JP6590338B2 - バルクモールディングコンパウンド - Google Patents

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Description

本発明は、バルクモールディングコンパウンド(以下、BMCと略記することがある)に関するものであり、更に詳しくは、金属、プラスチック等の異材質部品を一体固定するのに好適なバルクモールディングコンパウンドに関するものである。
家電等の電機部品は、多くのパーツから構成され、生産工程も多い。そのため、近年、複数のパーツの一体化や工程の削減による生産性の向上が可能となる封止用樹脂によるパッケージ化が採用されてきている。これらの封止用樹脂に要求される性能は、耐熱性、寸法精度、耐腐食性、機械的強度、流動性等があり、これらの要求性能を満足し得る樹脂としてラジカル重合性の熱硬化性樹脂、特に不飽和ポリエステルが用いられるようになっている。しかしながら、不飽和ポリエステルをベースとする封止用成形材料は、ヒートサイクル時に成形品の変形やクラックを引き起こすという問題が生じるため、耐ヒートサイクル性を向上させた封止用成形材料が求められていた。この問題の原因は、不飽和ポリエステルをベースとする封止用成形材料が、一般的に熱膨張係数が大きくなる傾向にあり、ヒートサイクル時に、封止部品との熱膨張係数の違いに基づく大きな応力が発生することや、家電部品等、電機部品の封止に用いられる成形材料には低圧で封止成形できることが求められるために繊維補強材の量や長さが制限され、材料の強度が低く、脆くなる傾向にあり、ヒートサイクル時に発生する応力に耐えられないこと等にある。
封止用成形材料の靭性を改善する方法として、例えば、アジピン酸やセバシン酸のような長い直鎖状の飽和二塩基酸を原料とした伸び率の大きい不飽和ポリエステルを用いる方法が挙げられる。しかし、このような不飽和ポリエステルは、分子量が大きいために成形材料の流動性が低く、低圧封止成形が困難であるいう問題があった。
ウレタン(メタ)アクリレートが配合された不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いることで、成形流動性に優れ、成形品の外観が良好であり且つ成形品の機械的特性が優れるシートモールディングコンパウンドを提供する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。しかし、特許文献1のシートモールディングコンパウンドには多量の繊維補強材が配合されているために成形に高い圧力が必要であり、家電等の電機部品の封止に用いることは困難であるという問題がある。
特許第5379622号公報
従って、本発明は、低圧で封止成形できるとともに、得られる成形品の耐ヒートサイクル性が優れるバルクモールディングコンパウンドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、不飽和ポリエステル、反応性希釈剤及び繊維補強材を含有するバルクモールディングコンパウンドに、特定のウレタン(メタ)アクリレートを特定の質量割合で配合することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下[1]〜[2]で示される。
[1]不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、架橋剤及び繊維補強材を含有するバルクモールディングコンパウンドであって、該ウレタン(メタ)アクリレートは、下記一般式
Figure 0006590338
(式中、Rは、H又はCHであり、Rは、2価の炭化水素基であり、Aは、重量平均分子量が500〜4,000のポリエステルポリオール由来の構造単位であり、Rは2価の炭化水素基であり、繰り返し単位であるnは1〜6である)で表されるものであり、
該ウレタン(メタ)アクリレートが、該不飽和ポリエステル100質量部に対して、30質量部〜50質量部の範囲で配合され、且つ
該繊維補強材が、該バルクモールディングコンパウンド中に4質量%〜12質量%の範囲で配合されていることを特徴とするバルクモールディングコンパウンド。
[2]無機充填剤を更に含有し、該無機充填剤が、該バルクモールディングコンパウンド中に50質量%〜70質量%の範囲で配合されていることを特徴とする[1]に記載のバルクモールディングコンパウンド。
本発明によれば、低圧で封止成形できるとともに、得られる成形品の耐ヒートサイクル性が優れるバルクモールディングコンパウンドを提供することができる。
実施例においてバルクモールディングコンパウンドの薄肉流動性を評価するために用いた流動性評価用金型の模式断面図である。
本発明のバルクモールディングコンパウンドは、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、架橋剤及び繊維補強材を必須成分として含有するものである。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタアクリレート及びアクリレートから選択される少なくとも1種を意味する。「(メタ)アクリロイル基」についても同様である。
本発明で用いられる不飽和ポリエステルは、多価アルコールと不飽和多塩基酸とを重縮合させて得られ、成形材料として通常使用されているものであれば、その種類は特に限定されるものではない。
