JP6575160B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機の一例として、特許文献1に記載のものが知られている。このトロイダル型無段変速機は、図4および図5に示すように構成されている。図4に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車(伝達歯車)4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図4中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図4中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図4中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1とともに回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図5参照)が回転自在に挟持されている。
図4中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図4の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力(予圧)を付与する。
図5は、図4のA−A線に沿う断面図である。図5に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図5においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図5の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図5の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図5の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ56によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図5で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図5の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ56と下側シリンダボディ57とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、さらにこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える、つまり変速制御する場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図5の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
特開2013−24310号公報
ところで、従来のトロイダル型無段変速機においては、常温でエンジン始動とほぼ同時に油がポンプから変速制御用の駆動シリンダ(油圧シリンダ)に給油され、油圧が立つが、極低温始動時は油の粘度が高く、駆動シリンダ内に油が充填されるまでに時間がかかる。駆動シリンダ内に油がないかもしくは不十分であり、油圧が立たないと、変速制御ができず変速比が維持できない。
また、車両を長期放置した後のエンジン低温始動直後の走行開始時においても、駆動シリンダ内に油が充填されるまでに時間がかかるので、良好な変速比制御が得られないことがある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、極低温始動時や車両を長期放置した後のエンジン低温始動時等に良好に変速制御を行うことができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、入力側ディスクと、この入力側ディスクとの間に挟持されるパワーローラを介して入力側ディスクから所定の変速比で回転トルクが伝達される出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するとともに、前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記トラニオンをその軸方向に変位させる油圧式の駆動装置とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記駆動装置は、
油圧シリンダと、この油圧シリンダに設けられ、かつ、前記トラニオンに連結された駆動ピストンとを備え、
前記駆動装置が停止中でも前記油圧シリンダ内に油を保持する油保持構造を有することを特徴とする。
本発明においては、駆動装置が停止中でも油保持構造によって油圧シリンダ内に油が保持されているので、極低温始動時や車両を長期放置した後のエンジン低温始動時等においても常に油圧シリンダ内に油があり、従来と異なり、駆動シリンダ内に油が充填されるまでに時間がかかることがないので、油圧シリンダの油圧の立上り遅れを防止して良好な変速比制御を得ることができる。
