以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.システムの構成
2.チャネルボンディングの概要
3.本技術を適用したチャネルボンディングの説明
(1)運用例1:DVB-C2規格に対応
(2)運用例2:ATSC3.0規格に対応
4.コンピュータの構成
<1.システムの構成>
図1は、本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成を示す図である。なお、システムとは、複数の装置が論理的に集合した物をいう。
図1において、伝送システム1は、送信装置10と受信装置20から構成される。
送信装置10は、例えば、テレビ番組等の送信(伝送)を行う。すなわち、送信装置10は、例えばテレビ番組としてのビデオデータやオーディオデータなどの送信の対象である対象データのストリームを、デジタル放送信号として、ケーブルテレビジョン網や地上波、衛星回線等の伝送路30を介して送信(伝送)する。
受信装置20は、送信装置10から伝送路30を介して送信されてくるデジタル放送信号を受信し、元のストリームに復元して出力する。例えば、受信装置20は、テレビ番組としてのビデオデータやオーディオデータを出力する。
なお、図1の伝送システム1は、DVB-C2規格やATSC3.0規格に準拠したデジタル放送(データ伝送)の他、DVB-T2規格やDVB-S2規格、ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)等の規格に準拠したデジタル放送、その他のデジタル放送に適用することができる。
<2.チャネルボンディングの概要>
(一般的なチャネルボンディング)
図2は、一般的なチャネルボンディングを説明する図である。
図2において、一般的なチャネルボンディングでは、6MHzの帯域幅からなる異なるチャネルによって、1のストリームから分割された分割ストリーム1(を含むデジタル放送信号(RF1))と、分割ストリーム2(を含むデジタル放送信号(RF2))が伝送されている。ただし、各チャネルにおいては、6MHzの帯域幅のうち、5.71MHzの帯域幅がデータ伝送に利用されている。また、チャネルボンディングで利用されるチャネルは、隣接している必要はなく、それらのチャネルの間を、チャネルボンディングとは関係のない異なるデジタル放送信号を伝送するためのチャネルとすることができる。
ここで、送信装置10によって、一般的なチャネルボンディングによる分割ストリームを含むデジタル放送信号(RF1,RF2)が伝送される場合、受信装置20は、例えば、図3に示すような構成を有することになる。すなわち、受信装置20においては、1のストリームから分割された分割ストリームが伝送されるチャネルの数に応じたRFチューナ部212と復調部213が設けられ、複数の分割ストリームに対する処理を行うことになる。図3においては、2つのチャネルで分割ストリームを含むデジタル放送信号(RF1,RF2)が伝送されているので、受信装置20には、RFチューナ部212−1,212−2と、復調部213−1,213−2が設けられている。なお、RFチューナ部212は、例えば、5MHz,6MHz,7MHz,8MHzなどの周波数帯域の中から、受信可能な周波数帯域を設定することができる。
図3の受信装置20においては、RFチューナ部212−1と復調部213−1により処理が行われることで、デジタル放送信号(RF1)から分割ストリーム1が抽出され、RFチューナ部212−2と復調部213−2により処理が行われることで、デジタル放送信号(RF2)から分割ストリーム2が抽出される。そして、合成部214によって、抽出された分割ストリーム1と分割ストリーム2が合成されて、元のストリームが復元(再構成)される。
(単純拡張の連結チャネルボンディング)
図4は、単純拡張の連結チャネルボンディングを説明する図である。
図4において、単純拡張の連結チャネルボンディングでは、1のストリームから分割された分割ストリーム1(を含むデジタル放送信号(RF1))と、分割ストリーム2(を含むデジタル放送信号(RF2))が、隣接する6MHzの帯域幅からなるチャネルによって伝送されている。また、隣接するチャネルにおいては、6MHzの帯域幅のうち、5.71MHzの帯域幅がデータ伝送に利用されているが、それらのチャネルの連結部分におけるガードバンド(guard band)の部分の帯域幅を有効に活用したいという要請がある。
ここで、送信装置10によって、単純拡張の連結チャネルボンディングによる分割ストリームを含むデジタル放送信号(RF1,RF2)が伝送される場合、受信装置20は、例えば、図5に示すような構成を有することになる。すなわち、図5の受信装置20においては、図3の構成と同様に、RFチューナ部212−1と復調部213−1により処理が行われることで、デジタル放送信号(RF1)から分割ストリーム1が抽出され、RFチューナ部212−2と復調部213−2により処理が行われることで、デジタル放送信号(RF2)から分割ストリーム2が抽出される。そして、合成部214によって、抽出された分割ストリーム1と分割ストリーム2が合成されて、元のストリームが復元(再構成)される。
(DVB-C2規格(J.382方式)の連結チャネルボンディング)
図6は、DVB-C2規格(J.382方式)の連結チャネルボンディングを説明する図である。なお、J.382方式は、次世代ケーブルテレビ伝送方式の1つの方式である。
ところで、上述した単純拡張の連結チャネルボンディングでは、各チャネルの連結部分におけるガードバンド(guard band)の部分の帯域幅を有効に活用したいという要請があることを述べたが、DVB-C2規格(J.382方式)では、各チャネルの連結部分でもデータを伝送できるように規格化されている。すなわち、図6に示すように、DVB-C2規格(J.382方式)の連結チャネルボンディング(連結PLPバンドリング)では、1のストリーム(PLP:Physical Layer Pipe)から分割された分割ストリームとしてのデータスライス0とデータスライス1(を含むデジタル放送信号(DS0,DS1))が伝送されている。そして、隣接する各チャネルにおいては、6MHzの帯域幅のうち、5.71MHzの帯域幅がデータ伝送に利用され、それらのチャネルの連結部分の0.295MHzの帯域幅では、1のストリーム(PLP)から分割された分割ストリームとしてのデータスライス2(を含むデジタル放送信号(DS2))が伝送されている。
ここで、送信装置10によって、DVB-C2規格(J.382方式)の連結チャネルボンディングによるデータスライスを含むデジタル放送信号(DS0,DS1,DS2)が伝送される場合、受信装置20は、例えば、図7に示すような構成を有することになる。すなわち、図7の受信装置20においては、1のストリームから分割された分割ストリームとしてのデータスライスの数に応じたRFチューナ部212と復調部213が設けられ、複数のデータスライスに対する処理を行うことになる。図7においては、3つのデータスライスを含むデジタル放送信号(DS0,DS1,DS2)が伝送されているので、受信装置20には、RFチューナ部212−1,212−2,212−3と、復調部213−1,213−2,213−3が設けられている。
図7の受信装置20においては、RFチューナ部212−1と復調部213−1により処理が行われることで、デジタル放送信号(DS0)からデータスライス0が抽出され、RFチューナ部212−2と復調部213−2により処理が行われることで、デジタル放送信号(DS1)からデータスライス1が抽出され、RFチューナ部212−3と復調部213−3により処理が行われることで、デジタル放送信号(DS2)からデータスライス2が抽出される。そして、合成部214によって、抽出されたデータスライス0と、データスライス1と、データスライス2とが合成されて、元のストリームが復元(再構成)される。
以上のように、DVB-C2規格(J.382方式)の連結チャネルボンディングでは、チャネル連結で増加した分の周波数帯域(例えば、チャネル連結で利用可能となったチャネルの連結部分の帯域幅)を有効に活用してデータスライスを伝送することができるが、受信装置20(図7)には、チャネル連結で利用可能となった帯域幅で伝送されるデータスライスを処理するためのRFチューナ部212−3と復調部213−3を設ける必要がある。これは、DVB-C2規格(J.382方式)において、各チャネルで伝送されるデータスライスの周波数帯域の幅が制限されているために、チャネル連結で利用可能となった帯域幅で伝送されるデータを、他のデータスライスとして伝送しなければならず、RFチューナ部212−1と復調部213−1や、RFチューナ部212−2と復調部213−2では処理できないためである。なお、データスライスの最大値(幅)については、上述した非特許文献1の「9.4.1.2 Maximum width of Data Slices」に規定されている。
