図1の電子デバイス10などの電子デバイスは、無線通信回路を備えてもよい。無線通信回路は、複数の無線通信帯域における無線通信をサポートするために使用されてもよい。
電子デバイス10は、ラップトップコンピュータ、組み込み型コンピュータを含むコンピュータモニタ、タブレットコンピュータ、セルラー電話機、メディアプレーヤ、又はその他のハンドヘルド若しくはポータブル電子デバイスなどのコンピューティングデバイス、腕時計デバイス、ペンダントデバイス、ヘッドホン若しくはイヤホンデバイス、眼鏡に埋め込まれたデバイス若しくはユーザの頭部に身に着けられるその他の機器、又はその他の着用可能な若しくはミニチュアデバイスなどの小型デバイス、テレビ、組み込み型コンピュータを含まないコンピュータディスプレイ、ゲーミングデバイス、ナビゲーションデバイス、ディスプレイを有する電子機器がキオスク若しくは自動車に搭載されるシステムなどの組み込み型システム、これらのデバイスのうちの2つ以上の機能を実装するデバイス、又はその他の電子機器であってもよい。図1の例示的な構成では、デバイス10は、腕時計などのウェアラブルデバイスである。所望であれば、デバイス10に関して他の構成を使用することもできる。図1の実施例は単なる例示に過ぎない。
図1の実施例では、デバイス10は、ディスプレイ14などのディスプレイを含む。ディスプレイ14は、筐体12などの筐体内に取り付けられてもよい。時にエンクロージャ又はケースと称されることがある筐体12は、プラスチック、ガラス、セラミック、繊維複合体、金属(例えば、ステンレス鋼、金、銀、アルミニウムなど)、その他の好適な材料、又はこれらの材料のうちのいずれか2つ以上の組み合わせで形成されてもよい。筐体12は、筐体12の一部若しくは全てが単一の構造体として機械加工若しくは成形される、ユニボディ構成を使用して形成されてもよく、又は複数の構造体(例えば、内部フレーム構造体、外部筐体表面を形成する1つ以上の構造体など)を使用して形成されてもよい。筐体12は、側壁部12Wなどの金属側壁部、又は他の材料から形成された側壁部を有してもよい。側壁部12Wを形成するために使用することができる金属材料の例には、ステンレス鋼、アルミニウム、銀、金、金属合金、又は任意の他の所望の導電材料が含まれる。
ディスプレイ14は、デバイス10の前側(面)に形成されてもよい。筐体12は、デバイス10の前面の反対側にある、後壁部12Rなどの筐体後壁部を有してもよい。筐体後壁部12Rは、デバイス10の後ろ側(面)を形成してもよい。筐体側壁部12Wは、デバイス10の周辺を囲んでもよい(例えば、筐体側壁部12Wは、デバイス10の周縁部の周囲に延在してもよい)。筐体後壁部12Rは誘電体から形成されてもよい。筐体後壁部12Rを形成するために使用することができる誘電材料の例には、プラスチック、ガラス、サファイア、セラミック、木、ポリマー、これらの材料の組み合わせ、又は任意の他の所望の誘電体が含まれる。筐体後壁部12R及び/又はディスプレイ14は、デバイス10の長さ(例えば、図1のx軸に平行)及び幅(例えば、y軸に平行)の一部若しくは全体にわたって延在してもよい。筐体側壁部12Wは、デバイス10の高さ(例えば、z軸に平行)の一部又は全体にわたって延在してもよい。
ディスプレイ14は、導電性の容量式タッチセンサ電極若しくは他のタッチセンサ構成要素(例えば、抵抗式タッチセンサ構成要素、音響式タッチセンサ構成要素、力ベースのタッチセンサ構成要素、光ベースのタッチセンサ構成要素など)の層を組み込むタッチスクリーンディスプレイであってもよく、又はタッチ感知式でないディスプレイであってもよい。容量式タッチスクリーン電極は、インジウムスズ酸化物パッド又は他の透過性導電性構造体のアレイから形成されてもよい。
ディスプレイ14は、液晶ディスプレイ(LCD)構成要素から形成されたディスプレイ画素のアレイ、電気泳動ディスプレイ画素のアレイ、プラズマディスプレイ画素のアレイ、有機発光ダイオードディスプレイ画素のアレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ画素のアレイ、又は他のディスプレイ技術に基づくディスプレイ画素を含んでもよい。
ディスプレイ14は、ディスプレイカバー層を使用して保護されてもよい。ディスプレイカバー層は、ガラス、プラスチック、サファイア若しくは他の結晶性誘電材料、セラミック、又は他の透明な材料などの透過性材料から形成されてもよい。ディスプレイカバー層は、例えば、デバイス10の長さ及び幅の実質的に全体にわたって延在してもよい。
デバイス10は、ボタン18などのボタンを含んでもよい。電子デバイス10には、任意の好適な数のボタン(例えば、単一のボタン、1つより多くのボタン、2つ以上のボタン、5つ以上のボタンなど)があってもよい。ボタンは、筐体12における開口(例えば、側壁部12W若しくは後壁部12R)に、又はディスプレイ14における開口に位置してもよい(実施例として)。ボタンは、回転式ボタン、スライド式ボタン、可動ボタン部材を押圧することによって作動されるボタン、それらの組み合わせなどであってもよい。ボタン18などのボタン用のボタン部材は、金属、ガラス、プラスチック、又は他の材料から形成されてもよい。ボタン18は、デバイス10が腕時計デバイスであるシナリオでは、時にクラウンと称されることがある。
デバイス10は、所望であれば、ストラップ16などのストラップに連結されてもよい。ストラップ16は、(一実施例として)ユーザの手首にデバイス10を保持するために使用されてもよい。図1の実施例では、ストラップ16は、デバイス10の対向する側部8に接続されている。デバイス10の側部8上の筐体壁部12Wは、ストラップ16を筐体12に固定するためのアタッチメント構造体(例えば、ラグ又は他のアタッチメント機構)を含んでもよい。ストラップ16は、任意の所望の材料(例えば、金属材料、誘電材料、又は金属及び誘電材料の組み合わせ)から形成されてもよい。例えば、ストラップ16における金属材料は、ステンレス鋼、アルミニウム、銀、金、金属合金、又は任意の他の所望の導電材料を含んでもよい。ストラップ16における誘電材料は、プラスチック、ポリマー、セラミック、皮革、ゴム、布若しくは他の布地、ガラス、又は任意の他の所望の誘電材料を含んでもよい。
所望であれば、ストラップ16は着脱可能であってもよい。例えば、ユーザは、ストラップ16を同様の又は異なる材料を有する異なるストラップと交換してもよい。所望であれば、ストラップ16は調節可能であってもよい。例えば、ストラップ16は、クラスプ、バックル、又はユーザがデバイス10を身に着けている間にユーザがストラップ16の長さを調節すること及び/若しくはユーザの手首の上にあるストラップ16をどの程度締めるかを調節することを可能にする他の調節可能な構造体を含んでもよい。デバイス10に関しては、ストラップを含まない構成もまた使用されてもよい。
デバイス10において使用することができる例示的な構成要素を示す模式図を図2に示す。図2に示すように、デバイス10は、記憶及び処理回路28などの制御回路を含んでもよい。記憶及び処理回路28は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、又はソリッドステートドライブを形成するように構成された他の電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的ランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含んでもよい。記憶及び処理回路28における処理回路は、デバイス10の動作を制御するために使用されてもよい。この処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路などに基づいてもよい。
記憶及び処理回路28は、インターネット閲覧アプリケーション、ボイスオーバー・インターネット・プロトコル(Voice-Over-Internet-Protocol、VOIP)通話アプリケーション、電子メールアプリケーション、メディア再生アプリケーション、オペレーティングシステム機能などのソフトウェアをデバイス10上で実行するために使用してもよい。外部機器との相互作用をサポートするために、通信プロトコルを実装する際に記憶及び処理回路28を使用してもよい。記憶及び処理回路28を使用して実装することができる通信プロトコルとしては、インターネットプロトコル、無線ローカルエリアネットワークプロトコル(例えば、WiFi(登録商標)と称されることがあるIEEE802.11プロトコル)、Bluetooth(登録商標)プロトコルなどの他の近距離無線通信リンクに対するプロトコル、セルラー電話プロトコル、MIMOプロトコル、アンテナダイバーシティプロトコルなどが挙げられる。
入出力回路44は、入出力デバイス32を含んでもよい。入出力デバイス32は、デバイス10にデータが供給されることを可能にし、及びデバイス10から外部デバイスにデータを提供することを可能とするために使用されてもよい。入出力デバイス32は、ユーザインタフェースデバイス、データポートデバイス、及び他の入出力構成要素を含んでもよい。例えば、入出力デバイス32としては、タッチスクリーン、タッチセンサ能力を有さないディスプレイ、ボタン、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイク、カメラ、ボタン、スピーカ、状態インジケータ、光源、オーディオジャック及び他のオーディオポート構成要素、デジタルデータポートデバイス、光センサ、発光ダイオード、動きセンサ(加速度計)、容量センサ、近接センサ、磁気センサ、力センサ(例えば、ディスプレイに加えられた圧力を検出するようにディスプレイに結合された力センサ)などが挙げられ得る。
図2に示すように、電子デバイス10は、無線リンク54などの無線リンクを通じて外部機器52と無線で通信してもよい。外部機器52としては、セルラー電話ネットワーク基地局、無線ローカルエリアネットワーク機器(例えば、無線ルータ及び/又は無線アクセスポイント)、ピアデバイス、セルラー電話機又はワイヤレスヘッドセットなどの他のポータブル電子デバイス、及び他の外部機器が挙げられ得る。リンク54は、セルラー電話リンク、無線ローカルエリアネットワークリンク、又は他の種類の無線通信を使用してサポートされる通信リンクであってもよい。
入出力回路44は、無線回路34を含んでもよい。無線回路34は、無線電力アダプタから無線で送信された電力を受信するための、コイル50及び無線電力受信機48を含んでもよい。無線通信をサポートするために、無線回路34は、1つ以上の集積回路から形成された高周波(radio-frequency、RF)送受信機回路、電力増幅器回路、低雑音入力増幅器、パッシブRF構成要素、アンテナ40などの1つ以上のアンテナ、伝送線路、及びRF無線信号を処理するための他の回路を含んでもよい。無線信号はまた、光を使用して(例えば、赤外線通信を使用して)送信されてもよい。
無線回路34は、様々な高周波通信帯域を処理するための高周波送受信機回路56を含んでもよい。例えば、回路34は、送受信機回路36、38、42、及び46を含んでもよい。送受信機回路36は、WiFi(登録商標)(IEEE802.11)通信用の2.4GHz及び5GHz帯域を処理することができ、並びに2.4GHzのBluetooth(登録商標)通信帯域を処理することができる、無線ローカルエリアネットワーク送受信機回路であってもよい。回路34は、(実施例として)700から960MHzの低通信帯域、1400MHz若しくは1500MHzから2170MHzの中間帯域(例えば、1700MHzにピークを有する中間帯域)、及び2170若しくは2300から2700MHzの高帯域(例えば、2400MHzにピークを有する高帯域)、又は700MHzから2700MHz若しくは他の好適な周波数間の他の通信帯域などの周波数範囲での無線通信を処理するための、セルラー電話送受信機回路38を使用してもよい。回路38は、音声データ及び非音声データを処理してもよい。無線通信回路34は、所望であれば、他の近距離無線リンク及び遠距離無線リンクに対する回路を含んでもよい。例えば、無線通信回路34は、60GHzの送受信機回路、テレビ信号及びラジオ信号を受信するための回路、ページングシステム用送受信機、近距離通信(near field communications、NFC)送受信機回路46(例えば、13.56MHz又は他の好適な周波数で動作するNFC送受信機)などを含んでもよい。無線回路34は、1575MHzでのGPS信号を受信するための、又は他の衛星測位データを処理するための、全地球測位システム(global positioning system、GPS)送受信機回路42などの衛星航法システム回路を含んでもよい。WiFi(登録商標)リンク及びBluetooth(登録商標)リンク、並びに他の近距離無線リンクでは、無線信号は、典型的には、数十フィート又は数百フィートにわたってデータを伝達するために使用される。セルラー電話リンク及び他の遠距離リンクでは、無線信号は、典型的には、数千フィート又は数マイルにわたってデータを伝達するために使用される。
