JP6581816B2 - 振動発電装置、電子機器及び振動発電方法 - Google Patents

振動発電装置、電子機器及び振動発電方法 Download PDF

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Description

本発明は、機械エネルギーを電気エネルギーに変換して発電することができる振動発電装置、該振動発電装置を備える電子機器及び振動発電方法に関する。
近年、環境に広く存在する振動、熱、光、電磁波などの微小エネルギーから電力を取り出し、小電力の電子デバイス(電子機器)の駆動に使用するエネルギーハーベスティングが注目されている。振動は、環境に存在するエネルギーの中でも光が当たらない場所でも常時使用することができるため最も有力なエネルギー源とされている。
一方で、電子デバイスの一例としてのワイヤレスセンサ(ネットワークセンサ)がユビキタスネットワーク社会における医療・健康、防犯・セキュリティ、防災、環境リスクへの対応、農産物の各種生産過程などの広い分野での適用が期待されている。そして、電子デバイス自身が発電機構を持てば、電池の充電や交換などが不要となり、ユビキタスネットワーク社会への拡大が見込まれる。
振動を利用して発電する技術は、種々検討されている。例えば、筒状の案内部材の内側に永久磁石を備えた可動子を設け、案内部材の周囲に券回されたコイルを配置した振動発電機を備える懐中電灯が開示されている(特許文献1参照)。
また、基体により支持され、基体への機械的入力に応じて撓む片持ち式の振動体と、振動体に接合され振動体の変位に応じた電圧を出力する圧電素子とを備える振動発電装置が開示されている(特許文献2参照)。
特開2014−64380号公報 特開2013−187928号公報
しかし、特許文献1の装置にあっては、発電するためには、ユーザが懐中電灯を手で所持し、振動発電機が軸線方向に振動するように振る必要があり、人力を利用した、いわゆるアクティブエネルギーである。しかし、ユビキタスネットワーク社会では、自然界のエネルギーを利用した、いわゆるパッシブエネルギーが望まれている。
また、特許文献2の装置にあっては、取り出すことができる電力が50μW程度である。しかし、ワイヤレスセンサなどの電子デバイスでは、センサの駆動、センサで得られたデータを無線で送信する機能が必要であるため、mW程度の発電力が必要となる。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、パッシブエネルギーを用いて従来よりも大電力の発電を行うことができる振動発電装置、該振動発電装置を備える電子機器及び振動発電方法を提供することを目的とする。
本発明に係る振動発電装置は、矩形状の板体であって板面と平行な磁化方向を有し、振動可能な磁石と、該磁石の前記磁化方向の一縁側に対向配置され、導体を前記磁化方向に沿って複数巻回したコイルとを備え、電磁誘導により前記コイルに起電力を発生させることを特徴とする。
本発明に係る振動発電方法は、矩形状の板体であって板面と平行な磁化方向を有し、振動可能な磁石を振動させるステップと、該磁石の前記磁化方向の一縁側に対向配置され、導体を前記磁化方向に沿って複数巻回したコイルに電磁誘導により起電力を発生させるステップとを含むことを特徴とする。
本発明にあっては、振動発電装置は、矩形状の板体であって板面と平行な磁化方向を有し、振動可能な磁石と、磁石の磁化方向の一縁側に対向配置され、導体を磁化方向に沿って複数巻回したコイルとを備える。振動発電装置は、例えば、自動車、電気製品、電子装置、橋梁など振動を発生する振動源に取り付けることができる。振動源の振動により磁石が振動すると、磁化方向の一縁側に対向配置されたコイル(巻回された導体で囲まれる領域)に交差する磁束が変化するので、電磁誘導によりコイルに起電力を発生させる。これにより、パッシブエネルギーを用いて従来よりも大電力の発電を行うことができる。
本発明に係る振動発電装置は、前記磁石の前記一縁側と反対側の他縁側を支持する支持部を備え、前記磁石は、片持ち梁構造をなすことを特徴とする。
本発明にあっては、磁石の一縁側と他縁側を支持する支持部を備える。すなわち、磁石の他縁側は支持部に支持され、片持ち梁構造をなす。振動発電装置を所定の振動源に取り付けることにより、片持ち梁構造の磁石を振動させることができる。また、磁石の寸法等を適宜設定して固有振動数を振動源の振動数に等しく又は近づけることにより、磁石を振動源の振動数で振動(共振振動)させることができる。これにより、振動源の振動数に応じて磁石が振動(共振振動)し、磁石の一縁側をコイルの断面に略平行に変位させて、コイルに交差する磁束を変化させることができる。
本発明に係る振動発電装置は、前記磁石の前記磁化方向と平行な1対の縁側の中途部に前記磁化方向と交差する方向の軸体を備え、前記磁石は、前記軸体を中心にして振動可能にしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、振動発電装置は、磁石の磁化方向と平行な1対の縁側の中途部に磁化方向と交差する方向の軸体を備える。磁石は、軸体を中心にして振動可能にしてある。軸体の断面形状は、例えば、三角形にして、軸体が捻じれることによる反発力を利用したトーション振動可能にすることができる。振動発電装置を所定の振動源に取り付けることにより、磁石を振動させることができる。これにより、振動源の振動数に応じて磁石が振動し、磁石の一縁側及び一縁側と反対側の他縁側それぞれをコイルの断面に略平行に変位させて、コイルに交差する磁束を変化させることができる。