不飽和ポリエステルの原料として用いられる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンタンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、グリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
不飽和ポリエステルの原料として用いられる不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられる。また、飽和多塩基酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘット酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらの不飽和多塩基酸は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレートは、下記一般式
Figure 0006590338
(式中、Rは、H又はCHであり、Rは、2価の炭化水素基であり、ウレタン(メタ)アクリレートの原料の1つである水酸基含有(メタ)アクリレートに由来する残基である。Rは置換基を有してもよく、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。置換基としてはフェニル基、フェノキシ基等が挙げられる。Aは、重量平均分子量が500〜4,000のポリエステルポリオール由来の構造単位であり、Rは2価の炭化水素基であり、ジイソシアネート化合物に由来する残基である。繰り返し単位であるnは1〜6である)で表されるものであり、(メタ)アクリロイル基をウレタン結合を介してベースとなるポリエステルポリオールに結合させた構造を有している。上記一般式におけるnの値は1〜6の範囲であることが重要である。nの値が6を超えた場合、ウレタン(メタ)アクリレートの粘度が高くなり、作業性が低下する。繰り返し単位のnの求め方は、GPC法により重量平均分子量を求めて、計算した。測定の概要は、サンプル管にウレタン(メタ)アクリレート1.0〜2.0mgを精秤し、2.5mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させる。続いて、メンブレンフィルターを通して濾過した溶解液を、昭和電工(株)製Shodex(商標)GPC−101を使用して重量平均分子量を求める。測定した重量平均分子量から、繰り返し数を求める。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられるジイソシアナト化合物としては、イソホロンジイソシアナト、トリレンジイソシアナト、ジフェニルメタンジイソシアナト、水添ジフェニルメタンジイソシアナト、ヘキサメチレンジイソシアナト、キシリレンジイソシアナト、水添キシリレンジイソシアナト等が挙げられる。これらのジイソシアナト化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられる水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート等が挙げられる。これらの水酸基含有(メタ)アクリレートは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられるポリエステルポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族グリコールと、シュウ酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸との縮合反応により得られる。脂肪族以外のグリコール若しくは脂肪族以外の二塩基酸を用いた場合は、ウレタン(メタ)アクリレートの伸び率が小さくなり、得られる成形品の靭性を向上させる効果が得られない場合がある。ポリエステルポリオールの重量平均分子量は、500〜4,000であることが重要である。1,000〜3,000であることが好ましく、1,300〜2,000であることがより好ましい。ポリエステルポリオールの重量平均分子量が500未満であると、ウレタン(メタ)アクリレートの伸び率が小さくなり、得られる成形品の靭性を向上させる効果が得られない。一方、ポリエステルポリオールの重量平均分子量が4,000を超えると、ウレタン(メタ)アクリレートの伸び率は大きくなるものの、強度が低下し、得られる成形品の靭性を向上させる効果が得られない。
本発明のバルクモールディングコンパウンドにおいて、上記したウレタン(メタ)アクリレートの配合量は、不飽和ポリエステル100質量部に対して、30質量部〜50質量部であることが必要であり、35質量部〜45質量部であることが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの配合量が30質量部未満であると、得られる成形品の靭性を向上させる効果が得られない。一方、ウレタン(メタ)アクリレートの配合量が50質量部を超えると、反応性が低下し、未反応ウレタン(メタ)アクリレートが成形時に分離して、得られる成形品の表面を汚染する。
