JP6586715B1 - 鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造 Download PDF

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Abstract

【課題】梁、版、柱等の鉄筋コンクリート構造物における鉄筋間を連結する鉄筋コンクリート構造物の鉄筋継手構造の提供。【解決手段】鉄筋コンクリート構造物の鉄筋継手構造は、各プレキャストコンクリート部材の端面より突出した突出部11と、突出部11より延出し、プレキャストコンクリート部材6に平行配置されたプレキャスト部材側埋設部10,10とからなる被接続鉄筋9,9を備え、被接続鉄筋の突出部11,11が互いに隙間14を置いて突き合わされ、環状接続鉄筋12が突出部11,11間に跨って場所打ちコンクリート8に配置されるようにしたことによって、場所打ちコンクリート8部分の幅を小さくできる。【選択図】図1

Description

本発明は、プレキャストコンクリート部材間が場所打ちコンクリートによって連結される鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造に関する。
従来、鉄筋コンクリート構造物における鉄筋間の連結には、鉄筋端部を所定の長さ分だけ重ね合わせて配置する「重ね継手」が広く用いられている。
重ね継手は、鉄筋のコンクリートに対する付着・定着を利用することにより、一方の鉄筋の力がコンクリートを介して他方の鉄筋に伝達されるため、2本の鉄筋を所要の長さだけ重ね合わせるだけの簡便な構造となっている。
この重ね継手では、配置する鉄筋量が計算上必要な鉄筋量の2倍以上、且つ、同一断面での継手の割合が1/2以下であるという二つの条件を満たす場合には、重ね合わせ部分の長さ(以下、重ね継手長という)が基本定着長以上であればよいが、上記条件の一方が満たされない場合には、重ね継手長を基本定着長の1.3倍以上とする必要が生じ、上記条件の両方が満たされない場合には、基本定着長の1.7倍以上にしなければならない。
従って、重ね継手とした場合には、鉄筋径に応じて継手長が大きくなり易く、施工性が著しく低下するという問題があった。
一方、近年では、生産性向上のためにプレキャストコンクリート部材を使用し、プレキャストコンクリート部材間を場所打ちコンクリートで連結することによって構築する方法が採られている。
その際、プレキャストコンクリート部材間の鉄筋継手としては、重ね継手が使用されることも多いが、鉄筋径に応じて継手長が大きくなり易く、その分、場所打ちコンクリート部分の幅が大きくなるという問題があった。
そこで、従来のプレキャストコンクリート床版等では、この場所打ちコンクリート部分の幅縮小のためにループ継手等の特殊な鉄筋継手が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
ループ継手は、図15に示すように、プレキャストコンクリート部材50,50の端面より突出したループ筋51,51を互いに重なり合うように配置するとともに、重なり合ったループ筋51,51内に鉄筋52,52…を挿入し、組み付けることによって、曲線部に働く支圧力を有効に利用し、重ね継手よりも継手長を短くできるようになっている。尚、図中符号53は場所打ちコンクリートである。
一方、近年では、プレキャストコンクリート床版の他に、設置された複数のプレキャストコンクリート部材間を場所打ちコンクリートで連結することによって、コンクリート梁等の比較的部材高さの高い鉄筋コンクリート構造物の構築し、生産性向上が図られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2009−264040号公報 特開2001−288725号公報
しかしながら、上述の如き従来のループ継手は、プレキャストコンクリート床版等の比較的薄い版状の構造物に用いられているが、コンクリート梁等の部材高さ(厚み)の大きいものに適用した実績が乏しかった。
また、梁のように比較的部材高さ(厚み)の大きい構造のものにループ継手を適用する場合では、幾何学的にループ径(円弧部分の径)が大きくならざるを得ず、重ね継手よりも継手長を短くできるというループ継手の利点が損なわれるおそれがあった。
さらには、高所で使用されるコンクリート梁のような場合には、プレキャストコンクリート部材間を連結する際、プレキャストコンクリート部材間に足場兼用支保工を仮設し、その仮設の足場兼用支保工を用いて、型枠の組立て・解体(脱型)、ループ筋の連結及び鉄筋・鉄骨の配設、コンクリートの打設・養生等の一連の作業を行わなければならなかった。
また、ループ継手では、プレキャストコンクリート部材の端面より突出したループ部分が互いに重ね合わされた状態となるように設置することから、設置時にループ筋鉄筋同士が接触して損傷するおそれがあった。
