JP6588535B2 - 短鎖ペプチド固定化担体の製造方法および短鎖ペプチド固定化担体 - Google Patents

短鎖ペプチド固定化担体の製造方法および短鎖ペプチド固定化担体 Download PDF

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Description

本発明は、短鎖ペプチド固定化担体の製造方法および短鎖ペプチド固定化担体に関する。
近年、抗体医薬の開発が活況を呈している。ヒト免疫機能を使う抗体医薬は高い効能が期待できるうえ、副作用も比較的少ないため、今後の医療の中心とみられているからである。抗体医薬の開発・実用化に欠かせない技術が抗体の連続・大量・高速の精製技術である。抗体の精製のために、現在最も一般的に利用されている方法はプロテインAをリガンドとして用いたアフィニティクロマトグラフィー法である。
しかし、プロテインAは、遺伝子工学的方法を用いて製造されるため、製造工程が煩雑であり、プロテインAそのものをアフィニティクロマトグラフィー用リガンドとして用いると、結果的に高コストになるという問題があった。
このような問題に対しては、プロテインAのIgG(Immunoglobulin G;イムノグロブリンG)と相互作用をする部分のアミノ酸配列に基づいて、長さが概ね50残基以下の短鎖ペプチドを用いることが検討されてきた(例えば、非特許文献1)。
一方、短鎖ペプチドを担体上に固定化する方法としては、例えば、特許文献1に記載された、基板上に二次元微細薄膜を形成する方法が挙げられる。この方法は、薄膜を形成するための有機分子材料として、少なくともペプチド鎖を有し、そのペプチド鎖が、(1)4〜50のアミノ酸残基で構成される、(2)少なくとも親水性アミノ酸残基および疎水性アミノ酸残基を有する、および(3)基材上に吸着され得、吸着された際にはβ−シート構造を形成し得るアミノ酸配列を有する、の3条件をいずれも具備することを特徴とする有機分子材料を用意する工程と、ペプチド鎖がα−へリックスまたはランダムコイル構造を保ち得る濃度でその有機分子材料を含み且つ有機分子材料が個々に遊離して分散した状態の溶液を調製する工程と、溶液を基材の表面に供給し、溶液中の有機分子材料を基材上に吸着させるとともに基材上に吸着した際の有機分子材料のペプチド鎖がそれぞれβ−シートを形成してなる単分子膜を基材上に設ける工程とを含むことを特徴とする。
特開2010−001238号公報
Braisted, A. C.、外1名、「Minimizing a binding domain from protein A」、米国科学アカデミー紀要、米国科学アカデミー、1996年6月、第93巻、第12号、p.5688-5692
しかしながら、本発明者が検討した限りでは、特許文献1に記載の方法では、溶液中で短鎖ペプチドに誘起させた二次構造を保持したまま担体に固定化することが困難であった。意図的に誘起形成した二次構造をそのまま固定化できないことで、固定化により短鎖ペプチドの二次構造が変化し、抗原抗体反応等の立体構造を利用した結合能が低下したり、失われたりすることが問題となる。また、単分子層形成が必要であり、コストが高く、実用に耐えなかった。
そこで、本発明は、短鎖ペプチドの二次構造が保持される短鎖ペプチド固定化担体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アルコール溶媒およびアルコール溶媒中にて二次構造が誘起され、かつ、複数の固定化官能基を有する短鎖ペプチドを含むアルコール溶液を準備する工程と、固定化官能基と反応する反応性基を有するスペーサーが結合された担体とアルコール溶液とを接触させて、短鎖ペプチドをスペーサーに固定化する工程とを備えることにより、短鎖ペプチドを、二次構造を保持したまま、担体に固定化することができることを知得し、本発明を完成させるに至った。本発明では、抗原抗体反応が可能な短鎖ペプチド固定化担体を得ることができ、高い結合性を有する担体を得ることが出来る。また、反応性基を有するスペーサーを利用することで、単分子層形成が不要であり、低コスト化が可能となる。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(9)を提供する。
(1)アルコール溶媒およびアルコール溶媒中にて二次構造が誘起され、かつ、複数の固定化官能基を有する短鎖ペプチドを含むアルコール溶液を準備する工程と、
固定化官能基と反応する反応性基を有するスペーサーが結合された担体とアルコール溶液とを接触させて、短鎖ペプチドをスペーサーに固定化する工程と
を備える、短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
(2)短鎖ペプチドが34残基以下である、上記(1)に記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
(3)短鎖ペプチドとスペーサーとが共有結合を介して固定化される、上記(1)または(2)に記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
(4)スペーサーの分子量が10000以下である、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
(5)固定化官能基がチオール基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種である、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
(6)固定化官能基が短鎖ペプチドの少なくとも一方の末端に位置する、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
(7)短鎖ペプチドが、固定化官能基を有するアミノ酸残基が複数含まれ、かつ、固定化官能基を有するアミノ酸残基の間に固定化官能基を有しないアミノ酸残基を少なくとも1つ含む部分構造を有する、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
(8)担体と、担体上に結合されたスペーサーと、スペーサー上に配置され、かつ、二次構造が保持されている短鎖ペプチドとを有する短鎖ペプチド固定化担体。
(9)担体とスペーサーとが共有結合によって結合されている、上記(8)に記載の短鎖ペプチド固定化担体。
本発明によれば、水系溶媒中でも短鎖ペプチドの二次構造が保持される短鎖ペプチド固定化担体の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、水系溶媒中でも短鎖ペプチドの二次構造が保持された短鎖ペプチド固定化担体を提供することができる。
本発明の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」という場合がある。)について説明する。
[短鎖ペプチド固定化担体の製造方法]
本発明の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法は、アルコール溶媒およびアルコール溶媒中にて二次構造が誘起され、かつ、複数の固定化官能基を有する短鎖ペプチドを含むアルコール溶液を準備する工程(以下「工程A」という。)と、固定化官能基と反応する反応性基を有するスペーサーが結合された担体とアルコール溶液とを接触させて、短鎖ペプチドをスペーサーに固定化する工程(以下「工程B」という。)とを備えることを特徴とする。
〈用語の説明〉
まず、本発明において用いられる用語について説明する。
1.短鎖ペプチド
(1)短鎖ペプチドの定義
「短鎖ペプチド」とは、アミノ酸残基数が約50残基以下であるペプチドをいう。ただし、複数のドメインが結合した融合ペプチドにあっては、アミノ酸残基の総数が約50残基以下である融合ペプチドをいう。
(2)本発明の短鎖ペプチド
本発明において用いる短鎖ペプチド(以下「本発明の短鎖ペプチド」という場合がある。)は、アルコール溶媒中で二次構造が誘起され、かつ、複数の固定化官能基を有する。
