JP6594742B2 - フォトマスクブランク及びそれを用いたフォトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法 - Google Patents

フォトマスクブランク及びそれを用いたフォトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フォトマスクブランク及びフォトマスクに関し、特に、FPDデバイスを製造するためのフォトマスクブランク(フォトマスク用のブランク)、係るフォトマスクブランクを用いたフォトマスク(転写用マスク)の製造方法、並びに係る製造方法によって製造されたフォトマスクを使用した表示装置の製造方法に関する。
LCD(Liquid Crystal Display)を代表とするFPD(Flat Panel Display)等の表示装置では、大画面化、広視野角化とともに、高精細化、高速表示化が急速に進んでいる。この高精細化、高速表示化のために必要な要素の1つが、微細で寸法精度の高い素子や配線等の電子回路パターンの作製である。この表示装置用電子回路のパターニングにはフォトリソグラフィが用いられることが多い。このため、微細で高精度なパターンが形成された表示装置製造用のフォトマスクが必要になっている。
表示装置製造用のフォトマスクでは、使用されるパターンの微細度とマスクパターンの描画スループットを高める観点から、一般的に、マスクパターン描画には波長が413nm等のレーザー光が用いられる。そして、レーザー描画で高い寸法精度のマスクパターンを形成するために、合成石英などの透明基板上に形成されるマスクパターン(遮光膜パターン)は、一般的に、表示装置を製造する時の露光光(リソグラフィで使用する露光光)を遮光する遮光層と、上記レーザー描画光の反射を低減する反射低減層との積層構造を持つマスクパターン用遮光膜からなっている。遮光層上に形成された反射低減層により、レーザー描画光の反射が抑えられて、高い寸法精度のマスクパターンを形成することが可能になる。
このような表示装置を画素や回路欠陥なく、高い歩留まりで製造するためには、使用するフォトマスクも欠陥の少ないものでなくてはならない。フォトマスクの欠陥は、異物や汚染物質(コンタミ)付着による異物欠陥と、遮光膜からなるマスクパターンの欠陥に大別されるが、両者の欠陥とも少ないものでなくてはならない。異物欠陥やコンタミ付着低減のためにはフォトマスク製造工程中の洗浄が重要であり、マスクパターン形成用のレジストをフォトマスクの原版となるフォトマスクブランク上に形成する前には、硫酸又は硫酸過水のような硫酸を含む洗浄液や、オゾン洗浄液等の薬液によるレジスト塗布前洗浄(薬液洗浄:Chemical Cleaning)が行われる。このような硫酸を含む洗浄液やオゾン洗浄液を用いてレジスト塗布前洗浄を行うことにより、付着異物や汚染が除去されるとともに、中でもオゾン洗浄ではレジストの密着性が向上して、レジスト膜剥がれ不良や、レジスト密着不足によるレジストと反射低減層界面へのエッチング液浸透によるエッチング不良欠陥が防止される。
一方のマスクパターン欠陥の低減には、フォトマスクブランク上のレジスト描画、現像、及びエッチングという一連のパターン形成工程中の欠陥低減はもとより、遮光膜自体の欠陥も少なくする必要がある。
このような表示装置製造用のフォトマスク、その原版となるフォトマスクブランク、並びに両者の製造方法に関連する技術は、特許文献1に開示されている。
特許第5004283号公報
前述のように、フォトマスク製造工程中の異物欠陥防止を目的に、硫酸を含む洗浄液や、オゾン洗浄液によるフォトマスクブランク上のレジスト塗布前洗浄が行われるが、詳細な検討の結果、この工程によりフォトマスクブランク表層部に形成された反射低減層が面内分布を持ってダメージを受け、マスクパターン描画を行うレーザー光(以下描画光とも呼ぶ)に対する反射率が面内分布を持って変化することがわかった。特に、オゾン洗浄液によるフォトマスクブランク上のレジスト塗布前洗浄を行う場合に、マスクパターン描画を行うレーザー光に対する反射率が大きく変化することがわかった。ここで、反射低減層は、上述のように、表示装置基板への露光を行うときの露光光(以下露光光と呼び、前述の描画光と区別する)を吸収し、遮光する遮光層上に形成された層であって、マスクパターン描画を行うレーザー光の反射を低減し、描画精度を高めるためのものである。反射があると、描画光と反射光の光干渉によって描画精度が低下し、描画解像度の低下と描画寸法(マスクパターン寸法)のばらつきを引き起こす。反射率が面内分布を持つと、描画寸法(マスクパターン寸法)も面内分布を持ち、マスクパターン寸法精度が低下する。
前述の硫酸を含む洗浄液やオゾン洗浄液によるマスクブランク上のレジスト塗布前洗浄は1回とは限らず、レジスト塗布を行う表面(反射低減層表面)に異物が検出されると、異物が除去されるまで洗浄を繰り返す。又、レジスト膜に欠陥が発生していたり、描画、現像によって形成されたレジストパターンに欠陥があった場合、一旦レジストを除去して、再度レジスト塗布からやり直す(この工程のことをレジストリワークと呼ぶ)が、この場合もレジスト塗布前に硫酸を含む洗浄液やオゾン洗浄液による洗浄を再度行う。このようなレジスト塗布前オゾン洗浄の繰り返し処理により、反射低減層のレーザー描画光に対する反射率変化と反射率面内分布が一層増大してマスクパターン寸法精度が大きく低下することがわかった。
以上述べてきたように、硫酸を含む洗浄液やオゾン洗浄液によるレジスト塗布前洗浄起因の反射率変化及び反射率分布変化に伴うマスクパターン寸法精度低下を防止し、高い寸法精度のマスクパターンを形成することが、本発明が対象とする第1の課題である。
又、前述のように、欠陥の少ないフォトマスクとなるためには、レジスト塗布前の硫酸を含む洗浄液やオゾン洗浄液の耐性に加えて、マスクパターン用の遮光膜自体の欠陥も少ないものでなくてはならない。本発明の第2の課題は、硫酸を含む洗浄液やオゾン洗浄液によるレジスト塗布前洗浄に対して高い洗浄耐性を有するとともに、欠陥の少ない反射低減層と遮光層からなるマスクパターン用遮光膜を有する低欠陥フォトマスクブランク及びフォトマスクを得ることである。
したがって、本発明の目的は、レジスト塗布前の硫酸を含む洗浄液やオゾン洗浄液を使用したレジスト塗布前洗浄に対する洗浄耐性が高く、且つ欠陥の少ないマスクパターン用遮光膜を有するフォトマスクブランクを提供し、そのフォトマスクブランクを使用してフォトマスクを製造することによって高い寸法精度を有し、且つ欠陥の少ないフォトマスクを提供することである。並びに、高精細な表示装置を高い歩留まりで製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
露光光に対して実質的に透明な材料からなる透明基板と、前記透明基板上に遮光層と、前記遮光層上に反射低減層と、を有するフォトマスクブランクであって、
前記遮光層は、クロムを含有するクロム材料からなり、
前記反射低減層は、前記遮光層と比べクロム含有量が少なく、酸素が含有される酸化クロム材料からなり、
前記反射低減層は複数層を積層した積層膜であって、
前記遮光層側の酸素含有量は前記反射低減層表面側の酸素含有量以上であることを特徴とするフォトマスクブランク。
(構成2)
前記反射低減層は、膜面反射率が最小となるボトムピーク波長が、波長350nmから550nmの範囲に入るように、膜厚又は酸素含有量の少なくともいずれかが調整されていることを特徴とする構成1記載のフォトマスクブランク。
(構成3)
前記反射低減層は、膜面反射率が最小となるボトムピーク波長が、波長365nmから550nmの範囲に入るように、膜厚又は酸素含有量の少なくともいずれかが調整されていることを特徴とする構成1記載のフォトマスクブランク。
(構成4)
前記反射低減層は、前記遮光層側から、酸素が35原子%以上65原子%未満含有する高酸化クロム層と、酸素が10原子%以上50原子%以下含有する低酸化クロム層とを有する積層構造であることを特徴とする構成1乃至3のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
(構成5)
前記反射低減層は、さらに窒素が含有されている酸化窒化クロム材料からなることを特徴とする構成1乃至4のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
(構成6)
前記反射低減層は、窒素が2原子%以上30原子%以下含有されていることを特徴とする構成5記載のフォトマスクブランク。
(構成7)
前記遮光層は、前記反射低減層側に比べて前記透明基板側に窒素が多く含まれている窒化クロム層を有することを特徴とする構成1乃至6のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
(構成8)
前記遮光層及び前記反射低減層に含有されている各元素は、連続的に組成傾斜していることを特徴とする構成1乃至7のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
(構成9)
前記透明基板と前記遮光層との間に露光光の透過率又は位相シフト量の少なくともいずれかを調整する機能膜を有することを特徴とする構成1乃至8のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
(構成10)
前記フォトマスクブランクは、表示装置製造用フォトマスクの原板であることを特徴とする構成1乃至9のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
(構成11)
構成1乃至10のいずれか一つに記載のフォトマスクブランクを用い、該フォトマスクブランク上にレジスト膜を形成する工程と、
所望のパターンを光を用いて描画する工程と、
現像を行って該フォトマスクブランク上にレジストパターンを形成する工程と、
前記遮光層及び前記反射低減層をエッチングによりパターニングする工程、
を有してフォトマスクを製造することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
(構成12)
構成11記載のフォトマスクの製造方法によって製造されたフォトマスクを露光装置のマスクステージに載置し、前記フォトマスク上に形成された転写用パターンを表示装置基板上に形成されたレジストに露光転写する露光工程を有することを特徴とした表示装置の製造方法。
本発明のフォトマスクブランクは、透明基板上に遮光層と反射低減層が積層されたフォトマスクブランクであって、その遮光層は、クロムを含有するクロム系材料であり、反射低減層は、遮光層と比べクロム含有量が少なく、酸素を含有する酸化クロム材料であって、且つ、複数層からなる積層膜であり、この積層膜からなる反射低減層の遮光層側の酸素含有量は反射低減層表面側の酸素含有量以上であるフォトマスクブランクである。この構造により、薬液洗浄(Chemical Cleaning)で使用される薬液、特に、オゾン洗浄液に対して反射率変化の少ない高い洗浄耐性を有し、且つ反射低減層と遮光層からなるマスクパターン用遮光膜の欠陥が少ないフォトマスクブランクを提供することができる。又、そのフォトマスクブランクを用いてフォトマスクを製造することにより、マスクパターンの寸法精度が高く、低欠陥なフォトマスクを提供することが可能になる。さらに、そのフォトマスクを用いて表示装置を製造することにより、高精細な表示装置を高い歩留まりで製造することが可能になる。
本発明の実施形態1によるフォトマスクブランクの概略構成を示す要部断面構成図である。 本発明に係るフォトマスクブランクの成膜に使用可能なインライン型スパッタリング装置の概要構成を示す模式図である。 本発明の実施形態2によるフォトマスク製造工程を示す要部断面構造図である。 実施例1におけるフォトマスクブランクの膜の元素分布を示す特性図である。 実施例1におけるフォトマスクブランクの反射率の分光特性を示す特性図である。 比較例2におけるフォトマスクブランクの反射率の分光特性を示す特性図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。なお、図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略することがある。
実施の形態1.
