JP6581827B2 - 脱臭装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、アミン類、硫黄化合物、アルデヒド類等の臭気強度の閾値が低い(悪臭と感じ易い)臭気成分を含むガスに対して、その発生量が時間的に変動しても、臭気成分をガス中から効率的に除去する脱臭装置に関する。
臭気成分を含んだ汚染空気を清浄化する浄化装置として、酸化チタン等の光触媒とゼオライト等の吸着材を含有した汚染物質除去部材を、光透過部材で覆われた開口を備えたダクト型中空構造物の内部に配置して、汚染空気をダクト型中空構造物の内部に導入し、汚染空気がダクト型中空構造物内部を通過する過程で、含まれる臭気成分を汚染物質除去部材により除去(光触媒による分解除去及び吸着材による吸着除去)する装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2012−77997号公報 特開2007−209594号公報
一般に、臭気成分を含んだ汚染空気は、その発生源毎に特有の臭気物質を含んでいる。このため、光触媒と吸着材を含有する汚染物質除去部材を用いて汚染空気中から臭気成分を除去しようとしても、吸着材に吸着し難い臭気成分、光触媒による分解速度の低い臭気成分が含まれていると、その臭気成分の一部は除去されずに浄化装置から排出されることになる。そして、浄化装置から排出された空気に含まれる臭気成分の中に、例えば、アミン類、硫黄化合物、アルデヒド類等の臭気強度の閾値が低い臭気成分が含まれていると、実質的に汚染空気の浄化が十分に行われていないと判定されることになる。
そこで、ダクト型中空構造物を長くして、その内部に多量の汚染物質除去部材を配置することにより、臭気成分と吸着材との接触時間、臭気成分の分解時間を十分確保することが考えられるが、浄化装置が大型化し、装置製作コストの増大、設置場所の制約といった問題が生じる。また、汚染空気が24時間連続して発生している場合、雨天時や夜間では光触媒が機能しないため臭気成分の分解除去ができないという問題がある。更に、臭気成分の発生量が突発的に急増する発生源に対しては、浄化装置の能力を臭気成分の最大発生量に合わせて設計しなければならず、経済的な負担が増加するという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、種々の発生源から排出される臭気成分を含むガスに対して、その発生量が時間的に変動しても装置の大型化を図らずに迅速に対応して、臭気強度の閾値が低い臭気成分の除去を常時安定して効率的に行うことが可能な脱臭装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る脱臭装置は、表側に透明部材を用いた開閉可能な窓が設けられた箱体と、該箱体の内部で、上下方向中間部に配置された脱臭フィルターと、前記箱体の下部位置にあって、臭気成分を含んだガスを導入するガス入口と、前記箱体の上部位置にあって、前記脱臭フィルターを通過したガスを外部に排出するガス出口とを有する脱臭装置であって、
前記脱臭フィルターは、前記ガス入口から入ったガス中の臭気成分の吸着又は放出を行って臭気成分含有量の変動を抑える緩衝吸着材と、該緩衝吸着材の上部に配置され、該緩衝吸着材から送られるガス中の臭気成分を捕捉し、捕捉された臭気成分を光触媒によって分解する臭気分解材とを有し
前記箱体の内部は、平面視して正方形又は長方形の複数の枠部に仕切られ、前記各枠部内には、ガスの流れ方向に沿って前記緩衝吸着材と前記臭気分解材が層状に配置されている。
本発明に係る脱臭装置においては、脱臭フィルターが、ガス入口から入ったガス中の臭気成分の吸着又は放出を行って臭気成分含有量の変動を抑える緩衝吸着材を備えているので、脱臭装置の大型化を図らずに、発生源で臭気成分の発生量が変動しても迅速に対応して、臭気成分の安定した除去を連続的に行うことが可能となる。
