JP6591318B2 - 中性子捕捉療法システム - Google Patents

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Description

本発明は、中性子捕捉療法システムに関する。
特許文献1には、中性子線の照射によりがん治療を行う中性子捕捉療法システムが記載されている。この中性子捕捉療法システムでは、薬剤が投与された被照射体に中性子線が照射されることで治療が行われる。このような中性子捕捉療法システムを用いた治療においては、中性子線の照射前に、被照射体の血中薬剤濃度を把握することが求められていた。
国際公開第2012/014671号
ここで、被照射体の血中薬剤濃度を測定する方法として、被照射体から血液を採取し、ICP(Inductively Coupled Plasma)を用いて分光分析を行う方法が挙げられるが、このような方法は、作業が煩雑であって手間がかかるという問題があった。また、治療台に試料を載置して当該試料に中性子線を照射して、中性子線と薬剤との反応により生じるガンマ線を測定することで、血中薬剤濃度を算出する方法も挙げられる。しかしながら、このような方法では、測定のために治療台が占有されてしまうことにより、システムの稼働効率が低下してしまうという問題が生じる。
そこで、本発明は、システムの稼働効率を低下させることなく、容易に被照射体の血中薬剤濃度を把握することができる中性子捕捉療法システムを提供することを目的とする。
本発明に係る中性子捕捉療法システムは、薬剤が投与された被照射体へ中性子線を照射する中性子捕捉療法システムであって、荷電粒子を加速させる加速部と、荷電粒子線の照射により中性子線を発生し、第1の部屋側へ中性子線の一部を第1の中性子線として照射する中性子線照射部と、第1の部屋に設けられ、被照射体が載置される治療台と、中性子線照射部で発生する中性子線の一部を、第2の中性子線として第1の部屋とは異なる第2の部屋へ輸送する中性子線輸送部と、第2の部屋に設けられ、試料が配置される試料配置部と、第2の部屋に設けられ、第2の中性子線と試料との反応により放出されるガンマ線を測定するガンマ線測定部と、を備える。
この中性子捕捉療法システムでは、中性子線照射部で発生する中性子線を第1の中性子線として被照射体へ照射することで、被照射体の治療を行う。また、中性子線照射部から照射される中性子線の一部は、中性子線輸送部により、第2の中性子線として第2の部屋へ輸送される。そして、第2の中性子線は、第2の部屋に設けられた試料配置部の試料に照射される。ガンマ線測定部が、試料から放出されるガンマ線を測定することで、試料中の薬剤濃度を算出することができる。当該結果に基づいて、被照射体の血中薬剤濃度を容易に把握することができる。また、中性子線照射部から照射される中性子線の一部である第2の中性子線を試料に照射するため、被照射体に対して治療を実施すると同時に他の被照射体に関連する試料中の薬剤濃度を測定することができる。従って、治療をより効率的に行うことができる。以上により、システムの稼働効率を低下させることなく、容易に被照射体の血中薬剤濃度を把握することができる。
中性子捕捉療法システムでは、中性子線照射部は、中性子線のエネルギを低減させる減速部を備え、中性子線輸送部の一端は、減速部の内部に接続されてもよい。減速部の内部は、試料の薬剤濃度の測定に十分な量の中性子線を得ることが出来る部位である。従って、中性子線輸送部の一端が減速部の内部に接続されることにより、簡単な構成で第2の中性子線を第2の部屋へ輸送することができる。
本発明に係る中性子捕捉療法システムは、薬剤が投与された被照射体へ中性子線を照射する中性子捕捉療法システムであって、荷電粒子を加速させる加速部と、加速部に接続され、荷電粒子線を輸送する第1の荷電粒子線輸送部と、第1の荷電粒子線輸送部から輸送される荷電粒子線の照射により中性子線を発生し、第1の部屋側へ中性子線の一部を第1の中性子線として照射する第1の中性子線照射部と、第1の部屋に設けられ、被照射体が載置される治療台と、第1の荷電粒子線輸送部から、荷電粒子線を分岐させる第2の荷電粒子線輸送部と、第2の荷電粒子線輸送部から輸送される荷電粒子線の照射により中性子線を発生し、第2の部屋側へ中性子線の一部を第2の中性子線として照射する第2の中性子線照射部と、第2の部屋に設けられ、試料が配置される試料配置部と、第2の部屋に設けられ、第2の中性子線と試料との反応により放出されるガンマ線を測定するガンマ線測定部と、を備える。