本発明の短鎖ペプチドは、アルコール溶媒中で二次構造が誘起される。ここで、「二次構造」は、短鎖ペプチド主鎖の部分的な立体構造をいい、例えば、αヘリックス、βシート、βターン、310ヘリックス、πヘリックス、および2.2リボン等の構造を含む。また、「アルコール溶媒中で二次構造が誘起される」とは、アルコール溶媒中での二次構造含有率が、HEPES(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid;4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸))緩衝液、トリス緩衝液、またはリン酸緩衝液等のpHが5〜9の中性付近かつ10〜30℃である水系溶媒中での二次構造含有率の1.5倍以上となることをいう。アルコール溶媒中での二次構造含有率は、水系溶媒中での二次構造含有率の2倍以上が好ましく、3倍以上がより好ましい。ここで、二次構造含有率は、CD(circular dichroism;円偏光二色性)により算出することができる。例えば、円二色性分散計(J−820,日本分光社製)を用いてCDスペクトルを測定し、得られたCDスペクトルを基にタンパク質二次構造解析プログラム(JWSSE−480,日本分光社製)を用いて二次構造を解析して得られる。
本発明の短鎖ペプチドのアミノ酸残基数は、50残基以下であれば特に制限されない。アルコール溶媒への溶解性の観点から、本発明の短鎖ペプチドのアミノ酸残基数は、好ましくは34残基以下であり、より好ましくは30残基以下であり、さらに好ましくは25残基以下であり、いっそう好ましくは20残基以下である。また、二次構造を誘起する観点から、本発明の短鎖ペプチドのアミノ酸残基数は、好ましくは5残基以上であり、より好ましくは7残基以上であり、さらに好ましくは10残基以上である。さらに、本発明の短鎖ペプチドのアミノ酸残基数は、好ましくは5〜50残基の範囲内であり、より好ましくは5〜34残基の範囲内であり、さらに好ましくは7〜30残基の範囲内であり、いっそう好ましくは7〜25残基の範囲内であり、よりいっそう好ましくは10〜20残基の範囲内である。
なお、本発明において、数値範囲を「〜」を用いて表した場合には、その数値範囲の両端をその数値範囲に含むものとする。例えば、「5〜50」という数値範囲には、下限である「5」および上限である「50」を含む。
本発明の短鎖ペプチドの分子量は、特に限定されない。
抗原性の観点から、本発明の短鎖ペプチドの分子量は、アミノ酸残基の分子量の合計で、好ましくは5000以下であり、より好ましくは3500以下であり、さらに好ましくは3000以下である。また、二次構造を誘起する観点から、本発明の短鎖ペプチドの分子量は、アミノ酸残基の分子量の合計で、好ましくは500以上であり、より好ましくは600以上であり、さらに好ましくは800以上である。さらに、抗原性を発現せず、二次構造を誘起する観点から、本発明の短鎖ペプチドの分子量は、好ましくは500〜5000であり、より好ましくは600〜3500であり、さらに好ましくは800〜3000である。
本発明の短鎖ペプチドを構成するアミノ酸残基は、天然アミノ酸に由来するアミノ酸残基のみを含むものであってもよいし、さらに、非天然アミノ酸に由来するアミノ酸残基を含んでもよい。天然アミノ酸および非天然アミノ酸については後述する。
本発明の短鎖ペプチドが有する複数個の固定化官能基(以下「本発明の短鎖ペプチドの固定化官能基」という場合がある。)は、スペーサーが持つ官能基と反応性を有するものであれば特に限定されない。
本発明の短鎖ペプチドの固定化官能基としては、例えば、アミノ基(アミド結合形成)、カルボキシル基、水酸基、およびチオール基などが挙げられる。ここで、反応性とは、本発明の短鎖ペプチドの固定化官能基とスペーサーが持つ官能基とが反応して共有結合を形成する性質をいう。上記共有結合は、特に限定されないが、安定な結合を形成するものが好ましい。上記共有結合としては、例えば、ジスルフィド結合、ペプチド結合(アミド結合)、ホスホジエステル結合、グリコシド結合、ジアゾ結合、チオエーテル結合、オレフィン結合、エポキシ結合、およびクリックケミストリーの反応の結果得られる結合等が挙げられる。これらの共有結合の中でも、結合安定性の観点から、ペプチド結合、チオエーテル結合、オレフィン結合、およびクリックケミストリーの反応の結果得られる結合から選択されるものが好ましい。
本発明の短鎖ペプチドの固定化官能基としては、例えば、チオール基、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、リン酸エステル基、エポキシ基、グリシジル基、アジド基、およびアルキニル基等が挙げられる。本発明の短鎖ペプチドの固定化官能基としては、チオール基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
なお、本発明の短鎖ペプチドの固定化官能基の種類は、1種類であってもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
本発明の短鎖ペプチドにおける固定化官能基を有するアミノ酸残基の位置は、特に限定されない。例えば、本発明の短鎖ペプチドは、固定化官能基を有するアミノ酸残基が、本発明の短鎖ペプチドのペプチド鎖の、N末端側またはC末端側の一方に集中して配置された構造であってもよいし、N末端側およびC末端側の両方に分散して配置された構造であってもよい。
N末端側に集中して配置された構造の短鎖ペプチドの非限定的な一例としては、配列番号1で示されるペプチドのN末端にリシン残基(K)を3個結合した「KKKEQQNAFY」を挙げることができる。また、C末端側に集中して配置された構造の短鎖ペプチドの非限定的な一例としては、配列番号1で示されるペプチドのC末端にリシン残基(K)を3個結合した「EQQNAFYKKK」を挙げることができる。さらに、N末端側およびC末端側の両方に分散して配置された構造の短鎖ペプチドの非限定的な一例としては、配列番号1で示されるペプチドのN末端およびC末端にリシン残基(K)を3個ずつ結合した「KKKEQQNAFYKKK」を挙げることができる。この場合、固定化官能基は、リシン残基の側鎖のεアミノ基およびN末端のアミノ基である。
また、短鎖ペプチドは、固定化官能基を有するアミノ酸残基の間に、固定化官能基を有しないアミノ酸残基を少なくとも1つ含む部分構造を有するものであってもよい。
固定化官能基を有するアミノ酸残基の間に、固定化官能基を有しないアミノ酸残基を少なくとも1つ含む部分構造を有する短鎖ペプチドの非限定的な一例としては、固定化官能基を有するアミノ酸残基としてリシン残基(K)を採用し、固定化官能基を有しないアミノ酸残基を少なくとも1つ含む部分構造として配列番号1で示されるペプチド「EQQNAFY」を採用した、「KEQQNAFYKEQQNAFYK」を挙げることができる。ここで、固定化官能基は、リシン残基の側鎖のεアミノ基およびN末端のアミノ基である。
本発明の短鎖ペプチドとしては、抗体結合性を有する短鎖ペプチドが好ましい。
ここで、抗体結合性とは、抗体または抗体誘導体と、ある親和性をもって結合する性質をいう。抗体または抗体誘導体との結合は、抗原抗体反応による結合が好ましく、結合する部位としては、抗体または抗体誘導体の定常領域(Fc領域、C領域、C領域)が好ましい。
「抗体」とは、免疫グロブリンまたはその類縁体、フラグメントもしくは融合体をいう。ここで、類縁体とは、免疫グロブリンの構造または機能が少なくとも部分的に保持された、天然の、または人工的に作製された、タンパク質またはタンパク質コンジュゲートをいう。また、フラグメントとは、酵素的な処理または遺伝子工学的な設計によって作製された、免疫グロブリンの部分構造を有するタンパク質をいう。また、融合体とは、各種サイトカインまたはサイトカイン受容体等の生物活性を有するタンパク質の機能部分を、免疫グロブリンの全体または一部と遺伝子工学的に融合させて作製したタンパク質をいう。また、抗体としては、モノクローナル抗体または免疫グロブリンのFc領域を有する融合体が好ましく、モノクローナル抗体がより好ましい。なお、本発明において、免疫グロブリンは、IgG(Immunoglobulin G,免疫グロブリンG)、IgM(Immunoglobulin M,免疫グロブリンM)、IgA(Immunoglobulin A,免疫グロブリンA)、IgD(Immunoglobulin D,免疫グロブリンD)およびIgE(Immunoglobulin E,免疫グロブリンE)の5種類のクラス(アイソタイプ)のいずれでもよいが、IgGまたはIgMが好ましく、IgGがより好ましい。
