JP6593410B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
しかし、シリカはゴム成分との親和性が低く、また、シリカ同士の凝集性が高いため、ゴム成分に単にシリカを配合してもシリカが分散せず、発熱性を低減する効果が十分に得られないという問題があった。
このようななか、本発明者らが特許文献1の実施例を参考にゴム組成物を調製したところ、上記特性の全てを高いレベルで満足するものが必ずしも得られないことが明らかになった。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
上記ジエン系ゴムが、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAと、上記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA以外の芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1及び重量平均分子量が15,000超であるブタジエンゴムb2からなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分Bとを含み、
上記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAが、芳香族ビニル含有量が35〜45質量%であり、ビニル単位含有量が25〜45モル%である、末端が変性された芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムであり、
上記ジエン系ゴム中、上記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAの含有量が30〜50質量%であり、上記ゴム成分Bの含有量が50〜70質量%であり、
上記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が、−45℃未満であり、
上記変性ブタジエンポリマーが、重量平均分子量が1,000以上15,000以下であり、分子量分布が2.0以下である、末端が変性されたブタジエンポリマーであり、
上記シリカの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、80〜200質量部であり、
上記変性ブタジエンポリマーの含有量が、上記シリカの含有量に対して、1.0〜25.0質量%である、タイヤ用ゴム組成物。
(2) 上記変性ブタジエンポリマーが、窒素原子及びケイ素原子を含む官能基を末端に有する、上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(3) 上記シリカのCTAB吸着比表面積が、150〜300m2/gである、上記(1)又は(2)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4) さらにシランカップリング剤を含有し、
上記シランカップリング剤の含有量が、上記シリカの含有量に対して、1〜20質量%である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに配置した空気入りタイヤ。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物に含有される各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
本発明のタイヤ用ゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、ジエン系ゴムと、シリカと、変性ブタジエンポリマーとを含有する。
ここで、上記ジエン系ゴムは、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAと、上記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA以外の芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1及び重量平均分子量が15,000超であるブタジエンゴムb2からなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分Bとを含む。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAは、芳香族ビニル含有量が35〜45質量%であり、ビニル単位含有量が25〜45モル%である、末端が変性された芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムである。
また、上記ジエン系ゴム中、上記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAの含有量は30〜50質量%であり、上記ゴム成分Bの含有量は50〜70質量%である。
また、上記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度は、−45℃未満である。
また、上記変性ブタジエンポリマーは、重量平均分子量が1,000以上15,000以下であり、分子量分布が2.0以下である、末端が変性されたブタジエンポリマーである。
また、上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、80〜200質量部である。
また、上記変性ブタジエンポリマーの含有量は、上記シリカの含有量に対して、1.0〜25.0質量%である。
ここで、本発明者らの検討の結果、変性ブタジエンポリマーのサイズ(重量平均分子量、分子量分布)とシリカの分散性との間に臨界性が見られることが分かっている。これは、変性ブタジエンポリマーのサイズが特定の範囲にある場合にシリカ同士の凝集体の隙間に極めて介入し易くなるためと推測される。このように本発明ではサイズが特定の範囲にある変性ブタジエンポリマーを用いるため、極めて高いシリカ分散性が達成されるものと考えられる。
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAと、上記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA以外の芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1及び重量平均分子量が15,000超であるブタジエンゴムb2からなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分Bとを含む。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAは、芳香族ビニル含有量が35〜45質量%であり、ビニル単位含有量が25〜45モル%である、末端が変性された芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムである。
また、上記ジエン系ゴム中、上記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAの含有量は30〜50質量%であり、上記ゴム成分Bの含有量は50〜70質量%である。
また、上記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度は、−45℃未満である。
芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAは、芳香族ビニル含有量が35〜45質量%であり、ビニル単位含有量が25〜45モル%である、末端が変性された芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムである。なかでも、加工性及びシリカ分散性により優れ、タイヤにしたときにWET操縦安定性、低燃費性及び雪上制動性により優れ、また、タイヤにしたときに耐熱性、耐寒性、耐劣化性、耐汚染性及び耐光性に優れる理由から、芳香族ビニル含有量が35〜45質量%であり、ビニル単位含有量が25〜45モル%である、末端が変性されたスチレンブタジエンゴム(末端変性SBR)であることが好ましい。以下、「加工性及びシリカ分散性により優れ、タイヤにしたときにWET操縦安定性、低燃費性及び雪上制動性により優れ、また、タイヤにしたときに耐熱性、耐寒性、耐劣化性、耐汚染性及び耐光性に優れる」ことを「本発明の効果がより優れる」とも言う。
上記芳香族ビニルとしては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、スチレンであることが好ましい。
上記共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、1,3−ブタジエンであることが好ましい。
上記その他の単量体としては、例えば、アクリロニトリル、およびメタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、および無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸または酸無水物;メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、およびアクリル酸ブチルなどの不飽和カルボン酸エステル;1,5−ヘキサジエン、1,6−へプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、および5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエンなどを挙げることができる。
上記その他の単量体の使用量は、本発明の効果がより優れる理由から、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAに使用される全単量体中、10質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましく、4〜0質量%であるのがさらに好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAの芳香族ビニル含有量(芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA中の芳香族ビニルに由来する繰り返し単位の含有量)は、35〜45質量%である。
なお、本明細書において芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムの芳香族ビニル含有量とは、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴム中の芳香族ビニルに由来する繰り返し単位の含有量(質量%)を意味する。
芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAのビニル単位含有量は、25〜45モル%である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、35〜42モル%であることが好ましい。
なお、本明細書において芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムのビニル単位含有量とは、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴム中の共役ジエンに由来する全繰り返し単位のうち、ビニル構造(例えば、共役ジエンが1,3−ブタジエンである場合は1,2−ビニル構造)を有する繰り返し単位が占める割合(モル%)を意味する。
上述のとおり、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAは、末端が変性されている。
芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAは、本発明の効果がより優れる理由から、アミノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を末端に有するのが好ましく、ヒドロキシ基を末端に有するのがより好ましい。
上記ジエン系ゴム中、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAの含有量は30〜50質量%である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、30〜40質量%であることが好ましい。
ゴム成分Bは、上述した芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA以外の芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1及び重量平均分子量が15,000超であるブタジエンゴムb2からなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、ブタジエンゴムb2であることが好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1は、上述した芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA以外の芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムである。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、上述した芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA以外のスチレンブタジエンゴム(SBR)であることが好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1としては、例えば、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムのうち、芳香族ビニル含有量が35質量%に満たないもの、芳香族ビニル含有量が45質量%を超えるもの、ビニル単位含有量が25モル%に満たないもの、ビニル単位含有量が45モル%を超えるもの、末端が変性されていないものなどが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、芳香族ビニル含有量が35質量%未満であり、ビニル単位含有量が45モル%超であり、末端が変性された(特に、末端にヒドロキシ基を有する)芳香族ビニル−共役ジエン系ゴム(特に、スチレンブタジエンゴム(SBR))であることが好ましい。
なお、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムの定義、及び、各単量体の具体例は、上述した芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAと同じである。