また、脱臭フィルターに対してガスを通過させることにより、ガスの流速を低下させて臭気成分と臭気分解材との接触時間を確保するので、臭気分解材における臭気成分の捕捉が促進されて、光触媒による臭気成分の分解を効率的に行うことができる。その結果、例えば、アミン類、硫黄化合物、及びアルデヒド類等の臭気強度の閾値が低い臭気成分をガス中から効率的に除去することが可能になる。
本発明の第1の実施の形態に係る脱臭装置の側面図である。 (A)は図1のP−P矢視図、(B)はQ−Q矢視図である。 (A)は箱体内の脱臭フィルターの状態を示す平面図、(B)は部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る脱臭装置の側面図である。 (A)は図4のP´−P´矢視図、(B)は(A)のQ´−Q´矢視図である。 実施例2における緩衝吸着材の入側及び出側のガスに含まれるVOC濃度の時間変動を示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る脱臭装置10は、表側に透明部材を用いた開閉可能な太陽光取込み用の窓11が設けられた箱体12を有している。なお、図3(A)、(B)に示すように、箱体12の内部は、箱体12の高さ方向の中間部に隙間を設けてそれぞれ縦横に配置された複数の仕切り材13、14により、平面視して、例えば、正方形(長方形でもよい)の複数の枠部15に仕切られ(分割され)ている。これにより、箱体12の内部下側の空間と箱体12の内部上側の空間が、複数の枠部15を介して連通した状態になっている。
更に、脱臭装置10は、箱体12の内部の上下方向中間部、即ち、箱体12の内部に形成された枠部15内に配置されて表側が太陽光に晒される脱臭フィルター16と、箱体12の下部位置に設けられて箱体12の内部下側と連通し、臭気成分を含んだガスを箱体12の内部下側に導入するガス入口17と、箱体12の上部位置に設けられて箱体12の内部上側と連通し、脱臭フィルター16を通過して箱体12の内部上側に流出したガスを箱体12の外部に排出するガス出口18とを有している。なお、ガス出口18には、ガスを大気中に放散する煙突に誘導する図示しない管路が接続されている。
図3(B)に示すように、脱臭フィルター16は、ガス入口17から入ったガスの流れ方向に沿って層状に配置された緩衝吸着材20と臭気分解材21とを有している。ここで、緩衝吸着材20は、層の厚さ方向にガスを透過させながら、ガス中の臭気成分含有量が多い場合は臭気成分一部を吸着し(ガス中からの臭気成分の吸着が、吸着している臭気成分の放出に勝り)、ガス中の臭気成分含有量が少ない場合は吸着している臭気成分の一部をガス中に放出して(吸着している臭気成分の放出が、ガス中からの臭気成分の吸着に勝り)、緩衝吸着材20を透過したガス中に含まれる臭気成分含有量の変動を抑えている。従って、緩衝吸着材20による臭気成分の吸着能力と、緩衝吸着材20の上部に配置され、緩衝吸着材20から送られるガス中の臭気成分を捕捉する臭気分解材21による臭気成分の分解能力を組合わせて、臭気分解材21に流入するガス中に含まれる臭気成分含有量が、臭気分解材21の分解能力範囲内の値になるようにすることにより、ガス中に含まれる臭気成分の安定した処理(分解除去)を行うことができる。以下、詳細に説明する。
箱体12は、例えば、複数(図2では2つ)の窓11がそれぞれ開閉可能に取付けられる開口部を備えた窓取付枠体22と、窓取付枠体22の下方に窓取付枠体22に対向して設けられた長方形状の底板23と、窓取付枠体22の各端縁及び底板23の各端縁を連結するように設けられた側枠部24とを有する。ここで、窓取付枠体22は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、又はステンレス等の金属で形成することができ、底板23と側枠部24は、例えば、繊維強化樹脂で形成することができる。また、箱体12のサイズは、特に限定されず、設置する場所や処理する臭気成分を含んだガスの量等に応じて適宜設定する。なお、窓取付枠体22の素材にアルミニウム又はアルミニウム合金を使用する場合、アルミニウム又はアルミニウム合金の腐食を防止するため、アルマイト処理又はベーマイト処理を行うことが好ましい。