「抗体誘導体」とは、ヒト免疫グロブリンのFc領域と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのFab領域とを融合させたキメラ抗体、ヒト免疫グロブリンのいくつかのFc領域と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのいくつかのFv領域とを融合させたキメラ抗体、ヒト免疫グロブリンのCDR(相補性決定領域)部分を除いた残余の部分と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンCDR部分とを融合させたヒト型化抗体、非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのFc領域とヒト免疫グロブリンのFab領域とを融合させたキメラ抗体、非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのいくつかのFc領域とヒト免疫グロブリンのいくつかのFv領域とを融合させたキメラ抗体、ヒト免疫グロブリンのCDR部分を除いた残余の部分と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのCDR部分とを融合させた非ヒト哺乳動物化抗体、非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのFc領域と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのFab領域とを融合させたキメラ抗体、非ヒト哺乳動物グロブリンのいくつかのFc領域と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのいくつかのFv領域とを融合させたキメラ抗体、非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのCDR(相補性決定領域)部分を除いた残余の部分と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンCDR部分とを融合させた非ヒト哺乳動物型抗体、およびこれらの化学的修飾を加えたタンパク質であって、Fc領域を保持するタンパク質をいう。
本発明の短鎖ペプチドは、抗体結合ドメインと、スペーサー結合ドメインとからなる構造、または、さらにドメイン間を連結するリンカーを含む構造であることが好ましい。また、本発明の短鎖ペプチドは、抗体結合ドメインを複数有する融合ペプチドであってもよい。抗体結合性を有する本発明の短鎖ペプチドを、二次構造を保ったまま固定化することによって、抗体吸着剤および抗体保持担体等が低コストで実現できるようになる。
なお、ドメインおよびスペーサーについては後述する。
上記抗体結合ドメインのアミノ酸配列は、抗体結合性を有し、かつ、抗体または抗体誘導体に結合しうるものであれば特に限定されない。上記抗体結合ドメインのアミノ酸配列としては、表1に示す配列番号1〜38のアミノ酸配列の少なくとも1つと、85%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるものが好ましく、87%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるものがより好ましく、90%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるものがさらに好ましく、95%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるものがいっそう好ましく、配列番号1〜38のアミノ酸配列からなる群から選択されるものが特に好ましい。
ここで、2つのアミノ酸配列の配列相同性は、次のようにして求める。
(a)2つのアミノ酸配列のアラインメントを行う
一致(マッチ)は+1、不一致(ミスマッチ)は−1、ギャップは−1のスコアを与え、アラインメント・スコアが最大となるようにアラインメントを行う。
(b)配列相同性を計算する
得られたアラインメントに基づいて、次式により配列相同性を計算する。
配列相同性[%]=(一致ポジション数/全ポジション数)×100[%]
全ポジション数はアラインメントの長さであり、一致ポジション数はアミノ酸の種類が一致するポジションの数である。
ここで、アミノ酸残基の種類が一致するか否かの判断は、そのアミノ酸残基の元になるアミノ酸の側鎖(アミノ酸側鎖)の構造が同一であるか否かによるものとする。なお、エナンチオマーの関係にあるアミノ酸の側鎖の構造は同一ではない。
(c)配列相同性の計算例
例えば、次のアミノ酸配列を考える。
配列A EQQNAFY
配列B KEQQSAFY
これを、上記した条件の下でアラインメントすると、次のようになる。ここで、配列A、B間でアミノ酸(残基)の種類が一致する箇所には、見やすくするため、ホモロジー・ストリング「|」を付けている。また、「−」はギャップである。
配列A −EQQNAFY
||| |||
配列B KEQQSAFY
このアラインメントのスコアは、一致(+1)×6+不一致(−1)×1+ギャップ(−1)×1=4である。
この例では、全ポジション数は8であり、一致ポジション数は6であるから、上記式に従って算出した配列相同性は、6/8×100=75.0%である。
配列番号1で示されるアミノ酸配列(EQQNAFY)と85%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号4で示されるアミノ酸配列(EGQNAFY)、配列番号7で示されるアミノ酸配列(EQNAFY)、配列番号10で示されるアミノ酸配列(EQQSAFY)などが挙げられる。
配列番号2で示されるアミノ酸配列(EQQNAFYEILH)と85%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号4で示されるアミノ酸配列(EQQNAFYEILHL)、配列番号11で示されるアミノ酸配列(EQQSAFYEILH)などが挙げられる。
配列番号3で示されるアミノ酸配列(EQQNAFYEILHL)と85%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列としては、例えは、配列番号2で示されるアミノ酸配列(EQQNAFYEILH)などが挙げられる。
配列番号4で示されるアミノ酸配列(EGQNAFY)と85%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列(EQQNAFY)、配列番号7で示されるアミノ酸配列(EQNAFY)、配列番号10で示されるアミノ酸配列(EQQSAFY)などが挙げられる。
配列番号5で示されるアミノ酸配列(EGQNAFYEILH)と85%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号3で示されるアミノ酸配列(EQQNAFYEILH)、配列番号11で示されるアミノ酸配列(EQQSAFYEILH)などが挙げられる。
配列番号6で示されるアミノ酸配列(EGQNAFYEILHL)と配列相同性85%以上を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号3で示されるアミノ酸配列(EQQNAFYEILHL)などが挙げられる。
配列番号7で示されるアミノ酸配列(EQNAFY)と配列相同性85%以上を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列(EQQNAFY)、配列番号4で示されるアミノ酸配列(EGQNAFY)などが挙げられる。
配列番号8で示されるアミノ酸配列(EQNAFYEILH)と配列相同性85%以上を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号2で示されるアミノ酸配列(EQQNAFYEILH)、配列番号5で示されるアミノ酸配列(EGQNAFYEILH)、配列番号9で示されるアミノ酸配列(EQNAFYEILHL)などが挙げられる。
配列番号9で示されるアミノ酸配列(EQNAFYEILHL)と配列相同性85%以上を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号3で示されるアミノ酸配列(EQQNAFYEILHL)、配列番号6で示されるアミノ酸配列(EGQNAFYEILHL)、配列番号8で示されるアミノ酸配列(EQNAFYEILH)などが挙げられる。
