JP6593183B2 - 導光板、面光源装置、透過型表示装置 - Google Patents
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Description
面光源装置は、大きく分けて、各種光学シート等の光学部材の直下に光源を配置する直下型のものと、光学部材の側面側に光源が配置されるエッジライト型のものがある。このうち、エッジライト型の面光源装置は、光源を導光板等の光学部材の側面側に配置することから、直下型のものに比べて面光源装置をより薄型化できるという利点を有し、近年広く用いられている。
そして、導光板の背面に設けられた拡散パターンやプリズム形状等によって光の進行方向を変化させることにより、出光面の導光方向に沿った各位置から少しずつ光がLCDパネル側へ出光していく(例えば、特許文献1)。
しかし、このような単位光学形状が導光板の出光面に形成されている場合、導光板の内部における光の指向性が維持され易くなるため、光源に使用されるLEDの色ムラや、輝度ムラが起因となって、出光面の中央部分に筋状のムラが確認されたり、入光面側近傍に輝度ムラ(ホットスポット)が確認されたりしてしまう場合があった。
請求項1の発明は、光が入射する入光面(13a)と、前記入光面に交差し光が出射する出光面(13c)と、前記出光面に対向する背面(13d)と、前記入光面に対向する対向面(13b)とを有し、前記入光面から入射した光を導光方向(X方向)に導光しながら前記出光面から出射する導光板(13)であって、前記出光面には、出光側単位光学形状(135)が、前記導光方向に垂直であって該導光板の厚み方向に垂直な幅方向(Y方向)に複数配列されており、前記入光面から点光源の光を入射させた場合に、前記出光面上の前記入光面から前記対向面側へ10mm離れた位置の前記幅方向において、前記出光面から出射する全方位の光の輝度を総和した輝度の値が、最大輝度の1/2となる位置の幅をH10とし、前記出光面上の前記入光面から前記対向面側へ30mm離れた位置の前記幅方向において、前記出光面から出射する全方位の光の輝度を総和した輝度の値が、最大輝度の1/2となる位置の幅をH30としたときに、H10<10mmと、H30>14mmとを満たすこと、を特徴とする導光板である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の導光板(13)において、前記出光面(13c)から出射する光のうち最大強度の光の前記出光面に対する出射角度が30度以下であること、を特徴とする導光板である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の導光板(13)において、前記背面(13d)に、背面側単位光学形状(131)が前記導光方向(X方向)に複数配列され、前記背面側単位光学形状は、背面側に凸であり、その配列方向に平行であって該導光板の厚み方向に平行な断面において、その断面形状が略四角形形状であり、入光面側に位置する第1斜面部(132)と、これに対向して他方側に位置して入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部(133)と、前記第1斜面部と前記第2斜面部との間に位置する頂面部(134)とを有し、前記頂面部は、該導光板の背面側に配置される反射部材と接触する接触部(134d)を備えること、を特徴とする導光板である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の導光板(13)において、前記出光側単位光学形状(135)は、前記導光方向(X方向)に延在し、前記出光面(13c)から窪んだ溝形状に形成され、その底部(135c)が前記背面側に凹となる凹曲面(135a)に形成されていること、を特徴とする導光板である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の導光板(13)と、前記導光板の前記入光面(13a)に対面する位置に設けられ、前記入光面へ光を投射する光源部(12)と、前記導光板の出光面側に配置され、前記導光板から出射した光を、そのシート面の法線方向又は法線方向となす角度が小さくなる方向へ向ける偏向作用を有する偏向光学シート(15)と、を備える面光源装置(10)である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の面光源装置(10)と、前記面光源装置によって背面側から照明される透過型表示部(11)と、を備える透過型表示装置(1)である。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面(板面,フィルム面)とは、各シート(板,フィルム)において、そのシート(板,フィルム)全体として見たときにおける、シート(板,フィルム)の平面方向となる面を示すものであるとする。
