本願発明は、様々な変形形態と代替形態とが可能であり、それらの特別なものが、例示することを目的として、図面に示され、かつ、詳細に説明されている。しかしながら、これは、本願発明を説明する特定の実施形態に限定することを意図したものではない。むしろ、その意図は、本願発明の主旨と範囲に入る変更形態、均等形態、及び代替形態の全てを包含させることにある。
以下に定義する用語については、請求項または明細書において別段に異なる定義が与えられない限り、これらの定義を使用するものとする。
ここでは、明示の記載の有無に拘わらず、全ての数値は、「約」という用語によって修飾されると想定されている。「約」という用語は、当業者が、同等の機能を発揮するまたは効果を奏すると考える範囲を指す。多くの場合において、「約」という用語は、最も近い有効数字に四捨五入される複数の数値を含む。
数値範囲が終点によって記載されている場合には、その範囲に含まれるすべての数値が含まれるものとする(例えば、1〜5には、1,1.5,2,2.75,3,3.80,4,5が含まれる)。
本明細書、および添付の請求項に用いる「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」などの単数形は、明示の記載がない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書、及び添付の請求項に用いる「または」は、明示の記載がない限り、「および/または」の意味で使用する。
本明細書で、「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「その他の実施形態」は、1つ以上の特定の要素、構造、および特性のうちの少なくともいずれか1つを含む実施形態を示している。しかしながら、このような記載は、全ての実施形態が、特定の要素、構造、および特性を含むことを必ずしも意味するものではない。加えて、特定の要素、構造、および特性が、ある実施形態と組み合わせて記載されている場合には、そのような要素、構造、および特性は、明示の記載の有無に拘わらず反対のことが明示的に記載されていない限り他の実施形態と組み合わせて使用することができる。
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれたい。異なる複数の図面において、類似の要素には、同一の符号が付されている。図面は、必ずしも縮尺通りではないが、実施形態を例示するものであって、本願発明の範囲を限定することを意図したものではない。
医療介入の最中に、血管内部で血圧を計測することや監視することが求められる場合がある。例えば、医療装置のあるものは、圧力センサーを備え、臨床医が、血圧を監視することを可能にする。このような装置は、血圧予備量比(FFR:fractional flow reserve)を決定する際に有用であり、ここで、FFRとは、狭窄部位の前方の血圧および大動脈圧のうちのいずれか一方に対する狭窄部の後方の血圧の比であると解される。
図1は、患者の体内で圧力の測定値を得る為のシステム10の例を示した図である。いくつかの実施例において、図示のように、システム10は、遠位部材16から近位部18まで延びるガイドワイヤシャフト14を含む圧力検出ガイドワイヤ12を備える。近位部18では、圧力検出ガイドワイヤ12は、コネクタ、即ちハンドル20に取り付けられる。ハンドル20は、同ハンドル20に取り付けられるケーブル22に好適なコネクタを備え、このケーブル22は、干渉計、即ちシグナルコンディショナ24などの別の好適な装置に延びる。シグナルコンディショナ24は、光源を備え、かつ受け取った光学信号を処理する。いくつかの実施形態では、別のケーブル26が、シグナルコンディショナ24からディスプレイ装置28などの好適な出力装置まで延び、ディスプレイ装置28は、シグナルコンディショナ24によって提供された情報を表示する。
ディスプレイ装置28は、文字、図、または写真によって、比を表示する。施術者は、ディスプレイ装置28の表示に基づき患者の必要性に応じて医療介入を調整し、医療介入の目的を達成することができる。これらは、単なる例である。その他の装置等も圧力検出ガイドワイヤ12と共に使用することが可能である。
ガイドワイヤシャフト14は、遠位端32を有する第1管状部材30を備える。いくつかの実施形態において、遠位部材16は、コイル構造34を有し、同コイル構造は遠位方向に延びて遠位端36に達する。なお、コイル構造34は全ての実施例に含まれるものではない。いくつかの実施形態では、遠位キャップ38が、コイル構造の遠位端36に当接して圧力検出ガイドワイヤ12の遠位部を終止する。遠位キャップ38は、空間部40を形成する。1つ以上の孔42は、遠位キャップ38を形成する壁を貫通して延びて、空間部40と圧力検出ガイドワイヤ12の外方との間を連通する。
圧力センサー44は、空間部40の内部に配置される。1つ以上の孔42によって可能になる連通により、圧力センサー44は、圧力検出ガイドワイヤ12の外方環境内の圧力値の測定が可能になる。図1には、圧力センサー44が模式的に示されているが、どのような形式および種類の圧力センサー44であってもよい。例えば、圧力センサー44には、半導体(例えば、シリコンワエハー)圧力センサー、圧電圧力センサー、光ファイバーまたは、光圧力センサー、ファブリーペロー型圧力センサー、超音波伝導体および超音波圧力センサーのうちの少なくとも1つ、磁気圧力センサー、固体圧力センサーなどの好適な圧力センサーが含まれる。
施術者は、圧力検出ガイドワイヤ12を用いて、FFR(例えば、血管内傷害部の前方の圧力に対する血管内傷害部の後方の圧力)を計測、計算する。これには、傷害部の前方、または上流にて初期の圧力値を計測し、傷害部の後方、または下流の比較する圧力値を計測することが含まれる。また、これには、圧力に差、または低下が観察されるまで、血管を通過して圧力検出ガイドワイヤ12を前進させる間に圧力を監視することが含まれる。これは、治療介入の間、または後において、圧力の上昇を監視することだけではなくガイドワイヤ12が傷害部に到達したこと、および傷害部を部分的に通過したことのうちの少なくともいずれか一方を示す。いくつかの実施形態では、血管内の別の部位で圧力を計測する為に、第2圧力計測装置が使用され、この圧力は、FFRの計算、または医療行為の一部として用いられる。
いくつかの実施形態において、図示のように、圧力センサー44に対して光ファイバーケーブル46が、操作可能に接続されて近位方向に延びる。いくつかの実施形態では、光ファイバーケーブル46は、ガラスファイバーケーブル、およびポリマー光ファイバーのうちの少なくともいずれか一方であり、かつ、ガイドワイヤシャフト14の長さを延びている。いくつかの実施形態では、光ファイバーケーブル46は、ポリマー光ファイバーケーブルである遠位部と、ガラス光ファイバーケーブルである近位部とを備える。いくつかの実施形態において、光ファイバーケーブル46は、ほぼ全長に亘ってガラス光ファイバーである。いくつかの実施形態では、光ファイバーケーブル46の少なくとも一部は、光ファイバーケーブル46の長さ方向に延びる保護コーティング48を含む。
いくつかの実施形態において、図示のように、圧力検出ガイドワイヤ12は、第2管状部材50を備える。第2管状部材50を備える場合には、第2管状部材50は、連結体52で示した連結部を介して遠位キャップ38に連結される。連結体52は、接着剤、はんだ、溶接、またはその他の好適な連結手段よりなる。第2管状部材50は、遠位部材16の一部を形成し、いくつかに実施形態では、コイル構造34と共に遠位部材16の成形性を高める。いくつかの実施形態では、遠位部材16は、血管内で前進される前に、所望の形状に屈曲される。可撓性を高める為に、いくつかの実施形態では、第2管状部材50は、いくつかのスロット54を備える。図には、3個のスロット54が示されているが、第2管状部材50は、スロット54をいくつ備えてもよい。第2管状部材50に沿った複数のスロット54の相対的なサイズ、個数、および間隔は、所望のレベルの可撓性および成形性を達成する為に変更することが可能である。
図1は、遠位キャップ38内部において、相対的に遠位の位置に圧力センサー44を備えるガイドワイヤ12の例であり、限定例ではない。図5〜7は、圧力検出ガイドワイヤ12などの圧力検出ガイドワイヤの様々な遠位チップ構成の追加的な図である。いくつかの実施形態において、血圧を検出する医療装置は、圧力検出ガイドワイヤなどの血圧を検出する医療装置の遠位端を形成するバネチップ、またはポリマーチップなどの変形可能なチップを配置する為に、医療装置の遠位部分内であるがより近位側に配置された圧力センサーを備える。図8〜28は、図2に示した圧力検出ガイドワイヤの一部として用いうる遠位チップ構造の追加的な図である。
図2は、例示の医療装置110の一部を示したものである。この例では、医療装置110は、圧力検出ガイドワイヤ110である。しかしながら、これは、その他の医療装置が、カテーテル、シャフト、リード線、ワイヤなどを備えると限定することを意図していない。圧力検出ガイドワイヤ110の構造的特徴の多くは、図1の検出ガイドワイヤ12と、具体的には、ガイドワイヤのより近位部分で、類似する。圧力検出ガイドワイヤ110は、管状部材、即ちシャフト112を備える。シャフト112は、近位部114と遠位部116とを備える。近位部114と遠位部116の材料は、多様であり、ここで説明する材料も含む。例えば、遠位部116は、ニッケル‐コバルト‐クロム‐モリブデン合金(例えば、MP35‐N)を含み、近位部114は、ステンレス鋼を含む。これは、単なる例である。その他の材料も用いることができる。
