以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<実施の形態>
本実施形態では、空港などの施設の内部に設置されるチェックイン機とは異なる位置から、運航便に搭乗可能な時間内に旅客(搭乗予定者)が空港施設に到着していることを推定するための情報(例えば、旅客が空港に到着するのに要する時間を推定するための情報など)をサーバへ送信することで、運航便に搭乗する予定の旅客が、運航便への搭乗が可能な時間内に空港に到着するか否かを航空会社のオペレータが容易に把握することを可能とするシステムについて説明する。
図1は、空港施設へと旅客が移動するための移動経路および移動手段の例を示す図である。図1に示すように、旅客は、運航便が出発する空港施設である第1ターミナル7Aまたは第2ターミナル7Bへ移動するために、例えば、タクシー1A、リムジンバス2A、電車3A、船舶4A、自家用車5などの移動手段を利用することができる。また、図1に示すように空港施設が複数のターミナルビルを有する場合、旅客は、空港施設に設置されたモノレール、ターミナルビル間を定期的に巡回する空港バス6A等の移動手段を利用して、ターミナルビル間を移動する。なお、本実施形態では、主に運航便への旅客の搭乗の用に供され、旅客が搭乗した運航便を出発させるための施設を「運航便が出発する空港施設」ということもある。具体的には、図1の例では、「運航便が出発する空港施設」は、第1ターミナル7Aおよび第2ターミナル7Bである。
旅客が空港施設へ移動するための移動経路および移動手段は、他にも様々なものがある。旅客は、例えば、自家用車5を利用して第1ターミナル7Aへ移動する場合、移動経路に設置される通行ゲート8を通過して、高速料金などを支払って移動する。また、旅客は、例えば予め定められた停留所から時刻表に従って発信するリムジンバス2Aの乗車チケットを券売機2Cで購入して、バス停2Bでリムジンバス2Aが到着するのを待って、荷物を預ける等してリムジンバス2Aに乗り込む。また、旅客は、例えば空港施設に直行する電車に乗車するために乗車券を購入して、改札3Bまたは改札3Cを通過して電車に乗ることで空港施設へ移動する。例えば、旅客は、特急料金を支払うことにより、空港施設へ向かうための電車に乗車することもある。また、空港施設が海に面している場合、波止場4Bから船舶4Aなどの船舶に乗船し、海上ルートで空港へ移動することもできる。
本実施形態では、旅客は、運航便に搭乗するためのチェックイン手続を、第1ターミナル7Aおよび第2ターミナル7B等の空港施設(以下、第1ターミナル7Aおよび第2ターミナル7Bを総称して単に「空港施設」と言うこともある)に設置されたチェックイン機への操作の他に、空港施設へ向かう移動経路において実施することができる。具体的には、旅客が空港施設へと移動する移動経路に設置される通信装置(運航便が出発する空港施設外に設置される通信装置)、または、移動経路において運用される各種装置を利用する旅客の情報端末の少なくともいずれかが、運航便のチェックイン手続に必要な情報と、旅客が空港施設に向けて移動していることを示す情報(旅客が運航便に搭乗するための空港施設に到着していることを推定するための情報)をサーバへ送信する。旅客が空港施設へと移動する移動経路に設置される通信装置は、例えば、(1)航空会社等と提携しているタクシー会社が配車するタクシー1A、(2)旅客の自家用車が空港施設への移動経路で通過する通行ゲート8、(3)旅客がリムジンバス2Aへ乗車するために乗車券を購入する券売機2C、旅客がリムジンバス2Aへ乗車する乗車位置を示すバス停2Bまたはリムジンバス2A、(4)旅客が電車3Aに乗車するために通過する改札3B、改札3Cまたは電車3A、(5)旅客が船舶4Aへ乗船するために通過する波止場4Bまたは船舶4A、(6)旅客がターミナルビル間を移動するために空港バス6Aに乗車する位置を示す空港間バス停6Bまたは空港バス6A等に設置される。
サーバは、運航便へ搭乗する旅客の情報を管理するものであり、運航便の予約状況を示す情報、運航便へのチェックイン手続の状況を示す情報、および運航便の運航スケジュールの情報その他の情報を記憶する。サーバは、通信装置または情報端末から送信される情報を受信することにより、運航便に乗車する旅客がどの移動経路により空港施設へ移動しているか(空港施設へ移動している移動状況)を管理する。また、サーバは、通信装置または情報端末から送信される情報に基づいて、旅客が空港施設へ移動するための移動経路および移動手段を特定することにより、旅客が空港施設へ到着する時間を推定することができる。その結果、航空会社において運航便への搭乗手続を担当するオペレータは、旅客が現に空港施設へ向かっているか否かを知ることができる。さらに、オペレータは、旅客が空港施設へ到着すると推定される時間を知ることができ、旅客が運航便の出発時刻に間に合うように移動しているか、または明らかに出発時刻に間に合わないか等を把握することができる。その結果、運航便の定時出発率を向上させることができる。また、例えば、移動経路における事故等の発生により、旅客の空港施設への到着時刻が、明らかに運航便の出発時刻に間に合わない場合に、旅客の情報端末からサーバへ旅客の移動経路および移動手段を特定するための情報を送信することで、遅延している交通機関に旅客が乗車していることをサーバ側で記録することができる。これにより、旅客が運航便の搭乗に間に合わなかった場合の保険等の適用に役立てることができる。
このように、サーバ側で、空港施設に向かう旅客の移動経路および移動手段の情報を蓄積することにより、どの移動経路がよく利用されているかを可視化することが容易になる。サーバは、運航便に搭乗する旅客の住所を記録しているため、旅客の住所と、旅客が利用する移動経路および移動手段の情報を蓄積することにより、空港へのアクセス手段の利用状況を解析することができる。例えば、サーバに蓄積された情報に基づき空港へのアクセス手段の利用状況を航空会社が解析することにより、航空会社と交通機関とがタイアップしたキャンペーンの企画や、空港施設に確保すべき駐車場の広さの分析や、バスおよび鉄道などの公共交通機関の運行スケジュールの改善などに役立てることができうる。
<構成>
図2と図3とを参照して、本実施形態にかかるサーバ、通信装置および情報端末の構成を詳細に説明する。
図2は、サーバ20の構成および通信装置30の構成を示すブロック図である。情報端末10と通信装置30とは、通信規格に従って、ネットワークを介してサーバ20と通信する。また、情報端末10と通信装置30とは近距離無線通信などの通信規格に従って互いに通信することができる。航空会社のオペレータ等が使用する装置である情報処理装置40は、ネットワークを介してサーバ20と通信する。
サーバ20は、通信部202と、記憶部206と、制御部207とを含む。
通信部202は、サーバ20が他の通信機器と通信するための変復調処理などを行う通信インタフェースである。