さらに、支保工等を用いずに、プレキャストコンクリート部材間に側板と底板とが一体化した型枠等を設置する場合には、互いに重ね合わされたループ筋が邪魔となり型枠をクレーンで吊り上げて設置することが困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、鉄筋コンクリート梁における鉄筋間を連結する鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、互いに間隔をおいて配置された一対のプレキャストコンクリート部材間を場所打ちコンクリートによって連結してなる鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造において、前記各プレキャストコンクリート部材の端面より突出し、前記場所打ちコンクリートに配置される突出部と、該突出部より延出し、前記各プレキャストコンクリート部材に平行配置されるプレキャスト部材側埋設部と、からなる被接続鉄筋と、互いに隙間を置いて突き合わされた前記被接続鉄筋の突出部間に跨って配置された環状接続鉄筋と、複数の被接続鉄筋からなる被接続鉄筋群の外側に嵌合され、前記被接続鉄筋の突出部と前記環状接続鉄筋とが重複する部分で前記被接続鉄筋及び前記環状接続鉄筋を拘束するせん断補強筋と、を備え、前記被接続鉄筋の突出部、前記環状接続鉄筋及び前記せん断補強筋が前記場所打ちコンクリート内に配置されるようにしたことにある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記被接続鉄筋は、前記突出部がコ字状に形成されていることにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記被接続鉄筋は、前記プレキャストコンクリート部材に複数段配置されていることにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか一の構成に加え、前記せん断補強筋は、前記プレキャストコンクリート部材の端面側に片寄せて保持され、且つ、前記場所打ちコンクリートの中央側に向けて移動できるようにしたことにある。
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1〜4の何れか一の構成に加え、前記一対のプレキャストコンクリート部材間に架け渡される型枠を備え、前記型枠は、底板及び該底板の両側に配置された一対の側板とからなり、前記底板及び前記側板の内側に型枠用鉄筋を備え、前記被接続鉄筋の突出部、前記環状接続鉄筋及び前記せん断補強筋が前記場所打ちコンクリート及び前記型枠内に配置されるようにしたことにある。
本発明に係る鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造は、請求項1に記載の構成を具備することによって、鉄筋コンクリート梁の連結部において、場所打ちコンクリートの幅を小さくすることができるとともに、各プレキャストコンクリート部材を設置する際、その端面より突出した鉄筋同士の接触を防ぐことができ、且つ、特別な支保工を用いずにクレーンによって型枠を設置することができる。
また、本発明において、請求項2に記載の構成を具備することによって、コンクリート梁等の部材高さの大きいコンクリート構造物にあっても、重ね継手よりも継手長を短くでき、且つ、幾何学的に従来のループ継手よりも場所打ちコンクリート部分の幅を小さくすることができる。
さらに、本発明において、請求項3に記載の構成を具備することによって、部材高さの大きい鉄筋コンクリート梁にあっても、各被接続鉄筋のループ部分又はコ字状部分が小さく、場所打ちコンクリート部分の幅も小さくできる。また、複数段配置された各被接続鉄筋は、それぞれ鉄筋コンクリート梁に作用する引張力及び圧縮力を負担し、高い曲げ耐力を得ることができる。
さらにまた、本発明において、請求項4に記載の構成を具備することによって、せん断補強筋がプレキャストコンクリート部材及び型枠の設置時には邪魔にならず、設置後には、被接続鉄筋と環状接続鉄筋とを好適に締結することができる。
