JP6569382B2 - 電子デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、陽極接合装置を用いた電子デバイスの製造方法に関する。
従来、例えばシリコンMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて物理量を検出する機能素子を備えた電子デバイスとして、半導体基板あるいはガラス基板などのパッケージ基板(基体)上に機能素子が設けられた加速度センサー、ジャイロセンサーなどが提案されている。
例えば、特許文献1には、基体(上述のパッケージ基板に相当する)の第1面側に接合されている蓋体と、基体および蓋体に囲まれるキャビティーに収容されている機能素子(センサー素子)と、を備えた電子デバイスが開示されている。そして、この電子デバイスでは、基体と機能素子との接合、および基体と蓋体との接合のそれぞれにおいて、陽極接合装置を用いた陽極接合法が適用されている。つまり、この電子デバイスの製造過程では、複数回の陽極接合、即ち基体と機能素子とを接合する1回目の陽極接合と、基体と蓋体とを接合する2回目の陽極接合が行われる。
特開2013−164285号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載されているように、基体と機能素子との接合、および基体と蓋体との接合の、2回の陽極接合が同じ基体に対して行われると、1回目の陽極接合時に基体のアルカリ金属イオンが使用されて(移動して)しまい、2回目の陽極接合に必要なアルカリ金属イオンが欠乏状態となる、所謂空乏層が出現してしまう。これにより、2回目の陽極接合における蓋体と基体との接合が十分に行われず、結果的に蓋体と基体との接合強度が低下してしまうことになり、蓋体と基体との気密性が低下してしまう虞があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電子デバイスの製造方法は、アルカリ金属イオンを有する第1基体に、シリコンを含む第2基体およびシリコンを含む第3基体を陽極接合する電子デバイスの製造方法であって、前記第1基体の一面と前記第2基体とを陽極接合する第1工程と、前記第1工程の後、前記第1基体と前記第3基体とが陽極接合される前記第1基体の前記一面の少なくとも一部を除去し、接合面を露出させる第2工程と、前記第1基体の前記接合面と前記第3基体とを陽極接合する第3工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン(Na+)を有する第1基体の一方面に、第1工程にて第2基体が陽極接合(1回目)された後の第2工程で、第3基体が陽極接合される第1基体の一方面を除去し、第1基体に接合面を露出させる。このように、第3基体が陽極接合される第1基体の一方面を除去することにより、1回目の陽極接合によって第1基体中のアルカリ金属イオンが移動し、2回目の陽極接合に必要なアルカリ金属イオンが欠乏状態となっている一方面が除去され、アルカリ金属イオンの残存する露出面を出現させることができる。そして、第3工程において、アルカリ金属イオンの残存する露出面を接合面として第3基体を陽極接合することによって、第1基体と第3基体とを十分な接合強度によって安定的に接合することが可能となる。
[適用例2]上記適用例に記載の電子デバイスの製造方法において、前記第2工程は、ドライエッチング法を用いることが好ましい。
本適用例によれば、ドライエッチング法を用いることにより、第1基体の一方面を一方方向に除去することができることから、微細な領域を微細な深さで、精度よく除去加工(エッチング加工)を行うことができる。
[適用例3]上記適用例に記載の電子デバイスの製造方法において、前記第2工程は、前記第1面から550nm以上1000nm以下の深さを除去することが好ましい。
本適用例によれば、第2工程における第1基体の一方面の除去深さを、550nm以上1000nm以下とすることにより、第3工程における第1基体と第3基体との陽極接合を十分な接合強度によって安定的に接合することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の電子デバイスの製造方法において、前記第2工程は、前記第1面から650nm以上1000nm以下の深さを除去することが好ましい。
本適用例によれば、第2工程における第1基体の一方面の除去深さを、650nm以上1000nm以下とすることにより、第3工程における第1基体と第3基体との陽極接合を十分な接合強度によってさらに安定的に接合することができる。
[適用例5]上記適用例に記載の電子デバイスの製造方法において、前記第2工程は、前記第1面から825nm以上1000nm以下の深さを除去することが好ましい。
本適用例によれば、エッチングの深さ精度などのばらつきも吸収することができ、第3工程における第1基体と第3基体との陽極接合を十分な接合強度によって、さらに安定的に接合することができる。
[適用例6]上記適用例に記載の電子デバイスの製造方法において、前記第1工程および前記第2工程では、略同じ加熱温度を用いて陽極接合を行うことが好ましい。