図1は、本実施形態の透過型表示装置1を説明する図である。
本実施形態の透過型表示装置1は、LCDパネル11と面光源装置10とを備えている。透過型表示装置1は、LCDパネル11を背面側から面光源装置10で照明し、LCDパネル11に形成される映像情報を表示する。
なお、図1を含め以下の図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、透過型表示装置1の使用状態において、透過型表示装置1の画面に平行であって互いに直交する2方向をX方向(X1−X2方向)、Y方向(Y1−Y2方向)とし、透過型表示装置1の画面に直交する方向をZ方向(Z1−Z2方向、厚み方向)とする。なお、Z方向においてZ1側が背面側であり、Z2側は観察者側である。
本実施形態の透過型表示装置1の画面は、LCDパネル11の最も観察者側の面(以下、表示面という)11aに相当し、透過型表示装置1の「正面方向」とは、この表示面11aの法線方向であり、Z方向に平行であり、後述するプリズムシート15のシート面への法線方向や導光板13の板面等への法線方向と一致するものとする。
このLCDパネル11は、略平板状である。LCDパネル11の外形及び表示面11aは、Z方向から見て矩形形状であり、X方向に平行な対向する2辺と、Y方向に平行な対向する2辺とを有している。
この面光源装置10を構成する導光板13、反射シート14、プリズムシート15、光拡散シート16等は、正面方向(Z方向)から見て矩形形状であり、X方向に平行な対向する2辺と、Y方向に平行な対向する2辺とを有している。
光源部12は、点光源121がY方向に所定の間隔で複数配列されて形成されている。この点光源121は、LED(Light Emitting Diode)光源を用いている。なお、光源部12は、例えば、冷陰極管等の線光源としてもよいし、Y方向に延在するライトガイドの端面に光源を配置した形態としてもよい。また、光源部12の発する光の利用効率を向上させる観点から、光源部12の外側を覆うように不図示の反射板を設けてもよい。
この導光板13は、光源部12が発する光を入光面13aから入射させ、出光面13cと背面13dとで全反射させながら、入光面13aに対向する対向面13b側(X2側)へ、主としてX方向に導光しながら、出光面13cからプリズムシート15側(Z2側)へ適宜出射させる。
以下、導光板13の各部について説明する。
図3は、本実施形態の出光側単位光学形状135の詳細を説明する図である。図3では、図2(a)に示す導光板13のYZ面に平行な断面の一部をさらに拡大して示している。
なお、点光源は、導光板の入光面に対向させて1つ配置されており、図4の各図においては、横軸上の縦軸と交差する点が点光源の配置される位置となる。図4においては、最大輝度が縦軸上に存在する例を示すが、導光板の出光面の形状に応じて最大輝度の位置が相違する、例えば、縦軸を挟むようにして最大輝度の位置が2カ所存在する等の場合がある。
出光側単位光学形状135は、図1及び図2(a)に示すように、出光面側(LCDパネル11側、Z2側)から窪んだ溝形状に形成されており、X方向(導光方向)に延在し、Y方向に複数隣接して配列されている。
しかし、このような単位光学形状が導光板の出光面に形成されている場合、導光板の内部における光の指向性が維持され易くなる。そのため、光源部に使用される各LEDに色ムラや、輝度ムラが存在してしまう場合、出光面の中央部分に筋状のムラが確認されたり、入光面近傍に輝度ムラ(ホットスポット)が確認されたりしてしまう場合があった。
ここで、H10は、図4(a)に示すように、入光面13aから1つの点光源の光を入射させた場合に、出光面13c上の入光面13aから導光方向(X方向)の対向面13b側(X2側)へ10mm離れた位置の幅方向(Y方向)における光の輝度が最大輝度の1/2となる位置の幅寸法である。また、H30は、図4(b)に示すように、入光面13aから1つの点光源の光を入射させた場合に、出光面13c上の入光面13aから導光方向(X方向)の対向面13b側(X2側)へ30mm離れた位置の幅方向(Y方向)における光の輝度が最大輝度の1/2となる位置の幅寸法である。