本発明に係る振動発電装置は、前記磁石の前記一縁側及び該一縁側と反対側の他縁側それぞれに設けられた弾性部材と、各弾性部材を支持する支持部とを備え、前記磁石は、両持ち梁構造をなすことを特徴とする。
本発明にあっては、磁石の一縁側及び他縁側それぞれに設けられた弾性部材と、各弾性部材を支持する支持部とを備える。すなわち、磁石の一縁側及び他縁側それぞれは弾性部材を介して支持部され、両持ち梁構造をなす。つまり、磁石の一縁側及び他縁側それぞれと支持部との間は、例えば、バネ定数が比較的小さい弾性部材で接続する。これにより、磁石を磁化方向に垂直に振動可能にすることができる。振動発電装置を所定の振動源に取り付けることにより、磁石を振動させることができる。これにより、振動源の振動数に応じて磁石が振動し、磁石の一縁側及び一縁側と反対側の他縁側それぞれをコイルの断面に略平行に変位させて、コイルに交差する磁束を変化させることができる。
本発明に係る振動発電装置は、前記磁石の前記一縁側と反対側の他縁側に前記コイルをさらに対向配置してあることを特徴とする。
本発明にあっては、振動発電装置は、磁石の一縁側と反対側の他縁側にコイルをさらに対向配置してある。これにより、発電することができる電力を増やすことができる。
本発明に係る振動発電装置は、前記コイルを、板厚方向に沿って複数配置してあることを特徴とする。
本発明にあっては、振動発電装置は、コイルを、板厚方向に沿って複数配置してある。これにより、発電することができる電力を増やすことができる。
本発明に係る振動発電装置は、前記導体は、断面が長方形状をなし、前記コイルは、前記導体の短辺の方向が前記磁化方向をなすように該導体を巻回してあることを特徴とする。
本発明にあっては、導体は、断面が長方形状をなし、コイルは、導体の短辺の方向が磁化方向をなすように導体を巻回してある。導体の短辺の寸法をwとし、長辺の寸法をdとする。導体の抵抗Rは、w×dに反比例する。導体の抵抗Rが小さいほど発電電力Pを大きくすることができる。導体の短辺の方向が磁化方向をなすように導体を巻回することにより、例えば、導体の断面が円形状又は正方形状の場合と比較して、コイルの磁化方向の寸法が同等であっても、導体の断面積を大きくすることができ、導体の抵抗を小さくすることができるので、大きな電力を発電することができる。
本発明に係る振動発電装置は、前記コイルは、前記導体を矩形状に巻回してあり、前記磁石の前記コイルが対向配置された縁側の長さ寸法は、巻回された導体の該縁側方向の寸法と略等しいことを特徴とする。
本発明にあっては、コイルは、導体を矩形状に巻回してあり、磁石のコイルが対向配置された縁側の長さ寸法は、巻回された導体の縁側方向の寸法と略等しい。これにより、磁石の磁束の大部分をコイルに交差させるとともに、コイルに交差する磁束の磁束密度を大きくすることができるので、大きな電力を発電することができる。
本発明に係る振動発電装置は、前記磁石は、基体と、該基体の表面に物理蒸着法により成膜した薄膜磁石とを有することを特徴とする。
本発明にあっては、磁石は、基体と、基体の表面に物理蒸着法により成膜した薄膜磁石とを有する。基体は、例えば、シリコン、ステンレス、金属又は金属ガラスを用いることができる。薄膜磁石は、例えば、希土類磁石又は貴金属類磁石を用いることができる。物理蒸着法を用いることにより、所要の膜厚であって高磁気特性(例えば、飽和磁束密度及び保磁力が大きい)の磁石を実現することができる。なお、焼結磁石は、一般的に厚みが厚く研磨加工などで薄くしてもせいぜい1mm程度までであり、研磨により酸化劣化が起こり磁気特性も劣化する。
本発明に係る電子機器は、前述の発明のいずれか1つに係る振動発電装置を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、電子機器は、振動発電装置を備える。これにより、電子機器自身がパッシブエネルギーを用いて従来よりも大電力の発電を行うことができる発電機構を具備することができる。
本発明によれば、パッシブエネルギーを用いて従来よりも大電力の発電を行うことができる。