窓11は、例えば、透明部材(透明強化ガラス、透明樹脂等)で形成された透明板25と、透明板25の周縁部を保持する金属(窓取付枠体22と同材質)で形成された長方形状の窓枠26とを有している。そして、窓枠26の一辺は、窓取付枠体22の開口部に蝶番を介して外側に向けて回転可能に取付けられており、窓11を開閉することができる。なお、符号27は、閉じた状態の窓11の窓枠26を窓取付枠体22に固定する掛止具、符号28は両端部をそれぞれ窓枠26と窓取付枠体22に掛止して開けた状態の窓11を支持する固定部材である。
図2(A)、(B)に示すように、ガス入口17は、軸心方向を底板23と平行にして配置され、図示しないガスの搬送配管の先端部と接続する連結部29と、上流側が連結部29と接続し、下流側が箱体12の底板23に形成した開口部30と接続して、連結部29から進入したガスの流れ方向を曲げて箱体12の内部下側に吹き込む誘導部30aとを有している。このような構成とすることにより、ガス入口17においてガスの流れ方向を変えることができ、箱体12の内部下側に流入するガスの流速を低下させることができる。
図1に示すように、箱体12は、箱体12の下部位置にガス入口17を設けることができるように下方に隙間を有して、かつ、窓11から太陽光が箱体12内に一様に入射するように、例えば、箱体12の長手方向を東西方向に向け、窓11の法線が、設置場所に立てた垂線に対して南側に傾斜するように、傾斜台31上に載置されている。ここで、箱体12を傾斜させる際の傾斜角度は、例えば10°以上50°以下の範囲であり、使用される場所(緯度)や、季節等に応じて適宜設定することが好ましい。なお、符号32、33は、傾斜台31の幅方向(長手方向に直交する方向)の両側とそれぞれ連結し、傾斜台31の傾斜角度を調整する脚部材であり、符号34、35は、脚部材32、33の上端側に取付けられて、傾斜台31に載置された箱体12の側枠部24に当接して箱体12の位置決めを行う固定部材である。
図3(B)に示すように、枠部15の底部(仕切り材13、14の下端面)には、例えば、アルミニウム製(アルミニウム合金製でもよい)の網状板36(例えば、厚さが5〜15mm、網目の間隔が2〜8mm)が配置されており、緩衝吸着材20は、例えば、開口率が30〜80%であるポリエステル製の不織布37(通気性シートの一例)を介して網状板36の上に配置されている。ここで、網状板36の腐食を防止するため、網状板36の表層にアルマイト処理又はベーマイト処理を行うことが好ましい。
緩衝吸着材20は、ガス中の臭気成分を吸着する特性を備えた、例えば、活性炭、ゼオライト、セピオライト、シリカゲル等の吸着剤の粉末を所定形状に成形したペレット(例えば、直径が2〜6mm、長さが3〜15mmの円柱状、3〜5mmの球状)を、ガスの流れ方向に対して層状に配置することにより構成することができる。不織布37を介して網状板36の上に緩衝吸着材20を配置するので、緩衝吸着材20を構成しているペレットが網状板36の網目から脱落するのを防止できる。更に、緩衝吸着材20の上面にも、不織布37が配置されている。これにより、最上層を形成しているペレットの上面を平坦状にすることができ、緩衝吸着材20の上に臭気分解材21を配置することが容易となる。
