JP6593093B2 - 塗布装置、塗工装置および塗膜付ウェブの製造方法 - Google Patents

塗布装置、塗工装置および塗膜付ウェブの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウェブの両面に対して同時に塗膜を形成するための塗布装置、その塗布装置を備えた塗工装置、およびその塗工装置を用いた塗膜付きウェブの製造方法に関する。
ウェブの両面に同時に塗膜を形成する方法として同時両面塗布法が知られており、ウェブを挟んで両側に配置された塗布装置でウェブの両面に同時に塗膜を形成する。具体的には、ウェブを挟んで両側にロール、ナイフ、スリットダイといった塗布装置を配置してウェブの両面に同時に塗膜を形成する。いずれの塗布装置を選択するのかは、塗布する塗液の粘度や、目的とする塗膜の膜厚精度によって適切なものが選択される。
両面同時塗布法では、塗布幅方向における塗膜の膜厚均一性は塗布装置自体の加工精度や設置精度に大きく依存する。特に塗布する塗液の粘度が高粘度の場合、ウェブと塗布装置との間に存在する塗液の液圧が低粘度の場合と比較して高くなり、塗液の液圧によって塗布装置の特に中央部が押し広げられ、塗布幅方向に均一な膜厚を得られない。そこで、塗布装置自体の剛性を高くし変形を抑制することも重要である。
同時両面塗布法として、特許文献1には対向するパイプ型ドクターで塗液を塗布膜厚が所望の膜厚になるように計量し塗膜を形成する方法が開示されている。
また、同時両面塗布法の別の方法として、特許文献2や特許文献3にはウェブを挟んで一対のスリットダイを対向させ両面同時に塗膜を形成する方法が開示されている。特許文献2に開示されている塗布方法では、スリット出口から供給された塗液をウェブに塗布しウェブの両面に同時に塗膜を形成する。また、特許文献3に開示されている塗布方法では、貯液部から計量部にかけて緩やかな傾斜をもった2つの面で構成された塗布装置を用いている。
特開平10−328596号公報 特開2011−12266号公報 欧州特許第1270133号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている塗布方法で用いられているパイプやロールのように平面を持たない円筒状の部材では、一般的に長手方向の真直度を精度良く加工することが難しい。さらに、一対のパイプ型ドクターを対向して設置する際、塗布幅方向の間隙を一定に調整することも難しい。上述のように塗膜の膜厚均一性は塗布装置の加工精度および設置精度に依存するため、特許文献1に開示されている塗布方法では塗布幅方向に均一な膜厚分布を有する塗膜の形成は難しい。
特許文献2に開示されているスリットダイでの塗布方法では、スリット直下の液圧が高くなってしまう。この現象は塗液の粘度が高いほど顕著になるため、高粘度の塗液を塗布すると塗布部で液圧による抵抗が生じ、ウェブを搬送するための過剰な張力が必要となり、ウェブの剛性によってはシワが発生してしまう。
特許文献3に開示されている塗布方法でも、特許文献2の塗布方法と同様に、塗液がウェブに近接するにつれ液圧が高くなるため、塗布部で液圧による抵抗が生じ、ウェブの剛性によってはシワが発生してしまう。
そこで本発明は、ウェブの両面に塗布幅方向に均一な膜厚で塗液を塗布でき、塗液計量部での液圧の上昇を抑制し、液圧によるウェブの搬送抵抗を抑制できる塗液の塗布装置を提供する。また、その塗布装置を備えた塗工装置、およびその塗工装置を用いた塗膜付ウェブの製造方法を提供する。
上記課題を解決する本発明の塗布装置は、走行するウェブの両面に同時に塗液を塗布するための塗布装置であって、
塗液を貯留する貯液部の壁面となる貯液部材と、
前記貯液部材よりもウェブの走行方向下流側でウェブの走行面を挟んで間隔を空けて対向して設けられ、前記貯液部の底面となり貯液部材とともに貯液部を形成する一対の計量部材と、を有し、
前記計量部材の塗液と接する面が、ウェブの走行面に近づくように隣接する3の平面で構成され、これら各平面がウェブの走行方向下流側に向かって傾斜しており、これら各平面とウェブの走行面に垂直な方向とがなす角度である傾斜角度が、ウェブの走行面に近い平面ほ大きくなっている。
また、本発明の塗布装置は下記のような構成であることが好ましい。
・ 前記塗液と接する面のうちウェブの走行面に最も近い平面が、ウェブの走行面に略平行である。
・ 前記計量部材が、塗液と接する面のうちウェブの走行面に最も近い平面にウェブの走行方向下流側で隣接する平面をさらに有し、この隣接する平面が、ウェブの走行面から離れる方向でウェブの走行面に垂直であるか、ウェブの走行方向下流側に向かうにつれてウェブの走行面から離れている。