第1実施形態の電子機器としてのセンサ装置の構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形形態の振動発電装置の構成の要部の一例を示す斜視図である。 第1実施形形態の振動発電装置の構成の要部の一例を示す平面図である。 第1実施形形態の振動発電装置の構成の要部の一例を示す側面図である。 第1実施形態の磁石の構成の一例を示す断面図である。 第1実施形態のコイルの構成の一例を示す正面図である。 図6のVII−VII線から見た断面図である。 第1実施形態の振動発電装置のコイルに交差する磁束の変化の一例を示す説明図である。 第1実施形態の振動発電装置のコイルに発生する起電力及び発電電力の変化の一例を示す説明図である。 第1実施形態の振動発電装置による振動周波数が95Hzの場合の発電電力の一例を示す説明図である。 第1実施形態の振動発電装置による振動周波数が95Hzの場合の発電電力の他の例を示す説明図である。 第1実施形態の振動発電装置のコイルに交差する磁束の変化の他の例を示す説明図である。 第1実施形態の振動発電装置のコイルに発生する起電力及び発電電力の変化の他の例を示す説明図である。 第1実施形態の振動発電装置による振動周波数が100Hzの場合の発電電力の一例を示す説明図である。 第2実施形態の振動発電装置の構成の要部の第1実施例を示す斜視図である。 第2実施形態の振動発電装置による発電電力の一例を示す説明図である。 第2実施形態の振動発電装置の構成の要部の第2実施例を示す斜視図である。 第3実施形態の振動発電装置の構成の要部の一例を示す平面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は第1実施形態の電子機器としてのセンサ装置200の構成の一例を示すブロック図である。センサ装置200(ワイヤレスセンサ又はネットワークセンサとも称する)は、装置の発電機構である振動発電装置50、整流回路61、昇降圧回路62、制御部63、センサ部64、通信部65などを備える。また、振動発電装置50は、磁石10、1又は複数のコイル20などを備える。
センサ装置200(すなわち、振動発電装置50)は、例えば、自動車、電気製品、電子装置、構造物(例えば、橋梁)などの振動を発生する所定の振動源に取り付けることができる。また、その振動源の近くに設置することもできる。振動発電装置50は、振動源の振動に応じて磁石10を振動させ、磁石10が振動することによる磁束の変化に基づく電磁誘導によりコイル20に起電力を発生させることにより発電することができる。環境中の振動源の振動周波数としては、例えば、洗濯乾燥機や電子レンジでは120Hz程度、ノート型パーソナルコンピュータでは75Hz程度、自動車のエンジン周辺では200Hzなどである。なお、振動発電装置50の詳細は後述する。
整流回路61は、振動発電装置50が出力する交番電圧を整流して直流に変換し、変換した直流を昇降圧回路62へ出力する。
昇降圧回路62は、整流回路61が出力する直流を自身が動作するための電源とする。昇降圧回路62は、整流された直流を所要の電圧の昇圧又は降圧して、制御部63、センサ部64及び通信部65へ出力する。
制御部63は、マイクロプロセッサ、入出力インタフェース等で構成され、センサ装置200全体の制御を行う。
センサ部64は、センサ装置200の用途に応じて種々のセンサのうちの少なくとも1つを備える。センサとしては、例えば、温度センサ、磁気センサ、光センサ、力・重量センサ、圧力センサ、音・超音波センサ、位置・変位・角度センサ、振動・衝撃・角速度・ジャイロセンサ、流量・流速・レベルセンサ、湿度・ガス・匂いセンサなどを含む。センサ部64は、制御部63の制御の下、検出したデータを制御部63へ出力する。
通信部65は、無線通信機能を備え、制御部63の制御の下、センサ部64で検出したデータを外部装置へ送信する。なお、無線通信は、例えば、近距離無線通信、インタネーット通信、電話回線網通信などを含む。
図2は第1実施形形態の振動発電装置50の構成の要部の一例を示す斜視図であり、図3は第1実施形形態の振動発電装置50の構成の要部の一例を示す平面図であり、図4は第1実施形形態の振動発電装置50の構成の要部の一例を示す側面図である。振動発電装置50は、矩形状の板体であって板面と平行な磁化方向(図3、図4の矢印で示す方向、なお、SとNが逆であってもよい)を有し、振動可能な磁石10を備える。
磁石10は、磁化方向の一縁側12、一縁側と反対側の他縁側11、磁化方向と平行な1対の縁側13、14を有する。磁石10の他縁側11は、支持部としての枠体30に支持されている。すなわち、磁石10は、他縁側11が支持された片持ち梁構造をなす。磁石10の磁化方向の寸法(磁石10の長さ)をMLで表し、磁石10の磁化方向と交差する方向の寸法(磁石10の幅)をMWで表す。
磁石10の磁化方向の一縁側12には、導体21を磁化方向に沿って複数巻回したコイル20を備える。図2〜図4の例では、コイル20を、磁石10の板厚方向に沿って3個配置してある。便宜上、3つのコイル20を、上方から上段コイル20、中段コイル20、下段コイル20と称する。また、上段コイル20、中段コイル20、下段コイル20を纏めてコイル20とも称する。磁石10の一縁側12は、中段コイル20のほぼ中央に対向配置されている。
コイル20は、断面が矩形状のコア22を間にして導体21を矩形状に巻回してある。コイル20の磁化方向の寸法(コイル20の長さ)をCLで表し、コイル20の高さをCH1で表し、上段コイル20と中段コイル20との離隔寸法及び中段コイル20と下段コイル20との離隔寸法をhで表す。磁石10は、中段コイル20の高さ方向の中央に対応する位置に水平方向に配置されている。また、磁石10の一縁側12と中段コイル20とのギャップをgで表す。なお、離隔寸法hは2mmであり、ギャップgは1mmであるが、これらの数値に限定されない。
