従来、例えば液晶表示装置(Liquid Crystal Display :LCD)は、TFT(Thine Film Transistor)を含む画素部が多数形成されたTFTアレイ側基板と、カラーフィルタ及びブラックマトリクスが形成されたカラーフィルタ側基板とを互いに対向させて、それらの基板を所定の間隔でもって貼り合わせ、それらの基板間に液晶を充填、封入させることによって作製される。
従来のアクティブマトリクス型のLCDの基本構成の一例を図6に示す。例えば、ガラス基板等から成るTFTアレイ側基板は、その上の第1の方向(例えば、行方向)に形成された複数本のゲート信号線G1,G2,G3,・・・Gmと、第1の方向と交差する第2の方向(例えば、列方向)にゲート信号線G1〜Gmと交差させて形成された複数本の画像
信号線S1,S2,S3,・・・Snと、ゲート信号線G1〜Gmと画像信号線S1〜Snの交差部付近に形成された、TFT31、画素電極(図示せず)を含む画素部P11,P12,P13,・・・Pmnと、を有する構成である。また、共通電極(図示せず)は、画素電極との
間で液晶に印加する垂直的な電界を形成するために、カラーフィルタ側基板上に設けられている。共通電極に共通電圧(Vcom)を供給する共通電圧線32は、IPS(In-Plane Switching)方式のLCD、FFS(Fringe Field Switching)方式のLCDの場合はTFTアレイ側基板に形成されるが、TN(Twisted Nematic)型LCDの場合は不要である。なお、図6において、33は各ゲート信号線G1〜Gmに順次ゲート信号を伝送するゲート信号線駆動回路、34は各画像信号線S1〜Snに順次画像信号を伝送する画像信号(ソース信号)線駆動回路、35は画素電極との間で所望の容量を形成しそれを1フレーム保持するための保持容量線(Cs線)、40は画像表示を行う表示部、41は液晶表示パネルである。なお、Cs線35は、蓄積容量電極(storage electrode)、蓄積容量線とも呼ばれる。
TFT31は、例えば、アモルファスシリコン(a−Si)、低温ポリシリコン(Low-Temperature Poly Silicon)等から成る半導体膜を有し、ゲート電極部、ソース電極部、ドレイン電極部の3端子部を有する構成である。そして、ゲート電極部に所定電位の電圧(例えば、6V,15V等)を印加することにより、ソース電極部とドレイン電極部の間の半導体膜(チャンネル)に電流を流す、スイッチング素子(ゲートトランスファ素子)として機能する。また、画素電極は、一般に酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide :ITO)等から成る透明電極から構成されている。
また、カラーフィルタ側基板は、共通電極が形成された面またはそれと反対側の面に、それぞれの画素に対応する赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが形成されており、それぞれの画素を通過する光が相互に干渉することを防ぐブラックマトリクスがカラーフィルタの外周を囲むように形成されている。
図7(a),(b)は、従来のLCDにおける1つの画素部を拡大して示す平面図である。ゲート信号線51と画像信号線52とで囲まれた矩形状の部位が画素部として規定されており、画素部には画素電極53、画素電極53に画像信号を入力するスイッチング素子として機能するTFT54が設けられている。画素部の中央部には、ゲート信号線51と平行に形成された保持容量線(Cs線)55が、ゲート信号線51と同じ面内に形成されている。また、ゲート信号線51、画像信号線52、TFT54及びCs線55を覆うように、カラーフィルタ側基板にブラックマトリクス等の遮光部56が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
また、TN型のLCDの場合、TFTアレイ側基板の液晶側の面の最上層としてポリイミド等から成る第1の配向膜が形成されており、第1の配向膜の配向方向58は、ゲート信号線51の方向及び画像信号線52の方向とも非平行な方向である。例えば、第1の配向膜の配向方向58はゲート信号線51の方向に対して45°傾斜した方向である。また、カラーフィルタ側基板の面の最上層としてポリイミド等から成る第2の配向膜が形成されており、第2の配向膜の配向方向59は、第1の配向膜の配向方向58と交差する方向である。第1の配向膜の配向方向58と第2の配向膜の配向方向59とのなす角度は、一般に90°である。また、第2の配向膜中に基部があり基部以外の先端部側が第2の配向膜から突出している円柱状等の柱状のスペーサ57が、Cs線55に平面視で重なるように設けられている。
図8(a),(b)は、画素部の中央部に、ゲート信号線51の方向と平行に形成された部位と、画像信号線52の方向に平行に形成された部位とを有する十字状のCs線65が設けられた構成を示している(例えば、特許文献2を参照)。
図11(a),(b)は、従来のIPS方式のLCDにおける1つの画素部を拡大して示す平面図である。ゲート信号線51と画像信号線52とで囲まれた矩形状の部位が画素部として規定されており、画素部には画素電極73、画素電極73と同じ面に配置された共通電極72、画素電極73に画像信号を入力するスイッチング素子として機能するTFT54が設けられている。画素電極73は、複数の「く」の字状または折れ線状の電極指の根元がバスバー電極に結合している、ITO等の透明電極から成る櫛歯状電極構造を有しており、共通電極72も同様にITO等の透明電極から成る櫛歯状電極構造を有している。そして、画素電極73の1本の電極指に隣接するとともに平行に、共通電極72の1本の電極指が配置されている。従って、画素電極73の電極指と共通電極72の電極指とは交互に配置されている。画素部の中央部には、ゲート信号線51と平行に形成された保持容量線(Cs線)75が、ゲート信号線51が配置された面と同じ面に配置されている。また、ゲート信号線51、画像信号線52、TFT54及びCs線75を覆うように、カラーフィルタ側基板にブラックマトリクス等の遮光部76が設けられている。
