本発明の各実施形態に関わる技術について以下に簡単に説明する。
[物理チャネル/物理シグナル]
EUTRAおよびAdvanced EUTRAで使用される主な物理チャネル、物理シグナルについて説明を行なう。チャネルとは信号の送受信に用いられる媒体を意味し、物理チャネルとは信号の送受信に用いられる物理的な媒体を意味する。本発明において、物理チャネルは、信号と同義的に使用され得る。物理チャネルは、EUTRA、およびAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、その構造やフォーマット形式が変更または追加される可能性があるが、変更または追加された場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
EUTRAおよびAdvanced EUTRAでは、物理チャネルまたは物理シグナルのスケジューリングについて無線フレームを用いて管理している。1無線フレームは10msであり、1無線フレームは10サブフレームで構成される。さらに、1サブフレームは2スロットで構成される(すなわち、1サブフレームは1ms、1スロットは0.5msである)。また、物理チャネルが配置されるスケジューリングの最小単位としてリソースブロックを用いて管理している。リソースブロックとは、周波数軸を複数サブキャリア(例えば12サブキャリア)の集合で構成される一定の周波数領域と、一定の送信時間間隔(1スロット)で構成される領域で定義される。
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナルと、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナルとで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(物理セルID(PCI:Physical Cell Identity))と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。端末装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルの物理セルIDを特定する。
物理報知情報チャネル(PBCH:Physical Broadcast CHannel)は、セル内の端末装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報(システム情報(SI:System Information)))を通知(設定)する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、物理下りリンク制御チャネルで報知情報が送信される無線リソースがセル内の端末装置に対して通知され、通知された無線リソースにおいて、物理下りリンク共用チャネルによって報知情報を通知するレイヤ3メッセージ(システムインフォメーション)が送信される。
報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(CGI:Cell Global Identifier)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(TAI:Tracking Area Identifier)、ランダムアクセス設定情報、送信タイミング調整情報、当該セルにおける共通無線リソース設定情報、周辺セル情報、上りリンクアクセス制限情報などが通知される。
下りリンクリファレンスシグナルは、その用途によって複数のタイプに分類される。例えば、セル固有RS(CRS:Cell-specific Reference Signals)は、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルであり、所定の規則に基づいて周波数領域および時間領域で周期的に繰り返される下りリンクリファレンスシグナルである。端末装置は、セル固有RSを受信することでセル毎の受信品質を測定する。また、端末装置は、セル固有RSと同時に送信される物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調のための参照用の信号としても下りリンクセル固有RSを使用する。セル固有RSに使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。
また、下りリンクリファレンスシグナルは下りリンクの伝搬路変動の推定にも用いられる。伝搬路変動の推定に用いられる下りリンクリファレンスシグナルのことをチャネル状態情報リファレンスシグナル(CSI−RS:Channel State Information Reference Signals)と称する。また、端末装置に対して個別に設定される下りリンクリファレンスシグナルは、UE specific Reference Signals(URS)またはDedicated RS(DRS)と称され、物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルを復調するときのチャネルの伝搬路補償処理のために参照される。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボル(例えば1〜4OFDMシンボル)で送信される。拡張物理下りリンク制御チャネル(EPDCCH:Enhanced Physical Downlink Control CHannel)は、物理下りリンク共用チャネルPDSCHが配置されるOFDMシンボルに配置される物理下りリンク制御チャネルである。PDCCHまたはEPDCCHは、端末装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割り当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する情報を通知する目的で使用される。以降、単に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)と記載した場合、特に明記がなければ、PDCCHとEPDCCHの両方の物理チャネルを意味する。
端末装置は、下りリンクデータや下りリンク制御データであるレイヤ2メッセージおよびレイヤ3メッセージ(ページング、ハンドオーバコマンドなど)を送受信する前に自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラント(下りリンクアサインメント)と呼ばれる無線リソース割り当て情報を物理下りリンク制御チャネルから取得する必要がある。なお、物理下りリンク制御チャネルは、上述したOFDMシンボルで送信される以外に、基地局装置から端末装置に対して個別(dedicated)に割り当てられるリソースブロックの領域で送信されるように構成することも可能である。
物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control CHannel)は、物理下りリンク共用チャネルで送信されたデータの受信確認応答(ACK/NACK:ACKnowledgement/Negative ACKnowledgement)や下りリンクの伝搬路(チャネル状態)情報(CSI:Channel State Information)、上りリンクの無線リソース割り当て要求(無線リソース要求、スケジューリングリクエスト(SR:Scheduling Request))を行なうために使用される。
CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、PTI(Precoding Type Indicator)、RI(Rank Indicator)を含む。各Indicatorは、Indicationと表記されてもよい。
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannel)は、下りリンクデータの他、ページングや物理報知情報チャネルで通知されない報知情報(システムインフォメーション)をレイヤ3メッセージとして端末装置に通知するためにも使用される。物理下りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。物理下りリンク共用チャネルは物理下りリンク制御チャネルが送信されるOFDMシンボル以外のOFDMシンボルに配置されて送信される。すなわち、物理下りリンク共用チャネルと物理下りリンク制御チャネルは1サブフレーム内で時分割多重されている。
物理上りリンク共用チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、下りリンクの受信品質やACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、上りリンクデータの他、上りリンク制御情報をレイヤ3メッセージとして端末装置から基地局装置に通知するためにも使用される。また、下りリンクと同様に物理上りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
上りリンクリファレンスシグナル(Uplink Reference Signal)(上りリンク参照信号、上りリンクパイロット信号、上りリンクパイロットチャネルとも呼称する)は、基地局装置が、物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび/または物理上りリンク共用チャネルPUSCHを復調するために使用する復調参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)と、基地局装置が、主に、上りリンクのチャネル状態を推定するために使用するサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)が含まれる。また、サウンディング参照信号には、周期的に送信される周期的サウンディング参照信号(Periodic SRS)と、基地局装置から指示されたときに送信される非周期的サウンディング参照信号(Aperiodic SRS)とがある。
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)は、プリアンブル系列を通知(設定)するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを有する。プリアンブル系列は、複数のシーケンスによって基地局装置へ情報を通知するように構成される。例えば、64種類のシーケンスが用意されている場合、6ビットの情報を基地局装置へ示すことができる。物理ランダムアクセスチャネルは、端末装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。
端末装置は、物理上りリンク制御チャネル未設定時の上りリンクの無線リソース要求のため、または、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要な送信タイミング調整情報(タイミングアドバンス(TA:Timing Advance)とも呼ばれる)を基地局装置に要求するためなどに物理ランダムアクセスチャネルを用いる。また、基地局装置は、端末装置に対して物理下りリンク制御チャネルを用いてランダムアクセス手順の開始を要求することもできる。