・ 前記一対の計量部材のそれぞれをウェブの厚み方向に移動できる手段を有している。
・ 前記計量部材が、ウェブ走行面に最も近い部分が他の部分とは異なる材質で構成されている。
また、本発明の塗工装置は、本発明の塗布装置とウェブを搬送する搬送装置とを備えている。
また、本発明の塗膜付きウェブの製造方法は、本発明の塗工装置を用いて、前記一対の計量部材の間隙にウェブを導入し、前記貯液部においてこの貯液部に貯めた塗液をウェブの両面に付着させ、一対の計量部材の間隙を調整することで前記ウェブの両面に付着した塗液を所定の膜厚に計量しウェブの両面に塗膜を形成する。
本発明の塗布装置を用いれば、塗布部の液圧の上昇を抑制することで液圧によるウェブの搬送抵抗を抑制できる。その結果、塗布部に過剰な張力を付与せずに塗布が可能であるとともに、塗布幅方向に均一な膜厚の塗膜をウェブの両面に対して同時に形成できる。
本発明の一実施形態による塗布装置の概略断面図である。 本発明の別の実施形態による塗布装置の概略断面図である。 図1のP部の拡大図である。
本発明の望ましい実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は図面に示された形態に限定されるものではなく、発明の目的を達成できて、且つ発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更は有り得る。
図1は、本発明の塗液の塗布装置100の概略断面図である。この塗布装置100はウェブ0の両面に塗液1を塗布し塗膜2を形成する装置である。この塗布装置100は、貯液部材101および101’と、一対の計量部材102および102’とを有している。貯液部材101、101’は塗液1を貯留するための貯液部Xの壁面となる。計量部材102、102’は、貯液部材101および101’よりもウェブ0の走行方向下流側でウェブ0の走行面を挟んで間隔tを空けて対向して設けられており、貯液部Xの底面となり貯液部材101、101’とともに貯液部Xを形成する。さらにこの塗布装置100では、貯液部Xに塗液1を貯留できるようにするため、図1の紙面手前側と奥側に、貯液部材101、101’および計量部材102、102’を挟むようにして側板(図示せず)が設けられる。
計量部材102、102’は、その塗液1と接する面が、ウェブ0の走行面に近づくように隣接する3つの平面103、104、105および103’、104’、105’で構成されている。そして、各平面103、104、105(103’、104’、105’)はウェブ0の走行方向下流側に向かって傾斜している。さらに、ウェブの走行面に近い面ほど、つまり平面103(103’)よりも平面104(104’)の方が、そして平面104(104’)よりも平面105(105’)の方が、各平面103、104、105(103’、104’、105’)とウェブ0の走行面に垂直な方向とのなす角度である傾斜角度(図3のθ3、θ4、θ5)が大きくなっている。計量部材102,102’の塗液1と接する平面は、図1に示すようにウェブ0の走行面に近づくように隣接する3つ以上の平面で構成されている。また隣接する平面がいくつであっても、各平面はウェブ0の走行方向下流側に向かって傾斜し、ウェブ0の走行方向に近い平面ほど傾斜角度が大きい。


このような本発明の一対の計量部材102、102’を用いれば、塗布幅方向に均一な膜厚の塗膜2を得ることができる。その作用は以下のとおりである。
まず、塗膜2の塗布幅方向の膜厚均一性は計量部材102(102’)の加工精度に依存する。平面105(105’)と、平面105(105’)にウェブ0の走行方向下流側で隣接する面106(106’)とが共有する辺107(107’)は塗液1の液離れ点であり、この辺107(107’)にメニスカスが形成される。このメニスカスが塗布幅方向にわたって安定であるためには辺107(107’)が塗布幅方向に歪みなく略直線状に均一に加工されている必要がある。計量部材102(102’)は複数の平面で構成されているため、計量部材102、102’を加工時および設置時に基準となる平面を設けることができ、高精度に加工および設置することができる。その結果、塗膜2の塗布幅方向の膜厚を均一にすることができる。
辺107(107’)の真直度の値を小さくするには、面106(106’)は平面であることが好ましい。面106(106’)が平面であると精度よく加工できるため、面105(105’)が平面であることと合わせて、辺107(107’)の真直度の値を小さくできる。また、平面の加工は容易であるので、加工費も安価で済む。