また、画素電極73及び共通電極72は、ゲート信号線51、画像信号線52及びTFT54を覆う絶縁層上に配置されている。画素電極73のバスバー電極は、TFT54のドレイン電極にコンタクトホール等を介して電気的に接続されている。共通電極72の電極指以外の部位は、ゲート信号線51、画像信号線52及びTFT54に平面視で重なるように上記絶縁層上に配置されている。
また、IPS方式のLCDの場合、TFTアレイ側基板の液晶側の面の最上層としてポリイミド等から成る第1の配向膜が形成されており、第1の配向膜の配向方向78は、画像信号線52の方向に平行な方向である。また、カラーフィルタ側基板の面の最上層としてポリイミド等から成る第2の配向膜が形成されており、第2の配向膜の配向方向79は、第1の配向膜の配向方向78と同じ方向である。また、第2の配向膜中に基部があり基部以外の先端部側が第2の配向膜から突出している円柱状等の柱状のスペーサ77が、Cs線75に平面視で重なるように設けられている。
しかしながら、図7に示す上記従来のLCDにおいては、画素電極53との間で所望の容量を形成するために、ゲート信号線51、画像信号線52と比較してCs線55を太く形成する必要があった。その結果、Cs線55を覆う遮光部56cの幅が、ゲート信号線5
1を覆う遮光部56aの幅、画像信号線52を覆う遮光部56bの幅よりも大きくなっていた。そうすると、LCDに画像を表示させた際、例えば白表示をした際に、遮光部56cが横筋
として視認される場合があるという問題点があった。また、第2の配向膜に配向を形成するラビング工程おいて、スペーサ57がラビングの障害となり、スペーサ57からラビング方向の後方に配向が不十分な部位が形成される場合があった。そうすると、LCDに画像を表示させた際、例えば中間調表示をした際に、配向が不十分な部位が灰色等の色合いの筋60として視認される場合があるという問題点があった。
そこで図8に示すように、十字状のCs線65とすれば、図7の構成と比較して、1つの画素部におけるCs線65の長さが長くなる分、Cs線65の幅を細くすることができる。そうすると、LCDに画像を表示させた際、特に白表示をした際に、遮光部56cが筋
として視認されにくくなり、その結果高精細な画像表示が可能となる。しかしながら、配向が不十分な部位が灰色等の色合いの筋60として視認される場合があるという問題点については、依然として解消されなかった。
また、図11に示すIPS方式のLCDの場合にも、図11(b)に示すように、LCDに画像を表示させた際、例えば中間調表示をした際に、配向が不十分な部位が灰色等の色合いの筋80として視認される場合があるという問題点があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、配向が不十分な部位が筋として視認されることを防ぐことができるとともに、高精細な画像表示が可能なLCDとすることである。
本発明の液晶表示装置は、第1の基板と、前記第1の基板との間に液晶及びスペーサを挟持する第2の基板と、前記第1の基板および/または前記第2の基板に設けられた遮光部と、を有しており、前記第1の基板は、液晶側の面の所定方向に形成されたゲート信号線と、前記ゲート信号線と交差させて形成された画像信号線と、前記ゲート信号線と前記画像信号線の各交差部に対応してそれぞれ配置された画素電極と、液晶側の面に前記液晶に接する第1の配向膜と、を有しており、前記第2の基板は、液晶側の面に前記液晶に接する第2の配向膜を有しており、前記第1の配向膜は、前記ゲート信号線の前記所定方向及び前記画像信号線の方向に対して傾斜した第1の配向方向を有し、前記第2の配向膜は、前記第1の配向方向と交差する第2の配向方向を有しているツイステッドネマチック型の液晶表示装置であって、前記スペーサが前記第1の基板側に取り付けられており、前記遮光部は、前記第1の配向方向に平行な第1の部位及び前記第2の配向方向に平行な第2の部位を有するとともに前記第1の部位及び前記第2の部位によって前記画素電極を区分けするように形成されており、前記スペーサは、前記第1の部位に平面視で内側にあり、前記第2の部位には平面視で存在していない構成である。
本発明の液晶表示装置は、第1の基板と、前記第1の基板との間に液晶及びスペーサを挟持する第2の基板と、前記第1の基板および/または前記第2の基板に設けられた遮光部と、を有しており、前記第1の基板は、液晶側の面の所定方向に形成されたゲート信号線と、前記ゲート信号線と交差させて形成された画像信号線と、前記ゲート信号線と前記画像信号線の各交差部に対応してそれぞれ配置された画素電極と、液晶側の面に前記液晶に接する第1の配向膜と、を有しており、前記第2の基板は、液晶側の面に前記液晶に接する第2の配向膜を有しており、前記第1の配向膜は、前記ゲート信号線の前記所定方向及び前記画像信号線の方向に対して傾斜した第1の配向方向を有し、前記第2の配向膜は、前記第1の配向方向と交差する第2の配向方向を有しているツイステッドネマチック型の液晶表示装置であって、前記スペーサが前記第2の基板側に取り付けられており、前記遮光部は、前記第1の配向方向に平行な第1の部位及び前記第2の配向方向に平行な第2の部位を有するとともに前記第1の部位及び前記第2の部位によって前記画素電極を区分けするように形成されており、前記スペーサは、前記第2の部位に平面視で内側にあり、前記第1の部位には平面視で存在しない構成である。
本発明の液晶表示装置は、好ましくは、前記遮光部は、前記スペーサを平面視で覆う部位の方の幅が、前記スペーサが平面視で存在しない部位の方の幅よりも大きい。