無線回路34は、アンテナ40を含んでもよい。アンテナ40は、任意の好適なアンテナの種類を使用して形成されてもよい。例えば、アンテナ40としては、ループアンテナ構造体、パッチアンテナ構造体、逆Fアンテナ構造体、スロットアンテナ構造体、平板逆Fアンテナ構造体、ヘリカルアンテナ構造体、モノポールアンテナ構造体、ダイポールアンテナ構造体、これらの設計のハイブリッドなどから形成された共振素子を有するアンテナが挙げられ得る。異なる帯域及び帯域の組み合わせに関しては、異なる種類のアンテナが使用されてもよい。例えば、1つの種類のアンテナがローカル無線リンクアンテナを形成する際に使用され、その一方で別の種類のアンテナがリモート無線リンクアンテナを形成する際に使用されてもよい。所望であれば、単一のアンテナを使用して2つ以上の異なる通信帯域を処理することによって、デバイス10内部のスペースを節約することができる。例えば、デバイス10における単一のアンテナ40が、2.4GHzでのWiFi(登録商標)若しくはBluetooth(登録商標)通信帯域、1575MHzでのGPS通信帯域、並びに/又は700〜960MHz、1400〜2170MHz及び2170〜2700MHzでの1つ以上のセルラー電話通信帯域などのセルラー電話通信帯域における通信を処理するために使用されてもよい。
しかしながら、実際には、動作に対する所望の周波数が低下するにつれて(すなわち、対応する波長が増大するにつれて)、アンテナに必要とされる全体的なサイズは増大する。更には、デバイス10などのコンパクトな電子デバイスでは、(例えば特に、より小さく、より審美的に好ましい、デバイスのフォームファクタに対する需要が増大するにつれて)スペースは貴重なものとなる。注意を払わなければ、対象とする全ての通信帯域での、特に、700〜960MHzでの低帯域セルラー電話周波数などの比較的低い周波数(すなわち、比較的長い波長)にて十分なアンテナカバレッジをコンパクトな電子デバイスに提供可能とすることが困難なものとなる恐れがある。
図3は、無線回路34における送受信機回路56を、経路60などの経路を使用してどのようにアンテナ構造体40に結合することができるかを示す図である。無線回路34は、制御回路28に結合されてもよい。制御回路28は、入出力デバイス32に結合されてもよい。入出力デバイス32はデバイス10からの出力を供給することができ、及びデバイス10の外部に存在するソースからの入力を受信することができる。
対象とする通信周波数をカバーする能力をアンテナ構造体40に提供するために、アンテナ構造体40は、フィルタ回路(例えば、1つ以上のパッシブフィルタ及び/又は1つ以上の同調フィルタ回路)などの回路を備えてもよい。コンデンサ、インダクタ、及び抵抗器などの個別構成要素が、このフィルタ回路内に組み込まれてもよい。容量性構造体、誘導性構造体、及び抵抗性構造体もまた、パターニングされた金属構造体(例えば、アンテナの一部)から形成されてもよい。所望であれば、アンテナ構造体40は、対象となる通信帯域に対してアンテナを同調させるための、同調可能構成要素62などの調節可能な回路を備えてもよい。同調可能構成要素62は、同調インダクタ、同調コンデンサ、又は他の同調可能構成要素を含んでもよい。これらのような同調可能構成要素は、固定構成要素のスイッチ及びネットワーク、関連する分布容量及び分布インダクタンスを生じさせる分布金属構造体、可変容量値及び可変インダクタンス値を生じさせるための可変ソリッドステートデバイス、同調フィルタ、又は他の好適な同調構造体に基づいてもよい。
デバイス10の動作中、制御回路28は、インダクタンス値、容量値、又は、同調可能構成要素62に関連付けられた他のパラメータを調節する制御信号を、経路64などの1つ以上の経路上で発行してもよく、それによって、アンテナ構造体40を所望の通信帯域をカバーするように同調させることができる。
経路60は、1つ以上の高周波伝送線路を含んでもよい。一例として、図3の信号経路60は、経路66などの第1の導電経路及び経路68などの第2の導電経路を有する、伝送線路であってもよい。経路66は正の信号線であってもよく、経路68は接地信号線であってもよい。線66及び線68は、(実施例として)同軸ケーブル、ストリップライン伝送線路及び/又はマイクロストリップ伝送線路の一部を形成してもよい。伝送線路60のインピーダンスにアンテナ構造体40のインピーダンスを整合させる際に、インダクタ、抵抗器、及びコンデンサなどの構成要素から形成された整合ネットワークが使用されてもよい。整合ネットワーク構成要素は個別構成要素(例えば、表面実装技術構成要素)として設けられてもよく、又は、筐体構造体、プリント回路基板構造体、プラスチック支持体上のトレースなどから形成されてもよい。整合ネットワーク構成要素は、例えば、線60上に介在してもよい。整合ネットワーク構成要素は、所望であれば、制御回路28から受信された制御信号を使用して調節されてもよい。これらのような構成要素はまた、アンテナ構造体40におけるフィルタ回路を形成する際に使用されてもよい。
伝送線路60は、アンテナ40に対するアンテナ共振素子及び接地に直接結合されてもよく、又はアンテナ40に対する共振素子に間接的に給電する際に使用される近距離結合したアンテナフィード構造体に結合されてもよい。一実施例として、アンテナ構造体40は、逆Fアンテナ、ループアンテナ、パッチアンテナ、スロットアンテナ、又は端子70などの正のアンテナフィード端子と接地アンテナフィード端子72などの接地アンテナフィード端子とを備えるアンテナ給電部を有する他のアンテナを形成することができる。正の伝送線路導電体66は正のアンテナフィード端子70に結合されてもよく、接地伝送線路導電体68は接地アンテナフィード端子72に結合されてもよい。所望であれば、アンテナ40は、近距離結合を使用して間接的に給電されるアンテナ共振素子を含んでもよい。近距離結合の構成では、伝送線路60は、アンテナ共振素子などのアンテナ構造体に間接的に給電するために使用される近距離結合アンテナフィード構造体に結合される。この実施例は単なる例示に過ぎず、概して、任意の所望のアンテナフィード構成が使用されてもよい。
図4は、デバイス10内でアンテナ40をどのように形成することができるかを示す、例示的なデバイス10の側断面図である。図4のページの平面は、例えば、図1のX−Z面とすることができる。
図4に示すように、デバイス10は、デバイス10の後面から前面まで延在する導電性筐体側壁部12Wを有してもよい。ディスプレイ14がデバイス10の前面を形成してもよく、その一方で誘電性筐体後壁部12Rがデバイス10の後面を形成する。金属筐体側壁部12Wは、所望であれば、アンテナ40に対するアンテナ接地の一部を形成する際に使用されてもよい。
ディスプレイ14は、ディスプレイカバー層86及びディスプレイモジュール84を含んでもよい。ディスプレイモジュール84は、タッチセンサ、画素、又はディスプレイカバー層86を通じて光を発する他の発光構成要素などの、アクティブディスプレイ構成要素を含んでもよい。ディスプレイカバー層86は、デバイス10の長さ及び幅の一部又は実質的に全体にわたって延在してもよい。ディスプレイカバー層86は、ディスプレイモジュール172によって放出された光を通過させる(例えば、ユーザがその光を見ることができるための)透明部分を含んでもよい。所望であれば、インク層などの不透明マスキング層を、デバイス10の内部構成要素を視界から隠すように、ディスプレイモジュール84を越えて延在するディスプレイカバー層86の一部に沿って形成してもよい。
ストラップ16は、対応するアタッチメント構造体88を使用して筐体側壁部12Wに固定されてもよい。アタッチメント構造体88は、例えば、ラグ、ばね構造体、又は任意の他のアタッチメント機構を含んでもよい。ストラップ16は、任意の所望の材料(例えば、金属材料、誘電材料、又は金属及び誘電材料の組み合わせ)を使用して形成されてもよい。所望であれば、ストラップ16は、(例えば、デバイス10のユーザが同様又は異なる材料を有する異なるストラップに交換することができるように)アタッチメント構造体88から取り外されてもよい。
デバイス10は、プリント回路基板80などのプリント回路基板構造体を備えてもよい。プリント回路基板80は、ジッドプリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板であってもよく、又はフレキシブルプリント回路基板構造体及びリジッド質プリント回路基板構造体の双方を含んでもよい。本明細書では、プリント回路基板80は時に、メインロジックボード80と称されることがある。電気構成要素82が、メインロジックボード80に搭載されてもよい。電気構成要素82は、例えば、送受信機回路56、1つ以上の入出力デバイス32、制御回路28(図2)の一部若しくは全て、筐体12の諸部分、又は任意の他の所望の構成要素を含んでもよい。メインロジックボード80は、導電層76などの1つ以上の導電層を含んでもよい。導電層76は、例えば、アンテナ40に対するアンテナ接地102の一部を形成してもよい。導電層76はそれゆえ、本明細書では、時に被接地層76、接地層76、接地導電体76、又は被接地導電体76と称されることがある。
導電層76は、所望であれば、金属筐体側壁部12Wに短絡(接地)されてもよい(例えば、アンテナ40に対するアンテナ接地は導電層76及び金属筐体側壁部12Wを含んでもよい)。導電層76は、金属箔、打ち抜き板金、メインロジックボード80の表面上にパターニングされた導電トレース、メインロジックボード80に搭載されたフレキシブルプリント回路上の導電トレース、金属筐体部分を使用して、又は任意の他の所望の導電性構造体から、形成されてもよい。所望であれば、導電層76はメインロジックボード80内で形成(埋め込み)されてもよい(例えば、導電層76は、ロジックボード80の誘電層の間に積層されてもよい)。別の好適な構成では、導電層76は省略されてもよい。
図4に示すように、筐体後壁部12Rは、デバイス10の長さ及び幅の実質的に全体にわたって延在してもよい。筐体後壁部12Rは、任意の所望の誘電材料から形成されてもよい。例えば、筐体後壁部12Rは、プラスチック、ガラス、サファイア、セラミック、木、ポリマー、これらの材料の組み合わせ、又は任意の他の所望の誘電体から形成されてもよい。筐体後壁部12Rは、光学的に不透明であってもよく、若しくは光学的に透明であってもよく、又は光学的に不透明な部分及び光学的に透明な部分の両方を含んでもよい。
アンテナ40は、アンテナ構造体74を含んでもよい。アンテナ構造体74は、例えば、アンテナ40のアンテナ共振素子(例えば、逆Fアンテナ共振素子アーム、平板逆Fアンテナ共振素子、パッチアンテナ共振素子、ダイポールアンテナ共振素子、モノポールアンテナ共振素子など)の一部又は全てであってもよい。一好適な構成では、アンテナ共振素子74は、誘電性筐体壁部12Rの内側表面上に直接パターニングされた導電トレースから形成されてもよい(例えば、パターニングされた導電トレースは、誘電性筐体壁部12Rの内表面と直接接触してもよい)。所望であれば、アンテナ共振素子74は、筐体後壁部12Rと直接接触して配置される導電性箔又は他の導電性構造体から形成されてもよい。別の好適な構成では、アンテナ共振素子74は、フレキシブルプリント回路基板上の導電トレース又は筐体後壁部12R上に位置し(例えば、それから垂直に分離し、かつ重なり合う)若しくは直接接触する他の誘電基板から形成されてもよい。アンテナ共振素子トレース74は、任意の所望の導電材料(例えば、アルミニウム、銅、金属合金、ステンレス鋼、金など)を使用して形成されてもよい。
誘電材料を使用して筐体後壁部12Rが形成される図4の実施例は、単なる例示に過ぎない。所望であれば、デバイス10の筐体後壁部は、導電材料と誘電材料との組み合わせを含んでもよい。例えば、筐体後壁部の一部は金属から形成されてもよく、その一方、筐体後壁部の別の部分は誘電体から形成される(例えば、誘電体から形成された筐体後壁部の部分は、デバイス10の長さ及び幅の全体ではなく、それらの一部にわたって延在してもよい)。筐体後壁部の誘電部分は、例えば、筐体後壁部の導電部分内の誘電体窓を含んでもよい(例えば、筐体後壁部は、その筐体後壁部の誘電部分に対する金属フレーム、又はその筐体後壁部の誘電部分を囲む他の構造体を含んでもよい)。筐体後壁部は、所望であれば複数の誘電体窓を含んでもよい。
