以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図26を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側(矢印L側)の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側(矢印F側)へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘(図示省略)や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(以下、遊技球やパチンコ球とも称す)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面を覆う正面枠14が設けられている。正面枠14を支持するために正面視(図1参照)左側(矢印L側)の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14が正面手前側(矢印F側)へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側から視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。更に、上皿17の下方に下皿15が正面側へ張り出して形成される。上皿17の底面は右側(矢印R側)に下降傾斜して形成され、上皿17に投入された球がその傾斜により発射供給口17k(図12参照)を通過して球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面(矢印U側面)には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部(矢印L,U側部分)には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側(矢印R側)の電飾部32下側(矢印D側)には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方(矢印D方向)には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側(矢印D側)に位置する下皿15は、上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための球受け部分であって、上面を開放した略箱状に形成されている。下皿15の右側(矢印R側)には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿15の正面下方部には、下皿15に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52を押し込むたびに、下皿15の底面に形成された底面口15aが、開状態と閉状態とで切り替えられる。底面口15aが開状態となると、底面口15aから球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿15の下方に下皿15から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される。以下、同じ)を置いた状態で行われる。下皿15の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿15の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、普通入球口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。なお、図2では、ベース板60の背面側に配設される構造体の図示が省略される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の円弧部材70とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部(矢印U側部分)へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部、矢印L側上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部、矢印R側上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側(矢印R側下方)の先端部と外レール62の右上側(矢印R側上方)の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、第1入球口64、および第2入球口640へ入賞があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、および第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。なお、本パチンコ機10では、特別図柄の低確率状態では、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、60分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、説明の便宜上、第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aが所定時間(規定時間(例えば、30秒)経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている。大当たり種別によって、第1特定入賞口65a及び第2特定入賞口650aの開放パターンが異なって構成される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球すると、その入球回数は入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入球口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、所定の大当たり種別(例えば、大当たりA、大当たりB、大当たりa)の大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するように構成される。一方で、他の大当たり種別(例えば、大当たりC、大当たりb、大当たりc)の大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成される。
なお、大当たり遊技の後の付加価値は、上述したものに限られるものでは無い。例えば、大当たり終了後の付加価値として、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるように構成されるようにしても良い。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、200回でも良い。また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られる物ではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、「普通図柄の時短状態」(時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。また、「通常状態」とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率もアップしていない状態)のことをいう。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、普通図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比較して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、又は、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視右側上部(図2の矢印R,U側部分)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64、または第2入球口640への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球した場合、その入球回数は入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりa、大当たりb、大当たりc)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通入球口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図4参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりb」、「大当たりc」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たりA」、「大当たりa」であれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
次に、第3図柄表示装置81に表示される、遊技盤13の右側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(右打ちナビ)について説明する。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aが開放しやすくなるので、遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入球口640へと球を入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入球口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入球口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して、最大の利益を獲得できる大当たり(大当たりa)となりやすい。よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ第2入球口640へと球を入球させることができないため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を十分に受けられない事態が発生することを防止している。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下(矢印U側および矢印D側)に右向きの(矢印R方向を向いた)矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を受けさせることができる。
次に、本実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81に対して表示される警告画像の一例について説明する。この警告画像は、遊技者が遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において電動役物640aが開放されにくくなるように制御される(右打ちを行ったとしても第2入球口640へと球を入球させにくい)。このため、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入球口64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成している。
通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置81に対して、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
なお、右打ちを行っているか否かの判断方法としては、例えば、右打ちを行った場合に球が流入し得る普通入球口(スルーゲート)67(図2参照)に対して球が入球したか否かによって判断する。
本実施形態では、通常状態において普通入球口(スルーゲート)67(図2参照)に球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像を表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aへと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。また、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aへと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機10の台番号(位置)を判断することができる。
次に、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650において異常が発生していることを検知した場合に表示される警告画像について説明する。ここで、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650の異常が発生した場合とは、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aへの入球を検出した場合などが例示される。
第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650において異常が発生していると判別した場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に「警告」との文字が大きく表示される。また、その下部には、「ゲートエラー係員を呼んで下さい」との文字が表示される。これらの文字により、遊技者は、パチンコ機10においてエラーが発生していると判別することができるので、ホールの店員等に対して迅速に修理等を依頼することができる。
第2図柄表示装置83は、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入球口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方(矢印R側)を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通入球口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通入球口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通入球口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通入球口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方(矢印R方向)に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方(矢印L方向)でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方(矢印D方向)には、球が入賞し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
一方、第1入球口64の正面視下方(矢印D方向)には、球が入賞し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
なお、本実施形態では、遊技領域の最下端部から左右にずれた位置に左右一対のアウト口661が配設され、その間の位置(遊技領域の最下端部付近)に第2入賞口640が配設される。すなわち、左右両側に開閉動作する電動役物640aを備えた第2入賞口640が、アウト口661に左右から挟まれる位置関係で配設される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態、矢印L側に起立する状態、図2参照)となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入球口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態、矢印R側に傾倒(下端付近を起点に傾倒)する状態)となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態中に比較して普通図柄の当たり確率が高く、また、普通図柄の変動表示にかかる時間も短いので、普通図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなる。よって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態に比較して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入球口64は、第2入球口640に設けられているような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入球口64に球が入賞した場合と第2入球口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(出球)が得られる大当たり(大当たりA、大当たりa)となる確率は、第2入球口640へ球が入賞した場合のほうが第1入球口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。
通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入球口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640に入賞しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入球口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入球口640への入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技者を楽しませることができる。
普通入球口(スルーゲート)67の下方には、第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に左右方向に長い開口として配設される第1特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。普通入球口(スルーゲート)67と第2可変入賞装置65の間には、第2可変入賞装置650が配設されている。なお、第2可変入賞装置650の詳細については後述する。
パチンコ機10においては、第1入球口64、または第2入球口640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させる。加えて、大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aが、所定時間(規定時間(例えば、30秒)経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aが所定時間開放される。この第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aの開閉動作は、合算して、所定回数(本実施形態では、15回(15ラウンド))を最大回数として繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量(本実施形態では、1個の球の入賞に基づき15個)の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、遊技盤13の内側へ退避することにより球を第1特定入賞口65aへ案内する開状態を形成する開閉板と、その開閉板を動作させる大開放口ソレノイドとを備えている。開閉板は、通常時は、第1特定入賞口65aに球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドの駆動により開閉板を退避させ球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態とを交互に繰り返すようにソレノイドが作動する。
本実施形態では、遊技者が右打ちを行った場合、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650が開状態であれば高確率で第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aに球が入賞するゲージ構成とされる一方で、第1可変入賞装置65の上流側に一般入賞口63が配置されるので、発射した球の一部が一般入賞口63に入賞することになり、毎回の第1特定入賞口65aの開閉動作の時間(開放時間)に差が生じ易く構成されている。即ち、第1特定入賞口65aが開状態の時に、10個の球を右打ちで打った場合、一般入賞口63に球が入賞しない場合には、10個の球が第1特定入賞口65aに入賞する可能性があるので、10個の球(規定個数の球)の入賞に伴い第1特定入賞口65aが閉状態に移行する。一方で、一般入賞口63に球が入賞した場合には、第1特定入賞口65aへ向かう球の個数が10個未満となるので、残りの球がすべて第1特定入賞口65aに入賞しても、第1特定入賞口65aは開状態のまま維持される。そのため、追加の球の発射を行う必要が生じるので、第1特定入賞口65aの開閉動作の時間(開放時間)に差が生じることになる。
これにより、右打ちで発射された球の内、第2可変入賞装置650の右側を下方へ流下した球のほとんどが第1可変入賞装置65へ案内される盤面の構成であっても、インターバル間止め(可変入賞装置65,650が閉状態の時に可変入賞装置65,650に案内される球が生じないように発射態様を調整すること)を行う場合の大当たり遊技に要する時間の方が、インターバル間止めを行わない場合(打ちっ放しの場合)の大当たり遊技に要する時間よりも延長し易くすることができる。
ここで、遊技の経験値が高い遊技者ほど、球持ちをよくする目的から、インターバル間止めを高頻度で行う可能性がある。一方で、インターバル間止めを行うか否かにより、初心者との間で、同じ大当たり図柄の大当たり遊技によって得られる利益に大きな差が生じては、遊技の公平性を欠く。
これに対し、本実施形態では、インターバル間止めを行う前提で遊技を行う場合、第1可変入賞装置65に案内される前にその上流で一般入賞口63に球が何球入るか不定であることから、何球発射した後で発射を止めるべきかを不定とすることができる。例えば、無駄球を減らすために10球(規定個数)の球を発射して、一般入賞口63に入球した個数だけ後から再度発射することとすると、その分(間隔を空けて新たに発射した球が第1可変入賞装置65に案内されるまでの時間分)、ラウンド遊技Rに要する時間が延びることになるので、インターバル間止めを行う大当たり遊技Rに要する時間を延長することができる。
