JP6584339B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子の製造方法に関する。
半導体素子の製造方法として、プラズマエッチング方法が知られている。プラズマエッチング方法では、チャンバ内でエッチングガスをプラズマ化して半導体基板をエッチングすることにより、半導体素子を製造する。
具体的には、エッチングガスをプラズマ化してラジカル及びイオンを生成する。ラジカルは、半導体基板(のたとえばシリコン原子)と化学反応することにより、半導体基板を化学エッチング(等方エッチング)する。さらに、半導体基板にバイアス電力を印加することにより、イオンが半導体基板に入射し、半導体基板を物理エッチングする。このように、ラジカルによる化学エッチング及びイオンによる物理エッチングにより、半導体基板の表面に形成されたマスクのマスクパターンに応じた溝又は孔(以下、溝孔という)が形成される。
現在、ボッシュ(商標)プロセスと呼ばれる深掘りエッチングにより、より深い溝孔を形成できる。ボッシュ(商標)プロセスでは、C48ガスに代表される保護膜形成ガスをプラズマ化して、溝孔の側壁及び底に保護膜を形成する保護膜形成工程と、SF6ガスに代表されるエッチングガスをプラズマ化して、半導体基板に対してバイアス電力を印加して物理エッチングを実施し、溝孔の底の保護膜を除去する除去工程と、エッチングガスをプラズマ化して、溝孔の底を化学エッチングする孔形成工程とを順次繰り返す。
除去工程後の溝孔の底の保護膜は除去されるが、溝孔の側壁の保護膜は維持される。そのため、エッチング工程では、溝孔の底がエッチングされ、側壁ではエッチングが抑制される。以上の工程により、深掘りエッチングでは、側壁のエッチングを抑制しつつ、溝孔の深さ方向にエッチングを進行させることができる。
半導体素子の製造方法では、上述のプラズマエッチングにより、半導体基板に溝孔を形成する。したがって、プラズマエッチングによる溝孔の加工精度の向上が求められている。
特開2006−054305号公報(特許文献1)、特開2010−225948号公報(特許文献2)及び特開2014−195027号公報(特許文献3)では、プラズマエッチングによる溝孔の加工精度の向上技術を開示する。
特許文献1では、エッチングの繰り返しにより保護膜が削れた開口近傍部分の溝孔の側壁に、第2保護膜形成工程により、さらに耐エッチング性の高い保護膜を形成する。これにより、マスクの開口近傍部分の溝孔が過剰に拡がるのを抑制でき、加工精度を高める。
特許文献2では、順次繰り返す工程のうち、保護膜形成工程においてシリコン基板にバイアス電力を印加することにより、溝孔の底中央部により厚い保護膜を形成する。そして、除去工程において、エッチングガスとともに保護膜形成ガスをプラズマ化して、かつ、シリコン基板にバイアス電力を印加することにより、底中央部の保護膜部分のエッチングを抑制しつつ、底に形成された保護膜をエッチングする。以上の工程により、溝孔の底面を平坦に近づけ、溝孔の加工精度を高める。
特許文献3では、シリコン基板に対する様々な処理工程により、開口部から底部に向けて縮径した所定のテーパ形状を有する溝孔を形成するエッチング方法を提案する。
以上のとおり、溝孔の形状に応じた加工精度を高めるために、種々のエッチング方法が提案されている。
ところで、通常、溝孔はマスクの開口(マスクパターン)に対応して、半導体基板の表面の鉛直方向に沿って幅又は径(以下、単に幅という)が一定の形状が求められる。このような溝孔の加工精度を向上するためには、マスクに形成された開口の形状が重要となる。マスクに形成された開口の側壁が、半導体基板の鉛直方向に沿って延びる場合、つまり、開口の側壁が鉛直方向に沿って延びる場合、プラズマエッチングにより形成された溝孔の加工精度は高い。
しかしながら、半導体基板に形成されたマスクの開口形状が適切でない場合もある。たとえば、開口の側壁が傾斜している場合(この場合、開口の幅がマスク上面からマスク下面に向かって狭くなるテーパ形状となる)、開口の側壁が凹状に湾曲している場合である。このような不適切な形状の開口を有するマスクを用いてプラズマエッチングを実施すれば、溝孔の加工精度が低下する。たとえば、側壁が上記のとおり傾斜している場合、開口部近傍のマスク厚さは薄い。そのため、エッチング中に開口近傍のマスク部分がエッチングされてしまい、開口が予め設定されたサイズよりも大きくなる。その結果、溝孔の幅が予め設定した値よりも広くなったり、溝孔の側壁の開口近傍部分に鉛直方向に延びる傷(以下、エッチング傷という)が形成されたりする。したがって、マスク形状が不適切であっても、溝孔の加工精度を高く維持できる半導体素子の製造方法が求められる。