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、前記スペーサは、前記第1の基板側に取り付けられる場合、平面視形状が前記第1の配向方向に長手方向を有する形状であるとともに、長手方向の両端部が先細り状とされており、前記第2の基板側に取り付けられる場合、平面視形状が前記第2の配向方向に長手方向を有する形状であるとともに、長手方向の
両端部が先細り状とされている。
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、前記第1の基板は、平面視で前記画素電極に重なるとともに前記遮光部に覆われるように配置された保持容量線を有している。
本発明の液晶表示装置は、第1の基板と、前記第1の基板との間に液晶及びスペーサを挟持する第2の基板と、前記第2の基板に設けられた遮光部と、を有しており、前記第1の基板は、液晶側の面上に、所定方向に形成されたゲート信号線と、前記ゲート信号線と交差させて形成された画像信号線と、前記ゲート信号線と前記画像信号線の各交差部に対応してそれぞれ配置された画素電極と、前記液晶に接する第1の配向膜と、を有しており、前記第2の基板は、液晶側の面上に前記液晶に接する第2の配向膜を有しており、前記第1の配向膜及び前記第2の配向膜はそれぞれ、前記画像信号線の方向に平行な配向方向を有しているインプレーンスイッチング型の液晶表示装置であって、前記遮光部は、前記配向方向に平行な部位を有するとともに前記部位によって前記画素電極を区分けするように形成されており、前記スペーサは、前記部位に平面視で重なるように配置されており、前記第1の基板は、平面視で前記画素電極に重なるとともに前記遮光部に覆われるように配置された保持容量線を有している構成である。
本発明の液晶表示装置は、第1の基板と、第1の基板との間に液晶及びスペーサを挟持する第2の基板と、第1の基板および/または第2の基板に設けられた遮光部と、を有しており、第1の基板は、液晶側の面の所定方向に形成されたゲート信号線と、ゲート信号線と交差させて形成された画像信号線と、ゲート信号線と画像信号線の各交差部に対応してそれぞれ配置された画素電極と、液晶側の面に液晶に接する第1の配向膜と、を有しており、第2の基板は、液晶側の面に液晶に接する第2の配向膜を有しており、第1の配向膜は、ゲート信号線の所定方向及び画像信号線の方向に対して傾斜した第1の配向方向を有し、第2の配向膜は、第1の配向方向と交差する第2の配向方向を有しているツイステッドネマチック型の液晶表示装置であって、スペーサが第1の基板側に取り付けられており、遮光部は、第1の配向方向に平行な第1の部位及び第2の配向方向に平行な第2の部位を有するとともに第1の部位及び第2の部位によって画素電極を区分けするように形成されており、スペーサは、第1の部位に平面視で内側にあり、第2の部位には平面視で存在していない構成であることから、以下の効果を奏する。すなわち、遮光部は画素電極をより細かく区分けするように形成されているので、より高精細の画像表示が可能となる。また、スペーサは、遮光部の上記第1の部位に平面視で重なるように配置されているので、配向が不十分な部位は遮光部に隠れることになる。その結果、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることを防ぐことができる。
本発明の液晶表示装置は、第1の基板と、第1の基板との間に液晶及びスペーサを挟持する第2の基板と、第1の基板および/または第2の基板に設けられた遮光部と、を有しており、第1の基板は、液晶側の面の所定方向に形成されたゲート信号線と、ゲート信号線と交差させて形成された画像信号線と、ゲート信号線と画像信号線の各交差部に対応してそれぞれ配置された画素電極と、液晶側の面に液晶に接する第1の配向膜と、を有しており、第2の基板は、液晶側の面に液晶に接する第2の配向膜を有しており、第1の配向膜は、ゲート信号線の所定方向及び画像信号線の方向に対して傾斜した第1の配向方向を有し、第2の配向膜は、第1の配向方向と交差する第2の配向方向を有しているツイステッドネマチック型の液晶表示装置であって、スペーサが第2の基板側に取り付けられており、遮光部は、第1の配向方向に平行な第1の部位及び第2の配向方向に平行な第2の部位を有するとともに第1の部位及び第2の部位によって画素電極を区分けするように形成されており、スペーサは、第2の部位に平面視で内側にあり、第1の部位には平面視で存在しない構成であることから、以下の効果を奏する。すなわち、遮光部は画素電極をより
細かく区分けするように形成されているので、より高精細の画像表示が可能となる。また、スペーサは、遮光部の第1の部位または第2の部位に平面視で重なるように配置されているので、配向が不十分な部位は遮光部に隠れることになる。その結果、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることを防ぐことができる。
また本発明の液晶表示装置は、遮光部は、スペーサを平面視で覆う部位の方の幅が、スペーサが平面視で存在しない部位の方の幅よりも大きい場合、配向が不十分な部位が筋として視認されることを確実に防ぐことができる。また、スペーサが平面視で存在しない遮光部の部位の方の幅を、スペーサを平面視で含む遮光部の部位の方の幅よりも小さくできるので、画像表示の際に遮光部の第1の部位及び第2の部位が視認されることをより抑えることができる。さらに、画素部において遮光部の合計の面積を減少させることができるので、開口率を向上させることができる。
また本発明の液晶表示装置は、スペーサは、第1の基板側に取り付けられる場合、平面視形状が第1の配向方向に長手方向を有する形状であるとともに、長手方向の両端部が先細り状とされており、第2の基板側に取り付けられる場合、平面視形状が第2の配向方向に長手方向を有する形状であるとともに、長手方向の両端部が先細り状とされている場合、スペーサがラビングの障害となりにくくなるので、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることをより確実に防ぐことができる。