一方で、この時間の延長は、第1可変入賞装置65に球を案内され難くすることにより生じるものでは無いので、打ちっ放しで大当たり遊技を行う場合、一般入賞口63を通過せずに遊技盤13の正面側を流下した球が第1可変入賞装置65に迅速に案内される。従って、打ちっ放しで大当たり遊技を行う場合に大当たり遊技Rに要する時間が延びることを防止することができる。
このように、本実施形態によれば、インターバル間止めを行う遊技を行う場合の大当たり遊技Rに要する時間を意図的に延ばすことにより、インターバル間止めを行わない場合に遊技者が被る損害(無駄球の発生)とのバランスをとることができる。インターバル間止めを行わない場合は、大当たり遊技が迅速に終了する分、抽選を受ける時間を多く確保することができるので、次に大当たりを獲得するまでの期間を短縮し易くすることができる。従って、遊技の経験値の違いにより、出球個数が大きく変化することを防止することができる。
遊技盤13の下側(矢印D側)における右隅部(矢印R側隅部)には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1入球口64の下方(矢印D側方向)に第1アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入球口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、第1特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208(検出センサ1240、第2検出センサ2255等を含む)、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228(例えば、駆動モータKM1)、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図2に戻って説明する。第2可変入賞装置650は、スルーゲート67の下方において球が流下する領域に配置されると共に、第2特定入賞口650aへ球が案内できるように下端部を軸として右方へ傾倒する開放状態と、同じ軸を中心として左方へ起き上がり球が第2特定入賞口650aへ案内されることを防止する閉鎖状態とで状態変化可能に開閉板駆動ソレノイド(市販のソレノイド、ソレノイド209に含まれる(図4参照))により駆動される開閉板651と、その開閉板651と対向配置され第2特定入賞口650aまで延設されると共に第2特定入賞口650aまで球を案内する導入流路DRの片側(左側)の壁部を形成する球受け壁部652と、第2特定入賞口650aを通過した球が流下する中間流路TRを形成する下側壁部の内、上流側端部から中間流路TRの分岐点まで左方へ延設される上流側下壁部653と、を備える。なお、上流側下壁部653は、水平方向に対して勾配を有する傾斜壁部(本実施形態では、傾斜角度は約5度)として構成される。
また、第2可変入賞装置650は、上流側下壁部653の延設方向に沿って中間流路TRを流下した球が通過可能に前後方向に開口される連通開口654と、中間流路TRの分岐点から下方へ流下した球が通過可能に前後方向に開口される排出開口655と、その排出開口655及び上流側下壁部653の上下方向における間の位置において上流側下壁部653へ左側から近接する態様で凸設される貯留凸部656と、を備える。
また、第2可変入賞装置650は、貯留凸部656の根元側から左下方へ板状に延設され球P1(後述する各ラウンド遊技Rにおいて、開閉板651が開放状態となった後、初めに第2特定入賞口650aを通過した球)が転動可能に構成される球受け底部656aと、その球受け底部656aに上下方向に開口形成されると共に貯留板657の上下動作を支持する支持開口部656bと、を備える。
また、第2可変入賞装置650は、貯留凸部656及び連通開口654の左右方向における間の位置において、中間流路TRから下方へ退避して球の通過を許容する許容状態と中間流路TRの内方(許容状態から上方)へ張り出して球の通過を規制する規制状態とで状態変化可能に貯留板駆動ソレノイド(市販のソレノイド、その他装置228に含まれる(図4参照))により駆動される貯留板657と、中間流路TRの上壁部の内、貯留凸部656に対して上下方向に対向配置されると共に貯留板657に近づくほど下降傾斜する球受け上壁部658と、を備える。
図5は、第2可変入賞装置650の内部流路の部分正面図である。球受け壁部652の下端部は、閉鎖状態における開閉板651との間隔W1が球の直径の2倍以上となる位置に配置される。これにより、導入流路DRに球が残留している間に別の球が第2特定入賞口650aを通過して、開閉板651が閉鎖状態へ動作する間に追加でもう1球、導入流路DRへ入球した場合であっても、導入流路DRの幅が十分確保されているので、導入流路DRから球がはみ出して開閉板651と衝突したり、開閉板651に球が重みをかけ続けたりすることを回避できることから、その球により開閉板651の閉鎖動作が阻害されることを防止することができる。
第2可変入賞装置650の内部流路は、第2特定入賞口650aの下流において、前後幅が球の直径よりも若干長くされ、上流側下壁部653が一辺を構成する流路および貯留板657の下流側の流路の上下幅は球の直径の約1.1倍の幅寸法で構成される。これにより、球がスムーズに流下すると共に、後の球が先の球を追い抜かすことを防止することができる。なお、上流側下壁部653の左方かつ貯留板657の右方の領域は、他の領域に比較して、上下幅が長くされる。これにより、上流側下壁部653の左方へ放射された球を放物線軌道で流下させやすくすることができる。
連通開口654は、後述する転動流路部870の正面側に配置されており、通過した球を転動流路部870の転動路形成部874に案内する開口である。
貯留板657には、第2特定入賞口650aを通過した一部の球が当接する。なお、開閉板651を通過してから貯留板657に球が到達するまでの期間が1秒間を超えないように、第2可変入賞装置650の内部形状が設計される。なお、開閉板651を通過してから貯留板657に球が到達するまでの期間を1秒間と設定した理由は、貯留板657の状態変化のタイミングとの関係に因るが、詳しくは後述する。
球受け上壁部658は、上流側下壁部653を転動する球の流下方向に対向配置され、転動する球を受け止める受け止め部658aと、その受け止め部658aの下端から下方へ延設され流下途中の球の流下角度を調整する流下角度調整部658bと、を備える。
受け止め部658aは、上流側下壁部653の下降傾斜の勾配よりも大きい勾配の直線KB1(本実施形態では、水平方向に対する傾斜角度が約30度)に沿って下降傾斜し、流下角度調整部658bは、直線KB1の勾配よりも大きい勾配の直線KB2(本実施形態では、水平方向に対する傾斜角度が約40度)に沿って下降傾斜する。これにより、球受け上壁部658に当接しながら流下する球の速度の向きを、左向きから下向きに徐々に変化させることができ、貯留板657に衝突した際に球が右方に跳ね返ることを防止することができる。
図6及び図7を参照して、貯留凸部656の形状および球の流下態様について説明する。図6及び図7は、第2可変入賞装置650の内部流路の部分正面図である。なお、図6では、中間流路TRに案内され、上流側下壁部653を転動してきた球P1が規制状態の貯留板657に当接し流下を規制される状態が、図7では、図6の状態の後で、中間流路TRを流下してきた球P2が球P1と衝突する状態が図示される。
図6に示すように、貯留凸部656は、上流側下壁部653の左下端部よりも球の半径ra以上下方において、直線KB2と同様の勾配で凸設され、上流側下壁部653の左下端部と貯留凸部656との離間幅H1は、球の直径(半径raの2倍)よりも若干長く設定される(本実施形態では、球の直径の1.3倍の長さで設定される)。なお、球P1が貯留凸部656よりも右方へはみ出す場合には、離間幅H1の長さを、貯留板657に流下を規制された球P1と上流側下壁部653との間隔を基準として定義しても良い。この場合には、離間幅H1を、球P1が貯留凸部656から離間幅H1を規定する直線に沿ってはみ出す寸法と、球の直径との合計よりも若干長く設定することで、球P2が通過するのに十分な離間幅H1を確保することができる。
加えて、貯留凸部656は、貯留板657に流下を規制され停留した1個目の球の外周に上面が沿う態様(上面形状および位置関係)で凸設される。従って、球P1は、貯留板657と衝突する際に貯留凸部656に右下方から支えられることになるので、球P1が貯留板657に到達した時や、後から来る球P2と球P1とが衝突した時等に貯留板657から与えられる右向きの負荷により、球P1が右方に跳ねることを抑制することができる。即ち、球P1を図6に示す位置で維持し易くすることができる。
なお、貯留凸部656の凸設長さが貯留板657に流下を規制された球P1の右端部を越えない範囲で設定される場合には、図7に示すように、球P1に衝突し、上流側下壁部653と貯留凸部656との間を流下する球P2が貯留凸部656と衝突することを回避することができるので、球P2をスムーズに排出することができる。
球受け壁部658は、貯留板657に流下を規制され停留した球P1の右半球との離間幅の極小値である極小離間幅MIH2が、球P2の直径未満に設定される。これにより、球P2が、球受け壁部658と球P1との間を通り球P1の中心よりも左方へ通過することが寸法関係上規制される。
上述した構成により、本実施形態によれば、中間流路TRを流下する球P1は、矢印X1に沿って上流側下壁部653を転動し、球受け上壁部658に衝突し流下方向を調整された後で貯留板657に衝突し、停留する(図6参照)。
本実施形態では、貯留凸部656の先端(離間幅H1の一端)が矢印X1(球P1の流下軌跡に沿った矢印)よりも下方に配置されることから、球P1が貯留凸部656の先端に衝突する可能性を低くでき、矢印X1に沿って流下する球P1が貯留凸部656と湾曲壁部655aとの間に落下することを防止することができる。加えて、矢印X1の向き(左下向き)と、貯留凸部656及び湾曲壁部655aの間の通路の開口方向(離間幅H1として図示される矢印に直交する方向、右下向き)とが、左右逆向きで構成されるので、球P1が右向きに跳ね返されない限り、球P1が貯留凸部656と湾曲壁部655aとの間に落下することを防止することができる。
ここで、本実施形態では、矢印X1に沿って上流側下壁部653を離れた球P1は、球受け上壁部658の受け止め部658aに衝突するところ、受け止め部658aの勾配は水平方向に対して約30度とされ、上流側壁部653の勾配は水平方向に対して約5度とされるので、球P1の受け止め部658aに対する入射角は65度となる。衝突後、反射角65度で球P1が跳ね返ったとすると、球P1は、跳ね返された後も左方への速度成分を有することになり、右向きに跳ね返されることは無い。従って、球P1が貯留凸部656と湾曲壁部655aとの間に落下することを防止することができる。
図6及び図7に示すように、支持開口部656bは、上下方向の一点において貯留板657へ向けて凸設される突起部を備えており、その突起部により貯留板657が支持される。また、貯留板657は、下端部において左右方向に若干のがたつきを持たせた状態で、貯留板駆動ソレノイド(市販のソレノイド、その他装置228に含まれる(図4参照))に支持される。従って、貯留板657は、左右方向の負荷により、がたつき易い構成とされる。
このがたつきにより、球P1が貯留板657に衝突した時や、球P2が球P1に衝突すること(図7参照)に伴い球P1が貯留板657を押圧した時に生じる負荷を吸収することができる。これにより、貯留板657に与えられる衝撃を緩和し、貯留板657の耐久性を向上することができると共に、球P1が貯留板657に衝突後に跳ね返る距離を短くすることができることから、球P1が誤って貯留凸部656を越えて右方へ跳ね返り、貯留凸部656と湾曲壁部655aとの間を流下することを防止することができる。
これに対し、球P2は、球受け壁部658を流下した後、矢印X2に沿って流下し、球P1の右半球と球受け上壁部658との間で左方への移動を規制された後、球P1の外周面に沿って流下し、排出開口655へ案内される。
なお、貯留板657が許容状態とされるタイミングは、球P2が貯留凸部656と湾曲壁部655aとの間を通過した後の時点として規定される。例えば、第1の演出例として後述するように、貯留板657の動作タイミングは、開閉板651が閉鎖状態となる間際に開閉板651を通過した球が貯留凸部656と湾曲壁部655aとの間よりも上流側に配置され得る時間(作動時間T1の最大時間である30秒間と、開閉板651を通過した球が貯留板657に到達するまでの時間である1秒未満の時間との合計である31秒弱の時間)よりも、長い時間である作動時間TSa(35秒間)が、作動時間T1の開始から経過した時に設定される。
従って、球P2が貯留凸部656の左側下方へ流下することを防止することができるので、貯留板657が許容状態となった時に貯留板657を通過して流下する球を、球P1に限定することができる。
なお、本実施形態では、流下する球を案内する壁部として貯留凸部656と対向配置され、上流側下壁部653の左下端から排出開口655まで延設される湾曲壁部655aが、球P1の中心付近を軸とする円弧形状で形成される。これにより、球P1の外周面に沿って流下する球P2の円弧方向の勢いを利用して、球P2を排出開口655まで案内することができる。
また、球P2を円弧形状の壁でガイドせず落下させる場合には球P2の速度方向が上下方向寄りになり、重力で加速しやすく、大きな跳ね返りが生じる(跳ね戻る)おそれがあることに比較して、本実施形態では、湾曲壁部655aにより排出開口655の正面側に到達した球P2の速度方向を、球P1の中心を軸とした円の接線方向(水平方向成分を十分に有する方向)に向けることができる。加えて、本実施形態では、湾曲壁部655aに当接しながら流下する球の速度は、その流下途中に、左右で反転することになるので、左右方向の速度が過剰に大きくなることもない。
従って、重力による球P2の過剰な加速を抑制しながら、左右方向の加速が生じることも抑制でき、ほぼ等速移動(等速回転移動)で球P2を流下させることができる。これにより、球P2が排出開口655の正面に到達した際に跳ね戻ることを抑制することができ、球P2をスムーズに排出することができる。
上述したように、本実施形態では、貯留板657が規制状態の際に、最初に中間流路TRを流下した球を、貯留板657の右方に1個だけ停留させることができ、球P1を停留させた状態から貯留板657を許容状態に切り替えることによって(図6の状態から下方へ退避させることによって)、球P1を左方へ流下させ連通開口654を通じて球演出装置800へ供給することができる。
図8は、遊技盤13及び背面ケース200の分解正面斜視図である。背面ケース200は、遊技盤13の背面に締結固定されると共に正面側が開放された箱状のユニットである。背面ケース200の内側下部には、球演出装置800が配設される。第2可変入賞装置650に入球し、連通開口654を通過した球は、球演出装置800の転動流路部870に供給される。球演出装置800は、遊技盤60を通して遊技者に視認されると共に、球を用いた演出を行う装置である。
次いで、球演出装置800について説明する。図9は、球演出装置800の正面斜視図であり、図10及び図11は球演出装置800の分解正面斜視図であり、図12は、球演出装置800の背面斜視図であり、図13及び図14は球演出装置800の分解背面斜視図である。
球演出装置800は、第2特定入賞口650aを通過した球を用いて演出を行う装置であって、背面ケース200の下部に締結固定されるベース部材810と、そのベース部材810の背面側に締結固定されると共にベース部材810との間に球の流下経路を形成する流路構成板820と、その流路構成板820の背面側に配設されると共に駆動モータKM1の駆動力を伝達する伝達機構部830と、その伝達機構部830により伝達される駆動力で回転すると共に、内部に球を収容可能に構成される回転円板840と、その回転円板840の下半部を正面側から覆うと共にベース部材810に締結固定される正面カバー850と、ベース部材810の左右両端部における正面側および背面側に締結固定される左右カバー860と、第2入賞口640を通過した球の内、球演出装置800まで到達した球を回転円板840まで案内する転動流路部870と、を主に備える。
ベース部材810は、板状に形成され、球が通過可能な大きさで形成される貫通孔KH1,KH2及び回転円板840を軸支する軸孔JHを有する本体板部811と、その本体板部811の背面側へ板状に延設され、貫通孔KH1,KH2を含む範囲を囲う溝を形成する外側壁部812と、その外側壁部812に囲われる範囲において貫通孔KH1,KH2との間を仕切る仕切板として本体板部811の背面側へ板状に延設される仕切壁部813と、その仕切壁部813の下端部付近において仕切壁部813と外側壁部812とにより形成される溝の左右方向に亘る範囲でベース部材810の板厚方向に貫通形成される一対の貫通長孔814と、本体板部811の左右に離間した位置において本体板部811の前後寸法よりも長い前後幅で形成されると共に本体板部811の上下端付近で連結され、本体板部811との間で前後方向に空く空間を形成する離間枠板815と、本体板部811の左下部において駆動モータKM1が締結固定されるモータ支持部816と、貫通長孔814の下方において第2仕切板813bの左右に形成される流路のどちらの流路を流下した球も受け入れると共に、右側へ向けて下降傾斜する板状の終端合流板部817と、を主に備える。
外壁部812は、第1貫通孔KH1付近における上側枠部812aと、第2貫通孔KH2よりも下方における下側枠部812bとが、同様の延設長さとされ、上側枠部812a及び下側枠部812bの間を第2貫通孔KH2付近において連結する中間枠部812cが、上側枠部812a及び下側枠部812bの延設長さよりも若干短い延設長さで形成される。
仕切壁部813は、第1貫通孔KH1及び第2貫通孔KH2の近接側を仕切る第1仕切板813aと、第2貫通孔KH2の鉛直方向に延びる辺に沿って延設される第2仕切板813bと、第1仕切板813a及び第2仕切板813bを連結すると共に軸孔JHを形成する筒状の仕切筒部813cと、を主に備える。
第1仕切板813a及び第2仕切板813bの背面側へ向けた延設長さは、外側壁部812の上側枠部812a及び下側枠部812bと同様の延設長さとされ、仕切筒部813cの軸方向の延設長さは、第1仕切板813a及び第2仕切板813bの背面側へ向けた延設長さよりも若干長い延設長さで形成される。
第1仕切板813aの上面は、仕切筒部813cに近接する側へ向けて下降傾斜し、仕切筒部813cに近接する側の端部が仕切筒部813cの上端位置に連結される。これにより、第1仕切板813aの上面を転動する球は、仕切筒部813cの上端位置でせき止められることなく(減速されることなく)、仕切筒部813cの上方を右方へ通過させることができる。
第2仕切板813bは、仕切筒部813cの中心軸を通り鉛直方向を向いた直線上に形成される。
貫通長孔814には、球の通過を検出する検出センサSC1,SC2が挿通される。
離間枠板815は、本体板部811との空間を通過する態様で本体板部811側へ延設される細幅の棒状部であって、本体板部811に連結される棒状連結部815aを備える。
棒状連結部815aは、左右カバー860の装飾部861を締結固定する際に締結部861a1を支持する孔空き円板形状の支持部815a1と、その支持部815a1の直径よりも幅寸法および厚さ寸法が短い細幅棒部815a2と、を備える。
モータ支持部816に締結固定された駆動モータKM1は、本体板部811の背面側に回転軸を突出させ、その回転軸に駆動ギアKG1が固着される。
終端合流板部817は、貫通長孔814よりも右方の位置において鉛直下方へ向けて屈曲する形状とされる。終端合流板部817は、球の直径よりも若干長い幅を空けて終端合流板部817と同様の屈曲形状で構成されると共に終端合流板部817と対向配置され、終端合流板部817との間に球が通過可能な流路を形成する対向板部817aと、終端合流板部817及び対向板部817aから互い違いの位置でリブ状に突出される突出リブ817bと、を備える。
本実施形態では、後述するいずれの演出例においても、短時間の間に複数個の球が検出センサSC1,SC2を通過することが無いように制御される。そのため、検出センサSC1,SC2を通過した球が単一の流路に案内されるように構成したとしても球が噛み合うことが無いので、検出センサSC1,SC2の下流側の流路を一本化できることから、流路の配置スペースを縮小することができる。
また、終端合流板部817に球が到達する間隔を長く空けられることから、突出リブ817bで球の流下速度を減速させたとしても、後追いの球が先の球に追いつくことが無いようにすることができる。従って、球演出装置800から排出される球の流下速度を減速させることができるので、球演出装置800から排出されたタイミングで球の通過を検出するセンサを配置する場合、そのセンサの検出の精度を確保することができる。
流路構成板820は、外側壁部812により形成される溝を覆う大きさの板から形成される本体板部821と、その本体板部821に穿設される嵌合孔822と、その嵌合孔822の下方に間隔を空けて背面側へ凸設される複数個(本実施形態では3個)の支持凸部823と、嵌合孔822及び複数の支持凸部823を中心とする円であって、伝達機構部830を構成する各ギアの外形よりも大径の円の外形に沿って本体板部821の背面側へ延設される連設円形外枠824と、その連設円形外枠824の下方において板状に延設され配線を上側へ寄せる配線仕切板825と、本体板部821の正面側に左右一対で凸設される位置合わせ凸部826と、検出センサSC1,SC2と対向配置されるセンサ支持部827と、連設円形外枠824の上端位置に配設され伝達機構部830のギアの回転角度を検出する角度検出センサKSC1と、を主に備える。
本体板部821は、仕切筒部813cと嵌合孔822とが嵌合した状態で正面側側面が第1仕切板813a及び第2仕切板813bの延設端と当接する。これにより、本体板部8211に対する流路構成板820の面方向(板厚方向に直行する方向)の位置合わせを行いつつ、仕切壁部813により形成される溝の開放側(背面側)を本体板部821で蓋をすることで、球が流下可能な流路を構成することができる。
連接円形外枠824は、最下端の支持凸部823の略左側半部の形成が省略される。これにより、最下端の支持凸部823に軸支される伝達ギアDGの左側半部がむき出しとなり、そのむき出しの箇所において、駆動ギアKG1と歯合される。