本適用例によれば、第2工程における2回目の陽極接合においても、その陽極接合領域におけるアルカリ金属イオンが十分に存在するため、加熱温度を高めることなく陽極接合を行うことができる。これにより、高い加熱温度を掛けた際に生じる第1基体と、第2基体および第3基体との熱膨張率の違いによる、第2基体および第3基体の反りを抑制することが可能となり、接合部分に生じる応力を減少させることができ、接合の安定化を図ることができる。
[適用例7]上記適用例に記載の電子デバイスの製造方法において、前記第3基体は、前記第2基体を内包する蓋体であることが好ましい。
本適用例によれば、第2基体を内包した蓋体の陽極接合において、より安定した接合強度を得ることができる。
[適用例8]上記適用例に記載の電子デバイスの製造方法において、前記第1工程および前記第3工程の少なくとも一方の工程では、陽極接合の温度は、200℃以上390℃以下であることが好ましい。
本適用例によれば、第1基体と第2基体、または第1基体と第3基体との熱膨張差が小さい状態で陽極接合でき、かつ、陽極接合に必要な十分な加熱をすることができる。
本実施形態に係る電子デバイスを模式的に示す平面図。 本実施形態に係る電子デバイスを模式的に示し、図1のA−A線における正断面図。 本実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示すフローチャート。 本実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す工程フロー図1(正断面図)。 電子デバイスの製造方法を示す第1の工程フロー2(正断面図)。 電子デバイスの製造方法を示す第2の工程フロー3(正断面図)。 電子デバイスの製造方法を示す第1の工程フロー4(正断面図)。 電子デバイスの製造方法を示す第1の工程フロー5(正断面図)。 第1基体中のアルカリ金属イオン濃度と深さとの相関を示すグラフ。 第1基体および第2基体の熱膨張率を示すグラフ。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下で説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、以下では、説明の便宜上、各図において、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しており、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。また、+Z軸側を「上」もしくは「上方」、−Z軸側を「下」もしくは「下方」ともいう。
<実施形態>
図1、図2、図3、図4Aないし図4Eを用い、本発明の実施形態に係る電子デバイスおよび電子デバイスの製造方法について説明する。図1および図2は、本発明の実施形態に係る電子デバイスを模式的に示し、図1は、平面図であり、図2は、図1のA−A線における正断面図である。図3は、本実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示すフローチャートである。図4Aないし図4Eは、本実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す工程フロー図であり、図4Aは、工程フロー1(各工程における電子デバイスを模式的に示す正断面図)、図4Bは、工程フロー2(各工程における電子デバイスを模式的に示す正断面図)、図4Cは、工程フロー3(各工程における電子デバイスを模式的に示す正断面図)、図4Dは、工程フロー4(各工程における電子デバイスを模式的に示す正断面図)、図4Eは、工程フロー5(各工程における電子デバイスを模式的に示す正断面図)を示している。
1.電子デバイス
まず、本実施形態に係る電子デバイスについて、図1および図2を参照しながら説明する。本実施形態に係る電子デバイス100は、基体(第1基体)10と、溝部15と、配線20と、外部接続端子30と、蓋体(第3基体)50と、機能素子(第2基体)80とを含む。さらに、電子デバイス100は、溝部16,17と、配線22,24と、外部接続端子32,34と、貫通孔58と、封止部材70とを含むことができる。なお、便宜上、図1では、蓋体50、および封止部材70を透視して図示している。
第1基体としての基体10の材質は、例えば、ガラス(ホウ珪酸ガラス)、シリコンである。基体10は、図2に示すように、第1面11と、第1面11と反対側の第2面12と、を有している。第1面11には、凹部14が設けられている。凹部14の上方には、第2基体としての機能素子80の可動部86および可動電極部87が配置され、凹部14によって、可動部86および可動電極部87は、基体10に妨害されることなく、所望の方向に可動することができる。凹部14の平面形状(Z軸方向から見たときの形状)は、特に限定されないが、本例では、長方形である。
溝部15は、基体10の第1面11に設けられている。溝部15は、基体10および蓋体50によって囲まれるキャビティー56の内側から外側に延在している。溝部15は、例えば、配線20および外部接続端子30の平面形状に対応した平面形状を有している。