実施の形態1では、表示装置製造用のフォトマスクブランク、及びその製造方法について説明する。
図1は、表示装置製造用フォトマスクブランク100の膜構成を示す断面模式図である。このフォトマスクブランク100は、大きく分けて、露光光に対して透明な基板1と、マスクパターン形成用の遮光膜5からなる。遮光膜5は、基板側に形成された遮光層2と、その上に形成された反射低減層3からなる。
遮光層2は、露光光を吸収して遮光する機能を有し、基板1側に形成された下層遮光層21と、その上に形成された上層遮光層22からなる積層構造になっている。下層遮光層21と上層遮光層22はクロム(Cr)を含む材料から構成されており、さらに下層遮光層21には上層遮光層22より多くの窒素(N)が含まれている。例えば、下層遮光層21の材料をCrN、上層遮光層22の材料をCrCとする。このことにより、遮光層2をウェットエッチングした時のエッチングレートに差が生じて、クロム残りが防止されるとともに、エッチング後の断面形状も垂直に近い良好なものになる。又、遮光層2の基板1に対する密着性が上がって膜はがれ欠陥を防止することが可能となる。ここで、クロムに炭素が加わるとクロムエッチング液に対するウェットエッチングレートが制御しやすくなって、好ましい。又、炭素添加等でクロムのウェットエッチング速度を遅くしてウェットエッチング制御性を向上させるには、この添加物とクロムの割合の変動が、5原子%以下、好ましくは3原子%以下であることが好ましい。
尚、図1では、下層遮光層21と上層遮光層22は2つの膜に分かれたように描かれているが、連続して変化した層でも構わないし、2つの膜に分かれていても構わない。さらには、3層以上の積層膜でも構わない。重要なことは、遮光層2は積層膜であって、その積層膜の基板1側(下面側)の窒素含有量は、反射低減層3側(上面側)の窒素含有量より多いことである。
又、必要に応じて下層遮光層21を設けずに、上層遮光層22のみで遮光層2を構成しても構わない。
反射低減層3は、マスクパターン描画光の反射を防止する機能を有し、上層遮光層22側の第1の反射低減層31とその上に形成された第2の反射低減層32からなる積層構造になっている。又、反射低減層3は表示装置を製造する時の露光光に対する反射防止機能も合わせ持つ。反射低減層3は、少なくともクロムと酸素(O)を含む材料から構成されているが、そのクロムの含有量は遮光層2のクロム含有量より少ない。これは、反射低減層3のクロム含有量が遮光層2のクロム含有量より多いと、マスクパターン描画光や露光光に対する反射率が高くなるためである。又、遮光層2側の第1の反射低減層31の酸素含有量は、表面側の第2の反射低減層32の酸素含有量以上である。これは、屈折率と消衰係数からなる光学定数の関係で最小の反射率となる波長域の調整が容易になることと、反射低減層3が稠密な膜となって膜欠陥の発生を抑制できること、及びオゾン洗浄液に対する洗浄耐性が向上するためである。尚、図1では、第1の反射低減層31と第2の反射低減層32は2つの膜に分かれたように描かれているが、連続して変化した層でも構わないし、2つの膜に分かれていても構わない。さらには、3層以上の積層膜でも構わない。重要なことは、反射低減層3は積層膜であって、その積層膜の遮光層2側(下面側)の酸素含有量が、表面側(上面側)の酸素含有量以上であることである。
反射低減層3においては、遮光膜5の反射率の最小値が、波長350nmから550nmの範囲に入るように、反射低減層3の膜厚、即ち第1の反射低減層31の膜厚と第2の反射低減層32の膜厚、又はそれらの層の酸素含有量の少なくともいずれか一つが調整される。
また、別な態様としては、反射低減層3においては、遮光膜5の反射率の最小値が、波長365nmから550nmの範囲に入るように、反射低減層3の膜厚、即ち第1の反射低減層31の膜厚と第2の反射低減層32の膜厚、又はそれらの層の酸素含有量の少なくともいずれか一つが調整される。
膜厚は成膜時間で、又、酸素含有量は供給する酸素を含んだガスの流量等で、調整できる。このことにより、マスクパターン描画に使うレーザー光に対して、最小の反射率のところでマスクパターン描画を行うことができ、マスクパターン描画精度が向上する。即ち、形成されるマスクパターンのCD(Critical Dimension)ばらつきを低減することが可能になる。さらに、膜面の反射率が最小値の近傍では、フォトマスクブランクをオゾン洗浄した時の反射率の変化が少なく、この観点からも形成されるマスクパターンのCDばらつきを低減することが可能になる。マスクパターン描画には、波長が355nm、365nm、405nm、413nm、436nm、442nm等、波長350nmから500nmの範囲のレーザーや、365nmから500nmの範囲のレーザー等の光源がよく用いられるので、遮光膜5の反射率の最小値が波長350nmから500nmの範囲、または、波長365nmから500nmの範囲に収めることも有効である。
詳細な検討の結果、第1の反射低減層31の酸素含有量が35原子%以上65原子%以下で、第2の反射低減層32の酸素含有量が10原子%以上50原子%以下であると、上記の最小の反射率となる波長域の調整容易性、膜欠陥発生の抑制、及びオゾン洗浄耐性に特に効果があることがわかった。逆に、酸素の含有量が上記の範囲外になると、最小の反射率となる波長域の調整容易性が損なわれるとともに、反射率も高くなる。
又、反射低減層3は、さらに窒素が含まれている酸化窒化クロム材料であると、屈折率と消衰係数からなる光学定数の関係で反射率の最小値を小さくすることができて好ましく、その窒素含有率は2原子%以上30原子%以下が望ましい。
又、反射低減層3は、さらに炭素が含まれている酸化窒化炭化クロム材料であると洗浄耐性や経時安定性が向上し、マスクパターンを形成するときのウェットエッチングの制御性も高まるので好ましく、その炭素含有量は0.5原子%以上3.0原子%以下が望ましい。
尚、遮光層2及び反射低減層3に含有される各元素は、膜厚方向に連続的に組成分布(組成傾斜)していると、ウェットエッチング後の遮光膜パターンの断面がスムースになって好ましく、CD精度も向上する。
マスクパターン形成用の遮光膜5は、バイナリーマスク用の遮光膜であっても良いし、位相シフトマスク(例えば、ハーフトーン型位相シフトマスク(Attenuated Phase Shift Mask)や、レベンソン型位相シフトマスク(Levenson Mask、Alternating Phase Shift Mask))用の位相シフト膜、若しくは、多階調マスク(Multi―level Gradation Mask)の透過率制御膜の上または下に形成される遮光膜5であっても良い。
位相シフトマスクの中でもハーフトーン型位相シフトマスクや、透明な基板と遮光膜パターンとの間に、透過率制御膜パターンが形成される多階調マスクの場合、マスクパターンとなる位相シフト膜や透過率制御膜が、透過光の透過率制御及び/又は位相制御を行うために、基板1と下層遮光層21との間に透過率又は位相の少なくともいずれか一つを調整する機能膜を設ける。この機能膜としては、遮光層を構成する材料であるクロム材料に対してエッチング選択性のある材料であるケイ素(Si)に、金属、酸素、窒素、炭素、又はフッ素の少なくともいずれか一つを含んだ材料が適している。例えば、MoSi等の金属シリサイド、金属シリサイドの酸化物、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの酸窒化物、金属シリサイドの炭化窒化物、金属シリサイドの酸化炭化物、金属シリサイドの炭化酸化窒化物、SiO、SiO、及びSiON等が適している。SiOやSiOは、基板1が合成石英の場合、それと同じ元素で構成されているが、原子間の結合状態の違いなどからエッチングレートが基板のエッチングレートと異なり、位相差制御に重要な光学距離(エッチング深さ)制御を高精度に行うことが可能になる。尚、この機能膜は、機能膜として挙げた上記の膜で構成された積層膜であっても良い。
この機能膜の加工は、クロムを含んだ遮光膜パターン5aをエッチングマスクにして行われる。このため、機能膜の加工には、遮光層2と反射低減層3からなる遮光膜5より機能膜の方が、エッチングレートが速くなるようなウェットエッチング液が用いられる。この種のウェットエッチング液としては、例えば、フッ化水素酸、珪フッ化水素酸、及びフッ化水素アンモニウムから選ばれた少なくとも一つのフッ化化合物と、過酸化水素、硝酸、及び硫酸から選ばれた少なくとも一つの酸化剤、あるいは水を含む溶液が挙げられる。具体的には、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素の混合溶液を純水で希釈したエッチング液や、フッ酸水溶液にフッ化アンモニウムを混合したエッチング液等が挙げられる。
以下、フォトマスクブランクの製造工程を詳細に説明する。
1.準備工程
最初に、基板1を準備する。
基板1の材料は、使用する露光光に対して透光性を有し、又、剛性を有する材料であれば、特に制限されない。例えば、合成石英ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラスが挙げられる。又、平坦で平滑な主表面となるように、粗研磨加工工程、精密研磨加工工程、局所加工工程、及びタッチ研磨加工工程よりなる研磨を適宜必要に応じて行う。その後、洗浄を行って基板1の表面の異物や汚染を除去する。洗浄としては、例えば、硫酸、硫酸過水(SPM)、アンモニア、アンモニア過水(APM)、OHラジカル洗浄水、オゾン水等を用いることができる。
2.遮光膜形成工程
次に、基板1の主表面上に、スパッタリング法により、クロム系材料から構成されるマスクパターン形成用の遮光膜5を形成する。遮光膜5は、遮光層2と反射低減層3とを有する積層膜から構成され、さらに遮光層2と反射低減層3の各層も各々積層膜となっている。各積層膜の積層数に特に限定はないが、ここでは、遮光層2が2層、反射低減層3も2層の、下層遮光層21、上層遮光層22、第1の反射低減層31、及び第2の反射低減層32の合計4層からなる場合の形成工程を例にとって詳細に説明する。
最初に、成膜装置について説明する。
図2は遮光層2、及び反射低減層3の形成に使用するスパッタリング装置の一例を示す模式図である。
図2に示すスパッタリング装置300はインライン型であり、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、第1バッファーチャンバーBU1、第2スパッタチャンバーSP2、第2バッファーチャンバーBU2、第3スパッタチャンバーSP3、第3バッファーチャンバーBU3、第4スパッタチャンバーSP4、及び搬出チャンバーULの9つのチャンバーから構成されている。これら9つのチャンバーが順番に連続して配置されている。