ブタジエンゴムb2は、重量平均分子量(Mw)が15,000以上のブタジエンゴム(BR)である。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる標準ポリスチレン換算値とする。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・検出器:RI検出器
なお、ブタジエンゴムのビニル単位含有量とは、ブタジエンゴム中のブタジエンに由来する全繰り返し単位のうち、ビニル構造(例えば、共役ジエンが1,3−ブタジエンである場合は1,2−ビニル構造)を有する繰り返し単位が占める割合(モル%)を意味する。
上記ジエン系ゴム中、ゴム成分Bの含有量は50〜70質量%である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、60〜70質量%であることが好ましい。
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは、上述した芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA及びゴム成分Bいずれにも該当しないジエン系ゴム(その他のジエン系ゴム)をさらに含んでいてもよい。そのようなジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。
ジエン系ゴム中のその他のジエン系ゴムの含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、0〜30質量%であることが好ましい。
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムの平均ガラス転移温度(平均Tg)は、−45℃未満である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、−50℃未満であることが好ましい。下限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、−100℃以上であることが好ましく、−60℃以上であることがより好ましい。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度で測定し、中点法にて算出したものとする。ジエン系ゴムが油展品であるときは、ガラス転移温度は、油展成分(オイル)を含まない状態におけるジエン系ゴムのガラス転移温度とする。また、平均ガラス転移温度(平均Tg)とは、各ジエン系ゴムのガラス転移温度に各ジエン系ゴムの質量分率を乗じた合計(ガラス転移温度の加重平均値)であり、すべてのジエン系ゴムの質量分率の合計を1とする。
上記ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果がより優れる理由から、100,000〜10,000,000であることが好ましく、300,000〜3,000,000であることがより好ましい。
また、本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムの数平均分子量(Mn)は、本発明の効果がより優れる理由から、50,000〜5,000,000であることが好ましく、150,000〜1,500,000であることがより好ましい。
なお、ジエン系ゴムに含まれる少なくとも1種のジエン系ゴムのMw及び/又はMnが上記範囲に含まれることが好ましく、ジエン系ゴムに含まれるすべてのジエン系ゴムのMw及び/又はMnが上記範囲に含まれることがより好ましい。
本発明の組成物に含有されるシリカは特に制限されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
上記シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、100〜400m2/gであることが好ましく、150〜300m2/gであることがより好ましく、160〜250m2/gであることがさらに好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値とする。
本発明の組成物において、シリカの含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、80〜200質量部である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、85〜150質量部であることが好ましい。
上述のとおり本発明の組成物は、重量平均分子量が1,000以上15,000以下であり、分子量分布が2.0以下である、末端が変性されたブタジエンポリマー(以下、「特定変性ブタジエンポリマー」とも言う)を含有する。
上述のとおり、特定変性ブタジエンポリマーの重量平均分子量(Mw)は、1,000以上15,000以下である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、5,000以上10,000未満であることが好ましい。
特定変性ブタジエンポリマーの数平均分子量(Mn)は特定変性ブタジエンポリマーの重量平均分子量及び分子量分布が特定の範囲にあれば特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、1,000以上15,000以下であることが好ましく、5,000以上10,000未満であることがより好ましい。
上述のとおり、特定変性ブタジエンポリマーの分子量分布(Mw/Mn)は2.0以下である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、1.7以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることがさらに好ましい。
下限は特に制限されないが、通常、1.0以上である。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・検出器:RI検出器
上述のとおり、特定変性ブタジエンポリマーは、末端が変性されている。
特定変性ブタジエンポリマーは、本発明の効果がより優れる理由から、アミノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、カルボキシ基及び後述する特定官能基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を末端に有するのが好ましく、アルコキシシリル基(特にトリエトキシシリル基)又は後述する特定官能基を末端に有するのがより好ましく、後述する特定官能基を末端に有するのがさらに好ましい。
上述のとおり、特定変性ブタジエンポリマーは、窒素原子及びケイ素原子を含む官能基(特定官能基)を末端に有するのが好ましい。なお、特定官能基は少なくとも1つの末端に有すればよい。
上記式(M)中、Lは、2価の有機基を表す。
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基のヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1〜30)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2〜30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2〜30)などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6〜18の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