この中性子捕捉療法システムでは、第1の中性子線照射部で発生する中性子線を第1の中性子線として被照射体へ照射することで、被照射体の治療を行う。また、第2の荷電粒子線輸送部は、荷電粒子線を第1の荷電粒子線輸送部から分岐して第2の中性子線照射部へ輸送する。第2の荷電粒子線輸送部から輸送される荷電粒子線の照射により第2の中性子線照射部で発生する中性子線の一部は、第2の中性子線として第2の部屋へ照射される。そして、第2の中性子線は、第2の部屋に設けられた試料配置部の試料に照射される。ガンマ線測定部が、試料から放出されるガンマ線を測定することで、試料中の薬剤濃度を算出することができる。当該結果に基づいて、被照射体の血中薬剤濃度を容易に把握することができる。また、治療台が設けられた第1の部屋とは異なる第2の部屋で試料の測定を行うことができる。従って、第1の部屋にて被照射体に対して治療を実施すると同時に、第2の部屋にて、他の被照射体に関連する試料を測定するための準備等を行うことができる。従って、治療をより効率的に行うことができる。以上により、システムの稼働効率を低下させることなく、容易に被照射体の血中薬剤濃度を把握することができる。
この中性子捕捉療法システムでは、第1の中性子線照射部は、中性子線のエネルギを低減させる減速部を備え、減速部と第1の部屋との間には、第1の中性子線の出力口となるコリメータが設けられ、第2の中性子線は減速部を介することなく第2の部屋の試料に照射され、ガンマ線はコリメータを介することなくガンマ線測定部により測定されてもよい。これにより、より簡単な構成で試料中の薬剤濃度を測定することができる。
この中性子捕捉療法システムは、第2の荷電粒子線輸送部の経路上に設けられ、第2の荷電粒子線輸送部を通過する荷電粒子線のエネルギを低下させるエネルギ低下部を更に備え、第2の中性子線照射部は、エネルギ低下部によりエネルギが低下された荷電粒子線が照射されることで熱中性子を発生させるリチウムからなるターゲットを有してもよい。これにより、中性子線(主に熱外中性子)を被照射体に照射する第1の中性子線照射部と、中性子線(主に熱中性子)を小動物に照射する第2の中性子線照射部と、を併設することができる。
本発明によれば、システムの稼働効率を低下させることなく、容易に被照射体の血中薬剤濃度を把握することができる中性子捕捉療法システムを提供することができる。
第1実施形態に係る中性子捕捉療法システムの配置を示す図である。 第1実施形態に係る中性子捕捉療法システムの中性子線照射部の近傍を示す図である。 図1のA部の拡大図である。 第1実施形態に係る中性子捕捉療法システムの第2の部屋の配置を示す図である。 第2実施形態に係る中性子捕捉療法システムの配置を示す図である。 第2実施形態に係る中性子捕捉療法システムで小動物の体中薬物濃度を測定する場合の第3の中性子線照射部の近傍を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る中性子捕捉療法システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る中性子捕捉療法システム100の配置を示す図である。中性子捕捉療法システム100は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy)を用いたがん治療を行う装置である。中性子捕捉療法は、薬剤(ホウ素)が投与された被照射体S(患者)に対して中性子線を照射することによりがん治療を行うものである。図2は、第1実施形態に係る中性子捕捉療法システム100の中性子線照射部の近傍を示す図である。図1及び2に示すように、中性子捕捉療法システム100は、治療用の中性子線Nを発生させて照射するための中性子線発生部10と、被照射体Sに第1の中性子線N1を照射するための第1の部屋30A,30Bと、照射準備を行うための準備室50A,50Bと、試料61(血液)中の薬剤濃度を測定するための第2の部屋60と、を備えている。
中性子線発生部10は、中性子線Nを発生させ、第1の部屋30A,30Bの室内に中性子線Nの一部を第1の中性子線N1として照射して被照射体Sへ第1の中性子線N1を照射可能に構成されている。なお、被照射体Sは患者に相当する。中性子線発生部10は、荷電粒子を加速させる加速部11(例えば、サイクロトロン)と、荷電粒子線Pの照射により中性子線Nを発生する中性子線照射部12A及び中性子線照射部12Bと、荷電粒子線Pを中性子線照射部12A又は中性子線照射部12Bまで輸送する荷電粒子線輸送部13と、を備えている。加速部11及び荷電粒子線輸送部13は、Y字状をなす荷電粒子線生成室10aの室内に配置されている。荷電粒子線生成室10aは、コンクリート製の遮蔽壁Wに覆われた閉鎖空間である。
加速部11は、荷電粒子(例えば、陽子)を加速して、荷電粒子線P(例えば、陽子線)を作り出し、出射する。加速部11は、例えば、ビーム半径40mm、60kW(=30MeV×2mA)の荷電粒子線Pを生成する能力を有している。
