JP6565510B2 - 光学部材、表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学部材及び表示装置に関する。
ヘッドアップディスプレイ(以下、「HUD」ともいう)は、例えば、自動車等の乗り物のインストルメントパネル内に配置された映像源からフロントウィンドウに映像光を投影し、運転者に対して各種の情報を表示する映像表示システムである。従来、自動車等の乗り物のフロントウィンドウとしては、一対のガラス基板の間に飛散防止用の中間層を挟み込んだ合わせガラスが使用されており、この合わせガラスをHUDに適用すると、映像光が光の屈折により二重に見えてしまう場合がある。そこで、この光の屈折を抑制するために、中間層の断面を楔形状とした合わせガラスが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、自動車等の乗り物のフロントウィンドウ(光学部材)は、車種毎に取り付け角度が相違する。そのため、中間層の断面を楔形状とした場合、その厚みや、楔角等は、乗り物への取り付け角度に応じて設計される必要がある。しかし、現状では、中間層の楔形状を取り付け角度に応じて設計することは困難であり、また、中間層の断面を設計通りの楔形状となるように製造することも困難である。
特許第2815693号公報
そのため、楔形状の中間層を使用する代わりに、斜面に反射層を形成した複数の単位光学形状(プリズム形状)を有する光学シートを一対のガラス基板間に配置する、すなわち、合わせガラスを、ガラス基板、中間層、光学シート、中間層、ガラス基板が順次積層された構成にすることが考えられる。しかし、この場合、光学シートを個別に製造し、その製造した光学シートを、中間層を介してガラス基板間に挟み込む必要があるため、合わせガラスの層構成が増えてしまい製造コストの増加の要因となったり、合わせガラスの製造効率が低下したりしてしまう場合があった。
本発明の課題は、製造コストを低くするとともに、製造効率を向上させることができる光学部材及び表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されない。
第1の発明は、外界の光を透過するとともに、映像源(2)から投射された映像光を観察者側に反射する光学部材(1)であって、板状の第1支持体(10)と、前記第1支持体の板面に沿って複数設けられ、板面に対して傾斜した第1傾斜面(21a)を有する単位光学形状部(20)と、前記第1支持体の前記単位光学形状部が設けられる側の面に配置される中間層(40)と、前記中間層の前記第1支持体とは反対側の面に設けられる板状の第2支持体(30)とを備え、前記第1傾斜面には、光を反射する反射層(22)が設けられていること、を特徴とする光学部材である。
第2の発明は、第1の発明の光学部材(1)において、前記単位光学形状部(20)は、前記第1支持体(10)とは相違する材料により形成されていること、を特徴とする光学部材である。
第3の発明は、第1の発明の光学部材(101)において、前記単位光学形状部(120)は、前記第1支持体(110)と同様の材料により形成されていること、を特徴とする光学部材である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの光学部材(1)と、前記光学部材に映像光を投影する映像源(2)と、を備える表示装置(100)である。
本発明によれば、製造コストを低くするとともに、製造効率を向上させることができる。
実施形態の表示装置を説明する図である。 実施形態のフロントウィンドウの構成を説明する図である。 単位光学形状部の製造方法を説明する図である。 フロントウィンドウの製造方法を説明する図である。 フロントウィンドウの製造過程において積層体に加える圧力及び温度と時間との関係を示す図である。 単位光学形状部の別な形態を示す図である。 フロントウィンドウの別な形態を示す図である。
以下、本発明に係る光学部材及び表示装置を、自動車のフロントウィンドウに搭載されるヘッドアップディスプレイ(HUD)に適用した実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
(実施形態)
図1は、実施形態の表示装置100を説明する図である。図1(a)は、表示装置100において、フロントウィンドウ1の厚み方向に平行であって、単位光学形状部20(後述)の配列方向に平行な断面における断面形状を示している。図1(b)は、表示装置100を自動車の車内側から見た模式図である。
なお、図1を含め以下の説明においては、理解を容易にするために、フロントウィンドウ1の左右方向(幅方向)をX方向、上下方向(高さ方向)をY方向、厚み方向をZ方向とする。また、フロントウィンドウ1を中心として、厚み方向(Z方向)の−Z側を観察者側(運転者側、表面側、車内側)とし、+Z側を背面側(裏面側、車外側)とする。