複数あるR1は同一であっても異なっていてもよい。
2価の有機基としては、例えば、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基。好ましくは炭素数1〜10)、芳香族炭化水素基(例えば、アリーレン基。好ましくは炭素数6〜18)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基(−CmH2mO−:mは正の整数)、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
Lは、本発明の効果がより優れる理由から、アルキレン基(好ましくは、炭素数1〜10)であることが好ましい。
nは、本発明の効果がより優れる理由から、2であることが好ましい。
mは、本発明の効果がより優れる理由から、1であることが好ましい。
(ビニル構造)
特定変性ブタジエンポリマーにおいて、ビニル構造の割合(ビニル単位含有量)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10〜50モル%であることが好ましく、20〜40モル%であることがより好ましい。
ここで、ビニル構造の割合とは、ブタジエンに由来する繰り返し単位のうち、ビニル構造を有する繰り返し単位が占める割合(モル%)を言う。
特定変性ブタジエンポリマーにおいて、1,4−トランス構造の割合は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10〜70モル%であることが好ましく、30〜50モル%であることがより好ましい。
ここで、1,4−トランス構造の割合とは、ブタジエンに由来する全繰り返し単位のうち、1,4−トランス構造を有する繰り返し単位が占める割合(モル%)を言う。
特定変性ブタジエンポリマーにおいて、1,4−シス構造の割合は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10〜50モル%であることが好ましく、20〜40モル%であることがより好ましい。
ここで、1,4−シス構造の割合とは、ブタジエンに由来する全繰り返し単位のうち、1,4−シス構造を有する繰り返し単位が占める割合(モル%)を言う。
特定変性ブタジエンポリマーのガラス転移温度(Tg)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、−100〜−60℃であることが好ましく、−90〜−70℃であることがより好ましく、−85〜−75℃であることがさらに好ましい。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度で測定し、中点法にて算出したものとする。
特定変性ブタジエンポリマーの粘度は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、1,000〜10,000mPa・sであることが好ましく、3,000〜6,000mPa・sであることがより好ましい。
また、特定変性ブタジエンポリマーを変性する前のブタジエンポリマーの粘度は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、500〜5,000mPa・sであることが好ましく、1,500〜3,000mPa・sであることがより好ましい。
また、特定変性ブタジエンポリマーの粘度は、本発明の効果がより優れる理由から、変性前のブタジエンポリマーの粘度に対して、150〜240%であることが好ましい。以下、変性前の特定変性ブタジエンポリマーに対する変性後の特定変性ブタジエンポリマーの粘度を「粘度(変性後/変性前)」とも言う。
なお、粘度は、JIS K5600−2−3に準じて、コーンプレート型粘度計を用いて測定したものとする。
特定変性ブタジエンポリマーを製造する方法は特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。分子量及び分子量分布を特定の範囲する方法は特に制限されないが、開始剤とモノマーと停止剤との量比、反応温度、及び、開始剤を添加する速度などを調整する方法などが挙げられる。
上記有機リチウム化合物は特に制限されないが、その具体例としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、ベンジルリチウム等のモノ有機リチウム化合物;1,4−ジリチオブタン、1,5−ジリチオペンタン、1,6−ジリチオヘキサン、1,10−ジリチオデカン、1,1−ジリチオジフェニレン、ジリチオポリブタジエン、ジリチオポリイソプレン、1,4−ジリチオベンゼン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン、1,3,5−トリリチオ−2,4,6−トリエチルベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのモノ有機リチウム化合物が好ましい。
有機リチウム化合物を用いてブタジエンを重合する方法は特定に制限されないが、ブタジエンを含有する有機溶媒溶液に上述した有機リチウム化合物を加え、0〜120℃(好ましくは30〜100℃)の温度範囲で撹拌する方法などが挙げられる。
本発明の方法では、窒素原子及びケイ素原子を含む求電子剤(以下、「特定求電子剤」とも言う)を用いてブタジエンの重合を停止する。特定求電子剤を用いて重合を停止することで、上述した特定官能基を末端に有する変性ブタジエンポリマーが得られる。
特定求電子剤は窒素原子及びケイ素原子を含む化合物であれば特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、窒素原子をアミノ基(−NR2:Rは水素原子又は炭化水素基)として含むのが好ましく、ケイ素原子をヒドロカルビルオキシシリル基(≡SiOR:Rは炭化水素基)として含むのが好ましい。
上記式(S)中、Lは、2価の有機基を表す。2価の有機基の具体例及び好適な態様は、上述した式(M)中のLと同じである。
なお、環状シラザンのケイ素原子は求電子性を示すと考えられる。
本発明の組成物において、特定変性ブタジエンポリマーの含有量は、上述したシリカの含有量に対して、1.0〜25.0質量%である。以下、シリカの含有量に対する特定変性ブタジエンポリマーの含有量を「特定変性ブタジエンポリマー/シリカ」とも表す。
特定変性ブタジエンポリマー/シリカは、本発明の効果がより優れる理由から、2.0〜20.0質量%であることが好ましく、3.0〜10.0質量%であることがより好ましく、4.0〜7.0質量%であることがさらに好ましい。
また、特定変性ブタジエンポリマーの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、2〜10質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、上述した成分以外の成分(任意成分)を含有することができる。