また、H30>14mmと規定することによって、導光板13は、入光面から所定の距離離れた中央部分から出光する光を幅方向に広がり易くすることができ、光源部12に使用される各LEDの色ムラや、輝度ムラが起因となる筋状のムラの発生を抑制することができる。より効果的に筋状のムラの発生を抑制する観点から、H30は、H30≧18mmであるのが好ましい。
また、仮に、H30が14mm以下の場合、出光面の中央部分における光の幅方向への広がりが少なくなり、光源部12に使用される各LEDの色ムラや、輝度ムラが起因となる筋状のムラが発生しやすくなるので望ましくない。
また、本実施形態の出光側単位光学形状135をこのような形態にすることにより、導光板13の出光面に付着した塵等の異物をエアーブロー等によって容易に除去することが可能になる。
出光側単位光学形状135は、図3に示す断面において、底部135cを通り厚み方向(Z方向)に平行な線を境に対称に形成されている。本実施形態の出光側単位光学形状135は、導光方向(X方向)に渡ってYZ断面における断面形状が一様に形成されている。
また、出光側単位光学形状135の端縁部135dに接する面(傾斜面135b)と導光板13の出光面13c(導光板13の出光側の板面、XY面に平行な面、図3中の一点鎖線)とがなす端部角度は、θである。更に、凹曲面135aを挟むようにして設けられた2つの傾斜面135bがなす頂部角度(図3中の2本の破線がなす角度)は、φである。
なお、上述の曲率半径rは、図3に示す断面において、底部135cと、底部135cからY1方向に5μm離れた点と、Y2方向に5μm離れた点との3点により求められた凹曲面135aの半径である。本実施形態では、凹曲面135aが、背面側に凹となる形状であるので、上述の曲率半径の中心は、導光板13の出光面13cよりもZ2側に位置することとなる。
配列ピッチP2がこの範囲よりも小さいと、出光側単位光学形状135の製造が困難となり、設計通りの形状が得られなくなる。また、配列ピッチP2がこの範囲よりも大きいと、LCDパネル11の画素とのモアレが生じやすくなったり、面光源装置10等としての使用状態において、出光側単位光学形状135のピッチが認識されやすくなったりする。従って、配列ピッチP2は、上記範囲とすることが好ましい。
なお、本実施形態の面光源装置10、透過型表示装置1は、導光板13の出光面13cから出射した光の進行方向を、プリズムシート15によって正面方向(Z方向)又は、Z方向となす角度が小さい方向へ偏向(集光)しているので、導光板13の出光面13cから出射する光のうち最大強度の光の出射角度(出光面に対する光の出射する角度)は、30度以下となる。
上述の説明では、出光側単位光学形状135は、出光面側(LCDパネル11側、Z2側)から窪んだ溝形状に形成され、凹曲面135a及び傾斜面135bから構成される形態の例で説明したが、これに限定されるものでない。
例えば、出光側単位光学形状135は、出光面からZ2側に突出する凸形状に形成され、その凸形状のYZ断面における断面形状が、図5(a)に示すように、五角形状に形成されたり、図5(b)に示すように、円弧状(レンチキュラーレンズ形状)に形成されたりするようにしてもよい。このような形態としても、各出光側単位光学形状は、上述の凹曲面135a及び傾斜面135bから構成される出光側単位光学形状と同様の効果を奏することができる。
背面側単位光学形状131は、図1、図2(b)、図6に示すように、背面側(Z1側)に凸となる柱状であり、長手方向(稜線方向)をY方向とし、導光方向となるX方向に複数配列されている。
背面側単位光学形状131は、図2(b)に示すように、その配列方向に平行であって導光板13の板面に直交する方向における断面(XZ面)における断面形状が略台形形状である。背面側単位光学形状131は、入光面側(X1側)に位置する第1斜面部132と、対向面側(X2側)に位置し、入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部133と、第1斜面部132及び第2斜面部133との間に位置する頂面部134とを有している。
この背面側単位光学形状131の配列ピッチは、P1であり、配列ピッチP1は、背面側単位光学形状131の配列方向の幅W1に等しい(P1=W1)形態となっている。本実施形態では、配列ピッチP1は、配列方向において一定である。
第1斜面部132は、背面側単位光学形状131内において入光面13a側に位置し、入光面側端部よりも対向面側(頂面部側)端部が背面側となるように傾斜しており、第1斜面部132には、入光面13a側から対向面13b側へ(X1側からX2側へ)導光する光が入射しにくい。