さらに、D2Dに関する物理チャネルとして、D2D同期信号(D2D Synchonization Signal:D2DSS)や、物理D2D同期チャネル(Physical D2D Synchonization Channel:PD2DSCH)などを用いることが検討されている。
D2D同期信号は、PD2DSS(Primary D2DSS)と、SD2DSS(Secondary D2DSS)の2つの同期シグナルとで構成される。基地局装置が同期元となる場合、PD2DSSとSD2DSSは、それぞれプライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルとが用いられる。また、同期元が基地局装置以外である場合、Zadoff−Chu系列のプライマリD2D同期シグナル(PD2DSS)とM系列のセカンダリD2D同期シグナル(SD2DSS)とが用いられる。
物理D2D同期チャネルは、D2Dを送信する端末装置から送信され、D2Dに関する制御情報(たとえば、送信する端末装置に関する同期ID、リソースプール、システム帯域幅、TDDサブフレーム設定など)や、D2Dフレーム番号などを通知する目的で送信されることが検討されている。
また、D2Dにおいて、送信側の端末装置が、受信側の端末装置に対してスケジューリング割り当て(Scheduling assignments:SA)を送信することが検討されている。SAは、D2Dに関する送信データに関するタイミング調整情報(D2D Reception Timing Advance(D2D−TA))、D2Dの内容(種別)を識別するID情報、かかるID情報に対応する送信データの無線リソースのパターン(RPT;Resource Patterns for Transmission)などを明示的、または暗黙的に通知することができる。
SAを受信した端末装置は、D2D同期シグナルから取得したタイミングと、SAに含まれるタイミング調整情報とに基づいてD2Dに関する送信データの受信タイミングを調整して受信することができる。なお、D2Dに関する送信データのタイミング調整情報は、PD2DSCHで送信してもよい。
また、RPTによって示されるD2Dに関する送信データの情報は、帯域幅情報、周波数領域のリソース情報、周波数ホッピング情報、時間領域のリソース情報などがある。D2Dで送信を行う端末装置は、SA、および、D2Dに関する送信データを通知する物理チャネルとしてPUSCHを用いてもよいし、それぞれ専用の物理チャネルを割り当ててもよい。PUSCHを用いる場合、D2Dで受信を行う端末装置は、対応する周波数でPUSCHを受信し、デコードを行う必要がある。
なお、それ以外の物理チャネルまたは物理シグナルは、本発明の各実施形態と強く関わらないため詳細な説明は省略する。説明を省略した物理チャネルまたは物理シグナルとして、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator CHannel)、物理HARQ指示チャネル(PHICH:Physical Hybrid ARQ Indicator CHannel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical Multicast CHannel)などがある。
[無線ネットワーク、セル種別]
基地局装置によって制御される各周波数の通信可能範囲(通信エリア)はセルとしてみなされる。このとき、基地局装置がカバーする通信エリアは周波数毎にそれぞれ異なる広さ、異なる形状であってもよい。また、カバーするエリアが周波数毎に異なっていてもよい。基地局装置の種別やセル半径の大きさが異なるセルが、同一の周波数または異なる周波数のエリアに混在して一つの通信システムを形成している無線ネットワークのことを、ヘテロジニアスネットワークと称する。
端末装置は、端末装置のアクセスが基地局装置から通知される報知情報に基づいて禁止されていないと判断したセルであって、かつ、下りリンクの受信品質が所定の条件を満足し、その結果、かかるセルにキャンプすることによって、通常のサービスが許可されるセルを適切なセル(Suitable cell)とみなしてよい。
また、セル選択手順およびセル再選択手順において適切なセルと判断されなかったセルで、一部の限定されたサービスのみが許可されているセルを制限セル(Acceptable cell)とみなしてよい。なお、端末装置は制限セルであってもキャンプすることができる。一部のサービスとは、たとえば緊急呼通信(Emergency call)である。また、通常の端末装置が利用できないオペレータのサービスのための予約セル(Reserved cell)やアクセスが禁止された禁止セル(Barred cell)があり、該セルのシステム情報に基づき、該セルが予約セルや禁止セルであるか否かを判断することができる。
端末装置は、セル選択手順やセル再選択手順において、最適なセル(Suitable cell)を検索し、見つからない場合に制限セル(Acceptable cell)を検索する。
端末装置が、キャンプしているセルから他のセルへ移動するときは、非無線リソース制御接続状態(アイドル状態(Idle mode)、非通信中)はセル再選択手順、無線リソース制御接続時(コネクティッド状態(Connected mode)、通信中)はハンドオーバ手順によって移動が行われる。端末装置は、セルにキャンプしている状態(アイドル状態)、または、あるセルにおいてコネクティッド状態にあるとき、基地局装置と通信可能なエリアに位置している、すなわち、セルのサービス区域内(カバレッジ内(in−coverage))である、と判断してよい。
基地局装置は、周波数毎に1つ以上のセルを管理している。1つの基地局装置が複数のセルを管理していてもよい。セルは、端末装置と通信可能なエリアの大きさ(セルサイズ)に応じて複数の種別に分類される。例えば、セルは、マクロセルとスモールセルに分類される。スモールセルは、一般的に半径数メートルから数十メートルまでをカバーするセルである。また、スモールセルは、そのエリアの大きさに応じて、フェムトセル、ピコセル、ナノセルなどに分類されることもある。
端末装置がある基地局装置と通信可能であるとき、その基地局装置のセルのうち、端末装置との通信に使用されるセルは在圏セル(Serving cell)であり、その他の通信に使用されないセルは周辺セル(Neighboring cell)と称される。
在圏セルの周波数は、同周波数(Intra−frequency)とも在圏周波数(Serving frequency)とも称される。同周波数ではない周波数は異周波数(Inter−frequency)と称される。キャリア・アグリゲーションなどによって、端末装置に対して複数の在圏セルが設定されている場合、対応する在圏周波数も複数あるとみなされる。また、キャリア・アグリゲーションにおける制御平面のデータの送受信が行われる在圏セルを特にプライマリセル(PCell)とも称する。
[無線プロトコル構造]
図5は、EUTRAの無線ネットワーク(EUTRAN)の端末装置及び基地局装置のユーザデータを扱うユーザ平面(UP(User−plane、U−Plane))プロトコルスタックを表す図である。また、図6は、制御データを扱う制御平面(CP(Control−plane、C−Plane))プロトコルスタックを表す図である。
図5および図6において、物理層(Physical layer:PHY層)は、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位層に伝送サービスを提供する。PHY層は、上位の媒体アクセス制御層(Medium Access Control layer:MAC層)とトランスポートチャネルで接続される。トランスポートチャネルを介して、MAC層とPHY層とレイヤ(layer:層)間でデータが移動する。端末装置と基地局装置のPHY層間において、物理チャネルを介してデータの送受信が行われる。
MAC層は、多様な論理チャネルを多様なトランスポートチャネルにマッピングを行う。MAC層は、上位の無線リンク制御層(Radio Link Control layer:RLC層)とは論理チャネルで接続される。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって大きく分けられ、制御情報を伝送する制御チャネルとユーザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられる。MAC層は、間欠受送信(DRX・DTX)を行うためにPHY層の制御を行う機能、ランダムアクセス手順を実行する機能、送信電力の情報を通知する機能、HARQ制御を行う機能などを持つ。
RLC層は、上位層から受信したデータを分割(Segmentation)及び結合(Concatenation)し、下位層が適切にデータ送信できるようにデータサイズを調節する。また、RLC層は、各データが要求するQoS(Quality of Service)を保証するための機能も持つ。すなわち、RLC層は、データの再送制御等の機能を持つ。
パケットデータコンバージェンスプロトコル層(Packet Data Convergence Protocol layer:PDCP層)は、ユーザデータであるIPパケットを無線区間で効率的に伝送するために、不要な制御情報の圧縮を行うヘッダ圧縮機能を持つ。また、PDCP層は、データの暗号化の機能も持つ。
さらに、制御平面プロトコルスタックには、無線リソース制御層(Radio Resource Control layer:RRC層)がある。RRC層は、無線ベアラ(Radio Bearer:RB)の設定・再設定を行い、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を行う。RBは、シグナリグ無線ベアラ(Signaling Radio Bearer:SRB)とデータ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)とに分けられ、SRBは、制御情報であるRRCメッセージを送信する経路として利用される。DRBは、ユーザデータを送信する経路として利用される。基地局装置と端末装置のRRC層間で各RBの設定が行われる。
SRBはSRB0とSRB1とSRB2の3種類定義されている。SRB0は論理チャネルのCCCHを用いたRRCメッセージのためにある。SRB1は論理チャネルのDCCHを用いたRRCメッセージ(RRCメッセージによって運ばれるNASメッセージも含む)とSRB2を確立する前に運ばれるNASメッセージのためにある。SRB2は、記録された測定情報を含むRRCメッセージとNASメッセージのためにある。SRB2はSRB1よりも優先度が低く、常にセキュリティが活性化された後にEUTRAのネットワークによって設定される。また、DRBもセキュリティが活性化された後にEUTRAのネットワークによって設定される。
尚、PHY層は一般的に知られる開放型システム間相互接続(Open Systems Interconnection:OSI)モデルの階層構造の中で第一層の物理層に対応し、MAC層、RLC層及びPDCP層はOSIモデルの第二層であるデータリンク層に対応し、RRC層はOSIモデルの第三層であるネットワーク層に対応する。