いくつかの実施形態では、近位部114と遠位部116とは、同一のモノリス材料から形成される。言い換えれば、近位部114と遠位部116とは、シャフト112を形成する同一の管の一部をなす。別の実施形態では、近位部114と遠位部116とは、互いに連結される2本の別体の管状部材である。例えば、近位部114と遠位部116の外側表面の一部が取り除かれて、近位部114と遠位部116を連結する為に取り除かれた部分の上にスリーブ117が配置される。代替的には、スリーブ117は、近位部114と遠位部116の上に単に配置される。溶接、熱結合、接着剤結合などのその他の結合も使用される。使用される場合には、近位部114を遠位部116に連結する為に使用されるスリーブ117には、近位部114と遠位部116の両方に所望通り結合する材料が含まれる。例えば、スリーブ117には、ニッケル‐クロム‐モリブデン合金(例えばINCONEL)が含まれる。
複数のスロット118が、シャフト112に形成される。少なくともいくつかの実施形態では、複数のスロット118は、遠位部分116に形成される。少なくともいくつかの実施形態では、近位部分114は、スロット118を欠く。しかしながら、近位部分114は、スロット118を含む場合もある。スロット118は、様々な理由で所望される。例えば、スロット118は、シャフト112に、遠位部分116に沿って所望の可撓性を付与するとともに、他方でトルクを好適に伝達することも可能にする。スロット118は、ここに開示する配置を含む好適な方法で遠位部分116に沿って配置される。例えば、スロット118は、遠位部分116の長さに沿って配置された対向する一対のスロット118として配置される。いくつかの実施形態において、スロット118の隣接するペアは、互いに対して等間隔に配置される。代替的には、隣接するペアの間の間隔は、多様である。例えば、遠位部116のより遠位領域は、狭い間隔を有して(スロットの密度が高い)、高い可撓性を提供する。別の実施形態では、遠位部分116のより遠位領域は、広い間隔を有する(スロットの密度が低い)。これは、単なる例である。その他の配置も考えられる。
圧力センサー120は、シャフト112の内部(例えば、シャフト112の管腔122の内部)に配置される。圧力センサー120は、図2に模式的に示されている。圧力センサー120の構造上の形式や種類は、図1に示した圧力センサーと同様に、様々であってよい。例えば、圧力センサー120には、半導体(シリコンワーファー)圧力センサー、圧電圧力センサー、光ファイバーまたは光圧力センサー、ファブリーペロー型圧力センサー、超音波伝達装置および超音波圧力センサーのうちの少なくともいずれか一方、磁気圧力センサー、固体圧力センサー、またはその他の好適な圧力装置が含まれる。センサー120は、温度センサー等の異なる種類のセンサーである場合もある。
上述したように、圧力センサー120には、光圧力センサーが含まれる。少なくともこれらの実施形態のうちのいくつかにおいて、光ファイバーまたは光ファイバーケーブル124(例えば、マルチモード光ファイバーなど)が、圧力センサー120に取り付けられて、そこから近位方向に延びている。取り付け部材126は、光ファイバー124をシャフト112に取り付ける。取付け部材126は、光ファイバー124の周囲に円周方向に配置され光ファイバー124に取り付けられて、シャフト112(例えば、遠位部分116など)の内周面に固定される。少なくともいくつかの実施形態において、取付け部材126は、圧力センサー120から近位方向に離間して配置される。別の配置も可能である。
少なくともいくつかの実施形態において、遠位部分116は、ハウジング部分152を形成する、薄い壁を有するおよび拡大された内径を有するうちの少なくともいずれか一方である領域を備える。一般的に、ハウジング部分152は、圧力センサー(例えば、圧力センサー120)を収容する遠位部116の領域である。シャフト112の内壁の一部がハウジング部分152で除去されることにより、センサー120を収容する追加的な空間が形成される。
少なくともいくつかの実施形態では、圧力センサー120の側方表面に沿って流体圧力(例えば、血液から)に対する暴露を減らすことは、圧力センサー120にとって望ましい。したがって、ハウジング領域152に沿って形成された接地領域150に沿って圧力センサー120を配置することが望ましい。接地領域150は、スロット118を欠くため、圧力センサー120の表面が、これらの部分において流体圧力によって変形される可能性は少ない。接地領域150の遠位では、ハウジング領域152は、圧力センサー120に流体アクセスを可能にするスロット118を備える。
加えて、スロット118の1つ以上は、血液が、ガイドワイヤ110およびシャフト112のうちの少なくともいずれか一方の外側表面に沿った位置から、スロット118を通過して、シャフト112の内腔の中に流入することを可能にする流体路を形成するため、血液は、圧力センサー120と接触可能になる。このため、圧力の計測の為に、シャフト112に側面に追加的な開口部または孔(例えば、シャフト112の壁を貫通して延びる1つ以上のスロット118または単一スロット118、および圧力ポートまたは開口部のうちの少なくともいずれか1つ)は、必要ない。これにより、遠位部分116の長さは、センサー120に流体をアクセス可能にする好適な開口および孔(例えば、好適な大きい開口部または孔)に対して十分な長さ有することが必要な一般的なセンサーマウント、またはハイポチューブより短くすることができる。
チップ部材130は、遠位部116に連結される。チップ部材130は、成形部材132とバネまたはコイル部材134を含む。遠位チップ136は、成形部材132およびばね134のうちの少なくともいずれか一方に取り付けられる。少なくともいくつかの実施形態において、遠位チップ136は、はんだボールチップの形状を取る。チップ部材130は、溶接などの結合部材146を用いて、シャフト112の遠位部分116に連結される。以降の図面では、圧力検出ガイドワイヤと組み合わせて用いることができるチップ部材を示す。
シャフト112は、親水性のコーティング119を含む。いくつかの実施形態において、親水性のコーティング119は、シャフト112の全長に沿って広がっている。別の実施形態では、シャフト112の1つ以上の離間した部分に親水性コーティング119が含まれる。
使用時には、施術者は、ガイドワイヤ110を用いて、FFRの計測や計算を行う(閉塞部位の前方の圧力および大動脈圧のうちの少なくともいずれか一方に対する血管内部の閉塞部の後方の圧力など)。FFRの計測や計算には、患者の大動脈圧の計測が含まれる。これは、血管または体の管腔154を通過して図3に示した閉塞部156の近位または上流の位置までガイドワイヤ110を前進させることが含まれる。例えば、ガイドワイヤ110は、ガイドカテーテル158を通過してセンサー120の少なくとも一部が、ガイドカテーテル158の遠位端の遠位に配置されるまで前進されて、管腔154内部の圧力を計測する。この圧力は、初期圧力として特徴付けられる。いくつかの実施形態において、大動脈圧は、圧力検出ガイドワイヤやカテーテルなどの別の装置によって計測されることもある。初期圧力は、大動脈圧と等しくされる。例えば、ガイドワイヤ110で計測された初期圧力は、計測された大動脈圧と等しくなるように設定される。ガイドワイヤ110は、図4に示した閉塞部156の遠位、または下流にまでさらに前進され、管腔154内部の圧力が計測される。この圧力は、下流、または遠位圧力として特徴付けられる。遠位圧力と大動脈圧は、FFRを計算するのに使用される。
圧力検出ガイドワイヤにおいて、光圧力センサーを用いるFFRシステムは、蛇行する生体構造に沿って移動される。これには、血管内の比較的堅い曲部を横断することが含まれる。このため、およびその他の理由で、圧力検出ガイドワイヤは、遠位端隣接部などに比較的高い可撓性を有することが望ましい。比較的高い可撓性を有するガイドワイヤにおいては、ガイドワイヤを屈曲することにより、ガイドワイヤの内周面と圧力センサーとの間で接触を引き起こす可能性がある。この接触は、圧力センサーの変化や変形に繋がり、圧力の誤計測を招く可能性がある。したがって、ここに開示する発明は、圧力センサーとガイドワイヤの内周面との間の接触を抑制しうる構造上の特徴を有する圧力検出ガイドワイヤであり、これにより、圧力の誤計測の可能性を低めることができる。
図5〜7は、圧力検出ガイドワイヤの遠位端を形成する遠位キャップの内側など圧力検出ガイドワイヤの遠位端の近傍に配置された圧力センサーを備える圧力検出ガイドワイヤの追加的な例である。図5〜7に示した遠位部材は、図1に示した圧力検出ガイドワイヤ12の遠位部16の少なくとも一部に置換可能である。いくつかの実施形態において、圧力検出ガイドワイヤは、複数のガイドワイヤ上に示されている要素または特徴を、組み合わせること、または組み込むことが可能である。
図5は、圧力検出ガイドワイヤ202の一部を形成する遠位部材200の横断面図である。いくつかの実施形態において、図示のように、遠位部材200は、遠位端206から近位端208まで延びるスロットを有するチューブ204を備える。そして、チューブ204の中に少なくとも部分的に切り込まれた複数のスロット212を備える。スロット212は、チューブ204の可撓性を高めることができる。チューブ204は、一定の外径を有するように示されているが、追加的な可撓性を与える為にテーパを有する場合もある。
コイル214は、チューブ204上に配置される。コイル214は、遠位端216から近位端218まで延びる。図示されていないが、コイル214の少なくとも一部は、コイル214の隣接する巻きの間において流体が移動することを抑制または阻止する為に、ポリマー性のコーティングまたはスリーブを含む。ポリマー性のコーティングまたはスリーブがない場合もある。コイル214は、隣接する巻きの間に間隙がほとんど、あるいは全くなく、密接結合されているように示されているが、所望の程度の可撓性を備えるコイル214を提供する為に、コイル214は、開いた巻きパターン、または様々な巻きパターンを有する場合もある。隣接する巻きの少なくとも一部は、所望のトルク性を備える為に接着剤またはスポット溶接などにより固定される場合もある。上記の例と異なり、コイル214は、チューブ204の内側に配置されてもよい。