仮に、α≦1°であると、導光方向(X方向)に進む光が、第2斜面部133で全反射したとき、全反射前後での出光面13c(XY面に平行な面)となす角度の変化量が小さくなり過ぎ、十分に光を取り出すことができず、光の取り出し効率が低下する。
また、仮に、α>5°であると、導光方向(X方向)に進む光が、第2斜面部133で全反射したとき、全反射前後での出光面13c(XY面に平行な面)となす角度の変化量が大きくなり過ぎ、輝度ムラや、入光面13aから遠い領域での明るさの低下を招く。また、導光板13からの出光方向のばらつきも大きくなるので、後述するプリズムシート15での偏向作用が不十分となり、収束性が低下して、正面輝度が低下する。
以上のことから、角度αは、1°<α≦5°を満たすことが好ましい。
一例として、図6に示す頂面部134は、面134a,134b,134c,134dを有している。この面134a〜134dは、出光面13c(導光板13の板面)に平行な面であり、背面側単位光学形状131の長手方向(Y方向)を長手方向とし、背面側単位光学形状131の配列方向(X方向)に沿って配列されている。また、面134a〜134dは、それぞれ、背面側への高さhがそれぞれ異なる。
また、面134a〜134dの間に斜面134eが形成されている。この斜面134eは、導光板13の板面(XY面に平行な面)と角度βをなし、第1斜面部132に平行な斜面である。
なお、本実施形態では、面134a〜134dは、その配列方向における幅が等しい例を挙げて説明するが、配列方向における幅は、等しくなくてもよい。
背面側単位光学形状131の配列方向において、背面側単位光学形状131の幅W1とし、頂面部134の寸法Wa、第1斜面部132及び第2斜面部133が占める寸法Wbとする。
背面側単位光学形状131は、その配列方向において、配列ピッチP1、幅W1、角度α,βは一定である。しかし、背面側単位光学形状131の幅W1に対する、第1斜面部132及び第2斜面部133の寸法Wbの比Wb/W1が、配列方向に沿って入光面13aから離れるにつれて大きくなっている。また、背面側単位光学形状131の幅W1に対する頂面部134の寸法Waの比Wa/W1は、配列方向に沿って入光面13aから離れるにつれて小さくなっている。
対向面側(X2側)へ進むにつれて、図7(b)に示すように、次第に比Wa/W1が小さく、比Wb/W1が大きくなる。そして、図7(c)に示すように、対向面13b近傍では比Wb/W1が大きく、比Wa/W1が小さい。
このように、対向面側へ向かうにつれて、両斜面部(特に、第2斜面部133)が占める比率を大きくすることにより、効率よく光を出光させることができ、導光方向における明るさの均一性も向上する。
しかし、これに限らず、頂面部134を形成する面の数を一定とし、各面の幅を調整することにより、頂面部134の寸法Waを調整する形態としてもよい。
また、最も対向面側及びその近傍においては、頂面部134の幅Waは十分に小さく、反射シート14と頂面部134との光学密着による影響が小さいので、最も対向面側やその近傍に位置する背面側単位光学形状131では、頂面部134が、1つの面から形成される形態としてもよい。
このとき、背面側単位光学形状131の配列ピッチP1に対する接触部(もっとも背面側へ高さの高い面134d)の幅をWcとすると、比Wc/P1は、0.09≦Wc/P1≦0.40を満たすことが、反射シート14と導光板13との光学密着を防止する観点から好ましい。
また、仮に、Wc/P1>0.40である場合、接触部の寸法が大きく、導光板13と反射シート14との接触面積が大きくなり、光学密着が生じやすくなるという問題がある。
従って、比Wc/P1は、0.09≦Wc/P1≦0.40を満たすことが好ましい。
仮に、配列ピッチP1が、この範囲よりも小さいと、背面側単位光学形状131の製造が困難となり、設計通りの形状が得られなくなる。また、仮に、配列ピッチP1がこの範囲よりも大きいと、配列ピッチP1に比例して、接触部となる面134dの面積も大きくなり、光学密着が生じやすくなる。また、配列ピッチP1がこの範囲よりも大きいと、モアレが生じやすくなったり、面光源装置10等としての使用状態において、背面側単位光学形状131のピッチが認識されやすくなったりする。
従って、配列ピッチP1は、上記範囲とすることが好ましい。
導光板13の頂面部134は、入光面側に位置する面134aから対向面側に向かって次第に背面側への高さhが高くなる階段状であり、各面の間に位置する斜面134eが出光面13cに平行な面と角度βをなしているので、入光面側から導光する光は、入射しにくく、仮に入射したとしても、その影響は小さい。そのため、本実施形態の頂面部134は、光学設計上は、出光面13cに平行な1つの面からなる頂面部に略等しくなる。