また、ネットワークと端末装置との間で用いられるシグナリングプロトコルは、アクセス層(Access Stratum:AS)プロトコルと非アクセス層(Non−Access Stratum:NAS)プロトコルとに分割される。例えば、RRC層以下のプロトコルは、端末装置と基地局装置との間で用いられるアクセス層プロトコルである。また、端末装置の接続管理(Connection Management:CM)やモビリティ管理(Mobility Management:MM)などのプロトコルは非アクセス層プロトコルであり、端末装置とコアネットワーク(CN)との間で用いられる。例えば図6に示すように、端末装置とモバイル管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)との間で、非アクセス層プロトコルを用いた通信が、基地局装置を介して透過的に行われる。
[ランダムアクセス手順]
ランダムアクセス手順について以下に説明する。ランダムアクセス手順には、競合ベースランダムアクセス手順(Contention based Random Access procedure)と非競合ベースランダムアクセス手順(Nonーcontention based Random Access procedure)の2つのアクセス手順がある。
競合ベースランダムアクセス手順は、移動局装置間で衝突する可能性のあるランダムアクセス手順であり、基地局装置と接続(通信)していない状態からの初期アクセス時や基地局装置と接続中であるが、上りリンク同期が外れている状態で移動局装置に上りリンクデータ送信が発生した場合のスケジューリングリクエストなどに行われる。
非競合ベースランダムアクセス手順は、移動局装置間で衝突が発生しないランダムアクセス手順であり、基地局装置と移動局装置が接続中であるが、上りリンクの同期が外れている場合に迅速に移動局装置と基地局装置との間の上りリンク同期をとるためにハンドオーバや移動局装置の送信タイミングが有効でない場合等の特別な場合に基地局装置から指示されて移動局装置がランダムアクセス手順を開始する。非競合ベースランダムアクセス手順は、RRC(Radio Resource Control:Layer3)層のメッセージ及び物理下りリンク制御チャネルPDCCHの制御データにより指示される。
競合ベースランダムアクセス手順について簡単に説明する。まず、端末装置がランダムアクセスプリアンブルを基地局装置に送信する(メッセージ1:(1))。そして、ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局装置が、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答(ランダムアクセスレスポンス)を端末装置に送信する(メッセージ2:(2))。端末装置がランダムアクセスレスポンスに含まれているスケジューリング情報を元に上位レイヤ(Layer2/Layer3)のメッセージを送信する(メッセージ3:(3))。基地局装置は、(3)の上位レイヤメッセージを受信できた端末装置に衝突確認メッセージを送信する(メッセージ4:(4))。なお、競合ベースランダムアクセスをランダムプリアンブル送信とも称する。
次に、非競合ベースランダムアクセス手順について簡単に説明する。まず、基地局装置は、プリアンブル番号(または、シーケンス番号)と使用するランダムアクセスチャネル番号を端末装置に通知する(メッセージ0:(1)’)。端末装置は、指定されたプリアンブル番号のランダムアクセスプリアンブルを指定されたランダムアクセスチャネルRACHに送信する(メッセージ1:(2)’)。そして、ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局装置が、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答(ランダムアクセスレスポンス)を端末装置に送信する(メッセージ2:(3)’)。ただし、通知されたプリアンブル番号の値が0の場合は、競合ベースランダムアクセス手順を行なう。なお、非競合ベースランダムアクセス手順を専用プリアンブル送信とも称する。
[上りリンクデータ送信]
上りリンクデータの送信について以下に説明する。物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、物理下りリンク共用チャネルPDSCHで送信される下りリンクデータの応答(ACK/NACK)、下りリンクの無線チャネル品質情報(Channel Quality Indicator:CQI)、上りリンクデータの送信要求(スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR))の送信に使用される。端末装置が上りリンクデータの送信要求を行う場合、基地局装置から割り当てられた物理上りリンク制御チャネルPUCCHを利用して、スケジューリングリクエストを基地局装置に送信する。
スケジューリングリクエスト送信後、基地局装置から物理上りリンク共用チャネルPUSCHのリソースを割り当てられた場合、端末装置は、割り当てられた物理上りリンク共用チャネルPUSCHのリソースで端末装置の送信データのバッファ状態情報を示すバッファステータスレポート(Buffer Status Report:BSR)を送信する。なお、基地局装置は、バッファステータスレポートに基づいて端末装置への上りリンクデータスケジューリングを行う。
スケジューリングリクエスト送信後、基地局装置から物理上りリンク共用チャネルPUSCHのリソースを割り当てられない場合、端末装置は、再度、スケジューリングリクエストを送信する。スケジューリングリクエストの再送を繰り返しても基地局装置から物理上りリンク共用チャネルPUSCHのリソースを割り当てられない場合、端末装置は、割り当てられている物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび上りリンク参照信号を解放(Release)して、スケジューリングリクエストを目的としたランダムアクセス手順を実行する。なお、ランダムアクセス手順によるスケジューリングリクエストでは、端末装置は、メッセージ3でバッファステータスレポートを送信する。
[MAC層機能の詳細]
端末装置のMAC層の機能について、より詳細に以下に説明する。MAC層は、各論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングする機能を持っている。また、優先度に応じて論理チャネルから送信データを生成する機能を持っている。この手順は論理チャネル優先順位付け(Logical Channel Prioritization:LCP)手順と呼ばれている。基本的なLCP手順は、各論理チャネルの優先度と、無線ベアラのQoSに対応する一定期間内に送信しなければならない送信ビットレート(Prioritized Bit Rate:PBR)とを考慮して送信データの送信優先順位を決定し、上りリンクグラントを受信した時点での送信優先順位の高いデータから送信データを生成する。基地局装置との接続時にMAC層は、各RBの論理チャネル番号、論理チャネルの優先度とPBR等の情報をRRC層から取得する。
また、MAC層は、各論理チャネルに対応する送信バッファのデータ量(送信バッファ状況)を通知する機能を持っている。この機能をバッファステータスレポート(Buffer Status Report:BSR)という。また、バッファステータスレポートを送信バッファ量報告とも称する。BSRでは、各論理チャネルを論理チャネルグループ(Logical Channel Group:LCG)に割り当て、各LCGに対する送信バッファ量(バッファ状態)をMAC層のメッセージ(MAC CE)として基地局装置に通知する。
[無線リソース制御接続再確立]
端末装置は、例えば、基地局装置から通知された無線リソース制御接続再設定メッセージに含まれる一部あるいはすべての設定に従えない場合であり、かつAS層のセキュリティが活性状態(Activated)である場合や、無線リンクが失敗した場合((1)物理層における問題を検出したときに計時が開始されるタイマーT310が満了した場合、(2)測定時に設定され、タイマーT310計時中に測定報告がトリガされたときに計時が開始されるタイマーT312が満了した場合、(3)無線リソース制御接続要求メッセージ送信時に計時が開始されるタイマーT300および無線リソース制御接続再確立要求メッセージ送信時に計時が開始されるタイマーT301およびモビリティ制御情報を含む無線リソース制御接続再設定メッセージを受信したときに計時を開始するタイマーT304および無線リソース制御接続再確立手順をはじめる際に計時を開始するタイマーT311の何れも計時中でないときにMAC層からランダムアクセス問題が示された場合、(4)RLC層から再送回数の最大数に達していることが通知された場合、など)であり、かつAS層のセキュリティが活性状態(Activated)である場合や、ハンドオーバが失敗した場合などに、コネクティッド状態(無線リソース制御接続)を維持するために、無線リソース制御接続再確立手順を実行する。
接続再確立は、接続を試みたセル(の基地局装置)が準備できている(有効な端末装置のコンテキストを持っている)場合にのみ成功する。ただし、端末装置のコンテキストを持っていない基地局装置が、当該端末装置のコンテキストを持っている基地局装置から有効なコンテキストを取得することで接続再確立を成功させることも可能となる。
接続再確立手順として、端末装置は、まず、タイマーT310やタイマーT312が計時中であればそれぞれの計時を停止し、タイマーT311の計時を開始する。次に、SRB0以外の無線ベアラを一時中断(Suspend)する。次にMAC層をリセットし、MAC層や物理層に標準(Default)の設定を適用してセル選択手順を開始する。
接続再確立手順により最適なセルが選択されると、端末装置は、タイマーT311を停止し、タイマーT301の計時を開始し、選択されたセルにおいて、基地局装置に接続再確立要求メッセージを送信する。接続再確立要求メッセージには再設立の理由(再設定失敗やハンドオーバ失敗やその他の失敗など)を示す情報が含まれる。
接続再確立要求メッセージを送信した端末装置は、基地局装置から接続再確立メッセージを受信すると、タイマーT301の計時を停止し、SRB1のPDCPとRLCを再確立する。さらに無線リソースの設定を行い、一時中断していたSRB1を再開(Resume)する。そして、接続再確立をおこなう前の設定を用いて秘匿化(Integrity)と暗号化(Ciphering)を行い、正常に処理が完了した場合には無線リソース制御再確立完了メッセージを基地局装置に通知する。
接続再確立手順により最適なセルが選択されなかった場合、タイマーT311が満了し、無線リソース制御接続失敗となり、端末装置はコネクティッド状態からアイドル状態へ遷移する。また、タイマーT301が満了するか、選択された最適なセルがセル選択基準を満たさないなどの理由で最適なセルでなくなった場合にも無線リソース制御接続失敗となり、端末装置はコネクティッド状態からアイドル状態へ遷移する。
[D2D]
D2D(デバイス間通信)の中でも、近接した端末装置間のサービス(Proximity based Services:ProSe)として、近接している端末装置を発見するための技術(ProSe Didcovery)と、端末装置が一つまたは複数の端末装置と直接通信を行うための技術(ProSe Communication、デバイス間データ通信とも称する)とが含まれる。