また本発明の液晶表示装置は、第1の基板は、平面視で画素電極に重なるとともに遮光部に覆われるように配置された保持容量線を有している場合、保持容量線が遮光部に隠れるので、画素部の開口率を高く維持することができる。また、保持容量線の長さが長くなるのでその面積が大きくなり、画素電極との間で所望の容量を形成することが容易になる。さらに、保持容量線の長さが長くなるので、容量を従来よりもさほど大きくしなければ細くすることもでき、その結果、遮光部も細くすることができる。そして、画像表示の際に遮光部が視認されることを抑えることができる。
本発明の液晶表示装置は、第1の基板と、第1の基板との間に液晶及びスペーサを挟持する第2の基板と、第2の基板に設けられた遮光部と、を有しており、第1の基板は、液晶側の面上に、所定方向に形成されたゲート信号線と、ゲート信号線と交差させて形成された画像信号線と、ゲート信号線と画像信号線の各交差部に対応してそれぞれ配置された画素電極と、液晶に接する第1の配向膜と、を有しており、第2の基板は、液晶側の面上に液晶に接する第2の配向膜を有しており、第1の配向膜及び第2の配向膜はそれぞれ、画像信号線の方向に平行な配向方向を有しているインプレーンスイッチング型の液晶表示装置であって、遮光部は、配向方向に平行な部位を有するとともにその部位によって画素電極を区分けするように形成されており、スペーサは、上記部位に平面視で重なるように配置されており、第1の基板は、平面視で画素電極に重なるとともに遮光部に覆われるように配置された保持容量線を有している構成であることから、以下の効果を奏する。すなわち、遮光部の上記部位が画素電極を区分けするように形成されているので、高精細の画像表示が可能となる。また、スペーサは、遮光部の上記部位に平面視で重なるように配置されているので、配向が不十分な部位は遮光部に隠れることになる。その結果、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることを防ぐことができる。また、保持容量線が遮光部に隠れるので、画素部の開口率を高く維持することができる。
以下、本発明のLCDの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、本発明のLCDの実施の形態における構成部材のうち、本発明のLCDを説明するための主要部を示している。従って、本発明のLCDは、図に示されていない回路基板、配線導体、制御IC,LSI等の周知の構成部材を備えていてもよい。
本発明のLCDに関連する参考例の構成は、ガラス基板等から成る第1の基板としてのTFTアレイ側基板と、TFTアレイ側基板との間に液晶及びスペーサを挟持する第2の基板としてのカラーフィルタ側基板と、カラーフィルタ側基板に設けられたブラックマトリクス等の遮光部と、を有しており、TFTアレイ側基板は、液晶側の面上に、所定方向(例えば、行方向)に形成されたゲート信号線と、ゲート信号線と交差させて、例えば列方向に形成された画像信号線(ソース信号線)と、ゲート信号線と画像信号線の各交差部に対応してそれぞれ配置された画素電極と及びTFTと、第1の配向方向を有して液晶に接する第1の配向膜と、を有しており、第2の基板は、液晶側の面上に、第2の配向方向を有して液晶に接する第2の配向膜を有しているLCDであって、遮光部は、第1の配向方向または第2の配向方向に平行な部位を有するとともにその部位によって画素電極を区分けするように形成されており、スペーサは、上記部位に平面視で重なるように配置されている構成である。この構成により、以下の効果を奏する。すなわち、遮光部の上記部位は画素電極を区分けするように形成されているので、高精細の画像表示が可能となる。また、スペーサは、遮光部の上記部位に平面視で重なるように配置されているので、配向が不十分な部位は遮光部に隠れることになる。その結果、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることを防ぐことができる。
図1(a),(b)は、本発明のLCDに関連する参考例を示す図であり、(a)は1
つの画素部の平面図、(b)は白表示等の画像表示した場合の1つの画素部の平面図である。このLCDは、図1に示すように、ガラス基板等から成る第1の基板としてのTFTアレイ側基板と、TFTアレイ側基板との間に液晶及びスペーサ7を挟持するガラス基板等から成る第2の基板としてのカラーフィルタ側基板と、第1のTFTアレイ側基板および/またはカラーフィルタ側基板に設けられた遮光膜6と、を有しており、TFTアレイ側基板は、液晶側の面の所定方向(例えば、行方向)に形成されたゲート信号線1と、ゲート信号線1と交差させて形成された画像信号線2と、ゲート信号線1と画像信号線2の各交差部に対応してそれぞれ配置された画素電極3及びTFT4と、液晶側の面に液晶に接する第1の配向膜と、を有しており、カラーフィルタ側基板は、液晶側の面に液晶に接する第2の配向膜を有しており、第1の配向膜は、ゲート信号線1の所定方向及び画像信号線2の方向(例えば、列方向)に対して傾斜した第1の配向方向8を有し、第2の配向膜は、第1の配向方向8と交差する第2の配向方向9を有しているTN型のLCDである。そして、スペーサ5がTFTアレイ側基板側に取り付けられる場合、遮光膜6は、第1の配向方向8に平行な第1の部位6c(図3〜5に図示)を有するとともに、第1の部位6cによって画素電極3を区分けするように形成されており、スペーサ7は、第1の部位6cに平面視で重なるように配置されており、スペーサ7がカラーフィルタ側基板側に取り付けられる場合、遮光膜6は、第2の配向方向9に平行な第2の部位6dを有するとともに、第2の部位6dによって画素電極3を区分けするように形成されており、スペーサ7は、第2の部位6dに平面視で重なるように配置されている構成である。因みに図1の構成は、スペーサ7が第2の部位6dに平面視で重なるとともに内側にある(含まれる)ように配置されている構成である。また、図1において、6aはゲート信号線1を覆う遮光膜6の部位、6bは画像信号線2を覆う遮光膜6の部位である。