なお、緩衝吸着材20を構成するペレットの種類は、ガスに含まれる臭気成分の組成に応じて選択することが好ましく、複数の臭気成分が含まれるガスの場合は、臭気強度の閾値が低い臭気成分に対する吸着性に特に優れた吸着剤からなるペレットと広範囲の臭気成分に対して吸着性に優れた吸着剤からなるペレットを組合わせて使用する。例えば、臭気成分が揮発性有機物質(VOC)、低級脂肪酸、アミン類である場合は、吸着剤としてゼオライトやセピオライトを使用したペレットを用いることが効果的であり、臭気成分がアルデヒド類である場合や分解過程の中間生成物としてアルデヒド類が発生する場合は、吸着剤としてゼオライトを使用したペレットを用いることが効果的である。また、臭気成分が硫黄化合物である場合は、吸着剤として活性炭や活性二酸化マンガンを使用したペレットを用いることが効果的である。
臭気分解材21は、ガス中の臭気成分を吸着する特性を備えた、例えば、活性炭、ゼオライト、セピオライト、シリカゲル等の吸着剤を所定形状(例えば、直径が1〜4mm、長さが2〜6mmの円柱状)に成形して、その表面に光触媒を部分的に固着させて形成したペレットを、ガスの流れ方向に対して層状に配置することにより構成されている。そして、臭気分解材21は、図3(B)に示すように、アルミニウム製(アルミニウム合金製でもよい)の網状ケース39(例えば、高さが5〜15mm、網目の間隔が2〜8mm)に収納されている。ここで、網状ケース39の腐食を防止するため、網状ケース39の表層にアルマイト処理又はベーマイト処理を行うことが好ましい。また、網状ケース39と枠部15との間には、ガスシール部材38(例えば、シリコーン樹脂製のパッキン)が充填されている。
臭気分解材21では、太陽光に照射される表側に存在するペレットでは、ペレットの表面に固着させた光触媒により吸着された臭気成分の分解が行われるので、臭気分解材21の厚さ(網状ケース39内のペレット充填層の厚さ)は、臭気成分の分解能力に直接影響は及ぼさないが、臭気分解材21において太陽光に照射される連続した表面層が安定して形成されるためには、ペレット充填層の厚さは、例えば、5〜10mmとする。
また、臭気分解材21を構成するペレットの種類は、ガスに含まれる臭気成分の組成に応じて選択することが好ましく、複数の臭気成分が含まれるガスの場合は、臭気強度の閾値が低い臭気成分に対する吸着性に特に優れた吸着剤からなるペレットと広範囲の臭気成分に対して吸着性に優れた吸着剤からなるペレットを組合わせて使用する。例えば、臭気成分が揮発性有機物質、低級脂肪酸、アミン類である場合は、吸着剤としてゼオライトやセピオライトを使用したペレットを用いることが効果的であり、臭気成分がアルデヒド類である場合や分解過程の中間生成物としてアルデヒド類が発生する場合は、吸着剤としてゼオライトを使用したペレットを用いることが効果的である。また、臭気成分が硫黄化合物である場合は、吸着剤として活性炭や活性二酸化マンガンを使用したペレットを用いることが効果的である。
ここで、箱体12の内容積、脱臭フィルター16を構成する緩衝吸着材20と臭気分解材21の使用量は、例えば、次の手順で決定する。
臭気分解材21の構成を決めると、太陽光で照射された臭気分解材21の単位面積当たりの脱臭能力(臭気成分の吸着性能と分解速度が加味された能力)が予測できるので、ガス出口18から排出される、即ち、臭気分解材21を通過したガス中に含まれる臭気成分含有量が目標値以下になる際に要求される1)臭気分解材21に流入するガスの流速上限値、2)ガス中に含まれる臭気成分の臭気成分上限値をそれぞれ脱臭能力に基づいて求める。
次いで、発生源から流出するガスは全て臭気分解材21を通過して外部に流出するので、臭気分解材21に流入するガスの流速と発生源から流出するガス量の関係から、太陽光が入射する臭気分解材21の総表面積(枠部15の総平断面積)を求める。これにより、箱体12のサイズ(内側の平断面積)が決まる。