D2Dにおいて、端末装置が使用するD2Dに関するリソース(無線リソース)や設定(コンフィグレーション)は、基地局装置によって設定(制御)されてもよい。すなわち、端末装置が非無線リソース制御接続状態(アイドル状態)にある場合は、報知情報によってD2Dに関する無線リソースや設定がセル毎に通知されてもよく、端末装置が無線リソース制御接続状態(コネクティッド状態)にある場合は、RRCメッセージによってD2D通信に関する無線リソースや設定が通知されてもよい。すなわち、D2D通信は、端末装置同士の直接通信が可能な(D2D capable、D2D supported)端末装置と、かかる端末装置同士の直接通信のためのリソースの制御可能な基地局装置によって実現される。
ProSe Communication(デバイス間データ通信)において、通信がグループキャストあるいはブロードキャストで行われる場合は、ProSe Discoveryによる通信相手発見のステップは必ずしも必要ではない。
また、ProSe Communication(デバイス間データ通信)において、スケジューリング割り当て(Scheduling Assignments:SA)を送信するための無線リソースは、SA用にプールされたリソースプール(SAリソースプール)の中から端末装置に提供される。送信(Source)側の端末装置は、リソースプールに含まれる無線リソース(時間、および周波数)でSAを送信する。受信(Target、Destination)側の端末装置は、リソースプールに含まれる無線リソース(時間、および周波数)でSAを受信する。
また、ProSe Communication(デバイス間データ通信)において、D2Dに関する送信データ(デバイス間で送受信するデータ)を送信するための無線リソースは、当該データ用に用意されたリソースプール(D2Dデータリソースプール)の中から端末装置に提供される。送信側の端末装置はリソースプールから指定される無線リソース(時間、および周波数)を用いてD2Dに関する送信データを送信する。また、受信側の端末装置はリソースプールによって指定される無線リソース(時間、および周波数)においてD2Dに関するデータを受信する。リソースプールは、周波数情報、割り当てられるリソースブロックの範囲を示す情報や、リソースプールが開始されるフレーム番号またはサブフレーム番号とオフセット値の情報などを用いて示されてもよい。
ここで、SAに用いられる無線リソースがプールされたリソースプール(第1のリソースプール)と、D2Dに関する送信データに用いられる無線リソースがプールされたリソースプール(第2のリソースプール)は、報知情報によって予め設定(予約)されていてもよいし、基地局装置から端末装置ごとに個別に通知(あるいは報知)されてもよいし、他の端末装置から通知(あるいは報知)されてもよいし、事前設定(pre−configured)されていてもよいし、準静的(semi−static)に割り当てられていてもよい。
事前設定によって割り当てられる場合、この設定は、典型的にはSIM(Subscriber Identity Module)に記録されてもよい。SIMはハードウェアによって提供されるICカードでも良いし、ソフトウェアによって提供されてもよい。
ここで、端末装置に対してリソースプールからデバイス間データ通信に関する無線リソース(SA、D2Dに関する送信データ)を割り当てる方法として、端末装置が基地局装置へD2Dに関する送信データがあることを通知することによって、基地局装置から端末装置に対して個別に送信リソースを割り当てる方法(Mode1あるいはスケジュール型(Scheduled)とも称する)を用いてもよいし、また、端末装置が報知情報や予め設定(予約)されたリソースプールから送信リソースを選択して用いる方法(Mode2あるいは自律型(Autonomous)とも称する)とが用いられてもよい。
上記Mode1は、端末装置がカバレッジ内(in−coverage)とみなされる範囲に位置しているときに使用され、Mode2は端末装置がカバレッジ内とみなされる範囲に位置していない(カバレッジ外(Oout−of−coverage))か、カバレッジ内において基地局装置によってNode2のリソース使用が許可されている(報知情報にMode2の送信リソースが割り当てられている)場合に使用される。なお、端末装置は、基地局装置から割り当てられた無線リソースを用いている場合(すなわちMode1)であっても、RRC無線リソース再接続手順中などにおいて、端末装置が選択した無線リソースを一時的に用いる(すなわちMode2を用いる)場合がある。
デバイス間データ通信の利用が許可された端末装置は、デバイス間データ通信をサポートしている基地局装置によってMode2データ通信の使用が許可される場合にはアイドル状態においてMode2のデータ通信を行ない、Mode2データ通信の使用が許可されない場合はMode1のデータ通信を行うために基地局装置に接続するようにしてもよい。また、基地局装置がデバイス間データ通信をサポートしていない場合には、端末装置がアイドル状態であればデバイス間データ通信をサポートする基地局装置へのセル再選択を実施し、コネクティッド状態であれば、基地局装置に対してデバイス間データ通信の希望を示す情報(希望するサービスの識別子や周波数情報など)を通知してもよい。あるいは、デバイス間データ通信の希望を示す情報を認識できない基地局装置に対してはマルチキャスト・ブロードキャストサービスの希望情報を代わりに通知するようにしてもよい。
ProSe Communicationでは、1対M(Mは自然数)のブロードキャスト通信が用いられる場合、ある端末装置が送信する信号は、他の複数の端末装置が受信することができ、送信する端末装置と受信する端末装置は役割を入れ替えることも可能である。また、ブロードキャスト通信は、公安(Public safety)目的の場合は、基地局装置によるカバレッジ外であっても行えるようにする必要がある。また、ブロードキャスト通信は、専用の周波数(Dedicated carrier)および基地局装置を介する通常の通信サービスに用いられる周波数の両方をサポートする。また、ブロードキャスト通信は一方向通信であるため、レイヤ2(MAC/RLC/PDCP層)でのフィードバックを想定しない。すなわち、MAC層ではHARQによる再送制御が行われず、RLC層ではARQによる誤り訂正を行わない非応答モード(Unacknowledge Mode:UM)で通信が行われる。1対1の通信が用いられる場合には、上記1対Mのブロードキャスト通信を適用(M=1)することも考えられるし、ユニキャスト通信を行うことにより、レイヤ2でのフィードバックを行うことも考えられる。
また、デバイス間データ通信を行うためのパラメータとして、SAプールのタイプ情報(Mode1かMode2か共通か)や、SA期間情報(SA送信リソースの配置周期)や、Mode2のデータ送信に用いるサブフレーム情報や、SAリソースプールの物理リソースブロック位置情報(開始位置や終了位置)などが、基地局装置(および基地局装置のカバレッジ外の端末装置に情報を転送する端末装置)から端末装置に報知または通知される。
また、デバイス間データ通信を行うための論理チャネルとして、ProSe Communication Traffic Channel(PTCH)が定義され、デバイス間データ通信を行うためのトランスポートチャネルとして、ProSe Communication Shared Channel(PSCH)が定義される。デバイス間データ通信では、論理チャネルのPTCHがトランスポートチャネルのPSCHにマッピングされる。
デバイス間データ通信のMAC層のパラメータとして、送信元の識別子(Source Layer2 ID)と送信先の識別子(Destination Layer2 ID)が設定される。2つの識別子と論理チャネルの識別子とに基づき、各々の組み合わせ毎にPDCP層とRLC層のエンティティのペアが確立される。MAC層は、送信元の識別子と送信先の識別子が同一のMAC SDUを一つのMAC PDUに多重してもよい。また、同一の送信元の識別子と送信先の識別子のMAC SDUであれば、複数の論理チャネルのMAC SDUを一つのMAC PDUに多重してもよい。
また、デバイス間データ通信で使用される一つの無線ベアラは、一つの送信先の識別子(Destination Layer2 ID)に対してのみマッピングされる。なお、複数の無線ベアラが一つの送信先の識別子に対してマッピングされてもよい。
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面を参照しながら本発明の適切な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明において、本発明の実施形態に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の実施形態の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における端末装置1の一例を示すブロック図である。本端末装置1は、受信部101、復調部102、復号部103、受信データ制御部104、物理レイヤ制御部105、送信データ制御部106、符号部107、変調部108、送信部109、無線リソース制御部110、セル選択部111、送信アンテナT01、受信アンテナR01から少なくとも構成される。図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなど用語によっても表現される、端末装置1の機能および各手順を実現する要素である。
無線リソース制御部110は、端末装置1の無線リソース制御を執り行うRRC(Radio Resource Control)層の各機能を実行する。また、受信データ制御部104と送信データ制御部106は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層における各機能を実行する。
なお、端末装置1は、キャリア・アグリゲーション、および/またはデバイス間通信による複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)またはセルの同一サブフレーム内での送受信処理をサポートするために受信系のブロック(受信部101、復調部102、復号部103、受信アンテナR01)、および複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)、および送信系のブロック(符号部107、変調部108、送信部109、送信アンテナT01)の一部あるいはすべてを複数備える構成であってもよい。
端末装置1の受信処理に関し、無線リソース制御部110より受信データ制御部104へ受信データ制御情報が入力され、物理レイヤ制御部105には各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報が入力される。物理レイヤ制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される端末装置1の無線通信制御に必要なパラメータ設定を含む情報である。
