JP6589523B2 - パラメータ更新方法、パラメータ更新装置、及びプログラム - Google Patents

パラメータ更新方法、パラメータ更新装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本開示は、パラメータ更新方法及びパラメータ更新装置に関する。
従来、制御器の自動調整技術として、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)技術及びVRFT(Virtual Reference Feedback Tuning)技術が知られている(例えば特許文献1参照)。これらの技術は、目標応答に近づくように制御器のパラメータを調整する技術である。
特開2009−175917号公報
しかしながら、従来の自動調整技術によれば、目標応答に対応する制御出力が得られるように、制御器のパラメータを調整するだけであるので、制御系の安定性が保てない可能性があった。即ち、公知の自動調整技術では、制御器を自動調整すると、制御系が不安定化し、応答が発散する可能性があった。
従って、本開示によれば、制御系の安定性を保持しながら、制御器のパラメータを調整可能な技術を提供できることが望ましい。
本開示の一側面に係るパラメータ更新方法は、制御装置における可変パラメータの設定値を更新する方法に関する。制御装置は、制御出力と、その目標値との偏差に基づき、可変パラメータを有する所定伝達関数に従う制御入力を算出し、制御入力に基づき制御対象を制御するように構成される。
本開示の一側面に係るパラメータ更新方法は、制御装置による制御時に観測された制御入力及び制御出力の時系列データを取得する取得手順と、取得手順により取得された制御入力及び制御出力の時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化する可変パラメータの値を算出する算出手順と、制御装置における可変パラメータの設定値を、算出手順による算出値に更新する更新手順と、を備える。
評価関数は、第一の関数部分と、第二の関数部分とを含む。第一の関数部分は、制御入力及び制御出力の時系列データと、上記可変パラメータを有する所定伝達関数と、目標値に対する制御出力の規範値を示すモデル関数と、を要素に含む関数部分であり得る。
一例によれば、第一の関数部分は、時系列データから特定される各時刻における制御出力の観測値と可変パラメータの値に対応する制御出力の規範値との差のノルムを出力するように構成され得る。これにより、第一の関数部分は、差のノルムが可変パラメータの値によって変化するように構成され得る。上記所定伝達関数の逆モデルによれば、制御入力の観測値に対応する目標値を求めることができる。評価関数における制御出力の規範値は、例えば、上記制御入力の観測値に対応する目標値を、上記モデル関数に入力したときのモデル関数の出力値であり得る。これにより、制御出力の規範値は、可変パラメータの値によって変化するように構成され得る。
別例によれば、第一の関数部分は、時系列データから特定される各時刻における制御入力の観測値と可変パラメータの値に対応する制御入力の規範値との差のノルムを出力するように構成され得る。これにより、第一の関数部分は、差のノルムが可変パラメータの値によって変化するように構成され得る。上記モデル関数の逆モデルによれば、制御出力の観測値に対応する目標値を求めることができる。評価関数における制御入力の規範値は、例えば、上記制御出力の観測値と、上記モデル関数の逆モデルから求められる目標値との偏差を上記所定伝達関数に入力したときに得られる制御入力であり得る。これにより、制御入力の規範値は、可変パラメータの値によって変化するように構成され得る。
第二の関数部分は、可変パラメータの値の変化により上記所定伝達関数が大きく変化するほど、上記差のノルムに対応する評価関数の出力値を増大させる関数部分であって、出力値を増大させる量が、特定周波数帯域において他の周波数帯域より大きい関数部分であり得る。
本開示の一側面によれば、評価関数が第二の関数部分を備えることで、評価関数の出力値を最小化する可変パラメータの値は、伝達関数の特性が大きく変化しないように算出される。特に、本開示の一側面によれば、評価関数の出力値を最小化する可変パラメータの値は、特定周波数帯域において伝達関数の特性が大きく変化しないように算出される。
従って、このパラメータ更新方法によれば、制御装置に設定された伝達関数の可変パラメータを、不安定になり易い周波数帯域の特性が大きく変化しない範囲で調整することができる。換言すれば、制御系の安定性を保持しながら、制御装置の可変パラメータを調整することができる。
本開示の一側面によれば、制御入力は、関係式u=C(ρ)・(y−r)を満足する制御入力uであり得る。ここで、C(ρ)は、上記所定伝達関数を表し、ρは、可変パラメータを表し、yは、制御出力を表し、rは、目標値を表し、(yーr)は、制御出力と目標値との偏差を表す。この場合の評価関数は、制御入力の時系列データのベクトル表現Uと、制御出力の時系列データのベクトル表現Yとを含む次の関数J1であり得る。
Figure 0006589523
評価関数は、制御入力の時系列データのベクトル表現Uと、制御出力の時系列データのベクトル表現Yとを含む次の関数J2であってもよい。
Figure 0006589523
上記第一の関数部分は、関数J1又は関数J2の第一項に対応し、第二の関数部分は、関数J1又は関数J2の第二項に対応する。
評価関数に含まれるTは、上記モデル関数であり、目標値rに対応する制御出力yの規範値T・rを示す。関数G(ρ)は、可変パラメータρの値の変化により上記所定伝達関数C(ρ)が大きく変化するほど、ノルム||G(ρ)||を増大させる関数であって、ノル
ム||G(ρ)||を増大させる量が、特定周波数帯域において他の周波数帯域より大きい関数であり得る。
本開示の一側面によれば、上記関数G(ρ)は、可変パラメータρの初期値を所定伝達関数C(ρ)に代入して得られる初期伝達関数Cnと、可変パラメータρを有する所定伝達関数C(ρ)と、を要素に含む関数として定められ得る。具体的に、関数G(ρ)は、所定伝達関数C(ρ)と初期伝達関数Cnとの比又は差が大きくなるほどノルムが増大する関数であり得る。
本開示の一側面によれば、上記関数J1は、次の関数で定められてもよい。
Figure 0006589523
本開示の一側面によれば、上記関数J2は、次の関数で定められてもよい。
Figure 0006589523
F(ρ)は、上記初期伝達関数Cnと可変パラメータρを有する所定伝達関数C(ρ)とを要素に含む関数として定められ得る。具体的に、F(ρ)は、所定伝達関数C(ρ)と初期伝達関数Cnとの比又は差が大きくなるほどノルムが増大する関数に定められ得る。
関数J1,J2に含まれるWは、特定周波数帯域に偏った周波数成分を有する信号のベクトル表現であり得る。例えば、関数J1,J2に含まれるWは、可変パラメータρの変化に起因する初期伝達関数Cnからの所定伝達関数C(ρ)の周波数特性の変化を抑制する周波数帯域に、偏った周波数成分を有する信号の時系列データのベクトル表現であり得る。
