JP6569341B2 - 2−ハロアセト酢酸アミドの製造方法 - Google Patents
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[1] 式(1)
で表される化合物(以下、化合物(1)とも記す)を、溶媒中、ハロゲン化剤を用いてハロゲン化することによる、式(2)
(式中、Xはハロゲン原子を表す)で表される化合物(以下、化合物(2)とも記す)の製造方法。
本発明において、ハロゲン原子とは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。
化合物(2)は、化合物(1)を溶媒中、ハロゲン化剤を用いてハロゲン化することにより得られる。
ハロゲン化剤としては、塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸−t−ブチル、クロロメチルメチルエーテル、p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム、塩化チオニル、塩化スルフリル、N−クロロアセトアミド、N−クロロコハク酸イミド、N−クロロフタルイミド、N−クロロカプロラクタム、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、2,4,6−トリクロロ1,3,5−トリアジン、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸、1−クロロベンゾトリアゾール、臭素、次亜臭素酸、臭化チオニル、N−ブロモアセトアミド、N−ブロモコハク酸イミド、N−ブロモフタルイミド、N−ブロモカプロラクタム、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ジブロモイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、1−ブロモベンゾトリアゾール、ヨウ素、一塩化ヨウ素、N−ヨードコハク酸イミド、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン等が挙げられる。
ハロゲン化剤の使用量は、有効ハロゲン原子として、通常、化合物(1)の0.8〜5.0モル倍であり、好ましくは0.9〜2.0モル倍である。有効ハロゲン原子とは、ハロゲン化に寄与する酸化状態にあるハロゲン原子であり、例えば、塩素分子は有効ハロゲン原子数1であり、窒素原子に結合する三つの塩素原子を有するトリクロロイソシアヌル酸は、有効ハロゲン原子数が3である。
反応は亜塩素酸、亜臭素酸、亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過塩素酸、過臭素酸、過ヨウ素酸、過酸過水素等の酸化剤または、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸ナトリウム等の塩基の存在下に実施することもできる。
反応は溶媒中で行われる。
溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル等のエーテル類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;水およびこれらの混合溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は、通常、化合物(1)の1.0〜20重量倍であり、好ましくは3〜10重量倍である。
化合物(1)、溶媒およびハロゲン化剤を混合する順序としては、化合物(1)と溶媒との混合物にハロゲン化剤を加える方法、ハロゲン化剤と溶媒との混合物に化合物(1)を加える方法が挙げられる。
反応温度は通常、−5〜60℃であり、好ましくは0〜30℃である。
反応時間は通常、0.5〜5時間である。
反応終了後、必要に応じて反応混合物を希釈し、不溶物を濾過により取り除いた後、濃縮することにより、化合物(2)を単離することができる。また単離した化合物(2)を再結晶、クロマトグラフィーによりさらに精製することもできる。
化合物(1)は、アセト酢酸エステル類とアンモニアを反応させることにより製造することができる(たとえばTetrahedron Letters,1993,34(38),6141−6142)
反応は炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ナトリウムメトキシド等の無機塩基、リパーゼ等の加水分解酵素、ランタントリフラート、インジウムトリフラート、塩化チタン等のルイス酸触媒、または、パラジウム炭素、塩化パラジウム等の遷移金属触媒の存在下に実施することもできる。
アセト酢酸アミド1.0g、硫酸水素ナトリウム0.3gおよびテトラヒドロフラン20.0gの混合物に、0℃でトリクロロイソシアヌル酸0.8gを加え、同温度で1時間撹拌した。不溶物を濾過により反応混合物から除去した後、ろ液を濃縮することにより、2−クロロアセト酢酸アミドを1.0g(含量91.0wt%)得た。
アセト酢酸アミド7.0gおよびt−ブチルメチルエーテル34.6gの混合物に、0℃でトリクロロイソシアヌル酸5.3g(アセト酢酸アミドに対して0.3モル倍)
を1時間かけて加え、同温度で1時間撹拌した。不溶物を濾過により反応混合物から除去した後、ろ液を濃縮することにより、2−クロロアセト酢酸アミドを8.5g(含量74.9wt%)得た。
アセト酢酸アミド0.3gおよび[表1]記載の溶媒1.5gの混合物に、0℃でトリクロロイソシアヌル酸0.2gを1時間かけて加え、同温度で1時間撹拌した。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。2−クロロアセト酢酸アミド、2,2−ジクロロアセト酢酸アミドおよびアセト酢酸アミドの面積百分率は[表1]に記載のとおりである。
アセト酢酸アミド0.3gおよび[群I]から選ばれる溶媒1.5gの混合物に、20℃でトリクロロイソシアヌル酸0.2gを1時間かけて加え、同温度で1時間撹拌することで2−クロロアセト酢酸アミドを得る。
[群I]
ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、キシレン、クロロホルム
反応温度を20℃にして、実施例4−1に記載の方法と同様に反応を行い、2−クロロアセト酢酸アミドを得る。
アセト酢酸アミド5.0g、硫酸水素ナトリウム1.5gおよびテトラヒドロフラン100gの混合物に、0℃でN−クロロコハク酸イミド6.6gを加え、同温度で1時間撹拌した。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、アセト酢酸アミド、2−クロロアセト酢酸アミドおよび2,2−ジクロロアセト酢酸アミドが得られた。
アセト酢酸アミド1.0gおよびアセトニトリル5.0gの混合物に、0℃で塩素300mlを1時間かけて供給し、同温度で1時間撹拌した。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アセト酢酸アミド、2−クロロアセト酢酸アミドおよび2,2−ジクロロアセト酢酸アミドが得られた。
アセト酢酸アミド1.0g、炭酸水素ナトリウム0.9gおよびテトラヒドロフラン5.0gの混合物に、0℃で塩素300mlを1時間かけて供給し、同温度で1時間撹拌した。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アセト酢酸アミド、2−クロロアセト酢酸アミドおよび2,2−ジクロロアセト酢酸アミドが得られた。
アセト酢酸アミド5.1gおよびメタノール10.3gの混合物を0℃に冷却し、臭素9.2gを1時間かけて滴下し、同温度で1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水40mlを加え、t−ブチルメチルエーテル180ml、および酢酸エチル100mlを用いて各々抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物にトルエン20mlを加えさらに濃縮を行うことで、2−ブロモアセト酢酸アミドの結晶8.48g(含量74.3wt%)を得た。
アセト酢酸アミド5.1g、炭酸ナトリウム5.3gおよびメタノール10.1gの混合物を0℃に冷却し、臭素8.8gを1時間かけて滴下し、同温度で1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水20mL、t−ブチルメチルエーテル30mLを加え、分液した。次いで水層に不溶物が消失するまで水を加え、酢酸エチル50mLで2回抽出した。さらに水層に10%塩酸を加えてpHを3とし、酢酸エチル50mLで抽出した。全ての有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのちに濃縮した。濃縮物にトルエン10mlを加えさらに濃縮を行うことで、2−ブロモアセト酢酸アミドの結晶6.45g(含量74.9wt%)を得た。
アセト酢酸アミド5.1g、アセトニトリル10.1gの混合物を0℃に冷却し、臭素9.0gを1時間かけて滴下し、同温度で5.0時間撹拌した後、15%炭酸ナトリウム水溶液41gを加え、次いで溶液が均一になるまで水を加えた後、酢酸エチル50mLで3回抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮、トルエン共沸による脱水、乾燥させることで、4.90gの黄色固体を得た。該生成物を1H−NMRにより分析することで、2−ブロモアセト酢酸アミドの生成を確認した。
実施例2において、トリクロロイソシアヌル酸の代わりに下記[群II]から選ばれるハロゲン化剤を、アセト酢酸アミドに対して1/nモル倍(nは、ハロゲン化剤が有する有効ハロゲン原子数を表す)用いて、実施例2に記載の方法と同様にして反応を行い、2−ハロアセト酢酸アミドを得る。
[群II]
塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸−t−ブチル、クロロメチルメチルエーテル、p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム、塩化チオニル、塩化スルフリル、N−クロロアセトアミド、N−クロロフタルイミド、N−クロロカプロラクタム、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、2,4,6−トリクロロ1,3,5−トリアジン、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、1−クロロベンゾトリアゾール、臭素、次亜臭素酸、臭化チオニル、N−ブロモアセトアミド、N−ブロモコハク酸イミド、N−ブロモフタルイミド、N−ブロモカプロラクタム、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ジブロモイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、1−ブロモベンゾトリアゾール、ヨウ素、塩化ヨウ素、N−ヨードコハク酸イミド、および1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントインからなる群。
2−クロロアセト酢酸メチル0.1gおよび水0.4gの混合物に、常温で28wt%アンモニア水0.1gを加え、3時間撹拌した。そこへ2mol%塩酸0.7gを加え、常温で2時間撹拌することで反応混合物0.13gを得た。該反応混合物をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、2−クロロアセト酢酸アミドが得られた。
2−クロロアセト酢酸メチル3.0gおよび、2mol%アンモニア−メタノール溶液21.2gの混合物を、耐圧密閉容器中で、常温で8時間撹拌した。次いで60℃に昇温し、さらに8時間撹拌した。そこへ2mol%塩酸20.0gを加え、3時間撹拌することで反応混合物44.0gを得た。該反応混合物をガスクロマトグラフィにより分析したところ、2−クロロアセト酢酸アミドが得られた。
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