また、本発明の前記構成において、前記油保持構造、前記油圧シリンダに油を供給する供給油路を前記油圧シリンダより高いに位置に設けた構造を成す
このような構成によれば、供給油路を油圧シリンダより高いに位置に設けたので、油圧シリンダ内の油が供給油路を通じて漏れて抜け出るのを防止できる。したがって、極低温始動時や車両を長期放置した後のエンジン低温始動時等においても常に油圧シリンダ内に油があることになるので、油圧シリンダの油圧の立上り遅れを防止して良好な変速比制御を得ることができる。
また、本発明の他の構成において、前記油保持構造、前記油圧シリンダが油の中にある構造を成す
このような構成によれば、油圧シリンダが油の中にあるので、油圧シリンダ内の油が漏れて抜け出るのを防止できる。したがって、極低温始動時や車両を長期放置した後のエンジン低温始動時等においても常に油圧シリンダ内に油があることになるので、油圧シリンダの油圧の立上り遅れを防止して良好な変速比制御を得ることができる。
また、本発明の前記構成において、前記油保持構造が、前記油圧シリンダの上部側と前記駆動ピストンの上部側とをシールする上部シール部材よりも、前記油圧シリンダの下部側と前記駆動ピストンの下部側とをシールする下部シール部材の緊縛力を高く設定した構造であってもよい。
このような構成によれば、上部シール部材よりも下部シール部材の緊縛力を高く設定したので、油圧シリンダ内の油が油圧シリンダの下部から漏れて抜け出るのを抑制できる。
したがって、極低温始動時や車両を長期放置した後のエンジン低温始動時等においても常に油圧シリンダ内に油があることになるので、油圧シリンダの油圧の立上り遅れを防止して良好な変速比制御を得ることができる。
本発明によれば、油保持構造によって油圧シリンダ内に油が保持されているので、極低温始動時や車両を長期放置した後のエンジン低温始動時等においても常に油圧シリンダ内に油があることになるので、油圧シリンダの油圧の立上り遅れを防止して良好な変速比制御を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部を示す断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図4におけるA−A線に沿う断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示す断面図である。
なお、本実施の形態において、図4および図5に示す従来のトロイダル型無段変速機と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図1に示すトロイダル型無段変速機は、モジュール化したものとなっている。
すなわち、ケーシング50(図4および図5参照)に収容する前の段階で、前述の入力軸1、入力側ディスク、出力側ディスク、出力歯車、上下のヨーク23A,23B、トラニオン15、パワーローラ11、駆動装置32、押圧装置、固定部材52(アッパープレート)等が一体に組み立てられてバリエータモジュール38とされ、このバリエータモジュール38をケーシング50内に収容して取り付けるようになっている。また、バリエータモジュール38を組んだ段階でケーシング50に収容する前に、試験的にバリエータモジュール38を動作(回転)させることが可能になっている。
このようなバリエータモジュール38においては、パワーローラ11を支持するトラニオン15は、駆動装置32に支持されている。
駆動装置32は、トラニオン15を支持して変位させる駆動ピストン33と、駆動ピストン33を移動可能に油密に嵌装するシリンダボディ31とを有する。シリンダボディ31はシリンダチャンバ(油圧シリンダ)31a,31aを有しており、当該シリンダチャンバ31a,31aに駆動ピストン33,33が軸方向に移動可能に油密に嵌装されている。
また、シリンダボディ31を構成する上側シリンダボディ61に固定される下側の球面ポスト68と、アッパープレート52に固定される上側の球面ポスト64とが上下に一体に接合された柱状ポスト69とされ、バリエータモジュール38において一対の柱状ポスト69がアッパープレート52と、シリンダボディ31を接続した状態となっている。
また、柱状ポスト69の上下の中央部分を入力軸1が貫通した状態となっている。また、入力軸1に図示しない一対の入力側ディスク、出力側ディスク、出力歯車、押圧装置等が支持されている。なお、押圧装置は、油圧により圧力を付与する油圧式になっている。
また、一対の出力側ディスクと出力歯車は、一対の出力側ディスクの背面同士を接合した状態に、一対の出力側ディスクを一体にするとともに、この一体になった出力側ディスクの外周面に歯を設けて出力歯車とした一体型出力側ディスク34が用いられている。
また、前記柱状ポスト69は、上側シリンダボディ61の上面に形成され、かつ、柱状ポスト69の下端面に形成された凸部が嵌合する凹部(インロー穴部)と、アッパープレート52の下面に設けられ、柱状ポストの上端面に形成された凸部が嵌合する凹部(インロー穴部)とにより位置決めされる。また、一対の柱状ポスト69は、その上下の球面ポスト64,68が、上下のヨーク23A,23Bの係止孔19に挿入されて嵌合され、これらヨーク23A,23Bにより、一対の柱状ポスト69の間隔が規制されている。