特開2010−225712号公報(特許文献4)は、マスクの開口が丸まった形状(開口の側壁が傾斜した形状)となっている場合であっても、高精度なエッチング形状を得ることができるエッチング方法を提案する。この文献に開示されたエッチング方法は、エッチングガスを処理チャンバ内に供給してプラズマ化し、基台にバイアス電位を印加して、シリコン基板をエッチングするエッチング工程と、保護膜形成ガスを処理チャンバ内に供給してプラズマ化し、シリコン基板上に保護膜を形成する保護膜形成工程とを交互に繰り返す。さらに、エッチング工程と保護膜形成工程との繰り返しを実施する前に、エッチングガスを含み保護膜形成ガスを含まない処理ガスを処理チャンバ内に供給してプラズマ化し、エッチング工程よりも長くエッチングする初期工程を含む。この初期工程により、マスク直下の半導体基板部分をマスクの開口よりも広くアンダーカットする。この文献の製造方法を用いた場合、マスク開口の側壁の形状が適切でなくても(特許文献4の例のように開口の側壁が丸まった形状であっても)、溝孔の側壁直上のマスクの厚さを従前よりも厚くできる。そのため、マスクがエッチングされて開口が広がることによる溝孔の加工精度の低下を抑制できる。
特開2006−054305号公報 特開2010−225948号公報 特開2014−195027号公報 特開2010−225712号公報
しかしながら、上述の特許文献4で開示される、いわゆるアンダーカットを用いたエッチングを実施した場合であっても、マスクの開口の側壁の形状によっては、加工精度が低下する場合がある。さらに、マスクとして酸化物マスクを使用する場合、エッチングにより半導体基板に溝孔を形成した後に酸化物マスクを除去せず、そのまま半導体素子の一部として使用する場合がある。この場合、アンダーカット量が大きければ、酸化物マスクの直下に導電体等の材料が充填できず、ボイドが発生する場合が生じる。したがって、この方法と異なる他の方法で溝孔の加工精度を高めることが求められている。
本発明の目的は、溝孔の加工精度を高めることができる半導体素子の製造方法を提供することである。
本実施形態による半導体素子の製造方法は、初期工程と、エッチング工程とを備える。初期工程では、チャンバ内の試料台に、開口を有するマスクが形成された半導体基板を配置し、チャンバ内で保護膜形成ガスをプラズマ化し、かつ、試料台にバイアス電力を印加して、マスクに保護膜を形成する。エッチング工程では、マスクに保護膜が形成された半導体基板をエッチングする。
本実施形態による製造方法では、初期工程において、保護膜形成ガスをプラズマ化することによりマスクに保護膜を形成する。さらに、半導体基板にバイアス電力を印加する。これにより、マスク上に保護膜を形成しつつ、プラズマ化により生成したイオンを用いた物理エッチングにより、開口の底に形成された保護膜を除去する。その結果、マスクの開口の側壁において、開口の幅方向に保護膜が形成される。物理エッチングでは半導体基板の鉛直方向に沿ってエッチングが進むため、開口の側壁に形成された保護膜の側面は半導体基板の鉛直方向(垂直方向)に近づきやすい。要するに、本実施形態では、マスクの開口を補正し、側壁を鉛直方向に近づける。つまり、テーパー形状のマスク開口を、垂直形状に近づけることができる。その結果、エッチング時の開口近傍のマスク部分のエッチングを抑制でき、溝孔の加工精度を高めることができる。
上述の初期工程では、チャンバ内で保護膜形成ガスをプラズマ化して開口の側壁及び底に保護膜を形成しつつ、試料台にバイアス電力を印加して、物理エッチングにより開口の底に形成された保護膜を除去し、開口の寸法を調整する。
好ましくは、エッチング工程では、深掘りエッチングを実施する。
さらに好ましくは、エッチング工程は、次の(A)〜(C)の工程を(A)〜(C)の順に繰り返し実施する工程を含む。
(A)前記チャンバ内で保護膜形成ガスをプラズマ化して、前記開口に対応する前記半導体基板の孔の側壁及び底に保護膜を形成する保護膜形成工程、
(B)前記チャンバ内でエッチングガスをプラズマ化して、前記保護膜のうち、前記底の保護膜部分を物理エッチングにより除去する除去工程、及び、
(C)前記チャンバ内でエッチングガスをプラズマ化して、前記保護膜部分が除去された前記底に対して化学エッチングを実施する孔形成工程。
好ましくは、初期工程の期間は、保護膜形成工程の期間よりも長い。
この場合、マスクの開口の側壁に形成される保護膜の、幅方向の厚みを厚くすることができる。そのため、マスクの開口の側壁を、半導体基板の鉛直方向(垂直方向)に近づけることができる。
上記製造方法で使用されるマスクは、酸化物からなるマスクであってもよい。