本実施形態では、光学部材を、自動車のフロントウィンドウ1として用いる例を示すが、これに限定されるものでなく、サイドウィンドウや、リアウィンドウ等に用いてもよく、また、自動車以外の乗り物等の窓等に用いるようにしてもよい。
図1に示すように、表示装置100は、フロントウィンドウ1と、映像源2と、投射光学系3とから構成される。表示装置100は、映像源2から投射された映像光を、フロントウィンドウ1を介して運転者(観察者)側に拡大投影する装置である。具体的には、表示装置100は、映像源2で結像された映像光を、投射光学系3を介してフロントウィンドウ1へ入射させ、フロントウィンドウ1の第1ガラス基板10に設けられた単位光学形状部20(後述)により、運転者の眼Eに向けて映像情報を反射させる。また、このフロントウィンドウ1は、外界(車外)からの光の一部を、フロントウィンドウ1の背面側から運転者側へ透過させ、映像光と車外から入射する光とを重ねて見せる、いわゆるシースルー機能を備える。
フロントウィンドウ1は、図1に示すように、不図示の自動車の車体(ボディ)の水平方向に対して所定の角度で傾斜した状態で取り付けられている。図1において、フロントウィンドウ1の+Z側が自動車の前方であり、フロントウィンドウ1の−Z側が自動車の後方(車内側)である。
映像源2は、映像光を表示するマイクロディスプレイであり、例えば、透過型の液晶表示デバイス、反射型の液晶表示デバイス、有機EL等により構成される。本実施形態では、映像源2は、自動車の速度や、エンジンの回転数等の情報に係る映像光を出射する。
投射光学系3は、映像源2に表示された映像光をフロントウィンドウ1に投射する複数のレンズ群から構成された光学系である。
映像源2及び投射光学系3は、一体型のプロジェクタとして構成され、フロントウィンドウ1の車内側(−Z側)の下方に設けられたインストルメントパネル(不図示)内において、運転者の正面に配置されている。
次に、フロントウィンドウ1の詳細な構成について説明する。
図2は、フロントウィンドウ1の構成を説明する図である。図2(a)は、フロントウィンドウ1の部分断面図である。図2(b)は、単位光学形状部20(後述)を背面側(+Z側)から観察した様子を示す図であり、単位光学形状部20の背面側に設けられた中間層40、第2ガラス基板30の図示は省略している。
フロントウィンドウ1は、図2(a)に示すように、観察者側(車内側、−Z側)から順に、第1ガラス基板(第1支持体)10、単位光学形状部20、中間層40、第2ガラス基板(第2支持体)30が積層されている。
第1ガラス基板10は、フロントウィンドウ1の最も車内側(−Z側)に配置された透明な部材である。第1ガラス基板10としては、例えば、ソーダライムガラス(青板ガラス)、硼珪酸ガラス(白板ガラス)、石英ガラス、ソーダガラス、カリガラス等を用いることができる。また、第1ガラス基板10の厚みは、2〜3mmの範囲とすることが好ましい。
単位光学形状部20は、第1ガラス基板10の背面側(+Z側)の面に沿うようにして設けられており、左右方向(X方向)に延在し、上下方向(Y方向)に複数配列されている。また、単位光学形状部20は、第1ガラス基板10の背面側に凸になるようにして、厚み方向(Z方向)に平行であって単位光学形状部20の配列方向(Y方向)に平行な断面(YZ面)における断面形状が、略三角形状に形成されている。
単位光学形状部20は、第1傾斜面21aと、第1傾斜面21aに対向する第2傾斜面21bとから構成されており、第1傾斜面21aが、単位光学形状部20の頂部tを挟んで第2傾斜面21bより上側(+Y側)に位置している。
本実施形態の単位光学形状部20は、図1(b)に示すように、第1ガラス基板10の背面側の面において、運転席に対向する領域にのみ設けられており、それ以外の領域には設けられていない。そのため、本実施形態のフロントウィンドウ1は、映像源11から出射した映像を運転者に対してのみ表示させることができる。これにより、本実施形態のフロントウィンドウ1は、映像の反射に寄与しない部分にまで単位光学形状部20が形成されてしまうのを回避することができ、車外から入射する景色等の光をより鮮明に車内側へ透過させることができる。また、単位光学形状部20のサイズをフロントウィンドウ1に対して必要最小限にすることができるため、フロントウィンドウ1の製造コストを低減することができる。
第1傾斜面21aは、映像源2から出射した映像光が直接入射する面であり、第1傾斜面21aの下側(−Y側)の端部が、上側(+Y側)の端部よりも、厚み方向(Z方向)において背面側(+Z側)に位置している。また、各単位光学形状部20の第1傾斜面21aの全面には、反射層22が形成されている。