本発明では、上記した不飽和ポリエステル及びウレタン(メタ)アクレートを反応性希釈剤に溶解させて用いる。このような反応性希釈剤としては、不飽和ポリエステル及びウレタン(メタ)アクリレートと重合可能な重合性二重結合を少なくとも1つ有している液状化合物であればよい。例えば、スチレン、ジアリルフタレート、ジアリルフタレートプレポリマー、メタクリル酸メチル、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
本発明で使用される繊維強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維(例えば、アラミド繊維)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの繊維強化材は、通常のバルクモールディングコンパウンドと同様に繊維長3.0〜12.5mm程度に切断されて、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート及び反応性希釈剤を含む不飽和ポリエステル樹脂組成物に含浸されて使用される。
繊維補強材は、バルクモールディングコンパウンド中に4質量%〜12質量%の範囲で配合されていることが必要であり、6質量%〜10質量%の範囲で配合されていることが好ましい。繊維補強材の配合量が4質量%未満であると、得られる成形品の強度が低下する。一方、繊維補強材の配合量が12質量%を超えると、不飽和ポリエステル樹脂組成物が繊維補強材に充分に含浸しなくなると共に、成形時の流動性が低下する。
本発明のバルクモールディングコンパウンドには、上記の各成分に加えて、硬化剤、低収縮剤、無機充填剤、内部離型剤、増粘剤、重合禁止剤、着色剤等を必要に応じて用いることができる。これらの成分を使用する場合には、各成分は、それぞれの目的に応じて本発明の効果を妨げない範囲で本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に配合できる。
硬化剤としては、例えばt−ブチルパーオキシオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、1,1ジ−t−ブチルパーオキシ3,3,5トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。硬化剤は、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート及び反応性希釈剤の合計100質量部に対して、0.5質量部〜3.5質量部の範囲で添加することができる。
低収縮剤としては、バルクモールディングコンパウンドにおいて一般に使用されているものを使用することができ、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステル、ポリカプロラクトン等が挙げられる。これらの低収縮剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。低収縮剤は、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート及び架橋剤の合計100質量部に対して、10質量部〜30質量部の範囲で添加することができる。
無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、石こう、硫酸バリウム、クレー及びタルク等の無機粉末が挙げられる。これらの無機充填剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。無機充填剤は、バルクモールディングコンパウンド中に50質量%〜70質量%の範囲で添加することができる。無機充填剤の配合量が70質量%を超えると、流動性及び成形性が低下する場合があるため好ましくない。一方、無機充填剤の配合量が50質量%未満であると、まとまりがなくバルクモールディングコンパウンドとして形にならない場合があるため好ましくない。
内部離型剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、シリコンオイル、合成ワックス等が挙げられる。これらの内部離型剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。内部離型剤は、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート及び架橋剤の合計100質量部に対して、10質量部〜20質量部の範囲で添加することができる。
増粘剤としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等の金属酸化物及びイソシアネート化合物が例示される。これらの増粘剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、増粘剤は必ずしも使用しなくてもよい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、P−ベンゾキノン、ナフトキノン、t−ブチルハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。重合禁止剤は、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート及び架橋剤の合計100質量部に対して、0.01質量部〜1.0質量部の範囲で添加することができる。