基板1がトレイに搭載された試料301は、所定の移動速度(搬送速度)で、矢印の方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、第1バッファーチャンバーBU1、第2スパッタチャンバーSP2、第2バッファーチャンバーBU2、第3スパッタチャンバーSP3、第3バッファーチャンバーBU3、第4スパッタチャンバーSP4、及び搬出チャンバーULの順番に搬送できるようになっている。
搬入チャンバーLLと第1スパッタチャンバーSP1、第4スパッタチャンバーSP4と搬出チャンバーULは、各々シャッタ311及び312により仕切られるようになっている。又、搬入チャンバーLL、各スパッタチャンバーSP1〜4、各バッファーチャンバーBU1〜3、及び搬出チャンバーULは、排気を行う排気装置(図示せず)に接続されている。さらに、各スパッタチャンバーSP1〜4には、スパッタターゲット331〜334とガス導入口321〜324が配置されている。
次に、このインライン型のスパッタリング装置300を用いて、下層遮光層21、上層遮光層22、第1の反射低減層31、及び第2の反射低減層32を成膜する工程について説明する。
まず、基板1がトレイ(図示せず)に搭載された試料301を搬入チャンバーLLに搬入する。
スパッタリング装置300の内部を所定の真空度にした後、第1ガス導入口321から下層遮光層21を成膜する上で必要な成膜用のガスを所定の流量導入し、又、所定のスパッタパワーを印加して、試料301を所定の速度S1で、第1スパッタターゲット331上を通過させる。第1スパッタターゲットとしては、クロムかクロムを主に含むターゲットを用いる。クロムを主に含むターゲットとしては、窒化クロム等があるが、供給ガスによる反応性スパッタの方が組成分布を所望なように傾斜制御させやすいので、ここではクロムをターゲットに用いた。第1ガス導入口321から供給するガスは、下層遮光層21としてCrN層を成膜するため、少なくとも窒素(N)を含むガスで、必要に応じてアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを加える。不活性ガスとしては、アルゴンガスの他に、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、クリプトン(Kr)ガス、及びキセノン(Xe)ガス等があり、これらの中から1つ又は複数必要に応じて選択される。膜厚方向の組成分布の制御は、ガス導入口の配置やガス供給方法などによって行うことができる。
以上の工程によって、試料301が第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット331付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、基板1の主表面上に、所定の膜厚のクロム系材料から構成される下層遮光層21(CrN層)が成膜される。
その後、試料301は、第1バッファーチャンバーBU1を通過して、第2スパッタチャンバーSP2に移動する。第2ガス導入口322から上層遮光層22を成膜する上で必要な成膜用のガスを所定の流量導入し、所定のスパッタパワーを印加する。この状態の中で、試料301を所定の速度S2で、第2スパッタターゲット332上を通過させながら成膜する。第2スパッタターゲットとしては、クロムターゲットを用いる。この他、クロムに適当な添加物を含んだターゲットを用いることもできる。第2ガス導入口322から供給するガスは、上層遮光層22としてCrC層を成膜するため、少なくとも炭素(C)を含むガスで、必要に応じてアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを加える。不活性ガスとしては、アルゴンガスの他に、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、クリプトン(Kr)ガス、及びキセノン(Xe)ガス等があり、これらの中から1つ又は複数必要に応じて選択される。炭素を含むガスとしては、例えばメタン(CH)ガス、二酸化炭素(CO)ガス、及び一酸化炭素(CO)ガス等がある。膜厚方向の組成分布の制御は、ガス導入口の配置やガス供給方法などによって行うことができる。
以上の工程によって、試料301が第2スパッタチャンバーSP2の第2スパッタターゲット332付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、試料301の主表面上に、所定の膜厚のクロム系材料から構成される上層遮光層22(CrC層)が成膜される。
その後、試料301は、第2バッファーチャンバーBU2を通過して、第3スパッタチャンバーSP3に移動する。第3ガス導入口323から第1の反射低減層31を成膜する上で必要な成膜用のガスを所定の流量導入し、所定のスパッタパワーを印加する。この状態の中で、試料301を所定の速度S3で、第3スパッタターゲット333上を通過させながら成膜する。第3スパッタターゲットとしては、クロムターゲットを用いる。この他、クロムに適当な添加物を含んだターゲットを用いることもできる。第3ガス導入口323から供給するガスは、第1の反射低減層31としてCrCON層を成膜するため、少なくとも炭素(C)と酸素(O)と窒素(N)を含むガスで、必要に応じてアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを加える。不活性ガスとしては、アルゴンガスの他に、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、クリプトン(Kr)ガス、及びキセノン(Xe)ガス等があり、これらの中から1つ又は複数必要に応じて選択される。炭素を含むガスとしては、例えばメタン(CH)ガス、二酸化炭素(CO)ガス、及び一酸化炭素(CO)ガス等がある。窒素を含むガスとしては、例えば窒素(N)ガス、二酸化窒素(NO)ガス、及び一酸化窒素(NO)ガス等がある。又、酸素を含むガスとしては、例えば酸素(O)ガスや上記の酸素成分含有ガスである二酸化炭素(CO)ガス、及び一酸化炭素(CO)ガス、二酸化窒素(NO)ガス、及び一酸化窒素(NO)ガス等がある。膜厚方向の組成分布の制御は、ガス導入口の配置やガス供給方法などによって行うことができる。ここで、酸素の流量を少なくし、又、スパッタパワーが小さい条件で成膜すると、緻密な膜になり、膜欠陥が生じにくくなる。
第1の反射低減層31を緻密な膜にし、膜欠陥が生じにくくたるためのスパッタパワーの条件は、3.0kW以下とすることが好ましい。膜欠陥の低減と生産性を考慮すると、スパッタパワーを1.0kW以上3.0kW以下が好ましく、さらに好ましくは、1.0kW以上2.5kW以下とすることが望ましい。
以上の工程によって、試料301が第3スパッタチャンバーSP3の第3スパッタターゲット333付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、試料301の主表面上に、所定の膜厚のクロム系材料から構成される第1の反射低減層31(CrCON層)が成膜される。
その後、試料301は、第3バッファーチャンバーBU3を通過して、第4スパッタチャンバーSP4に移動する。第4ガス導入口324から第2の反射低減層32を成膜する上で必要な成膜用のガスを所定の流量導入し、所定のスパッタパワーを印加する。この状態の中で、試料301を所定の速度S4で、第4スパッタターゲット334上を通過させながら成膜する。第4スパッタターゲットとしては、クロムターゲットを用いる。この他、クロムに適当な添加物を含んだターゲットを用いることもできる。第4ガス導入口324から供給するガスは、第2の反射低減層32としてCrCON層を成膜するため、少なくとも炭素(C)と酸素(O)と窒素(N)を含むガスで、必要に応じてアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを加える。不活性ガスとしては、アルゴンガスの他に、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、クリプトン(Kr)ガス、及びキセノン(Xe)ガス等があり、これらの中から1つ又は複数必要に応じて選択される。炭素を含むガスとしては、例えばメタン(CH)ガス、二酸化炭素(CO)ガス、及び一酸化炭素(CO)ガス等がある。窒素を含むガスとしては、例えば窒素(N)ガス、二酸化窒素(NO)ガス、及び一酸化窒素(NO)ガス等がある。又、酸素を含むガスとしては、例えば酸素(O)ガスや上記の酸素成分含有ガスである二酸化炭素(CO)ガス、及び一酸化炭素(CO)ガス、二酸化窒素(NO)ガス、及び一酸化窒素(NO)ガス等がある。膜厚方向の組成分布の制御は、ガス導入口の配置やガス供給方法などによって行うことができる。ここで、酸素の流量を少なくし、又、スパッタパワーが小さい条件で成膜すると、緻密な膜になり、膜欠陥が生じにくくなる。
第2の反射低減層32を緻密な膜にし、膜欠陥が生じにくくたるためのスパッタパワーの条件は、3.0kW以下とすることが好ましい。膜欠陥の低減と生産性を考慮すると、スパッタパワーを1.0kW以上3.0kW以下が好ましく、さらに好ましくは、1.0kW以上2.5kW以下とすることが望ましい。
以上の工程によって、試料301が第4スパッタチャンバーSP4の第4スパッタターゲット334付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、試料301の主表面上に、所定の膜厚のクロム系材料から構成される第2の反射低減層32(CrCON層)が成膜される。
その後、試料301は搬出チャンバーULに移動し、しかる後にシャッタ312を閉じて真空排気後、大気に開放して試料301をスパッタリング装置300の外部に取り出す。
取り出した試料301は、必要に応じて欠陥検査や洗浄を適宜行って、フォトマスクブランク100が製造される。
実施の形態1で製造されたフォトマスクブランク100は、マスクパターン描画光に対する反射率が低く、且つレジスト塗布前洗浄であるオゾン洗浄に対する耐性が高いため、オゾン洗浄後でもフォトマスクブランク面内で均一な反射率になる。加えて、マスクパターン用の遮光膜5の膜欠陥も少ないという特徴を持っている。
実施の形態2.