上記の構成により、以下の効果を奏する。すなわち、遮光膜6は、画素電極3を区分けするように形成されているので、高精細の画像表示が可能となる。また、スペーサ7は、遮光膜6の第1の部位6cまたは第2の部位6dに平面視で重なるように配置されているので、配向が不十分な部位は第1の部位6cまたは第2の部位6dに隠れることになる。その結果、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることを防ぐことができる。
さらに好適には、図1(a)に示すように、Cs線5は遮光膜6に覆われておりそれらは重なっているので、画素部の開口率を高く維持することができる。また好適には、図3に示すように、Cs線5の第1の部位5aは、ゲート信号線1の所定方向及び画像信号線2の方向に対して傾斜した第1の配向方向8に平行な方向に形成されており、Cs線5の第2の部位5bは、第1の配向方向8と交差する第2の配向方向9に平行な方向に形成されている。この場合、Cs線5の長さが長くなるのでその面積が大きくなり、画素電極3との間で所望の容量を形成することが容易になる。さらに、Cs線5の長さが長くなるので、容量を従来よりもさほど大きくしなければ細くすることもでき、その結果、遮光部6も細くすることができ、画像表示の際にCs線5の第1の部位5aを覆う遮光膜6の第1の部位6c、Cs線5の第2の部位5bを覆う遮光膜6の第2の部位6dが視認されることを抑えることができる。
本発明のLCDにおいて、遮光部はTFTアレイ側基板および/またはカラーフィルタ側基板に設けられる。すなわち、遮光部はTFTアレイ側基板およびカラーフィルタ側基板の少なくとも一方に設けられる。また、画素電極5を区分けする遮光部は、例えばブラックマトリクス等から成る遮光膜6であるが、遮光膜6に限らずCs線5が遮光部であってもよい。また、Cs線5及びそれを覆う遮光膜6の双方が遮光部であってもよい。この場合、例えば、好適には遮光膜6の第1の部位6cがCs線5の第1の部位5aを覆っており、遮光膜6の第2の部位6dがCs線5の第2の部位5bを覆っているように形成される。なお、以下の実施の形態においては、遮光膜6がカラーフィルタ側基板に設けられ
ている例について説明する。
本発明のLCDは、TN型のものであり、例えば第1の配向方向8はゲート信号線1の方向と45°の角度をなしており、画像信号線2の方向と135°の角度をなしている。第2の配向方向9は、第1の配向方向8と90°の角度で交差している。また第1の配向方向8は、図1の場合、左上に向かう方向と右下に向かう方向の2方向があり、第2の配向方向9も同様に2方向がある。従って、第1の配向方向8と第2の配向方向9の組み合わせは、合計4通りある。これは、配向膜における配向が不十分な部位が形成される方向と関係する。例えば、第1の配向方向8について、それが左上に向かう方向であれば、第1の配向膜における配向が不十分な部位は左上に向かって形成される。右下に向かう方向であれば、第1の配向膜における配向が不十分な部位は右下に向かって形成される。第2の配向方向9についても同様である。従って、配向が不十分な部位が形成される方向は4通りあることになる。
Cs線5は、ゲート信号線1及び画像信号線2と同様の遮光性を有する材料から成る。例えば、Cs線5は、アルミニウム(Al),チタン(Ti),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),タングステン(W),クロム(Cr),銀(Ag),銅(Cu),ネオジウム(Nd)等から選ばれた元素から成る金属材料、これらの元素を主成分とする合金材料、または窒化チタン,窒化タンタル,窒化モリブデン等の金属窒化物等の導電性を有する材料を用いて形成される。これら材料の層は、単層構造又は積層構造とすることができる。Cs線5の厚みは0.1μm〜1μm程度であり、幅は10μm〜50μm程度がよい。Cs線5の幅が10μm未満の場合、スペーサ7を支持することが難しくなる傾向がある。Cs線5の幅が50μmを超えると、Cs線5をブラックマトリクス等の遮光膜6が覆っている場合、画像表示の際にCs線5を覆う遮光膜6の第1の部位6c、第2の部位6dが筋として視認されやすくなる傾向がある。あるいは、Cs線5の幅が遮光膜6の幅よりも大きい場合、画像表示の際にCs線5の幅の筋が視認されやすくなる傾向がある。また、Cs線5を覆う遮光膜6の第1の部位6c、第2の部位6dの幅は、それぞれ10μm〜50μm程度となるが、この値よりも若干(数μm〜10μm程度)大きくてもよい。なお、Cs線5は、例えばゲート信号線1が形成される面と同じ面上に形成される。従って、Cs線5は、ゲート信号線1の形成工程においてゲート信号線1と一緒に形成することもできる。
スペーサ7は、例えば円柱状、楕円柱状、長円柱状、三角柱状、四角柱状、多角柱状等の種々の柱状とすることができる。スペーサ7は、スリットコート法、スピンコート法等のコーティング法、フォトリソグラフィ法等によって形成される。このスペーサ7は、TFTアレイ側基板側に取り付けられる場合、すなわち遮光膜6の第1の部位6cに平面視で重なるように配置されている場合、平面視形状が第1の配向方向8に長手方向を有する楕円柱状、長円柱状等の形状であるとともに、長手方向の両端部が先細り状とされていることが好ましい。また図5に示すように、スペーサ7は、カラーフィルタ側基板側に取り付けられる場合、すなわち遮光膜6の第2の部位6dに平面視で重なるように配置されている場合、平面視形状が第2の配向方向9に長手方向を有する楕円柱状、長円柱状等の形状であるとともに、長手方向の両端部が先細り状とされていることが好ましい。これらの場合、スペーサ7がラビングに対する抵抗が小さくなる結果、ラビングの障害となりにくくなるので、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることをより確実に防ぐことができる。
