JP6588825B2 - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Description
しかしながら、滴下工法で狭額縁設計の液晶表示素子を製造すると、ブラックマトリックスによりシール部に光の当たらない箇所が存在するため、充分に光照射されず硬化が進行しない光硬化性樹脂の部分が生じ、未硬化のシール剤が液晶と接するため、液晶がシール剤に差し込み、シールブレイクが発生して液晶が漏れ出してしまうことや、仮硬化工程後に未硬化の光硬化性樹脂が溶出してしまい、液晶が汚染されることがあるという問題があった。
以下に本発明を詳述する。
しかしながら、このような柔軟粒子を配合した場合、得られる液晶表示素子にスプリングバックによるセルギャップ不良が発生することがあった。
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、粒度分布において、最頻粒子径が中位粒子径よりも特定の値以上大きい柔軟粒子を配合することにより、シールブレイクや液晶汚染の抑制とスプリングバックによるギャップ不良の抑制とを両立できる液晶滴下工法用シール剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、柔軟粒子を含有する。
上記柔軟粒子は、液晶表示素子を製造する際に、他のシール剤成分と液晶との間の障壁となって、液晶がシール剤に差し込むこと、及び、シール剤が液晶へ溶出することを防止する役割を有する。また、上記柔軟粒子を配合することにより、基板を貼り合わせた後、シール剤が硬化するまでの基板のずれを防止することができる。
なお、本明細書において、上記柔軟粒子における、最頻粒子径、中位粒子径、最大粒子径、最小粒子径、及び、平均粒子径は、コールター式粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定することにより得られる値を意味する。上記コールター式分布測定装置としてはマルチサイザー4(ベックマン・コールター社製)等を用いることができ、具体的には、粒子0.1gをメタノール10gに添加して馴染ませ、超音波分散を5分間行い粒子分散液を調製し、サンプルスタンド内の電解液「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、得られた粒子分散液を測定装置の表示濃度が5%になるまでスポイトで注入する。この濃度にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。測定は2回行い、算出された値の算術平均値を用いる。
具体的には例えば、柔軟粒子を適当な分散媒に分散させたスラリーを、目開きが均一に揃った高精度篩等を用いて篩う方法が好適に用いられる。
また、上記柔軟粒子の最大粒子径は、セルギャップの2.6倍以下であることが好ましい。上記柔軟粒子の最大粒子径がセルギャップの2.6倍を超えると、スプリングバックを起こし、得られる液晶滴下工法用シール剤が接着性に劣るものとなったり、得られる液晶表示素子にギャップ不良が生じたりすることがある。上記柔軟粒子の最大粒子径のより好ましい上限はセルギャップの2.2倍、更に好ましい上限はセルギャップの1.7倍である。
なお、液晶表示素子のセルギャップは、表示素子により異なるため限定されないが、一般的な液晶表示素子のセルギャップは、2〜10μmである。
なお、本明細書において粒子径のCV値とは、上記コールター式粒度分布測定装置を用いて測定された粒度分布において、下記式により求められる数値のことである。
粒子径のCV値(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
なお、上記柔軟粒子の回復率は、微小圧縮試験機を用いて、粒子1個に一定負荷(1g)をかけ、その負荷を除去した後の回復挙動を解析することにより導出することができる。
なお、上記柔軟粒子の1g歪みは、微小圧縮試験機を用いて、粒子1個に1gの負荷をかけ、その時の変位量を測定することにより導出することができる。
なお、上記柔軟粒子の破壊歪みは、微小圧縮試験機を用いて、粒子1個に負荷をかけていき、その粒子が破壊する変位量を測定することにより導出することができる。上記圧縮変位L4は、負荷荷重に対して変位量が不連続に大きくなる時点を、粒子が破壊した時点として算出する。負荷荷重を大きくしても変形するだけで破壊しない場合、破壊歪みは100%以上と考える。
なお、上記柔軟粒子のガラス転移温度は、JIS K 7121の「プラスチックスの転移温度測定方法」に基づいた示差走査熱量測定(DSC)により測定される値を示す。
上記シリコーン系粒子のうち市販されているものとしては、例えば、KMP−594、KMP−597、KMP−598、KMP−600、KMP−601、KMP−602(信越化学工業社製)、トレフィルE−506S、EP−9215(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられ、これらを分級や混合等により最頻粒子径が中位粒子径の1.07倍以上となるように調整して用いることができる。上記シリコーン系粒子は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記(メタ)アクリル粒子は、原料となる単量体を公知の方法により重合させることで得ることができる。具体的には例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で単量体を懸濁重合する方法、ラジカル重合開始剤の存在下で非架橋の種粒子に単量体を吸収させることにより種粒子を膨潤させてシード重合する方法等が挙げられる。得られた粒子の最頻粒子径が中位粒子径の1.07倍未満である場合には、分級や混合等により最頻粒子径が中位粒子径の1.07倍以上となるように調整する。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
