JP6579401B2 - 車両用制動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用制動装置に関し、特にモータの駆動により車両を制動可能な電動ブレーキ手段を備えた車両用制動装置に関する。
従来から、走行状態に応じて最適な制動力を車両に付与するため、各車輪の制動力を電子制御するブレーキバイワイヤシステムが知られている。ブレーキバイワイヤシステムでは、各車輪のホイールシリンダ圧が乗員によるブレーキペダルの踏込量(例えば、ストローク)に基づき演算された目標ブレーキ液圧になるように電磁弁が制御されている。
このようなブレーキバイワイヤシステムは、二次電池であるバッテリを主電源として作動する電動ブレーキ手段であり、ブレーキ液圧を高めるポンプやブレーキ液の流れを調整する電磁弁等がバッテリの電力により駆動される。この電動ブレーキ手段の作動に必要な電圧範囲(作動電圧)は予め設定されており、作動電圧で供給された電力は電動ブレーキ手段内で変圧等してポンプや電磁弁等に供給される。
バッテリは充放電に化学反応を伴い、その出力電圧は所定値以上を維持しながら蓄電量(バッテリ残量)の減少と共に徐々に低下し、所定値未満になると急激に低下する。また、短時間に大電流を出力する場合には、その出力電圧が急激に低下する。そのため、車両の装備品等の負荷が高くバッテリが大電流を出力しているときや、バッテリ残量が低下しているときは、バッテリが供給できる電力に余裕がない状態である。このようなバッテリの供給電力に余裕がない場合や、その他の理由によってバッテリの電力供給が途切れるバッテリ失陥時には、電動ブレーキ手段を作動できず最適な制動力を得られなくなる虞がある。
そこで、このようなバッテリ失陥時等に備えて予め装備されているバッテリに補助電源としてキャパシタを併設する技術が提案されている。例えば特許文献1には、車両用制動装置において、バッテリ失陥時には補助電源であるキャパシタから電動式ブレーキ倍力装置に電力供給する技術が開示されている。
キャパシタは、正負電極表面に電荷を溜めるため電流を効率よく出し入れすることができるので、バッテリと比べて充放電の速度が速く、短時間に大電流を入出力する用途に向いている。また、キャパシタの充放電は、バッテリのような化学反応を伴わないため充放電による劣化がほとんど無く、繰り返し充放電する用途に適している。
特開2010−120522号公報
電動ブレーキ手段を備えた車両には、複数回連続してブレーキ操作を行うような状況においても、電動ブレーキ手段を作動させて最適な制動力を得ることにより安全性を確保することが要求される。これは、バッテリ失陥時においても同様であるため、キャパシタから電力を複数回連続して供給可能なようにキャパシタの蓄電容量を増加させる必要がある。しかし、キャパシタは二次電池と比べて質量当たりの蓄電容量が小さく、キャパシタの蓄電容量を増やすことは容易ではない。
そこで、キャパシタ自体の蓄電容量を増やさずに、限られた容量のキャパシタを複数設けて全体の蓄電容量を増やし、これら複数のキャパシタを切替えて電動ブレーキ手段に電力を供給することが検討されている。しかし、複数のキャパシタを合わせた全体の蓄電容量も依然として限られているため、電力供給がある程度連続した場合には何れのキャパシタも残量が減っていくことになる。
また、駐車時にキャパシタの故障等の発生を回避するため、キャパシタ残量を所定量まで低下させる制御を行うことが検討されている。そして駐車期間が長くなると、キャパシタ残量が所定量から自己放電により低下して、何れのキャパシタも作動電圧を出力できなくなる場合がある。この状態でエンジンを始動させるとき、エンジンの始動のための電力がバッテリから出力されるので、電動ブレーキ手段に供給される電力が不足する虞がある。
本発明の目的は、電動ブレーキ手段に供給される電力が不足する場合に、補助電源装置からの電力供給を可能にして最適な制動力を得ることができる車両用制動装置を提供することである。