従って、本実施形態によれば、図9に示すように、頂面部134に入射した光L2は、全反射することができ、光学設計外の方向へ進む光が殆ど生じない。よって、明るさの面内均一性が高い良好な導光板13、及び、面光源装置10、透過型表示装置1とすることができる。
なお、これに限らず、押出成形等により成形したシート状の部材の両面に、紫外線成形法によって、背面側単位光学形状131及び出光側単位光学形状135を一体に形成して、導光板13としてもよい。
反射シート14は、光の利用効率等を高める観点等から、主として鏡面反射性(正反射性)を有するものが好ましい。反射シート14は、例えば、少なくとも反射面(導光板13側の面)が金属等の高い反射率を有する材料により形成されたシート状の部材、高い反射率を有する材料により形成された薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート状の部材等を用いることができる。なお、これに限らず、反射シート14は、例えば、主として拡散反射性を有し、反射率の高い白色の樹脂製のシート状部材等としてもよい。
プリズムシート15は、導光板13よりもLCDパネル11側(Z2側)に配置されている(図1参照)。プリズムシート15は、導光板13の出光面13cから出射した光の進行方向を、正面方向(Z方向)又は、Z方向となす角度が小さい方向へ偏向(集光)する作用を有する偏向光学シートである。
プリズムシート15は、プリズム基材層152と、プリズム基材層152の導光板13側(Z1側)に複数配列されて形成された単位プリズム151とを有している。
単位プリズム151は、導光板13側(Z1側)に凸となる三角柱形状であり、プリズム基材層152の背面側(Z1側)の面に、長手方向(稜線方向)をY方向とし、X方向に複数配列されている。即ち、単位プリズム151の配列方向は、透過型表示装置1の表示面の法線方向(Z方向)から見て、導光板13の背面側単位光学形状131の配列方向に平行であり、出光側単位光学形状135の配列方向と直交している。
単位プリズム151は、配列ピッチがP3、配列方向の幅がW3であり、配列方向において配列ピッチと配列方向のレンズ幅が等しい(P3=W3)形状となっている。
プリズムシート15は、導光板13から出射し、一方の面(例えば、面151a)から入射した光L1を他方の面(例えば、面151b)で全反射させることにより、その進行方向を正面方向(Z方向)又は正面方向に対してなす角度が小さくなる方向へ偏向(集光)する。
なお、これに限らず、例えば、プリズムシート15は、PC樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン共重合体)樹脂、PET樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂等の熱可塑性樹脂を押し出し成形することにより形成してもよい。
このような光拡散シート16を設けることにより、視野角を適度に広げたり、LCDパネル11の不図示の画素と単位プリズム151等とによって生じるモアレ等を低減したりする効果が得られる。
光拡散シート16は、各種汎用の光拡散性を有するシート状の部材を、面光源装置10及び表示装置1として所望される光学性能や、導光板13の光学特性等に合わせて、適宜選択して用いてよい。
また、光拡散シート16に限らず、レンチキュラーレンズシート等の各種光学シート等を配置してもよい。
さらに、光拡散シート16のLCDパネル11側に、さらに、上述のような偏光選択反射シートや各種光学シート等を配置してもよい。
次に、出光側単位光学形状が相違する複数の導光板(実施例1〜6、比較例1〜5)を作製し、筋状のムラや、ホットスポットの発生状況について目視による評価を行った。また、実施例、比較例の各導光板のシミュレーションモデルを作成し、各導光板から出光する光の強度分布を演算してH10及びH30の値を求め、筋状のムラや、ホットスポットの発生状況との関係についての評価も行った。
図10は、シミュレーションに用いた各実施例及び各比較例の導光板のモデルを示す図である。
図11は、比較例5の導光板の出光側単位光学形状を示す図である。