上記パラメータ更新方法は、上記偏った周波数成分を有する信号の時系列データを、評価関数に含まれるベクトルWに設定し、評価関数を決定する決定手順を含んでいてもよい。
即ち、本開示の一側面によれば、制御出力yと、その目標値rとの偏差(y−r)に基づき、可変パラメータρを有する所定伝達関数C(ρ)に従う制御入力u=C(ρ)・(y−r)を算出し、制御入力uに基づき制御対象を制御する制御装置における可変パラメータρの設定値を更新する方法であって、制御装置による制御時に観測された制御入力u及び制御出力yの時系列データを取得する取得手順と、取得手順により取得された制御入力u及び制御出力yの時系列データに基づき、上述の式(3)又は式(4)に従う評価関数J1又は評価関数J2の出力値を最小化する可変パラメータρの値を算出する算出手順と、可変パラメータρの設定値を、算出手順による算出値に更新する更新手順と、可変パラメータρの変化に起因する初期伝達関数Cnからの所定伝達関数C(ρ)の周波数特性の変化を抑制する周波数帯域に、偏った周波数成分を有する信号の時系列データを、評価関数に含まれる重み付けベクトルWに設定し、評価関数を決定する決定手順と、を含むパラメータ更新方法が提供されてもよい。
決定手順は、周波数特性の変化を抑制する周波数帯域に通過帯域を有するフィルタにホワイトノイズ信号を入力することにより、上記偏った周波数成分を有する信号として、フ
ィルタ通過後のホワイトノイズ信号の時系列データを生成し、この時系列データのベクトル表現を、重み付けベクトルWに設定する手順であり得る。
本開示の一側面によれば、制御出力と、その目標値との偏差に基づき、可変パラメータを有する所定伝達関数に従う制御入力を算出し、制御入力に基づき制御対象を制御する制御装置における可変パラメータの設定値を更新するパラメータ更新装置であって、制御装置による制御時に観測された制御入力及び制御出力の時系列データを取得する取得ユニットと、取得ユニットにより取得された制御入力及び制御出力の時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化する可変パラメータの値を算出する算出ユニットと、制御装置における可変パラメータの設定値を、算出ユニットによる算出値に更新する更新ユニットと、を備えるパラメータ更新装置が提供されてもよい。
評価関数は、上述した第一及び第二の関数部分を備えた構成にされ得る。評価関数は、上述した式(1)又は式(3)に従う関数J1であってもよいし、式(2)又は式(4)に従う関数であってもよい。
本発明の一側面によれば、上記パラメータ更新装置における取得ユニット、算出ユニット、及び更新ユニットとしてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータが読取可能な一時的でない記録媒体に記録することができる。
画像形成システムにおける用紙搬送機構周辺の概略断面図である。 画像形成システムの電気的構成を表すブロック図である。 位置制御器及びパラメータ更新部を表すブロック図である。 FRIT技術に関する説明図である。 評価関数の設定方法に関するフローチャートである。 制御器に搭載される伝達関数のボード線図である。 フィルタ処理前後のホワイトノイズ信号を表す図である。 フィルタ処理前後のホワイトノイズ信号の周波数スペクトルを表す図である。 メインユニット(パラメータ更新部)が実行するチューニング処理を表すフローチャートである。 図10Aは、制御出力の観測値及び目標応答を表すグラフであり、図10Bは、その一部を拡大したグラフである。 第一実施形態によるパラメータ更新前後の制御出力の観測値を表すグラフである。 第一実施形態によるパラメータ更新前後の伝達関数の周波数特性を表すボード線図である。 図13A−13Cは、図12に示すボード線図を一部拡大したパラメータ更新前後の伝達関数の周波数特性を表すボード線図である。 VRFT技術に関する説明図である。 第二実施形態によるパラメータ更新前後の制御出力の観測値を表すグラフである。 第二実施形態によるパラメータ更新前後の伝達関数の周波数特性を表すボード線図である。 図17A及び図17Bは、図16に示すボード線図を一部拡大したパラメータ更新前後の伝達関数の周波数特性を表すボード線図である。
以下に本開示の例示的実施形態を、図面と共に説明する。ここでは、本開示に係るパラ
メータ更新方法及びパラメータ更新装置に係る技術を、用紙Qにインク液滴を吐出することにより、用紙Qに画像を形成する画像形成システムに適用した例を説明する。しかしながら、本開示に係る技術は、画像形成システムへの適用に限定されず、種々のシステムに適用可能である。
[第一実施形態]
図1に示す画像形成システム1は、インクジェットプリンタとして構成される。この画像形成システム1は、用紙Qにインク液滴を吐出して画像を形成する記録ヘッド10を備える。記録ヘッド10は、キャリッジ21に搭載される。キャリッジ21は、用紙搬送方向と直交する主走査方向(図1紙面法線方向)に往復動して、記録ヘッド10を主走査方向に搬送する。
周知のインクジェットプリンタと同様、この画像形成システム1は、用紙Qを所定量搬送しては停止させる用紙Qの搬送制御を繰返し実行することにより、用紙Qを記録ヘッド10の下方に所定量ずつ間欠搬送する。そして、用紙Qの停止時には、キャリッジ21を主走査方向に搬送し、記録ヘッド10にインク液滴を吐出させる。これにより、用紙Qの間欠搬送毎に、用紙Qに主走査方向の画像を形成する。画像形成システム1は、このような動作を繰返し実行することにより、用紙Qの全体に画像を形成する。
用紙Qは、搬送ローラ31及び排紙ローラ35からの力の作用を受けて、記録ヘッド10の下方に位置するプラテン39の上流から下流に搬送される。用紙搬送方向は、搬送ローラ31及び排紙ローラ35の回転軸と直交する。搬送ローラ31は、プラテン39の上流で従動ローラ32に対向配置され、排紙ローラ35は、プラテン39の下流で従動ローラ36に対向配置される。
搬送ローラ31は、直流モータで構成されるPFモータ71によって回転駆動される。搬送ローラ31は、従動ローラ32との間に用紙Qを挟持した状態で回転することにより、用紙Qを下流に搬送する。排紙ローラ35は、接続機構38を介して搬送ローラ31と接続されており、PFモータ71からの動力を、搬送ローラ31及び接続機構38を介して受けて、搬送ローラ31と同期回転する。排紙ローラ35は、従動ローラ36との間に用紙Qを挟持した状態で回転することにより、搬送ローラ31側からプラテン39に沿って到来する用紙Qを更に下流に搬送する。これら搬送ローラ31、従動ローラ32、排紙ローラ35、従動ローラ36、接続機構38、及び、プラテン39は、用紙Qの搬送機構30(図2参照)を構成する。