配列番号10で示されるアミノ酸配列(EQQSAFY)と配列相同性85%以上を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列(EQQNAFY)、配列番号13で示されるアミノ酸配列(DQQSAFY)などが挙げられる。
配列番号11で示されるアミノ酸配列(EQQSAFYEILH)と配列相同性85%以上を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号2で示されるアミノ酸配列(EQQNAFYEILH)、配列番号12で示されるアミノ酸配列(EQQSAFYEILHL)、配列番号14で示されるアミノ酸配列(DQQSAFYEILH)などが挙げられる。
配列番号12で示されるアミノ酸配列(EQQSAFYEILHL)と配列相同性85%以上を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号3で示されるアミノ酸配列(EQQNAFYEILHL)、配列番号11で示されるアミノ酸配列(EQQSAFYEILH)、配列番号15で示されるアミノ酸配列(DQQSAFYEILHL)などが挙げられる。
配列番号13で示されるアミノ酸配列(DQQSAFY)と配列相同性85%以上を有するアミノ酸配列としては、例えば、配列番号10で示されるアミノ酸配列(EQQSAFY)などが挙げられる。
(3)アミノ酸残基/アミノ酸
3.1)アミノ酸残基
「アミノ酸残基」の用語は、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry;国際純正・応用化学連合)ゴールド・ブックの定義に従う。すなわち、2個以上のアミノ酸が分子間でペプチド結合することによってペプチドを形成した時の、アミノ酸分子がペプチド結合の際に脱水された残りの部分をアミノ酸残基という。したがって、ペプチド鎖を構成するユニットはアミノ酸残基である。また、ペプチド鎖では、C末端のアミノ酸残基をC端残基といい、N末端のアミノ酸残基をN端残基という。アミノ酸残基はその由来するアミノ酸の種類が同じであれば同じ種類のアミノ酸残基として取り扱う。
3.2)アミノ酸
「アミノ酸」とは、特に断らない限り、分子中にアミノ基(−NH)またはイミノ基とカルボキシル基とを有する有機化合物であって、2個以上がペプチド結合することによってペプチドを形成しうるものをいう。
アミノ酸の名称、略号は、原則として、国際純正・応用化学連合と国際生化学・分子生物学連合による共同命名委員会(INTERNATIONAL UNION OF PURE AND APPLIED CHEMISTRY and INTERNATIONAL UNION OF BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY IUPAC-IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature (JCBN))で採用された名称、略号等を用いて表す。表2には、1文字略号および3文字略号が公式に認められたα−アミノ酸の名称および略号(1文字略号、3文字略号)を示す。なお、任意のアミノ酸を表す“Xaa”は、表2に示すアミノ酸以外のアミノ酸を表す場合にも用いることができる。
本発明においては、天然アミノ酸のみならず、非天然アミノ酸に由来するアミノ酸残基もペプチド鎖を構成するユニットとして用いることができる。本発明の短鎖ペプチドは、天然アミノ酸のみによって構成されてもよいし、非天然アミノ酸のみによって構成されてもよいし、天然アミノ酸および非天然アミノ酸の両方を含んでもよい。天然アミノ酸および非天然アミノ酸を含む場合の天然アミノ酸と非天然アミノ酸との比率(モル比率)は特に限定されない。
3.2.1)天然アミノ酸
「天然アミノ酸」とは、天然でmRNA(messenger RNA;伝令RNA;RNA=ribonucleotide)上にコード化されているアミノ酸をいう。天然アミノ酸とは、具体的には、グリシン(Gly)、L−アラニン(Ala)、L−アルギニン(Arg)、L−アスパラギン(Asn)、L−アスパラギン酸(Asp)、L−システイン(Cys)、L−グルタミン(Gln)、L−グルタミン酸(Glu)、L−ヒスチジン(His)、L−イソロイシン(Ile)、L−ロイシン(Leu)、L−リシン(Lys)、L−メチオニン(Met)、L−フェニルアラニン(Phe)、L−プロリン(Pro)、L−セリン(Ser)、L−トレオニン(Thr)、L−トリプトファン(Trp)、L−チロシン(Tyr)、L−バリン(Val)、L−ピロリシン(Pyl)およびL−セレノシステイン(Sec)の22種類のアミノ酸をいう。
なお、これらのアミノ酸(グリシンを除く。)のエナンチオマーは、天然アミノ酸には含まれない。
3.2.2)非天然アミノ酸
「非天然アミノ酸」とは、天然ではmRNA(messenger RNA;伝令RNA;RNA=ribonucleotide)上にコード化されていないアミノ酸をいう。非天然アミノ酸は、特に限定されないが、例えば、D−アラニン(D-Ala)、D−アルギニン(D-Arg)、D−アスパラギン(D-Asn)、D−アスパラギン酸(D-Asp)、D−システイン(D-Cys)、D−グルタミン(D-Gln)、D−グルタミン酸(D-Glu)、D−ヒスチジン(D-His)、D−イソロイシン(D-Ile)、D−ロイシン(D-Leu)、D−リシン(D-Lys)、D−メチオニン(D-Met)、D−フェニルアラニン(D-Phe)、D−プロリン(D-Pro)、D−セリン(D-Ser)、D−トレオニン(D-Thr)、D−トリプトファン(D-Trp)、D−チロシン(D-Tyr)、D−バリン(D-Val)、D−ピロリシン(D-Pyl)およびD−セレノシステイン(D-Sec)等の、天然アミノ酸(グリシンを除く。)のエナンチオマー;2−アミノアジピン酸(Aad)、2−アミノ酪酸(Abu)、2−アミノヘプタン酸(Ahe)、2−アミノイソ酪酸(Aib)、2−アミノピメリン酸(Apm)、2,4−ジアミノ酪酸(Dbu)、2,2’−ジアミノピメリン酸(Dpm)、2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr)、アローヒドロキシリシン(aHyl)、アローイソロイシン(aIle)、ノルバリン(Nva)、ノルロイシン(Nle)、オルニチン(Orn)、デスモシン(Des)、イソデスモシン(Ide)等の非天然α−アミノ酸;6−N−メチルリシン(MeLys)、3−ヒドロキシプロリン(3Hyp)、4−ヒドロキシプロリン(4Hyp)、β−アラニン(bAla)、3−アミノイソ酪酸(bAib)、3−アミノアジピン酸(bAad)、4−アミノ酪酸(4Abu)、6−アミノカプロン酸(Acp)などが挙げられる。
なお、各非天然アミノ酸の名称の後の括弧内の記号は、それぞれの非天然アミノ酸を示す略号の一例である。
(4)ペプチド/融合ペプチド
4.1)ペプチド
「ペプチド」の用語は、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry;国際純正・応用化学連合)ゴールド・ブックの定義に従う。すなわち、2個以上のアミノ酸が分子間でペプチド結合することによって得られるアミド化合物である。
特に明示しない限り、ペプチドのアミノ酸配列(「一次構造」ともいう。)は、左端から右端にかけてN末端からC末端となるようにアミノ酸残基を一次元に並べて表す。
本発明においては、ペプチド鎖のN末端のアミノ基およびC末端のカルボキシル基は、修飾されていてもよい。N末端のアミノ基の修飾としては、例えば、アセチル化およびBoc(tert−ブトキシカルボニル)化などが挙げられ、C末端のカルボキシル基の修飾としては、例えば、アミド化およびエステル化などが挙げられる。
4.2)融合ペプチド
「融合ペプチド」とは、なんらかの物理化学的または生物化学的な機能を有するペプチド(「ドメイン」に該当する)が2個以上、直接、またはリンカーを介して、連結することにより構成されている高分子化合物をいう。
上記リンカーは、上記ドメイン間を連結することができるものであれば特に限定されない。上記リンカーとしては、例えば、ペプチド鎖からなるペプチドリンカー、ポリエチレングリコール鎖からなるPEG(polyethylene glycol;ポリエチレングリコール)リンカー、ジスルフィド結合(SS結合)、チオエーテル結合、オレフィン結合、クリックケミストリーの反応の結果得られる結合、およびこれらのうち2つ以上の組合せ等が挙げられる。