図1は、本実施形態の半導体素子の製造方法に利用されるプラズマエッチング装置の模式図である。 図2(A)は、半導体基板と、半導体基板上に形成されたエッチングマスクとの断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す半導体基板に対してプラズマエッチングを実施して溝孔が形成された半導体基板の断面図である。 図3(A)は、図2(A)と異なるエッチングマスクが形成された半導体基板の断面図であり、図3(B)は、図3(A)に示す半導体基板に対してプラズマエッチングを実施して溝孔が形成された半導体基板の断面図である。図3(C)はエッチング傷が形成された溝孔Hの開口近傍の側壁の写真画像であり、図3(D)はエッチング傷が形成された側壁の断面の写真画像である。 図4は、図2(A)及び図3(A)と異なる他の形状のエッチングマスクが形成された半導体基板の断面図である。 図5(A)は、アンダーカットを用いたプラズマエッチングを説明するための半導体基板の断面図であり、図5(B)は、アンダーカットにより形成された溝孔を含む半導体基板の断面図である。 図6は、酸化物マスクが形成された半導体基板の断面図である。 図7(A)は、本実施形態の製造方法により補正されたマスクを含む半導体基板の断面図であり、図7(B)は、図7(A)のマスクを用いて形成された溝孔を含む半導体基板の断面図である。 図8(A)は、酸化物マスク上に保護膜を形成した場合の半導体基板の断面図であり、図8(B)は、図8(A)の溝孔に充填材を充填した場合の半導体基板の断面図である。 図9は本実施形態の製造方法における、バイアス電力と時間との関係を示すタイミングチャート図である。 図10は本実施形態の製造方法で製造される半導体基板の一例を示す図である。 図11は、実施例1で形成された、保護膜を含むマスクの断面写真である。 図12(A)は、実施例2における、従来の製造方法で製造された溝孔の断面写真であり、図12(B)は図12(A)の溝孔の開口近傍の拡大図である。図12(C)は、実施例2における、本実施形態の製造方法で製造された溝孔の断面写真であり、図12(D)は図12(C)の溝孔の開口近傍の拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[プラズマエッチング装置]
初めに、本実施形態の半導体素子の製造方法に使用するプラズマエッチング装置について説明する。本実施形態でいう半導体素子は、集積回路、抵抗、コンデンサだけでなくMEMS(センサ、アクチュエータ等)も含む。
図1は、本実施形態の半導体素子の製造方法に利用されるプラズマエッチング装置の一例を示す模式図である。
図1を参照して、プラズマエッチング装置1は、チャンバ2と、ガス供給装置3と、プラズマ生成装置4と、試料台装置5と、排気装置6と、漏斗部材7とを備える。
チャンバ2は、閉塞空間を有する。具体的には、チャンバ2は、チャンバ上部21と、チャンバ下部22とを備える。チャンバ上部21は、プラズマ生成空間SP1を有する。図1では、プラズマ生成空間SP1は、上部が円環状の空間である。チャンバ下部22は、チャンバ上部21の下に配置され、処理空間SP2を有する。処理空間SP2はプラズマ生成空間SP1の下方に配置され、プラズマ生成空間SP1とつながる。つまり、閉塞空間は、プラズマ生成空間SP1と、処理空間SP2とを有する。チャンバ2内では、プラズマエッチング処理が実施される。
ガス供給装置3は、エッチングガス及び保護膜形成ガスをチャンバ2内のプラズマ生成空間SP1内に供給する。ガス供給装置3は、複数のガス供給部31及び32と、供給管35とを備える。ガス供給部31は、エッチングガスをプラズマ生成空間SP1内に供給する。エッチングガスはフッ素(F)を含有する。エッチングガスはたとえば、SF6ガスである。
ガス供給部32は、保護膜形成ガスをプラズマ生成空間SP1に供給する。保護膜形成ガスはたとえば、C48に代表されるフッ化炭素ガスや、HFO1234yf等である。本実施形態では一例として、ガス供給部32はC48ガスを収納する。しかしながら、使用する保護膜形成ガスはこれらに限定されない。
ガス供給部31及び32は、上述のガスの他に、不活性ガスをチャンバ2内に供給してもよい。不活性ガスはたとえばArである。
供給管35は、ガス供給部31及び32を、チャンバ上部21とつなげる。供給管35は、各ガス(エッチングガス、保護膜形成ガス)をガス供給部31及び32からチャンバ2内(プラズマ生成空間SP1)に送り出す。
プラズマ生成装置4は、ガス供給装置3からチャンバ2内(プラズマ生成空間SP1)に供給されたガスを、プラズマ化する。プラズマはたとえば、誘導結合プラズマ(ICP)である。プラズマ生成装置4は、コイル41と、高周波電源42とを備える。プラズマ生成空間SP1では、ガス供給部31からエッチングガスが供給される。プラズマ生成装置4は、コイル41に高周波電力を供給して、エッチングガスをプラズマ化する。
試料台装置5は、試料台51と、昇降シリンダ54と、高周波電源55と、冷却装置56と、駆動源59とを備える。試料台51は、チャンバ下部22の処理空間SP2に配置される。試料台51は、上面の中央に、半導体基板Kが載置可能な領域(以下、載置領域という)を備える。載置領域には、静電チャック52が配置される。
静電チャック52の上面には、半導体基板Kが配置される。静電チャック52は、半導体基板Kの裏面を、電気的に吸着する。つまり、静電チャック52は、半導体基板Kを試料台51に固定する。