同様に、溝部16,17は、基体10の第1面11に設けられている。図1に示す例では、溝部16,17は、凹部14の外周に沿うように設けられている。溝部16,17は、キャビティー56の内側から外側に延在している。溝部16は、例えば、配線22および外部接続端子32の平面形状に対応した平面形状を有している。溝部17は、例えば、配線24および外部接続端子34の平面形状に対応した平面形状を有している。
溝部15,16,17の深さ(Z軸方向の大きさ)は、配線20,22,24および外部接続端子30,32,34の厚み(Z軸方向の大きさ)よりも大きい。これにより、配線20,22,24および外部接続端子30,32,34が、第1面11よりも上方(+Z方向)に突出することを防止することができる。
配線20は、溝部15内に設けられている。より具体的には、配線20は、溝部15の底面を規定する基体10の面に設けられている。配線20は、機能素子80と外部接続端子30とを電気的に接続している。図示の例では、配線20は、溝部15内に設けられたコンタクト部40を介して、機能素子80の固定部81に接続されている。
配線22は、溝部16内に設けられている。より具体的には、配線22は、溝部16の底面を規定する基体10の面に設けられている。配線22は、機能素子80と外部接続端子32とを電気的に接続している。図示の例では、配線22は、コンタクト部42を介して、機能素子80の固定電極部88に接続されている。
配線24は、溝部17内に設けられている。より具体的には、配線24は、溝部17の底面を規定する基体10の面に設けられている。配線24は、機能素子80と外部接続端子34とを電気的に接続している。図示の例では、配線24は、コンタクト部44を介して、機能素子80の固定電極部89に接続されている。
外部接続端子30は、基体10の第1面11側に設けられている。図2に示す例では、外部接続端子30は、溝部15内であって配線20上に設けられている。外部接続端子30は、キャビティー56の外側に配置されている。すなわち、外部接続端子30は、蓋体50と重ならない位置に設けられている。
同様に、外部接続端子32,34は、基体10の第1面11側に設けられている。例えば、外部接続端子32は、溝部16内であって配線22上に設けられ、外部接続端子34は、溝部17内であって配線24上に設けられている。外部接続端子32,34は、キャビティー56の外側に配置されている。図1に示す例では、外部接続端子30,32,34は、Y軸に沿って並んで配置されている。
配線20,22,24および外部接続端子30,32,34の材質は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、アルミニウム、金、白金、チタン、タングステン、クロム、等である。コンタクト部40,42,44の材質は、例えば、金、銅、アルミニウム、白金、チタン、タングステン、クロム、等である。配線20,22,24および外部接続端子30,32,34の材質がITO等の透明電極材料であると、基体10が透明である場合に、例えば、配線20,22,24上や外部接続端子30,32,34上に存在する異物を、基体10の第2面12側から容易に視認することができる。
なお、上記では、一例として、3つの配線20,22,24および3つの外部接続端子30,32,34を備える電子デバイス100について説明したが、配線および外部接続端子の数は、機能素子80の形状や数によって適宜変更することができる。
第3基体としての蓋体50は、基体10の第1面11が除去されて露出した接合面13上に載置されている。蓋体50は、第3面51と、第3面51と反対側の第4面52と、を有している。第4面52は、基体10(接合面13)と接合される部分である外周縁部54を含むことができる。第4面52には、キャビティー56を形成する凹部56aが設けられ、これにより、蓋体50は、機能素子80を内包するキャビティー56を規定する第5面53を有することができる。
第3基体としての蓋体50は、図2に示すように、配線20が溝部15内に設けられていることにより、配線20と離間して配置されている。より具体的には、蓋体50の第4面52は、配線20と空隙を介して対向配置された部分を含んでいる。同様に、第4面52は、配線22,24と空隙を介して対向配置された部分を含んでいてもよい。
蓋体50の材質は、例えば、シリコン、ガラスなどを適用することができる。蓋体50と基体10との接合方法は、例えば、第1基体としての基体10の材質がアルカリ金属イオンを有するガラスであり、第3基体としての蓋体50の材質がシリコンである場合に、陽極接合法を適用することができる。本実施形態においては、2回目の陽極接合(後述する第3工程)によって基体10と蓋体50とが接合されている。これにより、機能素子80を内包する蓋体50の陽極接合において、より安定した接合強度を得ることができる。
基体10および蓋体50は、パッケージを構成することができる。基体10および蓋体50は、キャビティー56を形成することができ、キャビティー56に機能素子80を収容することができる。キャビティー56は、例えば、不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気や減圧状態で密閉されている。