図13は、シミュレーションにより求めた各実施例、各比較例の導光板から出射する光の強度分布を示す図であり、入光面13aから導光方向(X方向)の対向面13b側へ30mm離れた位置の幅方向(Y方向)における光の強度分布を示している。図13(a)は、各実施例の導光板の光の強度分布を示す図であり、図13(b)は、各比較例の導光板の光の強度分布を示す図である。図12及び図13の各図において、縦軸は規格化された光の強度(各点の輝度を最大輝度で割った値)を示し、横軸は導光板のY方向の位置を示す。
図14は、各実施例、各比較例の導光板の評価結果を示す図である。
実施例4及び比較例2〜3の導光板に設けられる出光側単位光学形状は、図5(a)に示すように、出光面からZ2側に凸となり、YZ面における断面形状が五角形状に形成されている。実施例4及び比較例2〜3の出光側単位光学形状は、図5(a)に示す断面において、その頂部t1を通り厚み方向(Z方向)に平行な線を境に対称に形成されており、傾斜角の相違する2種類の斜面(v1、v2)が形成されている。
実施例4及び比較例2〜3の出光側単位光学形状は、配列方向(Y方向)における全体の幅がW4であり、Z2側の斜面v2部分の幅がW5であり、2つの斜面v2がなす頂部t1の頂部角度がφ2である。
実施例5及び比較例4の導光板の出光側単位光学形状135は、その配列方向(Y方向)における全体の幅がW6であり、凸曲面s1の配列方向(Y方向)の幅がW7である。また、凸曲面s1を挟むようにして設けられた2つの傾斜面s2がなす頂部角度は、φ3である。
比較例5の導光板の出光側単位光学形状は、配列方向(Y方向)の幅がW8であり、三角形状を構成する2つの斜面がなす頂部t2の頂部角度がφ4である。
実施例1〜5、比較例1〜5の導光板の出光側単位光学形状は、それぞれ、配列方向における幅(W21、W4、W6、W8)が50μmであり、その配列ピッチが50μmである。
実施例2の導光板の出光側単位光学形状は、頂部角度がφ=110度であり、W21及びW22の比率(W22/W21)が65%に形成されている。
実施例3の導光板の出光側単位光学形状は、頂部角度がφ=110度であり、W21及びW22の比率(W22/W21)が75%に形成されている。
実施例5の導光板の出光側単位光学形状は、頂部角度φ3が100度であり、W6及びW7の比率(W7/W6)が65%になるように形成されている。
比較例2の導光板の出光側単位光学形状は、頂部t1における頂部角度φ2が90度であり、W4及びW5の比率(W5/W4)が80%になるように形成されている。
比較例3の導光板の出光側単位光学形状は、頂部t1における頂部角度φ2が140度であり、W4及びW5の比率(W5/W4)が50%になるように形成されている。
比較例4の導光板の出光側単位光学形状は、頂部角度φ3が90度であり、W6及びW7の比率(W7/W6)が50%になるように形成されている。
比較例5の導光板の出光側単位光学形状は、頂部t2における頂部角度φ4が90度である。
ここで、上記位置(A1、A2)における光の強度は、各点の輝度を輝度の最大値(最大輝度)で割ることによって規格化したものであり、この図12及び図13に示す光の強度分布から、光の強度(輝度)が最大値(1.0)の半分(0.5)となるY方向の幅がH10、H30となる。上記位置(A1、A2)における光の強度は、導光板の幅方向(Y方向)に0.5mm間隔で演算されたものである。ここで、各点の輝度は、それぞれ導光板の出光面から出射する全方位の光の輝度を総和した値を用いている。
筋ムラの評価は、各導光板の中央部(入光面から30mmの位置)において目視により、光のY方向への広がりが十分でなく、筋状のムラが明確に認められると判断したものを「×」とし、若干の筋状のムラが確認されるが、製品として十分に使用可能な範囲であると判断したものを「○」とし、光が十分にY方向に広がり、筋状のムラが十分に抑制されると判断したものを「◎」とした。
図14中の総合評価は、筋状のムラの評価及びホットスポットの評価が共に「◎」の場合に「◎」とし、筋状のムラの評価及びホットスポットの評価の一方が「◎」であり、他方が「○」の場合に「○」とし、筋状のムラの評価及びホットスポットの評価のうちいずれかが「×」である場合に「×」とした。
実施例2の導光板は、筋状のムラの評価が「◎」となり、ホットスポットの評価も「◎」となったため、総合評価が「◎」となった。また、実施例2の導光板は、図12(a)及び図13(a)に示すように、H10が7.8mm、H30が18.0mmとなった。
実施例3の導光板は、筋状のムラの評価が「◎」となり、ホットスポットの評価も「○」となったため、総合評価が「○」となった。また、実施例3の導光板は、図12(a)及び図13(a)に示すように、H10が8.4mm、H30が20.0mmとなった。
