第1実施形態
図1は、貯湯式の給湯装置1の全体を表した構成図である。給湯装置1は、貯湯タンク10と、浴槽用熱交換器30と、制御システム80と、を備えて構成される。
貯湯タンク10は、耐食性に優れた金属製、例えばステンレス製の容器で構成される。貯湯タンク10は中空円柱状で、その軸方向が鉛直方向に延びる縦長形状に形成されている。貯湯タンク10は、外表面を断熱材で覆う断熱構造または二重タンクによる真空断熱構造等を有しているため、高温の給湯水を長時間保温することができる。貯湯タンク10は、ヒートポンプユニット(以下、HPユニットと表記する)50によって加熱された給湯水を貯湯する。
貯湯タンク10には、タンク水温サーミスタ71が設けられている。タンク水温サーミスタ71は、貯湯タンク10の高さ方向に複数個分散されて設けられている。タンク水温サーミスタ71は、貯湯タンク10に貯められた給湯水の貯湯量および貯湯温度を検出するためのタンク温度検出器である。タンク水温サーミスタ71は貯湯タンク10内のそれぞれの高さレベルでの温度信号を制御システム80に出力する。
貯湯タンク10の下部には、下方開口部10aが設けられる。下方開口部10aは貯湯タンク10の下方側の給湯水を流出させる流出口である。また下方開口部10aは貯湯タンク10内へ水道水を流入させる流入口である。貯湯タンク10へ流入する水道水は、給水配管11によって供給される。
入口側給湯水配管21aは、下方開口部10aから流出した貯湯タンク10下方側の給湯水または給水配管11によって供給される水道水をHPユニット50へと導く。入口側給湯水配管21aにはバイパス配管21cが接続されている。バイパス配管21cは、下方開口部10aから流出した貯湯タンク10下方側の給湯水または給水配管11によって供給される水道水を、HPユニット50を迂回して三方弁52へと導くことを可能とする。
HPユニット50は、冷媒として臨界温度の低い二酸化炭素を使用する超臨界のヒートポンプサイクルと、ヒートポンプサイクルに水を圧送する沸上用水ポンプ51と、を有して構成されている。超臨界のヒートポンプサイクルによれば、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温、例えば85℃〜90℃の湯を貯湯タンク10内に貯えることができる。
沸上用水ポンプ51は、入口側給湯水配管21aに配置される電動式の水ポンプである。沸上用水ポンプ51は、貯湯タンク10の下方側の給湯水あるいは給水配管11によって供給される水道水を水冷媒熱交換器の水通路へ圧送する。沸上用水ポンプ51は、制御システム80によって制御される。
ヒートポンプサイクルは、複数の冷凍サイクル機能部品を備える。複数の冷凍サイクル機能部品とは、少なくとも電動式の圧縮機、水冷媒熱交換器、電気式の膨張弁、空気熱交換器、およびアキュムレータである。これら冷凍サイクル機能部品は、冷媒が流通する通路により接続されている。空気熱交換器の近傍には、空気熱交換器に対して空気を送風する送風機が設けられている。
膨張弁は、水冷媒熱交換器から流出する高圧の冷媒を減圧する減圧手段であり、制御システム80によってその弁開度が電気的に制御される。空気熱交換器は、膨張弁で減圧された冷媒を送風機によって送風される室外空気との熱交換によって蒸発気化させ、圧縮機にガス冷媒を供給する。送風機は、空気熱交換器の熱交換性能を確保するように制御システム80によってその回転数が制御される。アキュムレータは、空気熱交換器から流出する冷媒を気液分離して、気相冷媒のみ圧縮機に吸引させるとともに、サイクル中の余剰冷媒を貯える。
水冷媒熱交換器は、圧縮機の吐出口より吐出された高温高圧の冷媒によって、沸上用水ポンプ51により圧送された給湯水または水道水を加熱する加熱用熱交換器である。水冷媒熱交換器は、冷媒を流通させる冷媒通路と給湯水を流通させる水通路とを有している。水冷媒熱交換器は、例えば、冷媒通路の表面と水通路の表面とが熱交換可能に密着するように配置された二層構造となっている。水通路の入口側には、入口側給湯水配管21aを介して下方開口部10aが接続されている。また、水通路の出口側には、出口側給湯水配管21bを介して、第1継手22の流入出口の1つが接続されている。第1継手22は、3つの流入出口を有する三方継手である。
第1継手22の別の流入出口には、浴槽用熱交換器30の給湯水側通路30aの入口側が接続されている。第1継手22のさらに別の流入出口には、三方弁52の1つの流入出口が接続されている。三方弁52の別の流入出口には、貯湯タンク10の上方側に設けられた第1上方開口部10bが接続されている。三方弁52のさらに別の流入出口には、バイパス配管21cの出口側が接続されている。