荷電粒子線輸送部13は、荷電粒子線Pを中性子線照射部12A又は中性子線照射部12Bのうちのいずれか一方に選択的に出射する。荷電粒子輸送部13は、加速部11に接続された第1輸送部14と、荷電粒子線Pの進行方向を切り替えるビーム方向切替器15と、荷電粒子線Pを中性子線照射部12Aに輸送するための第2輸送部16Aと、荷電粒子線Pを中性子線照射部12Bに輸送するための第3輸送部16Bと、を有している。第2輸送部16Aは、ビーム方向切替器15及び中性子線照射部12Aに接続されている。第3輸送部16Bは、ビーム方向切替器15及び中性子線照射部12Bに接続されている。すなわち、荷電粒子線輸送部13は、ビーム方向切替器15において第2輸送部16Aと、第3輸送部16Bとに分岐している。
ビーム方向切替器15は、スイッチング電磁石を利用して荷電粒子線Pの進行方向を制御するものである。なお、ビーム方向切替器15には、荷電粒子線Pを正規の軌道から外してビームダンプ(不図示)に導くことが可能になっている。ビームダンプは、治療前などにおいて荷電粒子線Pの出力確認を行うことができる。なお、中性子捕捉療法システム100は、ビームダンプを備えていない構成であってもよく、この場合、ビーム方向切替器15は、ビームダンプには接続されていないことになる。
第1輸送部14、第2輸送部16A及び第3輸送部16Bのそれぞれは、荷電粒子線Pのためのビーム調整部17を含んでいる。ビーム調整部17は、荷電粒子線Pの軸調整のための水平型ステアリング及び水平垂直型ステアリング、荷電粒子線Pの発散を抑制するための四重極電磁石、及び荷電粒子線Pの整形のための四方向スリット等を含んでいる。なお、第1輸送部14、第2輸送部16A及び第3輸送部16Bのそれぞれは、ビーム調整部17を備えていない構成であってもよい。
なお、第2輸送部16A及び第3輸送部16Bは、必要に応じて電流モニタを含んでもよい。電流モニタは、中性子線照射部12A及び中性子線照射部12Bに照射される荷電粒子線Pの電流値(つまり、電荷,照射線量率)をリアルタイムで測定するものである。また、第2輸送部16A及び第3輸送部16Bは、必要に応じて荷電粒子線走査部18を含んでもよい。荷電粒子線走査部18は、荷電粒子線Pを走査し、後述するターゲットTに対する荷電粒子線Pの照射制御を行うものである。荷電粒子線走査部18は、例えば、荷電粒子線PのターゲットTに対する照射位置を制御する。
図2は、中性子捕捉療法システム100の中性子線照射部12Aの近傍を示す図である。ここで、中性子線照射部12Aと中性子線照射部12Bとは互いに同様の構成を有する。従って、以下より中性子線照射部12Aについて説明をし、中性子線照射部12Bの説明を省略する。中性子線照射部12Aは、荷電粒子線Pの照射により中性子線Nを発生し、第1の部屋30A側へ中性子線Nの一部を第1の中性子線N1として照射する。図2に示すように、中性子線照射部12Aは、中性子線Nを生成するためのターゲットTと、中性子線Nを減速するための減速部12aと、遮蔽体12bと、を含んでいる。なお、減速部12a及び遮蔽体12bは、モデレータを構成する。
ターゲットTは、荷電粒子線Pの照射を受けて中性子線N(主に熱外中性子)を発生させるものである。ターゲットTは、荷電粒子線Pが照射されることで、周囲に向けて中性子線Nを発生するものである。ターゲットTから発生する中性子線Nの量は、ターゲットTの中心部付近が最大で、ターゲットTから周囲に離れると共に小さくなる。ターゲットTは、例えば、ベリリウム(Be)により形成され、直径160mmの円板状をなしている。
減速部12aは、ターゲットTから出射される中性子線Nを減速させ、中性子線Nのエネルギを低減させるものである。減速部12aにより減速されて所定のエネルギに低減された中性子線Nは治療用中性子線とも呼ばれる。減速部12aは、例えば異なる複数の材料から成る積層構造とされている。減速部12aの材料は、荷電粒子線Pのエネルギ等の諸条件によって適宜選択される。例えば、加速部11からの出力が30MeVの陽子線であり、ターゲットTとしてベリリウムターゲットを用いる場合には、減速部12aの材料は、鉛、鉄、アルミニウム、又はフッ化カルシウムとすることができる。また、加速部11からの出力が11MeVの陽子線であり、ターゲットTとしてベリリウムターゲットを用いる場合には、減速部12aの材料は、重水(D2O)又はフッ化鉛とすることができる。また、加速部11からの出力が2.8MeVの陽子線であり、ターゲットTとしてリチウムターゲットを用いる場合には、減速部12aの材料は、フルエンタール(商品名;アルミニウム、フッ化アルミ、フッ化リチウムの混合物)とすることができる。また、加速部11からの出力が50MeVの陽子線であり、ターゲットTとしてタングステンターゲットを用いる場合には、減速部12aの材料は、鉄又はフルエンタールとすることができる。
遮蔽体12bは、中性子線N及び当該中性子線Nの発生に伴って生じたガンマ線等の放射線が外部へ放出されないよう遮蔽するものであり、荷電粒子線生成室10aと第1の部屋30Aとを隔てる壁W1に少なくともその一部が埋め込まれている。