アンテナ40の正のアンテナフィード端子70は、アンテナ40に高周波アンテナ信号を供給するためにアンテナ共振素子トレース74の一部に結合されてもよい。接地アンテナフィード端子72は、アンテナ40のアンテナ接地に結合されてもよい。図4の実施例では、接地アンテナフィード端子72は、金属筐体側壁部12Wに結合されている。所望であれば、接地アンテナフィード端子72は、導電層76又は任意の他の所望の被接地構造体に結合されてもよい。所望であれば、アンテナ共振素子トレース74の1つ以上の追加の部分は、他の導電経路(図示せず)を使用してアンテナ接地(例えば、筐体壁部12W、導電層76、及び/又は他の被接地構造体)に短絡されてもよい。そのような導電経路は、例えば、アンテナ40の帰還(短絡)経路を形成してもよい(例えば、アンテナ40が逆Fアンテナ又は平板逆Fアンテナであるシナリオにて)。
アンテナ共振素子トレース74が筐体後壁部12R上に直接パターニングされるシナリオでは、筐体後壁部12Rは、アンテナ共振素子74に対する機械的支持構造体又はキャリア構造体としての役割を果たしてもよい。アンテナ共振素子トレース74は、誘電性筐体後壁部12Rの内側表面の形状に一致してもよい。図4の実施例では、誘電性筐体後壁部12Rの内側表面は、(例えば、壁部12Rの内側表面が平坦である場合と比較して、デバイス10内の構成要素の総容積を増大させるために)わずかな湾曲形状を有する。アンテナ共振素子トレース74は、それゆえ、筐体後壁部12Rと直接接触する湾曲表面内に形成されてもよい。別の好適な構成では、アンテナ共振素子トレース74は、フレキシブルプリント回路又は筐体後壁部12Rと接触して配置されるかその上に積層された他の基板上に形成されてもよい。
アンテナ40は、筐体後壁部12Rを通じて、高周波信号を受信及び/又は送信することができる。アンテナ40によって送信される高周波信号は、例えば、導電層76及びメインロジックボード80によって電気構成要素82から遮蔽されてもよい。同様に、導電層76及びメインロジックボード80は、アンテナ40を構成要素82から遮蔽してもよく、それによって、アンテナ40と構成要素82との電磁干渉が軽減される。
所望であれば、他の構成要素(例えば、光センサ、近接センサ、タッチセンサなどの1つ以上のセンサ32)を筐体後壁部12Rに取り付けてもよい。例えば、アンテナ共振素子トレース74は、筐体後壁部12Rに取り付けられた他の構成要素の周辺部を囲んでもよく、又はその周りに形成されてもよい。一好適な構成では、コイル50(図2)は、誘電筐体後壁部12Rを通じて無線電力(例えば、無線充電信号)を受信するために筐体後壁部12Rと接触して配置される。このシナリオでは、アンテナ共振素子トレース74は、筐体後壁部12Rの内側表面にてコイル50を囲んでもよい。
筐体後壁部12Rに隣接してアンテナ40を形成することによって、デバイス10の上下方向の高さHは、(アンテナ40が十分なアンテナ効率を示すことを依然として可能にしつつ)アンテナ共振素子がデバイス10上の他の場所に位置するシナリオで別途可能となる高さよりも低くてもよい。一実施例として、上下方向の高さHは、アンテナ40が十分なアンテナ効率で動作することを依然として可能にしつつ、11.4mm以下、15mm未満、8〜11.4mm、又は任意の他の所望の高さ以下であってもよい。デバイス10の後ろ側に沿ってアンテナ40を形成することによって、アンテナ40は、ディスプレイモジュール84によって信号が遮断される恐れなくデバイス10の後ろ側を通じて高周波信号を送信することができるため、(矢印Iによって示されるような)ディスプレイ14の非アクティブ領域のサイズを縮小することも可能になる。
筐体後壁部12Rに沿ってアンテナ40を形成することによって、アンテナ共振素子74の外周を十分に大きくすることも可能となり、それによって700〜960MHzのセルラー電話帯域における周波数などの比較的低い周波数のカバレッジが可能になる。概して、アンテナ40は、IEEE802.11通信、Bluetooth(登録商標)、及び/又は他の無線ローカルエリアネットワーク通信に対する2.4GHz及び/又は5GHzにおける信号などの700MHzを上回る高周波信号と、低帯域セルラー電話信号(例えば、700MHz〜960MHzの周波数におけるセルラー電話通信)と、セルラー電話信号及びGPS信号などの中間帯域、高帯域、又は960〜2700MHzにおける他の帯域でのセルラー電話信号及びGPS信号などの960MHzを上回る他の帯域と、IEEE802.11通信、Bluetooth(登録商標)、及び/又は他の無線ローカルエリアネットワーク通信に対する2.4GHz及び/又は5GHzでの高周波信号と、任意の他の所望の帯域と、を処理することができる。単一のアンテナ40を使用してそれらの帯域の全てをカバーすることによって、デバイス10内の追加のアンテナによって別途占有されていたスペースを、他の電子デバイス構成要素のために使用することができ、又はアンテナ効率を犠牲にすることなくデバイス10の大きさ(例えば、図4の寸法H及び/又は寸法I)を更に低減させることができる。
実際上は、筐体後壁部12Rに隣接する外部の物体の存在によって、アンテナ40の性能を最適化することができる。例えば、ユーザがデバイス10を身に着けているときにユーザの手首90が筐体後壁部12Rに隣接して存在することによって、アンテナ40の性能を強化することができる。動作中、アンテナ共振素子74は、後面12R及び手首90の表面に対して垂直に方向付けられた電界(E)を有する高周波信号を送信及び/又は受信してもよい。これらの信号は時に表面波と称されることがあり、それらの表面波は、次いで、手首90の表面に沿って及び外向きに伝播される(例えば、アンテナ共振素子トレース74及び手首90は、それらの表面波を外向きに案内する導波路としての役割を果たしてもよい)。
図5は、アンテナ40によって送信された電磁信号がユーザの手首の存在に起因してどのように外向きに伝播することができるかを示す側断面図である。図5に示されるように、輪郭線92は、一定の電界の大きさの輪郭を示すものである。アンテナ40によって生成される電界の大きさは、デバイス10と手首90との間の空間において最大である。信号は、経路98によって示されるように、デバイス10から離れた外向きの方向で、共振素子トレース74及び手首90の表面に沿って伝播することができる。これによって、アンテナ40が手首90の近くに位置し、かつ典型的には外部通信機器から離れて向いていたとしても、信号が外部通信機器(例えば、図2の機器52)によって適切に受信されることが可能になる。実際に、手首90の存在は、手首90が存在しないときの状況と比較して電磁波の伝播を強化する役割を果たしもよい。例えば、アンテナ40によって放出される高周波信号は、手首90が存在しない場合には適切に方向付けされないことがあり、結果的に外部機器との無線リンク品質が悪く又は不十分となることがある。しかしながら、手首90が存在する場合には、矢印98によって示されるように信号を適切に方向付けすることができ、それによって十分なリンク品質を得ることが可能となる。図5の実施例は単なる例示に過ぎない。概して、電界パターンは任意の所望の形状又は構成を有してもよい。
無線通信動作を実行するとき、アンテナ40に、筐体後壁部12Rに近接する外部物体によって筐体後壁部12Rを通じて負荷がかかることがある。注意を払わなければ、アンテナ40は、手首90などの外部物体がアンテナ40の近くに至るときに、自由な空間環境と比較して変化した周波数応答性を示すことがある(例えば、アンテナ40は、アンテナのインピーダンスが後壁部12Rを通じた物体90からの負荷に起因して変化していることを理由に、離調されることがある)。加えて、異なる種類の物体又は材料は、異なる量の負荷をアンテナ40にかけることがある。同様に、筐体後壁部12Rに対しての外部物体の方位又は距離の調節は、異なる量の負荷をアンテナ40にかけることがある。エンドユーザによるデバイス10の通常動作中に、それらの負荷の変動は、実施例として、ユーザが手首の上でデバイス10の位置及び方位を調節するとき、ユーザが手首とアンテナ40との間の距離を調節するとき(例えば、ストラップ16を締め付け若しくは緩めることによって)、ユーザがストラップ16を異なるストラップに交換するとき、異なるユーザがデバイス10を身に着けるとき(例えば、異なるユーザがアンテナ40の負荷に異なって影響を与える異なる手首の生理機能を有することがあることを理由に)、(例えば、汗若しくはユーザがデバイス10を身に着けている間に泳いだときなどの水で)ストラップ16若しくは手首90が濡れたとき、又は、シャツの袖など、ユーザの衣服がデバイス10と手首90との間に配置される、若しくはその間から除去されるときに、発生することがある。それらの実施例は単なる例示に過ぎない。概して、任意の環境的要因が筐体壁部12Rを通じて異なる量でアンテナ40に負荷をかけることがある。
そのような環境的負荷の変動は、伝送線路60に対するアンテナ40のインピーダンスを変えることがある。注意を払わなければ、それらの変動は、アンテナ40と残りの無線通信回路34との間でインピーダンスの不連続性を生じさせることがある。インピーダンスの不連続性は、外部機器52(図2)で信号を伝達するために使用される代わりにアンテナ40と残りの無線通信回路34との間の境界でいくつかの高周波エネルギーが反射されることを生じさせることがある。それらの環境的負荷の変動が補償されない場合、アンテナ40は、環境的負荷の変動が経時的に変化するにつれて離調される可能性があり、それによってデバイス10の通常動作中の全体的なアンテナ効率及び通信リンク品質を減少させる。
それらのアンテナインピーダンスの変化を補償するために、記憶及び処理回路28は、アンテナ40が壁部12Rを通じてどの程度負荷がかかるかに関わらず、アンテナ40が残りの無線回路34に好適に整合されることを保証するためにアンテナ40に結合された調整可能な整合回路を制御してもよい。所望であれば、記憶及び処理回路28は、対象となる所望の周波数帯域をカバーし、及び外部物体によるアンテナの負荷に起因したアンテナ40の任意の離調を補償するために、調整可能整合回路に加えて同調可能構成要素62(図3)を調節してもよい。
記憶及び処理回路28は、アンテナ負荷における変動を補償するために調整可能整合回路をいつ及びどのように調節するかを判定するための任意の所望の情報を使用してもよい。例えば、制御回路28は、無線基地局又はアクセスポイントなどの外部機器から受信された命令に基づいて整合回路を調節してもよい。所望であれば、制御回路28は、デバイス10の現在の動作状態に基づいて整合回路を調節してもよい。例えば、制御回路28は、整合回路をどのように調節するかを判定するために、使用シナリオ(例えば、インターネットを見ること、電話をかけること、電子メールを送信すること、GPSにアクセスするなどのためにデバイス10が使用されているか)を識別してもよい。別の実施例として、制御回路28は、整合回路をどのように調節するかを識別するために使用されるセンサデータ(例えば、光学センサデータ、近接センサデータ、タッチセンサデータ、ユーザの体が筐体後壁部12Rにどの程度近いかを示すデータなど)を識別してもよい。更なる別の実施例として、制御回路28は、整合回路をどのように調節するかを識別するために使用することができるアンテナ性能情報(例えば、アンテナ40の性能を特徴付けるために使用することができる、アンテナ40を使用して収集される性能基準データ)を収集してもよい。所望であれば、デバイス10のユーザの習慣に関する情報(本明細書でユーザ統計と称されることがある)もまた、整合回路をどのように調節するかを判定するために処理されてもよい。概して、制御回路28は、整合回路をいつ調節するか(例えば、アンテナ負荷の変動がいつ発生するか)を識別し、及び(例えば、アンテナ負荷の変動の潜在的な離調の不具合を軽減するような方法で)整合回路をどのように調節するかを識別するために、この情報又は他の情報の任意の所望の組み合わせを処理してもよい。
図6に、アンテナ負荷の変動を補償するためにアンテナ40をどのように調節するかを判定するためのアンテナ性能情報を収集及び処理する、例示的な回路を示す。図6に示すように、無線通信回路34は、1つ以上のアンテナ40、フロントエンド回路112、高周波カプラ回路110、電力増幅器回路108、低雑音増幅器回路114、送受信機回路56、及び受信信号強度測定回路122を含んでもよい。
記憶及び処理回路28は、ベースバンドプロセッサ回路、不揮発性又は揮発性メモリなどの記憶装置、並びに高周波信号を送信及び/又は受信するために無線通信回路34を制御する制御回路を含んでもよい。デバイス10によって送信されることになるデジタルデータ信号は、回路28における1つ以上のベースバンドプロセッサによって生成されてもよい。回路28は、所望の通信プロトコル(例えば、所望のセルラー電話標準及び変調方式、無線ローカルエリアネットワークプロトコルなど)に従ってデジタルデータ信号を変調してもよく、並びに送受信機回路56への(送受信機回路56における1つ以上の送信機102への)送信のために対応する出力信号を提供してもよい。送受信機回路56は、出力信号を高周波にアップコンバートし、高周波信号を高周波電力増幅器(PA)回路108に送信する、ミキサ回路を含んでもよい。所望であれば、送受信機回路56は、出力信号を対応するアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器回路を含んでもよい。