なお、本明細書において上記柔軟粒子の硬度は、JIS K 6253に準拠した方法により測定されるデュロメータA硬さを意味する。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル樹脂を含有することが好ましい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、速やかに硬化させることができるため、硬化性樹脂として(メタ)アクリル樹脂を含有し、かつ、重合開始剤として後述するラジカル重合開始剤を含有することが好ましく、加熱のみで本発明の液晶滴下工法用シール剤を速やかに硬化させることが可能となり、狭額縁設計の液晶表示素子であっても、液晶汚染の発生を充分に抑制することができるため、(メタ)アクリル樹脂と後述する熱ラジカル重合開始剤とを含有することがより好ましい。
上記硬化性樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレートを含有することがより好ましい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリロイル基を有する樹脂を意味し、上記「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。また、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを意味する。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jERYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jERYL−7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル樹脂は、反応性の高さから分子中に(メタ)アクリロイル基を2〜3個有するものが好ましい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂や、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
なかでも、重合開始剤としてラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。スプリングバックは、上記柔軟粒子の粒度分布の影響だけでなくシール剤の硬化速度にも影響を受ける。上記ラジカル重合開始剤は、熱硬化剤に比べて硬化速度が格段に速くすることができるため、上記柔軟粒子と組み合わせて用いることにより、上記柔軟粒子により発生しやすいスプリングバックの発生を抑制する効果に更に優れるものとすることができる。
上述したように、上記ラジカル重合開始剤は熱硬化剤に比べて硬化速度が格段に速いため、ラジカル重合開始剤を用いることにより、シールブレイクや、液晶汚染の発生を抑制し、かつ、上記柔軟粒子を配合することにより発生しやすいスプリングバックもより効果的に抑制できる。
なかでも、得られる液晶滴下工法用シール剤を熱により速やかに硬化させることができるため、熱ラジカル重合開始剤が好ましい。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
また、高分子アゾ開始剤以外のアゾ開始剤の例としては、例えば、V−65、V−501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記カチオン重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤を好適に用いることができる。上記光カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、イオン性光酸発生タイプのものであってもよいし、非イオン性光酸発生タイプであってもよい。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。
上記チタンブラックは、1μmあたりの光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほどよく、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特にないが、通常は5以下となる。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶滴下工法用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
なお、実施例及び比較例の有機EL表示素子用封止剤は、セルギャップが5μmの有機EL表示素子の製造に用いられるものとする。
シリコーンゴム粒子(信越化学工業社製、「KMP−601」)をメタノール中に分散させ、8μmの目開きの篩で湿式篩分級し、篩を通過したものを回収して乾燥させ、シリコーンゴム粒子の分級処理品である柔軟粒子Aを得た。篩はポリイミドフィルムにレーザーで超高精度微細加工を施して得た極めて精度の高い穴を有するものを用いた。
得られた柔軟粒子Aについて、コールター式分布測定装置(ベックマン・コールター社製、「マルチサイザー4」)を用いて測定した最頻粒子径、中位粒子径、最大粒子径、最小粒子径、平均粒子径、D90、粒子径のCV値、最小粒子径から中位粒子径よりも2μm小さい粒子径までの体積頻度の割合W、中位粒子径から2μm小さい粒子径から中位粒子径までの体積頻度の割合X、中位粒子径から中位粒子径よりも2μm大きい粒子径までの体積頻度の割合Y、中位粒子径よりも2μm大きい粒子径から最大粒子径までの体積頻度の割合Zを表1に示した。
上記コールター式分布測定装置による測定は、粒子0.1gをメタノール10gに添加して馴染ませ、超音波分散を5分間行い粒子分散液を調製し、サンプルスタンド内の電解液「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、得られた粒子分散液を測定装置の表示濃度が5%になるまでスポイトで注入した。測定は2回行い、算出された値の算術平均値を用いた。