三方弁52は、給湯水の流路を切り替える切替弁である。三方弁52は、下方開口部10aと第1継手22とをバイパス配管21cを介して連通する流路と、下方開口部10aと第1上方開口部10bとを出口側給湯水配管21bを介して連通する流路とを切り替える。三方弁52は、制御システム80によって制御される。
水冷媒熱交換器によって加熱された給湯水は、第1継手22および三方弁52を介して、貯湯タンク10の第1上方開口部10bから貯湯タンク10内へ流入する。したがって、貯湯タンク10内の給湯水は、上方側から下方側へ向かって温度が徐々に低下する温度分布が生じやすい。
第2上方開口部10cは、貯湯タンク10の上部に設けられ、貯湯タンク10内の給湯水のうち上方側の高温の給湯水を流出させる流出口である。第2上方開口部10cには、中温用混合弁53の一方の流入口が接続されている。
貯湯タンク10の中間部には、第1中間開口部10dが設けられている。第1中間開口部10dは、貯湯タンク10内に貯湯された給湯水のうち上下方向中間部位の中間温度の給湯水を流出させる流出口である。第1中間開口部10dには中温用混合弁53の他方の流入口が接続されている。なお、中間温度の給湯水は中温水と言い換えることができる。貯湯タンク10の中間部には、さらに第2中間開口部10eが設けられている。第2中間開口部10eは、浴槽用熱交換器30の給湯水側通路30aを通過した湯水が流入する開口部である。
中温用混合弁53は、第2上方開口部10cから流出した給湯水と第1中間開口部10dから流出した給湯水との混合比率を調整して、下流側に流出させる給湯水の温度を調整する温度調整弁である。中温用混合弁53は、例えば第2上方開口部10cからの給湯水が流れる通路の断面積と、第1中間開口部10dからの給湯水が流れる通路の断面積とを同時に変化させる弁体およびこの弁体を変位させる電動アクチュエータを有する式の流量調整弁で構成される。中温用混合弁53は、制御システム80によって制御される。
中温用混合弁53の出口側には、浴槽用混合弁54の一方の流入口が接続されている。浴槽用混合弁54の他方の流入口には、給水配管11が接続されている。浴槽用混合弁54は、中温用混合弁53から流出する給湯水と給水配管11から供給される水道水との混合比率を調整して、下流側に流出させる給湯水の温度を調整する温度調整弁である。浴槽用混合弁54は、制御システム80によって制御される。
浴槽用混合弁54の出口側には、浴槽用開閉弁55を介して、浴槽用水循環回路44aに配置された第2継手43のひとつの流入出口が接続されている。第2継手43は、3つの流入出口を有する三方継手である。浴槽用開閉弁55は、浴槽用混合弁54の出口側と浴槽用水循環回路44aとを接続する浴槽用配管44bを開閉するものであって、制御システム80から出力される制御信号によってその作動が制御される電磁弁である。浴槽用混合弁54から流出した給湯水は、浴槽用開閉弁55、第2継手43を介して浴槽60内へ供給される。
浴槽用水循環回路44aは、浴槽60内と浴槽用熱交換器30の浴槽用湯通路30bとの間で、浴槽60から流出した浴槽60内の湯水を循環させる水循環回路である。なお、浴槽60から流出した浴槽60内の湯水は、浴槽用湯水と言い換えることができる。浴槽用水循環回路44aには、浴槽用水ポンプ57と、水位センサ73とが配置されている。浴槽用水ポンプ57は、浴槽60の上下方向中間位置に設けられた浴槽用湯吸入口から浴槽用湯水を吸入して浴槽用湯通路30bへ圧送する電動式の水ポンプである。浴槽用水ポンプ57は、制御システム80によって制御される。水位センサ73は、浴槽用湯吸入口近傍に設けられ、検出された水圧の変化等によって浴槽60内の湯水の量を検出するセンサである。水位センサ73は、検出した水位情報を制御システム80へと出力する。
浴槽用水ポンプ57の吐出口側には、第2継手43の別の流入出口が接続されており、第2継手43のさらに別の流入出口には、浴槽用湯通路30bの入口側が接続されている。浴槽用湯通路30bの出口側には、浴槽60の下方側に配置された浴槽用湯吐出口が接続されている。
浴槽用熱交換器30は、第1継手22から流出した給湯水を流通させる給湯水側通路30aと、浴槽用水循環回路44aを循環する浴槽用湯水を流通させる浴槽用湯通路30bとを有する。浴槽用熱交換器30は、給湯水側通路30aを流通する給湯水と浴槽用湯通路30bを流通する浴槽用湯水とを熱交換させる熱交換器である。これにより、浴槽用熱交換器30はHPユニット50によって加熱された給湯水または貯湯タンク10内の給湯水と浴槽60内の湯水とを熱交換し追い焚き運転や風呂熱回収運転等を実現する。
給湯水側通路30aの出口側には、給湯水側通路30aから流出した給湯水を第2中間開口部10eへ圧送する給湯水ポンプ56が配置されている。給湯水ポンプ56は、制御システム80によってその作動を制御される電動式の水ポンプである。