このような構成のトロイダル型無段変速機では、前記入力軸1、入力側ディスク、出力側ディスク34、出力歯車、押圧装置、パワーローラ11、枢軸14を有するトラニオン15等によって組立アセンブリAが構成されている。そして、この組立アセンブリAに、駆動ピストン33が設けられたシリンダチャンバ31aを有するシリンダボディ31を組み付けることによってトロイダル型無段変速機(バリエータモジュール38)が組み立てられる。
また、前記駆動装置32は、当該駆動装置32が停止中でもシリンダチャンバ(油圧シリンダ)31aに油を保持する油保持構造40を有している。
この油保持構造40は、シリンダチャンバ31aに油を供給する供給油路41,41をシリンダチャンバ31aより高い位置に設けた構造である。
すなわちまず、駆動ピストン33は、シリンダボディ31に設けられたシリンダチャンバ(油圧シリンダ)31aに上下方向に変位可能に設けられている。
また、駆動ピストン33は、円筒状の軸部33aと、この軸部33aの外周部に形成されて受圧面を構成するフランジ部33bとを備えている。フランジ部33bの外周部にはリング状のシール部材33cが設けられ、軸部33aの外周部にはリング状のシール部材33d,33eが設けられている。
シール部材33dはシリンダチャンバ31aより上部側と駆動ピストン33の軸部33aの上部側とをシールする上部シール部材33dである。また、シール部材33eはシリンダチャンバ31aより下部側と駆動ピストン33の軸部33aの下部側とをシールする下部シール部材33eであり、この下部シール部材33eは上下二段に離間して設けられている。
また、駆動ピストン33のフランジ部33bの上面とシリンダチャンバ31aの上面との間が油圧室31bとされ、フランジ部33bの下面とシリンダチャンバ31aの下面との間が油圧室31cとされている。
そして、駆動ピストン33は、フランジ部33bがシリンダチャンバ31a内において上下に移動可能な範囲において、上下に移動可能となっている。
また、上側シリンダボディ61の略中央部には、シリンダチャンバ31aに油を供給する供給油路41,41がシリンダチャンバ31aより高い位置において左右に離間して設けられている。
供給油路41,41は図1において紙面直交する方向に延在しており、この供給油路41と、上側の油圧室31bとは接続油路41aによって接続され、供給油路41と下側の油圧室31cとは接続油路41bによって接続されている。
また、供給油路41,41には、図示しないオイルポンプから変速比制御弁を介して油が供給されるようになっている。
そして、下側の油圧室31cに供給油路41、接続油路41bを介して油が供給されると、駆動ピストン33が上昇し、上側の油圧室31bに供給油路41、接続油路41aを介して油が供給されると、駆動ピストン33が下降するようになっている。
本実施の形態のトロイダル型無段変速機では、供給油路41がシリンダチャンバ31aより高い位置に設けられているので、シリンダチャンバ31a内の油は接続油路41a,41bから供給油路41に流れることがなく、よって供給油路41を通じて漏れて抜け出るのを防止できる。したがって、極低温始動時や車両を長期放置した後のエンジン低温始動時等においても常にシリンダチャンバ31a内に油があることになるので、油圧室31b,31cの立上り遅れを防止して良好な変速比制御を得ることができる。
(第2の実施の形態)
図2は、第2の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示す断面図である。
この図に示すトロイダル型無段変速機が、図1に示す第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機と異なる点は油保持構造42の構成であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
本実施の形態では、油保持構造42は、シリンダチャンバ31aが油の中にある構造となっている。
すなわち、バリエータモジュール38の下端部は、オイルパン45の内側に設けられており、このオイルパン45には所定の高さまで油が充填されている。油の液面Lはシリンダチャンバ31aより上方に位置しており、これによって、シリンダチャンバ31aが油の中にある構造となっている。つまり、シリンダチャンバ31a全体がオイルパン45内の油に浸けられた状態となっている。
したがって、本実施の形態のトロイダル型無段変速機では、シリンダチャンバ31aが油の中にあるので、シリンダチャンバ31a内の油が漏れて抜け出るのを防止できる。よって、極低温始動時や車両を長期放置した後のエンジン低温始動時等においても常にシリンダチャンバ31aに油があることになるので、油圧室31b,31cの立上り遅れを防止して良好な変速比制御を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図3は、第3の実施の形態のトロイダル型無段変速機の要部を示す断面図である。
この図に示すトロイダル型無段変速機が、図2に示す第2の実施の形態のトロイダル型無段変速機と異なる点は油保持構造43の構成であるので、以下ではこの点について説明し、第2の実施の形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