本発明に係る鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造の一例を示す縦断面図である。 同上のA-A線矢視断面図である。 同上の鉄筋継手構造を使用した鉄筋コンクリート梁の一例を示す断面図である。 同上のB-B線矢視断面図である。 同上の構築時におけるプレキャストコンクリート部材間の状態を示す図であって、(a)は側面図、(b)は同平面図、(c)は同断面図である。 (a)同上の鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造に使用する型枠を示す拡大側面図、(b)は同拡大断面図である。 同上の型枠吊り下ろし作業の状態を示す側面図である。 同上の断面図である。 同上のプレキャストコンクリート部材間に型枠を設置した状態を示す図であって、(a)は側面図、(b)は同平面図、(c)は同断面図である。 同上の鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造における環状接続鉄筋の他の配置の一例を示す図であって、(a)は側面図、(b)は同平面図、(c)は同断面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造の他の一例を示す断面図である。 同上のC-C線矢視断面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造に関する曲げ耐力実験の概要を示す断面図であって、(a)は継手の無い連続筋を埋設したコンクリート梁、(b)は本発明に係るダブルスクエア継手構造に係るコンクリート梁、(c)は同クワッドループ継手構造に係るコンクリート梁である。 図13に示す鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造の曲げ耐力実験に関する結果を示すグラフである。 従来のループ継手を使用した鉄筋コンクリート構造物の鉄筋継手構造を示す断面図である。
次に、本発明に係る鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造の実施態様を図1〜図10に示した実施例に基づいて説明する。
図1、図2は、後述する鉄筋継手構造(以下、ダブルスクエア継手構造という)を用いた鉄筋コンクリート梁の一例を示し、互いに間隔をおいて配置された一対のプレキャストコンクリート部材6,6間の空隙部7に場所打ちコンクリート8が打設されることによって連結されている。
鉄筋コンクリート梁は、例えば、図3、図4に示す桟橋等の構造物1に適用されている。
尚、図3、図4の図中符号2は水底部、符号3はプレキャストコンクリート部材6が支持される杭、符号4はプレキャストコンクリート部材6,6…からなる上部工、符号5は上部工4上に形成された床版、図中符号wは水面である。
各プレキャストコンクリート部材6,6…は、例えば、杭3の杭頭部に接合される基部6aと、基部6aから水平方向に延出した複数の梁部6bとを備え、平面視、十字状、L字状又はT字状に形成されている。
互いに連結される各プレキャストコンクリート部材6,6は、図1、図2に示すように、それぞれ複数の被接続鉄筋9,9…を備え、プレキャストコンクリート部材6の端面より突出し、互いに隙間を置いて突き合わされた各被接続鉄筋9,9の突出部11,11間に跨って環状接続鉄筋12を配置し、被接続鉄筋9,9の突出部11,11が環状接続鉄筋12とともに場所打ちコンクリート8に埋設されるようになっている。
被接続鉄筋9,9…は、棒状の鉄筋を屈曲加工することによって形成され、プレキャストコンクリート部材6,6…の横幅方向に間隔を置いて並列配置されている。
各被接続鉄筋9,9…は、各プレキャストコンクリート部材6の端面より突出し、場所打ちコンクリート8に配置される突出部11と、突出部11よりそれぞれ延出し、各プレキャストコンクリート部材6に配置される平行な一対のプレキャスト部材側埋設部10,10とを備えている。
突出部11は、プレキャスト部材側埋設部10,10と連続する互いに間隔を置いて平行に配置された両端部11a,11aが直棒状の連結部11bによって連結されたコ字状に形成され、プレキャストコンクリート部材6の端面より突出している。
各突出部11のプレキャストコンクリート部材6端面からの突出長は、互いに隣り合うプレキャストコンクリート部材6,6の端面間に形成される空隙部7において、当該端面間方向で互いに間隔(100mm程度)をおいて突き合わされる程度の長さ、例えば、端面間距離の1/2以下の長さとなっている。
プレキャスト部材側埋設部10,10は、突出部11の両端、即ち両端部11a,11aよりプレキャストコンクリート部材6の内部側に向けて延出し、部材高さ方向に間隔をおいて互いに平行に配置され、プレキャストコンクリート部材6の長手方向に亘って埋設されている。
環状接続鉄筋12は、接続方向に隙間を置いて突き合わされた被接続鉄筋の突出部11,11の側部に重ね合わされ、結束線等によって両被接続鉄筋9,9の突出部11,11に跨って組み付けられている。
この環状接続鉄筋12は、棒状鉄筋を屈曲加工することによって矩形環状に形成されている。
尚、この環状接続鉄筋12を構成する棒状鉄筋は、その両端部が互いに重複するように配置し、互いを結束線等によって組み付けてなる重ね継手や溶接等によって構造的に閉じられた状態になっている。また、環状接続鉄筋12は、2本の棒状鉄筋をコ字状や円弧状等に屈曲加工し、その両端を上述の重ね継手や溶接等によって連結して構造的に閉じられた環状に形成してもよい。