物理レイヤ制御情報は、基地局装置2から端末装置1に対して個別(dedicated)に送信される無線接続リソース設定、セル固有の報知情報、またはシステムパラメータなどによって設定され、無線リソース制御部110が必要に応じて物理レイヤ制御部105へ入力する。物理レイヤ制御部105は、受信に関する制御情報である受信制御情報を、受信部101、復調部102、復号部103へ適切に入力する。
受信制御情報は、下りリンクスケジューリング情報として、受信周波数帯域の情報、物理チャネルと物理シグナルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース制御情報などの情報が含まれている。また、受信データ制御情報は、セカンダリセル不活性化タイマー情報、DRX制御情報、マルチキャストデータ受信情報、下りリンク再送制御情報などを含む下りリンクの制御情報であり、MAC層、RLC層、PDCP層におけるそれぞれの下りリンクに関する制御情報が含まれている。
受信信号は、受信アンテナR01を経由して受信部101において受信される。受信部101は、受信制御情報で通知された周波数と周波数帯域に従って基地局装置2からの信号を受信する。受信された信号は復調部102へと入力される。復調部102は信号の復調を行う。復調部102は、復号部103へと復調後の信号を入力する。復号部103は、入力された信号を復号し、復号された各データ(下りリンクデータと下りリンク制御データ、下りリンクトランスポートブロックとも称す)を受信データ制御部104へと入力する。また、各データと共に基地局装置2から送信されたMAC制御要素も復号部103で復号され、関係するデータは受信データ制御部104へと入力される。
受信データ制御部104は、受信したMAC制御要素に基づく物理レイヤ制御部105の制御(例えば、セルの活性化/不活性化、DRX制御、送信タイミング調整など)や、復号された各データをバッファリングし、再送されたデータの誤り訂正制御(HARQ)を行う。受信データ制御部104へ入力された各データのうち、関係するデータは無線リソース制御部110へと入力(転送)される。また、無線リソース制御部110へ入力された各データのうち、関係するデータは図示しない非アクセス層レイヤ部へと入力(転送)される。
セル選択部111は、復調部102や復号部103から、受信した信号および/またはチャネルの測定結果(RSRP、RSRQなど)を取得し、さらに、報知情報などから取得したアクセス制限情報やオフセット値などのセル選択パラメータと、必要に応じて無線リソース制御部110から入力されるセル選択パラメータとに基づいてセル選択手順を行う機能を有する。また、セル選択部111は、無線リソース制御部110から入力されるセル再選択条件と関連するセル再選択パラメータに基づいて、同周波数(Intra−frequency)、異周波数(Inter−frequency)、異なるRATの周波数(Inter−RAT)のそれぞれの周辺セルに対してセル再選択手順を行う機能を有する。
セル選択部111は、セル再選択手順において、少なくとも、現在キャンプしている在圏セルの測定結果と、周辺セルの測定結果とを用いて周辺セルの評価(査定、ランキング)を行い、現在の在圏セルよりも更に適切なセルを検出した場合、キャンプするセルを変更する。セル再選択において、測定する周波数のセルは、周波数(RAT)ごとに指定される周波数優先度(プライオリティ)に基づいて決まる。
具体的には、キャンプしている周波数(在圏周波数)の周波数優先度よりも優先度の高い周波数(RAT)は、在圏セルの測定結果(受信品質)に関係なく常に測定しなければならないが、キャンプしている周波数の周波数優先度と同じか低い優先度の周波数(RAT)は、在圏セルの測定結果(RSRP、RSRQ)がそれぞれある閾値よりも低い場合のみ測定してもよい。
なお、セル選択部111は、報知情報で周辺セルの情報(周辺セルリスト)が通知されていた場合、この周辺セルの情報を使用してセル再選択を行うことも可能である。セル選択部111が使用する、セル選択手順、および、セル再選択手順に関する複数のパラメータは、無線リソース制御部110から設定される。
また、端末装置1の送信処理に関し、無線リソース制御部110より送信データ制御部106へ送信データ制御情報が入力され、物理レイヤ制御部105には各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報が入力される。物理レイヤ制御部105は、送信に関する制御情報である送信制御情報を、符号部107、変調部108、送信部109へ適切に入力する。送信制御情報は、上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、物理チャネルと物理シグナルに関する送信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
また、送信データ制御情報は、DTX制御情報、ランダムアクセス設定情報、上りリンク共用チャネル情報、論理チャネルプライオリティ情報、リソース要求設定情報、セルグループ情報、上りリンク再送制御情報、バッファステータスレポートなどを含む上りリンクの制御情報である。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のランダムアクセス設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。
また、無線リソース制御部110は、上りリンク送信タイミングの調整に用いる送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーを管理し、セル毎(またはセルグループ毎、TAグループ毎)に上りリンク送信タイミングの状態(送信タイミング調整状態または送信タイミング非調整状態)を管理する。送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーは、送信データ制御情報に含まれる。
また、無線リソース制御部110は、受信データ制御部104から入力されたRRCメッセージを解析し、AS機能によるアクセス規制に関する情報を取得する。
また、無線ベアラにマッピングされたデータ(IPパケット)は、送信データ制御部106において、デバイス間データ通信で用いられる論理チャネルであるPTCHにマッピングされ、PTCHにマッピングされたデータはデバイス間データ通信で用いられるトランスポートチャネルのPSCHにマッピングされてもよい。これらのマッピングの一部あるいは全てを認識あるいは制御することにより、無線リソース制御部110は、当該データをデバイス間データ通信のデータとみなしてもよい。
なお、複数の上りリンク送信タイミングの状態を管理する必要がある場合、送信データ制御部106は、複数のそれぞれのセル(またはセルグループ、TAグループ)の上りリンク送信タイミングに対応する送信タイミング調整情報を管理する。リソース要求設定情報には、少なくとも最大送信カウンタ設定情報と無線リソース要求禁止タイマー情報とが含まれている。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のリソース要求設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。
端末装置1で生起した送信データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ、上りリンクトランスポートブロックとも称す)は、無線リソース制御部110(あるいは他の上位レイヤ)より任意のタイミングで送信データ制御部106に入力される。このとき、送信データ制御部106は、入力された送信データの量(上りリンクバッファ量)を計算する。また、送信データ制御部106は、入力された送信データが制御平面に属するデータなのか、ユーザ平面に属するデータなのかを判別する機能を有する。さらに、送信データ制御部106は、入力された送信データが基地局装置2に対する送信データ(第1の送信データ)なのかD2Dに関する送信データ(第2の送信データ)なのかを判別する機能を有する。
また、図示しない無線リソース制御部110の上位レイヤによって無線ベアラにマッピングされたデバイス間データ通信のデータ(IPパケット)が、送信データ制御部106において、デバイス間データ通信で用いられる論理チャネルであるPTCHにマッピングされ、PTCHにマッピングされたデータがデバイス間データ通信で用いられるトランスポートチャネルのPSCHにマッピングされてもよい。これらのマッピングの一部あるいは全てを認識あるいは制御することにより、無線リソース制御部110は、当該データをデバイス間データ通信のデータとみなしてもよい。
また、送信データ制御部106は、送信データが入力されたときに、送信データ制御部106内(図示せず)の上りリンクバッファに送信データを格納する。また、送信データ制御部106は、上りリンクバッファに格納された送信データの優先度などに基づき、多重化およびアセンブルを行ないMAC PDUを生成する。そして、送信データ制御部106は、入力された送信データの送信に必要な無線リソースが端末装置1に対して割り当てられているかを判断する。送信データ制御部106は、無線リソース割り当てに基づいて、物理上りリンク共用チャネルPUSCH、物理上りリンク制御チャネル(SR−PUCCH)を用いた無線リソース要求、または物理ランダムアクセスチャネルを用いた無線リソース要求のいずれか一つを選択し、選択したチャネルを送信するための制御処理を物理レイヤ制御部105に対して要求する。ここで、無線リソース要求は、第1の送信データと第2の送信データのそれぞれに対して独立して行うようにしてもよい。
また、送信データ制御部106は、入力された送信データが基地局装置2に対する通常の送信データ(第1の送信データ)であるか、または、別の端末装置1に対するデバイス間データ通信の送信データ(第2の送信データ)であるかに基づいて、それぞれ異なるバッファステータスレポートを生成する。換言すれば、送信データ制御部106は、通常の送信データのバッファ量に基づくバッファステータスレポート(通常のバッファステータスレポート(Normal BSR)、第1のバッファステータスレポート)と、デバイス間データ通信の送信データのバッファ量に基づくバッファステータスレポート(デバイス間データ通信用のバッファステータスレポート(ProSe BSR)、第2のバッファステータスレポート)を生成する。また、符号部107は、送信制御情報に従って各データを適切に符号化し、変調部108へと入力する。また、送信データ制御部106は、第1の送信データおよび第2の送信データの有無、および/または第1の送信データおよび第2の送信データのバッファ量を無線リソース制御部110に通知してもよい。
符号部107は、送信制御情報に従って各データを適切に符号化する。変調部108は、符号化された各データを送信するチャネル構造に基づいて適切な変調処理を行う。送信部109は、変調処理された各データを周波数領域にマッピングすると共に、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。送信部109は、また、無線リソース制御部110より入力されたセル毎(またセルグループ毎、TAグループ毎)の送信タイミング調整情報に従って上りリンク送信タイミングを調整する。上りリンク制御データが配置される物理上りリンク共用チャネルは、ユーザデータの他に、例えばレイヤ3メッセージ(無線リソース制御メッセージ;RRCメッセージ)を含めることも可能である。