本実施形態の画像形成システム1は、図2に示すように、メインユニット40と、通信インタフェース50と、給紙部60と、用紙搬送部70と、記録部90とを備える。メインユニット40は、CPU41、ROM43、RAM45、及びNVRAM47を備え、画像形成システム1を統括制御する。CPU41は、ROM43に格納されたプログラムに従う処理を実行する。RAM45は、CPU41による処理実行時に作業用メモリとして使用される。NVRAM47は、電気的にデータ書き換え可能な不揮発性メモリであり、画像形成システム1の電源オフ後にも保持する必要のあるデータを記憶する。
メインユニット40は、通信インタフェース50を介して外部装置5から印刷対象データを受信すると、この印刷対象データに基づく画像が用紙Qに形成されるように、給紙部60、用紙搬送部70及び記録部90に指令入力する。
給紙部60は、メインユニット40からの指令に従って、図示しない給紙トレイから搬送ローラ31と従動ローラ32とによる用紙Qのニップ位置まで用紙Qを搬送する。用紙搬送部70は、メインユニット40からの指令に従って、給紙部60から供給された用紙
Qを、記録ヘッド10下方の画像形成位置に間欠搬送する。
記録部90は、用紙搬送部70によって間欠搬送される用紙Qの停止時に、メインユニット40からの指令に従って、キャリッジ21を主走査方向に搬送しつつ、記録ヘッド10に印刷対象データに基づくインク液滴の吐出動作を実行させる。これにより、用紙Qに対する主走査方向の画像形成を行う。記録部90は、記録ヘッド10、及び、記録ヘッド10を搭載するキャリッジ21を主走査方向に搬送(往復動)可能なキャリッジ搬送機構20を備える。
具体的に、メインユニット40は、印刷対象データを受信すると、給紙部60及び用紙搬送部70に用紙Qの先端を記録ヘッド10下方の画像形成位置まで搬送させた後、記録部90にキャリッジ21(記録ヘッド10)を主走査方向に搬送させて、用紙Qに対する画像形成動作を実行させる。その後、メインユニット40は、用紙搬送部70に対して間欠搬送時の目標軌跡r(t)を設定し、用紙搬送部70に、目標軌跡r(t)に従って用紙Qを所定量搬送させる。更に、記録部90に用紙Qに対する画像形成動作を実行させる。
画像形成動作の終了後、メインユニット40は、用紙搬送部70に、目標軌跡r(t)に基づく用紙Qの搬送動作を再実行させる。メインユニット40は、その搬送停止に合わせて、記録部90に、キャリッジ21を主走査方向に搬送させて、用紙Qに対する画像形成動作を再実行させる。メインユニット40は、用紙搬送部70及び記録部90に上記処理を交互に実行させることにより、用紙Qに、印刷対象データに基づく画像を形成する。
詳述すると、用紙搬送部70は、搬送機構30と、PFモータ71と、モータ駆動回路73と、ロータリエンコーダ75と、信号処理回路77と、コントローラ80とを備える。搬送機構30は、上述したように、搬送ローラ31、従動ローラ32、排紙ローラ35、従動ローラ36、接続機構38、及び、プラテン39を含む用紙Qの搬送機構である。搬送機構30は、搬送ローラ31及び排紙ローラ35がPFモータ71からの動力を受けて回転することにより、用紙Qの搬送動作を実現する。
PFモータ71は、モータ駆動回路73により駆動されて、搬送ローラ31を回転駆動する。モータ駆動回路73は、コントローラ80から入力される操作量uに応じた駆動電流(又は駆動電圧)をPFモータ71に印加することによって、PFモータ71を駆動する。
ロータリエンコーダ75は、周知のロータリエンコーダと同様に構成され、搬送ローラ31の回転に応じたA相及びB相パルス信号をエンコーダ信号として出力する。ロータリエンコーダ75は、例えば、PFモータ71と搬送ローラ31との間の動力伝達経路に設けられる。信号処理回路77は、ロータリエンコーダ75から入力されるエンコーダ信号に基づき、搬送ローラ31の回転位置y及び回転速度vを計測し、計測された搬送ローラ31の回転位置y及び回転速度vをコントローラ80に入力するように構成される。
コントローラ80は、目標指令部81と、位置制御器83と、観測部85とを備える。目標指令部81は、メインユニット40から設定された目標軌跡r(t)に従って、制御開始時点からの各時刻tにおける回転位置yの目標値rを、位置制御器83に入力するように構成される。
位置制御器83は、図3に示すように、目標値rと信号処理回路77から得られる回転位置yとの偏差e=(r−y)に応じた操作量uをモータ駆動回路73に入力するように構成される。図3に示されるPは、制御対象の伝達関数Pを表し、関係式y=P・uを満
足する。具体的に、位置制御器83は、予め設定された伝達関数C(ρ)に従って、偏差eを操作量uに変換する(u=C(ρ)・e)。この動作により、位置制御器83は、回転位置yを、目標値rを参照してフィードバック制御する。
用紙Qの間欠搬送時にメインユニット40から設定される目標軌跡r(t)は、用紙Qを、制御開始時から所定量に対応する目標停止位置まで搬送して、その後、用紙Qの停止を維持するための位置軌跡を示す。一例によれば、目標軌跡r(t)は、制御開始時の位置に対応する値r=0から目標停止位置に対応する値r=yまで単調増加した後に、目標値rを値r=yを維持する軌跡を示す。別例によれば、目標軌跡r(t)は、目標停止位置に対応する一定値r=yであってもよい。位置制御器83は、この目標軌跡r(t)に従って、PFモータ71の駆動制御を行うことにより、用紙Qが搬送ローラ31の回転により所定量搬送されるようにする。
操作量uの算出に用いられる位置制御器83の伝達関数C(ρ)は、メインユニット40により設定される可変パラメータρを有し、可変パラメータρは、メインユニット40により調整される。メインユニット40は、CPU41によるプログラムの実行により、観測部85から得られた観測データに基づき、可変パラメータρの設定値を更新するパラメータ更新部49として機能する(詳細後述)。
観測部85は、位置制御器83が目標軌跡r(t)に基づきPFモータ71を制御したときに観測された制御入力としての操作量u、及び、信号処理回路77により計測された制御出力としての回転位置yのペアを、メインユニット40からの指令入力に基づき、一定時間収集して、操作量u及び回転位置yの時系列データを、観測データとしてメインユニット40に提供するように構成される。
メインユニット40は、この観測データに基づき、可変パラメータρの設定値を更新するように動作する。メインユニット40は、画像形成システム1の電源投入時など、特定条件が満足されたときに、パラメータ更新部49として機能し、位置制御器83に対する可変パラメータρの設定値を更新することができる。また、更新後の設定値を、NVRAM47に記憶することができる。
続いて、可変パラメータρの更新原理を説明する。本実施形態のパラメータ更新部49は、次の評価関数J1が最小となる可変パラメータρの値を算出することにより、位置制御器83に対して適切な可変パラメータρの値を算出し、この算出値を位置制御器83に設定するように動作する。
Figure 0006589523
評価関数J1に含まれるYは、次式に示すように、観測データが示す制御出力の観測値(回転位置y)のベクトル表現であり、Uは、観測データが示す制御入力の観測値(操作量u)のベクトル表現である。以下、観測された回転位置yのことを制御出力の観測値yとも表現し、観測された操作量uのことを制御入力の観測値uとも表現する。