試料台51は、昇降シリンダ54と接続される。好ましくは、昇降シリンダ54は電動式である。この場合、試料台51の高さを容易に多段階に調整でき、任意の高さに試料台51を配置できる。駆動源59は、昇降シリンダ54と接続され、昇降シリンダ54を駆動して試料台51を昇降し、そのストローク内で任意の高さに昇降できる。
試料台装置5はさらに、高周波電源55と、冷却装置56とを備える。高周波電源55は、試料台51と接続される。高周波電源55は、試料台51にバイアス電力を印加する。このバイアス電力により、プラズマ化により生成されたイオンが、試料台51上の半導体基板Kに入射する。
冷却装置56は、供給管57と、ガス供給部58とを備える。ガス供給部58は、不活性ガスを収納する。図1では、ガス供給部58は、ヘリウム(He)ガスを含有する。ガス供給部58は、Heガス以外の他の不活性ガスを含有してもよい。
試料台51はさらに、図示しない内部配管を含む試料台冷却システムを含む。試料台冷却システムは、内部配管に所定の冷媒を導入し、冷媒の温度を管理しながら冷媒を循環させるチラー装置を有する。循環する冷媒の種類は特に限定されないが、フロリナート(登録商標)やガルデン(登録商標)、純水等、任意の冷媒が用いられる。
供給管57は、ガス供給部58と静電チャック52の表面とをつなぐ。ガス供給部58内の不活性ガス(Heガス)は、供給管57を介して静電チャック52の表面に到達し、外部に流れる。より具体的には、Heガスは、半導体基板Kの裏面と静電チャック52の表面との間に流れ、エッチング中の半導体基板Kを冷却する。
排気装置6は、真空ポンプ61と、排気管62とを備える。排気管62は、チャンバ下部22と真空ポンプ61とをつなぐ。排気装置6は、チャンバ2内の気体(ガス)を排気して、チャンバ2内を所定の圧力に調整する。
漏斗部材7は、チャンバ下部22の処理空間SP2内に配置される。漏斗部材7は、試料台51の載置領域の上方に配置される。漏斗部材7は筒状であり、上端から下方に向かって内径が徐々に小さくなるテーパー形状の内周面を有する。そのため、漏斗部材7は、プラズマ生成空間SP1で生成された未反応のラジカルを、試料台51の中央に載置された半導体基板K上に集めやすい。漏斗部材7はなくてもよい。
[本実施形態の半導体素子の製造方法]
[概要]
本実施形態による半導体素子の製造方法を説明する。半導体素子を製造する場合、エッチングマスク(以下、単にマスクという)が形成された半導体基板が準備される。マスクは、レジストマスクであってもよいし、酸化物マスクであってもよい。
マスクが成膜された後、マスクに開口(マスクパターン)が形成される。図2は、半導体基板のマスク近傍での断面図である。図2(A)に示すとおり、マスクMの開口80は、側壁82と底81とを有する。上面83と底81とは実質的に平行である。側壁82は上面83と底81とをつなぎ、かつ、底81又は上面83と平行とならず、交差する領域である。
底81ではマスクMが除去されており、半導体基板Kが露出している。マスクMが形成された半導体基板Kに対して深掘りエッチングを実施し、予め設定された寸法形状の溝又は孔(溝孔)を形成する。
図2(A)に示すとおり、開口80の側壁82が半導体基板Kの表面の鉛直方向NK(つまり、プラズマエッチング装置1の鉛直方向)方向に延びていると仮定する。この場合、図2(B)に示すとおり、深掘りエッチング(ボッシュ(商標)プロセス)により、予め設定された幅Wを有する溝孔Hが形成される。
上述のとおり、開口80の側壁82が鉛直方向NKに沿っていれば、予め設定された幅Wを有する設計どおりの溝孔Hが形成される。しかしながら、マスクMの開口80が常に図2(A)のような理想的な形状を有するとは限らない。
図3は、図2と異なる他の形状のマスクMを有する半導体基板の断面図である。図3〜図8においては、開口80の中心軸Cの右半分の断面図のみを示す。たとえば、図3(A)に示すとおり、開口80が、マスクMの上面から底81に向かって徐々に幅が狭く形成されてしまう場合もある。この場合、開口は順テーパー形状となり、側壁82が傾斜している。
このような不適切な形状の開口80を有するマスクMを用いて深掘りエッチングを実施する場合、溝孔Hの加工精度が低下する。具体的には、深掘りエッチングを進めるにしたがい、図3(B)のように、傾斜した側壁82の上面及び側面がエッチング中に削られてしまう。
この場合、マスクMの開口80の幅が予め設定された幅よりも広くなる。そのため、深掘りエッチングにより形成される溝孔Hの幅もWからWAに拡がってしまい、加工精度が低下する。さらに、マスクMの開口の最下部が除去されることにより、溝孔Hの開口近傍の側壁には、図3(C)、図3(D)に示すような、鉛直方向NKに延びる複数のエッチング傷が形成されてしまう。図3(C)はエッチング傷が形成された溝孔Hの開口近傍の側壁の写真画像であり、図3(D)はエッチング傷が形成された側壁の断面の写真画像である。