貫通孔58は、蓋体50の第3面51から第5面53まで設けられ、蓋体50をZ軸方向に貫通している。貫通孔58は、キャビティー56と連通している。貫通孔58は、例えば、基体10側に向かうにつれて(第3面51から第5面53に向かうにつれて)、開口径が小さくなるテーパー形状が好ましい。このような形態では、半田ボール(後述)溶融時に半田ボールの落下を防止することができる。また、キャビティー56側に向かうにつれて開口面積が狭くなっていく構造のため、より確実に封止することができる。
封止部材70は、貫通孔58内に設けられ、貫通孔58を塞いでいる。封止部材70によって、キャビティー56は、密閉されている。封止部材70の材質は、例えば、AuGe、AuSi、AuSn、SnPb、PbAg、SnAgCu、SnZnBiなどの合金である。
このような貫通孔58および貫通孔58を塞ぐ封止部材70が設けられていることにより、貫通孔58を通して、キャビティー56を、不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気とすることができる。また、貫通孔58を通して、キャビティー56の真空度を調整することができる。
第2基体としての機能素子80は、基体10の第1面11に(基体10上に)支持されている。機能素子80は、基体10および蓋体50によって囲まれるキャビティー56に収容されている。以下では、機能素子80が、水平方向(X軸方向)の加速度を検出する加速度センサー素子(静電容量型MEMS加速度センサー素子)である場合について説明する。
第2基体としての機能素子80は、図1および図2に示すように、固定部81,82と、連結部84,85と、可動部86と、可動電極部87と、固定電極部88,89と、を含むことができる。
可動部86は、X軸方向の加速度の変化に応じて、連結部84,85を弾性変形させながら、X軸方向(+X方向または−X方向)に変位する。このような変位に伴って、可動電極部87と固定電極部88との間の隙間、および可動電極部87と固定電極部89との間の隙間の大きさが変化する。すなわち、このような変位に伴って、可動電極部87と固定電極部88との間の静電容量、および可動電極部87と固定電極部89との間の静電容量の大きさが変化する。これらの静電容量の変化に基づいて、機能素子80は(電子デバイス100は)、X軸方向の加速度を検出することができる。
固定部81,82は、基体10の第1面11に接合されている。図示の例では、固定部81,82は、図中Z軸方向から見た平面視において、凹部14の外周縁を跨ぐように設けられている。
可動部86は、固定部81と固定部82との間に設けられている。図1に示す例では、可動部86の平面形状は、X軸に沿った長辺を有する長方形である。
連結部84,85は、可動部86を固定部81,82に連結している。連結部84,85は、所望のばね定数を持ち、X軸方向に可動部86を変位し得るように構成されている。図1に示す例では、連結部84は、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に延びる形状をなす2つの梁84a,84bによって構成されている。同様に、連結部85は、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に延びる形状をなす2つの梁85a,85bによって構成されている。
可動電極部87は、可動部86に接続されている。可動電極部87は、複数設けられている。可動電極部87は、可動部86から+Y方向および−Y方向に突出し、櫛歯状をなすようにX軸方向に並んでいる。
固定電極部88,89は、一方の端部が固定端として基体10の第1面11に接合され、他方の端部が自由端として可動部86側へ延出している。固定電極部88,89の各々は、複数設けられている。固定電極部88は、配線22と電気的に接続され、固定電極部89は、配線24と電気的に接続されている。固定電極部88,89は、櫛歯状をなすようにX軸方向に交互に並んでいる。固定電極部88,89は、可動電極部87に対して間隔を隔てて対向して設けられ、可動電極部87の一方側(−X方向側)に固定電極部88が配置され、他方側(+X方向側)に固定電極部89が配置されている。
固定部81,82、連結部84,85、可動部86,および可動電極部87は、一体的に形成されている。機能素子80の材質は、例えば、リン、ボロン等の不純物がドープされることにより導電性が付与されたシリコンである。
機能素子80(固定部81,82および固定電極部88,89)と基体10との接合方法は、例えば、基体10の材質がアルカリ金属イオンを有するガラスであり、機能素子80の材質がシリコンである場合は、陽極接合法を適用することができる。本実施形態においては、1回目の陽極接合(後述する第1工程)によって基体10と機能素子80とが接合されている。