遠位キャップ220は、チューブ204およびコイル214のうちの少なくともいずれか一方から遠位方向に延びる。遠位キャップ220は、コイル214の遠位端216に隣接する近位端222を有する。図示したように、チューブ204の遠位端206は、コイル214の遠位端216よりもさらに遠位方向に延びる。しかしながら、いくつかの例では、チューブ204の遠位端206は、コイル214の遠位端216の遠位端と並列する場合もある。いくつかの例では、コイル214の遠位端216は、チューブ204の遠位端206よりも更に遠位方向に延びる。遠位キャップ220は、チューブ204およびコイル214のうちの少なくともいずれか一方に対して接着によって固定されるか、溶接、またははんだ付けされる。
遠位キャップ220は、圧力センサー226を収容するサイズにされた空間部224を形成する。圧力センサー226は、所望の種類の圧力センサーであり、いくつかの場合には、光圧力センサーである、光ファイバーケーブル228は、圧力センサー226から近位方向に、かつチューブ204によって形成される管腔210を通過して延びる。図示のように、遠位キャップ220は、遠位キャップ220の遠位端、または遠位端近傍に配置される端部孔230と、端部孔230の近位に配置された数個の側面孔232を備える。いくつかの例では、側面孔232は、端部孔230または側面の孔232のうちの1つに進入した流体が圧力センサー226を通過して端部孔230または側面孔232の別の孔から流出するように、圧力センサー226の近位に配置される。動脈アプローチの場合には、血液の流れは、近位から遠位方向であるが、静脈アプローチでは、遠位から近位方向である。圧力センサー226を通過して血液が流れることを可能にすることにより、気泡やその他のデブリを取り除く点で有利である。
圧力検出ガイドワイヤ202は、内部を貫通して延びる近位管腔236を形成する近位シャフト234を備える。いくつかの例では、近位シャフト234は、遠位端238と、ポケット240に隣接するショルダー部244と遠位端238内に形成されたポケット240とを含む遠位端238を有する。ポケット240は、ポケット底部242を備える。いくつかの実施形態において、図示のように、チューブ204は、チューブ204の近位端208がポケット底部240に隣接するようにポケット240の中に近位方向に延びる。図示のように、コイル214は、コイル214の近位端218が、ショルダー部244に隣接するように近位方向に延びる。遠位部材200と近位シャフト234との接触は、単なる例示である。
いくつかの実施形態において、光ファイバーケーブル228とチューブ204によって形成される管腔210の内周面との間の間隙は、圧力センサー226が遠位キャップ220の内周面246に接触する可能性を低くなるように遠位キャップ220の内周面246に対して圧力センサー226の径方向の動きを十分に制限することに寄与する。この間隙は、約0.005ミリメートル(mm)〜約0.05mmの間である。いくつかの場合には、この間隙は、近位内腔236の中に延びているが、近位内腔236は、組立を容易にするために、より大きな間隙を形成するサイズにされる場合もある。
いくつかの実施形態において、圧力センサー226と遠位キャップ220の内周面の間の間隙を最小にすることにより、圧力センサー226と遠位キャップ220の内周面246との間の接触可能性を最小にすることが可能である。いくつかの実施形態において、この間隙は、約0.005mm〜約0,1mmの範囲または、約0.01から約0.08mmの間の範囲であり、この距離は、圧力センサー226と遠位キャップ220の内周面246の間の最短距離として計測されたものである。いくつかの場合には、この間隙は、圧力センサー226の外側寸法を変更することによって達成される。いくつかの場合には、遠位キャップ220は、所望の間隙を形成する為に、比較的薄い厚さの壁を有するように選択される。光ファイバーケーブル228の外径と内腔210の内径(チューブ204によって形成される)間の間隙と圧力センサー226間の間隙とを組み合わせることにより、圧力センサー226と遠位キャップ220の内周面246間の偶発的な衝突を防止することができる。
図6は、圧力センサーガイドワイヤ252の遠位部分を形成する遠位部材250の横断面図である。いくつかの実施形態では、図示のように、圧力センサーガイドワイヤ252は、スロットを有するチューブ256を形成する幅狭の遠位部分254を有する近位シャフト251を含む。幅狭の遠位部254は、近位シャフト251と一体形成されて、より幅狭の形状を有するように引き伸ばされ、または処理されて、近位シャフト251の一部をなし、かつ可撓性を高める為に形成された複数のスロット212を備える。いくつかの場合には、幅狭の部分254に隣接して、ショルダー部258が、形成される。チューブ256は、遠位端260に向かって遠位方向に延びてその内部を貫通する管腔210を形成する。チューブ256は、一定の外径を有するように図示してあるが、チューブ256は、追加的な可撓性を与える為にテーパを有する場合もある。
チューブ256の上には、コイル214が配置される。コイル214は、遠位端216から近位端218まで延びる。図示していないが、コイル214の少なくとも一部は、コイル214の隣接する巻きの間で、流体が、移動することを抑制または阻止する為に、ポリマー性のコーティングまたはスリーブを備える。ポリマー性のコーティング、またはスリーブを備えない場合もある。コイル214は、隣接する巻きの間に間隙をほとんど、または全く伴わない状態で、密接結合されているように示されているが、コイル214は、所望のレベルの可撓性を備える為に、開いた巻きパターン、または様々な巻きパターンを有する場合もある。隣接する巻きの少なくとも一部は、所望のトルク性を備える為に、接着剤またはスポット溶接などにより互いに固定される場合もある。上記例と異なり、コイル214は、チューブ256の内側に配置される場合もある。コイル214の近位端218は、近位シャフト251に形成されたショルダー部258に隣接して配置され、任意でこれに固定される。
遠位キャップ220は、チューブ256およびコイル214のうちの少なくとも一方から遠位方向に延びる。いくつかの場合には、遠位キャップ220は、コイル214の遠位端216に隣接する近位端222を有する。いくつかの例では、図示のように、チューブ256の遠位端260は、コイル214の遠位端216よりさらに遠位方向に延びる。しかしながら、チューブ204の遠位端240は、コイル214の遠位端216と並列する場合もある。コイル214の遠位端216は、チューブ256の遠位端260よりもさらに遠位方向に延びる場合もある。遠位キャップ220は、チューブ256およびコイル214のうちの少なくともいずれか一方に接着によって固定されるか、または溶接、またははんだ付けされる。
遠位キャップ220は、圧力センサー226を収容するサイズにされた空間部224を形成する。圧力センサー226は、所望されるどのような圧力センサーであってもよいが、いくつかの場合には、圧力センサー226は、光圧力センサーである。光ファイバーケーブル228は、圧力センサー226から近位方向にチューブ256によって形成される内腔210を通過して延びる。図示のように、遠位キャップ220は、遠位キャップの遠位端、またはその近傍に配置された1個の端部孔230と端部孔230の近位に配置された数個の側面孔232とを備える。側面孔232は、端部孔230または側面孔232の1つに入った流体が圧力センサー226を通過して流れて端部孔230や側面孔232の別の孔から流出するように、圧力センサー226の近位に配置される。動脈アプローチでは、血液は、近位から遠位方向に流れるが、静脈アプローチでは、血液は、遠位から近位方向に流れる。血液が、圧力センサー226を通過して流れるようにすることで、気泡やその他のデブリを除去する点で有利でありうる。
いくつかの実施形態において、図5について説明したように、光ファイバーケーブル228の外径と管腔210の内径(チューブ256によって形成される)の間の間隙は、圧力センサー226が、遠位キャップ220の内周面246に接触する可能性が低くなるように、遠位キャップ220の内周面246に対する圧力センサー226の径方向の動きを十分に制限することができる。圧力センサー226と遠位キャップ220の内周面246の間の間隙は、圧力センサー226と遠位キャップ220間の接触可能性を最小にしうる。
図7は、圧力検出ガイドワイヤ272の遠位部を形成する遠位部材270の横断面図である。いくつかの実施形態では、図示のように、遠位部材270は、遠位端206から近位端208まで延び、かつ内部を通過して延びる管腔210を形成するスロットを有するチューブ204を含む。チューブ204は、チューブ204の中に少なくとも部分的に切り込まれた複数のスロット212を備える。いくつかの場合には、スロット212が、チューブ204の可撓性の向上に寄与する。チューブ204は、一定の外径を有するように示されているが、可撓性をさらに高める為に、テーパを有する場合もある。