中性子線N中には、速中性子線、熱外中性子線、及び熱中性子線が含まれており、またガンマ線も伴っている。このうちの熱中性子線が、主に、被照射体Sの体内の腫瘍中に取り込まれたホウ素と核反応して有効な治療効果を発揮する。なお、中性子線Nのビームに含まれる熱外中性子線の一部も、被照射体Sの体内で減速されて上記治療効果を発揮する熱中性子線となる。熱中性子線は、0.5eV以下のエネルギの中性子線である。
図3は、図1のA部の拡大図である。図3に示すように、中性子捕捉療法システム100は、中性子線輸送部20を備えている。
中性子線輸送部20は、中性子線照射部12Aで発生する中性子線Nの一部を、第2の中性子線N2として第1の部屋30Aとは異なる第2の部屋60へ輸送するものである。中性子線輸送部20は、例えば内部に空間20aが形成された管状を呈しており、その一端は減速部12aの内部に接続されている。遮蔽体12bには、中性子線輸送部20を挿入するための貫通穴12cが形成されている。また、減速部12aには、貫通穴12cと連通した穴部12dが形成されている。中性子線輸送部20は貫通穴12c及び穴部12dに挿入される。これによって、中性子線輸送部20の一端が、減速部12aの内部に接続される構成となっている。
中性子線輸送部20としては、例えば中性子が物質の表面で全反射する性質を利用した中性子鏡を用いて中性子を輸送する中性子導管を用いることができる。この中性子導管は、例えば表面が研磨され高い平滑度を持ったガラス上にニッケル(Ni)など中性子に対して干渉性散乱断面積が大きく、吸収の小さい金属膜が形成された鏡面を反射面とする。また、中性子線輸送部20として、上述のガラス上にニッケルとチタン(Ti)とが交互に積層されNi/Ti多層膜が形成されたスーパーミラー導管を用いることもできる。
ターゲットTは、荷電粒子線Pが照射された際、ターゲットTを中心として周囲に向けて中性子線Nを発生する。ターゲットTから減速部12a方向に照射される中性子線Nは、減速部12aにより減速され、その一部は第1の中性子線N1として後述するコリメータ86の開口86aを通して第1の部屋30Aの被照射体Sに照射される。一方、減速部12aにより減速された中性子線Nの一部は、第2の中性子線N2として中性子線輸送部20により後述する第2の部屋60へ輸送され、試料61に照射される。なお、試料61は被照射体Sの血液に相当する。
後述する第2の部屋60にある試料61に照射される第2の中性子線N2の必要な量は、第1の部屋30Aにある被照射体Sに照射される第1の中性子線N1の量に比べて小さい。例えば、第2の中性子線N2の量は第1の中性子線N1の量の1/1000程度で十分である。このため、中性子線輸送部20の一端はターゲットTから離れた位置で減速部12aの内部に接続されてもよい。なお、中性子線輸送部20の一端は、第1の部屋30Aにある被照射体Sに照射される第1の中性子線N1の量に影響を及ぼさない位置に接続されるのが好ましい。つまり、中性子線輸送部20の一端は、減速部12aにおいてターゲットTとコリメータ86とを結んだ仮想的な連結線以外の位置に接続されるのが好ましい。
中性子線輸送部20は、中性子線Nを輸送することができれば、その材質、形状、延び方等は特に限定されない。中性子線輸送部20の断面形状は、円形であってもよく、矩形であってもよく、特に限定されることはない。また、図3では、中性子線輸送部20は、直管状となっているが、これに限定されない。例えば、中性子線輸送部20は、曲率を持った部材から形成されてもよい。また、中性子線輸送部20は、例えば、二つ以上の直管又は曲率を持った部材が互いに交差するように連結することで形成されてもよい。
図1に示すように、第1の部屋30Aは、第2輸送部16Aが延びた方向の延長線上に配置されてよい。第1の部屋30Bは、第3輸送部16Bが延びた方向の延長線上に配置されてよい。なお、中性子線Nは、第2輸送部16A又は第3輸送部16Bが延びた方向と交差する方向に取り出すこともできる。この場合には、第1の部屋30Aの配置は、第2輸送部16Aが延びた方向の延長線上に制限されることはなく、中性子線Nの取り出し方向に対応する位置に第1の部屋30Aを配置することができる。同様に、第1の部屋30Bの配置も、第3輸送部16Bが延びた方向の延長線上に制限されることはなく、中性子線Nの取り出し方向に対応する位置に第1の部屋30Bを配置することができる。ここで、第1の部屋30Bは第1の部屋30Aと同様の構成を有する。従って、以下より第1の部屋30Aについて説明し、第1の部屋30Bの説明を省略する。
第1の部屋30Aは、第1の中性子線N1を被照射体Sに照射するために、被照射体Sが室内に配置される部屋である。第1の部屋30Aには、被照射体Sが載置される治療台80が設けられている。第1の部屋30Aの大きさは、一例として幅3.5m×奥行5m×高さ3mである。第1の部屋30Aは、遮蔽壁W2に囲まれた遮蔽空間30Sと、治療台80を出入りさせるための扉D1とを備えている。扉D1は、遮蔽空間30Sにおける放射線が連絡室40Aに放射されることを抑制することができる。