制御システム80は、制御器80bと、浴室内コントローラ90aと、浴室外コントローラ90bと、を備える。制御器80bは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータを主なハードウェア要素として備える。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能な所定のプログラムを非一時的に記憶する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。
制御器80bは、上述の各制御対象機器と各種センサとが接続されるインターフェイス部80c(以下、I/F部と表記する)と、各種判定処理を行う処理部80eと、プログラムや検出した各種データを記憶する記憶部80dと、を備える。
I/F部80cには、HPユニット50を構成する機器、三方弁52、浴槽用水ポンプ57、給湯水ポンプ56、中温用混合弁53、浴槽用混合弁54、浴槽用開閉弁55等が接続される。I/F部80cは、これらの各制御対象機器に対して出力を行う。さらにI/F部80cには、赤外線センサ74、水位センサ73、タンク水温サーミスタ71、浴槽用湯温センサ72、浴室内コントローラ90a、浴室外コントローラ90b等が接続される。I/F部80cは、各種信号を制御器80bへと入力する。
赤外線センサ74は、浴室内の浴槽60近傍に設けられる。赤外線センサ74は、使用者の入浴状況を検知するためのセンサである。赤外線センサ74は、検出される赤外線量の変化に応じて、使用者が浴槽60内へ入浴したことおよび浴槽60から出たことを検知する。浴槽用湯温センサ72は、浴槽60に設けられ、浴槽60内の湯水の温度を検出する温度センサである。以下、浴槽60内の湯水の温度を浴槽温度とも表記する。
図2において、制御器80bは機能ブロックとして、判定部80fと、運転切替部80iと、運転制御部80lと、を備える。判定部80fは、I/F部80cを介して入力された各種検出情報と、記憶部80dに記憶されたプログラムや各種データと、を基に各種判定を行う。判定部80fは、浴槽温度を下降させる際に各種判定を行う降温判定部80gと、浴槽温度を上昇させる際に各種判定を行う昇温判定部80hを有する。
運転切替部80iは、判定に応じて、給湯装置1の運転モードの選択または切り替えを行う制御切替部である。運転切替部80iは、湯温低減時に風呂熱回収運転と差し水運転とのいずれかを選択し実行する降温手段切替部80jと、湯温上昇時に追い焚き運転と足し湯運転のいずれかを選択し実行する昇温手段切替部80kと、を有する。
運転制御部80lは、運転切替部80iの出力に応じて各運転モードの制御出力を行う制御出力部である。運転制御部80lの制御出力は、I/F部80cを介して各制御対象機器へ出力される。運転制御部80lは、降温手段として、風呂熱回収運転を行う風呂熱回収運転部80mおよび差し水運転を行う差し水運転部80nを有する。運転制御部80lは、昇温手段として、追い焚き運転を行う追い焚き運転部80oおよび足し湯運転を行う足し湯運転部80pと、を有する。
浴室内コントローラ90aは、使用者による操作が可能な浴室内スイッチ部と、運転状態が表示される浴室内表示部91aとを備える。浴室内コントローラ90aは、浴室の壁に設けられるリモコンである。浴室内コントローラ90aは、操作スイッチとして、目標温度を設定する浴室内設定温度スイッチ、浴室内風呂自動スイッチ、浴室内たし湯スイッチ96a、浴室内風呂ぬるめスイッチ94a、浴室内給湯温度設定スイッチ、浴室内追い焚きスイッチ95a、浴室内風呂熱回収スイッチ93a等が設けられている。
浴室外コントローラ90bは、使用者による操作が可能な浴室外スイッチ部と、運転状態が表示される浴室外表示部91bとを備える。浴室外コントローラ90bは、浴室以外の部屋の壁、例えばキッチンやリビングの壁に設けられるリモコンである。浴室外コントローラ90bは、操作スイッチとして、目標温度を設定する浴室外設定温度スイッチ、浴室外風呂自動スイッチ、浴室外たし湯スイッチ96b、浴室外風呂ぬるめスイッチ94b、浴室外給湯温度設定スイッチ、浴室外用追い焚きスイッチ95b、浴室外風呂熱回収スイッチ93b等が設けられている。コントローラ、浴槽60以外の給湯装置1の各部は、屋外等の適所に設置されている。