振動発電装置50を所定の振動源に取り付けることにより、片持ち梁構造の磁石10を振動(共振振動)させることができる。具体的には、図4に示すように、振動源の振動に応じて磁石10が振動(共振振動)し、磁石10の一縁側12をコイル20の断面に略平行(図4の符号Aで示す方向)に変位させることができる。
図5は第1実施形態の磁石10の構成の一例を示す断面図である。磁石10は、基体としてのシリコン(Si)101の表面に、シリコン酸化膜(SiO2)102、タンタル層103、薄膜磁石104の順序で成膜してある。シリコン101、シリコン酸化膜102、タンタル層103、薄膜磁石104のそれぞれ厚みは、例えば、500μm、0.2μm、0.02μm、数十μm〜数百μmとすることができるが、これに限定されるものではない。また、基体は、シリコンに代えて、ステンレス、金属又は金属ガラスを用いることもできる。
薄膜磁石104は、例えば、物理蒸着法(PVD法)により成膜することができる。例えば、PVD(Physical Vapor Deposition)法の一種として、パルスレーザーアブレーション(PLD:Pulsed Laser Deposition)を用いることができる。PLDは、チャンバの中に基体(例えば、シリコン)とターゲット(例えば、ネオジム・鉄・ホウ素の合金:NdFeB合金)をセットし、チャンバ内を高真空状態にする。その後、レーザ光(例えば、波長:355nm)をターゲットに照射し、イオン、分子、原子として放出させて基体の表面に堆積させることにより成膜する。
ターゲットとしては、NdFeB合金などの希土類金属でもよく、あるいはFePt合金(白金・鉄の合金)などの貴金属類の金属でもよい。
上述のようにして薄膜磁石を成膜した磁石10は、飽和磁束密度(Mr)が、例えば、1.04Tであり、保磁力(Hc)が426kA/mであるようなM−H特性を有する。なお、この数値は一例であって、これに限定されるものではない。ただし、大きな発電電力を実現するには、残留磁束密度Brが0.5Tesla以上、保磁力Hcが250kA/m以上の高い磁気特性を有するNdFeB系もしくはFePt系薄膜磁石を用いることが望ましい。すなわち、本実施の形態の振動発電装置50は、残留磁束密度Brが0.5Tesla以上であり、保磁力Hcが250kA/m以上であるNdFeB薄膜磁石又はFePt薄膜磁石を有することにより、従来よりも大きな発電能力を達成することができる。
また、磁石10は、着磁装置により、図5等に示すように、板面と平行な方向に着磁させる。例えば、他縁側11がS極、一縁側12がN極とすることができる。
磁石10の具体的な寸法は、例えば、磁石10の長さMLは20mm、磁石10の幅MWは10mmである。また、磁石10の膜厚(薄膜磁石の厚み)は150μmである。なお、各数値はこれらに限定されない。なお、焼結磁石は、一般的に厚みが厚く研磨加工などで薄くしてもせいぜい1mm程度までであり、研磨により酸化劣化が起こり磁気特性も劣化する。本実施の形態によれば、磁石の厚みを薄くすることができる。
図6は第1実施形態のコイル20の構成の一例を示す正面図であり、図7は図6のVII−VII線から見た断面図である。図6に示すように、コイル20は、導体21を矩形状に巻回してある。また、図7に示すように、導体21は、断面が長方形状をなし、長辺の寸法(導体21の高さ)をdとし、短辺の寸法(導体21の幅)をwとする。また、導体21間のギャップをtとする。巻回された導体21のピッチは、(w+t)となる。
コイル20、導体21の具体的な寸法は、例えば、以下のとおりである。コイル20の高さCH1は6mmであり、コイル20の幅CW1は20mm、コイル20の長さCLは18mm、導体21の幅wは0.1mm、導体21の高さdは0.5mmである。コイル20の内径高さCH2は5mm、コイル20の内径幅CW2は19mmとなる。また、巻回された導体21のピッチ(w+t)は0.12mmとなる。導体21の巻数は150回である。なお、各数値はこれらに限定されない。
次に、第1実施形態の振動発電装置50の評価結果について説明する。図8は第1実施形態の振動発電装置50のコイル20に交差する磁束の変化の一例を示す説明図である。図8において、横軸は時間(sec)を示し、縦軸は磁束(Wb)を示す。また、簡便のため、中段コイル20及び下段コイル20のデータを示し、上段コイル20のデータは、下段コイル20のデータと等価であるので省略している。片持ち梁構造の磁石10を、周波数95Hzで振動させ、磁石10の一縁側12の最大変位量は±15mmとした。
図8に示すように、磁石10の一縁側12が最大に変位した位置から中段コイル20の略中央(磁束の単位時間あたりの変化量が最大の点)に近づくにつれて中段コイル20の磁束変化が大きくなり、変位量が0近傍で磁束変化が最大となっている。また、下段コイル20の磁束変化は、中段コイル20の磁束変化より若干遅れて変化していることが分かる。
また、磁石10の一縁側12の変位が最大位置に向かうにつれて、下段コイル20の磁束変化は若干減少するが、磁石10の一縁側12の変位が最大位置を超えて0に向かって減少すると、下段コイル20の磁束変化はピークに向かって増加し、その後減少することが分かる。