実施例4の導光板は、筋状のムラの評価が「○」となり、ホットスポットの評価も「○」となったため、総合評価が「○」となった。また、実施例4の導光板は、図12(a)及び図13(a)に示すように、H10が8.4mm、H30が15.6mmとなった。
実施例5の導光板は、筋状のムラの評価が「○」となり、ホットスポットの評価も「○」となったため、総合評価が「○」となった。また、実施例5の導光板は、図12(a)及び図13(a)に示すように、H10が8.4mm、H30が14.8mmとなった。
比較例2の導光板は、筋状のムラの評価が「◎」となったが、ホットスポットの評価が「×」となったため、総合評価が「×」となった。また、比較例2の導光板は、図12(b)及び図13(b)に示すように、H10が10.8mm、H30が18.0mmとなった。
比較例3の導光板は、ホットスポットの評価が「◎」となったが、筋状のムラの評価が「×」となったため、総合評価が「×」となった。また、比較例3の導光板は、図12(b)及び図13(b)に示すように、H10が7.6mm、H30が14.0mmとなった。
比較例4の導光板は、ホットスポットの評価が「◎」となったが、筋状のムラの評価が「×」となったため、総合評価が「×」となった。また、比較例4の導光板は、図12(b)及び図13(b)に示すように、H10が5.6mm、H30が14.0mmとなった。
比較例5の導光板は、筋状のムラの評価が「◎」となったが、ホットスポットの評価が「×」となったため、総合評価が「×」となった。また、比較例5の導光板は、図12(b)及び図13(b)に示すように、H10が12.2mm、H30が28.0mmとなった。
また、比較例1、比較例3及び比較例4の導光板のように、H10がH10<10mmを満たすが、H30がH30>14mmを満たさない場合、ホットスポットの評価が「◎」となるが、筋状のムラの評価が「×」となってしまうことが確認された。
これに対して、各実施例の導光板のように、H10及びH30がそれぞれ上述の好ましい範囲(H10<10mm、H30>14mm)を満たすことによって、ホットスポットの評価及び筋状のムラの評価が共に「○」又は「◎」となり、総合評価も「○」又は「◎」になることが確認された。
また、特にH10≦8mmの場合、ホットスポットの評価が◎となり、目視においてホットスポットが認められなくなることが確認され、更に、H30≧18mmの場合、目視において筋状のムラがより効果的に抑制されることが確認された。
特に、実施例2の導光板のように、出光側単位光学形状が凹曲面及び傾斜面から構成される形態(図2(a)参照)の場合、ホットスポット及び筋状のムラの各評価を共に「◎」とすることができることも確認された。
(1)本実施形態の導光板13は、入光面13aから点光源の光を入射させた場合に、出光面13c上の入光面13aから導光方向へ10mm離れた位置の幅方向(Y方向)における光の輝度が、最大輝度の1/2となる位置の幅をH10とし、出光面上の入光面から導光方向へ30mm離れた位置の幅方向における光の輝度が、最大輝度の1/2となる位置の幅をH30としたときに、H10<10mmと、H30>14mmとを満たす。そのため、本実施形態の導光板13は、入光面13aから入射した光のうち、入光面13a近傍から出光する光が幅方向(Y方向)に広がりすぎてしまうのを抑制するとともに、入光面から所定の距離離れた出光面13cの中央部分から出光する光を幅方向に広がり易くすることができる。これにより、本実施形態の導光板13は、入光面13aの近傍にホットスポットが生じてしまうのを極力抑制するとともに、出光面13cの中央部分に、光源部12に使用される各LEDの色ムラや、輝度ムラが起因となる筋状のムラが発生してしまうのを抑制することができる。
(3)本実施形態の導光板13は、出光側単位光学形状135が導光方向に延在し、出光面13cから窪んだ溝形状に形成され、その底部が背面13d側に凹となる凹曲面135aに形成されているので、H10<10mmと、H30>14mmを満たす導光板13をより容易に実現することができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
図15は、変形形態の出光側単位光学形状を示す図である。
(1)上述の実施形態において、出光側単位光学形状135は、傾斜面135bが、溝形状の端縁部135dから底部135c側へと傾斜する平坦な面である例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、傾斜面135bは、平坦ではなく、図15(a)に示すように、背面13d側に凹となる凹状の曲面に形成されるようにしてもよい。