平面106(106’)は、ウェブ0の走行面から離れる方向で走行面に垂直であるか、ウェブ0の走行方向下流側に向かうにつれてウェブ0の走行面から離れていることが好ましい。つまり、液離れ点において平面106(106’)とウェブ0の走行面とのなす角度(図3のθ)が90度以下であることが好ましい。液離れ点の角度が90度以下であると、平面106(106’)が精度よく加工できるため、辺107(107’)の真直度の値を小さくできる。
ウェブ0の搬送に伴われて塗液1がウェブ0と平面105(105’)との間に向かって移動する際、塗液1はウェブ0と計量部材102(102’)の各平面との間隙tが閉塞する閉塞部Yに向かうに従ってその液圧が大きくなるとともにウェブ0の搬送方向と反対の方向に搬送の抵抗となる力(以下、塗布抵抗と呼ぶ)が生じる。例えば特許文献1に開示されているパイプ型ドクターでは閉塞部に向かうにつれ急激に液圧が大きくなる。また、特許文献2に開示されているウェブと塗布部材との距離が一様に小さくなる構成でも液圧の上昇は大きく、塗布部で過剰な塗布抵抗を生じる。一方、本発明の計量部材102(102’)では隣接する3つの平面103、104、105(103’、104’、105’)がウェブ0の走行面に近い面ほどウェブ0の走行方向下流側に向かう傾斜角度が大きくなっているので(θ3<θ4<θ5)、塗液1と接する面がなだらかに傾斜している。そのため、計量部材102(102’)に入ってくる塗液1の量と各傾斜面の出口から出て行く塗液1の量との差が少ないため、液圧の上昇を抑制することができ、これによって塗布抵抗を抑制することができる。その結果、ウェブ0に塗液1を塗布する際に過剰な張力をウェブ0に付与せずに塗布することができる。ウェブ0への塗布工程においては、塗布装置100で塗膜2を形成した後、塗膜2を固定化するために乾燥などの工程を有している。特に乾燥工程においては、ウェブ0に過剰な張力がかかると、ウェブ0にカールあるいは耳立ちが発生したり、乾燥工程で与える熱により熱シワが発生したりする。したがって、塗布抵抗を抑制することが必要である。この塗布抵抗を抑制するには、計量部材102(102’)が隣接する平面を3面以上備えていることが必要である。隣接する平面が2面だけでは、液圧の上昇を抑制する効果が十分ではないため、塗布抵抗の上昇を抑制できない。
計量部材102(102’)は、ウェブ0の走行面に最も近い平面105(105’)のウェブ走行方向の長さ(図3のL)は計量部材102(102’)の加工性から0.1mm以上が好ましく、間隙tの調整作業のしやすさを考慮すると5.0mm以下であるのが好ましい。ウェブ走行方向の長さLの下限は、より好ましくは0.5mm以上である。、ウェブ走行方向の長さLの上限は、より好ましくは1.5mm以下である。塗布抵抗が平面105(105’)の長さLに比例することを考慮すると、1.5mm以下であれば、高粘度の塗液1を塗布した際に塗液1の圧力が過大になることを抑制でき、ウェブ0の搬送抵抗を抑制できる。一方、ウェブ走行方向の長さLが0.5mm以上であると、低粘度の塗液1を塗布した際に塗液1の圧力が過小になることを抑制でき、液圧が過小である場合、液圧でウェブ0の表裏両側からウェブ0を押さえる力が不足することで塗布部Zでウェブ0に生じるトタンシワを抑制できる。
塗膜2の膜厚は計量部材102(102’)とウェブ0の表面との距離に依存するため、塗布装置100は、計量部材102および102’をウェブ0の厚み方向に移動できる手段(図示しない)を備えていることが好ましい。このような手段として、計量部材102および102’を載置し、計量部材102および102’ごとウェブ0の厚み方向に移動できる移動テーブルなどが例示できる。このような移動手段を備えることで、塗膜2の膜厚を高精度かつ容易に再現性よく調整することができる。
計量部材102と102’とは、ウェブ0を挟んで間隔tを空けて対向して略平行に配置することが好ましい。ウェブ0と計量部材102と102’との間に塗液1が介在すると、ウェブ0を挟んで両側の液圧がつりあい、ウェブ0は必ず一対の計量部材102と102’の中央に存在する。したがって、計量部材102(102’)の移動手段は、計量部材同士を略平行に設置できる精度が求められる。