一方、臭気分解材21の総表面積が決まると、枠部15内に配置する緩衝吸着材20の総表面積が決まるので、更に緩衝吸着材20の構成を決めることにより緩衝吸着材20の単位厚さの吸着能力が予測できる。また、箱体12の内側の平断面積が決まると、発生源から流出するガス量から箱体12の内部下側におけるガス流速が求まる。その結果、発生源から流出するガス中に含まれる臭気成分含有量の最大値が臭気分解材21に流入する際には多くても臭気成分上限値になるように、更に、発生源から流出するガスが臭気分解材21に流入する際に速くても流速上限値になるように、枠部15内に配置する緩衝吸着材20の厚さを決める。
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る脱臭装置10の作用について説明する。
図3(A)、(B)に示すように、枠部15内には、ガスの流れ方向に沿って緩衝吸着材20の層と網状ケース39内に収納された臭気分解材21の層が並べて配置されており、しかも、網状ケース39と枠部15との間にはガスシール部材38が充填されているので、箱体12の内部下側に吹き込まれたガスは、緩衝吸着材20の層を必ず通過して網状ケース39内、即ち臭気分解材21の層内に流入し、臭気分解材21の層を通過したガスは箱体12の内部上側に流出することになる。
臭気分解材21の層の上流側に緩衝吸着材20の層を設けることにより、ガスが緩衝吸着材20の層を透過する際に、ガスに含まれる臭気成分含有量が多い場合は、臭気成分の一部が緩衝吸着材20に吸着し(ガスに含まれる臭気成分の緩衝吸着材20に対する吸着量が、緩衝吸着材20に吸着されている吸着臭気成分が緩衝吸着材20から放出されて(離脱して)ガスに混入する放出量より多くなって)、ガスに含まれる臭気成分含有量が少ない場合は緩衝吸着材20に吸着されている吸着臭気成分の一部が緩衝吸着材20から放出されてガス中に混入する(緩衝吸着材20に吸着されている吸着臭気成分が緩衝吸着材20から放出されてガス中に混入する放出量が、ガスに含まれる臭気成分の緩衝吸着材20に対する吸着量より多くなる)ので、緩衝吸着材20の層を通過したガス中に含まれる臭気成分含有量の変動が抑制される。
このため、緩衝吸着材20の層による臭気成分の吸着能力と、臭気分解材21の層による臭気成分の捕捉分解能力を組合わせて、臭気分解材21の層に流入するガス中に含まれる臭気成分含有量が、臭気分解材21の層の分解能力範囲内の値になるようにすることにより、発生源でガスの発生量が大きく変動しても(急増しても)、箱体12(脱臭フィルター16)の大型化を図らず、更に、ガスをタンク等に一旦貯留することを行わないで、ガス発生量の変動に迅速に対応して臭気成分の安定した分解(除去)を連続的に行うことが可能となる。
ここで、臭気分解材21にガスを通過させることにより、ガス流速を低下させて臭気成分と臭気分解材21との接触時間を確保するので、臭気分解材21における臭気成分の捕捉が促進されると共に光触媒による臭気成分の分解時間を確保することができる。その結果、例えば、アミン類、硫黄化合物、及びアルデヒド類等の臭気強度の閾値が低い臭気成分をガス中から効率的に除去することが可能になる。
更に、ガス中に含まれる臭気成分含有量が低下すると、緩衝吸着材20を構成しているペレットに吸着している臭気成分が離脱してガス中に混入するので、緩衝吸着材20の再生処理が自律的に行われる。また、臭気分解材21では、太陽光に照射されている表側のペレットでは臭気成分が分解除去されることにより臭気成分濃度が低下するので、表側のペレットと裏側のペレットの間に臭気成分濃度の勾配が発生し、裏側のペレットに吸着された臭気成分は表側ペレット側に向けて移動し吸着される。このため、臭気分解材21においても、臭気分解材21の再生処理が自律的に行われる。
図4、図5に示す本発明の第2の実施の形態に係る脱臭装置40は、第1の実施の形態に係る脱臭装置10と比較して、ガス出口47が、箱体41の側枠部42の上側に形成された複数の開放通路46と、窓取付枠体43の下端部に、窓取付枠体43の外周に沿って外側に突出し先側が下方に折り曲げられた庇44、45とを有していることが特徴となっている。このため、脱臭装置10と共通の構成部材には同一の符号を付して説明は省略する。なお、窓取付枠体の外周の上側に庇を設け、開放通路を箱体と窓取付枠体との間に設けることもできる。