Figure 0006589523
Y,Uの各要素y[k](1≦k≦M)及びu[k](1≦k≦M)は、各時刻において観測された制御出力及び制御入力に対応し、y[k]及びu[k]は、対応するベクトルY,U内で時刻順に配列される。
評価関数J1に含まれるTは、目標値rに対する制御出力(回転位置y)の規範値yを示すモデル関数である。即ち、モデル関数Tは、規範値yを、関係式y=T・rで表す伝達関数である。評価関数J1の第一項は、観測値yのベクトル表現Yと、この規範値yのベクトル表現Y*との差のノルムに対応する。ここではノルムとして、L2ノルムが採用されている。
評価関数J1の第一項は、公知のFRIT技術に従う評価関数である。可変パラメータρを調整すると、それによって観測値yが変化することになるが、規範値yのベクトル表現Y*と観測値yのベクトル表現Yとの差のノルムが最小になる可変パラメータρを探索するために、可変パラメータρの値毎の観測値yを用意するのは面倒である。FRIT技術によれば、制御出力の規範値y=T・rを、可変パラメータρに応じた制御出力の規範値T・r*(ρ)に変換することにより、可変パラメータρに依らない観測値yを用いて、規範値yのベクトル表現Y*と観測値yのベクトル表現Yとの差のノルムが最小になる可変パラメータρを探索することができるようにしている。r*(ρ)は、関係式r*(ρ)=C-1(ρ)・u+yを満足する目標値rに対応する擬似的な目標値である。
この擬似的な目標値r*(ρ)を位置制御器83に入力すると、図4から理解できるように、制御出力として観測データが表す観測値yを得ることができる。可変パラメータρに応じた制御出力の規範値T・r*(ρ)は、この擬似的な目標値r*(ρ)を、モデル関数Tに入力して得られる。
評価関数J1の第一項は、詳細には、観測値yのベクトル表現Yと、この可変パラメータρに応じた制御出力の規範値T・r*(ρ)のベクトル表現Y*との差のノルムに対応する。換言すれば、評価関数J1の第一項は、各時刻における制御出力の観測値yと、可変パラメータρの値に対応する制御出力の規範値T・(C-1(ρ)・u+y)との差のノルムに対応する。評価関数J1の第一項を最小化する可変パラメータρの値は、目標値rに対する制御出力として規範値y=T・rが観測されるような可変パラメータρの値に対応する。
但し、従来のFRIT技術では、制御系の安定性を考慮せずに、可変パラメータρの探索が行われるため、高次の複雑な伝達関数C(ρ)を有する制御系にFRIT技術を適用すると、制御系が不安定化する。
本実施形態で採用される評価関数J1の第二項は、このような不安定化を抑制するために設けられている。評価関数J1の第二項が備える関数G(ρ)は、可変パラメータρの値の変化により伝達関数C(ρ)が大きく変化するほど、ノルム||G(ρ)||を増大させる関数であって、ノルム||G(ρ)||を増大させる量が、特定周波数帯域において他の周波数帯域より大きい関数に定義される。特定周波数帯域は、可変パラメータρの調整によって制御系が不安定化し易い周波数帯域である。制御系が不安定化しやすい帯域は、周知のように、制御系の開ループ特性を検討することにより特定することができる。
本実施形態によれば、関数G(ρ)は、関数F(ρ)・Wによって定義される(G(ρ)=F(ρ)・W)。ここで、重み付けベクトルWは、特定周波数帯域に偏った周波数成分を有する信号の時系列データを、Y,Uと同様にベクトル表現して定めることができる。特定周波数帯域に偏った周波数成分を有する信号は、例えば、ホワイトノイズ信号を、上記特定周波数帯域を通過帯域として有し、他の周波数帯域を阻止帯域として有するフィ
ルタに入力して生成することができる。ホワイトノイズ信号は、周知のように、全ての周波数帯域において一様に分布する成分を有する信号、換言すれば周波数スペクトルが平坦な信号である。例えば、重み付けベクトルWは、フィルタの伝達関数H、及び、ホワイトノイズ信号の各時刻の値w[k](1≦k≦M)を用いて次式により表すことができる。
Figure 0006589523
関数F(ρ)は、可変パラメータρの初期値ρiniを伝達関数C(ρ)に代入して得られる初期伝達関数Cn=C(ρini)と、可変パラメータρを有する伝達関数C(ρ)と、を要素に含み、伝達関数C(ρ)と初期伝達関数Cnとの比又は差が大きくなるほどノルムが増大する関数として定義することができる。可変パラメータρの初期値ρiniは、パラメータ更新部49によって更新されていない可変パラメータρの工場出荷値であり得る。関数F(ρ)は、具体的に次の関数F1(ρ),F2(ρ),F3(ρ),F4(ρ)のいずれか一つ又はそれらの組み合わせであり得る。
Figure 0006589523
一般化すれば、関数F(ρ)は、可変パラメータρの変動範囲において、C(ρ)=Cnを満足するときには関数F(ρ)のノルムが最小値(例えばゼロ)を示し、C(ρ)=Cnを満足しないときには最小値より大きな値を示す関数として定められ得る。関数F(ρ)は、可変パラメータρの変動範囲において最小値を示す点以外の極小点を備えないのが好ましい。
以下では、説明を簡単にするために、本実施形態の関数F(ρ)として、関数F1(ρ)が用いられて、||F1(ρ)・W||2が評価関数J1の第二項に設定された例を説明する。この評価関数J1は、次式により表すことができる。
Figure 0006589523
上述したように、評価関数J1は、制御入力及び制御出力の観測値Y,Uと、モデル関数Tと、制御器(位置制御器83)の伝達関数C(ρ)と、重み付けベクトルWとを要素に含む。これらの要素の内、制御器の伝達関数C(ρ)及びモデル関数Tは、目標とする制御応答(T・r)に従って設計者が決定することができる。
但し、設計者は、C(ρ)-1において分子に可変パラメータρを配置し、分母には、可変パラメータρを設定しないようにして、伝達関数C(ρ)の可変パラメータρを設定するのが好ましい。評価関数J1の分母に可変パラメータρがある場合には、最小化問題を解くときに広く利用される最小二乗法を採用することができないためである。ここでは、
可変パラメータρを一記号で表しているが、可変パラメータρは、複数の可変パラメータρ1,ρ2,…ρNの集合であってもよい。
例えば、伝達関数Cを、係数A0,A1,A2,A3,A4,A5,A6及び係数B1,B2,B3,B4,B5,B6を用いて次式により定義する場合を考える。次式におけるsは、ラプラス演算子である。
Figure 0006589523
この場合、係数B1,B2,B3,B4,B5,B6を可変パラメータρ={ρ1,ρ2,ρ3,ρ4,ρ5,ρ6}に設定して、伝達関数C(ρ)を定義することができる。
Figure 0006589523
伝達関数C(ρ)、初期値ρ=ρini及びモデル関数Tの決定後、設計者は、図5に示す設計手順に従って、重み付けベクトルWを設計し、これを評価関数J1に設定することにより、パラメータ更新部49で用いる評価関数J1を決定することができる。