第2傾斜面21bは、映像源2から出射した映像光が直接入射しない面であり、第2傾斜面21bの上側(+Y側)の端部が、下側(−Y側)の端部よりも、厚み方向(Z方向)において背面側(+Z側)に位置している。
単位光学形状部20において、第1傾斜面21aが第1ガラス基板10の背面側の面(XY面に平行な面)となす角度は、αである。また、第2傾斜面21bが第1ガラス基板10の背面側の面(XY面に平行な面)となす角度は、β(β>α)である。更に、単位光学形状部20の配列ピッチは、Pであり、単位光学形状部20の高さ(厚み方向における単位光学形状部20の頂部tから単位光学形状部20間の谷部vまでの寸法)は、hである。これらの角度、寸法は、フロントウィンドウ1を自動車に取り付けたときの傾斜角度、映像源2からの映像光の投射角度等に応じて適宜設定される。
単位光学形状部20は、光透過性を有する材料であって、第1ガラス基板10とは相違する材料により形成されており、例えば、紫外線硬化型樹脂や、SOG(スピンオングラス)材等を用いることができる。ここで、SOG材は、シロキサン結合を有する無機材料であり、主鎖骨格がSi−O結合からなり、分子間架橋によりシロキサン結合のネットワークが形成されたもの(シルセスキオキサン、ハイドロジェンシルセスキオキサン)や、ポリシラザンを使用することができる。また、紫外線硬化樹脂は、例えば、シリコン系樹脂(シロキサン骨格、カチオン系)や、エポキシ樹脂を使用することができる。
本実施形態の単位光学形状部20は、第1ガラス基板10に対する屈折率差が小さく、また、第1ガラス基板10への密着性が良好なSOG材により形成されている。これにより、フロントウィンドウ1を通過する光が、単位光学形状部20及び第1ガラス基板10間で屈折してしまうのを抑制することができる。
単位光学形状部20は、例えば、第1ガラス基板10の背面側の面に、SOG材を塗布し、単位光学形状部20に対応する凹凸形状を有した成形型を押圧させ、硬化及び離型させることによって形成される。
反射層22は、単位光学形状部20の第1傾斜面21a上に形成された層である。反射層22は、入射した光のうち、一部を反射し、その他を透過する透過型の反射層、いわゆるマジックミラーである。反射層22の反射率と透過率の割合は、適宜設定することができるが、映像光を良好に反射させるとともに、自動車の進行方向側から入射する光を十分に透過させて、観察者である運転者の視界を良好に保つ観点から、透過率が70%以上の範囲であることが望ましい。
反射層22は、光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成されている。本実施形態では反射層22は、アルミニウムを蒸着することにより形成されている。また、これに限らず、反射層22は、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜を含有した塗料を塗布したりする等により形成されてもよい。
第2ガラス基板30は、フロントウィンドウ1の最も背面側(+Z側)に配置された透明な部材である。第2ガラス基板30は、第1ガラス基板10と同様の材料により構成されており、例えば、ソーダライムガラス(青板ガラス)、硼珪酸ガラス(白板ガラス)、石英ガラス、ソーダガラス、カリガラス等を用いることができる。また、第2ガラス基板30の厚みは、2〜3mmの範囲とすることが好ましい。
中間層40は、第1ガラス基板10(単位光学形状部20)と第2ガラス基板30との間に配置された層であり、第1ガラス基板10及び第2ガラス基板30を接合している。中間層40は、フロントウィンドウ1の破損時に、第1ガラス基板10や、第2ガラス基板30の破片が飛散するのを防止するために設けられている。
中間層40としては、例えば、PVB(ポリビニルブチラール)を用いることができる。中間層40の厚みは、0.3〜0.8mmの範囲とすることが好ましい。また、中間層40の屈折率は、フロントウィンドウ1内における光の屈折を回避する観点から、各ガラス基板10、30と同等であることが望ましい。
本実施形態のフロントウィンドウ1において、中間層40は、フロントウィンドウ1の上端部(+Y方向の最上端部)から下端部(−Y方向の最下端部)までの範囲において層厚がほぼ均等となるように構成されている。すなわち、本実施形態のフロントウィンドウ1において、中間層40のYZ断面は、楔形状ではなく、フロントウィンドウ1の上端部から下端部までの範囲において層厚が均等な略矩形状となる。したがって、本実施形態のフロントウィンドウ1は、上述の特許文献1に記載されているように中間層の断面を楔形状とした従来の合わせガラスに比べて設計及び製造が容易となり、また、製造コストも低減することができる。