また、この鉄筋継手構造は、プレキャストコンクリート部材6の端面より突出した複数の突出部11,11…からなる被接続鉄筋群の外周に嵌合され、当該複数の被接続鉄筋9の突出部11,11…及び環状接続鉄筋12,12を束ねる複数のせん断補強筋13,13…を備えている。
せん断補強筋13,13…は、矩形環状に形成され、複数の被接続鉄筋9,9…からなる被接続鉄筋群の外側に嵌合し、被接続鉄筋9,9の連結前の状態では、プレキャストコンクリート部材6の端面側に片寄せて保持され、連結時には、突出部11に沿って移動させ、被接続鉄筋群の外周を拘束するようになっている。
次に、この鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造の施工方法について説明する。尚、上述の実施例と同様の構成には、同一符号を付して説明する。
先ず、プレキャストコンクリート部材6,6…をクレーン船等によって施工現場まで移送し、図5に示すように、プレキャストコンクリート部材6,6間に空隙部7が形成されるように、互いに間隔を置いて設置する。
このプレキャストコンクリート部材6,6…の設置に際しては、突出部11のプレキャストコンクリート部材6端面からの突出長さが互いに間隔を置いて突き合わされる程度の長さ(例えば、空隙部7の端面間距離の1/2以下)となっているので、被接続鉄筋9,9(突出部11,11)同士の接触が回避され、設置後に各プレキャストコンクリート部材6,6…の端面より突出した突出部11,11間に吊り部材通過用間隙14が設けられる。
次に、型枠15をクレーン船等によって施工現場まで移送し、クレーンによって吊上げる
型枠15は、図6に示すように、底板16及び底板16の両側に配置された側板17,17とからなるU字状に形成され、両プレキャストコンクリート部材6,6間に配置され、各プレキャストコンクリート部材6,6の端面間に空隙部7を形成するようになっている。
側板17,17には、四隅部に固定用ボルトが挿通される挿通孔18が形成され、挿通孔18を通した固定用ボルト19をプレキャストコンクリート部材6,6…の梁部の側面部に埋設されたインサート金具20に締め付けることによって、型枠15をプレキャストコンクリート部材6,6…に架け渡した状態で固定できるようになっている。
また、型枠15の両側板17,17には、上端縁部中央にアイボルト等の連結具21が固定され、この連結具21に連結された一対のワイヤからなる吊り部材22,22を介して型枠15が型枠用吊り具16に吊り持ちされる。
さらに、この型枠15の側板17,17及び底板16には、厚み方向に間隔を置いて配設された内側鉄筋23及び外側鉄筋24からなる型枠用鉄筋25を備え、この型枠用鉄筋25が側板17,17及び底板16の内側に一定のコンクリートかぶり部分を露出した状態で埋設されている。
内側鉄筋23及び外側鉄筋24は、それぞれ縦横に配置した鉄筋によって格子状に形成され、互いに波型鉄筋26によって連結され、この型枠用鉄筋25が型枠15と場所打ちコンクリート8とに跨って配設されることによって、型枠15と場所打ちコンクリート8とを強固に連結するようになっている。
次に、図7、図8に示すように、プレキャストコンクリート部材6,6間の空隙部7から水平方向に距離を置いた位置で、プレキャストコンクリート部材6,6より低い位置まで型枠15を吊り下ろす。
そして、吊り部材通過用間隙14に空隙部7の側方より吊り部材22,22を挿入しつつ、型枠15を水平方向に移動させ、空隙部7の直下に位置させる。
しかる後、クレーンによって型枠15を上昇させ、図9に示すように、空隙部7の外側に型枠15を嵌合させるとともに、固定用ボルト19によって型枠15の側板17,17をプレキャストコンクリート部材6,6に固定する。
これによって、型枠15がプレキャストコンクリート部材6,6間に支持された状態となり、特別な支保工を用いることなくプレキャストコンクリート部材6,6間に型枠15を設置することができる。また、この状態では、吊り部材22,22を型枠15より取り外し、型枠用吊り具27とともに撤去することができる。
次に、隣り合うプレキャストコンクリート部材6,6の各端面からコ字状に突出した両被接続鉄筋9,9の突出部11,11間に跨るように環状接続鉄筋12を配設するとともに、結束線等によって各被接続鉄筋9,9の突出部11と環状接続鉄筋12とを結束し、互いに連結方向に間隔を置いて突き合わされた両被接続鉄筋9,9を連結する。
また、鉄筋群の端面側に片寄せておいたせん断補強筋13,13…を被接続鉄筋9の突出部11,11と環状接続鉄筋12とが重複する部分まで移動させるとともに、必要に応じて補強鉄筋28,28を突出部11内側の部材幅方向に挿入し、被接続鉄筋9,9…、環状接続鉄筋12、せん断補強筋13,13…及び補強鉄筋28,28…を結束線等によって結束し、主筋を形成する。さらに、必要に応じて、型枠15と各プレキャストコンクリート部材6,6との接合部に止水処理を施す。