4.2.1)ドメイン
「ドメイン」とは、タンパク質(融合タンパク質を含む。)またはペプチド(融合ペプチドを含む。)の、なんらかの物理化学的または生物化学的な機能(以下、単に「機能」という場合がある。)を発現しうる、1個以上、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、さらに好ましくは4個以上、かつ、数百個以下のアミノ酸残基によって構成される部分または領域をいう。
ドメインは、その機能によって、例えば、抗体結合ドメイン、およびスペーサー結合ドメインなどに分けることができる。
4.2.1.1)抗体結合ドメイン
抗体結合ドメインは、抗体結合性を有するペプチドから構成されるドメインである。
抗体結合性は、上述した通りである。
4.2.1.2)スペーサー結合ドメイン
スペーサー結合ドメインは、抗体結合ドメイン以外の部分であって、スペーサーに結合する固定化官能基を有するアミノ酸残基を含むドメインである。
スペーサー結合ドメインとしては、ドメインあたり、固定化官能基を少なくとも側鎖に1個以上有するアミノ酸残基を1個以上、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、さらに好ましくは3個以上、いっそう好ましくは4個以上、含むものが好ましい。ここで、固定化官能基を有するアミノ酸残基としては、リシン残基(K)、オルニチン残基、ジアミノ酪酸残基、ジアミノプロピオン酸残基、およびホモリシン残基等の側鎖にアミノ基を持つアミノ酸残基、システイン残基(C)、およびホモシステイン残基等の側鎖にチオール基を持つアミノ酸残基、セリン(S)、トレオニン(T)、およびチロシン(Y)等の側鎖にヒドロキシ基を持つアミノ酸残基、などが挙げられる。これらの固定化官能基のいずれかと、スペーサーの官能基とのカップリング反応により、リガンドである短鎖ペプチドがスペーサーと結合する。スペーサーの官能基がカルボキシル基である場合は、カルボキシル基と反応性を有するアミノ基を持つリシン残基(K)、オルニチン残基、ジアミノ酪酸残基、ホモリシン残基、またはジアミノプロピオン酸残基が好ましく、リシン残基(K)が経済性の観点から特に好ましい。
また、本発明の短鎖ペプチドは、複数のスペーサー結合ドメインを含んでいてもよい。
4.2.2)リンカー
「リンカー」とは、融合ペプチドにおいて、ドメインの相互間を連結する分子鎖または結合である。
上記分子鎖としては、例えば、アミノ酸またはペプチドからなるペプチドリンカー、エチレングリコールまたはポリエチレングリコールからなるPEG(polyethylene glycol;ポリエチレングリコール)リンカー等が挙げられる。リンカーは2種類以上を組み合わせて用いてもよく、例えば、ペプチドおよびPEGをともに含んでいてもよい。
また、上記結合としては、例えば、ジスルフィド結合(SS結合)、チオエーテル結合、オレフィン結合、クリックケミストリーの反応の結果得られる結合等が挙げられる。
上記ペプチドリンカーを構成するアミノ酸残基の数は、1個以上であれば特に限定されないが、好ましくは1〜20個であり、より好ましくは1〜10個であり、さらに好ましくは1〜5個である。
また、上記PEGリンカーを構成するエチレングリコール単位の数は、1個以上であれば特に限定されないが、好ましくは1〜24個、より好ましくは1〜12個、さらに好ましくは4〜8個である。
ここで、上記リンカーに含むことができるアミノ酸残基の種類は、特に制限されないが、例えば、IgG抗体との相互作用が少ないGly、AlaおよびSer等が挙げられる。また、上記リンカーは、固定化官能基を有するアミノ酸残基を含んでいてもよい。
2.アルコール溶媒
本発明において用いるアルコール溶媒(単に「本発明のアルコール溶媒」という場合がある。)はアルコールを含む溶媒であれば特に限定されない。
上記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール(IPA,イソプロピルアルコール)、tert−ブチルアルコール(tert−BuOH)、2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE,トリフルオロエタノール)、および1,1,1,3,3,3-−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP,ヘキサフルオロイソプロピルアルコール)などが挙げられる。
ペプチド溶解性の観点から、上記アルコールは、メタノール、エタノール、およびIPAからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、上記アルコールは、1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
なお、短鎖ペプチドに二次構造を誘起させる際のアルコール溶媒と、短鎖ペプチドを担体に固定化する際のアルコール溶媒とは、同種のアルコール溶媒であってもよいし、異種のアルコール溶媒であってもよい。例えば、メタノール中に短時間浸漬して短鎖ペプチドに二次構造を誘起させ、担体に吸着させ、イソプロピルアルコール中に長時間浸漬して短鎖ペプチドをスペーサーに結合させてもよい。
本発明のアルコール溶媒中のアルコール含有量は、特に限定されないが、二次構造形成の観点から、好ましくは20%(v/v)以上であり、より好ましくは50%(v/v)以上であり、さらに好ましくは70%(v/v)以上であり、いっそう好ましくは95%(v/v)以上である。
本発明のアルコール溶媒中のアルコール以外の溶媒は二次構造形成を阻害しない溶媒ならば、特に限定されない。上記アルコール以外の溶媒としては、ペプチド溶解性の観点から、好ましくは純水および緩衝液から選択される少なくとも1種であり、より好ましくは純水である。上記緩衝液としては、例えば、HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸))緩衝液、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)緩衝液、およびリン酸緩衝液等が挙げられる。
3.リガンド/抗体結合性リガンド
「リガンド」は、特定の物質と、ある親和性をもって、結合する分子をいう。このような分子は、タンパク質、ペプチド、または低分子量化合物等であり得る。
「抗体結合性リガンド」は、抗体結合性を有するリガンド、すなわち、抗体または抗体誘導体と、ある親和性をもって結合するリガンドをいう。抗体結合性リガンドは、抗体または抗体誘導体と、特異的な分子間の親和力が働く抗原抗体反応によって結合するものが好ましい。抗体または抗体誘導体の抗体結合性リガンドが結合する部位としては、定常領域(Fc領域、C領域(軽鎖の定常領域)またはC領域(重鎖の定常領域))が好ましい。
本発明において用いるリガンド(以下、単に「本発明のリガンド」という場合がある。)は、上述した本発明の短鎖ペプチドである。本発明のリガンドとしては、本発明の短鎖ペプチドの中でも、抗体結合性を有する短鎖ペプチドを用いることが好ましい。
4.スペーサー
「スペーサー」とは、担体とリガンドとの間に介在する化合物である。
本発明において用いるスペーサー(以下、単に「本発明のスペーサー」という場合がある。)は、本発明の短鎖ペプチドが有する固定化官能基と反応する反応性基を有するものであり、本発明の短鎖ペプチドとの間で共有結合を形成する官能基を有することが好ましい。
上記官能基としては、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、ジアゾ基、クロロアセチル基、オレフィン基、グリシジル基、カルベン基、水酸基、およびホルミル基等が挙げられる。結合安定性の観点から、上記官能基としては、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、クロロアセチル基およびグリシジル基からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、カルボキシル基およびグリシジル基からなる群から選択される少なくとも1種がさらに好ましい。
本発明のスペーサーとしては、多官能カルボン酸が好ましく、ポリアクリル酸が殊に好ましい。ポリアクリル酸の末端にはアミノ基等の官能基が付加されていてもよい。