窓取付枠体43の下端部に庇44、45を設けることにより、雨水が箱体41内に侵入するのを防止できる。更に、開放通路46の出口側に、塵埃の侵入を防止するフィルターを設けることが好ましい。ここで、箱体41の内部上側からガスを大気中に放散させるには、例えば、送風機によりガスを強制的に箱体41内に流入させ、箱体41内のガス圧力を常に正圧に保持する必要がある。これによって、箱体41内にはガスの定常的な流れが存在することになって、緩衝吸着材20と臭気分解材21における再生処理がそれぞれ確実に行われることになる。
(実施例1)
内側縦寸法が2790mm、内側横寸法が1210mm、内側高さが350mmの箱体内に、高さ方向の中間部に縦横に仕切り材を配置して、箱体内を平面視して16個の枠部に分割し、枠部の底部にアルマイト処理したアルミニウム製の網状板(網目の間隔は3mm)を取付けた。次いで、枠部に露出した網状板の上に開口率が30〜80%であるポリエステル製の不織布を配置し、その上に直径が2.5mmで長さが15mmの円柱状のゼオライトペレットを厚さ30mm充填してゼオライトペレット層を、ゼオライトペレット層の上に直径が2mmで長さが1〜5mmの円柱状の活性炭ペレットを厚さ110mm充填して活性炭層をそれぞれ設けて緩衝吸着材を形成した。更に、緩衝吸着材の上に開口率が30〜80%であるポリエステル製の不織布を配置し、その上に、直径が2.5mmで長さが5mmの円柱状のセピオライトペレットの表面に高速フレーム溶射により二酸化チタンの光触媒層を設けることにより作製した臭気分解材を10mmの厚さに配置した。そして、箱体の下部位置にガス入口を、箱体の上部位置にガス出口を設けて脱臭装置を作製した。なお、臭気分解材はアルマイト処理したアルミニウム製の網状ケース(網目の間隔は3mm)に収納されている。
塗装工場から排出されるVOCを含むガスと、このガスを脱臭装置のガス入口から流入させガス出口から排出されるガスの官能試験をそれぞれ行うと、臭気濃度が10000のガスは臭気濃度が1760に低下(除去率82%)し、臭気濃度が7000のガスは臭気濃度が1000(除去率86%)に低下した。
(実施例2)
実施例1で使用した脱臭装置から臭気分解材を取り除き、塗装工場から排出されるVOCを含むガスのVOC濃度(ppm)を測定しながら、ガスをガス入口から流入させ、緩衝吸着材を通過してガス出口から排出されるガス中のVOC濃度を測定した。なお、VOC濃度の測定には、市販のVOCモニタを使用した。測定結果を図6に示す。
図6から、脱臭装置に流入するガス中のVOC濃度が略130〜360ppmの範囲で変動した場合、臭気分解材に流入するガス(即ち、ガス出口のガス)に含まれるVOC濃度は、略160〜230ppmの範囲で変動することが分かる。従って、実施例1における官能試験の結果を考慮すると、緩衝吸着材を設けることにより、臭気分解材に流入するガス中のVOC濃度の変動を、臭気分解材の処理能力範囲内の変動に低減できることが確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
また、箱体内の上部に、臭気分解材の上面側に光(可視光域から紫外線域の波長の光)を当てて光触媒を活性化させる光照射手段を設けてもよい。これにより、夜間や雨天等の光触媒が活性化しない状況下でも、脱臭装置を作動させることができる。
緩衝吸着材は、通気性シートを介して枠部の底部に配置した網状板の上に配置したが、緩衝吸着材を直接、又は通気性シートを介して網状容器内に収容し、緩衝吸着材を収容した網状容器を網状板の上に載置してもよい。また、網状容器と枠部との間にガスシール部材を充填してもよい。