一対の位置合わせ凸部826は、間隔が最も狭められる当接凸部826aと、その当接凸部826aの下端から外側壁部812の厚さ寸法だけ互いに離間する方向に延設され、その延設端から下方へ延設される挟み凸部826bと、を備える。
当接凸部826aは、中間枠部812cの下端部付近に対向配置され、凸設先端が中間枠部812cの延設先端と当接する。
挟み凸部826bは、左右方向への延設部の下面が下側枠部812bの上端面と対向配置され、上下方向の延設部の第2仕切板813b側の面が下側枠部812bの外側面と対向配置される。本実施形態では、これらの対向間隔が微少長さとなるように挟み凸部826bの形状が設定されるので、挟み凸部826を下側枠部812bに嵌合させることにより、ベース部材810に対する流路構成板820の位置合わせを容易に行うことができる。これにより、ベース部材810に対する流路構成板820の組み付け作業を効率よく行うことができる。
センサ支持部827は、検出センサSC1,SC2の外形に対応(補完)する形状で突説され、検出センサSC1,SC2の開口径方向への位置ずれを防止する位置ずれ防止凸部827aと、検出センサSC1,SC2の上端位置よりも上方に配置され、下方へ行く程、凸設長さが長くなる態様で傾斜形成され、その傾斜方向の延長線が検出センサSC1,SC2の開口内に入る形状とされる球流し凸部827bと、を主に備える。
検出センサSC1は、本実施形態では、球の通過を検出することにより遊技者にとって利益となる報知を行うものとして構成され、検出センサSC2は、検出センサSC1と異なり、球の通過を検出することにより全く報知を行わなかったり、検出センサSC1の球の通過が検出された場合よりも遊技者に与える利益の程度が低い報知を行ったりするものとして構成される。
角度検出センサKSC1は、発光素子と受光素子とからなるフォトカプラに代表される周知の光学式センサであって、被検出ギアSGの被検出部SGbにより光が遮られることにより被検出ギアSGの姿勢を判定する。なお、被検出部SGbが角度検出センサKSC1に遮られた状態において、回転円板840は後述する第1受取状態を構成する。
伝達機構部830は、複数の支持凸部823に回転可能軸支される複数の伝達ギアDGと、嵌合孔822の中心軸と回転軸を一致させる位置に配置され、伝達ギアDGに歯合される被検出ギアSGと、複数の伝達ギアDG及び駆動ギアKG1を背面側から覆うと共に左側の端部に配置される左側締結孔831dがベース部材810に、右側の端部に配置される右側締結孔831cが流路構成板820にそれぞれ締結固定される覆設板831と、を備える。
被検出ギアSGは、軸孔が断面D字形状に形成されることにより回転円板840の軸棒部843に相対回転不能に連結されるギア部材であって、回転軸に沿ってベース部材810側に筒状に延設される筒状部SGaと、径方向外方へ向けて板状に延設される被検出部SGbと、を備える。
筒状部SGaは、軸方向に断面D字形状の軸孔が穿設され、外周直径が仕切筒部813cの内周直径よりも若干短く形成される。そのため、筒状部SGaが仕切筒部813cに嵌合した状態において、被検出ギアSGは回転可能な状態を維持すると共に、仕切筒部813cの中心軸に回転軸が一致する態様で位置決めされる。
被検出部SGbは、角度検出センサKSC1の検出溝の内側を通過可能な長さで形成される。被検出部SGbが角度検出センサKSC1の検出溝の内側を通過することにより、MPU221は被検出ギアSGの姿勢を判定することができる。
複数の伝達ギアDGは、支持凸部823に回転可能に軸支され、その軸支された状態で流路構成板820がベース部材810に締結固定されることにより最下端の伝達ギアDGが駆動ギアKG1と歯合可能となる位置関係とされる。
この場合、伝達ギアDGが支持される部材と、駆動ギアKG1が支持される部材とが異なることから、組立時にランダムに生じる部材間の位置ずれにより歯合関係に違いが生じ、伝達機構部830に生じる駆動抵抗を一律化することが困難となるという問題点が生じることが予想される。
これに対し、本実施形態では、覆設板831が、正面側側面において複数の支持凸部823と対応する位置に凹設されると共に支持凸部823に嵌合される凹設部831aと、駆動ギアKG1の軸周りの円筒部KG1aと対応する位置に穿設されると共に円筒部KG1aの外周よりも若干大径に形成される支持孔部831bと、を備える。これにより、伝達ギアDGが軸支される支持凸部823と駆動ギアKG1の円筒部KG1aとの位置関係を単一の部材により位置決めすることができるので、伝達ギアDGと駆動ギアKG1との位置関係を覆設板831の設計誤差の範囲内で規定することができる。
覆設板831は、流路構成板820に締結される際にビスが挿通される貫通孔であって右側端部に配置される右側締結孔831cと、ベース部材810に締結される際にビスが挿通される貫通孔であって左側端部に配置される左側締結孔831dと、を備える。
ここで、覆設板831が流路構成板820に右側締結孔831cを介して締結固定された状態において背面視で覆設板831に遮蔽されない範囲(被らない範囲)において、流路構成板820をベース部材810に締結するビスが配置される。これにより、ベース部材810に対する流路構成板820及び覆設板831の組み付け順序の自由度を向上させることができる。
例えば、ベース部材810に流路構成板820を締結固定してから、覆設板831を締結固定しても良い。また、例えば、流路構成板820に覆設板831を締結固定した状態で、流路構成板820をベース部材810に締結固定しても良い。
例えば、流路構成板820に覆設板831を締結固定した状態で、覆設板831をベース部材810に締結固定しても良い。この場合、仮止めの状態で、駆動ギアKG1と伝達ギアDGとの歯合関係の確認が、駆動モータKM1を駆動させつつ行うことができると共に、流路構成板820はベース部材810に対しては浮いた状態(締結されていない状態)であるので、歯合関係に不具合がある場合には覆設板831とベース部材810との締結を解除するのみ(左側締結孔831dのビスを取り外すのみ)で流路構成板820ごと伝達ギアDGを駆動ギアKG1から離すことができる。これにより、ベース部材810と流路構成板820とを締結固定する場合に比較して、ビスの付け外しにかかる時間を削減できる分、歯合関係の確認に要する時間を短縮することができる。
回転円板840は、球の直径(半径raの2倍)と同等の厚みの円板形状に形成される本体部841,842と、その回転本体部841,842の中心に一端が固着され他端が背面側へ張り出す金属棒状の軸棒部843と、その軸棒部843に若干の隙間を空けて外嵌されると共に小径部の外周径が軸孔JH及び仕切筒部813cの内周径よりも若干短く形成される円筒状のカラー部材844と、回転本体部841,842に穿設される第1案内孔845と、その第1案内孔845よりも軸棒部843側の側面が軸棒部843に近接配置される第2案内孔846と、を備える。
軸棒部843は、カラー部材844に挿通された状態でベース部材810の軸孔JH及び仕切筒部813cに挿通される部分であって、他端の外形が被検出ギアSGの軸孔の内側面の形状と同程度の大きさで形成される。これにより、軸棒部843の他端に被検出ギアSGを嵌合させることができる。なお、本実施形態では、軸棒部843の他端側先端部の外周に、市販のEリングを径方向から嵌め込み可能な嵌合溝が形成される。これにより、軸棒部843を軸孔JHに挿通し、軸棒部843に被検出ギアSGが嵌合された状態で、軸棒部843が軸孔JHから抜けることを防止できる。
カラー部材844は、上述の形状で構成されることにより、軸孔JH及び仕切筒部813cに対するカラー部材844の位置ずれが抑制され、軸棒部843の位置合わせを行うことができると共に、軸孔JH,仕切筒部813c及び軸棒部843に対して相対回転することで、軸棒部843の回転時の抵抗を低減することができる。これにより、回転円板840の回転時に必要な駆動力を低減することができるので、駆動モータKM1の発熱の程度を抑えることができる。
上述したように、軸棒部843の他端には被検出ギアSGが嵌合される際に、筒状部SGaが仕切筒部813cに挿通される。即ち、軸棒部843は、本体部841,842に近い側がカラー部材844を介して、本体部841,842から遠い側(他端側)が被検出ギアSGの筒状部SGaを介して、それぞれ軸孔JH又は仕切筒部813cに回転可能に軸支される。これにより、軸棒部843の中心軸と、軸孔JH及び仕切筒部813cの中心軸とを合致させたまま、安定的に回転円板840の回転動作を行わせることができる。
図15から図18を参照して、回転円板840の構成の詳細について説明する。図15は、回転円板840の分解正面斜視図であり、図16は、回転円板840の分解背面斜視図である。図15及び図16に示すように、回転円板840は、円形状の板の周囲を囲む態様で厚み方向に湾曲壁が延設されることにより厚み方向の一方が開放される正面側本体部841と、その正面側本体部841の厚み方向の一方から締結固定される板状部材であって正面側本体部841の開放範囲を狭める背面側本体部842と、を備える。
正面側本体部841は、円板形状の板状部841aと、その板状部841aの正面側側面から案内孔845,846の外形に沿って軸方向に凸設される周囲凸設部841bと、その周囲凸設部841bと同じ凸設長さで軸棒部843を中心とした円弧に沿って凸設されると共に周囲凸設部841bと回転方向で連続的に形成される連結凸設部841cと、板状部841aの周囲から周囲凸設部841bの反対側へ延設される外枠筒状部841dと、その外枠延設部841dの延設方向と同じ方向へ第1案内孔845の周囲に筒状に延設される第1筒状部841eと、その第1筒状部841eと平行な方向へ同様の延設長さで第2案内孔846の周囲に筒状に延設される第2筒状部841fと、その第2筒状部841fと同様の延設長さで延設され、軸棒部843を嵌入可能な形状から形成される軸棒嵌入部841gと、板状部841の背面から、軸棒部843を通る直線の両側において柱状に凸設され、その凸設先端に小径の位置決め部を有する一対の位置決めピン841hと、その一対の位置決めピン841hを結ぶ直線と交差すると共に軸棒部843を通る直線の両側において柱状に凸設され、その凸設先端にビスが螺入可能なビス孔が形成される一対の螺入柱部841iと、を主に備える。
このように、正面側本体部841は、外枠筒状部841dの長さ分の厚みを持ちながら、その厚み分だけ詰まった円板形状で構成される場合に比較して、重量を落とすことができる。これにより、回転に必要な駆動力を低減することができる。
第1筒状部841eは、短手方向の側面が、板状部841aから延設端部へ向かうほど間隔が広がる態様で傾斜形成される(図21参照)。これにより、第1筒状部841eに進入した球を背面側へスムーズに排出することができると共に、成型時に、第1筒状部841eの内周面を形成する型部材の抜き工程を行いやすくすることができ、製品不良の発生を抑制することができる。
第2筒状部841fは、軸棒部843から遠い側における側壁部の延設端部から第2筒状部841fの開口面積を狭める態様で軸棒部843側へ延設される部分蓋部841f1と、第2筒状部841fの内周面と部分蓋部841f1とを連結する板状部であって部分蓋部841f1へ近接するほど(第2筒状部841fの延設端側へ向かうほど)、軸棒部843から遠い側の内周面から離反する態様で傾斜する傾斜面が形成される一対の傾斜板部841f2と、軸棒部843に近い側における側壁部の延設端部から延設基部(板状部841a)側へ凹設される凹設部841f3と、を備える。
第2筒状部841fは、直線TLに沿った両側面が、互いの間隔が延設端部へ向かうほど広がる態様で傾斜形成される。そのため、第2筒状部841fの長手方向が重力方向に沿う姿勢において球が第2筒状部841fに配置されると、第2筒状部841fの側面の傾斜に沿って球が背面側へ転動開始する。
一対の傾斜板部841f2は、対向面が球の半径ra程度離れて配置され、部分蓋部841f1から遠い側の端部が、第2筒状部841fの延設方向の中心位置に配置されると共に、軸棒部843から遠い側の第2筒状部841fの直線NLに沿った側面から球の半径raの約半分程度、軸棒部843側へ張り出している。
凹設部841f3は、第2筒状部841fの開口の長手方向(直線NL)の中心位置に中心が配置されると共に、第2筒状部841fの延設端部へ向かうほど長手方向に均等に凹設幅が徐々に拡大され、その凹設幅は、本実施形態では、延設端部で球の半径ra程度(5.5[mm]程度)とされ、板状部841a付近で球の半径raの半分程度とされる。
位置決めピン841hの柱状部分の凸設長さと、螺入柱部841iの凸設長さとは同じとされ、その凸設長さは第1筒状部841e及び第2筒状部841fの延設長さよりも(本実施形態では、背面側本体部842の板状部842aの厚み寸法だけ)短くされる。
背面側本体部842は、外周面の直径が外枠筒状部841dの内周面の直径よりも小径に形成される円板形状の板状部842aと、第1筒状部841e、第2筒状部841f及び軸棒嵌入部841gの外形よりも若干大きな外形で板状部842aに穿設される被挿通孔842bと、位置決めピン841hと合致する位置において位置決めピン841hの位置決め部よりも若干大きな径で穿設される一対の位置決め孔842cと、螺入柱部841iと合致する位置においてビスを挿通可能に穿設される一対のビス受け孔842dと、板状部842aの背面に規則的に密集配置され、板状部842aの背面から同様の凸設長さで無数に凸設されると共に、凸設先端が先細りする形状から形成される先細り凸設部842eと、を備える。
被挿通孔842bは、第1筒状部841eと軸棒嵌入部841gとの間の隙間に侵入する部分であって、他の部分よりも対向間隔が狭められる侵入部842b1を備える。この侵入部842b1は、背面側本体部842の組み付け間違いを防止する部分として作用する(図17(c)参照)。
先細り凸設部842eは、対向配置されるベース部材810の本体板部811との間で生じる摩擦力を低減する部分である。即ち、先細り凸設部842eが、無数の先細り形状の凸設部から形成されることにより、回転円板840の背面側側面とベース部材810の正面側側面との接触が点接触となると共に、接触時の空隙が多くなることから、発生する摩擦力を小さくすることができる。これにより、回転円板840のベース部材810との接触による動作抵抗を低減することができる。
図17(a)は、回転円板840の正面図であり、図17(b)は、図17(a)のXVIIb−XVIIb線における回転円板840の断面図であり、図17(c)は、回転円板840の背面図であり、図18は、回転円板840の外形のみを抜き出した回転円板840の模式的な正面図である。なお、図18では、正面側端部における各案内孔845,846の外形が図示される。
図17(b)に示すように、背面側本体部842は正面側本体部841の背面側端面よりも背面側に配置される。これにより、組立状態(図9参照)において、ベース部材810の本体板部811と正面側本体部841との間に背面側本体部842を配置することができるので、本体板部811と当接する箇所を背面側本体部842に限定することができる。
また、外枠筒状部841dと、背面側本体部842の外周端との間に隙間VAがリング状に連続的に形成される。即ち、正面側本体部841と背面側本体部842との間の空間INNEと、その外方の空間OUTEとは、リング状の隙間VAを通して連続的につながる。
従って、空気の流れを作ることにより、空間INNE及び空間OUTEで空気の入れ換えを行ったり、一方の空間から他方の空間へ空気を排出したりすることができる。本実施形態では、リング状の隙間VAが正面側本体部841の背面側に形成されるので、空間INNEから空気が排出される場合、専ら正面側本体部841の背面側へ排出するようにすることができる。本実施形態では、正面側本体部841の背面側に基板862が配設され、正面側本体部841から基板862までの間が仕切られない(本体板部811と離間枠板815との間の空間でつながれる)ことから、空間INNEから排出された空気を基板862に当てることができる。これにより、基板862に配設される電子部品を冷却することができる。
図17(c)に示すように、背面側本体部842の被挿通孔842bは、カラー部材844の外形よりも大きな形状とされる。そのため、カラー部材844の有無によらず、背面側本体部842の正面側本体部841への付け外しを行うことができる。
<姿勢合わせについて>
背面側本体部842を正面側本体部841に組み付ける際の姿勢の合わせ方について説明する。侵入部842b1が第1筒状部841e及び軸棒嵌入部841gとの間の隙間に侵入した状態で背面側本体部842は正面側本体部841に締結固定されるので、組み付け作業においては、最初に、嵌入軸棒部841gに被挿通孔842bの中心部を合わせた状態で侵入部842b1を第1筒状部841e及び軸棒嵌入部841gとの間の隙間に配置する。
この状態において、背面側本体部842の裏表が正しければ、位置決め孔842bと位置決めピン841hとの位置が合致することに伴い、螺入柱部841iとビス受け孔842dとの位置が合致し、背面側本体部842を正面側本体部841に締結固定することができる。
一方、背面側本体部842の裏表が逆であれば、位置決め孔842bと位置決めピン841hとの位置が合致しないことに伴い、螺入柱部841iとビス受け孔842dとの位置が合致しないので、作業者に背面側本体部842の裏表が逆であることに気付かせることができる。従って、背面側本体部842の裏表が逆の状態で組み付け作業を継続することを防止することができる。
即ち、本実施形態では、侵入部842b1の配置を合わせることにより背面側本体部842の姿勢を迅速に合わせることができると共に、位置決めピン841h及び螺入柱部841iと位置決め孔842c及びビス受け孔842dとの位置関係が正しいときにのみ締結固定可能とされることから、裏表逆転の組み付け間違いを防止することができる。これにより、組み付け作業の作業効率を向上させることができる。
図18に示すように、第1案内孔845と第2案内孔846とは、軸棒部843を基準とした配置、及び形状が異なる。なお、第1案内孔845及び第2案内孔846の長手方向(直線NLの方向)の最大長さ(長手方向幅)は同じに設定される。以下、第1案内孔845及び第2案内孔846の配置について詳細に説明する。
第1案内孔845及び第2案内孔846は、軸棒部843の中心軸を通る共通の直線TLと短手方向とが同じとされると共に、その直線TLと直交する直線NLと長手方向とが同じとされる長孔形状の貫通孔である。即ち、第1案内孔845及び第2案内孔846は、長手方向が平行となるように整列し、直線TLが長手方向の中心位置となる態様で配設される。
第1案内孔845は、軸棒部843と、軸棒部843に近い側の内側面との間隔(最短位置の間隔)が長さR1に、軸棒部843と、軸棒部843から遠い側の内側面との間隔が長さR2に、それぞれ設定される。
第2案内孔846は、軸棒部843と、軸棒部843に近い側の内側面との間隔(最短位置の間隔)が、長さR1よりも短い長さR3に(R3<R1)、軸棒部843と、軸棒部843から遠い側の内側面との間隔が長さR4に、軸棒部843と部分蓋部841f1の延設先端との間隔が長さR5に、それぞれ設定される(R3<R5<R4)。
図12から図14に戻って説明を行う。正面カバー850は、回転円板840の正面側に配置され、回転本体部841の上下方向寸法の2/3程度を覆う遮蔽板部851と、その遮蔽板部851の下方へ延設されると共に貫通長孔814に被さり検出センサSC1,SC2の抜け止めを行うセンサ支持部852と、遮蔽板部851の背面側からベース部材810へ向けて板状に延設され遮蔽板部851とベース部材810とを連結する連結板部853と、を備える。
遮蔽板部851は、光透過性の樹脂材料からなり正面側から、背面側に配設される回転円板840を視認可能とされると共に、左右の側面が回転本体部841の外形に沿った形状とされる。これにより、遮蔽板部851の装飾と、回転本体部841の装飾とを関連付けし易くすることができる。
遮蔽板部851は、軸棒部842を通り鉛直方向を向く直線を中心に下方へ向けて凹設される凹設支持部851aを備える。凹設支持部851aにより、後述する転動流路部870の傾斜部871の位置決めを行っている。
連結板部853は、回転本体部841に対向する側の面が、回転本体部841の円弧形状に沿って、湾曲形成される。
左右カバー860は、ベース部材810の正面側に締結固定される左右一対の装飾部861と、ベース部材810の背面側に締結固定される左右一対の基板862と、を備える。
装飾部861は、軸棒部842と直交する平面に沿って延設される板状部である装飾板部861aと、その装飾板部861aの軸棒部842から遠い側の側面から背面側へ向けて板状に延設され離間枠板815と当接する外側枠板861bと、装飾板861aの軸棒部842に近接する側の側面から背面側へ向けて板状に延設され遮蔽板部851の背面側に若干張り出す内側枠板861cと、を備える。
装飾板部861aは、ベース部材810に挿通されたビスを螺入する部分の一つとしての締結部861a1と、転動流路部870の背面側端部に配置される締結孔に螺入され締結固定されるビスのネジ棒部が挿通され頭部を係止する貫通孔861a2と、を備える。即ち、締結部861a1では、支持部815a1に挿通されたビスが螺入することにより締結固定が行われ、貫通孔861a2を挟んで転動流路部870にビスが締結固定される。
内側枠板861cは、遮蔽板部851と対向する内側面が、遮蔽板部851の外形よりも若干大径の円弧形状とされる。これにより、遮蔽板部851が変位しそうになっても、内側枠板861cにより、その変位を規制することができる。そのため、遮蔽板部851を厚さの薄い部材で形成することができる。
なお、この構成によれば、内側枠板861bは、回転本体部841の正面側に配置されるに留まり、外周と対向配置される位置までは張り出してこない。
基板862は、締結固定された状態において支持部815a1への背面側からのアクセスを防ぐ位置に配置される(図12参照)。そのため、基板862を取り外さずに装飾部861の締結を解除することができない構造とされるので、装飾部861が不正に取り外されることを防止することができる。これにより、装飾部861に固定される転動流路部870の配置が変化することを防止することができるので、不正に検出センサSC1に球を通過させることを防止することができる。
転動流路部870は、凹設支持部851aに下端部が載置されると共に断面逆ハの字形状(図13参照)の板状部として形成され背面側へ向かうほど上面が下降傾斜する傾斜部871と、その傾斜部871の先端部において凹設支持部851aよりも大きな寸法で下方に延設される下方延設部872と、傾斜部871の左方において転動流路部870の下面と面位置で正面側へ張り出す三角板形状の傾倒防止部873と、傾斜部871で左右方向から前後方向に屈曲するL字形状の球転動路を形成する概ねハーフパイプ形状の転動路形成部874と、を備える。