記憶及び処理回路28における制御回路は、制御経路118を通じて電力増幅器回路108に提供される電圧Vcc(例えば、本明細書で電力供給電圧Vcc又は電力増幅器バイアス電圧Vccと称されることがある)のレベルを調節してもよい。バイアス電圧Vccは、電力増幅器回路108における1つ以上のアクティブな電力増幅器の段階に対して電力供給電圧として使用されてもよい。データ送信の間、電力増幅器回路108は、適切な信号送信を保証するために、送信された信号TXの出力電力を十分に高いレベルに増幅してもよい。
電力増幅器回路108の出力は、高周波カプラ110を通じて高周波フロントエンド回路112に結合されてもよい。フロントエンド回路112は、調整可能整合ネットワーク111などの調整可能インピーダンス整合回路を含んでもよい。調整可能インピーダンス整合回路111は、アンテナ40が残りの回路34にインピーダンス整合されることを保証するために調節される、抵抗器、インダクタ、及びコンデンサなどのパッシブ及び/又はアクティブ(調整可能)構成要素のネットワークを含んでもよい。記憶及び処理回路28は、制御経路116にわたってフロントエンド112における調整可能整合回路111に制御信号CTRLを提供してもよい。
いくつかのシナリオでは、処理回路28は、アンテナ40にわたって伝達されることになる信号の周波数のみに基づいて選択される特定の予め定められたインピーダンスを示すように、整合回路111を制御する。例えば、処理回路28は、動作の各々の考えられる周波数に対応する整合回路111の特定の設定を識別する、整合回路111に対する工場で調整されたデータを記憶してもよい。処理回路28が無線通信に対して使用されることになる周波数を判定するとき、整合回路111は、工場で調整されたデータによって識別される対応する設定に配置される。しかしながら、使用されることになる周波数のみに基づいたそのような事前調節を実行することは、通常動作中に発生する筐体後壁部12Rを通じた任意の潜在的なアンテナ負荷の変動を考慮しない。処理回路28は、それゆえ、アンテナ40に筐体後壁部12Rを通じてどの程度負荷がかかっているかに基づいて、整合回路111の動的な調節をリアルタイムで実行してもよい(例えば、それによって、回路28が、アンテナ40の負荷条件に関わらず、残りの無線回路34のインピーダンスをリアルタイムで整合させるためにアンテナ40のインピーダンスを変更するように)。
一実施例として、手首90(図5)などの外部物体をアンテナ40の近くに持ってきたとき、アンテナ40に負荷がかかり、それによってアンテナ40のインピーダンスが残りの回路34に整合しなくなる場合がある。記憶及び処理回路28は、手首90によって負荷がかかったアンテナ40を整合させるために、調整可能インピーダンス整合ネットワーク111のインピーダンスを制御してもよい。整合ネットワーク111がアンテナ40に整合するとき、アンテナ負荷における変化の結果としての潜在的な離調を軽減させることができ、アンテナ効率を最大化することができる。別の実施例として、デバイス10がユーザの手首90(図5)に対する位置94にて方向付けられるときに、アンテナ40に第1の量の負荷がかかることがあり、デバイス10が位置96にて方向付けられるときには、アンテナ40に第2の量の負荷がかかることがある。制御回路28は、デバイス10が位置94にあるときにアンテナ負荷の第1の量を軽減する第1の設定に整合回路111を配置してもよく、デバイス10が位置96にあるときにはアンテナ負荷の第2の量を軽減する第2の設定に回路111を配置してもよい。加えて又は代わりに、記憶及び処理回路28は、所望であれば、異なるアンテナ負荷条件を補償するために(例えば、図2の同調可能構成要素62を調節するために)経路124を通じてアンテナ40に制御信号を提供してもよい。
所望であれば、フロント回路112は、高周波スイッチング回路(例えば、マルチプレクサ回路)、フィルタリング回路(例えば、デュプレクサ及びダイプレクサ)、又は任意の他の所望の高周波フロントエンド回路などの他の回路を含んでもよい。所望であれば、フロントエンド112におけるフィルタリング回路は、それらの周波数に基づいて入力(受信)及び出力(送信)信号をルーティングするために使用されてもよい。例えば、フロントエンド112におけるフィルタリング回路は、カプラ110から受信された(アップリンク)信号TXをアンテナ40に送信してもよく、受信経路113上でアンテナ40によって受信された受信(ダウンリンク)信号RXをルーティングしてもよい。所望であれば、低雑音増幅器(LNA)回路114を受信経路113に介入させてもよい。低雑音増幅器回路114は、経路113上で受信信号RXを増幅してもよい。増幅された受信信号RXは、送受信機回路56(例えば、送受信機回路56における1つ以上の受信機回路106)にルーティングされてもよい。送受信機回路56は、経路113を通じて受信された信号を記憶及び処理回路18におけるベースバンド回路に(例えば、ミキサ回路を使用して信号をベースバンド周波数にダウンコンバートした後に)提供してもよい。
カプラ110は、アンテナ40に流れ、及びアンテナ40から流れるアンテナ信号をタップするために使用されてもよい。カプラ110からのタップされたアンテナ信号は、送受信機回路56における受信機又は別個の受信機を使用して処理されてもよい。図6に示すように、カプラ110は、フィードバック経路120を通じてタップされたアンテナ信号TX’をフィードバック受信機104に提供してもよい。記憶及び処理回路28は、カプラ110を制御するために制御経路119を使用してもよい。例えば、記憶及び処理回路28は、電力増幅器108によって送信されているタップされたバージョンの信号TX(フォワード信号と称されることがある)を受信機104に提供する、又はアンテナ40から反射された対応するタップされたバージョンの送信信号TX(リバース信号と称されることがある)を受信機104に提供するように、カプラ110を指示してもよい。
タップされた信号はダウンコンバートされて記憶及び処理回路28に提供されてもよい。記憶及び処理回路28は、アンテナ40のインピーダンスの位相及び振幅測定値などのアンテナ性能基準情報を生成するように、タップされた信号を処理してもよい。例えば、アンテナ40のフォワード及びリバース信号を処理することによって、記憶及び処理回路28は、アンテナ40のインピーダンスの位相及び振幅に関する情報をリアルタイムで収集してもよい。位相及び振幅測定値は、アンテナ40の複合インピーダンスを示す分散パラメータ(いわゆる「Sパラメータ」)値などの複合インピーダンスデータを含んでもよい。Sパラメータの測定値は、例えば、信号送信中にアンテナ40からカプラ110に向かって反射し戻される高周波信号の量を示す測定された反射係数パラメータ値(いわゆるS11値)を含んでもよい。
アンテナ40のインピーダンスの位相及び振幅は、アンテナ40の動作がデバイス10の動作環境によって影響されたか(例えば、外部物体の存在がアンテナ40の負荷を離調又は変更したか)を判定するために使用されてもよい。例えば、記憶及び処理回路28は、外部物体の存在によってアンテナ40がいつ離調し/負荷がかかったかを識別するために、収集された位相及び振幅情報における変動を検出してもよい(例えば、過度に高振幅のS11測定値など)。アンテナ40がアンテナ40の負荷に起因して(例えば、ユーザがストラップ16を調節したこと、ストラップ16を変更したこと、手首90に対してデバイス10の方位を調節したこと、ストラップ16が濡れたこと、異なるユーザがデバイス10を身に着けたことなどに起因して)離調したことを記憶及び処理回路28が検出した場合、回路28は、離調を補償するようにインピーダンス整合ネットワーク111を調節するために、経路116を通じて制御信号CTRLを発行してもよい。インピーダンス整合ネットワーク111が調節された後、アンテナ40は、残りの無線通信回路34とインピーダンス整合されて、アンテナ効率が最大化される。
所望であれば、受信信号強度情報などの他の性能基準情報を、アンテナ負荷における変動に応じて回路111をどのように調節するかを判定するために使用してもよい。無線通信回路34における受信信号強度測定回路122は、低雑音増幅器回路114から信号RXを受信してもよい。測定回路122は、信号RXの受信信号強度を示す情報を収集してもよい。例えば、測定回路122は、受信信号RXから受信信号強度インジケータ(RSSI)を収集してもよい。一好適な構成では、回路122は、RSSI値を抽出するために受信された高周波信号を既知の電圧レベルに変換するダイオード検出器回路を含んでもよい。RSSI値は、記憶及び処理回路28に送信されてもよい。測定回路122によって収集されたRSSI値は、収集されたRSSIデータ126として回路28に蓄積及び記憶されてもよい。収集されたRSSIデータ126は、1つの実施例として、データベースファイルなどのデータ構造で回路28に記憶されてもよい。
記憶及び処理回路28は、デバイス10の物理的位置を経時的に追跡してもよい。例えば、GPS受信機回路42(図2)は、デバイス10の位置を経時的に識別するためにサテライトナビゲーション信号を受信してもよい。別の実施例として、近距離送受信機36は、既知の位置を有する無線基地局に対するデバイス10の位置を判定するために使用されてもよい。無線基地局に対するデバイス10の位置は、デバイス10の空間的な位置を識別するために無線基地局の既知の位置と比較されてもよい。概して、デバイス10の位置を識別するための任意の所望の方法が使用されてもよい。デバイス10の位置は、緯度、経度、及び/若しくは高度座標、又は任意の他の所望の空間的座標などの空間的座標を使用して識別されてもよい。
RSSIデータ126を蓄積及び記憶するとき、記憶及び処理回路28はまた、各々のRSSI測定が行われた時間(本明細書で取得時間若しくはRSSI取得時間と称されることがある)及び/又は各々のRSSI測定が行われた時間におけるデバイス10の地理的位置(本明細書で取得位置若しくはウェアラブル電子デバイス取得位置と称されることがある)を識別してもよい。例えば、収集されたRSSIデータ126は、エントリ(例えば、データ構造又はデータベースにおける行)を含んでもよく、その各々は、回路122によって測定された特定のRSSI値、そのRSSI値が測定された対応する取得時間、及び/又はそのRSSI値が測定されたときのデバイス10の位置を識別する対応するウェアラブル電子デバイス取得位置を識別する。このようにして、収集されたRSSIデータ126は、時間及び空間(すなわち、デバイス位置)に応じて、記憶及び処理回路28に記憶されてもよい。
所望であれば、記憶及び処理回路28は、デバイス10の1つ以上のユーザの習慣に関する情報をユーザ統計128として蓄積及び記憶してもよい。ユーザ統計128は、回路28上のメモリに記憶された1つ以上のデータ構造(例えば、RSSIデータ126と同一のデータ構造又は異なるデータ構造)にて維持されてもよい。ユーザ統計128は、位置データ(例えば、デバイス10が一日のうちの様々な時間で典型的にどこに位置しているかを識別する情報)、ユーザが典型的にどのようにデバイス10を身に着けているかに関する情報、デバイス10がユーザによって身に着けられているときのストラップ16の典型的な構成に関する情報、無線回路におけるアンテナ40若しくは他の構成要素の典型的な性能に関する情報(例えば、性能基準データ)、又はデバイス10のユーザのルーチン若しくは習慣に関する任意の他の情報を含んでもよい。
所望であれば、ユーザ統計128は、時間及び/又は空間に応じたRSSIデータの予め定められたパターンを識別する情報を含んでもよい。例えば、ユーザRSSIパターン132は、回路28に記憶されてもよい。ユーザRSSIパターン132は、ユーザによるデバイス10の典型的な操作と関連付けられた時間及び/又は空間に応じたRSSI値の予め定められたパターンであってもよい。例えば、ユーザがその日に動き回ると(例えば、起床し、車で仕事に行き、車で仕事から帰宅し、就寝するなど)、収集されたRSSI値は、ユーザがその日に動き回るにつれてのアンテナ40の性能と関連付けられた予め定められたパターンを示すことがある。ユーザRSSIパターン132は、例えば、アンテナ整合調節を必要とする普通でない事象がいつ発生したかを判定するために、回路28によって使用されるバックグラウンド又は基準測定値としての役割を果たしてもよい。RSSIパターン132は、所望であれば、デバイス10の製造中にデバイス10にロードされてもよい(例えば、工場で調整されたパターン又は設定を使用して)。所望であれば、記憶及び処理回路28は、回路122によって実行されたリアルタイムRSSI測定値に基づいてユーザRSSIパターン132を継続的に更新(訓練)してもよい。例えば、回路28は、ユーザの振る舞いを学習するにつれ、又は経時的なユーザの振る舞いにおける任意の変化を考慮するために、RSSIパターン132を更新してもよい。このようにして、RSSIパターン132は、対応するユーザによるデバイス10の典型的な操作を反映してもよい。所望であれば、ユーザRSSIパターン132は、複数のユーザの典型的な振る舞いに関連付けられたパターンを含んでもよい。