そのような成分としては、例えば、シリカ以外の充填剤(例えば、カーボンブラック)、シランカップリング剤、テルペン樹脂(好ましくは、芳香族変性テルペン樹脂)、熱膨張性マイクロカプセル、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加工助剤、プロセスオイル、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤などが挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。シランカップリング剤は、加水分解性基および有機官能基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシ基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、本発明の効果がより優れる理由から、1〜16であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(CnH2n+1O)3−Si−CmH2m−S−CO−CkH2k+1 式(S)
式(S)中、nは1〜3の整数を表し、mは1〜5の整数(好ましくは、2〜4の整数)を表し、kは1〜15の整数(好ましくは、5〜10の整数)を表す。
また、シランカップリング剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、2〜10質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、カーボンブラックを含有するのが好ましい。上記カーボンブラックは、1種のカーボンブラックを単独で用いても、2種以上のカーボンブラックを併用してもよい。
上記カーボンブラックは特に限定されず、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、FEF、GPF、SRF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、50〜200m2/gであることが好ましく、70〜150m2/gであることがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは100〜160℃)で混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明の組成物は、上述のとおり、タイヤにしたときに雪上制動性に優れるため、ウィンタータイヤとして特に有用である。
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造された空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッド(キャップトレッド)に用いた(配置した)空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表す空気入りタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
なお、タイヤトレッド部3は上述した本発明の組成物により形成されている。
n−BuLi(n−ブチルリチウム)(関東化学製:1.60mol/L(ヘキサン溶液),27mL,43.2mmol)を、1,3−ブタジエン(205g,3786mmol)及び2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(東京化成製,0.1mL,0.55mmol)のシクロヘキサン(2.96kg)混合溶液に加えて、室温で6時間攪拌した。反応後、N−トリメチルシリル−1,1−ジメトキシ−2−アザシラシクロペンタン(以下構造)(15g,137mmol)を投入し、重合を停止した。
下記表1〜2に示される成分を、下記表1〜2に示される割合(質量部)で配合した。具体的には、150℃のバンバリーミキサーで2分間混合した。次に、ロールを用いて、硫黄及び加硫促進剤を混合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。
なお、表1〜2中、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAの量について、上段の値は芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA(油展品)の量(単位:質量部)であり、下段の値は、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAに含まれるSBRの正味の量(単位:質量部)である。
得られたタイヤ用ゴム組成物について下記のとおり評価を行った。
得られたタイヤ用ゴム組成物について、JIS K6300−1:2013に準じ、L形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、試験温度100℃の条件で、ムーニー粘度を測定した。
結果を表1〜2に示す。結果は、表1については標準例1−1を100とする指数で表し、表2については標準例2−1を100とする指数で表した。指数が小さいほど粘度が小さく、加工性に優れる。実用上、99以下であることが好ましい。
得られたタイヤ用ゴム組成物(未加硫)について、歪せん断応力測定機(RPA2000、α−テクノロジー社製)を用い、170℃で10分間加硫した後、歪0.56%の歪せん断弾性率G′と歪100%の歪せん断弾性率G′とを測定し、その差ΔG′=G′(0.56%)−G′(100%)をペイン効果として算出した。
結果を表1〜2に示す。結果は、表1については標準例1−1を100とする指数で表し、表2については標準例2−1を100とする指数で表した。指数が小さいほどシリカ分散性に優れる。実用上、83以下であることが好ましい。
得られたタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに配置して空気入りタイヤを製造した。得られた空気入りタイヤを試験車両に装着し、ウェット路面での操縦安定性についてテストドライバーによる官能評価を行った。
結果を表1〜2に示す。結果は、表1については標準例1−1を100とする指数で表し、表2については標準例2−1を100とする指数で表した。指数が大きいほどWET操縦安定性に優れる。実用上、101以上であることが好ましい。
得られたタイヤ用ゴム組成物について、加硫ゴム試験片のtanδ(60℃)を測定した。
結果を表1〜2に示す。結果は、表1については標準例1−1を100とする指数で表し、表2については標準例2−1を100とする指数で表した。指数が小さいほどtanδ(60℃)が小さく、タイヤにしたときに低転がり抵抗性に優れる。実用上、95以下であることが好ましい。
得られたタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに配置して空気入りタイヤを製造した。得られた空気入りタイヤを試験車両に装着し、気温−11℃、雪温−9℃の圧雪路面上において、初速度40km/hより制動し、停止に至るまでの距離を測定し、その逆数を求めた。
結果を表1〜2に示す。結果は、表1については標準例1−1を100とする指数で表し、表2については標準例2−1を100とする指数で表した。指数が大きいほど上記距離が短く、雪上安定性に優れる。実用上、102以上であることが好ましい。
なお、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAは、芳香族ビニル含有量が35〜45質量%であり、ビニル単位含有量が25〜45モル%である、末端が変性された芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムであるため、上述した「芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA」に該当する。