チューブ204の上には、コイル214が配置される。コイル214は、遠位端216から近位端218まで延びる。図示されていないが、コイル214の少なくとも一部は、コイル214の隣接する巻き間で流体が移動するのを抑制または阻止する為に、ポリマー性のコーティング、またはスリーブを備える。ポリマー性のコーティング、またはスリーブがない場合もある。コイル214は、隣接する巻き間に間隙がほとんど、または全くない状態で密接結合されたように示されているが、コイル214は、所望の可撓性を備える為に、開いた巻きパターン、または様々な巻きパターンを有してもよい。隣接する巻きの少なくとも一部は、所望のレベルのトルク性を備える為に、接着剤、またはスポット溶接などを用いて互いに固定される場合もある。上記例と異なり、コイル214は、チューブ204の内側に配置されてもよい。
遠位キャップ220は、チューブ204およびコイル214のうちの少なくともいずれか一方から遠位方向に延びる。遠位キャップ220は、コイル214の遠位端216に隣接する近位端222を備える。図示のように、チューブ204の遠位端206は、コイル214の遠位端216よりも遠位方向にさらに延びる場合もある。しかしながら、チューブ204の遠位端206は、コイル214の遠位端216と並列されてもよい。コイル214の遠位端216は、スロットを有するチューブ204の遠位端206よりも更に遠位方向に延びる場合もある。遠位キャップ220は、チューブ204およびコイル214のうちの少なくともいずれか一方に接着によって固定されるか、溶接、またははんだ付けされる。
遠位キャップ220は、圧力センサー226を収容するサイズにされた空間部224を形成する。圧力センサー226は、所望のどのような種類の圧力センサーであってもよく、いくつかの場合には、圧力センサー226は、光圧力センサーである。光ファイバーケーブル228は、圧力センサー226から近位方向にチューブ204によって形成された管腔210を通過して延びる。図示のように、遠位キャップ220は、遠位キャップ220の遠位端、またはその近傍に配置された端部孔230と、端部孔230の近位に配置された数個の側面孔232とを備える。側面孔232は、端部孔230または側面孔232のうちの1つに入った流体が圧力センサー226を通過して流れて端部孔230または側面孔232の別の孔から流出するように、圧力センサー226の近位に配置される。動脈アプローチでは、血液は、遠位から近位方向に流れるが、静脈アプローチでは、血液は、近位から遠位方向に流れる。圧力センサー226を通過して血液が流れるようにすることは、気泡やその他のデブリを除去する点で有効でありうる。
圧力検出ガイドワイヤ272は、内部を貫通して延びる近位管腔280を形成する近位シャフト274を備える。近位シャフト272は、チューブ204の近位端208の周囲に適合して固定するつば部276を含む。つば部276は、コイル214の近位端218が対面して固定される遠位表面278を有する。
いくつかの実施形態では、図5の例について説明したように、光ファイバーケーブル228の外径と管腔210の内径(チューブ204によって形成される)間の間隙は、圧力センサー226が遠位キャップ220の内周面246に接触する可能性が低くなるように、遠位キャップ220の内周面246に対して圧力センサー226の径方向の動きを十分に制限することに寄与する。圧力センサー226と遠位キャップ220の内周面246の間の間隙は、圧力センサー226と遠位キャップ220の内周面246間の接触可能性を最小にしうる。
図5〜7は、図1に示したガイドワイヤ10などの、ガイドワイヤの遠位端、またはその近傍に圧力センサーを配置する構成にされた遠位部材の例であるが、これは限定例ではない。図8〜9は、図2に示したガイドワイヤ110のように、より近位の位置に圧力センサーを配置する遠位部材の特別な例である。図8〜9に示された遠位部材は、図2に示された圧力検出ガイドワイヤ112の遠位部116の少なくとも一部と置換可能である。いくつかの実施形態において、圧力検出ガイドワイヤは、複数のガイドワイヤ上に示されている要素、または特徴を、組み合わせること、または組み込むことが可能である。
図8は、圧力検出ガイドワイヤ302の遠位部分を形成する遠位部材400の横断面図である。近位シャフト304は、近位シャフト304と遠位部材300の間に配置されると考えられるセンサーハウジング306の中に終わる。センサーハウジング306は、圧力検出ガイドワイヤ302の内径が拡大された部分を指す場合もある。圧力センサー308は、センサーハウジング306の内部に配置される。圧力センサー308は、どのような圧力センサーであってもよいが、圧力センサー308が、光圧力センサーの場合には、圧力センサー308は、圧力センサー308から近位方向に延びる光ファイバーケーブル310に接続される。
いくつかの実施形態では、遠位部材300は、大部分が空洞であると考えられる。圧力検出ガイドワイヤ302は、非外傷性チップ314に向かって遠位方向に延びる管状遠位シャフト312を含む。図示のように、管状遠位シャフト312は、センサーハウジング306の近傍から管状遠位シャフト312の遠位端318まで延びる螺旋カット316を備える。螺旋カット316は、遠位部材300の外側を流れる血液が、遠位部材300の内側に流れ込んでセンサーハウジング306や圧力センサー308に到達することができるサイズにされる。図示されていないが、センサーハウジング306は、動脈アプローチをとるか、静脈アプローチをとるかに依存して、センサーハウジング306に血液が出入りすることを可能にする1つ以上の孔を備える。
いくつかの実施形態では、遠位部材300は、これに限定されるものではないが、プラチナコイルなどの放射線不透過性コイル320をさらに備える。これにより、施術中の圧力検出ガイドワイヤ302の可視性を高めることができる。遠位部材300は、放射線不透過性充填剤を含むポリマー性のコーティングを備える場合もある。
図9は、圧力検出ガイドワイヤ332の遠位部分を形成する遠位部材330の横断面図である。近位シャフト334は、近位シャフト334と遠位部材330の間に配置されると考えられるセンサーハウジング336の中に終わる。いくつかの場合には、センサーハウジング336は、圧力検出ガイドワイヤ332の内径が拡大された部分である。圧力センサー308は、センサーハウジング336の内部に配置される。圧力センサー308は、どのような圧力センサーであってもよいが、いくつかの場合には、圧力センサー308は、光圧力センサーであり、圧力センサー308は、圧力センサー308から延びる光ファイバーケーブル310に接続される。
いくつかの実施形態において、遠位部材330は、大部分が空洞であると考えられる。圧力検出ガイドワイヤ332は、センサーハウジング336から非外傷性チップ340まで延びるコイル338を含む。コイル338は、密接結合された近位部分342と、緩く結合された遠位部分344とを含む。緩く結合された部分344は、隣接する巻き間に遠位部材330の外側から遠位部材330の内側に血液が流れ込むのに十分な間隙を備える。流れる方向、つまり血液が、緩く結合された遠位部分344を通過して出るのか、あるいは入るのかは、動脈アプローチをとるか静脈アプローチをとるかに依存する。センサーハウジング336は、血液が通過して流れるのを可能にする1つ以上の孔354を備える。
いくつかの実施形態では、遠位部材330は、緩く結合された遠位部分344を通過して非外傷性チップ340まで遠位方向に延びる成形リボン346を含む。スロットを有するチューブ348は、コイル338の内側に配置されてセンサーハウジング336から遠位方向に延びる。チューブ348は、チューブ348の遠位端352に向かってカット角度が大きくなる螺旋カット350を備える。成形リボン346は、チューブ348の遠位端352の位置、またはその近傍から遠位方向に延びる。
図10〜20は、図2に示したガイドワイヤ110のように、圧力センサーをより近位の位置に有する遠位部材の追加的な例である。図10〜28に示した遠位部材は、図2に示した圧力検出ガイドワイヤ112の遠位部116の少なくとも一部と置換可能である。いくつかの実施形態において、圧力検出ガイドワイヤは、複数のガイドワイヤ上に示した要素、または特徴を組み合わせること、または組み込むことが可能である。
図10は、圧力検出ガイドワイヤ362の遠位部分を形成する遠位部材360の横断面図である。近位シャフト364は、近位シャフト364と遠位部材36の間に配置されると考えられるセンサーハウジング366に終わる。いくつかの場合には、検出ハウジング366は、圧力検出ガイドワイヤ362の内径が拡大された部分である。圧力センサー368は、センサーハウジング366の内部に配置される。圧力センサー368は、どのような圧力センサーでもあってよいが、圧力センサー368が光圧力センサーの場合には、圧力センサー368は、圧力センサー368から近位方向に延びる光ファイバーケーブル370に接続される。明示的に示されてはいないが、遠位部材360およびセンサーハウジング366のうちの少なくともいずれか一方は、血液がセンサーハウジング366に出入り可能にする1つ以上の孔を備える。
テーパコア372は、センサーハウジング366から遠位方向に、非外傷性チップ374に向かって遠位方向に延びる。図示のように、テーパコア372は、1つのテーパ部376と1つの直線部378とを有するが、別の実施形態では、テーパコア372は、所望に応じて1つ以上のテーパ部と1つ以上の直線部とを備えることも可能である。遠位部材360は、ポリマー性のカバー382の内部に少なくとも部分的に包まれたコイル380を備える。ポリマー性カバー382は、放射線不透過性充填剤を含むが、これは、必ずしも全ての実施形態に必要とされるものではない。