またスペーサ7は、Cs線5の第1の部位5aを覆う遮光膜6の第1の部位6cまたは第2の部位5bを覆う遮光膜6の第2の部位6dに、平面視でそれらの内側にある。これにより、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることをより確実に防ぐことができる。さらに、スペーサ7がCs線5の第1の部位5aに平面視で内側にある場
合、スペーサ7がCs線5の第1の部位5aによって支持されるので、位置が安定化され、外力が加わっても位置ずれが生じにくいものとなる。またこの場合、第1の部位5aの第1の配向方向8に直交する方向(方向8vとする)の幅に対して、スペーサ7の方向8vにおける幅が同等以下となる。また、第2の部位5bの第2の配向方向9に直交する方向(方向9vとする)の幅に対して、スペーサ7の方向9vにおける幅が同等以下となる。スペーサ7の方向8vにおける幅は、第1の部位5aの方向8vの幅よりも小さく、その小さい程度が絶対値で5μm程度以上大きいことがよい。小さい程度が絶対値で5μm程度より小さいと、製造の誤差等によりスペーサ7が第1の部位5aから突出した場合に、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されやすくなる傾向がある。スペーサ7の方向9vにおける幅と、第2の部位5bの方向9vの幅との関係についても、同様である。
またスペーサ7は、Cs線5の第1の部位5aまたは第2の部位5bに、平面視でそれらに重なるとともに遮光膜6側に平面視で突出する部分があってもよい。この場合、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されるのを抑えることができる。
スペーサ7は、TFTアレイ側基板に取り付けられる場合、ポリイミド等から成る第1の配向膜中に基部があり、基部以外の先端部側が液晶中に第1の配向膜から突出するように形成される。スペーサ7がカラーフィルタ側基板に取り付けられる場合も同様である。またスペーサ7は、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA樹脂)、エポキシ基含有ビニル重合体等のビニル系重合体、ポリシロキサン、ポリシラザン等の樹脂材料、またこれら樹脂材料の感光性のもの、あるいは酸化シリコン(シリカ)等の無機材料を用いて形成することができる。ポリシロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合によって骨格構造が形成されたものである。またポリシロキサンは、その酸素の置換基として、少なくとも水素を含む有機基、例えばアルキル基、芳香族炭化水素基を有するもの、また酸素の置換基として、少なくとも水素を含む有機基とフルオロ基を有するものであってもよい。ポリシラザンは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を出発原料として形成される材料である。さらにスペーサ7は、感光性の樹脂材料から成る場合、耐久性が良いという理由等から、感光性のアクリル樹脂、感光性のポリイミド、感光性のポリシロキサンから成ることがよい。さらにスペーサ7は、耐久性に優れること、光透過率が93%程度と高いこと、加工性が高いこと、安価であることから、アクリル樹脂、特には感光性のアクリル樹脂から成ることが好ましい。
本発明のLCDに関連する参考例は、図2に示すように、ある画素部においては、スペーサ7がカラーフィルタ側基板側に取り付けられており、遮光膜6は、第2の配向方向9に平行な第2の部位6dを有するとともに、第2の部位6dによって画素電極3を区分けするように形成されており、スペーサ7は、第2の部位6dに平面視で重なるように配置されている構成とされているが、ゲート信号線1に方向における隣の画素部においては、遮光膜6は、第1の配向方向8に平行な第1の部位6cを有するとともに、第1の部位6cによって画素電極3を区分けするように形成されており、スペーサ7は、第1の部位6cに平面視で存在しないように構成されている。この場合、図1の構成と比較して、遮光膜6の合計の面積が小さくなるとともに、遮光膜6に覆われているCs線5の合計の長さも短くなる。
また、ある画素部においては、スペーサ7がTFTアレイ側基板側に取り付けられており、遮光膜6は、第1の配向方向8に平行な第1の部位6cを有するとともに、第1の部位6cによって画素電極3を区分けするように形成されており、スペーサ7は、第1の部位6cに平面視で重なるように配置されている構成とされているが、ゲート信号線1に方向における隣の画素部においては、遮光膜6は、第2の配向方向9に平行な第2の部位6
dを有するとともに、第2の部位6dによって画素電極3を区分けするように形成されており、スペーサ7は、第2の部位6dに平面視で存在しないように構成されている。
さらに、ある画素部においては、スペーサ7がTFTアレイ側基板側に取り付けられており、遮光膜6は、第1の配向方向8に平行な第1の部位6cを有するとともに、第1の部位6cによって画素電極3を区分けするように形成されており、スペーサ7は、第1の部位6cに平面視で重なるように配置されている構成とされているが、ゲート信号線1に方向における隣の画素部においては、スペーサ7がカラーフィルタ側基板側に取り付けられており、遮光膜6は、第2の配向方向9に平行な第2の部位6dを有するとともに、第2の部位6dによって画素電極3を区分けするように形成されており、スペーサ7は、第2の部位6dに平面視で重なるように配置されている構成とされていてもよい。この場合、図2の構成と同様の効果を奏するとともに、画素部の開口率を高く維持したままスペーサ7を全ての画素部の遮光部に配置できる。