浴室内コントローラ90aは、給湯装置1が実行中の運転モードを使用者に報知する浴室内報知部92aを有する。浴室外コントローラ90bは、給湯装置1が実行中の運転モードを使用者に報知する浴室外報知部92bを有する。浴室内報知部92aと浴室外報知部92bは、給湯装置1が実行する運転モードを報知する報知部である。浴室内報知部92aおよび浴室外報知部92bは、例えば浴室内表示部91aおよび浴室外表示部91bに設けられ、給湯装置1が実行中の運転モードを文字表示することで、実行中の運転モードを使用者に対して視覚情報として報知する。また、例えば浴室内たし湯スイッチ96a、浴室内風呂ぬるめスイッチ94a、浴室内追い焚きスイッチ95a、浴室内風呂熱回収スイッチ93aの各スイッチに浴室内報知部92aが設けられてもよい。このとき、実行中の運転モードに対応したスイッチの浴室内報知部92aが点灯することで、実行中の運転モードを使用者に対して視覚情報として報知する。
浴室内風呂熱回収スイッチ93aおよび浴室外風呂熱回収スイッチ93bは、操作されることで風呂熱回収運転を実行する手動切替部である。浴室内風呂ぬるめスイッチ94aおよび浴室外風呂ぬるめスイッチ94bは、操作されることで差し水運転を実行する手動切替部である。給湯装置1が風呂熱回収運転による湯温低減を実行中でも、浴室内風呂ぬるめスイッチ94aまたは浴室外風呂ぬるめスイッチ94bが操作されると、風呂熱回収運転を差し水運転へと強制的に切り替える。また、給湯装置1が差し水運転による湯温低減を実行中でも、浴室内風呂熱回収スイッチ93aまたは浴室外風呂熱回収スイッチ93bが操作されると、差し水運転を風呂熱回収運転へと強制的に切り替える。
次に、給湯装置1が実施する運転モードを説明する。給湯装置1は、浴槽60内の湯水の熱を貯湯タンク10内の湯水へと回収する風呂熱回収運転、水道水を浴槽へと供給し浴槽温度を低減する差し水運転の、浴槽温度を低減可能な各運転モードを実施できる。さらに給湯装置1は、浴槽60内の湯水を加熱する追い焚き運転、HPユニットによる沸き上げ運転、足し湯運転の、浴槽温度を上昇可能な各運転モードを実施できる。
風呂熱回収運転は、浴槽60内の湯水の熱を貯湯タンク10内の給湯水へ回収するために実行される。風呂熱回収運転は、例えば浴室内コントローラ90aの風呂熱回収スイッチが操作されることで実行される。風呂熱回収運転では、制御システム80が、給湯水ポンプ56と浴槽用水ポンプ57を作動させ、三方弁52を下方開口部10aと第1継手22とがバイパス配管21cを介して接続されるように制御する。したがって、下方開口部10aから流出した低温の給湯水は、バイパス配管21c、三方弁52および第1継手22を介して給湯水側通路30aへ流入する。一方、浴槽60から浴槽用水ポンプ57によって圧送された浴槽用湯水は、浴槽用湯通路30bへと流入する。浴槽用熱交換器30では、給湯水側通路30aを通過する低温の給湯水と、浴槽用湯通路30bを通過する浴槽用湯水と、が熱交換し、給湯水の温度が上昇し浴槽用湯水の温度が低下する。給湯水側通路30aを流出した給湯水は、給湯水ポンプ56によって第2中間開口部10eから貯湯タンク10へと回収される。一方、浴槽用湯通路30bを流出した浴槽用湯水は、浴槽60内へと戻される。これにより、浴槽60内の湯水の熱を貯湯タンク10内の湯水へと回収することができる。
差し水運転は、水道水を浴槽60内に供給することで浴槽温度を低下させるために実行される。差し水運転は、例えば浴室内コントローラ90aの浴室内風呂ぬるめスイッチ94aが操作されることで実行される。差し水運転では、制御システム80が、水道水を浴槽用配管44bへと流入させるように浴槽用混合弁54を制御する。したがって、水道水は浴槽用混合弁54、浴槽用開閉弁55、浴槽用配管44bを通過して浴槽60へと流入する。
追い焚き運転は、貯湯タンク10内の湯水の熱によって浴槽60内の湯水を加熱するために実行される。追い焚き運転は、例えば浴室内コントローラ90aの追い焚きスイッチが操作されることで実行される。追い焚き運転では、制御システム80が、給湯水ポンプ56と浴槽用水ポンプ57を作動させ、三方弁52を第1上方開口部10bと第2中間開口部10eとが接続されるように制御する。したがって、第1上方開口部10bから流出した高温の給湯水は、三方弁52および第1継手22を介して給湯水側通路30aへ流入する。一方、浴槽60から浴槽用水ポンプ57によって圧送された浴槽60内の湯水は、浴槽用湯通路30bへと流入する。浴槽用熱交換器30では、給湯水側通路30aを通過する高温の給湯水と、浴槽用湯通路30bを通過する浴槽用湯水と、が熱交換し、給湯水の温度が低下し浴槽用湯水の温度が上昇する。給湯水側通路30aを流出した給湯水は、給湯水ポンプによって第2中間開口部10eから貯湯タンク10へと回収される。一方、浴槽用湯通路30bを流出した浴槽用湯水は、浴槽60内へと戻される。これにより、貯湯タンク10内の湯水の熱によって浴槽60内の湯水を加熱することができる。