シリコーンゴム粒子(信越化学工業社製、「KMP−601」)をメタノール中に分散させ、8μmの目開きの篩で湿式篩分級し、篩を通過したものを回収し、次いで、5μmの目開きの篩で湿式篩分級し、篩に残ったものを回収して乾燥させ、シリコーンゴム粒子の分級処理品である柔軟粒子Bを得た。篩はポリイミドフィルムにレーザーで超高精度微細加工を施して得た極めて精度の高い穴を有するものを用いた。
得られた柔軟粒子Bについて、柔軟粒子Aと同様にして測定した最頻粒子径、中位粒子径、最大粒子径、最小粒子径、平均粒子径、D90、粒子径のCV値、W、X、Y、及び、Zを表1に示した。
シリコーンゴム粒子(信越化学工業社製、「KMP−601」)をメタノール中に分散させ、10μmの目開きの篩で湿式篩分級し、篩を通過したものを回収して乾燥させ、シリコーンゴム粒子の分級処理品である柔軟粒子Cを得た。篩はポリイミドフィルムにレーザーで超高精度微細加工を施して得た極めて精度の高い穴を有するものを用いた。
得られた柔軟粒子Cについて、柔軟粒子Aと同様にして測定した最頻粒子径、中位粒子径、最大粒子径、最小粒子径、平均粒子径、D90、粒子径のCV値、W、X、Y、及び、Zを表1に示した。
シリコーンゴム粒子(信越化学工業社製、「KMP−601」)を精密空気分級機(日清エンジニアリング社製、「ターボクラシファイア TC−15」)にて供給速度5kg/h、回転数10000rpmの条件で分級し、柔軟粒子Dを得た。
得られた柔軟粒子Dについて、柔軟粒子Aと同様にして測定した最頻粒子径、中位粒子径、最大粒子径、最小粒子径、平均粒子径、D90、粒子径のCV値、W、X、Y、及び、Zを表1に示した。
シリコーン樹脂粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、「トスパール1100」)55重量部と、シリコーン樹脂粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、「トスパール2000B」)45重量部とを、粉体混合器(日本コークス工業社製、「FMミキサ(FM5RC/I)」)を用いて均一に撹拌混合し、柔軟粒子Eを得た。
得られた柔軟粒子Eについて、柔軟粒子Aと同様にして測定した最頻粒子径、中位粒子径、最大粒子径、最小粒子径、平均粒子径、D90、粒子径のCV値、W、X、Y、及び、Zを表1に示した。
ポリテトラメチレングリコールジアクリレート75重量部と、スチレン21重量部と、過酸化ベンゾイル4重量部とを混合し、均一に溶解させ、モノマー混合液を得た。得られたモノマー混合液をポリビニルアルコール1重量%水溶液の入った反応釜に投入し、2〜4時間撹拌することで、モノマーの液滴が所定の粒子径になるよう、粒子径調整を行った。次いで、85℃の窒素雰囲気下で9時間反応を行い、未分級重合体粒子を得た。得られた未分級重合体粒子を熱水にて数回洗浄し乾燥させた。その後、メタノール中に分散させ、10μmの目開きの篩で湿式篩分級し、篩を通過したものを回収して乾燥させ、ビニル系粒子の分級処理品である柔軟粒子Fを得た。篩はポリイミドフィルムにレーザーで超高精度微細加工を施して得た極めて精度の高い穴を有するものを用いた。
得られた柔軟粒子Fについて、柔軟粒子Aと同様にして測定した最頻粒子径、中位粒子径、最大粒子径、最小粒子径、平均粒子径、D90、粒子径のCV値、W、X、Y、及び、Zを表1に示した。
ポリテトラメチレングリコールジアクリレート75重量部と、スチレン21重量部と、過酸化ベンゾイル4重量部とを混合し、均一に溶解させ、モノマー混合液を得た。得られたモノマー混合液をポリビニルアルコール1重量%水溶液の入った反応釜に投入し、2〜4時間撹拌することで、モノマーの液滴が所定の粒子径になるよう、粒子径調整を行った。次いで、85℃の窒素雰囲気下で9時間反応を行い、未分級重合体粒子を得た。得られた未分級重合体粒子を熱水にて数回洗浄し乾燥させた。その後、メタノール中に分散させ、8μmの目開きの篩で湿式篩分級し、篩を通過したものを回収して乾燥させ、ビニル系粒子の分級処理品である柔軟粒子Gを得た。篩はポリイミドフィルムにレーザーで超高精度微細加工を施して得た極めて精度の高い穴を有するものを用いた。
得られた柔軟粒子Gについて、柔軟粒子Aと同様にして測定した最頻粒子径、中位粒子径、最大粒子径、最小粒子径、平均粒子径、D90、粒子径のCV値、W、X、Y、及び、Zを表1に示した。
硬化性樹脂としてビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、「EBECRYL3700」)70重量部及びビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「jER806」)30重量部と、熱ラジカル重合開始剤として高分子アゾ開始剤(和光純薬工業社製、「VPE−0201」)7重量部と、熱硬化剤としてセバシン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「SDH」)8重量部と、柔軟粒子A30重量部と、充填剤としてシリカ(アドマテックス社製、「アドマファインSO−C2」)10重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM−403」)1重量部とを配合し、遊星式撹拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて撹拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させて液晶滴下工法用シール剤を得た。
表2、3に記載された配合比に従い、各材料を、実施例1と同様にして、遊星式撹拌機(シンキー社製「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例2〜10、比較例1〜4の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