まず、設計者は、可変パラメータρの更新(チューニング)対象である伝達関数C(ρ)の周波数特性図を取得することができる(S110)。具体的には、ボード線図を取得することができる。そして、この周波数特性図においてゲインと位相とを比較することにより、可変パラメータρの調整により不安定化し易く、調整による周波数特性の変化が抑制されるべき周波数帯域を判定する(S120)。以下、この周波数帯域を抑制帯域と表現する。
周知の判定方法によれば、伝達関数C(ρ)は、開ループ特性を表すボード線図において、位相が−180度を通過するときのゲインの値が0dBより低く、ゲインが0dBを通過するときの位相の値が−180度より小さければ安定である。
ここで、初期伝達関数Cn=C(ρini)が図6に示すボード線図に従う周波数特性を有する場合を考える。このボード線図は、式(13)にて定義される伝達関数C(ρ)に初期値ρ=ρiniを代入して得られる伝達関数Cnに関する。この場合には、周波数が値ω1付近で、位相の値が−180度に近くなっている。従って、可変パラメータρの調整による周波数特性の変化は、およそω1以上の帯域で抑制されるべきであると判定することができる。即ち、抑制帯域は、ω1以上の帯域であると判定することができる。
設計者は、S120における上記判定結果に従って、抑制帯域を通過帯域として有するフィルタを、重み付けベクトルWの生成に用いるフィルタに決定することができる(S130)。抑制帯域がω1以上の周波数帯域であると判定した場合には、例えば、カットオフ周波数をω1に設定し、ω1以上の帯域を通過帯域として有するハイパスフィルタを、重み付けベクトルWの生成に用いるフィルタに決定することができる。このハイパスフィルタの伝達関数Hは、例えば次式により表すことができる。ωは、カットオフ周波数に対応する。
Figure 0006589523
その後、設計者は、ホワイトノイズ信号を機器又はコンピュータによるソフトウェア処理を通じて生成し(S140)、そのホワイトノイズ信号を、S130で決定した抑制帯域に通過帯域を有し、抑制帯域外が阻止帯域であるフィルタに入力して、フィルタ通過後のホワイトノイズ信号の時系列データを生成することができる(S150)。ホワイトノイズ信号の信号強度については、評価関数J1の第二項が第一項よりも大きく評価関数J1に影響するよう、設計者が実験的に決定することができる。
図7には、上記ハイパスフィルタを用いたときのハイパスフィルタ通過後のホワイトノイズ信号を実線で表し、ハイパスフィルタ通過前のホワイトノイズ信号を破線で表す。図8には、ハイパスフィルタ通過後のホワイトノイズ信号の周波数スペクトルを実線で表し、ハイパスフィルタ通過前のホワイトノイズ信号を破線で表す。図8から理解できるように、ハイパスフィルタ通過後のホワイトノイズ信号は、ω1未満の周波数帯域において弱い信号強度を示し、抑制帯域であるω1以上の周波数帯域に偏った周波数成分を有する。
設計者は、S150で生成した時系列データのベクトル表現H・(w[1],w[2],…,w[M])を、重み付けベクトルWに設定して、評価関数J1を定義することができる(S160)。重み付けベクトルWは、Y,Uと同じ要素数のM次元ベクトルとして定義することができる。定義された評価関数J1は、メインユニット40をパラメータ更新部49として機能させるためのプログラムに、Y,U,ρを変数として有する関数として組み込むことができる。
メインユニット40をパラメータ更新部49として機能させるためのプログラムは、メインユニット40に図9に示すチューニング処理を実行させるためのプログラムとして設計することができる。一例によれば、メインユニット40は、図9に示すチューニング処理を、画像形成システム1の電源投入毎又は定期的に実行することができる。定期的に実行することは、例えば、印刷枚数が所定量を超える度に実行すること、及び、一定時間が経過する度に実行することを含む。別例によれば、メインユニット40は、図9に示すチューニング処理を、ユーザから実行指示が入力される毎に実行することができる。実行指示は、画像形成システム1に設けられたユーザインタフェース(図示せず)を通じて、又は、外部装置5を通じて、ユーザから入力され得る。
メインユニット40は、チューニング処理を開始すると、用紙搬送部70に対する指令入力により、用紙搬送部70に用紙Qのテスト搬送を実行させる(S210)。メインユニット40は、コントローラ80に目標軌跡r(t)を設定し、位置制御器83に目標軌跡r(t)及び伝達関数C(ρ)に基づくPFモータ71の制御を実行させることができる。メインユニット40は、NVRAM47に可変パラメータρの設定値を記憶し、この設定値を位置制御器83に設定することができる。テスト搬送に先駆けて、メインユニット40は、給紙部60に対する指令入力により、給紙部60に用紙Qを搬送機構30に供給させることができる。
観測部85は、メインユニット40からの指令入力に従い動作し、このテスト搬送に際して位置制御器83が目標軌跡r(t)に基づきPFモータ71を制御したときに観測された操作量u、及び、信号処理回路77により計測された回転位置yのペアを収集して、操作量u及び回転位置yのペアの時系列データを、観測データとしてメインユニット40に提供することができる。
メインユニット40は、この観測部85から提供される観測データを取得すると(S220)、この観測データに基づき、制御誤差が大きい状態であるか否かを判断する(S230)。メインユニット40は、目標値r(t)が目標停止位置に対応する値r=yに到達してr=yを維持する定常状態における観測値yが、目標停止位置を基準とした所定の許容範囲内(図10B参照)に収まっているか否かを、観測データに基づき判断する。これにより、制御誤差が大きい状態であるか否かを判断する。
位置制御器83は、目標値r(t)がr=yに達した後も、e=r−yに基づく操作量uを算出し続ける。このため、位置制御器83の動作により、搬送ローラ31及び用紙Qの位置は、目標停止位置に調整されるように一見思われる。しかしながら、実際には、搬送ローラ31及び用紙Qが一旦停止してしまうと、静止摩擦力に代表される搬送ローラ31に作用する負荷が上昇する。この上昇した負荷に打ち勝つ駆動力が搬送ローラ31に作用しなければ、用紙Qは動かない。このため、用紙Qは、目標停止位置にない場合でも停止したままとなる。
メインユニット40は、観測値yが許容範囲内に収まっていないとき、制御誤差が大きいと判断し、それ以外の場合、制御誤差が小さいと判断する。図10Aには、制御誤差が大きいときの観測値yの軌跡を破線で表し、目標応答(T・r)を実線で表す。図10Bは、図10Aに示すグラフの一部(図10Aの二点鎖線に囲まれた領域)を拡大した図に対応する。ここで示される目標応答に対応するモデル関数Tは、次の通りである。
Figure 0006589523
図10Bによれば、観測値yは、定常状態において目標応答(T・r)を中心とした許容範囲に収まっていない。この場合、メインユニット40は、制御誤差が大きい状態であると判断する(S230でYes)。