また、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1は、芳香族ビニル含有量(スチレンに由来する繰り返し単位の含有量)が35質量%未満であり、また、ビニル単位含有量が45モル%超であるため、上述した芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA以外の芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムである。そのため、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1は、上述した「芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1」に該当する。
また、ブタジエンゴムb2は、重量平均分子量が15,000を超えるブタジエンゴムであるため、上述した「ブタジエンゴムb2」に該当する。
また、特定変性ブタジエンポリマー1及び2は、Mwが1,000以上15,000以下であり、分子量分布が2.0以下である、末端が変性されたブタジエンポリマーであるため、上述した「特定変性ブタジエンポリマー」に該当する。
・芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1:NS616(末端変性溶液重合SBR、芳香族ビニル含有量(スチレンに由来する繰り返し単位の含有量):21質量%、ビニル単位含有量:63モル%、末端にヒドロキシ基を有する、日本ゼオン社製)
・ブタジエンゴムb2:Nipol BR1220(BR、Mw:49万、日本ゼオン社製)
・シリカ1:ZEOSIL 1165MP(ローディア社製、CTAB吸着比表面積=155m2/g)
・シリカ2:Ultrasil 9000GR(Evonik社製、CTAB吸着比表面積:197m2/g)
・シランカップリング剤1:Si69(ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド)
・シランカップリング剤2:NXTシラン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、上述した式(S)で表されるシランカップリング剤(ここで、上述した式(S)中、n=2、m=3、k=7である。))
・カーボンブラック:ショウブラックN339(キャボットジャパン社製、窒素吸着比比表面積(N2SA)=90m2/g)
・プロセスオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・老化防止剤:Santoflex 6PPD(Solutia Europe社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ステアリン酸YR(日油社製)
・特定変性ブタジエンポリマー1:上述のとおり製造された特定変性ブタジエンポリマー1
・特定変性ブタジエンポリマー2:Polyvest EPST60(Mw:14,100、Mw/Mn:1.90、トリエトキシシリル基を末端に有する変性ブタジエンポリマー、Evonik社製)
・未変性ブタジエンポリマー:Polyvest110(Mw:8,200、Mw/Mn:1.90、末端未変性、Evonik社製)
・加硫促進剤(DPG):Perkacit DPG(Flexsys社製)
・加硫促進剤(CZ):ノクセラーCZ−G(大内新興化学工業社製)
・硫黄:油処理イオウ(軽井沢精錬所社製)
また、表1〜2中、「特定変性ブタジエンポリマー/シリカ」は、上述した「特定変性ブタジエンポリマー/シリカ」を表す。
一方、特定変性ブタジエンポリマーを含有しない標準例1−1、標準例2−1、比較例1−1及び比較例2−1、特定変性ブタジエンポリマーを含有するが特定変性ブタジエンポリマー/シリカが1.0質量%に満たない比較例1−2及び比較例2−2、並びに、特定変性ブタジエンポリマーを含有するが特定変性ブタジエンポリマー/シリカが25.0質量%を超える比較例1−3及び比較例2−3は、加工性、シリカ分散性、WET操縦安定性、低燃費性及び雪上制動性の少なくともいずれかが不十分であった。
同様に、実施例1−2と実施例2−2とを対比したところ、シリカのCTAB吸着比表面積が160m2/g以上であり、シランカップリング剤が上述した(S)で表される化合物である実施例2−2は、より優れた加工性、シリカ分散性、WET操縦安定性、低燃費性及び雪上制動性を示した。
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
Claims (5)
- ジエン系ゴムと、シリカと、変性ブタジエンポリマーとを含有し、
前記ジエン系ゴムが、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAと、前記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムA以外の芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムb1及び重量平均分子量が15,000超であるブタジエンゴムb2からなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分Bとを含み、
前記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAが、芳香族ビニル含有量が35〜45質量%であり、ビニル単位含有量が25〜45モル%である、末端が変性された芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムであり、
前記ジエン系ゴム中、前記芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムAの含有量が30〜50質量%であり、前記ゴム成分Bの含有量が50〜70質量%であり、
前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が、−45℃未満であり、
前記変性ブタジエンポリマーが、重量平均分子量が1,000以上15,000以下であり、分子量分布が2.0以下である、末端が変性されたブタジエンポリマーであり、前記変性ブタジエンポリマーが、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシシリル基、並びに、窒素原子及びケイ素原子を含む官能基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を末端に有し、
前記シリカの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、80〜200質量部であり、
前記変性ブタジエンポリマーの含有量が、前記シリカの含有量に対して、1.0〜25.0質量%である、タイヤ用ゴム組成物。 - 前記変性ブタジエンポリマーが、窒素原子及びケイ素原子を含む官能基を末端に有する、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記シリカのCTAB吸着比表面積が、150〜300m2/gである、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- さらにシランカップリング剤を含有し、
前記シランカップリング剤の含有量が、前記シリカの含有量に対して、1〜20質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに配置した空気入りタイヤ。
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