図9は第1実施形態の振動発電装置50のコイル20に発生する起電力及び発電電力の変化の一例を示す説明図である。上段の図において、横軸は時間(sec)を示し、縦軸は起電力(mV)を示す。また、下段の図において、横軸は時間(sec)を示し、縦軸は電力(μW)を示す。磁石10の一縁側12が中段コイル20の略中央(磁束の単位時間あたりの変化量が最大の点)で起電力及び発電電力がピークとなることが分かる。なお、図8及び図9は一例であって、磁束変化、起電力及び発電電力の変化は、これらに限定されるものではない。
図10は第1実施形態の振動発電装置50による振動周波数が95Hzの場合の発電電力の一例を示す説明図である。図10に示すように、磁石10の長さMLは20mm、幅MWは10mmであり、コイル20の長さCLは18mm、幅CW1は20mm、高さCH1は6mmである。また、コイル数は、上段コイル、中段コイル20及び下段コイル20の3段構成である。また、磁石10の一縁側12の最大変位量は±15mm、振動周波数は95Hzとした。導体21の巻数と磁石10の膜厚とは、比較のためいくつかの数値を用いている。
まず、導体21の巻数が150回、磁石10の膜厚が150μmの場合、発電することができた実効電力は473.6μW(最大電力:1955.5μW)であった。このように、振動源の振動により磁石10が振動すると、磁化方向の一縁側12に対向配置されたコイル20(巻回された導体で囲まれる領域)に交差する磁束が変化するので、電磁誘導によりコイル20に起電力を発生させることができる。そして、パッシブエネルギーを用いて従来よりも大電力の発電を行うことができる。
また、磁石10は、コイル20が対向配置される一縁側12と反対側の他縁側11を支持した片持ち梁構造をなし、板厚方向に振動可能にしてある。すなわち、磁石10の他縁側11は所定の部材30に支持され、片持ち梁構造をなす。振動発電装置50を所定の振動源に取り付けることにより、片持ち梁構造の磁石10を振動(共振振動)させることができる。また、磁石10の寸法等を適宜設定して固有振動数を振動源の振動数に等しく又は近づけることにより、磁石10を振動源の振動数で振動(共振振動)させることができる。これにより、振動源の振動数に応じて磁石10が振動し、磁石10の一縁側12をコイル20の断面に略平行に変位させて、コイル20に交差する磁束を変化させることができる。
また、導体21は、断面が長方形状をなし、コイル20は、導体21の短辺の方向が磁化方向をなすように導体21を巻回してある。導体21の短辺の寸法をwとし、長辺の寸法をdとする。導体の抵抗Rは、w×dに反比例する。導体21の抵抗Rが小さいほど発電電力Pを大きくすることができる。導体21の短辺の方向が磁化方向をなすように導体21を巻回することにより、例えば、導体21の断面が円形状又は正方形状の場合と比較して、コイル20の磁化方向の寸法が同等であっても、導体21の断面積を大きくすることができ、導体21の抵抗を小さくすることができるので、結果として大きな電力を発電することができる。
また、図10に示すように、導体21の巻数を150回とし、磁石10の膜厚を150μmから100μm、200μmに変えた場合、発電することができた実効電力はそれぞれ182.5μW(最大電力:853.0μW)、834.0μW(最大電力:3471.1μW)であった。このように、磁石10の膜厚を厚くすることにより、より大きな電力を発電することができる。
また、図10に示すように、磁石10の膜厚を150μmとして、導体21の巻数を150回から75回、300回、600回、1000回に変えた場合、発電することができた実効電力はそれぞれ270.3μW(最大電力:983.1μW)、915.3μW(最大電力:3860.9μW)、1780.0μW(最大電力:76622.2μW)、2853.9μW(最大電力:12265.8μW)であった。このように、導体21の巻数を多くすることにより、より大きな電力を発電することができ、50μW程度を遥かに上回るmW程度の発電を実現することができる。
図11は第1実施形態の振動発電装置50による振動周波数が95Hzの場合の発電電力の他の例を示す説明図である。図11の例では、比較例として、コイル20の高さCH1、コイル数を変えている。まず、コイルの高さCH1は6mmのまま、コイル数を3から1に変えた場合(すなわち、上段コイル20及び下段コイル20を取り外し、中段コイル20のみとした場合)、発電することができた実効電力は、473.6μW(最大電力:1955.5μW)から147.1μW(最大電力:740.8μW)となった。
すなわち、コイル20を、磁石10の板厚方向に沿って複数(例えば、3個)配置することにより、発電することができる電力を増やすことができる。なお、センサ装置200の用途によっては、コイル20が1個でも十分な発電電力が得られる場合には、装置全体を小型化することができる。