記憶部206は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、サーバ20が使用するプログラムを記憶し、サーバ20が使用する各種のデータを蓄積する。ある局面において、記憶部206は、予約情報261と、運航情報262と、移動経路特定情報263とを記憶する。予約情報261、運航情報262およびお移動経路特定情報263の詳細は後述する。予約情報261は、運航便への搭乗を予約している各旅客の情報、各旅客のチェックイン状況、および各旅客が空港施設へ到着していることを推定するための情報を示す。運航情報262は、運航便の運航状況を示す。移動経路特定情報は、旅客が空港施設へ移動するための移動経路を特定する情報を示し、移動経路に設置される通信装置30を特定する情報(通信装置30の識別情報、または、通信装置30からブラウザ等によりサーバ20へログインすることによりサーバ20が提供する機能を利用する場合の、各通信装置に割り当てられたログインIDその他の情報)を含む。
制御部207は、記憶部206に記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、サーバ20の動作を制御する。制御部207は、例えば複数のプロセッサによって実現される。制御部207は、プログラムに従って動作することにより、受信処理部271と、データ蓄積処理部272と、チェックイン手続部273と、到着状況送信部274として機能する。
受信処理部271は、運航便に搭乗する予定の旅客を識別するための情報と、旅客が運航便に搭乗可能な時間内に、運航便に搭乗するための空港施設に到着していることを推定するための情報である到着状況情報とを、運航便が出発する空港施設外に設置される通信装置30(旅客の移動経路に設置される通信装置30)、または、旅客の情報端末10の少なくともいずれかから受信する。受信処理部271は、旅客を識別する情報として、運航便にチェックイン手続をするための予約番号を、通信装置30、または、旅客の情報端末10の少なくともいずれかから受信する。受信処理部271は、(1)第1の装置: 運航便に搭乗するための空港施設へ旅客を移動させる移動手段(例えば、タクシー1A、リムジンバス2A、電車3A、船舶4Aおよび空港バス6Aその他の移動手段)に搭載される通信装置30、(2)第2の装置: 移動手段に搭乗するための設備(例えば、バス停2B、券売機2C、改札3B、改札3C、波止場4B、空港間バス停6Bなど)、(3)第3の装置: 旅客が移動手段により移動する移動経路において交通管理のために設置される装置(通行ゲート8など)、などの各装置のうち少なくともいずれかの装置から、これら装置を特定するための情報(装置の識別情報など)を含む到着状況情報を受信する。すなわち、受信処理部271は、通信装置30を特定する情報を、この通信装置30または情報端末10の少なくともいずれかから受信する。具体的には、サーバ装置20は、例えば空港間バス停6Bに設置される通信装置30などを予め特定しておき、この予め特定している通信装置30の識別情報を記憶しておく。受信処理部271は、予め識別情報を記憶している特定の通信装置30と通信接続することで、この特定の通信装置30の識別情報を取得する。このとき受信処理部271は、この特定の通信装置30を経由してサーバ装置20と情報端末10とが通信することにより、情報端末10から予約番号を受信する。
データ蓄積処理部272は、旅客を識別するための情報(予約番号)、および、旅客が運航便に搭乗可能な時間内に、運航便に搭乗するための空港施設に到着していることを推定するための情報である到着状況情報(通信装置30の識別情報など)に基づいて、旅客が運航便に搭乗するため空港施設へ移動している移動状況を管理するための処理、運航便へのユーザの搭乗を管理するための処理その他の処理を行う。具体的には、データ蓄積処理部272は、受信する到着状況情報に含まれる通信装置30の識別情報に基づいて、移動経路特定情報263を参照することにより旅客の移動所要時間を推定する。データ蓄積処理部272は、運航情報262を参照し、推定される旅客の移動所要時間の経過後も旅客が搭乗する予定の運航便に搭乗可能な時間内である場合に、運航便に搭乗可能な時間内に旅客が空港施設に到着していると推定し、推定結果と旅客を識別するための情報とを対応付けて記憶部206の予約情報261に記憶させる。また、データ蓄積処理部272は、推定される旅客の移動所要時間に基づき、旅客が搭乗する予定の運航便に搭乗することが可能な時間内に旅客が空港施設に到着しないと推定される場合は、推定結果を記憶部206に記憶させる。データ蓄積処理部272は、受信する通信装置30の識別情報と、通信装置30の識別情報とともに受信する予約番号とに基づいて、旅客が空港施設へ移動するための移動経路のログを記憶部206に蓄積する。
チェックイン手続部273は、受信処理部271により受信する予約番号に基づいて、運航便への旅客のチェックイン手続を処理する。チェックイン手続部273は、受信処理部271により受信する予約番号と、受信する到着状況情報(通信装置30の識別情報)とに基づいて、旅客が運航便に搭乗可能な時間内に空港施設に到着すると推定される場合に、運航便への旅客のチェックイン手続を実行する。例えば、チェックイン手続部273は、予め識別情報を記憶している特定の通信装置と通信し、特定の通信装置を経由して情報端末10から予約番号を受信した場合に、運航便への旅客のチェックイン手続を実行する。
到着状況送信部274は、受信処理部271により受信する到着状況情報(通信装置30の識別情報など)に基づいて、運航便に搭乗する予定の旅客の情報と、前記運航便に搭乗可能な時間内に前記空港施設に到着するよう旅客が移動しているか否かの状況を示す情報とを情報処理装置40等の外部の装置へ送信する。
図2に示すように、通信装置30は、通信部302と、操作受付部303と、報知部304と、記憶部306と、制御部307とを含む。
通信部302は、通信装置30が他の通信機器と通信するための変復調処理などを行う通信インタフェースである。
操作受付部303は、タッチパネル、物理的な入力キーその他の入力部材により操作者の入力操作を受け付ける。
報知部304は、制御部307の制御に応じて、通信装置30を利用する旅客に対し報知を行う。報知部304は、例えばディスプレイ、スピーカ、LED(Light Emitting Diode)その他の装置である。
記憶部306は、フラッシュメモリ、HDD、RAM等により構成され、通信装置30が使用するプログラムを記憶し、通信装置30が使用する各種のデータを蓄積する。ある局面において、記憶部306は、通信装置特定情報361と、時刻表情報362とを記憶する。