沸き上げ運転は、貯湯タンク10内に加熱された給湯水を貯めるために実行される。沸上運転では、制御システム80が、HPユニット50を作動させ、三方弁52を第1継手22と第1上方開口部10bとを接続するように制御する。したがって、下方開口部10aから流出した給湯水あるいは給水配管11によって供給された水道水は、沸上用水ポンプ51によって水冷媒熱交換器の水通路へ圧送され、高温高圧冷媒と熱交換することで加熱される。水通路から流出した高温の給湯水は、第1継手22および三方弁52を介して、第1上方開口部10bから流入する。沸き上げ運転は、タンク水温サーミスタ71によって検出される貯湯タンク10上部の給湯水の温度が基準沸上温度、例えば90℃、を超えるまで実行される。制御システム80は、主に料金設定の安価な深夜時間帯に深夜電力を利用し沸き上げ運転を実行する。これにより、貯湯タンク10に貯める給湯水を沸き上げるために必要な電力コストを抑制することが可能となる。また、制御システム80は、深夜時間帯以外の時間帯においても、貯湯タンク10内の貯湯熱量が不足したと判定した場合には沸き上げ運転を実行する。
足し湯運転は、高温の給湯水によって浴槽温度を上昇するために実行される。足し湯運転は、例えば浴室内コントローラ90aの足し湯スイッチが操作されることで実行される。足し湯運転では、制御システム80は、中温用混合弁53と浴槽用混合弁54と浴槽用開閉弁55を制御し、第2上方開口部10cと浴槽用配管44bとを連通させる。したがって、第2上方開口部10cから流出した高温の給湯水は、中温用混合弁53、浴槽用混合弁54、浴槽用開閉弁55を通過し、浴槽60内へと供給される。これにより、高温の給湯水を浴槽60内に加え、浴槽温度を上昇することができる。
自動保温運転は、浴槽温度を、浴室内コントローラ90aや浴室外コントローラ90bによって設定された目標温度に維持するために実行される。自動保温運転は、例えば浴室内コントローラ90aの風呂自動スイッチが操作されることで実行される。自動保温運転は、一旦設定されると自動保温運転が解除されない限り、浴槽用湯温センサ72によって検出される浴槽温度を、目標温度に維持する制御を行う自動運転の一種である。
次に、制御システム80が実行する制御の一例について説明する。制御システム80の降温判定部80gは、風呂熱回収運転によって浴槽温度が目標温度に到達するか否かを判定する。なおこの処理は、制御システム80の降温判定部80gは、風呂熱回収運転によって浴槽温度が目標温度まで下降するか否かを判定する、と言い換えることができる。降温手段切替部80jは、降温判定部80gが否と判定した場合には、浴槽温度の下降を差し水運転によって実行するように制御する。なお、浴槽温度の下降は、湯温低減と言い換えることができる。また、浴槽温度の下降は、浴槽60内の湯水の降温と言い換えることもできる。
風呂熱回収運転によって浴槽温度が目標温度に到達しない場合とは、風呂熱回収運転時に給湯水側通路30aへ流通する貯湯タンク10内の湯水の温度が、浴槽用湯通路30bへ流通する浴槽温度よりも高い場合である。この場合、浴槽60内の湯水の熱を、浴槽用熱交換器30を介して貯湯タンク10内の湯水へと回収することができない。このような状況は、例えば、貯湯タンク10にHPユニット50によって加熱された高温の給湯水が注がれ、貯湯タンク10が満タン状態になると発生し得る。以下、貯湯タンク10内の湯水の温度を、タンク温度とも表記する。
さらに、風呂熱回収運転によって浴槽温度が目標温度に到達しない場合とは、風呂熱回収運転時に給湯水側通路30aへ流通するタンク温度と、浴槽用湯通路30bへ流通する浴槽温度とが近い場合である。この場合、浴槽60内の湯水の熱を、浴槽用熱交換器30を介して貯湯タンク10内の湯水へと回収することができない、あるいは回収に長時間、例えば想定される入浴時間の半分以上の時間がかかり回収することができないとみなせる。このような状況は、例えば、貯湯タンク10内が中温水で満たされていると発生し得る。
上述のように風呂熱回収運転によって浴槽温度の低減が可能でない場合、浴槽温度が、使用者の入浴中に目標温度まで到達できない、あるいは到達に長時間かかる。このとき、使用者は煩わしさを感じることがある。
図3に示す制御は、上述の状況を回避するために、給湯装置1が自動保温運転中であれば実行される。また、図3に示す制御は、使用者が目標温度を設定した際に実行される。フローチャートの処理は、制御システム80によって実行される。
まず、ステップ110では浴槽用湯温センサ72によって検出される浴槽温度Tbが目標温度Ttに比べ高いか否かを判定する。ステップ110で浴槽温度Tbが目標温度Ttに比べ高いと判定された場合は、浴槽温度Tbを下げる必要があるため、ステップ120に進む。ステップ120では、浴槽温度Tbとタンク温度Taとの差が所定値Tth1、例えば5℃以下か否かを判定する。ステップ120で、所定値Tth1以下であると判定した場合は、ステップ130へと進み、差し水運転による湯水の温度低下を実行する。タンク温度Taは、複数個のタンク水温サーミスタ71の内、貯湯タンク10のうち、最も低い位置に設置されたタンク水温サーミスタ71が検出する温度に対応する。