着色剤は、成形品を着色する必要のある場合に用いるものであり、バルクモールディングコンパウンドにおいて通常使用されている各種の無機顔料や有機顔料を使用することができる。着色剤は、成形品の着色度合いによって適宜その使用量を調整すればよい。
以上のような成分によって構成される本発明のバルクモールディングコンパウンドは、通常行われる方法、例えばニーダー等を用いて混練することによって得ることができる。
このようにして得られた本発明のバルクモールディングコンパウンドは、各種の成形手段に供することができる。例えば、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形により成形され、広範囲な成形品を得ることができる。本発明のバルクモールディングコンパウンドは、従来のバルクモールディングコンパウンドと比較して、低圧で封止成形できるとともに、得られる成形品の耐ヒートサイクル性及び靭性に優れているために、成形品の形状を限定されることが少なく、金属、磁石、プラスチック等の異材質部品を一体固定するのに好適である。また、成形品外観も従来のバルクモールディングコンパウンドと遜色ないものが得られる。本発明のバルクモールディングコンパウンドを用いて異材質部品を一体固定して得られる家電等の電機部品は、優れた耐ヒートサイクル性を有する。
以下、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明する。勿論、この発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
双腕型ニーダーを用いて表1及び2に示す配合組成で各成分を30℃の温度条件下で混練して、実施例1〜6のBMCを得た。同様に、表3及び4に示す配合組成で各成分を混練して、比較例1〜6のBMCを得た。
なお、ここで使用したBMC原料は、以下のものである。
<不飽和ポリエステルAの調製>
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、フマル酸100モル、プロピレングリコール80モル及び水素化ビスフェノールA20モルを仕込み、窒素気流下で加熱撹拌しながら210℃まで昇温して、常法手順によりエステル化反応を行なった。この不飽和ポリエステルの不飽和度は100モル%であり、重量平均分子量は10000であった。
次に、この不飽和ポリエステルにハイドロキノン0.015質量部を添加し、これをスチレンに溶解させて、不飽和ポリエステル固形分60質量%の不飽和ポリエステルAを調製した。
<ウレタンアクリレートAの調製>
攪拌器、還流冷却管、気体導入管及び温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、アジピン酸とエチレングリコールとの縮合反応から得られた重量平均分子量1,500のポリエステルポリオール466g、スチレン566g、ハイドロキノン0.17gを仕込み、混合物を80℃まで昇温した。次いでイソホロンジイソシアナト80gを1.5時間かけて滴下しながら攪拌し、末端イソシアナト含有プレポリマーを生成させた。次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート20gを0.5時間かけて滴下した後、赤外吸収スペクトルでイソシアナト基の吸収ピークの消失するまで反応させて、ウレタンアクリレート固形分50質量%のウレタンアクリレートAを得た。重量平均分子量から求めたこのウレタンアクリレートのnは3.4であった。
<ウレタンアクリレートBの調製>
攪拌器、還流冷却管、気体導入管及び温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、アジピン酸とエチレングリコールとの縮合反応から得られた重量平均分子量400のポリエステルポリオール342g、スチレンモノマー589g、ハイドロキノン0.17gを仕込み、混合物を80℃まで昇温した。次いでイソホロンジイソシアナト212gを1.5時間かけて滴下しながら攪拌し、末端イソシアナト含有プレポリマーを生成させた。次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート35gを0.5時間かけて滴下した後、赤外吸収スペクトルでイソシアナト基の吸収ピークの消失するまで反応させて、ウレタンアクリレート固形分50質量%のウレタンアクリレートBを得た。重量平均分子量から求めたこのウレタンアクリレートのnは5.7であった。
<ウレタンアクリレートCの調製>
攪拌器、還流冷却管、気体導入管及び温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、アジピン酸とエチレングリコールとの縮合反応から得られた重量平均分子量5,000のポリエステルポリオール551g、スチレンモノマー597g、ハイドロキノン0.17gを仕込み、混合物を80℃まで昇温した。次いでイソホロンジイソシアナト34gを1.5時間かけて滴下しながら攪拌し、末端イソシアネート含有プレポリマーを生成させた。次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート12gを0.5時間かけて滴下した後、赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収ピークの消失するまで反応させて、ウレタンアクリレート固形分50質量%のウレタンアクリレートCを得た。重量平均分子量から求めたこのウレタンアクリレートのnは2.2であった。