転動路形成部874は、本実施形態では、連通開口654の通過後、受け入れた球が、傾斜部871に到達するまでの時間が1秒間未満となるように、設計される。
図19を参照して、正面カバー850、左右カバー860及び転動流路部870の配置について説明する。図19(a)は、球演出装置800の上面図であり、図19(b)は、球演出装置800の部分正面図であり、図19(c)は、図19(a)のXIXc−XIXc線における球演出装置800の部分断面図である。
図19(a)に示すように、転動流路部870は、傾斜部871の背面側端部が回転円板840の正面側端部に対して若干の隙間を空けた位置に配置される。即ち、締結固定することにより転動流路部870の傾斜部871の背面側端部が回転円板840の正面側端部に当接しない配置とする態様で、装飾部861の貫通孔861a2の前後位置が設定される。これにより、回転円板840と転動流路部870とが接触することを防止できる。
図19(b)に示すように、正面カバー850の遮蔽板部851の上端面は、転動流路部870の下端面の形状と合致する(面で当接する)形状に設計される。そのため、転動防止部873と遮蔽板部851の上端面とが面で当接する。この当接により、転動流路部870が球の重み等で前傾方向に変位することを防止することができる。
図19(c)に示すように、本実施形態では、転動流路部870の位置合わせとして、凹設支持部851aに傾斜部871の上下位置が規定され、下方延設部872が遮蔽板部851の背側面に当接可能な位置関係となるので、組み付け時に転動流路部870が起き上がり方向に変位することを防止することができる。
即ち、転動流路部870は、遮蔽板部851との当接により、前傾方向に変位すること及び起き上がり方向に変位することを防止することができるので、転動流路部870の姿勢の安定性を高めることができるので、転動流路部870と回転円板840との位置関係を長期にわたり維持することができる。これにより、転動流路部870と回転円板840との位置関係が変化し、演出に支障をきたすことを防止することができる。
次いで、球演出装置800の状態の変化について説明する。上述したように、本実施形態における球演出装置800では、駆動モータKM1の駆動力により回転動作する回転円板840がベース部材810と転動流路部870との間の球通過経路上(転動路形成部874の終端としての傾斜部871と、ベース部材810において球を受け入れる第1貫通孔KH1とを結ぶ直線上)に配設される(図23参照)。
ここで、回転円板840の姿勢の設定により、転動路形成部874の終端としての傾斜部871と、ベース部材810において球を受け入れる第1貫通孔KH1とを結ぶ直線上に、回転円板840の第1案内孔845が配置される場合(第1受取状態)と、回転円板840の第2案内孔846が配置される場合(第2受取状態)と、第1案内孔845も第2案内孔846も配置されない場合(受取防止状態)とを形成することができる。これらについて、順に説明する。
図20及び図21を参照して、第1受取状態について説明する。図20は、第1受取状態における球演出装置800の正面図であり、図21は、図20のXXI−XXI線における球演出装置800の断面図である。なお、図20では、理解を容易とするために正面カバー850及び転動流路部870の図示が省略され、周囲凸設部841b、連結凸設部841c及び左右カバー860の模様が省略され、傾斜部871の外形のみが図示されると共に、第1貫通孔KH1及び第2貫通孔KH2の外形が想像線(2点鎖線)で図示される。なお、図20では、傾斜部871に載置され回転円板840へ案内される直前の球の外形が参考として図示される。
図20及び図21に示すように、第1受取状態では、転動流路部870に供給され傾斜部871まで到達した球は傾斜部871の傾斜に沿って流下し、第1案内孔845へ案内される。ここで、第1貫通孔KH1と軸棒部843との上下方向の長さRhが、第1筒状部841eの延設端部における軸側の壁部と軸棒部843との間の長さR1a(R1>R1a)よりも短く設定される(R1a>Rh)。従って、第1案内孔845へ案内された球は第1筒状部841eを通過し、第1貫通孔KH1に流入し、第1仕切板813aを転動した後、第2仕切板813bの右方の領域(図13参照)を通過し、組立状態において貫通長孔814に配設される検出センサSC1(図9参照)を通過する。即ち、第1受取状態では、転動流路部870に球が供給されさえすれば、その球が検出センサSC1を通過する。
図22及び図23を参照して、第2受取状態について説明する。図22は、第2受取状態における球演出装置800の正面図であり、図23は、図22のXXIII−XXIII線における球演出装置800の断面図である。なお、図22では、理解を容易とするために正面カバー850及び転動流路部870の図示が省略され、周囲凸設部841b、連結凸設部841c及び左右カバー860の模様が省略され、傾斜部871の外形のみが図示されると共に、第1貫通孔KH1及び第2貫通孔KH2の外形が想像線(2点鎖線)で図示される。また、図22に示すように、第2受取状態では、傾斜部871の幅方向の中心位置(逆ハの字の下端位置)が、軸棒部843の軸方向と軸棒部843及び第2筒状部841fの長手方向の中心位置を結ぶ直線方向とが形成する平面SQ1(図17参照)上に配置される。なお、図22では、傾斜部871に載置され回転円板840へ案内される直前の球の外形が参考として図示される。
図22及び図23に示すように、第2受取状態では、転動流路部870に供給され傾斜部871まで到達した球は傾斜部871の傾斜に沿って流下し、第2案内孔846へ案内される。ここで、第1貫通孔KH1と軸棒部843との上下方向の長さRhが、長さR3よりも若干長い寸法で設定される(Rh≧R3)。更に、第2筒状部841fにおける球の通過経路の下面に凹設部841f3が配置されることにより、第2筒状部841fを転動する球の下端部が凹設部841f3の内側へ入りこむことになるので、第2案内孔846の下面よりも下方に球の下端位置が配置されることになる。従って、第2案内孔846へ案内された球は第2筒状部841fを通過する前に凹設部841f3の内側へ入り込み、第1貫通孔KH1の正面側で滞留する。即ち、第2受取状態では、転動流路部870に球が供給された場合であっても、その球は検出センサSC1(図9参照)を通過する前に第1貫通孔KH1の正面側で滞留する。
第1貫通孔KH1の正面側で滞留した球は、続いて転動流路部870に供給される球に押し出されることにより第1貫通孔KH1を通過する。これについて、図24を参照して説明する。
図24(a)から図24(c)は、図22のXXIII−XXIII線における転動流路部870、第2筒状部841f及び第1貫通孔KH1の部分断面図である。なお、図24(a)から図24(c)では、転動流路部870に供給された球P11,P12が図示される。即ち、図24(a)では、球P11が第1貫通孔KH1の正面側に滞留された状態が、図24(b)では、球P11に正面側から球P12が衝突した状態が、図24(c)では、球P12により球P11が押し出された状態が、それぞれ図示される。
本実施形態では、第2筒状部841f3の延設端部における凹設部841f3の凹設幅が球の半径raと同程度とされるので、球P11の下端部が凹設部841f3の上面から下方に球の半径raの半分の長さ程度入り込んだ状態で第1貫通孔KH1の正面側に滞留する。即ち、球P11の中心が第1貫通孔KH1の下端部よりも上方に配置された状態で球P11は第1貫通孔KH1の正面側に滞留する(図24(a)参照)。
球P11が滞留した状態で、球P12が球P11へ向けて流下する際、球P12は傾斜部871の幅方向の中心(平面SQ1上)に球の中心を合わせて傾斜に沿って流下する。一方、球P11は凹設部841f3に入り込んだ状態で滞留することから、凹設部841f3の幅方向の中心と球の中心とが凹設部841f3の幅方向で一致することになり、球P11の中心も、球P12と同様に平面SQ1上に配置される。従って、本実施形態によれば、第2受取状態において傾斜部871の幅方向の中心位置が平面SQ1上に配置されるように制御することで、球P11と球P12との中心位置を図24(a)から図24(b)までの間、平面SQ1上に維持することができる。従って、球P12から球P11に与えられる負荷が平面SQ1上で作用するようにでき、左右方向(平面SQ1と直交する方向)に逸れることを抑制することができる。
球P11及び球P12の中心位置が平面SQ1上に維持されること、及び球P11の中心が第1貫通孔KH1の下端よりも上方に配置されることにより、球P12からの負荷が球P11を背面側へ押し出す推進力として効率的に利用でき、球P11を第1貫通孔KH1に流入させることができる。なお、球P12は、球P11を押し出した後、第1貫通孔KH1の正面側に滞留する(球P11と入れ替わる)。
図25及び図26を参照して、受取防止状態について説明する。図25及び図26は、受取防止状態の一例における球演出装置800の正面図である。なお、図25及び図26では、理解を容易とするために正面カバー850及び転動流路部870の図示が省略され、周囲凸設部841b、連結凸設部841c及び左右カバー860の模様が省略され、傾斜部871の外形のみが図示されると共に、第1貫通孔KH1及び第2貫通孔KH2の外形が想像線(2点鎖線)で図示される。
図25では、第2受取状態(図22参照)から、回転円板840が正面視時計回りの回転方向CWに約60°回転した状態が図示され、図26では、図25に示す状態から、回転円板840が回転方向CWに約180°回転した状態が図示される。
ここで、図24で図示した球P11が第1貫通孔KH1の正面側に滞留する状態で回転円板840が回転方向CWに回転した場合、第2案内孔846が第1貫通孔KH1の下端よりも下方へ移動することに伴い球P11も第1貫通孔KH1の下端よりも下方へ移動し、球P11が第1貫通孔KH1を通過することができなくなる。即ち、回転円板840の移動中、球P11が第2案内孔846の背面側に形成される第2筒状部841fの内側に維持される(図25参照)。この球P11は、第2案内孔846の背面側に再び第1貫通孔KH1又は第2貫通孔KH2が配置されるまで第2筒状部841fに維持される。
図26では、第2案内孔846の背面側に第2貫通孔KH2が配置されるが、球P11の流下する経路上に部分蓋部841f1が配置されており、この部分蓋部841f1により球P11が流下を規制されている。
第2貫通孔KH2の軸棒部843から遠い側の円弧部分は、図26に示すように、軸棒部843からの距離が長さR5と同等の長さとされる軸棒部843を中心とした円弧形状で形成される。
そのため、図26に示す状態から、回転円板840が回転方向CWに約30°回転すると、部分蓋部841f1は第2貫通孔KH2の左方に配置され、球P11の流下する経路から外れる(球P11の背面側斜め下方の領域から外れる)。従って、球P11は、部分蓋部841f1に規制されることなく、第2筒状部841fの傾斜に沿って背面側へ流下し、第2貫通孔KH2を通過することができる。この場合において、傾斜板部841f2の傾斜は、球P11が左方に位置ずれした場合に第2貫通孔KH2側へ球P11を寄せる案内部分として機能する。ここで、回転円板840の回転に伴い変位する(姿勢変化、位置変化する)第2筒状部841fに対して、その内部に維持される球P11が行う相対移動について説明する。
図27は、第2筒状部841fの正面斜視図であり、図28(a)から図28(c)は、第2筒状部841fの姿勢変化を示す第2筒状部841fの正面図である。なお、図27及び図28(a)から図28(c)では、第2筒状部841fに維持される球P11の移動が図示される。また、図27では、板状部841aに視線を遮られる部分が隠れ線で図示され、板状部841aに視線を遮られない部分が実線で図示される。
図27及び図28(a)に示すように、球P11が一対の傾斜板部841f2の間に配置される状態では、球P11が一対の傾斜板部841f2の内側(対向面間)に部分的に入り込んだ状態で支持される。
図28(a)に示す状態から、回転円板840を回転方向CWに回転させるにつれて、球P11が、下方に配置される側(図28(b)における右側)の片方の傾斜板部841f2を乗り越えながら、第2筒状部841f内を移動し、第2筒状部841fの開口の長手方向が上下方向に沿う状態では、球P11の中心位置は傾斜板部841f2よりも下方に配置される(図28(c)参照)。
ここで、球P11が傾斜板部841f2を乗り越える際、球P11には傾斜板部841f2から、その傾斜により、正面側へ向く負荷が与えられるので、球P11は正面側へ付勢される。従って、図28(a)から図28(c)までの変位の最中に第2案内孔846と第2貫通孔KH2とが前後方向で一致するとしても(図26参照)、球P11が傾斜板部841f2により正面側へ付勢されている間に第2案内孔846が第2貫通孔KH2を通過するのに十分な速度(維持速度SV、本実施形態では1秒間で半回転する速度)で回転円板840が回転する場合、球P11を第2筒状部841fに維持したまま図26から回転円板840を回転方向CWに回転させ、第2受取状態(図22参照)に復帰することが可能となる。
即ち、回転円板840が、維持速度SV未満の速度で回転するか、維持速度SV以上の速度で回転するかにより、図26の状態から球P11が第2貫通孔KH2を通して排出されるか、球P11が第2筒状部841fに維持されたまま第2受取状態に戻るかを切り替えることができる。なお、本実施形態では、回転円板840の回転速度として、維持速度SVより大きな複数段階の速度と、維持速度SV未満の速度(排出速度MDV)とが用意される。
なお、図28では、一例として、一対の傾斜板部841f2の間から球P11が移動する場合について説明したが、球P11が傾斜板部841f2から正面側へ向けて付勢されるのはこの場合に限るものではない。例えば、図28(c)に示す状態から、図28(b)を経て図28(a)に示す状態に戻る場合(回転円板840が回転方向CWの逆方向に回転する場合)にも、球P11は傾斜板部841f2から正面側へ向けて付勢される。即ち、球P11の中心位置の下方に傾斜板部841f2が配置される状態において、球P11が傾斜板部841f2を乗り越える際には、その方向によらず、球P11は傾斜板部841f2から正面側へ向けて付勢される。
なお、球P11が第2筒状部841fに維持されたまま第2受取状態に戻る場合、球P11が第2筒状部841fの長手方向に揺動する(球P11の第2筒状部841f長手方向の速度が大きくなる)ことになるが、本実施形態では、第2筒状部841fの長手方向の中心位置に配置される凹設部841f3に球が入り込み(引っかかり)減速されることで、短期間で球P11を凹設部841f3に配置することができる。
なお、第2受取状態(図22から図24参照)において、第1貫通孔KH1に対して第2案内孔846が最も上側に配置される。即ち、第2受取状態から回転円板840が回転するにつれて、第2案内孔846は第2受取状態よりも下側に配置されることになるので、第2案内孔846に滞留した球が回転円板840の回転中に第1貫通孔KH1を通して流下する(イレギュラーな流下を行う)ことを防止することができる。
<演出1。単発打ちによる技術介入を防止する。打ち続けさせてオーバー入賞防止>
図29及び図30を参照して、球演出装置800を利用した演出の一例(第1の演出例)について説明する。図29及び図30は、第1の作動パターンにおける第1特定入賞口65a及び第2特定入賞口650aの計時変化の一例および第1の演出例における球演出装置800の回転円板840の計時変化の一例を示した図である。
なお、図29では、球の打ち止めを行わずに大当たり遊技を行った場合の一例が、図30では、球の打ち止めを適宜行いながら、図29よりも長い時間をかけて大当たり遊技を行った場合の一例(一例として、ラウンド遊技Rの時間が作動時間T1の最大時間(30秒間)である場合)が、それぞれ図示される。なお、図29及び図30の横幅の縮尺は、参考としての縮尺であり、厳密なものでは無い。
また、図29及び図30では、回転円板840が第1受取状態で維持される場合と、第2受取状態で維持される場合とが切り替えられることが図示される。この場合において、維持されるとは、回転円板840が停止する場合に限定されず、例えば、短時間(本実施形態では、3秒間)の間に回転円板840が回転し再度同じ状態に復帰する場合を含む。
図29及び図30において、球演出装置800の計時変化に併記される2個の丸印は、貫通孔KH1,KH2の正面側で球が何個滞留するかを示すものである。図29及び図30では、滞留個数が変化する時点に変化後の状態を示す丸印が図示される。なお、以降の図面において、球演出装置800の計時変化に併記される2個の丸印の意味は同様である。
例えば、2個の丸印ともが白丸であれば滞留する球の個数が0個であることを、1個の丸印が白丸であり残りの1個の丸印が黒丸であれば滞留する球の個数が1個であることを、2個の丸印が共に黒丸であれば滞留する球の個数が2個であることを、それぞれ示している。上述したように、球演出装置800の回転円板840が第2受取状態の時に球が2個滞留すれば、先に滞留していた球が押し出され、第1貫通孔KH1を通過し、検出センサSC1に検出されるので、本演出例では、2個の丸印が黒丸になった直後に、検出センサSC1に球が検出されると共に、1個の丸印が白丸に変化する。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650及び回転円板840の作動制御について説明する。
<第1の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりAの大当たり遊技の場合には、第1の作動パターンに基づいて第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650が動作するようにMPU201が大開放口ソレノイドを駆動制御し、第1の演出例に基づいて回転円板840が動作するように音声ランプ制御装置113のMPU221が駆動モータKM1を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650の開閉板651を閉状態(閉鎖状態)に保持するよう大開放口ソレノイドを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板651を閉鎖状態から開放状態へ変位させて、第2特定入賞口650aを開放するよう大開放口ソレノイドを駆動制御して、開閉板651に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板651を閉鎖状態へ変位させて第2特定入賞口650aを閉鎖するよう大開放口ソレノイドを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650の開閉板651を閉状態(閉鎖状態)に保持するよう大開放口ソレノイドを駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
また、1ラウンド目のラウンド遊技Rの作動時間T1が経過するのに十分な時間(本実施形態では35秒間)である作動時間TSaが1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から経過した時に、貯留板657を規制状態から許容状態に数秒間(球が通過するのに十分な時間、本実施形態では0.5秒間)切り替え、その後規制状態に復帰するよう貯留板用のソレノイドを駆動制御する。これにより、1ラウンド目のラウンド遊技Rで第2特定入賞口650aを通過した球の内、貯留板657の右側に当接し滞留していた球が連通開口654へ案内される。
MPU221は、特図変動表示(図柄変動演出)の終了から、1ラウンド目のラウンド遊技Rが最短で終了するまでに経過する時間よりも短い作動時間TSS(本実施形態では14秒間)が経過した時に、回転円板840を第1受取状態から第2受取状態へ切り替え、第2受取状態に保持するよう駆動モータKM1を駆動制御する。従って、1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、連通開口654を通過して流下した球は、第2案内孔846に受け入れられ、第1貫通孔KH1の正面側に滞留する。
なお、本演出例では、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時点から約4秒間は、第1案内孔845が第1貫通孔KH1の正面側に配置され、1個の球で第1貫通孔KH1を通過可能な状態なので、1ラウンド目のラウンド遊技Rを迅速に進行する遊技者の意欲を向上させることができる。
MPU201は、2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1可変入賞装置65の開閉板を閉状態(閉鎖状態)から開状態(開放状態)へ変位させて第1特定入賞口65aを開放するよう大開放口ソレノイドを駆動制御して、第1可変入賞装置65の開閉板に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1可変入賞装置65の開閉板を閉状態(閉鎖状態)へ変位させて第1特定入賞口65aを閉鎖するよう大開放口ソレノイドを駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。なお、ラウンド間第1インターバル時間Int1は、2秒間で設定される。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜9ウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、第1可変入賞装置65の開閉板が閉状態(閉鎖状態)および開状態(開放状態)の間で変位し、第1特定入賞口65aを開閉するよう大開放口ソレノイドが駆動制御される。
10ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第2可変入賞装置650の開閉板651を閉状態(閉鎖状態)から開状態(開放状態)へ変位させて第2特定入賞口650aを開放するよう大開放口ソレノイドを駆動制御して、開閉板651に長時間動作を行わせる。
また、10ラウンド目のラウンド遊技Rの作動時間T1が経過するのに十分な時間(本実施形態では35秒間)である作動時間TSaが10ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から経過した時に、貯留板657を規制状態から許容状態に数秒間(球が通過するのに十分な時間、本実施形態では0.5秒間)切り替え、その後規制状態に復帰するよう貯留板用のソレノイドを駆動制御する。これにより、10ラウンド目のラウンド遊技Rで第2特定入賞口650aを通過した球の内、貯留板657の右側に当接し滞留していた球が連通開口654へ案内される。