このように、チャネル連結で利用可能となった帯域幅を有効に活用できても、受信装置20に、RFチューナ部212−3や復調部213−3を追加することとなっては、送信側からすれば効率がよいが、受信側からすればコストの増加に繋がるため、受信側のコストの増加を抑えつつ、チャネル連結で利用可能となった帯域幅を有効に活用できることが望ましい。また、図8に示すように、受信装置20に、広帯域の周波数に対応したRF広帯域チューナ部212を設けることも考えられるが、結局、チャネル連結で利用可能となった帯域幅で伝送されるデータスライスを処理するための復調部213−3を設ける必要があるため、根本的な解決とはなっていない。
そこで、本技術を適用したチャネルボンディングでは、受信側のコストの増加を抑えつつ、チャネル連結で利用可能となった帯域幅を有効に活用したチャネルボンディングが実現されるようにする。以下、本技術を適用したチャネルボンディングについて、DVB-C2規格に対応した運用例1と、ATSC3.0規格に対応した運用例2を例示しながら、具体的に説明する。
<3.本技術を適用したチャネルボンディングの説明>
(1)運用例1
(PLPバンドリングの概要)
近年、いわゆる8K等の高解像度の画像を送信するデジタル放送が要請されているが、8Kの解像度の画像については、HEVC(High Efficiency Video Coding)方式で符号化を行った場合に、その符号化の結果得られる高データレートのデータの伝送に必要なスループットは、100Mbps程度になる。このような高データレートのデータに相当するPLPについては、1のデータスライス(Data Slice)で伝送することができない。
そこで、DVB-C2規格では、チャネルボンディングの1つであるPLPバンドリングにより、1のPLPとしての実データを、BB(BaseBand)フレーム単位で分割し、複数のデータスライスで伝送することができるように規格化されている。受信装置20においては、送信装置10から送信されてくる複数のデータスライスが受信されて処理されることで、1のPLPとしての実データが再構成されることになる。
なお、DVB-C2規格では、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を伝送する伝送帯域(周波数帯域)が、例えば(約)6MHz単位に区切られている。いま、6MHz単位に区切られた1つの伝送帯域を、単位伝送帯域ということとすると、受信装置20では、所望のテレビ番組の実データのPLPを含むデータスライスが伝送される単位伝送帯域のOFDM信号が受信され、そのOFDM信号に含まれるデータスライスが処理されることになる。
(運用例1の概要)
図9は、DVB-C2規格に対応した運用例1を説明する図である。なお、図9において、左側の周波数帯域が、現行のDVB-C2規格(J.382方式)に対応したPLPバンドリングの対象となるチャネル等を表し、右側の周波数帯域が、本技術を適用した運用例1に対応したPLPバンドリングの対象となるチャネル等を表している
図9の左側の周波数帯域で示すように、現行のDVB-C2規格(J.382方式)の連結チャネルボンディングでは、上述した図6乃至図8で説明したように、チャネル連結で利用可能となった帯域幅を有効に活用してデータスライスを伝送することができる。しかしながら、受信装置20には、チャネル連結で利用可能となった帯域幅で伝送されるデータスライス2(を含むデジタル放送信号(DS2))を処理するための復調部213−3(とRFチューナ部212−3)を設ける必要があったため、送信側からすれば効率がよいが、受信側からすればコストの増加に繋がっていたことは先に述べた通りである。
一方、本技術を適用した運用例1においては、各チャネルで伝送されるデータスライスの周波数帯域の幅の制限を解除してその最大値(幅)を変更可能にすることで、チャネル連結で利用可能となった帯域幅を有効に活用できるようにするだけでなく、受信側のコストの増加を抑えることができるようにする。すなわち、現行のDVB-C2規格(J.382方式)の連結チャネルボンディング(連結PLPバンドリング)では、各チャネルにおいて、6MHzの帯域幅のうち、5.71MHzの帯域幅がデータ伝送に利用されているため、チャネル連結により0.295MHzの帯域幅がさらに利用可能となっていたが、本技術を適用した運用例1では、データスライスの最大値(幅)を変更可能にすることで、各チャネルにおいて、5.86MHz(5.71MHz + 0.15MHz(0.295/2MHz))の帯域幅がデータ伝送に利用できるようにする。
換言すれば、本技術を適用した運用例1においては、各チャネルで伝送されるデータスライスの最大値(幅)を変更可能にして、各データスライスで伝送可能となるデータの最大値を設定できるようにすることで、現行のDVB-C2規格(J.382方式)の連結チャネルボンディング(図6乃至図8)におけるデータスライス2で伝送されるデータが、データスライス0とデータスライス1に分配されているとも言える。
そして、本技術を適用した運用例1では、各チャネルで伝送されるデータスライスの周波数帯域の幅の制限を解除して(少しだけやわらげて)その最大値(幅)を変更可能にするために、バージョン情報及び拡張モードのうち、少なくとも一方の情報が定義されるようにする。すなわち、各チャネルで伝送されるデータスライスの最大値(幅)を管理するためのバージョン情報を定義する。例えば、このバージョン情報が示すバージョンが更新された場合に、データスライスの最大値(幅)が、3408(OFDM carriers)から、3496(OFDM carriers)に変更されるようにして最大値(幅)の制限を解除することで、チャネル連結で利用可能となった周波数帯域で伝送されるデータが、データスライス0とデータスライス1に分配されるようにする。
また、データスライスの最大値(幅)の変更の有無を示す拡張モードを定義する。例えば、拡張モードが設定されていない場合、すなわち、通常モードである場合には、データスライスの最大値(幅)は、3408(OFDM carriers)となる。一方、拡張モードが設定された場合には、データスライスの最大値(幅)の制限(3408(OFDM carriers))が解除されるようにすることで、チャネル連結で利用可能となった周波数帯域で伝送されるデータが、データスライス0とデータスライス1に分配されるようにする。
ここで、バージョン情報と、拡張モードは、例えば、OFDMパラメータ、データスライス、PLP、及び、ノッチバンド等に関連する情報を含む伝送制御情報であるL1シグナリング情報に定義することができる。すなわち、バージョン情報と、拡張モードは、現行のDVB-C2規格(J.382方式)で用いられているL1シグナリング情報に定義することができる。
(L1シグナリング情報の構造)
図10は、運用例1で用いられるL1シグナリング情報のデータフィールドを示す図である。
16ビットのNETWORK_IDは、現在のネットワークを一意に識別するネットワークIDを示している。16ビットのC2_SYSTEM_IDは、ネットワークIDにより識別されるネットワーク内のC2システムを一意に識別するC2システムIDを示している。
24ビットのSTART_FREQUENCYは、現在のC2システムの開始周波数を、0Hzからの距離として示し、現在のC2システムのキャリア間隔の整数倍としてunsigned intの値をとる。16ビットのC2_BANDWIDTHは、現在のC2システムの帯域幅を示している。
2ビットのGUARD_INTERVALは、現在のC2フレームのガードインターバルを示している。10ビットのC2_FRAME_LENGTHは、C2フレームごとのデータシンボル数を示している。8ビットのL1_PART2_CHANGE_COUNTERは、構成が変化する場所の前にあるC2フレームの数を示している。
8ビットのNUM_DSLICEは、現在のC2フレーム内で伝送されるデータスライス数を示している。4ビットのNUM_NOTCHは、ノッチバンド数を示している。
データスライス数に応じたデータスライスループには、次のフィールドが配置される。8ビットのDSLICE_IDは、C2システム内でデータスライスを一意に識別するデータスライスIDを示している。13ビット又は14ビットのDSLICE_TUNE_POSは、データスライスのチューニング位置を、START_FREQUENCYの相対値として示している。