なお、比較例1で用いた「KMP−601未分級品」は、シリコーンゴム粒子(信越化学工業社製、「KMP−601」)を分級せずにそのまま用いたものであり、比較例2で用いた「KMP−600未分級品」は、シリコーンゴム粒子(信越化学工業社製、「KMP−600」)を分級せずにそのまま用いたものであり、比較例3で用いた「9701未分級品」は、シリコーンエラストマー複合粒子(東レ・ダウコーニング社製、「9701 コスメティックパウダー」)を分級せずにそのまま用いたものであり、それぞれについて、柔軟粒子Aと同様にして測定した最頻粒子径、中位粒子径、最大粒子径、最小粒子径、平均粒子径、D90、粒子径のCV値、W、X、Y、及び、Zを表1に示した。
実施例及び比較例で得られた各液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。
実施例及び比較例で得られた各液晶滴下工法用シール剤100重量部に対して平均粒子径4.7μmのスペーサー粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI」)1重量部を遊星式撹拌装置によって均一に分散させ、得られたシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行ってから、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)にて、2枚のITO薄膜付きの透明電極基板のうちの一方に長方形の枠を描く様にシール剤(メインシール)を塗布し、続いて、セルを真空に保持するため、更に外周に一周シール剤(ダミーシール)を塗布した。その後、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空貼り合わせ装置にて5Paの真空下にて貼り合わせた。貼り合わせた後のセルに高圧水銀ランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒間照射した後、125℃で60分間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を得た。
得られた液晶表示素子のセルギャップを測定し、セル内が均一に4〜5μmとなっていた場合を「◎」、セル内のほぼ全体に4〜5μmのギャップがとれていた場合を「○」、セル内に4〜5μmのギャップがとれていない箇所が多く又は広く存在した場合を「△」、セルが形成できなかった場合を「×」としてセルギャップを評価した。結果を表2、3に示した。
上記「(セルギャップ)」の評価にて得られた液晶表示素子について、シール部周辺の液晶(特にコーナー部)に生じる表示むらを目視にて観察し、表示むらが全く無かった場合を「◎」、表示むらがほとんど無かった場合を「○」、表示むらがはっきりと確認された場合を「△」、酷い表示むらが確認された場合又はセルが形成できなかった場合を「×」として液晶汚染性を評価した。結果を表2、3に示した。
実施例及び比較例で得られた各液晶滴下工法用シール剤0.5重量部を、エタノール30重量部中に投入し、35℃で1時間撹拌を行った後、ろ過を行うことでシール剤から柔軟微粒子を取り出した。
各シール剤から取り出した柔軟粒子について、上記「(柔軟粒子Aの調製)」と同様にして測定した、最頻粒子径、中位粒子径、最大粒子径、最小粒子径、平均粒子径、粒子径のCV値、W、X、Y、及び、Zを表4に示した。
Claims (9)
- 液晶滴下工法による液晶表示素子の製造に用いる液晶滴下工法用シール剤であって、
硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、柔軟粒子とを含有し、
前記柔軟粒子は、粒度分布において、最頻粒子径が中位粒子径の1.07倍以上であり、
前記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル樹脂を含み、
前記柔軟粒子は、シリコーン系粒子及び/又はビニル系粒子を含み、
前記柔軟粒子の含有量が、前記硬化性樹脂100重量部に対して、15重量部以上50重量部以下である
ことを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。 - 柔軟粒子は、粒度分布において、累積分布におけるD90が中位粒子径の1.40倍未満であることを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 柔軟粒子は、粒度分布において、最小粒子径から中位粒子径よりも2μm小さい粒子径までの体積頻度の割合をW(%)、中位粒子径よりも2μm大きい粒子径から最大粒子径までの体積頻度の割合をZ(%)としたとき、W/Z≧1.1であることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 柔軟粒子は、粒度分布において、中位粒子径よりも2μm小さい粒子径から中位粒子径までの体積頻度の割合をX(%)、中位粒子径から中位粒子径よりも2μm大きい粒子径までの体積頻度の割合をY(%)としたとき、X+Y≧60であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 柔軟粒子は、粒度分布において、中位粒子径よりも2μm大きい粒子径から最大粒子径までの体積頻度の合計が全体の10%未満であり、かつ、最小粒子径から中位粒子径よりも2μm小さい粒子径までの体積頻度の合計が全体の20%未満であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 柔軟粒子は、最大粒子径が、液晶表示素子のセルギャップの100%以上であり、かつ、5〜50μmであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 遮光剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3、4、5、6若しくは7記載の液晶滴下工法用シール剤又は請求項8記載の上下導通材料を有することを特徴とする液晶表示素子。
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