計量部材102(102’)の平面105(105’)はウェブ0と略平行であることが好ましい。塗液1が介在するとき一対の計量部材102、102’の中央にウェブ0が存在することを考慮すると、平面105(105’)がウェブ0に対して略平行であれば塗膜2の膜厚調整が容易になる効果がある。これは、ウェブ0と平面105(105’)との間で液圧が減じ、液離れ点である辺107(107’)ではせん断流れのみが存在するためである。せん断流れのみが存在する場合、塗布部Z直後での膜厚は間隙tの半分であることが知られているため、間隙tは所望の膜厚の2倍に調整すればよいので、膜厚調整時間を短縮することができる。これはウェブ0の搬送速度によらない現象であるため、低速から高速まで幅広い速度範囲で塗布が可能となる効果もある。なお、図3のウェブ0の矢印は、ウェブ0が平面105と平行であることを示している。
また、一対の計量部材102、102’を、ウェブ0を挟んで間隔tを空けて対向して配置するとき、対向する平面105および105’の間隙tを計測した測定結果によって平面105および105’の間隙tを塗布幅方向で均一になるように調整することが好ましい。調整の際、一対の計量部材102、102’がそれぞれウェブ0の厚み方向に移動できれば作業者によらず同じ間隙tに調整することができる。
図2は、本発明の別の実施形態による塗布装置200の概略断面図である。塗布装置200は、ウェブ0に最も近接する部材208(208’)と、部材208(208’)とは異なる材質である部材209(209’)とから構成されている計量部材202(202’)を備えた塗布装置200である。部材208(208’)に高剛性材料を選定した形態を例として説明する。高粘度の塗液1を塗布する場合、低粘度の塗液1を塗布する場合と比較して液圧が高くなる。液圧が高い場合、特に塗液1の逃げ場のない塗布巾方向の中央部で、塗液1が計量部材202(202’)を押す力が大きくなり、計量部材202(202’)の塗布幅方向中央部で計量部材202(202’)とウェブ0との間隙tが押し広げられ、塗膜2の膜厚が塗布幅方向中央部で厚くなる。部材208(208’)に高剛性材料を使用することで、このような不具合を防止できる。また、部材208(208’)に耐摩耗性を有する材料を選定した形態を例として説明する。塗液1に高硬度の粒子を含む塗液1を塗布する場合、ウェブ0と計量部材202(202’)が最も近接する部分では塗液1のせん断力が高く、塗液1に含まれる高硬度の粒子によって計量部材202(202’)が削られてしまう。計量部材202(202’)が削られてしまうと、経時的にウェブ0と計量部材202(202’)との距離が変わることで膜厚に変動が生じたり、塗布幅方向の塗膜2の膜厚に分布が生じたり、あるいは削られた計量部材208(208’)の小片や磨耗粉が製品に混入してしまう。部材208(208’)に耐摩耗性を有する材料を使用することで、このような不具合を防止できる。一方で、計量部材202(202’)の構成部材である部材209(209’)については、部材208(208’)ほどには剛性や耐摩耗性、耐久性は求められないので、部材208(208’)よりも安価な材料を使うことができ、計量部材202(202’)のコストを抑えることができる。つまり、計量部材202(202’)を、ウェブに最も近接する部材208(208’)と、部材209(209’)とで異なる材質で構成することで、計量部材202(202’)の剛性や耐摩耗性、耐久性を向上しつつ、コストの上昇も抑えることができる。
本発明の塗布装置100および200は、長尺状のウェブ0を搬送しながら塗液1を塗布するウェブ塗工装置として好適に使用することができる。特に本発明の塗布装置100および200を使用したウェブ塗工装置は、塗液1の粘度やウェブ0の搬送速度によらず均一な塗膜2を得ることができる。
また、本発明の塗膜付きウェブの製造方法では、塗膜付きウェブの表裏で同一量の膜厚を得ることができるので、ウェブ0の両面に同じ膜厚の塗膜2を同時に形成するのに好適である。
<実施例1>
図1に示す塗布装置100を準備した。計量部材102(102’)の塗液1と接する面は、3つの平面103、104、105(103’、104’、105’)で構成され、各平面はウェブ0の走行方向下流側に向かってθ3=45°、θ4=70°、θ5=90°に傾斜しており、ウェブ0の走行面に近い平面ほど傾斜角度が大きくなっている。また、ウェブ0の走行面に最も近い平面105、105’はそれぞれウェブ0の走行面に略平行でその間隙tは50μmであり、平面105(105’)のウェブ0の走行方向長さLはそれぞれ1.5mmである。平面105、105’のそれぞれとウェブ走行方向下流側で隣接する面106、106’は平面であり、平面106(106’)とウェブ0の走行面とのなす角度θを45度としてウェブ0の走行方向下流側に向かうにつれてウェブ0の走行面から離れている。この塗布装置100を使用して、厚さが7μmのウェブ0上に塗液1を塗布した。液離れ点の辺107および107’でのメニスカスは塗布幅方向で安定していた。スジやムラなどの塗布欠陥のない良好な塗布面だけでなく、塗布幅方向に均一な膜厚を得ることができた。