8ビット又は9ビットのDSLICE_OFFSET_LEFTは、関連するデータスライスの開始位置を、チューニング位置から左への距離として示している。8ビット又は9ビットのDSLICE_OFFSET_RIGHTは、関連するデータスライスの開始位置を、チューニング位置から右への距離として示している。後述のリザーブド領域2に、EXTENDED_DSとして拡張モードが設定された場合には、DSLICE_OFFSET_LEFTとDSLICE_OFFSET_RIGHTにより、データスライスの最大値(幅)が設定されることになる。
2ビットのDSLICE_TI_DEPTHは、関連するデータスライス内での時間インターリーブの深さを示している。1ビットのDSLICE_TYPEは、関連するデータスライスのタイプを示している。DSLICE_TYPEが"1"の場合、1ビットのFEC_HEADER_TYPEが配置される。FEC_HEADER_TYPEは、関連するデータスライス内のFECフレームヘッダのタイプを示している。
1ビットのDSLICE_CONST_CONFは、関連するデータスライスの構成が可変か、固定かを示している。このフィールドの値が、"1"に設定されている場合、関連するデータスライスの構成は変化しない。そうでない場合には、"0"に設定される。
1ビットのDSLICE_LEFT_NOTCHは、関連するデータフィールドの左に隣接するノッチバンドの存在を示している。関連するデータスライスの開始位置に隣接するノッチバンドが存在する場合、このフィールドの値が"1"に設定される。そうでない場合には、"0"に設定される。
8ビットのDSLICE_NUM_PLPは、関連するデータスライス内で伝送されるPLP数を示している。当該PLP数に応じたPLPループには、次のフィールドが配置される。8ビットのPLP_IDは、C2システム内でPLPを識別するPLP IDを示している。1ビットのPLP_BUNDLEDは、PLPバンドル情報であって、現在のC2システム内で、関連するPLPとバンドルされるかどうかを示す。関連するPLPがバンドルされる場合、このフィールドの値が"1"に設定される。そうでない場合には、"0"に設定される。
2ビットのPLP_TYPEは、関連するPLPのタイプを示している。5ビットのPLP_PAYLOAD_TYPEは、関連するPLPにより伝送されるペイロードデータのタイプを示している。PLP_TYPEが"00"又は"01"の場合、8ビットのPLP_GROUP_IDが配置される。PLP_GROUP_IDは、現在のPLPが、C2システム内でどのPLPグループに関連付けられているかを識別するPLPグループIDを示している。
DSLICE_TYPEが"0"の場合、14ビットのPLP_START,1ビットのPLP_FEC_TYPE,3ビットのPLP_MOD,3ビットのPLP_CODが配置される。PLP_STARTは、関連するPLPの最初の完全なXFECフレームの開始位置を、現在のC2フレーム内で示している。PLP_FEC_TYPEは、関連するPLPで使用されるFECタイプを示している。PLP_MODは、関連するPLPで使用される変調方式を示している。PLP_CODは、関連するPLPで使用される符号化率を示している。
1ビットのPSI/SI_REPROCESSINGは、PSI/SI再処理が実行されるかどうかを示している。PSI/SI_REPROCESSINGが"0"の場合、16ビットのtransport_stream_id,16ビットのoriginal_network_idが配置される。transport_stream_idは、配信システム内でこのTS(Transport Stream)を、他の多重化から識別するためのラベルとして機能するトランスポートストリームIDを示している。original_network_idは、元になる配信システムのネットワークIDを識別するためのラベルとして機能するオリジナルネットワークIDを示している。
なお、PLPループ内には、8ビットのRESERVED_1が配置される。RESERVED_1は、将来使用のために予約されているリザーブド領域1である。また、データスライスループ内には、8ビットのRESERVED_2が配置される。RESERVED_2は、将来使用のために予約されているリザーブド領域2であるが、この8ビットのRESERVED_2に、1ビットのEXTENDED_DSを配置して、残りの7ビットをリザーブド領域2とすることで、拡張モードを定義することができる。例えば、データスライスの最大値(幅)の変更があることを示す場合、このフィールドの値が"1"に設定される。そうでない場合には、"0"に設定される。
ノッチバンド数に応じたノッチループには、次のフィールドが配置される。13ビット又は14ビットのNOTCH_STARTは、関連するノッチバンドの開始位置を、START_FREQUENCYの相対値として、unsigned intとして示している。8ビット又は9ビットのNOTCH_WIDTHは、関連するノッチバンドの幅を、unsigned intとして示している。なお、ノッチループ内には、8ビットのRESERVED_3が配置される。RESERVED_3は、将来使用のために予約されているリザーブド領域3である。
1ビットのRESERVED_TONEは、一部のキャリアが予約されているかどうかを示している。現在のC2フレーム内に予約キャリアが存在する場合、このビットには"1"が設定される。そうでない場合には、"0"に設定される。16ビットのRESERVED_4は、将来使用のために予約されているリザーブド領域4であるが、この16ビットのRESERVED_4に、4ビットのC2_VERSIONを配置して、残りの12ビットをリザーブド領域4とすることで、バージョン情報を定義することができる。例えば、データスライスの最大値(幅)を変更可能にする場合、このフィールドの値に対応したバージョンが更新されることになる。
次に、運用例1を採用した場合に、伝送システム1を構成する送信装置10と受信装置20により実行される処理の詳細な内容について説明する。ここでは、まず、送信側について説明してから、受信側についても説明する。
(送信装置の構成)
図11は、図1の送信装置10の構成例を示す図である。
送信装置10は、チャネルボンディングの1つであるPLPバンドリングにより、1のPLP(同一のPLP IDが付与されるPLP)としての実データを、BBフレーム単位で分割し、複数のデータスライスで伝送できるようになっている。図11において、送信装置10は、制御部111、入力処理部112、データスライス処理部113−1乃至113−N(Nは1以上の整数)、フレーム構成部114、及び、送信部115から構成される。
制御部111は、送信装置10の各部の動作を制御する。
入力処理部112には、同一のPLP IDのPLPとしての実データ(例えばTS(Transport Stream)等の対象データ)が供給される。入力処理部112は、そこに供給される実データに、BB(BaseBand)ヘッダを付加することなどによって、BBフレームを構成する。なお、BBヘッダには、ISSY(Input Stream Synchronizer)として、ISCR(Input Stream Time Reference)が含まれる。
入力処理部112は、BBフレームから構成されるBBストリームを、分割の対象として、そのBBストリームを構成する各BBフレームを、複数のデータスライスのうち、1のデータスライスに分配することを繰り返すことで、BBストリームを、BBフレーム単位で、複数の分割ストリームに分割する。また、入力処理部112は、BBストリームを分割して得られる複数の分割ストリームを、データスライス処理部113−1乃至113−Nのいずれかに分配する。
データスライス処理部113−1は、入力処理部112により分配された分割ストリームに対する処理を行う。データスライス処理部113−1は、例えば、分割フレームを構成するBBフレームを対象として誤り訂正符号化を行い、誤り訂正符号化の結果得られるFECフレームを、シンボルとしての所定のビット数単位で、所定のコンスタレーション上の信号点にマッピングする。そして、データスライス処理部113−1は、そのマッピング結果としてのシンボルを、FECフレーム単位で抽出することで得られるFECフレームに対して、FECフレームヘッダを付加することで、データスライスパケットを構成する。