所望であれば、ユーザ統計128は、回路28に記憶された事象RSSIパターンを含んでもよい。事象RSSIパターン134は、デバイス10の動作又はデバイス10のユーザによって実行される行動に関連付けられた特定の事象に対応する時間及び/又は空間に応じたRSSI値の予め定められたパターンであってもよい。例えば、所与の事象RSSIパターン134は、ユーザがベルト16を取り外すことに関連付けられることが予想され又は予め定められた(例えば、いわゆるベルト交換事象)固定位置での、時間に応じた一連のRSSI値であってもよい。別の実施例として、所与の事象RSSIパターンは、ユーザがデバイス10を手首から外すことに関連付けられることが予想される又は予め定められた固定位置での時間に応じた一連のRSSI値であってもよい。更なる別の実施例として、所与の事象RSSIパターンは、ユーザがストラップ16を締め付けること又は緩めることに関連付けられることが予想される又は予め定められた(例えば、いわゆるストラップ調節事象)時間及び位置に応じた一連のRSSI値であってもよい。まだ別の実施例として、所与の事象RSSIパターンは、ユーザの手首90が濡れることに関連付けられることが予想される又は予め定められた時間に応じた一連のRSSI値であってもよい。
事象RSSIパターン134は、所望であれば、デバイス10の製造中にデバイス10にロードされてもよい(例えば、調整データ)。所望であれば、記憶及び処理回路28は、回路122によって実行されたリアルタイムなRSSI測定値に基づいて、事象RSSIパターン134を継続的に更新(訓練)してもよい。例えば、回路28は、様々な事象又は行動が実行される中でアンテナ40がどのように実行されるかを学習するにつれて、RSSIパターン134を更新してもよい。各RSSIパターン134は、それが表す事象の種類を識別する識別子情報を含んでもよい(例えば、特定のRSSIパターン134は、第1のユーザによって実行されるストラップ交換事象に対応するものとしてラベル付けされてもよく、別のRSSIパターンは、第2のユーザによって実行されるストラップ調節事象に対応するものとしてラベル付けされてもよい)。このようにして、RSSIパターン134は、対応するユーザによるデバイス10の操作中に発生し得る事象を反映してもよい。所望であれば、ユーザRSSIパターン132及び/又は事象RSSIパターン134は省略されてもよい。
記憶及び処理回路28は、アンテナ40の異なる負荷条件を補償するために整合回路111をいつ調節するか、及び/又は整合回路111をどのように調節するかを判定する際に、収集されたRSSIデータ126、ユーザRSSIパターン132、事象RSSIパターン134、他のユーザ統計128、並びに/又は他の情報を処理してもよい。整合回路111に対する整合設定130は、記憶及び処理回路28に記憶されてもよい。整合設定130は、通信動作中に使用される整合回路111に対する特定のインピーダンス整合設定を識別することができる。整合設定130は、回路28上の1つ以上のデータ構造に記憶されてもよい。
記憶及び処理回路28は、任意の所与の時にて、アンテナ40の特定負荷条件を(例えば、回路122によって収集されたRSSIデータ126、ユーザRSSIパターン132、事象RSSIパターン134、及び/又は他の情報に基づいて)識別することができる。処理回路28は、識別された負荷条件に対応する適切な整合設定130を取得してもよく、その設定を実装するように整合回路111を制御してもよい。例えば、処理回路28は、アンテナ40には乾いた手首90が存在していると処理回路28が識別したときには、整合回路111を第1の設定130に配置してもよい一方で、処理回路28は、アンテナ40には濡れた手首90が存在していると処理回路28が識別したときには、整合回路111を第2の設定130に配置する。
整合設定130は、所望であれば、デバイス10の製造中にデバイス10にロードされてもよい(例えば、工場で調整された設定を使用して)。所望であれば、記憶及び処理回路28は、回路122によって実行されたリアルタイムのRSSI測定値に基づいて、整合設定130を継続的に更新又は上書きしてもよい。例えば、回路28は、様々な負荷条件の下でどの特定の設定がアンテナ40に最も整合するかを学習するにつれて、整合設定130を更新してもよい。別の好適な構成では、回路28は、十分な整合設定が見つかるまで異なる可能な整合設定を捜索してもよい。
このようにして、記憶及び処理回路28は、アンテナ負荷における変化についてアンテナ40の性能の監視を継続してもよく、そのような変化をリアルタイムで補償するために整合回路111を積極的に調節してもよい。これらの調節は、よって、異なるユーザがデバイス10を操作すること、ユーザの手首90の上のデバイス10の異なる方位、異なるストラップの締め付け、異なるストラップの材料、デバイス10に隣接し若しくはその上にある水若しくは湿気の存在、又はデバイス10の通常の使用中に生じることがあるアンテナ40の負荷に影響を与える任意の他の環境的変動の結果として生じるアンテナ性能における任意の潜在的な劣化を動的かつ適応的に補償することができる。
図6の実施例は単なる例示に過ぎない。所望であれば、記憶及び処理回路28は、整合回路111をどのように調節するかを判定する際に、カプラ110を使用して収集された位相及び振幅測定値との組み合わせで収集されたRSSIデータを使用してもよい。カプラ110及びフィードバック受信機回路104は、位相及び振幅測定値が整合回路111を調節する際に使用されないシナリオでは省略されてもよい。同様に、測定回路122は、RSSI測定値が整合回路111を調節する際に使用されないシナリオでは省略されてもよい。所望であれば、アンテナ40は、信号TXを送信し、受信信号RXを測定回路122に伝達する単一のアンテナを含んでもよい。別の好適な構成では、第1のアンテナ40は、信号TXをカプラ110から送信するために使用されてもよい一方で、第2のアンテナ40は、RSSIデータを収集するために信号RXを受信するのに使用される。概して、無線通信回路34は、任意の所望の方式で配置された任意の所望の回路を含んでもよい。送受信機回路56における回路102、104、及び106の各々は、それぞれの集積回路を使用して実装されてもよく、又は1つ以上の共有集積回路上で共に形成されてもよい。
図7は、整合回路111を調節するためのRSSIデータを収集及び処理する際に、デバイス10によって実行され得る例示的なステップのフローチャートである。図7のステップは、例えば、アンテナ負荷における変動をリアルタイムで補償するためにデバイス10によって実行されてもよい(例えば、それによって、デバイス10がどのように身に着けられているか、誰がデバイス10を身に着けているかなどに関わらず、最適なアンテナ効率が維持される)。
ステップ140では、無線通信回路34は、工場で調整された設定を使用して無線通信を開始してもよい。例えば、記憶及び処理回路28は、通信に使用されることになる特定の周波数に対応する、工場で調整された整合設定130を識別することができる。工場で調整された設定は、デバイス10の製造中に回路28にロードされてもよい。工場で調整された設定は、例えば、全ての実世界のアンテナ負荷条件の下でアンテナ40に十分なインピーダンス整合をもたらさないことがある。無線通信回路34は、信号TXを外部デバイス52(図2)などの外部デバイスに送信してもよく、信号RXを外部デバイス52から(例えば、工場で調整された設定を使用して)受信してもよい。
ステップ142では、記憶及び処理回路28は、外部デバイス52から受信された無線信号から(例えば、図6の受信信号強度測定回路122によって測定される)RSSI値126を収集してもよい。記憶及び処理回路28は、RSSI値が収集される間にデバイス10の位置を追跡してもよい。デバイス10が無線通信を実行するにつれて、回路28は、デバイス10の位置に応じて及び/又は時間に応じて、受信された信号からRSSI値を収集及び記憶することを継続してもよい(ステップ144)。
デバイス10はまた、送受信された信号に基づいてユーザ統計128を収集してもよい。例えば、記憶及び処理回路28は、ユーザの振る舞いに関する情報をユーザ統計128として記憶してもよい(ステップ146)。振る舞い情報は、ユーザが典型的に一日のうちの異なる時間にどこに位置するかに関する情報、ユーザによって典型的に予め形成される活動に関する情報、又はユーザの振る舞いと関連付けられた他の情報を含んでもよい。所望であれば、入出力デバイス32(図2)における1つ以上のセンサを、ユーザの振る舞いを追跡することを支援するために使用してもよい。例えば、デバイス10上の周辺光センサ及び/又は動きセンサは、ユーザが典型的に静止し、眠り、動いているときなどの時間又はデバイスの位置を識別するために使用されてもよい。別の実施例として、ストラップセンサ、近接センサ、タッチセンサ、又は他のセンサを、ユーザがいつストラップ16を取り外す若しくは調節するかを識別するために使用してもよい。
所望であれば、記憶及び処理回路28は、収集されたRSSIデータ及び収集されたユーザの振る舞いに関する情報に基づいて、記憶されたRSSIパターン132及び134を更新してもよい(ステップ148)。記憶及び処理回路28は、1人以上のユーザによるデバイス10の典型的な使用と関連付けられたユーザRSSIパターン132を識別及び記憶してもよい。記憶及び処理回路28は、アンテナ40の負荷に影響を与えることがある様々な事象又は行動に関連付けられた事象RSSIパターン134を識別及び記憶してもよい。例えば、記憶及び処理回路28は、ユーザがストラップ16を取り外す又は調節するときに収集されたRSSIデータにおいて典型的に発生するパターンを識別するために、ユーザ統計128を収集されたRSSIデータ126と比較してもよい。識別されたパターンは、事象RSSIパターン134のうちの所与の1つとして記憶されてもよい。同様に、記憶及び処理回路28は、ユーザによる典型的な通常の衣服であるパターン(例えば、ユーザの腕の通常の動き又はアンテナ40を必ずしも離調させない他の典型的なユーザ行動に関連付けられたパターン)を、収集されたRSSIデータ126内にて識別してもよい。それらの識別されたパターンは、ユーザRSSIパターン132として記憶されてもよい。デバイス10の寿命全体を通じて、記憶及び処理回路28は、デバイス10のユーザの振る舞い及び収集されたRSSIデータに基づいて、ユーザRSSIパターン132、事象RSSIパターン134、及び/又は他のユーザ統計128を更新及び精緻化(例えば、訓練)し続けてもよい。図7の実施例は単なる例示に過ぎない。所望であれば、ステップ144、146、及び/又は148は省略されてもよい。ステップ144、146、及び/又は148は、同時又は異なるときに実行されてもよい。
ステップ150では、記憶及び処理回路28は、収集されたユーザ統計128及び収集されたRSSIデータ126を処理することで、整合回路111への調節が必要であるかどうかを判定してもよい。整合回路への調節は、外部物体の存在に起因したアンテナ40の負荷条件又はアンテナ40の離調における変化が収集されたRSSIデータにおいて検出されるときに、必要となることがある。ユーザ統計128は、例えば、そのような変化を示すパターンを、収集されたRSSIデータ126においてフィルタリング及び/又は識別するために使用してもよい。所望であれば、ステップ150は、ステップ142のいくつか又は全てと同時に実行されてもよい(例えば、記憶及び処理回路28は、データ処理を実行している間にもデータを収集及び記憶し続けてもよい)。
調節が必要でないと処理回路28が判定した場合(例えば、アンテナ負荷の変化又はアンテナの離調が検出されない場合)、経路152に示されるように処理が一巡してステップ142に戻り、RSSIデータ及びユーザ統計を収集及び記憶することを続けてもよい。調節が必要であると処理回路28が判定した場合(例えば、アンテナ負荷の変化又はアンテナ離調が検出される場合)、経路154に示すように処理がステップ160に遷移してもよい。
ステップ160では、記憶及び処理回路28は、アンテナ負荷/離調における検出された変化を補償するように整合回路111を調節してもよい。例えば、記憶及び処理回路28は、所望の整合設定を実装するために、経路116(図6)を通じて制御信号CTRLを制御回路111に提供してもよい。無線通信回路34は、調節された整合設定を使用して無線通信動作を実行し続けてもよい。続いて、経路162に示すように処理が一巡してステップ142に戻り、RSSIデータ及びユーザ統計を収集及び記憶し続けてもよい。