本実施の形態では、油保持構造43は、シリンダチャンバ31aの上部側と駆動ピストン33の上部側とをシールする上部シール部材33dよりも、シリンダチャンバ31aの下部側と駆動ピストン33の下部側とをシールする下部シール部材33eの緊縛力を高く設定した構造となっている。
すなわち、駆動ピストン33の軸部33aの上端部には、周方向に沿って溝部が形成されており、この溝部に上部シール部材33dを構成するシールリング33dが嵌め込まれている。このシールリング33dが、上側シリンダボディ61に形成され、かつシリンダチャンバ31aの上方に位置する円筒状の壁面に摺動自在かつ液密に密接している。
また、駆動ピストン33の軸部33aの下端部には、周方向に沿って上下2段に離間して溝部が形成されており、当該溝部に下部シール部材33eを構成するシールリング33eが嵌め込まれている。このシールリング33eが、下側シリンダボディ62に形成され、かつシリンダチャンバ31aの下方に位置する円筒状の壁面に摺動自在かつ液密に密接している。
そして、上部シール部材33dよりも下部シール部材33e,33eの緊縛力が高く設定されている。つまり、上部シール部材33dより下部シール部材33e,33eの方が前記円筒状の壁面に対する押圧力が強くなるように設定されている。
したがって、本実施の形態のトロイダル型無段変速機では、上部シール部材33dよりも下部シール部材33eの緊縛力を高く設定したので、シリンダチャンバ31a内の油がシリンダチャンバ31aの下部から漏れて抜け出るのを抑制できる。
したがって、極低温始動時や車両を長期放置した後のエンジン低温始動時等においても常にシリンダチャンバ31a内に油があることになるので、油圧室31b,31cの立上り遅れを防止して良良好な変速比制御を得ることができる。
なお、本実施の形態の油保持構造43と第1の実施の形態の油保持構造40とを組み合わせてもよい。
また、本実施の形態では、本発明を、図1〜図3に示すようなダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機に適用した場合を例にとって使用したが、本発明は、これに限らず、シングルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機やフルトロイダル型無段変速機を使用したものにも適用できる。
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
14 枢軸
15 トラニオン
31a シリンダチャンバ(油圧シリンダ)
32 駆動装置
33 駆動ピストン
33d 上部シール部材
33e 下部シール部材
41 供給油路
40,42,43 油保持構造

Claims (2)

  1. 入力側ディスクと、この入力側ディスクとの間に挟持されるパワーローラを介して入力側ディスクから所定の変速比で回転トルクが伝達される出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するとともに、前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記トラニオンをその軸方向に変位させる油圧式の駆動装置とを備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記駆動装置は、
    油圧シリンダと、この油圧シリンダに設けられて該油圧シリンダを上側の油圧室と下側の油圧室とに画定するとともに前記トラニオンに連結された駆動ピストンとを備え、
    前記駆動装置が停止中でも前記油圧シリンダ内に油を保持する油保持構造を有し、
    前記油保持構造は、前記油圧シリンダに油を供給する供給油路が前記油圧シリンダよりも高い位置に設けられる構造を成し、前記供給油路と前記上側の油圧室とがこの上側の油圧室よりも高い位置にある接続油路によって接続され、前記供給油路と前記下側の油圧室とがこの下側の油圧室よりも高い位置にある接続油路によって接続されることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 入力側ディスクと、この入力側ディスクとの間に挟持されるパワーローラを介して入力側ディスクから所定の変速比で回転トルクが伝達される出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するとともに、前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記トラニオンをその軸方向に変位させる油圧式の駆動装置とを備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記駆動装置は、
    油圧シリンダと、この油圧シリンダに設けられ、かつ、前記トラニオンに連結された駆動ピストンとを備え、
    前記駆動装置が停止中でも前記油圧シリンダ内に油を保持する油保持構造を有し、
    前記油保持構造は、前記油圧シリンダがオイルパンの内側に設けられた構造を成し、前記オイルパン内の油の液面が前記油圧シリンダよりも上方に位置していることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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