また、データスライス処理部113−1は、1個以上のデータスライスパケットから、データスライスを構成し、さらに、時間方向と周波数方向にインターリーブし、そのインターリーブ後のデータスライスを、フレーム構成部114に供給する。また、データスライス処理部113−2乃至113−Nにおいては、データスライス処理部113−1と同様に、入力処理部112により分配された分割ストリームに対する処理が行われ、それにより得られるデータスライスが、フレーム構成部114に供給される。
フレーム構成部114には、データスライス処理部113−1乃至113−Nから1個以上のデータスライスが供給される。フレーム構成部114は、データスライス処理部113−1乃至113−Nからの1個以上のデータスライスを含むC2フレームを構成し、送信部115に供給する。送信部115は、フレーム構成部114から供給されるC2フレームのIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を行い、その結果得られるOFDM信号を、DA変換(Digital to Analog Conversion)する。そして、送信部115は、デジタル信号からアナログ信号に変換されたOFDM信号を、RF(Radio Frequency)信号に変調し、デジタル放送信号として、伝送路30を介して送信する。
また、制御部111は、チャネルボンディング設定部151、及び、伝送制御情報生成部152を含んで構成される。チャネルボンディング設定部151は、チャネルボンディング(PLPバンドリング)の運用形態として、運用例1が採用されている場合、各チャネルで伝送されるデータスライスの周波数帯域の幅の制限を解除してその最大値(幅)を変更可能とするための情報(バージョン情報や拡張モード)を設定し、その設定内容を、伝送制御情報生成部152に供給する。
伝送制御情報生成部152は、チャネルボンディング設定部151から供給される設定内容に基づいて、L1シグナリング情報等の伝送制御情報を生成し、フレーム構成部114等に供給する。これにより、例えば、フレーム構成部114では、C2フレームを構成するに際して、L1シグナリング情報等の伝送制御情報を付加することができる。
なお、図11の送信装置10の構成では、説明の都合上、PLPバンドリング等のチャネルボンディングに関係のないブロックについては、適宜、図示を省略してある。
(送信処理)
次に、図12のフローチャートを参照して、図1の送信装置10により実行される運用例1に対応した送信処理の流れを説明する。
ステップS101において、制御部111は、チャネルボンディング送信処理を行う。このチャネルボンディング送信処理では、L1シグナリング情報等の伝送制御情報が、チャネルボンディング(PLPバンドリング)の運用形態(例えば、運用例1)に応じて生成される。なお、チャネルボンディング送信処理の詳細な内容は、図13のフローチャートを参照して後述する。
ステップS102において、入力処理部112乃至送信部115は、制御部111からの制御に従い、送信処理を行う。この送信処理では、例えば、1のPLPを分割して得られる複数のデータスライスとともに、L1シグナリング情報等の伝送制御情報が、デジタル放送信号として、伝送路30を介して送信される。なお、ステップS102の処理が完了すると、図12の送信処理は終了する。
以上、送信処理について説明した。
(チャネルボンディング送信処理)
ここで、図13のフローチャートを参照して、図12のステップS101の処理における、運用例1に対応したチャネルボンディング送信処理の詳細な内容を説明する。
ステップS111においては、チャネルボンディング(PLPバンドリング)の運用形態が、運用例1であるかどうかが判定される。ステップS111において、運用例1であると判定された場合、処理は、ステップS112に進められる。
ステップS112において、チャネルボンディング設定部151は、PLPバンドリングの対象のデータスライスの最大値(幅)の変更を認めるバージョン情報と、拡張モードを設定する。ここでは、例えば、バージョン情報及び拡張モードの少なくとも一方の情報が設定されることで、データスライスの周波数帯域の幅の制限が解除されてその最大値(幅)が変更可能とされる。
ステップS113において、伝送制御情報生成部152は、ステップS112の処理の設定内容に基づいて、L1シグナリング情報を生成する。
一方、ステップS111において、運用例1ではないと判定された場合、処理は、ステップS114に進められる。ステップS114において、チャネルボンディング設定部151は、例えば、通常の最大値(幅)(例えば3408(OFDM carriers))でデータスライスを伝送する通常のPLPバンドリングの設定処理等を行う。これにより、通常のPLPバンドリングに対応したL1シグナリング情報が生成される(S113)。
ステップS113の処理が終了すると、処理は、図12のステップS101の処理に戻り、それ以降の処理が実行される。
以上、運用例1に対応したチャネルボンディング送信処理を説明した。
(受信装置の構成)
図14は、図1の受信装置20の構成例を示す図である。
受信装置20は、PLPバンドリングにより、1のPLPが複数のデータスライスに分配されて送信(伝送)されてくる実データを再構成(復元)することができるようになっている。図14において、受信装置20は、制御部211、RFチューナ部212−1乃至212−N(Nは1以上の整数)、復調部213−1乃至213−N(Nは1以上の整数)、及び、合成部214から構成される。
制御部211は、受信装置20の各部の動作を制御する。
RFチューナ部212−1は、送信装置10から、デジタル放送信号として、伝送路30を介して送信されてくる所定の帯域のRF信号を受信し、復調部213−1に供給する。復調部213−1は、RFチューナ部212−1からのRF信号を復調し、その結果得られる復調信号(OFDM信号)を、AD変換(Analog to Digital Conversion)する。そして、復調部213−1は、アナログ信号からデジタル信号に変換された復調信号のFFT(Fast Fourier Transform)を行い、その結果得られるデータスライスを抽出する。
また、復調部213−1は、データスライスを、データスライスパケットに分解し、データスライスパケットから、FECフレームヘッダを除去することで、データスライスパケットを、FECフレームに分解する。なお、除去されたFECフレームヘッダに基づいて、FECフレームの変調方式や符号長等が認識され、後段のデマッピングや誤り訂正の復号等が行われる。そして、復調部213−1は、FECフレーム(のシンボル)のデマッピングを行い、デマッピング後のFECフレームに対し、誤り訂正符号の復号を行うことで、BBフレームで構成される分割ストリームを復元する。
復調部213−1により、データスライスから復元された分割ストリーム(を構成するBBフレーム)は、合成部214の内部に設けられたバッファ(不図示)に供給される。このバッファは、例えば、FIFO(First In First Out)メモリで構成され、復調部213−1から供給される分割ストリーム(を構成するBBフレーム)を順次記憶する。また、復調部213−2乃至213−Nにおいては、復調部213−1と同様に、RFチューナ部212−2乃至212−Nから供給されるRF信号に基づいて、データスライスを抽出して分割ストリームを復元するための処理が行われ、データスライスから復元された分割ストリーム(を構成するBBフレーム)が、合成部214の内部に設けられたバッファに順次記憶される。
合成部214は、内部に設けられたバッファに記憶された複数の分割ストリームを構成するBBフレームに付加されたBBヘッダに含まれるISSY(ISCR)に基づいて、元のBBストリームを構成するBBフレームの並び順に、バッファからBBフレームを読み出して、BBフレームを並び替えることで、元のBBストリームを再構成(復元)する。また、合成部214は、元のBBストリームを構成するBBフレームを分解し、実データ(例えばTS等の対象データ)を復元して出力する。
また、制御部211は、伝送制御情報取得部251、及び、チャネルボンディング制御部252を含んで構成される。伝送制御情報取得部251は、RFチューナ部212や復調部213等においてチャネルスキャンが行われることで得られるL1シグナリング情報等の伝送制御情報を取得し、チャネルボンディング制御部252に供給する。
チャネルボンディング制御部252は、伝送制御情報取得部251から供給される、L1シグナリング情報等の伝送制御情報に基づいて、復調部213や合成部214等のチャネルボンディング(PLPバンドリング)に関する処理を行う各部の動作を制御する。