図1において、その他の端末装置1の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、端末装置1として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御部110の上位には、コアネットワークとの制御を執り行う非アクセス(Non Access Stratum:NAS)層(レイヤ)部や、アプリケーション層(レイヤ)部が存在している。また、本実施形態ではD2Dの制御をAS層の各部が行う例を示すが、これに限らず、D2Dの制御のために独立したD2D制御部が以下に説明するD2Dに関する制御のすべてあるいは一部を行うようにしてもよい。
図2は、本発明の第1の実施形態による基地局装置2の一例を示すブロック図である。本基地局装置2は、受信部201、復調部202、復号部203、受信データ制御部204、物理レイヤ制御部205、送信データ制御部206、符号部207、変調部208、送信部209、無線リソース制御部210、ネットワーク信号送受信部211、送信アンテナT02、受信アンテナR02から少なくとも構成される。図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなどの用語によっても表現される、基地局装置2の機能および各手順を実行する要素である。
無線リソース制御部210は、基地局装置2の無線リソース制御を執り行うRRC(Radio Resource Control)層の各機能を実行するブロックである。また、受信データ制御部204と送信データ制御部206は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層における各機能を実行するブロックである。
なお、基地局装置2は、キャリア・アグリゲーションなどによる複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)またはセルの同一サブフレーム内での送受信処理をサポートするために受信系のブロック(受信部201、復調部202、復号部203、受信アンテナR02)、および複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)、および送信系のブロック(符号部207、変調部208、送信部209、送信アンテナT02)の一部あるいはすべてを複数備える構成であってもよい。
無線リソース制御部210は、下りリンクデータと下りリンク制御データを送信データ制御部206へと入力する。送信データ制御部206は、端末装置1へ送信するMAC制御要素が存在する場合、MAC制御要素と各データ(下りリンクデータまたは下りリンク制御データ)を符号部207へと入力する。符号部207は、入力されたMAC制御要素と各データを符号化し、変調部208へと入力する。変調部208は、符号化された信号の変調を行なう。
また、変調部208で変調された信号は送信部209に入力される。送信部209は、入力された信号を周波数領域にマッピングした後、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行い、送信アンテナT02を経由して信号を送信する。下りリンク制御データが配置される物理下りリンク共用チャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)を構成する。
また、受信部201は、端末装置1から受信アンテナR02を経由して受信した信号をベースバンドのデジタル信号に変換する。端末装置1に対して異なる複数の送信タイミングのセルを設定している場合、受信部201はセル毎(またセルグループ毎、TAグループ毎)に異なるタイミングで信号を受信する。受信部201で変換されたデジタル信号は、復調部202へ入力されて復調される。復調部202で復調された信号は続いて復号部203へと入力される。復号部203は、入力された信号を復号し、復号された各データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ)を受信データ制御部204へと入力する。また、各データと共に端末装置1から送信されたMAC制御要素も復号部203で復号され、関係するデータは受信データ制御部204へと入力される。
受信データ制御部204は、受信したMAC制御要素に基づく物理レイヤ制御部205の制御(例えば、パワーヘッドルームレポートに関する制御や、バッファステータスレポートに関する制御など)や、復号された各データをバッファリングし、再送されたデータの誤り訂正制御(HARQ)を行う。受信データ制御部204へ入力された各データは、必要に応じて無線リソース制御部210へと入力(転送)される。
また、受信データ制御部204は、端末装置1からバッファステータスレポートが復号部203から入力された場合、自基地局装置との通信のための送信リソース要求かデバイス間データ通信のための送信リソース要求かを判別し、該端末装置1に割り当てる送信リソースを設定する。
これら各ブロックの制御に必要な物理レイヤ制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される基地局装置2の無線通信制御に必要なパラメータ設定を含む情報である。物理レイヤ制御情報は、上位のネットワーク装置(MMEやゲートウェイ装置(SGW)、OAMなど)やシステムパラメータにより設定され、無線リソース制御部210が必要に応じて制御部204へ入力する。
物理レイヤ制御部205は、送信に関連する物理レイヤ制御情報を送信制御情報として符号部207、変調部208、送信部209の各ブロックに入力し、受信に関連する物理レイヤ制御情報を受信制御情報として受信部201、復調部202、復号部203の各ブロックに適切に入力する。
受信データ制御情報は、基地局装置2のMAC層、RLC層、PDCP層のそれぞれに対する端末装置1の上りリンクに関する制御情報が含まれている。また、送信データ制御情報は、基地局装置2のMAC層、RLC層、PDCP層のそれぞれに対する端末装置1の下りリンクに関する制御情報が含まれている。すなわち、受信データ制御情報と送信データ制御情報は、端末装置1毎に設定されている。
ネットワーク信号送受信部211は、基地局装置2間あるいは上位のネットワーク装置(MME、SGW)と基地局装置2との間の制御メッセージ、またはユーザデータの送信(転送)または受信を行なう。図2において、その他の基地局装置2の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、基地局装置2として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御部210の上位には、無線リソース管理(Radio Resource Management)部や、アプリケーションレイヤ部が存在している。
次に、図3のフローチャートを用いて、本実施形態における端末装置1による無線リンクの失敗時の接続再確立制御の一例を説明する。
図3において、端末装置1は、接続を再確立するために、セル選択手順に従いセルを選択する(ステップS31)。例えば、D2Dを行っていた端末装置1は、最後にキャンプしたD2Dをサポートするセルの情報(セルの識別子や周波数)を保持し、この保持された情報を用いたセル検索を実行し、セルあるいはセルの周波数における最適なセルを検出できなかった場合は、他の周波数を検索対象に含めて最適なセルの検出を行う。何れの検索においても最適なセルが検出できなかった場合は制限セルを検索する。あるいは、保持された情報を用いたセル検索を実行し、セルあるいはセルの周波数における最適なセルを検出できなかった場合に、当該周波数における制限セルを検出するようにしてもよい。あるいは、D2Dをサポートしないセル(例えばD2D情報を報知情報として報知していない(System Information Block18を報知していない)セル)を適切なセルとみなさないようにしてもよいし、D2Dをサポートしないセルを制限セルや禁止セルとみなしてもよい。このような処理をタイマーT311が満了あるいは停止するまで継続するようにしてもよい。
ステップS32において、ステップS31で最適なセルが見つかったか否かを判断し、最適なセルが見つかった場合はステップS34に遷移し、最適なセルが見つからなかった場合は、処理1を実行する(ステップS33)。
処理1(ステップS33)として、例えば、D2Dを行っている端末装置1は、自装置がD2Dをサポートする周波数の制限セルを選択した場合、無線リソース制御部110が上位レイヤにD2Dができないことを示す情報を通知し、D2Dを行わないようにしてもよいし、制限セルにおいてMode2のデバイス間データ通信を行なってもよい。あるいは、D2Dを行っている端末装置1が、D2Dをサポートする周波数以外の制限セルを選択した場合に、無線リソース制御部110が上位レイヤにD2Dができないことを示す情報を通知し、D2Dを行わないようにしてもよいし、制限セルにキャンプしつつ、他のD2Dをサポートする周波数においてMode2のデバイス間データ通信を行なってもよい。適切なセルを選択できなかった端末装置1はアイドル状態に遷移して制限セルにキャンプする。
ステップS34において、端末装置1は、自装置がキャンプした周波数においてD2Dを行うことができるか否かを判断し、D2Dを行うことができないと判断した場合は、ステップS36に遷移し、D2Dを行うことができると判断した場合は、処理2を実行する(ステップS35)。
処理2(ステップS35)として、例えば、端末装置1は、接続再確立要求メッセージを選択したセルにおいて基地局装置2に送信して、接続再確立の残りの手順を行う。ここで、D2Dに関する送信データ(第2の送信データ)や受信データのためのDRBは、接続再確立手順を行う際に一時中断せずに継続するようにしておいてもよい。この場合、端末装置1は、接続再確立手順の実行中において、割り当てられているMode1のリソースをリリースした後であっても、許可されている場合にMode2のD2Dの送受信を行うことができる。さらに、端末装置1は、第2の送信データがある場合、基地局装置2に対して、デバイス間データ通信の送信リソース要求を行う。
ステップS36において、端末装置1は、後述する処理3を行うか否かの判断を行う。処理3を行う条件としては、(1)端末装置1が、選択したセルを在圏セル(PCell)とする場合にD2Dの送信を継続することができない状態であり、且つD2Dに関する送信データがある、(2)端末装置1が、選択したセルを在圏セル(PCell)とする場合にD2Dの受信を継続することができない状態であり、且つD2Dを受信中である、(3)選択したセルが報知するシステム情報にD2Dのサービスが提供されている周波数が含まれ、自装置の興味のある(通信を行っていた)D2Dサービスがその周波数に含まれる、(4)選択したセルが端末装置1による(処理3における)通知をサポートしている、などがあり、また、それらの組み合わせであってもよい。処理3を行う条件を満たす場合は、ステップS37に遷移し、処理3を実行し、条件を満たさない場合は、ステップS38に遷移し、前述の処理4を実行する。