このような溝孔Hの加工精度の低下、及び、エッチング傷の発生は、図4に示すように、マスクMの側壁82が凹状に湾曲している場合にも同様に生じる。更に、図示しないが、図3とは逆に、開口80が、マスクMの上面から底81に向かって徐々に幅が広く形成されてしまう場合(逆テーパー形状)にも、溝孔Hの加工精度の低下、及び、エッチング傷の発生が生じる。
このような加工精度の低下を抑制する方法として、上述の特許文献4で開示されたとおり、深掘りエッチング初期にアンダーカットを実施する方法がある。この方法では、図5(A)に示すとおり、プラズマエッチングの初期において、ラジカルと半導体基板Kとの化学反応による化学エッチング(等方エッチング)を実施し、マスクMの開口80よりも広い幅Wの溝孔Hを形成する。このとき、幅Wが予め設定された幅となるように、アンダーカット量を決定する。初期の溝孔Hを形成した後、深掘りエッチングで鉛直方向NKに溝孔Hを掘り下げ、図5(B)に示すように、予め設定された幅Wの溝孔Hを形成する。
しかしながら、アンダーカットによる溝孔Hの形成方法にも、次の問題点がある。たとえば、マスクMが酸化物マスクである場合であって、溝孔Hを形成した後にも酸化物マスクMを除去せず、そのまま半導体素子の一部(たとえば絶縁層)として活用する場合がある。たとえば、図6に示すとおり、溝孔Hを形成した後、酸化物マスクMを除去することなく、絶縁体又は導電体の材料層150を溝孔H周辺に形成する。このとき、酸化物マスクMと溝孔Hとの境界に段差が残っていれば、段差部分の領域に材料が充填しきらず、ボイド200が発生する。このようなボイド200は好ましくない。さらに、アンダーカットを利用した場合であっても、マスクの開口形状が適切でなければ、加工精度が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、不適切な開口形状を有するマスクMを前提として深掘りエッチングを実施する上述のアンダーカットとは異なり、深掘りエッチングを実施する前に、不適切な開口形状のマスクMを補正して適切な形状に近づける。
図7は、本実施形態の半導体素子の製造方法の一例を説明するための模式図である。図7(A)を参照して、本実施形態では、半導体基板Kに対して深掘りエッチングを実施する前に、不適切な開口形状(本例では側壁82が傾斜している)を有するマスクMに対して保護膜9を形成する。このとき、プラズマエッチング装置1のチャンバ2内に保護膜形成ガスを導入し、プラズマ化する。さらに、試料台51にバイアス電力を印加する。
この場合、保護膜形成ガスのプラズマ化によりラジカル及びイオンが生成する。ラジカルから重合物が生成してマスクMの上面及び開口80の側壁82に堆積し、保護膜9が形成される。一方、プラズマ化により生成したイオンは、バイアス電力の印加により、鉛直方向NKに進んでマスクMの上面及び底81に形成された保護膜を物理エッチングする。物理エッチングでは、鉛直方向NKにエッチングが進む。そのため、図7(A)に示すとおり、保護膜9のうち、底81に堆積した部分は除去されるものの、傾斜した側壁82上に堆積した部分は残存する。つまり、保護膜9は側壁82上に幅方向Wに堆積する。そして、新たに形成された開口80の側壁92は、上記物理エッチングにより、鉛直方向NKに近づく。つまり、テーパー形状であった開口80が、垂直形状に近づく。この現象は、図4に示すマスクMの側壁82が凹状に湾曲している場合や、図示しない開口80が逆テーパー形状の場合も同様である。
つまり、本実施形態では、保護膜形成と同時に物理エッチングを実施して、底81の保護膜を除去し、かつ、鉛直方向NKに沿った側壁92を形成する。これにより、開口80の形状を補正し、適切な形状に近づける。
マスクMを保護膜9により補正した後、補正されたマスクMを用いて深掘りエッチングを実施する。この場合、補正されたマスクMの側壁92は従前の側壁82よりも鉛直方向NKに近づいている。つまり、テーパー形状であった開口80が、垂直形状に近づいている。そのため、深掘りエッチングを継続しても、側壁92はエッチングされにくい。その結果、予め設定された幅Wの溝孔Hを形成しやすく、加工精度を高めることができる。
深掘りエッチング後に酸化物マスクMを残存させる場合においても、本実施形態の製造方法は有用である。
図8(A)に示すとおり、酸化物マスクM上に保護膜9を形成する。このとき、保護膜9の側壁92は、酸化物マスクMの側壁82よりも開口80の内側に形成される。
保護膜9を含む補正されたマスクMを用いて、図8(A)に示すように、アンダーカットエッチングを実施する。アンダーカットエッチングによりスキャロップサイズを大きくとることができるため、エッチレートを高くすることができる。
補正されたマスクMを用いた場合、アンダーカットエッチングを実施しても、溝孔Hの幅はW、つまり、マスクMの幅と同じにすることができる。さらに、溝孔Hを形成した後、保護膜9を除去すれば、溝孔HとマスクMとの境界に段差が生じないように、保護膜9の幅を調整することもできる。この場合、図8(B)に示すとおり、保護膜9を除去した後、溝孔Hの側壁に導電体等の材料層150を形成しても、図6に示すようなボイド200の発生が抑制される。