また、第1の部屋30Aの室内には、カメラ32が配置されている。カメラ32は、第1の部屋30Aの室内における被照射体Sの様子を観察するためのものである。カメラ32は、第1の部屋30Aの室内において被照射体Sを撮影可能な位置に配置されている。カメラ32は、高精度の画像を取得する必要はなく、被照射体Sの状態を確認可能な画像を取得できればよい。カメラ32には、例えばCCDカメラを用いることができる。
図2に示すように、第1の部屋30Aと遮蔽体12bとの間には、カバー(壁体)31が設けられている。カバー31は、第1の部屋30Aの側壁面の一部をなす。このカバー31には、第1の中性子線N1の出力口となるコリメータ取付部31aが設けられている。コリメータ取付部31aは、後述するコリメータ86をはめ込むための開口である。
コリメータ86は、減速部12aと第1の部屋30Aとの間で、カバー31のコリメータ取付部31aに設けられている。なお、本実施形態では、減速部12aとコリメータ86との間には遮蔽体12bが形成されている。コリメータ86は、中性子線Nの照射範囲を規制するためのものである。コリメータ86には、照射範囲を規定するための例えば円形の開口86aが設けられている。
図1に示すように、遮蔽壁W2は、第1の部屋30Aの室外から室内へ放射線が侵入すること、及び、室内から室外へ放射線が放出されることが抑制された遮蔽空間30Sを形成する。すなわち、遮蔽壁W2は、第1の部屋30Aの室内から室外への第1の中性子線N1の放射を遮断するものである。この遮蔽壁W2は、荷電粒子線生成室10aを画成する遮蔽壁Wと一体に形成されていてもよい。また、遮蔽壁W2は、厚さが2m以上のコンクリート製の壁であってもよい。荷電粒子線生成室10aと第1の部屋30Aの間には、荷電粒子線生成室10aと第1の部屋30Aとを隔てる壁W1が設けられている。この壁W1は、遮蔽壁Wの一部をなしている。
図4は、第1実施形態に係る中性子捕捉療法システム100の第2の部屋60の配置を示す図である。第2の部屋60は、試料61中の薬剤濃度を測定するための部屋である。図4(a)は、上方から見た図であり、図4(b)は、横から見た図である。
図4に示すように、第2の部屋60には、薬剤が含まれる試料61、薬剤が含まれる試料61が配置される試料配置部62と、第2の中性子線N2と試料61中の薬剤との反応により放出するガンマ線Gを測定するガンマ線測定部63と、ガンマ線測定部配置部64が設けられている。なお、薬剤としてホウ素を含む薬剤を用いることができる。
中性子線輸送部20の他端は、第2の部屋60に接続される。これにより、中性子線輸送部20により輸送される第2の中性子線N2が、第2の部屋60内の試料61に照射される。
図4に示すように、ガンマ線測定部63は、中性子線輸送部20と試料61との連結線(仮想)と交差する方向で試料61に向けて配置される。中性子線輸送部20の他端は、第2の部屋60の一側壁に接続され、第2の部屋60へ第2の中性子線N2を輸送する。そして、薬剤が含まれる試料61は、第2の部屋60へ輸送された第2の中性子線N2に照射される。試料61中に含まれる薬剤は第2の中性子線N2と反応してガンマ線Gを放出する。ガンマ線測定部63は、試料61から放出されるガンマ線Gの量を測定する。ガンマ線測定部63により測定されたガンマ線Gの量は試料61中の薬剤濃度に換算される。
上述のように、中性子線輸送部20により輸送された第2の中性子線N2の量は小さい。このため、第2の部屋60と中性子線輸送部20の間には、減速部12aが配置されなくてもよい。つまり、第2の中性子線N2は減速部12aを介することなく第2の部屋60に設けられる試料61に照射されてもよい。この場合、減速部12aが第2の中性子線N2の照射によりガンマ線を放出することがない。従って、減速部12aから放出されるガンマ線がノイズとしてガンマ線測定部63により検出されることを防ぐために試料61とガンマ線測定部63との間にコリメータ86が配置されなくてもよい。つまり、第2の中性子線N2と試料61中の薬剤との反応により放出されるガンマ線Gはコリメータ86を介することなくガンマ線測定部63により測定されてもよい。
なお、第2の部屋60の大きさは、試料61、試料配置部62、ガンマ線測定部63及びガンマ線測定部配置部64を配置することができ、試料61を自由に取り入れることができる大きさであれば特に限定されない。また、第2の部屋60は、第2の部屋60の室外から室内へ放射線が侵入すること、及び、室内から室外へ放射線が放出されることが抑制された遮蔽空間を形成し、例えば遮蔽壁により囲まれてもよい。また、第2の部屋60には、管理者が出入りすることが可能な扉(図示せず)が設けられている。また、第2の部屋60の配置場所は特に限定されない。