MPU221は、図29における10ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、連通開口654を通過した球が傾斜部871に到達するまでに経過するまでの時間(図29に示すように、9ラウンド目まで、各ラウンド目のラウンド遊技Rに6秒間(ラウンド間第1インターバル時間Int1との和で8秒間)を要するとした場合の時間である122秒間)と、図30における10ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、連通開口654を通過した球が傾斜部871に到達するまでに経過するまでの時間(図30に示すように、9ラウンド目まで、各ラウンド目のラウンド遊技Rに30秒間(ラウンド間第1インターバル時間Int1との和で32秒間)を要するとした場合の時間である288秒間)との間の時間である規定時間TEc(本実施形態では200秒間)が特図変動表示(図柄変動演出)の終了から経過した時に、回転円板840を維持速度SV未満の速度で一回転させ、その後、第2受取状態に保持するよう駆動モータKM1を駆動制御する。
従って、10ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、球が連通開口654を通過して流下するタイミングが特図変動表示(図柄変動演出)の終了から規定時間TEcが経過する前であれば、その球を第1ラウンド目のラウンド遊技R後に第1貫通孔KH1の正面側に滞留していた球に衝突させることができ、先に滞留していた球を第1貫通孔KH1の奥側へ流し、その球を検出センサSC1により検出することができる(図24参照)。
一方で、10ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、球が連通開口654を通過して流下するタイミングが特図変動表示(図柄変動演出)の終了から規定時間TEcが経過した後であれば、第1ラウンド目のラウンド遊技R後に第1貫通孔KH1の正面側に滞留していた球は予め第2貫通孔KH2から排出され、検出センサSC2により検出される(図26参照)。
そのため、10ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後に連通開口654を通過して流下する球は、空の第2案内孔846に受け入れられ、第1貫通孔KH1の正面側に滞留する。従って、第1貫通孔KH1を球が通過することは無いので、球が検出センサSC1により検出されることは無く、後述するように、この球は検出センサSC2により検出される。
以降は、MPU201は、第2ラウンド目〜第9ラウンド目と同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで11ラウンド目〜15ウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、第1可変入賞装置65の開閉板が閉状態(閉鎖状態)および開状態(開放状態)の間で変位し、第1特定入賞口65aを開閉するよう大開放口ソレノイドが駆動制御される。
そして、15ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1可変入賞装置65の開閉板を閉状態(閉鎖状態)へ変位させて第1特定入賞口65aを閉鎖するよう大開放口ソレノイドを駆動制御して、15ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで第1可変入賞装置65の開閉板を閉状態に保持するよう大開放口ソレノイドが駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、MPU221は、15ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から10秒間経過した時に、回転円板840を維持速度SV未満の速度で一回転させ、その後、第1受取状態に保持するよう駆動モータKM1を駆動制御する。これにより、10ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後に第1貫通孔KH1の正面側に滞留していた球が第2貫通孔KH2を通して排出され、その球は検出センサSC2に検出される。
本作動パターンによれば、10ラウンド目のラウンド遊技R後に回転円板840へ球が案内されるタイミングが規定時間TEcよりも前か、後かにより、球が検出センサSC1を通過するか否かを変化させることができる。
即ち、規定時間TEcよりも前であれば、検出センサSC1に球を通過させることができる。そのため、検出センサSC1を球が通過することに起因して、遊技者の利益に関連する報知(例えば、現在の遊技状態が確変状態か否かの報知(潜伏確変となっているか否かの報知)や、ラウンド昇格の報知)を行うように制御することにより、遊技者がラウンド遊技を迅速に進行する意欲を向上させることができる。
なお、報知の態様は何ら限定されるものでは無く、例えば、音声出力装置226から特定の音声(例えば、「次は確変だ」とか、「次は通常だ」等)が出力される態様でも良いし、ランプ表示装置227により、特定の発光態様(例えば、潜伏確変を示すものとして虹色に発光させたり、青、緑または赤色の順に潜伏確変となっていることの期待度が上がる態様で発光させたりする態様)で電飾部29〜33が発行する態様でも良い。また、第3図柄表示装置81における大当たり図柄の表示を有利な図柄(例えば、大当たりCの表示図柄よりも有利な大当たりAの表示図柄)に変化させる態様(昇格演出)でも良い。
これにより、大当たり遊技中の単発打ちを抑制することができる。単発打ちは、ラウンド遊技Rで特定入賞口65a,650aに入賞を予定している規定個数(例えば、10個)を超える個数の球の入賞を狙うために、規定個数から1個少ない個数の球が入賞した状態を形成するために行われる打ち方である。各ラウンドのラウンド遊技Rは規定個数の球が入賞するまでの間は、第1の作動時間T1の最大値である30秒間は継続することを利用して、その時間を十分に使って、単発打ちを行う者は入賞個数の調整を行う。規定個数から1個少ない個数の球が入賞した状態で、複数個の球が特定入賞口65a,650aにまとめて入賞するように狙って球を発射することにより、規定個数を超える球の入賞が期待できる。
一方で、単発打ちを行う遊技者と、行わない遊技者とで大当たり遊技における払い出し個数に差が生じやすくなるので(規定個数よりも入賞個数が1個違えば15個の違い、全ラウンドで1個ずつ違えば、150個(4円で1球を購入して行う遊技で600円に相当する個数の球))、大当たり遊技により遊技者が得られる利益を安定化させるために(遊技者の経験値によらず、遊技者が公平に利益を享受できる遊技機を構成するために)、単発打ちを規制することが望ましい。例えば、遊技店によっては、店員が単発打ちを行う遊技者に注意を促し、単発打ちを止めさせる場合もあるが、店員の目を盗んで単発打ちが行われることも多く、効果は部分的なものにとどまっていた。
これに対し、本演出例によれば、10ラウンド目までのラウンド遊技Rの進行にかかる時間が短い方が、球が検出センサSC1を通過しやすくすることができると共に、球が検出センサSC1を通過することに起因して、遊技者の利益に関連する報知を行うように制御する。上述したように、単発打ちを行う場合には、各ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて入賞個数の調整に要する時間が長くなるので、球を検出センサSC1に通過させることは困難となる。従って、検出センサSC1を球が通過することにより発生する遊技者の利益に関連する報知が遊技者にとって魅力的なもの(例えば、遊技状態が確変状態に移行したことが分かりにくい演出態様において、遊技者の利益に関連する報知により、確変状態への移行を判定できるものや、大当たり遊技におけるラウンド数が増加することを判定できるもの等)であれば、遊技者に単発打ちを止めさせ、各ラウンド目のラウンド遊技Rを迅速に(打ちっ放しで)進行させる意欲を向上させることができる。
なお、検出センサSC1を通過することに起因した報知を行うタイミングは任意に設定可能である。例えば、検出センサSC1により球が検出された直後に報知を行っても良い。この場合には、報知後にも大当たり遊技Rが進行しているので、残りのラウンドの大当たり遊技Rは、焦らず行うことができるので、15ラウンドで1セットの大当たり遊技を終了した後、続けて行う遊技を落ち着いて進行させることができる。
また、例えば、エンディング時間EDの経過中(検出センサSC1により球が検出されてから時間が経過した後)に報知を行っても良い。この場合、大当たり遊技中は検出センサSC1を通過することに起因した報知の内容が未定なので、大当たり遊技の終了まで、報知に対する遊技者の注目力を高く維持することができる。
また、例えば、大当たり遊技の終了後、所定時間経過後(例えば、5分経過後)でも良い。この場合、大当たり遊技の終了後所定時間の間は、報知の内容に期待させながら遊技を継続させることができる。一方で、所定時間の経過後は、遊技者にとって有利な状況なのか、不利な状況なのかを遊技者が把握することができるので(確変状態か否かの報知)、遊技者は、安心してその後も遊技を継続するか否かを選択することができる。
なお、本演出例では、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時点から約4秒間は、第1案内孔845が第1貫通孔KH1の正面側に配置され、1個の球で第1貫通孔KH1を通過可能な状態なので、1ラウンド目のラウンド遊技Rを迅速に進行する遊技者の意欲を向上させることができる。
本作動パターンでは、回転円板840へ向けて球を流下させるラウンド遊技R(本作動パターンでは第2可変入賞装置650が開放される)と、その直後のラウンド遊技R(本作動パターンでは第1可変入賞装置65が開放される)とで、開放する可変入賞装置65,650を切り替えている。これにより、回転円板840に1球目の球が案内されるタイミングでは第1可変入賞装置65へ遊技者の目線が誘導されるので、回転円板840に1球目の球が案内されるタイミングに遊技者の目線が回転円板840に向くことを避け易くすることができる。これにより、球が回転円板840の案内孔845,846のどちらに入球したのかを遊技者にわかり難くすることができる。
例えば、1球目の球が回転円板840の案内孔845,846のどちらに入球したのかを把握していない遊技者が、1球目の球が回転円板840の正面側に滞留していない状況だけを見ても、球が第1貫通孔KH1を通過したか、第2貫通孔KH2を通過したかは分からないので(検出センサSC1を球が通過したか否かは分からないので)、2球目の球が第1貫通孔KH1を通過しないことが確定した後で、1球目の球が検出センサSC1を通過していたことに基づく報知を行うことで(所謂「復活演出」を行うことで)、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、2球目の球が回転円板840に案内されるタイミングでは、回転円板840に遊技者の視線を誘導できることが望ましいので、第2可変入賞装置650の開放するラウンドを、10ラウンド目の代りに15ラウンド目(最終ラウンド目)としても良い。これにより、遊技者の視線が第1可変入賞装置65へ誘導されることを防止することができる。
なお、大当たり遊技の開始前に、本演出例における球演出装置800の動作の意図を遊技者に把握させる報知を行うことが望ましい。例えば、第3図柄表示装置81において、「大当たりラウンドを迅速に進行させると特典がある」や、「あと200秒以内に10ラウンド目を経過すれば特典がある」等の文字を表示させることにより、遊技者に対して、大当たり遊技を迅速に進行させることで遊技者に対して利益が与えられることを、遊技者に理解させることができる。また、秒数の表示を常時行い、更新(カウントダウン)すれば、遊技者が漫然と大当たり遊技を行うことを防止することができる。
また、上述した報知は、第3図柄表示装置81による報知に限られるものではない。例えば、音声出力装置226により同様の音声を発生させるようにしても良いし、ランプ表示装置により、回転円板840の動作タイミングまでの残り時間の長さと発光色とを関連づけて(例えば、時間が長い時には青色で発光し、短くなってきたら赤色に発光色を変化させる等で)報知しても良い。
<演出2。第2、第3の作動パターンで動作する場合>
図31及び図32を参照して、球演出装置800を利用した演出の他の一例(第2の演出例)について説明する。図31は、第2の作動パターンにおける第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a及び第2の演出例における球演出装置800の回転円板840の計時変化の一例を示した図であり、図32は、第3の作動パターンにおける第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a及び第2の演出例における球演出装置800の回転円板840の計時変化の一例を示した図である。なお、図31及び図32において、回転円板840の計時変化は同一である。また、図31及び図32では、回転円板840が第1受取状態で維持される場合と、第2受取状態で維持される場合とが切り替えられることが図示される。この場合において、維持されるとは、回転円板840が停止する場合に限定されず、例えば、短時間(本実施形態では3秒間)の間に回転円板840が回転し(維持速度SV未満の速度で回転し)再度同じ状態に復帰する場合を含む。
ここで説明する一例では、大当たり種別が、大当たりAの大当たり遊技の場合には、第2の作動パターンに基づいて第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650が動作するようにMPU201が大開放口ソレノイドを駆動制御し、大当たり種別が、大当たりCの大当たり遊技の場合には、第3の作動パターンに基づいて第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650が動作するようにMPU201が大開放口ソレノイドを駆動制御し、第2,第3作動パターンにおける第2可変入賞装置650の作動タイミング(10ラウンド目のラウンド遊技Rの開始タイミング)に基づいて回転円板840が動作するように音声ランプ制御装置113のMPU221が駆動モータKM1を駆動制御する。なお、第1の作動パターンと重複する部分については、説明を省略する。
なお、第2の作動パターン及び第3の作動パターンの、第1の作動パターンとの主な相違点は、短時間開放の有無、第2可変入賞装置650の作動時間T2、貯留板657の作動タイミング、各可変入賞装置65,650の開放順序および回転円板840の動作態様である。これらも含め、順に説明する。
まず、第2の作動パターン及び第3の作動パターンでは、特定のラウンド目のラウンド遊技Rが、球の入賞を困難とする短時間開放で実行される。例えば、第2の作動パターン及び第3の作動パターンの10ラウンド目のラウンド遊技Rは、短時間開放作動時間TMI(最大0.2秒)だけ第2可変入賞装置650の開閉板651が開放されたあと、閉鎖するように制御される。第2の作動パターンの13ラウンド目のラウンド遊技Rも、第1可変入賞装置65が同様に短時間開放動作される。
第2の作動パターン及び第3の作動パターンでは、第2可変入賞装置650の作動時間が第2の作動時間T2(最大3秒)とされる。すなわち、MPU201は、第2可変入賞装置650が開放されるラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T2の最大値である3秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板651を閉鎖状態へ変位させて第2特定入賞口650aを閉鎖するよう大開放口ソレノイドを駆動制御して、ラウンド遊技Rが終了する。なお、作動時間T2で規定個数の球を第2特定入賞口650aに入賞させることは、球の発射可能間隔(最短で0.6秒間/個)を考慮すると不可能なので、第2の作動パターン及び第3の作動パターンでは、第2可変入賞装置650は作動時間T2の経過により開閉板651が閉鎖される。
第2の作動パターン及び第3の作動パターンでは、貯留板657の作動タイミングは、該当するラウンド目のラウンド遊技Rの開始タイミング(開閉板651の開放タイミング)から、規定期間TE2a(本実施形態では、4秒間)経過した時とされる。即ち、MPU201は、該当するラウンド目のラウンド遊技Rの開始タイミングから規定期間TE2aが経過した時に、貯留板657を規制状態から許容状態に数秒間(球が通過するのに十分な時間、本実施形態では0.5秒間)切り替え、その後規制状態に復帰するよう貯留板用のソレノイドを駆動制御する。これにより、該当するラウンド目のラウンド遊技Rで第2特定入賞口650aを通過した球の内、貯留板657の右側に当接し滞留していた球が連通開口654へ案内される。
第2の作動パターン及び第3の作動パターンでは、MPU201は、第1ラウンド目から第9ラウンド目までは、第1可変入賞装置65の開閉板に長時間動作を行わせる一方、第10ラウンド目以降は、偶数ラウンド目に第2可変入賞装置650の開閉板651を、奇数ラウンド目に第1可変入賞装置65の開閉板を、それぞれ動作させる。
上述したように、第2の作動パターン及び第3の作動パターンでは、9ラウンド目までには違いはなく、10ラウンド目以降に違いが生じる。即ち、13ラウンド目のラウンド遊技Rが長時間開放によるものか、短時間開放によるものかにより、転動流路部870に球が流入するタイミングが異なる。この違いに着目して、回転円板840の動作態様(特に、第2規定時間TE2b)が規定される。
即ち、MPU221は、10ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、規定時間TE2aを超える期間(本実施形態では6秒間)が経過した時に、回転円板840を第1受取状態から第2受取状態へ切り替え、第2受取状態に保持するよう駆動モータKM1を駆動制御する。その後、10ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から起算して、規定時間TE2aを超える第2規定時間TE2b(本実施形態では25秒間)が経過した時に、短時間(本実施形態では3秒間)の間に回転円板840が回転し(維持速度SV未満の速度で回転し)再度第2受取状態に復帰する。
第2規定時間TE2bは、第2の作動パターンで大当たり遊技を行う場合に14ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留板657と当接し、その後、回転円板840にその球が到達するタイミングと、第3の作動パターンで大当たり遊技を行う場合に14ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留板657と当接し、その後、回転円板840にその球が到達するタイミングとの、間のタイミングとして規定される。
即ち、第2の作動パターンで大当たり遊技を行う場合、11ラウンド目のラウンド遊技Rが6秒間で終了したと仮定すると、10ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、14ラウンド目の開始までが17.4秒間であり、14ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から貯留板657が許容状態に変化するまでが4秒間であり、その後で回転円板840に球が到達するまでが1秒間であることから、14ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留板657と当接し、その後、回転円板840にその球が到達するタイミングは、10ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から22.4秒後となる。
一方で、第3の作動パターンで大当たり遊技を行う場合、11ラウンド目および13ラウンド目のラウンド遊技Rがそれぞれ6秒間で終了したと仮定すると、10ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、14ラウンド目の開始までが23.2秒間であり、14ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から貯留板657が許容状態に変化するまでが4秒間であり、その後で回転円板840に球が到達するまでが1秒間であることから、14ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留板657と当接し、その後、回転円板840にその球が到達するタイミングは、10ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から28.2秒後となる。
このように、第2の作動パターンと第3の作動パターンとでは、13ラウンド目における第1可変入賞装置65の動作態様の違いに起因して、14ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留板657と当接し、その後、回転円板840にその球が到達するタイミングに違いが生じ、このタイミング間において、第2規定時間TE2bの経過に伴う回転円板840の回転が生じる。この回転円板840の回転に伴い、第1貫通孔KH1の正面側に滞留していた球は、第2貫通孔KH2を通じて排出される。
そして、MPU221は、10ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、14ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後3秒経過したタイミングとして最も遅い75.2秒間(11ラウンド目および13ラウンド目のラウンド遊技にそれぞれ30秒間を要した場合の期間)経過した時に、短時間(本実施形態では3秒間)の間に回転円板840を回転させ(維持速度SV未満の速度で回転させ)、残った球を第2貫通孔KH2から排出して、第1受取状態に復帰するように回転円板840を駆動制御する。
上述したように、第2の作動パターンであれば、第2規定時間TE2bが経過する前に球演出装置800へ複数個(2個)の球を流入させることができるので、先に第1貫通孔KH1の正面側に滞留していた球(12ラウンド目のラウンド遊技Rで第2可変入賞装置650に入球した球)に、後追いの球(14ラウンド目のラウンド遊技Rで第2可変入賞装置650に入球した球)を衝突させることができ、先に滞留していた球を第1貫通孔KH1の奥側へ流し、その球を検出センサSC1により検出することができる(図24参照)。