電子デバイス100では、外部接続端子30,32を用いることにより、可動電極部87と固定電極部88との間の静電容量を測定することができる。さらに、電子デバイス100では、外部接続端子30,34を用いることにより、可動電極部87と固定電極部89との間の静電容量を測定することができる。このように電子デバイス100では、可動電極部87と固定電極部88との間の静電容量、および可動電極部87と固定電極部89との間の静電容量を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて、高精度に物理量(加速度)を検出することができる。
なお、上記では、機能素子80が、X軸方向の加速度を検出する加速度センサー素子である場合について説明したが、機能素子80は、Y軸方向の加速度を検出する加速度センサー素子であってもよいし、鉛直方向(Z軸方向)の加速度を検出する加速度センサー素子でもあってもよい。また、電子デバイス100には、このような機能素子80が複数搭載されていてもよい。また、機能素子80は、加速度センサー素子に限定されず、例えば、角速度を検出するジャイロセンサー素子や、圧力センサー素子であってもよい。
電子デバイス100によれば、第1基体としての基体10には、第2基体としての機能素子80および第3基体としての蓋体50が陽極接合されている。蓋体50を基体10に陽極接合することにより、蓋体50を基体10に強固に接合することができ、電子デバイス100の耐衝撃性を向上させることができる。さらに、例えば、ガラスフリット等の接着部材によって基体10と蓋体50とを接合させる場合には、接合時に接着部材が広がるため、接合しろとしてある程度の領域が必要となるが、陽極接合によれば、このような領域を小さくすることができ、電子デバイス100の小型化に寄与することができる。
2.電子デバイスの製造方法
次に、本実施形態に係る電子デバイスの製造方法について、図3、および図4Aないし図4Eを参照しながら説明する。なお、図4Aないし図4Eの各図における断面位置は、図2と同様である。また、電子デバイスの構成については、図1および図2も併せて参照しながら説明する。
図3に示すように、加速度センサーの製造方法は、第1基体としての基体10を用意する第1基体準備工程(ステップS102)と、1回目の陽極接合を含む第1工程(ステップS104)と、機能素子形成工程(ステップS106)と、基体10に接合面13を露出させる第2工程(ステップS108)と、2回目の陽極接合を含む第3工程(ステップS110)と、孔部封止工程(ステップS112)と、を含んでいる。
[第1基体準備工程(ステップS102)]
先ず、図4Aに示すように、第1基体としての基体10を用意する。この第1基体準備工程(ステップS102)では、基体10の第1面(一方面)11に、凹部14および溝部15,16,17を形成する。凹部14および溝部15,16,17は、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術により形成される。これにより、第1面11に凹部14および溝部15,16,17が設けられている基体10を用意することができる。基体10は、例えば、アルカリ金属イオンを有する、例えばホウ珪酸ガラス製である。
そして、溝部15,16,17内に、それぞれ配線20,22,24を形成する。次に、配線20上に(基体10の第1面11側に)、配線20と電気的に接続されるように、外部接続端子30およびコンタクト部40を形成する。同様に、配線22上に、配線22と電気的に接続されるように、外部接続端子32およびコンタクト部42を形成する(図1参照)。また、配線24上に、配線24と電気的に接続されるように、外部接続端子34およびコンタクト部44を形成する(図1参照)。
配線20,22,24は、例えば、導電層(図示せず)を、スパッタ法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって成膜した後、該導電層を、パターニングすることにより形成される。パターニングは、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によって行われる。外部接続端子30,32,34およびコンタクト部40,42,44は、例えば、配線20,22,24と同じ方法で形成される。
以上の工程により、凹部14、配線20,22,24、外部接続端子30,32,34、およびコンタクト部40,42,44などが設けられている基体10を用意することができる。
[第1工程(ステップS104)]、[機能素子形成工程(ステップS106)]
次に、配線20,22,24と電気的に接続されるように、基体10の第1面11に機能素子80を形成する。より具体的には、機能素子80は、シリコン基板8を、図中Z軸方向から見た平面視において、凹部14と重なるように基体10の第1面11に載置して陽極接合(第1工程(ステップS104))し、該シリコン基板を薄膜化させた後にパターニングすることにより形成される(機能素子形成工程(ステップS106))。
(第1工程(ステップS104))
以下、第1工程(ステップS104)について、より具体的に説明する。第1工程(ステップS104)では、図4Aに示すように、基体10の第1面(一方面)11に機能素子80として形成されるシリコン基板8を矢印P方向から載置し、陽極接合装置(不図示)を用いて陽極接合(1回目の陽極接合)する。具体的には、基体10の第2面12を陽極接合装置(不図示)の下電極に固定し、陽極接合装置(不図示)の上電極によりシリコン基板8の上面を矢印F1の方向に加圧(加熱)しながら電圧を印加することによって陽極接合することができる。
