの光電変換領域の加算出力の代わりに、水平方向に隣接する2つの光電変換領域の加算出力か、斜め方向に隣接する2つの光電変換領域の各々の出力を読み出すように前記制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 前記撮像素子の前記演算手段が生成する前記相関を表す値に基づいて結像光学系のデフォーカス量を検出する位相差AF手段をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記基準像信号と前記参照像信号とを加算して被写体像であるリフォーカス信号を生成し、前記リフォーカス信号に対して前記抽出手段が抽出した前記高周波成分に基づいて合焦位置を検出するリフォーカスAF手段をさらに有することを特徴とする請求項記載の撮像装置。
  10. 前記リフォーカスAF手段は、前記位相差AF手段によって検出されたデフォーカス量に応じたフォーカスレンズの位置を基準とした範囲で前記合焦位置を検出することを特徴とする請求項記載の撮像装置。
  11. ユーザー操作を受付可能な操作手段をさらに備え、
    前記位相差AF手段は前記操作手段の操作に基づいて前記デフォーカス量の検出を行うことを特徴とする、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の撮像装置。
  12. 撮影時に発光するLED発光手段と、
    電源としての電池とをさらに備えるモバイル機器であることを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の撮像装置。
  13. 1つのマイクロレンズに対して4つの光電変換領域を有する画素が2次元的に配置された撮像素子と、前記撮像素子上に被写体像を形成するための結像光学系と、前記結像光学系に含まれるフォーカスレンズを駆動するための駆動手段と、を有する撮像装置の制御方法であって、
    設定手段が、前記撮像素子の画素行のそれぞれの読み出しモードを、前記4つの光電変換領域の加算出力を読み出す第1モードと、前記4つの光電変換領域のうち垂直方向に隣接する2つの光電変換領域の加算出力を読み出す第2モードとを含む複数のモードのいずれかに設定する設定工程と、
    制御手段が、前記撮像素子の露光および読み出しタイミングを制御する制御工程と、
    表示手段が、前記第1モードで読み出された加算出力に基づく表示用画像を表示する表示工程と、
    前記撮像素子が、前記第2モードに設定された画素行から読み出された出力に基づく基準像信号と参照像信号との相関を表す値を生成する演算工程と、
    前記撮像素子が、被写体像からAF評価値として用いる高周波成分を抽出する抽出工程と、を有し、
    前記設定工程において前記設定手段は、表示画像用もしくはスキャンAF用の信号を生成するための画素行については前記第1モードに、位相差AF用の信号を生成するための画素行については前記第2モードに設定する、
    ことを特徴とする撮像装置の制御方法。
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