処理3(ステップS37)として、例えば、端末装置1は、接続再確立要求メッセージを選択したセルにおいて基地局装置2に送信して、接続再確立の残りの手順を行う。接続再確立が成功した場合、自装置がD2Dに興味があることを示す情報(希望するサービスの識別子や周波数、自装置が希望するサービスを行うことができる(複数の)周波数の情報など)を基地局装置へ送信する。ここで、D2Dに関する送信データ(第2の送信データ)やD2Dに関する受信データのためのDRBを、接続再確立手順を行う際に一時中断せずに継続するようにしていた場合、接続再確立手順が成功した場合に当該DRBを一時中断または解放するようにしてもよい。
処理4(ステップS38)として、例えば、端末装置1は、接続再確立要求メッセージを選択したセルにおいて基地局装置2に送信して、接続再確立の残りの手順を行う。ここで、D2Dに関する送信データ(第2の送信データ)やD2Dに関する受信データのためのDRBを、接続再確立手順を行う際に一時中断せずに継続するようにしていた場合、接続再確立手順が成功した場合に当該DRBを一時中断または解放(Release)するようにしてもよい。
このように構成することによって、例えば、端末装置1は、セル選択時にD2Dを考慮することにより適切なセルを選択することが可能となる。また、接続再確立手順においてD2Dに関するベアラの制御を行うことにより、効率的な接続再確立が可能となる。また、接続再確立したセルにおいて、必要に応じてD2Dに関する情報を基地局装置2に通知することができる。
第1の実施形態によれば、端末装置1が無線リソース制御接続再確立の際に、D2Dの周波数を考慮したセル選択および/または選択したセルにおけるD2Dの可否状況と自装置のD2Dの状態に基づいた処理を行うことにより、デバイス間通信を行う際の接続制御を効率的に行うことができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。
第1の実施形態では、D2Dのサービスを考慮した無線リソース制御接続再確立を行う例を示した。本実施形態では、端末装置1がD2Dのサービスを考慮して、無線リソース制御接続再確立を行う(継続する)か否かを判断する例について説明する。
本実施形態で用いられる端末装置1と基地局装置2は、無線リソース制御部110が、第1の実施形態と動作が異なるため、それ以外の詳細な説明は省略する。
本実施形態において、無線リソース制御部110は、送信データ制御部106へ送信データ制御情報を入力し、物理レイヤ制御部105に各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報を入力する。送信データ制御情報は、DTX制御情報、ランダムアクセス設定情報、上りリンク共用チャネル情報、論理チャネルプライオリティ情報、リソース要求設定情報、セルグループ情報、上りリンク再送制御情報、バッファステータスレポートなどを含む上りリンクの制御情報である。また、本実施形態において、無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のランダムアクセス設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。
また、本実施形態において、無線リソース制御部110は、上りリンク送信タイミングの調整に用いる送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーを管理し、セル毎(またはセルグループ毎、TAグループ毎)に上りリンク送信タイミングの状態(送信タイミング調整状態または送信タイミング非調整状態)を管理する。送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーは、送信データ制御情報に含まれる。
また、本実施形態において、無線リソース制御部110は、受信データ制御部104から入力されたRRCメッセージを解析し、AS機能によるアクセス規制に関する情報を取得する。
また、無線ベアラにマッピングされたデータ(IPパケット)は、送信データ制御部106において、デバイス間データ通信で用いられる論理チャネルであるPTCHにマッピングされ、PTCHにマッピングされたデータはデバイス間データ通信で用いられるトランスポートチャネルのPSCHにマッピングされてもよい。これらのマッピングの一部あるいは全てを認識あるいは制御することにより、無線リソース制御部110は、当該データをデバイス間データ通信のデータとみなしてもよい。
なお、複数の上りリンク送信タイミングの状態を管理する必要がある場合、送信データ制御部106は、複数のそれぞれのセル(またはセルグループ、TAグループ)の上りリンク送信タイミングに対応する送信タイミング調整情報を管理する。リソース要求設定情報には、少なくとも最大送信カウンタ設定情報と無線リソース要求禁止タイマー情報とが含まれている。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のリソース要求設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。
端末装置1で生起した送信データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ、上りリンクトランスポートブロックとも称す)は、無線リソース制御部110(あるいは他の上位レイヤ)より任意のタイミングで送信データ制御部106に入力される。
また、本実施形態において、無線リソース制御部110は、無線リソース制御接続再確立手順において、セル選択部111から取得するセルの選択に関する情報と、送信データ制御部106から取得する送信データの有無あるいはバッファ量に基づいて、無線リソース制御接続再確立手順を継続するか否かを判断する。
次に、図4のフローチャートを用いて、本実施形態における端末装置1による無線リンクの失敗時の接続再確立制御の一例を説明する。
図4において、端末装置1は、接続を再確立するために、セル選択手順に従いセルを選択する(ステップS41)。例えば、D2Dを行っていた端末装置1は、最後にキャンプしたD2Dをサポートするセルの情報(セルの識別子や周波数)を保持し、この保持された情報を用いたセル検索を実行し、セルあるいはセルの周波数における最適なセルを検出できなかった場合は、他の周波数を検索対象に含めて最適なセルの検出を行う。何れの検索においても最適なセルが検出できなかった場合は制限セルを検索する。あるいは、保持された情報を用いたセル検索を実行し、セルあるいはセルの周波数における最適なセルを検出できなかった場合に、当該周波数における制限セルを検出するようにしてもよい。あるいは、D2Dをサポートしないセル(例えばD2D情報を報知情報として報知していない(System Information Block18を報知していない)セル)を適切なセルとみなさないようにしてもよいし、D2Dをサポートしないセルを制限セルや禁止セルとみなしてもよい。このような処理をタイマーT311が満了あるいは停止するまで継続するようにしてもよい。
ステップS42において、ステップS41で最適なセルが見つかったか否かを判断し、最適なセルが見つかった場合はステップS44に遷移し、最適なセルが見つからなかった場合は、処理1を実行する(ステップS43)。
処理1(ステップS43)として、例えば、D2Dを行っている端末装置1は、自装置がD2Dをサポートする周波数の制限セルを選択した場合、無線リソース制御部110が上位レイヤにD2Dができないことを示す情報を通知し、D2Dを行わないようにしてもよいし、制限セルにおいてMode2のデバイス間データ通信をおこなってもよい。あるいは、D2Dを行っている端末装置1が、D2Dをサポートする周波数以外の制限セルを選択した場合に、無線リソース制御部110が上位レイヤにD2Dができないことを示す情報を通知し、D2Dを行わないようにしてもよいし、制限セルにキャンプしつつ、他のD2Dをサポートする周波数においてMode2のデバイス間データ通信をおこなってもよい。適切なセルを選択できなかった端末装置1はアイドル状態に遷移して制限セルにキャンプする。
ステップS44において、端末装置1は、自装置がキャンプした周波数においてD2Dを行うことができるか否かを判断し、D2Dを行うことができないと判断した場合は、ステップS46に遷移し、D2Dを行うことができると判断した場合は、処理2を実行する(ステップS45)。
処理2(ステップS45)として、例えば、端末装置1は、接続再確立要求メッセージを選択したセルにおいて基地局装置2に送信して、接続再確立の残りの手順を行う。ここで、D2Dに関する送信データ(第2の送信データ)や受信データのためのDRBは、接続再確立手順を行う際に一時中断せずに継続するようにしておいてもよい。この場合、端末装置1は、接続再確立手順の実行中において、割り当てられているMode1のリソースをリリースした後であっても、許可されている場合にMode2のD2Dの送受信を行うことができる。
ステップS46において、端末装置1は、後述する処理5を行うか否かの判断を行う。処理5を行う条件としては、(1)一時中断しているDRBに基地局装置2との通常の送受信データのDRBが含まれる、(2)一時中断しているPDCP/RLCエンティティに基地局装置2との間で確立されたPDCP/RLCエンティティが含まれる、(3)選択したセルが報知するシステム情報にD2Dのサービスが提供されている周波数が含まれ、自装置の興味のある(通信を行っていた)D2Dサービスがその周波数に含まれる、(4)選択したセルが第1の実施形態における処理3の通知をサポートしている、などがあり、また、それらの組み合わせであってもよい。処理5を行う条件を満たす場合は、ステップS47に遷移し、処理5を実行し、条件を満たさない場合は、ステップS48に遷移し、処理6を実行する。
処理5(ステップS47)として、例えば、端末装置1は、接続再確立要求メッセージを選択したセルにおいて基地局装置2に送信して、接続再確立の残りの手順を行う。ここで、D2Dに関する送信データ(第2の送信データ)やD2Dに関する受信データのためのDRBを、接続再確立手順を行う際に一時中断せずに継続するようにしていた場合、接続再確立手順が成功した場合に当該DRBを一時中断または解放(Release)するようにしてもよい。また、処理5として第1の実施形態における図3のステップS36を実行するようにしてもよい。
処理6(ステップS48)として、例えば、端末装置1は、タイマーT311を停止し、接続再確立手順を中止し、アイドル状態に移行する。
このように構成することによって、例えば、端末装置1は、セル選択時にD2Dを考慮することにより適切なセルを選択することが可能となる。また、接続再確立手順においてD2Dに関するベアラの制御を行うことにより、効率的な接続再確立が可能となる。また、接続再確立したセルにおいて、必要に応じてD2Dに関する情報を基地局装置2に通知することができる。また、必要に応じて、不要な接続再確立を中止することができる。
第2の実施形態によれば、端末装置1が無線リソース制御接続再確立の際に、D2Dの周波数を考慮したセル選択および/または選択したセルにおけるD2Dの可否状況と自装置のD2Dの状態に基づいた処理を行うことにより、デバイス間通信を行う際の接続制御を効率的に行うことができる。
上記各実施形態において、基地局装置2は、D2Dを行っている端末装置1による無線リソース制御接続再設立時のセル選択を効率的に行わせるために、端末装置1から通知されたD2Dの興味(送受信)に関する情報あるいは端末能力情報に基づき、端末装置1に無線リソース制御メッセージとして通知し設定する測定設定の測定対象に当該端末装置1がD2Dを行うことができる周波数を含めるようにしてもよい。