一方で、第3の作動パターンであれば、第2規定時間TE2bが経過する前に球演出装置800へ流入する球は1個(12ラウンド目のラウンド遊技Rで第2可変入賞装置650に入球した球)のみであり、その球は第2規定時間TE2bの経過後、予め第2貫通孔KH2から排出されるので(図26参照)、後追いの球(14ラウンド目のラウンド遊技Rで第2可変入賞装置650に入球した球)は空の第2案内孔846に受け入れられ、第1貫通孔KH1の正面側に滞留する。従って、第1貫通孔KH1を球が通過することは無いので、球が検出センサSC1により検出されることは無い。
このように、第2の作動パターンと、第3の作動パターンとで可変入賞装置65,650の動作態様を変化させることにより、同じように球を発射(打ちっ放し)して大当たり遊技を行ったとしても、球が検出センサSC1を通過する場合と、検出センサSC1を通過しない場合とを生じさせることができる。
なお、10ラウンド目のラウンド遊技Rにおいても貯留板657の状態は変化するが、開閉板651の開放期間があまりに短く、通常は球が入球しないので、10ラウンド目のラウンド遊技Rの直後に球が球演出装置800に流入する事象は生じ難い。なお、奇跡的に10ラウンド目のラウンド遊技Rで球が第2可変入賞装置650に入球した場合には、その球は回転円板840が第1受取状態を維持する間に回転円板840に到達するので、そのまま第1貫通孔KH1を通過し、検出センサSC1により検出される。従って、10ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて球を第2可変入賞装置650に入球させるために球を発射し続ける遊技者の意欲を向上させることができる。
また、別の作動パターンとして、第2の作動パターン又は第3の作動パターンから、10ラウンド目のラウンド遊技Rにおける開放時間のみ延長する作動パターンを設定しても良い。
第2の作動パターン及び第3の作動パターンによれば、12ラウンド目のラウンド遊技Rが経過するまでは、どちらの作動パターンなのかを遊技者が把握することは困難とされる。一方で、11ラウンド目のラウンド遊技Rで長時間が経過すると、例え、第2の作動パターンで各可変入賞装置65,650aが開放動作したとしても、後追いの球(14ラウンド目のラウンド遊技Rで第2可変入賞装置650に入球した球)が回転円板840に到達する前に、第2規定時間TE2bが経過することになり、検出センサSC1に球を通過させることができなくなる。そのため、11ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて球を第1可変入賞装置65に短時間で多く入球させるために球を発射し続ける遊技者の意欲を向上させることができる。これにより、単発打ちの抑制を図ることができる。
<演出3。SV、MDVなど、速度変化の利用>
図33を参照して、球演出装置800を利用した演出の他の一例(第3の演出例)について説明する。図33(a)及び図33(b)は、球演出装置800の計時変化の一例を示した図である。なお、図33(a)では、貯留板657が許容状態となった後、規定時間TE3aの内に球が検出センサSC1を通過した場合が、図33(b)では、貯留板657が許容状態となった後、規定期間TE3aの内に球の通過が検出センサSC1に検出されなかった場合が、それぞれ図示される。ここで、規定時間TE3aは、回転円板840の第1動作において、球がいずれかの案内孔845,846に案内されるのに十分な時間(本演出例では3秒間)で設定される。
なお、第3の演出例では、検出センサSC1,SC2に球が通過することに起因して、対応するカウンタC1,C2の数値が加算される(1追加される)と共に、大当たり遊技の開始に伴いカウンタC1,C2の数値がクリアされる(C1,C2=0)。また、第3の演出例で説明する態様では、大当たり種別を問わず、第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650は、上述した第1の作動パターンで開閉動作を行うため、ここでは図示を省略する。
第3の演出例では、MPU221は、大当たり遊技が開始すると、球演出装置800の回転円板840を第1動作で回転動作させる態様で、駆動モータKN1を駆動制御する。第3の演出例における回転円板840の第1動作について説明する。
回転円板840の第1動作は、通常は回転円板840を維持速度SV(1秒間で半回転する速度)で回転方向CWに回転させつつ、第1受取状態または第2受取状態となる度に、回転円板840を球が通過するのに十分な時間(本演出例では、1秒間)だけ一時停止させる動作である。即ち、回転動作と一時停止とを1秒ごとに交互に繰り返す4秒周期の動作である。
MPU221は、1ラウンド目のラウンド遊技Rの期間中において枠ボタン22が遊技者により操作されることに起因して、回転円板840の動作速度を変化させるように駆動モータKM1を駆動制御する。例えば、遊技者により枠ボタン22が押されている間、又は、枠ボタン22の1回の押し込みに起因して数秒間、駆動モータKM1を停止したり、減速したり、又は加速したりする態様で駆動制御を行う。その後、再び維持速度SVで回転円板840を回転動作させる態様で駆動モータKM1を駆動制御する。
MPU221が枠ボタン22の操作に起因して駆動モータKM1の動作速度を変化させることから、1ラウンド目のラウンド遊技Rの後において、大当たり遊技の開始から同一時間経過した時の回転円板840の状態は、1ラウンド目のラウンド遊技Rの期間中における枠ボタン22の操作態様により変化する。
図33(a)に示すように、第3の演出例では、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、第1の作動時間T1の最大値(30秒)と、第2特定入賞口650aを通過した球が貯留板657に到達するまでにかかる時間(1秒未満)との合計よりも長い時間である32秒が経過したタイミングで、貯留板657が許容状態に切り替えられる。貯留板657が許容状態に切り替えられてから規定時間TE3aが経過するまでに、検出センサSC1を球が通過したことが検出される(カウンタC1の数値が1になる)場合、MPU221は、回転円板840を第2動作で回転動作させる態様で駆動モータKM1を駆動制御すると共に、遊技者の利益に関連する報知を行う。
なお、この報知を行う装置は、限定されるものでは無い。例えば、音声出力装置226により行われても良いし、ランプ表示装置227により行われても良いし、第3図柄表示装置81により行われても良い。
なお、規定時間TE3aの経過に変えて、回転円板840が第1受取状態となった直後の(角度検出センサKSC1により被検出部SGbが検出された直後の)カウンタC1の数値が1になるか否かを判定しても良い。
回転円板840の第2動作は、第1動作との比較において、回転動作時の速度が排出速度MDVとなることのみが異なる。回転円板840を第2動作で回転動作させることにより、この後、回転円板840に到達した球は、第1案内孔845経由で第1貫通孔KH1を通過して、検出センサSC1を通過することによりカウンタC1の数値を追加しながら、又は第2案内孔846経由で第2貫通孔KH2を通過して、検出センサSC2を通過することによりカウンタC2の数値を追加しながら、排出される。
そして、カウンタC1,C2の数値の合計が2となった後、回転円板840を第1受取状態とする態様で駆動モータKM1が駆動制御される。
一方、図33(b)に示すように、貯留板657が許容状態に切り替えられてから規定時間TE3aが経過するまでに、検出センサSC1を球が通過したことが検出されない(カウンタC1の数値が0のままの)場合、球が第2案内孔846に入り、第1貫通孔KH1の正面側で滞留していると判断して、MPU221は、駆動モータKM1の駆動態様を維持すると共に、第3図柄表示装置81等の報知手段により入力示唆演出を行う。
入力示唆演出は、入力方法の説明演出と、その後、定期的に(回転円板840が第1受取状態となる度に)生じる指示演出とで構成される。説明演出では、遊技者に対して、この後、枠ボタン22を使用した操作を指示することや、その指示内容に従って操作に成功することで遊技者にとって有利な報知を行うこと、等の説明が行われる。なお、この有利な報知の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、現在の遊技状態が確変状態か否かの報知(潜伏確変となっていることの報知)や、ラウンド昇格の報知でも良い。
指示演出では、「枠ボタン22の右を長く押せ」や、「枠ボタン22の上ボタンを連打しろ」等、操作方法が指示される。この指示通りの操作が行われているとMPU221により判定された場合、MPU221は、駆動モータKM1の駆動態様を維持する。従って、指示通りの操作を行い続けることにより、球を第1貫通孔KH1の正面側で滞留させ続けることができるので、10ラウンド目のラウンド遊技R後に回転円板840に2個目の球が到達する場合に、この球が第1案内孔845又は第2案内孔846のどちらに入球しようが、球が検出センサSC1を通過することになり、MPU221により、遊技者の利益に関連する報知を実行させることができる。
一方で、指示通りの操作が行われなかったとMPU221により判定された場合、MPU221は、回転円板840を第2動作で回転動作させる態様で駆動モータKM1を駆動制御し、第3図柄表示装置81等で指示内容に従った操作に失敗したことを表す演出を実行すると共に、その後の指示演出が省略される。
回転円板840が第2動作で回転動作する場合、第2案内孔846に滞留している球は第2貫通孔KH2を通って流下し、検出センサSC2に検出される。これにより、カウンタC2の数値が追加される。
その後は、同様に、カウンタC1,C2の数値の合計が2となることに起因して、回転円板840を第1受取状態とする態様で駆動モータKM1が駆動制御される。
上述したように、第3の演出例によれば、入力示唆演出が発生した後は、指示演出に従って枠ボタン22の操作を行った方が、検出センサSC1を球が通過する可能性を高めることができるので、遊技者の注目力を、操作方法の把握および操作の実行に向けることができる。従って、大当たり遊技において、球の発射および払い出し球の処理のみに追われる場合に比較して、遊技者の気を枠ボタン22の操作へ逸らし、遊技者から特殊な打ち方(単発打ち等)をする余裕を奪うことができる。これにより、大当たり遊技において遊技者が得られる利益の安定化を図ることができる。
<演出4。大当たり間を跨ぐ演出>
図34を参照して、球演出装置800を利用した演出の他の一例(第4の演出例)について説明する。第4の演出例では、10ラウンド目のラウンド遊技R以前に検出センサSC1を球が通過することにより、短時間で連続して大当たりを獲得したと判定することができる場合について説明する。この場合、主制御装置のMPU201とは独立して、短時間で連続して大当たりが発生したことを判定することができる。
図34は、大当たり遊技に対する貯留板657の計時変化および球演出装置800の計時変化の一例を示した図である。なお、第4の演出例では、大当たり種別を問わず、大当たり遊技において特定入賞口65a,650aが第1の作動パターンで開閉動作する一方で、貯留板657の動作タイミングは、第3の演出例で上述したタイミングと同様となる。
第4の演出例では、MPU221は、回転円板840を、第2受取状態で150秒間保持した後、150秒間隔ごとに訪れる回転動作時点RPにおいて維持速度SV未満の速度で回転させ再び第2受取状態に復帰させることを繰り返す態様で、駆動モータKN1を駆動制御する。即ち、第1貫通孔KH1の正面側において回転円板840の第2案内孔846に球が滞留していた場合、その球は、回転円板840が回転することにより第2貫通孔KH2を通って検出センサSC2を通過し、球演出装置800から排出される。
なお、第4の演出例では、回転円板840が第1受取状態で一時停止せず、第1案内孔845を通って第1貫通孔KH1を球が通過する事象が生じないようにされる。従って、第1貫通孔KH1を球が通過する事象は、専ら、第1貫通孔KH1の正面側に滞留した球が後追いの球により押しこまれることで生じる(図24参照)。
ここで、図34に示すように、回転円板840が10ラウンド目のラウンド遊技Rの開始タイミングから起算した作動時間TSaが経過する10秒前に回転動作時点RPとなり回転した場合、回転円板840が次に回転するまでに約140秒が経過する。例えば、11ラウンド目からの各ラウンド遊技Rで10秒程度ずつ経過したとしても、後73秒程度でn回目の大当たり遊技は終了するので、n回目の大当たり遊技の終了後も第1貫通孔KH1の正面側に球が滞留した状態が継続する。
n回目の大当たり遊技の終了後、n+1回目の大当たりを獲得するための抽選を受けるべく遊技を行うことになるが、n+1回目の大当たりの獲得までの間隔が短い場合、回転円板840が次の回転動作時点RPで回転する前にn+1回目の大当たり遊技における1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始タイミングから起算した作動時間TSaが経過する場合がある。
例えば、図34に示す例によれば、各ラウンドのラウンド遊技Rが10秒程度で進行するとの前提で、n回目の大当たり遊技の10ラウンド目の大当たり遊技Rの開始から大当たり遊技終了までの時間(83秒)と、n+1回目の大当たり遊技の1ラウンド目の大当たり遊技Rの開始までの時間(10秒)との合計を、上述した次に回転円板840が回転するまでの時間である140秒から差し引いた時間である抽選規定時間TE4a(47秒間)の間に大当たりを獲得する場合である。
なお、1回の変動表示に約3秒間を要するとすると、図34に示す例によれば、抽選規定時間TE4aの間に約15回の変動表示を実行することができる。即ち、第1入球口64、または第2入球口640の保留球数の最大(4個)を越えた回数の抽選でn+1回目の大当たりを獲得する場合も含むことができる。
この場合に、n+1回目の大当たり遊技が開始されると、回転円板840が第2受取状態で維持されたままで、1ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留板657に規制された球が、貯留板657の許容状態への変化により回転円板840へ向けて流下する。この流下する球により、先に第1貫通孔KH1の正面側に滞留していた球(n回目の大当たり遊技から滞留していた球)が押し込まれ、第1貫通孔KH1を通過し、検出センサSC1を通過し、球演出装置800から排出される。
一方で、抽選規定時間TE4aの間に大当たりを獲得できなかった場合には、1ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留板657に規制された球が、貯留板657の許容状態への変化により回転円板840へ向けて流下する前に回転円板840の回転が生じており、第1貫通孔KH1の正面側に滞留していた球は排出されている。従って、回転円板840へ向けて流下した球は、新たに、第1貫通孔KH1の正面側に滞留することになり、検出センサSC1を通過することは無い。
即ち、第4の演出例では、n回目の大当たり遊技の進行度合いと、球演出装置800の動作周期とにより抽選規定時間TE4aが規定され、n回目の大当たり遊技の終了から、その抽選規定時間TE4aが経過する前にn+1回目の大当たりを獲得することで、1ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留板657が許容状態とされた数秒後に検出センサSC1に球を通過させることができる。
換言すれば、1ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留板657が許容状態とされた数秒後に、検出センサSC1が球の通過を検出することにより、短い間隔で連続して大当たりが発生したとMPU221に判定させることができる(MPU201の信号に関わらず判定させることができる)。これにより、MPU201からの信号により短時間での大当たりの発生を判定する場合(例えば、n回目の大当たりを獲得した変動と、n+1回目の大当たりを獲得するまでの変動の数や期間を記憶し、n+1回目の大当たりの発生時に変動の数や期間を判定する場合)に比較して、制御フローを短くすることができる。
第4の演出例では、1ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留板657が許容状態とされた数秒後に、検出センサSC1が球の通過を検出した場合には、MPU221は、短時間で複数回の大当たりが発生したことを報知する連続大当たり報知演出を行う。
なお、連続大当たり報知演出の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、通常は流れない電子音を発生させる報知でも良いし、LEDにより虹色の発光を生じさせる報知でも良いし、第3図柄表示装置81の少なくとも一部に「おめでとう」の文字を表示する演出でも良い。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、第2案内孔846は、球が1個到達した場合には球を滞留させ、追加で2個目の球が到達した場合に第1貫通孔KH1に球を通過させる形状とされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1貫通孔KH1に球を通過させる場合に、3個以上の球が滞留することを条件としても良い。これにより、第1貫通孔KH1に球を通過させることの発生頻度を少なくすることができるので、検出センサSC1を通過したことに基づいて出力される演出の稀少価値を高めることができる。
上記第1実施形態では、遮蔽板部851の背面側の形状が、平滑形状から構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遮蔽板部851の背面側に、ゴム材質の板部材等の低反発な部材を貼り、第2案内孔846に滞留した球が正面側へ押し出された場合に、その低反発な部材に衝突するようにしても良い。この場合、傾斜板部841f2により正面側に押し出された球が背面側へ跳ね返る勢い(速度)を低減することができる。従って、維持速度SVの大きさを、減少させることができる。
また、低反発な部材の代わりに、回転円板840の回転方向の違いにより球と衝突した球が跳ね返る際の勢い(速度)を変化させる態様で構成される溝が形成されても良い。この場合、回転円板840の回転方向の違いにより、球が勢いよく反発して第2貫通孔KH2を通過しやすい場合と、球の反発が弱く、第2貫通孔KH2を通過しにくい場合とを構成することができる。
上記第1実施形態では、正面カバー851が光透過性の樹脂材料からなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面カバー851が、光を透過しなかったり、透過する光の程度が低かったりして、正面側から背面側を視認し難い態様で構成されても良い。この場合、回転円板840が第2受取状態で1球目の球が第2案内孔846に案内された後、受取防止状態になるように駆動モータKM1を駆動制御することにより、第2案内孔846に滞留している球を正面カバー851で隠すことができる。これにより、1球目の球が回転円板840の案内孔845,846のどちらに入球したのかを遊技者にわかり難くすることができる。
上記第1実施形態では、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aへ入球した球の一部が球演出装置800へ案内される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1可変入賞装置65、第1入球口64、第2入球口640、一般入賞口63、普通入球口(スルーゲート)67又はアウト口661のいずれかを通過した球の一部が球演出装置800へ案内されても良いし、センターフレーム86の左側からセンターフレームの下部を通過して第1入球口64の上方位置へ球を案内する通路(所謂、「ワープ」)を通過した球の一部が球演出装置800へ案内されても良いし、入賞口とは異なる開口であって球が通過可能な球通過開口が遊技盤13に配設され、その球通過開口を通過した球の一部が球演出装置800へ案内されても良い。
例えば、第1入球口64を通過した球が全て球演出装置800へ案内される場合において、回転円板840の第2受取状態を維持しながら、5秒間隔で第2案内孔846を第2貫通孔KH2の正面側へ配置させ、第2案内孔846に滞留している球を排出する態様(回転円板840が維持速度SV未満の速度で回転する速度)で駆動モータKM1を駆動させる場合、検出センサSC1を球が通過したことの検出に基づいて、5秒未満の間隔で連続して球が第1入球口64を通過したことを判定することができる。従って、検出センサSC1を球が通過したことに基づいて特定の演出を行い遊技者に報知する制御を行うことにより、遊技者はその報知から、高頻度で球が第1入球口64を通過していることを容易に把握することができる。
上記第1実施形態では、第2可変入賞装置650が開放されラウンド遊技Rが行われるラウンドの間に、第1可変入賞装置65が開放されるラウンドが挟まれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2可変入賞装置650が開放されラウンド遊技Rが行われるラウンドが連続で(隣接して)配置されても良いし、1回の大当たり遊技において、第2可変入賞装置650が開放されラウンド遊技Rが行われるラウンドを1回のみで構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2可変入賞装置650が開放されラウンド遊技Rが行われるラウンドが、大当たり遊技の開始直後と、大当たり遊技の終盤付近とに配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技の中盤に配置されても良い。
上記第1実施形態では、第2可変入賞装置650の開閉板651が開放状態となってから一定期間を経過した時に貯留板657が許容状態とされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2可変入賞装置650の開閉板651が閉鎖状態となってから一定期間を経過した時に貯留板657が許容状態とされても良い。
また、第2特定入賞口650aから貯留板657までの間に球が配置されていない状態において第2特定入賞口650aに球が検出されていないタイミングで貯留板657が許容状態とされても良い。この場合、第2特定入賞口650aを通過した球が貯留板657まで到達するのに要する期間との比較において、貯留板657を閉じるまでの期間(例えば、0.5秒間)の間に球が貯留板657まで到達することは無い。そのため、球が誤って許容状態の貯留板657を通過することを防止することができる。