実施の形態2では、表示装置製造用のフォトマスクの製造方法について、製造工程を要部断面図で示した図3を用いながら説明する。
まず、準備されたフォトマスクブランク100に対して、レジストを塗布・形成する前に、前述の硫酸を含む洗浄液や、オゾン洗浄液等の薬液によるレジスト塗布前洗浄(薬液洗浄:Chemical Cleaning)を行なう。特に、レジスト塗布前洗浄としては、オゾン洗浄液を用いてオゾン洗浄を行うとよい。このオゾン洗浄は、この洗浄後に引き続き実施されるレジスト塗布前洗浄の位置づけで、レジスト塗布面の異物と汚染を除去するとともに、レジストとフォトマスクブランク表面との密着性向上にも寄与する。この密着性向上は、レジストパターン剥がれ防止とともに、マスクパターン用遮光膜5のエッチング形状劣化防止効果もある。即ち、この密着性向上によって、マスクパターン用遮光膜5をウェットエッチングする際に、レジスト膜4とフォトマスクブランク(反射低減層3)との界面へのウェットエッチング液侵入を阻止し、マスクパターン用遮光膜5のエッチング形状の劣化を防止できる。以下、レジスト塗布前洗浄としてオゾン洗浄を挙げて説明するが、洗浄装置や洗浄方法としては、硫酸を含む洗浄液などの薬液による薬液洗浄(Chemical Cleaning)に置き換えることができる。
代表的なオゾン洗浄は、オゾン水を用いたスピン洗浄であるが、オゾン洗浄液(オゾン水)の浴槽にフォトマスクブランク100を入れて洗浄を行う浴槽洗浄を行っても良い。スピン洗浄は枚葉処理に適し、洗浄液の消費量が少なくて、洗浄装置も比較的コンパクトという特徴があり、浴槽洗浄は複数枚のフォトマスクブランク100を同時に洗浄できるという特徴がある。大型表示装置製造用のフォトマスクブランクは、フォトマスクブランクも大型のため、大型表示装置製造用のフォトマスクブランクに対しては、洗浄液の消費量と洗浄装置のコンパクトさから、枚葉処理の洗浄法、特にスピン洗浄法が好ましく用いられる。
スピン洗浄法によるオゾン洗浄では、最初に、低速で回転させたフォトマスクブランク100の回転中心部近傍にオゾン洗浄液を滴下し、回転による塗り拡げでフォトマスクブランク100の第2の反射低減層32の表面全面にオゾン洗浄液を盛る。その後も洗浄終了時間までオゾン洗浄液を供給し続けながらフォトマスクブランク100を低速で回転して洗浄を続け、洗浄時間終了後に純水を供給してオゾン洗浄液を純水に置換し、最後にスピン乾燥を行う。尚、オゾン洗浄液をフォトマスクブランク100の第2の反射低減層32の表面全面に盛った後、オゾン洗浄液の滴下とフォトマスクブランクの回転を止めるパドル式のオゾン洗浄を用いることもできる。低速回転しながら洗浄液を流し続ける流液式のスピン洗浄法は、オゾン濃度が変化しにくく、流液による機械的洗浄効果もあるという特徴があり、パドル式の洗浄法はオゾン洗浄液の消費量が少ないという特徴がある。スピン洗浄方法には上記の特徴があるが、フォトマスクブランク100の回転中心部に最初にオゾン洗浄液が滴下されることから、回転中心部を中心にした同心円状の洗浄インパクト(洗浄ダメージ)を受けやすい。したがって、洗浄ダメージ差が同心円状に生じやすい。表示装置製造用のフォトマスクブランクは、例えば1220mm×1400mmというような、フォトマスクブランクの寸法も大きいものが多用されており、この同心円状の洗浄ダメージ差(ダメージ面内分布差)は大きくなる傾向がある。このため、特に表示装置製造用のフォトマスクブランクに対しては、オゾン洗浄耐性を高める必要がある。尚、予めフォトマスクブランク100の表面に純水を供給してその表面を濡らしておくプレ処理を行ってからオゾン洗浄液を滴下すると、オゾン洗浄液滴下によるフォトマスクブランク表面材料への最初のダメージ(ファーストインパクト)は軽減される。
このオゾン洗浄によるレジスト塗布前洗浄に引き続いて、フォトマスクブランク100の第2の反射低減層32上に、レジストパターン4aを形成するレジストパターン形成工程を行う。
詳細には、このレジストパターン形成工程では、先ず、フォトマスクブランク100の最表面層である第2の反射低減層32上にレジスト膜4を形成する(図3(b))。その後、レジスト膜4に対して回路や画素パターン等の所望のパターンを、光を用いて描画する。この描画光としては、波長が355nm、365nm、405nm、413nm、436nm、及び442nm等の光、特にレーザー光がよく用いられる。しかる後、レジスト膜4を所定の現像液で現像して、レジストパターン4aを形成する(図3(c))。
次に、レジストパターン4aをマスクにしてマスクパターン用の遮光膜5をウェットエッチングして、遮光膜パターン5aを形成する(図3(d))。マスクパターン用の遮光膜5は、下層遮光層21、上層遮光層22、第1の反射低減層31、及び第2の反射低減層32からなるが、工程数削減のため、一括でウェットエッチングすることが望ましい。工程数の削減は、スループット向上やエッチング装置の簡略化にとどまらず、一般に、欠陥品質の向上にも有利に働く。実施の形態1で製造したフォトマスクブランク100は、下層遮光層21から第2の反射低減層32に至るまでのマスクパターン用の遮光膜5を構成する全ての層がクロムを含んだ材料からなっており、又、表面側から基板1側に向かう膜厚方向に対して、クロムエッチング液に対してエッチング速度が速まるように構成材料の組成が調整されているため、一括ウェットエッチングでも、バルク部の断面が垂直で、パターン底部に裾引きが起こりにくく、又、クロムエッチング残渣が発生しにくい。ここで用いるクロムエッチング液としては、具体的には、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むエッチング液や、セリウムを含まないアルカリ性溶液が挙げられる。
その後、レジストパターン4aをレジスト剥離液やアッシング等によって除去し、洗浄を行なう。洗浄液としては、例えば、硫酸、硫酸過水(SPM)、アンモニア、アンモニア過水(APM)、OHラジカル洗浄水、オゾン水等を用いることができる。しかる後、必要に応じてマスクパターン欠陥検査や欠陥修正等を適宜行う。このようにして、基板1上に下層遮光層パターン21a、上層遮光層パターン22a、第1の反射低減層パターン31a、及び第2の反射低減層パターン32aからなる遮光膜パターン5aを有するフォトマスク200を製造する。
上記フォトマスク200の製造方法では、第2の反射低減層32上に直接レジスト膜4を形成したが、エッチング用マスクを用いることも可能である。この場合は、第2の反射低減層32上にエッチング用マスクを形成し、その上にレジスト膜4を形成する。上述の方法でレジストパターン4aを形成後、一旦ウェットエッチングで該エッチング用マスクを加工し、この加工されたエッチング用マスクをマスクにして下層遮光層21、上層遮光層22、第1の反射低減層31、及び第2の反射低減層32からなる遮光膜5をウェットエッチングする。その後、加工されたエッチング用マスクを除去する。レジストパターン4aは、エッチング用マスクを加工した直後に除去しても良いし、遮光膜5のウェットエッチング後に除去しても良い。エッチング用マスクが、高いウェットエッチング耐性を有し、且つ、酸化クロムと密着性が高くてウェットエッチング液の侵入を防ぐ材料である場合、この方法で、上面部を含めて垂直な断面形状の遮光膜パターン5aを得ることが可能になる。エッチング用マスクの材料としては、ケイ素に金属、酸素、窒素、又は炭素の少なくともいずれか一つを含む材料、例えば、MoSi、SiO、SiON、SiC等が挙げられる。
又、フォトマスクブランクが、上述の位相シフトマスクブランクや多階調マスクブランクの場合は、基板1と下層遮光層21の間に形成された、実施の形態1に記載の、露光光の位相及び/又は透過率を制御する機能膜を、上述の方法で遮光膜パターン5aが形成された後に、エッチング加工する。さらに、位相の微調整が必要な場合は、基板1を希フッ酸水溶液か、フッ酸水溶液にフッ化アンモン等のバッファ液を混合したエッチング液を用いて所望の深さまでエッチングする。その後、レジストパターン4aを除去して、位相シフトマスクを製造する。
実施の形態2で製造されたフォトマスク200は、レジスト塗布前洗浄であるオゾン洗浄に対する耐性が高い。このため、マスクパターン描画光に対する反射率の変化は少なく、フォトマスクブランク面内でこの光に対する反射率は一様である。このことにより、形成されたマスクパターンのCDばらつきは小さい。又、マスクパターンバルク部の断面形状も垂直に近く、且つ底部の裾引きも少ない。加えて、マスクパターン用の遮光膜5の膜欠陥も少なく、マスク製造工程で発生する欠陥も少ないという特徴を持っている。
実施の形態3.