以下、本実施の形態による半導体素子の製造方法について詳述する。
[製造方法の詳細]
本実施形態の半導体素子の製造方法は、保護膜9を形成してマスクMを補正する初期工程と、補正されたマスクMを用いて半導体基板をエッチングするエッチング工程とを備える。以下、エッチング工程の一例として深掘りエッチングする場合の製造方法を詳述する。しかしながら、エッチング工程は深掘りエッチングに限定されない。
[初期工程]
初期工程では、初めに、開口80を有するマスクMが形成された半導体基板Kを準備する。マスクMは、周知の方法で形成される。マスクMがレジストマスクである場合、フォトレジストをスピンコート装置で塗布して形成される。マスクMは酸化物マスクであってもよい。酸化物マスクの成膜方法はたとえば、化学気相蒸着法(CVD)や、物理気相蒸着法(PVD)等の蒸着法である。酸化物マスクの材質はたとえば、SiO2である。マスクMを形成した後、周知の方法で、エッチングマスクにマスクパターン(開口)を形成する。
続いて、開口80を有するマスクMが形成された半導体基板Kを試料台51の上面(載置領域)に載置する。半導体基板Kは、静電チャック52により試料台51に固定される。半導体基板Kは、静電チャック52に代えて、機械クランプで試料台51に固定されてもよい。
試料台51に載置された半導体基板Kの裏面をガス供給部58から供給されるガス(Heガス)で冷却し、かつ、試料台51を試料台冷却システムで冷却する。半導体基板Kを試料台51に載置し、上記のとおり冷却しながら、保護膜9の形成による開口80の補正を開始する。
図9は、本実施形態の製造方法の時間と試料台51に印加されるバイアス電力との関係を示すタイミングチャートである。図1及び図9を参照して、初期工程BEでは、ガス供給部32から保護膜形成ガスをチャンバ2内のプラズマ生成空間SP1に供給し、プラズマ化する。プラズマによって生成したラジカルから重合物が生成されて、マスクMの上面83、開口80の側壁82及び底81に堆積し、保護膜9を形成する。
さらに、初期工程BEでは、試料台51にバイアス電力が印加される。そのため、プラズマによって生成したイオンがバイアス電力により半導体基板Kに、鉛直方向NKに入射し、物理エッチングを実行する。この物理エッチングにより、マスクMの上面83及び底81に形成された保護膜9が除去され、底81では半導体基板Kが露出する。以上のとおり、保護膜9を形成する際にバイアス電力を試料台51に印加することにより、底81の保護膜9を除去しつつ、側壁82上に保護膜9を堆積して、鉛直方向NKに側壁92を形成する。
初期工程BEで用いる保護膜形成ガスは、後述するエッチング工程内の保護膜形成工程Aで用いる保護膜形成ガスと同一のガスが望ましい。供給するガスの種類を削減でき、(別の反応性生成物が生成されるなど)エッチング工程に与える影響を低減するためである。また、マスクMに形成される保護膜9と、エッチング工程で形成されるエッチング側壁保護膜が、酸素プラズマにより同時に除去可能であるためである。さらに、マスクMとしてレジストマスクを用いた場合、マスクM自体も同時に除去可能となる。
[エッチング工程]
初期工程により補正されたマスクMを形成した後、エッチング工程EP(図9参照)を実施する。本例では、エッチング工程の一例として、深掘りエッチング工程を詳述する。
[深掘りエッチング工程]
深掘りエッチング工程は、各々所定期間の保護膜形成工程A、除去工程B、及び孔形成工程Cとを、A〜Cの順に実施する工程を含む。深掘りエッチング工程は、ボッシュ(商標)プロセスとも呼ばれる。
[保護膜形成工程A]
保護膜形成工程Aでは、ガス供給部32から保護膜形成ガスをチャンバ2内のプラズマ生成空間SP1に供給し、プラズマ化する。プラズマによって生成されたラジカル重合物は孔のエッチングマスク上、側壁、及び底に堆積し、保護膜9を形成する。なお、保護膜形成工程Aの所定期間内で、その終了前の一定期間に、チャンバ2内のガスを置換する工程を実施してもよい。ガス置換工程では、チャンバ2内の排気を強めたり、その後の工程で使用するエッチングガス(SF6ガス)をチャンバ2内のプラズマ生成空間SP1に供給したりする。
[除去工程B]
保護膜9を形成した後、除去工程を実施する。なお、除去工程Bの所定期間内で、その開始後の一定期間に、チャンバ2内のガスを置換する工程を実施してもよい。ガス置換工程では、除去工程Bの工程で使用する、一定期間後よりも大流量のエッチングガス(SF6ガス)をチャンバ2内のプラズマ生成空間SP1に供給する。要するに、工程間でガスが変わる場合、各工程所定期間内の最後又は最初の一定期間にガス置換を確実に行える工程を設けても良い。エッチングガスから保護膜形成ガス(C48)に変わる場合に、同様に適用してもよいことは、言うまでも無い。