尚、上述の実施例では、環状接続鉄筋12を被接続鉄筋9の突出部11,11に重ね合わせるように配置する場合について説明したが、図10に示すように、部材幅方向で隣り合う突出部11,11に挟まれた間隙に配置し、補強鉄筋28を介して環状接続鉄筋12と突出部11と接続させることによって、部材接続方向で隣り合う突出部11,11間に跨らせてもよい。
次に、図1、図2に示すように、型枠15内に場所打ちコンクリート8を打設し、空隙部7内にコンクリートを充填し、この場所打ちコンクリート8を養生固化させることにより、プレキャストコンクリート部材6,6間を連結し、コンクリート梁が形成される。
このように構成された鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造は、プレキャストコンクリート部材6の端面より突出したコ字状の突出部11を有する被接続鉄筋9,9…を備え、突き合わされた両被接続鉄筋9,9の突出部11,11が環状接続鉄筋12によって連結されているので、幾何学的に突出部11の形状を小さくすることができ、従来の重ね継手や半円状のループ継手よりも場所打ちコンクリートの幅を小さくすることができ、それに伴い場所打ちコンクリート用の型枠15や支保工を簡素化できる。
また、プレキャストコンクリート部材6,6の端面より突出した被接続鉄筋9の突出部11,11を回避しつつ型枠15を設置することができ、型枠15の設置後に被接続鉄筋9,9の突出部11,11間を環状接続鉄筋12によって連結することによって、突出部11と環状接続鉄筋12とに作用する支圧力を有効に利用し、当該場所打ちコンクリート8の鉄筋継手構造として十分な強度を確保することができる。
尚、型枠15は、場所打ちコンクリート8と一体化されるので、そのまま両プレキャストコンクリート部材6,6間に固定した状態で残置させる。
次に、本発明に係る鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造の他の態様について、図11、図12に示す実施例に基づいて説明する。尚、上述の実施例と同様の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
この鉄筋継手構造(以下、クワッドループ継手構造という)は、プレキャストコンクリート部材6,6の部材幅方向に複数段配置(本実施例では二段配置)された複数の被接続鉄筋30,30を備えている。
各被接続鉄筋30,30は、棒状の鉄筋材を屈曲加工することによって形成され、プレキャストコンクリート部材6の端面より突出した円弧状の突出部33と、突出部33より延出して各プレキャストコンクリート部材6に平行配置される一対のプレキャスト部材側埋設部31,32とを備えたループ筋状に形成されている。
この各被接続鉄筋30,30は、円弧状の突出部33の一方(部材高さ方向外側端)よりプレキャストコンクリート部材6側に向けてプレキャスト部材側埋設部31が延出し、プレキャストコンクリート部材6の全体に亘って埋設されて主筋として機能するとともに、突出部33の他方(部材高さ方向内側端)より他方のプレキャスト部材側埋設部32がプレキャストコンクリート部材6側に向けて延出し、プレキャストコンクリート部材6に配置されている。
尚、他方(内側)のプレキャスト部材側埋設部32は、基本定着長以上であれば外側のプレキャスト部材側埋設部31に比べて短く形成してもよく、その場合、コンクリート打継面において懸念される目開きに対して自ずと十分な鉄筋量を確保することができる。
また、上下の被接続鉄筋30,30は、プレキャストコンクリート部材6に対し、部材高さ方向で複数段(本実施例では二段)に配置されることによって、それぞれ鉄筋コンクリート梁に作用する圧縮力及び引張力を好適に負担し、高い曲げ耐力を得ることができる。
上下の被接続鉄筋30,30は、それぞれ隣り合うプレキャストコンクリート部材6,6…の接合端面より突出した被接続鉄筋30,30の突出部33,33が隙間を置いて突き合わされ、両突出部33,33が環状接続鉄筋34によって連結されている。
各環状接続鉄筋34は、棒状の鉄筋材を屈曲加工することによって横向き小判型環状に形成され、上下の被接続鉄筋30,30毎に連結されるようになっている。
また、せん断補強筋35,35は、上下二段に配置された被接続鉄筋30,30の突出部33,33からなる鉄筋群全体の外側に嵌合され、被接続鉄筋30,30の連結前の状態では、プレキャストコンクリート部材6,6…の端面側に片寄せて保持され、連結時には、突出部33に沿って移動させ、被接続鉄筋群の外周を拘束するようになっている。