実施の形態3では、表示装置の製造方法について説明する。
実施の形態3の表示装置の製造方法では、先ず、表示装置の基板上にレジスト膜が形成されたレジスト膜付き基板に対して、実施の形態2で説明した表示装置製造用のフォトマスクの製造方法によって得られたフォトマスク200を、露光装置の投影光学系を介して基板上に形成されたレジスト膜に対向するような配置で、露光装置のマスクステージ上に載置する。
次に、露光光をフォトマスク200に照射して、レジスト膜を露光するレジスト露光工程を行う。
露光光は、例えば、365nm以上550nm以下の波長範囲の光で、具体的には、波長365nmのi線、405nmのh線、及び436nmのg線等の単一波長の光、又は、これらを含む複合光がよく用いられる。
この実施の形態3の表示装置の製造方法によれば、実施の形態2で説明した表示装置製造用のフォトマスクの製造方法により得られたフォトマスクを用いて表示装置を製造する。このため、微細なパターンを高精度且つ低欠陥に形成することができる。このリソグラフィ工程(露光、現像工程)に加え、被加工膜のエッチングや絶縁膜、導電膜の形成、ドーパントの導入、あるいはアニールなど種々の工程を経ることで、所望の電子回路が形成された高精細な表示装置を高い歩留まりで製造することができる。
以下、各実施例について図面を参照しつつ本発明を更に詳細に説明する。なお、各実施例において同様の構成要素については同一の符号を使用し、説明を簡略化若しくは省略する。
図3は、実施の形態2のところでも説明に用いたものであるが、表示装置製造用フォトマスクブランク100から、表示装置製造用フォトマスクを作製する工程を示す要部断面模式図である。
実施例1のフォトマスクブランク100は、図3(a)に示すように、基板1と、主に表示装置製造に用いる露光光を遮光する機能を有する遮光層2と、マスクパターン描画光の反射を低減する反射低減層3とを有し、遮光層2と反射低減層3を合わせてマスクパターン用の遮光膜5を形成する。遮光層2は、CrNを下層遮光層21、CrCを上層遮光層22とする2層膜からなり、反射低減層3は、酸素含有量の高い第1のCrCON層31(第1の反射低減層)と、第1のCrCON層31の材料より酸素含有量が少ないか同等の材料で構成されている第2のCrCON層32(第2の反射低減層)からなる2層膜からなる。最初に、このフォトマスクブランク100の製造方法と膜構成の詳細について説明する。
((フォトマスクブランク、その製造と特性評価))
(((基板)))
第1主面及び第2主面の両表面が研磨された8092サイズ(約800mm×920mm)の合成石英ガラス基板を準備し基板1とした。ここでは、膜厚は10mmのものを用いたが、8mmのものでも良い。平坦で平滑な主表面となるように、粗研磨加工工程、精密研磨加工工程、局所加工工程、及びタッチ研磨加工工程よりなる研磨を適宜行った。
(((遮光膜)))
基板1上に、大型インライン型スパッタリング装置を使用し、CrNを下層遮光層21、CrCを上層遮光層22とする2層膜からなる遮光層2と、酸素含有量の高い第1のCrCON層31と、第1のCrCON層31の材料より酸素含有量の少ない材料で構成されている第2のCrCON層32からなる反射低減層3で構成されるマスクパターン用の遮光膜5の成膜を行った。
次に、これらの膜の成膜方法について説明する。
最初に、基板1の主表面(遮光膜を形成する表面)を下側に向けてトレイ(図示せず)に搭載した試料301を図2に示すインライン型のスパッタリング装置300の搬入チャンバーLLに搬入した。ここで、第1スパッタチャンバーSP1、第2スパッタチャンバーSP2、第3スパッタチャンバーSP3、及び第4スパッタチャンバーSP4には、それぞれクロム(Cr)からなるスパッタターゲット331、332、333、及び334が配置されている。
次に、シャッタ311を開いて、基板1からなる試料301を搬入チャンバーLLから第1スパッタチャンバーSP1へ移動し、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット331付近に配置された第1ガス導入口321からアルゴン(Ar)ガスと窒素(N2)ガスとの混合ガスを導入し、第1スパッタターゲット331に1.5kWのスパッタパワーを印加して、反応性スパッタリングを行った。ガスの流量は、Arが65sccmで、Nが15sccmである。この時、試料301を400mm/minの速度で第1スパッタチャンバーSP1内を移動させた。この工程により、基板1の主表面上に下層遮光層21であるCrN膜を15nmの膜厚で成膜した。
次に、第2スパッタチャンバーSP2の第2スパッタターゲット332付近に配置された第2ガス導入口322からアルゴン(Ar)ガスに4.9%のメタン(CH)が混合された混合ガスを導入し、第2スパッタターゲット332に8.5kWのスパッタパワーを印加した。試料301を第1スパッタチャンバーSP1から第1バッファーチャンバーBU1を通過させて、第2スパッタチャンバーSP2へ移動し、第2スパッタチャンバーSP2で反応性スパッタリングを行った。ここで、ガスの流量は31sccmである。この時、試料301を400mm/minの速度で第2スパッタチャンバーSP2内を移動させた。この工程により、下層遮光層21である膜厚15nmのCrN上に上層遮光層22である膜厚60nmのCrCを成膜した。
次に、第3スパッタチャンバーSP3の第3スパッタターゲット333付近に配置された第3ガス導入口323からアルゴン(Ar)ガスに5.5%のメタン(CH)が混合された混合ガスと、窒素(N)ガスと、酸素(O)ガスを導入し、第3スパッタターゲット333に1.5kWのスパッタパワーを印加した。試料301を第2スパッタチャンバーSP2から第2バッファーチャンバーBU2を通過させて、第3スパッタチャンバーSP3へ移動し、第3スパッタチャンバーSP3で反応性スパッタリングを行った。ガスの流量は、アルゴンとメタンの混合ガスが31sccm、窒素ガスが8sccm、そして酸素ガスが3sccmである。この時、試料301を400mm/minの速度で第3スパッタチャンバーSP3内を移動させた。この反応性イオンスパッタリング工程によって、上層遮光層22である膜厚60nmのCrC上に膜厚が10nmの第1のCrCON(第1の反射低減層31)を成膜した。
次に、第4スパッタチャンバーSP4の第4スパッタターゲット334付近に配置された第4ガス導入口324からアルゴン(Ar)ガスに5.5%のメタン(CH)が混合された混合ガスと、窒素(N)ガスと、酸素(O)ガスを導入し、第4スパッタターゲット334に1.95kWのスパッタパワーを印加した。試料301を第3スパッタチャンバーSP3から第3バッファーチャンバーBU3を通過させて、第4スパッタチャンバーSP4へ移動し、第4スパッタチャンバーSP4で反応性スパッタリングを行った。ガスの流量は、アルゴンとメタンの混合ガスが31sccm、窒素ガスが8sccm、そして酸素ガスが3sccmである。この時、試料301を400mm/minの速度で第4スパッタチャンバーSP4内を移動させた。この反応性イオンスパッタリング工程によって、膜厚が10nmの第1のCrCON(第1の反射低減層31)上に膜厚が19nmの第2のCrCON(第2の反射低減層32)を成膜した。
その後、試料301を第4スパッタチャンバーSP4から搬出チャンバーULへ移動させた後にシャッタ312を閉じ、一旦真空排気した後、搬出チャンバーULを大気圧状態に戻して、基板1上に基板側からCrN、CrC、第1のCrCON、及び第2のCrCONからなる遮光膜5が成膜された試料301をスパッタリング装置300から取り出した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、CrN、CrC、第1のCrCON、及び第2のCrCONからなる遮光膜5が形成されたフォトマスクブランク100を得た。
以上述べてきた各膜(各層)の成膜条件を一覧で記述すると下記のようになる。
スパッタ1:Ar=65sccm、N=15sccm、Power=1.5kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ2:Ar/CH(4.9%)=31sccm、Power=8.5kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ3:Ar/CH(5.5%)=31sccm、N=8sccm、O=3sccm、Power=1.5kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ4:Ar/CH(5.5%)=31sccm、N=8sccm、O=3sccm、Power=1.95kW、試料移動速度=400mm/min
この成膜条件で特徴的なことは、後述の比較例2と対比させるとわかるように、反射低減層3の成膜工程であるスパッタ3及びスパッタ4において、酸素ガス流量が少ないことと、パワーが低いことである。この成膜条件が、反射低減層3を緻密で欠陥の少ない膜とする基になる。
得られたフォトマスクブランクについて、X線光電子分光法(XPS)による深さ方向の組成分析を行った。その結果を図4に示す。以下この図の説明では、表面からの深さをスパッタ時間(スパッタエッチング時間)で表すこととする。
この組成分布の特徴から、表面から深さ約8minまで(この領域を表面自然酸化層と呼ぶことにする)と、約8minから約32minまで(この領域をここではA層と呼ぶことにする)と、約32minから約55minまで(この領域をここではB層と呼ぶことにする)と、約55minから約70minまで(この領域を遷移層と呼ぶことにする)と、約70minから約170minまで(この領域をここではC層と呼ぶことにする)と、約170minから約195minまで(この領域をここではD層と呼ぶことにする)に分けられる。各層の間では組成が連続的に変化している。ここで、A層は第2のCrCON層(第2の反射低減層)、B層は第1のCrCON層(第1の反射低減層)、C層はCrC層(遮光層の上層)、D層はCrN層(遮光層の下層)に該当する。
A層とB層のクロム(Cr)原子比率は、約55%以下で、C層(CrC層)が約90%、D層(CrN層)が約75%以上であることに対し、これらより小さい。即ち、第1及び第2の反射低減層3のクロム含有量は遮光層2のクロム含有量より少ない。又、第2の反射低減層32(表面層側の反射低減層)であるA層の酸素原子比率は約24%以上45%以下であり、約45%以上50%以下の第1の反射低減層31(遮光層側の反射低減層)であるB層の酸素比率より小さい。窒素(N)に着目すると、第2の反射低減層32(表面層側の反射低減層)であるA層の窒素原子比率は約9%以上20%以下であり、約2%以上9%以下の第1の反射低減層31(遮光層側の反射低減層)であるB層の窒素比率より大きい。又、A層からD層まで窒素原子が検出され、特にCrN層であるD層で約20%まで窒素の含有率が高まる。遮光層2に着目してみると、CrN層(下層遮光層21)に該当するD層の窒素含有量は、CrC層(上層遮光層22)に該当するC層の窒素含有量より多い。又、A層とB層からなる反射低減層内での原子比率の分布に着目すると、クロム、酸素、及び窒素とも各層内で連続的に組成傾斜している。
尚、上述したフォトマスクブランクの製造方法では、遮光膜5を構成する各層の膜を途中で大気に戻すことなく、減圧真空状態の下で連続して形成した。このように減圧真空状態の下で連続して形成することにより、遮光膜5の最表面(CrCONからなる第2の反射低減層32)から基板1に到達までの組成の変動を小さくすることができる。