次に、本実施形態のフロントウィンドウ1に入射する映像光L及び車外から入射する光Gの動きについて説明する。
図1(a)に示すように、映像源2から投射された映像光Lは、投射光学系3を介して、フロントウィンドウ1の観察者側の面へ入射する。フロントウィンドウ1に入射した映像光の一部Lは、第1ガラス基板10を透過して単位光学形状部20に入射する。
そして、単位光学形状部20に入射した映像光Lの一部の光L1は、第1傾斜面21aに入射して、反射層22において観察者(運転者)側へ反射する。また、映像光Lの他の一部の光L2は、マジックミラー状に形成された反射層22を透過した後に、中間層40、第2ガラス基板30を更に透過して、フロントウィンドウ1の背面側(+Z側)の面から出射する。
更に、映像光Lの他の一部の光L3は、フロントウィンドウ1の第1ガラス基板10の表面で反射することとなるが、フロントウィンドウ1の斜め上側(+Y側)へ反射するため、そのほとんどが観察者の眼Eには届くことはない。
自動車の車外から入射する景色等の光Gは、図1(a)に示すように、フロントウィンドウ1の背面側(+Z側)の面から入射し、その一部の光G1は、反射層22を透過して観察者(運転者)側へと届く。また、別な一部の光G2は、第2傾斜面21bを通過して観察者(運転者)側へと届く。
更に、他の光G3は、反射層22において反射することとなるが、フロントウィンドウ1の斜め上側へ反射し、中間層40及び第2ガラス基板30を透過して、フロントウィンドウ1の背面側(+Z側)の面から出射する。
このように、本実施形態のフロントウィンドウ1は、反射層22により映像源11から出射された自動車の速度等の情報の映像を運転者側へ反射させるとともに、フロントウィンドウ1越しに見える車外の景色等の光を透過させることができる。これにより、自動車を運転する運転者は、前方(自動車の進行方向)から目を逸らせることなく、走行速度等の情報を確認することができ、安全に自動車を運転することができる。
次に、本実施形態の単位光学形状部20の形成方法について説明する。
図3は、単位光学形状部20の製造方法を説明する図である。図3(a)〜(d)は、単位光学形状部20が製造されるまでの過程を示す図である。
図3(a)に示すように、第1ガラス基板の背面側の面であって、運転席に対向する領域にSOG材をスピンコート法により塗布する。
それから、25℃の雰囲気下において、図3(b)に示すように、SOG材上に単位光学形状部20に対応する凹凸形状を有した成形型を載置して、約1kg/cmの押圧力をかけて、15分間放置させてSOG材を硬化させ、硬化した後に離型する。
これにより、図3(c)に示すように、第1ガラス基板10の背面側の面に単位光学形状部20が成形される。
最後に、図3(d)に示すように、成形された単位光学形状部20の第1傾斜面21a上にアルミニウム等の蒸着金属を所定の厚みで蒸着させて、第1傾斜面21a上に反射層22を形成する。以上により、第1ガラス基板10の背面側に、反射層22が設けられた単位光学形状部20が形成される。
なお、反射層22は、上述の蒸着による形成方法の他、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜を含有した塗料を塗布したりする等の方法により形成されるようにしてもよい。例えば、金属箔を転写する場合、単位光学形状部20の成形型に設けられた凹凸形状の第1傾斜面21aに対応する面に金属箔膜を形成しておき、単位光学形状部20の成形と同時に金属薄膜が第1傾斜面21a上に転写され、反射層22と単位光学形状部20とを同時に製造するようにしてもよい。
次に、フロントウィンドウ1の製造方法について説明する。
図4は、フロントウィンドウの製造方法を説明する図である。図4(a)及び図4(b)は、フロントウィンドウが製造されるまでの過程を示す図であり、図4(c)は、図4(a)の別な形態を示す図である。
図5は、フロントウィンドウの製造過程において積層体に加える圧力及び温度と時間との関係を示す図である。
まず、図4(a)に示すように、第1ガラス基板10の単位光学形状部20が形成された側の面上に、中間層40を構成するシート状のPVBフィルムを配置し、更にその上に第2ガラス基板30を積層して、第1ガラス基板10及び第2ガラス基板30を仮圧着する。