図11は、圧力検出ガイドワイヤ392の遠位部分を形成する遠位部材390の横断面図である。近位シャフト394は、近位シャフト394と遠位部材390の間に配置されると考えられるセンサーハウジング396に終わる。いくつかの場合には、センサーハウジング396は、圧力検出ガイドワイヤ392の内径が拡大された部分である。圧力センサー398は、センサーハウジング396の内部に配置される。圧力センサー398は、どのような圧力センサーであってもよいが、圧力センサー398が光圧力センサーである場合には、圧力センサー398は、圧力センサー398から近位方向に延びる光ファイバーケーブル400に接続される。センサーハウジング396は、センサーハウジング396に血液が出入りできるようにするために、圧力センサー398の遠位側面に配置されたひとつ以上の孔402と圧力センサー398の近位側面に配置されたひとつ以上の孔404とを備える。上述したように、血液の流れる方向は、動脈アプローチをとるか、静脈アプローチをとるか、に部分的に依存する。
遠位部材390は、ポリマー性または金属製のシャフト406を含んでセンサーハウジング396から遠位方向に延びる。いくつかの実施形態において、テーパコア408は、シャフト406を通過して非外傷性チップ410まで延びる。コイル412は、テーパコア408の上に配置されてシャフト406から遠位端チップ410まで延びる。センタリングコイル(centering coil)414は、テーパコア408の近位端416に配置される。
図12は、圧力検出ガイドワイヤ422の遠位部分を形成する遠位部材420の横断面図である。近位シャフト394は、近位シャフト394と遠位部材420の間に配置されると考えられるセンサーハウジング396に終わる。いくつかの場合には、センサーハウジング396は、圧力検出ガイドワイヤ422の内径が拡大された部分である。圧力センサー398は、センサーハウジング396の内部に配置される。圧力センサー398は、どのような圧力センサーであってもよいが、圧力センサー398が光圧力センサーである場合には、圧力センサー398は、圧力センサー398から近位方向に延びる光ファイバーケーブル400に接続される。センサーハウジング396は、センサーハウジング396に血液が出入りできるようにするために、圧力センサー398の遠位側に配置される1つ以上の孔402と、圧力センサー398の近位側に配置される1つ以上の孔404とを備える。上述したように、血液の流れは、動脈アプローチをとるか、静脈アプローチをとるか、に部分的に依存する。遠位部材420は、センサーハウジング396から遠位方向に延びる。いくつかの実施形態では、テーパコア424は、センサーハウジング396から遠位方向に延びる。内側コイル426は、テーパコア424上に配置されて、センサーハウジング396の中に近位方向に延びる。外側コイル428は、内側コイル426上に配置されて、はんだ、溶接、または接着剤のうちの1つ以上を含む遠位構造430に向かって遠位方向に延びる。
図13は、圧力検出ガイドワイヤ442の遠位部分を形成する遠位部材440の横断面図である。近位シャフト394は、近位シャフト396と遠位部材440の間に配置されると考えられるセンサーハウジング396に終わる。いくつかの場合には、センサーハウジング396は、圧力検出ガイドワイヤ442の内径が拡大された部分である。圧力センサー398は、センサーハウジング396の内部に配置される。圧力センサー398は、どのような圧力センサーであってもよいが、圧力センサー398が、光圧力センサーである場合には、圧力センサー398は、圧力センサー398から近位方向に延びる光ファイバーケーブル400に接続される。センサーハウジング396は、センサーハウジング396に血液が出入りできるようにするために、圧力センサー396の遠位側に配置された1つ以上の孔402と、圧力センサー398の近位側に配置された1つ以上の孔404とを備える。上述したように、血液の流れる方向は、動脈アプローチをとるか、静脈アプローチをとるか、に部分的に依存する。遠位部材440は、非外傷性チップ442に向かって遠位方向に延びるスロットを有するチューブ331を含む。非外傷性チップ442をスロットを有するチューブ441に固定する為に、接着剤またはポリマー性のアセンブリ444が用いられうる。コア部材446は、コア部材446上ではあるがチューブ441の内部ではない位置に配置された螺旋カットチューブ448と共に、チューブ441の内部に延びる。
図14は、圧力検出ガイドワイヤ452の遠位部分を形成する遠位部材450の横断面図である。近位シャフト394は、近位シャフト394と遠位部材450との間に配置されると考えられるセンサーハウジング396に終わる。いくつかの場合には、センサーハウジング396は、圧力検出ガイドワイヤ452の内径が拡大された部分である。圧力センサー398は、センサーハウジング396の内側に配置される。圧力センサー398は、どのような圧力センサーであってもよいが、圧力センサー398が光圧力センサーである場合には、圧力センサー398は、圧力センサー398から近位方向に延びる光ファイバーケーブル400に接続される。センサーハウジング396は、センサーハウジング396に血液が出入りできるようにする為に、圧力センサー398の遠位側に配置された複数の孔402と、圧力センサー398の近位側に配置された複数の孔404とを備える。上述したように、血液の流れる方向は、動脈アプローチをとるか、静脈アプローチをとるか、に部分的に依存する。コア454は、センサーハウジング396から遠位方向に延びる。コア454は、自身の上を反回して延びてコア454の上を延びるコイル456を形成する為に結合される。コイル456は、独立して形成され、その後コア454に取り付けられてもよい。
図15は、圧力検出ガイドワイヤ462の遠位部分を形成する遠位部材460の横断面図である。近位シャフト394は、近位シャフト394と遠位部材460との間に配置されると考えられるセンサーハウジング396に終わる。いくつかの場合には、センサーハウジング396は、圧力検出ガイドワイヤ462の内径が拡大された部分である。圧力センサー398は、センサーハウジング396の内部に配置される。圧力センサー398は、どのような圧力センサーであってもよいが、圧力センサー398が光圧力センサーである場合には、圧力センサー398は、圧力センサー398から近位方向に延びる光ファイバーケーブル400に接続される。センサーハウジング396は、センサーハウジング396に血液が出入りできるようにする為に、圧力センサー398の遠位側に配置された1つ以上の孔402と、圧力センサー398の近位側に配置された1つ以上の孔404とを備える。上述したように、血液の流れは、動脈アプローチをとるか、静脈アプローチをとるか、に部分的に依存する。コア464は、センサーハウジング396から遠位方向に延びる抜き打ちされた部分を含むいくつかの異なる形状の横断面を有しうる。コイル466は、コア464上を延びる。
図16は、圧力検出ガイドワイヤ472の遠位部分を形成する遠位部材470の横断面図である。近位シャフト394は、近位シャフト394と遠位部材470との間に配置されると考えられるセンサーハウジング396に終わる。いくつかの場合には、センサーハウジング396は、センサーハウジング396の内径が拡大された部分である。圧力センサー398は、センサーハウジング396の内部に配置される。圧力センサー398は、どのような圧力センサーであってもよいが、圧力センサー398が光圧力センサーである場合には、圧力センサー398は、圧力センサー398から近位方向に延びる光ファイバーケーブル400に接続される。センサーハウジング396は、センサーハウジング396に血液が出入りできるようにする為に、圧力センサー398の遠位側に配置された1つ以上の孔402と、圧力センサー398の近位側に配置された1つ以上の孔404とを備える。上述したように、血液の流れる方向は、動脈アプローチをとるか、静脈アプローチをとるか、に部分的に依存する。図15のコア464に類似する形状を有するコア474は、センサーハウジング396から非外傷性チップ476まで遠位方向に延びる。ポリマー性のシース478が、コア474を包んでいる場合もある。
図17は、圧力検出ガイドワイヤ482の遠位部分を形成する遠位部材480の横断面図である。近位シャフト394は、近位シャフト394と遠位部材480との間に配置されると考えられるセンサーハウジング396に終わる。いくつかの場合には、センサーハウジング396は、圧力検出ガイドワイヤ482の内径が拡大された部分である。圧力センサー396は、センサーハウジング396の内部に配置される。圧力センサー398は、どのような光圧力センサーであってもよいが、圧力センサー398が光圧力センサーである場合には、圧力センサー398は、圧力センサー398から近位方向に延びる光ファイバーケーブル400に接続される。センサーハウジング396は、センサーハウジング396に血液が出入りできるようにするために、1つ以上の孔を備える(図示略)。上述したように、血液が流れる方向は、動脈アプローチをとるか、静脈アプローチをとるか、に部分的に依存する。コイル484は、センサーハウジング396から非外傷性チップ486まで遠位方向に延びる。リボン支持体488は、非外傷性チップ486に向かって遠位方向に延びて、中央リング490に固定され、図示のように、安定化のためにいくつかの追加のリボン支持体を備える。
図18は、圧力検出ガイドワイヤ502の遠位部分を形成する遠位部材500の横断面図である。近位シャフト394は、近位シャフト394と遠位部材500との間に配置されると考えられるセンサーハウジング396に終わる。いくつかの場合には、センサーハウジング396は、圧力検出ガイドワイヤ502の内径が拡大された部分である。圧力センサー398は、センサーハウジング396の内部に配置される。圧力センサー398は、どのような圧力センサーであってもよいが、圧力センサー398が、光圧力センサーである場合には、圧力センサー398は、圧力センサー398の近位方向に延びる光ファイバーケーブル400に接続される。センサーハウジング396は、センサーハウジング396に血液が出入りできるようにするために、1つ以上の孔を備える(図示略)。上述したように、血液の流れる方向は、動脈アプローチをとるか、静脈アプローチをとるか、に部分的に依存する。中空の円錐状コア部材490は、センサーハウジング396の幅が狭くされた部分488から非外傷性チップ486まで遠位方向に延びる。コイル484は、コア部材490と非外傷性チップ486間に延びる。