準備室50A,50Bは、第1の部屋30A,30Bにおいて被照射体Sに第1の中性子線N1を照射するために必要な作業を実施するための部屋である。準備室50A,50Bでは、例えば、治療台80への被照射体Sの拘束や、コリメータ86と被照射体Sとの位置合わせが実施される。
準備室50Aと第1の部屋30Aとの間、及び、準備室50Bと第1の部屋30Bとの間には、連絡室40A,40Bが設けられている。連絡室40A,40Bは、被照射体Sを拘束した治療台80を準備室50A,50Bと第1の部屋30A,30Bとの間で移動させるための部屋である。
次に、中性子捕捉療法システム100を用いた治療の流れを説明する。まず、管理者は、中性子捕捉療法システム100による治療を行う前段階に係る準備を被照射体Sに対して行う。具体的には、被照射体Sに対してホウ素が含まれる薬剤を投与した後、被照射体Sの血液を試料61として採取する。次に、採取された試料61を第2の部屋60に取り入れ、試料配置部62に配置する。次に、管理者は、制御装置(図示せず)を操作して、第2の部屋60への第2の中性子線N2の照射を開始する。なお、この際、第1の部屋30A又は30Bで他の被照射体Sが治療を受けている。薬剤が含まれる試料61は第2の中性子線N2に照射されガンマ線Gを放出する。ガンマ線測定部63は、ガンマ線Gの量を測定し、これに基づいて試料61に含まれる薬剤濃度を算出する。そして、算出された試料61中の薬剤濃度は、例えば数値データとして表示部(図示せず)に表示され、管理者により確認される。管理者はこの試料61中の薬剤濃度に基づいて、被照射体Sに照射する第1の中性子線N1の照射時間を制御装置に入力する。照射時間は一例として一時間程度である。
続いて、被照射体S及び作業者を準備室50Aへ誘導し、被照射体Sを治療台80の上に横たわらせる。そして、作業者は、拘束具を用いて治療台80に対して被照射体Sの身体を拘束する。次に、被照射体Sと、コリメータ86との位置合わせを実施する。被照射体Sとコリメータ86との位置合わせが終了した後に、治療台80を第1の部屋30Aへ移動させ、コリメータ86をカバー31に設けられたコリメータ取付部31aに取り付ける。管理者は、制御装置を操作して、中性子線Nの照射を開始する。制御装置に予め入力された照射時間が経過すると、制御装置は自動的に中性子線Nの照射を停止する。以上により、中性子捕捉療法システム100を用いた中性子捕捉療法が完了する。
以上のように、中性子捕捉療法システム100では、中性子線照射部12Aで発生する中性子線Nを第1の中性子線N1として被照射体Sへ照射することで、被照射体Sの治療を行う。また、中性子線照射部12Aから照射される中性子線Nの一部は、中性子線輸送部20により、第2の中性子線N2として第2の部屋60へ輸送される。そして、第2の中性子線N2は、第2の部屋60に設けられた試料配置部62の試料61に照射される。ガンマ線測定部63が、試料61から放出されるガンマ線Gを測定することで、試料61中の薬剤濃度を算出することができる。当該結果に基づいて、被照射体Sの血中薬剤濃度を容易に把握することができる。また、中性子線照射部12Aから照射される中性子線Nの一部である第2の中性子線N2を試料61に照射するため、被照射体Sに対して治療を実施すると同時に他の被照射体Sに関連する試料61中の薬剤濃度を測定することができる。従って、治療をより効率的に行うことができる。以上により、システムの稼働効率を低下させることなく、容易に被照射体の血中薬剤濃度を把握することができる。
中性子捕捉療法システム100では、中性子線照射部12Aは、中性子線のエネルギを低減させる減速部12aを備え、中性子線輸送部20の一端は、減速部12aの内部に接続される。減速部12aの内部では、試料61の薬剤濃度の測定に十分な量の中性子線を得ることが出来る部位である。従って、中性子線輸送部20の一端が減速部12aの内部に接続されることにより、簡単な構成で第2の中性子線N2を第2の部屋60へ輸送することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る中性子捕捉療法システムについて説明する。図5は、第2の実施形態に係る中性子捕捉療法システム100Aの構成を示す図である。図5に示すように、中性子捕捉療法システム100Aは、第2の荷電粒子線輸送部19を更に備える点、及び第2の中性子線照射部12Cを更に備える点で第1の実施形態に係る中性子捕捉療法システム100と相違する。その他の構成は中性子捕捉療法システム100と同様であるため、以下、重複する説明を省略する。