本発明のスペーサーの長さは、特に限定されないが、アルコール溶媒にて短鎖ペプチドの二次構造が変化する部位を含んだ位置で、多点で共有結合することができるように、二次構造を誘起した短鎖ペプチドの見かけの長さよりも長いことが好ましい。
本発明のスペーサーの分子量は特に限定されない。本発明のスペーサーの分子量は、質量平均分子量で、好ましくは10000以下であり、より好ましくは9000以下であり、さらに好ましくは5000以下であり、いっそう好ましくは3000以下である。
また、本発明のスペーサーの分子量は、質量平均分子量で、好ましくは300以上であり、より好ましくは500以上であり、さらに好ましくは900以上であり、いっそう好ましくは1500以上である。さらに、本発明のスペーサーの分子量は、質量平均分子量で、好ましくは300〜10000の範囲内であり、より好ましくは900〜9000の範囲内であり、さらに好ましくは900〜5000の範囲内であり、いっそう好ましくは1500〜3000の範囲内である。
本発明のスペーサーの分子量が小さすぎると、短鎖ペプチドとの結合点が少なくなり、短鎖ペプチドの二次構造を保持することが困難になる。また、本発明のスペーサーの分子量が大き過ぎると、担体に本発明のスペーサーを多量に結合することが困難になる。
スペーサーは後述する担体に結合されているが、担体上の官能基に直接、または担体上の官能基との間に、アミド結合、マレイミド結合、エステル結合、エーテル結合、エポキシ結合、またはオレフィン結合等の共有結合を介して結合することが好ましく、結合力の高いアミド結合またはエポキシ結合がより好ましい。
5.担体
担体は、リガンドを担持する基材である。
本発明において用いる担体としては、水不溶性担体が好ましい。
水不溶性担体としては、例えば、結晶性セルロース、架橋セルロース、架橋アガロース、架橋デキストラン、架橋プルラン等の多糖類、アクリレート系重合体、スチレン系重合体などの有機担体、ガラスビーズ、シリカゲルなどの無機担体、ならびにこれらの組合せによって得られる、有機−有機、および有機−無機等の複合担体などが挙げられる。
水不溶性担体としては、アルカリ耐性の観点から、多糖類またはアクリレート系重合体がより好ましく、アガロースまたはセルロース等の多糖類がさらに好ましい。
水不溶性担体として用いることができる市販品としては、例えば、多孔質セルロースゲルであるセルファイン(Cellufine) GCL2000(JNC社製)セルファインMAX(Cellfine MAX) CMJNC社製)、アリルデキストランとメチレンビスアクリルアミドとを共有結合で架橋したセファクリル(Sephacryl) S−1000 SF(GEヘルスケア社製)、アクリレート系の担体であるトヨパール(TOYOPEARL)(東ソー社製)、トヨパール(TOYOPEARL) AF−Carboxy−650 (東ソー社製)、トヨパール(TOYOPEARL) GigaCap CM−650 (東ソー社製)、アガロース系の架橋担体であるセファロース(Sepharose) CL4B(GEヘルスケア社製)、エポキシ基で活性化されたポリメタクリルアミドであるオイパーギット(Eupergit) C250L(シグマアルドリッチ社製)、およびカルボキシルメチルデキストランを金膜表面にコートしたセンサーチップCM5(GEヘルスケア社製)などが挙げられる。ただし、本発明における水不溶性担体は、これらの担体または活性化担体にのみ限定されるものではない。また、本発明に用いる水不溶性担体は、本吸着材料の使用目的および方法からみて、表面積が大きいことが好ましく、適当な大きさの細孔を多数有する多孔質であることが好ましい。担体の形態としては、特に限定されるものではないが、ビーズ状、繊維状、膜状、中空糸状など、いずれも可能であり、任意の形態を選ぶことができる。
〈工程A/工程B〉
工程Aおよび工程Bの手順について説明する。
1.工程Aの手順
工程Aにおいて、上述した短鎖ペプチドを含むアルコール溶液を準備する手順は特に制限されず、例えば、所定の短鎖ペプチドをアルコール溶液に添加して、所定時間静置する方法などが挙げられる。
アルコール溶液中における短鎖ペプチドの濃度は特に制限されず、使用される短鎖ペプチドの種類によって異なってよいが、アルコール溶液全質量に対して、好ましくは0.0000001〜5質量%であり、より好ましくは0.00001〜1質量%であり、さらに好ましくは0.001〜1質量%である。
また、上記アルコール溶液のpHは、特に限定されないが、pH4〜12の範囲内とすることが好ましい。
また、上記アルコール溶液を調製する際の温度は、特に制限されないが、2〜50℃で実施することが好ましい。
2.工程Bの手順
工程Bにおいて、上述したスペーサーが結合された担体と、上記アルコール溶液とを接触させる方法は特に制限されず、例えば、アルコール溶液中に上記スペーサーが結合された担体を添加する方法が挙げられる。
なお、スペーサーが結合された担体とアルコール溶液とを接触させる際には、必要に応じて、短鎖ペプチド中の固定化官能基とスペーサー中の反応性基との反応を促進させる化合物を存在させてもよい。例えば、固定化官能基と反応性基との反応が脱水縮合反応である場合、上記化合物としてはいわゆる脱水縮合剤(例えば、(1−エチル―3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド))などを使用することが好ましい。このような脱水縮合剤を使用する際には、先に脱水縮合剤とスペーサーが結合された担体とを接触させた後、アルコール溶液と接触させてもよい。また、例えば、ジスルフィド結合の場合には過酸化水素やヨウ素のような酸化剤を使用することが好ましい。また、例えば、グリコシド結合の場合には、酸を存在させることが好ましい。短鎖ペプチド中の固定化官能基とスペーサー中の反応性基との反応は、アミノカップリング反応によりアミノ基とカルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが好ましい。さらに、必要に応じて、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)、メチルイミダゾール、ジメチルアニリン、トリエチルアミンおよびピリジンからなる群から選択される少なくとも1種の塩基を添加してもよい。
担体に固定化する短鎖ペプチドの密度は特に限定されないが、0.1mmol〜1000mmol/充填剤1Lが好ましく、0.1mmol〜500mmol/充填剤1Lがより好ましく、1mmol〜100mmol/充填剤1Lがさらに好ましい。この範囲内であると、短鎖ペプチドの使用量と抗体精製性能のバランスがよく、より低コストで、効率よく抗体を精製することができる。
[短鎖ペプチド固定化担体]
本発明の製造方法により、担体と、担体上に結合されたスペーサーと、スペーサー上に配置され、かつ、二次構造が保持されている短鎖ペプチドとを有する短鎖ペプチド固定化担体を製造することができる。
短鎖ペプチドとして抗体結合性を有する短鎖ペプチドを用いると、本発明の短鎖ペプチド固定化担体は、抗体結合性に優れたアフィニティクロマトグラフィー用担体として利用することができる。また、本発明の短鎖ペプチド固定化担体は、抗原性およびコストの点で、プロテインAに比べて有利なアフィニティクロマトグラフィー用担体である。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[ペプチドの合成]
全自動ペプチド合成装置(PSSM−8、島津製作所社製)を用いて、表3に示す短鎖ペプチドを合成した。
表3中、固定化官能基数は、リシン残基の側鎖にあるアミノ基(εアミノ基)およびN末端アミノ基(αアミノ基)の合計である。
また、表3に記載した短鎖ペプチド1〜8のHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)緩衝液中およびメタノール(MeOH)中の二次構造含有率を表4に示す。
短鎖ペプチド1〜8のHEPES緩衝液中またはメタノール(MeOH)中の二次構造含有率は、各短鎖ペプチドのHEPES溶液またはメタノール溶液でのCD(circular dichroism;円偏光二色性)スペクトルを、円二色性分散計J−820(日本分光社製)にて測定し、得られたCDスペクトルを基にタンパク質二次構造解析プログラムJWSSE−480(日本分光社製)を用いて二次構造を解析して得られた。なお、表4中、短鎖ペプチド1〜8は、それぞれ、表3に記載した短鎖ペプチド1〜8である。また、「HEPES中」はHEPES緩衝液(10mM HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸))−HCl(塩酸)、150mM NaCl(塩化ナトリウム)、pH7.4、25℃)中の二次構造含有率を、「MeOH中」はメタノール(純度99.5質量%)中の二次構造含有率を表す。