次に、コイル数を1個のまま、コイル20の高さCH1を6mmから18mmに変えた場合、発電することができた実効電力は、147.1μW(最大電力:740.8μW)から43.8μW(最大電力:140.9μW)となった。これは、コイル20の断面積が大きくなったため、交差する磁束が減少したものと考えられる。このことから、コイル20の幅CW1は、磁石10の幅MWに比べて余り大きくしすぎない方が好ましいことが分かる。また、コイル20の高さCH1は、磁石10の最大変位量に比べて余り大きくしすぎない方が好ましいことが分かる。
また、図11に示すように、コイル20の高さCH1を6mmから3mmとし、コイル数を5(5段重ね)とし、コイル20間の離隔寸法hを2mmから1mmとする。この場合、発電することができた実効電力は、473.6μW(最大電力:1955.5μW)から896.5μW(最大電力:3234.9μW)となった。このことからも、コイル20を、磁石10の板厚方向に沿って配置する数を増やすことにより、発電することができる電力を増やすことができる。
図12は第1実施形態の振動発電装置50のコイル20に交差する磁束の変化の他の例を示す説明図である。図12において、横軸は時間(sec)を示し、縦軸は磁束(Wb)を示す。上段コイル20、中段コイル20及び下段コイル20のデータを示している。片持ち梁構造の磁石10を、周波数100Hzで振動させ、磁石10の一縁側12の最大変位量は±15mmとした。
図12に示すように、磁石10の一縁側12が最大に変位した位置から中段コイル20の略中央(磁束の単位時間あたりの変化量が最大の点)に近づくにつれて中段コイル20の磁束変化が大きくなり、変位量が0近傍で磁束変化が最大となっている。また、下段コイル20の磁束変化は、中段コイル20の磁束変化より若干遅れて変化し、上段コイル20の磁束変化は、中段コイル20の磁束変化より若干早く変化していることが分かる。
また、磁石10の一縁側12の変位が最大位置に向かうにつれて、上段コイル20又は下段コイル20の磁束変化は若干減少するが、磁石10の一縁側12の変位が最大位置を超えて0に向かって減少すると、上段コイル20又は下段コイル20の磁束変化はピークに向かって増加し、その後減少することが分かる。
図13は第1実施形態の振動発電装置50のコイル20に発生する起電力及び発電電力の変化の他の例を示す説明図である。上段の図において、横軸は時間(sec)を示し、縦軸は起電力(mV)を示す。また、下段の図において、横軸は時間(sec)を示し、縦軸は電力(μW)を示す。磁石10の一縁側12が中段コイル20の略中央(磁束の単位時間あたりの変化量が最大の点)前後で起電力及び発電電力がピークとなることが分かる。なお、図12及び図13は一例であって、磁束変化、起電力及び発電電力の変化は、これらに限定されるものではない。
図14は第1実施形態の振動発電装置50による振動周波数が100Hzの場合の発電電力の一例を示す説明図である。図14に示すように、磁石10の長さMLが20mm、幅MWが10mm、コイル20の長さCLが18mm、幅CW1が20mm、高さCH1が6mm、コイル数は、上段コイル、中段コイル20及び下段コイル20の3段構成であり、導体21の巻数が150回、磁石10の膜厚が150μmの場合、発電することができた実効電力は593.9μWであった。
次に、コイル数を1とし、上段コイル20のみの場合、中段コイル20のみの場合、及び下段コイル20の場合に発電することができた実効電力はそれぞれ、76.0μW、159.4μW、74.0μWであった。上段コイル20のみの場合、中段コイル20のみの場合、及び下段コイル20の場合の実効電力の合計は、309.4μWとなり、3段構成の場合の593.9μWよりもかなり少ないことが分かる。逆に言えば、個々のコイル20を単独で配置するよりも、複数のコイル20を近接させて複数配置することにより、個々のコイル20による発電電力の単純な合計よりも大きな発電電力を得ることができる。これは、コイル20を複数近接させて配置することにより、コイル20同士はお互いに磁束が干渉しているためと考えられる。
また、図14に示すように、コイル20の幅CW1を20mmから10mmに変えた場合、発電することができた実効電力は593.9μWから827.8μWとなった。これは、コイル20の幅CW1を磁石10の幅MWと同程度にすることにより、コイル20に交差する磁束の減少割合よりも磁束密度の増加割合の方が大きく寄与しているものと考えられる。
すなわち、磁石10のコイル20が対向配置された縁側の長さ寸法(磁石10の幅MW)は、巻回された導体21の縁側方向の寸法(コイル20の幅CW1、又は内径幅CW2)と略等しい。ここで、略等しいとは、例えば、磁石10の幅MWがコイル20の幅CW1又は内径幅CW2のいずれかと等しい場合、幅MWが内径幅CW2より小さく、その寸法差が、例えば、内径幅CW2の20%程度である場合を含む。なお、磁石10の幅MWがコイル20の幅CW1より若干(例えば、幅CW1の20%程度)大きくてもよい。これにより、磁石10の磁束の大部分をコイル20に交差させるとともに、コイル20に交差する磁束の磁束密度を大きくすることができるので、大きな電力を発電することができる。
(第2実施形態)