このステップ120、ステップ130の処理により、浴槽温度Tbとタンク温度Taとの差が所定値Tth1以内である場合、すなわち浴槽温度Tbとタンク温度Taとが近い場合に、差し水運転による湯温低減を実行することができる。さらに、このステップ120、ステップ130の処理により、浴槽温度Tbとタンク温度Taとの差が負である場合、すなわちタンク温度Taが浴槽温度Tbよりも高い場合にも、差し水運転による湯温低減を実行することができる。
その後、ステップ140で、差し水による湯温低減運転中であることを浴室内報知部92aおよび浴室外報知部92bにより報知する。このステップ140の処理により、湯温低減を差し水運転により行っていることを使用者に報知することができる。なお、ステップ140では浴室内報知部92aまたは浴室外報知部92bのどちらか一方で報知してもよい。その後、ステップ150へと進み、浴槽温度Tbが目標温度Ttに到達したか否かを判定する。ステップ150で、目標温度Ttに到達したと判定した場合は、差し水運転を停止し、本フローチャートを終了する。
ステップ120で浴槽温度Tbとタンク温度Taとの差が所定値Tth1以上であると判定した場合には、ステップ122へと進み、風呂熱回収運転を実行する。その後、ステップ124へと進み、風呂熱回収運転による湯温低減運転中であることを、浴室内報知部92aおよび浴室外報知部92bにより報知する。なお、ステップ124では浴室内報知部92aまたは浴室外報知部92bのどちらか一方で報知してもよい。その後、ステップ126へと進み、浴槽温度が目標温度Ttに到達したか否かを判定する。ステップ126で、目標温度Ttに到達したと判定された場合は、風呂熱回収運転を停止し、本フローチャートを終了する。
ステップ126で目標温度Ttに到達していないと判定された場合は、ステップ128で風呂熱回収運転を開始してから所定時間経過したか否かを判定する。ステップ128で、所定時間経過したと判定した場合は、風呂熱回収運転による湯温低減が不可能な状況であるため、ステップ130に進み降温手段を差し水運転に切り替える。
ステップ126、ステップ128、ステップ130の処理により、風呂熱回収運転時に給湯水側通路30aへ流通するタンク温度Taが、浴槽用湯通路30bへ流通する浴槽温度Tbよりも高い場合に、差し水運転を実行することができる。また、風呂熱回収運転に切り替えた後に、タンク温度Taが変化し、風呂熱回収運転が不可能になった場合でも、差し水運転に切り替えることができる。ステップ128における所定時間は、あらかじめ制御システム80に設定されている。例えば、想定入浴時間の半分の時間が所定時間として制御システム80に記憶されている。
ステップ130で差し水運転を実行した後は、ステップ140、ステップ150が実行される。
ステップ110で浴槽温度Tbが目標温度Tt以下であると判定した場合には、ステップ160へ進み、浴槽温度Tbが所定温度Tth2、例えば30℃よりも低いか否かを判定する。ステップ160で所定温度Tth2より低いと判定された場合は、ステップ170へ進み、足し湯運転を行うことで浴槽温度Tbを上昇させる。ステップ160、ステップ170の処理により、浴槽温度Tbが低すぎる場合に、時間のかかる追い焚き運転ではなく足し湯運転によって目標温度Ttまで浴槽温度Tbを上昇することができる。
ステップ180では、足し湯による湯温上昇運転中であることを報知しステップ190へ進む。ステップ190では、浴槽温度Tbが目標温度Ttに到達したか否かを判定する。ステップ190で目標温度Ttに到達したと判定した場合には足し湯運転を停止し、本フローチャートを終了する。
ステップ160で、浴槽温度Tbが所定温度Tth2よりも高いと判定された場合は、追い焚き運転を開始する。その後、ステップ164へ進み追い焚き運転中であることを浴室内報知部92aおよび浴室外報知部92bで報知した後にステップ166へと進む。なお、ステップ164では浴室内報知部92aまたは浴室外報知部92bのどちらか一方で報知してもよい。ステップ166では、浴槽温度Tbが目標温度Ttに到達したか否かを判定する。ステップ166で、目標温度Ttに到達したと判定した場合には、追い焚き運転を停止し本フローチャートを終了する。