請求項1の発明は、乗員のブレーキ操作によりモータを駆動して車両を制動可能な電動ブレーキ手段と、この電動ブレーキ手段に電力を供給可能な主電源と、前記電動ブレーキ手段に電力を供給可能な複数の蓄電手段を備えた補助電源装置と、前記電動ブレーキ手段の必要電力が前記主電源の供給可能な電力より大きい場合に、前記主電源と共に又は前記主電源の代わりに前記複数の蓄電手段のうちの1つを単独使用する第1の接続形態で前記補助電源装置から前記電動ブレーキ手段に電力を供給させる制御手段とを備えた車両用制動装置において、前記制御手段は、エンジンの始動時には前記補助電源装置を前記第1の接続形態から前記複数の蓄電手段を直列に接続して使用する第2の接続形態に切替えることを特徴としている。
上記構成によれば、車両用制動装置は、主電源から電動ブレーキ手段に供給される電力が不足する場合に補助電源装置から第1の接続形態で電力を供給して最適な制動力を得る。そしてエンジンの始動時には、補助電源装置を第2の接続形態にする。従って、主電源から電動ブレーキ手段に供給される電力が不足する虞があるエンジンの始動時に、複数の蓄電手段を直列に接続する第2の接続形態にして補助電源装置の出力電圧を上昇させることにより、出力電圧を上昇させた補助電源装置から電動ブレーキ手段に電力を供給可能にすることができる。
請求項2の発明は、乗員のブレーキ操作によりモータを駆動して車両を制動可能な電動ブレーキ手段と、この電動ブレーキ手段に電力を供給可能な主電源と、前記電動ブレーキ手段に電力を供給可能な複数の蓄電手段を備えた補助電源装置と、前記電動ブレーキ手段の必要電力が前記主電源の供給可能な電力より大きい場合に、前記主電源と共に又は前記主電源の代わりに前記複数の蓄電手段のうちの1つを単独使用する第1の接続形態で前記補助電源装置から前記電動ブレーキ手段に電力を供給させる制御手段とを備えた車両用制動装置において、前記制御手段は、前記複数の蓄電手段の電圧が何れも予め設定された基準電圧未満の状態であるときには、前記補助電源装置を前記第1の接続形態から前記複数の蓄電手段を直列に接続して使用する第2の接続形態に切替えることを特徴としている。
上記構成によれば、車両用制動装置は、主電源から電動ブレーキ手段に供給される電力が不足する場合に補助電源装置から第1の接続形態で電力を供給して最適な制動力を得る。そして複数の蓄電手段の電圧が何れも予め設定された基準電圧未満の状態であるときには、補助電源装置を第2の接続形態にする。従って、第1の接続形態の補助電源装置では電動ブレーキ手段への電力供給に支障がある場合に、複数の蓄電手段を直列に接続する第2の接続形態にして補助電源装置の出力電圧を上昇させることにより、出力電圧を上昇させた補助電源装置から電動ブレーキ手段に電力を供給可能にすることができる。
請求項の発明は、請求項又はの発明において、前記複数の蓄電手段は夫々キャパシタであり、前記制御手段は、前記乗員のブレーキ操作がないときに前記第2の接続形態を前記第1の接続形態に切替えて前記キャパシタを充電させることを特徴としている。
上記構成によれば、第2の接続形態の直列に接続されたキャパシタの全体の蓄電容量は、第1の接続形態の複数のキャパシタを夫々単独使用する場合の全体の蓄電容量と比べて小さくなるため、ブレーキ操作がないときには第1の接続形態に切替えて充電することにより、次の電力供給に備えて補助電源装置に蓄えられる蓄電量を最大化することができる。
本発明によれば、電動ブレーキ手段に供給される電力が不足する場合に、補助電源装置からの電力供給を可能にして最適な制動力を得ることができる。
実施例に係る車両用制動装置の電力供給系統を示す図である。 車両用制動装置の制御系統を示すブロック図である。 車両用制動装置への電力供給時のキャパシタの放電特性を示す図である。 ブレーキバイワイヤシステムの油圧系統を示す図である。 ストロークと踏力との関係を示す踏力特性のマップである。 踏力と減速度との関係を示す制動特性のマップである。 バックアップ電源ユニットの作動制御を示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