更に、脱臭装置のガス入口に流入するガスに対して紫外線を照射して、ガスに含まれる臭気成分の一部を分解してもよい。臭気成分の一部を予め分解することにより、臭気成分の分解処理が脱臭フィルターに集中することを防止でき、脱臭装置による臭気成分の除去を確実に行うことが可能になる。
10:脱臭装置、11:窓、12:箱体、13、14:仕切り材、15:枠部、16:脱臭フィルター、17:ガス入口、18:ガス出口、20:緩衝吸着材、21:臭気分解材、22:窓取付枠体、23:底板、24:側枠部、25:透明板、26:窓枠、27:掛止具、28:固定部材、29:連結部、30:開口部、30a:誘導部、31:傾斜台、32、33:脚部材、34、35:固定部材、36:網状板、37:不織布、38:ガスシール部材、39:網状ケース、40:脱臭装置、41:箱体、42:側枠部、43:窓取付枠体、44、45:庇、46:開放通路、47:ガス出口

Claims (9)

  1. 表側に透明部材を用いた開閉可能な窓が設けられた箱体と、該箱体の内部で、上下方向中間部に配置された脱臭フィルターと、前記箱体の下部位置にあって、臭気成分を含んだガスを導入するガス入口と、前記箱体の上部位置にあって、前記脱臭フィルターを通過したガスを外部に排出するガス出口とを有する脱臭装置であって、
    前記脱臭フィルターは、前記ガス入口から入ったガス中の臭気成分の吸着又は放出を行って臭気成分含有量の変動を抑える緩衝吸着材と、該緩衝吸着材の上部に配置され、該緩衝吸着材から送られるガス中の臭気成分を捕捉し、捕捉された臭気成分を光触媒によって分解する臭気分解材とを有し
    前記箱体の内部は、平面視して正方形又は長方形の複数の枠部に仕切られ、前記各枠部内には、ガスの流れ方向に沿って前記緩衝吸着材と前記臭気分解材が層状に配置されていることを特徴とする脱臭装置。
  2. 請求項1記載の脱臭装置において、前記ガス出口には、ガスを外部に排出する管路が接続されていることを特徴とする脱臭装置。
  3. 請求項1記載の脱臭装置において、前記ガス出口は、前記箱体の側部上側又は該箱体と前記窓の窓取付枠体との間に形成された開放通路を有していることを特徴とする脱臭装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱臭装置において、前記枠部の底部にはアルミニウム製又はアルミニウム合金製の網状板が配置され、前記緩衝吸着材は、通気性シートを介して前記網状板の上に配置されていることを特徴とする脱臭装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の脱臭装置において、前記臭気分解材は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の網状ケースに収納されていることを特徴とする脱臭装置。
  6. 請求項記載の脱臭装置において、前記網状ケースと前記枠部との間にはガスシール部材が充填されていることを特徴とする脱臭装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の脱臭装置において、前記緩衝吸着材は、ガスに含まれる臭気成分の含有量増加に伴って該ガス中からの臭気成分の吸着量を増加させ、ガスに含まれる臭気成分の含有量減少に伴って該ガス中への吸着臭気成分の放出量を増加させることを特徴とする脱臭装置。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の脱臭装置において、前記箱体は、下方に隙間を有して傾斜台上に載置されていることを特徴とする脱臭装置。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の脱臭装置において、前記箱体内の上部には、前記臭気分解材の上面側に光を当てて前記光触媒を活性化させる光照射手段が設けられていることを特徴とする脱臭装置。
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