通信装置特定情報361は、通信装置30を特定するための情報(例えば、通信装置30に固有に割り当てられた識別情報、または、通信装置30がサーバ20にログインすること等によりサーバ20が提供する機能を利用する場合の、各通信装置に割り当てられたログインIDなど)である。サーバ20は、通信装置30を特定する情報と、移動手段と、通信装置30の位置とを対応付けて管理している。すなわち、サーバ20は、通信装置30を特定する情報を参照することで、旅客の移動経路において旅客が利用している移動手段および旅客の位置を取得することができる。また、リムジンバスや鉄道などの移動手段の種類と、空港施設までの距離とに基づき、通信装置30の設置箇所から旅客が空港施設へ到着するまでの移動時間を推定することができる。
時刻表情報362は、移動手段の運行スケジュールを示す情報である。例えば、時刻表情報362は、通信装置30が空港施設へ移動するためのリムジンバスのバス停または券売機に設置される場合、リムジンバスの運行スケジュールを示す。また、通信装置30は、時刻表情報362により、移動手段の運行スケジュールとともに、運行スケジュールに示される各運行便の混雑状況と、他の移動手段の時刻表とを記憶することとしてもよい。例えば、通信装置30は、移動手段の運行状況を管理するサーバから、運行便の混雑状況を示す情報を取得する。例えば、リムジンバスなど移動手段の定員が定められている場合は、移動手段が停留所に到着したとしても旅客が乗車できない可能性がある。この場合、旅客にとっては、代替する移動手段の情報を参照できると、いっそう便利であり、代替する移動手段を利用することで、搭乗予定の運航便に搭乗するため空港施設に早期に到着しうる。
制御部307は、記憶部306に記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、通信装置30の動作を制御する。制御部307は、例えばプロセッサによって実現される。制御部307は、プログラムに従って動作することにより、チェックイン受付部371と、通信装置特定情報送信部372と、端末接近検出部373として機能する。
チェックイン受付部371は、通信装置30と情報端末10とが通信することにより、旅客が運航便に搭乗するためのチェックイン処理を行う。具体的には、サーバ20に対して通信装置30が情報を送信する場合は、チェックイン受付部371は、情報端末10と通信して予約番号161を情報端末10から受信する。チェックイン受付部371は、受信した予約番号161をサーバ20へ送信し、通信装置特定情報361を通信装置特定情報送信部372によりサーバ20へ送信する。チェックイン受付部371は、サーバ20から、チェックインの処理の結果を受信し、受信したチェックインの処理の結果を情報端末10へ送信する。また、サーバ20に対して情報端末10が情報を送信する場合は、チェックイン受付部371は、通信装置特定情報送信部372により通信装置特定情報361を情報端末10へ送信する。
通信装置特定情報送信部372は、記憶部306から通信装置特定情報361を読み出して、読み出した通信装置特定情報361を情報端末10またはサーバ20等の外部の装置へ送信する。
端末接近検出部373は、通信装置30と通信する情報端末10を検出する。通信装置30と情報端末10とは、例えば、無線LAN(Local Area Network)、NFC(Near field radio communication)、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格に従って通信する。端末接近検出部373は、通信装置30がビーコン信号を周期的に送信して通信装置30の周囲の一定距離に近づいた情報端末10に情報を送信する場合に、ビーコン信号を受信した情報端末10からの接続を受け付ける。
図2に示す情報処理装置40は、空港施設において旅客の搭乗手続を担当する航空会社のオペレータなどが利用する端末である。情報処理装置40は、タブレット、ラップトップ型のPC(Personal Computer)その他の装置であり、プロセッサと、メモリと、ディスプレイとを備え、サーバ20と通信する。情報処理装置40は、サーバ20から、運航便に搭乗する搭乗予定者のリストを受信して、搭乗券に記載されたコードを読み取る等により、旅客のチェックイン状況を管理する。
図3は、情報端末10の構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報端末10は、アンテナ101と、無線通信部102と、タッチパネル103と、ディスプレイ104と、位置情報センサ105と、記憶部106と、制御部107と、音声処理部108と、マイク109と、スピーカ110とを含む。情報端末10は、旅客が操作する端末であり、例えばスマートフォン、ウェアラブルデバイスその他の無線通信端末である。
アンテナ101は、情報端末10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ101は、空間から電波を受信して受信信号を無線通信部102へ与える。本実施形態では、通信装置10は、複数の無線通信規格に対応している。
無線通信部102は、通信装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ101等を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。無線通信部102は、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。無線通信部102は、通信装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部107へ与える。
タッチパネル103は、情報端末10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチパネル103は、例えば静電容量方式のものを用いることによって、ユーザの接触位置を検出する。タッチパネル103は、検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部107へ出力する。
ディスプレイ104は、制御部107の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ104は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
位置情報センサ105は、情報端末10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される情報端末10の現在位置を検出する。
記憶部106は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、通信装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部106は、予約番号161と、チェックイン受付装置特定情報162とを記憶する。
予約番号161は、旅客が航空券を予約した際に航空会社によって発行される番号である。サーバ20は、予約番号を参照することで、予約番号に示される旅客の氏名、旅客の住所、旅客が搭乗する予定の運航便のコード、旅客の国籍などの情報を特定することができる。したがって、予約番号161は、運航便に搭乗する旅客を識別する情報を含む。