最初に、車両について説明する。
本実施例に係る車両は、図1に示すように、車両電源1とバックアップ電源ユニット2(補助電源装置)とブレーキバイワイヤシステム3(電動ブレーキ手段)により車両を制動可能に構成された車両用制動装置4と、空調装置や電子機器等の車両側負荷5等を備えている。この車両は、例えば、走行駆動源として内燃機関6(エンジン)と電動モータ7とを備えたハイブリッド車両であり、車両の運動エネルギーを電気エネルギーに回生することにより車両を制動する回生制動と、ブレーキバイワイヤシステム3による液圧制動とを併用して必要な制動力を発生させるブレーキ回生協調制御を実行可能に構成されている。
車両を走行可能な状態にするために、車両には乗員が操作するイグニッションスイッチ8(IG−SW)を備え、このイグニッションスイッチ8の状態を検知するIG−SWセンサ8aが設けられている。イグニッションスイッチ8の操作により内燃機関6が始動され、車両が走行可能な状態のときは、イグニッションスイッチ8がオン状態にある。尚、電動モータ7は内燃機関6の始動装置としても使用可能であるが、別途始動装置を備えていてもよい。
次に、車両電源1について説明する。
車両電源1は、例えば12Vの車両用のバッテリ11(主電源)と、このバッテリ11に並列に接続されると共に内燃機関6の駆動により発電可能なオルタネータ12等を備え、バッテリ11の充電率等の充放電状態を検出可能な充放電センサ13を備えている。車両電源1は、途中部にバックアップ電源ユニット2が介装された第1回線L1と、この第1回線L1に並行に配設された第2回線L2との2系統の回線によって、ブレーキバイワイヤシステム3に電力を供給可能に接続されている。第2回線L2の途中部から分岐した第3回線L3は、車両側負荷5に接続されている。
次に、バックアップ電源ユニット2について説明する。
バックアップ電源ユニット2は、ブレーキバイワイヤシステム3に対してバッテリ11の電力供給に支障が生じる可能性がある場合に、ブレーキバイワイヤシステム3にバックアップ電力を供給するブレーキバイワイヤシステム3専用の補助電源装置である。このバックアップ電源ユニット2は、複数の蓄電手段として例えば第1キャパシタ21a及び第2キャパシタ21bを有し、充電回路部22と、第1制御部23(制御手段)等を備えている。
第1キャパシタ21aと第2キャパシタ21bは、例えば満充電時の電圧が12Vとなるように、複数の電気二重層キャパシタセルを直並列に接続したキャパシタセル群で夫々構成されている。第1キャパシタ21aはその電圧を検知する第1電圧センサ26aを備え、第2キャパシタ21bはその電圧を検知する第2電圧センサ26bを備えている。尚、バックアップ電源ユニット2は、キャパシタを3つ以上備えていてもよいが、複数のキャパシタは容量等の仕様が同じであることが好ましい。
第1,第2キャパシタ21a,21bは、夫々充電可能なように充電回路部22に接続されている。また、第1キャパシタ21aは電力を供給可能なように電気的にオンオフ状態を切替え可能な第1接点24aを介して第1回線L1に接続され、第2キャパシタ21bは第2接点24bを介して第1回線L1に接続される。さらに、電気的にオンオフ状態を切替え可能な第3接点24cを介して第1キャパシタ21aと第2キャパシタ21bを直列に接続可能である。これにより第3接点24cをオフにして第1キャパシタ21a又は第2キャパシタ21bを単独使用する第1の接続形態と、第3接点24cをオンにして第1キャパシタ21aと第2キャパシタ21bを直列にして使用する第2の接続形態とを切替え可能である。