メインユニット40は、制御誤差が大きい状態であると判断すると、S240に移行し、制御誤差が小さい状態であると判断すると(S230でNo)、可変パラメータρの更新は不要であるとみなして、当該チューニング処理を終了する。
S240に移行すると、メインユニット40は、上記評価関数J1に、S220で取得した観測データが示す制御入力の観測値u及び制御出力の観測値yを代入し、代入後の評価関数J1を最小化する可変パラメータρの値を算出する。具体的には、最小二乗法に基づいて評価関数J1を最小化する可変パラメータρの値を算出することができる。
その後、メインユニット40は、算出された可変パラメータρの値を、位置制御器83に設定し(S250)、これにより位置制御器83における可変パラメータρの設定値を更新する。更には、算出された可変パラメータρの値を、可変パラメータρの設定値としてNVRAM47に保存し、当該チューニング処理を終了する。
ここで、式(13)に示す伝達関数C(ρ)及び式(15)に示すモデル関数Tを用いたパラメータ更新の結果を、図11、図12及び図13A−13Cに示す。図11は、図10Bと同様に、定常状態における観測値yの軌跡を表す。破線は、パラメータ更新部49による可変パラメータρの更新前の観測値yを示し、一点鎖線は、パラメータ更新部49による可変パラメータρの更新後の観測値yを示す。図11において目標停止位置は、
実線で表される。図11から理解できるように、位置制御器83による制御精度は、パラメータ更新部49による可変パラメータρの更新により改善されている。
図12によれば、評価関数J1の第二項による効果により、制御系が不安定化しないように、伝達関数C(ρ)が更新されていることが理解できる。図12は、可変パラメータρを更新する前の伝達関数C(ρ)の周波数特性を破線で表し、評価関数J1に従う可変パラメータρ更新後の周波数特性を、一点鎖線で表し、従来の評価関数に従う可変パラメータρ更新後の周波数特性を、実線で表す。従来の評価関数は、評価関数J1から第二項を取り除いた関数である。
図12、及び、その一部を拡大して表す図13A−13Cから理解できるように、従来の評価関数で更新された伝達関数C(ρ)の周波数特性によれば、ゲイン0dBで位相が−180度を下方に越えており、制御系が不安定化していることが理解できる。図13A、図13B、及び、図13Cは、夫々順に、図12に示される周波数領域D1、D2、及びD3部分の拡大図に対応する。これに対し、本実施形態によれば、制御系の不安定化を生じさせずに、可変パラメータρが適切に更新された。即ち、本実施形態によれば、安定性と制御性能とを両立して可変パラメータρを更新することができた。
従って、本実施形態によれば、経時変化により制御対象(伝達関数P)の特性が変化する状況下においても、その経時変化に従って、適切に位置制御器83の可変パラメータρを調整して、目標応答を実現するように、位置制御器83を更新することができる。よって、この画像形成システム1によれば、用紙Qに形成される画像を高品質に維持することができる。
[第二実施形態]
続いて、第二実施形態の画像形成システム1を説明する。但し、本実施形態は、基本的に、第一実施形態において、パラメータ更新部49で用いられる評価関数が、上記評価関数J1から、VRFT技術に基づく評価関数J2に変更されただけのものであり、他の構成は、第一実施形態の画像形成システム1と同様である。従って、以下では、評価関数J2に関連する構成を選択的に説明する。
本実施形態のパラメータ更新部49は、次の評価関数J2が最小となる可変パラメータρの値を算出することにより、位置制御器83に適切な可変パラメータρの値を算出し、この算出値を位置制御器83に設定する。
Figure 0006589523
評価関数J2に含まれるY,Uは、評価関数J1に含まれるY,Uと同様である。評価関数J2に含まれるTは、評価関数J1と同様、目標値rに対する制御出力(回転位置y)の規範値yを示すモデル関数であり、規範値yを、関係式y=T・rで表す。
評価関数J2の第一項は、公知のVRFT技術に従う評価関数である。VRFT技術によれば、図14に示すように、観測値yをモデル関数Tの逆モデルT-1に入力して得られる値T-1・yを、擬似的な目標値r*として用いる。この目標値r*を、制御器(位置制御器83)に入力して得られる操作量u*=C(ρ)・(T-1・y−y)を、制御入力の規範値として用いて、制御入力の観測値uとの差を低減するように、可変パラメータρを更新する。
評価関数J2の第一項は、制御入力の観測値uのベクトル表現Uと、この可変パラメータρに応じた制御入力の規範値u*=C(ρ)・(T-1・y−y)のベクトル表現U*との差のノルムに対応する。換言すれば、評価関数J2の第一項は、各時刻における制御入力の観測値uと、可変パラメータρの値に対応する制御入力の規範値u*=C(ρ)・(T-1・y−y)との差のノルムに対応する。従って、評価関数J2の第一項を最小化する可変パラメータρの値は、評価関数J1と同様、モデル関数が示す制御出力の規範値y=T・rが、目標値rに対する制御出力として観測されるような可変パラメータρの値に対応する。
本実施形態では、このVRFT技術に従う評価関数に第一実施形態と同様の第二項||G(ρ)||を追加して、評価関数J2を定義している。第一実施形態でも説明したように、評価関数J2の第二項が備える関数G(ρ)は、可変パラメータρの値の変化により伝達関数C(ρ)が大きく変化するほど、ノルム||G(ρ)||を増大させる関数であって、ノルム||G(ρ)||を増大させる量が、特定周波数帯域において他の周波数帯域より大きい関数である。特定周波数帯域は、第一実施形態と同様に抑制帯域に対応し、ρの調整によって制御系が不安定化し易い周波数帯域に対応する。具体的に、評価関数J2は、次式により定義することができる。
Figure 0006589523
関数F(ρ)は、第一実施形態と同様に定めることができ、重み付けベクトルWも、図5に従って設定することができる。パラメータ更新部49は、この評価関数J2をS240で用いて、評価関数J2を最小化する可変パラメータρを算出し、算出値を、位置制御器83に設定するように構成することができる。
但し、最小二乗法を用いて評価関数J2を最小化する可変パラメータρを算出する場合には、評価関数J1と同様、評価関数J2の分子に可変パラメータρがある必要がある。評価関数J1は、伝達関数C(ρ)を逆モデルC-1(ρ)として有していたが、評価関数J2は、そうではない。このため、本実施形態では、伝達関数Cの分子に可変パラメータρを設定して、伝達関数C(ρ)を定義することができる。例えば、式(12)に示す伝達関数Cにおいて、次式に示すように係数A0,A1,A2,A3,A4,A5,A6を可変パラメータρ={ρ0,ρ1,ρ2,ρ3,ρ4,ρ5,ρ6}に設定して、伝達関数C(ρ)を定義することができる。
Figure 0006589523
この伝達関数C(ρ)及び次の評価関数J2を用いて、可変パラメータρを更新した結果を、図15、図16、図17A、及び図17Bに示す。