チェックイン受付装置特定情報162は、通信装置30を特定する情報(例えば、通信装置30に固有の識別情報)である。情報端末10は、通信装置30と通信することで、通信装置30を特定する情報を取得する。通信装置30は空港施設外に設置され、旅客の移動経路に設置される装置であるため、通信装置30を特定する情報は、旅客の位置および旅客の移動手段を特定するための情報となる。
制御部107は、記憶部106に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、情報端末10の動作を制御する。制御部107は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部107は、プログラムに従って動作することにより、チェックイン処理部171と、到着状況情報送信部172と、ビーコン信号検出部173としての機能を発揮する。
チェックイン処理部171は、情報端末10と通信装置30とが通信することにより、旅客が運航便に搭乗するためのチェックイン処理を行う。具体的には、サーバ20に対して情報端末10が情報を送信する場合、チェックイン処理部171は、通信装置30と通信して通信装置特定情報361を通信装置30から受信し、受信した情報をチェックイン受付装置特定情報162として記憶部106に記憶させる。チェックイン処理部171は、予約番号161をサーバ20へ送信し、チェックイン受付装置特定情報162を到着状況情報送信部172によりサーバ20へ送信する。チェックイン処理部171は、サーバ20から、チェックインの処理の結果を受信し、受信したチェックインの処理の結果をディスプレイ104により表示する。また、サーバ20に対して通信装置30が情報を送信する場合、チェックイン処理部171は、通信装置30を介して予約番号161をサーバ20へ送信し、チェックインの処理の結果を、通信装置30を介して受信する。
到着状況情報送信部172は、旅客の位置および移動手段を示す情報として、チェックイン受付装置特定情報162をサーバ20へ送信する。
ビーコン信号検出部173は、ビーコン信号を送出する通信装置30がある場合に、通信装置30によって送出されるビーコン信号を検出する。
音声処理部108は、音声信号の変復調を行う。音声処理部108は、マイク109から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部107へ与える。また、音声処理部108は、音声信号をスピーカ110へ与える。音声処理部108は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク109は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部108へ与える。スピーカ110は、音声処理部108から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を情報端末10の外部へ出力する。
<データ構造>
図4と図5とを参照して、実施の形態のシステムで使用されるデータのデータ構造について説明する。
図4は、予約情報261のデータ構造を示す図である。図4に示すように、予約情報261の各レコードは、予約番号261Aと、搭乗予定者261Bと、搭乗予約便コード261Cと、搭乗予定者国籍・住所261Dと、性別261Eと、チェックイン手続状況261Fと、到着状況情報261Gとを含む。
予約番号261Aは、旅客が航空券を予約した予約番号を示す。チェックインシステムのサーバ(例えば、サーバ20)は、Webサイト等により航空券の予約サービスを旅客に提供している。チェックインシステムのサーバは、旅客による航空券の予約操作を受け付けて、予約操作が完了すると予約番号を発行してメール等により予約番号を旅客へ通知する。
搭乗予定者261Bは、航空券を予約した1名以上の旅客(運航便に搭乗する旅客)を示す。チェックインシステムのサーバは、旅客から航空券の予約操作を受け付ける際に、搭乗予定の旅客の名前の入力を受け付ける。
搭乗予約便コード261Cは、旅客が予約した運航便を識別するコードである。通常、航空会社が運航便にコードを割り当てる。
搭乗予定者国籍・住所261Dは、旅客の国籍および住所を示す。チェックインシステムのサーバは、旅客の国籍および住所の入力を受け付ける。
性別261Eは、旅客の性別を示す。チェックインシステムのサーバは、旅客の性別の入力を受け付ける。
チェックイン手続状況261Fは、サーバ20へ送信される情報に基づいて、旅客が空港施設に設置されたチェックイン機を操作すること、または、情報端末10と通信装置30とが通信することによるチェックイン手続を行うことにより、運航便へのチェックイン手続を完了したか否かを示す。
到着状況情報261Gは、情報端末10または通信装置30からサーバ20へ送信される、通信装置30を特定する情報(通信装置30の識別情報)および予約番号161に基づき特定される、各旅客の移動手段と各旅客の位置と各旅客が空港施設へ到着する見込みの時間とを示す。サーバ20は、例えば、移動経路特定情報263として示すように、予め通信装置30を特定する情報と対応付けて、旅客が空港施設への移動に要する時間を記憶する。また、サーバ20は、情報端末10または通信装置30から情報を受信した時点(または、情報端末10または通信装置30が情報をサーバ20へ送信した時点)を基準として、各旅客の移動手段と各旅客の位置とに基づき各旅客が空港施設へ到着する見込みの時間を算出することとしてもよい。
サーバ20は、このように、予約番号と対応付けて、各運航便を予約している旅客の情報を予約情報261として記憶部206により記憶する。サーバ20は、搭乗予約便コード261Cに基づいて、運航便ごとに旅客を抽出することができる。この搭乗予約便コード261Cに基づく抽出結果は、運航便に搭乗予定の旅客のリストを示す。図4の例では、サーバ20は、運航便のコード「MM112」に基づいて旅客を抽出することにより、運航便名「MM112便」についての搭乗予定者リスト269Aを生成する。サーバ20は、生成した搭乗予定者リスト269Aを、例えば情報処理装置40その他の通信機器へ送信する。これにより、空港で搭乗予定者の搭乗手続を案内するオペレータは、運航便ごとに、搭乗予定者を把握することができる。
図5は、運航情報262のデータ構造と、移動経路特定情報263のデータ構造とを示す図である。図5に示すように、運航情報262の各レコードは、運航便名262Aと、出発予定時刻262Bと、到着予定時刻262Cと、備考262Dとを含む。
運航便名262Aは、運航便に割り当てられるコード名を示す。出発予定時刻262Bは、運航便の出発予定時刻を示す。サーバ20は、使用機材の遅れ等が発生した場合、出発予定時刻に遅延時間を加算して出発予定時刻262Bを更新する。到着予定時刻262Cは、運航便の到着予定時刻を示す。備考262Dは、運航便について、搭乗予定の旅客に通知すべき情報などを含む。