第1回線L1には、バッテリ11とブレーキバイワイヤシステム3の接続のオンオフ状態を電気的に切替え可能な第4接点25が設置されている。充電回路部22は、第4接点25より車両電源1側の第1回線L1に接続され、第1キャパシタ21aが電力を供給していないときに第1制御部23の制御信号に基づいて第1キャパシタ21aを充電し、同様にして第2キャパシタ21bを充電する。第1制御部23は、バックアップ電源ユニット2の蓄電手段に充放電させないときには第1接点24a、第2接点24b、第4接点25を夫々オフにしている。
第1制御部23は、図2に示すように、バッテリ11の充放電センサ13、第1電圧センサ26a、第2電圧センサ26b、ブレーキペダルストロークセンサ47、IG−SWセンサ8aの検知信号に基づいて第1接点24a〜第4接点25及び充電回路部22に制御信号を送信すると共に、ブレーキバイワイヤシステム3を制御する第2制御部37に制御信号を送信する。また、第2制御部37は、第1制御部23にバックアップ電源ユニット2から供給する電力の演算に必要な後述の目標制動力に関する制御信号を送信する。
この第1制御部23は、CPU(Central Processing Unit)と、ROMと、RAMと、イン側インタフェースと、アウト側インタフェース等によって構成されている。ROMには、充放電を制御するための種々のプログラムやデータが格納され、RAMには、CPUが一連の処理を行う際に使用される処理領域が設けられている。第1制御部23は、図示外の電力線により車両電源1から電力供給を受けて動作する。
第1制御部23は、第2制御部37から入力した目標制動力に相当する目標減速度Dと、乗員の踏力で発生可能な減速度D0とに基づいて、ブレーキバイワイヤシステム3に対して作動が要求される要求減速度D1を下記(1)式のように演算する。
D1=D−D0 …(1)
減速度D0は、乗員が発揮可能な最大踏力に基づいて予め実験等により求められ、演算された要求減速度D1は制動用目標トルクに換算され、この制動用目標トルクに基づいてブレーキバイワイヤシステム3の作動に必要な第1電力E1(必要電力)が算出される。
また、第1制御部23は、バッテリ11の充電率に基づきバッテリ11からブレーキバイワイヤシステム3に供給可能な電力として第2電力E2を演算する。そして、第1電力E1が第2電力E2より大きい場合に、バックアップ電源ユニット2からブレーキバイワイヤシステム3に電力を供給させる。
バックアップ電源ユニット2が車両電源1と共に電力供給を行う場合、第1制御部23はバックアップ電源ユニット2から第1電力E1と第2電力E2の差分電力ΔEを供給させる。図1に示すように、例えば、第1制御部23は第1接点24aをオンにして、バックアップ電源ユニット2の第1キャパシタ21aから差分電力ΔEを供給させる。車両電源1の代わりにバックアップ電源ユニット2から第1電力E1を供給させることもできる。
第1制御部23は、バックアップ電源ユニット2から電力を供給するとき、ブレーキペダルストロークセンサ47に検知される乗員によるブレーキペダル41の踏込ストローク(以下、ストロークと略す。)Stが大きい程、バックアップ電源ユニット2の電力供給時間を長くしている。
図3に示すように、電力供給時の第1,第2キャパシタ21a,21bの放電特性は、ブレーキ液圧を昇圧するピーク電流として例えば50Aを200msecの間出力する昇圧ステージと、ブレーキ液圧を保持する定常電流として例えば2Aを12secの間出力する維持ステージとから構成されている。そして、この維持ステージの継続時間TがストロークStに比例するように設定されている。
次に、ブレーキバイワイヤシステム3について説明する。
図1に示すように、ブレーキバイワイヤシステム3は、第1,第2回線L1,L2から電力が供給される電源供給制御回路部31と、モータ32と、ブレーキ液流路を電気的に開閉可能な電磁弁33〜36と、第2制御部37等を備えている。