(受信処理)
次に、図15のフローチャートを参照して、図1の受信装置20により実行される運用例1に対応した受信処理の流れを説明する。
ステップS201において、RFチューナ部212及び復調部213は、制御部211からの制御に従い、受信処理を行う。この受信処理では、送信装置10から伝送路30を介してデジタル放送信号が受信され、例えばチャネルスキャン等の処理が行われる。
ステップS202において、復調部213及び合成部214は、制御部211からの制御に従い、チャネルボンディング受信処理を行う。このチャネルボンディング受信処理では、L1シグナリング情報等の伝送制御情報等に基づいて、チャネルボンディング(PLPバンドリング)の運用形態(例えば、運用例1)に応じた処理が行われ、複数のデータスライスから、1のPLPが再構成される。なお、チャネルボンディング受信処理の詳細な内容は、図16のフローチャートを参照して後述する。ステップS202の処理が完了すると、図15の受信処理は終了する。
以上、受信処理について説明した。
(チャネルボンディング受信処理)
ここで、図16のフローチャートを参照して、図15のステップS202の処理における、運用例1に対応したチャネルボンディング受信処理の詳細な内容を説明する。
ステップS211において、伝送制御情報取得部251は、RFチューナ部212や復調部213においてチャネルスキャンが行われることで得られるL1シグナリング情報を取得する。なお、ここでは、例えば、全周波数帯域のチャネルスキャンが行われ、チャネルごとにL1シグナリング情報が取得される。
ステップS212において、チャネルボンディング制御部252は、ステップS211の処理で取得されたL1シグナリング情報に基づいて、PLPバンドリングの対象のデータスライスの最大値(幅)の変更を認めるバージョン情報と、拡張モードが設定されているかどうかを判定する。
ステップS212の条件を満たしていると判定された場合、処理は、ステップS213に進められる。ステップS213において、チャネルボンディング制御部252は、復調部213や合成部214等を制御して、データスライスの最大値(幅)の変更に応じたPLPバンドリング処理を行う。ここでは、例えば、バージョン情報及び拡張モードの少なくとも一方の情報が設定されることで、データスライスの周波数帯域の幅の制限が解除されてその最大値(幅)が変更されているので(例えば、3408(OFDM carriers)から3496(OFDM carriers)に変更されているので)、チャネル連結で利用可能になった周波数帯域で伝送されるデータを含むデータスライス0とデータスライス1から、1のPLPが再構成されることになる。
一方、ステップS212の条件を満たしていないと判定された場合、処理は、ステップS214に進められる。ステップS214において、チャネルボンディング制御部252は、復調部213や合成部214等を制御して、例えば、通常の最大値(幅)(例えば3408(OFDM carriers))のデータスライスに対する通常のPLPバンドリング処理等を行う。
ステップS213又はステップS214の処理が終了すると、処理は、図15のステップS202の処理に戻り、それ以降の処理が実行される。
以上、運用例1に対応したチャネルボンディング受信処理を説明した。
以上のように、DVB-C2規格に対応した運用例1では、連結チャネル情報としてのバージョン情報(C2_VERSION)と、拡張モード(EXTENDED_DS)を定義することで、各チャネルで伝送されるデータスライスの周波数帯域の幅の制限を解除して(少しだけやわらげて)その最大値(幅)を変更可能にしている。これにより、受信装置20においてRFチューナ部212や復調部213などを別に設けることなく、チャネル連結で利用可能となった周波数帯域でデータを伝送することが可能となるため、受信装置20のコストの増加を抑えつつ、周波数帯域を有効に活用することができる。
(2)運用例2
(ATSC3.0規格のチャネルボンディングの概要)
図17は、ATSC3.0規格のチャネルボンディングを説明する図である。
現在規格策定中のATSC3.0規格では、チャネルボンディングの採用が見込まれている。ATSC3.0規格のチャネルボンディングにおいても、1のPLPとしての実データを、BBフレーム単位で分割し、複数のデータスライスで伝送することができるようになっている。受信装置20においては、送信装置10から送信されてくる複数のデータスライスが受信されて処理されることで、1のPLPとしての実データが再構成されることになる。
図17において、ATSC3.0規格のチャネルボンディングでは、6MHzの帯域幅からなる異なるチャネルによって、1のPLP(PLP1)から分割されたデータスライス0(を含むデジタル放送信号(DS0))と、データスライス1(を含むデジタル放送信号(DS1))が伝送されている。ただし、各チャネルにおいては、6MHzの帯域幅のうち、5.71MHzの帯域幅がデータ伝送に利用されている。また、チャネルボンディングで利用されるチャネルは、隣接している必要はなく、それらのチャネルの間を、チャネルボンディングとは関係のない異なるデジタル放送信号を伝送するためのチャネルとすることができる。図17では、データスライスが伝送されるチャネルの間の3チャネルで、現行のATSC1.0規格に対応したデジタル放送信号が伝送されている。
ここで、送信装置10によって、複数のデータスライスを含むデジタル放送信号(DS0,DS1)が伝送される場合、受信装置20においては、1のPLP(PLP1)から分割されたデータスライスが伝送されるチャネル数に応じたRFチューナ部212と復調部213が設けられ、複数のデータスライスに対する処理を行うことになる。図17においては、2つのチャネルで、データスライス0(を含むデジタル放送信号(DS0))と、データスライス1(を含むデジタル放送信号(DS1))が伝送されているので、受信装置20には、RFチューナ部212−1,212−2と、復調部213−1,213−2が設けられる。なお、RFチューナ部212は、例えば、5MHz,6MHz,7MHz,8MHzなどの周波数帯域の中から、受信可能な周波数帯域を設定することができる。
受信装置20においては、RFチューナ部212−1と復調部213−1により処理が行われることで、デジタル放送信号(DS0)からデータスライス0が抽出され、RFチューナ部212−2と復調部213−2により処理が行われることで、デジタル放送信号(DS1)からデータスライス1が抽出される。そして、合成部214によって、抽出されたデータスライス0とデータスライス1が合成されて、元のPLP(PLP1)が復元(再構成)される。
また、図18に示すように、1のPLP(PLP1)から分割されたデータスライス0(を含むデジタル放送信号(DS0))と、データスライス1(を含むデジタル放送信号(DS1))が、隣接する6MHzの帯域幅からなるチャネルによって伝送される場合がある。この場合、隣接するチャネルにおいて、5.71MHzの帯域幅がデータ伝送に利用されているが、それらのチャネルの連結部分の帯域幅が有効に活用されていない。そのため、ATSC3.0規格においては、上述したDVB-C2規格(J.382方式)の場合と同様に、データスライスを伝送するチャネルの連結を行うとともに、チャネル連結で増加した分の周波数帯域(例えばチャネルの連結部分の帯域幅)で伝送されるデータスライスを処理するためのRFチューナ部212や復調部213を設けることなく、チャネル連結で利用可能となった周波数帯域を有効に活用したいという要請がある。
そこで、本技術を適用した運用例2では、帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)を定義して、チャネル連結で利用可能となった周波数帯域で伝送されるデータスライスを処理するためのRFチューナ部212や復調部213を設けることなく、チャネル連結で増加した分の周波数帯域を有効に活用できるようにする。すなわち、本技術を適用した運用例2では、各チャネルで伝送されるデータスライスの周波数帯域の幅を固定値とはせずに、受信装置20が、RFチューナ部212や復調部213等の構成に応じた帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)で動作するようにすることで、チャネル連結で利用可能となった帯域幅を有効に活用することができるようにする。