上記第1実施形態では、第2案内孔846に球P11が滞留し、その正面側から球P12が球P11に衝突した場合に、球P11は回転円板840の背面側へ排出され、球P12は回転円板840の内部に残留する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球P11が回転円板840の背面側へ排出されることに伴って、球P12も回転円板840から排出される態様としても良い。この場合、球P12が、その後で供給される球に押されて第1貫通孔KH1を通過することを防止することができるので、貯留板657が許容状態とされる度に球の衝突が起こり、第1貫通孔KH1を通して球が流下することを防止することができる。
上記第1実施形態の第1の演出例では、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおいて遊技者の視線を第1可変入賞装置65へ誘導する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1可変入賞装置65が開放されるラウンド遊技Rの最中に、第3図柄表示装置81において「中央の回転体に注目せよ」という報知を行ったり、基板862に配設されるLEDを発光させたりして、遊技者の視線を回転円板840に誘導するようにしても良い。これにより、第1可変入賞装置65に何球の球が入ったかを遊技者が把握することを困難とすることができ、単発打ちの精度(単発打ちを行いながら短時間でラウンド遊技Rを終える精度)を下げることができる。
上記第1実施形態の第1の演出例では、回転円板840の動作タイミングを、打ちっ放しで大当たり遊技を進行した場合にラウンド遊技Rに要すると予想される時間と、単発打ち等の特殊打ちを行いながら大当たり遊技を進行した場合にラウンド遊技Rに要すると予想される時間との比較で規定したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラウンド遊技Rに要する短くもなく長くもない中間の期間である中間期間を設定し、その中間期間の経過後、一定期間において球を回転円板840に案内するようにとの報知を行い(例えば、「このラウンドを、何秒間維持しなさい」等)、その一定期間において球を回転円板840へ案内することで球を検出センサSC1に通過可能な態様で、回転円板840を動作させても良い。この場合、遊技者にラウンド遊技Rを進行させる期間(球の発射の仕方)を考えさせながら、大当たり遊技を実行させることができる。この場合、大当たり遊技にかかる期間を意識的に長くすることができるので、賞球の払い出しの速度を低減させることができる。
上記第1実施形態の第1の演出例では、回転円板840が回転方向CWに一方通行で回転する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定の期間において、回転円板840が第2受取状態で維持され、動作時には、第2案内孔846が第1貫通孔KH1の正面側と第2貫通孔KH2の正面側とを単一のラウンド遊技Rの最短の時間間隔で、往復動作するようにしても良い(第2貫通孔KH2の正面側に第2案内孔846が到達した時点で回転円板840を一時停止させても良い)。これにより、第2案内孔846に複数の球が集まる前に第2案内孔846に滞留した球が第2貫通孔KH2を通して流下し、回転円板840から排出されることになるので、球が検出センサSC1に検出されることを防止することができる。
上記第1実施形態の第1の演出例では、作動時間TSSの経過後から規定時間TEcが経過するまでの間、回転円板840が第2受取状態を維持する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、作動時間TSSの経過後から規定時間TEcが経過するまでの間、第3の演出例で説明した第1動作(回転速度が維持速度SVの動作)を繰り返す態様で、駆動モータKM1を駆動制御しても良い。この場合、規定時間TEcの経過前に、10ラウンド目のラウンド遊技Rで第2特定入賞口650aに入球した球の内、貯留板657に当接し、球演出装置800へ案内される球が、第1案内孔845に案内される場合と、第2案内孔846に案内される場合とを生じさせることができる。規定時間TEc経過前であれば、どちらの案内孔845,846に案内されようとも球は検出センサSC1を通過することになるが、第1動作による回転円板840の回転動作と、規定時間TEcの経過時の回転円板840の回転動作との見分けをつけ難くできることから、規定時間TEc付近において球が検出センサSC1へ流下するか否かという点で、遊技者の球演出装置800に対する注目力を向上させることができる。
上記第1実施形態の第1の演出例では、作動時間TSSの経過後、球演出装置800の回転円板840が第2受取状態に維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から作動時間TSaが経過するまで回転円板840が第2受取状態から正面視時計回りに約60度回転することにより受取防止状態で維持され、作動時間TSaの経過から球が回転円板840に到達するのに十分な時間が経過してから回転円板840が回転し、第2受取状態となるように駆動制御しても良い。この場合、回転円板840に到達した球を板状部841aに当接させ、前後方向の速度を減少させてから、第2案内孔846に案内することができるので、回転円板840へ向けて転動流路部870を流下する最中に球の前後方向の速度が予想外に大きくなった場合に、その勢いのまま球が誤って第1貫通孔KH1を通過することを防止することができる。
また、板状部841aに球が当接している状態で回転円板840を回転させることにより、回転円板840の正面側で滞留している球と板状部841aとの間の擦れ摩擦により球を左右に動かすことができるので、回転円板840に到達した球に対する注目力を向上させることができる。
これは、10ラウンド目のラウンド遊技Rについても同様である。即ち、1球目の球が第2案内孔846に案内されてから、再び、回転円板840を受取防止状態で維持し、特図変動表示(図柄変動演出)の終了から規定時間TEcが経過した時に回転円板840を回転させ、第2受取状態で一時停止してから回転円板840を一回転させるように駆動モータKM1を駆動制御すれば良い。この場合、規定時間TEcの経過前に10ラウンド目のラウンド遊技Rで2球目の球を回転円板840へ向けて流下させていれば、その球は板状部841aに当接して回転円板840の正面側で滞留し、回転円板840が第2受取状態となることに伴い、第2案内孔846に案内され、1球目の球が2球目の球に押し出され、第1貫通孔KH1を通過して、検出センサSC1に検出される。
また、規定時間TEcの経過後から、15ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後に回転円板840が回転駆動されるまで、回転円板840を受取防止状態で維持するようにしても良い。これにより、規定時間TEcの経過後に10ラウンド目のラウンド遊技Rで2球目の球を回転円板840へ向けて流下させた場合に、勢い余った球が第1貫通孔KH1を誤って通過することを防止することができる。
なお、このように回転円板840の板状部841aに球を一度当接させ、回転円板840の正面側で球を滞留させるように駆動モータKM1を制御することにより、回転円板840の回転方向に注目させる演出を構成することができる。例えば、時計回りに回転駆動することで第1受取状態を構成する一方、反時計回りに回転駆動することで第2受取状態を構成する状況としての受取防止状態を構成する場合には、その受取防止状態で球が板状部841aに当接した後、回転円板840が時計回りで回転した方が遊技者に与える利益が大きい(第2案内孔846に球が滞留していなくとも、球を検出センサSC1に通過させることができる)ので、そのように報知を行うことで、回転円板840の注目力を向上させることができる。また、第2案内孔846に球が滞留している場合には、回転方向によらず、球を検出センサSC1に通過させることができるので、遊技者の安心感を向上させることができる。
上記第1実施形態の第1の演出例では、球演出装置800の駆動態様から、規定時間TEcが経過する前に2球目の球を回転円板840へ到達させること伴い遊技者に有利な報知を発生させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球演出装置800を利用せずに、大当たり遊技の開始からの時間を測定し、大当たり遊技の開始から所定時間(例えば、100秒間や200秒間等)が経過するまでに大当たり遊技の特定のラウンドが終了するか否かを判定し、所定時間が経過するまでに大当たり遊技の特定のラウンドが終了したと判定された場合に遊技者に有利な報知が発生するように制御しても良い。この場合、球演出装置800の配置に関わらず、任意の位置で所定時間に関わる表示演出(カウントダウン表示等)を行うことができるので、演出自由度を向上させることができる。また、表示演出で遊技者を煽る(大当たり遊技の進行を急がせる)ことができ、遊技者からインターバル間止めを行う余裕を奪いやすくすることができる。
上記第1実施形態の第1の演出例では、大当たり遊技に要する期間の長短から、単発打ちの有無を判断し、単発打ちを行わない方が遊技者にとって有利な報知が発生し易い場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技において発射した球の個数から特定入賞口65a,650aを通過した球の個数を差し引いた数値から、単発打ちの有無を判断しても良い。第1の演出例と合わせて説明した第1の作動パターンでは、ラウンド間第1インターバル時間Int1が2秒間で設定されるので、打ちっ放しで遊技を行う場合、球の発射可能間隔(最短で0.6秒間/個)からして、ラウンド間に少なくとも1〜2個の球が特定入賞口65a,650aへは案内されずに流下し、アウト口661を通過するべきである。従って、15ラウンドの大当たり遊技の場合、14〜28個程度の球がアウト口661を通過することになる。
従って、14〜28個程度の個数に比較して、発射した球の個数から特定入賞口65a,650aを通過した球の個数を差し引いた数値が少ない場合(例えば、14個未満)、遊技者が単発打ちを行っていると判断し、遊技者に有利な報知を行わないように制御する一方、同程度の数値であった場合(例えば、14個以上)、単発打ちは行っていないと判断し、遊技者に有利な報知を行うように制御しても良い。
また、球が第1可変入賞装置65を通過してからアウト口661を通過したことが検出されるまでの時間だけラウンド間インターバルから遅れたタイミングで、アウト口661を球が通過したことが検出された場合に、インターバル間止めを行っていないと判断し、遊技者に有利な報知を行う一方、同じタイミングで、アウト口661を球が通過したことが検出されなかった場合には、インターバル間止めを行っていると判断し、遊技者に有利な報知を行わないように制御しても良い。
なお、球の通過を検出する位置は、アウト口661に限られるものではない。例えば、返しゴム69の下流側において一本通路で形成される位置に、検出センサが配設されても良い。この検出センサには、右打ちで発射された全ての球が検出される。この検出センサからの出力と、可変入賞装置65,650の開閉動作のタイミングとの関係によりインターバル間止めの有無を判定することができる。
即ち、大当たり遊技を打ちっ放しで遊技する場合には、この検出センサの出力は常時、遊技機ごとに規定される球の発射間隔(最短で0.6秒間/個)と同様の間隔の波形で構成される。一方、インターバル間止めを狙って遊技を行う場合、検出センサの出力が、可変入賞装置65,650の閉鎖タイミングの到達前に、球の発射間隔に比較して広がることになる。従って、検出センサの出力波形の間隔が球の発射間隔に比較して広がった後、所定期間の内に可変入賞装置65,650が閉鎖した場合、インターバル間止めが行われていると判断することができる。
上記第1実施形態の第3の演出例では、検出センサSC1を球が通過するか、遊技者が指示通りに枠ボタン22の操作に失敗した場合に、回転円板840の動作速度が変化する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別図柄の大当たり種別によって動作速度の変化態様が規定されても良い。例えば、本実施形態において、大当たり種別が大当たりA(確変大当たり)の時には、回転円板840の動作速度が維持速度SVで維持されるように駆動モータKN1を駆動制御する。これにより、1個目の球が第1案内孔845に案内されるか、第2案内孔845に案内されるかに関わらず、検出センサSC1に球を通過させることができる。
一方で、大当たり種別が大当たりC(通常大当たり)の時には、第1の演出例における回転円板840の動作態様から、第1受取状態で停止する部分を省略し、第1受取状態で球が案内されることを防止すると共に、回転円板840の動作速度が初めは維持速度SVとされ途中から維持速度SV未満に変化するように駆動モータKN1を駆動制御する。これにより、回転円板840に案内される球をもれなく第2貫通孔KH2を通して流下させることができる。これにより、遊技者の集中力を、第2貫通孔KH2から球が排出されるか否かに向けることができるので、単発打ち等の特殊打ちを抑制することができる。
また、ラウンド遊技Rにかかっている時間の長さで、そのラウンド以降のラウンド遊技Rにおける回転円板840の回転速度を変化させても良い。例えば、ラウンド遊技Rに必要以上の時間(例えば作動時間T1の最大時間である30秒間)がかかっていると判定した場合に、単発打ちが行われていると判断して、第1受取状態で球が案内されることを防止すると共に、回転円板840の回転速度を維持速度SV未満とするように駆動モータKM1を駆動制御しても良い。なお、判定する時間の長さは、複数のラウンドに跨った時間の長さでも良い。
上記第1実施形態の第3の演出例では、指示演出の指示通りの操作が行われているとMPU221により判定された場合、維持速度SVで回転円板840が回転動作を行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、指示演出の指示通りの操作が行われているとMPU221により判定された場合、回転円板840を逆方向(反時計回り)に半回転させるようにしても良い。この場合、第2案内孔846が第2貫通孔KH2の正面側に配置されないので、回転円板840の動作速度によらず、第2案内孔846に球を滞留させ続けることができる。
上記第1実施形態の第3の演出例では、指示演出の指示通りの操作が行われているとMPU221により判定され続ける限り回転円板840の回転速度が維持され、一度でも指示通りの操作に失敗したとMPU221により判定されると回転円板840の回転速度が維持速度SV未満となり第2案内孔846に滞留していた球が第2貫通孔KH2を通して排出される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1回までは操作に失敗しても回転円板840の動作速度は維持され2回操作を失敗すると回転円板840の動作速度が維持速度未満とされる態様でも良いし、連続して複数回操作に失敗することで初めて回転円板840の動作速度が維持速度SV未満とされる態様でも良い。この場合、操作に不慣れな遊技者に対して不利益が過度に大きくなることを防止することができたり、指示演出において、およそ不可能な操作態様を織り交ぜ、指示演出に対する注目力を向上させたりすることができる。
また、指示演出の指示通りの操作が行われているとMPU221により判定された回数および指示演出の指示通りの操作に失敗したとMPU221により判定された回数に応じて、回転円板840の回転速度が維持速度SV以上の複数段階の速度に段階的に切り替えられても良い。この場合、回転円板840の回転速度が維持速度SVよりも数段階高速となっている場合には、遊技者は、指示演出を数回無視しても回転円板840の回転速度を維持速度SV以上に保てることから、可変入賞装置65,650へ向けた球の発射に集中することができる。このように、回転円板840がある程度高速になったら回転円板840を無視できる場合、回転円板840の回転速度を把握しようとして遊技者が回転円板840に注目するようになることから、回転円板840の注目力を向上させることができる。
なお、回転円板840の回転速度が維持速度SV未満とされるまでに、操作の失敗が許容されている場合において、遊技者が指示通りの操作に失敗することに起因して、新たに、指示通りの操作を行うように演出する再指示演出をMPU221により実行させるようにしても良い。また、この再指示演出を先の指示演出よりも強め(例えば、強めの発光、大音量)の演出としても良い。この場合、遊技者が指示演出に気づかずに操作に失敗していた場合などに、再指示演出により操作の指示が出ていることに気付かせることができる。
なお、指示演出または再指示演出は、球の発射強度に対応した演出としても良い。この場合、弾球遊技により賞球など、遊技者に直接的に付与される利益に関わる指示を行うことができ、遊技者はその指示に従うことで、最大限の利益を確保することができる。
上記第1実施形態の第4の演出例では、n回目の大当たり遊技の進行度合いと、球演出装置800の回転円板840の回転周期との関係により、抽選規定時間TE4aが規定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技の終了から回転円板840が次に回転動作するまでの期間として大当たり種別により異なる期間が新たに規定され、規定された期間に基づいて遊技者に抽選規定時間TE4aに関する報知を行うものとしても良い。これにより、大当たり種別によって異なる抽選規定時間TE4aを一定期間確保することができるので、抽選規定期間TE4aが極端に短くなることを防止することができる。なお、回転円板840が回転動作するまでの期間の新たな規定は、抽選規定期間TE4aが極端に短くなるおそれがある場合においてのみ実行され、それ以外の場合は第4の演出例と同様の駆動態様で回転円板840が回転動作しても良い。
上記第1実施形態の第4の演出例では、n+1回目の大当たりを獲得するのに要する抽選の回数が少ないほど、検出センサSC1に球を通過させ易い場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、n+1回目の大当たりを獲得するのに要する抽選の回数が固定されている(例えば、一回に固定されていて、多少の別が無い)遊技機に、球演出装置800を採用しても良い。この場合において、第2特定入賞口650aを1ラウンド目のラウンド遊技Rでのみ開放すると共に(他のラウンドでは第1特定入賞口65aが開放すると共に)、大当たり種別により大当たり遊技のラウンド数を異ならせるように制御しても良い。この場合、n回目の大当たり遊技のラウンド数が少ないほど、n+1回目の大当たり遊技のタイミングが早く到来するので、検出センサSC1に球を通過させやすくなる。即ち、n回目の大当たりの大当たり種別が大当たり遊技のラウンド数の少ない大当たり種別である方が、n回目の大当たりの大当たり種別が大当たり遊技のラウンド数の多い大当たり種別である場合に比較して、検出センサSC1に球を通過させやすくすることができるので、その通過に基づき出力される遊技者の利益となる報知を発生させやすくすることができる。
上記第1実施形態の第4の演出例では、球演出装置800の駆動態様から、抽選規定時間TE4aが規定され、その抽選規定時間TE4aが経過する前に次の大当たりを獲得した場合に遊技者に有利な報知が発生する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球演出装置800を利用せずに、大当たり遊技の終了からの時間を測定し、大当たり遊技の終了から所定時間(例えば、50秒間や100秒間等)が経過するまでに大当たりを獲得したか否かをMPU201又はMPU221で判定し、所定時間が経過するまでに大当たりを獲得したと判定された場合に遊技者に有利な報知が発生するように制御しても良い。この場合、球演出装置800の配置に関わらず、任意の位置で所定時間に関わる表示演出(カウントダウン表示等)を行うことができるので、演出自由度を向上させることができる。また、表示演出で遊技者を煽る(遊技の進行を急がせる)ことで、球を継続的に発射させ、抽選の頻度を上げることができるので、一定時間で大当たりを獲得できる期待値を上げることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<球が配置された状態で球が到達することで、検出口に球を送球する貯留部>
球が通過可能な案内手段と、その案内手段を通過した球を受け入れ可能であって変位可能な第1受部を有する可動手段と、前記第1受部が所定の位置に配置されることで前記第1受部を通して球が通過可能となる通過手段と、その通過手段を通過した球を検出する検出手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、検出手段を球が通過したことを検出して遊技者に一定の利益を与える遊技機がある(例えば特開2015−150122号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、検出手段の上流側における状況を把握する機能を備えていないため、検出手段の上流側における球の流下態様(球の配置、流下速度、流下方向、流下頻度)に対応した演出を出力でき難いという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、検出手段を球が通過したことが検出されることにより、第1受部が所定の位置に配置された状態で球が通過手段を通過したことを判定することができる。即ち、検出手段の上流側における状況を把握することができる。従って、球が検出手段を通過した場合に特定の演出を行うように制御することで、検出手段の上流側における球の流下態様に対応した演出を容易に出力することができる。
なお、一定の利益の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技者に賞球が払い出される態様でも良いし、大当たりの抽選が行われる態様でも良いし、特定の演出が行われる態様でも良い。
遊技機A1において、前記通過手段は、前記第1受部に所定個数以上の球が集まることで球の通過を許容することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、検出手段で球の通過を検出することにより、第1受部に所定個数以上の球が集まったことを判定することができるので、例えば、一定間隔で第1受部から球が排出される場合に、球が第1受部に受け入れられる頻度に対応した演出を行うことができる。
遊技機A2において、前記可動手段は、前記案内手段を通過した球を受け入れ可能であると共に前記第1受部と異なる第2受部と、前記案内手段を通過した球を前記第1受部が受け入れるか、前記第2受部が受け入れるかを切り替える切替部と、を備え、前記第2受部は、その第2受部を通して前記通過手段を球が通過可能とするために、前記第2受部が受け入れる球の個数が、前記第1受部と異なるように設定されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、検出手段の通過に必要となる、案内手段を球が通過する頻度を、切替部により変化させることができる。