移動経路特定情報263の各レコードは、装置特定情報263Aと、移動所要時間263Bと、位置263Cと、移動手段263Dとを含む。
装置特定情報263Aは、予め設置箇所が判明している各通信装置30を特定するための情報である。移動所要時間263Bは、空港施設までの移動に要する時間として予め各通信装置30に設定されている時間を示す。なお、移動所要時間263Bにおいて、時間「みなし到着」は、通信装置30と通信する情報端末10の旅客が空港施設に到着しているものとみなすことを示す。位置263Cは、通信装置30の位置を示す。なお、位置263Cに示される位置は、例えば鉄道に設置される改札3Bのように固定の位置と、リムジンバス2Aのように移動体の移動に伴って変動する位置とがある。サーバ20は、例えば移動体または移動体に設置される通信装置30から、移動体によって計測される位置情報または通信装置30が備える位置情報センサの出力値である位置情報を取得する。移動手段263Cは、通信装置30が設置される移動経路における旅客の移動手段を示す。
<動作>
図6と図7とを参照して、本実施形態のシステムを構成する各装置の動作を説明する。
図6は、情報端末10が通信装置30を介してチェックイン手続を行う処理を示すフローチャートである。情報端末10は、通信装置30を中継装置としてサーバ20と通信することによりチェックイン手続を行う。
ステップS101において、情報端末10の制御部107は、通信装置30から送信されるビーコン信号を検出することにより、通信装置30に設定されるジオフェンス内に位置しているか否かを判定し、ジオフェンス内に進入している場合に、チェックイン手続のためのイベントを発生させる。なお、情報端末10は、ジオフェンスの検出にかかわらず通信装置30が送出する信号を検出することで通信装置30と通信することとしてもよい。例えば、情報端末10は、無線LANアクセスポイントとして機能する通信装置30が送出する信号を検知することで、通信装置30と接続する。
ステップS103において、制御部107は、旅客がチェックイン手続をすることが可能であることをディスプレイ104により通知する。制御部107は、旅客の入力操作をタッチパネル103により受け付けて、入力操作に応じて通信装置30と通信し、予約番号161を通信装置30へ送信する。
ステップS301において、通信装置30の制御部307は、情報端末10と通信して情報端末10から予約番号161を受信する。制御部307は、サーバ20と通信接続することにより、情報端末から受信した予約番号161と、通信装置特定情報361(移動経路における移動手段と旅客の位置とを示す情報)とをサーバ20へ送信する。
ステップS201において、サーバ20の制御部207は、通信装置30から、旅客を識別する情報として予約番号161を受信し、旅客が空港施設に到着していると推定するための到着状況情報として通信装置特定情報361を受信する。
ステップS203において、制御部207は、通信装置30から受信する予約番号161に基づいて、運航便への旅客のチェックイン手続を処理する。制御部207は、予約番号161と、通信装置特定情報361とに基づいて、旅客が空港施設へ到着すると見込まれる到着見込時間を取得する。具体的には、制御部207は、通信装置特定情報361に基づいて移動経路特定情報263の移動所要時間263Bを参照することで、旅客の移動所要時間を取得する。制御部207は、取得した移動所要時間と、通信装置30から予約番号161等を受信した時刻とに基づいて到着見込時間を取得する。制御部207は、運航情報262を参照し、運航便の出発予定時刻と、到着見込時間とを比較して、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着するか否かを推定する。例えば、サーバ20は、運航便の出発予定時刻の一定時間前の時刻までに空港施設へ旅客が到着しないと見込まれる場合は、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着することができないと推定する。また、例えば、サーバ20は、運航便の出発予定時刻の一定時間前の時刻までに旅客が空港施設に到着すると見込まれる場合は、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着することができると推定する。制御部207は、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着するか否かの推定結果(到着見込時間)と、通信装置特定情報361により特定される旅客の移動手段および検出位置の情報(移動経路の情報)を記憶部206に記憶させる。また、制御部207は、通信装置特定情報361により特定される通信装置30の移動所要時間263Bが、時間「みなし到着」である場合は、旅客が空港に到着しているとみなす。
ステップS205において、制御部207は、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着するか否かの推定結果に応じてチェックイン手続を処理する。すなわち、制御部207は、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着することができると推定される場合にチェックインを受け付けて、到着することができないと推定される場合にはチェックインを受け付けないよう処理する。また、制御部207は、ステップS203において旅客が空港に到着しているとみなす場合もチェックイン手続を受け付ける。制御部207は、搭乗予定者リスト269Aに示すように運航便ごとに搭乗予定者のリストを生成し、運航便の未チェックイン者が空港施設へと移動している状況(到着状況情報)を含む搭乗予定者のリストを、運航便への搭乗手続を行うオペレータの端末(例えば、情報処理装置40)へ送信する。制御部207は、チェックイン手続の実行の可否と、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着すると見込まれるか否かの推定結果(到着見込時間)と、運航便についての情報(運航便の出発予定時刻の情報など)とを情報端末10へ宛てて送信する。