図8は、整合回路111への調節をいつ実行するかを判定するために、記憶及び処理回路28が実行し得る例示的なステップのフローチャートである。図8のステップは、例えば、図7のステップ150の処理中に実行されてもよい。
ステップ170では、処理回路28は、収集されたRSSIデータ126にて、時間及び/又はデバイス位置に応じた一連のRSSI値を識別してもよい。例えば、処理回路28は、収集されたRSSIデータ126から直近に収集されたRSSI値の組を識別してもよい。
ステップ172では、処理回路28は、識別されたRSSI値に対してフィルタリング動作を実行してもよい。例えば、処理回路28は、時間に応じて、識別されたRSSI値から時間に応じたユーザRSSIパターン132をフィルタリングしてもよい。ユーザRSSIパターン132は、製造中にデバイス10に記憶された、工場で調整されたパターン、並びに/又は通常動作中に(例えば、図7のステップ148の処理中に)デバイス10上で記憶及び更新されたパターンであってもよい。このようにして、処理回路28は、収集されたRSSIデータから、他の場合にはユーザによるデバイス10の通常の操作に関連付けられる基準値をフィルタリングしてもよい。別の実施例として、処理回路28は、識別されたRSSI値から一定の基準値のRSSI値をフィルタリングしてもよい。
ステップ174では、処理回路は、トリガー事象がフィルタリングされたRSSI値に存在するかを判定してもよい。一実施例として、トリガー事象は、フィルタリングされたRSSI値における誤作動であってもよい。処理回路28は、時間に応じたフィルタリングされたRSSI値の一部が正の傾斜閾値を上回る傾斜値又は負の傾斜閾値未満である傾斜値を有する場合に、誤作動が存在すると判定してもよい。別の実施例として、トリガー事象は、フィルタリングされたRSSI値における過度な逸脱であってもよい。処理回路28は、フィルタリングされたRSSI値が予め定められた最小閾値RSSI値未満の値、又は予め定められた最大閾値RSSI値を上回る値を含む場合に、過度な逸脱が存在すると判定してもよい。更なる別の実施例として、処理回路28は、フィルタリングされたRSSI値を1つ以上の予め定められた事象RSSIパターン134と比較することで、事象RSSIパターンのうちの1つがフィルタリングされたRSSI値において存在するかどうかを判定してもよい。予め定められた事象RSSIパターン134は、製造中にデバイス10に記憶された、工場で調整されたパターンであってもよく、並びに/又は通常動作中に(例えば、図7のステップ148の処理中に)デバイス10上で記憶及び更新されたパターンであってもよい。処理回路28は、特定の一連のフィルタリングされたRSSI値が、ユーザがストラップ16を外すこと又は調節することに関連付けられたRSSIパターンなどの記憶された事象RSSIパターン134と十分に整合するときに、トリガー事象が存在すると識別してもよい。このシナリオでは、トリガー事象は、フィルタリングされたデータにおいて検出された事象RSSIパターンであってもよい。記憶された事象RSSIパターン134は、実施例として、異なるユーザがデバイス10を身に着けていること、ストラップ16を締め付けること又は緩めること、ストラップ16、デバイス10、及び/又は手首90上の水若しくは湿気の存在の有無、手首90上のデバイス10の位置又は方位における変化などに対応する一連のRSSI値を含んでもよい。
所望であれば、処理回路28は、フィルタリングされたRSSI値、ユーザ統計128、及び/又は他の情報の組み合わせに基づいて、トリガー事象が存在する確率を計算してもよい。計算された確率が最小確率を上回る場合、次いで、処理回路28は、トリガー事象が存在すると判定してもよい。計算された確率が最小確率以下である場合、次いで、処理回路28は、トリガー事象が検出されないと判定してもよい。一実施例として、処理回路28は、フィルタリングされたRSSI値において比較的大きな劣化(例えば、予め定められた最小閾値RSSI値を下回る時間に応じた、RSSI値の過度な逸脱)を識別してもよい。処理回路28はこの情報を、フィルタリングされたRSSI値が収集されていたことを識別する情報と、デバイスがユーザの職場に位置している午後の間に組み合わせて、収集されたRSSI値においてユーザがストラップ16を変更することに関連付けられた、ストラップ変更トリガー事象などのトリガー事象が比較的高い確率で存在すると判定しもよい。
フィルタリングされたRSSI値においてトリガー事象が検出されない場合(例えば、誤作動、過度な逸脱、又は予め定められたRSSIパターンが存在しない場合)、経路176に示すように処理が一巡してステップ170に戻ってもよい。次いで、処理回路28は、時間及び/又はデバイス位置に応じて(例えば、更新されたRSSI値及びユーザ統計はデバイス動作中に収集されるために)、後続して収集されるRSSI値においてトリガー事象の存在を探索し続けてもよい。トリガー事象が検出される場合、経路178に示されるように処理は任意選択のステップ180に遷移してもよい。
任意選択のステップ180では、処理回路28は、フィルタリングされたRSSI値に基づいて、記憶された事象RSSIパターン134を更新してもよい。例えば、センサデータ、ユーザ入力、又は他の情報を、トリガー事象が検出されたときに特定のユーザ行為又は環境的事象が発生したと識別するために使用してもよい。そのユーザ行為又は環境的事象に関連付けられた、時間及び/又はデバイス位置に応じた収集されたRSSIデータのパターン(シーケンス)は、後の処理のために事象RSSIパターン134として回路28に記憶されてもよい。例えば、そのパターンは、所望であれば後に同様のトリガー事象を識別するために使用されてもよい。続いて、整合ネットワーク111を調節するために、処理は図7のステップ160に遷移してもよい。
図9は、トリガー事象を検出したことに応答して、整合ネットワーク111を動的に調節するための処理回路28によって実行され得る例示的なステップのフローチャートである。図9のステップは、例えば、図7のステップ160の処理中に実行されてもよい。
ステップ190では、処理回路28は、整合回路111への調節を実行してもよい。例えば、処理回路28は、回路111のインピーダンスを調節するように回路111内の1つ以上の構成要素を制御してもよい。
ステップ192では、処理回路28は、調節された整合回路を使用して追加のRSSI値を(例えば、整合回路が調節されたインピーダンスを示す間に)収集してもよい。
ステップ194では、処理回路28は、調節が行われる前に収集されたRSSI値と収集された追加のRSSI値を比較することによって、アンテナ40の性能が改善したかどうかを判定してもよい。例えば、処理回路28は、追加のRSSI値が、調節前に収集されたRSSI値よりも大きい場合に、アンテナ性能が改善したと判定してもよい。アンテナ性能が改善していない場合(例えば、ステップ192において収集された追加のRSSI値が調節前に収集されたRSSI値以下である場合)、経路196に示すように処理が一巡してステップ190に戻ってもよく、整合回路は更に調節されてもよい。別の好適な構成では、ステップ190にて実行される調節は戻されてもよく、処理は図7のステップ142に遷移してもよい。アンテナ性能が改善した場合、経路198に示すように処理は任意選択のステップ200に遷移してもよい。
収集されたRSSI値が前に収集されたRSSI値と比較される図9の実施例は、単なる例示に過ぎない。所望であれば、処理回路28は、ステップ192において収集された追加のRSSI値を予め定められた閾値と比較してもよい。予め定められた閾値は、産業標準、設計標準、規制標準、製造標準によって、又は任意の他の手段によって判定されてもよい。予め定められた閾値は、例えば、最小RSSI値であってもよく、最小RSSI値について、デバイス10と外部機器52との間で十分なリンク品質を維持することができる。追加のRSSI値が予め定められた閾値よりも大きい場合、経路198に示すように処理は任意選択のステップ200に遷移してもよい。追加のRSSI値が予め定められた閾値以下である場合、経路196に示すように処理は一巡してステップ190に戻ってもよい。
任意選択のステップ200では、処理回路28は、調節された整合ネットワーク設定を整合設定130(図6)におけるエントリとして記憶してもよい。処理回路28は、回路111への後の調節を実行するための、記憶された整合ネットワーク設定を使用してもよい。例えば、処理回路28は、整合回路調節を引き起こした対応するトリガー事象が後に検出されたときにはいつでも、特定の整合ネットワーク設定130を使用してもよい。続いて、処理はステップ202に遷移してもよい。
ステップ202では、無線通信回路34は、調節された整合ネットワーク設定を使用して通信し続けてもよい(例えば、処理は図7のステップ142に遷移してもよい)。このようにして、処理回路28は、アンテナ性能を改善又は最適化する設定が発見されるまで、RSSIデータを収集し続けている間に、いくつかの考えられる整合ネットワーク111のための設定を捜索してもよい。この実施例は単なる例示に過ぎない。別の好適な構成では、予め定められた整合設定130は、整合ネットワーク111を調節する際に使用されてもよい。
図10は、トリガー事象を検出したことに応答して、予め定められた整合設定130に基づいて整合ネットワーク111を調節するために処理回路28が実行し得る例示的なステップのフローチャートである。図10のステップは、例えば、図7のステップ160を処理する間に実行されてもよい。
各トリガー事象は、収集されたRSSIデータにおいてそれを存在させることになる環境的/アンテナ負荷要因に対応する種類を有してもよい。ステップ210では、処理回路28は、時間及び/若しくはデバイス位置、ユーザ統計128、ユーザ入力、センサデータ、並びに/又は事象RSSIパターン134に応じて、フィルタリングされたRSSI値に基づいて検出されたトリガー事象の種類を識別してもよい。トリガー事象の種類は、ユーザが手首の上のデバイス10の位置若しくは方位を調節すること、ユーザが手首とアンテナ40との間の距離を(例えば、ストラップ16を締め付け若しくは緩めることによって)調節すること、ユーザがストラップ16を異なるストラップに交換すること、異なるユーザがデバイス10を身に着けること、ストラップ16、デバイス10、若しくは手首90が濡れること若しくは乾くこと、シャツの袖などのユーザの衣服の一部がデバイス10と手首90との間に配置され、若しくはそれらの間から除かれたとき、又はアンテナ40の負荷に影響を与えることがある任意の他の環境的要因と関連付けられたトリガー事象を含んでもよい。
一実施例として、処理回路28は、フィルタリングされたRSSI値がストラップ16を交換することに関連付けられた事象RSSIパターン134と整合する場合、ストラップ16が交換されたことをデバイス10におけるストラップセンサが検出する場合、又は任意の他の所望の情報に基づいて、ストラップの交換に関連付けられたトリガー事象(例えば、ストラップ交換式トリガー事象又はストラップ交換トリガー事象)が発生したと識別してもよい。例えば、処理回路28は、デバイスがユーザの職場に位置していた午後の間に、フィルタリングされたRSSI値における比較的大きな劣化が測定された場合、トリガー事象をストラップ交換トリガー事象として識別してもよい。別の実施例として、処理回路28は、収集されたRSSIデータに、経時的に測定されたRSSI値において急速な増加が含まれていたこと、及びユーザの位置が職場の位置から自宅の位置に変化した後の夜の間に増加が発生したことを識別したことに応答して(例えば、ユーザ統計128は、この条件の組が、高い確率でユーザがデバイス10を手首から取り外すことに関連付けられていると識別してもよい)、ユーザがデバイス10を手首から外したことをトリガー事象の種類として識別してもよい。更なる別の実施例として、処理回路28は、比較的短い時間量の間で収集されたRSSIデータが減少したことを識別しつつ、デバイス位置がその時間量の間に変化しなかったことをも識別したことに応答して、ユーザがストラップ16を締め付けたことをトリガー事象の種類として識別してもよい。それらの実施例は単なる例示に過ぎず、概して、処理回路23は、トリガー事象の種類を識別する際に、デバイス位置及び/又は時間に応じて収集されたRSSI情報、ユーザ入力、センサデータ、事象パターン134、並びに他のユーザ統計128の任意の所望の組み合わせを処理してもよい。