図19は、圧力検出ガイドワイヤ512の遠位部分を形成する遠位部材510の横断面図である。近位シャフト394は、近位シャフト394と遠位部材510との間に配置されると考えられるセンサーハウジング396に終わる。いくつかの場合には、センサーハウジング396は、圧力検出ガイドワイヤ512の内径が拡大された部分である。圧力センサー398は、センサーハウジング396の内部に配置される。圧力センサー398は、どのような圧力センサーであってもよいが、圧力センサー398が、光圧力センサーである場合には、圧力センサー398は、圧力センサー398から近位方向に延びる光ファイバーケーブル400に接続される。センサーハウジング396は、センサーハウジング396に血液が出入りできるようにするために、1つ以上の孔を備える(図示略)。上述したように、血液の流れる方向は、動脈アプローチをとるか、静脈アップローチをとるか、に部分的に依存する。テーパ付コア部材514は、センサーハウジング396から非外傷性チップ516まで遠位方向に延びる。コイル518は、センサーハウジング396と非外傷性チップ516間に延びる。ポリマー性スリーブ520は、テーパ付コア部材514とコイル518との上に配置される。
図20は、遠位部材520の近位部分の内部に圧力センサー398と光ファイバーケーブル400とを収容する遠位部材520の横断面図である。遠位部材520は、非外傷性チップ524と近位シャフト394の間に延びるコイル522を含む。図示のように、コイル522は、遠位部材520の可撓性の調節に使用される1つ以上の溶接スポット526を含む。より高い剛性が求められる場合には、使用される溶接スポット526は多くなる。より低い剛性が求められる場合には、使用される溶接スポット526は少なくなる。コイル522は、コイル522の隣接する巻きが互いに近接している近位部分528と、コイル522の隣接する巻きの少なくとも一部が、血液が通過して流れるように十分に離間されている遠位部分520とを有する。血液の移動を可能にするために、圧力センサー398の近位部分には、1つ以上の孔532が配置される。血液が流れる方向は、動脈アプローチをとるか、静脈アプローチをとるか、に依存する。成形リボン534が、近位シャフト394から非外傷性チップ524まで延びる場合もある。
図21〜28は、圧力センサーの遠位に配置される特別なスプリングチップを有する遠位部材の追加的な例である。図21〜28示した遠位部材は、図2に示した圧力検出ガイドワイヤ112の遠位領域116の少なくとも一部と置換可能である。いくつかの実施形態では、圧力検出ガイドワイヤは、複数のガイドワイヤ上に示した要素、または特徴を組み合わせること、または組み込むことができる。
図21は、センサーハウジング544の遠位方向に延びるスプリングチップ542を含む遠位部材540の横断面図である。センサーハウジング544は、光圧力センサー546から近位方向に延びる光ファイバーケーブル548に接続された光圧力センサー546を含む。近位シャフト(図示略)の遠位端として形成されたセンサーハウジング544は、遠位端550を有する(図示略)。図示のように、スプリングチップ542は、遠位端550から遠位方向に延びる短い外側コイル552と、センサーハウジング544の中に近位方向に延びて非外傷性チップ556まで遠位方向に延びるより長い内側コイル554とを含む。いくつかの実施形態では、成形リボン558は、内側コイル554の内側に延びる。
図22は、センサーハウジング544から遠位方向に延びるスプリングチップ562を含む遠位部材560の横断面図である。センサーハウジング544は、光圧力センサー546から近位方向に延びる光ファイバーケーブル548に接続された光圧力センサー546を備える。近位シャフト(図示略)の遠位端として形成される(図示略)センサーハウジング544は、遠位端550を有する。図示のように、スプリングチップ562は、遠位端550から遠位方向に延びる短い外側コイル552を含む。いくつかの実施形態では、テーパ付コイル574は、センサーハウジング544から非外傷性チップ556まで遠位方向に延びる。より長い内側コイル554は、テーパ付コア574のテーパ部576から遠位方向に非外傷性チップ556に向かって延びる。
図23は、センサーハウジング544から遠位方向に延びるスプリングチップ572を含む遠位部材570の横断面図である。センサーハウジング544は、光圧力センサー546から近位方向に延びる光ファイバーケーブル548に接続された光圧力センサー546を含む。近位シャフト(図示略)の遠位端として形成されるセンサーハウジング544は、遠位端550を備える。図示のように、スプリングチップ572は、遠位端550から遠位方向に延びる短い外側コイル552を含む。いくつかの実施形態では、テーパ付コア574は、センサーハウジング544から非外傷性チップ556まで遠位方向に延びる。より長い内側コイル554は、テーパ付コア574のテーパ部576から遠位方向に非外傷性チップ556に向かって延びる。
図24は、センサーハウジング544から遠位方向に延びるスプリングチップを含む遠位部材580の横断面図である。センサーハウジング544は、光圧力センサー546から近位方向に延びる光ファイバーケーブル548に接続された光圧力センサー546を含む。近位シャフト(図示略)の遠位端として形成されるセンサーハウジング544は、遠位端550を有する(図示略)。図示のように、スプリングチップ582は、センサーハウジング544の遠位端550から非外傷性チップ586まで延びる外側コイル584を含む。内側コイル588は、外側コイル584の内部に延びる。いくつかの実施形態では、成形リボン590が内側コイル588の内側に延びる。
図25は、センサーハウジング544から遠位方向に延びるスプリングチップ602を含む遠位部材600の横断面図である。センサーハウジング544は、光圧力センサー546から近位方向に延びる光ファイバーケーブル548に接続された光圧力センサー546を含む。近位シャフト(図示略)の遠位端として形成されるセンサーハウジング544は、遠位端550を有する(図示略)。図示のように、スプリングチップ602は、センサーハウジング544の遠位端550から非外傷性チップ586まで延びる外側コイル584を有する。内側コイル588は、外側コイル584の内部に延びる。いくつかの実施形態では、テーパ付コア604は、内部コイル588の内側に延びる。
図26は、センサーハウジング544から遠位方向に延びるスプリングチップ612を含む遠位部材610の横断面図である。センサーハウジング544は、光圧力センサー546から近位方向に延びる光ファイバーケーブル548に接続された光圧力センサー546を含む。近位シャフト(図示略)の遠位端として形成されるセンサーハウジング544は、遠位端550を有する。図示のように、スプリングチップ612は、非外傷性チップ620に向かって遠位方向に延びるテーパ付コア614を含む。内側コイルは、テーパ付コア614のテーパ部分622から遠位方向に延びて、非外傷性チップ620に固定される。外側コイル618は、センサーハウジング544の遠位端550から延びて、外傷性チップ620に固定される。
図27は、センサーハウジング544から遠位方向に延びるスプリングチップ632を含む遠位部材630の横断面図である。センサーハウジング544は、光圧力センサー546から近位方向に延びる光ファイバーケーブル548に接続された光圧力センサー546を含む。近位シャフト(図示略)の遠位端として形成されるセンサーハウジング544は、遠位端550を有する。図示のように、スプリングチップ632は、センサーハウジング544の遠位端550から非外傷性チップ636まで遠位方向に延びるコイル634を含む。スロットを有するチューブ638は、コイル634の内側に延び、成形リボン640は、チューブ638の内側に延びる。
図28は、センサーハウジング544から絵に方向に延びるスプリングチップ652を有する遠位部材650の横断面図である。センサーハウジング544は、光圧力センサー546から近位方向に延びる光ファイバーケーブル548に接続された光圧力センサー546を含む。近位シャフト(図示略)の遠位端として形成されるセンサーハウジング544は、遠位端550を有する。図示のように、スプリングチップ652は、センサーハウジング544の遠位端550から非外傷性チップ636まで遠位方向に延びるコイル634を含む。チューブ638は、コイル634の内側に延びる。テーパ付コア654は、チューブ638の内側に配置されて、非外傷性チップ636に向かって遠位方向に延びる。
圧力検出ガイドワイヤ及びその構成要素の構成要素に用いられる材料には、医療装置に一般に対応する材料が含まれる。簡潔化の為に、以下の説明は、ガイドワイヤ10,110のシャフト12,112とその他の構成要素について行う。しかしながら、これは、ここで説明した装置や方法を限定することを意図したものではない。説明は、本明細書で説明したその他の管状部材や管状部材の構成要素または装置にも適用される。