Figure 0006589523
図15は、図10Bと同様に、定常状態における観測値yの軌跡を表す。破線は、パラメータ更新部49による可変パラメータρの更新前の観測値yを示し、一点鎖線は、パラ
メータ更新部49による評価関数J2を用いた可変パラメータρの更新後の観測値yを示す。図15において目標停止位置は、実線で表される。図15から理解できるように、位置制御器83による制御精度は、パラメータ更新部49による評価関数J2を用いた可変パラメータρの更新により改善されている。
図16、並びに、その一部を拡大して表す図17A及び図17Bによれば、評価関数J2の第二項による効果により、制御系が不安定化しないように、伝達関数C(ρ)が更新されていることが理解できる。図17A及び図17Bは、夫々順に、図16に示される周波数領域D4及びD5部分の拡大図に対応する。図16は、可変パラメータρを更新する前の位置制御器83の周波数特性を破線で表し、評価関数J2に従う可変パラメータρ更新後の周波数特性を、一点鎖線で表し、従来の評価関数に従う可変パラメータρ更新後の周波数特性を、実線で表す。従来の評価関数は、評価関数J2から第二項を取り除いた関数である。
従来の評価関数で可変パラメータρを更新したとき、制御系は大幅不安定化した。これに対し、本実施形態によれば、制御系の不安定化を生じさせずに、可変パラメータρが適切に更新された。従って、本実施形態によれば、第一実施形態と同様、経時変化により制御対象(伝達関数P)が変化する状況下においても、その経時変化に従って、適切の位置制御器83の可変パラメータρを調整して、目標応答を実現するように、位置制御器83を更新することができる。
以上、本実施形態の画像形成システム1及びパラメータ更新部49の構成について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、本実施形態のパラメータ更新部49は、用紙Qを間欠搬送する制御系への適用に限定されない。例えば、評価関数J1,J2に基づく可変パラメータρの更新技術は、画像形成システム1の給紙部60の制御系に適用されてもよい。この他、画像形成システム1以外の制御系にも、評価関数J1,J2に基づく可変パラメータρの更新技術は適用され得る。
この他、メインユニット40がプログラムを実行することにより実現されたパラメータ更新部49の機能は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。パラメータ更新部49としての機能は、制御系とは独立した情報処理装置に搭載されてもよい。この場合、情報処理装置は、制御系の観測データを取得して、可変パラメータρの適値を算出することができる。
上記実施形態における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1…画像形成システム、30…搬送機構、31…搬送ローラ、32…従動ローラ、35…排紙ローラ、36…従動ローラ、40…メインユニット、41…CPU、43…ROM、45…RAM、47…NVRAM、49…パラメータ更新部、60…給紙部、70…用紙搬送部、71…PFモータ、73…モータ駆動回路、75…ロータリエンコーダ、77…信号処理回路、80…コントローラ、81…目標指令部、83…位置制御器、85…観測部、90…記録部、Q…用紙。

Claims (10)

  1. 制御出力と、その目標値との偏差に基づき、可変パラメータを有する所定伝達関数に従う制御入力を算出し、前記制御入力に基づき制御対象を制御する制御装置における前記可変パラメータの設定値を更新する方法であって、
    前記制御装置による制御時に観測された前記制御入力及び制御出力の時系列データを取得する取得手順と、
    前記取得手順により取得された前記制御入力及び制御出力の時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化する前記可変パラメータの値を算出する算出手順と、
    前記可変パラメータの設定値を、前記算出手順による算出値に更新する更新手順と、
    を備え、
    前記評価関数は、
    前記制御入力及び制御出力の時系列データと、前記可変パラメータを有する前記所定伝達関数と、前記目標値に対する前記制御出力の規範値を示すモデル関数と、を要素に含む関数部分であって、前記時系列データから特定される各時刻における前記制御出力の観測値と前記可変パラメータの値に対応する前記制御出力の規範値との差、又は、前記時系列データから特定される各時刻における前記制御入力の観測値と前記可変パラメータの値に対応する前記制御入力の規範値との差、のノルムを出力し、前記差のノルムが前記可変パラメータの値によって変化する第一の関数部分と、
    前記可変パラメータの値の変化により前記所定伝達関数が大きく変化するほど、前記差のノルムに対応する前記評価関数の前記出力値を増大させる関数部分であって、前記出力値を増大させる量が、特定周波数帯域において他の周波数帯域より大きい第二の関数部分と、
    を含むパラメータ更新方法。
  2. 前記制御入力は、関係式u=C(ρ)・(y−r)を満足する制御入力uであり、C(ρ)は、前記所定伝達関数を表し、ρは、前記可変パラメータを表し、yは、前記制御出力を表し、rは、前記目標値を表し、(yーr)は、前記制御出力と前記目標値との偏差を表し、
    前記評価関数は、前記制御入力の時系列データのベクトル表現Uと、前記制御出力の時系列データのベクトル表現Yとを含む関数J1又は関数J2
    Figure 0006589523
    であり、前記第一の関数部分は、前記関数J1又は前記関数J2の第一項に対応し、前記第二の関数部分は、前記関数J1又は前記関数J2の第二項に対応し、前記評価関数に含まれるTは、前記モデル関数であり、G(ρ)は、前記可変パラメータρの値の変化により前記所定伝達関数C(ρ)が大きく変化するほど、ノルム||G(ρ)||を増大させる関数であって、ノルム||G(ρ)||を増大させる量が、前記特定周波数帯域において前記他の周波数帯域より大きい関数である請求項1記載のパラメータ更新方法。
  3. 前記関数G(ρ)は、前記可変パラメータρの初期値を前記所定伝達関数C(ρ)に代入して得られる初期伝達関数Cnと、前記可変パラメータρを有する前記所定伝達関数C(ρ)と、を要素に含み、前記所定伝達関数C(ρ)と前記初期伝達関数Cnとの比又は
    差が大きくなるほどノルムが増大する関数である請求項2記載のパラメータ更新方法。
  4. 制御出力yと、その目標値rとの偏差(y−r)に基づき、可変パラメータρを有する所定伝達関数C(ρ)に従う制御入力u=C(ρ)・(y−r)を算出し、前記制御入力uに基づき制御対象を制御する制御装置における前記可変パラメータρの設定値を更新する方法であって、
    前記制御装置による制御時に観測された前記制御入力u及び制御出力yの時系列データを取得する取得手順と、