短鎖ペプチド1〜8のいずれも、メタノール(MeOH)中の二次構造含有率がHEPES中の二次構造含有率の2倍以上から4倍以上であり、1.5倍以上であったことから、アルコール溶媒中で二次構造が誘起される短鎖ペプチドである。
[実施例1]
(1)スペーサーの固定
市販のCM5センサーチップ(カルボキシメチルデキストラン導入タイプ、GEヘルスケア社製)に、0.47MのEDC(1−エチル―3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、和光純薬工業(株)製)および0.35MのNHS(N-hydroxysuccinimide;N−ヒドロキシコハク酸イミド,和光純薬工業(株)製)を含むDMSO(Dimethysulfoxide;ジメチルスルホキシド,和光純薬工業(株)製)溶液50μLを添加し、室温にて1時間活性化した。
DMSOにて洗浄した後、アミノ基末端ポリアクリル酸(質量平均分子量(Mw):3120)(以下「ポリアクリル酸1」という場合がある。)を、DMSO(ジメチルスルホキシド)/DBU(1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene;ジアザビシクロウンデセン)(85:15vol%)溶液に溶解して、50mM溶液を調整し、その溶液をセンサーチップに20μL添加し、2時間室温にて反応させた。
その後、DMSOにて洗浄後、エタノールアミン溶液によってブロッキング処理を施して、スペーサー固定化担体(以下「担体A」という場合がある。)を得た。
(2)リガンドの固定
表面プラズモン共鳴装置(Biacore3000,GEヘルスケア社製)に、「(1)スペーサーの固定」で得られた担体Aをセットし、SPR(Surface Plasmon Resonance;表面プラズモン共鳴)用HEPES緩衝液(10mM HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸))−HCl(塩酸)、150mM NaCl(塩化ナトリウム)、pH7.4)を10μL/minの流速で安定させ、0.2MのEDC(1−エチル―3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)と0.04MのNHS(N−ヒドロキシコハク酸イミド)混合水溶液を70μL添加した。その後、メタノール(固定化溶媒に該当する。)にて4μMに希釈した短鎖ペプチド1の試料液10μLを担体試料に供給し、その後、エタノールアミン溶液によってブロッキング処理を施し、水酸化ナトリウム水溶液にて洗浄して、固定化を行った。同様の手順で、担体AにHEPES緩衝液にて4μMに希釈した短鎖ペプチド1の試料液を用いて、別流路に固定した。得られた固定化担体を、以下「固定化担体A」という。
(3)抗体結合性改善率の評価
「(2)リガンドの固定」で製造した固体化担体Aに、10〜3000nMのヒトIgG抗体を10分間添加し、HEPES緩衝液中での25℃での解離を測定し、結合反応曲線から抗体の結合速度Kon[nM/s]および解離速度Koff[1/s]を算出し、さらに、メタノールとHEPES緩衝液それぞれにて固定化した際の短鎖ペプチド1とヒトIgG抗体の結合反応における解離定数Kd[nM]を算出した。HEPES緩衝液にて固定化した際の解離定数Kd[nM]に対する、メタノールにて固定化した際の解離定数Kd[nM]を抗体結合性改善率とし、以下の抗体結合性改善率の評価基準に基づいて評価し、その結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に示す。
(抗体結合性改善率の評価基準)
解離定数(Kd)の改善率が10倍超・・・・・・・・・・A
解離定数(Kd)の改善率が3倍超、10倍以下・・・・・B
解離定数(Kd)の改善率が2倍超、3倍以下・・・・・・C
解離定数(Kd)の改善率が1倍超、2倍以下・・・・・・D
解離定数(Kd)の改善率が1倍以下・・・・・・・・・・E
評価A、BおよびCは本固定化による改善効果が十分であることを表し、評価DおよびEは十分な改善効果が見られないことを表す。十分な改善効果を示すリガンド固定化状態を用いることにより、抗体と特異的に結合することが出来、より効率的に抗体を精製することが可能となり、抗体の精製コストをより低減することができる。
さらに、フィッティングソフトウェア(BIAevaluation4.1,GEヘルスケア社製)を用いてフィッティングを行い、それぞれのペプチドの各溶液でのCD(circular dichroism;円偏光二色性)スペクトルを測定し、二次構造含有率を算出した。算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に示す。
[実施例2]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド2を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Bを得た。
(2)固定化担体Bを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[実施例3]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド3を用いた点、およびスペーサーとして、ポリアクリル酸1(アミノ基末端ポリ(アクリル酸)、Mw:3120)DMSO/DBU(1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene;ジアザビシクロウンデセン)(85:15vol%)溶液に代えてポリアクリル酸2(アミノ基末端ポリ(アクリル酸)、Mw:1350)DMSO/DBU(1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene;ジアザビシクロウンデセン)(94:6vol%)溶液を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Cを得た。
(2)固定化担体Cを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[実施例4]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド3を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Dを得た。
(2)固定化担体Dを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[実施例5]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド3を用いた点、およびスペーサーとして、ポリアクリル酸1(アミノ基末端ポリ(アクリル酸)、Mw:3120)DMSO/DBU(1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene;ジアザビシクロウンデセン)(85:15vol%)溶液に代えてポリアクリル酸3(アミノ基末端ポリ(アクリル酸)、Mw:8400)DMSO/DBU(1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene;ジアザビシクロウンデセン)(68:32vol%)溶液を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Eを得た。
(2)固定化担体Eを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[実施例6]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド3を用いた点、およびリガンドを固定する際の固定化溶媒として、メタノール(MeOH)に代えてイソプロピルアルコール(IPA)を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Fを得た。