さらに、必要に応じて補強鉄筋36を各突出部33内側の部材幅方向に挿入し、被接続鉄筋の突出部33,33、環状接続鉄筋34、せん断補強筋35及び補強鉄筋36を結束線等によって組み付けるようになっている。
次に、(a)継手のない連続筋を埋設したコンクリート梁、(b)本発明に係るダブルスクエア継手構造を用いたコンクリート梁、(c)同クワッドループ継手構造を用いたコンクリート梁について、図13に示すように、二点載荷による梁曲げ実験を行った結果を図14に示す。
本発明に係る鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造は、継手のない連続筋を埋設したコンクリート梁と同等以上の曲げ耐力を発揮し、特に、クワッドループ継手構造では、打継面の鉄筋量が多い為、連続筋を埋設したコンクリート梁の1.2倍の耐力が確認された。
尚、上述の実施例では、桟橋等のプレキャストコンクリート構造物1の上部工4を構成するコンクリート梁について説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば、橋梁等の構築に適用してもよい。
また、環状接続鉄筋12,34の態様は、上述の実施例に限定されず、被接続鉄筋9,30の形状に整合させた形状を採用することができ、例えば、正方形状、楕円状、真円状等であってもよい。
さらに、上述の実施例では、所謂埋設型枠15を使用し、型枠15を撤去せずに残置させた例について説明したが、型枠15の態様は、上述の実施例に限定されず、通常の型枠を使用し、場所打ちコンクリート8が固化した後に撤去してもよい。
1 桟橋
2 水底部
3 杭
4 上部工
5 床版
6 プレキャストコンクリート部材
7 空隙部
8 場所打ちコンクリート
9 被接続鉄筋
10 プレキャスト部材側埋設部
11 突出部
12 環状接続鉄筋
13 せん断補強筋
14 吊り部材通過用間隙
15 型枠
16 底板
17 側板
18 挿通孔
19 固定用ボルト
20 インサート金具
21 連結具
22 吊り部材
23 内側鉄筋
24 外側鉄筋
25 型枠用鉄筋
26 波形鉄筋
27 型枠用吊り具
28 補強鉄筋
30 被接続鉄筋
31 プレキャスト部材側埋設部
32 プレキャスト部材側埋設部
33 突出部
34 環状接続鉄筋
35 せん断補強筋
36 補強鉄筋

Claims (5)

  1. 互いに間隔をおいて配置された一対のプレキャストコンクリート部材間を場所打ちコンクリートによって連結してなる鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造において、
    前記各プレキャストコンクリート部材の端面より突出し、前記場所打ちコンクリートに配置される突出部と、該突出部より延出し、前記各プレキャストコンクリート部材に平行配置されるプレキャスト部材側埋設部と、からなる被接続鉄筋と、
    互いに隙間を置いて突き合わされた前記被接続鉄筋の突出部間に跨って配置された環状接続鉄筋と、
    複数の被接続鉄筋からなる被接続鉄筋群の外側に嵌合され、前記被接続鉄筋の突出部と前記環状接続鉄筋とが重複する部分で前記被接続鉄筋及び前記環状接続鉄筋を拘束するせん断補強筋と、を備え、
    前記被接続鉄筋の突出部、前記環状接続鉄筋及び前記せん断補強筋が前記場所打ちコンクリート内に配置されるようにしたことを特徴とする鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造。
  2. 前記被接続鉄筋は、前記突出部がコ字状に形成されている請求項1に記載の鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造。
  3. 前記被接続鉄筋は、前記プレキャストコンクリート部材に複数段配置されている請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造。
  4. 前記せん断補強筋は、前記プレキャストコンクリート部材の端面側に片寄せて保持され、且つ、前記場所打ちコンクリートの中央側に向けて移動できるようにした請求項1〜3の何れか一に記載の鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造。
  5. 前記一対のプレキャストコンクリート部材間に架け渡される型枠を備え、
    前記型枠は、底板及び該底板の両側に配置された一対の側板とからなり、前記底板及び前記側板の内側に型枠用鉄筋を備え、
    前記被接続鉄筋の突出部、前記環状接続鉄筋及び前記せん断補強筋が前記場所打ちコンクリート及び前記型枠内に配置されるようにした請求項1〜4の何れか一に記載の鉄筋コンクリート梁の鉄筋継手構造。
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