ステップ166で、到達していないと判定された場合には、ステップ168に進み、追い焚き運転を開始してから所定時間経過したか否かを判定する。ステップ168で所定時間経過したと判定した場合には、ステップ170へと進み、湯温の上昇手段を追い焚き運転から足し湯運転へと切り替える。ステップ168、ステップ170の処理により、追い焚き運転を行っても浴槽温度Tbが所定時間内に目標温度Ttに到達しない、すなわち湯温の上昇に時間がかかっている場合に、足し湯運転に切り替えることができる。その後ステップ180で足し湯運転を行っていることを浴室内報知部92aおよび浴室外報知部92bで報知し、ステップ190で浴槽温度Tbが目標温度Ttに到達したか否かを判定する。なお、ステップ180では浴室内報知部92aまたは浴室外報知部92bのどちらか一方で報知してもよい。ステップ190で目標温度Ttに到達したと判定した場合には、足し湯運転を停止し本フローチャートを終了する。
次に第1実施形態の給湯装置1がもたらす作用効果について説明する。給湯装置1は、貯湯タンク10と、貯湯タンク10内の湯水と浴槽60内の湯水との間で熱交換を行う浴槽用熱交換器30と、制御システム80と、を備える。制御システム80は、風呂熱回収運転部80mと、差し水運転部80nと、風呂熱回収運転によって浴槽温度Tbが目標温度Ttへ到達するか否かを判定する降温判定部80gと、を有する。制御システム80は、風呂熱回収運転と差し水運転のどちらか一方を実行するとともに、降温判定部80gが、目標温度Ttまで下降しないと判定した場合には差し水運転を実行する降温手段切替部80jを有する。
これによれば、風呂熱回収運転によって目標温度Ttへ到達しない場合に、差し水運転によって湯温低減を行う給湯装置1を提供できる。したがって、風呂熱回収運転による湯水の温度低減が困難である場合に、差し水運転による湯温低減を実行することで、浴槽温度Tbを目標温度Ttへと到達させることができる。また、浴槽温度Tbを目標温度Ttまで速やかに到達させることができるため、使用者の煩わしさを低減できる。
降温判定部80gは、風呂熱回収運転を所定時間行った時点で浴槽温度Tbが目標温度Ttに到達したか否かを判定し、降温手段切替部80jは、降温判定部80gが否と判定した場合に、風呂熱回収運転を差し水運転へと切り替える。
これによれば、風呂熱回収運転を行っても所定時間以内に浴槽温度Tbが目標温度Ttに到達しなかった場合に差し水運転に切り替える給湯装置1を提供できる。したがって、風呂熱回収運転による湯温低減に長時間かかってしまうことを回避することが可能となる。
降温判定部80gは、タンク温度Taと浴槽温度Tbとの差が所定値Tth1以内であるか否かを判定し、降温手段切替部80jは、降温判定部80gが所定値Tth1以内であると判定した場合には、差し水運転を実行する。これによれば、貯湯タンク10内の湯水の温度と浴槽温度との差が小さい場合に風呂熱回収運転でなく差し水運転によって湯温低減をする給湯装置を提供できる。したがって、風呂熱回収運転による湯温低減に長時間かかってしまうことを回避することが可能となる。
制御システム80は、制御システム80が風呂熱回収運転を実行する場合には、風呂熱回収運転を行っていることを報知し、差し水運転を実行する場合には、差し水運転を行っていることを報知する報知部として、浴室内報知部92aおよび浴室外報知部92bを有する。これによれば、風呂熱回収運転を実行する場合には、風呂熱回収運転を行っていることを報知し、差し水運転を実行する場合には、差し水運転を行っていることを報知する給湯装置1を提供することができる。したがって、風呂熱回収運転を行っているか差し水運転を行っているかを使用者が把握することが可能となる。
制御システム80は、使用者が操作することで風呂熱回収運転と差し水運転とを切り替える手動切替部である浴室内風呂ぬるめスイッチ94a、浴室内風呂熱回収スイッチ93a、浴室外風呂ぬるめスイッチ94b、および浴室外風呂熱回収スイッチ93bを有する。これによれば、制御システム80による降温手段の選択実行に加え、使用者が任意に降温手段を選択実行する給湯装置1を提供できる。したがって、制御システム80が選択した降温手段に関わらず、使用者が望む降温手段によって湯温低減を実行することができる。
制御システム80は、貯湯タンク10内の湯水の熱を浴槽用熱交換器30によって浴槽60内の湯水へ与える追い焚き運転を行う追い焚き運転部80oと、浴槽温度Tbよりも高温の湯水を浴槽に供給する足し湯運転を行う足し湯運転部80pと、を有する。制御システム80は、さらに浴槽温度Tbが追い焚き運転によって目標温度Ttまで上昇するか否かを判定する昇温判定部80hを有する。制御システム80は、さらに追い焚き運転と足し湯運転のどちらか一方を実行するとともに、昇温判定部80hが目標温度Ttまで上昇しないと判定した場合に足し湯運転を実行する昇温手段切替部80kを有する。
これによれば、追い焚き運転によって目標温度Ttに到達することが困難な場合に、足し湯運転によって湯温の上昇を行う給湯装置1を提供できる。したがって、浴槽温度Tbの上昇を追い焚き運転で行い、目標温度Ttに到達しない、あるいは到達するのに長時間かかってしまうことを回避することが可能となる。