除去工程Bでは、エッチングガスを供給した後、コイル41及び試料台51に高周波電力を印加する。コイル41への高周波電力の印加により、エッチングガスがプラズマ化される。
試料台51にバイアス電位を印加することにより、プラズマ化により生成したイオンが半導体基板Kに入射する。イオンによる物理エッチングにより、開口80又は溝孔Hの底に形成された保護膜9を除去する。
[孔形成工程C]
開口80又は溝孔Hの底の保護膜を除去した後、孔形成工程Cを実施する。ガス供給部31からチャンバ2内のプラズマ生成空間SP1に供給されたエッチングガスを、プラズマ生成空間SP1でプラズマ化する。開口80又は溝孔Hの底において化学エッチングが進行する。このとき、側壁92又は溝孔Hの側壁には保護膜9が残存するため、エッチングが抑制される。以上の工程により、鉛直方向NKへの深掘りが進行する。孔形成工程Cの後、再び保護膜形成工程Aを実施する。
以上のとおり、深掘りエッチング工程では、(A)保護膜形成工程、(B)除去工程、(C)孔形成工程を順次繰り返して深掘りを行い、溝孔Hを形成する。
上述の工程を実施して半導体基板Kに所望の溝孔Hを形成した後、周知の工程を経て、半導体素子が製造される。上記製造方法では、初期工程BEにおいてマスクMの開口80は補正されている(図7(A)参照)。補正されたマスクMの側壁92は鉛直方向NKに十分な厚さを有する。そのため、深掘りエッチング中に開口80近傍の側壁92がエッチングされにくい。その結果、予め設定された幅Wを有する溝孔Hを形成しやすく、溝孔Hの開口近傍の側壁にエッチング傷が形成されにくい。
図9に示すとおり、初期工程BEの期間は、深掘りエッチング中の保護膜形成工程Aの期間よりも長い。したがって、初期工程BEで形成される保護膜9は、保護膜形成工程Aで形成される保護膜よりも厚い。
たとえば、初期工程BEの期間は10秒以上であるのに対して、保護膜形成工程Aの期間は0.5秒〜5秒程度である。つまり、初期工程BEの期間は、保護膜形成工程Aの期間の2倍以上長い。製造時間を考慮すれば、初期工程BEの期間の好ましい上限は5分であり、初期工程BEの期間は、保護膜形成工程Aの期間の2〜60倍長い。
本実施形態の製造方法は、従前のレジストマスク、及び酸化物マスクでは形成しにくい、幅の狭い開口も形成できる。図10を参照して、予め狭い幅の開口85をマスクMに形成する。次に、上記初期工程BEを実施して、開口85の側壁82に保護膜9を形成する。側壁82上への保護膜9の堆積量を調整することにより、補正後の開口85の幅を調整することができる。
図10に示すような幅が顕著に異なる複数の開口80、85を有するマスクMを用いて深掘りエッチングを実施すれば、各溝孔を異なる深さに調整することもできる。深堀エッチングを実施したとき、幅が広い開口80により形成された溝孔は、幅が顕著に狭い開口85により形成された溝孔よりも深くなる。このような、深さの異なる溝孔の形成も、本実施形態の初期工程により開口の幅を調整することで実現できる。
図9を参照して、上述の製造方法では、初期工程BE後に保護膜形成工程Aを実施している。しかしながら、初期工程BEで既に保護膜9が形成されるため、初期工程BEの後、保護膜形成工程A及び除去工程Bを実施せず、孔形成工程Cを実施してもよい。また、初期工程BE後に除去工程Bを実施してもよい。要するに、初期工程BE後、エッチング工程が、保護膜形成工程A、除去工程B、孔形成工程Cの順で実施する工程を含んでいればよい。
上述の製造方法では、エッチング工程の一例として深掘りエッチングを説明した。しかしながら、本実施形態の製造方法は、深掘りエッチング以外の他のエッチング工程を実施してもよい。
本製造方法で使用される半導体基板は、シリコン基板に限定されない。半導体基板はSiC基板であってもよい。
上述の実施形態では、図1に示す誘導結合プラズマ(ICP)のプラズマエッチング装置1を使用している。しかしながら、本製造方法に使用するプラズマエッチング装置は、ICP式に限定されない。
上述の本実施形態の半導体素子の製造方法の初期工程を実施し、図7(A)に示すような、補正されたマスクMを形成可能か否かを確認した。図1に示すプラズマエッチング装置を用い、初期工程を実施した。保護膜形成ガスとしてC48ガスを使用した。初期工程時の保護膜形成ガス流量を150sccm、チャンバ内の圧力を2.0Pa、プラズマ化時のコイル41の出力を2000W、バイアス電力を40Wとし、初期工程期間を1.5分、及び、3.0分とした。
図11は、上記初期工程後の半導体基板のマスク近傍の断面写真である。図11(A)は、初期工程期間が1.5分の場合であり、図11(B)は3.0分の場合を示す。図11を参照して、いずれの場合においても、マスクMの両側壁に保護膜9が形成された。さらに、開口80の底81には保護膜9が形成されておらず、初期工程時の物理エッチングにより、底81に形成された保護膜9が削除されていることが確認できた。