ここで、帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)は、例えば、伝送制御情報であるL1シグナリング情報に定義することができる。図19に示すように、レイヤ1の物理層フレーム((ATSC Physical) Frame)は、プリアンブル(Preamble)とデータ(Data(Payload))から構成される。例えば、このプリアンブルに配置されるL1シグナリング情報に、3ビットのBANDWIDTH_MODEを配置することで、帯域幅モードを定義することができる。
なお、ここでは、上述した運用例1の場合と同様に、各チャネルで伝送されるデータスライスの周波数帯域の幅を設定してもよい。また、結局、受信装置20における、RFチューナ部212や復調部213等の構成に応じて対応可能なデータスライスの数が変化するため、帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)をL1シグナリング情報等の伝送制御情報に含めて、送信装置10から受信装置20に送信しなくてもよい。すなわち、受信装置20が、RFチューナ部212や復調部213等の構成に応じた帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)を判断して、その帯域幅モードで動作するようにしてもよい。
この帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)としては、上述した図17と図18に示した複数のデータスライスを伝送するチャネルが連結されていない通常モード(regular mode)と、複数のデータスライスを伝送するチャネルが連結された拡張モード(extended mode)がある。この拡張モードとしては、連結されるチャネル数に応じて、複数の拡張モードが設定可能となるため、以下、チャネル連結数に応じた拡張モードについて説明する。
(拡張モード1)
図20は、連結2チャネルのチャネルボンディングに対応した拡張モード1を説明する図である。
図20において、受信装置20には、RFチューナ部212−1,212−2と、復調部213−1,213−2が設けられている。この場合、受信装置20は、送信装置10から2つのチャネルで伝送される、データスライス0(を含むデジタル放送信号(DS0))と、データスライス1(を含むデジタル放送信号(DS1))が受信可能となる。
2つのチャネルが連結される場合、連結2チャネルで増加した分の周波数帯域を利用可能とするため、拡張モード1(BANDWIDTH_MODE = "1")が設定されることで、隣接するチャネルにおいて、5.86MHzの帯域幅がデータ伝送に利用されるようにする。つまり、12MHzの帯域幅からなる連結2チャネルにおいて、11.72MHz(2×5.86MHz)の帯域幅がデータ伝送に利用されることになって、通常モード(11.42MHz(2×5.71MHz))の場合と比べて、連結2チャネルで増加した分の周波数帯域を有効に活用することができる。
そして、受信装置20においては、RFチューナ部212−1と復調部213−1により処理が行われることで、デジタル放送信号(DS0)からデータスライス0が抽出され、RFチューナ部212−2と復調部213−2により処理が行われることで、デジタル放送信号(DS1)からデータスライス1が抽出されることになる。この場合において、受信装置20では、拡張モード1が設定されているため、例えば、連結2チャネルで増加した分の周波数帯域に対応するためのRFチューナ部212−3や復調部213−3を設けることなく、連結2チャネルで増加した分の周波数帯域に応じたデータを処理することが可能となる。
(拡張モード2)
図21は、連結3チャネルのチャネルボンディングに対応した拡張モード2を説明する図である。
図21において、受信装置20には、RFチューナ部212−1乃至212−3と、復調部213−1乃至213−3が設けられている。この場合、受信装置20は、送信装置10から3つのチャネルで伝送される、データスライス0(を含むデジタル放送信号(DS0))と、データスライス1(を含むデジタル放送信号(DS1))と、データスライス2(を含むデジタル放送信号(DS2))が受信可能となる。
3つのチャネルが連結される場合、連結3チャネルで増加した分の周波数帯域を利用可能とするため、拡張モード2(BANDWIDTH_MODE = "2")が設定されることで、各チャネルにおいて、5.90MHzの帯域幅がデータ伝送に利用されるようにする。つまり、18MHzの帯域幅からなる連結3チャネルにおいて、17.70MHz(3×5.90MHz)の帯域幅がデータ伝送に利用されることになって、通常モード(17.13MHz(3×5.71MHz))の場合と比べて、連結3チャネルで増加した分の周波数帯域を有効に活用することができる。
そして、受信装置20においては、RFチューナ部212−1と復調部213−1により処理が行われることで、デジタル放送信号(DS0)からデータスライス0が抽出され、RFチューナ部212−2と復調部213−2により処理が行われることで、デジタル放送信号(DS1)からデータスライス1が抽出され、RFチューナ部212−3と復調部213−3により処理が行われることで、デジタル放送信号(DS2)からデータスライス2が抽出されることになる。この場合において、受信装置20では、拡張モード2が設定されているため、例えば、連結3チャネルで増加した分の周波数帯域に対応するためのRFチューナ部212−4や復調部213−4を設けることなく、連結3チャネルで増加した分の周波数帯域に応じたデータを処理することが可能となる。
(拡張モード3)
図22は、連結4チャネルのチャネルボンディングに対応した拡張モード3を説明する図である。
図22において、受信装置20には、RFチューナ部212−1乃至212−4と、復調部213−1乃至213−4が設けられている。この場合、受信装置20は、送信装置10から4つのチャネルで伝送される、データスライス0(を含むデジタル放送信号(DS0))と、データスライス1(を含むデジタル放送信号(DS1))と、データスライス2(を含むデジタル放送信号(DS2))と、データスライス3(を含むデジタル放送信号(DS3))が受信可能となる。
4つのチャネルが連結される場合、連結4チャネルで増加した分の周波数帯域を利用可能とするため、拡張モード3(BANDWIDTH_MODE = "3")が設定されることで、各チャネルにおいて、5.93MHzの帯域幅がデータ伝送に利用されるようにする。つまり、24MHzの帯域幅からなる連結4チャネルにおいて、23.72MHz(4×5.93MHz)の帯域幅がデータ伝送に利用されることになって、通常モード(22.84MHz(4×5.71MHz))の場合と比べて、連結4チャネルで増加した分の周波数帯域を有効に活用することができる。
そして、受信装置20においては、RFチューナ部212−1と復調部213−1によりデジタル放送信号(DS0)からデータスライス0が抽出され、RFチューナ部212−2と復調部213−2によりデジタル放送信号(DS1)からデータスライス1が抽出され、RFチューナ部212−3と復調部213−3によりデジタル放送信号(DS2)からデータスライス2が抽出され、RFチューナ部212−4と復調部213−4によりデジタル放送信号(DS3)からデータスライス3が抽出されることになる。この場合において、受信装置20では、拡張モード3が設定されているため、例えば、連結4チャネルで増加した分の周波数帯域に対応するためのRFチューナ部212−5や復調部213−5を設けることなく、連結4チャネルで増加した分の周波数帯域に応じたデータを処理することが可能となる。
(拡張モード7)
図23は、連結8チャネルのチャネルボンディングに対応した拡張モード7を説明する図である。
なお、拡張モード4乃至拡張モード7については、受信装置20に設けられるRFチューナ部212と復調部213の組数が5組乃至8組に増加して取り扱うことが可能なデータスライスの数が増加するだけで、基本的に、上述した拡張モード1乃至拡張モード3と同様であるため、ここでは、拡張モード7を代表して説明する。
図23において、受信装置20には、RFチューナ部212−1乃至212−8と、復調部213−1乃至213−8が設けられている。この場合、受信装置20は、送信装置10から8つのチャネルで伝送される、データスライス0(を含むデジタル放送信号(DS0))乃至データスライス7(を含むデジタル放送信号(DS7))が受信可能となる。