    前記取得手順により取得された前記制御入力u及び制御出力yの時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化する前記可変パラメータρの値を算出する算出手順と、
    前記可変パラメータρの設定値を、前記算出手順による算出値に更新する更新手順と、
    を備え、
    前記評価関数は、前記制御入力uの時系列データのベクトル表現Uと、前記制御出力yの時系列データのベクトル表現Yとを含む関数J1又は関数J2
    Figure 0006589523
    であり、前記評価関数に含まれるTは、前記目標値rに対する前記制御出力yの規範値を示すモデル関数であり、F(ρ)は、前記可変パラメータρの初期値を前記所定伝達関数C(ρ)に代入して得られる初期伝達関数Cnと、前記可変パラメータρを有する前記所定伝達関数C(ρ)と、を要素に含み、前記所定伝達関数C(ρ)と前記初期伝達関数Cnとの比又は差が大きくなるほどノルムが増大する関数であり、
    前記方法は、前記可変パラメータρの変化に起因する前記初期伝達関数Cnからの前記所定伝達関数C(ρ)の周波数特性の変化を抑制する周波数帯域に、偏った周波数成分を有する信号の時系列データを、前記評価関数に含まれる重み付けベクトルWに設定し、前記評価関数を決定する決定手順
    を更に備えるパラメータ更新方法。
  5. 前記決定手順は、前記周波数特性の変化を抑制する周波数帯域に通過帯域を有するフィルタにホワイトノイズ信号を入力することにより、前記偏った周波数成分を有する信号として、前記フィルタ通過後のホワイトノイズ信号の時系列データを生成し、前記時系列データのベクトル表現を、前記重み付けベクトルWに設定する手順である請求項4記載のパラメータ更新方法。
  6. 制御出力と、その目標値との偏差に基づき、可変パラメータを有する所定伝達関数に従う制御入力を算出し、前記制御入力に基づき制御対象を制御する制御装置における前記可変パラメータの設定値を更新するパラメータ更新装置であって、
    前記制御装置による制御時に観測された前記制御入力及び制御出力の時系列データを取得する取得ユニットと、
    前記取得ユニットにより取得された前記制御入力及び制御出力の時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化する前記可変パラメータの値を算出する算出ユニットと、
    前記可変パラメータの設定値を、前記算出ユニットによる算出値に更新する更新ユニットと、
    を備え、
    前記評価関数は、
    前記制御入力及び制御出力の時系列データと、前記可変パラメータを有する前記所定伝達関数と、前記目標値に対する前記制御出力の規範値を示すモデル関数と、を要素に含む関数部分であって、前記時系列データから特定される各時刻における前記制御出力の観測値と前記可変パラメータの値に対応する前記制御出力の規範値との差、又は、前記時系列データから特定される各時刻における前記制御入力の観測値と前記可変パラメータの値に対応する前記制御入力の規範値との差、のノルムを出力し、前記差のノルムが前記可変パラメータによって変化する第一の関数部分と、
    前記可変パラメータの変化により前記所定伝達関数の変化が大きくなるほど、前記差のノルムに対応する前記評価関数の出力値を増大させる関数部分であって、前記出力値を増大させる量が、特定周波数帯域において他の周波数帯域より大きい第二の関数部分と、
    を含むパラメータ更新装置。
  7. 前記制御入力は、関係式u=C(ρ)・(y−r)を満足する制御入力uであり、C(ρ)は、前記所定伝達関数を表し、ρは、前記可変パラメータを表し、yは、前記制御出力を表し、rは、前記目標値を表し、(yーr)は、前記制御出力と前記目標値との偏差を表し、
    前記評価関数は、前記制御入力の時系列データのベクトル表現Uと、前記制御出力の時系列データのベクトル表現Yとを含む関数J1又は関数J2
    Figure 0006589523
    であり、前記第一の関数部分は、前記関数J1又は前記関数J2の第一項に対応し、前記第二の関数部分は、前記関数J1又は前記関数J2の第二項に対応し、前記評価関数に含まれるTは、前記モデル関数であり、G(ρ)は、前記可変パラメータρの値の変化により前記所定伝達関数C(ρ)が大きく変化するほど、ノルム||G(ρ)||を増大させる関数であって、ノルム||G(ρ)||を増大させる量が、前記特定周波数帯域において前記他の周波数帯域より大きい関数である請求項6記載のパラメータ更新装置。
  8. 前記関数G(ρ)は、前記可変パラメータρの初期値を前記所定伝達関数C(ρ)に代入して得られる初期伝達関数Cnと、前記可変パラメータρを有する前記所定伝達関数C(ρ)と、を要素に含み、前記所定伝達関数C(ρ)と前記初期伝達関数Cnとの比又は差が大きくなるほどノルムが増大する関数である請求項7記載のパラメータ更新装置。
  9. 制御出力yと、その目標値rとの偏差(y−r)に基づき、可変パラメータρを有する所定伝達関数C(ρ)に従う制御入力u=C(ρ)・(y−r)を算出し、前記制御入力uに基づき制御対象を制御する制御装置における前記可変パラメータρの設定値を更新するパラメータ更新装置であって、
    前記制御装置による制御時に観測された前記制御入力u及び制御出力yの時系列データを取得する取得ユニットと、
    前記取得ユニットにより取得された前記制御入力u及び制御出力yの時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化する前記可変パラメータρの値を算出する算出ユニットと、
    前記可変パラメータρの設定値を、前記算出ユニットによる算出値に更新する更新ユニ
    ットと、
    を備え、
    前記評価関数は、前記制御入力uの時系列データのベクトル表現Uと、前記制御出力yの時系列データのベクトル表現Yとを含む関数J1又は関数J2
    Figure 0006589523
    であり、前記評価関数に含まれるTは、前記目標値rに対する前記制御出力yの規範値を示すモデル関数であり、F(ρ)は、前記可変パラメータρの初期値を前記所定伝達関数C(ρ)に代入して得られる初期伝達関数Cnと、前記可変パラメータρを有する前記所定伝達関数C(ρ)と、を要素に含み、前記所定伝達関数C(ρ)と前記初期伝達関数Cnとの比又は差が大きくなるほどノルムが増大する関数であり、
    前記評価関数に含まれる重み付けベクトルWは、前記可変パラメータρの変化に起因する前記初期伝達関数Cnからの前記所定伝達関数C(ρ)の周波数特性の変化を抑制する周波数帯域に、偏った周波数成分を有する信号の時系列データのベクトル表現であるパラメータ更新装置。
  10. 請求項6〜請求項9のいずれか一項記載のパラメータ更新装置における前記取得ユニット、前記算出ユニット、及び前記更新ユニットとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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