<実施例2>
平面105、105’のウェブ走行方向長さLが0.3mmである以外は実施例1と同じ塗布装置100を準備した。この塗布装置100を使用して、厚さが7μmのウェブ0上に塗液1を塗布した。塗布中、塗布部Z付近で軽微なトタン状のシワが発生していたが、液離れ点の辺107および107’でのメニスカスは塗布幅方向で安定していた。トタン状のシワ起因での折れやスジなどの塗布欠陥を生じることなく、また塗布幅方向に均一な膜厚を得ることができた。
<比較例1>
計量部材102の形状を直径25mmの円柱とし、ウェブ0に対して円柱が塗布幅方向で略平行になるような塗布装置100を準備した。この塗布装置100を使用して、塗液1を塗布したところ、メニスカスは塗布幅方向で不安定であり、塗布幅方向で波打つような形状であった。メニスカスの状態が安定しなかったため、塗布面には塗布幅方向に等間隔でウェブ0の走行方向に平行なリブ状のスジが塗布幅方向全幅に存在し、塗布欠陥を生じた。
0: ウェブ
1: 塗液
2: 塗膜
100: 塗布装置
200: 塗布装置
101、101’: 貯液部材
102、102’: 計量部材
103、103’: 計量部材102(102’)の塗液1と接する平面
104、104’: 計量部材102(102’)の塗液1と接する平面
105、105’: 計量部材102(102’)の塗液1と接する平面でウェブの走行面に最も近い平面
106、106’: 平面105、105’とウェブ走行方向下流側で隣接する平面
107、107’: 平面105、105’と平面106、106’とが共有する辺(液離れ点)
202、202’: 複数の部材から構成される計量部材
205、205’: 計量部材202、202’の塗液1と接する平面でウェブ0の走行面に最も近い平面
208、208’: 計量部材202、202’を構成する部材でウェブ走行面に最も近い部材
209、209’: 計量部材202、202’を構成する部材
L: 平面105,105’のウェブ走行方向長さ
t: 一対の計量部材102と102’との間隙
X: 貯液部
Y: 閉塞部
Z: 塗布部
θ: 平面106(106’)とウェブ0の走行面とのなす角度
θ3: 平面103、103’の傾斜角度
θ4: 平面104、104’の傾斜角度
θ5: 平面105、105’の傾斜角度

Claims (7)

  1. 走行するウェブの両面に同時に塗液を塗布するための塗布装置であって、
    塗液を貯留する貯液部の壁面となる貯液部材と、
    前記貯液部材よりもウェブの走行方向下流側でウェブの走行面を挟んで間隔を空けて対向して設けられ、前記貯液部の底面となり貯液部材とともに貯液部を形成する一対の計量部材と、を有し、
    前記計量部材の塗液と接する面が、ウェブの走行面に近づくように隣接する3の平面で構成され、これら各平面がウェブの走行方向下流側に向かって傾斜しており、これら各平面とウェブの走行面に垂直な方向とがなす角度である傾斜角度が、ウェブの走行面に近い平面ほ大きい、塗布装置。
  2. 前記塗液と接する面のうちウェブの走行面に最も近い平面が、ウェブの走行面に略平行である、請求項1の塗布装置。
  3. 前記計量部材が、前記塗液と接する面のうちウェブの走行面に最も近い平面とウェブの走行方向下流側で隣接する平面をさらに有し、
    前記隣接する平面が、ウェブの走行面から離れる方向でウェブの走行面に垂直であるか、またはウェブの走行方向下流側に向かうにつれてウェブの走行面から離れている、請求項1または2の塗布装置。
  4. 前記一対の計量部材のそれぞれをウェブの厚み方向に移動できる手段を有する、請求項1〜3のいずれかの塗布装置。
  5. 前記計量部材が、ウェブ走行面に最も近い部分が他の部分とは異なる材質で構成された、請求項1〜4のいずれかの塗布装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかの塗布装置とウェブを搬送する搬送装置とを備えた塗工装置。
  7. 請求項6の塗工装置を用い、前記一対の計量部材の間隙にウェブを導入し、前記貯液部においてこの貯液部に貯めた塗液をウェブの両面に付着させ、一対の計量部材の間隙を調整することで前記ウェブの両面に付着した塗液を所定の膜厚に計量しウェブの両面に塗膜を形成する、塗膜付きウェブの製造方法。
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