<反応性希釈剤>
スチレン。
<繊維補強材>
約9mmに切断したチョップドストランドガラス。
<硬化剤>
t−ブチルパーオキシベンゾエート。
<低収縮剤>
スチレン含量20質量%のポリスチレン。
<無機充填剤>
炭酸カルシウム。
<内部離型剤>
ステアリン酸カルシウム。
これらのBMCについて、線膨張係数、曲げ強さ、曲げ弾性率、引張強さ、耐ヒートサイクル性及び薄肉流動性を下記の方法に従って評価した。評価結果を表1〜4に示す。
(1)線膨張係数
TMA法に準拠し成形品の線膨張係数を測定した。成形条件は、金型温度:140〜160℃、硬化時間:180秒、プレス圧力:15MPa、金型サイズ:200mm×150mmとした。
(2)曲げ強さ・曲げ弾性率
JIS K 6911−1995に準拠し試験片を作製し、曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。成形条件は、金型温度:140〜160℃、硬化時間:180秒、プレス圧力:15MPa、金型サイズ:200mm×150mmとした。
(3)引張強さ
JIS K 6911−1995に準拠し試験片を作製し、引張強さを測定した。成形条件は、金型温度:140〜160℃、硬化時間:180秒、プレス圧力:15MPa、金型サイズ:200mm×150mmとした。
(4)耐ヒートサイクル性評価
マグネットを封止した試験片を用いてヒートサイクル試験を実施した。温度プログラム機能付き恒温器を使用し、120℃で60分間保持した後に−40℃で60分間保持を1サイクルとし、これを10サイクル行った。成形条件は、金型温度:140〜160℃、硬化時間:180秒、プレス圧力:5MPa、金型サイズ:200mm×200mmとした。試験後、成形品の表面のクラックを目視にて確認して以下のように評価した。
○:クラックなし
×:クラックあり
(5)薄肉流動性
図1に示す流動性評価用金型を用い、金型温度:140〜160℃、充填圧力:10MPa及び保圧:3MPaという成形条件にて、ゲート部に流れたBMCの流動距離を測定し、以下の基準に従って薄肉流動性を評価した。ゲート部に流れたBMCの流動距離が長いほど、低圧での成形性に優れているということができる。図1に示されるように、流動性評価用金型は、スプル部1が設けられた可動金型部2と、固定金型部3とから構成される。可動金型部2と固定金型部3とが型締めされると、ランナー部4及びゲート部5が形成される。ランナー部4は、長さ80mm、厚さ3mm及び幅30mmを有する直方体形状であり、長さ方向の端部でゲート部5と繋がっている。ゲート部5は、長さ100mm、厚さ100μm及び幅10mmを有する直方体形状である。スプル部1は、90mmの高さを有する円錐台形状であり、ランナー部4に向けて直径が5mm(上底の直径)から10mm(下底の直径)に拡大するように構成されている。このように構成された流動性評価用金型において、溶融されたBMCは、スプル部1から充填され、ランナー部4を通ってゲート部5へと流れる。
○:ゲート部への流動距離が80mm以上100mm以下
△:ゲート部への流動距離が50mm以上80mm未満
×:ゲート部への流動距離が50mm未満
Figure 0006590338
Figure 0006590338
Figure 0006590338
Figure 0006590338
表1及び2の結果から明らかなように、実施例のBMCは耐ヒートサイクル性及び薄肉流動性が良好であった。表3及び4の結果から明らかなように、比較例のBMCは、耐ヒートサイクル性及び薄肉流動性の少なくとも一方が不良であった。
以上より、本発明のBMCは、従来のものとは異なり、低圧での成形性に優れており、且つ得られた成形物は耐ヒートサイクル性に優れることが明らかである。従って、本発明のBMCは、耐熱性、寸法精度、耐腐食性、機械的強度、流動性等が要求される家電等の電機部品などの分野において極めて有用であり、広範囲に利用することができる。
1 スプル部、2 可動金型部、3 固定金型部、4 ランナー部、5 ゲート部。

Claims (2)

  1. 不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、反応性希釈剤及び繊維補強材を含有するバルクモールディングコンパウンドであって、該ウレタン(メタ)アクリレートは、下記一般式
    Figure 0006590338
    (式中、Rは、H又はCHであり、Rは、2価の炭化水素基であり、Aは、重量平均分子量が500〜4,000のポリエステルポリオール由来の構造単位であり、Rは2価の炭化水素基であり、繰り返し単位であるnは1〜6である)で表されるものであり、
    該ウレタン(メタ)アクリレートが、該不飽和ポリエステル100質量部に対して、30質量部〜50質量部の範囲で配合され、且つ
    該繊維補強材が、該バルクモールディングコンパウンド中に4質量%〜12質量%の範囲で配合されていることを特徴とするバルクモールディングコンパウンド。
  2. 無機充填剤を更に含有し、該無機充填剤が、該バルクモールディングコンパウンド中に50質量%〜70質量%の範囲で配合されていることを特徴とする請求項1に記載のバルクモールディングコンパウンド。
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