ステップS303において、通信装置30の制御部307は、サーバ20から、チェックイン手続の可否を示す情報と、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着すると見込まれるか否かの推定結果(到着見込時間)と、運航便についての情報とを受信する。制御部307は、サーバ20から受信したこれらの情報を情報端末10へ転送する。また、制御部307は、サーバ20から受信した推定結果(到着見込時間)と、運航便の出発時刻についての情報と、通信装置30が設置される移動経路における移動手段(リムジンバスなど)の運行便の混雑状況に基づいて、旅客が移動手段に乗車できる可能性を算出する。例えば、移動手段がリムジンバスで、リムジンバスの定員いっぱいに乗客が乗車している場合、旅客がリムジンバスに乗車できない可能性がある。この場合に、通信装置30は、時刻表情報362を参照し、旅客が乗車可能なリムジンバスが到着する時刻を取得して、この時刻にリムジンバスに乗車した場合に運航便の出発予定時刻を基準とした時刻までに空港施設に到着するか否か(運航便に搭乗可能か否か)を判定する。通信装置30は、旅客が移動手段に乗車可能な運行便に乗車したとしても空港施設で運航便に搭乗できないと判定された場合に、代替の移動手段の情報(例えば、混雑状況に鑑みてリムジンバスでは乗車できないが鉄道であれば乗車可能で空港施設で運航便に搭乗可能な場合に、鉄道の運行スケジュール)を検索し、検索結果を情報端末10へ送信する、通信装置30の報知部304により報知する等の処理を行う。
ステップS105において、情報端末10の制御部107は、通信装置30から、サーバ20におけるチェックイン手続の可否を示す情報と、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着すると見込まれるか否かの推定結果を示す情報と、運航便についての情報とを受信して、受信した情報をディスプレイ104に表示する。また、通信装置30において代替の移動手段の情報が検索された場合、情報端末10は、通信装置30から代替の移動手段の情報を受信して、受信した情報をディスプレイ104に表示する。
図7は、情報端末10が通信装置30と通信して通信装置30を特定する情報を取得して、サーバ20と通信することによりチェックイン手続を行う処理を示すフローチャートである。
ステップS311において、通信装置30の制御部307は、情報端末10と通信し、通信装置特定情報361を情報端末10へ送信する。
ステップS111において、情報端末10の制御部107は、通信装置30を検出して通信装置30と通信し、旅客がチェックイン手続を行うことが可能であることをディスプレイ104により通知する。制御部107は、旅客の入力操作をタッチパネル103により受け付けて、旅客が空港施設へ移動するための移動手段および移動経路を特定するための情報である通信装置特定情報361を通信装置30から取得してチェックイン受付装置特定情報162として記憶する。制御部107は、予約番号161と、チェックイン受付装置特定情報162とをサーバ20へ送信する。
ステップS211において、サーバ20の制御部207は、情報端末10から、旅客を識別する情報として予約番号161を受信し、旅客が空港施設に到着していると推定するための到着状況情報としてチェックイン受付装置特定情報162を受信する。
ステップS213において、制御部207は、情報端末10から受信する予約番号161に基づいて、運航便への旅客のチェックイン手続を処理する。制御部207は、予約番号161と、チェックイン受付装置特定情報162とに基づいて、旅客が空港施設へ到着すると見込まれる到着見込時間を取得する。制御部207は、運航情報262を参照し、運航便の出発予定時刻と、到着見込時間とを比較して、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着するか否かを推定する。制御部207は、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着するか否かの推定結果(到着見込時間)と、チェックイン受付装置特定情報162により特定される旅客の移動手段および検出位置の情報(移動経路の情報)を記憶部206に記憶させる。
ステップS215において、制御部207は、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着するか否かの推定結果に応じてチェックイン手続を処理する。すなわち、制御部207は、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着することができると推定される場合にチェックインを受け付けて、到着することができないと推定される場合にはチェックインを受け付けないよう処理する。制御部207は、搭乗予定者リスト269Aに示すように運航便ごとに搭乗予定者のリストを生成し、運航便の未チェックイン者が空港施設へと移動している状況(到着状況情報)を含む搭乗予定者のリストを、運航便への搭乗手続を行うオペレータの端末(例えば、情報処理装置40)へ送信する。制御部207は、チェックイン手続の実行の可否と、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着すると見込まれるか否かの推定結果(到着見込時間)と、運航便についての情報(運航便の出発予定時刻の情報など)とを情報端末10へ宛てて送信する。
ステップS113において、情報端末10の制御部107は、サーバ20から、サーバ20におけるチェックイン手続の可否を示す情報と、旅客が運航便に搭乗するため空港施設に到着すると見込まれるか否かの推定結果を示す情報と、運航便についての情報とを受信して、受信した情報をディスプレイ104に表示する。
なお、図7に示す処理において、図6で説明したように、旅客が移動手段に乗車可能な運行便に乗車したとしても空港施設で運航便に搭乗できない場合に、代替の移動手段の情報を情報端末10がディスプレイ104に表示することとしてもよい。例えば、サーバ20が各交通機関の時刻表の情報、各交通機関の混雑状況の情報などを管理することで、図6で説明した処理をサーバ20が行うことができる。
<画面の表示例>
以上のように、本実施形態のシステムに含まれる各装置の動作について説明した。ここで、情報端末10、サーバ20および情報処理装置40の画面の表示例を説明する。
図8は、情報端末10と通信装置30とが通信することにより、旅客が運航便へのチェックイン手続を行う場合の画面の表示例を示す図である。
図8の状態(A)、状態(B)および状態(C)は、図1の例に示す第1ターミナル7Aから第2ターミナル7Bへと旅客が空港バス6Aにより移動する際に、通信装置30を搭載する空港間バス停6Bに位置する旅客がチェックイン手続を行う場合の画面の表示例を示す。図1の例において、旅客は、空港間バス停6Bに位置しており、空港バス6Aにより第1ターミナル7Aから第2ターミナル7Bへ移動しようとしている。状態(A)は、空港間バス停6Bの通信装置30の報知部304に表示される画面の表示例を示す。状態(A)に示すように、通信装置30は、ディスプレイである報知部304において、手続案内部381と、運航便表示部382と、誘導情報表示部383とを表示する。手続案内部381は、チェックイン手続が可能であることを旅客に通知するための領域である。運航便表示部382は、通信装置30がサーバ20と通信することで、チェックイン手続を受け付けている運航便を特定する情報を表示するための領域である。誘導情報表示部383は、未チェックインの旅客に対して通知すべき情報を表示するための領域である。