電源供給制御回路部31は、供給された電力を所定の制御条件に基づきモータドライバ32a、電磁弁ドライバ33a〜36a及び第2制御部37に分配している。具体的には、第1,第2回線L1,L2から供給される電力を必要に応じて電圧等の変換を行ってモータドライバ32a、電磁弁ドライバ33a〜36a及び第2制御部37に必要な電力を分配している。尚、第2制御部37は、図示外の電力線により車両電源1から電力供給を受け、ブレーキバイワイヤシステム3に供給される電力が不足する状況下でも動作する。
ここで、ブレーキバイワイヤシステム3の操作系に係る概略構成について説明する。
図4に示すように、ブレーキバイワイヤシステム3は、乗員の操作によるブレーキペダル41のストロークStに応じたブレーキ液圧を生成可能なマスタシリンダ42と、モータ32とこのモータ32に駆動されるポンプ部とからなる電動ブレーキブースタ43と、反力発生機構44と、このマスタシリンダ42又は/及び電動ブレーキブースタ43により発生されたブレーキ液圧によって車両の前後左右輪FL,FR,RL,RRの回転を夫々制動するホイールシリンダ45a〜45dと、第2制御部37等を備えている。
マスタシリンダ42は、第1圧力発生室42aと、第2圧力発生室42bとを備えている。第1,第2圧力発生室42a,42bは、リザーバタンク46に夫々接続され、内部に圧縮スプリングを夫々備えている。これら第1,第2圧力発生室42a,42bは、ブレーキペダル41の踏込操作に応じて略同様のブレーキ液圧を圧送可能に構成されている。第1圧力発生室42aは、開閉可能な電磁弁33を介してホイールシリンダ45a,45bに連通され、第2圧力発生室42bは、開閉可能な電磁弁36を介してホイールシリンダ45c,45dに連通されている。
電動ブレーキブースタ43は、そのポンプ部が開閉可能な電磁弁34を介してホイールシリンダ45a,45bに連通され、開閉可能な電磁弁35を介してホイールシリンダ45c,45dに連通されている。反力発生機構44は、第1圧力発生室42aと電磁弁33とを連通する流路に接続され、例えば、シリンダと、このシリンダ内で摺動自在なピストンと、ピストンを付勢する付勢手段等によって形成されている。これにより、乗員がブレーキペダル41を踏込又は踏戻操作したとき、ブレーキペダル41を介して予め設定された特性の反力を乗員に対して作用させることができる。
第2制御部37は、電動ブレーキブースタ43と、反力発生機構44と、ブレーキペダルストロークセンサ47と、電磁弁33〜36を制御することにより、減速度制御処理及び踏力制御処理を実行可能に構成されている。
図5に示すように、第2制御部37は、踏力特性マップM1を有している。踏力特性マップM1は、所定の関数、例えば、対数関数によって規定されている。下記(2)式に示すように、乗員の感覚の強さは刺激の強さの対数に比例している。
A=klogB+K …(2)
尚、Aは感覚量、Bは物理量、kはゲイン、Kは積分定数である。
第2制御部37は、ブレーキペダルストロークセンサ47で検出されたストロークStと踏力特性マップM1とに基づき目標操作反力に相当する踏力Fを設定し、これに対応した作動指令信号を反力発生機構44に出力している。
図6に示すように、第2制御部37は、制動特性マップM2を有している。第2制御部37は、検出されたストロークStを介して設定された踏力Fと制動特性マップM2とを用いて車両の目標減速度Dを設定し、目標減速度Dに対応した作動指令信号をモータドライバ32a、電磁弁ドライバ33a〜36aに出力している。これにより、各ホイールシリンダ45a〜45dが駆動され、制動特性マップM2に基づく目標減速度Dの制動が実行されている。また、第2制御部37は、これと同時にブレーキバイワイヤシステム3に、ブレーキバイワイヤシステム3の作動に必要な電力が供給されるように、ストロークSt及び目標減速度Dに関する制御信号を第1制御部23に出力している。