また、導光板13の背面13dには、背面側単位光学形状131を形成する代わりに、微細な凹凸形状を形成するようにしてもよい。
また、この場合、導光板13は、第2入光面13bから1つの点光源の光を入射させた場合に、H10’<10mm、H30’>14mmを満たすようにして形成されることによって、上述の実施形態と同様に、各入光面から入射した光によりホットスポットや、筋状のムラが生じてしまうのを抑制することができる。ここで、H10’は、第2入光面13bから導光方向(X方向)の入光面13a側(X1側)へ10mm離れた位置の幅方向(Y方向)における光の輝度が最大輝度の1/2となる位置の幅寸法である。また、H30’は、第2入光面13bから導光方向(X方向)の入光面13a側(X1側)へ30mm離れた位置の幅方向における光の輝度が最大輝度の1/2となる位置の幅寸法である。
また、角度αに関しても、同様に、背面側単位光学形状131の配列方向において、段階的又は連続的に、変化する形態としてもよい。良好な光学性能を得るために、角度α、β、配列ピッチP1等は適宜設定してよい。
使用環境や所望の光学性能に合わせて、面光源装置10として導光板13と組み合わせて用いる各種光学シート等は、適宜選択して用いることができる。
10 面光源装置
11 LCDパネル
12 光源部
121 点光源
13 導光板
131 背面側単位光学形状
132 第1斜面部
133 第2斜面部
134 頂面部
134a〜134d 面
135 出光側単位光学形状
135a 凹曲面
135b 傾斜面
135c 底部
135d 端縁部
14 反射シート
15 プリズムシート
16 光拡散シート
Claims (6)
- 光が入射する入光面と、前記入光面に交差し光が出射する出光面と、前記出光面に対向する背面と、前記入光面に対向する対向面とを有し、前記入光面から入射した光を導光方向に導光しながら前記出光面から出射する導光板であって、
前記出光面には、出光側単位光学形状が、前記導光方向に垂直であって該導光板の厚み方向に垂直な幅方向に複数配列されており、
前記入光面から点光源の光を入射させた場合に、
前記出光面上の前記入光面から前記対向面側へ10mm離れた位置の前記幅方向において、前記出光面から出射する全方位の光の輝度を総和した輝度の値が、最大輝度の1/2となる位置の幅をH10とし、
前記出光面上の前記入光面から前記対向面側へ30mm離れた位置の前記幅方向において、前記出光面から出射する全方位の光の輝度を総和した輝度の値が、最大輝度の1/2となる位置の幅をH30としたときに、
H10<10mmと、
H30>14mmとを満たすこと、
を特徴とする導光板。 - 請求項1に記載の導光板において、
前記出光面から出射する光のうち最大強度の光の前記出光面に対する出射角度が30度以下であること、
を特徴とする導光板。 - 請求項1又は請求項2に記載の導光板において、
前記背面に、背面側単位光学形状が前記導光方向に複数配列され、
前記背面側単位光学形状は、背面側に凸であり、その配列方向に平行であって該導光板の厚み方向に平行な断面において、その断面形状が略四角形形状であり、入光面側に位置する第1斜面部と、これに対向して他方側に位置して入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部と、前記第1斜面部と前記第2斜面部との間に位置する頂面部とを有し、
前記頂面部は、該導光板の背面側に配置される反射部材と接触する接触部を備えること、
を特徴とする導光板。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の導光板において、
前記出光側単位光学形状は、
前記導光方向に延在し、前記出光面から窪んだ溝形状に形成され、その底部が前記背面側に凹となる凹曲面に形成されていること、
を特徴とする導光板。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の導光板と、
前記導光板の前記入光面に対面する位置に設けられ、前記入光面へ光を投射する光源部と、
前記導光板の出光面側に配置され、前記導光板から出射した光を、そのシート面の法線方向又は法線方向となす角度が小さくなる方向へ向ける偏向作用を有する偏向光学シートと、
を備える面光源装置。 - 請求項5に記載の面光源装置と、
前記面光源装置によって背面側から照明される透過型表示部と、
を備える透過型表示装置。
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