この1回目の陽極接合の条件としては、例えば300℃程度の加熱を行いながら、800Vから1kV程度の直流電圧を印加することが好ましい。なお、陽極接合における加熱温度は、290℃から500℃程度の範囲を適用することができる。この陽極接合により、基体10中に存在するアルカリ金属イオンは、シリコン基板8との接合部分に移動してしまい、シリコン基板8との接合領域における基体10の第1面(一方面)11から所定の深さまでの間にアルカリ金属イオンが欠乏状態となっている空乏層18を生じる。
(機能素子形成工程(ステップS106))
以上のような第1工程(ステップS104)により、基体10に陽極接合されたシリコン基板8を、薄膜化された後にパターニングして、図4Bに示すように、機能素子80を形成する。パターニングは、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によって行われる。
[第2工程(ステップS108)]
次に、図4Cに示すように、第2工程(ステップS108)として、基体10と蓋体50とが陽極接合される基体10の一面(第1面11側の空乏層18)を除去し、接合面13を露出する。より具体的には、基体10に接合されている機能素子80を含む基体10の全面を覆うエッチング保護膜(不図示)を成膜し、成膜したエッチング保護膜を、接合面13の露出形状にパターニングし、マスクを形成する。本例では、接合面13を、機能素子80の接続されている領域を除く基体10の第1面11としているため、エッチング保護膜(マスク)は、機能素子80を覆うように設けられる。なお、このエッチング保護膜は、シリコンの表面を熱酸化させて形成するSiO2などの酸化膜を用いることもできる。そして、SF6(六フッ化硫黄)ガスなどのエッチングガスを用いたドライエッチングにより、基体10の第1面11(空乏層18の表面18a)を所定の深さDまで除去し、露出している面である接合面13を形成する。この接合面13は、次の第3工程(ステップS110)において、蓋体50が接合される接合面となる。
このように、第2工程(ステップS108)において、ドライエッチングを用いて基体10の一面(第1面11側の空乏層18)を除去することにより、基体10を一方方向に除去することができ、微細な領域を微細な深さで、精度よく除去加工(エッチング加工)することができる。
ここで、1回目の陽極接合(第1工程(ステップS104))によって、基体10(第1面11)中のアルカリ金属イオンが移動し、2回目の陽極接合に必要なアルカリ金属イオンが欠乏状態となっている空乏層18について、図5を参照して説明する。図5は、基体10中のアルカリ金属イオン濃度と深さとの相関を示すグラフであり、縦軸はアルカリ金属イオンとしてのNaの検出強度(濃度に比例)を示し、横軸に基体10の表面(第1面11)からの深さを示している。また、図5のグラフでは、陽極接合されていない基体10(例えばホウ珪酸ガラス)の通常のNa強度(濃度)レベルを、通常レベルA(図5中の一点鎖線)としている。また、ホウ珪酸ガラスウェハー面の中央付近で、陽極接合されて、Na強度(濃度)の低下したレベルを、低下レベルB1(点線)としている。また、ホウ珪酸ガラスウェハー面の外周付近で、陽極接合されて、Na強度(濃度)の低下したレベルを、低下レベルB2(図5中の実線)としている。
図5に示されているように、基体10(例えばホウ珪酸ガラス)のNa強度(濃度)レベルは、陽極接合されることにより、図中矢印Cで示されているように、通常レベルAから低下レベルB1,B2まで低下する。低下レベルB1,B2は、ガラスウェハーの測定箇所によってばらつきはあるが、基体10(例えばホウ珪酸ガラス)の表面(第1面11)から550nmから650nm程度の深さまで現存している。そして、Na強度(濃度)レベルは、低下レベルB1,B2の現存する550nmより深くなるにつれて急激に通常レベルAに近づき、825nm程度で略通常レベルAと同等の状態となる。換言すれば、基体10(例えばホウ珪酸ガラス)の表面(第1面11)から825nm程度までの深さの領域では、1回目の陽極接合によるアルカリ金属イオン(Na+イオン)の移動の影響を受けている。
したがって、アルカリ金属イオン(Na+イオン)の移動による影響を受けている深さまで基体10の少なくとも一部を除去し、露出した面である接合面13を形成することによって、2回目の陽極接合における、アルカリ金属イオン(Na+イオン)の減少による接合強度の低下などを抑制することができる。具体的には、基体10の第1面11(空乏層18の表面18a)から接合面13までの深さDは、550nm以上1000nm以下とすることが好ましい。換言すれば、第2工程における、基体10の第1面11の除去深さを550nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