遊技機A2又はA3において、前記第1受部は、第1態様または第2態様で変位可能とされ、前記第1態様で前記第1受部が変位することで、前記第1受部を通して球を通過手段に通過させるのに必要な球の受け入れ頻度が所定の頻度に維持され、前記第2態様で前記第1受部が変位することで、前記第1受部を通して球を通過手段に通過させるのに必要な球の受け入れ頻度が前記所定の頻度に比較して下げられることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、第1受部の変位の態様を異ならせることにより、第1受部を通して通過手段を球が通過するために必要となる球の受け入れ頻度を変化させることができる。従って、検出手段を球が通過することにより生じる演出は同じとしながら、検出手段に球が通過するのに必要となる球の受け入れ頻度を変化させることができるので、遊技者の経験値の違いや、遊技状態の違いに容易に対応することができる。
なお、第1受部の変位の態様を異ならせる契機は、何ら限定されるものでは無い。例えば、遊技者が操作ボタンを操作し設定を変更することで変位の態様を異ならせるものでも良いし、遊技状態や大当たり遊技の振り分け等、遊技の進行に伴い状況が変化することにより自動で異ならせるものでも良い。
また、第1態様と、第2態様との違いは、何ら限定されるものでは無い。例えば、動作速度が変化しても良いし、動作方向が変化しても良いし、動作タイミングが変化しても良い。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記第1受部を通して前記通過手段を球が通過した後、前記第1受部の配置が維持される間、前記所定個数の球が前記第1受部に残留することを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、第1受部に球が受け入れられる際、球の受け入れ間隔が変化しない場合であっても、所定個数の球が第1受部に集まる前よりも、集まった後の方が、検出手段を球が通過する間隔を短縮することができる。従って、検出手段を球が通過し始めた以降は、検出手段を球が通過することにより発生する演出を頻繁に生じさせることができる。
遊技機A5において、前記第1受部を通して前記通過手段を通過する球は、先に前記第1受部に集められていた球であることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、第1受部の内部において球の入れ替えを行うことができ、順に検出手段を通過させることができる。これにより、第1受部に球以外の物体を配置することで、あたかも所定個数以上の球が配置されたように誤認させる不正を防止することができる。
遊技機A6において、前記第1受部は、先に受け入れられた前記所定個数の球が配置されることにより、次に球を受け入れた場合に前記通過手段へ球を通過させやすい状態を形成する通過準備部を備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、所定個数以上の球を受け入れた時に、球がスムーズに通過手段を通過するようにすることができる。
遊技機A7において、前記通過準備部は、先に受け入れられた球により埋められ、次に受け入れられた球が前記通過準備部に案内される際に先に受け入れられた球に与えられる負荷が生じ、その負荷により先に受け入れられた球が通過手段へ案内されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、先に受け入れられた球が、次の球が受け入れられる前に通過手段へ案内されることを防止することができる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記案内手段を通過した球を前記第1受部の上流側で停止させる第1状態と、前記第1受部への流下を許容する第2状態とを形成する状態変化手段を備えることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、案内手段を球が通過するタイミングとは異なるタイミングで、第1受部への球の流下を開始させることができる。
<特別遊技が短期間で連続していることを演出する>
抽選条件の成立に基づいて、抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に所定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される特典遊技において遊技球が入球し難い閉鎖状態から入球し易い開放状態に可変可能な可変入賞手段と、を備える遊技機において、前記特典遊技に関わる遊技態様の違いに基づいて、複数種類の演出を実行することが可能な多種類演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の抽選結果が表示手段に示されることにより実行される特典遊技により、多くの賞球を払い出す遊技機がある(例えば特開2015−150122号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、特典遊技の実行間隔や実行期間が違っても、演出に違いは生じないので、例えば、特典遊技が短い間隔で連続して生じるという稀な事象が発生した場合であっても、賞球の払い出しの程度以外でその稀少さを表すことができず、遊技者の高揚感を十分に上げることができないという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、多種類演出実行手段が、特典遊技に関わる遊技態様の違いに基づいて、複数種類の演出を実行するので、例えば、特典遊技が短い間隔で連続して生じた場合には、その状況に応じた専用の演出を実行するように設定でき、その演出により遊技者の高揚感を向上させることができる。これにより、賞球の払い出しの程度以外の点においても、遊技者の高揚感を向上させることができる。
なお、特典遊技に関わる遊技態様の違いとしては、何ら限定されるものでは無い。例えば、特典遊技における可変入賞手段への球の入賞頻度が異なることに起因する可変入賞手段の開放状態を維持する期間の違いでも良いし、特典遊技が終了してから再び次の特典遊技が実行されるまでの期間の違いでも良い。
遊技機B1において、前記多種類演出実行手段は、前記特典遊技において発射された遊技球であって、前記可変入賞手段に入球しなかった遊技球の個数が所定個数よりも多い場合に、遊技者に有利な演出を実行することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、可変入賞手段に入賞せずに遊技者の損失となった遊技球の個数が所定個数よりも多い場合に、遊技者に有利な演出が実行されるので、特典遊技を、遊技球を打ちっ放す(打ち止めしない)遊技態様で遊技する場合と、可変入賞手段の動作を把握して閉鎖状態の時に遊技球が可変入賞手段に到達しないように調整して発射する(打ち止めを行う)遊技態様で遊技する場合とで、遊技者に与えられる利益の差を小さくすることができる。
遊技機B1又はB2において、前記可変入賞手段は、前記特典遊技における所定条件の成立に基づいて開閉し、前記可変入賞手段に入球した遊技球であって、前記可変入賞手段の前記開放状態に状態変化する回数と対応した対応個数の遊技球を演出領域へ入球させる開閉手段と、前記演出領域に入球した遊技球を所定の検出条件の成立により検出可能な入球検出手段と、を備え、前記所定の検出条件は、所定期間の間に前記演出領域に前記対応個数の所定倍数の球が入球することとされることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、入球検出手段により球が検出されることに基づいて、所定の検出条件が成立したことを把握することができ、所定期間の間に、開閉手段が開閉した回数を判定することができるので、その開閉回数から算出して、特典遊技の実行間隔や実行期間の違いを判定することができる。
従って、例えば、特典遊技が短い間隔で連続して生じるという稀な事象が発生した場合に入球検出手段により球が検出されるように設定し、入球検出手段に球が検出されることに基づいて特定の演出を実行することにより、遊技者に発生している稀少さを報知することができ、遊技者の高揚感を高めることができる。
なお、開閉手段を開閉させる所定条件は、何ら限定されるものでは無い。例えば、特典遊技の開始から所定期間経過した時に開閉するようにしても良いし、可変入賞手段の所定回数目の開放開始から所定期間経過した時に開閉するようにしても良いし、所定の入力可能期間に遊技者が操作手段を操作することに基づいて開閉するようにしても良い。
また、一回の特典遊技の間に開閉手段が開閉する回数は、何ら限定されるものでは無い。例えば、一回でも良いし、複数回でも良い。また、開閉のタイミングも任意に設定可能とされる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記多種類演出実行手段は、前記演出領域に入球した遊技球を前記入球検出手段の上流側において滞留させる滞留手段と、その滞留手段に滞留した遊技球を、前記入球検出手段を避けて流下させる回避手段と、を備え、前記特定演出は、前記滞留手段に遊技球が滞留してから、前記可変入賞手段の一回の開閉動作に設定される最長時間よりも長い期間である待機期間の経過後に回避手段が遊技球を流下させる特定演出を実行可能とされることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、滞留手段に滞留した球を排出する回避手段は、滞留した球が排出されるまでの待機期間を可変入賞手段の一回の開閉動作に設定される最長時間よりも長い期間とするので、可変入賞手段が複数回開閉動作する間、滞留手段に球を滞留させることができる。
遊技機B4において、前記特典遊技において、前記開閉手段の開閉回数が前記演出領域へ前記対応個数の遊技球を入球させるのに満たない内に、前記入球検出手段が遊技球を検出することに基づいて、特定の報知演出が実行されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、特典遊技において、開閉手段の開閉回数が演出領域へ対応個数の遊技球を入球させるのに満たない内に、入球検出手段が遊技球を検出する場合、以前の特典遊技において演出領域へ入球していた遊技球が排出されずに残留していた場合と同一視することができ、複数の特典遊技が短期間の内に発生したことを判定することができる。この場合に特定の報知演出を実行することにより、その報知演出から、遊技者は、複数の特典遊技が短時間で発生したことを把握することができ、遊技者の高揚感を高めることができる。
遊技機B4又はB5において、遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段が所定の操作規則に従って操作されたことに基づいて所定の信号を出力する信号出力手段と、を備え、その信号出力手段により信号が出力されたことに基づいて前記待機期間が延長されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、遊技者が操作手段を操作することに基づいて滞留手段に滞留された遊技球をはじめに設定されていた待機期間を超えて維持することができるので、操作手段の操作に対する遊技者の参加意欲を高めることができる。
遊技機B3からB6のいずれかにおいて、前記可変入賞手段は、前記開放状態として、遊技球が入球するのに十分な時間維持される長開放状態と、遊技球が入球するのに不十分な時間維持される短開放状態とのどちらか一方を所定条件に基づいて実行するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B3からB6のいずれかの奏する効果に加え、開放状態を構成する開放の態様が、長開放状態なのか、短開放状態なのかによって、所定期間の間に演出領域に対応個数の所定倍数の球を入球できるか否かを切り替えることができる。即ち、可変入賞手段の開放パターンの違いを、入球検出手段に球が通過するか否かと対応付けることができる。
<有利な報知を維持するために遊技者が主体的に働くポイント>
抽選条件の成立に基づいて、抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に所定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される特典遊技において遊技球が入球し難い閉鎖状態から入球し易い開放状態に可変可能な可変入賞手段と、を備える遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段の操作態様を複数の態様で指示する指示手段と、その指示手段の指示に従い前記操作手段が操作されなかった場合に遊技者に付与される利益に比較して、前記指示手段の指示に従い前記操作手段が操作された場合に遊技者に付与される利益を大きくする利益付与手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、操作手段を備える遊技機がある(例えば特開2015−150122号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、操作手段の操作によりメニュー画面を表示し、演出の設定等を行うことができるに留まり、操作手段の操作の有無と、遊技者に付与される利益の大小とが関連しないので、操作手段に対する操作意欲を向上させることがし難いという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、指示手段の指示通りに操作手段を操作する方が、利益付与手段により遊技者に与えられる利益が上昇するので、遊技者の操作手段の操作に対する参加意欲を向上させることができる。
遊技機C1において、前記指示手段の指示通りの操作で前記操作手段を遊技者が操作することに基づいて、前記利益付与手段により遊技者に与えられる利益が最大側で維持されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、指示手段の指示通りに操作手段を操作することで、利益付与手段により遊技者に与えられる利益が最大側で維持されるので、操作手段に対する遊技者の操作意欲の向上を図ることができる。
遊技機C1又はC2において、前記指示手段の指示に従い前記操作手段が操作されなかった場合に、所定条件の成立に基づいて、前記利益付与手段により遊技者に与えられる利益を維持可能に設定されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、指示手段の指示に従い操作手段が操作されなかったとしても、所定条件が成立すれば、利益付与手段により遊技者に与えられる利益を維持可能とされるので、指示手段の全ての指示に従わなければ利益付与手段により遊技者に与えられる利益が減少する場合に比較して、遊技者に与えられるストレスを緩和することができる。これにより、遊技者の遊技時間の確保を図ることができる。
なお、所定条件の態様は何ら限定されるものではない。例えば、操作手段の操作の失敗が複数の規定回数で許容されている条件において、操作の失敗の数が規定回数に到達していないことを所定条件の成立としても良いし、所定の無効期間は操作の失敗を判定しないように設定される場合において、操作の失敗がその無効期間に発生したことを所定条件の成立としても良い。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記指示手段は、前記特典遊技に関わる指示を発生させるものであって、その指示に基づいて前記操作手段を操作する前の前記利益付与手段の状態が、前記特典遊技において同一に設定されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技ごとに利益付与手段の状態が変化する場合に比較して、操作手段に対する操作意欲の向上を図ることができる。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記指示手段は、前記操作手段の操作が前記指示手段の指示通りに行われなかったことに基づいて、指示通りの指示を促す再指示演出を実行可能に構成されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかの奏する効果に加え、再指示演出により遊技者に指示通りの指示を促すことで、遊技者が指示手段の指示に気づかずに操作を失敗していた場合に、再び操作の失敗が生じることを防止し易くすることができる。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記指示手段は、前記特典遊技に関わる指示を発生させるものであって、前記利益付与手段は、所定条件の成立に基づいて、前記操作手段が操作される前に遊技者に所定の利益を付与可能とされることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかの奏する効果に加え、所定条件の成立に基づいて、操作手段が操作される前に利益付与手段により遊技者に所定の利益を付与可能とされるので、必ず操作手段の操作後に利益が付与される場合に比較して、遊技者に意外感を与えることができ、興趣の向上を図ることができる。
なお、所定条件の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、特別図柄の保留により大当たりを獲得できる場合(所謂「保留連」の場合)を所定条件としても良いし、特定のタイミングで球が可変入賞手段に入賞したことを所定条件としても良い。
遊技機C6において、前記指示手段は、前記利益付与手段により遊技者に所定の利益が付与された後に予定されていた指示を取り止める省略演出を行うことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、利益付与手段により遊技者に所定の利益が付与された後にまで操作手段の指示が生じる場合に比較して、遊技者に与えるストレスを低減することができる。即ち、遊技者に付与される利益に関係ない操作の指示を省くことで、操作手段の指示に対する付加価値を向上させると共に、遊技者の遊技時間の確保を図ることができる。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記可変入賞手段は、前記指示手段からの指示が発生する前に、前記閉鎖状態から前記開放状態に変化することを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかの奏する効果に加え、指示手段からの指示が発生する前に可変入賞手段が開放状態へ変化するので、指示手段の指示を待たずして特典遊技を開始することができる。これにより、特典遊技の開始タイミングを早めることができる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記利益付与手段は、前記操作手段の操作態様により所定の遊技球の動作態様を変化させる態様で構成され、その所定の遊技球の動作態様の変化により遊技者に付与される利益を変化させることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかの奏する効果に加え、所定の遊技球の動作の変化により遊技者に付与される利益が変化することから、液晶装置などで行う報知(初めから結果が決まっていると予想できる報知)に比較して、遊技者の興趣の向上を図ることができる(球の動作態様に一喜一憂させることができる)。
遊技機A1からA9,B1からB7,C1からC9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB7,C1からC9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB7,C1からC9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
ここで、パチンコ機等の遊技機において、所定の抽選結果が表示手段に示されることにより実行される特典遊技により、多くの賞球を払い出す遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2015−150122号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、特典遊技の実行態様と演出との関係に改良の余地があるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、特典遊技の実行態様と演出との関係の良好な遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、抽選条件の成立に基づいて、抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に所定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される特典遊技において遊技球が入球し難い閉鎖状態から入球し易い開放状態に可変可能な可変入賞手段と、を備える遊技機において、前記特典遊技に関わる遊技態様の違いに基づいて、複数種類の演出を実行することが可能な多種類演出実行手段を備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記多種類演出実行手段は、前記特典遊技において発射された遊技球であって、前記可変入賞手段に入球しなかった遊技球の個数が所定個数よりも多い場合に、遊技者に有利な演出を実行する。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記可変入賞手段は、前記特典遊技における所定条件の成立に基づいて開閉し、前記可変入賞手段に入球した遊技球であって、前記可変入賞手段の前記開放状態に状態変化する回数と対応した対応個数の遊技球を演出領域へ入球させる開閉手段と、前記演出領域に入球した遊技球を所定の検出条件の成立により検出可能な入球検出手段と、を備え、前記所定の検出条件は、所定期間の間に前記演出領域に前記対応個数の所定倍数の球が入球することとされる。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、特典遊技の実行態様と演出との関係を良好にすることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技球の検出態様を利用して特典遊技の実行態様と演出との関係を良好にすることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技球の検出態様と所定期間との関係を利用して、特典遊技の実行態様と演出との関係を良好にすることができる。