図15は第2実施形態の振動発電装置50の構成の要部の第1実施例を示す斜視図である。図15に示すように、振動発電装置50は、磁石10の磁化方向と平行な1対の縁側13、14の中途部に磁化方向と交差する方向の軸体15を備える。磁石10は、軸体15を中心にして振動可能(図15の符号Bで示す方向、及び符号Cで示す方向に振動可能)にしてある。軸体15の断面形状は、例えば、三角形にして、軸体15が捻じれることによる反発力を利用したトーション振動可能にすることができる。
また、図15の例では、1個のコイル20(第1実施形態の中段コイル20に相当)を、磁石10の一縁側12に対向配置してある。また、図15の例において、軸体15の断面形状である三角形の頂点が上方を向いているが、これに限定されるものではなく、軸体15の断面形状が逆三角形、すなわち、三角形の頂点が下方を向いているようにしてもよい。
振動発電装置50を所定の振動源に取り付けることにより、磁石10を振動させることができる。これにより、振動源の振動数に応じて磁石10が振動し、磁石10の一縁側12をコイル20の断面に略平行に変位させて、コイル20に交差する磁束を変化させることができる。
図16は第2実施形態の振動発電装置50による発電電力の一例を示す説明図である。図16に示すように、磁石10の長さMLを10mm、幅MWを20mmとし、コイル20の長さCLを18mm、幅CW1を20mm、高さCH1を3mmとする。また、導体21の巻数を150回、磁石10の膜厚を150μmとする。この場合に、振動周波数を95Hzとし、磁石10の変位角(回転角:例えば、符号Bの方向を正の回転角、符号Cの方向を負の回転角とする)をそれぞれ±26.6°、±36.9°、±45.0°としたとき、発電することができた実効電力はそれぞれ39.0μW(最大電力:89.6μW)、81.5μW(最大電力:209.6μW)、118.9μW(最大電力:331.3μW)であった。このことから、磁石10の変位角(回転角)が大きくなるようにすれば、より大きな電力を発電することができる。
また、図16に示すように、振動周波数を95Hzから300Hzに変えた場合に、磁石10の変位角をそれぞれ±20.0°、±40.0°としたとき、発電することができた実効電力はそれぞれ178.2μW(最大電力:396.6μW)、952.9μW(最大電力:2493.1μW)であった。このことから、磁石10の振動周波数が大きくなると、すなわち振動源の振動周波数が大きいほど、より大きな電力を発電することができる。
また、図16に示すように、磁石10の長さMLを10mmから20mmに変更し、幅MWを20mmから10mmに変更した場合、振動周波数を95Hzとし、磁石10の変位角をそれぞれ±26.6°、±36.9°としたとき、発電することができた実効電力はそれぞれ36.5μW、61.3μWであった。このことからも、磁石10のコイル20が対向配置された縁側の長さ寸法(磁石10の幅MW)は、巻回された導体21の縁側方向の寸法(コイル20の幅CW1、又は内径幅CW2)と略等しくすることにより、磁石10の磁束の大部分をコイル20に交差させるとともに、コイル20に交差する磁束の磁束密度を大きくすることができるので、大きな電力を発電することができる。
図15の例において、コイル20を1個ではなく、例えば、3個、5個、7個の如く磁石10の板厚方向に沿ってお互いに近接させて配置することもできる。また、図15の例では、コイル20を磁石10の一縁側12に対向配置してあるが、磁石10の他縁側11にもコイル20を対向配置させることもできる。この場合、磁石10の一縁側12及び他縁側11それぞれをコイル20の断面に略平行に変位させることができ、より大きな電力を発電することができる。
図17は第2実施形態の振動発電装置50の構成の要部の第2実施例を示す斜視図である。図17に示すように、磁石10の一縁側12及び他縁側11それぞれに沿って棒状の重り16を設けている。これにより、磁石10が軸体15を中心にして振動する際のモーメントを大きくして、より大きな変位角(回転角)を得ることができ、発電電力を増加させることができる。また、図17の例において、軸体15の断面形状である三角形の頂点が上方を向いているが、これに限定されるものではなく、軸体15の断面形状が逆三角形、すなわち、三角形の頂点が下方を向いているようにしてもよい。
(第3実施形態)
図18は第3実施形態の振動発電装置50の構成の要部の一例を示す平面図である。図18に示すように、磁石10の一縁側12及び他縁側11それぞれに弾性部材31を設けてあり、各弾性部材31は、枠体30に支持されている。磁石10は、両持ち梁構造をなす。つまり、磁石10の一縁側12及び他縁側11それぞれと支持部30との間は、例えば、バネ定数が比較的小さい弾性部材31で接続する。そして、磁石10は、一縁側12及び他縁側11それぞれが弾性部材31を介して枠体30に支持された両持ち梁構造をなし、磁化方向に垂直に振動可能にしてある。
これにより、磁石10を磁化方向に垂直に振動可能にすることができる。振動発電装置50を所定の振動源に取り付けることにより、磁石10を振動させることができる。これにより、振動源の振動数に応じて磁石10が振動し、磁石10の一縁側12及び他縁側11それぞれをコイル20の断面に略平行に変位させて、コイル20に交差する磁束を変化させることができる。