本発明のLCDは、スペーサ7がTFTアレイ側基板側に取り付けられており、遮光膜6は、第1の配向方向8に平行な第1の部位6c及び第2の配向方向9に平行な第2の部位6dを有するとともに、第1の部位6c及び第2の部位6dによって画素電極3を区分けするように形成されており、スペーサ7は、第1の部位6cに平面視で内側にあり、第2の部位6dには平面視で存在しない。また図3に示すように、スペーサ7がカラーフィルタ側基板側に取り付けられており、遮光膜6は、第1の配向方向8に平行な第1の部位6c及び第2の配向方向9に平行な第2の部位6dを有するとともに、第1の部位6c及び第2の部位6dによって画素電極3を区分けするように形成されており、スペーサ7は、第2の部位6dに平面視で内側にあり、第1の部位6cには平面視で存在しない。これらにより、画素電極3が遮光膜6によって4分割等としてより細かく区分けされるので、より高精細の画像表示が可能となる。また、遮光膜6の第1の部位6cに覆われるようにCs線5の第1の部位5aが形成されているとともに、遮光膜6の第2の部位6dに覆われるようにCs線5の第2の部位5bが形成されている場合、Cs線の第1の部位5a及び第2の部位5bの合計の長さがより長くなり、それらをより細く形成することができる。その結果、画像表示の際に遮光膜6の第1の部位6c及び第2の部位6dが視認されることを抑えることができる。
また図3の構成において、1つの画素部においてCs線5が画像信号線2と平面視で交差する部位(隣のCs線5と接続される部位)は、1本の画像信号線2について1箇所であるが、1本の画像信号線2について2箇所あってもよい。すなわち、図3においては、Cs線5が画像信号線2と平面視で交差する部位は、1本の画像信号線2について、画素部の上側のTFT41近傍の1箇所であるが、画素部の下側においてCs線5が画像信号線2と平面視で交差しており隣のCs線5と接続されていてもよい。この場合、Cs線5全体の抵抗が小さくなる。
さらに図3の構成において、1つの画素部においてCs線5が画像信号線2と平面視で交差する部位は、左方の画像信号線2および右方の画像信号線2について、双方とも上側に1箇所ずつあるが、例えば上記交差する部位が、左方の画像信号線2についてはその上側にあり、右方の画像信号線2についてはその下側にあってもよい。すなわち、隣接するCs線5同士を接続する接続部である上記交差する部位が、ゲート信号線1の方向において、画像信号線2毎に上側、下側の交互に配置される構成であってもよい。
また本発明のLCDは、図4(a),(b)に示すように、遮光膜6は、スペーサ7を平面視で覆う部位の方(第2の部位6dの方)の幅が、スペーサ7が平面視で存在しない部位の方(第1の部位6cの方)の幅よりも大きいことが好ましい。この場合、配向が不十分な部位が筋として視認されることを確実に防ぐことができる。また、スペーサ7が平
面視で存在しない遮光膜6の部位の方(第1の部位6cの方)の幅を、スペーサ7を平面視で覆う遮光膜6の部位の方(第2の部位6dの方)の幅よりも小さくできるので、画像表示の際に第1の部位6c及び第2の部位6dが視認されることをより抑えることができる。またこの場合、スペーサ7が平面視で存在しない遮光膜6の部位の方(第1の部位6cの方)の幅を、スペーサ7を平面視で覆う遮光膜6の部位の方(第2の部位6dの方)の幅の70%程度以上とすることが好ましい。70%程度未満では、スペーサ7が平面視で存在しない遮光膜6の部位の方(第1の部位6cの方)の幅が小さくなりすぎて、画像表示した際に画素部を4等分して高精細に見えるようにする効果が得られにくい傾向がある。
また、図1〜図5には、遮光膜6の第1の部位6c及びCs線5の第1の部位5aと、遮光膜6の第2の部位6d及びCs線5の第2の部位5bが、それぞれ画素電極3の対角線上にあるように配置されているが、必ずしもその構成を採る必要はない。例えば、遮光膜6の第1の部位6c及びCs線5の第1の部位5aと、遮光膜6の第2の部位6d及びCs線5の第2の部位5bの少なくとも一方が、対角線上から対角線に直交する方向に若干平行移動した線上にあってもよい。あるいは、対角線に対して若干傾斜した線上にあってもよい。
また、遮光膜6の第1の部位6c及びCs線5の第1の部位5aと、遮光膜6の第2の部位6d及びCs線5の第2の部位5bとは、図1〜図5に示すような完全な直線状でなくてもよく、若干曲線状に形成されていてもよい。さらに、遮光膜6の第1の部位6c及びCs線5の第1の部位5aと、遮光膜6の第2の部位6d及びCs線5の第2の部位5bとは、図1〜図5に示すような一定の幅を有している構成でなくてもよい。例えば、画素電極3の中心側、すなわち画素電極3の中心から3分の1〜3分の2程度の長さの部位が、画素電極3の周辺側の3分の1〜3分の2程度の長さの部位よりも細くなっていてもよい。その場合、画像表示した際に遮光膜6の第1の部位6c及び第2の部位6dが視認されることをより抑えることができる。勿論、この場合、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることを防ぐために、スペーサ7が遮光部から平面視ではみ出ないようにすることがよいのはいうまでもない。