第2制御部37が出力した制御信号を受信した第1制御部23は、ブレーキバイワイヤシステム3の作動に必要な電力を供給するためにバッテリ11が供給可能な電力を演算し、バッテリ11の供給電力が不足する場合にバックアップ電源ユニット2から電力を供給する。この第1制御部23によるバックアップ電源ユニット2の制御について、図7のフローチャートに基づいて説明する。図中のSi(i=1,2…)は、各ステップを表す。
最初にS1において、バッテリ11の充放電状態とバックアップ電源ユニット2の第1,第2キャパシタ21a,21bの電圧の情報を取得してS2に進む。そしてS2において、ブレーキペダル41が踏み込まれたか否か判定する。この判定は、ブレーキペダルストロークセンサ47の検出信号に基づいて行われるが、ブレーキペダル41の踏込みの有無を検知する図示外のブレーキセンサの検出信号に基づいて行うことも可能である。判定がYesの場合はS3に進み、判定がNoの場合はS16に進む。
次にS3において、IG−SWセンサ8aの出力信号に基づいてイグニッションスイッチ8をオンにする操作がされているか否か判定する。この操作によって内燃機関6を始動するための電力がバッテリ11から供給されるので、この操作がされているときにはバッテリ11の電力供給能力に余裕がない状態である。判定がYesの場合はS4に進み、判定がNoの場合はS5に進む。
次にS4において、第3接点24cをオンにして、バックアップ電源ユニット2を第1,第2キャパシタ21a,21bが直列に接続された第2の接続形態に切替えてS7に進む。
一方、S3の判定がNoの場合、S5において、ブレーキペダル41のストロークStと踏力特性マップM1,制動特性マップM2に基づき目標減速度Dを演算してS6に進む。そしてS6において、演算された目標減速度Dと乗員の踏力で発生可能な減速度D0とを用いて車両に要求される要求減速度D1を演算してS7に進む。
次にS7において、ブレーキバイワイヤシステム3の作動に必要な第1電力E1を演算してS8に進む。このとき、S3の判定がYesの場合は予め定められた所定値を第1電力E1とし、S3の判定がNoの場合はS6で演算された要求減速度D1を用いて第1電力E1を演算する。尚、S3の判定がYesの場合はブレーキペダルストロークセンサ47の検知信号に基づいて第1電力E1を演算するようにしてもよい。そしてS8において、S1で検出されたバッテリ11の充放電状態に基づきバッテリ11からブレーキバイワイヤシステム3に対して供給可能な第2電力E2を演算してS9に進む。
次にS9において、第1電力E1が第2電力E2より大きいか否か判定する。S9の判定がYesの場合、即ちバッテリ11が第1電力E1を供給できない場合はS10に進み、S10においてバックアップ電源ユニット2が第1の接続形態であるか否か判定する。S10の判定がYesの場合はS11に進み、S10の判定がNoの場合はS13に進む。
次にS11において各キャパシタの電圧が何れも基準電圧未満か否か判定する。基準電圧は、第1の接続形態でのキャパシタの電力供給中にその電圧が作動電圧未満にならないように予めブレーキバイワイヤシステム3の作動電圧より高く設定されている。例えば、作動電圧が6V〜16Vに設定され、第1の接続形態でキャパシタが1回電力供給を行うとその電圧が2V低下する場合には、基準電圧は8Vに設定される。
S11の判定がYesの場合はS12に進み、S12において第3接点24cをオンにして、バックアップ電源ユニット2を第2の接続形態に切替えてS13に進む。そしてS13において、第1接点24aをオンにして、第2の接続形態のバックアップ電源ユニット2からブレーキバイワイヤシステム3に電力を供給させてリターンする。第1,第2キャパシタ21a,21bを直列に接続する第2の接続形態に切替えたので、バックアップ電源ユニット2の出力電圧を上昇させてブレーキバイワイヤシステム3の作動電圧を出力可能にしている。ブレーキバイワイヤシステム3は、バッテリ11及びバックアップ電源ユニット2から供給された電力により電動ブレーキブースタ43を駆動して要求減速度D1に相当する制動力を発揮する。