8つのチャネルが連結される場合、連結8チャネルで増加した分の周波数帯域を利用可能とするため、拡張モード7(BANDWIDTH_MODE = "7")が設定されることで、各チャネルにおいて、5.96MHzの帯域幅がデータ伝送に利用されるようにする。つまり、48MHzの帯域幅からなる連結8チャネルにおいて、47.68MHz(8×5.96MHz)の帯域幅がデータ伝送に利用されることになって、通常モード(45.68MHz(8×5.71MHz))の場合と比べて、連結8チャネルで増加した分の周波数帯域を有効に活用することができる。
そして、受信装置20においては、RFチューナ部212−1と復調部213−1によりデジタル放送信号(DS0)からデータスライス0が抽出され、RFチューナ部212−2と復調部213−2によりデジタル放送信号(DS1)からデータスライス1が抽出され、RFチューナ部212−3と復調部213−3によりデジタル放送信号(DS2)からデータスライス2が抽出され、RFチューナ部212−4と復調部213−4によりデジタル放送信号(DS3)からデータスライス3が抽出される。
また、受信装置20においては、RFチューナ部212−5と復調部213−5によりデジタル放送信号(DS4)からデータスライス4が抽出され、RFチューナ部212−6と復調部213−6によりデジタル放送信号(DS5)からデータスライス5が抽出され、RFチューナ部212−7と復調部213−7によりデジタル放送信号(DS6)からデータスライス6が抽出され、RFチューナ部212−8と復調部213−8によりデジタル放送信号(DS7)からデータスライス7が抽出される。
この場合において、受信装置20では、拡張モード7が設定されているため、例えば、連結8チャネルで増加した分の周波数帯域に対応するためのRFチューナ部212−9や復調部213−9を設けることなく、連結8チャネルで増加した分の周波数帯域に応じたデータを処理することが可能となる。
以上のように、受信装置20の構成(RFチューナ部212と復調部213の組数)に応じて、帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)が設定されるが、各チャネルの周波数帯域が6MHzを超えると、例えば7MHzの周波数帯域に対応したRFチューナ部212を使用する必要があるため、この例では、帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)の拡張モードとして、拡張モード1乃至拡張モード7を定義し、最大で連結8チャネルに対応できるようにしている。図24には、先に述べた帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)についてまとめている。
なお、帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)は、L1シグナリング情報等の伝送制御情報により、データスライスとともに伝送されるようにしてもよいし、受信装置20が、RFチューナ部212と復調部213などの構成に応じて帯域幅モードを判断して、その帯域幅モードで動作するようにしてもよい。また、運用例2においては、上述した運用例1の場合と同様に、帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)だけでなく、バージョン情報を用いて、チャネル連結で増加した分の周波数帯域に応じた処理が管理されるようにしてもよい。
次に、運用例2を採用した場合に、伝送システム1を構成する送信装置10と受信装置20により実行される処理の詳細な内容について説明する。なお、運用例2における、送信装置10と受信装置20の構成は、上述した運用例1と同様であるため、その説明は省略する。
(送信処理)
まず、送信装置10により実行される運用例2に対応した送信処理の流れを説明する。運用例2に対応した送信処理は、図12の運用例1に対応した送信処理と比べて、ステップS101のチャネルボンディング送信処理の内容が異なる。そこで、図25のフローチャートを参照して、運用例2に対応したチャネルボンディング送信処理を説明する。
(チャネルボンディング送信処理)
図25は、運用例2に対応したチャネルボンディング送信処理を説明するフローチャートである。
ステップS131において、チャネルボンディングの運用形態が、運用例2(の拡張モード)であるかどうかが判定される。ステップS131において、運用例2(の拡張モード)であると判定された場合、処理は、ステップS132に進められる。
ステップS132において、チャネルボンディング設定部151は、チャネルボンディングにおける連結チャネル数に応じた帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)を設定する。ここでは、例えば、連結2チャネルの場合には、拡張モード1(BANDWIDTH_MODE = "1")が設定され、連結3チャネルの場合には、拡張モード2(BANDWIDTH_MODE = "2")が設定される。
ステップS133において、伝送制御情報生成部152は、ステップS132の処理の設定内容に基づいて、L1シグナリング情報を生成する。
一方、ステップS131において、運用例2(の拡張モード)ではないと判定された場合、処理は、ステップS134に進められる。ステップS134において、チャネルボンディング設定部151は、例えば、帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)として、通常モード(BANDWIDTH_MODE = "0")で、データスライスを伝送する通常のチャネルボンディングの設定処理等を行う。これにより、通常のチャネルボンディングに対応したL1シグナリング情報が生成される(S133)。
ステップS133の処理が終了すると、処理は、図12のステップS101の処理に戻り、それ以降の処理が実行される。
以上、運用例2に対応したチャネルボンディング送信処理について説明した。
(受信処理)
次に、受信装置20により実行される運用例2に対応した受信処理の流れを説明する。運用例2に対応した受信処理は、図15の運用例1に対応した受信処理と比べて、ステップS202のチャネルボンディング受信処理の内容が異なる。そこで、図26のフローチャートを参照して、運用例2に対応したPLPバンドリング受信処理を説明する。
(チャネルボンディング受信処理)
図26は、運用例2に対応したチャネルボンディング受信処理を説明するフローチャートである。
ステップS231において、伝送制御情報取得部251は、RFチューナ部212や復調部213においてチャネルスキャンが行われることで得られるL1シグナリング情報を取得する。なお、ここでは、例えば、全周波数帯域のチャネルスキャンが行われ、チャネルごとにL1シグナリング情報が取得される。
ステップS232において、チャネルボンディング制御部252は、ステップS231の処理で取得されたL1シグナリング情報に基づいて、チャネルボンディングにおける連結チャネル数に応じた帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)(として拡張モード)が設定されているかどうかを判定する。
ステップS232において、連結チャネル数に応じた帯域幅モード(として拡張モード)が設定されていると判定された場合、処理は、ステップS233に進められる。ステップS233において、チャネルボンディング制御部252は、復調部213や合成部214等を制御して、帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)に従い、連結チャネル数に応じたチャネルボンディング処理を行う。
ここでは、例えば、受信装置20が、RFチューナ部212−1,212−2と、復調部213−1,213−2を有する場合に、拡張モード1(BANDWIDTH_MODE = "1")が設定されたとき、連結2チャネルにおける各チャネルでは、5.86MHzの帯域幅がデータ伝送に利用されて、データスライス0とデータスライス1から、1のPLP(PLP1)が再構成される。また、例えば、受信装置20が、RFチューナ部212−1乃至212−3と、復調部213−1乃至213−3を有する場合に、拡張モード2(BANDWIDTH_MODE = "2")が設定されたとき、連結3チャネルにおける各チャネルでは、5.90MHzの帯域幅がデータ伝送に利用され、データスライス0乃至2から、1のPLP(PLP1)が再構成される。