上述の各実施の形態によれば、センサ装置200などの電子機器は、振動発電装置50を備えるので、電子機器自身がパッシブエネルギーを用いて従来よりも大電力の発電を行うことができる発電機構を具備することができる。すなわち、センサ装置200自身が発電機構を有するので、電池の交換や充電を行う必要がなく、センサネットワークの大幅な拡大に寄与することができる。また、電池交換が不要となれば、廃棄物の大幅な削減となることから、環境負荷の大幅な低減にも寄与することができる。
また、上述の各実施の形態によれば、振動発電装置50は、従来の発電能力(例えば、50μW程度)を遥かに上回る電力(例えば、約4倍以上の250μW以上の電力)を発電することができる。すなわち、本実施の形態の振動発電装置50は、磁石の寸法、コイルの寸法、コイル数、コイルの巻数、磁石の膜厚などを適宜設定することにより、実効電力が200μW以上の発電能力を達成することが可能となる。また、本実施の形態の振動発電装置50は、凡その外形寸法が、例えば、15mm×35mm×10mm程度の大きさにすることができ、小型化を実現することができる。なお、振動発電装置50の用途に応じて、大きな電力を発電する必要がある場合には、コイル20の数を適宜増やせばよい。また、振動源の振動周波数と共振して磁石10が振動するように、磁石20の形状や支持の構成を適宜変更して振動発電装置50(磁石10)の固有振動数が振動源の振動周波数に近づくようにすればよい。
なお、前述の実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせることができる。
10 磁石
11 他縁側
12 一縁側
13、14 縁側
15 軸体
16 重り
20 コイル
21 導体
30 枠体
31 弾性部材
50 振動発電装置
61 整流回路
62 昇降圧回路
63 制御部
64 センサ部
65 通信部
101 シリコン
102 シリコン酸化膜
103 タンタル層
104 薄膜磁石
200 センサ装置

Claims (10)

  1. 矩形状の板体であって板面と平行な磁化方向を有し、振動可能な磁石と、
    該磁石の前記磁化方向の一縁側に対向配置され、断面が矩形状のコアの外周に導体を前記磁化方向と平行な方向に沿って並べて複数巻回したコイルと
    を備え、
    前記導体は、断面が長方形状をなし、
    前記導体の短辺側の表面を前記コアの外周に対向してあり、
    電磁誘導により前記コイルに起電力を発生させることを特徴とする振動発電装置。
  2. 前記磁石の前記一縁側と反対側の他縁側を支持する支持部を備え、
    前記磁石は、
    片持ち梁構造をなすことを特徴とする請求項1に記載の振動発電装置。
  3. 前記磁石の前記磁化方向と平行な1対の縁側の中途部に前記磁化方向と交差する方向の軸体を備え、
    前記磁石は、
    前記軸体を中心にして振動可能にしてあることを特徴とする請求項1に記載の振動発電装置。
  4. 前記磁石の前記一縁側及び該一縁側と反対側の他縁側それぞれに設けられた弾性部材と、
    各弾性部材を支持する支持部と
    を備え、
    前記磁石は、
    両持ち梁構造をなすことを特徴とする請求項1に記載の振動発電装置。
  5. 前記磁石の前記一縁側と反対側の他縁側に前記コイルをさらに対向配置してあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の振動発電装置。
  6. 前記コイルを、板厚方向に沿って複数配置してあることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の振動発電装置。
  7. 前記コイルは、前記導体を矩形状に巻回してあり、
    前記磁石の前記コイルが対向配置された縁側の長さ寸法は、巻回された導体の該縁側方向の寸法と略等しいことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の振動発電装置。
  8. 前記磁石は、
    基体と、
    該基体の表面に物理蒸着法により成膜した薄膜磁石と
    を有することを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の振動発電装置。
  9. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の振動発電装置を備えることを特徴とする電子機器。
  10. 矩形状の板体であって板面と平行な磁化方向を有し、振動可能な磁石を振動させるステップと、
    該磁石の前記磁化方向の一縁側に対向配置され、断面が矩形状のコアの外周に導体を前記磁化方向と平行な方向に沿って並べて複数巻回したコイルであって、前記導体は、断面が長方形状をなし、前記導体の短辺側の表面を前記コアの外周に対向させた前記コイルに電磁誘導により起電力を発生させるステップと
    を含むことを特徴とする振動発電方法。
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