S11の判定がNoの場合はS14に進み、S14において第1の接続形態で電圧が最も高いキャパシタからブレーキバイワイヤシステム3に電力を供給してリターンする。このとき、第1キャパシタ21aから電力供給する場合は第1接点24aをオンにし、第2キャパシタ21bから電力供給する場合は第2接点24bをオンにする。ブレーキバイワイヤシステム3は、バッテリ11及びバックアップ電源ユニット2から供給された電力により電動ブレーキブースタ43を駆動して要求減速度D1に相当する制動力を発揮する。
また、S9の判定がNoの場合には、バッテリ11が第1電力E1を供給できるので、S15に進んでバッテリ11から電力を供給してリターンする。ブレーキバイワイヤシステム3は、バッテリ11から供給された電力により電動ブレーキブースタ43を駆動して要求減速度D1に相当する制動力を発揮する。
一方、S2の判定がNoの場合、即ち乗員のブレーキ操作がなくブレーキバイワイヤシステム3の電動ブレーキブースタ43に電力を供給しない場合、S16において、バックアップ電源ユニット2が第2の接続形態か否か判定する。S16の判定がYesの場合はS17に進み、S17において第3接点24cをオフにして第1の接続形態に切替えてS18に進む。S16の判定がNoの場合はS18に進む。
次にS18において、イグニッションスイッチ8がオン状態か否か判定する。イグニッションスイッチ8がオン状態でなければ走行しないので、第1,第2キャパシタ21a,21bを充電しない。S18の判定がYesの場合はS19に進み、判定がNoの場合はリターンする。
次にS19において、第1,第2キャパシタ21a,21bを充電可能か否か判定する。この判定は、S1で取得したバッテリ11の充放電状態及び第1,第2キャパシタ21a,21bの電圧に基づいて行う。バッテリ11が充電用の電力を供給可能であり、且つ少なくとも1つのキャパシタが満充電状態でなければ充電可能なのでS19の判定がYesとなり、S20に進んで充電回路部22にそのキャパシタを充電させてリターンする。S19の判定がNoの場合はキャパシタを充電せずにリターンする。
次に、本実施例に係る車両用制動装置4の作用、効果について説明する。
車両用制動装置4は、バッテリ11(主電源)からブレーキバイワイヤシステム3(電動ブレーキ手段)に供給される電力が不足する場合に、第1の接続形態のバックアップ電源ユニット2から電力を供給させて、ブレーキバイワイヤシステム3を作動させることより最適な制動力を得る。そして所定条件の成立時として、内燃機関6(エンジン)の始動時に、又は第1、第2キャパシタ21a,21bの何れも基準電圧未満の場合に、バックアップ電源ユニット2を第1の接続形態から第2の接続形態に切替える。
従って、バッテリ11の電力供給が不足する状況で、第1,第2キャパシタ21a,21bの何れも単独ではブレーキバイワイヤシステム3への電力供給に支障が生じる場合でも、第1,第2キャパシタ21a,21bを直列に接続する第2の接続形態に切替えることにより電圧を上昇させて、バックアップ電源ユニット2からブレーキバイワイヤシステム3に電力を供給可能にすることができる。
また、第2の接続形態の第1,第2キャパシタ21a,21bの全体の蓄電容量は、第1の接続形態の第1,第2キャパシタ21a,21bの全体の蓄電容量と比べて小さくなるため、乗員のブレーキ操作がないときに第1の接続形態に切替えて充電することにより、次回の電力供給に備えてバックアップ電源ユニット2に蓄えられる電力量を最大化することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、回生制動と液圧制動とを実行可能なハイブリッド車両の例を説明したが、ブレーキバイワイヤシステム3を備えた電気自動車や内燃機関6のみ備えた車両等に適用可能である。