(((反射率とオゾン洗浄耐性の評価)))
フォトマスクブランク100に対して、オゾン洗浄を行って、オゾン洗浄耐性の試験評価を行った。オゾン洗浄耐性の加速試験を目的に、オゾン洗浄液としては、オゾン濃度が45mg/Lのオゾン水を用い、未処理、30分処理、60分処理、及び120分処理の4水準の試料を作成し、各々の試料に対して分光反射率特性評価を行なった。その結果を図5に示す。尚、分光反射率は分光光度計(島津製作所社製 SolidSpec−3700)により測定した。
その結果、オゾン処理未処理(オゾン処理前)でのマスクパターン用の遮光膜5の膜面反射率は、図5に示すように、表示装置用フォトマスクを製造する際に使用されるレーザー等の光源の描画波長(例えば、355nm、365nm、405nm、413nm、436nm、442nm)を含む描画波長帯域350nm〜450nmにおいて、11%以下であった。又、反射率が最小となる波長は430nmで、その時の反射率は7.26%であった。波長436nmの時の反射率も7.3%で、ほぼ最小値と変わらない値であった。又、後述する描画波長である413nmでの反射率は7.49%であった。これらの反射率は、マスクパターン描画を高精度に行うのに十分低い良好な値であるとともに、波長365nmのi線、405nmのh線、及び436nmのg線を主体にした表示装置の露光光に対しても十分許容される低い反射率であった。
このマスクパターン用の遮光膜5の膜面反射率が高いと、このフォトマスク上のパターンを投影光学系を介して、表示装置の基板上に形成されたレジストに露光転写する際に、表示装置の基板から露光光が反射し、さらにその反射光がフォトマスク表面で再反射し、投影光学系での反射、乱反射、結像等の影響を受けてフレアやゴーストといった転写への悪影響を引き起こす。ここで、フレアとは露光被りのことで、転写される光学像のコントラストを低下させ、解像度の低下や転写寸法精度の低下を引き起こすものである。実施例1のマスクパターン用の遮光膜5の露光光に対する膜面反射率は、フレアやゴーストの問題が発生しない十分低い値で、このため、表示装置の基板への高精度露光を行うことができた。
次に、オゾン洗浄がマスクパターン用の遮光膜5の膜面反射率へ与える影響について述べる。オゾン洗浄時間を0分、30分、60分、120分と長くしていくとともに、この膜の反射率を最小にする波長は短波長側にシフトするとともに、最小反射率は僅かに下がっていく。オゾン洗浄時間が0分、30分、60分、120分の時の反射率を最小にする波長は、各々430nm、412nm、381nm、及び325nmであり、その時の最小反射率は、7.26%、6.8%、6.4%、そして6.1%であった。そして、オゾン処理が60分までは、ほぼ分光特性曲線形状を維持したまま、最小値が短波長側にシフトをする特性を有していた。波長436nmにおける反射率は、オゾン処理時間とともに増加していくが、オゾン処理60分までの変化は僅かで、その値はオゾン処理未処理より1.4%増加の8.7%と十分に低い値であった。又、描画波長413nmでの反射率の変化は、0.41%減少の7.08%と更に低い値であった。
また、別のフォトマスクブランク100に対して、硫酸洗浄を行って、硫酸洗浄耐性の試験評価を行った。硫酸洗浄液としては、温度が100℃で、硫酸濃度が98%の硫酸を用い、未処理、5分処理、10分処理、15分処理を作製し、前述と同様の分光光度計を用いて分光反射率特性評価を行った。
その結果、波長436nmにおける反射率は、硫酸洗浄時間とともに低下して行くが、硫酸処理15分までの変化は僅かで、その値は硫酸洗浄未処理より0.7%低下した程度であった。また、描画波長413nmでの反射率の変化は、1.025%と僅かであった。
((フォトマスクの製造))
次に、フォトマスクブランク100を用いて、フォトマスク200を製造した。
まず、準備されたフォトマスクブランク100に対して、オゾン洗浄液を用いてオゾン洗浄を行った。
このオゾン洗浄は下記のようにして行った。最初に、低速で回転させたフォトマスクブランク100の回転中心部付近にオゾン洗浄液を滴下し、回転による塗り拡げでフォトマスクブランク100の第2の反射低減層32の表面全面にオゾン洗浄液を盛った。その後も洗浄終了時間まで洗浄液を供給し続けながらフォトマスクブランク100を低速で回転して洗浄を続け、洗浄時間終了後に純水を供給してオゾン洗浄液を純水に置換し、最後にスピン乾燥を行った。
この段階(図3(a))で、欠陥検査を行った。欠陥検査は、790mm×910mmの領域に対して行い、暗室で膜面に強度の強い光を当てる目視にて10μm以上の欠陥を検査した。その結果、このフォトマスクブランク100の検出欠陥数は0個であった。
次に、図3(b)に示されるように、フォトマスクブランク100の第2のCrCON層32の上に、膜厚1000nmのレジスト膜4を形成した。そして、レーザー描画機を用いてこのレジスト膜4に回路パターン等の所望のパターンを描画し、さらに現像、リンスすることによって所定のレジストパターン4aを形成した(図3(c))。ここで、使用したレーザー描画機の描画光の波長は413nmである。その後、基板1上に順次形成されたCrN層(下層遮光層21)、CrC層(上層遮光層22)、第1のCrCON層(第1の反射低減層31)、及び第2のCrCON層(第2の反射低減層32)の合計4層からなる遮光膜5を、レジストパターン4aをマスクとして、一体的にウェットエッチングでパターニングして、遮光膜パターン5aを形成した(図3(d))。したがって、遮光膜パターン5aは、CrNからなる下層遮光層パターン21a、CrCからなる上層遮光層パターン22a(以上の2層が遮光層パターン2a)、第1のCrCONからなる第1の反射低減層パターン31a、及び第2のCrCONからなる第2の反射低減層パターン32a(この2層が反射低減層パターン3a)からなる。ここで、ウェットエッチングとしては、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むクロムエッチング液を用いた。
以上の工程まで同様にして作製した試料を用いて、レジストパターン4aが残っている状態での遮光膜パターン5aの断面形状の観察を、走査型電子顕微鏡を用いて行った。その結果、底部の裾引きは認められず、垂直な断面形状の遮光膜パターン5aが得られていた。
その後、レジストパターンを剥離し(図3(e))、合成石英ガラス基板1上に、遮光膜パターン5aが形成されたフォトマスク200を得た。
このフォトマスクのマスクパターンの寸法ばらつき(CDばらつき)を、セイコーインスツルメンツナノテクノロジー社製SIR8000により測定した。CDばらつきの測定は、基板の周縁領域を除外した880mm×910mmの領域について、5×5の地点で測定した。以下の実施例、及び比較例において、CDばらつきの測定には、同じ装置と同じ評価方法を用いた。
その結果、CDばらつきは0.105μmであった。比較例のところでも後述するが、比較例1と比較例2のCDばらつきは各々0.125μm、0.150μmであり、実施例1のCDばらつきは良好であった。
((表示装置の製造))
この実施例1で作成したフォトマスク200を露光装置のマスクステージにセットし、表示装置の基板上にレジスト膜が形成された試料に対してパターン露光を行った。そして、この露光済レジスト膜を現像することによって、表示装置基板上にレジストパターンを形成した。露光光としては、波長365nmのi線、405nmのh線、及び436nmのg線を含む波長300nm以上500nm以下の光を用いた。
実施例1で作成したフォトマスク200は、CDばらつきで表して0.105μmとマスクパターン寸法精度が高く、上記露光光に対する反射率も低く、且つフォトマスクブランクの段階での欠陥数も0個と欠陥が少ないので、表示装置基板上のレジストパターンの転写パターンも精度が高く、且つ欠陥も少なかった。
このレジストパターンをエッチングにより被加工膜に転写し、又、絶縁膜、導電膜の形成、ドーパントの導入、あるいはアニールなど種々の工程を経ることで、所望の特性を有する高精細な表示装置を高い歩留まりで製造することができた。
実施例2は、実施例1のスパッタ3とスパッタ4の成膜条件のみを変えて、第1の反射
低減層31であるCrCON層と第2の反射低減層32であるCrCON層の酸素含有量を同じにしたフォトマスクブランクの例であって、それ以外は、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法を含め、全て実施例1と同じである。したがってマスクパターン用遮光膜5の構成は、基板1上に順次形成されたCrN(下層遮光層21)、CrC(上層遮光層22)、第1のCrCON(第1の反射低減層31)、及び第2のCrCON(第2の反射低減層32)の合計4層からなる。
実施例2の成膜条件を以下に示す。
スパッタ1:Ar=65sccm、N=15sccm、Power=1.5kW、試
料移動速度=400mm/min
スパッタ2:Ar/CH(4.9%)=31sccm、Power=8.5kW、試
料移動速度=400mm/min
スパッタ3:Ar/CH(5.5%)=34.8sccm、N=32.2sccm、CO=4.5sccm、Power=1.74kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ4:Ar/CH(5.5%)=34.8sccm、N=32.2sccm、CO=4.5sccm、Power=1.74kW、試料移動速度=400mm/min
ここで、スパッタ3とスパッタ4は同一条件での成膜あるが、第3スパッタチャンバーSP3と第4スパッタチャンバーSP4とチャンバーを分けて成膜した積層膜である。
又、実施例1と同様に、この成膜条件で特徴的なことは、反射低減層3の成膜工程であるスパッタ3及びスパッタ4において、酸素成分の流量が少なく、且つパワーの低い条件で成膜していることである。この条件が、緻密で欠陥の少ない膜となる基になる。
この成膜条件で製造したフォトマスクブランクを実施例1と同じ評価方法と同じ条件で評価した。その結果、第1のCrCON(第1の反射低減層31)と第2のCrCON(第2の反射低減層32)の酸素含有量は、同じ成膜条件であることから、等しかった。即ち、各層内では実施例1のように酸素の分布を持つが、第1のCrCONと第2のCrCONは同じ酸素分布を持つものが成膜されていた。
オゾン処理未処理(オゾン処理前)でのマスクパターン用の遮光膜5の膜面反射率は、波長436nmの時の反射率が8.7%、後述する描画波長である413nmでの反射率は10.5%であった。これらの反射率は、マスクパターン描画を高精度に行うのに十分低い良好な値であるとともに、波長365nmのi線、405nmのh線、及び436nmのg線を主体にした表示装置の露光光に対しても十分許容される低い反射率であった。
又、オゾン処理60分を行うことによって生じた波長436nmでの反射率の変化量は1.3%の増加であり、描画波長である413nmでの反射率の変化量は0.41%の増加であって、共に十分に小さかった。又、硫酸処理15分を行うことによって生じた波長436nmでの反射率の変化量は1.5%の低下であり、描画波長である413nmでの反射率の変化量は1.35%の低下であって、共に十分に小さかった。そして、オゾン処理を施した実施例2のフォトマスクブランクの10μm以上の欠陥数は0個であった。