上記各実施形態において、基地局装置2の機能は他の装置が実装してもよい。例えば、デバイス間データ通信の親機となる端末装置1が実装してもよいし、基地局装置2のカバレッジ外の第1の端末装置1に対して情報を提供する第2の端末装置1が実装してもよい。
また、上記各実施形態において、デバイス間データ通信の無線リソース要求時の基地局装置2への接続制御について説明したが、これに限らず、ProSe Didcoveryの無線リソース要求に適用してもよい。
なお、以上説明した実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な変形例、置換例を用いて実現することができる。例えば、上りリンク送信方式は、FDD(周波数分割復信)方式とTDD(時分割復信)方式のどちらの通信システムに対しても適用可能である。また、実施形態で示される各パラメータや各イベントの名称は、説明の便宜上呼称しているものであって、実際に適用される名称と本発明の実施形態の名称とが異なっていても、本発明の実施形態において主張する発明の趣旨に影響するものではない。
また、各実施形態で用いた「接続」とは、ある装置と別のある装置とを、物理的な回線を用いて直接接続される構成にだけ限定されるわけではなく、論理的に接続される構成や、無線技術を用いて無線接続される構成を含む。
また、端末装置1とは、可搬型あるいは可動型の移動局装置のみならず、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器や測定機器、車載装置、さらに身に着けることが可能なウェアラブル機器やヘルスケア機器などに対し通信機能を搭載したものを含む。また、端末装置1は、人対人または人対機器の通信だけではなく、機器対機器の通信(Machine Type Communication、マシンタイプ通信)にも用いられる。
端末装置1は、ユーザ端末、移動局装置、通信端末、移動機、端末、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)とも称される。基地局装置2は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(NodeB)、eNB(evolved NodeB)、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)とも称される。
なお、基地局装置2は、3GPPが規定するUMTSにおいてNBと称され、EUTRAおよびAdvanced EUTRAにおいてeNBと称される。なお、3GPPが規定するUMTS、EUTRAおよびAdvanced EUTRAにおける端末装置1はUEと称される。
また、説明の便宜上、機能的なブロック図を用いて、端末装置1および基地局装置2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するための方法、手段、またはアルゴリズムのステップについて具体的に組み合わせて記載したが、これらは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、または、これらを組み合わせたものによって、直接的に具体化され得る。
もしハードウェアによって実装されるのであれば、端末装置1および基地局装置2は説明したブロック図の構成以外に端末装置1および基地局装置2へ電力を供給する給電装置やバッテリー、液晶などのディスプレイ装置及びディスプレイ駆動装置、メモリ、入出力インターフェース及び入出力端子、スピーカー、その他の周辺装置によって構成される。
もしソフトウェアによって実装されるのであれば、その機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の一つ以上の命令またはコードとして保持され、または伝達され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所への持ち運びを助ける媒体を含むコミュニケーションメディアやコンピュータ記録メディアの両方を含む。
そして、一つ以上の命令またはコードをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された一つ以上の命令またはコードをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより端末装置1や基地局装置2の制御を行なっても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
本発明の各実施形態に記載の動作をプログラムで実現してもよい。本発明の各実施形態に関わる端末装置1および基地局装置2で動作するプログラムは、本発明の各実施形態に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
また、プログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の各実施形態の機能が実現される場合もある。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、半導体媒体(例えば、RAM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるディスクユニット等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上記各実施形態に用いた端末装置1および基地局装置2の各機能ブロック、または諸特徴は、本明細書で述べられた機能を実行するように設計された汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向けの集積回路(ASIC)あるいは一般用途向けの任意の集積回路(IC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものによって、実装または実行され得る。
汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。汎用用途プロセッサ、または上述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。
プロセッサはまた、コンピューティングデバイスを組み合わせたものとして実装されても良い。例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他のそのような構成を組み合わせたものである。
以上、この発明の実施形態について具体例に基づいて詳述してきたが、本発明の各実施形態の趣旨ならびに特許請求の範囲は、これらの具体例に限定されないことは明らかであり、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。すなわち、本明細書の記載は例示説明を目的としたものであり、本発明の各実施形態に対して何ら制限を加えるものではない。
また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も本発明の技術的範囲に含まれる。
〔まとめ〕
(1)以上のように、本発明では、上記の目的を達成するために以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の実施形態における端末装置は、基地局装置とのデータ通信と、基地局装置により設定される無線リソースを用いて端末装置間の直接データ通信であるデバイス間データ通信とを行う端末装置であって、基地局装置への無線リソース制御接続再確立時に、少なくとも基地局装置のセルにおけるデバイス間データ通信の可否状況と、端末装置におけるデバイス間データ通信のデータの有無とに基づいて、基地局装置へ通知するデバイス間データ通信に関する情報を選択して通知する。
(2)また、本発明の実施形態における端末装置は、基地局装置とのデータ通信と、基地局装置により設定される無線リソースを用いて端末装置間の直接データ通信であるデバイス間データ通信とを行う端末装置であって、基地局装置への無線リソース制御接続再確立時に、少なくとも基地局装置のセルにおけるデバイス間データ通信の可否状況に基づいて、デバイス間データ通信のデータ無線ベアラの継続あるいは一時中断あるいは解放の制御を行う。
(3)また、本発明の実施形態における端末装置において、端末装置は、さらに無線リソース制御接続再確立時に、端末装置で一時中断しているデータ無線ベアラに基地局装置との間で確立したデータ無線ベアラが含まれない場合に、リソース制御接続再確立手順を中止する。
(4)また、本発明の実施形態における制御方法は、基地局装置とのデータ通信と、基地局装置により設定される無線リソースを用いて端末装置間の直接データ通信であるデバイス間データ通信とを行う端末装置に適用される制御方法であって、基地局装置への無線リソース制御接続再確立時に、少なくとも基地局装置のセルにおけるデバイス間データ通信の可否状況と、端末装置におけるデバイス間データ通信のデータの有無とに基づいて、基地局装置へ通知するデバイス間データ通信に関する情報を選択して通知するステップを少なくとも含む。
(5)また、本発明の実施形態における制御方法は、基地局装置とのデータ通信と、基地局装置により設定される無線リソースを用いて端末装置間の直接データ通信であるデバイス間データ通信とを行う端末装置に適用される制御方法であって、基地局装置への無線リソース制御接続再確立時に、少なくとも基地局装置のセルにおけるデバイス間データ通信の可否状況に基づいて、デバイス間データ通信のデータ無線ベアラの継続あるいは一時中断あるいは解放の制御を行うステップを少なくとも含む。
(6)また、本発明の実施形態における通知方法において、無線リソース制御接続再確立時に、端末装置で一時中断しているデータ無線ベアラに基地局装置との間で確立したデータ無線ベアラが含まれない場合に、無線リソース制御接続再確立手順を中止するステップをさらに含む。
(7)また、本発明の実施形態における集積回路は、基地局装置とのデータ通信と、基地局装置により設定される無線リソースを用いて端末装置間の直接データ通信であるデバイス間データ通信とを行う端末装置に実装される集積回路であって、基地局装置への無線リソース制御接続再確立時に、少なくとも基地局装置のセルにおけるデバイス間データ通信の可否状況と、端末装置におけるデバイス間データ通信のデータの有無とに基づいて、基地局装置へ通知するデバイス間データ通信に関する情報を選択して通知する機能を端末装置に対して発揮させる。
(8)また、本発明の実施形態における集積回路は、基地局装置とのデータ通信と、基地局装置により設定される無線リソースを用いて端末装置間の直接データ通信であるデバイス間データ通信とを行う端末装置に実装される集積回路であって、基地局装置への無線リソース制御接続再確立時に、少なくとも基地局装置のセルにおけるデバイス間データ通信の可否状況に基づいて、デバイス間データ通信のデータ無線ベアラの継続あるいは一時中断あるいは解放の制御を行う機能を端末装置に対して発揮させる。
(9)また、本発明の実施形態における集積回路において、集積回路は、さらに無線リソース制御接続再確立時に、端末装置で一時中断しているデータ無線ベアラに基地局装置との間で確立したデータ無線ベアラが含まれない場合に、無線リソース制御接続再確立手順を中止する機能を端末装置に対して発揮させる。