このように、基体10の第1面11を除去する深さを設定することにより、後述の第3工程(ステップS110)における基体10と蓋体50との陽極接合(2回目の陽極接合)の接合強度を向上させることができ、安定的に接合することができる。
また、基体10の第1面11(空乏層18の表面18a)から接合面13までの深さDは、650nm以上1000nm以下とすることがさらに好ましい。このような深さDとすることにより、後述の第3工程(ステップS110)における基体10と蓋体50との陽極接合(2回目の陽極接合)の接合強度を、さらに向上させることができる。
また、基体10の第1面11(空乏層18の表面18a)から接合面13までの深さDは、825nm以上1000nm以下とすることがさらに好ましい。このような深さDとすることにより、例えばエッチングの深さ精度などのばらつきも吸収することができ、第3工程(ステップS110)における基体10と蓋体50との陽極接合を十分な接合強度によって、さらに安定的に接合することができる。
[第3工程(ステップS110)]
次に、第3工程(ステップS110)として、基体10と蓋体50とを陽極接合(2回目の陽極接合)する。先ず、陽極接合に先立ち、第4面52に、キャビティー56となる凹部が形成され、第3面51から第5面53まで貫通する貫通孔58が形成された蓋体50(図4D参照)を用意する。蓋体50は、フォトリソ技術、ドライエッチングおよびウェットエッチングなどのエッチング技術などを用いて形成することができる。なお、蓋体50は、例えば、(100)面の結晶方位性を持ったシリコン製であり、蓋体50の第3面51が、(100)面に沿っていることが好ましい。
図4Dに示すように、第3工程(ステップS110)では、基体10の第1面(一方面)11に陽極接合されている機能素子80をキャビティー56内に収納し、基体10の接合面13上に載置された蓋体50を、陽極接合(2回目の陽極接合)によって、基体10に接合する。この2回目の陽極接合では、前述の第2工程(ステップS108)において、アルカリ金属イオンの空乏層18(図4C参照)が除去された基体10の接合面13に蓋体50が接合されるため、十分な接合強度によって安定的に接合することができる。
また、アルカリ金属イオンの空乏層18(図4C参照)が除去され、通常のレベルのアルカリ金属イオンが存在しているため、2回目の陽極接合の条件(加熱条件など)を、1回目の陽極接合と同等とすることができる。2回目の陽極接合の条件は、例えば300℃程度の加熱を行いながら、800Vから1kV程度の直流電圧を印加することが可能となる。
上述と違い、アルカリ金属イオンの空乏層18が残っている場合の陽極接合(2回目の陽極接合)では、十分な接合強度を得るために、加熱条件や印加電圧などの条件をより高めに設定することが必要となる。しかしながら、例えば加熱温度を高めると、基体10および蓋体50の熱膨張率の違いによる接合応力が大きくなり、接合状態の劣化、即ち接合強度の低下が生じる虞がある。
具体的に、図6を参照して説明する。図6のグラフは、基体10を構成するホウ珪酸ガラスおよび蓋体50(機能素子80)を構成するシリコンの熱膨張の変化を示している。図6のグラフでは、縦軸に熱膨張率(ΔL/L)を示し、横軸に温度(℃)を示している。例えば、図6のグラフに示すように、実線で示す基体10を構成するホウ珪酸ガラスの熱膨張率と、破線(点線)で示す蓋体50(機能素子80)を構成するシリコンの熱膨張率とは、陽極接合の可能温度範囲Qの下限温度の290℃に付近から温度が上がるに連れて差が広がっている。したがって、陽極接合の加熱温度を高めることにより、基体10の熱膨張率と、蓋体50(機能素子80)の熱膨張率との差が大きくなり、陽極接合の際の応力発生が大きくなる。また、陽極接合の加熱温度が低すぎても十分な接合強度を得ることが困難である。これらから、陽極接合温度は、200℃から390℃の範囲であることが好ましい。
このように、2回目の陽極接合においても、その陽極接合領域におけるアルカリ金属イオンが十分に存在するため、加熱温度を高めることなく、換言すれば、1回目の陽極接合と略同じ温度で2回目の陽極接合を行うことができる。これにより、高い加熱温度を掛けた際に生じる基体10と、蓋体50(機能素子80)との熱膨張率の違いによる、蓋体50(機能素子80)の反りを抑制することが可能となり、接合部分に生じる応力を減少させることができ、接合の安定化を図ることができる。
[封止工程(ステップS112)]
次に、図4Eを参照して封止工程(ステップS112)について説明する。封止工程(ステップS112)では、貫通孔58を塞ぐことによってキャビティー56を密封するが、これに先立ち、貫通孔58によって、キャビティー56の雰囲気を調整する。例えば、貫通孔58を通して、キャビティー56を不活性ガス(窒素ガス)雰囲気にしてもよいし、減圧状態にしてもよい。
そして、図4Eに示すように、貫通孔58内に封止部材70を形成し、貫通孔58を塞ぐ。より具体的には、封止部材70は、貫通孔58内に球状の半田ボール(図示せず)を配置し、該半田ボールをレーザー光Lの照射によって溶融させることにより形成される。封止部材70によって、キャビティー56を密閉することができる。