それから、第1ガラス基板10、中間層40、第2ガラス基板30が順に積層された積層体をオートクレーブ圧力釜内に配置して、所定の温度環境下において、所定の圧力をかけて、第1ガラス基板10及び第2ガラス基板30を中間層40により密着させる。ここで、積層体にかける温度及び圧力は、例えば、時間経過とともに変化させるようにしてもよい。例えば、図5に示すように、温度は、室温から60分かけて130度まで上昇させ、60分間130度を維持した後に、60分かけて40度まで下げる。また、圧力は、温度を上昇させるのと同時に、60分かけて1.27MPaまで圧力を上昇させ、60分間1.27MPaを維持した後、60分かけて圧力を0.1MPaまで下げる。これにより、第1ガラス基板10及び第2ガラス基板30とは、中間層40によって接合され、図4(b)に示すように、フロントウィンドウ1が完成する。
ここで、単位光学形状部20の高さhが、中間層40の層厚み対して非常に小さい(高さh/中間層の厚み≦0.1)場合、図4(a)に示すように、中間層40を構成するPVBフィルムを1枚使用することで、第1ガラス基板10に設けられた各単位光学形状部20間の空隙にも図4(b)に示すように中間層40が隙間なく形成される。
しかし、単位光学形状部20の高さhが、中間層40の層厚み対してある程度大きい(高さh/中間層の厚み>0.1)場合、第1ガラス基板10が単位光学形状部20間の空隙部にまで十分に行き渡らず、単位光学形状部20の近傍だけ第1ガラス基板10及び第2ガラス基板30の接合が、他の領域に比して弱くなってしまう可能性がある。そのため、このような場合、フロントウィンドウ1は、図4(c)に示すように、単位光学形状部20の高さhと略等しい厚みのPVBフィルムを、第1ガラス基板10及び第2ガラス基板30間の単位光学形状部20が形成されない領域に更に加えた上で製造される。これにより、中間層40を単位光学形状部20間の空隙に隙間なく形成することができ、第1ガラス基板及び第2ガラス基板を強固に密着させることができる。
以上より、本実施形態のフロントウィンドウ1は、第1支持体10の背面側(+Z側)の面に沿って単位光学形状部20が複数設けられ、その単位光学形状部20の第1傾斜面21aに反射層22が形成されている。そのため、本実施形態のフロントウィンドウ1は、上述の特許文献1に記載の楔形状の中間層を有したフロントウィンドウや、ガラス基板間にプリズムシートを挟み込む形態のフロントウィンドウに比して、製造コストを低減させるとともに、製造効率を向上させることができる。
また、本実施形態のフロントウィンドウ1は、単位光学形状部20がSOG材により形成され、第1ガラス基板10がソーダライムガラス等で形成されており、両者が互いに相違する材料により形成されている。これにより、フロントウィンドウ1は、第1ガラス基板10の背面側の面を直接加工等することなく、容易に単位光学形状部20を設けることができ、製造効率をより向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
図6は、単位光学形状部の別な形態を示す図である。図6の各図は、図2(a)に対応する断面図である。
図7は、フロントウィンドウの別な形態を示す図である。
(1)上述の実施形態において、単位光学形状部20は、第1ガラス基板10の背面側の面に設けられる例を示したが、これに限定されるものでない。
例えば、単位光学形状部20は、図6(a)に示すように、第2ガラス基板30の観察者側(−Z側)の面に設けられるようにしてもよい。この場合、反射層22が形成される第1傾斜面21aが、単位光学形状部20の頂部tを挟んで第2傾斜面21bより下側(−Y側)に位置するように形成される。また、第1傾斜面21aは、その下側(−Y側)の端部が、上側(+Y側)の端部よりも、厚み方向(Z方向)において背面側(+Z側)に位置するように形成される。更に、第2傾斜面21bは、その上側(+Y側)の端部が、下側(−Y側)の端部よりも、厚み方向(Z方向)において背面側(+Z側)に位置に形成される。
(2)上述の実施形態において、単位光学形状部20は、第1ガラス基板10と相違する材料により構成される例を示したが、これに限定されるものでない。
単位光学形状部20は、第1ガラス基板10と同様の材料により形成されるようにしてもよい。この場合、単位光学形状部20は、第1ガラス基板10を成形する成形型に単位光学形状部20に対応する凹凸形状を設け、第1ガラス基板10の成形時に同時に成形されるようにしたり、第1ガラス基板10の背面側の面をレーザ加工等することにより形成されるようにしたりすることができる。これにより、単位光学形状部20は、第1ガラス基板10と屈折率を同等にすることができ、フロントウィンドウ101内を通過する光の屈折を極力抑制することができる。
また、この場合、単位光学形状部20は、第1ガラス基板10の背面側の面から凸となる形態だけでなく、図6(b)に示すように、第1ガラス基板10の背面側の面から凹となる形態にしてもよい。
(3)上述の実施形態において、単位光学形状部20は、第1ガラス基板10の運転席に対応する領域にのみ設けられる例を示したが、これに限定されるものでない。