一方、ステップS232において、連結チャネル数に応じた帯域幅モード(として拡張モード)が設定されていないと判定された場合、処理は、ステップS234に進められる。この場合、帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)としては、通常モード(BANDWIDTH_MODE = "0")が設定されていることになる。ステップS234において、チャネルボンディング制御部252は、復調部213や合成部214等を制御して、別々のチャネルで伝送されるデータスライスに対する通常のチャネルボンディング処理等を行う。
ステップS233又はステップS234の処理が終了すると、処理は、図15のステップS202の処理に戻り、それ以降の処理が実行される。
以上、運用例2に対応したチャネルボンディング受信処理について説明した。
以上のように、ATSC3.0規格に対応した運用例2では、連結チャネル情報としての帯域幅モード(BANDWIDTH_MODE)を定義することで、受信装置20の構成(RFチューナ部212と復調部213の組数)に応じて決定される、連結チャネル数に応じて利用可能となった周波数帯域で、データを伝送することができるようにしている。これにより、受信装置20においてRFチューナ部212や復調部213などを別に設けることなく、チャネル連結で利用可能となった周波数帯域でデータを伝送することが可能となるため、受信装置20のコストの増加を抑えつつ、周波数帯域を有効に活用することができる。
<4.コンピュータの構成>
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。図27は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
コンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。バス904には、さらに、入出力インターフェース905が接続されている。入出力インターフェース905には、入力部906、出力部907、記録部908、通信部909、及び、ドライブ910が接続されている。
入力部906は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部907は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部908は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部909は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ910は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア911を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータ900では、CPU901が、ROM902や記録部908に記憶されているプログラムを、入出力インターフェース905及びバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ900(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア911に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータ900では、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インターフェース905を介して、記録部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記録部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記録部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
BB(BaseBand)フレームのストリームであるBBストリームのBBフレームを、複数のデータスライスに分配することで得られる複数の分割ストリームを受信する複数の受信部と、
前記複数の分割ストリームから、元の前記BBストリームを再構成する再構成部と
を備え、
前記再構成部は、前記複数のデータスライスを伝送するチャネルが連結されている場合、連結されたチャネルにより利用可能となった周波数帯域で伝送されるデータを含む前記複数の分割ストリームを、前記複数の受信部により受信可能にするための連結チャネル情報に基づいて、前記複数の分割ストリームから、元の前記BBストリームを再構成する
受信装置。
(2)
前記連結チャネル情報は、連結されるチャネル数に応じた帯域幅モードである
(1)に記載の受信装置。
(3)
前記帯域幅モードは、前記複数の受信部の構成に応じて決定される、連結されたチャネル数に応じて利用可能となった周波数帯域で伝送されるデータを含む前記複数の分割ストリームを、前記複数の受信部により受信可能にする
(2)に記載の受信装置。
(4)
前記連結チャネル情報は、前記複数の分割ストリームとともに受信される、伝送制御情報に含まれている
(1)乃至(3)のいずれかに記載の受信装置。
(5)
前記連結チャネル情報は、各チャネルで伝送される前記データスライスにより伝送可能なデータの最大値を管理するためのバージョン情報、及び、各チャネルで伝送される前記データスライスにより伝送可能なデータの最大値の変更の有無を示す拡張モードのうち、少なくとも一方の情報である
(1)に記載の受信装置。
(6)
前記連結チャネル情報は、前記複数の分割ストリームとともに受信される、伝送制御情報に含まれており、
前記伝送制御情報には、前記拡張モードが、前記データスライスの最大値の変更があることを示している場合、前記データスライスにより伝送可能なデータについて変更後の最大値が設定される
(5)に記載の受信装置。
(7)
BBフレームのストリームであるBBストリームのBBフレームを、複数のデータスライスに分配することで得られる複数の分割ストリームを受信する複数の受信部と、
前記複数の分割ストリームから、元の前記BBストリームを再構成する再構成部と
を備える受信装置の受信方法において、
前記再構成部が、
前記複数のデータスライスを伝送するチャネルが連結されている場合、連結されたチャネルにより利用可能となった周波数帯域で伝送されるデータを含む前記複数の分割ストリームを、前記複数の受信部により受信可能にするための連結チャネル情報に基づいて、前記複数の分割ストリームから、元の前記BBストリームを再構成するステップを含む
受信方法。
(8)
BBフレームのストリームであるBBストリームのBBフレームを、複数のデータスライスに分配することで得られる複数の分割ストリームを伝送するチャネルが連結されている場合に、連結されたチャネルにより利用可能となった周波数帯域で伝送されるデータを含む前記複数の分割ストリームを、受信装置の構成に応じて受信可能にするための連結チャネル情報を含む伝送制御情報を生成する生成部と、
前記複数の分割ストリームとともに、前記伝送制御情報を送信する送信部と
を備える送信装置。
(9)
前記連結チャネル情報は、連結されるチャネル数に応じた帯域幅モードである
(8)に記載の送信装置。
(10)
前記帯域幅モードは、前記受信装置の構成に応じて決定される、連結されたチャネル数に応じて利用可能となった周波数帯域で伝送されるデータを含む前記複数の分割ストリームを、前記受信装置の構成に応じて受信可能にする
(9)に記載の送信装置。
(11)
前記連結チャネル情報は、各チャネルで伝送される前記データスライスにより伝送可能なデータの最大値を管理するためのバージョン情報、及び、各チャネルで伝送される前記データスライスにより伝送可能なデータの最大値の変更の有無を示す拡張モードのうち、少なくとも一方の情報である
(8)に記載の送信装置。
(12)
前記伝送制御情報には、前記拡張モードが、前記データスライスの最大値の変更があることを示している場合、前記データスライスにより伝送可能なデータについて変更後の最大値が設定される
(11)に記載の送信装置。
(13)
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
BBフレームのストリームであるBBストリームのBBフレームを、複数のデータスライスに分配することで得られる複数の分割ストリームを伝送するチャネルが連結されている場合に、連結されたチャネルにより利用可能となった周波数帯域で伝送されるデータを含む前記複数の分割ストリームを、受信装置の構成に応じて受信可能にするための連結チャネル情報を含む伝送制御情報を生成する生成し、
前記複数の分割ストリームとともに、前記伝送制御情報を送信する
ステップを含む送信方法。