中性子線発生部10は、荷電粒子を加速させる加速部11(例えば、サイクロトロン)と、荷電粒子線Pの照射により中性子線Nを発生する第1の中性子線照射部12A,12B及び第2の中性子線照射部12Cと、荷電粒子線Pを第1の中性子線照射部12A又は12Bまで輸送する第1の荷電粒子線輸送部13と、荷電粒子線Pを第1の荷電粒子線輸送部13から分岐し、第2の中性子線照射部12Cまで輸送する第2の荷電粒子線輸送部19と、を備えている。加速部11、第1の荷電粒子線輸送部13及び第2の荷電粒子線輸送部19は、荷電粒子線生成室10aの室内に配置されている。なお、第2の荷電粒子線輸送部19は、第1輸送部14、第2輸送部16A又は第3輸送部16Bと同様な構成を有する。
第2の荷電粒子線輸送部19は、ビーム方向切替器15に接続され、第1の荷電粒子線輸送部13から荷電粒子線Pを分岐するものである。なお、本実施形態の第1の荷電粒子線輸送部13は第1の実施形態の荷電粒子線輸送部13と同様な構成を有する。
第2の中性子線照射部12Cは、第2の荷電粒子線輸送部19から輸送される荷電粒子線Pの照射により中性子線Nを発生し、第2の部屋60にある薬剤(ホウ素)を含む試料61(血液)へ中性子線Nの一部を第2の中性子線N2として照射するものである。第2の中性子線照射部12Cの構成は、減速部12a及び遮蔽体12bを備えていない点以外は、第1の中性子線照射部12A,12Bと同様である。
中性子捕捉療法システム100Aは、第1の中性子線照射部12Aで発生する中性子線Nを第1の中性子線N1として被照射体Sへ照射することで、被照射体Sの治療を行う。また、第2の荷電粒子線輸送部19は、荷電粒子線Pを第1の荷電粒子線輸送部13から分岐して第2の中性子線照射部12Cへ輸送する。第2の荷電粒子線輸送部19から輸送される荷電粒子線Pの照射により第2の中性子線照射部12Cで発生する中性子線Nの一部は、第2の中性子線N2として第2の部屋60へ照射される。そして、第2の中性子線N2は、第2の部屋60に設けられた試料配置部62の試料61に照射される。ガンマ線測定部63が、試料61から放出されるガンマ線Gを測定することで、試料61中の薬剤濃度を算出することができる。当該結果に基づいて、被照射体Sの血中薬剤濃度を容易に把握することができる。また、治療台80が設けられた第1の部屋30Aとは異なる第2の部屋60で試料61の測定を行うことができる。従って、第1の部屋30Aにて被照射体Sに対して治療を実施すると同時に、第2の部屋60にて、他の被照射体Sに関連する試料61を測定するための準備等を行うことができる。よって、治療をより効率的に行うことができる。以上により、システムの稼働効率を低下させることなく、容易に被照射体Sの血中薬剤濃度を把握することができる。
中性子捕捉療法システム100Aでは、第1の中性子線照射部12Aは、中性子線のエネルギを低減させる減速部12aを備え、減速部12aと第1の部屋30Aとの間には、第1の中性子線N1の出力口となるコリメータ86が設けられ、第2の中性子線N2は減速部12aを介することなく第2の部屋60の試料に照射され、ガンマ線Gはコリメータ86を介することなくガンマ線測定部63により測定される。これにより、より簡単な構成で試料中の薬剤濃度を測定することができる。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態では、第2の部屋60では、試料61中の薬剤濃度を測定する例を説明したが、これに限定されない。例えば、小動物の体中薬物濃度を測定することも可能であり、様々な場面で利用することができる。
図6は、第2実施形態に係る中性子捕捉療法システム100Aで小動物の体中薬物濃度を測定する場合の第2の中性子線照射部12Cの近傍を示す図である。小動物Kの体中薬物濃度を測定する際には、熱外中性子ではなく、熱中性子を照射した方が効率がよい。そこで、図6に示す構成では、小動物に対して熱中性子を照射している。図6に示すように、中性子捕捉療法システム100Aは、第2の荷電粒子線輸送部19の経路上に第2の荷電粒子線輸送部19を通過する荷電粒子線Pのエネルギを低下させるエネルギ低下部21と、リチウムからなるターゲットTを有する第2の中性子線照射部12Cと、を備えている。
エネルギ低下部21は、第2の荷電粒子線輸送部19を通過する荷電粒子線Pのエネルギを低下させるものであり、例えば、グラファイト等の公知の材料により形成されている。なお、加速部11から出射される荷電粒子線Pのエネルギが所望の低い値となっている場合には、エネルギ低下部21を省略してもよい。低エネルギの荷電粒子線P(例えば、2MeVの陽子線)をリチウムからなるターゲットTへ照射することで、熱中性子を効率よく生成することができる。生成された熱中性子は、中性子線輸送部20を介して第2の中性子線N2として小動物Kへ照射される。第2の中性子線N2が照射されることで小動物Kから放出されるガンマ線Gは、ガンマ線測定部63によって測定される。なお、ガンマ線測定部63としてSPECT装置を採用してもよい。SPECT装置を採用する場合には、小動物Kが配置される試料配置部62及び小動物Kを囲むようにSPECT装置が配置される。