昇温判定部80hは、追い焚き運転を所定時間行った時点で浴槽温度が目標温度Ttに到達したか否かを判定し、昇温手段切替部80kは、昇温判定部80hが否と判定した場合に、追い焚き運転を足し湯運転へと切り替える。これによれば、追い焚き運転を行っても所定時間以内に浴槽温度Tbが目標温度Ttに到達しなかった場合に足し湯運転に切り替える給湯装置を提供できる。したがって、追い焚き運転による湯温の上昇に長時間かかってしまうことを回避することが可能となる。
昇温判定部80hは、浴槽温度が所定温度Tth2よりも低いか否かを判定し、昇温手段切替部80kは、昇温判定部80hが所定温度Tth2よりも低いと判定した場合に、足し湯運転を選択し実行する。これによれば、浴槽温度Tbが低い場合に追い焚き運転でなく足し湯運転によって湯温低減を実行する給湯装置1を提供できる。したがって、追い焚き運転による浴槽温度Tbの上昇に長時間かかってしまうことを回避することが可能となる。
貯湯タンク10は、中間部に浴槽用熱交換器30を通過した湯水が流入する第2中間開口部10eを有する。これによれば、中間部に浴槽用熱交換器30を通過した湯水が流入する貯湯タンク10において、上述の制御を実行することができる。風呂熱回収運転や追い焚き運転によって中温水となった湯水が貯湯タンク10の中間部に流入する場合は、貯湯タンク10が中温水によって満たされやすくなる。したがって、中温水によって満たされやすい貯湯タンク10を備える給湯装置1であっても湯温低減を可能にすることができる。 降温判定部80gは、使用者が浴槽60内の湯水の温度Tbを降下させる要求をした際に、浴槽60内の湯水の温度Tbが風呂熱回収運転によって目標温度Ttまで下降するか否かを判定する。これによれば、使用者が浴槽温度Tbを下げるように目標温度Ttを設定した際に、風呂熱回収運転によって目標温度Ttまで下降するか否かを使用者が判断する必要がないため、使用者の使い勝手を向上させることができる。
他の実施形態
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
制御器80bが提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御器80bがハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
上述の実施形態において、ステップ128における所定時間はあらかじめ設定されているとしたが、これに代えて、制御システム80が各種物理量から所定時間を算出し設定する構成にしてもよい。例えば、赤外線センサ74等によって使用者の入浴時間を所定期間測定し、制御システム80が、その測定データから算出した使用者の平均入浴時間の半分の時間を所定時間として設定する構成としてよい。また、制御システム80によって所定時間が任意に設定可能な構成としてもよい。例えば、浴室内コントローラ90aまたは浴室外コントローラ90bを操作することで、所定時間の長さを使用者が任意に設定できる構成としてもよい。
上述の実施形態において、報知部は降温手段を視覚情報として報知するとしたが、これに代えて、聴覚情報として報知するようにしてもよい。例えば、浴室内コントローラ90aに音声を再生可能なスピーカとして報知部を設け、「風呂熱回収運転中です」や、「差し水運転中です」といった音声によって使用者に実行中の運転モードを報知する構成としてもよい。
上述の実施形態において、浴室内コントローラ90aは、浴室内風呂熱回収スイッチ93aおよび浴室内風呂ぬるめスイッチ94aを独立して有するとしたが、これに代えて、一つのスイッチによって風呂熱回収運転と差し水運転とを切り替えるようにしてもよい。例えば、浴室内コントローラ90aに降温手段切替スイッチを設け、この降温手段切替スイッチを操作することで風呂熱回収運転と差し水運転とを切り替える構成としてもよい。
上述の実施形態において、報知部は、浴室内コントローラ90aと浴室外コントローラ90bとにそれぞれ浴室内報知部92aと浴室外報知部92bとして設けられるとしたが、どちらか一方にのみ設けられる構成としてもよい。また、浴室内コントローラ90aおよび浴室外コントローラ90bとは独立した報知部を有する構成としてもよい。
上述の実施形態において、ステップ120では、浴槽温度Tbとタンク温度Taとが近いか否かと、タンク温度Taが浴槽温度Tbよりも高いか否かと、を同時に判定するとしたが、これに代えて、浴槽温度Tbとタンク温度Taとが近いか否かのみを判定してもよい。例えば、浴槽温度Tbとタンク温度Taとの差の絶対値が所定値以下か否かを判定してもよい。