ステップ212において、処理回路28は、識別されたトリガー事象の種類に対応する特定の整合設定130(例えば、ユーザがストラップ16を変更することに関連付けられているものとしてトリガー事象が識別される場合は第1の整合設定、ユーザの皮膚が濡れることに関連付けられているものとしてトリガー事象が識別される場合は第2の整合設定、異なるユーザがデバイス10を身に着けていることに関連付けられているものとしてトリガー事象が識別される場合は第3の整合設定、デバイス10が図5の方位94に配置されることに関連付けられているものとしてトリガー事象が識別される場合は第4の整合設定、デバイス10が図5の方位96に配置されている場合は第5の整合設定)を取得してもよい。取得された整合設定130は、対応するトリガー事象の種類が検出されたときに使用するためにデバイス10の製造中にデバイス10にロードされてもよく、又は取得された整合設定は、図7のステップ148を処理する間に処理回路28に記憶されてもよい。
ステップ214では、処理回路28は、取得された整合設定130を整合ネットワーク111に適用してもよい(例えば、回路28は整合ネットワーク111を構成して、取得された整合設定に関連付けられたインピーダンスを示してもよい)。処理は次に任意選択のステップ216に遷移してもよい。
任意選択のステップ216では、処理回路28は、取得された整合ネットワーク設定を用いて、調節された整合回路が構成される間に、追加のRSSI値を収集してもよい。処理回路28は、調節が行われる前に収集されたRSSI値と収集された追加のRSSI値とを比較することによって、アンテナ40の性能が改善したかを判定してもよい。アンテナ性能が改善していない場合(例えば、ステップ216において収集された追加のRSSI値が調節の前に収集されたRSSI値以下である場合)、処理がステップ220に遷移してもよい。
ステップ220では、処理回路28は、適切な動作を行ってもよい。例えば、処理回路28は図9のステップ190に遷移して、十分な設定が発見されるまで、追加の整合ネットワーク設定を捜索することを開始してもよい。別の実施例として、処理回路28は、前の整合設定に戻すように整合回路111を制御してもよく、処理は図7のステップ142に遷移してユーザ統計及びRSSI値の収集及び処理を続けてもよい。アンテナ性能が改善した場合(例えば、ステップ216において収集された追加のRSSI値が調節前に収集されたRSSI値よりも大きい場合)、処理はステップ222に遷移してもよい。任意選択のステップ216が実行されないシナリオでは、処理はステップ214からステップ224に直接遷移してもよい。
収集されたRSSI値が前に収集されたRSSI値と比較される図10の実施例は単なる例示に過ぎない。所望であれば、処理回路28は、ステップ216において収集された追加のRSSI値を予め定められた閾値と比較してもよい。追加のRSSI値が予め定められた閾値よりも大きい場合、経路222に示すように処理はステップ224に遷移してもよい。追加のRSSI値が予め定められた閾値以下である場合、経路218に示すように処理はステップ220に遷移してもよい。
ステップ224では、無線通信回路34は、調節された整合ネットワーク設定を使用して通信し続けてもよい(例えば、処理は図7のステップ142に遷移してもよい)。このようにして、処理回路28は、収集されたRSSIデータに基づいて、予め定められた整合設定130を選択及び使用することができる。これによって、処理回路28が異なる設定を(例えば、図9にあるように)捜索するシナリオよりも速いアンテナ調節が可能となるが、変化する又は予測できない環境的条件(例えば、回路28に最適化された整合設定がいまだ記憶されていない可能性があるための条件)に対してあまり適合できないことがある。
図11は、トリガー事象の存在を検出するために、どのように収集されたRSSIデータ126を予め定められた閾値と比較することができるかを示す、時間に応じて収集されたRSSI値の例示的なプロットである。図11に示すように、曲線230は、時間に応じて、かつ固定位置で収集されたRSSI値(例えば、図7のステップ144の処理中に収集されるにつれて)をプロットしている。収集されたRSSI値230は、ユーザがデバイス10を身に着けるにつれて経時的に変化することがある。値230における比較的小さな変動は、アンテナ40の全体的な性能にあまり影響を与えない場合がある。しかしながら、比較的大きな変動は、不十分なアンテナ性能をもたらすことがある。
処理回路28は、トリガー事象を識別するようにRSSI値230を処理してもよい(例えば、図8のステップ174の処理中に)。図11の実施例では、処理回路28は、RSSI値230を予め定められた閾値RTHと比較してもよい。処理回路28は、RSSI値230が閾値RTHを下回ることを理由に、トリガー事象が存在すると判定してもよい。この実施例は単なる例示に過ぎない。所望であれば、処理回路28は、RSSI値230の傾斜値を識別してもよく、傾斜値を、トリガー事象の存在を識別するための予め定められた傾斜閾値と比較してもよい。別の好適な構成では、処理回路28は、RSSI値230が予め定められた事象RSSIパターン134と整合するときにトリガー事象の存在及び種類を識別してもよい。設定された位置に対する時間に応じたRSSI値が処理される図11の実施例は単なる例示に過ぎない。概して、処理回路28は、トリガー事象の存在及び種類を識別するために、固定された時間における位置に応じて、又は位置及び時間の両方(例えば、収集されたRSSI値の多次元面)に応じて、RSSI値を処理してもよい。
図12は、トリガー事象の存在を識別するために、予め定められたユーザ及び事象RSSIパターンを使用して処理回路28がどのように収集されたRSSI値を処理することができるかを示す例示的な図である。
図12に示すように、曲線240は、時間に応じた(例えば、固定されたデバイス位置における)収集されたRSSI値をプロットしている。曲線242は、特定のユーザRSSIパターン132(例えば、図7のステップ148の処理中に蓄積される時間に応じたRSSI値)をプロットしている。ユーザRSSIパターン242は、曲線240によって表される同一の位置及び時間値に応じた典型的なRSSIデータを示すことができる。ユーザRSSIパターン242は、処理回路28がユーザの振る舞いに関する情報を収集し続けるにつれて(例えば、ユーザ統計128が更新されるにつれて)、経時的に訓練及び更新されてもよい。
ユーザRSSIパターン242は、収集されたRSSI値240を(例えば、図8のステップ172の処理中に)フィルタリングするために使用されてもよい。図12の実施例では、ユーザRSSIパターン242は、フィルタリングされたRSSI値246を生成するために、矢印243に示すように、収集されたRSSI値240からフィルタリング(減算)される(例えばユーザパターン242に整合する曲線240の部分244がフィルタリングされた曲線246から取り除かれてもよい)。このようにして、ユーザRSSIパターン242は、トリガー事象を識別するために、収集されたRSSI値の処理の基準測定値としての役割を果たしてもよい。
処理回路28は、予め定められた事象RSSIパターンがフィルタリングされたデータに存在するかを判定するように、フィルタリングされたRSSI246を処理してもよい(例えば、図8のステップ174の処理中に)。図12の実施例では、処理回路28は、フィルタリングされたRSSI値246の部分250が所与の事象RSSIパターン248と整合すると識別してもよい。事象RSSIパターン248は、例えば、図8のステップ180の処理中に、図7のステップ148の処理中に、又は工場の調整中に、処理回路28に記憶されてもよい。一実施例として、事象RSSIパターン248は、ストラップ締め付けトリガー事象に関連付けられたRSSIパターンであってもよい。フィルタリングされたRSSIデータ246内の事象RSSIパターン248の存在は、ユーザがストラップ16を締め付けることを示してもよい。処理回路28は続いて、後続の通信中(例えば、少なくとも別のトリガー事象が検出されるまで)の使用のために、ストラップ締め付けトリガー事象(例えば、図10のステップ210の処理中)に対応する整合設定130を識別してもよい。別の好適な構成では、処理回路は、最適な整合設定が発見されるまで、異なる整合ネットワーク設定を捜索してもよい(例えば、図9のステップの処理中に)。整合ネットワーク調節を実行することによって、アンテナ40の周りの環境がアンテナ負荷を変化させた後(例えば、アンテナの負荷がストラップ16の締め付けの結果として変化した後)でさえ、整合ネットワーク111がアンテナ40に整合することを可能にする。アンテナ40に対する好適な整合を提供することによって、ユーザがどのようにデバイス10を身に着けているかに関わらず、又は誰がデバイス10を身に着けているかに関わらず、アンテナ効率を最大化することができる。
図12の実施例は単なる例示に過ぎない。概して、収集されたRSSI値は、時間及び/又は空間に応じた任意の所望の形状を有してもよい。同様に、ユーザRSSIパターン242及び事象RSSIパターン248は、任意の所望の形状を有してもよい。
図13は、特定のアンテナ負荷条件下で整合回路111を調節することがどのようにアンテナ性能効率に影響を与えることがあるかを示すスミスチャートである。図13のスミスチャートでは、アンテナ40に対するアンテナインピーダンスが異なる動作条件に応じて測定される。50オームのアンテナインピーダンスは、図13のチャートにおいてインピーダンス点260によって特徴付けられる。点260に近いインピーダンスを有するアンテナは、デバイス10における50オームの伝送線路(例えば、伝送線路60)に良好に整合するとみなされてもよい。
アンテナ40は、デバイス10が第1のアンテナ負荷条件下で動作する間に第1の整合ネットワーク設定に同調されたとき(例えば、デバイス10が図5の位置94にて方向付けられるとき)、図13の領域264内でインピーダンスを示すことがある。領域264は、点260から比較的遠く、比較的高いレベルのアンテナ離調を示す。処理回路28は、カプラ110(図6)を使用して位相及び振幅情報を収集することによって、及び/又は収集されたRSSIデータにおいてトリガー事象を識別することによって、この離調を識別してもよい。この離調を補償するために、制御回路28は、矢印268に示すようにアンテナ40を第2の整合ネットワーク設定に同調するように整合回路111を調節してもよい(例えば、図7のステップ160の処理中に)。第2の整合ネットワーク設定に同調された後、アンテナ40は、領域262内でインピーダンスを示すことがある。領域262は領域264よりも点260に近く、領域262に関連付けられた第2の整合ネットワーク設定の下で動作しているときよりも低いレベルのアンテナ離調を示す。このようにして、制御回路28は、ユーザが異なる方位にてデバイス10を身に着けることに関連付けられた可変量のアンテナ負荷によって生じるアンテナ40の離調を補償することができる。
しかしながら、アンテナ40は、デバイス10が図5の位置96において方向付けられるときに、異なるインピーダンスを示すことがある。ユーザがデバイス10の方位を方位94から方位96に変更する場合、アンテナ40のインピーダンスは、経路266に示すように、領域264などの点260からより離れた領域にシフトすることがあり、比較的高いレベルのアンテナ離調を示す。処理回路28は続いて、この離調を識別してもよく、整合回路111を第1の整合ネットワーク設定に調節してもよい。これは、アンテナ40の離調を削減するためにアンテナ40のインピーダンスを点260により近くシフトさせることができる。このようにして、処理回路28は、通常動作中のアンテナ40の負荷変動を補償するように、整合回路111を積極的に調節することができる。この実施例は単なる例示に過ぎない。概して、処理回路28は、任意の好適な事象(例えば、ユーザがストラップを変更すること、ユーザがストラップ16を締め付けること、異なる手首の生理機能を有する異なるユーザがデバイス10を身に着けること、水が手首90若しくはデバイス10と接触すること、又はアンテナ40の動作環境における任意の他の変動)に起因したアンテナ負荷における任意の変化を補償するように、整合回路111を調節することができる。
図14は、実施形態による、異なるインピーダンス整合回路の設定下で動作するときに、アンテナによって示され得る例示的なアンテナ周波数応答性のグラフである。特に、図14は、動作周波数に応じたアンテナ応答性(電圧定在波比(voltage standing wave ratio、VSWR))をプロットしている。図14に示すように、実線曲線270は、第1の整合ネットワーク設定及び第1のアンテナ負荷条件の下で動作するときのアンテナ40の応答性を表す。例えば、曲線270は、整合ネットワーク111が第1の設定に設定される間に第1のユーザがデバイス10を身に着けていることに関連付けられてもよい。アンテナ40は、中間帯域(MB)及び高帯域(HB)周波数に対して比較的高い応答性を有することがあるが、低帯域(LB)周波数においては比較的低くかつ離調された応答性を有することがある。