又、実施例2の方法で製造したフォトマスクブランクを使って、実施例1と同じ方法で製造したフォトマスクのCDばらつきは、実施例1と同じ評価で0.112μmと十分小さなCDばらつきであった。
以上述べてきたように、実施例2の方法で製造したフォトマスクブランクはオゾン洗浄に伴う反射率の変化が少ないオゾン洗浄耐性の高いものであり、目視欠陥数も0という欠陥品質も優れるものであった。又、このフォトマスクブランクを使用して製造されたフォトマスクは、CDばらつきが十分小さい高精度のマスクパターンを有するものであった。このため、所望の特性を有する高精細な表示装置を高い歩留まりで製造することができた。
実施例3は、フォトマスクを製造する際に使用するレーザー(描画光)の波長が355nmであるレーザー描画機を想定したフォトマスクブランクの例であって、実施例1のスパッタ3とスパッタ4の成膜条件をマスクパターン用の遮光膜5の膜面反射率の最小値が、波長355nm付近になるように調整した以外は、実施例1と同様にしてフォトマスクブランクを製造した。尚、マスクパターン用の遮光膜5の構成は、実施例1と同じで、基板上に順次形成されたCrN(下層遮光層21)、CrC(上層遮光層22)、第1のCrCON(第1の反射低減層31)、及び第2のCrCON(第2の反射低減層32)の合計4層からなる。
実施例3の成膜条件を以下に示す。
スパッタ1:Ar=65sccm、N=15sccm、Power=1.5kW、試
料移動速度=400mm/min
スパッタ2:Ar/CH(4.9%)=31sccm、Power=8.5kW、試
料移動速度=400mm/min
スパッタ3:Ar/CH(5.5%)=34.8sccm、N=32.2sccm、CO=4.5sccm、Power=1.45kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ4:Ar/CH(5.5%)=34.8sccm、N=32.2sccm、CO=4.5sccm、Power=1.45kW、試料移動速度=400mm/min
ここで、実施例2との成膜条件の相違は、スパッタ3、4のパワーを低くした点である。
この成膜条件で製造したフォトマスクブランクを実施例1と同じ評価方法と同じ条件で評価した。その結果、第1のCrCON(第1の反射低減層31)と第2のCrCON(第2の反射低減層32)のクロム含有量、酸素含有分布、窒素含有分布は、それぞれ実施例1の第1のCrCON(第1の反射低減層31)と第2のCrCON(第2の反射低減層32)のクロム含有量、酸素含有分布、窒素含有分布と同じ傾向であった。即ち、第1のCrCON(第1の反射低減層31)の酸素含有量は、第2のCrCON(第2の反射低減層32)の酸素含有量よりも多かった。
実施例1と同様にマスクパターン用の遮光膜5の膜面反射率を測定した結果、オゾン処理未処理(オゾン処理を行わない場合)での反射率は、描画波長帯域350nm〜450nmにおいて、11.0%以下であった。又、反射率が最小となる波長は360nmで、その時の反射率は9.0%であった。波長436nmの時の反射率も10.0%であった。又、後述する描画波長である355nmでの反射率は9.3%であった。これらの反射率は、マスクパターン描画を高精度に行うのに十分低い良好な値であるとともに、波長365nmのi線、405nmのh線、及び436nmのg線を主体にした表示装置の露光光に対しても十分許容される低い反射率であった。
又、オゾン処理60分を行うことによって生じた波長436nmでの反射率の変化量は1.0%の増加であり、描画波長である355nmでの反射率の変化量は1.5%の増加であって、共に十分に小さかった。又、硫酸処理15分を行うことによって生じた波長436nmでの反射率の変化量は0.85%の低下であり、描画波長である413nmでの反射率の変化量は1.5%の低下であって、共に十分に小さかった。そして、オゾン処理を施した実施例3のフォトマスクブランクの10μm以上の欠陥数は0個であった。
又、実施例3の方法で製造したフォトマスクブランクを使って、実施例1と同じ方法で製造したフォトマスクのCDばらつきは、実施例1と同じ評価で0.105μmと十分小さなCDばらつきであった。尚、フォトマスクを製造する際、描画波長が355nmのレーザー描画機を使用した。
以上述べてきたように、実施例3の方法で製造したフォトマスクブランクはオゾン洗浄に伴う反射率の変化が少ないオゾン洗浄耐性の高いものであり、目視欠陥数も0という欠陥品質も優れるものであった。又、このフォトマスクブランクを使用して製造されたフォトマスクは、CDばらつきが十分小さい高精度のマスクパターンを有するものであった。このため、所望の特性を有する高精細な表示装置を高い歩留まりで製造することができた。
実施例4のフォトマスクブランク100は、基板1と、マスクパターン用の遮光膜5の間に、露光光の透過率及び位相シフト量を調整する機能膜である位相シフト膜を形成したフォトマスクブランクであって、所謂、位相シフトマスクブランクである。尚、位相シフト膜上に形成するマスクパターン用の遮光膜5は、実施例1と同じ遮光膜であり説明は省略する。
実施例1と同じサイズの合成石英ガラス基板からなる基板1上に、大型インライン型スパッタリング装置を使用し、MoSiNからなる2層膜の位相シフト膜の成膜を行った。位相シフト膜の成膜の際には、第1スパッタチャンバーSP1、第2スパッタチャンバーSP2のスパッタターゲットを、それぞれモリブデンシリサイド(MoSi)からなるスパッタターゲット331、332に替えて、以下の成膜条件で位相シフト膜の成膜を行った。
スパッタ1:Ar=50sccm、N=90sccm、Power=8.0kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ2:Ar=50sccm、N=90sccm、Power=8.0kW、試料移動速度=400mm/min
前述の成膜条件により、スパッタ1では基板1上に、膜厚55nmのモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる1層目の位相シフト膜を成膜し、スパッタ2では、膜厚55nmのモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる2層目の位相シフト膜を成膜し、基板1上に、2層のモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる合計膜厚110nmの位相シフト膜を形成した。
この位相シフト膜が形成された基板について、日本Lasertec社製のMPM−100により透過率、位相差を測定した。透過率、位相差の測定には、同時に作製した6025サイズのダミー基板を用いて測定した。その結果、透過率は5.5%(波長:365nm)、位相差は180°(波長:365nm)であった。
次に、位相シフト膜上に実施例1と同じマスクパターン用の遮光膜5の成膜を行い、位相シフトマスクブランクを製造した。尚、マスクパターン用の遮光膜5の成膜の際には、第1スパッタチャンバーSP1、第2スパッタチャンバーSP2のスパッタターゲット331、332をクロム(Cr)に替えて、位相シフト膜上にマスクパターン用の遮光膜5を成膜した。
この得られた位相シフトマスクブランクを実施例1と同じ評価方法と同じ条件で評価した。マスクパターン用の遮光膜5のクロム含有量、酸素含有分布、窒素含有分布は同じであり、また、オゾン処理後、及び硫酸処理後の遮光膜5の反射率の変化も同様の結果であった。
次に、この位相シフトマスクブランクを用いて、位相シフトマスクを製造した。
まず、実施例1と同様に、準備された位相シフトマスクブランクに対して、オゾン洗浄液を用いてオゾン洗浄を行った。
次に、遮光膜5上に、膜厚1000nmのレジスト膜4を形成した。そして、レーザー描画機を用いてこのレジスト膜4に回路パターン等の所望のパターンを描画し、さらに現像、リンスすることによって所定のレジストパターン4aを形成した。その後、この遮光膜5を、レジストパターンをマスクとして、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むクロムエッチング液によりウェットエッチングでパターニングして、予備遮光膜パターンを形成した。
その後、レジストパターンを除去せずに、レジストパターンと遮光膜パターンをマスクとして、位相シフト膜を、弗化水素酸、珪弗化水素酸、弗化水素アンモニウムなどのフッ素化合物に、過酸化水素、硝酸、硫酸などの酸化剤を添加したエッチング液によりウェットエッチングでパターニングして、位相シフト膜パターンを形成した。
次に、レジストパターンを除去せずに、再度、予備遮光膜パターンを前述のクロムエッチング液により再度エッチングを行い、位相シフト膜パターン上の中央部に所望のパターン線幅を有する遮光膜パターンを形成した。
最後に、レジストパターンを剥離し、合成石英ガラス基板1上に、位相シフト膜パターンと遮光膜パターンが形成された位相シフトマスクを得た。
この位相シフトマスクの位相シフト膜パターンの寸法ばらつき(CDばらつき)を、実施例1と同様に測定し、評価した結果、CDばらつきは0.088μmであった。この位相シフトマスクは、CDばらつきが十分小さい高精度の位相シフト膜パターンを有するものであった。このため、実施例1と同様に所望の特性を有する高精細な表示装置を高い歩留まりで製造することができた。
(比較例1)
比較例1は、実施例1のスパッタ3とスパッタ4の成膜条件のみをお互い入れ替えてフォトマスクブランクを製造した例であって、それ以外は、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法を含め、全て実施例1と同じである。即ち、比較例1ではスパッタ3及びスパッタ4を、それぞれ実施例1のスパッタ4及びスパッタ3の条件で成膜し、その他は実施例1と同じにした。したがってマスクパターン用の遮光膜5の構成は、基板1上に順次形成されたCrN(下層遮光層21)、CrC(上層遮光層22)、第1のCrCON(第1の反射低減層31)、及び第2のCrCON(第2の反射低減層32)の合計4層からなるが、比較例1の第1のCrCONは実施例1の第2のCrCONになっており、比較例1の第2のCrCONは実施例1の第1のCrCONになっている。
比較例1の成膜条件を以下に示す。
スパッタ1:Ar=65sccm、N=15sccm、Power=1.5kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ2:Ar/CH(4.9%)=31sccm、Power=8.5kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ3:Ar/CH(5.5%)=31sccm、N=8sccm、O=3sccm、Power=1.95kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ4:Ar/CH(5.5%)=31sccm、N=8sccm、O=3sccm、Power=1.5kW、試料移動速度=400mm/min