(2)固定化担体Fを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[実施例7]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド3を用いた点、およびリガンドを固定する際の固定化溶媒として、メタノール(MeOH)に代えてエタノール(EtOH)を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Gを得た。
(2)固定化担体Gを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[実施例8]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド4を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Hを得た。
(2)固定化担体Hを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[実施例9]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド5を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Iを得た。
(2)固定化担体Iを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[実施例10]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド6を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Jを得た。
(2)固定化担体Jを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[実施例11]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド7を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Kを得た。
(2)固定化担体Kを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[実施例12]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド8を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Lを得た。
(2)固定化担体Lを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[比較例1]
(1)リガンドを固定する際の固定化溶媒として、メタノール(MeOH)に代えてHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)を用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Mを得た。さらに、スペーサーの固定操作を行わず、CM5センサーチップを用いた点、およびメタノールに代えてHEPESを用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体M2を得た。
(2)固定化担体Mおよび固定化担体M2を用いて、固定化担体Mの固定化担体M2に対する抗体結合性改善率を評価し、また、固定化担体Mを用いて、実施例1と同様にして二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[比較例2]
(1)スペーサーの固定操作を行わず、CM5センサーチップを用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Nを得た。
(2)固定化担体Nを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
[比較例3]
(1)短鎖ペプチド1に代えて短鎖ペプチド3を用いた点、およびスペーサーの固定操作を行わず、CM5センサーチップを用いた点を除いて、実施例1と同様にして固定化担体Oを得た。
(2)固定化担体Oを用いて、実施例1と同様にして抗体結合性改善率を評価し、さらに、二次構造含有率を算出した。抗体結合性改善率の評価結果を表5の「抗体結合性改善率」の欄に、算出した二次構造含有率を表5の「二次構造含有率」の欄に、それぞれ示す。
表5中、短鎖ペプチド1〜8は、それぞれ、表3に記載した短鎖ペプチド1〜8を示す。
また、表5中、固定化溶媒の欄のMeOHはメタノールを、EtOHはエタノールを、IPAはイソプロピルアルコールを、HEPESは4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸を、それぞれ表す。
また、表5中、ポリアクリル酸1はアミノ基末端ポリ(アクリル酸)(Mw:3120)を、ポリアクリル酸2はアミノ基末端ポリ(アクリル酸)(Mw:1350)を、ポリアクリル酸3はアミノ基末端ポリ(アクリル酸)(Mw:8400)を、それぞれ表す。
実施例1〜12の固定化担体は、抗体結合性改善率の評価が高く、抗体結合性が優れていた。これは、アルコール溶媒中で誘起した二次構造を保ったまま、短鎖ペプチドを担体に固定化することができたためであると考えられる。
一方、比較例1〜3の固定化担体は、抗体結合性改善率の評価が低く、抗体結合性が実施例1〜12に比べて劣っていた。これは、アルコール溶媒中で誘起した二次構造を保ったまま、短鎖ペプチドを担体に固定化することができなかったためであると考えられる。

Claims (8)

  1. アルコール溶媒および前記アルコール溶媒中にて二次構造が誘起され、かつ、複数の固定化官能基を有する短鎖ペプチドを含むアルコール溶液を準備する工程と、
    前記固定化官能基と反応する反応性基を有するスペーサーが結合された担体と前記アルコール溶液とを接触させて、前記短鎖ペプチドを前記スペーサーに固定化する工程と
    を備え、
    前記短鎖ペプチドのアミノ酸配列が配列番号1〜46のいずれか1つで表され、
    前記スペーサーが質量平均分子量300〜10000のポリアクリル酸である、短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
  2. 前記反応性基がチオール基、アミノ基、カルボキシル基、ジアゾ基、クロロアセチル基、オレフィン基、グリシジル基、カルベン基、水酸基、およびホルミル基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
  3. 前記短鎖ペプチドと前記スペーサーとが共有結合を介して固定化される、請求項1または2に記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
  4. 前記固定化官能基がチオール基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか1項に記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
  5. 前記固定化官能基が前記短鎖ペプチドの少なくとも一方の末端に位置する、請求項1〜のいずれか1項に記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
  6. 前記短鎖ペプチドが、前記固定化官能基を有するアミノ酸残基が複数含まれ、かつ、前記固定化官能基を有するアミノ酸残基の間に固定化官能基を有しないアミノ酸残基を少なくとも1つ含む部分構造を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の短鎖ペプチド固定化担体の製造方法。
  7. 担体と、前記担体上に結合されたスペーサーと、前記スペーサー上に配置され、かつ、二次構造が保持されている短鎖ペプチドとを有し、
    前記スペーサーが質量平均分子量300〜10000のポリアクリル酸であり、
    前記短鎖ペプチドのアミノ酸配列が配列番号1〜46のいずれか1つで表される、短鎖ペプチド固定化担体。
  8. 前記担体と前記スペーサーとが共有結合によって結合されている、請求項に記載の短鎖ペプチド固定化担体。
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