シャフト12,112は、金属、金属合金、ポリマー(これらのうちいくつかの例を以下に説明する)、金属‐ポリマー合成物、セラミックス、これらの組み合わせなど、またはその他の好適な材料から形成される。好適な金属と金属合金の例には、ステンレス鋼、例えば、304V,304L,316LVステンレス鋼、軟鋼、線形弾性ニチノールおよび超弾性ニチノール等のニッケル‐チタン合金、ニッケル‐クロム‐モリブデン合金(例えば、INCONEL(登録商標)625などのUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C−22(登録商標)などのUNS:06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)などのUNS:N10276、その他のHASTELLOY(登録商標))、ニッケル‐銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400, NICKELVAC(登録商標)400, NICORROS(登録商標)400などのUNS:N04400)、ニッケル‐コバルト‐クロム-モリブデン合金(例えば、MP35‐N(登録商標)UNS:R30035)、ニッケル‐モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)などのUNS:N10665)、その他のニッケル‐クロム合金、その他のニッケル‐モリブデン合金、その他のニッケル‐コバルト合金、その他のニッケル‐鉄合金、その他のニッケル‐銅合金、その他のニッケル‐タングステン合金、またはタングステン合金などのニッケル合金、コバルト‐クロム合金、コバルト‐クロム‐モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標),PHYNOX(登録商標)などのUNS:R30003)、プラチナ富化ステンレス鋼、チタニウム、これらの組み合わせ、またはその他の好適な材料が含まれる。
ここで示唆されるように、「線形弾性」または「非超弾性」と呼ばれるカテゴリーは、市場で入手可能なニッケル‐チタン、またはニッケル合金のグループに入る。これらは、化学的には、従来の形状記憶性材料や、超弾性材料と類似しているが、異なる機械的特性や有用な機械的特性を示す。線形弾性や非超弾性ニチノールは、線形弾性や非超弾性ニチノールが、ストレス/ひずみ曲線において、超弾性ニチノールのように、「超弾性プラトー」または「フラッグ領域」を示さない点で超弾性ニチノールと異なる。線形弾性や非超弾性ニチノールは、そのかわり、回復可能なひずみが増大するにつれて、ストレスが、ほぼ線形に、または幾らか線形に上昇し続けるが、必ずしも樹脂が変形し始めるまでずっと線形関係にあるということや、超弾性ニチノールで見られるも超弾性プラトーやフラッグ領域でより線形関係にあるということではない。したがって、本願の発明の目的に対しては、線形弾性や非超弾性ニチノールは、ほぼ線形弾性や非超弾性ニチノールと呼んでもよい。
線形弾性や非超弾性ニチノールは、線形弾性や非超弾性ニチノールが弾性を保持しつつ約2〜5%まで歪みを許容することができる(例えば、可塑性に変形するまで)が、超弾性ニチノールは、可塑的に変形するまでに約8%まで歪を許容することができる点で異なる。これらの材料の双方は、可塑性に変形する前に約0.2〜0.44%しか歪みを許容しえないステンレス鋼(組成に基づいても判別することができる)などのその他の線形弾性材料と判別することが可能である。
いくつかの実施形態において、線形弾性や非超弾性ニッケル‐チタン合金は、広い温度域に亘り、示差走査熱量測定法(DSC)やダイナミック金属熱分析(DMTA)によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化を示さない合金である。いくつかの実施形態では、線形弾性、および/または非超弾性ニッケル‐チタン合金では、約−60度から約120度の範囲において、DSCやDMTA分析によって検出できるマルテンサイト/オーステナイト相変化はない。これらの材料の機械的な屈曲特性は、非常に広い温度域に亘る温度の影響に対して不活性である。いくつかの実施形態では、環境温度、または室温における線形弾性や非超弾性ニッケル‐チタン合金の機械的曲げ特性は、超弾性プラトーやフラッグ領域を示さないという点で、体温における曲げ特性とほぼ等しい。言い換えれば、広い温度域に亘って、線形弾性や非超弾性ニッケル‐チタン合金は、その線形弾性や非超弾性を維持する。
いくつかの実施形態において、線形弾性や非超弾性ニッケル‐チタン合金は、約50〜約60重量パーセントの範囲がニッケルであり、残りは主にチタンである。いくつかの実施形態において、成分は、約54〜約57重量パーセントの範囲がニッケルである。好適なニッケル‐チタン合金の例は、日本の神奈川県にある古河テクノマテリアル株式会社から入手可能なFHP−NT合金である。ニッケルチタン合金の例は、引用により、ここに援用する米国特許第5,238,004号明細書、米国特許第6,508,803号明細書に開示されている。その他の好適な材料には、Neo‐Matrics社から入手可能なULTANIUM(登録商標)とトヨタ社から入手可能なGUM METAL(登録商標)がある。その他の実施形態では、超弾性合金、例えば、超弾性ニチノールが所望の特性を得る為に使用される。
少なくともいくつかの実施形態において、シャフト12,112の一部、または全体は、放射線不透過性材料でドープされ、または形成され、または含む。放射線不透過性材料は、医療施術の最中に、蛍光スクリーン、または別の画像化技術上に相対的に明るい画像を形成することができる材料であると考えられる。この相対的に明るい画像により、ガイドワイヤ10,110の使用者は、その位置を特定することができる。放射線不透過性材料の例には、これらに限定されるものではないが、金、プラチナ、パラジウム、タンタラム、タングステン合金、放射線不透過性充填剤を添加したポリマー材料などが含まれる。加えて、その他の放射線不透過性の標識バンドやコイルをガイドワイヤ10,110の設計に取り入れても同一の効果が得られる。
いくつかの実施形態において、磁気共鳴映像法(MRI)適合性が、ガイドワイヤ10,110の中に付加される。シャフト12,112またはこれらの一部は、画像を歪め、アーティファクト(例えば、画像中のギャップ)を形成しない材料から形成される。ある強磁性体材料は、MRI画像にアーティファクトを生じる為に適さない。シャフト12,112、またはこれらの一部もMRI装置が画像化可能な材料で形成される。これらの特性を示す材料には、タングステン、コバルト‐クロム‐モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、 PHYNOX(登録商標)等のUNS:R30003)、ニッケル‐コバルト‐クロム‐モリブデン合金(例えば、MP35−N(登録商標)などのUNS:R30035)、ニチノールなどが含まれる。
ガイドワイヤ12,110に平坦な外側表面を形成するシースまたはカバー(図示略)が、シャフト12,112の一部、または全体に配置される。しかしながら、別の実施形態では、このようなシース、またはカバーは、ガイドワイヤ10,110の一部には無いため、シャフト12,112が外側表面を形成する。シースは、ポリマー、またはその他の好適な材料で形成される。好適なポリマーの材料には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(ETFE),フッ化エチレンプロピレン(FEP),ポリオキシメチレン(POM,例えば、DuPont社から入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP),ポリビニルクロライド(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSMEnginerringPlastics社から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテルまたはエーテルをベースとした共重合体(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタル酸エステルやDuPont社から入手可能なHYRTREL(登録商標)などのポリエステルエラストーマー)、ポリアミド(例えば、Bayer社から入手可能なDURETHAN(登録商標)、またはElfAtochem社から入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(例えばPEBAX(登録商標)という登録商標で入手可能なPEBA)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、シリコン、ポリエチレン(PE)、マーレックス高密度ポリエチレン、マーレックス低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI).ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン‐12(例えば、EMSAmericanGrilon社から入手可能なGRILAMID(登録商標))、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリビニリデンクロライド(PVdC)、ポリ(スチレン‐b‐イソブチレン‐b−スチレン)(例えば、SIBSやSIBS50A)、ポリカーボネート、イオノマー、生体適合性ポリマー、その他の好適な材料または、混合物、組み合わせ、これらの共重合体、ポリマー/金属合成物、などが含まれる。いくつかの実施形態において、シースは、液晶ポリマー(LCP)と混合される。混合物は、最大約6%のLCPを含有することができる。