状態(B)は、旅客が所持する情報端末10が、空港間バス停6Bの通信装置30と通信することでチェックイン手続を開始する際の画面の表示例を示す。状態(B)に示すように、情報端末10は、空港間バス停6Bに設置される通信装置30と通信することにより、ディスプレイ104の手続案内部181に、チェックイン手続が可能であることを表示する(図7のステップS111)。情報端末10は、手続開始受付部182に対する入力操作を受け付けてチェックイン手続を開始する。
状態(C)は、情報端末10がサーバ20からチェックイン手続の可否を受信して受信した情報をディスプレイ104に表示する場合の画面の表示例を示す。状態(C)に示すように、情報端末10は、手続案内部181に、チェックイン手続の可否を表示する(図7のステップS113)。状態(C)の例では、チェックイン手続が完了している。情報端末10は、搭乗予定者情報表示部183に、チェックイン手続の結果として、運航便に搭乗するための情報を表示する。情報端末10は、搭乗予定者情報表示部183において、搭乗するための情報を示す二次元コード184を表示する。この二次元コード184の情報は、空港内のオペレータが二次元コードスキャナ等を使用することで読み込まれる。
図8の状態(D)、状態(E)および状態(F)は、図1の例に示すリムジンバス2Aにより旅客が空港施設へと移動する際に、通信装置30を搭載する券売機2Cを利用して旅客がチェックイン手続を行う場合の画面の表示例を示す。図1の例において、旅客は、券売機2Cへ向けて移動しており、券売機2Cに搭載される通信装置30がビーコン信号を送出する範囲内であるビーコン範囲2Dの内部に、情報端末10を把持する旅客が進入したとする。
状態(D)は、旅客が把持する情報端末10がビーコン範囲2Dの内部に進入することでディスプレイ104に表示される画面の表示例を示す。状態(D)に示すように、情報端末10は、券売機2Cにおいてチェックインが可能であることを手続案内表示部191に表示する(ステップS101)。
状態(E)は、旅客の入力操作を受け付けて、情報端末10が券売機2Cに設置される通信装置30を介してチェックイン手続を開始する際の画面の表示例を示す。情報端末10は、手続開始受付部192に対する入力操作を受け付けて、チェックイン手続を開始する。
状態(F)は、旅客が乗車しようとする移動手段が混雑しているために通信装置30が代替の移動手段の情報を情報端末10へ送信した場合の画面の表示例を示す(ステップS105)。ステップS303の処理により、通信装置30は、旅客が移動手段に乗車可能な運行便に乗車したとしても空港施設で運航便に搭乗できないと判定しており、代替の移動手段があること、および、代替の移動手段の運行スケジュールの検索結果を情報端末10へ送信している。情報端末10は、通信装置30から受信した情報として、移動手段の混雑状況に基づき、代替の移動手段があることを手続案内表示部191に表示する。また、情報端末10は、代替の移動手段の運行スケジュールの検索結果を代替交通情報193に表示する。このように、通信装置30が移動手段の混雑状況に応じて代替の交通手段を提示することにより、旅客の利便性を高めることができる。通信装置30は、代替の交通手段の利用を促すための情報(割引券など)を旅客に対して提供することとしてもよい。
図9は、航空会社のオペレータが操作する情報処理装置40の画面の表示例を示す図である。
情報処理装置40は、サーバ20と通信し、運航便に搭乗する予定の旅客のリスト(搭乗予定者リスト269A)を取得する。
図9の状態(A)は、ある時点におけるチェックイン予定者のリストを情報処理装置40のディスプレイ401で表示する場合の画面の表示例を示す。状態(A)に示すように、情報処理装置40は、ディスプレイ401に、運航便「MM112」のチェックイン予定者リスト461を表示する。状態(A)において、搭乗予定者「C.E」は、空港施設に到着し、空港施設に設置されるチェックイン機でチェックイン手続を完了しているため、チェックイン予定者リスト461には移動手段などの登録がない。
その後、一定時間が経過し、旅客の情報端末10が通信装置30と通信することで、チェックイン手続が行われた旅客があるとする。状態(B)に示すように、情報処理装置40は、運航便「MM112」のチェックイン予定者リスト461をディスプレイ401に表示する。状態(A)と比較すると、情報処理装置40は、搭乗予定者「C.E」についてはチェックイン済みであるため、状態(A)から一定時間が経過することでディスプレイ401の表示内容からは消去する。また、状態(A)から状態(B)へと至るまでの間に、搭乗予定者「T.T」が、情報端末10と通信装置30とを通信させることでチェックイン手続を行ったとする。そのため情報処理装置40は搭乗予定者「T.T」について移動手段、検出位置および到着見込時間の情報をチェックイン予定者リスト461において表示している。
このように、サーバ20は、旅客の住所と対応付けて、旅客の移動経路の情報を蓄積している。したがって、旅客が空港施設へ移動するために利用している交通機関の種類を、旅客の住所に応じて可視化することもできる。
図10は、サーバ20に蓄積されている情報に基づいて、旅客が利用する交通機関の種類を可視化した例を示す図である。例えば、情報処理装置40がサーバ20と通信して、サーバ20からデータを受信することにより、旅客の住所と、旅客が空港施設へ移動するために利用する交通機関とを情報処理装置40のディスプレイに表示させることができる。
図10に示す例では、空港施設の位置を、空港施設アイコン7により示している。また、移動手段に乗車または乗船する位置(通信装置30が設置される位置)を、それぞれバス停アイコン30B、波止場アイコン30S、電車乗り場アイコン30Tとして示す。情報処理装置40は、予約情報261に示される旅客の住所(搭乗予定者国籍・住所261D)と、空港施設へ移動するための移動経路の情報(到着状況情報261G)とに基づいて、各地点において旅客の利用頻度が大きい移動手段を、それぞれアイコンとして地図上に表示している。タクシーアイコン1は、各地点において移動手段としてタクシーの利用頻度が最も大きいことを示すアイコンである。リムジンバスアイコン2は、各地点において移動手段としてリムジンバスの利用頻度が最も大きいことを示すアイコンである。電車アイコン3は、各地点において移動手段として電車の利用頻度が最も大きいことを示すアイコンである。船舶アイコン4は、各地点において移動手段として船舶の利用頻度が最も大きいことを示すアイコンである。自家用車アイコン5は、各地点において利用頻度として自家用車の利用頻度が最も大きいことを示すアイコンである。このように、本実施形態によると、住所に応じて、どの移動手段が頻繁に利用されているかを視覚化することができる。