この成膜条件で製造したフォトマスクブランクを実施例1と同じ評価方法と同じ条件で評価した。その結果、第1のCrCON(第1の反射低減層31)と第2のCrCON(第2の反射低減層32)のクロム含有量、酸素含有分布、窒素含有分布は、それぞれ実施例1の第2のCrCON(第2の反射低減層32)と第1のCrCON(第1の反射低減層31)のクロム含有量、酸素含有分布、窒素含有分布となった。例えば、比較例1の第1のCrCON(第1の反射低減層31、下層の反射低減層)の酸素含有量は、第2のCrCON(第2の反射低減層32、上層の反射低減層)の酸素含有量未満となった。又、オゾン処理60分を行うことによって生じた波長436nmでの反射率の変化量は1.2%の増加と十分に小さかったが、波長436nmでの反射率は15%以上と高く、マスクパターンの描画の精度や表示装置基板への露光転写の精度を低下させるものであった。又、オゾン処理を施した比較例1のフォトマスクブランクの10μm以上の欠陥数は1個であった。
比較例1の方法で製造したフォトマスクブランクを使って、実施例1と同じ方法で製造したフォトマスクのCDばらつきは、実施例1と同じ評価で0.125μmであった。
以上述べてきたように、比較例1の方法で製造したフォトマスクブランクはオゾン洗浄に伴う反射率の変化は少ないものの、反射率自体が15%以上と高いものであった。そのため、このフォトマスクブランクを使用して製造されたフォトマスクは、マスクパターンのCDばらつきが0.125μmであり、実施例1や実施例2より劣るものであった。又、フォトマスクブランク段階の欠陥数も1個ではあるが、実施例1や実施例2の0個より多かった。測定対象の欠陥サイズが10μmと大きいため、欠陥数1個の差が表示装置の歩留まりに与える影響は大きい。このため、所望の特性を有する高精細な表示装置の歩留まりは実施例1や実施例2より劣るものであった。
(比較例2)
比較例2は、単層の反射低減層を用いた場合で、基板1上に順次形成されたCrN(下層遮光層21)とCrC(上層遮光層22)による遮光層2の層構造は実施例1と変わらない。但し、上層遮光層22であるCrCの成膜条件は実施例1とは異なっている。成膜条件で実施例1と変わらないのは、下層遮光層21であるCrNのみである。それ以外は、フォトマスクブランクの評価方法、フォトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法を含め、全て実施例1と同じにした。即ち、比較例2ではスパッタ2とスパッタ3の成膜条件を実施例1から変更し、スパッタ4をスパッタチャンバーSP4への試料301の通過のみとして成膜処理をスキップした以外は、実施例1と同じにした。マスクパターン用遮光膜5の構成は、基板1上に順次形成されたCrN(下層遮光層21)、CrC(上層遮光層22)、及びCrCON(反射低減層3)の合計3層からなる。
比較例2の成膜条件を以下に示す。
スパッタ1:Ar=65sccm、N=15sccm、Power=1.5kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ2:Ar/CH(4.9%)=31sccm、Power=8.5kW、試料移動速度=400mm/min
スパッタ3:Ar/CH(4.9%)=34.8sccm、N=32.2sccm、O=5.5sccm、Power=3.6kW、試料移動速度=400mm/min
この成膜条件で特徴的なことは、反射低減層3が単層膜(1つのスパッタチャンバーで成膜した膜)であることと、成膜工程であるスパッタ3において、実施例1や実施例2より、酸素成分の流量が多く、且つ約2倍近く(1.8〜2.4倍)パワーの高い条件で成膜していることである。
この成膜条件で製造したフォトマスクブランクを実施例1と同じ評価方法と同じ条件で評価した。その結果、オゾン処理未処理でのマスクパターン用の遮光膜5の膜面の分光反射率特性曲線は、図6に示すように、実施例1の時のオゾン処理未処理でのマスクパターン用遮光膜5の膜面の分光反射率特性曲線とほぼ同じであり、レーザー描画波長帯域350nm〜450nmにおいて、12%以下であった。又、反射率が最小となる波長は実施例1と同じ430nmで、その時の反射率は実施例1より1.24%高い8.5%であった。波長436nmの時の反射率も8.5%で、最小値と変わらない値であった。又、描画波長である413nmの反射率は8.69%であった。一方、オゾン洗浄処理を行った時のマスクパターン用遮光膜5の膜面の分光反射率特性は実施例1と異なっていた。オゾン洗浄処理時間の増加とともに反射率が最小となる波長が短波長側にシフトしていくという特性は実施例1と同じであるが、その時の反射率の最小値は、実施例1の場合とは逆に、オゾン洗浄処理時間の増加とともに高くなっていった。具体的には、オゾン洗浄時間が0分、30分、60分、120分の時の反射率を最小にする波長は、各々430nm、400nm、358nm、及び309nmであり、その時の最小反射率は、8.5%、10.2%、11.7%、そして15.4%であった。この分光反射率特性の結果、オゾン処理60分を行うことによって生じた波長436nmでの反射率の変化量は6.7%の増加であり、又、描画波長413nmでの反射率の増加は4.7%と共に大きく、マスクパターンの描画の精度や表示装置基板への露光転写の精度を低下させるものであった。又、オゾン処理を施した比較例2のフォトマスクブランクの10μm以上の欠陥数は20個以上あり、欠陥が多かった。
比較例2の方法で製造したフォトマスクブランクを使って、実施例1と同じ方法でフォトマスクを製造した。又、この比較例と同様にして作製した試料を用いて、レジストパターン4aが残っている状態での遮光膜パターン5aの断面形状の観察を、走査型電子顕微鏡を用いて行った。その結果、僅かに裾引きが認められ、さらに表層部が欠けた断面形状であった。又、基板1上にクロム残渣が認められた。CDばらつきに関しては、オゾン洗浄による反射率の変化が大きいため、実施例1と同じ評価で0.150μmであった。
以上述べてきたように、比較例2の方法で製造したフォトマスクブランクはオゾン洗浄に伴う反射率が大きく、欠陥数も20個以上で、欠陥品質も劣るものであった。このフォトマスクブランクを使用して製造されたフォトマスクは、オゾン洗浄による反射率の変化が大きいため、マスクパターンのCDばらつきが0.150μmあり、実施例1や実施例2より劣るものであった。このため、所望の特性を有する高精細な表示装置の製造歩留まりは低かった。
1…基板、2…遮光層、2a…遮光層パターン、3…反射低減層、3a…反射低減層パターン、4…レジスト膜、4a…レジストパターン、5a…遮光膜パターン、21…下層遮光層(CrN)、21a…下層遮光層パターン(CrNパターン)、22…上層遮光層(CrC)、22a…上層遮光層パターン(CrCパターン)、31…第1の反射低減層(CrCON)、31a…第1の反射低減層パターン(CrCONパターン)、32…第2の反射低減層(CrCON)、32a…第2の反射低減層パターン(CrCONパターン)、100…フォトマスクブランク、200…フォトマスク、300…インラインスパッタリング装置、301…試料、311…シャッタ、312…シャッタ、321…第1ガス導入口、322…第2ガス導入口、323…第3ガス導入口、324…第4ガス導入口、331…第1スパッタターゲット、332…第2スパッタターゲット、333…第3スパッタターゲット、334…第4スパッタターゲット、LL…搬入チャンバー、UL…搬出チャンバー、SP1…第1スパッタチャンバー、SP2…第2スパッタチャンバー、SP3…第3スパッタチャンバー、SP4…第4スパッタチャンバー、BU1…第1バッファーチャンバー、BU2…第2バッファーチャンバー、BU3…第3バッファーチャンバー

Claims (12)

  1. 露光光に対して実質的に透明な材料からなる透明基板と、前記透明基板上に遮光層と、前記遮光層上に反射低減層と、を有するフォトマスクブランクであって、
    前記遮光層は、クロムを含有するクロム材料からなり、
    前記反射低減層は、前記遮光層と比べクロム含有量が少なく、酸素が含有される酸化クロム材料からなり、
    前記反射低減層は複数層を積層した積層膜であって、前記遮光層側の酸素含有量は前記反射低減層表面側の酸素含有量以上であり、
    前記反射低減層は、膜面反射率が最小となるボトムピーク波長が、波長350nmから550nmの範囲に入るように、膜厚又は酸素含有量の少なくともいずれかが調整されていることを特徴とするフォトマスクブランク。
  2. 前記反射低減層は、膜面反射率が最小となるボトムピーク波長が、波長365nmから550nmの範囲に入るように、膜厚又は酸素含有量の少なくともいずれかが調整されていることを特徴とする請求項1記載のフォトマスクブランク。
  3. 前記反射低減層は、前記遮光層側から、酸素が35原子%以上65原子%未満含有する高酸化クロム層と、酸素が10原子%以上50原子%以下含有する低酸化クロム層とを有する積層構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォトマスクブランク。
  4. 前記反射低減層は、さらに窒素が含有されている酸化窒化クロム材料からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
  5. 前記反射低減層は、窒素が2原子%以上30原子%以下含有されていることを特徴とする請求項記載のフォトマスクブランク。
  6. 前記遮光層は、前記反射低減層側に比べて前記透明基板側に窒素が多く含まれている窒化クロム層を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
  7. 前記遮光層及び前記反射低減層に含有されている各元素は、連続的に組成傾斜していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
  8. 前記透明基板と前記遮光層との間に露光光の透過率又は位相シフト量の少なくともいずれかを調整する機能膜を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
  9. 前記フォトマスクブランクは、表示装置製造用フォトマスクの原板であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載のフォトマスクブランク。
  10. 請求項1乃至のいずれか一つに記載のフォトマスクブランクを用い、該フォトマスクブランク上にレジスト膜を形成する工程と、
    所望のパターンを光を用いて描画する工程と、
    現像を行って該フォトマスクブランク上にレジストパターンを形成する工程と、
    前記遮光層及び前記反射低減層をエッチングによりパターニングする工程、
    を有してフォトマスクを製造することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  11. 前記描画する工程は、波長350nmから550nmの範囲から選択される波長のレーザーを用いてレーザー描画することを含む、請求項10に記載のフォトマスクの製造方法。
  12. 請求項10又は11記載のフォトマスクの製造方法によって製造されたフォトマスクを露光装置のマスクステージに載置し、波長365nmのi線、405nmのh線、及び436nmのg線等の単一波長の光、又は、これらを含む複合光を用いて、前記フォトマスク上に形成された転写用パターンを表示装置基板上に形成されたレジストに露光転写する露光工程を有することを特徴とした表示装置の製造方法。
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