例えば、フロントウィンドウ1は、図7に示すように、単位光学形状部20が、第1ガラス基板10の下側(−Y側)の領域に設けられるようにしてもよい。これにより、フロントウィンドウ1は、運転席に座る運転者だけでなく、助手席に座る同乗者に対しても映像源から出射した映像を表示することができる。
また、単位光学形状部20は、第1ガラス基板10の全面に設けられるようにしてもよい。この場合、反射層22は、各単位光学形状部20の全ての第1傾斜面21aに設けられるようにしてもよく、また、一部の第1傾斜面21aにのみ設けられるようにしてもよい。
(4)上述の実施形態において、単位光学形状部20は、SOG材で形成される例を示したが、これに限定されるものでなく、光透過性を有した樹脂、例えば、紫外線硬化型樹脂等により形成されるようにしてもよい。
(5)上述の実施形態において、映像源2は、運転者の前方に設けられたインストルメントパネル内において、運転者の正面に配置される例を示したが、これに限定されるものでない。映像源は、運転者の正面以外、例えば、助手席側のインストルメントパネル内に配置され、映像光を斜め方向から出射するようにしてもよい。この場合、映像光を適正に運転者側へ反射させる観点から、単位光学形状部20の配列方向は、映像源から出射される映像光の進行方向に平行又は略平行な方向にするのが望ましい。
(6)上述の実施形態において、単位光学形状部20に設けられる反射層22がハーフミラー(マジックミラー)状の半透過型の反射層である例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、フロントウィンドウではなく、リアウィンドウ等として用いるのであれば、反射層22は、第1傾斜面21aに入射した光を完全に反射する反射層であってもよい。
(7)上述の実施形態において、光学部材を自動車のフロントウィンドウ1として表示装置(HUD)に適用した例について説明したが、これに限定されるものでない。例えば、光学部材は、室内用のパーテーションにも適用してもよく、また、背景等の外界の光を透過する店舗等のショーウィンドウ等にも適用してもよい。
(8)上述の実施形態において、反射層22は、第1傾斜面21aの全面に設けられる例を示したが、これに限定されるものでなく、第1傾斜面21aの一部に設けられるようにしてもよい。このようにすることで、映像源2から出射した光を反射層22により反射するとともに、車外から入射する光を第1傾斜面21aの反射層22が形成されていない部位から車内側へ透過させることができ、フロントウィンドウ越しに見える景色等の光をより鮮明な状態で透過することができる。
1 フロントウィンドウ
2 映像源
10 第1ガラス基板
20 単位光学形状部
21a 第1傾斜面
21b 第2傾斜面
22 反射層
30 第2ガラス基板
40 第1中間層
100 表示装置

Claims (5)

  1. 外界の光を透過するとともに、映像源から投射された映像光を観察者側に反射する光学部材であって、
    板状の第1支持体と、
    前記第1支持体の一方の面上に設けられ、前記第1支持体の板面に沿って複数連続して配列され、板面に対して傾斜した第1傾斜面を有する単位光学形状部と、
    前記第1支持体の前記単位光学形状部が設けられる側の面に配置される中間層と、
    前記中間層の前記第1支持体とは反対側の面に設けられる板状の第2支持体とを備え、
    前記第1傾斜面には、光を反射する反射層が設けられ、
    前記単位光学形状部は、その配列方向に平行であって、前記第1支持体の厚み方向に平行な断面における断面形状が略三角形状であること、
    を特徴とする光学部材。
  2. 請求項1に記載の光学部材において、
    前記単位光学形状部は、前記第1支持体とは相違する材料により形成されていること、
    を特徴とする光学部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学部材において、
    前記第1支持体は、ガラス板であり、
    前記単位光学形状部は、SOG材により形成されていること、
    を特徴とする光学部材。
  4. 請求項1に記載の光学部材において、
    前記単位光学形状部は、前記第1支持体と同様の材料により形成されていること、
    を特徴とする光学部材。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の光学部材と、
    前記光学部材に映像光を投影する映像源と、
    を備える表示装置。
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