図9(a),(b)は、本発明のLCDについて実施の形態の他例を示す図であり、(a)は1つの画素部の平面図、(b)は白表示等の画像表示した場合の1つの画素部の平面図である。図9に示すように、本発明のIPS型のLCDは、ガラス基板等から成る第1の基板としてのTFTアレイ側基板と、TFTアレイ側基板との間に液晶及びスペーサを挟持する第2の基板としてのカラーフィルタ側基板と、カラーフィルタ側基板に設けられた遮光部16と、を有しており、TFTアレイ側基板は、液晶側の面上に、所定方向(例えば、行方向)に形成されたゲート信号線1と、ゲート信号線1と交差させて、例えば列方向に形成された画像信号線2と、ゲート信号線1と画像信号線2の各交差部に対応してそれぞれ配置された画素電極13、TFT4及び共通電極12と、液晶に接する第1の配向膜と、を有しており、カラーフィルタ側基板は、液晶側の面上に液晶に接する第2の配向膜を有しており、第1の配向膜及び第2の配向膜はそれぞれ、画像信号線2の方向に平行な配向方向18,19を有しているIPS型のLCDであって、遮光部16は、配向方向18,19に平行な部位を有するとともにその部位によって画素電極13を区分けするように形成されており、スペーサ17は、上記部位に平面視で重なるように配置されており、TFTアレイ側基板は、平面視で画素電極13に重なるとともに遮光部16に覆われるように配置された保持容量線15を有している構成である。この構成により、以下の効果を奏する。すなわち、遮光部16の上記部位が画素電極13を区分けするように形成されているので、高精細の画像表示が可能となる。また、スペーサ17は、遮光部16の上記部位に平面視で重なるように配置されているので、配向が不十分な部位は遮光部16に隠れることになる。その結果、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認され
ることを防ぐことができる。
本発明のIPS型のLCDの詳細な構成について以下に説明する。ゲート信号線1と画像信号線2とで囲まれた矩形状の部位が画素部として規定されており、画素部には画素電極13、画素電極13と同じ面に配置された共通電極12、画素電極13に画像信号を入力するスイッチング素子として機能するTFT4が設けられている。画素電極13は、複数の「く」の字状または折れ線状の電極指の根元がバスバー電極に結合している、ITO等の透明電極から成る櫛歯状電極構造を有しており、共通電極12も同様にITO等の透明電極から成る櫛歯状電極構造を有している。そして、画素電極13の1本の電極指に隣接するとともに平行に、共通電極12の1本の電極指が配置されている。従って、画素電極13の電極指と共通電極12の電極指とは交互に配置されている。画素部の中央部には、画像信号線2と平行に形成された保持容量線(Cs線)15が、ゲート信号線1が配置されている面と異なる面、例えば画像信号線2が配置されている面に配置されている。また、ゲート信号線1、画像信号線2、TFT4及びCs線15を覆うように、カラーフィルタ側基板にブラックマトリクス等の遮光部16が設けられている。
また、画素電極13及び共通電極12は、ゲート信号線1、画像信号線2及びTFT4を覆う絶縁層上に配置されている。画素電極13のバスバー電極は、TFT4のドレイン電極にコンタクトホール等を介して電気的に接続されている。共通電極12の電極指以外の部位は、ゲート信号線1、画像信号線2及びTFT4に平面視で重なるように上記絶縁層上に配置されている。
また、IPS型のLCDの場合、TFTアレイ側基板の液晶側の面の最上層としてポリイミド等から成る第1の配向膜が形成されており、第1の配向膜の配向方向18は、画像信号線2の方向に平行な方向である。また、カラーフィルタ側基板の面の最上層としてポリイミド等から成る第2の配向膜が形成されており、第2の配向膜の配向方向19は、第1の配向膜の配向方向18と同じ方向である。また、第2の配向膜中に基部があり基部以外の先端部側が第2の配向膜から突出している円柱状等の柱状のスペーサ17が、Cs線15に平面視で重なるように設けられている。また、スペーサ17は、その基部が第1の配向膜中にあるようにして取り付けられていてもよい。
本発明のLCDは、スペーサ17は、平面視で上記部位の内側にあることが好ましい。この場合、スペーサ17が平面視で遮光部16によって覆われる状態となるので、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることを確実に防ぐことができる。
また本発明のLCDは、図10に示すように、スペーサ17aは、平面視形状が配向方向
18,19に長手方向を有する形状であるとともに、長手方向の両端部が先細り状とされていることが好ましい。この場合、スペーサ17aがラビングの障害となりにくくなるので
、画像表示の際に配向が不十分な部位が筋として視認されることをより確実に防ぐことができる。
また本発明のLCDは、TFTアレイ側基板は、平面視で画素電極13に重なるとともに遮光部16に覆われるように配置された保持容量線15を有している。これにより、保持容量線15が遮光部16に隠れるので、画素部の開口率を高く維持することができる。またこの場合、図9(b)に示すように、保持容量線15を覆う遮光部16cの幅が、ゲー
ト信号線1を覆う遮光部16aの幅および画像信号線2を覆う遮光部16bの幅よりも小さいことが好ましい。この構成により、画像表示の際に保持容量線15を覆う遮光部16cが視認
されにくくなるとともに、高解像度の画像表示を行うことができる。
また、保持容量線15が配向方向18,19に直交する方向、すなわちゲート信号線1
に平行な方向に配置されている場合、保持容量線15が遮光部16に覆われているとともに、配向方向18,19に平行な遮光部16の部位があることが好ましい。この場合、保持容量線15を覆う遮光部16の部位と、配向方向18,19に平行な遮光部16の部位とによって、画素部が十字状に区分けされるので、より高解像度の画像表示を行うことができる。
なお、本発明のLCDは、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜の設計的な変更、改良が施されていてもよい。