さらに、図11(A)に示すとおり、初期工程期間が1.5分の場合に形成される保護膜9の厚さが0.45μmであるのに対して、図11(B)に示すとおり、初期工程期間が3.0分の場合に形成される保護膜9の厚さは0.89μmと、ほぼ倍であった。したがって、初期工程期間を調整することにより、保護膜9の厚さ、及び開口80の幅を調整できることを確認できた。
酸化物マスクMが形成された半導体基板を用いて、比較例として深掘りエッチング初期にアンダーカットを実施し、その後、深掘りエッチングを継続した。さらに、本発明例として、図8(A)に示すとおり、保護膜9を酸化物マスクM上に形成した後深掘りエッチングを実施した。
具体的には、本発明例では、初期工程時の保護膜形成ガス(C48)流量を150sccm、チャンバ内の圧力を2Pa、プラズマ化時のコイル41の出力を2000W、バイアス電力を60Wとし、初期工程期間を3分とした。
本発明例、比較例ともに、保護膜形成工程Aでは、処理時間を2.5秒とし、保護膜形成ガス(C48)流量を400sccm、チャンバ2内の圧力を6Pa、プラズマ化時のコイル41の出力(高周波電力)を2500W、バイアス電力を0Wとした。除去工程Bでは、処理時間を2.5秒とし、エッチングガス(SF6)流量を400sccm、チャンバ2内の圧力を4Pa、高周波電力を2500W、バイアス電力を90Wとした。孔形成工程Cでは、処理時間を3.0秒とし、エッチングガス(SF6)流量を400sccm、チャンバ2内の圧力を8Pa、高周波電力を2500W、バイアス電力を30Wとした。
図12(A)はアンダーカットを実施した半導体基板の溝孔付近の断面図であり、図12(B)は開口近傍の拡大図である。図12(C)は本発明例の半導体基板の溝孔付近の断面図であり、図12(D)は開口近傍の拡大図である。
図12を参照して、アンダーカットを実施した場合(図12(A)、(B))、酸化物マスクと半導体基板との境界で、790nmの段差が確認された。一方、本発明例の場合(図12(C)、(D))酸化物マスクと半導体基板との境界での段差を形成することなく、溝孔を形成できた。したがって、酸化物マスクを半導体素子の一部に含める場合、本実施形態の製造方法を用いれば、図6のような材料のボイド200が形成されにくくなることを確認できた。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
例えば、通常は望ましくないとされるマイクロローディング効果(マスクパターンの粗密によりエッチング速度が異なる現象)を逆に利用して、マスク開口寸法を保護膜で調整することにより、所望の溝孔の加工精度を高めることもできる。即ち、同一寸法を有する複数のマスク開口に対し、それぞれの開口寸法を調整して、より細い溝孔を形成したり、異なる寸法を有する複数のマスク開口に対し、それぞれの開口寸法を調整して、エッチング深さが更に異なる溝孔を形成できることができる。
1 プラズマエッチング装置
2 チャンバ
51 試料台
K 半導体基板

Claims (3)

  1. チャンバ内の試料台に、開口を有するエッチングマスクが形成された半導体基板を配置し、前記チャンバ内でフッ化炭素ガス又はHFO1234yfである保護膜形成ガスをプラズマ化し、かつ、試料台にバイアス電力を印加して、前記エッチングマスクに保護膜を形成する初期工程と、
    前記初期工程後、前記エッチングマスクに前記保護膜が形成された前記半導体基板をエッチングするエッチング工程とを備え、
    前記初期工程では、前記チャンバ内で前記保護膜形成ガスをプラズマ化して前記開口の側壁及び底に前記保護膜を形成しつつ、前記試料台に前記バイアス電力を印加して、物理エッチングにより前記開口の底に形成された前記保護膜を除去し、
    前記エッチング工程は、次の(A)〜(C)の工程を(A)〜(C)の順に繰り返し実施する工程を含む、半導体素子の製造方法。
    (A)前記チャンバ内で保護膜形成ガスをプラズマ化して、前記開口に対応する前記半導体基板の孔の側壁及び底に保護膜を形成する保護膜形成工程、
    (B)前記チャンバ内でエッチングガスをプラズマ化して、前記保護膜のうち、前記底の保護膜部分を物理エッチングにより除去する除去工程、及び、
    (C)前記チャンバ内でエッチングガスをプラズマ化して、前記保護膜部分が除去された前記底に対して化学エッチングを実施する孔形成工程。
  2. 請求項に記載の半導体素子の製造方法であって、
    前記初期工程の期間は、前記保護膜形成工程の期間よりも長い、半導体素子の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の半導体素子の製造方法であって、
    前記エッチングマスクは、酸化物からなるエッチングマスクを含む、半導体素子の製造方法。
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