図6に示す中性子捕捉療法システム100Aによれば、第1の中性子線N1(主に熱外中性子)を被照射体に照射する第1の中性子線照射部12Aと、第2の中性子線N2(主に熱中性子)を小動物Kに照射する第2の中性子線照射部12Cと、を併設することができる。
11…加速部、12A,12B…中性子線照射部(第1の中性子線照射部)、12C…第2の中性子線照射部、13…荷電粒子線輸送部(第1の荷電粒子線輸送部)、19…第2の荷電粒子線輸送部、20…中性子線輸送部、30A,30B…第1の部屋、60…第2の部屋、80…治療台、86…コリメータ、100,100A…中性子捕捉療法システム、N…中性子線、N1…第1の中性子線、N2…第2の中性子線、P…荷電粒子線、S…被照射体(患者)、T…ターゲット。

Claims (3)

  1. 薬剤が投与された被照射体へ中性子線を照射する中性子捕捉療法システムであって、
    荷電粒子を加速させる加速部と、
    荷電粒子線の照射により前記中性子線を発生し、第1の部屋側へ前記中性子線の一部を第1の中性子線として照射する中性子線照射部と、
    前記第1の部屋に設けられ、前記被照射体が載置される治療台と、
    前記中性子線照射部で発生する前記中性子線の一部を、第2の中性子線として前記第1の部屋とは異なる第2の部屋へ輸送する中性子線輸送部と、
    前記第2の部屋に設けられ、試料が配置される試料配置部と、
    前記第2の部屋に設けられ、前記第2の中性子線と前記試料との反応により放出されるガンマ線を測定するガンマ線測定部と、を備え
    前記中性子線照射部は、前記中性子線のエネルギを低減させる減速部を備え、
    前記中性子線輸送部の一端は、前記減速部の内部に接続される中性子捕捉療法システム。
  2. 薬剤が投与された被照射体へ中性子線を照射する中性子捕捉療法システムであって、
    荷電粒子を加速させる加速部と、
    前記加速部に接続され、荷電粒子線を輸送する第1の荷電粒子線輸送部と、
    前記第1の荷電粒子線輸送部から輸送される前記荷電粒子線の照射により前記中性子線を発生し、第1の部屋側へ前記中性子線の一部を第1の中性子線として照射する第1の中性子線照射部と、
    前記第1の部屋に設けられ、前記被照射体が載置される治療台と、
    前記第1の荷電粒子線輸送部から、前記荷電粒子線を分岐させる第2の荷電粒子線輸送部と、
    前記第2の荷電粒子線輸送部から輸送される前記荷電粒子線の照射により前記中性子線を発生し、第2の部屋側へ前記中性子線の一部を第2の中性子線として照射する第2の中性子線照射部と、
    前記第2の部屋に設けられ、試料が配置される試料配置部と、
    前記第2の部屋に設けられ、前記第2の中性子線と前記試料との反応により放出されるガンマ線を測定するガンマ線測定部と、を備え、
    前記第1の中性子線照射部は、前記中性子線のエネルギを低減させる減速部を備え、
    前記減速部と前記第1の部屋との間には、前記第1の中性子線の出力口となるコリメータが設けられ、
    前記第2の中性子線は減速部を介することなく前記第2の部屋の前記試料に照射され、前記ガンマ線はコリメータを介することなく前記ガンマ線測定部により測定される中性子捕捉療法システム。
  3. 薬剤が投与された被照射体へ中性子線を照射する中性子捕捉療法システムであって、
    荷電粒子を加速させる加速部と、
    前記加速部に接続され、荷電粒子線を輸送する第1の荷電粒子線輸送部と、
    前記第1の荷電粒子線輸送部から輸送される前記荷電粒子線の照射により前記中性子線を発生し、第1の部屋側へ前記中性子線の一部を第1の中性子線として照射する第1の中性子線照射部と、
    前記第1の部屋に設けられ、前記被照射体が載置される治療台と、
    前記第1の荷電粒子線輸送部から、前記荷電粒子線を分岐させる第2の荷電粒子線輸送部と、
    前記第2の荷電粒子線輸送部から輸送される前記荷電粒子線の照射により前記中性子線を発生し、第2の部屋側へ前記中性子線の一部を第2の中性子線として照射する第2の中性子線照射部と、
    前記第2の部屋に設けられ、試料が配置される試料配置部と、
    前記第2の部屋に設けられ、前記第2の中性子線と前記試料との反応により放出されるガンマ線を測定するガンマ線測定部と、
    前記第2の荷電粒子線輸送部の経路上に設けられ、前記第2の荷電粒子線輸送部を通過する前記荷電粒子線のエネルギを低下させるエネルギ低下部と、を備え、
    前記第2の中性子線照射部は、前記エネルギ低下部によりエネルギが低下された前記荷電粒子線が照射されることで熱中性子を発生させるリチウムからなるターゲットを有する中性子捕捉療法システム。
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