2〕前記実施形態においては、乗員の要求を重視して、目標減速度Dを乗員が操作したブレーキペダル41のストロークStに基づき設定した例を説明したが、安全性を重視して、乗員によるブレーキペダル41の操作量に関わらず車両の危険回避に必要な減速度を目標減速度Dとしても良い。具体的には、進行方向前方の状況を検出可能な状況検出手段として例えばカメラやレーダ等を設け、乗員によるブレーキペダル41の踏込操作を条件とした上で、状況検出手段による検出結果に基づき目標減速度Dを設定する。この場合、設定された目標減速度Dを要求減速度D1に設定することが好ましい。
3〕例えば第1キャパシタ21aがバッテリ11の代わりに第1電力E1を供給しているとき、バッテリ11が電力供給していない第2キャパシタ21bを充電する電力を出力できる場合には、その第2キャパシタ21bを充電させることも可能である。この場合、次の電力供給の機会に備えてバックアップ電源ユニット2に電力を蓄えて、第2の接続形態への切替えを抑制することができる。
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はその種の変更形態をも包含するものである。
1 :車両電源
2 :バックアップ電源ユニット
3 :ブレーキバイワイヤシステム(電動ブレーキ手段)
4 :車両用制動装置
8 :イグニッションスイッチ(IG−SW)
8a :IG−SWセンサ
11 :バッテリ(主電源)
13 :充放電センサ
21a :第1キャパシタ(蓄電手段)
21b :第2キャパシタ(蓄電手段)
22 :充電回路部
23 :第1制御部(制御手段)
24a :第1接点
24b :第2接点
24c :第3接点
26a :第1電圧センサ
26b :第2電圧センサ
37 :第2制御部
41 :ブレーキペダル
43 :電動ブレーキブースタ
47 :ブレーキペダルストロークセンサ
L1 :第1回線

Claims (3)

  1. 乗員のブレーキ操作によりモータを駆動して車両を制動可能な電動ブレーキ手段と、この電動ブレーキ手段に電力を供給可能な主電源と、前記電動ブレーキ手段に電力を供給可能な複数の蓄電手段を備えた補助電源装置と、前記電動ブレーキ手段の必要電力が前記主電源の供給可能な電力より大きい場合に、前記主電源と共に又は前記主電源の代わりに前記複数の蓄電手段のうちの1つを単独使用する第1の接続形態で前記補助電源装置から前記電動ブレーキ手段に電力を供給させる制御手段とを備えた車両用制動装置において、
    前記制御手段は、エンジンの始動時には前記補助電源装置を前記第1の接続形態から前記複数の蓄電手段を直列に接続して使用する第2の接続形態に切替えることを特徴とする車両用制動装置。
  2. 乗員のブレーキ操作によりモータを駆動して車両を制動可能な電動ブレーキ手段と、この電動ブレーキ手段に電力を供給可能な主電源と、前記電動ブレーキ手段に電力を供給可能な複数の蓄電手段を備えた補助電源装置と、前記電動ブレーキ手段の必要電力が前記主電源の供給可能な電力より大きい場合に、前記主電源と共に又は前記主電源の代わりに前記複数の蓄電手段のうちの1つを単独使用する第1の接続形態で前記補助電源装置から前記電動ブレーキ手段に電力を供給させる制御手段とを備えた車両用制動装置において、
    前記制御手段は、前記複数の蓄電手段の電圧が何れも予め設定された基準電圧未満の状態であるときには、前記補助電源装置を前記第1の接続形態から前記複数の蓄電手段を直列に接続して使用する第2の接続形態に切替えることを特徴とする車両用制動装置。
  3. 前記複数の蓄電手段は夫々キャパシタであり、
    前記制御手段は、前記乗員のブレーキ操作がないときに前記第2の接続形態を前記第1の接続形態に切替えて前記キャパシタを充電させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用制動装置。
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