なお、封止部材70を減圧した状態で形成することにより、貫通孔58を通してキャビティー56を減圧状態にする工程を、省略することができる。すなわち、貫通孔58を設けなくてもよい。これにより、工程の簡略化を図ることができる。例えば、機能素子80がジャイロセンサー素子である場合、キャビティー56は、減圧状態であることが望ましい。これにより、ジャイロセンサー素子の振動現象が空気粘性によって減衰することを抑制できる。
以上の工程により、電子デバイス100を製造することができる。
上述の電子デバイス100の製造方法によれば、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン(Na+)を有する基体10の第1面(一方面)11に、第1工程(ステップS104)にて機能素子80が陽極接合(1回目)された後の第2工程(ステップS108)で、蓋体50が陽極接合される少なくとも一部の領域である基体10の第1面(一方面)11を除去し、基体10の第1面11側に露出する接合面13を露出させる。このように、蓋体50が陽極接合される基体10の第1面(一方面)11を除去することにより、1回目の陽極接合によって基体10中のアルカリ金属イオンが移動し、2回目の陽極接合に必要なアルカリ金属イオンが欠乏状態となっている空乏層18を形成する第1面(一方面)11を含む部分の少なくとも一部が除去され、アルカリ金属イオンの残存する領域が露出する接合面13を出現させることができる。また、蓋体50が陽極接合される領域よりも広い面積で基体10の第1面(一方面)11を除去し、基体10の第1面11側に露出する接合面13を露出してもよい。このようにすることで、基体10と蓋体50との接合面のアライメントがずれても十分な接合強度を得ることができる。そして、第3工程(ステップS110)において、アルカリ金属イオンの残存する接合面13に蓋体50を陽極接合することによって、基体10と蓋体50とを十分な接合強度によって安定的に接合することが可能となる。
また、第2工程(ステップS108)における、基体10の第1面(一方面)11の除去に、ドライエッチング法が用いられていることにより、基体10の第1面(一方面)11を一つの方向(一方方向)に直進的に除去することができることから、微細な領域を微細な深さで、精度よく除去加工(エッチング加工)を行うことができる。
なお、前述の実施形態では、第1接合工程、および第2接合工程の2回の陽極接合を用いる方法で説明したが、本発明に係る電子デバイスの製造方法は、複数回の陽極接合を行う製造方法に適用可能であり、2回を超える(3回以上)の陽極接合を行う場合についても適用することができる。
8…シリコン基板、10…第1基体としての基体、11…第1面(一方面)、12…第2面、13…接合面、15,16,17…溝部、18…空乏層、20,22,24…配線、30,32,34…外部接続端子、40,42,44…コンタクト部、50…第3基体としての蓋体、51…第3面、52…第4面、53…第5面、54…外周縁部、56…キャビティー、58…貫通孔、70…封止部材、80…第2基体としての機能素子、100…電子デバイス。

Claims (8)

  1. アルカリ金属イオンを有する第1基体の第1面と、シリコンを含む第2基体とを陽極接合する第1工程と、
    前記第1工程の後、前記第1基体と、シリコンを含む第3基体とが陽極接合される前記第1基体の前記第1面の少なくとも一部を除去し、接合面を露出させる第2工程と、
    前記第1基体の前記接合面と前記第3基体とを陽極接合する第3工程と、
    を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  2. 前記第2工程は、ドライエッチング法を用いることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  3. 前記第2工程は、前記第1面から550nm以上1000nm以下の深さを除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記第2工程は、前記第1面から650nm以上1000nm以下の深さを除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 前記第2工程は、前記第1面から825nm以上1000nm以下の深さを除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記第1工程および前記第工程では、略同じ加熱温度を用いて陽極接合を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  7. 前記第3基体は、前記第2基体を内包する蓋体であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  8. 前記第1工程および前記第3工程の少なくとも一方の工程では、陽極接合の温度は、200℃以上390℃以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
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