いくつかの実施形態において、シャフト12,112の外側表面を含むガイドワイヤ10,110の外側表面は、サンドブラスト、またはビーズブラスト、または重炭酸ナトリウムブラスト、または電気研磨される。上記および別の実施形態において、コーティング、例えば、潤滑性、親水性、保護性、またはその他のコーティングが、シースの一部または全体、またはシャフト12,112の一部にシースが無い実施形態では、ガイドワイヤ10、110のその他の部分に施される。代替的には、シースは、潤滑性、親水性、保護性、またはその他の種類のコーティングからなる。フッ素重合体などの疎水性のコーティングは、乾燥性潤滑性を付与してガイドワイヤの操作性や装置の交換性を向上させる。潤滑性のコーティングは、操作性を高めて傷口を横断しやすくする。好適な潤滑性ポリマーには、当該技術分野で公知であり、シリコンやその類似物、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアリレンオキシド(polyarylene oxides)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース(hydroxy alkyl cellulosics)、アルギン(algins)、サッカライド、カプロラクトンなどの親水性ポリマーが含まれる。親水性ポリマーは、親水ポリマー、または一定量の水に不溶の成分(いくつかのポリマーを含む)とともに混合されて、好適な潤滑性と、結合性と、溶解性を有するコーティングを形成する。このようなコーティングと、材料と、コーティングを形成する方法の別例は、ここで引用により援用する、米国特許第6,139,510号明細書と米国特許第5,772,609号明細書に開示されている。
コーティングやシースは、被覆すること、噴出すること、共噴出すること、共噴出中断層(ILC:interupted layer co−extrusion)、またはいくつかの部分の端部と端部とを融合することによって形成される。層は、均一、または近位端から遠位端に向かって剛性が徐々に低下する剛性を有する。剛性が徐々に低下する層は、ILCによって形成された場合には、連続性をなすが、個別に噴出された管状部分を融合することによって形成された場合には、段階的である。外側の層は、放射線を用いた可視化を容易にするために、放射線不透過性充填剤が含有される。当業者であれば、このような材料は、本願発明の範囲から逸脱することなく、変更することができることが理解しうる。
上述したものに追加的にまたは代替的に、様々なスロットの配列や構成の実施形態が使用可能である。簡潔化のために、以下の説明は、ガイドワイヤ10,110、スロット54,118、およびシャフト12,112について行う。しかしながら、これらの変更形態は、別のスロットや管状部材にも使用することができる。いくつかの実施形態において、スロット54,118の少なくとも一部は、シャフトの長軸との関係において同一または類似の角度で配置される。上述したように、スロット54,118は、鉛直方向、またはほぼ鉛直方向の角度で配置され、シャフトの長軸に対して直交する平面に配置されることを特徴とする。しかしながら、別の実施形態では、スロット54,118は、鉛直でない角度で配置され、シャフト12,112の長軸に対して直交しない平面に配置されることを特徴としうる。加えて、1つ以上のスロット54、118から成る一群のスロットは、1つ以上のスロット54,118からなる別の一群のスロットに対して異なる角度で配置されてもよい。スロット54,118の配置や構成には、適当な程度において、ここに引用することによりその全てを援用する、米国特許出願公開第2004/0181174号明細書に開示されたものが含まれる。
スロット54、118は、好適なトルク伝達特性を可能にしつつ、シャフト12、112の可撓性を向上させる為に設けられる。スロット54,118は、1つ以上のリングやチューブセグメントがシャフト12,112に形成された1つ以上のセグメントや梁によって相互に連結され、かつ、チューブセグメントと梁とが、スロット54,118がシャフト12、112の本体に形成された後に残るシャフト12,112の部分を含むように形成される。このような相互連結構造は、所望の横方向の可撓性を保ちつつ、比較的高いねじり強度を保持するように機能する。いくつかの実施形態において、隣接するスロット54、118の一部は、シャフト12,112の各周囲に重複部分を含むように形成される。別の実施形態では、隣接するスロット54,112の一部は、必ずしも互いに重複するように配置されていないが、所望の程度の横方向の可撓性に寄与するパターンをなすように配置される。
加えて、スロット54、118は、所望の特性を達成する為にシャフト12、112の長さに沿って、またはその円周囲に沿って配置される。隣接するスロット54,118、または一群のスロットは、シャフト12,112の円周囲の対向する側に等しく配置されるなどにより、対称性のパターンで配置され、またはシャフト12,112の軸周囲に互いに対してある角度で配置される。加えて、隣接するスロット54、118、または一群のスロットは、シャフト12、112の長さに沿って等間隔で配置され、または上昇密度または下降密度パターンで配置され、または非対称性または不規則なパターンで配置される。スロットのサイズ、形状、およびスロットのシャフト12,112の長軸に対する角度のうちの少なくともいずれか1つなどのその他の特性は、可撓性やその他の性質を変更する為に、シャフト12,112の長さに沿って変更することができる。別の実施形態では、シャフト12,112の近位部分、または遠位部分、または全体など、管状部材の一部は、このようなスロット54,118を含まないと考えられる。
ここで示唆されるように、スロット54、118は、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の数の一群のスロット54,118として形成され、シャフト12,112の軸に沿ってほぼ同じ位置に配置される。代替的には、1つのスロット54,118が上記位置の一部または全部に配置される。一群のスロット54,118の中には、同じ大きさのスロットが含まれる(つまり、シャフト12,112周囲に、同一の円周距離に広がる)これらの実施形態及び別の実施形態において、一群のスロットの少なくとも一部のスロットは、サイズが異なる(シャフト12,112周囲において、異なる円周距離に広がる)。長軸方向では、隣接する一群のスロット54、118は、同一または異なる構成を有する。例えば、シャフト12,112の実施形態のいくつかにおいて、第1群では、サイズが同一であるが、隣接する群では、サイズが異なる。同一のサイズを有し、管の円周囲に対称性に配置される2つのスロット54,118を有する群では、一対の梁の重心(つまり、スロット118が形成された後に残るシャフトの一部)は、シャフトの中央軸に一致する。逆に、サイズが異なり、中心が管の円周囲に直接体腔する群では、一対の梁の重心は、シャフトの中心軸からオフセットされる。シャフトの実施形態の中には、シャフトの中心軸に一致する重心を有するスロット群しか含まないもの、シャフトの中心群からオフセットされた重心を有するスロット群しか含まないもの、第1の群にシャフト12、112の中心軸に一致する重心を有するスロット群を有し、別の群にシャフト12,112の中心軸がオフセットされた重心を有するスロット群を有するものがある。オフセット量は、スロット54,118の深さ、または長さによって変化し、その他の好適な距離を有し得る。
スロット54,118は、微小加工、ソーカッティング(例えば、半導体ダイシング刃を埋設したダイヤモンドグリッドを用いる)、放電加工、グラインディング、研磨、鋳造、成型、化学エッチング、または処理、またはその他の公知の方法などの方法によって形成される。このような実施形態では、シャフトの構造は、スロット54,118を形成する為に、管の一部を切断することおよび除去することのうちの少なくともいずれかによって形成される。好適な微小加工法、および切断方法、およびスロットや管状部材を含む医療装置などの管状部材の為の構造は、ここで引用によりそのすべてを援用する、米国特許出願第2003/0069522号明細書、米国特許出願公開第2004/0181174号明細書、および、米国特許第6,766,720号明細書、米国特許第6,766,720号明細書に開示されている。エッチング加工の実施形態例は、引用により、ここにそのすべてを援用する、米国特許第5,106,455号明細書に記載されている。
少なくともいくつかの実施形態において、スロット54,118は、レーザーカッティング加工を用いて管状部材に形成される。レーザーカッティング加工には、好適なレーザー、およびレーザー切断装置のうちの少なくともいずれか一方が含まれる。例えば、レーザーカッティング加工には、ファイバーレーザーが用いられる。レーザーカッティングなどの方法を用いることは、多くの点で好ましい。例えば、レーザーカッティング加工によって、厳密に制御された方法で、シャフトを多数の異なるカッティングパターンに切り込むことが可能である。これには、スロットの幅、リングの幅、梁の高さ、および梁の幅のうちの少なくともいずれか1つにおいてバリエーションをつけることが含まれる。さらに、カッティング装置(例えば、刃)を交換することなく、カッティングパターンを変更することが可能である。これにより、カッティングする刃のサイズに制限されることなく、小さな管(例えば、小さな外径を有する)を用いてシャフトを形成することができる。
多くの点において、本願発明は、単なる例示であると理解されたい。本願発明の範囲を逸脱することなく、詳細において、特に形状、サイズ、工程の順序において、変更することが可能である。これには、適当な程度において、ある例示の実施形態の要素を他の実施形態に使用することができることが含まれる。言うまでもないが、本願発明の範囲は、添付の請求項の中に表現された文言によって定義される。