破線曲線272は、第1の整合ネットワーク設定及び第2のアンテナ負荷条件の下で動作するときのアンテナ40の応答性を表すことができる。例えば、曲線272は、整合ネットワーク111が第1の設定に設定される間に第2のユーザがデバイス10を身に着けていることに関連付けられてもよい。このシナリオでは、アンテナ40は、(例えば、アンテナ40に異なって負荷をかける第1のユーザと第2のユーザとの間で、生理機能が異なることに起因して)低帯域周波数において比較的高い応答性を有することがある。第1のユーザがデバイス10を身に着けているとき、処理回路28は、低帯域周波数にてアンテナ40の比較的低い応答性を検出することができる(例えば、図7のステップ150に関連して位相及び振幅測定値並びに/又はRSSI値を使用して)。処理回路28は続いて、整合ネットワーク111を、第1のユーザがデバイス10を身に着けていることから生じるアンテナ負荷の差異を補償する第2の設定に調節してもよい。整合ネットワーク111を第2の設定に調節した後、アンテナ40は、デバイス10が第1のユーザによって身に着けられているときと同様の応答性を曲線272に対して示すことがある。第1のユーザが第2のユーザに、身に着けるためにデバイス10を付与する場合、アンテナ40の応答性は、曲線270によって表される応答性にシフトすることがある。処理回路28はこの変化を検出してもよく、続いて、整合ネットワーク111を第1の設定に調節し戻してもよい。ネットワーク111を第1の設定に調節した後、アンテナ40は、曲線272に示される応答性を示すことがある。このようにして、処理回路28は、アンテナ負荷及び離調における変化をリアルタイムで補償するように、回路111をアクティブに調節することができる。
図14の実施例は単なる例示に過ぎない。概して、アンテナ40は、任意の所望の数の異なる周波数帯域で動作されてもよく、動作周波数に応じて任意の所望の応答性を有してもよい。アンテナ40は、環境的条件における任意の変化の結果として離調されてもよい。図1〜14の実施例が腕時計デバイスと関連して説明されるが、同様の動作が任意の所望の電子デバイスによって実行されてもよい。
デバイス10の動作は(例えば、図7〜10の動作)は、制御回路28によって実行されてもよい。動作中、この制御回路(時に、処理回路、処理及び記憶装置、コンピューティング機器、コンピュータなどと称されることがある)は、図7〜10の方法及び/又は他の動作を(例えば、専用ハードウェアを使用して、及び/又は制御回路28などのハードウェア上で実行されるソフトウェアコードを使用して)実行するように構成されてもよい。それらの動作を実行するためのソフトウェアコードは、非一時的(有形)コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。ソフトウェアコードは時に、ソフトウェア、データ、プログラム命令、命令、又はコードと称されることがある。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)などの不揮発性メモリ、1つ以上のハードドライブ(例えば、磁気ドライブ若しくはソリッドステートドライブ)、1つ以上の着脱可能フラッシュドライブ若しくは他の着脱可能媒体、他のコンピュータ可読媒体、又はそれらのコンピュータ可読媒体の組み合わせを含んでもよい。非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアは、制御回路28の処理回路上で実行されてもよい。処理回路は、処理回路、1つ以上のマイクロプロセッサ、又は他の処理回路を有する特定用途向け集積回路を含んでもよい。
一実施形態によると、前面に形成されたディスプレイと、後面に形成された誘電性筐体後壁部と、アンテナと、処理回路と、を有するウェアラブル電子デバイスを動作させる方法であって、アンテナを用いて、誘電性筐体後壁部を通じて外部機器から高周波信号を受信することと、処理回路を用いて、誘電性筐体後壁部を通じた外部物体によるアンテナの負荷の量に関する情報を収集することと、処理回路を用いて、誘電性筐体後壁部を通じた外部物体によるアンテナの負荷の量における変化を補償するようにアンテナを調節することと、を含む、方法が提供される。
別の実施形態によると、アンテナの負荷の量に関する情報を収集することは、誘電性筐体後壁部を通じて外部機器から受信された高周波信号に基づいて受信信号強度インジケータ(RSSI)値を収集することを含み、誘電性筐体後壁部を通じた外部物体によるアンテナの負荷の量における変化を補償するようにアンテナを調節することは、収集されたRSSI値に基づいてアンテナを調節することを含む。
別の実施形態によると、アンテナの負荷の量に関する情報を収集することは、収集されたRSSI値の各々に関連付けられた取得時間を記憶することと、収集されたRSSI値の各々に関連付けられたウェアラブル電子デバイス取得位置を記憶することと、を含む。
別の実施形態によると、誘電筐体後壁部を通じた外部物体によるアンテナの負荷の量における変化を補償するようにアンテナを調節することは、収集されたRSSI値、記憶された取得時間、及び記憶されたウェアラブル電子デバイス取得位置に基づいてアンテナを調節することを含む。
別の実施形態によると、負荷の量に関する情報を収集することは、ウェアラブル電子デバイス上の高周波送受信機回路によってアンテナに送信された高周波信号に基づいて、アンテナのインピーダンスの位相及び振幅測定値を収集することを含み、誘電筐体後壁部を通じた外部物体によるアンテナの負荷の量における変化を補償するようにアンテナを調節することは、アンテナのインピーダンスの収集された位相及び振幅測定値に基づいてアンテナを調節することを含む。
別の実施形態によると、ウェアラブル電子デバイスは、高周波送受信機回路と、高周波送信機回路とアンテナとの間に結合されたインピーダンス整合回路と、を備え、誘電筐体後壁部を通じた外部物体によるアンテナの負荷の量における変化を補償するようにアンテナを調節することは、インピーダンス整合回路のインピーダンスを調節することを含む。
別の実施形態によると、アンテナは、同調可能構成要素を含み、誘電筐体後壁部を通じた外部物体によるアンテナの負荷の量における変化を補償するようにアンテナを調節することは、同調可能構成要素を調節することを含む。
別の実施形態によると、対向する前面及び後面を有するウェアラブル電子デバイスであって、電子デバイスの後面を形成する誘電筐体後壁部と、電子デバイスの前面を形成するディスプレイカバー層を有するディスプレイと、誘電筐体後壁部に重なり合う導電トレースから形成されたアンテナ共振素子であって、誘電筐体後壁部を通じて外部物体による負荷の影響を受ける、アンテナ共振素子と、アンテナ共振素子を使用して、誘電筐体後壁部を通じて高周波信号を送受信するように構成された高周波送受信機回路と、アンテナ共振素子と高周波送受信機回路との間に結合されたインピーダンス整合回路と、誘電筐体後壁部を通じたアンテナ共振素子の負荷における変化を検出したことに応答して、インピーダンス整合回路を調節するように構成された記憶及び処理回路と、を含む、ウェアラブル電子デバイスが提供される。
別の実施形態によると、ウェアラブル電子デバイスは、高周波送受信機回路とインピーダンス整合回路との間に結合された受信経路と、受信経路に結合された受信信号強度測定回路とを備え、受信信号強度測定回路は、受信経路上の高周波信号に基づいて受信信号強度情報を生成するように構成され、記憶及び処理回路は、生成された受信信号強度情報に基づいてアンテナ共振素子の負荷における変化を検出するように構成されている。
別の実施形態によると、生成された受信信号強度情報は、受信信号強度インジケータ(RSSI)値、RSSI値の各々に関連付けられた取得時間、及びRSSI値の各々に関連付けられたウェアラブル電子デバイス取得位置を含む。
別の実施形態によると、記憶及び処理回路は、RSSI値がRSSI値の予め定められたパターンと整合するかどうかを判定することによって、アンテナ共振素子の負荷における変化を検出するように構成されている。
別の実施形態によると、高周波送受信機回路は、アンテナ共振素子を使用して、誘電筐体後壁部を通じて700MHzから960MHzまでの間の周波数で信号を送受信するように構成されたセルラー電話送受信機を含む。
別の実施形態によると、ウェアラブル電子デバイスは、誘電筐体後壁部からディスプレイカバー層に延在する金属筐体側壁部と、導電トレースに結合された第1のアンテナフィード端子であって、導電トレースは、誘電筐体後壁部上にパターンニングされている、第1のアンテナフィード端子と、金属筐体側壁部に結合された第2のアンテナフィード端子と、高周波送受信機回路を第1のアンテナフィード端子及び第2のアンテナフィード端子に結合する高周波伝送線路とを含む。
別の実施形態によると、アンテナ共振素子は、ユーザがウェアラブル電子デバイスを身に着けている間にユーザの手首との導波路を形成するように構成されている。
別の実施形態によると、ウェアラブル電子デバイスは、高周波送受信機回路に結合された電力増幅器回路と、電力増幅器回路とインピーダンス整合回路との間に結合された高周波カプラと、高周波カプラと高周波送受信機回路との間に結合されたフィードバック経路と、を備え、記憶及び処理回路は、フィードバック経路を通じて高周波送受信機回路によって高周波カプラから受信されたフィードバック信号に基づいて、アンテナ共振素子のインピーダンスの位相及び振幅測定値を収集するように構成され、記憶及び処理回路は、収集された位相及び振幅測定値に基づいて、アンテナ共振素子の負荷における変化を検出するように更に構成されている。
実施形態によると、前面に形成されたディスプレイと、後面に形成された誘電筐体後壁部と、アンテナと、アンテナに結合されたインピーダンス整合回路と、処理回路と、を有するウェアラブル電子デバイスを動作させる方法であって、アンテナを用いて、誘電筐体後壁部を通じて外部機器から高周波信号を受信することと、処理回路を用いて、受信された高周波信号に基づいて、受信信号強度インジケータ(RSSI)値及び対応するRSSI取得時間を収集及び記憶することと、処理回路を用いて、経時的にユーザによるウェアラブル電子デバイスの操作と関連付けられたユーザ統計を蓄積することと、処理回路を用いて、蓄積されたユーザ統計、記憶されたRSSI値、及び記憶されたRSSI取得時間を処理することでトリガー事象を検出することと、処理回路を用いて、トリガー事象を検出したことに応答して、インピーダンス整合回路を調節することと、を含む方法が提供される。
別の実施形態によると、蓄積されたユーザ統計はユーザRSSIパターンを含み、蓄積されたユーザ統計、記憶されたRSSI値、及び記憶されたRSSI取得時間を処理することは、記憶されたRSSI値からユーザRSSIパターンをフィルタリングすることでフィルタリングされたRSSI値を生成することと、フィルタリングされたRSSI値に基づいて、トリガー事象を検出することと、を含む。
別の実施形態によると、ユーザ統計は、誘電筐体後壁部を通じたアンテナの負荷における変化に関連付けられた事象RSSIパターンを含み、トリガー事象を検出することは、事象RSSIパターンに整合したフィルタリングされたRSSI値における一連のRSSI値を検出することを含む。
別の実施形態によると、インピーダンス整合回路を調節することは、調節されたインピーダンスを示すようにインピーダンス整合回路を制御することと、インピーダンス整合回路が調節されたインピーダンスを示す間に受信された高周波信号から追加のRSSI値を収集することと、収集された追加のRSSI値に基づいて、アンテナの高周波性能が改善したかどうかを判定することと、アンテナの高周波性能が改善していないと判定したことに応答して、追加の調節されたインピーダンスを示すようにインピーダンス整合回路を制御することと、アンテナの高周波性能が改善したと判定したことに応答して、調節されたインピーダンスと関連付けられた整合設定を記憶回路に記憶することと、を含む。
別の実施形態によると、インピーダンス整合回路を調節することは、ウェアラブル電子デバイス上の記憶回路から事象RSSIパターンに関連付けられた整合設定を取得することであって、整合設定は、調節されたインピーダンスを識別することと、調節されたインピーダンスを示すようにインピーダンス整合回路を制御することと、インピーダンス整合回路が調節されたインピーダンスを示す間に受信された高周波信号から追加のRSSI値を収集することと、追加のRSSI値が最小RSSI閾値を上回るかどうかを判定することと、追加のRSSI値が最小RSSI閾値を上回らないと判定したことに応答して、追加の調節されたインピーダンスを示すようにインピーダンス整合回路を制御することとを含む。
上記は単なる例示に過ぎず、説明された実施形態に対して様々な修正を実施することができる。上記の実施形態は、個々に、又は任意の組み合わせで実装することができる。