また、サーバ20は、旅客の住所と、旅客が移動手段に乗車した位置(通信装置特定情報361)とを対応付けて記憶している。そのため、旅客がどの位置から移動手段を利用したかを視覚化することもできる。リムジンバスなどの各移動手段は、予め空港施設へ移動するための移動経路が運行会社によって定められていることがあるため、本実施形態によると、旅客がどの位置から移動手段を利用したかを視覚化するとともに、どの移動経路(例えば、高速道路、鉄道など)によって旅客が空港施設へ移動したかを視覚化することもできる。これにより、例えば、どの移動経路においてどのような広告情報を提供するとよいか等、旅客の特性に応じた分析をするとともに分析結果を広告主、道路整備会社、交通運行会社、空港運営会社等に提供することができる。
<その他の実施形態>
上記の実施形態では、情報端末10と通信装置30とが通信することにより、旅客を識別する情報(予約番号)と、旅客が空港施設へ移動していることを示すために通信装置特定情報とを情報端末10または通信装置30がサーバ20へ送信してチェックイン手続を行う例について説明した。この他に、旅客が空港施設へ移動していること、旅客が空港施設へ到着する時間を推定することができる情報その他の情報を情報端末10等の装置からサーバ20へ送信し、チェックイン手続については空港施設に設置されるチェックイン機で受け付けることとしてもよい。この場合、空港施設において搭乗手続を担当するオペレータは、運航便に未チェックインの旅客があったとしても、旅客が空港施設に向かっていること、また、旅客が空港施設に到着すると見込まれる時間を取得することができる。したがって、従来のように空港に向かっているか否かもわからない未チェックイン者を探索する等の業務負担を軽減できる。また、未チェックイン者が空港施設に到着すると見込まれる時間を推定しているため、未チェックイン者の空港施設への到着時間に、旅客をチェックイン手続や保安検査手続へと効率よく誘導することができる。
また、上記の実施形態で説明した例の他に、空港施設へ移動する旅客の手荷物の数を、通信機能を有する装置によってサーバ20へ送信することとしてもよい。例えば、リムジンバス2Aの乗車員は、リムジンバス2Aを利用する各旅客の手荷物をリムジンバス2Aに積み込む際に、旅客が行き先とする空港施設(例えば、第1ターミナル7Aと第2ターミナル7Bのいずれを行き先とするか)と、旅客から預かっている手荷物の数(リムジンバス2Aに積み込んだ、旅客の手荷物の数)と、旅客および手荷物が空港施設へ到着する時を推定するための情報(例えば、リムジンバス2Aなどの移動手段が空港施設に到着する予定の時刻、リムジンバス2Aの運行便名など)を、タブレット端末等の装置を介してサーバ20へ送信する。リムジンバス2Aが空港施設に到着することにより、そのリムジンバス2Aに乗車している旅客が空港施設でチェックイン手続を行うとともに、運航便に手荷物を預けるものと推定される。したがって、リムジンバス2Aに乗車する旅客が行き先とする空港施設の情報と、リムジンバス2Aが旅客から預かった手荷物の数とをサーバ20へ送信することにより、空港施設で登場手続きを担当するオペレータは、リムジンバス2Aが空港施設へ到着することで、空港施設内の混雑状況がどの程度変化するかを推定することができる。これにより、オペレータが、リムジンバス2Aに乗車する旅客が空港施設に到着する前に、例えば空港施設内でチェックイン済みの旅客に対して保安検査を早期に通過することを促す等により旅客の搭乗手続が円滑に進むように対処することが容易となる。また、空港施設へ移動する旅客を識別する情報(例えば、チェックイン手続に使用する航空券の予約番号、旅客が航空券の予約に使用したメールアドレスなど)と、その旅客の手荷物の数と、旅客および手荷物が空港施設に到着する時を推定するための情報とを、通信機能を有する装置によってサーバ20へ送信することとしてもよい。これにより、旅客が空港施設に到着してからチェックイン手続を終えて運航便に搭乗可能となるまでの時間を推定することが容易になる。
また、情報端末10と通信装置30とが通信することにより、予約番号を通信装置30からサーバ20へ送信することでサーバ20がチェックイン手続を受け付けることとしてもよい。例えば、空港施設の近郊に通信装置30を設置する場合(図1の例における、空港のターミナルビル間に設置される空港間バス停6Bなど)、情報端末10が通信装置30と近距離無線通信規格等によって通信する程度に接近していることにより、旅客が空港施設に一定時間内に到着すると推定してもよい。例えば、空港バス6Aが一定周期でターミナルビル間を移動する場合、旅客が空港バス6Aに乗車するために空港間バス停6Bの近郊に位置することにより、旅客が一定時間内に第2ターミナル7Bへ移動すると推定することができる。
また、上記の実施形態の説明では、情報端末10と通信装置30とが通信することでサーバ20に対するチェックイン手続を行う例を説明したが、運航便に搭乗するための空港施設の外部に設置される通信装置30が旅客の予約番号等の入力を受け付けてサーバ20へ送信することでチェックイン手続を行うこととしてもよい。例えば、空港施設へ向かう電車3Aを運行する鉄道会社が、販売窓口において、特急券など鉄道への乗車券を旅客へ販売する。鉄道会社の販売員は、PC(Personal Computer)を操作して、販売地に割り当てられたログインIDを使用して、ブラウザによりサーバ20へアクセスする。鉄道会社の販売員は、乗車券を購入する旅客から、旅客を識別する情報(航空券の予約番号等)を取得して、取得した情報を、ブラウザに表示される画面を介してサーバ20へ送信する。サーバ20は、例えば、ログインIDと対応付けて、旅客が空港施設へ移動するのに要する移動所要時間を記憶している。
また、情報端末10または通信装置30から旅客を識別する情報をサーバ20へと送信する場合に、情報端末10または通信装置30が、航空会社が発行主体となるクレジットカードから読み取った情報に基づいて、旅客を識別する情報を取得することとしてもよい。クレジットカードの発行主体が航空会社である場合に、例えば、旅客を識別するための情報として、旅客の名前、旅客の誕生日、旅客の性別、旅客のメールアドレス等に基づいて、旅客に固有の識別情報が割り当てられ、この固有の情報がクレジットカードに保持されるとする。情報端末10または通信装置30は、クレジットカードから、旅客に固有の識別情報を読み取って、読み取った情報をサーバ20へ送信する。例えば、旅客が自家用車により空港施設へ移動する場合に、通行ゲート8を通過して道路の利用料金をクレジットカードで支払うとする。通行ゲート8は、通信装置30として機能し、旅客のクレジットカードから、旅客に割り当てられた固有の識別情報を読み取って、読みとった情報をサーバ20へ送信する。
本実施の形態に係るシステムを構成する各装置は、プロセッサと、その上で実行されるプログラムにより実現される。本実施の形態を実現するプログラムは、通信インタフェースを介してネットワークを利用した送受信等により提供される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。